JPWO2016152829A1 - 熱媒液 - Google Patents

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章 岸本
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Abstract

流動摩擦抵抗が少なく、伝熱効率も高いという2つの性質を両立させつつ、発泡性の少ない熱媒液を提供する。熱媒液は不凍液を含有する。そして、流動摩擦低減剤として水溶性高分子化合物、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体脂肪酸エステル、スルホン化テトラフルオロエチレン系ポリマー、アミンオキシド化合物、ポリエチレングリコールジカルボン酸エステル、ポリプロピレングリコールジカルボン酸エステル、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ジカルボン酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種以上の化合物が、熱媒液に添加されている。

Description

本発明は、不凍液を含有する熱媒液に関する。
例えば、空調用冷温水では、熱発生体(システム)と熱放出体(システム)とが循環流路を介して接続され、この循環流を通して熱媒液が循環される。このようなシステムでは、冷媒体(熱媒液)である液体(例えば水)を循環させるための配管は、その長さは数km以上になることがあり、その液体搬送動力はかなり大きく、システムのランニングコストの約60%〜70%であるとも言われている。
この液体搬送動力を低減させる有効な方法として、粘弾性を示す高分子や界面活性剤水溶液を含有する熱媒液を用い、流動摩擦抵抗を著しく低減させる方法が提案されている。
これは、循環流路を規定する配管内を流動する液体、例えば水に特定の高分子や、第四級アンモニウム塩とサリチル酸塩の混合物からなる界面活性剤を例えば数10〜数1000ppm溶解させると、高分子、または界面活性剤が分子集合体を形成し、その分子集合体が棒状の形態をなして高次に絡まって粘弾性を示すことに起因するといわれている。ここで述べる粘弾性とは具体的にシュードプラスティック性と言われるもので、剪断力の低い時には高粘度、高い時には低粘度になるような、粘度が一様でない特性を有しているものである。このような特性を示す高分子、または界面活性剤及びこれらを用いた水搬送配管内の摩擦抵抗低減方法は、例えば特許文献1〜4等に開示されている。
特公平3−76360号公報 特公平4−6231号公報 特公平5−47534号公報 特開平8−311431号公報
しかし、このような熱媒液に不凍液が含まれている場合、上記高分子、または界面活性剤が有効に流動摩擦抵抗を低減する役割を果たさないという問題がある。このような不凍液が添加された熱媒液の流動摩擦抵抗の低減や伝熱制御が実現できれば、幅広い用途で省エネが図れるようになるため、流動摩擦抵抗を低減する技術が求められている。
ここで、不凍液とは、水が氷点下でも凍結しないよう水に特定の添加剤が添加されたものであり、添加剤(これ自体を不凍液と呼ぶ場合もある)の代表的なものとしては、エチレングリコールやプロピレングリコール等の極性溶媒がある。これらエチレングリコールやプロピレングリコールを10重量%〜60重量%程度水に混合させたものを熱媒液として用いると、寒冷地等でも凍結することなく使用できる。このような不凍液が添加された熱媒液は、寒冷地の暖房温水や自動車エンジン冷却水(クーラント)で広く利用されている。
また、上記高分子、または界面活性剤を用いて熱媒液の流動摩擦抵抗を低減する場合、流動摩擦抵抗を著しく低減させると同時に伝熱も低減させる特徴を有していることが知られている。これらの伝熱の低下は、循環流路においては無駄な放熱が抑制されたり、熱発生体の外気環境による温度変化を抑制できたり、という効果があるが、一方、熱放出体においては、伝熱低下により、必要な熱放出効率が低下してしまうため、従来と同じ熱放出量を得るために熱放出体の容積を大きくしなければならなくなるといった問題が発生してしまう。
さらに、上記高分子、または界面活性剤を用いて熱媒液の流動摩擦抵抗を低減する場合、熱媒液の発泡性が増し、わずかな気泡であっても、ポンプのキャビテーションの発生につながり、ポンプが空回りして熱媒液が循環できなくなる等の問題が生じやすくなる。
したがって、これらの問題を軽減し、流動摩擦抵抗が少なく、伝熱効率も高いという2つの性質を両立させつつ、発泡性の少ない不凍液を含有する熱媒液を提供することが望まれている。
〔構成1〕
上記目的を達成するための本発明の熱媒液は、
不凍液を含有する熱媒液であって、
流動摩擦低減剤として水溶性高分子化合物、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体脂肪酸エステル、スルホン化テトラフルオロエチレン系ポリマー、アミンオキシド化合物、ポリエチレングリコールジカルボン酸エステル、ポリプロピレングリコールジカルボン酸エステル、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ジカルボン酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種以上の化合物を添加してなることを特徴とする。
〔構成2〕
なお、前記不凍液がエチレングリコールまたはプロピレングリコールであってもよい。
〔構成3〕
また、前記流動摩擦低減剤が水溶性高分子化合物であり、熱媒液が流動摩擦低減剤を100mg/L以上の割合で含有してもよい。「割合」とは、濃度と同義である。
〔構成4〕
前記流動摩擦低減剤がポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体脂肪酸エステルであり、熱媒液が流動摩擦低減剤を1g/L以上の割合で含有してもよい。
〔構成5〕
前記流動摩擦低減剤がスルホン化テトラフルオロエチレン系ポリマーであり、熱媒液が流動摩擦低減剤を10mg/L以上の割合で含有してもよい。
〔構成6〕
前記流動摩擦低減剤がアミンオキシド化合物であり、熱媒液が流動摩擦低減剤を1g/L以上の割合で含有してもよい。
〔構成7〕
前記流動摩擦低減剤がポリエチレングリコールジカルボン酸エステルであり、熱媒液が流動摩擦低減剤を100mg/L以上の割合で含有してもよい。
〔構成8〕
前記流動摩擦低減剤がポリプロピレングリコールジカルボン酸エステルであり、熱媒液が流動摩擦低減剤を10mg/L以上の割合で含有してもよい。
〔構成9〕
前記流動摩擦低減剤がポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ジカルボン酸エステルであり、熱媒液が流動摩擦低減剤を10mg/L以上の割合で含有してもよい。
〔作用効果〕
本発明者らは鋭意研究の結果、流動摩擦低減剤として水溶性高分子化合物、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体脂肪酸エステル、スルホン化テトラフルオロエチレン系ポリマー、アミンオキシド化合物、ポリエチレングリコールジカルボン酸エステル、ポリプロピレングリコールジカルボン酸エステル、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ジカルボン酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種以上の化合物を添加することにより、不凍液が共存するにもかかわらず熱媒液の流動摩擦抵抗を低減することを実験的に明らかにした。本発明はこの新知見に基づきなされたものである。
なお、本発明にいう「水溶性高分子化合物」とは、分子量10,000〜5,000,000程度で水溶性の化合物類をいう。
すなわち、これらの流動摩擦低減剤を用いた場合、流動摩擦抵抗が少なく、伝熱効率も高いという2つの性質を両立させることができ、しかも、発泡性の少ない熱媒液を提供することができた。
ここで、水溶性高分子化合物としては、マンノース、ガラクトース、グルコース、グルクロン酸等の糖類をベースとしているものであれば良い。好ましい例として、キサンタンガム、サクシノグリカン、ローカストビーンガム、グァーガム、カラギーナン、ペクチン、ジェラガム、ダイユータンガム、デンプン、デキルトリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが例示される。
また、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体脂肪酸エステルとしては、エチレングリコールおよびプロピレングリコールの分子ユニットが、それぞれ1〜100であるものが好適に用いられるものとして例示できる。さらには、水性液体への溶解性の良さから1〜50がより好ましいものとして例示される。また、分子に置換される脂肪酸エステル基も特に限定されるものでなく、炭素数1〜22の脂肪酸基がよい。
さらには、工業的に入手しやすい点を考慮すると、水素基または炭素数10〜18のアルキル基が好ましい。また、アルキル基は、直鎖状のものでも分岐構造を持つもの、さらには二重結合を持つアルケニル基でも良い。
特に好ましい例として、エチレングリコールおよびプロピレングリコールの分子ユニットの合計が2〜200である、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ステアリン酸エステル、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ラウリル酸エステル、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ジステアリン酸エステル、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ジラウリン酸エステルなどがある。
また、スルホン化テトラフルオロエチレン系ポリマーとしては、例えば商品名:ナフィオンが例示される。
また、アミンオキシド化合物としては、窒素原子に結合する3つの置換基として炭素数1〜24のアルキル基またはアルケニル基であるものが例示される。このうち水性液体へ溶解しやすい炭素数1から18のアルキル基が置換したものが好ましい形態として例示される。例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド、セチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ラウリルジヒドロキシメチルアミンオキシド、セチルジヒドロキシメチルアミンオキシド、ステアリルジヒドロキシメチルアミンオキシド、ラウリルジヒドロキシエチルアミンオキシド、セチルジヒドロキシエチルアミンオキシド、ステアリルジヒドロキシエチルアミンオキシド等が例示される。
ポリエチレングリコールジカルボン酸エステルとしては、エチレングリコールの分子ユニットが1〜100であるものが好適に用いられる。ポリプロピレングリコールジカルボン酸エステルとしては、ブロピレングリコールの分子ユニットが1〜50であるものが好適に用いられる。ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ジカルボン酸エステルの場合、エチレングリコールの分子ユニットとプロピレングリコールの分子ユニットの合計が2〜50であるものが好適に用いられる。
分子に置換されるジカルボン酸エステル基は、特に限定されるものでなく、炭素数2〜6のジカルボン酸基がよい。工業的に入手しやすい点を考慮すると、水素基または炭素数2〜4のジカルボン酸が好ましい。またアルキル基は、直鎖状のものでもよいし、分岐構造を持つものでもよい。さらには二重結合を持つアルケニル基でもよい。
水性液体への溶解性の良さを考慮すると、ポリエチレングリコールジカルボン酸エステルであって、エチレングリコールの分子ユニットが1〜50であるものがより好ましい。
好ましい例として、エチレングリコールの分子ユニットが1〜50である、ポリエチレングリコールシュウ酸エステル、ポリエチレングリコールマロン酸エステル、ポリエチレングリコールコハク酸エステル、あるいはポリエチレングリコールグルタル酸エステルが挙げられる。
不凍液としては、エチレングリコールが好適に用いられ、上記流動摩擦低減剤による流動摩擦抵抗の低減、伝熱効率の向上いずれの効果も十分高いことが実験的に明らかになっており、エチレングリコールと類似の構造及び分子量を備えたプロピレングリコールであっても同様に流動摩擦抵抗の低減、伝熱効率の向上効果が期待されることは明らかである。
また、後述の実施例より、以下のことが分かっている。水溶性高分子化合物は、熱媒液中に100mg/L以上の割合で含有されていることが好ましい。ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体脂肪酸エステルは、熱媒液中に1g/L以上の割合で含有されていることが好ましい。スルホン化テトラフルオロエチレン系ポリマーは、熱媒液中に10mg/L以上の割合で含有されていることが好ましい。アミンオキシド化合物は、熱媒液中に1g/L以上の割合で含有されていることが好ましい。
ポリエチレングリコールジカルボン酸エステルは、熱媒液中に100mg/L以上の割合で含有されていることが好ましい。ポリプロピレングリコールジカルボン酸エステルは、熱媒液中に10mg/L以上の割合で含有されていることが好ましい。ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ジカルボン酸エステルは、熱媒液中に10mg/L以上の割合で含有されていることが好ましい。
なお、本発明の熱媒液は、不凍液および流動摩擦低減剤以外に種々の添加剤を含んでいてもよい。たとえば、腐食性を防止する薬剤や発泡性を防止する薬剤、粘度を調節する薬剤が添加されていても良い。腐食性防止薬剤としては、亜硝酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、クロム酸塩などがある。また、発泡性を防止する薬剤としては、シリコンやシリコン系アルコール等のケイ素系化合物、塩化ナトリウムや塩化リチウム等の無機塩などがある。粘度を調節する薬剤としては、非イオン系ポリマー、非イオン系界面活性剤、セルロース誘導体等がある。
したがって、流動摩擦抵抗が少なく、伝熱効率も高いという2つの性質を両立させつつ、発泡性の少ない熱媒液を提供することができ、空調用冷温水器等の熱媒液として幅広い用途で省エネが図れるようになる。
実施例1の圧力損失率(a)および温度上昇率(b)を示すグラフ 実施例2の圧力損失率(a)および温度上昇率(b)を示すグラフ 実施例3の圧力損失率(a)および温度上昇率(b)を示すグラフ 実施例4の圧力損失率(a)および温度上昇率(b)を示すグラフ 実施例5の圧力損失率(a)および温度上昇率(b)を示すグラフ 実施例6の圧力損失率(a)および温度上昇率(b)を示すグラフ 実施例7の圧力損失率(a)および温度上昇率(b)を示すグラフ 実施例8の圧力損失率(a)および温度上昇率(b)を示すグラフ 比較例の圧力損失率(a)および温度上昇率(b)を示すグラフ
以下に、本発明の実施形態にかかる熱媒液を説明する。尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
本発明の実施形態にかかる熱媒液は、不凍液を含有するとともに、
流動摩擦低減剤として水溶性高分子化合物、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体脂肪酸エステル、スルホン化テトラフルオロエチレン系ポリマー、アミンオキシド化合物、ポリエチレングリコールジカルボン酸エステル、ポリプロピレングリコールジカルボン酸エステル、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ジカルボン酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種以上の化合物を添加してなる水性液体である。
ここで、不凍液は、エチレングリコールまたはプロピレングリコールを用いることができる。
ここで、水溶性高分子化合物としては、マンノース、ガラクトース、グルコース、グルクロン酸等の多糖類をベースとしているものであれば良い。好ましい例として、キサンタンガム、サクシノグリカン、ローカストビーンガム、グァーガム、カラギーナン、ペクチン、ジェラガム、ダイユータンガム、デンプン、デキルトリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを用いることができる。
また、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体脂肪酸エステルとしては、エチレングリコールおよびプロピレングリコールの分子ユニットが、それぞれ1〜100であるものが好適に用いられるものが用いられる。さらには、水性液体への溶解性の良さから1〜50がより好ましいものとして例示される。また、分子に置換される脂肪酸エステル基も特に限定されるものでなく、炭素数1〜22の脂肪酸基がよい。さらには、工業的に入手しやすい点を考慮すると、水素基または炭素数10〜18のアルキル基が好ましい。また、アルキル基は、直鎖状のものでも分岐構造を持つもの、さらには二重結合を持つアルケニル基でも良い。
特に好ましい例として、エチレングリコールおよびプロピレングリコールの分子ユニットの合計が2〜200である、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ステアリン酸エステル、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ラウリル酸エステル、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ジステアリン酸エステル、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ジラウリン酸エステルなどを用いることができる。
また、スルホン化テトラフルオロエチレン系ポリマーとしては、例えば商品名:ナフィオンを用いることができる。
また、アミンオキシド化合物としては、窒素原子に結合する3つの置換基として炭素数1〜24のアルキル基またはアルケニル基であるものを用いることができる。このうち水性液体へ溶解しやすい炭素数1から18のアルキル基が置換したものが好ましい。例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド、セチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ラウリルジヒドロキシメチルアミンオキシド、セチルジヒドロキシメチルアミンオキシド、ステアリルジヒドロキシメチルアミンオキシド、ラウリルジヒドロキシエチルアミンオキシド、セチルジヒドロキシエチルアミンオキシド、ステアリルジヒドロキシエチルアミンオキシド等をもちいることができる。
ポリエチレングリコールジカルボン酸エステルとしては、エチレングリコールの分子ユニットが1〜100であるものが好適に用いられる。ポリプロピレングリコールジカルボン酸エステルとしては、ブロピレングリコールの分子ユニットが1〜50であるものが好適に用いられる。ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ジカルボン酸エステルの場合、エチレングリコールの分子ユニットとプロピレングリコールの分子ユニットの合計が2〜50であるものが好適に用いられる。
分子に置換されるジカルボン酸エステル基は、特に限定されるものでなく、炭素数2〜6のジカルボン酸基がよい。工業的に入手しやすい点を考慮すると、水素基または炭素数2〜4のジカルボン酸が好ましい。またアルキル基は、直鎖状のものでもよいし、分岐構造を持つものでもよい。さらには二重結合を持つアルケニル基でもよい。
水性液体への溶解性の良さを考慮すると、ポリエチレングリコールジカルボン酸エステルであって、エチレングリコールの分子ユニットが1〜50であるものがより好ましい。
好ましい例として、エチレングリコールの分子ユニットが1〜50である、ポリエチレングリコールシュウ酸エステル、ポリエチレングリコールマロン酸エステル、ポリエチレングリコールコハク酸エステル、あるいはポリエチレングリコールグルタル酸エステルが挙げられる。
熱媒液の溶媒は、水を基準とするが、腐食性を防止する薬剤や発泡性を防止する薬剤、粘度を調節する薬剤が添加されていても良い。腐食性防止薬剤としては、亜硝酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、クロム酸塩などがある。また、発泡性を防止する薬剤としては、シリコンやシリコン系アルコール等のケイ素系化合物、塩化ナトリウムや塩化リチウム等の無機塩などがある。粘度を調節する薬剤としては、非イオン系ポリマー、非イオン系界面活性剤、セルロース誘導体等を用いることができる。
なお熱媒液に混合する流動摩擦低減剤としての化合物の濃度は、濁りや析出の発生を抑制する観点から、500g/L以下であることが好ましい。100g/L以下であるとより好ましく、30g/L以下であるとさらに好ましい。20g/L以下であるとさらに好ましい。後述する試験の結果を考慮すると、流動摩擦低減剤としての化合物の濃度は、10mg/L以上30g/L以下であるのが好ましい。10mg/L以上20g/L以下であるとさらに好ましい。
<流動摩擦抵抗低減効果および伝熱抑制効果試験>(試験条件)
本発明の熱媒液の効果を確認するために、模擬循環ラインを用いて次の通りの実験を行った。模擬循環ラインは、配管サイズ15Aのステンレス配管5mと片渦巻式ポンプ(イワキポンプ社製)、電磁流量計(キーエンス社製)で構成される密閉系循環ラインを用いた。片渦巻式ポンプにはインバーターが設置されており、回転数を変化できるようにした。ステンレス配管5mにおいては、直線配管部を2m設け、当該直線配管部分の外周をテープヒーターで一様に加熱できるようにした。また、当該直線配管部分の上流部および下流部にそれぞれ圧力計測部と温度計測部を設け、直線配管部分の上流部と下流部の圧力差を計測可能とした。また、直線配管部の上流部と下流部の温度計測部には白金測温抵抗体を設置し、配管内を通流する熱媒液の温度を計測可能とした。
(基準熱媒)
まず、基準となる熱媒液として、エチレングリコールと水を体積比1:1に調整したもの(以下、基準熱媒と呼ぶ。)を用いた。これは寒冷地の暖房温水や自動車エンジン冷却水として一般的に使用されている組成と同じである。基準熱媒を模擬循環ラインに充填し、流量が50L/分になるようインバーターでポンプの回転数を調整した。循環は熱媒液温度が室温(20℃)から開始し、テープヒーターにより約1kWの熱量にて常時加熱した。直線配管部の上流温度が、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃になった時点で、前述の圧力損失および温度上昇量を計測し、それぞれの値をP0、T0とした。
(実施例1)
基準熱媒にキサンタンガム(三晶株式会社製、水溶性高分子化合物の一種)を試験濃度になるよう添加した試験用熱媒液を作成した。その試験用熱媒液について、上述の基準熱媒と同じ手順で圧力損失Pおよび温度上昇量Tを計測した。試験濃度は、10mg/L、100mg/L、1g/L、10g/L、100g/Lの5種である。結果を図1に示す。図1において、それぞれの直線配管部の下流側圧力Pおよび下流側温度Tにおいて、基準熱媒の下流側圧力P0、下流側温度T0との比(=P/P0、T/T0)を、圧力損失率、温度上昇率として求め、百分率で示したものである。
(実施例2)
基準熱媒にポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ステアリン酸エステル(日光ケミカルズ株式会社製)を試験濃度になるよう添加した試験用熱媒液を作成した。その試験用熱媒液について、上述の基準熱媒と同じ手順で圧力損失Pおよび温度上昇量Tを計測した。結果を図2に示す。
(実施例3)
基準熱媒にスルホン化テトラフルオロエチレン系ポリマー(和光純薬、製品名:ナフィオン20)を試験濃度になるよう添加した試験用熱媒液を作成した。その試験用熱媒液について、上述の基準熱媒と同じ手順で圧力損失Pおよび温度上昇量Tを計測した。結果を図3に示す。
(実施例4)
基準熱媒にアミンオキシド(株式会社日油、製品名:ユニセーフ A−LE)を試験濃度になるよう添加した試験用熱媒液を作成した。その試験用熱媒液について、上述の基準熱媒と同じ手順で圧力損失Pおよび温度上昇量Tを計測した。結果を図4に示す。
(実施例5)
基準となる熱媒液として、エチレングリコールの代わりに実際の液冷式内燃機関用冷却液(ロングライフクーラント、株式会社コスモトレードアンドサービス社)を用い、当該液冷式内燃機関用冷却液と水を体積比1:1に調整したもの(以下、実冷却液基準熱媒と呼ぶ。)を用いた。液冷式内燃機関用冷却液の製品安全データーシート(MSDS)によると、液冷式内燃機関用冷却液の成分と含有量(以下、成分名(含有量の重量%)の形式で示す。)は、エチレングリコール(90〜94重量%)、防錆剤(3〜5重量%)、水(3〜5重量%)、消泡剤(微量)、色素(微量)である。当該実例冷却液基準熱媒にサクシノグリカン(三晶株式会社製、水溶性高分子化合物の一種)を試験濃度になるよう添加した試験用熱媒液を作成した。その試験用熱媒液について、上述の基準熱媒と同じ手順で圧力損失Pおよび温度上昇量Tを計測した。結果を図5に示す。
(実施例6)
基準熱媒に、エチレングリコールの分子ユニットが20のポリエチレングリコールコハク酸エステル(株式会社日油製)を試験濃度になるよう添加した試験用熱媒液を作成した。その試験用熱媒液について、上述の基準熱媒と同じ手順で圧力損失Pおよび温度上昇量Tを計測した。結果を図6に示す。
(実施例7)
基準熱媒に、プロピレングリコールの分子ユニットが15のポリプロピレングリコールコハク酸エステル(株式会社日油製)を試験濃度になるよう添加した試験用熱媒液を作成した。その試験用熱媒液について、上述の基準熱媒と同じ手順で圧力損失Pおよび温度上昇量Tを計測した。結果を図7に示す。
(実施例8)
基準熱媒に、エチレングリコールおよびプロピレングリコールの分子ユニットがそれぞれ10であるポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体コハク酸エステル(株式会社日油製)を試験濃度になるよう添加した試験用熱媒液を作成した。その試験用熱媒液について、上述の基準熱媒と同じ手順で圧力損失Pおよび温度上昇量Tを計測した。結果を図8に示す。
(比較例1)
基準熱媒にセチルトリメチルアンモニウムクロライドとサリチル酸ナトリウムを等モル比で試験濃度になるよう添加した試験用熱媒液を作成した。その試験用熱媒液について、上述の基準熱媒と同じ手順で圧力損失Pおよび温度上昇量Tを計測した。前述のセチルトリメチルアンモニウムクロライドとサリチル酸ナトリウムの混合物は、水だけを熱媒液としたときに搬送配管内の摩擦抵抗低減効果を発現させる材料として公知のものである。結果を図9に示す。
(流動摩擦抵抗低減効果および伝熱抑制効果試験まとめ)
上記実施例および比較例では、直線配管部の上流部と下流部の圧力検出部間における圧力損失が少ないほど流動抵抗低減効果を有していることを示す。また、配管の外部からヒーターで熱媒液を加熱しているので、直線配管部の上流部の熱媒液温度より下流部の熱媒液温度が高くなるが、その下流部の温度上昇量を比較することにより、伝熱特性が高いものと評価することができる。
その結果、実施例1〜8では、比較例に比べて、60℃以下の熱媒液使用環境下で、基準熱媒に比較して流動摩擦抵抗低減効果および伝熱抑制効果が表れていることがわかる。
すなわち、実施例1〜8のいずれにおいても、温度が低いほど圧力損失率、温度上昇率の低下が観察される傾向を示した。これより、実施例1〜8のいずれにおいても温度が低いと、流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果が発現しやすくなると言える。
また、実施例1〜8のいずれにおいても添加剤の濃度が高くなるにつれ、各温度において、圧力損失率、温度上昇率の低下の値も小さくなることが分かった。これより、実施例1〜8のいずれにおいても添加剤の濃度が大きくなると、流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果が高い温度域でも発現しやすくなると言える。
一方、比較例1は、いずれの温度においても圧損低減率および温度上昇率が低下しない。つまり、圧損低減効果も伝熱抑制効果もどちらも発現しないことが分かった。比較例1で用いたセチルトリメチルアンモニウムクロライドとサリチル酸ナトリウムの混合物は、水だけを熱媒液とする場合で圧損低減効果があるとして知られている。しかしそのような材料は、エチレングリコール等の不凍液系では圧損低減効果および伝熱抑制効果が発現しないことを示している。
これらの結果が示すように、実施例1〜8の添加剤において、それらの濃度を調整することにより、所定の温度において、流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果を制御することが可能となることが明らかとなった。
実施例1〜8の添加剤に関して、より好適な濃度の範囲を検討する。60℃以下である熱媒液使用環境のうち、熱媒液が使用されることが多い50℃前後における、圧力損失率および温度上昇率の濃度依存性を、図1〜図8で確認する。
実施例1のキサンタンガム(水溶性高分子)では、図1に示される通り、50℃の圧力損失率および温度上昇率は、濃度10mg/Lでは100%である。つまり、濃度10mg/Lでは流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果は生じていない。一方、濃度100mg/Lでは圧力損失率および温度上昇率が約90%に低下している。つまり濃度100mg/Lでは流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果が生じていると認められる。従って、実施例1の結果より、キサンタンガム(水溶性高分子化合物)は、100mg/L以上の割合で含有していることが好ましいことがわかる。
実施例2のポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ステアリン酸エステルでは、図2に示される通り、50℃の圧力損失率および温度上昇率は、濃度10mg/Lおよび100mg/Lでは100%である。つまり、濃度100mg/L以下では流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果は生じていない。一方、濃度1g/Lでは圧力損失率および温度上昇率が80%以下に低下している。つまり濃度1g/Lでは流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果が生じていると認められる。従って、実施例2の結果より、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ステアリン酸エステル(ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体脂肪酸エステル)は、1g/L以上の割合で含有していることが好ましいことがわかる。
実施例3のスルホン化テトラフルオロエチレン系ポリマーでは、図3に示される通り、50℃の圧力損失率および温度上昇率は、濃度10mg/Lにて約90%である。つまり、濃度10mg/Lで流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果が生じていると認められる。従って実施例3の結果より、スルホン化テトラフルオロエチレン系ポリマーは、10mg/L以上の割合で含有していることが好ましいことがわかる。
実施例4のアミンオキシド化合物では、図4に示される通り、50℃の圧力損失率および温度上昇率は、濃度10mg/Lでは100%である。つまり、濃度10mg/L以下では流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果は生じていない。濃度100mg/Lでは、圧力損失率は100%、温度上昇率は約90%である。つまり、濃度100mg/L以下では伝熱抑制効果は生じていない。一方、濃度1g/Lでは圧力損失率および温度上昇率が90%以下に低下している。つまり濃度1g/Lでは、流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果の両方が生じていると認められる。従って実施例4の結果より、アミンオキシド化合物は、1g/L以上の割合で含有していることが好ましいことがわかる。
実施例5のサクシノグリカン(水溶性高分子化合物の一種)では、図5に示される通り、50℃の圧力損失率および温度上昇率は、濃度10mg/Lでは、圧力損失率は100%、温度上昇率は約90%である。つまり、濃度10mg/L以下では伝熱抑制効果は生じていない。一方、濃度100mg/Lでは圧力損失率および温度上昇率が70%以下に低下している。つまり濃度100mg/Lでは、流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果の両方が生じていると認められる。従って実施例5の結果より、サクシノグリカン(水溶性高分子化合物の一種)は、100mg/L以上の割合で含有していることが好ましいことがわかる。
実施例6のポリエチレングリコールコハク酸エステルでは、図6に示される通り、50℃の圧力損失率および温度上昇率は、濃度10mg/Lでは100%である。つまり、濃度10mg/Lでは流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果は生じていない。一方、濃度100mg/Lでは圧力損失率および温度上昇率が約90%に低下している。つまり濃度100mg/Lでは流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果が生じていると認められる。従って、実施例6の結果より、ポリエチレングリコールコハク酸エステル(ポリエチレングリコールジカルボン酸エステル)は、100mg/L以上の割合で含有していることが好ましいことがわかる。
実施例7のポリプロピレングリコールコハク酸エステルでは、図7に示される通り、50℃の圧力損失率および温度上昇率は、濃度10mg/Lにて約80%である。つまり、濃度10mg/Lで流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果が生じていると認められる。従って実施例7の結果より、ポリプロピレングリコールコハク酸エステル(ポリプロピレングリコールジカルボン酸エステル)は、10mg/L以上の割合で含有していることが好ましいことがわかる。
実施例8のポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体コハク酸エステルでは、図8に示される通り、50℃の圧力損失率および温度上昇率は、濃度10mg/Lにて約80%である。つまり、濃度10mg/Lで流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果が生じていると認められる。従って実施例8の結果より、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体コハク酸エステル(ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ジカルボン酸エステル)は、10mg/L以上の割合で含有していることが好ましいことがわかる。
また、より具体的な実施例5の結果より、熱媒に防錆剤、消泡剤、および色素等が混入されていても流動抵抗低減効果および伝熱抑制効果には影響はないことが分かり、汎用的な液冷式内燃機関用冷却液の組成を変更することなく、汎用的な液冷式内燃機関用冷却液にそのまま添加して使用することができるので使い勝手にも優れていることがわかる。
<発泡性試験>
JIS規格(「不凍液」JIS K 2234:2006)記載の「泡立ち性試験」に準じ評価した。
具体的には、エチレングリコールと水の等量混合液に前記実施例1〜8および比較例で用いた試料を1g/Lになるよう添加したものを試料とし、それぞれの試料50mLを100mL容のメスシリンダーに取り,室温に30分間保った。そしてメスシリンダーを上下に強く100回(約30秒間)振とうした。その後、メスシリンダーを静置し,10秒後,泡の体積を目視によって読み取った。なお、泡の体積を判定するとき,静置10秒後の泡の状態が、メスシリンダー内壁にリング状に残り、中央部に液面が現れている場合は,零と判定するものとした。
Figure 2016152829
結果を表1に示す。実施例1〜8の泡の体積の判定結果は零であり、発泡性(泡立ち性)はないと判断できることがわかった。
本発明の熱媒液は、空調用冷温水器等の熱媒液として幅広い用途で利用することができる。

Claims (9)

  1. 不凍液を含有する熱媒液であって、
    流動摩擦低減剤として水溶性高分子化合物、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体脂肪酸エステル、スルホン化テトラフルオロエチレン系ポリマー、アミンオキシド化合物、ポリエチレングリコールジカルボン酸エステル、ポリプロピレングリコールジカルボン酸エステル、ポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ジカルボン酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種以上の化合物を添加してなる熱媒液。
  2. 前記不凍液がエチレングリコールまたはプロピレングリコールである請求項1に記載の熱媒液。
  3. 前記流動摩擦低減剤が水溶性高分子化合物であり、前記流動摩擦低減剤を100mg/L以上の割合で含有している請求項1または2に記載の熱媒液。
  4. 前記流動摩擦低減剤がポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体脂肪酸エステルであり、前記流動摩擦低減剤を1g/L以上の割合で含有している請求項1または2に記載の熱媒液。
  5. 前記流動摩擦低減剤がスルホン化テトラフルオロエチレン系ポリマーであり、前記流動摩擦低減剤を10mg/L以上の割合で含有している請求項1または2に記載の熱媒液。
  6. 前記流動摩擦低減剤がアミンオキシド化合物であり、前記流動摩擦低減剤を1g/L以上の割合で含有している請求項1または2に記載の熱媒液。
  7. 前記流動摩擦低減剤がポリエチレングリコールジカルボン酸エステルであり、前記流動摩擦低減剤を100mg/L以上の割合で含有している請求項1または2に記載の熱媒液。
  8. 前記流動摩擦低減剤がポリプロピレングリコールジカルボン酸エステルであり、前記流動摩擦低減剤を10mg/L以上の割合で含有している請求項1または2に記載の熱媒液。
  9. 前記流動摩擦低減剤がポリ(エチレングリコール)(プロピレングリコール)共重合体ジカルボン酸エステルであり、前記流動摩擦低減剤を10mg/L以上の割合で含有している請求項1または2に記載の熱媒液。
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