(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。図1は、医療処置具1を示す図である。医療処置具1は、長手軸(中心軸)Cを有する。ここで、長手軸Cに沿う方向の一方側が先端側(図1の矢印C1側)であり、先端側とは反対側が基端側(図1の矢印C2側)である。
図1に示すように、医療処置具1は、長手軸Cに沿って延設される筒状のシース2と、シース2に挿通されるロッド(プローブ)3と、を備える。ロッド3は、シース2の先端から先端側に突出するロッド処置部(プローブ処置部)6を備える。また、シース2の先端部には、ジョー7が回動可能に取付けられている。ジョー7がシース2に対して回動することにより、ジョー7とロッド処置部6との間が開閉する。本実施形態では、ロッド処置部6及びジョー7によってエンドエフェクタ5が形成されている。
医療処置具1は、保持ユニット10と、振動子ユニット20と、を備える。図2は、保持ユニット10の構成を示す図である。図1及び図2に示すように、保持ユニット10は、ハウジング11を備え、ハウジング11は、基端及び先端を有するハウジング本体12を備える。ハウジング本体12は、基端から先端まで長手軸Cに沿って延設されている。また、ハウジング11は、長手軸Cに対して交差する方向(図1及び図2において矢印A1の方向)へ向かってハウジング本体12から延設されるグリップ(固定ハンドル)13を備える。ハウジング11の露出表面(外表面)15は、ハウジング本体12及びグリップ13においてハウジング11の外部に対して露出する。
保持ユニット10では、ハウジング本体12の先端側に回転操作ノブ(回転操作入力部)16が長手軸Cを中心として回転可能に連結されている。シース2及びロッド3は先
端側から回転操作ノブ16の内部及びハウジング本体12の内部に挿入され、保持ユニット10に連結されている。回転操作ノブ16をハウジング11(ハウジング本体12)に対して長手軸Cを中心として回転させることにより、シース2、ロッド3及びジョー7も長手軸Cを中心として回転する。
振動子ユニット20は、振動子ケース21と、振動子ケース21の内部に設けられる振動発生部である超音波振動子(図示しない)と、を備える。超音波振動子は、電力が供給されることにより、超音波振動を発生する。振動子ユニット20は、ハウジング本体12の内部に基端側から挿入され、保持ユニット10に連結されている。そして、ハウジング本体12の内部で、シース2に振動子ケース21が連結され、ロッド3の基端部に超音波振動子が連結されている。これにより、超音波振動子からロッド3に超音波振動を伝達可能となる。また、振動子ユニット20には、ケーブル22の一端が接続されている。ケーブル22の他端は、エネルギー源(図示しない)に接続されている。なお、本実施形態では、振動子ユニット20は保持ユニット10に対して着脱可能であるが、振動子ユニット20が保持ユニット10と一体に設けられ、例えば、超音波振動子がハウジング本体12の内部に設けられてもよい。この場合、ケーブル22の一端は、ハウジング本体12に接続される。
また、保持ユニット10は、グリップ13に対して開閉可能なハンドル(可動ハンドル)17を備える。ハンドルには、ハンドル17をグリップ13に対して閉じる際に操作力が印加される力印加部18が設けられている。力印加部18(ハンドル17)は、長手軸Cを中心としてグリップ13と同一の側に位置している。ハンドル17をグリップ13に対して開く又は閉じることにより、シース2の可動部(図示しない)が長手軸Cに沿って移動し、ジョー7がロッド処置部6に対して開く又は閉じる。なお、本実施形態では、グリップ13よりハンドル17が先端側に位置し、ピストル型の保持ユニット10が形成されている。また、ハンドル17は、長手軸Cに対して略平行に開閉可能である。
ハウジング11には、1つでも良いが、本実施形態では3つの操作ボタン(操作部材)23A〜23Cが取付けられている。操作ボタン23A〜23Cのそれぞれは、ハウジング11の露出表面15においてハウジング11の外部に露出する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)を備える。操作ボタン23A〜23Cのそれぞれでは、操作入力によって操作面(25A〜25Cの対応する1つ)が押圧される。ハウジング11の内部には、操作ボタン23A〜23Cのそれぞれに対応させて操作スイッチ(図示しない)が設けられている。操作ボタン23A〜23Cのそれぞれにおいて操作入力によって操作面(25A〜25Cの対応する1つ)が押圧されることにより、対応する操作スイッチの開閉状態が切替わる。
図示しないエネルギー源は、操作スイッチのそれぞれの開閉状態に基づいて、対応する操作ボタン(23A〜23Cの対応する1つ)で操作入力が行われたか否かを検出する。操作ボタン23Aに操作入力が行われると、例えば、エネルギー源は、超音波振動子に振動を発生させる電力(電気エネルギー)を供給し、超音波振動子で発生した超音波振動がロッド処置部6に伝達されるとともに、高周波エネルギー(高周波電力)をエンドエフェクタ5(ロッド処置部6及びジョー7)に供給する。また、操作ボタン23Bに操作入力が行われると、例えば、エネルギー源は、(凝固モードで)高周波エネルギーをエンドエフェクタ5に供給する。そして、操作ボタン23Cに操作入力が行われると、例えば、エネルギー源は、操作ボタン23Bで操作入力が行われた場合に比べて高いエネルギーレベルで(すなわち、切開モードで)、高周波エネルギーをエンドエフェクタ5に供給する。
図3は、保持ユニットを先端側から視た図である。ここで、長手軸Cに略垂直で(交差し)、かつ、ハウジング本体12からのグリップ13の延設方向(図1乃至図3のそれぞれにおいて矢印A1の方向)に略垂直な(交差する)方向を、ハウジング11の幅方向とする。そして、ハウジング11の幅方向の一方側を第1のハウジング幅方向(図2及び図3のそれぞれにおいて矢印W1側)とし、第1のハウジング幅方向W1とは反対側を第2のハウジング幅方向(図2及び図3のそれぞれにおいて矢印W2側)とする。ここで、ハウジング11において幅方向の中央面である仮想面Sを規定する。ここでは、説明の簡略化のため、仮想面Sは長手軸Cを含み、グリップ13の延設方向に沿っているものとする。図3に示すようにハウジング11の露出表面15は、第1のハウジング幅方向W1を向く第1のハウジング表面31と、第2のハウジング幅方向W2を向く第2のハウジング表面32と、先端側(図1及び図2のそれぞれにおいて矢印C1側)を向く第3のハウジング表面33と、を備える。
操作ボタン23A,23Bのそれぞれの操作面(25A及び25Bの対応する一方)は、グリップ13において、第1のハウジング表面31から第3のハウジング表面33を通って第2のハウジング表面32まで、延設されている。すなわち、操作面25A,25Bのそれぞれは、グリップ13の露出表面15において、第3のハウジング表面33(先端側を向く部位)から第1のハウジング表面31及び第2のハウジング表面32(ハウジング11の幅方向を向く部位)に渡って、基端側へ延設されている。また、ハンドル17の力印加部18は、操作面25A,25Bに比べ、ハウジング本体12から離れて位置している。操作ボタン23A,23Bのぞれぞれでは、操作入力によって、先端側から操作面(25A及び25Bの対応する一方)が押圧されるか、又は、ハウジング11の幅方向に垂直な断面に対して交差する方向から操作面(25A及び25Bの対応する一方)が押圧される。したがって、操作面25A,25Bのそれぞれは、操作入力において、ハウジング11の幅方向から押圧可能である。
操作ボタン23Cの操作面25Cは、グリップ13において、第1のハウジング表面31に延設されている。すなわち、操作面25Cは、ハウジング11の露出表面15において、ハウジング11の幅方向の一方側を向く部位に位置している。操作ボタン23Cでは、操作入力によって、ハウジング11の幅方向に垂直な断面に対して交差する方向から操作面25Cが押圧される。したがって、操作面25Cは、操作入力において、ハウジング11の幅方向から押圧可能である。
図4は、操作面25A及びその近傍(操作面25B及びその近傍)の構成を示す図である。図4は、長手軸Cに略平行、かつ、ハウジング11の幅方向に略平行な断面で示されている。図2乃至図4に示すように、ハウジング11のグリップ13では、第1のハウジング表面31に突起35A1が、第2のハウジング表面32に突起35A2が、段差形成部として設けられている。それぞれの突起35A1,35A2では、先端側(操作ボタン25Aに近い側)を向く状態で、段差(37A1及び37A2の対応する一方)が形成されている。本実施形態では、突起35A1(段差37A1)は、第1のハウジング表面31において操作面25Aの近傍に位置し、突起35A2(段差37A2)は、第2のハウジング表面32において操作面25Aの近傍に位置している。また、突起(段差形成部)35A1,35A2及び段差37A1,37A2は、操作面25Aより基端側に位置している。本実施形態では、第1のハウジング表面31において操作面25Aの外縁に基端側から隣接する状態で段差37A1(突起35A1)が設けられ、第2のハウジング表面32において操作面25Aの外縁に基端側から隣接する状態で段差37A2(突起35A2)が設けられている。
突起35A1の仮想面Sに対して第1のハウジング幅方向W1に遠位の部位は、段差37A1により、操作面25Aの突起35A1に対して近位の部位に比べて、仮想面Sから第1のハウジング幅方向W1について遠い(高い)位置に位置する。突起35A2の仮想面Sに対して第2のハウジング幅方向W2に遠位の部位は、段差37A2により、操作面25Aの突起35A2に対して近位の部位に比べて、仮想面Sから第2のハウジング幅方向W2について遠い(高い)位置に位置する。すなわち、突起35A1,35A2のそれぞれは、操作面25Aに近い側の部位が操作面25Aから遠い側の部位に比べて低くなる(仮想面Sに近接する)状態に、ハウジング11の幅方向について段差(37A1及び37A2の対応する一方)を形成している。このため、ハウジング11の幅方向についての段差37A1,37A2のそれぞれによって、操作面25Aの外縁において少なくともその段差(37A1及び37A2の対応する一方)に最も近い位置は、その段差(37A1及び37A2の対応する一方)の操作面25Aから遠い側の部位に比べて、低くなる(仮想面Sに近接している)。すなわち、段差37A1,37A2のそれぞれは、操作面25Aの外縁の少なくとも一部を、その段差(37A1及び37A2の対応する一方)の操作面25Aから遠い側の部位に比べて低くする(仮想面Sに近接させる)。
操作面25B及びその近傍においても、第1のハウジング表面31に突起35A1と同様の突起35B1が段差形成部として設けられ、第2のハウジング表面32に突起35A2と同様の突起35B2が段差形成部として設けられている。そして、突起35B1によって段差37A1と同様の段差37B1が形成され、突起35B2によって段差37A2と同様の段差37B2が形成されている。したがって、第1のハウジング表面31において操作面25Bの外縁に基端側から隣接する状態で段差37B1(突起35B1)が設けられ、第2のハウジング表面32において操作面25Bの外縁に基端側から隣接する状態で段差37B2(突起35B2)が設けられている。
突起35B1,35B2のそれぞれも、操作面25Bに近い側の部位が操作面25Bから遠い側の部位に比べて低くなる(仮想面Sに近接する)状態に、ハウジング11の幅方向について段差(37B1及び37B2の対応する一方)を形成している。このため、ハウジング11の幅方向についての段差37B1,37B2のそれぞれによって、操作面25Bの外縁において少なくともその段差(37B1及び37B2の対応する一方)に最も近い位置は、その段差(37B1及び37B2の対応する一方)の操作面25Bから遠い側の部位に比べて、低くなる(仮想面Sに近接している)。すなわち、段差37B1,37B2のそれぞれは、操作面25Bの外縁の少なくとも一部を、その段差(37B1及び37B2の対応する一方)の操作面25Bから遠い側の部位に比べて低くする(仮想面Sに近接させる)。
図5は、操作面25C及びその近傍の構成を示す図である。図5は、長手軸Cに略平行、かつ、ハウジング11の幅方向に略平行な断面で示されている。図2、図3及び図5に示すように、ハウジング11のグリップ13では、第1のハウジング表面31に突起35Cが段差形成部として設けられている。突起35Cでは、先端側(操作ボタン25Cに近い側)を向く状態で、段差37Cが形成されている。本実施形態では、突起35C(段差37C)は、第1のハウジング表面31において操作面25Cの近傍に位置している。また、突起(段差形成部)35C及び段差37Cは、操作面25Cより基端側に位置している。本実施形態では、第1のハウジング表面31において操作面25Cの外縁に基端側から隣接する状態で段差37C(突起35C)が設けられている。
突起35Cの仮想面に対して第1のハウジング幅方向W1に遠位の部位は、段差37Cにより、操作面25Cの突起35Cに対して近位の部位に比べて、仮想面Sから第1のハウジング幅方向W1について遠い(高い)位置に位置する。突起35Cは、操作面25Cに近い側の部位が操作面25Cから遠い側の部位に比べて低くなる(仮想面Sに近接する)状態に、ハウジング11の幅方向について段差37Cを形成している。このため、ハウジング11の幅方向についての段差37Cによって、操作面25Cの外縁において少なくとも段差37Cに最も近い位置は、段差37Cの操作面25Cから遠い側の部位に比べて、低くなる(仮想面Sに近接する)。すなわち、段差37Cは、操作面25Cの外縁の少なくとも一部を、段差37Cの操作面25Cから遠い側の部位に比べて低くする(仮想面Sに近接させる)。
また、本実施形態では、第1のハウジング表面31を通るハウジング本体12の長手軸Cに略平行な基準直線T1上に、操作面25A及び段差37A1が配置されている。また、第2のハウジング表面32を通るハウジング本体12の長手軸Cに略平行な基準直線T2上に、操作面25A及び段差37A2が配置されている。そして、第1のハウジング表面31を通るハウジング本体12の長手軸Cに略平行な基準直線T3上に、操作面25B、段差37B1、操作面25C及び段差37Cが配置されている。基準直線T3は、基準直線T1に比べ長手軸Cから離れた位置を通過する。また、第2のハウジング表面32を通るハウジング本体12の長手軸Cに略平行な基準直線T4上に、操作面25B及び段差37B2が配置されている。基準直線T4は、基準直線T2に比べ長手軸Cから離れた位置を通過する。基準直線T1〜T4は、ハンドル17の力印加部18に比べて、長手軸Cに近い位置を通過する。
また、第1のハウジング表面31を通り、ハウジング本体12の基端とハンドル17の力印加部18とを結ぶ基準直線T5を規定する。操作面25C及び段差37Cは、基準直線T5上に配置されている。
次に、本実施形態の医療処置具1の作用及び効果について説明する。医療処置具1を用いて処置を行う際には、術者は、例えば右手で保持ユニット10を把持する。図6は、保持ユニット10を保持した状態を示す図である。図6に示すように、例えば右手Hで保持ユニット10を保持した状態では、第1のハウジング表面31に位置する親指F1及び第1のハウジング表面31から第2のハウジング表面32に渡って配置される掌Pとの間で、グリップ13を挟持する。そして、第2のハウジング表面32を通って人差指F2、中指F3、薬指F4及び小指F5が延設されている。中指F3、薬指F4及び小指F5は、ハンドル17の力印加部18に引掛けられ、ハンドル17をグリップ13に対して閉じる際には、中指F3、薬指F4及び小指F5によって操作力がハンドル17に印加される。また、操作ボタン23A,23Bのそれぞれでの操作入力においては、人差指F2によって操作面(25A及び25Bの対応する一方)が押圧される。そして、操作ボタン23Cでの操作入力においては、親指F1によって操作面25Cが押圧される。
本実施形態では、ハウジング11の露出表面15において、ハウジング11の幅方向について段差37A1,37A2,37B1,37B2,37Cが形成され、段差37A1,37A2,37B1,37B2,37Cのそれぞれは、対応する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)の近傍に設けられている。そして、段差37A1,37A2,37B1,37B2,37Cのそれぞれによって、対応する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)の外縁の少なくとも一部は、その段差(37A1,37A2,37B1,37B2,37Cの対応する1つ)の対応する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)から遠い側の部位に比べて低くなる(仮想面Sに近接している)。このため、保持ユニット10を保持した際に、段差37A1,37A2,37B1,37B2,37Cのそれぞれによって、対応する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)へ掌P及び指F1〜F5が接触し難くなり、操作面25A〜25Cが誤って押圧されることを有効に防止することができる。掌P及び指F1〜F5が操作面25A〜25Cに誤って接触することが防止されるため、例えば、処置対象の処置が行われていない状態(例えば、体腔において処置対象に向かってエンドエフェクタ5を移動させている状態)においてエンドエフェクタ5にエネルギーが誤って供給されることが防止される。なお、エネルギーを用いて処置を行う際には、術者は、親指F1又は人差指F2で操作面25A〜25Cのいずれか1つを意図的に押圧し、エンドエフェクタ5に処置に用いられるエネルギー(超音波振動及び高周波エネルギー)が供給される。
また、保持ユニット10を保持した状態では、第1のハウジング幅方向(ハウジングの幅方向の一方側)を向く第1のハウジング表面31及び第2のハウジング幅方向(ハウジングの幅方向の他方側)を向く第2のハウジング表面32の少なくとも一方を通って、掌P及び指F1〜F5が延設されている。また、操作面25A〜25Cは、第1のハウジング表面31及び第2のハウジング表面32の少なくとも一方を通って延設されている。このため、ハウジング11の幅方向についての段差37A1,37A2,37B1,37B2,37Cが形成されることにより、段差37A1,37A2,37B1,37B2,37Cのそれぞれによって、掌P及び指F1〜F5が対応する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)に誤って接触することがさらに有効に防止される。
また、本実施形態では、段差37A1,37A2,37B1,37B2,37Cのそれぞれは、対応する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)の外縁において少なくともその段差(37A1,37A2,37B1,37B2,37Cの対応する1つ)に最も近い位置を、その段差(37A1,37A2,37B1,37B2,37Cの対応する1つ)の対応する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)から遠い側の部位に比べて、低くしている(仮想面Sに近接させている)。操作面25A〜25Cのそれぞれの外縁において対応する段差(37A1,37A2,37B1,37B2,37Cの対応する1つ又は2つ)から最も近い位置が、対応する段差(37A1,37A2,37B1,37B2,37Cの対応する1つ又は2つ)のその操作面(25A〜25Cの対応する1つ)から遠い側の部位に比べて低くなる(仮想面Sに近接している)ため、掌P及び指F1〜F5が操作面25A〜25Cに誤って接触することが、さらに有効に防止される。
また、保持ユニット10を保持した状態では、指の付け根が基端側で、かつ、指先が先端側に位置する状態で、指F1〜F5が延設される。すなわち、術者は、基端側から保持ユニット10を保持する。本実施形態では、段差37A1,37A2,37B1,37B2,37Cのそれぞれは、対応する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)の近傍で、かつ、対応する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)の基端側に位置している。このため、段差37A1,37A2,37B1,37B2,37Cによって、掌P及び指F1〜F5が操作面25A〜25Cに誤って接触することが、さらに有効に防止される。
また、保持ユニット10を保持した状態では、グリップ13において第2のハウジング表面32を通って長手軸Cに略平行に人差指F2が延設される。人差指F2は、ハンドル17の力印加部18より長手軸Cに近い位置を通過して延設される。本実施形態では、グリップ13において、第2のハウジング表面32を通るハウジング本体12の長手軸Cに略平行な基準直線T2上に、操作面25A及び段差37A2が配置され、第2のハウジング表面32を通るハウジング本体12の長手軸Cに略平行な基準直線T4上に、操作面25B及び段差37B2が配置されている。このため、段差37A2,37B2のそれぞれによって、長手軸Cに略平行に延設される人差指F2の対応する操作面(25A及び25Bの対応する一方)への接触が、さらに有効に防止される。
また、保持ユニット10を保持した状態では、長手軸Cに略平行に、又は、ハウジング本体12の基端とハンドル17の力印加部18とを結ぶ基準直線T5に略平行に、グリップ13において第1のハウジング表面31を通って、掌P及び親指F1が延設される。この際、親指F1は、ハンドル17の力印加部18より長手軸Cに近い位置を通過して延設される。本実施形態では、グリップ13において、第1のハウジング表面31を通るハウジング本体12の長手軸Cに略平行な基準直線T1上に、操作面25A及び段差37A1が配置され、第1のハウジング表面31を通るハウジング本体12の長手軸Cに略平行な基準直線T3上に、操作面25B、段差37B1、操作面25C及び段差37Cが配置されている。また、ハウジング本体12の基端とハンドル17の力印加部18とを結ぶ基準直線T5上に、操作面25C及び段差37Cが配置されている。このため、段差37A1,37B1のそれぞれによって、長手軸Cに略平行に延設される親指F1の対応する操作面(25A及び25Bの対応する一方)への接触が、さらに有効に防止される。そして、段差37Cによって、長手軸Cに略平行に又は基準直線T5に略平行に延設される掌Pの操作面25Cへの接触が、さらに有効に防止される。
(第1の実施形態の変形例)
なお、第1の実施形態では、段差37A1,37A2,37B1,37B2,37Cのそれぞれは、対応する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)の外縁に基端側から隣接しているが、これに限るものではない。例えば、図7に示す第1の変形例では、突起35A1に形成される段差37A1及び突起35A2に形成される段差37A2が、操作面25Aの外縁から基端側に離れて位置している。ただし、段差37A1,37A2のそれぞれまでの操作面25Aの外縁からの離間距離(D1及びD2の対応する一方)は小さく、段差37A1,37A2は、操作面25Aの近傍に位置している。このため、本変形例でも、段差37A1,37A2によって、掌P及び指F1〜F5が誤って操作面25Aに接触することが防止される。離間距離D1,D2は、手の大きさ、医療処置具1の種類に対応して変化するが、最大でも指先から第1の関節までの長さに対応する2cm程度である。
なお、段差37B1,37B2についても、操作面25Bの近傍に位置していれば、操作面25Bの外縁から基端側に僅かに離間して位置してもよく、段差37Cについても、操作面25Cの近傍に位置していれば、操作面25Cの外縁から基端側に僅かに離間して位置してもよい。
また、第1の実施形態では、段差37A1,37A2,37B1,37B2,37Cのそれぞれは、対応する突起(35A1,35A2,35B1,35B2,35Cの対応する1つ)によって形成されているが、これに限るものではない。例えば、図8に示す第2の変形例では、操作面25Aの外縁の一部を第1のハウジング表面31に対して凹ませる溝部(段差形成部)38A1によって、段差37A1が形成され、操作面25Aの外縁の一部を第2のハウジング表面32に対して凹ませる溝部(段差形成部)38A2によって、段差37A2が形成されている。すなわち、本変形例では、ハウジング11の幅方向について段差37A1,37A2のそれぞれが対応する溝部(38A1及び38A2の対応する一方)によって形成されている。本変形例でも、段差37A1,37A2は、操作面25Aの近傍に設けられ、段差37A1,37A2のそれぞれによって、操作面25Aの外縁の少なくとも一部は、その段差(37A1及び37A2の対応する一方)の操作面25Aから遠い側の部位に比べて低くなる。このため、本変形例でも、段差37A1,37A2によって、掌P及び指F1〜F5が誤って操作面25Aに接触することが防止される。
なお、段差37B1,37B2,37Cのそれぞれが、例えば、溝38A1,38A2と同様の溝によって、形成されてもよい。
また、図9に示す第3の変形例では、段差形成部である突起35A2が、軟性材料によってヒレ状に形成されている。本変形例では、突起35A2は弾性を有し、操作面25Aに近い側(先端側)に屈曲しない状態に付勢されている。突起35A2の操作面25Aに近い側への屈曲が防止されることにより、本変形例でも、第2のハウジング表面32において、操作面25Aの近傍、かつ、操作面25Aの基端側に、段差37A2が形成される。このため、本変形例でも、段差37A2によって、掌P及び指F1〜F5が操作面25Aに誤って接触することが防止される。
そして、操作入力によって人差指F2で操作面25Aを押圧する際には、人差指F2で突起35A2も押圧し、例えば、操作面25Aから遠い側(基端側)へ突起35A2を屈曲させる。突起35A2が基端側に屈曲することにより、術者は、操作面25Aを押圧し易くなり、操作ボタン23Aでの操作入力を行い易くなる。また、操作面25Aを押圧する際に人差指F2が接触する突起35A2は、軟らかい弾性材料から形成されている。このため、術者の人差指(指)F2が突起から大きな反力を受けることはなく、術者は、操作ボタン23Aでの操作入力を行い易くなる。
また、図10に示す第4の変形例でも、段差形成部である突起35A2が軟らかい弾性材料によって形成される。本変形例では、操作入力によって人差指F2で操作面25Aを押圧する際に、人差指F2で突起35A2も押圧することにより、突起35A2が潰される。これにより、第2のハウジング表面32において突起35A2の高さが低くなるため、術者は、操作面25Aを押圧し易くなり、操作ボタン23Aでの操作入力を行い易くなる。本変形例でも、第3の変形例と同様の作用及び効果を奏する。
なお、第3の変形例及び第4の変形例のそれぞれの構成は、突起35A2以外の突起35A1,35B1,35B2,35Cにも、適用可能である。
また、第5の変形例として図11に示すように、段差形成部である突起35A2がグリップ13から取外し可能であってもよい。本変形例では、操作入力によって人差指F2で操作面25Aを押圧する際に、補助者等によってグリップ13から突起35A2が取外される。これにより、術者は、操作面25Aを押圧し易くなり、操作ボタン23Aでの操作入力を行い易くなる。また、突起35A2が取外し可能であることにより、互いに対して高さの異なる複数の種類の突起35A2をグリップ13に取付け可能となる。これにより、術者の手の大きさ等に対応させて複数の種類の中から適切な高さの突起35A2を選択して、選択した突起35A2をグリップ13に取付けて保持ユニット10を術者が保持することが可能となる。
なお、突起35A2以外の突起35A1,35B1,35B2,35Cも、第5の変形例で前述したように、グリップ13から取外し可能であってもよい。
また、図12に示す第6の変形例では、溝部(段差形成部)38Cによって段差37Cが形成され、操作面25Cの外縁の段差37Cから遠い側(先端側)の部位が、第1のハウジング表面31に段差なく連続している。これにより、操作面25Cの段差37Cから遠い側の部位と第1のハウジング表面31との間に連続面が形成される。操作面25Cから第1のハウジング表面31に渡って段差のない連続面が形成されることにより、術者は、操作面25Cを押圧し易くなり、操作ボタン23Cでの操作入力を行い易くなる。ただし、本変形例でも、操作面25Cの外縁の段差37Cに近い側の部位では、段差37Cの操作面25Cから遠い側の部位に比べて低く形成されている。このため、段差37Cによって、掌P及び指F1〜F5が操作面25Cに誤って接触することが防止される。
なお、突起35Cによって段差37Cが形成される場合も、第6の変形例と同様に、操作面25Cの段差37Cから遠い側の部位と第1のハウジング表面31との間に連続面を形成することは、可能である。ただし、第6の変形例のように連続面が形成される構成は、操作面(例えば25C)の先端側(対応する段差(例えば37C)から遠い側)にハウジング11の幅方向を向く第1のハウジング表面31又は第2のハウジング表面32が延設される場合のみ、適用可能である。したがって、操作面25A,25Bについては、先端方向を向く第3のハウジング表面33に設けられ、先端側に第1のハウジング表面31又は第2のハウジング表面32が延設されていないため、第6の変形例で説明した構成は適用不可能である。
また、前述の実施形態等では、グリップ13に操作面25A〜25C及び段差37A1,37A2,37B1,37B2及び37Cが設けられているが、これに限るものではない。例えば、図13に示す第7の変形例では、ハウジング本体12に操作面25C及び段差37C(突起35C)が位置している。本変形例でも、操作面25C及び段差37Cは、ハウジング11の露出表面15において第1のハウジング幅方向(ハウジング11の幅方向の一方側)を向く第1のハウジング表面31に設けられている。そして、段差37Cは、操作面25Cの近傍で、操作面25Cの基端側に位置している。このため、本変形例でも、段差37Cによって、掌P及び指F1〜F5が操作面25Cに誤って接触することが防止される。
また、前述の実施形態等では、操作面25A〜25Cは、操作入力において、ハウジング11の幅方向から押圧可能であるが、これに限るものではない。例えば、図14に示す第8の変形例では、操作面25Cは、操作入力によって、段差37Cの段差方向であるハウジング11の幅方向からは押圧されず、ハウジング11の幅方向とは異なる方向から押圧される。本変形例では、操作ボタン23Cは、露出表面15の第1のハウジング表面31から第1のハウジング幅方向へ向かって突出するボタン突出部41を備える。そして、ボタン突出部41の外表面によって操作面25Cが形成されている。本変形例では、操作入力によって、長手軸Cに対して交差し(略垂直で)、かつ、ハウジング11の幅方向に対して交差する(略垂直な)方向から、操作面25Cが押圧される。
本変形例でも、段差37Cは、操作面25Cの近傍で、かつ、操作面25Cの基端側に設けられる。そして、段差37Cによって、ボタン突出部41の突出端は、段差37Cの操作面25Cから遠い側の部位より低くなる。したがって、本変形例でも、段差37Cは、操作面25Cの外縁の少なくとも一部を、段差37Cの操作面25Cから遠い側の部位に比べて低くしている。このため、本変形例でも、段差37Cによって、掌P及び指F1〜F5が誤って操作面25Cに接触することが防止される。
また、図15に示す第9の変形例では、第1のハウジング表面31において、突起35Cが、操作面25Cの外縁の全周を囲んでいる。これにより、本変形例では、突起35Cの外周面に、先端側を向く部位が形成される。術者が保持ユニット10を保持した状態では、親指F1は、突起35Cの外周面に当接している。このため、ハンドル17をグリップ13に対して開く際に、突起35Cの外周面の先端側を向く部位が、親指F1によって基端側に押圧される。突起35Cの外周面の先端側を向く部位が基端側に押圧されることにより、ハンドル17をグリップ13に対して開く操作力がグリップ13に効率よく伝達され、ハンドル17をグリップ13に対して開く操作が行い易くなる。
なお、本変形例でも、突起35Cによって、操作面25Cの近傍、かつ、操作面25Cの基端側に段差37Cが形成される。
また、前述の実施形態等では、操作面25Cが第1のハウジング表面31に設けられるが、図示しないある変形例では、操作面25Cが第2のハウジング表面32に設けられてもよい。この場合、段差37Cは、第2のハウジング表面32に形成され、操作面25Cの近傍で、かつ、操作面25Cの基端側に位置している。
また、操作面(25A〜25C)の位置及び数については、適宜変更可能である。すなわち、少なくとも1つの操作面(25A〜25C)が、ハウジング11(ハウジング本体12及びグリップ13)の露出表面15に設けられ、対応する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)の近傍で、かつ、対応する操作面(25A〜25C対応する)の基端側に、ハウジング11の幅方向についての段差(37A1,37A2,37B1,37B2,37C)のそれぞれを形成可能であれば、前述の構成を適用可能である。
また、前述の実施形態等では、ハンドル17は、グリップ13より先端側に位置しているが、ハンドル(17)がグリップ(13)より基端側に設けられる医療処置具においても、前述の操作面(25A〜25C)及び段差(37A1,37A2,37B1,37B2,37C)の構成を適用可能である。さらに、ある変形例では、ハンドル(17)の開閉方向がハウジング本体(12)の長手軸(C)に対して略平行でなくてもよい。例えば、長手軸(C)に対して交差し(略垂直で)、かつ、ハウジング(11)の幅方向に対して交差する(略垂直な)方向に、ハンドル(17)が開閉する医療処置具に、前述の操作面(25A〜25C)及び段差(37A1,37A2,37B1,37B2,37C)の構成が適用されてもよい。
第1の実施形態及びその変形例では、医療処置具(1)のハウジング(11)は、基端及び先端を有し、基端から先端まで長手軸(C)に沿って延設されるハウジング本体(12)と、長手軸(C)に対して交差する方向へ向かってハウジング本体(12)から延設されるグリップ(13)と、を備える。ハウジング(11)は、ハウジング本体(12)及びグリップ(13)において外部に対して露出する露出表面(15)を有する。ハウジング(11)には、少なくとも1つの操作部材(23A〜23C)が取付けられ、操作部材(23A〜23C)のそれぞれは、ハウジング(11)の外部に対して露出し、操作入力によって押圧される操作面(25A〜25Cの対応する1つ)を備える。ハウジング(11)の露出表面(15)において操作面(23A〜23C)のそれぞれの近傍には、段差形成部(35A1,35A2,35B1,35B2,35Cの対応する1つ又は2つ;38A1,38A2)が設けられている。段差形成部(35A1,35A2,35B1,35B2,35C;38A1,38A2)のそれぞれは、対応する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)に近い側の部位が対応する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)から遠い側の部位に比べて低くなる状態に、ハウジング(11)の前記幅方向について段差(37A1,37A2,37B1,37B2,37Cの対応する1つ)を形成する。段差(37A1,37A2,37B1,37B2,37C)のそれぞれは、対応する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)の外縁の少なくとも一部を、その段差(37A1,37A2,37B1,37B2,37Cの対応する1つ)の対応する操作面(25A〜25Cの対応する1つ)から遠い側の部位に比べて低くする。
したがって、第1の実施形態及びその変形例の特徴的事項を以下のように付記する。
(付記1)
ハウジング本体(12)と、前記ハウジング本体(12)から延設されるグリップ(13)と、を備え、前記ハウジング本体(12)からの前記グリップ(13)の延出方向(A1)に交差する幅方向(W1,W2)が規定されるとともに、前記幅方向(W1,W2)の中央面である仮想面(S)が規定されるハウジング(11)と、
前記ハウジング(11)の外部に露出する露出表面(15)に設けられる操作面(25A〜25C)を備え、前記操作面(25A〜25C)が操作入力により押圧される操作部材(23A〜23C)と、
前記操作面(25A〜25C)の近傍に設けられ、前記操作面(25A〜25C)に近い側の部位が前記操作面(25A〜25C)から遠い側の部位に比べて前記仮想面(S)に近接する状態に前記ハウジング(11)の前記幅方向(W1,W2)について段差(37A1,37A2,37B1,37B2,37C)を形成し、前記操作面(25A〜25C)の外縁の少なくとも一部を前記段差(37A1,37A2,37B1,37B2,37C)の前記操作面(25A〜25C)から遠い側の前記部位に比べて前記仮想面(S)に近接させる段差形成部(35A1,35A2,35B1,35B2,35C;38A1,38A2)と、
を具備する医療処置具(1)。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図16乃至図18を参照して、説明する。
図16は、本実施形態の医療処置具100を示す図である。図16に示すように、医療処置具100も、第1の実施形態の医療処置具1と同様に、長手軸(中心軸)C´を有する。そして、長手軸C´に沿う方向の一方側が先端側(図16の矢印C´1側)であり、先端側とは反対側が基端側(図16の矢印C´2側)である。本実施形態でも第1の実施形態と同様に、医療処置具100は、シース102、ロッド(プローブ)103及び保持ユニット110を備える。そして、シース102の先端からロッド処置部(プローブ処置部)106が先端側に向かって突出している。ただし、本実施形態では、ジョー(7)が設けられず、ロッド処置部106によってエンドエフェクタ105が形成されている。
図17は、保持ユニット110の構成を示すである。図16及び図17に示すように、保持ユニット110は、ハウジング111を備える。そして、ハウジング111は、先端及び基端を有するハウジング本体112を備え、ハウジング本体112は、長手軸C´に沿って延設されている。また、ハウジング111は、ハウジング本体112(ハウジング111)において外部に露出する露出表面115を備える。ただし、本実施形態では、保持ユニット110に、グリップ(13)、ハンドル(17)及び回転操作ノブ(16)が設けられていない。このため、シース102は、先端側からハウジング本体112の内部に挿入され、ハウジング111に連結される。また、本実施形態では、ハウジング本体112の内部に振動子ユニット(図示しない)が設けられ、ロッド103の基端部は、ハウジング本体112の内部で超音波振動子(図示しない)に連結されている。また、ハウジング本体112の基端部には、ケーブル122の一端が接続され、ケーブル22の他端は、エネルギー源(図示しない)に接続されている。なお、本実施形態の医療処置具100は、鉛筆を保持する際と同様にして術者によって保持ユニット110(ハウジング111)が保持されるペンシル型の医療処置具である。
ここで、長手軸Cに対して略垂直な(交差する)ハウジング111の幅方向を規定し、幅方向の一方側を第1のハウジング幅方向(図17の矢印W´1の方向)とし、幅方向の他方側を第2のハウジング幅方向(図17の矢印W´2の方向)と規定する。また、長手軸Cに略垂直で(交差し)、かつ、ハウジング111の幅方向に略垂直な(交差する)方向の一方側を第1の交差方向(図16の矢印A´1の方向)とし、第1の交差方向とは反対側を第2の交差方向(図16の矢印A´2の方向)とする。図16は、第1のハウジング幅方向から視た図であり、図17は、第1の交差方向(第1の垂直方向)から視た図である。
ハウジング111(ハウジング本体112)の露出表面115において第1の交差方向を向く部位には、第2の交差方向(第2の垂直方向)に向かって凹む溝部(段差形成部)138Cが設けられている。溝部138Cは、露出面としての底面(操作ボタン取付面)115Aを有するとともに、露出表面115は、段差117から先端側C´1へ延設される先端側延設部116Aと、後述する段差137Cから基端側C´2へ延設される基端側延設部116Bと、を有する。底面115Aは、先端側延設部(段差形成部)116Aと基端側延設部(段差形成部)116Bとの間に規定される。溝部138Cの底面115Aに、操作部材である操作ボタン123A〜123Cが取付けられている。本実施形態でも、操作ボタン123A〜123Cのそれぞれは、ハウジング111の露出表面115においてハウジング111の外部に露出する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)を備え、操作ボタン123A〜123Cのそれぞれでは、操作入力によって操作面(125A〜125Cの対応する1つ)が押圧される。
本実施形態でも、ハウジング111の内部には、操作ボタン123A〜123Cのそれぞれに対応させて操作スイッチ(図示しない)が設けられ、エネルギー源は、操作スイッチのそれぞれの開閉状態に基づいて、対応する操作ボタン(123A〜123Cの対応する1つ)で操作入力が行われたか否かを検出する。操作ボタン123Aで操作入力が行われると、例えば、エネルギー源からの電力によって超音波振動子で発生した超音波振動がロッド処置部106に伝達されるとともに、高周波エネルギー(高周波電力)がエンドエフェクタ105に供給される。また、操作ボタン123Bで操作入力が行われると、例えば、エネルギー源は、凝固モードで高周波エネルギーをエンドエフェクタ105に供給し、操作ボタン123Cで操作入力が行われると、例えば、エネルギー源は、高いエネルギーレベルの切開モードで、高周波エネルギーをエンドエフェクタ105に供給する。
本実施形態では、長手軸Cに略平行な基準直線T´1上に操作面125A〜125Cが位置している。基準直線T´1は、溝部138Cを通過する仮想線である。本実施形態では、操作ボタン(第1の操作部材)123Aの操作面(第1の操作面)125Aより基端側に操作ボタン(第2の操作部材)123Bの操作面(第2の操作面)125Bが位置し、操作ボタン123Bの操作面125Bより基端側に操作ボタン(第3の操作部材)123Cの操作面(第3の操作面)125Cが位置している。また、溝部138Cの底面115Aには、第1の交差方向へ向かって突出する突起(段差形成部)135A,135Bが設けられている。突起135Aは、長手軸C´沿う方向について第1の操作面125Aと第2の操作面125Bとの間に位置し、突起135Bは、長手軸C´沿う方向について第2の操作面125Bと第2の操作面125Cとの間に位置している。
突起135Aでは、先端側(操作面125Aに近い側)を向く状態で、段差137Aが形成され、突起135Bでは、先端側(操作面125Bに近い側)を向く状態で、段差137Bが形成されている。また、溝部138Cの基端面には、先端側(操作面125Cに近い側)を向く状態で、段差137Cが形成されている。段差137A〜137Cのそれぞれは、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)の近傍に位置し、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)より基端側に位置している。また、基準直線T´1は、段差137A〜137Cを通過する。なお、段差137A〜137Cのそれぞれは、第1の実施形態と同様に、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)の外縁に基端側から隣接してもよく、第1の実施形態の第1の変形例と同様に、指先から第1の関節の長さに対応する2cm程度以下であれば、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)の外縁から基端側に離間していてもよい。
本実施形態では、突起135A,135B及び溝部138Cのそれぞれは、第1の交差方向及び第2の交差方向について対応する段差(137A〜137Cの対応する1つ)を形成している。すなわち、段差137A〜137Cのそれぞれは、長手軸Cを中心とする径方向について形成されている。長手軸C´を中心とする径方向について段差137A〜137Cのそれぞれの長手軸C´に対して遠位の部位は、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)のその段差(137A〜137Cの対応する1つ)に対して近位の部位に比べて、長手軸C´から径方向について遠い(高い)位置に位置する。すなわち、段差137A〜137Cのそれぞれでは、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)に近い側(先端側)の部位が対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)から遠い側(基端側)の部位に比べて低くなる(長手軸(中心軸)C´に近接する)。そして、第1の交差方向及び第2の交差方向についての段差137A〜137Cのそれぞれによって、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)の外縁において少なくともその段差(137A〜137Cの対応する1つ)に最も近い位置は、その段差(137A〜137Cの対応する1つ)の対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)から遠い側の部位に比べて、低くなる(長手軸(中心軸)C´に近接する)。したがって、本実施形態でも、段差137A〜137Cのそれぞれは、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)の外縁の少なくとも一部を、その段差(137A〜137Cの対応する1つ)の対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)から遠い側の部位に比べて低くする(長手軸(中心軸)C´に近接させる)。
次に、本実施形態の医療処置具100の作用及び効果について説明する。医療処置具100を用いて処置を行う際には、術者は、例えば右手Hで保持ユニット110を把持する。図18は、術者が保持ユニット110を保持した状態を示している。図18に示すように、医療処置具100はペンシル型の医療処置具であるため、鉛筆を保持する際と同様にして保持ユニット110は保持される。例えば右手Hで保持ユニット110を保持した状態では、第1のハウジング幅方向W´1から露出表面115に親指F1を当接させ、第2のハウジング幅方向W´2から中指F3を露出表面115に当接させ、ハウジング111(ハウジング本体112)を保持する。したがって、親指F1は、露出表面115の第1のハウジング幅方向W´1を向く部位を通って延設され、中指F3は、露出表面115の第2のハウジング幅方向W´2を向く部位を通って延設されている。この際、露出表面115の基端部(溝部138Cの基端より基端側)において、第1の交差方向A´1を向く部位から第2のハウジング幅方向W´2を向く部位に渡って掌Pが当接している。また、人差指F2は、露出表面115において第1の交差方向A´1を向く部位を通って延設されている。操作ボタン123A〜123Cのそれぞれでの操作入力においては、人差指F2によって操作面(125A〜125Cの対応する1つ)が押圧される。なお、薬指F4及び小指F5は、ハウジング111より第2のハウジング幅方向側に位置している。
本実施形態では、ハウジング111の露出表面115において、長手軸Cを中心とする径方向について段差137A〜137Cが形成され、段差137A〜137Cのそれぞれは、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)の近傍に設けられている。そして、段差137A〜137Cのそれぞれによって、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)の外縁の少なくとも一部は、その段差(137A〜137Cの対応する1つ)の対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)から遠い側の部位に比べて低くなる(長手軸(中心軸)C´に近接する)。このため、保持ユニット110を保持した際に、段差137A〜137Cのそれぞれによって、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)へ掌P及び指F1〜F5(特に人差指F2)が接触し難くなり、操作面125A〜125Cが誤って押圧されることを有効に防止することができる。すなわち、長手軸Cに略平行な基準直線T´1上に複数の操作面125A〜125Cが並設される構成でも、操作面125A〜125Cが誤って押圧されることが有効に防止される。
また、保持ユニット110を保持した状態では、露出表面115の第1の交差方向を向く部位を通って、人差指F2が延設されている。また、操作面125A〜125Cは、露出表面115の第1の交差方向を向く部位に位置している。このため、第1の交差方向及び第2の交差方向についての段差137A〜137Cが形成されることにより、段差137A〜137Cのそれぞれによって、人差指F2が対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)に誤って接触することがさらに有効に防止される。
また、本実施形態では、段差137A〜137Cのそれぞれは、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)の外縁において少なくともその段差(137A〜137Cの対応する1つ)に最も近い位置を、その段差(137A〜137Cの対応する1つ)の対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)から遠い側の部位に比べて、低くしている(長手軸(中心軸)C´に近接させている)。このため、掌P及び指F1〜F5が操作面125A〜125Cに誤って接触することが、さらに有効に防止される。
また、保持ユニット110を保持した状態では、指の付け根が基端側で、かつ、指先が先端側に位置する状態で、指F1〜F5が延設される。すなわち、術者は、基端側から保持ユニット110を保持する。本実施形態では、段差137A〜137Cのそれぞれは、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)の近傍で、かつ、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)の基端側に位置している。このため、段差137A〜137Cによって、掌P及び指F1〜F5が操作面125A〜125Cに誤って接触することが、さらに有効に防止される。
(第2の実施形態の変形例)
なお、第2の実施形態の第1の変形例として図19に示すように、突起135A,135Bが設けられず、ハウジング111の露出表面115の第1の交差方向A´1を向く部位に、3つの溝部138A〜138Cが設けられ、溝部138A〜138Cのそれぞれは底面(115´A〜115´Cの対応する1つ)を有してもよい。本変形例では、溝部138A〜138Cのそれぞれによって、段差(137A〜137Cの対応する1つ)が形成されている。また、露出表面115は、溝部138Aの先端から先端側C´1へ延設される先端側延設部(段差形成部)116´A1と、溝部138Aの基端から基端側C´2へ延設される基端側延設部(段差形成部)116´A2と、を有する。同様に、露出表面115は、溝部138Bの先端から先端側へ延設される先端側延設部(段差形成部)116´B1、及び、溝部138Bの基端から基端側へ延設される基端側延設部(段差形成部)116´B2を有し、溝部138Cの先端から先端側へ延設される先端側延設部(段差形成部)116´C1、及び、溝部138Cの基端から基端側へ延設される基端側延設部(段差形成部)116´C2を有する。
操作面125A〜125Cのそれぞれは、対応する溝部(138A〜138Cの対応する1つ)の底面(115´A〜115´Cの対応する1つ)に位置している。本変形例でも、段差137A〜137Cのそれぞれは、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)の近傍で、かつ、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)の基端側に位置している。そして、基端側延設部116´A2,116´B2,116´C2のそれぞれ(長手軸C´を中心とする径方向について段差137A〜137Cのそれぞれの長手軸C´に対して遠位の部位)は、対応する段差(137A〜137Cの対応する1つ)により、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)のその基端側延設部(116´A2,116´B2,116´C2の対応する1つ)に対して近位の部位に比べて、長手軸C´から径方向について遠い(高い)位置に位置する。すなわち、段差137A〜137C2のそれぞれによって、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)の外縁の少なくとも一部は、その段差(137A〜137Cの対応する1つ)の対応する操作面(125A〜125C)から遠い側の部位に比べて低くなる(長手軸(中心軸)C´に近接する)。
また、本変形例では、溝部138Aの基端から延設される基端側延設部116´A2と溝部138Bの先端から延設される先端側延設部116´B1とは、段差なく滑らかに連続している。また、溝部138Bの基端から延設される基端側延設部116´B2と溝部138Cの先端から延設される先端側延設部116´C1とは、段差なく滑らかに連続している。先端側延設部116´A1及び基端側延設部116´A2のそれぞれの操作面125Aに対して近位の部位は、長手軸C´を中心とする径方向について、操作面125Aよりも長手軸C´から遠い(高い)位置に位置する。先端側延設部116´B1及び基端側延設部116´B2のそれぞれの操作面125Bから近位の部位も、長手軸C´の径方向について、操作面125Bよりも長手軸C´から遠い(高い)位置に位置する。そして、先端側延設部116´C1及び基端側延設部116´C2のそれぞれの操作面125Cから近位の部位も、長手軸C´を中心とする径方向について、操作面125Cよりも長手軸C´から遠い(高い)位置に位置する。このため、第1の交差方向A´1が鉛直下方向に一致する状態で図示しない平坦な台等に医療処置具100を配置した場合に、露出表面115の第1の交差方向A´1を向く部位において、溝部138A〜138C及び操作面125A〜125Cは、台に接触しない。このため、第1の交差方向A´1が鉛直下方向に一致する状態で台等に医療処置具100を配置しても、操作面125A〜125Cが誤って押圧されることが防止される。この際、露出表面115の第1の交差方向A´1を向く部位は、溝部138A〜138C以外の表面で台に接触する。
また、第1の実施形態の第3の変形例及び第4の変形例で前述したように、突起135A,135Bのそれぞれが弾性材料から形成され、対応する操作面(125A及び125Bの対応する一方)での操作入力において突起135A,135Bのそれぞれは、人差指F2からの押圧によって、屈曲したり、潰れたりしてもよい。また、第1の実施形態の第5の変形例で前述したように、突起135A,135Bが、ハウジング111から取外し可能であってもよい。さらに、第1の実施形態の第6の変形例で前述したように、操作面125A〜125Cのそれぞれの外縁において、対応する段差(137A〜137Cの対応する1つ)から遠い側(先端側)の部位が、露出表面115に段差なく連続していてもよい。
また、操作面(125A〜125C)の位置及び数については、適宜変更可能である。すなわち、少なくとも1つの操作面(125A〜125C)が、ハウジング111(ハウジング本体112)の露出表面115に設けられ、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)の近傍で、かつ、対応する操作面(125A〜125Cの対応する1つ)の基端側に、長手軸C´を中心とする径方向についての段差(137A〜137C)のそれぞれを形成可能であれば、前述の構成を適用可能である。
第2の実施形態及びその変形例では、ペンシル型の医療処置具(100)のハウジング(111)は、基端及び先端を有し、基端から先端まで長手軸(C´)に沿って延設されるハウジング本体(112)を備え、ハウジング(111)は、ハウジング本体(112)において外部に対して露出する露出表面(115)を有する。ハウジング(111)には、第1の操作部材(123A)及び第2の操作部材(123B;123C)が取付けられ、第1の操作部材(123A)は、ハウジング(111)の外部に対して露出し、操作入力によって押圧される第1の操作面(125A)を備える。また、第2の操作部材(123B;123C)は、ハウジング(111)の外部に対して露出し、操作入力によって押圧される第2の操作面(125B;125C)を備える。第1の操作面(125A)及び第2の操作面(125B;125C)は、長手軸(C´)に略平行な基準直線(T´1)上に位置し、第2の操作面(125B;125C)は、第1の操作面(125A)より基端側に位置する。ハウジング(111)の露出表面(115)において第1の操作面(125A)の近傍で、かつ、基準直線(T´1)上の第1の操作面(125A)と第2の操作面(125B;125C)との間には、段差形成部(135A;138A)が、設けられている。段差形成部(135A;138A)は、第1の操作面(125A)に近い側の部位が第1の操作面(125A)から遠い側の部位に比べて低くなる状態に、長手軸(C´)を中心とする径方向について段差(137A)を形成する。段差(137A)は、第1の操作面(125A)の外縁の少なくとも一部を段差(137A)の第1の操作面(125A)から遠い側の部位に比べて低くする。
したがって、第2の実施形態及びその変形例の特徴的事項を以下のように付記する。
(付記2)
中心軸(C´)に沿う方向が幅方向よりも長く、外部に露出する露出表面(115)を有するハウジング(111)と、
前記露出表面(115)に設けられる第1操作面(125A)を備え、前記第1操作面(125A)が操作入力によって押圧される第1の操作部材(123A)と、
前記露出面(115)において前記中心軸に沿う前記方向について前記第1の操作面(125A)と並設される第2操作面(125B;125C)を備え、前記第2操作面(125B;125C)が操作入力によって押圧される第2の操作部材(123B;123C)と、
前記ハウジング(111)の前記露出表面(115)において前記第1の操作面(125A)の近傍で、かつ、前記第1の操作面(125A)と前記第2の操作面(125B;125C)との間に設けられ、前記中心軸(C´)を中心とする径方向について第1の段差(137A)を形成し、前記径方向について前記中心軸(C´)から遠位の部位が、前記第1操作面(125A)の前記第1の段差(137A)から近位の部位よりも前記中心軸(C´)から遠い位置に位置する第1の段差形成部(135A;138A)と、
前記ハウジング(111)の前記露出表面(115)において前記第2の操作面(125B;125C)の近傍で、かつ、前記第2の操作面(125B;125C)よりも基端側に設けられ、前記中心軸(C´)を中心とする前記径方向について第2の段差(137B;137C)を形成し、前記径方向について前記中心軸(C´)から遠位の部位が、前記第2操作面(125B;125C)の前記第2の段差(137B;137C)から近位の部位よりも前記中心軸(C´)から遠い位置に位置する第2の段差形成部(135B;138B;138C)と、
を具備するペンシル型の医療処置具(100)。
(参照例)
次に、図20に示す第1の参照例について説明する。第1の参照例では、第1の実施形態と同様にハウジング11にハウジング本体12及びグリップ13が設けられる医療処置具1において、段差(37A1,37A2,37B1,37B2,37C)が設けられず、代わりにカバー部材42,43が設けられている。本参照例でも、操作ボタン(操作部材)23A〜23Cが設けられ、操作ボタン23A〜23Cのそれぞれは、操作面(25A〜25Cの対応する1つ)を備える。カバー部材42は、回動軸P1を中心として回動可能にハウジング11の露出表面15に取付けられている。カバー部材42は、第1のハウジング幅方向W1を向く第1のハウジング表面31に取付けられている。回動軸P1は、ハウジング11の幅方向(第1のハウジング幅方向W1及び第2のハウジング幅方向W2)に略平行である。
カバー部材42は、第1のハウジング幅方向W1から操作面25A,25Bを覆う位置と操作面25A,25Bから基端側に離れた位置(図20に示す位置)との間で回動可能である。操作入力によって操作面25A,25Bのそれぞれを押圧する際には、術者は、カバー部材42を操作面25A,25Bから基端側に離れた位置まで移動させる。そして、カバー部材42を移動させた後、操作面25A,25Bのそれぞれが押圧される。操作入力が行われていない状態では、第1のハウジング幅方向W1から操作面25A,25Bがカバー部材42によって覆われている。このため、操作面25A,25Bが、掌P及び指F1〜F5が接触し難くなり、操作面25A,25Bが誤って押圧されることを有効に防止することができる。
カバー部材43は、回動軸P2を中心として回動可能にハウジング11の露出表面115に取付けられている。カバー部材42は、第1のハウジング幅方向W1を向く第1のハウジング表面31に取付けられている。回動軸P2は、ハウジング11の幅方向(第1のハウジング幅方向W1及び第2のハウジング幅方向W2)に略平行である。カバー部材43は、第1のハウジング幅方向W1から操作面25Cを覆う位置と操作面25Cを覆わない位置(図20に示す位置)との間で回動可能である。操作入力によって操作面25Cを押圧する際には、術者は、操作面25Cを覆わない位置までカバー部材43移動させる。そして、カバー部材43を移動させた後、操作面25Cが押圧される。操作入力が行われていない状態では、第1のハウジング幅方向W1から操作面25Cがカバー部材43によって覆われている。このため、操作面25Cが、掌P及び指F1〜F5が接触し難くなり、操作面25Cが誤って押圧されることを有効に防止することができる。
なお、図21に示す第2の参照例では、カバー部材43の代わりにカバー部材45が第1のハウジング表面31に取付けられている。カバー部材45は、第1のハウジング表面に略平行な回動軸P3を中心として回動可能である。本参照例でも、カバー部材45は、第1のハウジング幅方向W1から操作面25Cを覆う位置と操作面25Cを覆わない位置(図21に示す位置)との間で回動可能である。このため、本参照例でも、操作入力が行われていない状態では、第1のハウジング幅方向W1から操作面25Cがカバー部材43によって覆われている。
なお、図20及び図21のそれぞれでは、紙面に対して鉛直上方向が第1のハウジング幅方向W1であり、紙面に対して鉛直下方向が第2のハウジング幅方向W2である。
前述の第1の参照例及び第2の参照例のカバー部材(42,43;42,45)構成は、ペンシル型の医療処置具(100)に設けられる操作部材(123A〜123C)の操作面(125A〜125C)にも、適用可能である。
以上、本発明の実施形態等について説明したが、本発明は前述の実施形態等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形ができることは勿論である。
前記目的を達成するため、本発明のある態様の医療処置具は、基端及び先端を有し、前記基端から前記先端まで長手軸に沿って延設されるハウジング本体と、前記長手軸に対して交差する方向へ向かって前記ハウジング本体から延設されるグリップと、を備え、前記ハウジング本体及び前記グリップにおいて外部に対して露出する露出表面を有するハウジングと、前記グリップに対して開閉可能なハンドルと、前記グリップの前記露出表面において先端側を向く部位から前記ハウジングの幅方向を向く部位に渡って延設され、押圧されることにより操作が入力される操作面と、前記グリップの前記露出表面において前記操作面の基端側に設けられ、前記ハウジングの前記幅方向についての段差を前記操作面の前記基端側に形成する突起と、を備える。