JPWO2016136832A1 - 金属板成形品及びそれを用いたノイズ低減ブレーキディスク並びに金属板成形品の製造方法 - Google Patents

金属板成形品及びそれを用いたノイズ低減ブレーキディスク並びに金属板成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

金属板からなる内側部材(31)と、それに外嵌される金属板からなる外側部材(32)とを備え、内側部材(31)と外側部材(32)の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面(30を形成した金属板成形品からなるブレーキディスク(20)であって、ホイールへの取付ボルトが挿通する複数の取付孔(29)を有するハブ部(22)と、ブレーキパッドBPが圧接可能な摺動面(21a)を有する環状の摺動部(21)とを備え、摩擦減衰面(30)を、取付孔(29)を個別に或いは複数個纏めて取り囲むように設け、摩擦減衰面(30)の内外に内側部材(31)と外側部材(32)とを形成した。

Description

本発明は、金属板成形品及びそれを用いたノイズ低減ブレーキディスク並びに金属板成形品の製造方法に関する。
自動二輪車のブレーキディスクとして、ホイールへの取付部と、ブレーキパッドとの摺動部とを有し、1枚物の金属板をプレス成形してなるブレーキディスクや、ブレーキパッドが圧接される摺動部を有する環状の摺動ディスクと、摺動ディスクの内側に装着されるハブディスクと、両ディスクを連結する複数の連結手段とを有する、所謂フローティングブレーキディスクが広く実用化されている(例えば特許文献1、2参照。)。
ところで、自動二輪車用のブレーキディスクにおいては、その設計後に各種性能試験を行って量産しているが、実車にて制動試験を行った結果、ブレーキ鳴きなどのブレーキノイズ(ブレーキジャダー)の発生により設計変更を余儀なくされることもある。ブレーキノイズは商品性を落とすことから、改善を要する非常に重要な課題である。
ブレーキノイズの発生メカニズムはまだ十分には解明されていないが、設計したブレーキディスクにノイズが確認された場合には、ブレーキパッドの素材や形状などの構成を変更したり、ブレーキディスクの模様孔の形状や大きさ、形成位置を変更したり、ブレーキディスクの板厚を変更したりすることで対応している。
一方、金属板のプレス方法として順送りプレスが広く採用されているが、この順送りプレスにおいては、製品の外径形状及び外形寸法を向上するため、素材金属板から一旦、製品を打ち抜いた後、この製品を打ち抜くことで素材金属板に生じた抜き孔に対して、直ちに、製品を嵌め戻し(プッシュバックさせる)、その後素材金属板から製品を抜き取るように構成したものも提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2009−250325号公報 特開2010−14190号公報 特開2005−297009号公報
ところで、ブレーキノイズを防止するため、ブレーキパッドの素材や形状などの構成を変更する場合には、ブレーキディスクの製造メーカとブレーキパッドの製造メーカとが異なると、設計変更に手間取るという問題がある。また、ブレーキディスクの構成を変更する場合においても、ブレーキディスクの模様孔の意匠を変更する場合には、ブレーキディスク全体の意匠が変わってしまうことから、ブレーキディスクの製造メーカと自動二輪車の製造メーカとの調整に手間取るという問題があり、またブレーキディスクの板厚を調整する場合には、ブレーキ装置からの要求から、調整範囲が大幅に制約され、ノイズの発生を解消できないことがあるという問題がある。
いずれにしても、現在のところブレーキノイズを解消し得る有効な方法が開発されておらず、トライアンドエラーで設計変更を行って、ブレーキノイズを改善しているのが実状である。
本発明の目的は、優れた振動減衰機能を有する金属板成形品及びそれを用いたノイズ低減ブレーキディスク並びに金属板成形品の製造方法を提供することである。
本発明者は、ブレーキディスクの製造時に、円形の素材金属板の中央部を打ち抜いて摺動ディスクを製作する工程において、打ち抜いた抜取部材が摺動ディスクに嵌め戻される(プッシュバックされる)という不具合の発生した不良品を、床に誤って落としてしまったときの衝撃音が、素材金属板を床に落とした場合と異なることに着目し、その原因を調べることで、本発明を完成するに至った。
本発明に係る金属板成形品は、金属板からなる内側部材と、それに外嵌される金属板からなる外側部材とを備えた金属板成形品であって、前記内側部材と外側部材の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面を形成したものである。
この金属板成形品では、内側部材と外側部材の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面を形成しているので、金属板成形品の振動時には、この摩擦減衰面において、内側部材と外側部材の金属組織が擦れ合うことで、金属板成形品に作用する振動が減衰される。このため、この金属板成形品により、振動やノイズの発生する製品、例えばブレーキディスク、クラッチディスク、スプロケットや歯車、プーリーなどの動力伝達部材などを構成すると、振動やノイズの発生を効果的に抑制乃至防止することが可能となる。
ここで、前記内側部材及び外側部材として、金属板をプレス成形により打ち抜いてなる内側部材と、前記内側部材を打ち抜いた後の抜き枠からなる外側部材とを備え、前記内側部材を外側部材に嵌め戻すことにより、前記内側部材と外側部材の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面を形成することが好ましい実施の形態である。この場合には、パンチにより金属板を打ち抜いた後、該パンチが初期位置に復帰するときに、内側部材を外側部材に嵌め戻すことができるので、金属板成形品の生産性を向上できるとともに、内側部材を外側部材に対して、周方向や半径方向に位置ズレすることなく、適正な位置に無理なく容易に嵌め戻すことができ、製品間における内側部材と外側部材の嵌合圧のバラツキを少なくできる。
本発明に係るノイズ低減ブレーキディスクは、前記金属板成形品からなるブレーキディスクであって、ホイールへの取付ボルトが挿通する複数の取付孔を有するハブ部と、ブレーキパッドが圧接可能な摺動面を有する環状の摺動部とを備え、前記摩擦減衰面を、前記取付孔を個別に或いは複数個纏めて取り囲むように設け、前記摩擦減衰面の内外に内側部材と外側部材とを形成したものである。
このノイズ低減ブレーキディスクでは、取付孔を個別に或いは複数個纏めて取り囲むように摩擦減衰面を形成しているので、ブレーキパッドと摺動部との圧接により発生する、制動時におけるブレーキディスクの振動が、摺動部からハブ部の取付孔に伝達されるときに、摩擦減衰面において内側部材と外側部材の金属組織が擦れ合うことで減衰され、これによりブレーキノイズの発生が効果的に抑制乃至防止されることになる。
ここで、前記摩擦減衰面を、前記取付孔の全てを取り囲むようにハブ部の外周部に沿って環状に形成することが好ましい実施の形態である。前記摩擦減衰面は、取付孔を個別に取り囲むように形成することも可能であるが、金型構造が複雑になるので、取付孔の全てを取り囲むように、ハブ部の外周部に沿って環状に形成することが好ましい。
前記摩擦減衰面をハブ部の外周部に沿って環状に形成する場合には、前記外側部材の内周縁に周方向に間隔をあけて中央部側へ突出する複数の嵌合凸部を設け、前記内側部材の外周縁に前記嵌合凸部が嵌合する複数の嵌合凹部を設けることも好ましい実施の形態である。この場合には、摩擦減衰面の長さを長くして、摩擦減衰面における内側部材と外側部材との嵌合強度を向上できるとともに、嵌合凸部と嵌合凹部の凹凸嵌合により、外側部材と内側部材の相対回転を受け止めることができるので好ましい。
前記取付孔の全てを取り囲むように、前記摩擦減衰面を環状に形成する場合には、前記内側部材と外側部材とを段差なく連設し、前記ブレーキパッドとの摺動面よりも内側において、前記内側部材と外側部材の一方或いは双方間に連結孔を形成し、該連結孔に、前記内側部材と外側部材とを連結する連結手段を設けることが好ましい。この場合には、摩擦減衰面だけでなく連結手段によっても、内側部材と外側部材とを連結できるので、内側部材と外側部材との連結強度を一層向上できる。
前記連結手段としては、ピン部材又はボルトを設けることができる。また、前記連結孔として、前記内側部材と外側部材間に前記取付孔を形成し、前記取付ボルトにより、前記ブレーキディスクをホイールに締結するとともに、前記内側部材と外側部材を共締めして、前記内側部材と外側部材の厚さ方向への相対移動を規制することも好ましい実施の形態である。この場合には、ブレーキディスクの部品点数を増やすことなく、連結手段を設けることができる。
前記内側部材と外側部材とを段差なく連設し、前記摩擦減衰面を摺動部とハブ部とにわたって設けることが好ましい実施の形態である。このように構成すると、制動力が内側部材と外側部材とに作用することになるので、制動時における両部材の相対回転方向への力を小さくして、摩擦減衰面に対して大きな力が作用することを防止できるので好ましい。
また、連結手段を設けたり、摩擦減衰面を摺動部とハブ部とにわたって設けたりしない場合には、前記内側部材の表面と外側部材の表面間に段差を形成することも好ましい実施の形態である。この場合には、段差無く連設する場合よりも振動減衰機能を向上できるので好ましい。ただし、段差を設ける場合には、摩擦減衰面における内側部材と外側部材間の嵌合強度を十分に確保するため、摩擦減衰面の高さをブレーキディスクの板厚の20%以上に設定し、段差をブレーキディスクの板厚の80%未満に設定することが好ましい。
本発明に係る金属板成形品の第1の製造方法は、金属板からなる内側部材と、それに外嵌される金属板からなる外側部材とを備えた金属板成形品の製造方法であって、前記金属板をプレス成形により打ち抜いて、前記内側部材と外側部材を形成し、前記内側部材を外側部材に嵌め戻して、両者の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面を形成するものである。
この第1の製造方法では、金属板をプレス成形により打ち抜いて、内側部材と外側部材を形成し、その後内側部材の一部又は全部を外側部材に嵌め戻すという、連続的な一連のプレス作業により、生産性を低下させることなく、優れた振動減衰機能を有する金属板成形品を容易に且つ効率的に製作することができる。具体的には、パンチにより金属板を打ち抜いて、該パンチが元の位置に復帰するときに、内側部材を外側部材に嵌め戻すという、連続的な一連のプレス作業を行うことで、生産性を低下させることなく金属板成形品を製作することができる。
本発明に係る金属板成形品の第2の製造方法は、金属板からなる内側部材と、それに外嵌される金属板からなる外側部材とを備えた金属板成形品の製造方法であって、前記内側部材と外側部材を製作し、前記内側部材に外側部材を外嵌して、前記内側部材と外側部材の一方を板厚方向に加圧プレスすることで、両者の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面を形成するものである。
この第2の製造方法では、プレス成形や切削加工などの機械加工により、外側部材と内側部材を製作し、内側部材に外側部材を外嵌して、内側部材と外側部材の一方を板厚方向に加圧プレスして、両者の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面を形成することで、優れた振動減衰機能を有する金属板成形品を容易に且つ効率的に製作することができる。
ここで、第1及び第2製造方法において、前記金属板成形品が、ホイールへの取付ボルトの取付孔を有するハブ部と、ブレーキパッドが圧接可能な摺動面を有する環状の摺動部とを備えた自動二輪車用のブレーキディスクであることが好ましい実施の形態である。このように構成することで、制動時におけるブレーキノイズを効果的に抑制乃至防止し得るブレーキディスクを容易に且つ効率的に製作することができる。ただし、前記金属板成形品により、振動やノイズの発生する製品、例えばクラッチディスク、スプロケットや歯車、プーリーなどを構成することもできる。
ブレーキディスクを製作する場合には、前記摩擦減衰面を成形した後、前記摺動部を高周波焼き入れすることが好ましい実施の形態である。
本発明に係る金属板成形品によれば、内側部材と外側部材の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面を形成しているので、金属板成形品の振動時には、この摩擦減衰面において、内側部材と外側部材の金属組織が擦れ合うことで、金属板成形品に作用する振動が減衰される。このため、この金属板成形品により、振動やノイズの発生する製品、例えばブレーキディスク、クラッチディスク、スプロケットや歯車、プーリーなどを構成すると、振動やノイズの発生を効果的に抑制乃至防止することが可能となる。
本発明に係るノイズ低減ブレーキディスクによれば、取付孔を個別に或いは複数個纏めて取り囲むように摩擦減衰面を形成しているので、ブレーキパッドと摺動部との圧接により発生する、制動時におけるブレーキディスクの振動が、摺動部からハブ部の取付孔に伝達されるときに、摩擦減衰面において内側部材と外側部材の金属組織が擦れ合うことで減衰され、これによりブレーキノイズの発生が効果的に抑制乃至防止されることになる。
本発明に係る金属板成形品の第1の製造方法によれば、金属板をプレス成形により打ち抜いて、内側部材と外側部材を形成し、その後内側部材の一部又は全部を外側部材に嵌め戻すという、連続的な一連のプレス作業により、生産性を低下させることなく、優れた振動減衰機能を有する金属板成形品を容易に且つ効率的に製作することができる。
本発明に係る金属板成形品の第2の製造方法によれば、プレス成形や切削加工などの機械加工により、外側部材と内側部材を製作し、内側部材に外側部材を外嵌して、内側部材と外側部材の一方を板厚方向に加圧プレスして、両者の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面を形成することで、優れた振動減衰機能を有する金属板成形品を容易に且つ効率的に製作することができる。
第1金属板成形体の縦断面図 第2金属板成形体の縦断面図 (a)〜(c)第1金属板成形体の製造方法の説明図 第2金属板成形体の製造方法の説明図 他の構成の第1金属板成形体の製造方法の説明図 他の構成の第2金属板成形体の製造方法の説明図 (a)はブレーキディスクの正面図、(b)は図7(a)のb−b線断面図 (a)〜(d)はブレーキディスクの製造方法の説明図 他の構成のブレーキディスクの正面図 (a)は他の構成のブレーキディスクの正面図、(b)は図10(a)のb−b線断面図 (a)は他の構成のブレーキディスクの正面図、(b)は図11(a)のb−b線断面図 他の構成のブレーキディスクの正面図 (a)は比較例1のブレーキディスの正面図、(b)は実施例1のブレーキディスクの正面図 (a)〜(c)は比較例1と実施例1、2のブレーキディスクにおける加振時の時間と測定点での加速度の関係を示すグラフ
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
先ず、本発明の金属板成形体の概略構成について説明する。
図1、図2に示すように、第1金属板成形体1は、金属板をプレス成形により打ち抜いてなる内側部材2と、内側部材2を打ち抜いた後の抜き枠からなる外側部材3とを備え、内側部材2を外側部材3に嵌め戻すことにより、内側部材2と外側部材3の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面4を形成したもので、内側部材2と外側部材3とで各種部品を含む最終製品を構成するものである。
第1金属板成形体1を構成する金属材料としては、打ち抜き加工を含むプレス成形が可能な任意の金属材料、例えば炭素鋼やステンレス鋼などの鉄系金属材料からなるものを採用することもできるし、アルミや銅、真鍮やチタンなどの非鉄系金属材料からなるものを採用することもできる。
第1金属板成形体1の正面形状は、最終製品に応じた任意の形状に構成でき、また第1金属板成形体1の板厚は、最終製品に応じた板厚であって、少なくとも打ち抜き加工が可能な任意の厚さに設定され、全体的に一様な板厚に構成することもできるし、部分的に板厚が異なるように構成することもできる。
摩擦減衰面4は、第1金属板成形体1の板厚方向に幅を有する無端環状の帯状に形成され、その正面形状は、円形や楕円形、正方形や長方形などの多角形状、四つ葉や八つ葉などの多葉状、あるいはこれら以外の任意の異形状に形成できる。また、1つの第1金属板成形体1に複数の摩擦減衰面を設けて、各摩擦減衰面の内側に内側部材を設けることもできる。更に、摩擦減衰面4は、第1金属板成形体1における振動伝達経路を遮断するように形成することが好ましく、例えば固定側と振動発生側とを分断するように、固定側部分を取り囲むように形成したり、振動発生側部分を取り囲むように形成したりすることが好ましい。
内側部材2は外側部材3の抜き孔3aに対して略完全に嵌め戻され、内側部材2の表面と外側部材3の表面とは段差なく面一に連設されている。ただし、図2に示す第2金属板成形体1Aのように、内側部材2の一部を外側部材3の抜き孔3aに嵌め戻し、内側部材2の表面と外側部材3の表面とに嵌め戻し量Hに応じた段差を形成することもできる。この第2金属板成形体1Aの嵌め戻し量Hは、板厚の20%未満の場合には、摩擦減衰面4Aの幅が板厚の20%未満になって、内側部材2と外側部材3の嵌合強度が低下するので、板厚の20%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは板厚の70%以上に設定することが好ましい。
この金属板成形体1、1Aでは、内側部材2と外側部材3の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面4、4Aを形成しているので、金属板成形品の振動時には、この摩擦減衰面4、4Aにおいて、内側部材2と外側部材3の金属組織が擦れ合うことで、金属板成形品に作用する振動が減衰される。このため、この金属板成形品により、振動やノイズの発生する製品、例えばブレーキディスク、クラッチディスク、スプロケットや歯車、プーリーなどの動力伝達部材などを構成すると、振動やノイズの発生を効果的に抑制乃至防止することが可能となる。
次に、第1金属板成形体1の製造方法について説明する。
図3に示すように、この製造方法で用いるプレス成形用金型10は、内側部材2を打ち抜くためのダイ穴11aを有するダイ11と、ダイ穴11aに一定のクリアランスCをあけて挿入される抜きパンチ12と、ダイ穴11aに上下移動自在に装着した押しパンチ13と、押しパンチ13を上方へ常時付勢するバネ部材14とを備え、押しパンチ13の上面がダイ11の上面と面一になるように、押しパンチ13の下端外周部に外方へ突出する位置規制突部13aを形成するとともに、ダイ11に位置規制突部13aに係合して押しパンチ13の上限位置を規制する位置規制部11bを形成したものである。
このプレス成形用金型10を用いて、第1金属板成形体1を製造する際には、先ず、図3(a)に示すように、ダイ11上に素材金属板1Dをセットする。このとき、押しパンチ13の上面は、押しパンチ13の上方への移動が位置規制部11bにより規制されることで、ダイ11の上面と面一に配置される。
次に、図3(b)に示すように、抜きパンチ12を下降させて、抜きパンチ12の下端外周縁とダイ11の上端内周縁とで内側部材2を打ち抜いて、内側部材2と、内側部材2を打ち抜いた後の抜き枠からなる外側部材3とを形成する。このとき、内側部材2は、抜きパンチ12と押しパンチ13間に挟持されることになる。
次に、図3(c)に示すように、抜きパンチ12を上昇させて、外側部材3の抜き孔3aから抜きパンチ12を抜き取る。このとき、内側部材2は、抜きパンチ12と押しパンチ13間に挟持された状態で、バネ部材14の付勢力により押しパンチ13とともに上方へ移動し、外側部材3と同一平面内に配置されるように、押しパンチ13により外側部材3の抜き孔3aに嵌め戻されて、外側部材3の抜き孔3aに内側部材2が嵌合された第1金属板成形体1が得られることになる。
この製造方法によれば、素材金属板1Dをプレス成形により打ち抜いて、内側部材2と外側部材3を形成し、その後内側部材2を外側部材3に嵌め戻すという、連続的な一連のプレス作業により、生産性を低下させることなく、優れた振動減衰機能を有する金属板成形品1を容易に且つ効率的に製作することができる。
なお、第2金属板成形体1Aを製作する場合には、プレス成形用金型10に代えて、図4に示すように、外側部材3に対する内側部材2の嵌め戻し量が所望の値になったときに、押しパンチ13の上昇移動を規制する位置規制部11Abをダイ11Aに形成したプレス成形用金型10Aを用いることになる。そして、前記第1金属板成形体1と同様に、ダイ11A上に素材金属板1Dをセットした状態で、抜きパンチ12で内側部材2を打ち抜いて、内側部材2と、内側部材2を打ち抜いた後の抜き枠からなる外側部材3とを形成し、その後抜きパンチ12を上昇させることで、押しパンチ13の位置規制突部13aが位置規制部11Abに当接するまで、内側部材2を押しパンチ13とともにバネ部材14の付勢力で上昇させ、内側部材2を外側部材3から下側へ突出するように嵌め戻して、第2金属板成形体1Aを得ることになる。
なお、前記実施の形態の金属板成形体1、1Aでは、内側部材2を外側部材3から打ち抜いた後、外側部材3の抜き孔3aに内側部材2を嵌め戻すように構成したが、図5に示す第1金属板成形体1Bのように、内側部材2Bとそれに外嵌される外側部材3Bとをプレス成形や機械加工により製作し、外側部材3Bの嵌合孔3Baに内側部材2Bを嵌合させた後、内側部材2Bと外側部材3Bの一方(図5では外側部材3B)を矢印Fで示すように板厚方向に加圧プレスすることで、内側部材2Bと外側部材3Bの一方を板厚方向と直交方向へ塑性変形させて、両者の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面4Bを有する第1金属板成形体1Bを製作することもできる。また、図6に示す第2金属板成形体1Cのように、内側部材2Bが外側部材3Bから下側へ突出するように、外側部材3Bの嵌合孔3Baに内側部材2Bを嵌合させた後、内側部材2Bと外側部材3Bの一方(図6では外側部材3B)を矢印Fで示すように板厚方向に加圧プレスすることで、内側部材2Bと外側部材3Bの一方を板厚方向と直交方向へ塑性変形させて、両者の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面4Cを有する第2金属板成形体1Cを製作することもできる。
なお、金属板成形体1、1A〜1Cは、振動や騒音を減衰させる必要のある製品に適用することが可能で、例えばブレーキディスクやクラッチディスク、スプロケットや歯車やプーリーなどの動力伝達部材や、各種機器の遮音板などに好適に適用できる。
次に、本発明をブレーキディスクに適用した場合の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
図7に示すように、ノイズ低減ブレーキディスク20は、自動二輪車用のブレーキディスクで、ブレーキパッドBPが摺接される摺動面21aを有する環状の摺動部21と、摺動部21よりも内周側(仮想線で示す環状の境界線Lよりも内側)のハブ部22とを備えている。ハブ部22は、自動二輪車のホイールハブへの取付部23と、摺動部21に連なる外周部の環状のリング部24と、取付部23とリング部24とを連結する連結部25と、取付部23とリング部24間に形成した重量軽減用の複数の模様孔26と、摺動部21に形成した放熱及び重量軽減用の複数の小孔27とを備えている。ブレーキディスク20は、矢印Aで図示の回転方向へ自動二輪車のホイールとともに回転するように構成されている。
ブレーキディスク20は、耐磨耗性に優れたステンレス鋼や炭素鋼からなる平坦な金属板をプレス成形した後、摺動部21を熱処理して製作されている。図7に示すブレーキディスク20では、厚さ7mmのステンレス鋼板をプレス成形して製作され、ブレーキディスク20の摺動部21とハブ部22とは略同じ厚さに設定されている。ブレーキディスク20の外径は、自動二輪車の構成に応じて適宜に設定でき、図7に示すブレーキディスク20では、外径が300mmに設定されている。また、摺動部21は、ブレーキパッドBPの幅よりもやや広く設定されている。
図7に示すブレーキディスク20では、摺動部21とハブ部22とを同一平面内に配置したが、車体側の構成に応じて、摺動部21とハブ部22とを、ブレーキディスク20の厚さ方向に一定間隔をあけた平行な平面内に配置することも可能である。
取付部23とリング部24とは12本のアーム状の連結部25で連結され、取付部23とリング部24間には連結部25で区画された模様孔26が形成されている。連結部25及び模様孔26の形状や個数は任意に設定できる。
摺動部21には放熱及び重量軽減用の丸孔からなる複数の小孔27が所定の配列で形成されている。小孔27としては、丸孔以外に細長いスリット状の長孔を形成したり、直径の異なる丸孔を混在させたりすることも可能で、小孔27の直径や形状や個数や配列は、ブレーキディスク20の意匠性や摺動部21における放熱性を考慮して適宜に設定することになる。
取付部23の中央部にはホイールハブの端部が挿通する芯孔28が形成され、取付部23には芯孔28を取り囲むようにホイールハブへの取付用ボルトが挿通する5つの取付孔29が形成されている。取付孔29の個数は、ホイールハブに形成した取付用ボルト孔の個数に応じて適宜に設定できる。
次に、本発明の特徴的な構成であるところの摩擦減衰面30について説明するが、ブレーキディスク20のうちの摩擦減衰面30以外の構成は、任意の構成を採用することができ、前述した構成に限定されるものではない。
リング部24には正面視が環状で板厚方向に幅を有する摩擦減衰面30が連結部25と模様孔26と取付部23を取り囲むように設けられ、ブレーキディスク20は、摩擦減衰面30よりも内周側の連結部25及び取付部23を含む内側部材31と、摩擦減衰面30よりも外周側の摺動部21を含む環状の外側部材32とに分割構成されている。
外側部材32の内周縁には内側へ突出する6つの嵌合凸部32aが周方向に間隔をあけて形成され、内側部材31の外周縁には嵌合凸部32aに嵌合する嵌合凹部31aが周方向に間隔をあけて形成され、摩擦減衰面30は、ブレーキディスク20と同心状の6つの円弧部30aと、隣接する円弧部30a間において円弧部30aに連続的に接続された、嵌合凸部32aと嵌合凹部31aとの凹凸嵌合部分に沿った6つの突出部30bとで構成されている。摩擦減衰面30は、摺動部21と同心状の円環状に形成することも可能であるが、摩擦減衰面30に複数の突出部30bを設けると、摩擦減衰面30の面積を増やして、制動時における振動の減衰作用を向上できるとともに、嵌合凸部32aと嵌合凹部31aとの凹凸嵌合により、制動時における内側部材31と外側部材32との相対回転力を受け止めることができるので好ましい。ただし、嵌合凸部32a及び嵌合凹部31aの個数は任意に設定可能である。
内側部材31と外側部材32とは、前述した第1金属板成形体1と同様にプレス成形による嵌め戻し、或いは嵌合後における加圧により、摩擦減衰面30において別部材となるように分割されるとともに相互に圧接されて一体化されている。摩擦減衰面30は、内側部材31の外周面とそれに外嵌圧接される外側部材32の内周面とで構成され、摺動部21からホイールハブへの制動時における振動の伝達経路を横断するように配置され、ブレーキディスク20に作用する制動時の振動は、摩擦減衰面30において、内側部材31の外周面と外側部材32の内周面の金属組織が擦れ合うことにより減衰されるように構成されている。
なお、摩擦減衰面30は、摺動部21からホイールハブへの振動の伝達経路の一部又は全部を横断するように配置されていれば、任意の正面形状に構成することができ、摺動部21を内周側と外周側とに分割するように、摺動部21の幅方向の途中部に環状に設けることもできるし、摺動部21及びハブ部22を内周側と外周側とに分割するように、摺動部21及びハブ部22を跨いで形成することもできるし、1つのブレーキディスク20に対して同心状に複数個設けることもできるし、1乃至複数の取付孔29を取り囲むように取付部23に形成することもできる。
このブレーキディスク20では、内側部材31と外側部材32の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面30を形成しているので、制動時における振動は、この摩擦減衰面30において、内側部材31と外側部材32の金属組織が擦れ合うことで減衰され、これにより制動時におけるブレーキノイズの発生を抑制乃至防止することが可能となる。
次に、ブレーキディスク20の製造方法について説明する。
先ず、図8(a)に示すように、一定厚さのステンレス鋼などからなる素材金属板を打ち抜いて、ブレーキディスク20の外径に適合する大きさの円板状の成形体35Aを製作する。次に、図8(b)に示す成形体35Bのように、成形体35Aに対して芯孔28及び基準となる小孔27を打ち抜いて成形するとともに、前記第1金属板成形体1と同様に、内側部材31を打ち抜いた後、内側部材31を外側部材32の抜き孔32bに、内側部材31と外側部材32とが面一になるように嵌め戻して、内側部材31と外側部材32間に摩擦減衰面30を成形する。ただし、前記第2金属板成形体1Aと同様に、内側部材31の一部が外側部材32から突出するように嵌め戻すことも可能である。
次に、従来のブレーキディスクと同様に、図8(c)に示す成形体35Cのように、成形体35Bに対して模様孔26を打ち抜きにより成形してから、図8(d)に示す成形体35Dのように、成形体35Cに対して残りの小孔27を打ち抜きにより成形し、次に成形体35Dに対して摺動部21を高周波焼き入れなどにより焼き入れ処理してから、外周面及び内周面の厚さ方向の両側縁を面取りするとともに、取付孔29を切削し、その後必要な塗装及び研磨を行ってブレーキディスク20を得ることになる。
このブレーキディスク20の製造方法では、成形体35Aをプレス成形により打ち抜いて、内側部材31と外側部材32を成形し、その後内側部材31の一部又は全部を外側部材32に嵌め戻すという、連続的な一連のプレス作業により、生産性を低下させることなく、制動時におけるブレーキノイズの発生を抑制乃至防止し得るブレーキディスク20を容易に且つ効率的に製作することができる。
次に、ブレーキディスク20の構成を部分的に変更した他の実施形態について説明する。ただし、前記ブレーキディスク20と同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
(1)図9に示すように、外周部に半径方向に窪んだ円弧状の凹部40を周方向に一定間隔おきに形成したブレーキディスク20Aに、本発明を適用することも可能である。この場合には、図8(b)に示す工程と、図8(c)に示す工程の間に、金属板の外周部を周方向に一定間隔おきに打ち抜いて凹部40を成形する工程と、凹部40を形成した金属板の外周縁の厚さ方向の両側縁を面押しする工程を設けることになる。
(2)ブレーキディスク20では、内側部材31を外側部材32から打ち抜いた後、外側部材32の抜き孔3aに内側部材31を嵌め戻すように構成したが、前述の第1金属板成形体1Bと同様に、内側部材31とそれに外嵌される外側部材32とをプレス成形や機械加工により製作し、外側部材32の嵌合孔に内側部材31を嵌合させた後、内側部材31と外側部材32の一方を板厚方向に加圧プレスすることで、内側部材31と外側部材32の一方を板厚方向と直交方向へ塑性変形させて、両者の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面30を形成することもできる。また、前述の第2金属板成形体1Cと同様に、内側部材31が外側部材32から突出するように、外側部材32の嵌合孔に内側部材31を嵌合させた後、内側部材31と外側部材32の一方を板厚方向に加圧プレスすることで、内側部材31と外側部材32の一方を板厚方向と直交方向へ塑性変形させて、両者の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面30を形成することもできる。前記機械加工としては、ワイヤーソーやウォータジェット、レーザー加工などを採用できる。
(3)図10に示すブレーキディスク20Bのように、内側部材31の嵌合凹部31aと外側部材32の嵌合凸部32aとの凹凸嵌合部分に板厚方向に対する両部材31、32の相対移動を規制する連結手段41を設けてもよい。具体的には、外側部材32の嵌合凸部32aに貫通孔42を形成し、連結手段41として、貫通孔42に装着されるピン部材又はボルトからなる固定具43と、ブレーキディスク20の両面に配置される1対の座金44であって、外周部が内側部材31上へ延びる1対の座金44とを備えたものを設け、固定具43により1対の座金44間に内側部材31と外側部材32を挟み込んで、両部材31、32の板厚方向への相対移動を規制するように構成することになる。
(4)図11に示すように、ハブ部22に代えて、摺動部21の内周部に内側へ突出する複数の取付部23Cを周方向に間隔をあけて形成し、取付部23Cの内周部にホイールハブへの取付孔29Cを形成したブレーキディスク20Cに本発明を適用することも可能である。この場合には、図11に示すブレーキディスク20Cのように、摩擦減衰面30に代えて、取付部23Cに対応する部分以外において摺動部21の幅方向の途中部を通る摺動部21と同心状の複数の円弧部30Caと、取付部23Cにおいて、隣接する途中部から内周側へ延びて取付孔29Cに接続される突出部30Cbとを有する摩擦減衰面30Cを形成し、摩擦減衰面30Cにより分割構成される内側部材31Cと外側部材32Cとを設けて、取付部23Cにおける内側部材31Cと外側部材32Cにより取付孔29Cを形成することもできる。また、取付孔29Cに鍔部46aを有する有底の固定金具46を装着して、これをホイールハブの固定部45に取付ボルト47で固定することで、固定金具46の鍔部46aとホイールハブの固定部45間に内側部材31Cと外側部材32Cとを挟持して、ブレーキディスク20Cをホイールハブに固定するとともに、内側部材31Cと外側部材32Cとを共締めして、内側部材31Cと外側部材32Cの厚さ方向への相対移動を規制することができ、別途連結手段を設けることなく、内側部材31Cと外側部材32Cとの板厚方向への相対移動を規制できるので好ましい。また、摩擦減衰面30Cを摺動部21の幅方向の途中部に設けることで、ブレーキパッドBPが外側部材32Cだけでなく内側部材31Cにも圧接されるので、制動時における両部材32C、31Cの相対回転方向への力を小さくして、摩擦減衰面30Cに対して大きな力が作用することを防止できるので好ましい。
なお、ブレーキディスク20Cでは、円弧状の円弧部30Caを形成したが、円弧部30Caに代えて、例えば図12に示すブレーキディスク20Dのように波形部30Daを形成した摩擦減衰面30Dを形成して、摩擦減衰面30Dの長さを長く設定することで、摩擦減衰面30Dによる振動減衰作用を向上することもできる。なお、摩擦減衰面としては、環状であれば、これら以外の任意の形状に形成することも可能である。
次に、ブレーキディスクの評価試験について説明する。
ブレーキディスクとして、図13(a)に示すように、直径が320mmで厚さが5mmのステンレス鋼製の円板の中央部に直径56mmの芯孔28を形成するとともに、直径が6.3mmの3つの取付孔29を形成した比較例1のブレーキディスク50と、図13(b)に示すように、比較例1のブレーキディスク50に対して、内側部材51を打ち抜いた後、外側部材52に面一になるように嵌め戻して、外径が240mmで周方向に間隔をあけて内側へ突出する5つの突出部53aを有する摩擦減衰面53を形成した実施例1のブレーキディスク50Aと、実施例1のブレーキディスク50Aの製作時に、内側部材51の外側部材52への嵌め戻し量を2.5mmに設定した以外は実施例1と同じに構成した実施例2のブレーキディスクを製作した。
そして、実施例1、2及び比較例1のブレーキディスクに対して、次のようなハンマリング試験を行った。
(ハンマリング試験)
支持台の水平な固定軸の端部にブレーキディスクを同心状に位置合わせして、取付孔29にボルトを挿通させてブレーキディスクを3本のボルトで固定した。そして、ブレーキディスクの中心を通る水平な半径方向位置であって、中心から143mmの半径方向位置を加振点Kに設定し、加振点Kを通る円周上において、加振点Kから周方向に180°離れた位置を測定点Sに設定し、測定点Sに対面させて加速度センサASを設けた。
そして、加振点Kに対してハンマーで衝撃を加えたときにおける測定点Sにおけるブレーキディスクの厚さ方向に対する加速度を加速度センサASでそれぞれ測定した。その結果を図14(a)〜(c)に示す。
図14から、実施例1、2は比較例1よりも短時間で振動が減衰していることが判る。また、内側部材51を外側部材52と同一平面内に戻した実施例1よりも、内側部材51の戻し量を2.5mmに設定した実施例2の方がより短時間で振動が減衰していることが判る。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてその構成を変更し得ることは勿論である。
1 第1金属板成形体 2 内側部材
3 外側部材 3a 抜き孔
4 摩擦減衰面
1A 第2金属板成形体 4A 摩擦減衰面
1B 第1金属板成形体 2B 内側部材
3B 外側部材 3Ba 嵌合孔
4B 摩擦減衰面
1C 第2金属板成形体 4C 摩擦減衰面
1D 素材金属板
10 プレス成形用金型 11 ダイ
11a ダイ穴 11b 位置規制部
12 抜きパンチ 13 押しパンチ
13a 位置規制突部 14 バネ部材
10A プレス成形用金型 11A ダイ
11Ab 位置規制部
20 ブレーキディスク 21 摺動部
21a 摺動面
22 ハブ部 23 取付部
24 リング部 25 連結部
26 模様孔 27 小孔
28 芯孔 29 取付孔
30 摩擦減衰面 30a 円弧部
30b 突出部 31 内側部材
31a 嵌合凹部 32 外側部材
32a 嵌合凸部 32b 抜き孔
35A 成形体 35B 成形体
35C 成形体 35D 成形体
20A ブレーキディスク 40 凹部
20B ブレーキディスク 41 連結手段
42 貫通孔 43 固定具
44 座金
20C ブレーキディスク 23C 取付部
29C 取付孔 30C 摩擦減衰面
30Ca 円弧部 30Cb 突出部
31C 内側部材 32C 外側部材
45 固定部 46 固定金具
46a 鍔部 47 取付ボルト
20D ブレーキディスク 30D 摩擦減衰面
30Da 波形部
50 ブレーキディスク
50A ブレーキディスク 51 内側部材
52 外側部材 53 摩擦減衰面
53a 突出部

Claims (14)

  1. 金属板からなる内側部材と、それに外嵌される金属板からなる外側部材とを備えた金属板成形品であって、
    前記内側部材と外側部材の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面を形成した、
    ことを特徴とする金属板成形品。
  2. 前記内側部材及び外側部材として、金属板をプレス成形により打ち抜いてなる内側部材と、前記内側部材を打ち抜いた後の抜き枠からなる外側部材とを備え、前記内側部材を外側部材に嵌め戻すことにより、前記内側部材と外側部材の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面を形成した請求項1記載の金属板成形品。
  3. 前記請求項1又は2記載の金属板成形品からなるブレーキディスクであって、
    ホイールへの取付ボルトが挿通する複数の取付孔を有するハブ部と、ブレーキパッドが圧接可能な摺動面を有する環状の摺動部とを備え、
    前記摩擦減衰面を、前記取付孔を個別に或いは複数個纏めて取り囲むように設け、
    前記摩擦減衰面の内外に内側部材と外側部材とを形成した、
    ことを特徴とするノイズ低減ブレーキディスク。
  4. 前記摩擦減衰面を、前記取付孔の全てを取り囲むようにハブ部の外周部に沿って環状に形成した請求項3記載のノイズ低減ブレーキディスク。
  5. 前記外側部材の内周縁に周方向に間隔をあけて中央部側へ突出する複数の嵌合凸部を設け、前記内側部材の外周縁に前記嵌合凸部が嵌合する複数の嵌合凹部を設けた請求項4記載のノイズ低減ブレーキディスク。
  6. 前記内側部材と外側部材とを段差なく連設し、前記ブレーキパッドとの摺動面よりも内側において、前記内側部材と外側部材の一方或いは双方間に連結孔を形成し、該連結孔に、前記内側部材と外側部材とを連結する連結手段を設けた請求項3〜5のいずれか1項記載のノイズ低減ブレーキディスク。
  7. 前記連結手段として、ピン部材又はボルトを設けた請求項6記載のノイズ低減ブレーキディスク。
  8. 前記連結孔として、前記内側部材と外側部材間に前記取付孔を形成し、前記取付ボルトにより、前記ブレーキディスクをホイールに締結するとともに、前記内側部材と外側部材を共締めして、前記内側部材と外側部材の厚さ方向への相対移動を規制した請求項6記載のノイズ低減ブレーキディスク。
  9. 前記内側部材と外側部材とを段差なく連設し、前記摩擦減衰面を摺動部とハブ部とにわたって設けた請求項3〜8のいずれか1項記載のノイズ低減ブレーキディスク。
  10. 前記内側部材の表面と外側部材の表面間に段差を形成した請求項3〜5のいずれか1項記載のノイズ低減ブレーキディスク。
  11. 金属板からなる内側部材と、それに外嵌される金属板からなる外側部材とを備えた金属板成形品の製造方法であって、
    前記金属板をプレス成形により打ち抜いて、前記内側部材と外側部材を形成し、
    前記内側部材を外側部材に嵌め戻して、両者の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面を形成する、
    ことを特徴とする金属板成形品の製造方法。
  12. 金属板からなる内側部材と、それに外嵌される金属板からなる外側部材とを備えた金属板成形品の製造方法であって、
    前記内側部材と外側部材を製作し、
    前記内側部材に外側部材を外嵌して、前記内側部材と外側部材の一方を板厚方向に加圧プレスすることで、両者の嵌合面に相互に圧接する摩擦減衰面を形成する、
    ことを特徴とする金属板成形品の製造方法。
  13. 前記金属板成形品が、ホイールへの取付ボルトの取付孔を有するハブ部と、ブレーキパッドが圧接可能な摺動面を有する環状の摺動部とを備えた自動二輪車用のブレーキディスクである請求項11又は12記載の金属板成形品の製造方法。
  14. 前記摩擦減衰面を成形した後、前記摺動部を高周波焼き入れする請求項13記載の金属板成形品の製造方法。
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