JP3903402B2 - 打ち抜き加工におけるだれ抑制方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、打ち抜き加工におけるだれ抑制方法に関し、特に、車両用自動変速装置におけるクラッチ装置、またはブレーキ装置用のバッキングプレートの製造に用いて好適な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術を図5に例示する。はじめに、素材、すなわちコイル材料、あるいは定尺材料をプレス機械に取り付けた型で打ち抜き加工し、リング状の部材を得る。このとき、図6に示すように、リング状の部材の外周部にだれが発生することになる。このだれは同図中のX、あるいはYで表現される。
【0003】
上記だれは素材の硬さや型のクリアランス、すなわちパンチとダイのクリアランスによって左右される。すなわち、素材の硬度が低いほど、型のクリアランスが大きほどだれは大きくなる。
【0004】
ところで、一般に車両用自動変速装置では、変速を行うために、湿式多板式の摩擦係合装置であるクラッチ装置およびブレーキ装置が用いられている。これらの装置の一例を図12に断面図で示す。湿式多板式の摩擦係合装置100は、油圧ピストン101と該油圧ピストン101により押圧される摩擦板群102およびこれらを収容する筒状部材であるドラム104を有している。前記摩擦板群102は、ハブ103にスプライン嵌合する複数枚の第1の摩擦板102aと、ドラム104にスプライン嵌合する複数枚の第2の摩擦板102bとからなり、これら第1の摩擦板102aおよび第2の摩擦板102bが軸方向に交互に配置されている。また、前記油圧ピストン101と前記ドラム104との間には油圧室105が形成されており、前記油圧ピストン101はリターンスプリング106により図中右方向に付勢されている。該油圧室105に圧油が供給されると、前記油圧ピストン101はリターンスプリング106の付勢力に抗して左方向に移動し、前記摩擦材群102を押圧する。そして、前記摩擦板群102を挟んで前記油圧ピストン101と反対側には、バッキングプレート107が配設されている。該バッキングプレート107は前記摩擦板群102とともに前記ドラム104内に収容され、該ドラム104に係止されるスナップリング108により軸方向の移動が規制され、前記油圧ピストン101による押圧力を受け止める。このため、前記摩擦板群102は、前記油圧ピストン101と前記バッキングプレート107との間で押圧され、前記ハブ103と前記ドラム104とを一体的に係合させる。このように、バッキングプレート107は圧力が負荷される部材であるので、だれがバッキングプレート107のスプライン歯SPを形成する外周側に発生すると、摩擦係合装置100にバッキングプレート107を組み込んだ際に組み付け寸法等にバラツキが発生し、また、内周側に発生すると、バッキングプレート107の当たり面積が減少して耐久性を低下させてしまう。よって、何れの場合も結果としてバッキングプレートとしての機能が低下することになる。このため、バッキングプレートを打ち抜き加工する際は、だれの発生を極力抑制しなければならない。
【0005】
ここで、だれを小さくするためには、前記型のクリアランスを小さくすることが考えられるが、型のクリアランスを小さくすると型の寿命が短くなるなどの問題を伴うので自ずと限度がある。そこで、従来は、図5のcに示すようにリング状の部材の上面を研摩加工することによって、だれを消滅させていた。よって、従来は、打ち抜き加工の他に研摩加工が必要であった。また、近年では、時代の要請により自動車の軽量化や低燃費化が求められており、自動変速機も小型・軽量化が求められるようになってきた。このため、前記バッキングプレート107もより狭いスペース内に配置されるようになり、他の部品との干渉防止のために、図12および図13に示すように、その外周側、あるいは内周側の何れか一方の板厚を薄くした薄肉部Tを有する、いわゆる段付形状に形成されることが多い(なお、図13中において図12と同一番号で示されているものは、図12中の部材と同様の機能を果たす部材である)。このような段付バッキングプレートにおいては、狭いスペース内に配置され、他の部品との干渉を避ける必要から、段付部の形状精度が求められる。そして、以前は、この段付部(薄肉部)を切削加工等により形成していたが、近年では生産性向上およびコスト低減を狙って、プレス機による据え込み加工により形成するようになってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の方法においては、打ち抜き加工後に研磨加工を必要とし、また、打ち抜き加工時のだれを小さくした場合は型の寿命が短くなるため、生産性の低下およびコストの上昇といった問題があった。そこで本発明は、板材料の打ち抜き加工時のだれの発生を抑制できる方法を提供することを第1の目的とし、特に、車両用自動変速装置の摩擦係合装置に用いられるバッキングプレートの成形に好適であり、バッキングプレートの機能を向上させることの出来る加工方法を提供することを第2の目的とする。また、段付バッキングプレートの薄肉部を据え込み加工により形成する場合、図11に示すように段付部に素材の肉引けが発生し、段付部の要求形状精度(理想的な段付部の形状を図11中に破線で示す)の確保が困難であるといった問題があった。そこで本発明は、据え込み加工による段付部の形状精度の良好な段付バッキングプレートの加工方法を提供することを第3の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、第1の目的を達成するため、最終加工品の内周または外周の輪郭の打ち抜き加工に先立ち、打ち抜き加工をする位置の近傍で最終加工品でない側にあらかじめ据え込み型により据え込み加工を行い、打ち抜き加工をする位置の近傍に加工硬化を生じさせ、前記据え込み加工されて薄くなった部分から元の厚さの部分に若干入った位置で打ち抜き型により打ち抜き加工する。それにより据え込み加工の時に素材の打ち抜き加工する位置の近傍が加工硬化し、また、打ち抜き加工時の応力が、だれが発生されると予測される部分に及ばないようにし、だれの発生を抑制する構成とする。
また、据え込み加工を行う金型のダイの少なくとも製品として残る部分の据え込みに係る部分に、打ち抜き加工する部分に向かって下がる傾斜を設けることにより、据え込み加工品の肉厚をだれの発生する部分に向かって厚くなるようにし、打ち抜き加工におけるだれを打ち消す構成とする。
また、第2の目的を達成するため、外周側に据え込み加工によりスプライン状の輪郭を形成し、該スプライン状の輪郭から元の厚さの部分に若干入った位置で外周側に打ち抜き加工することによりスプライン歯を形成し、スプライン歯部分でのだれの発生を抑制する構成とし、自動変速機の摩擦係合装置にバッキングプレートを組み込んだ際の寸法等のバラツキを低減する。また、リング状の部材の内周側に据え込み加工を行い、前記据え込み加工されて薄くなった部分から元の厚さの部分に若干入った位置で打ち抜き加工し、内周側におけるだれの発生を抑制する構成とし、当たり面積を確保する。
そして、第3の目的を達成するため、打ち抜き加工に先立ち、打ち抜き加工される部分の近傍据え込み加工を行うときに、最終製品で薄肉にすべき部分にも同時に据え込み加工を行うことにより、段付部における素材の肉引けを防止する構成とし、段付き部の形状精度を良好にする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1において、Aは素材から打ち抜き加工されて得られたリング状の部材である。同図のBは前記リング状の部材Aの外周部を据え込み加工したものである。Bの外周部は元の板厚t1から板厚t3に据え込まれて薄くなっている。この据え込みする範囲は、最終の外径D1より若干大きな部分、すなわちD1+ΔDの外側部分とする。換言すれば、最終的に打ち抜きされる部所は、据え込まれて薄くなっている部分と元の厚さの部分の境界線から元のさの部分に若干った所である。
【0009】
続いて、図1の据え込み加工品Bの据え込み部は、直径D1の位置で打ち抜き加工されて最終加工品になる。
【0010】
図2は、図1の据え込み加工に用いられる型を示している。下型であるダイ3に対向させて上型プレート1が設けられ、上型プレート1に各種部材が下記のように組み込まれて上型を構成している。
【0011】
上型プレート1に据え込みパンチ2が固定され、カウンターパンチ4が昇降自在に組み込まれ、このカウンターパンチ4はピン5で付勢される構造になっている。上記上型プレート1はプレス機械のスライドに固定され、下型はボルスタに固定され、スライドの昇降運動に伴って上型は昇降運動し、上下型によって下記の手順で据え込み加工が行われる。
【0012】
ダイ3の上にリング状素材Aが供給された状態で、上型の下降に伴って上型は下降する。カウンターパンチ4はピン5で付勢されリング状素材Aを押さえる。
【0013】
続いて、据え込みパンチ2が下降し、リング状素材Aの外周部は据え込み加工される。スライドが上昇すると上型も上昇し、据え込み加工は終了する。
【0014】
図3は、据え込み加工された据え込み加工品Bを打ち抜き加工するときに用いられる型を示している。下型プレート11にパンチ8が固定され、これらの部材で下型が構成されている。
【0015】
上記下型に対向させて上型が設けられている。上型プレート6に打ち抜きダイ7が固定され、カウンターパンチ9が昇降自在に組み込まれ、このカウンターパンチ9はピン10で付勢される構造になっている。これらの部材で上型が構成されている。
【0016】
上記上型はプレス機械のスライドに固定され、下型はボルスタに固定される。スライドの昇降運動に伴って上型は昇降し、上下型によって据え込み加工品Bは下記の手順で打ち抜き加工される。
【0017】
パンチ8の上に据え込み加工品Bが供給され、スライドの下降に伴って上型が下降し、カウンターパンチ9はピン10で付勢され、据え込み加工品Bを押さえる。
【0018】
続いて、打ち抜きダイ7が下降し、据え込み加工品Bは打ち抜き加工され、スライドが上昇して打ち抜き加工は終了する。この打ち抜き加工においては、打ち抜き加工する位置の素材が前工程の据え込み加工により加工硬化していること、及び前述のΔDが小さいことにより、材料のせん断加工が早期に起こり、だれの発生が抑制されるとともに打ち抜き加工された面が滑らかになる。
【0019】
図4は図2の要部、すなわち据え込み加工に用いる型の要部を示すものである。ダイ3の上面が、外に向かって低くなるように傾斜している。カウンターパンチ4及び据え込みパンチ2の下面は水平であり、材料流動は内側にも起こることから据え込み加工品Bの肉厚は外に向かって大きくなる。そして、据え込み加工を行うことにより据え込み加工品Bは塑性変形し、下面が平らになるため前記肉厚の変化は据え込み加工品のだれを打ち消すことになる。
【0020】
上記実施例における実際の主な寸法を以下に示す。 D1≒150mm、D2≒155、ΔD=0.6〜1.0mm、t1=3.5mm,t3=2.25mm,α=0.5〜3°である。
【0021】
上記寸法は例示であってこれらの寸法にこだわることはない。上記実施例は、リング部材を対象としているが、本願発明は単なる円板でも適用出来る。そして、上記実施例は外周部を据え込み加工して打ち抜き加工する構成になっているが、内周部を据え込み加工して打ち抜き加工してもよい。その場合は、据え込みパンチ2と打ち抜きダイ7は内周部に配備される。さらに、上記実施例は円形部材を対象にしているが、外周部、あるいは内周部にスプライン歯を形成したバッキングプレートや、もっと複雑な形状をした部材にも同様に適用出来る。
【0022】
図7は、外周部にスプライン歯を形成した段付バッキングプレートの工程説明図である。図7において、A’は素材を打ち抜き加工して得られたリング状素材である。該リング状素材A’に、外周側の最終製品形状の輪郭よりも若干外径側に寄った部分と、内周側の薄肉部とされる部分とに同時に据え込み加工を施すことにより、据え込み加工品B’が得られる。このとき、据え込み加工品B’の外周側には、据え込み加工によりスプライン状の輪郭Sが形成される。また、内外周を同時に据え込み加工することにより、段付部での肉引けが抑制され、段付部の形状精度が極めて良好となる。次に、前記据え込み加工品B’の内周側および外周側を打ち抜き加工することにより、外周部にスプライン歯SPが形成され、内周側に薄肉部Tが形成された最終加工品、すなわち段付バッキングプレートBKが得られる。外周側打ち抜き加工に際しては、外周側の前記スプライン状の輪郭Sよりも若干内径側に寄った位置で打ち抜き加工され、これにより、だれのないスプライン歯SPを得ることが出来る。
【0023】
図8は図7の据え込み加工に用いられる型を示している。なお、図8において図2と共通の部材は同一符号で示す。下型であるダイ3に対向させて上型プレート1が設けられ、該上型プレート1に各種部材が下記のように組み込まれて上型を構成している。
【0024】
上型プレート1に外周据え込みパンチ2’および内周据え込みパンチ12が同心状に固定され、さらに、前記外周据え込みパンチ2’と内周据え込みパンチ12との間に、カウンターパンチ4が同心状かつ昇降自在に組み込まれている。該カウンターパンチ4の上方には、上型プレート1に組み込まれたピン5が配設されており、前記カウンターパンチ4は、該ピン5により下方に向かって付勢される構造になっている。また、上記上型プレート1はプレス機械のスライド(図示せず)に固定され、下型であるダイ3はボルスタ(図示せず)に固定される。そして、前記スライドの昇降運動に伴って上型は昇降運動し、前記上型および下型により、下記の手順で据え込み加工が行われる。
【0025】
まず、ダイ3の上にリング状素材A’が供給された状態で、スライドの降下に伴って上型が降下する。この際、カウンターパンチ4がピン5により下方に向かって付勢され、前記リング状素材A’を押さえる。
【0026】
さらにスライドが降下すると、前記カウンターパンチ4に続いて内周据え込みパンチ12および外周据え込みパンチ2’が降下し、リング状素材A’は内周部の薄肉部Tとされる部分および外周部の打ち抜き加工される部分の近傍を同時に据え込み加工され、据え込み加工品B’となる。このとき、内周部および外周部を同時に据え込み加工することにより、段付部における素材の肉引けが防止され、段付部が高い形状精度で形成される。その後、スライドの上昇に伴って上型が上昇し、据え込み加工は終了する。
【0027】
図9は据え込み加工品B’を打ち抜き加工する際に用いられる型を示している。なお、図9において図3と共通の部材は同一符号で示す。下型プレート11にはパンチ8が固定され、これらの部材で下型が構成されている。一方、上型プレート6には、外周打ち抜きダイ7’および内周打ち抜きダイ13が同心状に固定されており、更に、前記外周打ち抜きダイ7’と内周打ち抜きダイ13との間に、カウンターパンチ9が同心状かつ昇降自在に組み込まれている。該カウンターパンチ9の上方には、上型プレート6に組み込まれたピン10が配設されており、前記カウンターパンチ9は、該ピン10により下方に向かって付勢される構造になっている。そして、これらの部材で上型が構成され、該上型は前記下型に対向させて設けられている。また、上記上型プレート1はプレス機械のスライド(図示せず)に固定され、下型はボルスタ(図示せず)に固定される。そして、前記スライドの昇降運動に伴って上型は昇降運動し、前記上型および下型により、前記据え込み加工品B’は下記の手順で打ち抜き加工される。
【0028】
まず、パンチ8の上に据え込み加工品B’が供給され、スライドの下降に伴って上型が下降する。この際、カウンターパンチ9がピン10により下方に向かって付勢され、前記据え込み加工品B’を押さえる。更にスライドが降下すると、前記カウンターパンチ9に続いて内周打ち抜きダイ13および外周打ち抜きダイ7’が降下し、据え込み加工品B’は内周部および外周部を打ち抜き加工される。その後、スライドの上昇に伴って上型が上昇し、打ち抜き加工は終了する。
【0029】
図10は、図8に示す型の要部を示すものである。図示のように、ダイ3の上面は、外周側に向かって低くなるように傾斜しており、少なくとも外周パンチ2’およびカウンターパンチ4の下面は水平となっている。このような型構造による作用効果は、図4に示したものと同様であり、冗長を避けるため、説明は省略する。
【0030】
以上、段付バッキングプレートの加工方法について、内周側に薄肉部を有し、外周側にスプライン歯を形成したものを例に説明したが、これ以外にも、外周側に薄肉部およびスプライン歯を形成したものや、内周側にスプライン歯を形成したもの等、種々の段付バッキングプレートの加工に本願発明を適用することが出来る。
【0031】
【発明の効果】
本発明の請求項1の構成によれば、最終加工品の内周または外周の輪郭の打ち抜き加工に先立ち、打ち抜き加工をする位置の近傍で最終加工品でない側にあらかじめ据え込み型により据え込み加工を行い、打ち抜き加工する位置の近傍に加工硬化を生じさせ、前記据え込み加工されて薄くなった部分から元の厚さの部分に若干入った位置で打ち抜き型により打ち抜き加工することにより、素材の打ち抜き加工する位置の近傍が加工硬化し、また打ち抜き加工時の応力が、だれが発生されると予測される部分に及ばないようにしたため、打ち抜き加工におけるだれの発生を抑制することが出来る。
また、請求項2の構成によれば、据え込み加工を行う金型のダイの、少なくとも製品として残る部分の据え込みに係わる部分に、打ち抜き加工する部分に向かって下がる傾斜を設けたことにより、据え込み加工品の肉厚をだれの発生する部分に向かって厚くなるようにしたため、打ち抜き加工におけるだれを打ち消すことができる。
また、請求項3の構成によれば、据え込み加工により外周側にスプライン状の輪郭を形成し、該スプライン状の輪郭から元の厚さの部分に若干入った位置で打ち抜き加工することによりスプライン歯を形成するようにしたため、スプライン歯部分でのだれの発生が抑制され、自動変速機の摩擦係合装置のバッキングプレートに用いた場合、バッキングプレート組み付け時の寸法等のバラツキを低減することが出来、摩擦係合装置の信頼性を向上させることができる。
また、請求項4の構成によれば、リング状の部材内周側に据え込み加工を行い、前記据え込み加工されて薄くなった部分から元の厚さの部分に若干入った位置で打ち抜き加工することにより、内周側におけるだれの発生が抑制され、自動変速機の摩擦係合装置のバッキングプレートに用いた場合、バッキングプレートの当たり面積を確保することが出来、バッキングプレートの耐久性を向上させることができる。
また、請求項5の構成によれば、打ち抜き加工に先立ち、打ち抜き加工される部分の近傍と最終形状で薄肉部とされる部分とに同時に据え込み加工を行い、前記打ち抜き加工する部分の据え込み加工されて薄くなった部分から元の厚さの部分に若干入った位置で打ち抜き加工することにより、段付部の形状精度を良好にすることが出来、段付バッキングプレートの機能および品質を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図 1】工程説明図
【図 2】据え込み加工用の型の縦断面図
【図 3】打ち抜き加工用の型の縦断面図
【図 4】図2の要部説明図
【図 5】従来の工程図
【図 6】だれの説明図
【図 7】段付バッキングプレートの工程説明図
【図 8】段付バッキングプレートの据え込み加工用の型の縦断面図
【図 9】段付バッキングプレートの打ち抜き加工用の型の縦断面図
【図10】図8の要部説明図
【図11】段付バッキングプレートの段付部の肉引けを説明する部分断面図
【図12】摩擦係合装置の一例を示す縦断面図
【図13】摩擦係合装置の他の例を示す縦断面図
【符号の説明】
1は上型プレート、2は据え込みパンチ、 2’は外周据え込みパンチ、3はダイ、4はカウンターパンチ、5はピン、6は上型プレート、7は打ち抜きダイ、7’は外周打ち抜きダイ、8はパンチ、9はカウンターパンチ、10はピン、11は下型プレート、12は内周据え込みパンチ、13は内周打ち抜きダイ、100、100’は摩擦係合装置、101、101’は油圧ピストン、102、102’は摩擦板群、102a、102a’は第1の摩擦板、102b、102b’は第2の摩擦板、103,103’はハブ、104、104’はドラム、105、105’は油圧室、106はリターンスプリング、107、107’はバッキングプレート、108、108’はスナップリング、A、A’はリング状素材、B、B’は据え込み加工品、Cは最終加工品、BKは段付バッキングプレート、Sはスプライン状輪郭、SPはスプライン歯、Tは薄肉部、である。

Claims (5)

  1. 最終加工品の内周または外周の輪郭の打ち抜き加工に先立ち、打ち抜き加工をする位置の近傍で最終加工品でない側にあらかじめ据え込み型により据え込み加工を行い、打ち抜き加工をする位置の近傍に加工硬化を生じさせ、前記据え込み加工されて薄くなった部分から元の厚さの部分に若干入った位置で打ち抜き型により打ち抜き加工することを特徴とする打ち抜き加工におけるだれ抑制方法。
  2. 前記据え込み型のダイの、少なくとも製品として残る部分の据え込みに係る部分に、打ち抜き加工する部分に向かって下がる傾斜を設けることを特徴とする請求項1に記載の打ち抜き加工におけるだれ抑制方法。
  3. 前記最終加工品は、自動変速機の摩擦係合装置に用いられるバッキングプレートであり、外周側に前記据え込み加工によりスプライン状の輪郭を形成し、外周側に前記打ち抜き加工によりスプライン歯を形成することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の打ち抜き加工におけるだれ抑制方法。
  4. 前記最終加工品は、自動変速機の摩擦係合装置に用いられるバッキングプレートであり、リング状の部材の内周側にスプライン歯を形成し、内周側に前記打ち抜き加工することを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項3の何れか1項に記載の打ち抜き加工におけるだれ抑制方法。
  5. 打ち抜き加工される位置の近傍に据え込み加工を行うときに、最終製品で薄肉にすべき部分にも同時に据え込み加工を行うことを特徴とする請求項1、2、3または4の何れかに記載の打ち抜き加工におけるだれ抑制方法。
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