JPWO2016133115A1 - 自己組織化膜の形成方法、パターン形成方法及び自己組織化膜形成用組成物 - Google Patents

自己組織化膜の形成方法、パターン形成方法及び自己組織化膜形成用組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、自己組織化により相分離構造を形成しうる1種又は複数種の第1重合体と溶媒とを含有する自己組織化膜形成用組成物により、基板上に塗布膜を形成する工程を備え、上記溶媒が、芳香環含有化合物を含有する自己組織化膜の形成方法である。上記塗布膜を加熱する工程をさらに備えることが好ましい。上記溶媒における上記芳香環含有化合物の含有量としては、80質量%以下が好ましく、50質量%以上が好ましい。上記自己組織化膜形成用組成物が、上記第1重合体よりも表面自由エネルギーが小さい第2重合体をさらに含有し、上記第2重合体が自己組織化膜の上方に偏在することが好ましい。

Description

本発明は、自己組織化膜の形成方法、パターン形成方法及び自己組織化膜形成用組成物に関する。
半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイス構造の微細化に伴って、パターン形成工程におけるパターンの微細化が要求されている。現在、例えばArFエキシマレーザーを用いて線幅50nm程度の微細なパターンを形成することができるが、さらに微細なパターン形成が要求されるようになってきている。
上記要求に対し、秩序パターンを自発的に形成するいわゆる自己組織化による相分離(ミクロドメイン)構造を利用した自己組織化パターンの形成方法が提案されている。かかる自己組織化パターンの形成方法として、一の性質を有する単量体化合物と、それと性質の異なる単量体化合物とを共重合してなるブロック共重合体を用い、自己組織化により超微細パターンを形成する方法が知られている(特開2008−149447号公報、特表2002−519728号公報及び特開2003−218383号公報参照)。この方法によると、上記ブロック共重合体を含む膜をアニーリングすることにより、同じ性質を持つ構造同士が集まろうと規則配列するために、自己整合的にパターンを形成することができる。また、互いに性質の異なる複数の重合体を含む組成物を自己組織化させることにより微細パターンを形成する方法も知られている(米国特許出願公開2009/0214823号明細書及び特開2010−58403号公報参照)。
しかし、上記従来の技術では、自己組織化により形成される相分離構造が十分に良好なものにならない、塗布性が十分でない等の理由で、形成される自己組織化膜において欠陥の発生を抑制することができないという不都合がある。
特開2008−149447号公報 特表2002−519728号公報 特開2003−218383号公報 米国特許出願公開2009/0214823号明細書 特開2010−58403号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、欠陥の少ない自己組織化膜を形成することができる自己組織化膜の形成方法を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、自己組織化により相分離構造を形成しうる1種又は複数種の第1重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)と溶媒(以下、「[B]溶媒」ともいう)とを含有する自己組織化膜形成用組成物(以下、「組成物(I)」ともいう)により、基板上に塗布膜を形成する工程(以下、「塗布膜形成工程」ともいう)を備え、上記[B]溶媒が、芳香環含有化合物(以下、「[B1]化合物」ともいう)を含む自己組織化膜の形成方法である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該自己組織化膜の形成方法と、上記自己組織化膜の一部の相を除去する工程(以下、「除去工程」ともいう)とを備えるパターン形成方法である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、自己組織化により相分離構造を形成しうる1種又は複数種の[A]重合体と、[B]溶媒とを含有し、上記[B]溶媒が、[B1]化合物を含み、上記[B]溶媒における上記[B1]化合物の含有量が、50質量%以上である自己組織化膜形成用組成物である。
ここで「自己組織化(Directed Self Assembly)」とは、外的要因からの制御のみに起因せず、自発的に組織や構造を構築する現象をいう。
本発明の自己組織化膜の形成方法及び自己組織化膜形成用組成物によれば、欠陥の少ない自己組織化膜を形成することができる。本発明のパターン形成方法によれば、このような欠陥の少ない自己組織化膜を用いて良好な形状のパターンを形成することができる。従って、これらはさらなる微細化が要求されている半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイス製造におけるパターン形成工程に好適に用いることができる。
本発明の自己組織化膜の形成方法において、基板上に塗布膜を形成した後の状態の一例を示す模式図である。 本発明の自己組織化膜の形成方法において、自己組織化膜を形成した後の状態の一例を示す模式図である。 本発明のパターン形成方法において、基板上に下層膜を形成した後の状態の一例を示す模式図である。 本発明のパターン形成方法において、下層膜上にプレパターンを形成した後の状態の一例を示す模式図である。 本発明のパターン形成方法において、プレパターンによって挟まれた下層膜上の領域に塗布膜を形成した後の状態の一例を示す模式図である。 本発明のパターン形成方法において、プレパターンによって挟まれた下層膜上の領域に自己組織化膜を形成した後の状態の一例を示す模式図である。 本発明のパターン形成方法において、自己組織化膜の一部の相及びプレパターンを除去した後の状態の一例を示す模式図である。
以下、本発明の自己組織化膜の形成方法、パターン形成方法及び自己組織化膜形成用組成物の実施の形態について詳説する。
<自己組織化膜の形成方法>
当該自己組織化膜の形成方法は、塗布膜形成工程を備え、この塗布膜形成工程における塗布膜を組成物(I)により形成する。当該自己組織化膜の形成方法によれば、規則配列構造の欠陥の少ない自己組織化膜を形成することができる。当該自己組織化膜の形成方法が上記構成を有することで上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば[B]溶媒が特定の構造を有する[B1]化合物を含むことで、相分離がより良好に行われること等が挙げられる。
当該自己組織化膜の形成方法は、上記塗布膜を加熱する工程(以下、「加熱工程」ともいう)をさらに備えることが好ましい。また、上記加熱工程の前又は上記加熱工程と同時に、上記塗布膜を静置する工程(以下、「静置工程」ともいう)を備えていてもよい。
当該自己組織化膜の形成方法で形成される相分離構造としては、海島構造、シリンダ構造、共連続構造、ラメラ構造等が挙げられる。当該自己組織化膜の形成方法で形成される相分離構造は部分的なものであってもよい。以下、各工程、組成物(I)の順に、図面を参照しつつ説明する。
[塗布膜形成工程]
本工程は、図1に示すように、基板101上に塗布膜102を形成する工程である。塗布膜102は、後述する組成物(I)により形成する。基板101としては、例えばシリコンウェハ、二酸化シリコン、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知のものなどが挙げられる。また、後述するように、下層膜及び/又はプレパターンを基板上に形成してもよい。塗布膜102を形成する方法としては、例えば回転塗布(スピンコーティング)、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。
形成される塗布膜102の平均厚みの下限としては、特に限定されないが、0.2nmが好ましく、1nmがより好ましく、2nmがさらに好ましく、10nmが特に好ましい。塗布膜102の平均厚みの上限としては、特に限定されないが、1,000nmが好ましく、200nmがより好ましく、120nmがさらに好ましく、70nmが特に好ましい。
[静置工程]
本工程は、上記塗布膜形成工程で形成された塗布膜102を静置する工程である。「塗布膜を静置する」とは、塗布膜状の状態を保持し、かつ移動していないことをいう。当該自己組織化膜の形成方法は、本工程を備えることで、より良好な相分離構造を形成することができる。本工程は、塗布膜が塗布膜状の状態を保持している限り、塗布膜から[B]溶媒の一部又は全部が蒸発してもよい。
上記静置工程の時間の下限としては、1分が好ましく、3分がより好ましく、5分がさらに好ましい。上記時間を上記下限以上とすることで、より良好な相分離構造を形成することができ、ひいては規則配列構造の欠陥のより少ない自己組織化膜を形成することができる。上記時間の上限としては、生産性の観点から、120分が好ましく、60分がより好ましく、30分がさらに好ましく、20分が特に好ましい。
当該自己組織化膜の形成方法は、上記静置工程の後に、上記塗布膜から溶媒を除去する工程(以下、「溶媒除去工程」ともいう)をさらに備えてもよい。溶媒除去工程を行う方法としては、例えば加熱する方法等が挙げられる。
[加熱工程]
本工程は、塗布膜102を加熱する工程である。本工程は、上記塗布膜形成工程、上記静置工程及び上記溶媒除去工程のいずれで行ってもよいが、上記静置工程で行うことが好ましい。当該自己組織化膜の形成方法は、本工程を上記静置工程で行うことにより、より良好な相分離構造を形成することができる。
上記加熱工程における加熱方法としては、例えばオーブン、ホットプレート等により加熱する方法等が挙げられる。
上記加熱工程の温度の下限としては、40℃が好ましく、100℃がより好ましく、150℃がさらに好ましく、200℃が特に好ましい。上記加熱工程の温度の上限としては、300℃が好ましく、280℃がより好ましく、260℃がさらに好ましく、240℃が特に好ましい。上記加熱工程の温度を上記範囲とすることで、より良好な相分離構造を形成することができる。
上記加熱工程の時間の下限としては、1分が好ましく、3分がより好ましく、5分がさらに好ましい。上記時間の上限としては、120分が好ましく、60分がより好ましく、30分がさらに好ましく、20分が特に好ましい。上記時間を上記範囲とすることで、より良好な相分離構造を形成することができる。
塗布膜102から相分離構造が形成されることで自己組織化膜103が形成される。組成物(I)が後述する[C]重合体を含有する場合、図2に示すように、例えば[C]重合体が自己組織化膜103の上方に偏在して領域104を形成し、[A]重合体は略垂直方向に相分離して自己組織化膜103を形成する。
自己組織化膜103の平均厚みの下限としては、特に限定されないが、0.1nmが好ましく、0.5nmがより好ましく、1nmがさらに好ましく、10nmが特に好ましい。自己組織化膜103の平均厚みの上限としては、特に限定されないが、500nmが好ましく、100nmがより好ましく、60nmがさらに好ましく、40nmが特に好ましい。
[アニーリング工程]
当該自己組織化膜の形成方法は、自己組織化膜103の相分離構造をより良好なものにするために、形成された自己組織化膜103をアニーリングする工程を備えてもよい。アニーリングの方法としては、例えばオーブン、ホットプレート等により加熱する方法などが挙げられる。上記加熱温度の下限としては、80℃が好ましく、100℃がより好ましく、150℃がさらに好ましい。上記加熱温度の上限としては、400℃が好ましく、350℃がより好ましく、300℃がさらに好ましい。上記加熱時間の下限としては、通常30秒であり、1分が好ましく、2分がより好ましく、3分がさらに好ましい。上記加熱時間の上限としては、120分が好ましく、90分がより好ましく、60分がさらに好ましい。
<組成物(I)>
組成物(I)は、[A]重合体と[B]溶媒とを含有する。組成物(I)は、[A]重合体及び[B]溶媒以外にも、[A]重合体よりも表面自由エネルギーが小さい第2重合体(以下、「[C]重合体」ともいう)、界面活性剤等の他の成分を含有してもよい。以下、組成物(I)の各成分について説明する。
[[A]重合体]
[A]重合体は、自己組織化により相分離構造を形成しうる1種又は複数種の重合体である。[A]重合体は1種のブロック共重合体(以下、「[A1]ブロック共重合体」ともいう)のみからなることが好ましい。また、[A]重合体は複数種の重合体(以下、「[A2]重合体」ともいう)からなることも好ましい。
([A1]ブロック共重合体)
[A1]ブロック共重合体は、複数のブロックが結合した構造を有する重合体である。上記ブロックのそれぞれは1種類の単量体に由来する構造単位の連鎖構造からなる。このような複数のブロックを有する[A1]ブロック共重合体は、加熱等により、同じ種類のブロック同士が凝集し、同種のブロックからなる相を形成する。このとき異なる種類のブロックから形成される相同士は互いに混ざり合うことがないため、異種の相が周期的に交互に繰り返される秩序パターンを有する相分離構造を形成することができると推察される。
[A1]ブロック共重合体としては、例えばジブロック共重合体、トリブロック共重合体、テトラブロック共重合体等が挙げられる。これらの中で、所望の微細な相分離構造を有するパターンをより容易に形成できるという観点から、ジブロック共重合体及びトリブロック共重合体が好ましく、ジブロック共重合体がより好ましい。
上記ブロックとしては、例えばポリスチレンブロック、ポリ(メタ)アクリル酸エステルブロック、ポリビニルアセタールブロック、ポリウレタンブロック、ポリウレアブロック、ポリイミドブロック、ポリアミドブロック、エポキシブロック、ノボラック型フェノールブロック、ポリエステルブロック等が挙げられる。
相分離構造の形成し易さ及び相の除去のし易さの観点から、[A1]ブロック共重合体としては、ポリスチレンブロックとポリ(メタ)アクリル酸エステルブロックとからなる重合体が好ましい。
[A1]ブロック共重合体がジブロック共重合体の場合、これを構成する2種の構造単位(A)及び(B)の含有割合の質量比((A)/(B))としては、所望するラインスペースパターンのライン/スペース幅比、コンタクトホールの寸法等に応じて適宜選択できる。微細かつ良好な相分離構造を形成する観点から、ラメラ構造を形成する場合、上記(A)/(B)の下限としては、35/65が好ましく、40/60がより好ましい。ラメラ構造を形成する場合、上記(A)/(B)の上限としては、65/35が好ましく、60/40がより好ましい。また、微細かつ良好な相分離構造を形成する観点から、シリンダ構造を形成する場合、上記(A)/(B)の下限としては、65/35が好ましい。シリンダ構造を形成する場合、上記(A)/(B)の上限としては、85/15が好ましく、75/25がより好ましい。
([A1]ブロック共重合体の合成方法)
[A1]ブロック共重合体は、リビングアニオン重合、リビングラジカル重合等によって、各ブロックを所望の順で形成することにより合成することができる。例えばポリスチレンブロック、ポリ(メタ)アクリル酸エステルブロック、これら以外の他のブロック等を所望の順で重合しながら連結した後、メタノール等を添加して重合を停止させることにより合成することができる。
例えばポリスチレンブロック及びポリ(メタ)アクリル酸エステルブロックからなるジブロック共重合体である[A1]ブロック共重合体を合成する場合は、まずアニオン重合開始剤を使用して、適当な溶媒中でスチレンを重合することによりポリスチレンブロックを合成する。次にポリスチレンブロックに繋げて、(メタ)アクリル酸エステルを同様に重合してポリ(メタ)アクリル酸エステルブロックを合成する。その後、メタノール等を添加することにより、重合を停止させる。なお、それぞれのブロックの合成方法としては、例えばアニオン重合開始剤を含有する反応溶媒中に単量体を含有する溶液を滴下して重合反応させる方法等が挙げられる。
上記重合に使用される溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
上記重合における反応温度は、アニオン重合開始剤の種類に応じて適宜決定すればよい。上記重合における反応温度の下限としては、通常−150℃であり、−80℃が好ましい。上記重合における反応温度の上限としては、通常50℃であり、40℃が好ましい。上記重合における反応時間の下限としては、通常5分であり、20分が好ましく、1時間がより好ましい。上記重合における反応時間の上限としては、通常24時間であり、12時間が好ましく、6時間がより好ましい。
上記重合に使用されるアニオン重合開始剤としては、例えばアルキルリチウム、アルキルマグネシウムハライド、ナフタレンナトリウム、アルキル化ランタノイド系化合物等が挙げられる。これらのうち、モノマーとしてスチレン及び/又は(メタ)アクリル酸エステルを使用して重合する場合には、アルキルリチウム化合物を用いることが好ましい。
上記重合において、上述のように各ブロックを所望の順で形成した後、その重合末端を、例えばヘテロ原子を含む末端処理剤で処理することにより、上記ブロック共重合体の末端にヘテロ原子を含む基を導入することもできる。[A1]ブロック共重合体の末端にヘテロ原子を含む基を導入することで、組成物(I)における相分離がより良好なものに制御され得る。
上記ヘテロ原子を含む末端処理剤としては、例えば
1,2−ブチレンオキシド、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、エポキシアミン等のエポキシ化合物;
イソシアネート化合物、チオイソシアネート化合物、イミダゾリジノン、イミダゾール、アミノケトン、ピロリドン、ジエチルアミノベンゾフェノン、ニトリル化合物、アジリジン、ホルムアミド、エポキシアミン、ベンジルアミン、オキシム化合物、アジン、ピドラゾン、イミン、アゾカルボン酸エステル、アミノスチレン、ビニルピリジン、アミノアクリレート、アミノジフェニルエチレン、イミド化合物等の含窒素化合物;
アルコキシシラン、アミノシラン、ケトイミノシラン、イソシアネートシラン、シロキサン、グリシジルシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、ピリジルシラン、ピペラジルシラン、ピロリドンシラン、シアノシラン、イソシアン酸シラン等のシラン化合物;
ハロゲン化スズ、ハロゲン化ケイ素、二酸化炭素等が挙げられる。
上記重合により合成された[A1]ブロック共重合体は、再沈殿法により回収することが好ましい。すなわち、重合反応後、反応液を再沈溶媒に投入することにより、目的の共重合体を粉体として回収する。再沈溶媒としては、アルコール類やアルカン類等を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。再沈殿法の他に、分液操作やカラム操作、限外濾過操作等により、単量体、オリゴマー等の低分子量成分を除去して、重合体を回収することもできる。
[A1]ブロック共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、8,000がより好ましく、20,000がさらに好ましく、40,000が特に好ましい。[A1]ブロック共重合体のMwの上限としては、150,000が好ましく、100,000がより好ましく、80,000がさらに好ましく、70,000が特に好ましい。[A1]ブロック共重合体のMwを上記範囲とすることで、さらに良好な相分離構造を形成することができる。
[A1]ブロック共重合体のMwと数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)の下限としては、通常1である。[A1]ブロック共重合体のMw/Mnの上限としては、通常5であり、3が好ましく、2がより好ましく、1.5がさらに好ましく、1.2が特に好ましい。[A1]ブロック共重合体のMw/Mnを上記範囲とすることで、より良好な相分離構造を形成することができる。
Mw及びMnは、東ソー社のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本)を使用し、溶離液:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)、流量:1.0mL/分、試料濃度:1.0質量%、試料注入量:100μL、カラム温度:40℃の分析条件で、検出器として示差屈折計を使用し、単分散ポリスチレンを標準とするGPCにより測定したものである。
([A2]重合体)
[A2]重合体は複数種の重合体からなる。このような複数種の重合体を有する[A2]重合体を適切な溶媒に溶解させると同じ種類の重合体同士が凝集し、同種の重合体からなる相を形成する。このとき異なる種類の重合体から形成される層同士は互いに混ざり合うことがないため、異種の相が周期的に交互に繰り返される秩序パターンを有する相分離構造を形成することができると推察される。
[A2]重合体は、所望の相分離構造に応じて、重合体を2種又は3種以上含むことができるが、2種が好ましい。[A2]重合体を構成する重合体としては、例えばアクリル系重合体、スチレン系重合体、ビニルアセタール系重合体、ウレタン系重合体、ウレア系重合体、イミド系重合体、アミド系重合体、ノボラック型フェノール重合体、エステル系重合体等が挙げられる。なお、上記重合体としては、1種類の単量体から合成されるホモポリマーであっても、複数種の単量体から合成されるコポリマーであってもよい。[A2]重合体としては、スチレン系重合体及びアクリル系重合体を含むものが好ましく、スチレン系重合体及びアクリル系重合体のみからなるものがより好ましい。
[A2]重合体が2種の重合体からなる場合、[A2]重合体における各重合体の質量比の下限としては、10/90が好ましく、20/80がより好ましく、30/70がさらに好ましい。[A2]重合体における各重合体の質量比の上限としては、90/10が好ましく、80/20がより好ましく、70/30がさらに好ましい。[A2]重合体における各重合体の質量比を上記範囲とすることで、より良好な相分離構造を形成することができる。
([A2]重合体の合成方法)
[A2]重合体におけるそれぞれの重合体は、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤等の重合開始剤を使用し、適当な重合反応溶媒中で重合することにより製造できる。重合体の合成方法としては、例えば単量体及び重合開始剤を含有する溶液を重合反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、単量体を含有する溶液と重合開始剤を含有する溶液とを各別に重合反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、各々の単量体を含有する複数種の溶液と重合開始剤を含有する溶液とを各別に重合反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル重合開始剤などが挙げられる。これらの中で、AIBN及びジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル重合開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記重合に使用される溶媒としては、例えば上述の[A1]ブロック共重合体の合成方法において挙げたものと同様の溶媒等が使用できる。
上記重合における反応温度の下限としては、通常40℃であり、50℃が好ましい。上記重合における反応温度の上限としては、通常150℃であり、120℃が好ましい。上記重合における反応時間の下限としては、通常1時間である。上記重合における反応時間の上限としては、通常48時間であり、24時間が好ましい。
上記重合反応により得られた重合体は、上述の[A1]ブロック共重合体の合成方法と同様にして、再沈殿法により回収することが好ましい。
[A2]重合体におけるそれぞれの重合体のMwの下限としては、特に限定されないが、3,000が好ましく、5,000がより好ましく、7,000がさらに好ましく、8,000が特に好ましい。上記重合体のMwの上限としては、特に限定されないが、50,000が好ましく、30,000がより好ましく、20,000がさらに好ましく、15,000が特に好ましい。上記重合体のMwを上記範囲とすることで組成物(I)からより微細なパターンを得ることができ、パターンの矩形性も向上する。上記重合体のMwが上記下限未満であると自己組織化膜の耐熱性が低下するおそれがある。上記重合体のMwが上記上限を超えると十分に微細なパターンが得られないおそれがある。
[A2]重合体におけるそれぞれの重合体のMw/Mnの下限としては、通常1である。上記重合体のMw/Mnの上限としては、通常5であり、3が好ましく、2がさらに好ましい。
[A]重合体の含有量の下限としては、組成物(I)の全固形分に対して、70質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましく、95質量%が特に好ましい。
[[B]溶媒]
[B]溶媒は、[B1]化合物を含む。[B]溶媒は、本発明の効果を損なわない範囲で、[B1]化合物以外の他の溶媒を含んでもよい。組成物(I)における[B]溶媒の含有量の下限としては、50質量%が好ましく、75質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましく、95質量%が特に好ましく、98質量%がさらに特に好ましい。
([B1]化合物)
[B1]化合物は、芳香環を有する化合物であり、好ましくは、1気圧における沸点が150℃以上300℃以下、かつ25℃における表面張力が29mN/m以上60mN/m以下の溶媒である。
[B]溶媒における[B1]化合物の含有量の下限としては、30質量%が好ましく、50質量%がより好ましく、55質量%がさらに好ましく、60質量%が特に好ましい。上記含有量の上限としては、99.9質量%が好ましく、99質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましく、80質量%が特に好ましく、75質量%がさらに特に好ましく、70質量%が最も好ましい。当該自己組織化膜の形成方法によれば、[B]溶媒が[B1]化合物を上記範囲の含有量で含むことにより、規則配列構造の欠陥のより少ない自己組織化膜を形成することができる。
芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられ、ベンゼン環が特に好ましい。
[B1]化合物としては、例えば
アニソール、フェニルエチルエーテル、トリルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;
イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン等の炭化水素系溶媒;
フェニルメチルケトン、フェニルエチルケトン等のケトン系溶媒;
ギ酸フェニル、酢酸フェニル、安息香酸メチル等のエステル系溶媒;
N,N−ジメチル安息香酸アミド、N−メチル−N−フェニルホルムアミド等のアミド系溶媒;
フェニルメチルスルホキシド、ベンゾニトリル等の非プロトン性極性溶媒;
プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、ナフチルメチルアルコール等のアルコール系溶媒;
イプゾール100、イプゾール150(芳香族炭化水素が主成分の混合溶媒、出光興産社)などが挙げられる。
[B1]化合物としては、これらの中で、エーテル系溶媒、炭化水素系溶媒及びアルコール系溶媒が好ましく、アニソール、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、トリメチルベンゼン、プロピレングリコールモノフェニルエーテル及びこれらの組み合わせがより好ましく、アニソール、1,3,5−トリメチルベンゼン及びこれらの組み合わせが特に好ましい。[B1]化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[B1]化合物の溶解度パラメータ(SP値)の下限としては、8(cal/cm1/2が好ましく、8.3(cal/cm1/2がより好ましく、8.5(cal/cm1/2がさらに好ましい。一方、[B1]化合物のSP値の上限としては、15(cal/cm1/2が好ましく、13(cal/cm1/2がより好ましく、12.5(cal/cm1/2がさらに好ましい。このように[B1]化合物のSP値を上記範囲とすることで、[B1]化合物と[A]重合体との相溶性を向上することができ、また上記加熱工程を行う場合等には[B1]化合物の蒸発をさらに抑えつつ加熱することができるため、より良好な相分離構造を形成することができる。
なお、「SP値」は、Fedorsらが提案した方法によって計算されるものである。具体的には、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(第147頁〜154頁)」に記載の方法で計算することができる。
[B1]化合物の25℃における粘度の下限としては、1mPa・sが好ましく、1.3mPa・sがより好ましく、1.5mPa・sがさらに好ましい。上記粘度の上限としては、20mPa・sが好ましく、10mPa・sがより好ましく、5mPa・sがさらに好ましく、3mPa・sが特に好ましい。このように上記粘度を上記範囲とすることで、より良好な相分離構造を形成することができる。
[B]溶媒は、[B1]化合物以外の他の溶媒を含んでいてもよい。
他の溶媒としては、芳香環を有さない化合物であって、例えばケトン系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒、非プロトン性極性溶媒、アルコール系溶媒等が挙げられる。
他の溶媒としては、具体的には、
シクロヘキサノン、シクロヘプタノン等のケトン系溶媒;
γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶媒;
プロピレングリコールジアセテート、1,4−ブタンジオールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のアルキレングリコールジアセテート系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート系溶媒;
ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;
シクロヘキサノールアセテート、トリアセチン等のエステル系溶媒;
N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;
ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;
1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコ−ルメチルエ−テル、トリプロピレングリコールn−ブチルエ−テル等のアルコール系溶媒などが挙げられる。
他の溶媒としては、これらの中で、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート系溶媒が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。
[B]溶媒が他の溶媒を含む場合、[B]溶媒における他の溶媒の含有量の下限としては、0.1質量%が好ましく、1質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましく、20質量%が特に好ましく、25質量%がさらに特に好ましく、30質量%が最も好ましい。上記含有量の上限としては、70質量%が好ましく、50質量%がより好ましく、45質量%がさらに好ましく、40質量%が特に好ましい。当該自己組織化膜の形成方法によれば、[B]溶媒が他の溶媒を上記範囲の含有量で含むことにより、自己組織化膜形成用組成物の良好な濾過性を確保しつつ、規則配列構造の欠陥のより少ない自己組織化膜を形成することができる。
[他の成分]
[[C]重合体]
[C]重合体は、[A]重合体よりも表面自由エネルギーが小さい重合体である。図1に示すように、[C]重合体を含有する組成物(I)により塗布膜102を形成した際、[C]重合体の方が[A]重合体よりも表面自由エネルギーが小さいため、[C]重合体は自己組織化の過程において、塗布膜102中の上部領域に偏在して推移すると考えられる。また、塗布膜102中の[B1]化合物は、[C]重合体の上部領域への偏在を促進すると考えられる。この塗布膜102中の上部領域に偏在する[C]重合体と、上部領域以外の領域に存在する[A]重合体との相互作用により、[A]重合体の相分離をより良好に進行させることができ、より良好な相分離構造を有する自己組織化膜103を形成することができ、その結果、より規則配列構造の欠陥の少ない自己組織化膜を得ることができる。上述のように[C]重合体により相分離がより良好になる理由については必ずしも明確ではないが、例えば[C]重合体を適用しない場合、大気と[A]重合体の表面自由エネルギー差が大きいために略水平方向への相分離が促進される傾向にあるが、[C]重合体を適用することで、[A]重合体との表面自由エネルギー差が小さくなり、略水平方向への相分離が抑制されるため、結果として略垂直方向への相分離が効果的に実施されること等が考えられる。最終的には、図2に示すように、[C]重合体は自己組織化膜103の上方の領域104に偏在する。
各重合体の表面自由エネルギーは、例えば各重合体の溶液をスピンコートした後、加熱等することにより各重合体の薄膜を形成させ、文献「JOURNAL OF APPLIED POLYMER SCIENCE VOL.13,PP.1741−1747(1969)」に記載されているD.K.OWENSらの方法に従い、上記薄膜上における純水及びヨウ化メチレン等の液体の接触角を測定し、その測定値から下記式(X)及び下記式(Y)の関係を用いて求めることができる。
(1+cosθ)×γ=2(γ ×γ 1/2+2(γ ×γ 1/2
・・・(X)
γ=γ +γ ・・・(Y)
(γ:重合体の表面自由エネルギー、γ :重合体の表面自由エネルギーの分散成分、γ :重合体の表面自由エネルギーの極性成分、γ:液体の表面自由エネルギー、γ :液体の表面自由エネルギーの分散成分、γ :液体の表面自由エネルギーの極性成分、θ:接触角)
[A]重合体の表面自由エネルギーから[C]重合体の表面自由エネルギーを減じた値の下限としては、1mN/mが好ましく、3mN/mがより好ましく、5mN/mがさらに好ましく、7mN/mが特に好ましく、9mN/mがさらに特に好ましい。[A]重合体の表面自由エネルギーから[C]重合体の表面自由エネルギーを減じた値の上限としては、20mN/mが好ましく、18mN/mがより好ましく、15mN/mがさらに好ましく、13mN/mが特に好ましく、11mN/mがさらに特に好ましい。上記表面自由エネルギー差を上記範囲とすることで、上記塗布膜形成工程等において[C]重合体をより効果的に偏在化させ、[C]重合体と[A]重合体との相互作用をより効果的に高めることができると考えられ、その結果、より規則配列構造の欠陥の少ない自己組織化膜を得ることができる。
[C]重合体としては、[A]重合体よりも表面自由エネルギーが小さい限り特に限定されないが、フッ素原子及び/又は珪素原子を含む構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有することが好ましい。上記構造単位(I)の含有割合の下限としては、[C]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、14モル%がより好ましく、18モル%がさらに好ましく、22モル%が特に好ましい。上記構造単位(I)の含有割合の上限としては、[C]重合体を構成する全構造単位に対して、50モル%が好ましく、45モル%がより好ましく、40モル%がさらに好ましく、36モル%が特に好ましい。上記構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、上述の[C]重合体の偏在化及び[C]重合体と[A]重合体との相互作用をより効果的に向上させることができる。
また、[C]重合体は、上記構造単位(I)以外の他の構造単位(以下、「構造単位(II)」ともいう)を有していてもよい。上記構造単位(II)としては、例えば(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位、スチレン化合物に由来する構造単位等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等が挙げられる。
上記スチレン化合物としては、例えばスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−(t−ブトキシ)スチレン等が挙げられる。
[C]重合体が有する構造単位としては、[A]重合体との相互作用をより適度に高めることができると考えられ、より良好な相分離構造を形成させる観点から、[A]重合体が有する構造単位の少なくとも一部を含むことが好ましく、[A]重合体が有する構造単位をすべて含むことがより好ましい。例えば[A]重合体が、ポリスチレンブロック−ポリ(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルブロックのジブロック共重合体である場合、[C]重合体は、上記構造単位(I)以外に、スチレンに由来する構造単位及び(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルに由来する構造単位の少なくともいずれかを有することが好ましく、スチレンに由来する構造単位及び(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルに由来する構造単位の両方を有することがより好ましい。
[C]重合体としては[A]重合体との相互作用をより効果的に発揮することができ、より良好な相分離構造を形成させる観点から、ランダム共重合体が好ましい。
[C]重合体は、例えば上記構造単位(I)及び構造単位(II)等の各構造単位を与える単量体を、上述の[A]重合体の合成方法と同様にして、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
[C]重合体のMwの下限としては、1,000が好ましく、5,000がより好ましく、8,000がさらに好ましく、10,000が特に好ましい。[C]重合体のMwの上限としては、100,000が好ましく、60,000がより好ましく、40,000がさらに好ましく、30,000が特に好ましい。[C]重合体のMwを上記範囲とすることで、より規則配列構造の欠陥の少ない自己組織化膜を形成することができる。
[C]重合体のMw/Mnの下限としては、通常1であり、1.1が好ましい。[C]重合体のMw/Mnの上限としては、通常5であり、3が好ましく、2.5がより好ましく、1.8がさらに好ましく、1.5が特に好ましい。[C]重合体のMw/Mnを上記範囲とすることで、より規則配列構造の欠陥の少ない自己組織化膜を形成することができる。
[界面活性剤]
組成物(I)は、さらに界面活性剤を含有してもよい。組成物(I)が界面活性剤を含有することで、基板等への塗布性を向上させることができる。
[組成物(I)の調製方法]
組成物(I)は、例えば[A]重合体、[B]溶媒、及び必要に応じて他の成分を混合し、好ましくは孔径200nm程度のメンブランフィルターで濾過することにより調製することができ、さらに好ましくは、孔径10nm程度の高密度ポリエチレン製フィルターで循環濾過を行うことにより調製することができる。
組成物(I)の固形分濃度の下限としては、0.01質量%が好ましく、0.1質量%がより好ましく、0.3質量%がさらに好ましく、0.5質量%が特に好ましい。組成物(I)の固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、20質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましく、5質量%が特に好ましい。
組成物(I)中の重合体の流体力学的半径(Rh)は、特に限定されず、組成物(I)の調製に用いる[A]重合体の種類、及び[B]溶媒中の[B1]化合物の種類及び含有量等により適宜設定することができるが、組成物(I)の調製容易性の観点から、組成物(I)の調製の際の濾過に用いるフィルターの孔径より小さいことが好ましい。
Rhの上限としては、30nmが好ましく、10nmがより好ましく、8nmがさらに好ましく、7nmが特に好ましく、6nmがさらに特に好ましい。Rhの下限としては、例えば4nmであり、5nmが好ましい。組成物(I)中の重合体のRhは、動的光散乱測定(DLS)等により測定することができる。
<パターン形成方法>
当該パターン形成方法は、当該自己組織化膜の形成方法と、上記除去工程とを備える。
当該パターン形成方法は、上述の当該自己組織化膜の形成方法における塗布膜形成工程の前に、基板の上面側に下層膜を形成する工程(以下、「下層膜形成工程」ともいう)及び/又は上記基板の上面側にプレパターンを形成する工程(以下、「プレパターン形成工程」ともいう)をさらに備えてもよい。
当該パターン形成方法は、当該自己組織化膜の形成方法の後に、プレパターンを除去する工程(以下、「プレパターン除去工程」ともいう)をさらに備えてもよく、上記除去工程後に上記形成されたパターンをマスクとして上記基板をエッチングする工程(以下、「基板パターン形成工程」ともいう)をさらに備えることが好ましい。以下、各工程について図面を参照しつつ説明する。なお、組成物(I)における[A]重合体が[A1]ブロック共重合体である場合を例として説明する。
[下層膜形成工程]
本工程は、基板101の上面側に下層膜105を形成する工程である。これにより、図3に示すように、基板101上に下層膜105が形成された下層膜付き基板を得ることができる。後述する自己組織化膜103は、この下層膜105上に形成される。自己組織化膜103が有する相分離構造は、組成物(I)が含有する[A1]ブロック共重合体の各ブロック間の相互作用に加え、下層膜105との相互作用によっても変化するため、下層膜105を有することで構造制御がより容易となる場合がある。さらに、自己組織化膜103が薄膜である場合には、下層膜105を有することでその転写プロセスを改善することができる。
下層膜105の形成に用いられる下層膜形成用組成物としては、従来公知の有機下層膜形成材料等を用いることができ、例えば架橋剤、熱酸発生剤等を含む下層膜形成用組成物などが挙げられる。
下層膜105の形成方法は特に限定されないが、例えば基板101上に下層膜形成用組成物をスピンコート法等の公知の方法により塗布した後、露光及び/又は加熱することにより硬化して形成する方法等が挙げられる。この露光に用いられる放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等が挙げられる。また、上記加熱温度の下限としては、特に限定されないが、90℃が好ましい。上記加熱温度の上限としては、特に限定されないが、550℃が好ましく、450℃がより好ましく、300℃がさらに好ましい。上記加熱時間の下限としては、5秒が好ましく、10秒がより好ましく、20秒がさらに好ましい。上記加熱時間の上限としては、1,200秒が好ましく、600秒がより好ましく、300秒がさらに好ましい。下層膜105の平均厚みの下限としては、特に限定されないが、1nmが好ましく、2nmがより好ましく、3nmがさらに好ましい。下層膜105の平均厚みの上限としては、特に限定されないが、20,000nmが好ましく、1,000nmがより好ましく、100nmがさらに好ましい。
[プレパターン形成工程]
本工程は、プレパターンを形成する工程である。このプレパターンは、基板上に形成してもよく、図4に示すように上記下層膜形成工程で形成された下層膜105上に形成してもよい。プレパターン106によって相分離構造の形状が制御され、より微細なパターンの形成が可能となる。すなわち、組成物(I)が含有する[A1]ブロック共重合体が有するブロックのうち、プレパターンの側面と親和性が高いブロック(「ブロック(II)」とする)はプレパターンに沿ってブロック相(II)103bを形成し、親和性の低いブロック(「ブロック(I)」とする)はプレパターンから離れた位置にブロック相(I)103aを形成する。これにより、形成されるパターンがより微細かつ良好になる。また、プレパターンの材質、サイズ、形状等により、自己組織化膜103の相分離構造を細かく制御することができる。なお、プレパターン106としては、最終的に形成したいパターンに合わせて適宜選択することができ、例えばラインアンドスペースパターン、ホールパターン、シリンダーパターン等を用いることができる。
プレパターン106を形成する方法としては、公知のレジストパターン形成方法と同様の方法等が挙げられる。また、このプレパターン106の形成に用いられる組成物としては、酸解離性基を有する重合体、感放射線性酸発生剤及び有機溶媒を含有する組成物等の従来のレジスト組成物を用いることができる。具体的には、例えば市販の化学増幅型レジスト組成物を基板101又は下層膜105上に塗布してレジスト膜を形成する。次に、上記レジスト膜の所望の領域に特定パターンのマスクを介して放射線を照射し、露光を行う。上記放射線としては、例えば紫外線、遠紫外線、X線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。これらの中で、遠紫外線が好ましく、ArFエキシマレーザー光及びKrFエキシマレーザー光が好ましく、ArFエキシマレーザー光がより好ましい。
また、露光方法としては液浸露光を行うこともできる。次いでポストエクスポージャーベーク(PEB)を行い、アルカリ現像液、有機溶媒等の現像液を用いて現像を行い、所望のプレパターン106を形成することができる。得られたプレパターン106は、例えば254nmの紫外線等を照射した後、加熱処理により硬化をより促進させることが好ましい。上記加熱温度の下限としては、例えば100℃である。上記加熱温度の上限としては、通常200℃である。上記加熱時間の下限としては、例えば1分間である。上記加熱時間の上限としては、例えば30分間である。
プレパターン106の形成方法としては、公知のレジストパターン形成方法と同様の方法を用いることができる。また、上記プレパターン形成用の組成物としては、従来のレジスト膜形成用組成物を用いることができる。
なお、プレパターン106の表面を疎水化処理又は親水化処理してもよい。具体的な処理方法としては、水素プラズマに一定時間さらす水素化処理等が挙げられる。プレパターン106の表面の疎水性又は親水性を増長させることにより、自己組織化をより促進することができる。
(自己組織化膜の形成)
自己組織化膜の形成については、上述の当該自己組織化膜の形成方法の項で説明した通りである。上記下層膜及びプレパターンを用いる場合には、図5及び図6に示すように、組成物(I)をプレパターン106によって挟まれた下層膜105上の領域に塗布して塗布膜102を形成し、例えば基板101上に形成された下層膜105上に、基板101に対して略垂直な界面を有する相分離構造を備える自己組織化膜103を形成する。
プレパターン106を有する場合、自己組織化膜103の相分離構造はプレパターン106に沿って形成されることが好ましく、相分離により形成される界面は、プレパターン106の側面と略平行であることがより好ましい。例えば[A1]ブロック共重合体がスチレンブロック及びポリ(メタ)アクリル酸ブロックからなり、プレパターンとスチレンブロックとの親和性が高い場合には、スチレンブロックの相がプレパターンに沿って直線状に形成され、その隣にポリ(メタ)アクリル酸ブロックの相及びスチレンブロックの相がこの順で交互に配列するラメラ状相分離構造等を形成する。なお、形成される相分離構造は、複数の相からなるものであり、これらの相から形成される界面は通常略垂直であるが、界面自体は必ずしも明確でなくてよい。また、上記ブロック共重合体分子における各ブロック鎖の長さの比、上記ブロック共重合体分子の長さ、プレパターン、下層膜等により、得られる相分離構造を精密に制御し、所望の微細パターンを得ることができる。
[除去工程]
本工程は、自己組織化膜103が有する相分離構造のうち、一部の相を除去する工程である。また、プレパターン106も、上記一部の相と同時又は別途、除去することができる。図6及び図7に示すように、自己組織化により相分離した各ブロック相のエッチングレートの差を用いて、自己組織化膜103のブロック相(I)103a及びプレパターン106をエッチング処理により除去することができる。
上記エッチング処理の前に、必要に応じて放射線を照射してもよい。上記放射線としては、エッチングにより除去する相がポリメタクリル酸メチルブロック相である場合には、254nmの放射線を用いることができる。上記放射線照射により、ポリメタクリル酸メチルブロック相が分解されるため、よりエッチングされ易くなる。
自己組織化膜103が有する相分離構造のうちの一部のブロック相の除去の方法としては、例えばケミカルドライエッチング、ケミカルウェットエッチング等の反応性イオンエッチング(RIE);スパッタエッチング、イオンビームエッチング等の物理的エッチング等の公知の方法が挙げられる。これらのうち反応性イオンエッチング(RIE)が好ましく、中でもCF、Oガス等を用いたケミカルドライエッチング、有機溶媒、フッ酸等の液体のエッチング液を用いたケミカルウェットエッチング(湿式現像)がより好ましい。上記有機溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等のアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−ペンチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類などが挙げられる。なお、これらの溶媒は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
[プレパターン除去工程]
本工程は、図6及び図7に示すように、プレパターン106を除去する工程である。プレパターン106を除去することにより、より微細かつ複雑なパターンを形成することが可能となる。なお、プレパターン106の除去の方法については、上述の相分離構造のうちの一部の相を除去する方法を適用できる。また、本工程は、上記除去工程と同時に行ってもよいし、除去工程の前又は後に行ってもよい。
[基板パターン形成工程]
本工程は、上記除去工程後、残存した自己組織化膜の一部からなるパターンをマスクとして下層膜及び基板をエッチングすることによりパターニングする工程である。基板へのパターニングが完了した後、マスクとして使用された相は溶解処理等により基板上から除去され、最終的にパターニングされた基板を得ることができる。
上記エッチングの方法としては、上記除去工程における方法と同様の方法を用いることができ、エッチングガス及びエッチング溶液は、下層膜及び基板の材質により適宜選択することができる。例えば基板がシリコン素材である場合には、フロン系ガスとSFの混合ガス等を用いることができる。また、基板が金属膜である場合には、BClとClの混合ガス等を用いることができる。なお、当該パターン形成方法により得られるパターンは半導体素子等に好適に用いられ、さらに上記半導体素子はLED、太陽電池等にも用いられる。
また、[A]重合体が[A1]ブロック共重合体ではなく[A2]重合体である場合においても、上記方法により同様にパターンを形成できる。
<自己組織化膜形成用組成物>
本発明の自己組織化膜形成用組成物は、自己組織化により相分離構造を形成しうる1種又は複数種の第1重合体と、溶媒とを含有し、上記溶媒が、芳香環含有化合物を含み、上記溶媒における上記芳香環含有化合物の含有量が、50質量%以上である。当該自己組織化膜形成用組成物は、上述の当該自己組織化膜の形成方法の組成物(I)の項で説明しているため、ここでは説明を省略する。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各物性値の測定方法を下記に示す。
[Mw及びMn]
重合体のMw及びMnは、GPCにより、東ソー社のGPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本及びG4000HXL 1本)を使用し、以下の条件により測定した。
溶離液:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
H−NMR分析]
重合体の各構造単位含有割合を求めるためのH−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−EX400」)を使用して測定した。
<[A1]ブロック共重合体の合成>
[合成例1](ブロック共重合体(A−1))
500mLのフラスコ反応容器を減圧乾燥した後、窒素雰囲気下、蒸留脱水処理を行ったテトラヒドロフラン200gを注入し、−78℃まで冷却した。その後、sec−ブチルリチウム(sec−BuLi)の1Nシクロヘキサン溶液を0.45mL注入し、重合禁止剤除去のためシリカゲルにて吸着濾別、蒸留脱水処理を行ったスチレン17.7mL(0.153mol)を30分かけて滴下注入し、重合系が橙色であることを確認した。このとき反応溶液の内温が−60℃以上にならないように注意した。滴下終了後30分間熟成した後、1,1−ジフェニルエチレン0.11mL(0.0008mol)、塩化リチウム・0.5Nテトラヒドロフラン溶液1.08mL(0.0005mol)を加えると重合系は暗赤色になった。さらに重合禁止剤除去のためシリカゲルにて吸着濾別、蒸留脱水処理を行ったメタクリル酸メチル8.7mL(0.0819mol)を30分かけて滴下注入すると重合系は薄黄色になり、120分間反応させた。この後、末端処理剤としてメタノール1mLを注入し停止反応させた。反応溶液を室温まで昇温し、得られた反応溶液を濃縮してメチルイソブチルケトン(MIBK)で置換した後、シュウ酸2質量%水溶液1,000gを注入撹拌し、静置後、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返し、Li塩を除去した後、超純水1,000gを注入撹拌し、下層の水層を取り除いた。この操作を3回繰り返しシュウ酸除去した後、溶液を濃縮してメタノール500g中に滴下して、重合体を析出させた。減圧濾過した樹脂をメタノールで2回洗浄した後、60℃で減圧乾燥させることで、白色のブロック共重合体(A−1)24.0gを得た。
ブロック共重合体(A−1)のMwは74,000であり、Mw/Mnは1.05であった。また、H−NMR分析の結果、ブロック共重合体(A−1)におけるスチレン単位の含有割合のメタクリル酸メチル単位の含有割合に対する比は65.2(モル%)/34.8(モル%)であった。なお、ブロック共重合体(A−1)はジブロック共重合体であり、PS/PMMA=66.1(質量%)/33.9(質量%)に相当する。
<組成物の調製>
組成物の調製に用いた[B]溶媒について以下に示す。なお、(B−1)〜(B−6)は、[B1]化合物である。
[[B]溶媒]
B−1:イソプロピルベンゼン
B−2:t−ブチルベンゼン
B−3:1,2,4−トリメチルベンゼン
B−4:1,3,5−トリメチルベンゼン
B−5:プロピレングリコールモノフェニルエーテル
B−6:アニソール
b−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
[実施例1]
[A]ブロック共重合体としての(A−1)を、イソプロピルベンゼンに溶解し、1.5質量%溶液とした。この溶液を孔径200nmのメンブランフィルターで濾過して、自己組織化膜形成用組成物(S−1)を調製した。
[実施例2〜12及び比較例1]
実施例1において、[A]成分を同じとし、[B]溶媒の種類を変更した以外は実施例1と同様にして自己組織化膜形成用組成物(S−2)〜(S−12)及び(CS−1)を調製した。
Figure 2016133115
<下層膜形成用組成物の調製>
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、メチルエチルケトン100gを仕込んで窒素置換した。85℃に加熱して、同温度で、メチルエチルケトン100g、スチレン51.0g(0.49mol)、メチルメタクリレート49.0g(0.49mol)、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール3.00g(0.027mol)及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)1.00g(0.0061mol)の混合溶液を3時間かけて各々滴下し、この温度を保持して3時間重合した。得られた樹脂溶液を3Lのメタノールにて沈殿精製を行い残留モノマー、開始剤等を除いた。得られた樹脂は、Mw=8,285、Mn=5,355、Mw/Mn=1.54であった。次に樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにて希釈し、10質量%の樹脂溶液とした。これを下層膜形成用組成物(U−1)とする。
(下層膜の形成)
上記調製した下層膜形成用組成物(U−1)を、12インチシリコンウエハーの表面上に塗布し、平均厚みが5nmの塗膜を形成した。次に、220℃で120秒間焼成することにより、下層膜を形成した。
(自己組織化膜の形成)
(実施例1〜12及び比較例1:自己組織化膜形成用組成物(S−1)〜(S−12)及び(CS−1)を用いる場合)
上記調製した自己組織化膜形成用組成物を、上記形成した下層膜上に、塗膜の平均厚みが35nmになるように塗布し、窒素雰囲気下、220℃で60秒間加熱して相分離させ、シリンダー状のミクロドメインが基板に垂直に配列した自己組織化膜を形成した。
<評価>
上記形成した自己組織化膜及び上記調製した自己組織化膜形成用組成物について、下記項目について下記方法により評価した。
[欠陥]
上記形成した自己組織化膜について、KLA2810(KLA−Tencor社)にて欠陥を測定し、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー社の「S−9380」)を用いて観察し、膜荒れ/海島といった相分離不全に至るような欠陥のほか、パーティクルに準ずる欠陥をそれぞれ計測した。検出された欠陥が50個未満の場合をA(良好)、50個以上200個未満の場合をB(やや良好)、200個以上の場合をC(不良)と評価した。評価結果を表2に示す。
[流体力学的半径(Rh)]
上記調製した自己組織化膜形成用組成物における重合体の流体力学的半径を、PTFE製の孔径0.2μmシリンジフィルターで濾過した後、動的光散乱測定(DLS)にて検出感度60°、温度23℃、180秒間の測定条件で6回測定し、その平均値を求めた。流体力学的半径(Rh)の値(nm)及び10nm以上の面積割合(%)を下記表2に示す。芳香族炭化水素系溶媒は、ブロック共重合体を溶解するが、膨潤する可能性がある。すなわち自己組織化膜形成組成物の調製における異物除去のための循環濾過の際、目詰まりを起こす等により濾過性が低下することが考えられる。例えば循環濾過を、HDPE10nmフィルター(高密度ポリエチレン、PALL社)を通して行う場合、Rh値が10nm以上になると濾過不良を起こすことが考えられる。流体力学的半径は、10nm以上の面積割合が0.5%以下の場合はA(良好)と、0.5%を超え98%以下の場合はB(やや良好)と、98%を超える場合はC(不良)と評価した。
Figure 2016133115
表2の結果から分かるように、実施例の自己組織化膜の形成方法によれば、欠陥の少ない自己組織化膜を形成することができ、その結果、良好な形状のパターンを得ることができる。
本発明の自己組織化膜の形成方法及び自己組織化膜形成用組成物によれば、欠陥の少ない自己組織化膜を形成することができる。本発明のパターン形成方法によれば、上記欠陥の少ない自己組織化膜を用いて良好な形状のパターンを形成することができる。従って、これらはさらなる微細化が要求されている半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイス製造におけるパターン形成工程に好適に用いることができる。
101 基板
102 塗布膜
103 自己組織化膜
103a ブロック相(I)
103b ブロック相(II)
104 [C]重合体が偏在する領域
105 下層膜
106 プレパターン

Claims (7)

  1. 自己組織化により相分離構造を形成しうる1種又は複数種の第1重合体と溶媒とを含有する自己組織化膜形成用組成物により、基板上に塗布膜を形成する工程
    を備え、
    上記溶媒が、芳香環含有化合物を含む自己組織化膜の形成方法。
  2. 上記塗布膜を加熱する工程
    をさらに備える請求項1に記載の自己組織化膜の形成方法。
  3. 上記溶媒における上記芳香環含有化合物の含有量が、80質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の自己組織化膜の形成方法。
  4. 上記溶媒における上記芳香環含有化合物の含有量が、50質量%以上である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の自己組織化膜の形成方法。
  5. 上記自己組織化膜形成用組成物が、上記第1重合体よりも表面自由エネルギーが小さい第2重合体をさらに含有し、
    上記第2重合体が自己組織化膜の上方に偏在する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の自己組織化膜の形成方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の自己組織化膜の形成方法と、
    上記自己組織化膜の一部の相を除去する工程と
    を備えるパターン形成方法。
  7. 自己組織化により相分離構造を形成しうる1種又は複数種の第1重合体と、溶媒とを含有し、
    上記溶媒が、芳香環含有化合物を含み、
    上記溶媒における上記芳香環含有化合物の含有量が、50質量%以上である自己組織化膜形成用組成物。
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