JPWO2016132832A1 - 磁場均一度調整方法、磁場均一度調整プログラムおよび磁場均一度調整装置 - Google Patents

磁場均一度調整方法、磁場均一度調整プログラムおよび磁場均一度調整装置 Download PDF

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Abstract

シムトレイの各位置に配置可能な磁性体片の量に制限があっても、高い磁場均一度を達成するために、静磁場発生装置の生成する静磁場の分布を計測して、静磁場の分布と目標磁場との誤差磁場を算出し、シムトレイの複数の位置のうち1以上に磁性体片を配置した場合に到達可能な磁場均一度を、目標磁場を所定の磁場範囲で変化させながらそれぞれ算出する。シムトレイの各位置の磁性体片の量が所定の上限値以下であって、到達可能な磁場均一度が所定値以下である目標磁場を選択し、その目標磁場に対応する磁性体片の配置とその量を前記シムトレイに配置する。

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング(以下、MRIと称する)の静磁場発生装置の磁場均一度を調整する方法、プログラムおよび磁場均一度調整装置に関する。
MRI装置は、均一な静磁場中の撮像空間に配置された被検体中の核スピンの磁気共鳴(以下、NMR信号と称する)信号を計測し、被検体中の核スピン密度分布、緩和時間分布等を断層画像として画像表示する。MRI装置は、静磁場を発生する静磁場発生装置と、NMR信号に位置情報を与えるための傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生装置とを備えている。
静磁場発生装置の発生する静磁場の均一性に乱れが生じると、これに重畳される傾斜磁場の直線性が劣化するため、NMR信号に付与される位置情報にズレが生じ、画像の歪みや欠損等の原因となる。画像の歪みや欠損等は、画像の正確さ、鮮明さを損ない、診断上の大きな障害となるため、撮像空間の静磁場には、極めて高度な均一性が要求される。
一方、NMR信号の強度は、静磁場強度に概ね比例するため、高画質なMRI画像を得るには、発生する静磁場強度の大きな静磁場発生装置が望まれる。このように、MRI装置の発生する静磁場には、高度な均一性と大きな磁場強度(高磁場)が要求され、静磁場発生装置は、MRI装置の極めて重要な構成要素の一つとなっている。
超電導磁石を用いた静磁場発生装置は、高度な均一性と大きな強度を有する静磁場を、長時間安定して撮像空間に形成できることが知られている。また、円筒形状の超電導磁石は、高磁場を高効率で発生できる形状として知られている。円筒型の超電導磁石は、低温槽あるいは、液体ヘリウムまたはその他の低温寒剤を封入した低温容器の内部に、複数の超電導コイルを配置した構造である。
低温槽あるいは低温容器は、真空槽の内部に配置され、真空槽の内側には外部からの熱侵入を断熱するための輻射シールドが配置されている。さらに、真空槽には冷凍機が取り付けられ、冷凍機の冷却部は、低温槽あるいは低温容器、および輻射シールドに接続され、低温を維持している。
超電導磁石を静磁場発生装置とするMRI装置において、視野(FOV)として知られる撮像空間の体積および形状は、必要とする撮像対象によって異なるが、磁場均一性のピーク・トゥ・ピーク値により規定され、その空間は概ね球形である。近年、中心磁場強度が1.5テスラを有するMRI装置においては、直径45〜50cm前後のFOVで、静磁場の均一性のピーク・トゥ・ピーク値が数10ppm(約20〜40ppm)であるものが一般的である。
超電導磁石の静磁場の均一性は、主に超電導コイルの配置によって決まるため、所望の空間に必要な均一磁場を発生するように配置が設計されている。しかし、実際には、超電導磁石の製作寸法誤差により、設計通りの磁場均一性を実現することは困難であり、超電導磁石単体での静磁場の均一性は、直径45〜50cm前後のFOVで、数100ppm程度となる。そのため、超電導磁石の静磁場の不均一性を補正するために、一般には、パッシブシムと称される、微小な磁性体片を撮像空間の周りに配置して静磁場を微細に調整する方法が用いられる。
特許文献1には、静磁場発生装置に磁場調整のために配置すべき磁性体片の量と位置を計算により求める方法が提案されている。特許文献1の調整方法は、撮像空間における磁場の空間分布を計測し、所望の均一磁場に対する誤差磁場を補正するための磁性体片の量と配置を、特異値分解により得た固有分布関数を用いて算出する。
特許第4902787号公報
MRI装置の静磁場発生装置は、被検体が挿入される大きな撮像空間を確保しつつ、シム鉄片による静磁場の補正を実現する必要があるため、シム鉄片を複数枚配置可能な凹部が複数配列して設けられたシムトレイを静磁場発生装置の撮像空間側に備えている。シムトレイの凹部の大きさ(深さ)には、撮像空間の大きさを確保するために制限があり、一つの凹部に配置可能な磁性体片の量には上限がある。上限値以下の磁性体片で、所望の均一度以上の静磁場を実現する必要がある。
また、配置されるシム鉄片は、誤差磁場を補正する磁場成分の他、均一な静磁場成分(B0成分)を生成する。このときのB0成分の生成量は、概ねシム鉄の総量に比例する傾向にある。一方で、シム鉄片の磁化は、室温や静磁場空間に隣接して配置される傾斜磁場コイルの発生する熱による温度の影響を受け、結果として静磁場変動の要因となる。特に、B0成分の温度依存性は最も感度が高いために、前述の凹部ごとの配置量とは別に、シム鉄片の総量についても、ある一定の制限を設定する必要がある。
特許文献1には、目標磁場を変更すると、誤差磁場に含まれる各固有分布の強度と、残差として残る磁場強度(到達均一度)も変化するので、固有分布選択には目標磁場も考慮する必要があることが開示されている(段落0051、0069)。しかしながら、特許文献1の技術は、配置可能な磁性体片の量に上限がある場合については考慮していないため、磁性体片の量の上限と、目標磁場や到達均一度との関係については開示されていない。
本発明の目的は、シムトレイの各位置に配置可能な磁性体片の量に制限があっても、高い磁場均一度を達成することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、発生する静磁場の均一度を調整するための磁性体片を所定の複数の位置でそれぞれ保持にするためのシムトレイを備えた静磁場発生装置の特異値分解法を用いた磁場均一度調整方法が提供される。
すなわち、静磁場発生装置の生成する静磁場の分布を計測して、静磁場の分布と目標磁場との誤差磁場を算出し、シムトレイの複数の位置のうち1以上に磁性体片を配置した場合に到達可能な磁場均一度を、目標磁場を所定の磁場範囲で変化させながらそれぞれ算出し、シムトレイの各位置の磁性体片の量が所定の上限値以下であって、到達可能な磁場均一度が所定値以下である目標磁場を選択し、シムトレイにその目標磁場に対応する磁性体片の量を配置する。
本発明により、シムトレイに配置可能な磁性体片の量に上限値があっても、高い磁場均一度に効率よく調整することができる。
(a)静磁場発生装置の一例の斜視図(シムトレイ71を一部引き出した状態)、(b)シムトレイ71の斜視図 計測した磁場強度の分布の一例を示すグラフ (a)目標磁場強度と、到達可能な磁場均一度および必要な磁性体シムの総量との関係を示すグラフ、(b)シムトレイの凹部の容量に上限がある場合の、目標磁場強度と、到達可能な磁場均一度および磁性体シムの総量との関係を示すグラフ 第1の実施形態の磁場均一度調整装置の構成を示すブロック図 第1の実施形態の磁場均一度調整プログラムの動作を示すフローチャート 磁場の計測部74の構成を示す説明図 第1の実施形態において、操作者から条件の設定を受け付ける画面を示す説明図 図5のS517の詳細を示すフローチャート 固有モードごとに生じる磁場強度Beiの値を示すグラフ 図5のS520で表示するシムトレイと凹部72の番号と磁性体量との関係を示す表 (a)〜(c)図5のS517の算出結果を示す表 (a)〜(c)図11(a)〜(c)の算出結果を示すグラフ 第2の実施形態の磁場均一度調整プログラムの動作を示すフローチャート 第3の実施形態の磁場均一度調整装置33が配置された静磁場発生装置を示す斜視図 第3の実施形態の磁場均一度調整プログラムの動作を示すフローチャート
本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。
<<第1の実施形態>>
本発明の第1の実施形態の静磁場調整方法について説明する。本実施形態の静磁場調整方法は、図1のように、シムトレイ71を備えた静磁場発生装置73の磁場均一度を調整する方法である。シムトレイ71は、静磁場発生装置73が均一磁場空間77に発生する静磁場の均一度を調整するための磁性体片を、所定の複数の位置(番号1〜20)でそれぞれ保持にするために、位置(番号1〜20)にそれぞれ凹部72を備えている。シムトレイ71は、静磁場発生装置73の均一磁場空間77側に複数が並べて配置されている。
これにより複数のシムトレイ71の磁性体片を配置するための複数の位置1〜20は、マトリクス状に配置されている。
本実施形態では、静磁場発生装置73は、MRI装置の静磁場発生装置である場合を例に説明するが、MRI装置に限らず、均一な静磁場を必要とする他の装置の静磁場調整に本実施形態の方法を適用することが可能である。また、図1では、円筒形状の静磁場発生装置を静磁場方向(Z軸)が水平に配置されている例を図示しているが、平板状の一対の磁石を間隔をあけて上下に配置した静磁場方向が垂直方向の静磁場発生装置に適用することも可能である。また、静磁場発生装置が、超電導磁石である場合について以下説明するが、常伝導磁石や永久磁石であっても構わない。
本実施形態の磁場均一度調整方法は、均一磁場空間77の磁場均一度を所定値以下にするために、複数のシムトレイ71の位置(番号1〜20)の凹部72に配置すべき磁性体片の位置と量とを特異値分解法を用いた計算により求める。このとき、シムトレイ71の凹部72は、大きな均一磁場空間77を確保するために、大きさ(深さ)が予め定められている。
そのため、位置(番号1〜20)の凹部72に配置可能な磁性体片の量(容量)には、上限がある。発明者らは、配置可能な磁性体片の量に上限がある場合、目標磁場を変えることにより、到達可能な最小の磁場均一度が変化することを見出した。そこで、目標磁場を許容可能な範囲で変化させることにより、より磁場均一度が小さい(磁場の分布が小さい)均一磁場空間77を形成する。なお、特異値分解法を用いた磁性体片の配置と量の計算方法については、広く知られた公知の方法を用いる(例えば特許第4902787号公報)。
目標磁場を変えることにより、到達可能な最小の磁場均一度が変化する原理について説明する。均一磁場空間77において複数の計測点について計測した磁場強度が、例えば図2のように分布しているとすると、目標磁場31と計測した磁場強度との誤差磁場を補正する磁場を生じさせるようにシムトレイ71に磁性体片を配置する必要がある。
シムトレイ71に磁性体片として鉄片を配置した場合、鉄片は、静磁場発生装置73が発生する磁場によって、均一磁場空間77の磁場と同じ向きに磁化されて磁気モーメントを持ち(正の磁気モーメントと呼ぶ)、磁場を発生する。正の磁気モーメントを有する鉄片が均一磁場空間77の近傍に配置されている場合、鉄片の発生する磁場の磁束は、均一磁場空間77を通過する際には均一磁場空間77の磁場の向きとは逆向きになり、均一磁場空間77の磁場を下げる方向に作用する。
これにより、図2の磁場強度の分布において、目標磁場31よりも高い誤差磁場を目標磁場31に向かって低下させることができる。一方、目標磁場31よりも低い磁場を目標磁場31に向かって高めるためには、正の磁気モーメントを持つ鉄片の発生する磁場の磁束が、均一磁場空間77を通過する際に、均一磁場空間77の磁場の向きと同じ向きになるように、均一磁場空間77から軸方向について離れた位置の凹部72に鉄片を配置する方法を用いる。
あるいは、均一磁場空間77の近傍の凹部72に、均一磁場空間77の方向とは逆向きに予め磁化しておいた、すなわち、負の磁気モーメントをもつ永久磁石片を磁性体片として配置し、均一磁場空間77において静磁場と同じ向きの磁場を発生させることによって調整することができる。
このように、目標磁場31をどのような磁場強度に設定するかにより、均一磁場空間77の磁場強度を低下させるための磁性体片と、磁場強度を高めるための磁性体片を配置する位置および量が変わる。
図3(a)に、目標磁場31と、均一磁場空間77の磁場均一度の予想値(到達予想均一度:左縦軸)および配置する磁性体片の総量(配置シム鉄総量:右縦軸)とを示す。
例えば、図3(a)のように目標磁場を低下させるほど多くの磁性体片が必要になるが、均一磁場空間77の磁場を目標磁場に漸近させることができる。特に、均一磁場空間77の磁場強度分布の下限よりも小さい目標磁場32を設定した場合、磁場強度分布を目標磁場に向かって高める必要がなく、均一磁場空間77の磁場強度を低下させる多くの磁性体片を配置することで均一磁場空間77の磁場を目標磁場32に漸近させることができる。
しかしながら、シムトレイ71の凹部72の容量には、上限値があるため、配置が必要な磁性体片が上限値を超えた場合は、誤差磁場を補正しきれず、目標磁場32まで漸近させることができない。ここで、シムトレイ71の凹部72の容量に上限がある場合の、磁性体片の量と均一磁場空間77の磁場均一度の関係を図3(b)に示す。前述したように目標磁場を低く設定すると、誤差磁場を補正すべく磁性体片の量は増加し、磁場均一度は低下(改善)する傾向をしめす。しかし、凹部72の容量に上限があるために、誤差磁場の補正に必要とされる場所に必要な磁性体片の全てを配置しきれないために、磁場均一度は極値を有する。
このように、計算により求めた、ある位置に配置すべき磁性体片の量がシムトレイ71の凹部72の容量の上限値よりも大きい場合、実際にはその量の磁性体片をシムトレイ71に配置することはできないため、誤差磁場を補正しきれず、目標磁場に一致させることはできない。よって、シムトレイ71の各位置(番号1〜20)に配置可能な磁性体片の量に上限値がある場合、目標磁場31の値に応じて、到達可能な最小の磁場均一度が異なることになる。
また、永久磁石を微小なサイズに精密に加工すること容易ではないため、できるだけ負の磁気モーメントをもつ永久磁石を磁性体片として用いることなく、磁場均一度の調整を行うことが望ましい。
そこで、本実施形態では、目標磁場を所定の範囲で変化させて、到達可能な磁場均一度を算出することにより、上限値以下の磁性体片の量で、所定の磁場均一度以下を達成できる目標磁場を選択する。以下、具体的に説明する。
本実施形態では、図4のように、CPU34とメモリ35とを内蔵する均一磁場調整装置33を用いる。メモリ35には、予め定めた磁場均一度調整プログラムが格納されており、CPU34がメモリ35内のプログラムを読み込んで実行することにより、図5のフローのように動作し、本実施形態の均一磁場調整方法を実現する。なお、図4では、均一磁場調整装置33が計測部74と、超電導コイル4aの励磁電源2とに接続されている例を示しているが、第1の実施形態では、接続されていなくても構わない。
まず、操作者は、均一磁場空間77の磁場強度の分布を計測する。例えば、図6のように、磁場計測素子78を均一磁場空間6の形状に対応した所定のパターン(例えば24プレーン)で並べて配置した計測部74を静磁場の軸方向75を中心に回転させることにより、均一磁場空間77の磁場強度Bmを計測する。
CPU34は、図5のS512において、計測結果である磁場強度Bmを取り込む。
また、CPU34は、S513〜S516において、複数のシムトレイ71の位置(番号1〜20)の凹部72の位置情報、凹部72ごとに配置を許可する磁性体片の量(シム鉄量)の上限値、シムトレイ71に全ての凹部72に配置する磁性体片の総容量の上限値、必要とする磁場均一度、目標磁場Btgの範囲、および、計算に用いる固有モードの最大値を受け付ける。
例えば、CPU34は、図7のような受付画面を接続されている表示装置220に表示させ、受付画面の入力欄61〜63において、目標磁場Btgの中心値(目標中心磁場Btgc)と、その刻み幅ΔBと、刻み数n(nは整数)の入力を操作者から受け付けることができる。この場合、目標磁場Btgの範囲は、(Btgc−ΔB・n/2)〜(Btgc+ΔB・n/2)で表される。
また、入力欄64で計算に用いる固有モードの最大値を、入力欄65で、シムトレイ71全体で配置を許可する磁性体片(正の磁気モーメント)の総量の上限値を、入力欄66で、シムトレイ71全体で配置を許可する磁性体片(負の磁気モーメント)の総量の下限値を、入力欄65aで、一つの凹部72に配置を許可する磁性体片(正の磁気モーメント)の量の上限値を、入力欄66aで、一つの凹部72に配置を許可する磁性体片(負の磁気モーメント)の量の上限値を、入力欄68で必要とする磁場均一度を、それぞれ受け付けることができる。
つぎに、CPU34は、S517において、複数のシムトレイ71の位置(番号1〜20)のうちの1以上に磁性体片を配置した場合に到達可能な最小の磁場均一度を、目標磁場Btgを上記受け付けた磁場範囲で変化させながらそれぞれ算出する。
このS517の算出方法を図8のフローを用いて詳しく説明する。まず、CPU34は、S851において、S512で取り込んだ計測磁場BmとS516で受け付けた目標磁場Btgに基づいて誤差磁場Beを算出する。
Be=Bm−Btg ・・・(1)
ただし、Be:誤差磁場分布を表す行列、Bm:計測磁場の分布を表す行列、Btg:均一な目標磁場を表す行列
誤差磁場Beは、下式(2)の線型方程式によって記述することができる。
Be=AI ・・・(2)
ただし、Be:誤差磁場分布を表す行列、A:磁場の応答行列、I:磁性体片の位置と量を表す電流ポテンシャルの行列
ここで、磁場の応答行列Aが正則であるならば、逆行列A-1が存在し、磁性体片の位置と量を表す電流ポテンシャルの行列Iは、式(3)により求めることができる
I=A-1Be ・・・(3)
応答行列Aは、以下のように、鉄の磁気モーメントと、MRI装置のシムトレイ71の凹部72からFOV(撮像視野)との距離rと向きを示すベクトルrを用いて、以下のように予め求めておく。点配置の磁気モーメントmは、m=(mX,mY,mZ)の任意の方向の磁気双極子と定義できる。
一般的に、磁気モーメントmが位置ベクトルR(=(X,Y,Z,)離れた位置に作る磁場B(ベクトル)は,式(4)により表すことができる。なお、式(4)、(5)、(6)において、Rは位置ベクトルを、rは距離を表す。
B=(10-7){3(m・R)R/r2−m}/r3 ・・・(4)
ここで、単位体積あたりの磁気モーメントをFとすると、鉄量Iの磁気モーメントmは、式(5)のようになり、磁場補正に磁気モーメント(鉄)を使用する場合、応答行列Aは、式(6)で表される。
る。
m=F×I
すなわち、
B={(10-7){3(F・R)R/r2−F}/r3}×I ・・・(5)
A={(10-7){3(F・R)R/r2−F}/r3} ・・・(6)
シムトレイ71の凹部72に番号jをつけると、k番目の計測点での磁場は、各凹部72の鉄量Ij(m3)に対して、式(7)で表される。
Bk=ΣAkjIj ・・・(7)
しかしながら、式(6)で表される応答行列Aは、正則でなく、逆行列は存在しないため、特異値分解法(SVD)を行い、磁場の応答行列Aを式(8)により求める。
A=Σui・λi・vi t ・・・(8)
ただし、i:固有モードの次数、vi:次数iの電流ポテンシャルの固有分布を表す行列、ui:次数iの誤差磁場の固有分布を表す行列、λi:次数iの特異値
式(3)、(8)より、磁性体片の位置と量を表す電流ポテンシャルの行列Iは、式(9)で求めることができる。
I=Σnp 1/2Pivi/λi ・・・(9)
ただし、Pi=ui tBei/np 1/2、np:磁場の計測点の数
式(9)より、次数iの固有モードで生じる磁場強度Beiは、np 1/2Piuiで表されることがわかる。固有モードごとの磁場強度Beiは図9のように分布し、次数iが小さいものほど大きな磁場強度Beiとなっている。よって、np 1/2Piuiの値を、次数i=1からS515で受け付けた固有モードの最大値の次数i=MDまで加算し、さらに計測磁場Bmと下式(6)のように加算することにより、調整後の磁場分布の推定値:BPredictedを算出することができる。
Figure 2016132832
・・・(10)
式(10)で得られた調整後の磁場分布の推定値BPredictedと目標磁場Btgの差分を求めることにより、目標磁場からの不均一磁場の分布を表す行列Bepを算出できる。
Bep=BPredicted−Btg ・・・(11)
CPU34は、S852において式(8)、式(9)を演算して、固有モードごとの磁性体片の位置と量を求める。そして、設定した最大値MD以下の固有モードについての磁性体片の位置と量を目標磁場Btgに対応させてメモリ35に格納する。複数の固有モードにおいて、同じ位置の凹部72に磁性体片を配置する場合は、複数の固有モードの磁性体片の量の合計を算出し、凹部72ごとの合計後の磁性体片の量を、メモリ35に格納する。
算出されたシムトレイ71の凹部72に配置すべきに磁性体片の配置と量は、行列IJにより表される。行列IJの行列要素Ijは、j番目の凹部72の磁性体片の量を表している。例えば、シムトレイ71が16本、シムトレイ71における凹部72が20個であるとすると、行列IJの行列要素Ijの数は、320個(j=1〜320)である。
上記S852において、算出された磁性体片の量が、S513において受け付けた凹部72に配置を許可する磁性体片の量の上限を超えている場合、算出された磁性体片の量(行列IJの行列要素Ij)を、配置を許可する磁性体片の量の上限まで式(12)により低減する。ただし、式(12)において、Imaxは、凹部72に配置を許可する磁性体片の量の上限を示す。
0≦I_j≦Imax ・・・(12)
(算出したIj>Imaxのとき、Ij=Imax、算出したIj≦Imaxのとき、Ij=Ij)
式(12)を適用後の行列IJは、S852において算出した誤差磁場を修正するための磁性体片の量に対し、凹部72に配置を許可する上限を適用した磁性体片の量および配置を表している。これを、例えば図10のように、凹部72の番号により、凹部72の位置を特定する表形式等で磁性体片の量をメモリ35に格納する。
行列IJで表される磁性体片の量及び配置で生成される磁場は、式(2)より、AIJで表されるため、磁性体片配置後の磁場BPredictedおよび、磁性体片配置後の目標磁場からの不均一磁場分布を表す行列Bepは、式(10)、(11)に基づいて、式(13)、(14)により求めることができる。
BPredicted=AIJ+Bm ・・・(13)
Bep=BPredicted−Btg ・・・(14)
CPU34は、S852で求めた磁性体片の量及び分布を表す行列IJと式(13)、(14)を用いて、不均一磁場分布を表す行列Bepを求める。ただし、式(13)において、応答行列Aとして、式(8)用いる。
さらに、CPU34は、S853において、不均一磁場を表す行列Bepの行列要素から到達可能な磁場均一度(到達予想磁場均一度)を算出する。例えば、行列Bepが表す誤差磁場の最大値と最小値の差(PkPk値:ピーク・トゥ・ピーク値)の平均磁場強度に対する相対値を式(15)から算出することにより不均一磁場を求める。算出した磁場均一度を目標磁場Btgに対応させてメモリ35に格納する。
磁場均一度(PkPk値)
={(行列Bepの行列要素の最大値)−(行列Bepの行列要素の最小値)}
/(平均磁場強度)×10-6[ppm] ・・・(15)
上記S851〜S853の演算を、目標磁場Btgを設定された磁場範囲の最小値(Btgc-ΔB・n/2)からΔBずつ変化させながら最大値(Btgc+ΔB・n/2)まで繰り返す。これにより、設定された磁場範囲のΔB刻みのn個の目標磁場について、それぞれ到達可能な磁場均一度を算出することができる。
図11(a)〜(c)および図12(a)〜(c)に表およびグラフとして、計算結果の一例を示す。算出結果例の図11(a)について説明する。図11(a)の例では、ΔB=5×10-4テスラ、n=6であり、1.498848テスラ以上1.501348テスラ以下の範囲の6つの目標磁場Btgについて到達可能な磁場均一度を算出している。図11(a)の結果を、グラフにして図12(a)に示す。図11(a)および図12(a)には、配置すべき磁性体片の総容量を、正の磁気モーメントの磁性体片と負の磁気モーメントの磁性体片ごとに示している。
ここで、必要な磁場均一度を10ppm以下、配置可能な磁性体片の総容量について、正の磁気モーメントの総量を、1.5×10-3[m3](磁性片が鉄または電磁鋼板の場合、約12kg)以下、負の磁気モーメントの総量(下限値)を0に設定した場合の実施形態を図11(a)と図12(a)を用いて、以下に説明する。
図12(a)からわかるように、目標磁場Btgが変化するにつれ、到達可能な磁場均一度も変化している。CPU34は、S853で算出した到達可能な磁場均一度の算出結果に基づいて、シムトレイ71の各位置の凹部72ごとの磁性体片の量、および総容量が、所定の上限値以下であって、到達可能な磁場均一度が所定値以下となる目標磁場Btgがあるかどうかを判定し(S518)、そのような条件を満たす目標磁場Btgがあればそれを選択する(S519)。
例えば、図11(a)および図12(a)の例では、到達可能な磁場均一度は極小値として、9.3ppmを示す目標磁場Btgがあるが、そのときの磁性体片の総量は、正の磁気モーメント総量は上記制約条件(1.5×10-3[m3]以下)を満たすが、負の総量は-5.6×10-4[m3]であり、上記制約条件を満たさない。そこで、上記制約条件を満たし、必要な磁場均一度10ppm以下を満たす目標磁場Btg(1.499848テスラ、磁場均一度:9.9ppm)を選択する。
図12(a)の例では磁性体片は、正の磁気モーメントの磁性体片のみが必要であり、負の磁気モーメントの磁性体片の量が0であるため、永久磁石片を用いる必要がなく好ましい。
S518で条件を満たす目標磁場Btgがなければ、S513に戻って、S513〜S517を異なる条件に操作者が設定し、再度計算を行う。
そして、CPU34は、S519で選択した目標磁場Btg(=1.499848テスラ)についてS852で格納した、シムトレイ71の凹部72ごとの磁性体片の配置とその量をシムトレイ71に配置すべき磁性体片であるとして表示装置に表示させる(S520)。例えば、図10のように、凹部72ごとの磁性体片の量を示す表を表示装置に表示させる。
操作者は、表示装置に表示された磁性体片の量と位置(シムトレイ71の凹部72の番号)を確認して、シムトレイ71の各凹部72に表示された量の磁性体片を挿入する。これにより、静磁場均一度の調整が完了する。
静磁場発生装置が、MRI装置の静磁場発生装置である場合、CPU34は、S519で選択した目標磁場Btg(=1.499848テスラ)に配置された被検体の核磁気を励起するための高周波磁場の周波数を算出し、表示装置に表示させる(S521)。操作者は、表示された高周波磁場の周波数が照射されるようにMRI装置の高周波磁場発生部に設定する。これにより、MRI装置は、調整後の目標磁場Btgにより、高精度に被検体を撮像することができる。
また、本実施形態では、固有モードとして次数i=1から設定した次数MDまでの低次の次数を用いることにより、低次の値の大きな特異値λiを利用でき、小さな磁性体量で大きな補正磁場を発生させることができる。よって、磁性体量を抑制して効率よく磁場調整を行うことができる。
本実施形態によれば、目標磁場Btgを変化させることにより、シムトレイ71の凹部72に配置可能な磁性体片の量に上限値を考慮して、必要な磁場均一度を達成することができる。
なお、操作者から条件の設定を受け付ける画面には、図7のように、必要な均一磁場のサイズを受け付ける入力欄67や、参考情報としてS512で取り込んだ計測磁場の中心磁場と均一度をCPU34が計算して表示する欄69a,69b等を設けることも可能である。
また、操作者は、目標磁場を所定の磁場範囲で変化させながらそれぞれ算出した前記磁場均一度の変化に基ずいて、目標磁場(最適値)を選択しても良い。
<<第2の実施形態>>
本発明の第2の実施形態の磁場均一度調整方法について説明する。第2の実施形態は、必要な磁場均一度(例えば10ppm以下)に対して、計測磁場の分布が大きい(例えば100〜1000ppm)場合であっても、目標磁場を変化させる幅ΔBを変えながら到達可能な磁場均一度の計算を繰り返すことにより、効率よく必要な磁場均一度を達成する磁性体片の配置と量を求める。これを図13のフローを用いて説明する。
まず、CPU34は、第1の実施形態の図5のS512〜S519を行って、条件を満たす目標磁場Btgを選択する。そして、S5121に進み、S519で選択した目標磁場Btgを含み、S516で設定を受け付けた磁場範囲よりも小さい第2の磁場範囲を設定する。さらに、S516で受け付けたΔBよりも小さい刻み幅ΔB2を設定する。
例えば、刻み幅ΔB2としては、5×10-4テスラ、2×10-4テスラ、1×10-5テスラの3種類を予め用意しており、そのうち前回のS518で用いた刻み幅ΔB以下であってΔBに近いものを選択すればよい。例えば、S516のΔBが5×10-4テスラの場合、ΔB2として2×10-4テスラを選択する。第2の磁場範囲については、S519で選択した目標磁場Btgを目標磁場の中心値Btgcとし、刻み幅ΔB2のn倍(nは整数)で設定することができる。
そして、S1322に進み、目標磁場Btgを刻み幅ΔB2ずつ第2の磁場範囲内で変化させながら、到達可能な磁場均一度を再度算出する。S1323では、S1322の算出結果に基づいて、シムトレイ71の各凹部72の磁性体片の量が所定の上限値以下で、磁場均一度が最小である目標磁場Btgを選択する。S1322の算出結果の例を図11(b)に表として示す。
図11(b)の例では、目標磁場Btgの中心Btgcは、S519で選択した1.499848テスラ、ΔB2=2×10-4テスラ、n=6であり、1.499248テスラ以上1.500248テスラ以下の範囲の6つの目標磁場Btgについて到達可能な磁場均一度を算出している。シムトレイ71の各凹部72の磁性体片の量が所定の上限値以下で、磁場均一度が最小である目標磁場Btg(=1.500048テスラ)を選択する。その時の磁場均一度は、8.7ppmである。
つぎに、S1324に進み、設定されている刻み幅ΔB2が、予め定めた最小値かどうかを判定する。例えば、刻み幅ΔB2としては、5×10-4テスラ、2×10-4テスラ、1×10-5テスラの3種類を予め用意している場合、ΔB2は、まだ最小値1×10-5テスラではないので、S5121に戻る。
そして、S5121では、S1323で選択した目標磁場Btgを含み、前回よりも小さい第2の磁場範囲を設定する。また、刻み幅ΔB2も前回より小さい値に設定する。例えば、刻み幅ΔB2としては、1×10-5テスラを設定し、第2の磁場範囲については、S1323で選択した目標磁場Btgを目標磁場の中心値Btgcとし、刻み幅ΔB2のn倍(nは整数)により設定する。
そして、S1322に進み、目標磁場Btgを刻み幅ΔB2ずつ第2の磁場範囲内で変化させながら、到達可能な磁場均一度を再度算出する。S1322の算出結果の例を図11(c)に表として示す。
図11(c)の例では、目標磁場Btgの中心Btgcは、S1323で選択した1.500048テスラ、ΔB2=1×10-5テスラ、n=6であり、1.500018テスラ以上1.500068テスラ以下の範囲の6つの目標磁場Btgについて到達可能な磁場均一度を算出している。シムトレイ71の各凹部72の磁性体片の量が所定の上限値以下かつ負の磁性体片の量がゼロで、磁場均一度が最小である目標磁場Btg=1.500058テスラであり、8.6ppmである。
図11(c)をグラフにして図12(c)に示す。図12(c)のように、必要とする磁場均一度が達成されているのは、目標磁場Btgが1.500018テスラから1.500068テスラの6つ全ての目標磁場であり、最小の磁場均一度はBtg=1.500068テスラの場合の8.5ppmであるが、負の磁性体片の量-4.9×10-10であり、磁性体片配置量の制約条件を満たさず、選択することはできない。よって、磁性体片の量が制約条件の範囲内で最小の磁場均一度である1.500058テスラを目標磁場として選択する。
なお、ここでは、制約条件として、負の下限値をゼロとしたが、磁性体片の単位量によっては、上記の負の磁性体片の量-4.9×10-10は無視可能な大きさとなる場合もあり、さらに良好な磁場均一度を達成できる場合もある。このように、磁性体片の単位量および既存の磁性体片配置量を考慮して、制約条件を設定してもよい。
そして、S520に進み、第1の実施形態と同様に、S1323で選択した目標磁場Btgに対応する磁性体の配置とその量を、シムトレイ71の凹部72に配置すべき磁性体片であるとして表示装置に表示させる。例えば、図10のシムトレイ71の凹部72と磁性体量の表を表示する。さらにS521に進み、選択した目標磁場Btgに対応する高周波磁場の周波数を算出して表示する。
第2の実施形態では、必要な磁場均一度(例えば10ppm以下)に対し、計測した磁場の均一度が大きい(例えば100〜1000ppm)である場合でも、目標磁場の範囲と刻み幅ΔBを徐々に小さくして、繰り返し到達可能な磁場均一度を算出することにより、必要な磁場均一度を達成する磁性体の配置と量を効率よく求めることができる。
第2の実施形態において、上述した以外の構成および動作は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
<<第3の実施形態>>
第3の実施形態では、磁場計測や、静磁場発生装置の超電導磁石の励磁を自動で行う場合について説明する。本実施形態では、図4、図14に示したように、均一磁場調整装置33が、静磁場発生装置の均一磁場空間77に配置された計測部74と、静磁場発生装置73に内蔵されている超電導コイル4aの励磁電源2に接続されている。
均一磁場調整装置33のCPU34は、図15のフローに示すように、まず、励磁電源2を制御し、超電導コイル4aに所定の超電導電流を供給させ励磁させる(S511)。そして、S512においては、CPU34が計測装置74の動作を制御して、均一磁場空間77内で計測装置74を回転させ、磁場を計測させる。そして、S513〜S516で、条件を設定する。
本実施形態では、S513,S514において、磁性体片の位置と量の上限値、および、必要とする磁場均一度については、第1の実施形態と同様に、操作者から受け付けるが、S515の固有モードの最大値MDとしては、予め定めた値を用いる。
また、S516において、目標磁場Btgは範囲は、操作者から受け付けず、S512で計測した磁場分布の最大値と最小値の間の値を所定の数式(例えば平均値)により算出して、目標磁場Btgの中心値Btgcとし、予め定めたΔBとnとにより、(Btgc-ΔB・n/2)〜(Btgc+ΔB・n/2)を磁場範囲を計算により設定する。
S517〜S521は、第1の実施形態と同様に行う。
そして、S1522において、S520で表示した磁性体片の総量が、超電導コイル4aを励磁したままシムトレイ71を静磁場発生装置73から引き抜いて磁性体片を凹部72に配置し、再びシムトレイ71を挿入できる総量以下かどうかを判定する。
すなわち、磁性体片の総量が小さければ、静磁場により受ける吸引力が小さいため、励磁したまま配置することができるが、磁性体片の量が多い場合には、大きな吸引力が働くため、励磁したままでは配置できないため、S1523に進み、超電導磁石4aを一旦消磁する。消磁後再励磁するのは、時間も冷媒のコストもかかるため、S1522では、励磁したまま配置可能かを予め計算により求めておいた磁性体片の総量と、S520で表示した磁性体片の総量とを比較することにより判定する。消磁の必要がなければそのままS1524に進む。消磁の必要があれば、S1523に進んでCPU34は、励磁電源2を制御して、励磁電流をゼロまたは所定値まで低下させ、S1524に進む。
S1524では、操作者にS520の表示の通りに複数のシムトレイ71の凹部72に磁性体片を配置するように促す表示を行う。
操作者が、磁性体片を配置したならば、S1525において計測部74の動作を制御し、再び磁場を計測する。なお、S1523で励磁した場合には、計測の前に励磁電源2から励磁電流を超電導コイル4aに供給し、再励磁する。
S1526では、S1525で計測した磁場の均一度を算出し、それがS514で受け付けた必要な磁場均一度以下かどうか判定する。計測した磁場均一度が、必要な磁場均一度以下であれば、磁場均一度の調整は終了する。必要な磁場均一度より大きかった場合には、S513に戻り、S513以下を繰り返す。
このとき、S513で磁性体量の制約条件を設定する際には、すでにS1524において磁性体片が配置されているので、それを許容して上限値を設定する。例えば、凹部72ごとに2.0×10-6m3の磁性体片を配置できる場合、1回目で磁性体片の量の上限値を1.5×10-6m3の設定した場合には、2回目のS513では、0.5×10-6m3より小さい値に上限値を設定する。
本実施形態では、超電導コイル4aの励磁および必要に応じた消磁と、磁場の計測を操作者の手を煩わせることなくCPU34が自動で行うことができるため、操作者の負担を軽減することができる。また、消磁の要否の判定も自動で行うため、消磁の回数も必要最小限に抑制できる。
また、S1523において消磁後、S1524において再度励磁した場合、再励磁後の磁場強度は、励磁電源2の精度に依存した励磁電流値の誤差により、元の磁場強度とは異なることがある。このため、再励磁後における磁性体片の配置および量の計算に用いる目標磁場Btgは、励磁電流値(すなわち、再励磁後の磁場強度)に応じて変化させる必要があるが、本実施形態では、S516において、目標磁場をS512または25で計測した磁場の分布に基づいて、計算により設定するため、再励磁後の励磁電流値の誤差に対応して必要な磁場均一度の配置を求めることができる。
また、第3の実施形態では、上述した構成以外は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。なお、第1の実施形態に限らず、第2の実施形態の図13のフローのS512の前と、S521の後に、第3の実施形態のS511およびS1522〜S1526を行うことももちろん可能である。
また、第1〜第3の実施形態では、S515において、計算に用いる固有モードの最大値MDを受け付け、S517では目標磁場Btgのみを変化させて磁性体片の位置と量、ならびに、磁場均一度を算出したが、目標磁場Btgと固有モードの最大値MDの両方を変化させてS517の計算を行ってもよい。この場合、より磁場均一度を小さくできる目標磁場Btgと最適な固有モードの最大値MDの組み合わせと、そのときの磁性体片の位置と量を求めることができる。
また、第1〜第3の実施形態では、固有モードを低次の所定範囲(次数1〜最大値MDの範囲)で選択しているが、本実施形態はこれに限られるものではなく、高次の固有モード範囲を選択することも可能であるし、任意の複数の次数をとびとびに選択することも可能である。
2 励磁電源、4a 超電導コイル、33 磁場均一度調整装置、34 CPU、35 メモリ、71 シムトレイ、72 凹部、73 静磁場発生装置、74 計測部、77 均一磁場空間
まず、操作者は、均一磁場空間77の磁場強度の分布を計測する。例えば、図6のように、磁場計測素子78を均一磁場空間77の形状に対応した所定のパターン(例えば24プレーン)で並べて配置した計測部74を静磁場の軸方向75を中心に回転させることにより、均一磁場空間77の磁場強度Bmを計測する。
I=Σnp 1/2Pivi/λi ・・・(9)
ただし、Pi=ui tBei/np 1/2、np:磁場の計測点の数
式(9)より、次数iの固有モードで生じる磁場強度Beiは、np 1/2Piuiで表されることがわかる。固有モードごとの磁場強度Beiは図9のように分布し、次数iが小さいものほど大きな磁場強度Beiとなっている。よって、np 1/2Piuiの値を、次数i=1からS515で受け付けた固有モードの最大値の次数i=MDまで加算し、さらに計測磁場Bmと下式(10)のように加算することにより、調整後の磁場分布の推定値:BPredictedを算出することができる。
磁場均一度(PkPk値)
={(行列Bepの行列要素の最大値)−(行列Bepの行列要素の最小値)}
/(平均磁場強度)×10-6[ppm] ・・・(15)
上記S851〜S853の演算を、目標磁場Btgを設定された磁場範囲の最小値(Btgc-ΔB・n/2)からΔBずつ変化させながら最大値(Btgc+ΔB・n/2)まで繰り返す(S854)。これにより、設定された磁場範囲のΔB刻みのn個の目標磁場について、それぞれ到達可能な磁場均一度を算出することができる。

まず、CPU34は、第1の実施形態の図5のS512〜S519を行って、条件を満たす目標磁場Btgを選択する。そして、S1321に進み、S519で選択した目標磁場Btgを含み、S516で設定を受け付けた磁場範囲よりも小さい第2の磁場範囲を設定する。さらに、S516で受け付けたΔBよりも小さい刻み幅ΔB2を設定する。
つぎに、S1324に進み、設定されている刻み幅ΔB2が、予め定めた最小値かどうかを判定する。例えば、刻み幅ΔB2としては、5×10-4テスラ、2×10-4テスラ、1×10-5テスラの3種類を予め用意している場合、ΔB2は、まだ最小値1×10-5テスラではないので、S1321に戻る。
そして、S1321では、S1323で選択した目標磁場Btgを含み、前回よりも小さい第2の磁場範囲を設定する。また、刻み幅ΔB2も前回より小さい値に設定する。例えば、刻み幅ΔB2としては、1×10-5テスラを設定し、第2の磁場範囲については、S1323で選択した目標磁場Btgを目標磁場の中心値Btgcとし、刻み幅ΔB2のn倍(nは整数)により設定する。
均一磁場調整装置33のCPU34は、図15のフローに示すように、まず、励磁電源2を制御し、超電導コイル4aに所定の超電導電流を供給させ励磁させる(S1511)。そして、S512においては、CPU34が計測装置74の動作を制御して、均一磁場空間77内で計測装置74を回転させ、磁場を計測させる。そして、S513〜S516で、条件を設定する。
すなわち、磁性体片の総量が小さければ、静磁場により受ける吸引力が小さいため、励磁したまま配置することができるが、磁性体片の量が多い場合には、大きな吸引力が働くため、励磁したままでは配置できないため、S1523に進み、超電導コイル4aを一旦消磁する。消磁後再励磁するのは、時間も冷媒のコストもかかるため、S1522では、励磁したまま配置可能かを予め計算により求めておいた磁性体片の総量と、S520で表示した磁性体片の総量とを比較することにより判定する。消磁の必要がなければそのままS1524に進む。消磁の必要があれば、S1523に進んでCPU34は、励磁電源2を制御して、励磁電流をゼロまたは所定値まで低下させ、S1524に進む。
また、S1523において消磁後、S1524において再度励磁した場合、再励磁後の磁場強度は、励磁電源2の精度に依存した励磁電流値の誤差により、元の磁場強度とは異なることがある。このため、再励磁後における磁性体片の配置および量の計算に用いる目標磁場Btgは、励磁電流値(すなわち、再励磁後の磁場強度)に応じて変化させる必要があるが、本実施形態では、S516において、目標磁場をS512またはS1525で計測した磁場の分布に基づいて、計算により設定するため、再励磁後の励磁電流値の誤差に対応して必要な磁場均一度の配置を求めることができる。
MRI装置の静磁場発生装置は、被検体が挿入される大きな撮像空間を確保しつつ、シム鉄片(磁性体片)による静磁場の補正を実現する必要があるため、シム鉄片を複数枚配置可能な凹部が複数配列して設けられたシムトレイを静磁場発生装置の撮像空間側に備えている。シムトレイの凹部の大きさ(深さ)には、撮像空間の大きさを確保するために制限があり、一つの凹部に配置可能な磁性体片の量には上限がある。上限値以下の磁性体片で、所望の均一度以上の静磁場を実現する必要がある。
また、配置されるシム鉄片は、誤差磁場を補正する磁場成分の他、均一な静磁場成分(B0成分)を生成する。このときのB0成分の生成量は、概ねシム鉄片の総量に比例する傾向にある。一方で、シム鉄片の磁化は、室温や静磁場空間に隣接して配置される傾斜磁場コイルの発生する熱による温度の影響を受け、結果として静磁場変動の要因となる。特に、B0成分の温度依存性は最も感度が高いために、前述の凹部ごとの配置量とは別に、シム鉄片の総量についても、ある一定の制限を設定する必要がある。
本実施形態では、静磁場発生装置73は、MRI装置の静磁場発生装置である場合を例に説明するが、MRI装置に限らず、均一な静磁場を必要とする他の装置の静磁場調整に本実施形態の方法を適用することが可能である。また、図1では、円筒形状の静磁場発生装置を静磁場方向(Z軸)75が水平に配置されている例を図示しているが、平板状の一対の磁石を間隔をあけて上下に配置した静磁場方向が垂直方向の静磁場発生装置に適用することも可能である。また、静磁場発生装置が、超電導磁石である場合について以下説明するが、常伝導磁石や永久磁石であっても構わない。
そのため、位置(番号1〜20)の凹部72に配置可能な磁性体片の量(容量)には、上限がある。発明者らは、配置可能な磁性体片の量に上限がある場合、目標磁場を変えることにより、到達可能な最小の磁場均一度が変化することを見出した。そこで、目標磁場を許容可能な範囲で変化させることにより、より磁場均一度が小さい(磁場の分布が小さい)均一磁場空間77を形成する。なお、特異値分解法を用いた磁性体片の配置と量の計算方法については、広く知られた公知の方法を用いる(例えば特許文献1)。
このように、計算により求めた、ある位置に配置すべき磁性体片の量がシムトレイ71の凹部72の容量の上限値よりも大きい場合、実際にはその量の磁性体片をシムトレイ71に配置することはできないため、誤差磁場を補正しきれず、目標磁場に一致させることはできない。よって、シムトレイ71の各位置(番号1〜20)に配置可能な磁性体片の量に上限値がある場合、目標磁場32の値に応じて、到達可能な最小の磁場均一度が異なることになる。
0≦Ij≦Imax ・・・(12)
(算出したIj>Imaxのとき、Ij=Imax、算出したIj≦Imaxのとき、Ij=Ij)
式(12)を適用後の行列IJは、S852において算出した誤差磁場を修正するための磁性体片の量に対し、凹部72に配置を許可する上限を適用した磁性体片の量および配置を表している。これを、例えば図10のように、凹部72の番号により、凹部72の位置を特定する表形式等で磁性体片の量をメモリ35に格納する。

Claims (15)

  1. 発生する静磁場の均一度を調整するための磁性体片を所定の複数の位置でそれぞれ保持にするためのシムトレイを備えた静磁場発生装置の特異値分解法を用いた磁場均一度調整方法であって、
    前記静磁場発生装置の生成する静磁場の分布を計測して、前記静磁場の分布と目標磁場との誤差磁場を算出し、
    前記シムトレイの前記複数の位置のうち1以上に前記磁性体片を配置した場合に到達可能な磁場均一度を、前記目標磁場を所定の磁場範囲で変化させながらそれぞれ算出し、
    前記シムトレイの前記各位置の磁性体片の量が所定の上限値以下であって、前記到達可能な磁場均一度が所定値以下である前記目標磁場を選択し、前記シムトレイにその目標磁場に対応する前記磁性体片の量を配置することを特徴とする磁場均一度調整方法。
  2. 請求項1に記載の磁場均一度調整方法であって、選択した前記目標磁場を含み、前記所定の磁場範囲よりも小さい範囲の第2の磁場範囲を設定し、前記第2の磁場範囲内で前記目標磁場を変化させながら、前記到達可能な磁場均一度を再度算出し、前記シムトレイの前記各位置の磁性体片の量が所定の上限値以下であって前記到達可能な磁場均一度が最小である前記目標磁場を選択し、前記シムトレイに選択した前記目標磁場に対応する前記磁性体片の量を配置することを特徴とする磁場均一度調整方法。
  3. 請求項1に記載の磁場均一度調整方法であって、前記特異値分解法により算出した複数の固有モードを用いて前記磁性体片の配置とその量を算出することを特徴とする磁場均一度調整方法。
  4. 請求項1に記載の磁場均一度調整方法であって、前記静磁場発生装置が、磁気共鳴イメージング装置の静磁場発生装置である場合、求めた前記目標磁場に対応する高周波磁場の周波数を算出し、前記磁気共鳴イメージング装置の高周波磁場発生部に設定することを特徴とする磁場均一度調整方法。
  5. 請求項1に記載の磁場均一度調整方法であって、計測した前記静磁場の分布に基づいて前記目標磁場の中心値を設定し、前記目標磁場の中心値を中心に前記所定の磁場範囲を設定することを特徴とする磁場均一度調整方法。
  6. 請求項3に記載の磁場均一度調整方法であって、前記複数の固有モードのうち所定の複数の次数のみを選択的に用いて、前記磁性体片の配置とその量を算出することを特徴とする磁場均一度調整方法。
  7. 請求項1に記載の磁場均一度調整方法であって、前記目標磁場を所定の磁場範囲で変化させながらそれぞれ算出した前記磁場均一度の変化に基ずいて、前記目標磁場を選択する
    ことを特徴とする磁場均一度調整方法。
  8. 発生する静磁場の均一度を調整するための磁性体片を所定の複数の位置でそれぞれ保持にするためのシムトレイを備えた静磁場発生装置の磁場均一度を調整するために、コンピュータに、
    前記静磁場発生装置の生成する静磁場の計測結果を取り込んで、前記静磁場と目標磁場との誤差磁場を算出する第1ステップ、
    前記シムトレイの前記複数の位置のうち1以上に前記磁性体片を配置した場合に到達可能な磁場均一度を、前記目標磁場を所定の磁場範囲で変化させながらそれぞれ算出する第2ステップ、
    前記第2ステップで算出した前記到達可能な磁場均一度の算出結果に基づいて、前記シムトレイの前記各位置の磁性体片の量が所定の上限値以下であって、前記到達可能な磁場均一度が所定値以下となる前記目標磁場を選択する第3ステップ、および、
    前記第3ステップで選択した目標磁場に対応する前記磁性体片の配置とその量を表示装置に表示させる第4ステップ
    を実行させることを特徴とする磁場均一度調整プログラム。
  9. 請求項8に記載の磁場均一度調整プログラムであって、
    前記第3ステップで選択した前記目標磁場を含み、前記所定の磁場範囲よりも小さい第2の磁場範囲を設定する第5ステップ、
    前記第2の磁場範囲内で前記目標磁場を変化させながら、前記到達可能な磁場均一度を再度算出する第6ステップ、および、
    前記第6ステップの算出結果に基づいて、前記シムトレイの前記各位置の磁性体片の量が所定の上限値以下であって前記到達可能な磁場均一度が最小である前記目標磁場を選択する第7ステップを、コンピュータにさらに実行させ、
    前記第4ステップでは、前記第7ステップで選択した前記目標磁場に対応する前記磁性体の配置とその量を表示装置に表示させることを特徴とする磁場均一度調整プログラム。
  10. 請求項8に記載の磁場均一度調整プログラムであって、前記第2ステップは、特異値分解法により算出した複数の固有モードを用いて前記磁性体片の配置とその量を算出することを特徴とする磁場均一度調整プログラム。
  11. 請求項8に記載の磁場均一度調整プログラムであって、前記静磁場発生装置が、磁気共鳴イメージング装置の静磁場発生装置である場合、前記第3ステップで選択した前記目標磁場に対応する高周波磁場の周波数を算出する第8ステップ、および、
    前記第8ステップで算出した前記高周波磁場の周波数を、前記磁気共鳴イメージング装置の高周波磁場発生部に設定すべき周波数として表示装置に表示させる第9ステップとをコンピュータにさらに実行させることを特徴とする磁場均一度調整プログラム。
  12. 請求項8に記載の磁場均一度調整プログラムであって、前記第2ステップは、前記第1ステップで取り込んだ前記静磁場の分布に基づいて前記静磁場の分布幅の中に前記目標磁場の中心値を設定し、前記目標磁場の中心値を中心に前記所定の磁場範囲を設定することを特徴とする磁場均一度調整プログラム。
  13. 請求項10に記載の磁場均一度調整プログラムであって、前記第2ステップは、前記磁性体片の配置とその量の算出に用いる複数の次数を操作者から受け付けることを特徴とする磁場均一度調整プログラム。
  14. 請求項10に記載の磁場均一度調整プログラムであって、前記第2ステップは、前記目標磁場のみならず、前記固有モードの次数を変化させながら前記到達可能な磁場均一度を算出することを特徴とする磁場均一度調整プログラム。
  15. 発生する静磁場の均一度を調整するための磁性体片を所定の複数の位置でそれぞれ保持にするためのシムトレイを備えた静磁場発生装置の磁場均一度を調整するための磁場均一度調整装置であって、
    前記静磁場発生装置の生成する静磁場の計測結果と、前記複数の位置の磁性体片の量の上限値と、目標磁場の範囲とを受け付ける受け付け部と、
    前記受け付け部が受け付けた条件を用いて前記シムトレイに配置すべき前記磁性体片の配置とその量を算出する演算部とを有し、
    前記演算部は、前記静磁場と目標磁場との誤差磁場を算出し、前記シムトレイの前記複数の位置のうち1以上に前記磁性体片を配置した場合に到達可能な磁場均一度を、前記目標磁場を前記受け付け部が受け付けた目標磁場の範囲で変化させながらそれぞれ算出し、算出した前記到達可能な磁場均一度の算出結果に基づいて、前記シムトレイの前記各位置の磁性体片の量が前記受け付けた前記上限値以下であって、前記到達可能な磁場均一度が所定値以下となる前記目標磁場を選択し、選択した目標磁場に対応する前記磁性体片の配置とその量を表示装置に表示させることを特徴とする磁場均一度調整装置。
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