JPWO2016125635A1 - 窒化珪素回路基板およびそれを用いた電子部品モジュール - Google Patents

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Abstract

3点曲げ強度が500MPa以上の窒化珪素基板の両面に金属板を接合した窒化珪素回路基板において、表面側の金属板の厚さをt1とし、裏面側の金属板の厚さをt2としたときに、関係式:|t1−t2|≧0.30mmを満たし、窒化珪素基板は表面側または裏面側のどちらか一方の金属板側に凸状となるように反りが形成されており、窒化珪素基板は長辺方向および短辺方向共に反り量が0.01〜1.0mmの範囲内であることを特徴とする窒化珪素回路基板である。また、窒化珪素基板の縦幅(L1)が10〜200mmであり、横幅(L2)が10〜200mmの範囲内であることが好ましい。上記構成によれば、表裏の金属板の厚さの差が大きな窒化珪素回路基板において、TCT特性を向上させることができる。

Description

後述する実施形態は、概ね、窒化珪素回路基板およびそれを用いた電子部品モジュールに関する。
近年、ロボットやモーター等の産業機器の高性能化に伴い大電力・高効率インバーター等の大電力モジュールの開発が進んでいる。大電力モジュールの出力に応じて、半導体素子から発生する熱も増加の一途をたどっている。この熱を効率よく放散するため、大電力モジュールでは様々な方法が採用されている。最近では、セラミックス基板の両面に金属板を接合したセラミックス回路基板が使用されている。
セラミックス回路基板としては、WO2007/105361号公報(特許文献1)、特開2010−118682号公報(特許文献2)に示す回路基板が開発されている。特許文献1では、表面側の金属板(第1の金属板)と裏面側の金属板(第2の金属板)との厚さ比を50%以上200%以下に制御することによりTCT特性(耐熱サイクル特性)を向上させている。
また、特許文献2では、表面側の金属板(金属回路板側)に凸状に反ったセラミックス回路基板が開発されている。特許文献2では、このような構造を採用することにより、半田フロー性を改善している。特許文献1や特許文献2のようなセラミックス回路基板の構造を採用することにより、TCT特性や半田フロー性を改善している。
半導体素子の大電力化に伴って更なる放熱性の改善が求められている。半導体モジュールは、半田層を介して半導体素子をセラミックス回路基板に実装している。このようなモジュール構造の熱伝達経路は、半導体素子→半田層→金属板(表面側の金属板)→セラミックス基板→金属板(裏面側の金属板)となる。セラミックス回路基板の放熱性を示す指標として熱抵抗がある。熱抵抗が小さいと放熱性が良いことを示している。
また、熱抵抗(Rth)は、Rth=H/(k×A)で求められる。ここで、符号Hは熱伝達経路、kは熱伝導率、Aは放熱面積である。上記計算式から明らかなように、熱抵抗(Rth)を小さくするには、熱伝達経路(H)を短くすること、熱伝導率(k)を大きくすること、放熱面積(A)を大きくすることが挙げられる。
また、セラミックス回路基板にはTCT特性の向上も求められている。特許第3797905号公報(特許文献3)には、3点曲げ強度が500MPa以上の窒化珪素基板が開発されている。曲げ強度が強い窒化珪素基板を使用することにより、TCT特性の向上を図ることができる。
前述の大電力化に対応するためには、放熱性とTCT特性の更なる改善が求められている。強度が高い窒化珪素基板を活かして放熱性を向上させるには、放熱面積(A)を大きくすることが有効である。熱伝達経路(H)を短くするには、金属回路板およびセラミックス基板を薄くすることが有効である。
しかしながら、金属回路板を薄くし過ぎると大電流を流し難くなる。また、セラミックス基板を薄くし過ぎると絶縁性に不安がある。また、熱伝導率(k)に関しては、窒化アルミニウム基板では熱伝導率250W/m・Kクラスのものが開発されているが、強度が250MPa程度のためTCT特性が悪い。
放熱面積(A)を大きくする方法としては、セラミックス基板に接合する金属板を大きくする方法や、リードフレーム、ヒートシンクなどを接合する方法が有効である。
国際公開番号WO2007/105361号公報 特開2010−118682号公報 特許第3797905号公報
特許文献1の[表1]では表面側と裏面側の金属板との厚さ比を50〜250%の範囲に変えているものの、表裏金属板の厚さの差が0.30mm以上と大きくなった場合にTCT特性の良い窒化珪素回路基板が得られていなかった。また、特許文献2[表1]では窒化珪素基板の長手方向の反り量を制御することにより、半田フロー性を改善している。しかしながら、表裏金属板の厚さの差が0.30mm以上と大きくなった場合について十分検討されていなかった。
また、従来の窒化珪素回路基板では、放熱面積(A)を大きくするために、厚さ0.4mm以上のリードフレームなどを接合した場合に窒化珪素回路基板が湾曲するといった問題が生じていた。
本発明が解決しようとする課題は、表裏の金属板の厚さの差が0.30mm以上の金属板を接合したとしてもTCT特性が良好な窒化珪素回路基板を提供することである。また、厚さが0.4mm以上のリードフレームなどを接合した場合であっても、湾曲しない窒化珪素回路基板を提供するものである。
実施形態に係る窒化珪素回路基板は、3点曲げ強度が500MPa以上の窒化珪素基板の両面に金属板を接合した窒化珪素回路基板において、表面側の金属板の厚さをt1、裏面側の金属板の厚さをt2としたとき、|t1−t2|≧0.30mmを満たし、窒化珪素基板は表面側または裏面側のどちらか一方の金属板側に凸状となるように反り、窒化珪素基板は長辺方向および短辺方向共に反り量が0.1〜1.0mmの範囲内であることを特徴とするものである。
実施形態に係る窒化珪素回路基板の一例を示す上面図である。 実施形態に係る窒化珪素回路基板の一例を示す側断面図である。 実施形態に係る窒化珪素回路基板の対角線の長さの一例を示す上面図である。 実施形態に係る窒化珪素回路基板の他の一例を示す側面図である。 実施形態に係る窒化珪素回路基板のさらに別の一例を示す側断面図である。 実施形態に係る窒化珪素回路基板のさらに別の一例を示す上面図である。 実施形態に係る窒化珪素回路基板のさらに別の一例を示す側断面図である。 実施形態に係る窒化珪素回路基板の金属板側面の一例を示す断面図である。 実施形態に係る電子部品モジュールの一例を示す側断面図である。 実施形態に係る電子部品モジュールの他の一例を示す側断面図である。 実施形態に係る電子部品モジュールのさらに別の一例を示す側断面図である。
実施形態に係る窒化珪素回路基板は3点曲げ強度が500MPa以上の窒化珪素基板の両面に金属板を接合した窒化珪素回路基板において、表面側の金属板の厚さをt1とし、裏面側の金属板の厚さをt2としたとき、関係式:|t1−t2|≧0.30mmを満たし、窒化珪素基板は表面側または裏面側のどちらか一方の金属板側に凸状となるように反りが形成されており、窒化珪素基板は長辺方向および短辺方向共に反り量が0.01〜1.0mmの範囲内であることを特徴とするものである。
窒化珪素基板は3点曲げ強度が500MPa以上のものである。3点曲げ強度が500MPa未満と低いとTCT特性が低下する。3点曲げ強度は500MPa以上、さらには600MPa以上であることが好ましい。また、窒化珪素基板は、破壊靭性値が6.0MPa・m1/2以上であることが好ましい。
また、窒化珪素基板は熱伝導率が50W/m・K以上であることが好ましい。熱伝導率は50W/m・K以上、さらには80W/m・K以上と高いことが好ましい。熱伝導率を高くすることにより、窒化珪素回路基板の熱抵抗を小さくすることができる。
また、窒化珪素基板は厚さ0.70mm以下であることが好ましい。さらに0.33mm以下、0.26mm以下と薄型化することが好ましい。窒化珪素基板は高強度で絶縁性も優れていることから基板の薄型化が可能である。また、基板の薄型化により回路基板の熱抵抗を下げることができる。なお、窒化珪素基板の厚さの下限としては0.10mm以上が好ましい。基板厚さが0.10mm未満と薄くなると強度や絶縁性の確保が難しくなるおそれがある。
また、窒化珪素基板の両面には金属板が接合されている。金属板は、銅板、アルミニウム板、銅合金板、アルミニウム合金板が好ましい。また、接合方法は、接合層を介した接合方法、接合層を介さずに直接接合する接合方法のどちらでもよい。接合層を介した接合方法としては活性金属ろう材を用いた活性金属接合法が好ましい。
活性金属ろう材は、銀(Ag)、銅(Cu)、チタン(Ti)からなるものが好ましい。また、必要に応じ、錫(Sn)、インジウム(In)を添加するものとする。活性金属ろう材としては、Agを40〜80質量%、Cuを20〜60質量%、Tiを0.1〜10質量%、Snを20質量%以下(0含む)、Inを20質量%以下(0含む)からなるものが挙げられる。金属板が銅板または銅合金板であれば活性金属接合法により接合しやすい。
また、金属板がAl板またはAl合金板の場合、活性金属は、Al(アルミニウム)である。活性金属以外の成分としてはSi(珪素)が挙げられる。活性金属ろう材としては、Siが0.01〜10質量%、Alが残部のものがある。
両面に接合された金属板のうち、表面側の金属板の厚さをt1、裏面側の金属板の厚さをt2としたとき、|t1−t2|≧0.30mmを満たすものとする。|t1−t2|≧0.30mmを満たすということは、表面側の金属板と裏面側の金属板の厚さの差が0.30mm以上あるということを示している。表面側と裏面側の金属板は、どちらが厚くても良い。また、表面側の金属板は半導体素子を搭載する金属板、裏面側の金属板は放熱板であることが好ましい。
また、通電容量を稼ぎたいときは表面側の金属板の方を厚くすることが好ましい。また、放熱性を良くしたいときは裏面側の金属板を厚くすることが好ましい。また、t1≧0.20mm、t2≧0.20mmであることが好ましい。|t1−t2|≧0.30mmを満たすためには、t1またはt2のどちらか一方が0.50mm以上となることが好ましい。
なお、金属板の板厚の厚さの上限は特に限定されるものではないが、5.00mm以下であることが好ましい。金属板の厚さが5.00mmを超えると金属板の熱膨張により変化する体積が大きくなるため、後述する反り量の制御が困難になる。また、3.00mm≧|t1−t2|≧0.30mmであることが好ましい。この範囲であれば後述する反り量の制御を実施し易い。
また、窒化珪素基板は表面側または裏面側のどちらか一方の金属板が凸状になるように反っている。その上で、窒化珪素基板は長辺方向および短辺方向共に反り量が0.01〜1.0mmの範囲内であることを特徴とする。
後述するように表面側金属板にリードフレームを接合する場合は、裏面側に凸状に反りがあることが好ましい。また、裏面側金属板にヒートシンクまたは冷却フィンを接合する場合は、表面側に凸状に反りがあることが好ましい。また、表面側金属板にリードフレーム、裏面側金属板にヒートシンク(または冷却フィン)を接合する場合は、裏面側に凸状に反った方が好ましい。
図1、図2および図3に実施形態に係る窒化珪素回路基板の一例を示す。図1および図3は上面図、図2は側面図である。図中、符号1は窒化珪素回路基板であり、2は窒化珪素基板であり、3は表面側の金属板であり、4は裏面側の金属板である。
また、L1は窒化珪素基板の長手方向の長さ(縦幅)であり、L2は窒化珪素基板の短辺方向の長さ(横幅)であり、L3は窒化珪素基板の対角線方向の長さ、Sは窒化珪素基板の反り量である。また、窒化珪素基板の長手方向の反り量をSL1、短辺方向の反り量をSL2とする。また、図示しないが、窒化珪素基板の対角線方向の反り量をSL3とする。
反り量Sの測定方法は、まず窒化珪素基板の端からもう一方の端まで直線を引く。その直線に対し、窒化珪素基板が一番離れている距離を反り量Sとする。
実施形態に係る窒化珪素回路基板は、長手方向の反り量SL1と短辺方向の反り量SL2が共に0.01〜1.0mmの範囲内となる。実施形態に係る窒化珪素回路基板は長手方向と短辺方向の両方に所定の反り量を有している。このような構造とすることにより、表裏の金属板の厚さの差が0.30mm以上と大きな場合であっても、優れたTCT特性を示す。また、後述するように厚さ0.4mm以上のリードフレーム、ヒートシンク、冷却フィンの少なくとも1つを接合したとしても、窒化珪素回路基板が湾曲することがない。ここで言う湾曲とは、反り量Sが1.0mmを超えて大きくなることを示す。また、窒化珪素基板は長辺方向および短辺方向共に反り量は0.1〜1.0mmの範囲内であることが好ましい。
また、窒化珪素基板の対角線方向の反り量SL3は、0.1≦SL3≦1.5mmの範囲内であることが好ましい。また、対角線方向の反り量SL3は0.2≦SL3≦0.7mmの範囲であることが好ましい。
リードフレームは、主に半導体素子の導通のために接合される。そのため、リードフレームは窒化珪素回路基板の外側まで延在させることが多い。ヒートシンクや冷却フィンは、窒化珪素回路基板の裏面側に接合される。ヒートシンクや冷却フィンは裏面側に均等に接合される。それに対し、リードフレームは導通したい箇所に接合される。そのため、リードフレームは、必ずしも均等に配置されるものではない。対角線の反り量SL3を0.1〜1.5mmにしておけば、リードフレームが不均等な配置であっても、電子部品モジュールにおける窒化珪素基板の反り量を0.1mm未満(0mm含む)にすることができる。言い換えると、0.1≦SL3≦1.5mmの範囲にした窒化珪素回路基板は、リードフレームを接合するものに好適である。なお、均等配置とは、左右対称になるように配置することである。
また、窒化珪素基板の縦幅L1は10〜200mmであることが好ましい。また、窒化珪素基板の横幅L2は10〜200mmであることが好ましい。縦幅(L1)または横幅(L2)が10mm未満と小さいと、表面側の金属板の半導体素子の実装面積が小さくなるため設計の自由度が低下する。また、後述する接合層のはみ出し領域を設ける面積を形成することが困難になる。一方、縦幅(L1)または横幅(L2)が200mmを超えて大きいと反り量(S)を、所定の範囲内に制御し難くなる。
また、長手方向の反り量(SL1)と短辺方向の反り量(SL2)との比(SL1/SL2)が1.2〜20.0の範囲内であることが好ましい。また、比(SL1/SL2)が1.2〜6.0の範囲内であることが好ましい。比(SL1/SL2)が1.2〜20.0の範囲内であるということは、長手方向と短辺方向の反り量が近似していることを示している。このような構造とすることにより、表裏の金属板の厚さの差が0.30mm以上、さらには0.50mm以上と大きくなっても、TCT特性を向上させることができる。
また、金属板は活性金属を含む接合層を介して窒化珪素基板に接合されたものであることが好ましい。活性金属とは、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Nb(ニオブ)、Al(アルミニウム)から選ばれる1種または2種以上の元素を示す。この中では前述のようにTiを用いることが好ましい。また、活性金属を含む接合層は、Agを40〜80質量%、Cuを20〜60質量%、Tiを0.1〜5質量%、Snを20質量%以下(0含む)、Inを20質量%以下(0含む)から成る活性金属ろう材を用いたものが好ましい。また、窒化珪素基板と金属板との間に活性金属ろう材層を設けて熱処理することにより接合される。接合後は接合層中の活性金属は主に活性金属窒化物となっていることが好ましい。
また、接合層は金属板端部からはみ出していることが好ましい。また、金属板端部からはみ出した接合層のはみ出し量が30〜300μmであることが好ましい。図4に接合層がはみ出し部を有する窒化珪素回路基板の断面図の一例を示す。図中、符号1は窒化珪素回路基板であり、5は接合層のはみ出し部である。また、Wは接合層のはみ出し量である。また、はみ出し部5は金属板の側面にはい上がっていてもよい。はみ出し部を設けることにより、金属板と窒化珪素基板の熱応力を緩和することができる。また、はみ出し量Wは50〜300μm、さらには50〜200μmの範囲内であることが好ましい。
また、金属板の側面において、金属板厚さの1/2の点から窒化珪素基板側の金属板の端部まで直線を引いたときの角度が60°以下であることが好ましい。図8に実施形態に係る窒化珪素回路基板の金属板の側断面の一例を示す。図中、符号2は窒化珪素基板であり、3は金属板であり、5は接合層のはみ出し部、である。
金属板3の厚さの1/2の点から金属板の端部まで直線を引く。この直線の角度θが60°以下であるということは、金属板の側面が窒化珪素基板側方向に伸びている形状を示している。これにより、金属板と窒化珪素基板の熱応力を緩和することができる。そのため、直線の角度θは60°以下、さらには45°以下であることが好ましい。
また、接合層のはみ出し部と角度θとの組合せにより、さらに熱応力を緩和することができる。
このため、金属板の厚さを厚くしたり、表裏面の金属板の厚さの差(|t1−t2|)を大きくしたりしたとしてもTCT特性を向上させることができる。はみ出し量Wが30μm未満では、はみ出し部を設ける効果が不十分である。また、はみ出し量Wが300μmを超えて大きいと、それ以上の効果が得られないだけでなく、コストアップの要因となる。このため、はみ出し量Wは30〜300μm、さらには50〜200μmであることが好ましい。また、角度θは60°以下、さらには45°以下であることが好ましい。これにより熱応力緩和ができるのでTCT特性が向上する。
また、裏面側の金属板は窒化珪素基板の縦幅(L1)、横幅(L2)よりも大きいことが好ましい。図5および図6に、窒化珪素基板よりも裏面側の金属板が大きい構造を有する窒化珪素回路基板の一例を示す。図5は側断面図であり、図6は上面図である。図中、符号1は窒化珪素回路基板であり、2は窒化珪素基板であり、3は表面側の金属板であり、4は裏面側の金属板である。
このような構造にすると、裏面側の金属板の板厚t2を厚くし易くなる。t2−t1≧0.3mm、さらにはt2−t1≧0.8mmとすることができる。また、裏面側の金属板の厚さt2を1.0mm以上と厚くすることができる。
また、窒化珪素基板よりも裏面側の金属板が大きい構造とすることにより、表面側の金属板に搭載した電子部品の熱を効率的に逃がすことができる。一般的に、電子部品からの熱は45°拡散(または45°放熱)していく。窒化珪素基板よりも裏面側の金属板が大きい構造とすることにより、45°拡散をスムーズに進行させることができる。
また、表面側の金属板が回路板であり、裏面側の金属板が放熱板であり、(裏面側の金属板の体積/表面側の金属板の体積)≧2であることが好ましい。これは放熱板(裏面側の金属板)の体積が回路板(表面側の金属板)の体積の2倍以上あることを示している。体積を大きくする方法としては、裏面側の金属板の板厚を大きくすること、裏面側の金属板の縦横のサイズを大きくすることが挙げられる。また、表裏の金属板の体積比の制御は、反り量の制御にも有効である。
前記の通り、熱抵抗(Rth)は、Rth=H/(k×A)で求められる。ここで、Hは熱伝達経路、kは熱伝導率、Aは放熱面積である。熱抵抗(Rth)を小さくするには、熱伝達経路(H)を短くすること、熱伝導率(k)を大きくすること、放熱面積(A)を大きくすることが上げられる。実施形態に係る窒化珪素回路基板は、窒化珪素基板を薄型化することにより、熱伝導率の低い部分の熱伝達経路を短くすることができる。また、金属板を厚くすることや金属板のサイズを大きくすることにより、窒化珪素回路基板の熱伝導率(k)および放熱面積(A)を大きくすることができる。この結果、熱抵抗(Rth)を小さくすることができる。
また、|t1−t2|≧0.30mmを満たすように、表面側と裏面側とにおいて、金属板の厚さの差を供えている。表面側の金属板を厚くすることにより通電容量を稼ぐことができる。また、裏面側の金属板を厚くすることにより、熱の逃げ道を広くとることができるので放熱性を向上させることができる。また、窒化珪素基板の長辺方向および短辺方向に0.01〜1.0mmの反り量を設けている。所定の反り量を設けているので、板厚の差が0.30mm以上と大きくてもTCT特性を向上させることができる。
また、表面側の金属板は複数個接続した構造としても良い。図7に、表面側に複数個の金属板を接合した窒化珪素回路基板の一例を示す。図中、符号1は窒化珪素回路基板であり、2は窒化珪素基板であり、3は表面側の金属板であり、4は裏面側の金属板である。図7は基板の表面側に2つの金属板を配設した構成例である。このように2つの金属板を表面側に接合した構造であっても、いずれの金属板も|t1−t2|≧0.30mmの関係を満足するものである。また、表面側の金属板を3つ以上接合した場合であっても、|t1−t2|≧0.30mmを満たすものとする。
以上のような窒化珪素回路基板は、電子部品を実装した電子部品モジュールに好適である。電子部品としては、半導体素子、サーミスタなどが挙げられる。実施形態に係る窒化珪素回路基板は熱抵抗を低減してあるため、ジャンクション温度が高い半導体素子に好適である。SiC素子はジャンクション温度が150℃以上と高くなる。言い換えると、本発明に係る回路基板は、SiC素子を実装した電子部品モジュールに好適である。
また、表面側の金属板または裏面側の金属板に厚さ0.4mm以上のリードフレーム、ヒートシンク、冷却フィンの少なくとも1つが接合されていることが好ましい。図9にリードフレームを接合した電子部品モジュールの一例を示す。また、図10にヒートシンクを接合した電子部品モジュールの一例を示す。図11に冷却フィンを接合した電子部品モジュールの一例を示す。図中、符号1は窒化珪素回路基板であり、6は電子部品モジュールであり、7は電子部品であり、8はリードフレームであり、9はヒートシンクであり、10は冷却フィン、である。
図9は、表面側の金属板3に電子部品7およびリードフレーム8を接続したものである。リードフレーム8は厚さ0.4mm以上であることが好ましい。リードフレームは銅板などの金属板が挙げられる。また、リードフレームの厚さを0.4mm以上と厚くすることにより、通電容量を稼ぐと共に放熱性を向上させることができる。なお、リードフレームの厚さの上限は特に限定されるものではないが、5mm以下であることが好ましい。
また、このような構造とすることにより、ワイヤボンディングを行わない構造とすることもできる。ワイヤボンディング構造をとらないことにより、トランスファーモールド法による樹脂封止を行った際にワイヤが断線することを効果的に防止することができる。
トランスファーモールド法においては、加熱された金型内に電子部品モジュールを配置する。電子部品モジュールは、キャビティと呼ばれる空間に配置される。また、金型は上下1セットになってキャビティを構成する。次に、樹脂タブレット(樹脂を固めたもの)をポットと呼ばれる空間に投入する。ポットに投入された樹脂タブレットは徐々に溶け始め、キャビティ内に投入される。液状となった樹脂は、電子部品を周りの空間に充填される。充填された樹脂が固まることにより、モールドされた状態となる。トランスファーモールド法は、金型サイズを大きくすることにより、一度に多くのモールド処理を実施することができるため、量産性に優れた樹脂封止方法である。
一方で、トランスファーモールド法は、ワイヤの変形や断線が起きやすい製法である。そのため、ワイヤボンディングを行わない構造とすることにより、トランスファーモールド法により樹脂封止した際にワイヤの断線不良や変形不良を解消することができる。
なお、ワイヤボンディングを実施しないメリットを説明したが、ワイヤボンディングにより電子部品の導通を行っても良いものとする。
図10は裏面側の金属板にヒートシンク9を接合したものである。ヒートシンク9は厚さ0.4mm以上であることが好ましい。ヒートシンクは銅板などの金属板で構成される。また、ヒートシンクの厚さを0.4mm以上と厚くすることにより、放熱性を向上させることができる。なお、ヒートシンクの厚さの上限は特に限定されるものではないが、厚さ10mm以下であることが好ましい。
図11は裏面側の金属板4に冷却フィン10を接続したものである。ヒートシンク9は板状であるのに対し、冷却フィンはくし歯状となっている。くし歯形状は、溝型やピン型などの様々な突起形状であってよい。冷却フィンはくし歯形状をとることにより放熱面積を増大化させることができる。なお、冷却フィンの厚さの上限は特に限定されるものではないが、20mm以下であることが好ましい。
また、リードフレーム、ヒートシンク、冷却フィンは、この中から1種を接合してもよいし、2種を接合しても良い。2種を接合する場合は、リードフレームとヒートシンクとの組合せ、または、リードフレームと冷却フィンとの組合せとなる。
実施形態に係る電子部品モジュールは、表面側の金属板または裏面側の金属板に厚さ0.4mm以上のリードフレーム、ヒートシンク、冷却フィンの少なくとも1つが接合された構造をとったとき、窒化珪素基板の長辺方向の反り量および短辺方向の反り量は共に0.1mm未満(0mm含む)とすることができる。
従来、リードフレーム、ヒートシンク、冷却フィンとして厚さ0.4mm以上と厚いものを接合すると、それにより窒化珪素回路基板の反り量が大きくなっていた。それに対し、実施形態に係る窒化珪素回路基板は予め所定の反り量を有しているため、厚いリードフレームなどを接合したときの応力を緩和できる。そのため、電子部品モジュールを形成したときに窒化珪素基板の長辺方向の反り量および短辺方向の反り量は共に0.1mm未満(0mm含む)と小さくすることができる。
また、電子部品モジュールの窒化珪素基板の反り量を小さくすることにより、樹脂封止を行い易くなる。前述のようなトランスファーモールド法で樹脂封止した場合、窒化珪素基板の反り量が小さいと、溶融した樹脂が隙間に安定的に入り込む。その結果、隙間無く樹脂封止が可能となる。この点からも実施形態に係る電子部品モジュールは、樹脂封止を実施する構造に好適である。
また、リードフレーム、ヒートシンク、冷却フィン等の放熱部材を接合した電子部品モジュールであったとしても優れたTCT特性を示す。実際に、−45℃×30分→室温(25℃)×10分→150℃×30分→室温(25℃)×10分を1サイクルとするTCT試験(耐熱サイクル試験)を600サイクル実施したとしても、金属板のはがれや窒化珪素基板にクラックが発生しない。このため、電子部品としてジャンクション温度が高いSiC素子を使用しても、優れた耐久性を発揮することができる。
次に、窒化珪素回路基板の製造方法について説明する。実施形態に係る窒化珪素回路基板は前述の構造を有する限り、その製造方法は特に限定されるものではないが、効率よく得るための方法として次の方法が挙げられる。
まず、窒化珪素基板を用意する。窒化珪素基板は3点曲げ強度が500MPa以上のものとする。また、窒化珪素基板は、破壊靭性値が6.0MPa・m1/2以上であることが好ましい。また、窒化珪素基板は熱伝導率が50W/m・K以上であることが好ましい。熱伝導率は50W/m・K以上、さらには80W/m・K以上と高いことが好ましい。また、窒化珪素基板の厚さは、0.1mm以上、0.70mm以下であることが好ましい。さらに0.33mm以下、0.26mm以下と薄型化することが好ましい。
また、窒化珪素基板の反り量は、長辺方向側の反り量SL1および短辺方向の反り量SL2が共に0.1mm未満のものを用意するものとする。
次に金属板を用意する。金属板は、銅板、銅合金、Al板、Al合金板から選択される1種であることが好ましい。金属板の厚さは、表面側金属板の厚さt1と、裏面側金属板の厚さt2との関係が|t1−t2|≧0.30mmとなるようにするものとする。
次に窒化珪素基板と金属板とを接合する工程を実施する。接合工程は、活性金属ろう材を用いる。金属板が銅板または銅合金板の場合、活性金属は、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Nb(ニオブ)から選ばれる1種を含むものとする。活性金属としてはTiが最も好ましい。また、活性金属以外の成分としては、Ag,Cu,In,Snが挙げられる。活性金属ろう材としては、Agを40〜80質量%、Cuを20〜60質量%、Tiを0.1〜10質量%、Snを20質量%以下(0含む)、Inを20質量%以下(0含む)から成るろう材が好ましい。
また、金属板がAl板またはAl合金板の場合、活性金属は、Al(アルミニウム)である。活性金属以外の成分としてはSi(珪素)が挙げられる。活性金属ろう材としては、Siが0.01〜10質量%、Alが残部のろう材を使用する。
また、金属板の側面は、予め金属板厚さの1/2の点から窒化珪素基板側の金属板の端部まで直線を引いたときの角度が60°以下に加工してもよい。また、金属板を接合後にエッチング処理を行うことにより、金属板厚さの1/2の点から窒化珪素基板側の金属板の端部まで直線を引いたときの角度が60°以下に加工してもよい。
活性金属ろう材に樹脂バインダを添加し、活性金属ろう材ペーストを調製する。活性金属ろう材ペーストを窒化珪素基板上に塗布し、活性金属ろう材ペースト層を形成する。その上に金属板を配置する。接合層のはみ出し部を設ける場合は、活性金属ろう材ペースト層を金属板の縦横サイズより広めに設けるものとする。活性金属ろう材ペースト層の塗布厚さは10〜40μmの範囲であることが好ましい。活性金属ろう材層ペースト層の厚さが10μm未満では十分な接合強度が得られないおそれがある。また、厚さが40μmを超えて厚いと、接合強度のそれ以上の向上がみられないだけでなく、コストアップの要因となる。そのため、活性金属ろう材ペースト層の厚さは10〜40μm、さらには15〜25μmの範囲であることが好ましい。
次に、加熱工程を行う。加熱温度は600〜900℃の範囲であることが好ましい。活性金属ろう材が、Ti、Zr、Hf、Nbから選択される1種を含有する場合は、接合温度が750〜900℃の範囲であることが好ましい。また、活性金属ろう材がAlを含有する場合は、接合温度は600〜750℃の範囲であることが好ましい。また、加熱工程は真空雰囲気中で実施することが好ましい。真空度としては、1×10−2Pa以下、さらには4×10−3Pa以下であることが好ましい。真空雰囲気中で加熱工程を実施することにより、銅板や活性金属ろう材が酸化することや窒化することを効果的に防止できる。また、加熱工程後の冷却速度を80℃/h以下にすることが好ましい。冷却速度を緩速度にすることにより、加熱工程での熱応力を緩和することができる。
このような工程を実施することにより、長辺方向側の反り量SL1および短辺方向の反り量SL2が0.01〜1.0mmの範囲内である窒化珪素回路基板を作製することができる。
また、必要に応じ、リードフレーム、ヒートシンク、冷却フィンのいずれか1つまたは2つを接合する工程を実施する。また、リードフレーム、ヒートシンク、冷却フィンは、厚さ0.4mm以上と厚いものであることが好ましい。リードフレーム、ヒートシンク、冷却フィン等の放熱部材の接合は半田を使用して実施する。
また、表面側の金属板に電子部品を実装する。電子部品は、半導体素子、サーミスタなどが挙げられる。また、電子部品の実装は半田を使用して実施することが好ましい。リードフレームなどの放熱部材の接合と電子部品の接合は、同一工程で同時に実施しても良いし、別々の工程で実施してもよい。
また、必要に応じて、樹脂封止工程を実施する。樹脂封止工程は、トランスファーモールド法で製造することが好ましい。トランスファーモールド法は量産性に優れた方法である。実施形態に係る窒化珪素回路基板であれば、トランスファーモールド法により樹脂封止を実施した場合においても、反り量を小さくすることができる。
(実施例)
(実施例1〜7および比較例1〜3)
窒化珪素基板として、厚さが0.32mmであり、長手方向長さ(L1)が50mmであり、短辺方向長さ(L2)が35mmである基板を用意した。窒化珪素基板は、3点曲げ強度が600MPaであり、熱伝導率が90W/m・Kであり、破壊靭性値が6.5MPa・m1/2である。また、銅板を接合する前の窒化珪素基板の反り量は、長辺方向側の反り量SL1=0.02mm、短辺方向の反り量SL2=0.01mm、対角線方向の反り量SL3=0.01mmのものを用いた。
次に、金属板(回路板)として銅板を用意した。また、活性金属ろう材として、Ag(60wt%)、Cu(30wt%)、In(8wt%)、Ti(2wt%)のろう材を用意した。さらにろう材を樹脂バインダと混合して活性金属ろう材ペーストを調製した。窒化珪素基板の両面に活性金属ろう材ペーストを塗布し、銅板を配置し、真空雰囲気中1×10−3Pa以下、780〜830℃で加熱工程を実施した。加熱後の冷却速度は、実施例は50〜70℃/hとし、比較例は300〜400℃/hにて実施した。
表面側の銅板のサイズ、裏面側の銅板のサイズ、金属板の側面角度、活性金属ろう材はみ出し量は表1に示す通りである。なお、金属板の側面角度は、図8に示すように、金属板厚さの1/2の点から窒化珪素基板側の金属板の端部まで直線を引いたときの角度θとした。
Figure 2016125635
上記製造方法で得られた窒化珪素回路基板について、長辺方向側の反り量SL1、短辺方向の反り量SL2、対角線方向の反り量SL3、および反りの方向を測定した。反り量の測定は、図2に示すように、窒化珪素基板の端から端まで直線を引き、その直線に最も離れた距離を反り量とした。その結果を下記表2に示す。
Figure 2016125635
実施例に係る窒化珪素回路基板は目的とする反り量を有していた。
(実施例8〜17)
窒化珪素基板として表3に示す基板を用意した。反り量は、長辺方向側の反り量を0.02mm以下、短辺方向の反り量を0.02mm以下の基板を用意した。金属板の接合工程は実施例1と同様である。
Figure 2016125635
次に表4に示す銅板を接合した。
Figure 2016125635
得られた窒化珪素回路基板の長辺方向側の反り量SL1、短辺方向の反り量SL2、対角線方向の反り量SL3および反りの方向を測定した。反り量の測定は、図2に示すように、窒化珪素基板の端から端まで直線を引き、その直線に最も離れた基板までの距離を反り量とした。その結果を下記表5に示す。
Figure 2016125635
次に、実施例1〜17および比較例1〜3に係る窒化珪素回路基板のTCT特性および金属板の接合強度を測定した。TCT試験は、−40℃×30分保持→室温(25℃)×10分→125℃×30分→室温(25℃)×10分を1サイクルとし、600サイクル後の金属板のはがれや窒化珪素基板のクラックの発生の有無を測定した。また、金属板の接合強度はピール強度により測定した。その結果を表6に示す。
Figure 2016125635
上記表6に示す結果から明らかなように、実施例および比較例に係る窒化珪素回路基板はTCT特性および接合強度が優れていた。
次に、リードフレーム、ヒートシンク、冷却フィンを接合した。リードフレーム、ヒートシンク、冷却フィンはいずれも銅板にて作製した。また、電子部品として半導体素子を表面側銅板に実装した。リードフレーム、ヒートシンク、冷却フィンの放熱部材の接合および半導体素子の実装は半田接合により実施した。これらの工程により、電子部品モジュールを作製した。
得られた電子部品モジュールについて、窒化珪素基板の反り量およびTCT特性を測定した。窒化珪素基板の反り量は実施例1と同様の方法で測定した。また、TCT特性は、−45℃×30分→室温(25℃)×10分→150℃×30分保持→室温(25℃)×10分を1サイクルとし、600サイクルおよび1000サイクル実施した後における金属板のはがれやクラックの発生の有無を調査した。その結果を下記表7および表8に示す。
Figure 2016125635
Figure 2016125635
各実施例に係る電子部品モジュールは、厚さが0.4mm以上の放熱部材(リードフレーム、ヒートシンク、冷却フィン)を接合した場合においても、優れたTCT特性を示した。特に、高温領域を150℃と高めに設定したTCT試験を実施した場合においても良好な結果が得られた。
それに対し、比較例1に係る窒化珪素回路基板の場合には、反り量が小さかったものの、リードフレームを接合した場合に反り量が大きくなった。この結果、電子部品モジュールとしてのTCT特性は低下した。
また、各実施例に係る電子部品モジュールは、リードフレームによる導通が可能であるためワイヤボンディングを行わない構造を採用することも可能である。そのため、トランスファーモールド法により樹脂封止を実施したときに、ワイヤの変形不良や断線不良を発生させないで済む。言い換えると、実施形態に係る電子部品モジュールはトランスファーモールド法により樹脂封止構造に適したものである。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1…窒化珪素回路基板
2…窒化珪素基板
3…表面側の金属板
4…裏面側の金属板
5…接合層のはみ出し部
6…電子部品モジュール
7…電子部品
8…リードフレーム
9…ヒートシンク
10…冷却フィン

Claims (15)

  1. 3点曲げ強度が500MPa以上である窒化珪素基板の両面に金属板を接合した窒化珪素回路基板において、
    表面側の金属板の厚さをt1とし、裏面側の金属板の厚さをt2としたときに、関係式:|t1−t2|≧0.30mmを満たし、窒化珪素基板は表面側または裏面側のどちらか一方の金属板側に凸状となるように反りが形成されており、
    窒化珪素基板は長辺方向および短辺方向共に反り量が0.01〜1.0mmの範囲内であることを特徴とする窒化珪素回路基板。
  2. 前記窒化珪素基板の縦幅(L1)が10〜200mmであり、横幅(L2)が10〜200mmの範囲内であることを特徴とする請求項1記載の窒化珪素回路基板。
  3. 前記窒化珪素基板の長辺方向側の反り量をSL1、短辺方向の反り量をSL2としたとき、比(SL1/SL2)が1.2〜20.0の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載の窒化珪素回路基板。
  4. 窒化珪素基板の対角線方向の長さをL3、その反り量をSL3としたとき、0.1≦SL3≦1.5の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の窒化珪素回路基板。
  5. 前記金属板の側面において、金属板厚さの1/2の点から窒化珪素基板側の金属板の端部まで直線を引いたときに、この直線と窒化珪素基板の表面とが成す角度が60°以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の窒化珪素回路基板。
  6. 前記金属板は活性金属を含む接合層を介して窒化珪素基板に接合されており、金属板端部からはみ出した接合層のはみ出し量が30〜300μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の窒化珪素回路基板。
  7. 前記裏面側の金属板は窒化珪素基板の縦幅(L1)および横幅(L2)よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の窒化珪素回路基板。
  8. 前記窒化珪素基板が50W/m・K以上の熱伝導率および0.70mm以下の厚さを有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の窒化珪素回路基板。
  9. 前記表面側の金属板が回路板、裏面側の金属板が放熱板であり、(裏面側の金属板の体積/表面側の金属板の体積)≧2であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の窒化珪素回路基板。
  10. 前記表面側の金属板が複数個接合されていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の窒化珪素回路基板。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の窒化珪素回路基板に電子部品を実装したことを特徴とする電子部品モジュール。
  12. 前記表面側の金属板または裏面側の金属板に、厚さが0.4mm以上のリードフレーム、ヒートシンク、冷却フィンの少なくとも1つが接合されていることを特徴とする請求項11記載の電子部品モジュール。
  13. 前記表面側の金属板または裏面側の金属板に、厚さが0.4mm以上のリードフレーム、ヒートシンク、冷却フィンの少なくとも1つが接合されており、窒化珪素基板の長辺方向の反り量および短辺方向の反り量が共に0.1mm未満(0mm含む)であることを特徴とする請求項11ないし請求項12のいずれか1項に記載の電子部品モジュール。
  14. トランスファーモールド法により樹脂封止されていることを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれか1項に記載の電子部品モジュール。
  15. 電子部品との導通にワイヤーボンディングを用いないことを特徴とする請求項11ないし請求項14のいずれか1項に記載の電子部品モジュール。
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