JP2010267997A - セラミックス回路基板およびパワーモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで耐熱衝撃性などに優れた信頼性の高いセラミックス回路基板を提供する。
【解決手段】セラミックス基板12の一方および他方の表面に金属回路板14および金属板16がそれぞれ接合されたセラミックス回路基板10において、セラミックス回路基板10が金属回路板14側に凹状に反っているときのセラミックス回路基板10の反り量を正(+)の反り量とすると、セラミックス回路基板の初期の反り量が+0.078〜+0.225mm、セラミックス回路基板10の350℃に加熱したときの反り量が+0.015〜+0.048mmであり、その後に室温に戻したときの反り量が+0.176〜+0.405mmである。
【選択図】図1

Description

本発明は、セラミックス回路基板に関し、特に耐熱衝撃性などに優れた信頼性の高いセラミックス回路基板およびそのセラミック回路基板を用いた信頼性の高いパワーモジュールに関する。
従来、電子部品の実装に使用する基板の1つとして、セラミックス基板の少なくとも一方の表面に金属板を接合したセラミックス回路基板が利用されている。セラミックス基板は、ガラスエポキシ基板や金属基板などと比べて絶縁耐圧や熱伝導性が優れているため、特にパワーモジュール用の基板などの大電力素子用の基板として利用されている。近年、自動車や電車のモータ制御用などにもパワーモジュールが搭載されるようになり、セラミックス回路基板の信頼性に対する要求も高くなっている。
このような要求に応じて信頼性を向上させたセラミックス回路基板としては、回路用や放熱用の金属板としてアルミニウムを使用するもの(例えば、特許文献1、2参照)、セラミックスの強度を向上させたもの(例えば、特許文献3参照)、金属板の断面形状を応力緩和構造にしたもの(例えば、特許文献4、5参照)などが提案されて実用化されている。これらのセラミックス回路基板は、繰り返し熱衝撃(ヒートサイクル)を与えたときのセラミックス基板のクラックの発生を抑えて絶縁破壊などによる不良を回避するものである。また、セラミックス基板の初期の反り量を制御したセラミックス回路基板(例えば、特許文献6参照)、セラミックス基板に荷重をかけたときのたわみ量を規定したセラミックス回路基板(例えば、特許文献7参照)、金属板の表面の外周付近に穴を開けた構造のセラミックス回路基板(例えば、特許文献8参照)などが開示され、それぞれヒートサイクル性などの信頼性の向上に効果を上げている。
特開平7−276035号公報(段落番号0008) 特開平11−263676号公報(段落番号0008) 特開2001−77245号公報(段落番号0011−0018) 特公平7−77989号公報(第2頁) 特開平3−261669号公報(第3頁) 特開平11−330308号公報(段落番号0010−0013) 特開平7−202073号公報(段落番号0006−0008) 特開平5−41566号公報(段落番号0011)
しかしながら、上記の従来のセラミックス回路基板のうち、特許文献1および2に開示されたアルミニウムを使用するセラミックス回路基板では、アルミニウムの塑性変形によりセラミックスに発生する応力を低く抑えられるため、耐熱特性などの信頼性は銅などを使用した場合に比べ向上するが、アルミニウムの厚さが厚い場合やろう接の場合は応力の発生も大きくなり、十分な信頼性が得られない場合がある。
また、特許文献3に開示された高強度のセラミックス、即ち、曲げ強度や靭性の高いセラミックスを使用すると、汎用品に比べて原料や製造の難しさの点から材料コストがかかったり、熱伝導などの他の特性が悪化することが多い。そのため、アルミナ基板や窒化アルミニウム基板のようにシート成形法などにより大量に製造されているものは、現時点で平均曲げ強度が20〜50kg/mm程度であり、このようなアルミナや窒化アルミニウムの汎用基板を使用しても満足できる信頼性を有するセラミックス回路基板を提供することが望まれる。また、窒化硅素などの強度の高いセラミックスにおいても、熱伝導性などの要請により厚さを薄くする場合などがあり、このような場合に充分な信頼性が得られない場合がある。
また、特許文献4および5に開示された金属板の断面形状を応力緩和構造にしたセラミックス回路基板では、応力緩和には一定の効果はあるが、その構造(形状)を形成するためには、そのような構造でない通常の製品より製造コストがかかる。
また、特許文献6および7に開示された初期の反り量やたわみ量を制御したセラミックス回路基板では、一定の効果はあるものの、必ずしもアセンブリ時の耐熱衝撃性と一致せず、チップの半田付けなどをするときの加熱や冷却においてクラックが発生する場合があることがわかってきた。
さらに、特許文献8に開示された金属板の表面の外周付近に穴を開けた構造のセラミックス回路基板では、上述したようなコストアップの要因はなく、一定の効果を上げている。しかし、最近では、アセンブリ工程の短縮などによりさらに耐熱衝撃性が求められており、穴を開けていない構造のものよりは優れているが、セラミックス回路基板の構造、例えば、金属板の材質と厚さやセラミックス基板の強度などによってはアセンブリでクラックの入るものがあり、この技術だけでは使用に耐えない場合もある。
従って、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、低コストでさらに優れた信頼のセラミックス回路基板およびそのセラミックス回路基板を使用した信頼性の高いパワーモジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、後のパワーモジュールなどのアセンブリ工程における熱衝撃に対するセラミックス回路基板の信頼性を向上させるために、350℃におけるセラミックス回路基板の反り量、即ち、チップや端子や放熱板の半田付けなどをするときの高温におけるセラミックス回路基板の反り量、さらにそのセラミックス回路基板を室温に戻したときの反り量を制御することにより、低コストで優れた信頼性のセラミックス回路基板を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、特に高温におけるセラミックス回路基板の反り量を制御することにより、耐熱衝撃性が向上すること、例えば、アセンブリ時のクラックの発生を抑えられることなどを見出し、また、そのセラミックス回路基板を室温に戻したときの反り量を制御することにより、製品としてのヒートサイクル性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によるセラミックス回路基板は、セラミックス基板の一方の表面に金属回路板が接合されたセラミックス回路基板において、セラミックス回路基板が金属回路板側に凹状に反っているときのセラミックス回路基板の反り量を正(+)の反り量とすると、セラミックス回路基板の350℃に加熱したときの反り量が−0.1〜+0.3mmであり、その後に室温に戻したときの反り量が+0.05〜+0.6mmであることを特徴とする。
このセラミックス回路基板において、初期の反り量が+0.05〜+0.6mmであることが好ましい。また、セラミックス基板の他方の表面に金属板が接合されているのが好ましい。また、金属回路板または金属板の少なくとも一方の表面の外周付近に少なくとも一つの貫通穴または凹部が形成されているのが好ましい。また、金属回路板および金属板の主成分が銅またはアルミニウムであるのが好ましい。金属回路板および金属板の主成分が銅である場合、金属回路板の厚さが0.2〜1.2mmであり、金属板の厚さが0.1〜1.1mmであるのが好ましい。金属回路板および金属板の主成分がアルミニウムである場合、金属回路板の厚さが0.3〜2.4mmであり、金属板の厚さが0.1〜2.2mmであるのが好ましい。さらに、セラミックス基板の主成分がアルミナ、窒化アルミニウムおよび窒化珪素のいずれかであるのが好ましい。また、セラミックス基板の3点曲げ強度が30kgf/mm以上であるのが好ましい。
また、本発明によるセラミックス回路基板の製造方法は、セラミックス基板の凹状に反った表面に金属回路板を直接接合することを特徴とする。また、セラミックス基板の凸状に反った表面に金属板を直接接合するのが好ましい。
さらに、本発明によるパワーモジュールは、上記のいずれかのセラミックス回路基板を用いて組み立てられることを特徴とする。
本発明によれば、低コストで耐熱衝撃性などに優れた信頼性の高いセラミックス回路基板を提供することができる。
セラミックス回路基板の反り量を説明する断面図である。 本発明によるセラミックス回路基板の製造工程を説明する図である。 実施例1において得られたセラミックス回路基板を示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。 セラミックス回路基板の反り量の測定方法を説明する図である。 実施例5において得られたセラミックス回路基板を示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。 実施例6において得られたセラミックス回路基板を示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。 実施例7において得られたセラミックス回路基板を示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。
本発明によるセラミックス回路基板の実施の形態では、セラミックス基板として、パワーモジュールに用いられている絶縁性のアルミナ基板、AlN基板または窒化珪素基板を使用することが好ましい。これらの基板は、汎用としてシート成形やプレス成形などの方法により広く商品化されており、それぞれに特徴がある。アルミナ基板は安価であるが熱伝導率が他の基板と比べて低く、AlN基板は比較的高価であるが熱伝導率が高く、窒化珪素基板は比較的高価であるがアルミナ基板や窒化アルミニウム基板と比べて高強度・高靭性であるなどの特徴がある。従って、コスト重視の場合はアルミナ基板、熱伝導性重視の場合はAlN基板、強度重視の場合は窒化珪素基板を使用すればよい。また、アルミナを主成分としてジルコニアを30%以下添加して強度や靭性を大きく向上させた複合セラミックス基板などを適用する場合も、耐熱衝撃性を向上させることができ、このような複合セラミックス基板を目的に応じて使用してもよい。また、本発明の効果をより有効に利用するためには、本発明を比較的強度の低いアルミナ基板や窒化アルミニウム基板、または比較的薄い0.25〜0.5mmの厚さのセラミックス基板に適用するのが好ましい。
また、金属回路板および金属板は、電気抵抗および放熱性の点から銅やアルミニウムを主成分とするものが好ましい。銅は熱伝導や電気伝導が良好で比較的安価であり、アルミニウムは熱伝導や電気伝導が銅に劣るがその柔らかさによりセラミックスにダメージを与え難く且つ軽いという特徴があり、製品の目的により使い分ければ良い。
セラミックス基板上に金属回路板および金属板を接合する方法は、ろう材を利用する活性金属法などや直接セラミックス基板上に金属回路板や金属板を配置して不活性ガス中で加熱する直接接合法があり、製造コストを考えても有利である。例えば、銅板とセラミックス基板を接合する場合、無酸素銅板の表面を酸化処理したものやタフピッチ銅板をアルミナなどの酸化物系セラミックス基板上に配置して不活性ガス中で加熱すると、銅板とセラミックス基板が直接接合することが知られている。本発明では、どちらの場合でも同様の効果が得られる。また、その他の方法であっても、例えば、アルミニウムの溶湯による直接接合法など、本発明による反り量が実現されれば、上記の方法に限定されるものではない。なお、本明細書中において、反り量とは、図1に示すように、セラミックス基板12の両面に金属回路板14および金属板16が接合されたセラミックス回路基板10の金属回路板14の中心部と縁部の高さの差Dをいい、セラミックス基板12が金属回路板14側に凹状に反っているときの反り量を正(+)とし、金属回路板14側に凸状に反っているときの反り量を負(−)とする。
また、金属回路板の所定の回路パターンを形成する方法として、金属板を接合した後にその金属板の表面に回路形状のレジストを形成してエッチングによりパターンニングを行う方法、予め回路形状の金属板をプレスやエッチングにより形成した後にセラミックス基板に接合する方法などがある。パターンを形成した後に必要に応じて金属板にNiめっきやNi合金めっきを施してもよい。
本発明では、製造されたセラミックス回路基板の350℃に加熱した後の反り量、室温に戻したときの反り量および初期の反り量を規定し、パワーモジュールなどとして組み立てるときの信頼性を向上させたものである。
セラミックス回路基板の加熱後の反り量は、−0.1〜+0.3mmであることが必要である。これは、加熱後の反り量が−0.1mmより小さいと、例えば、パワーモジュールのアセンブリ工程またはモジュールの製品化後の耐熱衝撃性やヒートサイクル性が充分でなく、セラミックスにクラックが発生し易くなるからである。また、半田付け工程において極端な負(−)の反り量であると、半田中のガス抜けがうまくいかず、半田ボイドの原因にもなるからである。一方、加熱後の反り量が+0.3mmより大きいと、回路基板全体が傾くため、例えばパワーモジュールを組み立てるときのチップや端子の半田付けなどのアセンブリにおいて、チップや端子の位置ずれを起こすなどの不具合が生じる場合があるためである。
また、セラミックス回路基板の加熱後に冷却したときの反り量が+0.05〜+0.6mmであることが必要である。これは、加熱後に冷却したときの反り量が+0.05mmより小さいと、例えば、そのようなセラミックス回路基板を用いて組み立てたパワ−モジュールのヒートサイクルに対する十分な信頼性が得られず、一方、加熱後に冷却したときの反り量が+0.6mmより大きいと、例えば、パワーモジュールの組立において半田の厚さが不均一になって半田割れの原因となったり、また、反りが大きいためにモジュールの各部品の寸法が整合しなくなったりする不具合が生じるからである。
さらに、セラミックス回路基板の初期の反り量は、金属板とセラミックス基板の熱膨張係数差による残留応力の発生および製造工程中に加わった機械的な応力により現れたものであるが、本発明では、この初期の反り量を+0.05〜+0.6mmとするのが好ましい。セラミックス回路基板の初期の反り量が+0.05mmより小さいと、基板全体としてパターン面側に信頼性を確保できない程の大きな引っ張り応力が存在する場合が多く、特に、パターン面は裏面に比べてパターンのエッジに応力集中が起こり、そこからクラックが発生し易い。従って、初期の反り量が+0.05mm以上であることが好ましく、+0.1mm以上であることがさらに好ましい。一方、初期の反り量が+0.6mmより大きいと、セラミックス回路基板を製造する工程において反りなどの様々な不具合を生じ、例えば、パターン形成用のマスクがその反りによりうまく密着せず、寸法公差などに影響するなどの不具合が生じることがあるので、初期の反り量が+0.6mm以下であることが好ましい。従って、セラミックス回路基板の初期の反りが+0.05〜+0.6mmであることが好ましい。
上記の反りの制御を実現する方法として、セラミックス基板の凹状に反った表面に金属回路板を貼り付けることが有効である。セラミックス基板は、通常パワー素子用として使用されるものは一辺が10mm以上のものが多く、また汎用で1.0mm、0.8mm、0.635mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.25mmなどの厚さのものが量産されているが、その反りは0〜300μm程度であり、概ね100μm以下の反りがあるのが普通である。その中から選別して利用してもよいし、また、特別に設計して所望の反り量のセラミックス基板を焼成するのがより好ましい。また、凹面(パターン面)側の金属回路板の厚さと凸面側の金属板の厚さを変えることも有効である。このとき、凹面側の金属回路板の厚さは、銅板の場合0.2〜1.2mmの範囲であるのが好ましく、0.2〜0.7mmであることがさらに好ましい。凹面側の銅回路板の厚さを0.2〜1.2mmの範囲とする理由は、0.2mm以上の厚さは、大電力素子(例えばIGBT)を使用するときに電気的・熱的な面から最低限必要な厚さであり、1.2mm以下とするのは、これより厚くなると厚さのファクターでセラミックス基板に発生する残留応力が大きくなり、即ち、クラック発生の原因となり、信頼性に支障をきたすからである。また、通常凸面側の銅板を凹面側の銅回路板よりも薄くすることにより上述した反り量を達成するが、凹面側の銅回路板とのバランスにより凸面側の銅板の厚さを決定すれば良い。この場合、凸面側の銅板の厚さは0.1〜1.1mmの範囲となる。同様の理由により、金属回路板および金属板がアルミニウム板の場合は、アルミニウム回路板の厚さが0.3〜2.4mm、アルミニウム板の厚さが0.1〜2.2mmのものを使用すると良い。厚さの範囲が銅と異なる主な理由は、アルミニウムの電気伝導度および熱伝導度が低いため厚くする必要があり、また、アルミニウムは銅よりセラミックスに発生する応力が小さいことから銅と比べて厚くても信頼性が低下が少ないからである。
信頼性をさらに向上させる方法として、金属回路板および金属板の少なくとも一方の表面の外周付近に少なくとも一つの貫通穴または凹部を形成するのが好ましく、セラミックス回路基板として他の特性に問題がない限り、なるべく多くの貫通穴または凹部を形成するのが好ましい。貫通穴または凹部は、セラミックス回路基板全体の反り量に関して殆ど影響が見られず、これによる反り量の変化はあまりみられない場合があるが、その形状の効果により局所的な応力集中を緩和する度合いが大きいので、できるだけ多くの貫通穴または凹部を形成するのが好ましい。また、貫通穴または凹部を金属回路パターンの凸部や金属板の角部や直線部に形成すると、上述した効果が大きくなる。また、外周に沿って2重や3重に形成しても良く、外周に近いほど効果が大きいと考えられる。その大きさは特に限定されることは無く、例えば、パワーモジュールの製造工程において、チップの搭載や放熱板の半田付けなどの設計に支障のない大きさであれば良く、例えば、直径0.1mm〜2.0mm程度にするのが好ましい。
また、セラミックス基板は、絶縁性のアルミナ、窒化アルミニウム、窒化硅素を主成分とするものが好ましい。
セラミックス基板の3点曲げ強度は、30kgf/mm以上であることが好ましい。30kgf/mm以上とする理由は、これより小さいと絶対的なセラミックスの機械的強度が不足して信頼性に支障をきたす場合があるからである。
さらに、上述したセラミックス回路基板を用いて、半田付けおよびワイヤーボンディングによりチップや端子を取り付け、絶縁樹脂で封止し、プラスチックパッケージに接着するなどの工程を経てパワーモジュールを作製すると、セラミックス回路基板の信頼性がモジュールとしての信頼性に寄与し、信頼性の高いモジュールができる。
以下、本発明によるセラミックス回路基板の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
図2に示すように、セラミックス基板12として厚さ0.25mmのアルミナ基板を用意し、このアルミナ基板の凹面(パターン面)側と凸面側に、表面を酸化処理した無酸素銅板(凹面側の銅板14の厚さ=0.25mm、凸面側の銅板16の厚さ=0.2mm)を配置して、トンネル炉で不活性ガス雰囲気中で加熱接合した。その後、所定の回路パターン(凸面側は放熱板の形状)になるように両面マスキングし、エッチングにより図3に示すような幅37mm、長さ62mmのセラミックス回路基板10を得た。
得られたセラミックス回路基板10の初期の反り量をダイヤルゲージにより測定した。具体的には、図4(a)に示すように、セラミックス回路基板10を凸面側が上になるように定盤上に配置してダイヤルゲージ18でその高さD1を測り、次に、図4(b)に示すように、凹面側が上になるように配置してその高さD2を測り、その差(D1−D2)から反り量を求めた。同様に、このセラミックス回路基板を350±10℃に加熱したホットプレート上に1分間置いた後、そのままの状態で同様の方法で反り量を測定し、その後ホットプレートから降ろし、室温まで放冷したときの反り量を測定した。
また、セラミックス回路基板をトルネル炉を用いて複数回通炉し、何回目の通炉でセラミックス基板にクラックが発生するかにより耐通炉特性を判定した。通炉条件は、最高温度370℃×10分間でin−outが50分間の一般的なチップの半田付け条件に準じた。クラックの判定は、回路基板をインクチェック(浸透深傷法)によって実体顕微鏡(24倍)で観察した。
[実施例2]
セラミックス基板として厚さ0.25mmのアルミナ基板を使用し、実施例1とは別の回路パターンであり、幅26mm、長さ59mmであること以外は、実施例1と同様の方法でセラミックス回路基板を作製した。このセラミックス回路基板について、実施例1と同様の方法で反り量を測定し、耐通炉特性を判定した。
[実施例3]
セラミックス基板として厚さ0.25mmのアルミナ基板を使用し、実施例1とは別の回路パターンであり、幅26mm、長さ50mmであること以外は、実施例1と同様の方法でセラミックス回路基板を作製した。このセラミックス回路基板について、実施例1と同様の方法で反り量を測定し、耐通炉特性を判定した。
[実施例4]
凸面側の銅板の表面の外周付近に0.5mmの貫通穴を連続して形成した以外は、実施例1と同様の方法でセラミックス回路基板を作製した。このセラミックス回路基板について、実施例1と同様の方法で反り量を測定し、耐通炉特性を判定した。
[実施例5]
図5に示すように凸面側の銅板の表面の外周付近に0.4mmの貫通穴20を連続して形成した以外は、実施例1と同様の方法でセラミックス回路基板10を作製した。このセラミックス回路基板について、実施例1と同様の方法で反り量を測定し、耐通炉特性を判定した。
[実施例6]
図6に示すように凸面側および凹面側の銅板の表面の外周付近に0.4mmの貫通穴20を連続して形成した以外は実施例1と同様の方法でセラミックス回路基板20を作製した。このセラミックス回路基板について、実施例1と同様の方法で反り量を測定し、耐通炉特性を判定した。
[実施例7]
図7に示すように凸面側の銅板の表面の外周付近に0.4mmの貫通穴20を2列に連続して形成した以外は、実施例1と同様の方法でセラミックス回路基板10を作製した。このセラミックス回路基板について、実施例1と同様の方法で反り量を測定し、耐通炉特性を判定した。
[実施例8]
凸面側の銅板の表面の外周付近に0.3mmの凹部を2列に連続して形成した以外は、実施例1と同様の方法でセラミックス回路基板を作製した。このセラミックス回路基板について、実施例1と同様の方法で反り量を測定し、耐通炉特性を判定した。
[参考例]
セラミックス基板として厚さ0.635mmの窒化アルミニウム基板を用意し、この基板の凹面(パターン面)側と凸面側に、Al−Si系ろう材を介してアルミニウム板(凹面側のアルミニウム板の厚さ=0.4mm、凸面側のアルミニウム板の厚さ=0.1mm)を配置して、真空炉で加熱接合した。その後、所定の回路パターン(凸面側は放熱板の形状)になるように両面マスキングし、エッチングにより幅37mm、長さ62mmのセラミックス回路基板を得た。このとき、実施例6と同様に、凸面側および凹面側のアルミニウム板の表面の外周付近に0.4mmの貫通穴を連続して形成した。このセラミックス回路基板について、実施例1と同様の方法で反り量を測定し、耐通炉特性を判定した。
[比較例1]
セラミックス基板の反りの方向を上下逆にして銅板を接合した以外は、実施例1と同様の方法でセラミックス回路基板を作製した。このセラミックス回路基板について、実施例1と同様の方法で反り量を測定し、耐通炉特性を判定した。
[比較例2]
セラミックス基板の反りの方向を上下逆にして銅板を接合した以外は、実施例3と同様の方法でセラミックス回路基板を作製した。このセラミックス回路基板について、実施例1と同様の方法で反り量を測定し、耐通炉特性を判定した。
これらの実施例1〜8、参考例、比較例1および2の結果を表1に示す。
Figure 2010267997
なお、アセンブリ時の耐熱衝撃性およびアセンブリ後のヒートサイクル特性により、通炉耐量は少なくとも6回以上必要である。表1に示すように、実施例1〜8では、初期の反り量が0.078〜0.225mm、350℃に加熱したときの反り量が0.015〜0.048mm、冷却後の反り量が0.176〜0.405mmであり、通炉耐量がいずれも6回以上であった。一方、比較例1および2では、初期の反り量および350℃に加熱したときの反り量の少なくとも一方が本発明の範囲外であり、通炉耐量が3〜5回に過ぎなかった。
10 セラミックス回路基板
12 セラミックス基板
14 金属回路板
16 金属板
18 ダイヤルゲージ
20 貫通穴
D 反り量

Claims (7)

  1. セラミックス基板の一方および他方の表面の各々の中央部に金属回路板および金属板がそれぞれ接合されたセラミックス回路基板において、セラミックス回路基板が長手方向に且つ金属回路板側に凹状に反っているときのセラミックス回路基板の反り量を正(+)の反り量とすると、セラミックス基板の長さを62mmとし且つ金属回路板の厚さを0.25mmとしたときのセラミックス回路基板の初期の反り量が+0.078〜+0.225mm、セラミックス回路基板を350℃に加熱したときの反り量が+0.015〜+0.048mmであり、その後に室温に戻したときの反り量が+0.176〜+0.405mmであることを特徴とする、セラミックス回路基板。
  2. 前記金属回路板または前記金属板の少なくもと一方の表面の外周付近に複数の貫通穴または凹部がその外周に沿って互いに離間して形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のセラミックス回路基板。
  3. 前記金属回路板および前記金属板の主成分が銅であり、前記金属回路板の厚さが0.2〜1.2mmであり、前記金属板の厚さが0.1〜1.1mmであることを特徴とする、請求項1または2に記載のセラミックス回路基板。
  4. 前記セラミックス基板の主成分がアルミナ、窒化アルミニウムおよび窒化珪素のいずれかであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のセラミックス回路基板。
  5. 前記セラミックス基板の3点曲げ強度が30kgf/mm以上であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のセラミックス回路基板。
  6. 前記金属回路板および前記金属板がそれぞれ前記セラミックス基板に直接接合していることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のセラミックス回路基板。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のセラミックス回路基板を用いて組み立てられたパワーモジュール。
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