JPWO2016117656A1 - パターン処理方法、半導体基板製品の製造方法およびパターン構造の前処理液 - Google Patents

パターン処理方法、半導体基板製品の製造方法およびパターン構造の前処理液 Download PDF

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Abstract

ポリシリコン、アモルファスシリコン、Ge及びk値が2.4以下の低誘電率材料の少なくとも1つを有するパターン構造を具備した半導体基板に、当該パターン構造の表面を改質する前処理液を付与するパターン処理方法、半導体基板製品の製造方法およびパターン構造の前処理液。

Description

本発明は、パターン処理方法、半導体基板製品の製造方法およびパターン構造の前処理液に関する。
半導体基板やマイクロマシンといった金属化合物の微細なパターン構造を介する製造分野においては、そのパターン構造の倒壊を抑制する技術が望まれている。半導体基板製品やマイクロマシンの小型化、高集積化、あるいは光速度化がさらに進むに従い、そのパターン構造はますます微細化している。特にそのアスペクト比の増加により、構造体のパターンの倒壊が問題となる。例えば、パターン構造が柱状構造で構成されているときに、微細な離間部に水を含む処理液や洗浄液を付与することがある。この乾燥時に処理液や洗浄液が蒸発するが、その過程において表面張力の影響を受け、パターンが引き込まれて倒壊するものである。したがって、パターン構造の微細化に伴ってその倒壊は顕著となる。
そのようなパターンの倒壊が生じないように、パターン構造を設計することが求められ、微細化にともない設計自由度が制限されることとなる。あるいは、パターン構造の倒壊を抑制するために、特定の処方の薬液をパターン構造の表面に適用することが提案されている(特許文献1参照)。
国際公開公報第2011/049091号
本発明は、ポリシリコン、アモルファスシリコン、Ge及びk値が2.4以下の低誘電率材料の少なくとも1つを有するパターン構造に特に適合し、そのパターン構造の倒壊を抑制することができ、かつ、薬液による損傷も抑制ないし防止することができるパターン処理方法およびパターン構造の前処理液の提供を目的とする。
上記の課題は下記の手段により解決された。
〔1〕ポリシリコン、アモルファスシリコン、Ge及びk値が2.4以下の低誘電率材料の少なくとも1つを有するパターン構造を具備した半導体基板に、上記パターン構造の表面を改質する前処理液を付与するパターン処理方法。
〔2〕上記パターン処理が、水を含む別の処理液で処理する際のパターン構造の崩壊を抑制する処理である〔1〕に記載のパターン処理方法。
〔3〕上記パターン構造が、離間部を介して複数立設する柱状構造をなす〔1〕または〔2〕に記載のパターン処理方法。
〔4〕上記パターン構造の離間部の離間幅が1nm以上100nm以下である〔3〕に記載のパターン処理方法。
〔5〕上記パターン構造の柱状構造部位がもつ部材幅が1nm以上50nm以下である〔3〕または〔4〕に記載のパターン処理方法。
〔6〕Geを有するパターン構造がSiGeを材料として含むパターン構造である〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
〔7〕Si0.5Ge0.5のベタ膜と、Si0.15Ge0.85のベタ膜を処理した際、両方の膜の、純水に対する静止接触角が80°以上95°以下となる〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
〔8〕上記前処理液が、フッ素化合物を含有する〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
〔9〕上記前処理液が、炭素数10以上の長鎖アルキル基を含む、アンモニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基またはそれらの塩構造を有する化合物を含有する〔6〕に記載のパターン処理方法。
〔10〕上記炭素数10以上の長鎖アルキル基を含む、アンモニウム基またはその塩構造を有する化合物がジアルキルジメチルアンモニウム化合物である〔9〕に記載のパターン処理方法。
〔11〕上記前処理液が、1質量%以下の有機溶剤を含む〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
〔12〕上記前処理液のpHが7以上である〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
〔13〕上記前処理液がアルカリ成分を含む〔1〕〜〔12〕のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
〔14〕上記アルカリ成分がpKa8.5〜10.5の有機アミン化合物である〔13〕に記載のパターン処理方法。
〔15〕上記前処理液を濃縮しておき、水で希釈して使用する〔1〕〜〔14〕のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
〔16〕上記前処理液を第1液と第2液とを混合して使用するキットとした〔1〕〜〔15〕のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
〔17〕〔1〕〜〔16〕のいずれか1項に記載のパターン処理方法を介して半導体基板製品を製造する半導体基板製品の製造方法。
〔18〕上記パターン処理の後に、水を含む別の処理液で処理する〔17〕に記載の半導体基板製品の製造方法。
〔19〕ポリシリコン、アモルファスシリコン、Ge及びk値が2.4以下の低誘電率材料の少なくとも1つを有するパターン構造を具備した半導体基板に付与して、上記パターン構造の表面を改質する前処理液であって、水を含む別の処理液で処理する際のパターン構造の崩壊を抑制することができるパターン構造の前処理液。
〔20〕フッ素化合物を含有する〔19〕に記載のパターン構造の前処理液。
〔21〕炭素数10以上の長鎖アルキル基を含む、アンモニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基またはそれらの塩構造を有する化合物を含有する〔19〕に記載のパターン構造の前処理液。
〔22〕上記炭素数10以上の長鎖アルキル基を含む、アンモニウム基またはその塩構造を有する化合物がジアルキルジメチルアンモニウム化合物である〔21〕に記載のパターン構造の前処理液。
〔23〕pHが7以上である〔19〕〜〔22〕のいずれか1項に記載のパターン構造の前処理液。
〔24〕アルカリ成分を含む請求項〔19〕〜〔23〕のいずれか1項に記載のパターン構造の前処理液。
本発明のパターン処理方法およびパターン構造の前処理液によれば、ポリシリコン、アモルファスシリコン、Ge及びk値が2.4以下の低誘電率材料の少なくとも1つを有するパターン構造に特に適合し、そのパターン構造の倒壊を抑制することができ、かつ、薬液による損傷も抑制ないし防止することができる。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
図1(a)〜1(d)は、パターン構造の処理の過程を模式的に示した工程説明図である。 図2(d1)は、パターン構造が倒壊した例を模式的に示す断面図である。 図3は、キャピラリーフォースの計算に適用する各パラメータの意味を説明する模式図である。 図4は、実施例で測定した水の接触角を模式化して示す側面図である。
以下、本発明について図面を参照しながらその好ましい実施形態について詳細に説明する。
本明細書における基(原子群)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、本発明の効果を損ねない範囲で、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。このことは、各化合物についても同義である。
また、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
図1(a)〜1(d)は、本発明の処理方法の好ましい実施形態について、その過程を示す工程説明図である。図1(a)〜1(d)では、各工程の流れを示している。ただし、その工程の前後や中間に適宜他の工程を含めてもよく、また、適宜順序を入れ替えることを妨げるものではない。
図1(a)では、加工されたパターン構造10を基板2上に具備する半導体基板製品(製造中間体)100を示している。本実施形態のパターン構造10は、柱状構造部位1、1、1...を、離間部9、9、9...を介して複数配列した形態で示されている。本実施形態において、柱状構造部位1は平面視において長方形であり、柱状構造部位全体で壁状になるものとされている。図面はその断面を示している(ハッチングは省略している)。この壁状の柱状構造部位が等間隔で配列されて、本実施形態のパターン構造10を形成している。このような構造を形成する方法はとくに限定されない。一例として、各柱状構造部位の上にレジスト(樹脂)を付して、これをマスクとしてその離間部(間隙)をドライエッチングにより切削し形成する態様が挙げられる。その後、残存したレジストや残渣をアッシングなどにより除去して、所望の柱状構造を得ることができる。
柱状構造部位1の部材幅w2やその離間部9の離間幅w1はとくに限定されず、素子の設計に応じて適宜その幅が設定されればよい。本実施形態においては、図示の便宜から、柱状構造部位1の幅および離間部の幅がそれぞれ等幅で、かつ等間隔になるようにされている。
本明細書においてパターン構造とは、一定の規則に沿って表面に凹凸を含む構造を意味する。典型的には、所定の離間部を介して複数立設する柱状構造で構成されたものが挙げられる。ここで柱状構造とは、高さをもつ構造一般を意味し、円柱や角柱のみならず、面状に立設した壁状の構造や山形のものも含むものとする。本発明の効果がより顕著になることから、柱状構造は、円柱構造、角柱構造、壁状構造が複数配列したパターン構造であることが好ましい。
柱状構造部位の部材幅w2は、1nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることが特に好ましい。上限としては、100nm以下であることが好ましく、75nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。
各柱状構造部位の離間幅w1は、1nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることが特に好ましい。上限としては、150nm以下であることが好ましく、120nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることが特に好ましい。
パターンの深さ(柱状構造部位の高さ)hは、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、30nm以上であることが特に好ましい。上限としては、2000nm以下であることが好ましく、1000nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることが特に好ましい。
柱状構造部位のアスペクト比(高さを部材幅で除した値)は、1以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、20以上であることが特に好ましい。上限としては、100以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましく、30以下であることが特に好ましい。
上記の部材幅が小さく、かつ、離間幅が小さい方が、本発明の効果が顕著に現れる点で好ましい。アスペクト比は、大きい方がやはり本発明の効果が顕著に現れる点で好ましい。
なお、上記の部材幅および離間幅の測定位置は本発明の効果を考慮して合目的的に設定されればよいが、典型的には、柱状構造部位の高さの中間位置で測定した幅を言うものである。柱状構造部位や離間部が、平面視において長方形のときは、短辺の長さをそれぞれの幅とする。不定形ないし楕円形等の場合は、円相当直径をその長さ(幅)とすればよい。
図1(b)は、本実施形態の要部となる工程であり、柱状構造10を前処理液3で処理する工程を示している。この前処理液の成分組成や各物性については別途詳細に述べるが、本実施形態においては、アルカリ成分とフッ素化合物を前処理液に含むことがとくに好ましい。この前処理液を付与することにより、引き続き水を含有する処理液(別の処理液またはリンス液ということがある)で処理する際に、パターン構造の倒壊を効果的に抑制ないし防止することができる。ここで、「倒壊」とは、限定的に解釈されるものではなく、パターン構造が局部的ないし全体的に破壊されることを指す。典型的には、構造が局部的ないし全体的に屈曲し、柱状構造が倒されることを意味する。
図1(c)はリンス工程(後処理工程)を模式的に示す断面図である。本工程では、パターン構造10がリンス液4を満たした浴槽に浸漬されている。これにより、パターン構造をなす柱状構造の壁面や離間部の底部にリンス液を行き届かせることができる。リンス液はとくに限定されないが、後述する超純水であることが好ましい。リンス工程は、さらに、前処理工程の前に追加して行ってもよい。つまり、前処理工程をはさんで、複数回のリンス工程を行ってもよい。
図1(d)は、乾燥工程を模式的に示す断面図である。ここでは、先に付与されたリンス液でパターン構造10中に残存するものを蒸発させ、除去することができる。乾燥工程は加熱して行うことが好ましく、環境雰囲気の温度として、15℃以上30℃以下であることが好ましい。乾燥時の雰囲気は特に制限されないが、例えば、Nガス中で行うことが挙げられる。この乾燥工程においては、柱状構造部位の離間部に残存する水を蒸発させその部分から取り除くことが好ましい。
図2(d1)は図1(d)に対応する工程を、上述した倒壊を起こした比較例として示しており、本実施形態の前処理液を使用せずに後処理(リンス工程)を行った例である。そこでは、蒸発過程において離間部内に残存する液体の表面張力による作用を受け、そのキャピラリーフォースにより、柱状部位が引き込まれるようにして倒壊する。その結果、パターン構造20は倒壊しており、隣接する2つの柱状構造部位11、11の頭部が引き寄せられ密着するように崩れ落ちた例を示している。リンス液(水を含む処理液)の表面張力により倒壊される場合の倒壊の形態として、図示したような形態が典型例となる。
なお、パターン構造の形成および倒壊の例については、特表2013−519217号公報、国際公開公報第2011/049091号公報を参照することができる。
本発明者らの知見によると、パターン構造に対する液体の表面張力を下げることにより、上述したリンス液の影響を緩和することができ、パターン構造の倒壊を抑制ないし防止することができることが分かってきている。したがって、パターン構造に対する液体の表面張力を低減することにより、リンス液による処理およびその乾燥時にパターン構造の倒壊を防ぐことができる。本実施形態の前処理液によれば、その表面張力を低減することができ、したがってパターン構造の倒壊を効果的に抑制することができる。この表面張力は、以下の式(I)により、リンス液(水を含む処理液)の接触角を測定することにより算定することができる。なお、各パラメータの意味は図3を参照することにより理解できる。
F=2γD×(cosθCA+θ)×H/S ・・・ (I)
F:キャピラリーフォース
γ:表面張力
D:パターンの奥行き長さ
S:パターンの離間幅w1
θCA:パターン構造表面の接触角
θ:パターンテーパー角
H:パターンの高さ
本発明においては、上記のような関係式を導き、パターン構造の表面接触角を測定することで、倒壊のしやすさ(キャピラリーフォース)を評価できることが重要である。本発明の好ましい実施形態に係る前処理液を施すことにより、リンス液(水を含む処理液)の接触角を高め、キャピラリーフォースを低減し、パターン構造の倒壊のリスクを低減することができる。
<前処理液>
本発明の好ましい実施形態に係る前処理液はアルカリ成分と、フッ素化合物とを含有する。前処理液はさらに水を含有することが好ましい。
(アルカリ成分)
アルカリ成分は水媒体の系内をアルカリ性にする物質であれば特に限定されない。アルカリの定義は最も広義に解されるべきであり、例えばアレニウスの定義による塩基と定義づけることができる。アルカリ化合物は有機塩基であっても無機塩基であってもよい。
無機塩基としては、下記式(I−1)の化合物が挙げられる。

M(OH)nI (I−1)
Mは、アルカリ金属(好ましくは、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(好ましくはマグネシウム、カルシウム)、NH、NR (Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基)、遷移元素(好ましくは、マンガン、亜鉛、銅)、希土類元素(好ましくはランタン)である。nIは整数であり、1〜3が好ましい。なお、nIはMの元素または原子群によって自ずと決まるものであり、MがNHまたはNR のときは、nIは1であり、それぞれ、水酸化アンモニウム(NHOH)(実施例ではNHと表記)およびヒドロキシルアミン(NHOH)となる。アルカリ金属のときnIは1となり、アルカリ土類金属のときnIは2となる。その他の遷移元素や希土類元素のときは、その元素の価数に応じて適宜定められればよい。無機塩基としてはさらにヒドラジンが挙げられるが、これは下記ヒドラジン類の式(H−1)で規定する。
無機塩基としては、中でも、アルカリ金属の塩(例えば、KOH、LiOHおよびNaOHが挙げられる)、アルカリ土類金属の塩(例えば、Ca(OH)およびMg(OH)が挙げられる)、水酸化アンモニウム塩、下記ヒドラジン類、ヒドロキシルアミンなどが挙げられる。なお、MがNR であるとき、nIは1となるが、そのOHがエステル化していてもよい。例えば炭素数1〜6のアルキルエステルが挙げられ、Rがメチル基であり、メチルエステルを形成している場合、N,O−ジメチルヒドロキシルアミンとなる。
有機塩基としては、有機アミン化合物や有機オニウム塩が挙げられる。有機アミン化合物としては、下記式(O−1)〜(O−3)のいずれかで表される化合物が挙げられる。
Figure 2016117656
01〜R06はそれぞれ独立に炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは1〜3)のアルキル基、炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは2〜3)のアルケニル基、炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは2〜3)のアルキニル基、炭素数6〜14(好ましくは炭素数6〜10)のアリール基、炭素数7〜15(好ましくは炭素数7〜11)のアラルキル基、後記式(y)の基である。R01〜R06はヒドロキシル基等の任意の置換基を有していてもよい。特に、上記のアルキル基はヒドロキシル基を有する、アルカノールアミンを構成していることが好ましい。また、このとき、上記の置換基(アルキル基等)の途中に酸素原子や硫黄原子、NR等を介在していてもよい。
有機塩基としては、アミノエタノール(MEA:2−Aminoethanol)、ジグリコールアミン(2−(2−アミノエトキシ)エタノール)(DGA)、ベンジルアミン(BzA)、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール(DMEA)、2−メチルアミノエタノール(MAE)等が挙げられる。
有機オニウム塩としては、含窒素オニウム塩(第四級アンモニウム塩等)、含リンオニウム塩(第四級ホスホニウム塩等)、含硫黄オニウム塩(例えばSRyM:Ryは炭素数1〜6のアルキル基、Mは対アニオン)が挙げられる。なかでも含窒素オニウム塩(第四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、ピラゾリウム塩、イミダゾリウム塩等)が好ましい。アルカリ化合物は、なかでも第四級アンモニウム水酸化物であることが好ましい。
有機オニウム塩としては、下記式(O−4)または(O−5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2016117656
式(O−4)中、RO7〜RO10はそれぞれ独立に炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは1〜3)のアルキル基、炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは2〜3)のアルケニル基、炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは2〜3)のアルキニル基、炭素数6〜14(好ましくは炭素数6〜10)のアリール基、炭素数7〜15(好ましくは炭素数7〜11)のアラルキル基、下記式(y)で表される基である。

Y1−(Ry1−Y2)my−Ry2−* (y)

Y1は炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは1〜3)のアルキル基、炭素数2〜12(好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは2〜3)のアルケニル基、炭素数2〜12(好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは2〜3)のアルキニル基、炭素数7〜15(好ましくは炭素数7〜11)のアラルキル基、炭素数6〜14(好ましくは炭素数6〜10)のアリール基、ヒドロキシル基、または炭素数1〜4(好ましくは炭素数1〜6)のアルコキシ基を表す。Y2は、O、S、CO、NR(Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基)を表す。Ry1およびRy2はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜6のアルケニレン基、炭素数2〜6のアルキニレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、またはそれらの組合せを表す。myは0〜6の整数を表す。myが2以上のとき複数のRy1およびY2はそれぞれ異なっていてもよい。Ry1およびRy2はさらに置換基を有していてもよい。*は結合手である。
M4、M5は対イオンであり、水酸化物イオンなどを表す。
式(O−5)中、RO11はRO7と同義の基である。RO12は任意の置換基であり、なかでも置換基Rと同じであることが好ましい。mOは0〜5の整数である。
具体的には、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(好ましくは炭素数4〜25)が好ましい。このとき、アルキル基には本発明の効果を損ねない範囲で任意の置換基(例えば、ヒドロキシル基、アリル基、アリール基)が置換していてもよい。また、アルキル基は直鎖でも分岐でもよく、環状でもよい。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド(THAH)、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAH)、などが挙げられる。あるいは、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、メチルベンゼトニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、セトリモニウム、ドファニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ドミフェンブロミドなどが挙げられる。
アルカリ化合物は下記の式(H−1)で表されるヒドラジン類であることも好ましい。

H1 N−NRH2 (H−1)

H1、RH2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基を表す。具体的には、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、メチルヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジンが好ましい。
上記のアルカリ成分は、pKa8.5〜10.5の有機アミン化合物であることが好ましい。pKaとは、酸強度を定量的に表すための指標のひとつであり、酸性度定数と同義である。酸から水素イオンが放出される解離反応を考え、その平衡定数Kaをその負の常用対数pKaによって表したものである。pKaが小さいほど強い酸であることを示す。例えば、ACD/Labs(Advanced Chemistry Development社製)を用いて算出した値を用いることができる。
アルカリ成分の濃度は、前処理液中、0.0001質量%以上であることが好ましく、0.0005質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上含有させることが特に好ましい。上限としては、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下が特に好ましい。アルカリ成分を上記の範囲とすることで、引き続くリンス液による処理において、リンス液のパターン構造に対する接触角を高めその処理を好適に行うことができ、パターン構造の倒壊を効果的に抑制できるため好ましい。アルカリ成分は一種を用いても、二種以上を組合せて用いてもよい。
本発明の好ましい実施形態においては、上記のようにアルカリ成分を適用し、さらにフッ素化合物を組み合わせて用いることが好ましく、殺菌効果をも発揮することができる。
(フッ素化合物)
本発明に用いられるフッ素化合物はパーフルオロ化合物であることが好ましい。パーフルオロ化合物はパーフルオロ基を有する化合物であれば特に限定されない。パーフルオロ基とは、化合物における所定の基の置換可能部位がフッ素原子で満たされている基を意味する。典型的には、トリフルオロメチル基やペンタフルオロフェニル基が挙げられる。したがってトリフルオロメチル・エチレン基(3,3,3−トリフルオロプロピル基)およびメチル・ジフルオロメチレン基(1,1−ジフルオロエチル基)も、パーフルオロ基に含まれる。パーフルオロ基はなかでも、パーフルオロアルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)またはパーフルオロアルキレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)であることが好ましい。
パーフルオロ基としては下記P1またはP2の基が好ましい。
Figure 2016117656
P1は単結合または任意の連結基である。連結基はなかでも置換基(ハロゲン原子等)を有していてもよいアルキレン基(炭素数2〜36が好ましく、2〜18がより好ましい)またはそのアルキレン基に酸素原子(O)が介在した連結基が好ましい。LP1にはハロゲン原子(フッ素原子)が置換していることが好ましい。
P2はY2と同義の基または単結合である。
P1は水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、またはハロゲン原子(フッ素原子)であり、フッ素原子が好ましい。
*は結合部位を表す。*の部分で置換基や官能基、母核に結合していてもよく、高分子化合物の主鎖や側鎖に組み込まれる形で導入されていてもよい。
パーフルオロ化合物はアンモニウム基またはその塩構造、ピリジニウム基またはその塩構造、イミダゾリウム基またはその塩構造を分子内にもつことが好ましい。
パーフルオロ化合物としては、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキル・アルキレンオキサイド付加物、または、ポリエチレン主鎖を有するポリマー界面活性剤であることが好ましい。なかでも、ポリ(メタ)アクリレート構造を有するポリマーが好ましい。なお、ポリ(メタ)アクリレートとは、ポリアクリレートと、ポリメタクリレートの総称である。なかでも、本発明においては、上記ポリオキシアルキレン構造を有る(メタ)アクリレート構成単位と、フッ化アルキルアクリレートレート構成単位との共重合体が好ましい。
あるいは、パーフルオロ化合物として、いずれかの部位にパーフルオロアルキル又はパーフルオロアルキレン基(炭素数1〜24が好ましく、2〜12がより好ましい)を有する化合物を好適に用いることができる。好ましくは、側鎖に上記パーフルオロアルキル又はパーフルオロアルキレン基を有する高分子化合物を用いることができる。パーフルオロ化合物としては、さらにポリオキシアルキレン構造を有することが好ましく、側鎖にポリオキシアルキレン構造を有することがより好ましい。パーフルオロ化合物は、その一例として、下記式(F)で表される繰返し単位を有する重合体であることが好ましい。
Figure 2016117656
〜Xは、各々独立に、水素原子、アルキル基、またはフルオロアルキル基を表す。
Aは、酸素原子、硫黄原子又は−NR−を表す。式中、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。
、X、X、X及びRのアルキル基は、炭素原子数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
m2及びm3は、各々独立に、0〜60の整数を表す。
n1は、0〜20の整数を表す。
Rfは、フルオロアルキル基を表す。
〜X及びRfのフルオロアルキル基としては、炭素原子数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3のものが特に好ましい。このときアルキル鎖に、1〜6個の酸素原子(オキシ基)が介在していてもよい。例えば、フルオロアルキル基の具体例として、−CF、−C、−C、−CHCF、−CH、−CH、−CH、−CH13、−CCF、−C、−C、−C13、−C17、−CHCH(CH)CF、−CHCH(CF、−CHCF(CF、−CHCH(CF、−CFCF(CF)OCF、−CFCF(CF)OC、−COCFCF(CF)OCF、−COCFCF(CF)OCおよび−C(CF)=C(CF(CFを挙げることができる。
パーフルオロ化合物としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F479、同F482、同F552、同F554、同F558、同F562、同F780、同F781F(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−611、同S−651、同S−386、同S−382、同S−141、同S−145、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40、同S−221(以上、AGCセイミケミカル株式会社製)、エフトップEF301、同EF303、同EF351、同EF352(以上、ジェムコ(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)、株式会社ネオス社製 フタージェント710FM、300およびDIC株式会社 UV反応型表面改質剤 メガファック RSシリーズ(メガファック RS−75、メガファック RS−72−K、メガファック RS−76−E、メガファック RS−76−NS、メガファック RS−90)が挙げられる。
フッ素化合物は、その一例として、炭素数4以上、好ましくは6以上、さらに好ましくは8以上のパーフルオロアルキル基を有しているものが好ましい。上限は特にないが36以下が実際的である。さらに親水基を有することが好ましく、親水基としては、スルホン酸基、スルホン酸塩基、スルホン酸アミド基、ヒドロキシル基および/またはカルボン酸基を有していることが好ましい。
フッ素化合物はフッ素系界面活性剤を用いることができ、フッ素系イオン性界面活性剤が好ましく、フッ素系カチオン性界面活性剤がより好ましい。フッ素系界面活性剤は、アンモニウム基またはその塩構造、ピリジニウム基またはその塩構造、イミダゾリウム基またはその塩構造を分子内にもつことが好ましい。
例えば各社よりフッ素系界面活性剤として市販されているものを好適に利用することができる。フッ素系界面活性剤としては、上記式P1,P2の結合部位*に、スルホン酸基またはその塩、カルボキシル基またはその塩、ヒドロキシル基などが結合した化合物が挙げられる。結合部位*との連結部位には、任意の連結基(例えばフッ素原子を有することがあるアルキレン基)が介在していてもよい。具体例としては下記のものが挙げられる。
・パーフルオロアルキルスルホン酸
(CF(CFSOH:例えばn=7)[PFOS]
・パーフルオロアルキルカルボン酸
(CF(CFCOOH:n=6)[PFOA]
・フッ素テロマーアルコール
(F(CFCHCHOH)
以下に、本発明に好ましく用いられるフッ素系カチオン性界面活性剤の具体例を挙げるが、本発明がこれらに限定されない。
Figure 2016117656
Figure 2016117656
フッ素化合物は特定の表面張力を持つものが好ましい。具体的に表面張力は5mN/m以上であることが好ましく、10mN/m以上であることがより好ましく、15mN/m以上であることが特に好ましい。上限としては、50mN/m以下であることが好ましく、40mN/m以下であることがより好ましく、30mN/m以下であることが特に好ましい。
表面張力の測定方法としては、吊輪法又はウィルヘルミー法等で測定することができる。例えば、(A)協和界面科学(株)製自動表面張力計CBVP−Z(商品名)を用いて測定する方法、又は、(B)KSV INSTRUMENTS LTD社製 SIGMA702(商品名)を用いて測定する方法が挙げられる。本明細書においては、特に断らない限り、上記(A)法で測定した値によるものとする。温度は特に断らない限り室温(23℃)での測定値とする。濃度は特に断らない限り、パーフルオロ化合物0.1質量%のPGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)溶液の測定値とする。これに溶けない場合は、トルエンを用いることとする。
フッ素化合物の添加量は、その下限値としては、アルカリ成分100質量部に対し10質量部以上の範囲で添加されるのが好ましく、30質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上が特に好ましい。上限値は、1000質量部以下が好ましく、500質量部以下がより好ましく、300質量部以下が特に好ましい。
前処理液中におけるフッ素化合物の含有量は、0.0001質量%以上が好ましく、0.0005質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上がさらに好ましく、0.002質量%以上がさらに好ましい。上限としては、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下が特に好ましい。
フッ素化合物の含有量を上記の範囲内とすることで、リンス液の所望の接触角を効果的に発揮することができ好ましい。
フッ素化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
(長鎖アルキル基を含む特定化合物)
また、上記前処理液は、少なくとも1つ好ましくは2つの、炭素数10以上の長鎖アルキル基(例えば、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、リノリル基)、好ましくは炭素数12以上の長鎖アルキル基を含む、アンモニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基またはその塩構造を有する化合物を含有することが好ましい。上記の基や塩構造は上述のフッ素化合物に含まれることが好ましい。
なお、上記長鎖アルキル基の炭素数の上限は特に制限されないが、20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましい。
上記長鎖アルキル基を含む、アンモニウム基またはその塩構造を有する化合物は下記一般式(I)で表される化合物が好ましい。
(R)(R)(R)(R) X 一般式(I)
一般式(I)において、Rは上記長鎖アルキル基を表し、R〜Rは各々独立に上記長鎖アルキル基または炭素数1〜9のアルキル基を表す。Xは対イオンを表す。
〜Rにおける炭素数1〜9のアルキル基は、直鎖または分岐のいずれでもよく、例えば、メチル、エチル、プロピル、t−ブチルが挙げられ、メチルが好ましい。
は、ハロゲンイオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)、サッカリン陰イオンが好ましい。
上記長鎖アルキル基および炭素数1〜9のアルキル基のアルキル鎖は、本発明の効果を損なわない範囲で任意の置換基ないしは原子を有していてもよい。置換基としては、例えば、−(CHCHOH(lは正の整数)が挙げられる。
上記一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(II)で表される化合物が好ましい。
(R11)(R12)(R13)(R14) Y 一般式(II)
一般式(II)において、R11およびR12は各々独立に上記長鎖アルキル基を表す。R13およびR14は各々独立に炭素数1〜9のアルキル基を表す。R13およびR14における炭素数1〜9のアルキル基は、一般式(I)のR〜Rにおける炭素数1〜9のアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同じである。Yは一般式(I)におけるXと同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(II)で表される化合物のうち、R13およびR14がメチルを表すことが好ましい。すなわち、一般式(II)で表される化合物のうち、ジアルキルジメチルアンモニウム化合物が好ましい。
上記長鎖アルキル基を含む、アンモニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基またはその塩構造を有する化合物は、常法により適宜に合成することができる。また、市販品として入手できるものを用いることもできる。市販品の例としては、竹本油脂社製ニューカルゲン 500、パイオニン B−651−P、同B−811−S、同B−231、同B−111、同B−8011、同B−0011、同B−2211、同B−251、花王株式会社製アミート302が挙げられる(いずれも商品名)。
上記長鎖アルキル基を含む、アンモニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基またはその塩構造を有する化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
なお、本発明において、上記フッ素化合物と、上記長鎖アルキル基を含む、アンモニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基またはその塩構造を有する化合物を併用してもよい。
また、上記フッ素化合物と、上記長鎖アルキル基を含む、アンモニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基またはその塩構造を有する化合物の少なくともいずれかを含む限り、本発明の前処理液はその他の界面活性剤等を追加で含んでいてもよい。
また、上記長鎖アルキル基を含む、アンモニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基またはその塩構造を有する化合物は、フッ素原子を有さない化合物であることが好ましい。
基板に残留している界面活性剤等のフッ素化合物やその他の成分は加熱により除去してもよい。加熱時は真空で行っても、常圧で行ってもよい。この加熱温度は400℃以下であることが好ましい。
(水)
本発明の前処理液においては、水を媒体とすることが好ましい。なかでも、その過半を水が占める水系の処理液であることが好ましい。水(水媒体)としては、本発明の効果を損ねない範囲で溶解成分を含む水性媒体であってもよく、あるいは不可避的な微量混合成分を含んでいてもよい。なかでも、蒸留水やイオン交換水、あるいは超純水といった浄化処理を施された水が好ましく、半導体製造に使用される超純水を用いることが特に好ましい。
水の量は、前処理液中、70質量%以上含有させることが好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。上限としては、各成分の添加を考慮して、100質量%未満であることが好ましい。上記の範囲とすることで、好適な前処理効果が得られるため好ましい。
前処理液には、その他に適宜機能性の添加剤を付与することができる。例えば、各材料を溶解するための有機溶剤や、緩衝作用をもつ酸を添加するとが安定な薬液を得るために好ましい。これらの添加剤は有機溶剤などの場合、1質量%以下で適用されることが好ましい。あるいは、防食剤(特開2014−232874[0132]、特開2014−185332[0015]〜[0022]、特開2014−220300[0030]〜[0037])、キレート剤(特開2014−093407[0024]、特開2014−041260[0024])なども好適に利用することができる。
(容器)
本発明の前処理液は、(キットであるか否かに関わらず)腐食性等が問題とならない限り、任意の容器に充填して保管、運搬、そして使用することができる。また、半導体用途向けに、容器のクリーン度が高く、不純物の溶出が少ないものが好ましい。使用可能な容器としては、アイセロ化学(株)製の「クリーンボトル」シリーズ、コダマ樹脂工業(株)製の「ピュアボトル」などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この容器ないしその収容部の内壁は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、および、ポリエチレン−ポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂とは異なる樹脂、または、防錆および金属溶出防止処理が施された金属から形成されることが好ましい。
上記の異なる樹脂としては、フッ素系樹脂(パーフルオロ樹脂)を特に好ましく用いることができる。このように、収容部の内壁がフッ素系樹脂である容器を用いることで、収容部の内壁が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、または、ポリエチレン−ポリプロピレン樹脂である容器を用いる場合と比べて、エチレンやプロピレンのオリゴマーの溶出という不具合の発生を抑制できる。
このような収容部の内壁がフッ素系樹脂である容器の具体例としては、例えば、Entegris社製 FluoroPurePFA複合ドラム等が挙げられる。また、特表平3−502677号公報の第4頁等、国際公開第2004/016526号パンフレットの第3頁等、国際公開第99/46309号パンフレットの第9および16頁等、などに記載の容器も用いることができる。
<フィルタリング>
本発明の前処理液は、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、フィルタで濾過することが好ましい。従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む)等によるフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)およびナイロンが好ましい。フィルタの孔径は、0.001〜1.0μm程度が適しており、好ましくは0.02〜0.5μm程度、より好ましくは0.01〜0.1μm程度である。この範囲とすることにより、ろ過詰まりを抑えつつ、前処理液に含まれる不純物や凝集物など、微細な異物を確実に除去することが可能となる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせてもよい。その際、第1のフィルタでのフィルタリングは、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。異なるフィルタを組み合わせて2回以上フィルタリングを行う場合は1回目のフィルタリングの孔径より2回目以降の孔径が同じ、もしくは大きい方が好ましい。また、上述した範囲内で異なる孔径の第1のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)または株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。第2のフィルタの孔径は、0.01〜1.0μm程度が適しており、好ましくは0.1〜0.5μm程度である。この範囲とすることにより、前処理液に成分粒子が含有されている場合には、この成分粒子を残存させたまま、前処理液に混入している異物を除去することができる。
例えば、第1のフィルタでのフィルタリングは、前処理液の一部の成分が含まれる混合液で行い、これに残りの成分を混合して前処理液を調製した後で、第2のフィルタリングを行ってもよい。
<メタル濃度>
本発明の前処理液は、液中に不純物として含まれるメタル(Na、K、Ca、Fe、Cu、Mg、Mn、Li、Al、Cr、Ni、および、Znの金属元素)のイオン濃度がいずれも5ppm以下(好ましくは1ppm)であることが好ましい。特に、最先端の半導体素子の製造においては、さらに高純度の前処理液が求められることが想定されることから、そのメタル濃度がppmオーダーよりもさらに低い値、すなわち、ppbオーダーであることがより好ましく、pptオーダー(上記濃度はいずれも質量基準)であることがさらに好ましい。
メタル濃度の低減方法としては、例えば、前処理液を製造する際に使用する原材料の段階、および、前処理液を調製した後の段階、の少なくとも一方の段階において、蒸留やイオン交換樹脂を用いたろ過を十分に行うことが挙げられる。
メタル濃度の低減方法のその他の方法としては、前処理液の製造に使用する原材料を収容する「容器」について、前処理液を収容する容器の説明を行った項で示したような、不純物の溶出が少ない容器を用いることが挙げられる。また、前処理液の調製時の「配管」などからメタル分が溶出しないように、配管内壁にフッ素系樹脂のライニングを施すなどの方法も挙げられる。
(不純物・粗大粒子)
本発明の前処理液は、その使用用途に鑑み、液中の不純物、例えば金属分などは少ないことが好ましい。特に、液中のNa、K、Caイオン濃度が1ppt〜1ppm(質量基準)の範囲にあることが好ましい。また、前処理液において、平均粒径0.5μm以上の粗大粒子数が100個/cm以下の範囲にあることが好ましく、50個/cm以下の範囲にあることが好ましい。
(pH)
本発明の好ましい実施形態における前処理液のpHは、7以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましく、9以上であることが特に好ましい。上限としては、14以下であることが好ましく、13以下であることがより好ましく、12以下であることが特に好ましい。なお、pHは室温(25℃)においてHORIBA社製、F−51(商品名)で測定した値である。
(静止接触角[θCA])
本発明の好ましい実施形態に係る前処理液の静止接触角は、Si0.5Ge0.5のベタ膜と、Si0.15Ge0.85のベタ膜を処理した際、両方の膜の、純水に対する静止接触角として規定させる。この特定静止接触角は50°以上であることが好ましく、70°以上であることがより好ましく、80°以上であることが特に好ましい。上限は特に制限されるものではないが、110°以下が好ましく、100°以下がより好ましく、95°以下が特に好ましい。なお、SixGey(x、yは、それぞれ独立に、0以上の数を表す。ただし、x+y=1である。)のベタ膜とは、一般に、SixGeyの組成式で表される平坦な膜(パターン形成等がされていない膜)のことをいう。
<処理方法>
本発明のパターン処理方法においては、その実施態様は特に制限されない。例えば、浴槽を用いたバッチ式の処理でも、枚葉式装置を用いた処理でもよい。具体的に、浴槽処理では、図1(a)〜1(d)に示したように、前処理液ないしリンス液で満たした浴槽に、パターン構造ないし半導体基板製品を浸漬し、処理することができる。枚葉式装置は、処理槽を有し、その処理槽で上記半導体基板を搬送もしくは回転させ、その処理槽内に上記剥離液を付与(吐出、噴射、流下、滴下等)して、半導体基板に上記剥離液を接触させるものであることが好ましい。
前処理およびリンス処理の処理温度は、10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましい。上限としては、80℃以下であることが好ましく、60℃以下であることがより好ましく、40℃以下であることが特に好ましい。なお、処理温度とは後記実施例で示す温度測定方法において基板に適用する温度を基礎とする。保存温度あるいはバッチ処理で管理する場合にはそのタンク内の温度、循環系で管理する場合には循環流路内の温度で設定してもよい。
<被処理材料>
本発明のパターン処理方法に適用される材料としては、特に、ポリシリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム(Ge)及びk値が2.4以下の低誘電率材の少なくとも1つが採用される。なかでも、Ge及びk値が2.4以下の低誘電率材の少なくとも1つが採用されることが好ましく、Geが採用されることがより好ましい。本発明はこの点を特徴とし、これらの材料を選定したからこそ奏する特有の効果(パターンの倒壊と損傷の抑制の両立)を発揮する。
Geを含む材料としては、Geのみからなる材料に限定されず、例えば、GeとSiの複合化合物材料であってもよい。具体的には、Si0.5Ge0.5、Si0.15Ge0.85などが挙げられる。
k値が2.4以下の低誘電率材料としては、例えば、アドバンスドマテリアルズテクノロジ社製のBDIII(Low−k)材料が挙げられる。なお、k値は、Four Dimensions, Inc社製、CMmap92B(商品名)(http://www.oyama-web.com/guide4/sub25.htm)などで測定することが可能である。
ポリシリコン、アモルファスシリコン、Ge及びk値が2.4以下の低誘電率材の各材料は、半導体基板の製造において、それぞれを区別して処理される。具体的に、ゲルマニウム(Ge)は半導体のトランジスタ部分、Low−k材料はトランジスタ部分もしくはBEOL部分等に使用される。
<キット、濃縮液>
本発明における前処理液は、その原料を複数に分割したキットとしてもよい。例えば、第1液として上記フッ素化合物を水媒体に含有する液組成物を準備し、第2液として上記アルカリ成分を水媒体に含有する液組成物を準備する態様が挙げられる。その使用例としては、両液を混合して前処理液を調液し、その後適時に上記処理に適用する態様が好ましい。有機溶媒等はどちらに含有させてもよい。このようにすることで、フッ素化合物の分解による液性能の劣化を招かずにすみ、所望の作用を効果的に発揮させることができる。第1液におけるフッ素化合物の濃度や、第2液におけるアルカリ成分の濃度は先に述べた第1液の配合量を元に、混合後の濃度として適宜設定することができる。
本発明の前処理液は、濃縮液として準備してもよい。この場合、使用時に水で希釈して使用することができる。
なお、本明細書において「準備」というときには、特定の材料を合成ないし調合等して備えることのほか、購入等により所定の物を調達することを含む意味である。また、本明細書においては、半導体基板の各材料を処理するよう剥離液を用いることを「適用」と称するが、その実施態様は特に限定されない。例えば、剥離液と基板とを接触させることを広く含み、具体的には、バッチ式のもので浸漬して処理しても、枚葉式のもので吐出により処理してもよい。
半導体基板とは、シリコン基板(ウェハ)のみではなくそこに回路構造が施された基板構造体全体を含む意味でも用いる。半導体基板部材ないし部材とは、上記で定義される半導体基板を構成する部材を指し1つの材料からなっていても複数の材料からなっていてもよい。なお、加工済みの半導体基板を半導体基板製品として区別して呼ぶことがあり、必要によってはさらに区別して、これに加工を加えたチップ等を半導体素子ないし半導体装置という。すなわち、広義には半導体素子(半導体装置)は半導体基板製品に属するものである。さらに、上記半導体素子を実装した製品を半導体製品という。半導体基板の方向は特に限定されないが、説明の便宜上、本明細書では、柱状構造部位1側を上方とし、基板2側を下方とする。なお、添付の図面では、半導体基板ないしその部材の構造を簡略化して図示しており、必要に応じて必要な形態として解釈すればよい。
次に、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、実施例で示した量や比率の規定は特に断らない限り質量基準である。
<実施例1>
表中に記載の各材料の膜(ベタ膜、すなわち評価用の清浄な、下記<A>〜<E>に示す単一体の膜)を形成したウェハを準備した。自然酸化膜を除去するため、5%HFで下処理を行った。下処理後のウェハを利用し、ビーカーテストを行った。具体的には、室温の薬液を250rpmで攪拌しながら、ビーカーにウェハを入れ、5分間各前処理液で前処理を行った。処理後のウェハは5秒間 流水(超純水)にてリンスし、Nガスで乾燥した。乾燥時の温度は、20℃(室温)とした。
上記の前処理液による処理が終わったウェハについて、水を使って下記の接触角装置で接触角を測定した。これは、前述したθCAの代用メジャーであり、この値が大きいほど、θCAは小さくなる。結果として、パターン構造におけるキャピラリーフォースを小さくできると言える。
静止接触角[θCA]の測定は、協和界面科学(株)DM−500(商品名)を用いて、室温(25℃)で行った(図4参照)。
また、Elipso meterを使って、各ベタ膜の損傷(Damage)を確認した。具体的には、エリプソメトリー(分光エリプソメーター、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン(株) Vase(商品名)を使用した)を用いて処理前後の膜厚を測定することにより、除去された膜の厚さを算出した。5点の平均値を採用した(測定条件 測定範囲:1.2−2.5eV、測定角:70,75度)。

AA: ダメージゼロ(なし)
A: 1Å/min未満のダメージ
B: 1Å/min以上5Å/min未満のダメージ
C: 5Å/min以上10Å/min未満のダメージ
D: 10Å/min以上のダメージ
菌の測定には、市販の測定キットを利用した。具体的には、コスモ・バイオ株式会社の細菌検出用培地「EASICULT COMBI」を用いて、1週後の菌の増加を確認した。
Good:菌の繁殖がみられなかった
Bad :菌の繁殖がみられた
Figure 2016117656
Figure 2016117656
<表の注釈>
conc. :濃度(質量%)
R.T. :質温(約25℃)
Surflon S221(商品名) AGC semi chemical
Ftergent 300(商品名) NEOS 株式会社
ニューカルゲン 500(商品名) 竹本油脂株式会社
パイオニン B-651-P(商品名) 竹本油脂株式会社(セチルピリジニウムクロライド、構造を以下に示す。)
Figure 2016117656
パイオニン B-811-S(商品名) 竹本油脂株式会社(ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、構造を以下に示す。)
Figure 2016117656
パイオニン B-231(商品名) 竹本油脂株式会社(ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、構造を以下に示す。)
Figure 2016117656
パイオニン B-111(商品名) 竹本油脂株式会社(ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、構造を以下に示す。)
Figure 2016117656
パイオニン B-8811(商品名) 竹本油脂株式会社(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、構造を以下に示す。)
Figure 2016117656
パイオニン B-0011(商品名) 竹本油脂株式会社(ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、構造を以下に示す。)
Figure 2016117656
パイオニン B-2211(商品名) 竹本油脂株式会社(ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、構造を以下に示す。)
Figure 2016117656
パイオニン B-251(商品名) 竹本油脂株式会社(ラウリルピリミジウムクロライド、構造を以下に示す。)
Figure 2016117656
アミート 302(商品名) 花王株式会社(ポリオキシエチレンアルキルアミン(アルキルの炭素数18))
<A> Poly-Si S.E.H AMERICA.
<B> Si0.5Ge0.5 Advanced materials technology Si/SiGe
<C> Si0.15Ge0.85 Advanced materials technology Si/SiGe
<D> Ge KST world corp. Si/Ge
<E> BDIII(Low-k) Advanced materials technology Bare Si/
BDIIIのk値は〜2.2
TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
MEA : 2−Aminoethanol
DGA : Diglycolamine
BzA : Benzylamine
DMEA : N,N−Dimetyl−2−aminoethanol
MAE : 2−(Methylamino)ethanol
DIwater:蒸留水
表中のキャピラリーフォースの計算の前提は下記のとおりである。
γ: 72.5mN/m
D: 20nm
S: 20nm
θCA: 測定値(°)
θ: 0°
H: 400nm
上記のとおり、本発明のパターン処理方法およびパターン構造の前処理液によれば、特定の材料を有するパターン構造に特に適合し、その表面張力を抑えてパターン構造の倒壊を抑制することができ、かつ、薬液による損傷も抑制ないし防止することができることが分かる。さらに、処理液内での菌の繁殖も効果的に抑制できることが分かる。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2015年1月23日に日本国で特許出願された特願2015−011646に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
1 柱状構造部位
2 基板
3 前処理液
4 リンス液
9 離間部
10 パターン構造
11 柱状構造部位(比較例)
20 パターン構造(比較例)
100 半導体基板製品

Claims (24)

  1. ポリシリコン、アモルファスシリコン、Ge及びk値が2.4以下の低誘電率材料の少なくとも1つを有するパターン構造を具備した半導体基板に、当該パターン構造の表面を改質する前処理液を付与するパターン処理方法。
  2. 上記パターン処理が、水を含む別の処理液で処理する際のパターン構造の崩壊を抑制する処理である請求項1に記載のパターン処理方法。
  3. 上記パターン構造が、離間部を介して複数立設する柱状構造をなす請求項1または2に記載のパターン処理方法。
  4. 上記パターン構造の離間部の離間幅が1nm以上100nm以下である請求項3に記載のパターン処理方法。
  5. 上記パターン構造の柱状構造部位がもつ部材幅が1nm以上50nm以下である請求項3または4に記載のパターン処理方法。
  6. Geを有するパターン構造がSiGeを材料として含むパターン構造である請求項1〜5のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
  7. Si0.5Ge0.5のベタ膜と、Si0.15Ge0.85のベタ膜の、前記前処理液付与処理した際の、両方の膜の、純水に対する静止接触角が80°以上95°以下となる請求項6に記載のパターン処理方法。
  8. 上記前処理液が、フッ素化合物を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
  9. 上記前処理液が、炭素数10以上の長鎖アルキル基を含む、アンモニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基またはそれらの塩構造を有する化合物を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
  10. 上記炭素数10以上の長鎖アルキル基を含む、アンモニウム基またはその塩構造を有する化合物がジアルキルジメチルアンモニウム化合物である請求項9に記載のパターン処理方法。
  11. 上記前処理液が、1質量%以下の有機溶剤を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
  12. 上記前処理液のpHが7以上である請求項1〜11のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
  13. 上記前処理液がアルカリ成分を含む請求項1〜12のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
  14. 上記アルカリ成分がpKa8.5〜10.5の有機アミン化合物である請求項13に記載のパターン処理方法。
  15. 上記前処理液を濃縮しておき、水で希釈して使用する請求項1〜14のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
  16. 上記前処理液を第1液と第2液とを混合して使用するキットとした請求項1〜15のいずれか1項に記載のパターン処理方法。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載のパターン処理方法を介して半導体基板製品を製造する半導体基板製品の製造方法。
  18. 上記パターン処理の後に、水を含む別の処理液で処理する請求項17に記載の半導体基板製品の製造方法。
  19. ポリシリコン、アモルファスシリコン、Ge及びk値が2.4以下の低誘電率材料の少なくとも1つを有するパターン構造を具備した半導体基板に付与して、当該パターン構造の表面を改質する前処理液であって、水を含む別の処理液で処理する際のパターン構造の崩壊を抑制することができるパターン構造の前処理液。
  20. フッ素化合物を含有する請求項19に記載の前処理液。
  21. 炭素数10以上の長鎖アルキル基を含む、アンモニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基またはそれらの塩構造を有する化合物を含有する請求項19に記載のパターン構造の前処理液。
  22. 上記炭素数10以上の長鎖アルキル基を含む、アンモニウム基またはその塩構造を有する化合物がジアルキルジメチルアンモニウム化合物である請求項21に記載のパターン構造の前処理液。
  23. pHが7以上である請求項19〜22のいずれか1項に記載のパターン構造の前処理液。
  24. アルカリ成分を含む請求項19〜23のいずれか1項に記載のパターン構造の前処理液。
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