JPWO2016111105A1 - 光音響計測装置及び光音響計測システム - Google Patents

光音響計測装置及び光音響計測システム Download PDF

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Abstract

光音響計測装置及び光音響計測システムにおいて、別途駆血帯を必要とせずに、光音響画像を用いて血流情報を生成可能とする。光源13は測定光を出射する。プローブ11は、被検体が駆血された状態にある駆血状態と、被検体が駆血されていない状態にある非駆血状態とのそれぞれについて、被検体に対する測定光の出射後に被検体内で生じた光音響波を検出する。光音響画像生成手段25は、光音響波の検出信号に基づいて光音響画像を生成する。血流情報生成手段27は、光音響画像内に設定された関心領域内の光音響画像の信号強度に基づいて血流情報を生成する。被検体の駆血は、プローブ11を被検体に押し当てることで実施される。

Description

本発明は、光音響計測装置及び光音響計測システムに関し、更に詳しくは、被検体への光出射後に被検体内で生じた光音響波を検出する光音響計測装置及び光音響計測システムに関する。
外部から血流を制限し、その制限を解除して血流の還流状態を評価する先行技術として、皮膚還流圧(SPP:Skin Perfusion Pressure)測定装置が知られている(例えば特許文献1)。SPP測定装置は、計測部位にレーザ光を照射する。照射したレーザ光に対する反射光の量及びドップラシフトは、血流に応じて変化する。カフ圧を高圧力から低圧力に変化させつつ反射光の量及びドップラシフトを計測し、血流が急激に増加するカフ圧を求め、そのカフ圧を“皮膚還流圧”として表示する。
血流の観察に関して、特許文献2に血流画像の生成方法が記載されている。特許文献2では、皮膚の反射型共焦点レーザ顕微鏡画像を動画で撮影し、動画のフレーム同士の輝度差画像を複数生成し、複数の輝度差画像を加算することにより、血流画像が生成される。特許文献2には、被験者の上腕にカフを巻きつけて圧迫することで、心臓から見て遠位である前腕部(測定部位)の皮膚血流を一時的に止め(虚血)、その後、圧迫を解除して皮膚血流を戻す(再還流)ことも記載されている。特許文献2には、虚血前、虚血中、及び再還流直後のそれぞれにおいて血流画像を生成することが記載されている。
ここで、生体内部の状態を非侵襲で検査できる画像検査法の一種として、光音響効果を利用して生体の内部を画像化する光音響イメージングが知られている。一般に光音響イメージングでは、レーザパルスなどのパルスレーザ光を生体内に照射する。生体内部では、生体組織がパルスレーザ光のエネルギーを吸収し、そのエネルギーによる断熱膨張により超音波(光音響波)が発生する。この光音響波を超音波探触子などによって検出し、検出信号に基づいて光音響画像を生成することにより、光音響波に基づく生体内の可視化が可能である。
特表2009−506871号公報 特開2012−113191号公報
特許文献1では、被測定ポイントの一点において血流を測定しており、還流の空間的な分布、特に深さ方向に関して評価することができない。特許文献2では血流画像により還流の空間的な分布を評価することができる。しかしながら、特許文献2では、反射型共焦点レーザ顕微鏡が必要となる。加えて、特許文献1及び2では、血流を一時的に止めるために、カフ圧が可変な駆血帯が用いられる。特許文献1及び2では、駆血帯を別途用意しなければならず、測定を簡易に行うために、駆血帯を必要とせずに還流を評価することが望まれる。
本発明は、上記事情に鑑み、別途駆血帯を必要とせずに、光音響画像を用いて血流情報を生成する光音響計測装置及び光音響計測システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、被検体に出射された測定光により被検体内で生じた光音響波を検出するプローブと、プローブの被検体に対する接触圧を検出する圧力検出手段と、プローブが検出した光音響波の検出信号に基づいて光音響画像を生成する光音響画像生成手段と、光音響画像内に設定された関心領域内の光音響画像の信号強度に基づいて血流情報を生成する血流情報生成手段とを備え、少なくとも、プローブにより被検体が駆血された状態にある駆血状態と、被検体が駆血されていない状態にある非駆血状態とのそれぞれにて、プローブが光音響波を検出する光音響計測装置を提供する。
本発明の光音響計測装置は、プローブを把持する把持部と、把持部を介してプローブを被検体に押し当てる方向及び被検体から離れる方向に移動させる移動機構とを更に有していてもよい。
本発明の光音響計測装置は、圧力検出手段が検出した接触圧に基づいて移動機構を駆動する接触圧制御手段を更に有していてもよい。
圧力検出手段は、把持部においてプローブの接触圧を検出してもよい。
上記に代えて、圧力検出手段は、プローブに設けられてもよい。
プローブは、光音響波を検出する検出器素子と測定光を出射する光出射部とを含み、
圧力検出手段は、少なくとも一部が検出器素子と光出射部との間に設けられてもよい。
圧力検出手段は、検出器素子を取り囲んでもよい。
圧力検出手段は、被検体に接触するカバーによって覆われていてもよい。
血流情報生成手段は、信号強度が第1のしきい値以上でかつ第1のしきい値よりも大きな第2のしきい値以下のときを第1の値とし、信号強度が第1のしきい値未満又は第2のしきい値よりも大きなときを第2の値とすることによって信号強度を2値化し、2値化された信号強度に基づいて血流情報を生成することが好ましい。
プローブは、被検体に送信された音響波に対する反射音響波を更に検出してもよい。その場合、本発明の光音響計測装置は、プローブが検出した反射音響波の検出信号に基づいて反射音響波画像を生成する反射音響波画像生成手段と、反射音響波画像を用いて関心領域の位置を追跡する関心領域追跡手段とを更に有することが好ましい。
血流情報生成手段は、関心領域内の信号強度の合計値又は平均値を血流情報として生成してもよい。
血流情報生成手段は、血流情報と接触圧との関係を示すグラフを更に生成してもよい。
血流情報生成手段は、関心領域内の信号強度の合計値又は平均値を算出し、一定の期間内における合計値又は平均値の最小値と最大値との差に基づくスコア値を血流情報として生成してもよい。
血流情報生成手段は、駆血状態における関心領域内の信号強度の合計値又は平均値と、非駆血状態における関心領域内の信号強度の合計値又は平均値との差に基づくスコア値を血流情報として生成してもよい。
血流情報生成手段は、被検体がプローブにより駆血状態から非駆血状態へと変化させられた場合において、関心領域内の信号強度の合計値又は平均値の時間変化率に基づくスコア値を血流情報として生成してもよい。
血流情報生成手段は、被検体がプローブにより駆血状態から非駆血状態へと変化させられた場合において、基準となる時刻から一定の時間経過後の関心領域内の信号強度の合計値又は平均値に基づくスコア値を血流情報として生成してもよい。
血流情報生成手段は、被検体がプローブにより駆血状態から非駆血状態へと変化させられた場合において、基準となる時刻から、関心領域内の信号強度の合計値又は平均値が一定のレベルに到達する時刻までの間の時間に基づくスコア値を血流情報として生成してもよい。
血流情報生成手段は、血流情報に基づいて血流情報画像を更に生成してもよい。
関心領域が複数設定された場合において、複数の関心領域のそれぞれについて血流情報が生成され、血流情報画像は、各関心領域にその関心領域の血流情報を表示する空間マップ画像であってもよい。
血流情報画像において、各関心領域は血流情報に応じた輝度で表示されることが好ましい。
血流情報生成手段は、第1の時刻における血流情報がそれ以前である第2の時刻における血流情報よりも大きい場合と、第1の時刻における血流情報が第2の時刻における血流情報よりも小さい場合とで、血流情報画像における各関心領域の表示色を異なる表示色としてもよい。
関心領域は、複数かつ格子状に設定されていることが好ましい。
本発明は、また、測定光を出射する光源と、被検体に対する測定光の出射後に被検体内で生じた光音響波を検出するプローブと、プローブの被検体に対する接触圧を検出する圧力検出手段と、プローブが検出した光音響波の検出信号に基づいて光音響画像を生成する光音響画像生成手段と、光音響画像内に設定された関心領域内の光音響画像の信号強度に基づいて血流情報を生成する血流情報生成手段とを備え、少なくとも、プローブより被検体が駆血された状態にある駆血状態と、被検体が駆血されていない状態にある非駆血状態とのそれぞれにて、プローブが光音響波を検出する光音響計測システムを提供する。
本発明の光音響計測装置及び光音響計測システムは、別途駆血帯を必要とせずに、光音響画像を用いて血流情報を生成することができる。
本発明の第1実施形態に係る光音響計測装置を含む光音響計測装置の概略を示すブロック図。 光音響計測システムの詳細な構成を示すブロック図。 光音響波検出時の様子を示す図。 光音響波検出の別例を示す図。 (a)〜(c)は、光音響画像と関心領域とを示す図。 関心領域内の信号強度平均値の時間変化を示すグラフ。 ROI信号値とプローブの接触圧との関係を示すグラフ。 光音響画像内に格子状に設定された複数の関心領域を示す図。 本発明の第3実施形態の光音響計測システムで用いられるプローブを示す断面図。 プローブの被検体に接触する側の面を示す外観図。 プローブの被検体に接触する側の面の別例を示す外観図。 本発明の第4実施形態の光音響計測システムを示すブロック図。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る光音響計測装置を含む光音響計測システムの概略構成を示す。光音響計測システム10は、プローブ(超音波探触子)11、超音波ユニット(信号処理ユニット)12、光源13、及びステージ15を有する。
光源13は、測定光を出射する。光源13から出射した測定光は、例えば光ファイバなどの導光手段を用いてプローブ11まで導光され、プローブ11から被検体に向けて出射される。光源13は、例えばYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)やアレキサンドライトなどを用いた固体レーザ光源である。測定光の波長は、血液での吸収が筋肉脂肪など周辺組織に比べて強い波長が好ましい。以下では、主に波長755nmの光を用いた例を説明する。光源のタイプは特に限定されず、光源13が、レーザダイオード光源(半導体レーザ光源)であってもよいし、或いはレーザダイオード光源を種光源とする光増幅型レーザ光源であってもよい。レーザ光源以外の光源を用いてもよい。
プローブ11は、音響波検出手段であり、例えば一次元的に配列された複数の検出器素子(超音波振動子)を有している。プローブ11は、リニアプローブに限定されず、コンベクスプローブ、又はセクタープローブでもよい。プローブ11は、エコーゲルや水などを介して、被検体の血液還流を計測する部位(計測部位)に配置される。プローブ11は、体毛や皮膚メラニン量が少ない掌側に配置されることが好ましい。
プローブ11は、被検体が駆血された状態にある駆血状態と、被検体が駆血されていない状態にある非駆血状態とのそれぞれについて、被検体に対する測定光の出射後に被検体内で生じた光音響波を検出する。ここで、駆血状態とは、被検体の計測部位における血流が少なくとも部分的に止められた状態を指す。好ましくは、収縮期血圧以上の圧力で被検体を圧迫した状態を指す。非駆血状態とは、被検体の計測部位における血流が妨げられない状態を指す。好ましくは、被検体を圧迫しないか、又は拡張期血圧以下の圧力で被検体を圧迫した状態を指す。
ステージ15は、被検体が載せられるステージである。ステージ15は、プローブ11を把持する把持部51と、把持部51を介してプローブ11を被検体に押し当てる方向及び被検体から離れる方向に移動させる移動機構52と、プローブ11の被検体に対する接触圧を検出する圧力検出手段53とを含む。本実施形態では、プローブ11を被検体の収縮期血圧以上の圧力で被検体に押し当てることで駆血を行う。
超音波ユニット12は、プローブで検出された光音響波の検出信号を信号処理する。
超音波ユニット12は、光音響計測装置を構成する。超音波ユニット12は、典型的にはプロセッサ、メモリ、及びバスなどを有する。
図2は、光音響計測システムの詳細な構成を示す。なお、図2では、ステージ15の把持部51、移動機構52、及び圧力検出手段53を省略して図示している。超音波ユニット12は、受信回路21、受信メモリ23、光音響画像生成手段25、血流情報生成手段27、及びトリガ制御手段28を有する。
受信回路21は、プローブ11が出力する検出信号を受信し、受信した検出信号を受信メモリ23に格納する。受信回路21は、典型的には、低ノイズアンプ、可変ゲインアンプ、ローパスフィルタ、及びAD変換器(Analog to Digital convertor)を含む。プローブ11の検出信号は、低ノイズアンプで増幅された後に、可変ゲインアンプで深度に応じたゲイン調整がなされ、ローパスフィルタで高周波成分がカットされた後にAD変換器でデジタル信号に格納され、受信メモリ23に格納される。受信回路21は、例えば1つのIC(Integrated Circuit)で構成される。受信メモリ23には、例えば半導体記憶装置が用いられる。
プローブ11は、光音響波の検出信号を出力し、受信メモリ23には、AD変換された光音響波の検出信号(サンプリングデータ)が格納される。光音響画像生成手段25は、受信メモリ23から光音響波の検出信号を読み出し、読み出した光音響波の検出信号に基づいて光音響画像を生成する。光音響画像の生成は、例えば、位相整合加算などの画像再構成や、検波、対数変換などを含む。光音響画像生成手段25は、例えばDSP(digital signal processor)などのLSI(Large Scale Integration)で構成される。光音響画像生成手段25の機能は、超音波ユニット12に含まれるプロセッサによるソフトウェア処理によって実現してもよい。
血流情報生成手段27は、光音響画像内に設定された関心領域内の光音響画像の信号強度に基づいて血流情報を生成する。関心領域は、例えば被検体の皮膚表面から深さ方向に一定の距離だけ離れた位置に設定される。関心領域は、好ましくは毛細血管が存在する領域に設定される。血流情報生成手段27は、光音響画像の関心領域内の信号強度をスコア化することにより、血流情報を生成する。例えば関心領域内の光音響画像の信号強度の合計値又は平均値を算出し、その値に基づくスコア値を血流情報として生成する。ここで、光音響画像の信号強度は、検出された光音響波の検出信号の大きさに応じた値であり、必ずしも表示用の光音響画像の画素値と同一である必要はない。光音響画像生成段階における何れの信号も、光音響画像の信号強度として用いることができる。具体的には、再構成後の光音響波の検出信号、検波後の光音響波の検出信号、及び対数変換後の光音響波の検出信号を、光音響画像の信号強度として用いてもよい。血流情報生成手段27は、血流情報と時間との関係を示すグラフを更に生成してもよい。また、血流情報生成手段27は、血流情報とプローブ11の接触圧との関係を示すグラフを更に生成してもよい。血流情報生成手段27は、例えばDSPで構成される。血流情報生成手段27の機能は、超音波ユニット12に含まれるプロセッサによるソフトウェア処理によって実現してもよい。
血流情報生成手段27は、生成した血流情報をディスプレイ装置などの画像表示手段14に出力する。血流情報生成手段27は、血流情報と時間との関係を示すグラフを画像表示手段14に出力してもよい。血流情報生成手段27は、光音響画像と関心領域とを画像表示手段14に表示させてもよい。
トリガ制御手段28は、超音波ユニット12内の各部を制御する。トリガ制御手段28は、例えば光音響画像を取得する場合は、光源13に光トリガ信号を送信し、光源13から測定光を出射させる。また、測定光の出射に合わせて、受信回路21にサンプリングトリガ信号を送信し、光音響波のサンプリング開始タイミングなどを制御する。光音響波を検出するエリアは複数のエリアに分割されていてもよい。その場合、被検体に対する光出射と光音響波の検出は、エリアごとに行う。トリガ制御手段28は、例えばFPGA(field-programmable gate array)などのPLD(programmable logic device)で構成される。
接触圧制御手段30は、圧力検出手段53(図1を参照)が検出した接触圧に基づいて移動機構52を駆動する。接触圧制御手段30は、移動機構52を駆動して、プローブ11の接触圧を変化させる。また、移動機構52を駆動して、プローブ11の接触圧を一定の圧力に保つ。接触圧制御手段30には例えばFPGAが用いられる。
計測は、以下の手順で行う。ステージ15上に被検体が載せられた後、接触圧制御手段30は、移動機構52を駆動してプローブ11を被検体に押し当てる。接触圧制御手段30は、例えば圧力検出手段53が検出する接触圧が収縮期血圧以上の圧力、例えば200mmHgとなるまでプローブ11を被検体に押し当てる方向に移動させる。被検部位の駆血後、トリガ制御手段28は、測定光の出射及び光音響波の検出を開始させる。駆血状態を一定の期間保ち、測定光の出射及び光音響波の検出を継続して行う。駆血状態を一定の期間継続した後、接触圧制御手段30は、移動機構52を駆動してプローブ11を被検体から離れる方向へ段階的に移動させる。接触圧の変化の前後を通じて、測定光の照射及び光音響波の検出を継続して行う。各時刻で検出した光音響波の検出信号に基づいて光音響画像を生成し、血流情報を生成する。例えば関心領域内の光音響画像の信号強度の平均値を血流情報として生成する。関心領域は1つでもよいし、複数あってもよい。関心領域が複数ある場合は、関心領域ごとに血流情報を生成する。
図3は、光音響波検出時の様子を示す。把持部51は例えばアームであり、プローブ11を把持する。移動機構52は、例えばボールねじとボールねじを回転させるモーターとを含む。圧力検出手段53は、例えば圧力センサであり、ボールねじにより移動する移動部分と把持部51との間に設けられる。圧力センサには、例えばひずみゲージ、ロードセル、ピエゾフィルムなど種々公知のものを用いることができる。圧力検出手段53は、把持部51において、プローブ11の被検体Hに対する接触圧を検出する。より詳細には、把持部51と移動機構52との接続部分において、プローブ11の被検体Hに対する接触圧を検出する。圧力検出手段53の検出信号は、超音波ユニット12に送信される。
図4は、光音響波検出の別例を示す。この例では、把持部51のリブRとアームとの間に、圧力検出手段53が設けられる。移動機構52によりプローブ11が被検体H方向へ移動されると、リブRがアームを押すことで、圧力検出手段53の検出信号が変化する。圧力検出手段53の位置は特に限定されず、プローブ11の被検体Hに対する接触圧を検出可能であれば、位置は問わない。
図5(a)〜(c)は、光音響画像と関心領域とを示す。関心領域ROI(Region Of Interest)は、被検体の深さ方向の内部に設定されている。特に波長755nmの光を測定光とした場合、光音響画像では、表層部分から発せられた光音響波が強く描画される。深さ方向の内部に関心領域が設定されていることで、例えば毛細血管などにおける血流が判別しやすくなる。
図5(a)は、駆血時の光音響画像を示す。駆血状態では、毛細血管の血流が止まることで、関心領域ROI内に光吸収体である血液が存在しなくなる。関心領域ROI内に存在する光吸収体が少ないため、関心領域ROIの輝度は低くなる。
図5(b)は、接触圧を低下させたときの光音響画像を示す。プローブ11の接触圧を段階的に低下させ、駆血状態から非駆血状態へと段階的に変化させた場合、毛細血管に血液が徐々に還流していき、関心領域内に存在する血液が徐々に増加する。関心領域ROI内の信号強度(輝度)は、駆血時に比べて上昇する。
図5(c)は、非駆血時の光音響画像を示す。非駆血状態とすると、毛細血管に血液が還流し、関心領域内に存在する血液の量は、駆血前と同レベルとなる。関心領域ROI内の信号強度(輝度)は更に上昇し、あるレベルで落ち着く。
図6は、関心領域ROI内の信号強度平均値の時間変化を示すグラフである。時刻t=0では非駆血状態とされており、その後駆血状態へ変化させられる。非駆血状態から駆血状態へと変化させられると、毛細血管の血流が止まることで、関心領域内に光吸収体である血液が存在しなくなる。従って、図6に示すグラフの通り、関心領域内の信号強度平均値(ROI信号値)は時間が経過するに連れて減少し、あるレベルの値に到達する。その後、接触圧を段階的に低下させていくと、ROI信号値は接触圧の低下に伴って増加していき、非駆血状態となった後に駆血前のレベルまで回復する。
ここで、被検体内で発生する光音響波の強度は、ヘモグロビン濃度と酸素飽和度とに依存して変化する。測定光として波長755nmの光を用いた場合は、血量が減少すると光音響波は弱くなり、血量が増加すると光音響波は強くなる。また、酸素飽和度が減少すると光音響波は強くなり、酸素飽和度が増加すると光音響波は弱くなる。非駆血状態から駆血状態にされると、血量と酸素飽和度とが減少する。一方、駆血状態から非駆血状態にされると、血量と酸素飽和度とが増加する。駆血状態時にROI信号値が減少するのは、血量の減少に伴う光音響波の検出信号の低下が、酸素飽和度の減少に伴う光音響波の検出信号の増加よりも大きいためであると考えられる。また、非駆血時にROI信号値が増加するのは、血量の増加に伴う光音響波の検出信号の増加が、酸素飽和度の増加に伴う光音響波の検出信号の低下よりも大きいためであると考えられる。
図7は、ROI信号値とプローブ11の接触圧との関係を示すグラフである。ROI信号値をプローブ11の接触圧に対してプロットすると、図7に示すグラフが得られる。このグラフを参照することで、血液が還流し始める接触圧、接触圧に対するROI信号値の傾き、血流が駆血状態とされる前のレベルに到達する接触圧などが分かり、被検体の還流の評価が可能である。
上記では、関心領域内の光音響画像の信号強度の平均値又は合計値(ROI信号値)を血流情報とする例について説明したが、血流情報はこれには限定されない。ROI信号値そのものを血流情報とするのに代えて、ROI信号値をルックアップテーブルや関数などを用いてスコア値に変換したものを血流情報としてもよい。
また、血流情報生成手段27は、一定の期間内におけるROI信号値の最小値と最大値との差に基づくスコア値を血流情報として生成してもよい。あるいは、血流情報生成手段27は、駆血状態におけるROI信号値と、非駆血状態におけるROI信号値との差に基づくスコア値を血流情報として生成してもよい。あるいは、血流情報生成手段27は、駆血状態から非駆血状態へと変化させたときのROI信号値の時間変化率に基づくスコア値を血流情報として生成してもよい。時間変化率は、例えばROI信号値を時間で微分することで計算することができる。
更には、血流情報生成手段27は、駆血状態から非駆血状態へと変化させたときの、基準となる時刻からROI信号値が一定のレベルに到達する時刻までの間の時間に基づくスコア値を血流情報として生成してもよい。または、血流情報生成手段27は、駆血状態から非駆血状態へと変化させたときに、基準となる時刻から一定の時間経過した時刻のROI信号値に基づくスコア値を血流情報として生成してもよい。基準となる時刻は、例えば駆血状態から非駆血状態へと変化させた時刻としてもよい。あるいは、プローブ11の接触圧を段階的に変化させ始めた時刻を基準となる時刻としてもよい。これら血流情報を用いることにより、還流による血液の増加の程度やその速度を評価することができる。
ここで、ROI信号値は光音響波の検出信号の信号強度に依存するため、血流の多い(信号強度の強い)比較的太い血管などの影響が強い。組織を栄養する細かい血管の血液還流状態を評価するには、信号強度に依存しない量、例えば2値化量で評価することが好ましい。2値化は、下側しきい値から上側しきい値までの範囲内のものと、範囲外のものとを区別するように行うことが好ましい。例えば、血流情報生成手段27は、例えば光音響画像の信号強度が第1のしきい値(下側しきい値に対応)以上でかつそれより大きな第2のしきい値(上側しきい値に対応)以下のときを第1の値(例えば信号値1)とし、光音響画像の信号強度が第1のしきい値未満又は第2のしきい値よりも大きなときを第2の値(例えば信号値0)とすることによって光音響画像の信号強度を2値化し、2値化された光音響画像の信号強度に基づいて血流情報を生成してもよい。より詳細には、血流情報生成手段27は、関心領域内の2値化値を加算し、関心領域の面積で規格化した値を血流情報として生成してもよい。
本実施形態では、駆血状態と非駆血状態のそれぞれにおいて光出射及び光音響波の検出を行って光音響画像を生成し、関心領域内の光音響画像の信号強度に基づいて血流情報を生成する。このようにすることで、光音響画像を用いて所望の領域における血流情報を生成することができる。特に、関心領域を被検体の深さ方向の内部に設定することで、被検体表面のアーチファクト等に惑わされずに、深部や細かな血管の還流を評価するための血流情報を生成することができる。更に、本実施形態では、プローブ11により被検体の駆血を行う。従って、別途駆血帯を用いることなく還流状態の評価が可能である。また、接触圧に対して血流情報をプロットすることで、接触圧の変化に伴う血流情報の変化を評価することができる。
なお、上記では、主に波長755nmの光を測定光とする例について説明したが、測定光の波長はこれには限定されない。例えば波長1064nmや800nmの光を測定光として用いることも可能である。
測定光の波長は1つには限定されず、複数の波長の測定光を用いてもよい。前述のように、被検体内で発生する光音響波の強度はヘモグロビン濃度と酸素飽和度とに依存して変化し、その変化の仕方は測定光の波長に応じて異なる。例えば測定光の波長が755nmの場合、動脈と静脈のうち、酸素飽和度が低い静脈からより強い光音響波が発生し、測定光の波長が1064nmの場合は、酸素飽和度が高い動脈からより強い光音響波が発生する。別の言い方をすれば、測定光の波長が755nmの場合は、酸素飽和度が低いときに光音響波の検出信号は増加し、測定光の波長が1064nmの場合は、酸素飽和度が高いときに光音響波の検出信号は増加する。測定光の波長が800nmの場合は、発生する光音響波は酸素飽和度によってほとんど変化しない。測定光として、波長755nmの光と波長1064nmの光を用いて光音響波の検出を行い、光音響波の検出信号の波長依存性を調べることで、血流と酸素飽和度とを分離することができる。波長の組み合わせは上記したものには限定されず、例えば波長755nmの光と波長800nmの光とを測定光としてもよい。このように、複数波長の測定光を用いることで血流と酸素飽和度とを分離することができ、血流情報生成手段27は、血流に関連した血流情報に代えて又はこれに加えて、酸素飽和度に関連した血流情報を生成することができる。
続いて、本発明の第2実施形態を説明する。本発明の第3実施形態の光音響計測システムの構成は、図1及び図2に示す第1実施形態の光音響計測システム10の構成と同様である。本実施形態では、血流情報生成手段27は、更に、血流情報に基づいて血流情報画像を生成する。その他の点は、第1実施形態と同様でよい。
本実施形態では、光音響画像内に複数の関心領域が設定される。例えば、光音響画像において、外枠を示す領域の内部に複数の関心領域が格子状に設定される。血流情報生成手段27は、複数の関心領域のそれぞれについて血流情報を生成する。血流情報生成手段27が生成する血流情報画像は、各関心領域にその関心領域の血流情報を表示する空間マップ画像である。血流情報画像において、各関心領域は血流情報に応じた輝度で表示される。
図8は、光音響画像内に格子状に設定された複数の関心領域を示す。関心領域ROIは、光音響画像において、外枠を示す領域の内部に格子状に設定される。このように関心領域ROIが格子状に設定されることで、血液の還流状態を、画像の幅方向及び深さ方向に評価することが可能となる。
血流情報生成手段27は、格子状の関心領域ROIのそれぞれについて、例えば一定期間内のROI信号値の最大値と最小値との差を血流情報として生成する。例えば関心領域ROI内の光音響画像の信号強度の合計値を求め、その合計値を関心領域ROIの面積で規格化することにより、ROI信号値を計算する。関心領域ROI内の光音響画像の信号強度の合計値を計算する際は、光音響画像の信号強度を2値化するとよい。血流画像を参照することで、被検体内の各部分において、血液の還流の量を評価することが可能となる。
血流情報生成手段27は、例えば時系列に沿って血流情報画像を生成する。その場合、血流情報生成手段27は、第1の時刻における血流情報が第1の時刻よりも以前である第2の時刻における血流情報よりも大きい場合と、第1の時刻における血流情報が第2の時刻における血流情報よりも小さい場合とで、血流情報画像における各関心領域の表示色を異なる表示色としてもよい。第1の時刻の1つの例としては例えば現時刻であり、より詳細な例としては、血流情報画像が画面に表示されている(現在の)時刻であるが、これに限定されない。例えば血流が増加傾向にあり、第1の時刻の血流情報が第2の時刻の血流情報よりも大きくなっている部分については表示色を赤色とし、血流が減少傾向にあり、第1の時刻の血流情報が第2の時刻の血流情報よりも小さくなっている部分について表示色を青色にしてもよい。その場合、血流画像を参照することで、どの部分において血液が増え、どの部分において血液が減少したかがわかりやすくなる。
本実施形態では、血流情報に基づいて血流情報画像を生成する。血流情報を画像化することで、血流情報の空間的な分布を把握しやすくなる。特に、複数の関心領域ROIを比較する場合、光音響画像の関心領域ROIの位置に対応してその関心領域ROIの血流情報をマップ表示することにより、全体の中の局所の挙動を比べやすくなる。その他の効果は第1実施形態と同様である。
続いて、本発明の第3実施形態を説明する。図9は、本発明の第3実施形態の光音響計測システムで用いられるプローブ11を示す。本実施形態では、プローブ11が圧力検出手段53を有する。その他の点は第1実施形態又は第2実施形態と同様でよい。
プローブ11は、検出器素子61と光出射部62と圧力検出手段53とを含む。検出器素子61、光出射部62、及び圧力検出手段53は、支持部材67によって固定される。検出器素子61は、例えば圧電セラミクス、又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような高分子フィルムから構成された圧電素子である。検出器素子61の検出信号は、信号配線63を通じて超音波ユニット12(図1及び図2を参照)に送信される。光出射部62は、導光板の光出射側の端面により構成される。光源13(図1及び図2を参照)から出射した測定光は、光ファイバ64などの光配線によってプローブ11まで導光され、導光板の光出射側の端面(光出射部)から被検体に向けて出射される。
圧力検出手段53は、検出器素子61と光出射部62との間に配置される。圧力検出手段53は、例えば図9に示すように、プローブ11の被検体に接触する側の表面よりも奥側の位置に配置されている。圧力検出手段53は、超音波ゼリーや水などを介して被検体と接触するカバー66によって覆われていることが好ましい。圧力検出手段53の検出信号は、センサ信号線65を通じて超音波ユニット12に送信される。
図10は、プローブ11の被検体に接触する側の面を示す外観図である。支持部材67の表面にカバー66が設けられ、そのカバー66の奥に圧力検出手段53が設けられる。圧力検出手段53の長手方向の長さは、検出器素子61及び光出射部62の長手方向の長さとほぼ等しい。プローブ11が被検体に押し当てられると、圧力検出手段53はカバー66を介して接触圧を検出する。
図11は、プローブ11の被検体に接触する側の面の別例を示す外観図である。この例では、圧力検出手段53は検出器素子61を取り囲むようにプローブに設けられる。この例が示すように、圧力検出手段53は、その全てが検出器素子61と光出射部62との間に配置されている必要はなく、少なくとも一部が検出器素子61と光出射部62との間に配置されていればよい。
本実施形態では、プローブ11が圧力検出手段53を有する。この場合は、ステージ15(図1を参照)に圧力検出手段53を設ける必要がない。圧力検出手段53がプローブ11に内蔵されているため、例えば人手によりプローブ11を被検体に押し当てて計測することも可能となる。
引き続き、本発明の第4実施形態を説明する。図12は、本発明の第4実施形態の光音響計測システムを示す。本実施形態の光音響計測システム10は、超音波ユニット12がデータ分岐手段24、超音波画像生成手段26、送信制御回路29、及び関心領域追跡手段31を更に有する点で、図2に示す第1実施形態の光音響計測システム10と相違する。その他の点は、第1実施形態から第3実施形態と同様でよい。なお、本発明の実施形態では、音響波として超音波を用いるが、超音波に限定されるものでは無く、被検対象や測定条件等に応じて適切な周波数を選択してさえいれば、可聴周波数の音響波を用いても良い。
本実施形態では、プローブ11は、光音響波の検出に加えて、被検体に対する音響波(超音波)の送信、及び送信した超音波に対する反射音響波(反射超音波)の受信を行う。音波の送受信は分離した位置で行ってもよい。例えばプローブ11とは異なる位置から超音波の送信を行い、その送信された超音波に対する反射超音波をプローブ11で受信してもよい。
プローブ11は、光音響波の検出信号と反射超音波の検出信号とを出力し、受信メモリ23には、AD変換された光音響波及び反射超音波の検出信号(サンプリングデータ)が格納される。データ分岐手段24は例えば切替えスイッチであり、受信メモリ23から読み出された光音響波の検出信号のサンプリングデータを光音響画像生成手段25に送信する。また、受信メモリ23から読み出された反射超音波のサンプリングデータを超音波画像生成手段26に送信する。超音波画像生成手段(反射音響波画像生成手段)26は、プローブ11で検出された反射超音波の検出信号に基づいて超音波画像(反射音響波画像)を生成する。超音波画像の生成も、位相整合加算などの画像再構成や、検波、対数変換などを含む。生成された超音波画像を画像表示手段14に表示してもよい。
トリガ制御手段28は、超音波画像を取得する場合は、送信制御回路29に超音波送信を指示する旨の超音波送信トリガ信号を送信する。送信制御回路29は、超音波送信トリガ信号を受けると、プローブ11から超音波を送信させる。プローブ11は、例えば音響ラインを一ラインずつずらしながら走査して反射超音波の検出を行う。トリガ制御手段28は、超音波送信のタイミングに合わせて受信回路21にサンプリングトリガ信号を送信し、反射超音波のサンプリングを開始させる。光音響画像の取得と超音波画像の取得とは、同期して行ってもよい。
ここで、被検体は体動などにより位置が変動するため、光音響画像の関心領域の位置は、フレーム間で変動することがある。フレーム間の位置ずれの補正に、超音波画像を用いる。関心領域追跡手段31は、超音波画像を用いて関心領域の位置を追跡する。特に、関心領域追跡手段31は、複数の連続的な超音波画像(複数の連続的なフレーム)を用いて関心領域の位置を追跡する。関心領域追跡手段31は、例えばフレーム間のテンプレートマッチングなどの手法により、フレーム間での画像の動きを検出する。関心領域追跡手段31は、検出したフレーム間の画像の動きの分だけ関心領域の位置を移動させ、移動させた関心領域の位置を血流情報生成手段27に通知する。血流情報生成手段27は、通知された関心領域の位置を用いて血流情報を生成する。なお、血流情報の生成では、関心領域が体外の領域を含まないことが好ましい。光音響画像と同期して生成された超音波画像内における関心領域において皮膚境界を検出し、皮膚境界よりも被検体の内部方向の部分を関心領域の面積とすることが好ましい。
本実施形態では、超音波画像生成手段26により超音波画像を生成する。この超音波画像を用いることで、フレーム間の画像の動きを検出することができ、フレーム間で関心領域を追跡することができる。この場合、体動などによって位置ずれが生じたときでも、被検体内の同じ部分の血流情報を生成することができ、生成される血流情報の精度を上げることができる。その他の効果は、第1実施形態から第3実施形態と同様である。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の光音響計測装置及び光音響計測システムは、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
10:光音響計測システム
11:プローブ
12:超音波ユニット
13:光源
14:画像表示手段
15:ステージ
21:受信回路
23:受信メモリ
24:データ分岐手段
25:光音響画像生成手段
26:超音波画像生成手段
27:血流情報生成手段
28:トリガ制御手段
29:送信制御回路
30:接触圧制御手段
31:関心領域追跡手段
51:把持部
52:移動機構
53:圧力検出手段
61:検出器素子
62:光出射部
63:信号配線
64:光ファイバ
65:センサ信号線
66:カバー
67:支持部材

Claims (23)

  1. 被検体に出射された測定光により該被検体内で生じた光音響波を検出するプローブと、
    前記プローブの前記被検体に対する接触圧を検出する圧力検出手段と、
    前記プローブが検出した前記光音響波の検出信号に基づいて光音響画像を生成する光音響画像生成手段と、
    前記光音響画像内に設定された関心領域内の前記光音響画像の信号強度に基づいて血流情報を生成する血流情報生成手段とを備え、
    少なくとも、前記プローブにより前記被検体が駆血された状態にある駆血状態と、前記被検体が駆血されていない状態にある非駆血状態とのそれぞれにて、前記プローブが前記光音響波を検出する光音響計測装置。
  2. 前記プローブを把持する把持部と、
    前記把持部を介して前記プローブを前記被検体に押し当てる方向及び前記被検体から離れる方向に移動させる移動機構とを更に有する請求項1に記載の光音響計測装置。
  3. 前記圧力検出手段が検出した接触圧に基づいて前記移動機構を駆動する接触圧制御手段を更に有する請求項2に記載の光音響計測装置。
  4. 前記圧力検出手段は、前記把持部において前記接触圧を検出する請求項2又は3に記載の光音響計測装置。
  5. 前記圧力検出手段は、前記プローブに設けられる請求項1から3何れか1項に記載の光音響計測装置。
  6. 前記プローブは、前記光音響波を検出する検出器素子と前記測定光を出射する光出射部とを含み、
    前記圧力検出手段は、少なくとも一部が前記検出器素子と光出射部との間に設けられる請求項5に記載の光音響計測装置。
  7. 前記圧力検出手段は、前記検出器素子を取り囲む請求項5又は6に記載の光音響計測装置。
  8. 前記圧力検出手段は、前記被検体に接触するカバーによって覆われる請求項5から7何れか1項に記載の光音響計測装置。
  9. 前記血流情報生成手段は、前記信号強度が第1のしきい値以上でかつ該第1のしきい値よりも大きな第2のしきい値以下のときを第1の値とし、前記信号強度が第1のしきい値未満又は第2のしきい値よりも大きなときを前記第1の値とは異なる第2の値とすることによって前記信号強度を2値化し、該2値化された信号強度に基づいて前記血流情報を生成する請求項1から8何れか1項に記載の光音響計測装置。
  10. 前記プローブは、前記被検体に送信された音響波に対する反射音響波を更に検出し、
    前記プローブが検出した前記反射音響波の検出信号に基づいて反射音響波画像を生成する反射音響波画像生成手段と、
    前記反射音響波画像を用いて前記関心領域の位置を追跡する関心領域追跡手段とを更に有する請求項1から9何れか1項に記載の光音響計測装置。
  11. 前記血流情報生成手段は、前記関心領域内の前記信号強度の合計値又は平均値を血流情報として生成する請求項1から10何れか1項に記載の光音響計測装置。
  12. 前記血流情報生成手段は、前記血流情報と前記接触圧との関係を示すグラフを更に生成する請求項11に記載の光音響計測装置。
  13. 前記血流情報生成手段は、前記関心領域内の前記信号強度の合計値又は平均値を算出し、一定の期間内における該合計値又は平均値の最小値と最大値との差に基づくスコア値を前記血流情報として生成する請求項1から10何れか1項に記載の光音響計測装置。
  14. 前記血流情報生成手段は、前記駆血状態における前記関心領域内の前記信号強度の合計値又は平均値と、前記非駆血状態における前記関心領域内の前記信号強度の合計値又は平均値との差に基づくスコア値を前記血流情報として生成する請求項1から10何れか1項に記載の光音響計測装置。
  15. 前記被検体が前記プローブにより前記駆血状態から前記非駆血状態へと変化させられた場合において、前記血流情報生成手段は、前記関心領域内の前記信号強度の合計値又は平均値の時間変化率に基づくスコア値を前記血流情報として生成する請求項1から10何れか1項に記載の光音響計測装置。
  16. 前記被検体が前記プローブにより前記駆血状態から前記非駆血状態へと変化させられた場合において、前記血流情報生成手段は、基準となる時刻から一定の時間経過後の前記関心領域内の前記信号強度の合計値又は平均値に基づくスコア値を前記血流情報として生成する請求項1から10何れか1項に記載の光音響計測装置。
  17. 前記被検体が前記プローブにより前記駆血状態から前記非駆血状態へと変化させられた場合において、前記血流情報生成手段は、基準となる時刻から、前記関心領域内の前記信号強度の合計値又は平均値が一定のレベルに到達する時刻までの間の時間に基づくスコア値を前記血流情報として生成する請求項1から10何れか1項に記載の光音響計測装置。
  18. 前記血流情報生成手段は、前記血流情報に基づいて血流情報画像を更に生成する請求項1から17何れか1項に記載の光音響計測装置。
  19. 前記関心領域が複数設定された場合において、該複数の関心領域のそれぞれについて前記血流情報が生成され、前記血流情報画像は、各関心領域に当該関心領域の血流情報を表示する空間マップ画像である請求項18に記載の光音響計測装置。
  20. 前記血流情報画像において、各関心領域は前記血流情報に応じた輝度で表示される請求項19に記載の光音響計測装置。
  21. 前記血流情報生成手段は、第1の時刻における血流情報が該第1の時刻以前である第2の時刻における血流情報よりも大きい場合と、前記第1の時刻における血流情報が前記第2の時刻における血流情報よりも小さい場合とで、前記血流情報画像における各関心領域の表示色を異なる表示色とする請求項19又は20に記載の光音響計測装置。
  22. 前記関心領域が複数かつ格子状に設定されている請求項1から21何れか1項に記載の光音響計測装置。
  23. 測定光を出射する光源と、
    被検体に対する前記測定光の出射後に被検体内で生じた光音響波を検出するプローブと、
    前記プローブの前記被検体に対する接触圧を検出する圧力検出手段と、
    前記プローブが検出した光音響波の検出信号に基づいて光音響画像を生成する光音響画像生成手段と、
    前記光音響画像内に設定された関心領域内の前記光音響画像の信号強度に基づいて血流情報を生成する血流情報生成手段とを備え、
    少なくとも、前記プローブにより前記被検体が駆血された状態にある駆血状態と、前記被検体が駆血されていない状態にある非駆血状態とのそれぞれにて、前記プローブが前記光音響波を検出する光音響計測システム。
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