JPWO2016103464A1 - 障害物検知装置及び障害物検知方法 - Google Patents

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Abstract

障害物検知装置(300)は、距離センサ(21〜24)の中の送信用の距離センサが送信した探索波が障害物で反射して受信用の距離センサに伝搬するまでの伝搬距離を用いて、探索波が反射した位置の候補を示す障害物候補点を算出する候補点算出部(35)と、候補点算出部(35)が算出した複数の障害物候補点を距離センサ(21〜24)の探索エリアを含む2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価することで、障害物が存在する障害物存在領域を推定するマップ処理部(36)とを備える。

Description

本発明は、移動体に設けられた距離センサを用いて移動体の周辺に存在する障害物を検知する障害物検知装置及び障害物検知方法に関する。
従来、車両などの移動体に取り付けられた超音波センサなどの距離センサを用いて、移動体の周辺に存在する障害物を検知する障害物検知装置が開発されている。従来の障害物検知装置は、一般に、複数個の距離センサで送受信した探索波の伝搬距離を用いて、移動体に対する障害物の位置を推定している。
また、特許文献1の物体認識装置は、自車両の周辺エリアに対して物体が存在するか否かの信頼度を示す物体存在信頼度を設定し、発信したレーザ光が反射した反射地点間のエリアにおける物体存在信頼度に基いて反射地点をグルーピングしている。これにより、例えば2つの物体が近接していても、一方の物体の反射地点と他方の物体の反射地点との間のエリアにおける物体存在信頼度が低い場合に、2つの物体のグループを別々のグループとしてグルーピングすることができるようになり、複数の物体を単一の物体と誤認識することを避けている。
国際公開第2012/133457号
従来の障害物検知装置は、個々の距離センサによる伝搬距離の測定誤差などがある場合、算出した探索波の反射位置の候補点にずれが生じる。この候補点のずれにより、推定した障害物の位置が実際の障害物の位置からずれていたり、実際には存在しない障害物の位置を推定したりする場合があるため、障害物の位置を推定する精度が低い課題があった。
特許文献1の物体認識装置は、複数の物体を単一の物体と誤認識することを避けているものの、個々の距離センサによる伝搬距離の測定誤差などについては考慮していない。このため、従来の障害物検知装置と同様に、推定した物体の位置が実際の物体の位置からずれていたり、実際には存在しない物体の位置を推定したりする場合があり、物体の位置を推定する精度が低い課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、移動体に対する障害物の位置を高い精度で推定することができる障害物検知装置及び障害物検知方法を提供することを目的とする。
本発明の障害物検知装置は、移動体に設けられた複数個の距離センサを用いて、移動体の外部に存在する障害物を検知する障害物検知装置であって、送信用の距離センサが送信した探索波が障害物で反射して受信用の距離センサに伝搬するまでの伝搬距離を用いて、探索波が反射した位置の候補を示す障害物候補点を算出する候補点算出部と、候補点算出部が算出した複数の障害物候補点を距離センサの探索エリアを含む2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価することで、障害物が存在する障害物存在領域を推定するマップ処理部と、を備えるものである。
本発明によれば、複数の障害物候補点を2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価することで障害物存在領域を推定するので、個々の距離センサによる伝搬距離の測定誤差などの影響を低減して、移動体に対する障害物の位置を高い精度で推定することができる。
本発明の実施の形態1に係る障害物検出装置が搭載されるコーナセンサシステムの要部のハードウェア構成図である。 本発明の実施の形態1に係る障害物検知装置を含むECUの要部の機能ブロック図である。 2次元マップ上の障害物候補点の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る障害物検知装置を含むECUの要部のハードウェア構成図である。 本発明の実施の形態1に係る障害物検知装置の動作を示すフローチャートである。 図6(a)は、車両の周辺にある障害物の一例を示す説明図である。図6(b)は、障害物候補点の度数分布及び度数を区間積分した値の分布の一例を示す特性図である。 図7(a)は、車両の周辺にある障害物の他の例を示す説明図である。図7(b)は、障害物候補点の度数分布及び度数を区間積分した値の分布の他の例を示す特性図である。 図8(a)は、車両の周辺にある障害物の他の例を示す説明図である。図8(b)は、障害物候補点の度数分布及び度数を区間積分した値の分布の他の例を示す特性図である。 本発明の実施の形態2に係る障害物検知装置を含むECUの要部の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る障害物検知装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3に係る障害物検知装置を含むECUの要部の機能ブロック図である。 図12(a)は、1個の障害物で反射した超音波の伝搬距離を示す説明図である。図12(b)は、複数個の障害物で反射した超音波の伝搬距離を示す説明図である。 本発明の実施の形態3に係る障害物検知装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態4に係る障害物検知装置を含むECUの要部の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態5に係る障害物検知装置を含むECUの要部の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態6に係る障害物検知装置を含むECUの要部の機能ブロック図である。 距離センサの探索エリアに対する虚像の位置の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態7に係る障害物検知装置を含むECUの要部の機能ブロック図である。 実際の障害物に対応していない障害物存在領域の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態7に係る障害物検知装置の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る他の障害物検知装置を含むECUの要部の機能ブロック図である。 本発明に係る他の障害物検知装置の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る他の障害物検知装置を含むECUの要部の機能ブロック図である。 本発明に係る他の障害物検知装置の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る他の障害物検知装置を含むECUの要部の機能ブロック図である。 本発明に係る他の障害物検知装置の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る他の障害物検知装置を含むECUの要部の機能ブロック図である。 本発明に係る他の障害物検知装置の動作を示すフローチャートである。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る障害物検知装置が搭載されるコーナセンサシステム100の要部のハードウェア構成図である。
車両1のリアバンパに4個の距離センサ2〜2が取り付けられている。距離センサ2〜2は、例えば、超音波センサ、電波センサ、LIDAR(Light Detection and Ranging)又はレーザレンジファインダなどで構成されている。距離センサ2〜2は、超音波、電波又はレーザ光などの探索波を送信するとともに、車両1の外部にある障害物で反射した探索波を受信するものである。
距離センサ2〜2は、ハーネスなどにより、車両1に搭載されたECU(Electronic Control Unit)3の信号入出力端子と電気的に接続されている。距離センサ2〜2及びECU3により、コーナセンサシステム100が構成されている。
なお、コーナセンサシステム100を搭載する移動体は車両1に限定されるものではなく、車両、鉄道、船舶又は航空機を含む如何なる移動体であっても良い。また、車両1のリアバンパに代えて又は加えて、フロントバンパに距離センサを取り付けたものとしても良い。また、各バンパに取り付ける距離センサの個数は2個以上であればよく、4個に限定されるものではない。以下、図1に示す如く車両1のリアバンパに4個の距離センサ2〜2を取り付け、距離センサ2〜2を超音波センサで構成した例について説明する。
図2は、図1に示すECU3の要部の機能ブロック図である。
送信制御部30は、送信部31にパルス状の信号を出力させるものである。送信部31の出力信号は、マルチプレクサ32を介して4個の距離センサ2〜2の中の少なくとも1個の距離センサ(以下「送信センサ」という)に出力される。これにより、送信センサが超音波を送信する。
受信部33〜33は、マルチプレクサ32を介して、距離センサ2〜2とそれぞれ1対1に接続されている。受信部33〜33には、距離センサ2〜2で受信した超音波に対応する信号がそれぞれ入力される。
距離測定部34は、送信制御部30が送信部31に信号を出力させたタイミングと、それぞれの受信部33〜33に信号が入力されたタイミングとを監視するものである。距離測定部34は、送信制御部30が送信部31に信号を出力させた時刻(以下「送信時刻」という)と、4個の距離センサ2〜2のうち少なくとも1個の距離センサ(以下「受信センサ」という)に対応する受信部に信号が入力された時刻(以下「受信時刻」という)との時間差を算出する。
送信時刻と受信時刻との時間差は、送信センサから送信された超音波が、車両1の外部にある障害物で反射して、各々の受信センサに到達するまでの伝搬時間に対応している。距離測定部34は、この伝搬時間に音速の値を乗ずることで、送信センサから各々の受信センサまでの超音波の伝搬距離を算出する。
候補点算出部35は、距離測定部34で算出した伝搬距離の値を用いて、超音波が反射した位置の候補を示す障害物候補点を算出するものである。
例えば、4個の距離センサ2〜2のうちの1個の送信センサ2と、送信センサ2以外の2個の受信センサ2,2とを用いて、距離測定部34が、送信センサ2から一方の受信センサ2までの第1伝搬距離と、送信センサ2から他方の受信センサ2までの第2伝搬距離とを算出したものとする。この場合、候補点算出部35は、車両1に対する送信センサ2の取付位置を第1焦点とし、車両1に対する一方の受信センサ2の取付位置を第2焦点とし、第1焦点までの距離と第2焦点までの距離との和が第1伝搬距離となる点の集合である第1楕円を求める。また、候補点算出部35は、車両1に対する送信センサ2の取付位置を第1焦点とし、車両1に対する他方の受信センサ2の取付位置を第2焦点とし、第1焦点までの距離と第2焦点までの距離との和が第2伝搬距離となる点の集合である第2楕円を求める。候補点算出部35は、第1楕円と第2楕円との交点を障害物候補点として算出する。
あるいは、4個の距離センサ2〜2のうちの1個の送信センサ2と、送信センサ2を含む2個の受信センサ2,2とを用いて、距離測定部34が、送信センサ2から一方の受信センサ2までの第1伝搬距離と、送信センサ2から他方の受信センサ2までの第2伝搬距離とを算出したものとする。この場合、候補点算出部35は、車両1に対する距離センサ2の取付位置を中心とし、半径が第1伝搬距離の半分である円を求める。また、候補点算出部35は、車両1に対する送信センサ2の取付位置を第1焦点とし、車両1に対する受信センサ2の取付位置を第2焦点とし、第1焦点までの距離と第2焦点までの距離との和が第2伝搬距離となる点の集合である楕円を求める。候補点算出部35は、円と楕円との交点を障害物候補点として算出する。
あるいは、4個の距離センサ2〜2のうちの2個の距離センサ2,2を送受信用の距離センサとして、距離測定部34が、一方の距離センサ2からこの距離センサ2までの超音波の第1伝搬距離と、他方の距離センサ2からこの距離センサ2までの超音波の第2伝搬距離とを算出したものとする。この場合、候補点算出部35は、車両1に対する距離センサ2の取付位置を中心とし、半径が第1伝搬距離の半分である第1円を求める。また、候補点算出部35は、車両1に対する距離センサ2の取付位置を中心とし、半径が第2伝搬距離の半分である第2円を求める。候補点算出部35は、第1円と第2円との交点を障害物候補点として算出する。
なお、4個の距離センサ2〜2のうち、送信センサに用いる距離センサと受信センサに用いる距離センサとの組み合わせは上記3つの例に限定されるものではなく、如何なる組み合わせであっても良い。
候補点算出部35は、送信制御部30が送信部31に信号を出力させるタイミングを制御するとともに、マルチプレクサ32内における送信部31と信号入出力端子との接続を切替制御することで、4個の距離センサ2〜2のうち送信センサに用いる距離センサを切替えながら超音波を複数回送信させるようになっている。これにより、候補点算出部35は、送信制御部30及びマルチプレクサ32を制御することで送信センサと受信センサの組み合わせを切替えながら、各々の組み合わせで測定した伝搬距離を用いて障害物候補点を算出する処理(以下「候補点算出処理」という)を複数回実行するようになっている。
マップ処理部36は、候補点算出部35が算出した複数の障害物候補点を2次元マップ上にマッピングするものである。この2次元マップは、車両1の前後方向に沿うX軸と、車両1の左右方向に沿うY軸との2軸によって定義されるマップであり、少なくとも距離センサ2〜2の探索エリアを含むマップである。マップ処理部36は、2次元マップ上にマッピングした障害物候補点の度数分布を評価することで、障害物が存在する領域を示す障害物存在領域を推定するものである。候補点算出部35及びマップ処理部36により、障害物検知装置300が構成されている。
ここで、マップ処理部36による度数分布の評価は、例えば、2次元マップをX軸及びY軸に沿ってメッシュ状に分割した各領域における度数を求め、この度数の分布を評価する。この場合、メッシュの網目を細かくして個々の領域のサイズを小さくするほど、障害物の位置推定の精度を高くすることができる。また、マップ処理部36が度数分布を評価して障害物存在領域を推定することで、個々の距離センサによる伝搬距離の測定誤差などの影響を低減して、車両1に対する障害物の位置を高い精度で推定することができる。
しかしながら、メッシュの網目を細かくするほど度数を求める領域の個数が増えるため、度数分布の評価にかかる処理時間が増大する。例えば、メッシュの1辺当たりの長さを半分にした場合、各軸方向の位置推定の精度は2倍になるものの、2次元マップに含まれる領域の個数が4倍になり、度数分布の評価にかかる処理時間も4倍になる。
障害物検知装置300を含むECU3は、一般に、コーナセンサシステム100を安価に実現する観点から処理能力の低い処理回路が搭載されている。このため、メッシュの網目を細かくして障害物の位置推定の精度を高くするのは困難である。
そこで、マップ処理部36は、障害物候補点の度数分布を評価する際、X軸に沿う度数分布の評価とY軸に沿う度数分布の評価とを別個に実行することで、度数分布の評価にかかる処理時間を大幅に低減し、メッシュの網目を細かくした場合であっても処理時間の増大を抑制するように構成しても良い。以下、図3を参照して、かかるマップ処理部36の詳細な動作について説明する。
図3は、2次元マップ上の障害物候補点の一例を示している。図3において、2次元マップの大きさは400cm×400cmであり、2次元マップ上の1個の丸印が1個の障害物候補点を表している
まず、マップ処理部36は、2次元マップをX軸に沿って10cm間隔に分割した各区間における障害物候補点の度数を求める。マップ処理部36は、X軸上の度数分布が相対的に高い区間(例えば、度数が第1閾値よりも高い区間)を抽出する。図3において第1閾値が1個に設定されている場合、X座標が90cm〜120cmの区間と、190cm〜210cmの区間とが抽出される。
次いで、マップ処理部36は、2次元マップをY軸に沿って10cm間隔に分割した各区間における障害物候補点の度数を求める。マップ処理部36は、Y軸上の度数分布が相対的に高い区間(例えば、度数が第1閾値よりも高い区間)を抽出する。図3において第1閾値が1個に設定されている場合、Y座標が−70cm〜−30cmの区間と、80cm〜110cmの区間とが抽出される。
なお、第1閾値の値は、2次元マップをX軸又はY軸に沿って分割した各区間の幅などに応じて予め設定された値である。第1閾値の値は1に限定されるものではなく、1より大きい値であっても良い。
次いで、マップ処理部36は、X軸上の度数分布が相対的に高い区間とY軸上の度数分布が相対的に高い区間とが交差する領域が、障害物存在領域であると推定する。
図3の例では、マップ処理部36は、X軸上の度数が第1閾値よりも高い区間とY軸上の度数が第1閾値よりも高い区間とが交差する領域が、障害物存在領域であると推定する。すなわち、マップ処理部36は、X座標が90cm〜120cmでY座標が−70cm〜−30cmの範囲内にある領域が障害物存在領域Aであると推定する。同様に、マップ処理部36は、X座標が90cm〜120cmでY座標が80cm〜110cmの範囲内にある領域が障害物存在領域Bであると推定する。マップ処理部36は、X座標が190cm〜210cmでY座標が−70cm〜−30cmの範囲内である領域が障害物存在領域Cであると推定する。マップ処理部36は、X座標が190cm〜210cmでY座標が80cm〜110cmの範囲内にある領域が障害物存在領域Dであると推定する。
400cm×400cmの2次元マップを10cm四方のメッシュ状に分割した各領域の度数分布を評価する場合、マップ処理部36は、40×40=1600個の領域の度数を求めて度数分布を評価する必要がある。一方、X軸に沿う10cm区間の度数分布とY軸に沿う10cm区間の度数分布とを別個に評価する場合、40+40=80個の区間の度数を求めて度数分布を評価すればよい。これにより、度数分布の評価にかかる処理時間を大幅に短縮することができる。
なお、図3の例でマップ処理部36が推定した4個の障害物存在領域A〜Dには、ノイズ的に発生した1個の障害物候補点のみを含む障害物存在領域Aと、障害物候補点を含まない障害物存在領域Dとが含まれている。そこで、マップ処理部36は、推定した障害物存在領域A〜Dに含まれる障害物候補点の個数を第2閾値と比較して、障害物候補点の個数が第2閾値未満の障害物存在領域を除外するものとしても良い。例えば、図3において第2閾値が2個に設定されている場合、マップ処理部36は、4個の障害物存在領域A〜Dのうち2個の障害物存在領域A,Dを除外する。
なお、第2閾値は予め設定された値であり、第1閾値と同じ値であっても良く、異なる値であっても良い。
図4は、ECU3の要部のハードウェア構成図である。
図2に示す送信部31、マルチプレクサ32及び受信部33〜33は、例えば、送受信装置50により構成される。送受信装置50は、送信部31を構成する送信回路と、マルチプレクサ32を構成する信号切替回路と、受信部33〜33を構成する受信回路とを有している。
図2に示す送信制御部30、距離測定部34、候補点算出部35及びマップ処理部36の機能は、例えば、記憶装置51に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)又は専用のシステムLSI(Large Scale Integration)などの処理回路52により実現される。なお、複数個の処理回路が連携して上記機能を実現するものとしても良く、このうち一部の処理回路はECU3外の装置に設けられたものであっても良い。また、上記プログラムは複数個の記憶装置に分散して記憶されたものでも良く、このうち一部の記憶装置はECU3外の装置に設けられたものであっても良い。
図5は、障害物検知装置300の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップST1にて、候補点算出部35は、送信制御部30及びマルチプレクサ32を制御することで送信センサと受信センサの組み合わせを切替えながら、候補点算出処理を複数回実行する。
次いで、ステップST2にて、マップ処理部36は、候補点算出部35がステップST1で算出した障害物候補点を2次元マップ上にマッピングする。マップ処理部36は、2次元マップ上にマッピングした障害物候補点の度数分布を評価することで、障害物が存在する領域を示す障害物存在領域を推定する。なお、ステップST2におけるマップ処理部36の詳細な動作については、図3を参照して上述したため説明を省略する。
次いで、ステップST3にて、マップ処理部36は、ステップST2で推定した障害物存在領域のうち、障害物存在領域に含まれる障害物候補点の個数が第2閾値未満の障害物存在領域を除外する。なお、ステップST3におけるマップ処理部36の詳細な動作については、図3を参照して上述したため説明を省略する。
ステップST3の後、ECU3は、マップ処理部36がステップST3で除外した残余の障害物存在領域の情報を、車両1に搭載されたカーナビゲーション装置又は車両1に持込まれた携帯情報端末などの外部装置に送信する。外部装置がディスプレイ又はスピーカを用いて障害物存在領域を車両1の搭乗者に通知することで、搭乗者は障害物の有無及び車両1に対する障害物の位置などを把握することができる。
なお、マップ処理部36は、ステップST2において度数分布を評価する際、以下のように隣接する複数の区間における障害物候補点の度数を積分した値の分布を評価するものとしても良い。
図6(a)は、車両1のリアバンパに対向して配置されたポール状の障害物Eと、障害物Eにより生じた障害物候補点の一例を示している。図中、1個の×印が1個の障害物候補点を表している。図6(a)において、X軸及びY軸については図3と同様であるため図示を省略する。
図6(b)の特性線Iは、図6(a)に示す状態における、Y軸に沿う10cm区間毎の障害物候補点の度数分布を示している。特性線IIは、Y軸に沿って隣接する2区間における障害物候補点の度数を積分した値の分布を示している。
図6(b)に示す如く、ポール状の障害物Eが存在するY座標(0cm)の近傍において、特性線I及び特性線IIの両方が第1閾値Thを超えている。したがって、マップ処理部36は、特性線Iに示す度数分布を評価する場合も、特性線IIに示す度数の区間積分値の分布を評価する場合も、障害物Eが存在する領域が障害物存在領域であると推定することができる。
これに対し、例えば壁のような障害物を検知する場合、障害物候補点が隣接する複数の区間に分散しやすい。このため、マップ処理部36が度数分布を評価した場合、障害物に対応した障害物存在領域を抽出することができないことがある。
図7(a)は、車両1のリアバンパに対向して配置された壁状の障害物Fと、障害物Fにより生じた障害物候補点の一例を示している。図中、1個の×印が1個の障害物候補点を表している。図7(a)において、X軸及びY軸については図3と同様であるため図示を省略する。
図7(b)の特性線Iは、図7(a)に示す状態における、Y軸に沿う10cm区間毎の障害物候補点の度数分布を示している。特性線IIは、Y軸に沿って隣接する2区間における障害物候補点の度数を積分した値の分布を示している。
図7(a)に示す如く、障害物Fの長手方向(Y軸方向)に沿って障害物候補点が3グループに分散しているため、図7(b)における特性線Iのピーク点も3つに分散し、いずれのピーク点の値も第1閾値Th未満になっている。したがって、マップ処理部36は、特性線Iに示す度数分布を評価する場合、障害物Fが存在する領域が障害物存在領域であると推定することができない。一方、特性線IIは、個々のピーク点の値が特性線Iよりも大きく、いずれも第1閾値Thを超えている。したがって、マップ処理部36は、特性線IIに示す度数の区間積分値の分布を評価することで、障害物Fの少なくとも一部に対応する領域(図7の例では、Y座標が−60cm〜−40cm、−20cm〜0cm、20cm〜40cmの範囲に含まれる領域)が障害物存在領域であると推定することができる。
また、マップ処理部36が度数の区間積分値の分布を評価することで、2次元マップ上にノイズ的に発生した、超音波が反射した実際の位置に対応していない障害物候補点(いわゆる「虚像」)を含む領域を、障害物存在領域から除外しやすくなる。
図8(a)は、車両1のリアバンパに対向して配置された2個のポール状の障害物G,Hと、障害物G,Hにより生じた障害物候補点の一例を示している。図中、1個の×印が1個の障害物候補点を表している。図8(a)において、X軸及びY軸については図3と同様であるため図示を省略する。
図8(b)の特性線Iは、図8(a)に示す状態における、Y軸に沿う10cm区間毎の障害物候補点の度数分布を示している。特性線IIは、Y軸に沿って隣接する2区間における障害物候補点の度数を積分した値の分布を示している。
図8(a)に示す如く、2個の障害物G,H間に虚像が生じている。なお、虚像の発生原理については実施の形態3にて後述する。このため、図8(b)に示す特性線I,IIにおいて、Y座標が60cm〜70cmの範囲に障害物Gによるピーク点が生じ、−70cm〜−80cmの範囲に障害物Hによるピーク点が生じているのに加えて、−10cm〜0cmの範囲に虚像によるピーク点が生じている。
ここで、特性線IIにおける虚像によるピーク点と障害物G,Hによるピーク点との差分Δf2は、特性線Iにおける差分Δf1よりも大きくなる。これにより、障害物G,Hに対応する障害物候補点と虚像とを見分けやすくなり、虚像を含む領域が障害物存在領域として推定されるのを抑制することができる。
なお、図6〜図8ではY軸方向の度数分布の評価についてのみ説明したが、X軸方向の度数分布の評価も同様であるため、図示及び説明は省略する。
また、度数を積分する区間の個数は、X軸又はY軸に沿って隣接する2個の区間に限定されるものではない。X軸又はY軸に沿って分割した個々の区間のサイズ(上記例では10cm)又はECU3の処理能力などに応じて、任意の個数の区間における度数を積分した値を用いても良い。
以上のように、実施の形態1の障害物検知装置300は、距離センサ2〜2の中の送信用の距離センサが送信した探索波が障害物で反射して受信用の距離センサに伝搬するまでの伝搬距離を用いて、探索波が反射した位置の候補を示す障害物候補点を算出する候補点算出部35と、候補点算出部35が算出した複数の障害物候補点を距離センサ2〜2の探索エリアを含む2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価することで、障害物が存在する障害物存在領域を推定するマップ処理部36とを備える。
マップ処理部36が、度数分布を評価して障害物存在領域を推定することで、障害物存在領域の推定に度数分布を用いない従来の障害物検知装置よりも、個々の距離センサによる伝搬距離の測定誤差などの影響を低減して、車両1に対する障害物の位置を高い精度で推定することができる。
また、障害物検知装置300で推定した障害物存在領域の情報をカーナビゲーション装置などの外部装置に出力し、外部装置が車両1の搭乗者に障害物存在領域を通知することで、搭乗者は障害物の有無に加えて障害物の正確な位置を把握することができる。
また、マップ処理部36は、2次元マップ上のX軸(第1方向)に沿う障害物候補点の度数分布と、2次元マップ上でX軸(第1方向)と直交するY軸(第2方向)に沿う障害物候補点の度数分布とを別個に評価し、X軸(第1方向)上の障害物候補点が存在する区間とY軸(第2方向)上の障害物候補点が存在する区間とが交差する領域が障害物存在領域であると推定する。
障害物候補点の度数分布を評価する際、X軸に沿う度数分布の評価とY軸に沿う度数分布の評価とを別個に実行することで、度数分布の評価にかかる処理時間を大幅に低減することができる。特に、各軸に沿う区間の分割幅を細かくすることで、障害物の位置推定の精度を向上させつつ処理時間の増大を抑制することができるため、ECU3の処理能力が低い場合であっても障害物の位置推定の精度を向上させることができる。
また、マップ処理部36は、推定した障害物存在領域のうち、障害物存在領域に含まれる障害物候補点の個数が第2閾値未満の障害物存在領域を除外する。これにより、度数分布の評価にかかる処理時間を低減しつつ、障害物候補点を含まない障害物存在領域及びノイズ的に発生した障害物候補点のみを含む障害物存在領域を除外して、障害物の位置推定の精度をさらに向上することができる。
また、X軸(第1方向)に沿う障害物候補点の度数分布は、2次元マップをX軸(第1方向)に沿って分割した区間のうち隣接する複数個の区間における障害物候補点の度数を積分した値の分布であり、Y軸(第2方向)に沿う障害物候補点の度数分布は、2次元マップをY軸(第2方向)に沿って分割した区間のうち隣接する複数個の区間における障害物候補点の度数を積分した値の分布である。
障害物候補点の度数を区間積分した値の分布を評価することで、壁のような障害物候補点が分散しやすい障害物が存在する領域を障害物存在領域として推定することができる。また、障害物に対応する障害物候補点と虚像とを見分けやすくなり、虚像を含む領域が障害物存在領域として推定されるのを抑制することができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、障害物の大きさを推定する障害物検知装置について説明する。
図9は、実施の形態2に係る障害物検知装置300aを含むECU3の要部の機能ブロック図である。なお、図9において、図2に示す実施の形態1の機能ブロック図と同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。また、コーナセンサシステム100及びECU3のハードウェア構成は実施の形態1と同様であるため、図1及び図4を援用して説明する。
サイズ推定部37aは、マップ処理部36が推定した障害物存在領域内で障害物候補点が分布する範囲の大きさから、障害物の大きさを推定するものである。候補点算出部35、マップ処理部36及びサイズ推定部37aにより、障害物検知装置300aが構成されている。
図10は、障害物検知装置300aの動作を示すフローチャートである。なお、図10において、図5に示す実施の形態1のフローチャートと同様のステップには同一符号を付して説明を省略する。
まず、候補点算出部35が、実施の形態1と同様のステップST1の処理を実行する。次いで、マップ処理部36が、実施の形態1と同様のステップST2,ST3の処理を実行する。
次いで、ステップST11にて、サイズ推定部37aは、マップ処理部36がステップST3で除外した残余の障害物存在領域内で障害物候補点が分布する範囲の大きさから、障害物の大きさを推定する。例えば、図3の例では、サイズ推定部37aは、障害物存在領域Bに対応する障害物の大きさが約30cm×30cmであると推定する。また、サイズ推定部37aは、障害物存在領域Cに対応する障害物の大きさが約20cm×40cmであると推定する。
ステップST11の後、障害物検知装置300aは、ステップST3でマップ処理部36が算出した障害物存在領域の情報に加えて、ステップST11でサイズ推定部37aが推定した障害物の大きさの情報を、カーナビゲーション装置又は携帯情報端末などの外部装置に出力する。外部装置がディスプレイ又はスピーカを用いて障害物存在領域及び障害物の大きさを車両1の搭乗者に通知することで、搭乗者は、障害物の有無及び障害物の位置に加えて障害物の大きさを把握することができる。
なお、ステップST11において、サイズ推定部37aは、障害物存在領域内で障害物候補点が分布する部分の大きさをそのまま障害物の大きさとして推定しても良いが、障害物存在領域内の障害物候補点に統計処理を施し、この統計処理の結果に基づく障害物候補点の分布範囲を障害物の大きさと推定するものとしても良い。以下、サイズ推定部37aによる統計処理の一例について説明する。
例えば、サイズ推定部37aは、障害物存在領域内のX軸に沿う障害物候補点の度数分布について、平均値及び標準偏差σを求める。次いで、サイズ推定部37aは、X軸に沿う度数分布のうち平均値±2σの範囲を求める。
同様に、サイズ推定部37aは、障害物存在領域内のY軸に沿う障害物候補点の度数分布について、平均値及び標準偏差σを求める。次いで、サイズ推定部37aは、Y軸に沿う度数分布のうち平均値±2σの範囲を求める。
次いで、サイズ推定部37aは、障害物存在領域において、X軸に沿う度数分布が平均値±2σであり、かつ、Y軸に沿う度数分布が平均値±2σの範囲を抽出し、抽出した範囲の大きさを障害物の大きさとして推定する。
X軸又はY軸に沿う度数分布が平均値±2σの範囲外の部分を障害物の大きさ推定から除外することで、障害物存在領域内にノイズ的に発生した障害物候補点が存在する場合であっても、この障害物候補点を除いて障害物の大きさを推定することができる。このため、障害物の大きさ推定の精度を向上することができる。
なお、大きさ推定の対象となる障害物候補点の分布範囲は、平均値±2σに限定されるものではない。ECU3の処理能力又は障害物検知装置300aに要求される障害物の大きさ検知の精度などに応じて、任意の範囲として良い。
また、統計処理に用いる指標は、標準偏差σに限定されるものではない。障害物存在領域内における障害物候補点のばらつきを示す指標であれば如何なるものであっても良く、例えば平均偏差を用いても良い。
以上のように、実施の形態2の障害物検知装置300aは、障害物存在領域内で障害物候補点が分布する範囲の大きさから、障害物の大きさを推定するサイズ推定部37aを備える。障害物検知装置300aが障害物の大きさの情報を外部装置に出力し、外部装置がディスプレイ又はスピーカを用いて障害物の大きさを車両1の搭乗者に通知することで、搭乗者が障害物の大きさを把握することができる。
また、サイズ推定部37aは、障害物存在領域内で障害物候補点を統計処理し、統計処理結果に基づく障害物候補点の分布範囲を障害物の大きさと推定する。これにより、障害物存在領域内にノイズ的に発生した障害物候補点を除いて障害物の大きさを推定することで、大きさ推定の精度を向上することができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、障害物候補点を算出した後、虚像である障害物候補点を除去してから度数分布を評価する障害物検知装置について説明する。
図11は、実施の形態3に係る障害物検知装置300bを含むECU3の要部の機能ブロック図である。なお、図11において、図2に示す実施の形態1の機能ブロック図と同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。また、コーナセンサシステム100及びECU3のハードウェア構成は実施の形態1と同様であるため、図1及び図4を援用して説明する。
第1虚像除去部38bは、候補点算出部35が算出した障害物候補点から、複数個の障害物で反射した超音波の伝搬距離を用いて算出された障害物候補点を除去し、残余の障害物候補点をマップ処理部36に出力するものである。候補点算出部35、マップ処理部36及び第1虚像除去部38bにより、障害物検知装置300bが構成されている。
例えば、車両1の周辺に複数個の障害物が存在する場合、複数個の障害物で反射した超音波の伝搬距離を用いて障害物候補点を算出することで虚像が発生する場合がある。実施の形態3の第1虚像除去部38bは、候補点算出部35が算出した障害物候補点から、複数個の障害物で反射した超音波の伝搬距離を用いて算出された障害物候補点を除去することで、虚像を除去するようになっている。以下、図12を参照して、虚像の発生原理及び第1虚像除去部38bの詳細な動作について説明する。
図12(a)は、車両1のリアバンパに対向して1個の障害物Jが存在する状態を示している。この状態において、障害物検知装置300bが、4個の距離センサ2〜2のうち2個の距離センサ2,2を用いて2回の候補点算出処理を実行するものとする。
まず、障害物検知装置300bは、1個の距離センサ2を送信センサとし、2個の距離センサ2,2を受信センサとして1回目の候補点算出処理を実行する。このとき、距離測定部34は、距離センサ2から送信された超音波が障害物Jで反射して距離センサ2で受信されるまでの直接伝搬距離aと、距離センサ2から送信された超音波が障害物Jで反射して距離センサ2で受信されるまでの間接伝搬距離b1とを算出する。
次いで、障害物検知装置300bは、1個の距離センサ2を送信センサとし、2個の距離センサ2,2を受信センサとして2回目の候補点算出処理を実行する。このとき、距離測定部34は、距離センサ2から送信された超音波が障害物Jで反射して距離センサ2で受信されるまでの直接伝搬距離cと、距離センサ2から送信された超音波が障害物Jで反射して距離センサ2で受信されるまでの間接伝搬距離b2とを算出する。
次いで、候補点算出部35は、距離センサ2の取付位置を中心とする半径(a/2)の第1円dと、距離センサ2の取付位置を中心とする半径(b1−(a/2))又は(b2−(a/2))の第2円eとの交点を、障害物候補点fとして算出する。障害物候補点fは、図12(a)に示す如く、障害物Jの位置に対応した障害物候補点となる。
一方、図12(b)は、車両1のリアバンパに対向して2個の障害物K,Lが存在する状態を示している。
この状態において、例えば、1回目の候補点算出処理で、距離測定部34が、一方の障害物Kで反射した超音波の直接伝搬距離aと、他方の障害物Lで反射した超音波の間接伝搬距離b1とを算出する。次いで、2回目の候補点算出処理で、距離測定部34が、障害物Lで反射した超音波の直接伝搬距離cと、障害物Lで反射した超音波の間接伝搬距離b2とを算出する。
次いで、候補点算出部35は、第1円dと第2円eとの交点を障害物候補点gとして算出する。このとき、障害物候補点gの算出に用いた伝搬距離の中に、2個の障害物K,Lで反射した超音波の伝搬距離が含まれているため、障害物候補点gは障害物K,Lのいずれの位置にも対応しておらず、虚像となっている。
ここで、図12(a)に示すように、直接伝搬距離a,c及び間接伝搬距離b1,b2がいずれも同じ障害物Jで反射した超音波の伝搬距離である場合、直接伝搬距離a,c及び間接伝搬距離b1,b2の値は、以下の式(1)〜式(3)を全て満たしている。
b1≒b2 (1)
(a+c)/2≒b1 (2)
(a+c)/2≒b2 (3)
一方、図12(b)に示すように、直接伝搬距離a,c及び間接伝搬距離b1,b2に複数個の障害物K,Lで反射した超音波の伝搬距離が含まれている場合、直接伝搬距離a,c及び間接伝搬距離b1,b2の値は式(1)〜式(3)のいずれかを満たさない。図12(b)の例では、式(1)は満たしているものの、式(2)及び式(3)は満たしていない。
このように、障害物候補点の算出に用いた伝搬距離がいずれも同じ障害物で反射した超音波の伝搬距離である場合、これらの伝搬距離は式(1)〜式(3)のような所定の数式(以下「虚像判別式」という)を満たしている。一方、障害物候補点の算出に用いた伝搬距離の中に複数個の障害物で反射した超音波の伝搬距離が含まれている場合、これらの伝搬距離は虚像判別式を満たさない。
第1虚像除去部38bは、虚像判別式を予め記憶しておく。
第1虚像除去部38bは、候補点算出部35が算出した障害物候補点のそれぞれについて、障害物候補点の算出に用いた伝搬距離を示す距離情報と、伝搬距離の算出に用いた距離センサの組み合わせを示す組合せ情報とを候補点算出部35から取得する。
第1虚像除去部38bは、距離情報が示す伝搬距離の値が、組合せ情報が示すセンサの組み合わせに応じた虚像判別式を満たしているか否かを判定する。伝搬距離の値が虚像判別式を満たしていない場合、第1虚像除去部38bは、この障害物候補点が虚像であると判断し、除去する。
なお、第1虚像除去部38bが記憶する虚像判別式は、上記式(1)〜式(3)に限定されるものではない。送信センサ及び受信センサの個数に応じて、また想定する障害物の個数に応じて、複数種類の虚像判別式を記憶するものとしても良い。
図13は、障害物検知装置300bの動作を示すフローチャートである。なお、図13において、図5に示す実施の形態1のフローチャートと同様のステップには同一符号を付して説明を省略する。
まず、候補点算出部35が、実施の形態1と同様のステップST1の処理を実行する。
次いで、ステップST21にて、第1虚像除去部38bは、候補点算出部35がステップST1で算出した障害物候補点から虚像を除去し、残余の障害物候補点をマップ処理部36に出力する。なお、ステップST21における第1虚像除去部38bの詳細な動作については、図12を参照して上述したため説明を省略する。
次いで、マップ処理部36が、実施の形態1と同様のステップST2,ST3の処理を実行する。このとき、ステップST2において、マップ処理部36は、第1虚像除去部38bが出力した障害物候補点を2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価する。
以上のように、実施の形態3の障害物検知装置300bは、候補点算出部35が算出した障害物候補点のうち、複数個の障害物で反射した超音波の伝搬距離を用いて算出された障害物候補点を除去して残余の障害物候補点をマップ処理部36に出力する第1虚像除去部38bを備える。マップ処理部36は、第1虚像除去部38bが出力した障害物候補点を2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価する。
複数個の障害物で反射した超音波の伝搬距離を用いて算出された障害物候補点は、虚像である可能性がある。第1虚像除去部38bが虚像を除去した後にマップ処理部36が障害物候補点の度数分布を評価することで、障害物の位置推定の精度をさらに向上することができる。
実施の形態4.
実施の形態4では、実施の形態3と異なる方法で虚像の影響を低減する障害物検知装置について説明する。
図14は、実施の形態4に係る障害物検知装置300cを含むECU3の要部の機能ブロック図である。なお、図14において、図2に示す実施の形態1の機能ブロック図と同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。また、コーナセンサシステム100及びECU3のハードウェア構成は実施の形態1と同様であるため、図1及び図4を援用して説明する。
実施の形態3で図12を参照して説明した虚像の発生原理より、伝搬距離の算出に用いた複数個の距離センサ間の間隔が大きいほど虚像が発生しやすい。
そこで、第2虚像除去部38cは、障害物候補点の算出に用いた2個の距離センサの取付間隔が大きいほど値が低い重みを記憶しておく。第2虚像除去部38cは、候補点算出部35が算出した障害物候補点に重み付けしてマップ処理部36に出力する。
例えば、4個の距離センサ2〜2のうち、取付間隔が最も大きい距離センサ2と距離センサ2を用いて算出された障害物候補点は、重みが低くなる。一方、隣接して取り付けられた距離センサ2と距離センサ2を用いて算出された障害物候補点は、重みが高くなる。
マップ処理部36は、第2虚像除去部38cが重み付けした障害物候補点を2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価する。これにより、例えば重み付けしていない状態で度数が1であった区間において、取付間隔が大きい2個の距離センサを用いて算出された障害物候補点が含まれていた場合、重み付けにより当該区間の度数が1未満になる。すなわち、虚像を含む可能性の高い区間の度数が低くなり、虚像による影響を低減することができる。
なお、3個以上の距離センサを用いて算出された障害物候補点については、各超音波センサ間の取付間隔のうちの最も大きい取付間隔に応じて重み付けするものとする。
以上のように、実施の形態4の障害物検知装置300cは、障害物候補点の算出に用いた複数個の距離センサ間の取付間隔が大きいほど値が低い重みを記憶し、候補点算出部35が算出した障害物候補点に重み付けしてマップ処理部36に出力する第2虚像除去部38cを備える。マップ処理部36は、第2虚像除去部38cが重み付けした障害物候補点を2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価する。
これにより、マップ処理部36が度数分布を評価する際に虚像の影響を低減することができ、障害物の位置推定の精度をさらに向上することができる。
実施の形態5.
実施の形態5では、実施の形態3,4と異なる方法で虚像の影響を低減する障害物検知装置について説明する。
図15は、実施の形態5に係る障害物検知装置300dを含むECU3の要部の機能ブロック図である。なお、図15において、図2に示す実施の形態1の機能ブロック図と同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。また、コーナセンサシステム100及びECU3のハードウェア構成は実施の形態1と同様であるため、図1及び図4を援用して説明する。
候補点算出部35は、実施の形態1で説明したように超音波の伝搬距離に応じた円又は楕円を用いて幾何学的に障害物候補点を算出するものである。また、一般にコーナセンサシステム100において、車両1に対して距離センサ2〜2を取り付ける取付位置は予め決められている。したがって、虚像の発生確率は、超音波の送受信に用いる距離センサの組み合わせ及びそれぞれの距離センサ間の超音波の伝搬距離に応じて異なる。
そこで、コーナセンサシステム100を搭載した車両1の出荷前に、複数個の距離センサの組み合わせのそれぞれについて、2次元マップ上の各位置に障害物を配置した場合の障害物候補点を実測又はシミュレーションさせることで、虚像が発生する可能性が高い距離センサの組み合わせ及び超音波の伝搬距離の条件(以下「虚像発生条件」という)を求めておく。第3虚像除去部38dには、虚像発生条件を予め記憶させておく。
例えば、図12の例では、図12(a)に示す位置に障害物Jを配置し、2個の距離センサ2,2を用いて算出した障害物候補点fは虚像ではない。一方、図12(b)に示す位置に障害物K,Lを配置し、2個の距離センサ2,2を用いて算出した障害物候補点gは虚像となる。第3虚像除去部38dには、2個の距離センサ2,2の組み合わせ並びに図12(b)に示す直接伝搬距離a,c及び間接伝搬距離b1,b2の条件が、虚像発生条件として記憶される。
第3虚像除去部38dは、候補点算出部35が算出した障害物候補点のそれぞれについて、障害物候補点の算出に用いた伝搬距離を示す距離情報と、伝搬距離の算出に用いた距離センサの組み合わせを示す組合せ情報とを候補点算出部35から取得する。
第3虚像除去部38dは、組合せ情報及び距離情報が示す条件が予め記憶された虚像発生条件に含まれる場合、障害物候補点の値が低くなるように(例えば、1であった値が1未満になるように)重み付けしてマップ処理部36に出力する。一方、第3虚像除去部38dは、組合せ情報及び距離情報が示す条件が予め記憶された虚像発生条件に含まれない場合、障害物候補点の値が高くなるように(例えば、1であった値が1以上になるように)重み付けしてマップ処理部36に出力する。
マップ処理部36は、第3虚像除去部38dが重み付けした障害物候補点を2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価する。これにより、虚像発生条件を満たす障害物候補点を含む区間の度数が低くなり、虚像による影響を低減することができる。
以上のように、実施の形態5の障害物検知装置300dは、障害物候補点の算出に用いた複数個の距離センサの組み合わせ及び超音波の伝搬距離の条件のうち、超音波が反射した位置に対応していない障害物候補点が算出される条件を示す虚像発生条件を記憶し、候補点算出部35が算出した障害物候補点のうち虚像発生条件を満たさない障害物候補点に比べて虚像発生条件を満たす障害物候補点の値が低くなるように重み付けしてマップ処理部36に出力する第3虚像除去部38dを備える。マップ処理部36は、第3虚像除去部38dが重み付けした障害物候補点を2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価する。
これにより、マップ処理部36が度数分布を評価する際に虚像の影響を低減することができ、障害物の位置推定の精度をさらに向上することができる。
実施の形態6.
実施の形態6では、実施の形態3〜5と異なる方法で虚像を除去する障害物検知装置について説明する。
図16は、実施の形態6に係る障害物検知装置300eを含むECU3の要部の機能ブロック図である。なお、実施の形態6において、コーナセンサシステム100及びECU3のハードウェア構成は実施の形態1と同様であるため、図1及び図4を援用して説明する。
候補点算出部35は、実施の形態1で説明したように超音波の伝搬距離に応じた円又は楕円を用いて幾何学的に障害物候補点を算出するものである。このため、実際の障害物の位置から大きく離れた位置に虚像が発生する場合がある。
そこで、第4虚像除去部38eは、2次元マップにおける4個の距離センサ2〜2のそれぞれの探索エリアを予め記憶しておく。
第4虚像除去部38eは、候補点算出部35から、候補点算出部35が算出した障害物候補点のそれぞれについて、伝搬距離の算出に用いた複数個の距離センサの組み合わせを示す組合せ情報を取得する。第4虚像除去部38eは、障害物候補点の位置が、組合せ情報が示す距離センサの探索エリア外にある場合、障害物候補点を虚像として除去する。
図17(a)は、車両1のリアバンパに対向して2個の障害物M,Nが存在する状態において、2個の距離センサ2,2を用いて候補点算出処理を実行した状態を示している。距離センサ2の取付位置を中心とし、距離センサ2から送信された超音波が一方の障害物Mで反射して距離センサ2で受信されるまでの伝搬距離を半径とする円hと、距離センサ2の取付位置を中心とし、距離センサ2から送信された超音波が他方の障害物Nで反射して距離センサ2で受信されるまでの伝搬距離を半径とする円iとの交点に、障害物候補点jが算出されている。障害物候補点jは、実施の形態3で図12を参照して説明した原理により発生した虚像である。
障害物候補点jの位置は、距離センサ2の探索エリアO内になく、かつ、距離センサ2の探索エリアP内にない。よって、第4虚像除去部38eは、障害物候補点jを虚像として除去する。
また、1個の障害物のみが存在する場合であっても、個々の距離センサによる伝搬距離の測定誤差などにより虚像が発生する場合がある。
図17(b)は、車両1のリアバンパに対向して1個の障害物Qが存在する状態において、2個の距離センサ2,2を用いて候補点算出処理を実行した状態を示している。距離センサ2の取付位置を中心とし、距離センサ2から送信された超音波が障害物Qで反射して距離センサ2で受信されるまでの伝搬距離を半径とする円kと、距離センサ2の取付位置を中心とし、距離センサ2から送信された超音波が障害物Qで反射して距離センサ2で受信されるまでの伝搬距離を半径とする円lとの交点に、障害物候補点mが算出されている。
ここで、距離センサ2による伝搬距離の測定誤差のため、円kの半径が距離センサ2と障害物Q間の距離よりも大きくなっている。また、距離センサ2による伝搬距離の測定誤差のため、円lの半径が距離センサ2と障害物Q間の距離よりも小さくなっている。これらの測定誤差により、障害物候補点mは障害物Qの位置を示しておらず、虚像となっている。
図17(b)に示す障害物候補点mは、算出に用いた一方の距離センサ2の探索エリアR内になく、かつ、他方の距離センサ2の探索エリアS内にない。よって、第4虚像除去部38eは、この障害物候補点mを虚像として除去する。
第4虚像除去部38eは、虚像を除去した残余の障害物候補点をマップ処理部36に出力する。マップ処理部36は、度数分布を評価する際、第4虚像除去部38eが出力した障害物候補点を2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価する。
以上のように、実施の形態6の障害物検知装置300eは、候補点算出部35が算出した障害物候補点のうち、障害物候補点の算出に用いた距離センサの探索エリア外にある障害物候補点を除去して残余の障害物候補点をマップ処理部36に出力する第4虚像除去部38eを備える。マップ処理部36は、第4虚像除去部38eが出力した障害物候補点を2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価する。
これにより、マップ処理部36が度数分布を評価する際に虚像の影響を低減することができ、障害物の位置推定の精度をさらに向上することができる。
実施の形態7.
実施の形態7では、実際の障害物に対応していない、虚像で生じた障害物存在領域を除外する障害物検知装置について説明する。
図18は、実施の形態7に係る障害物検知装置300fを含むECU3の要部の機能ブロック図である。なお、実施の形態7において、コーナセンサシステム100及びECU3のハードウェア構成は実施の形態1と同様であるため、図1及び図4を援用して説明する。
図19の例では、実施の形態1で説明したように、2次元マップのY軸は車両1の左右方向に沿う軸である。Y=0[cm]が車両1のリアバンパの中心であり、Y座標の値が大きいほど車両1の右側の位置を示しており、Y座標の値が小さいほど車両1の左側の位置を示している。また、2次元マップのX軸は車両1の前後方向に沿う軸であり、X座標の値が大きいほど車両から遠い位置を示している。
無効物体判定部39fは、マップ処理部36で推定した複数個の障害物存在領域の位置関係を判定して、車両1から見てある障害物存在領域の背後に存在する他の障害物物存在領域(すなわち、ある障害物存在領域よりもX座標の値が大きくY座標の値が同じ位置に存在する他の障害物存在領域)を、無効な障害物存在領域として除外するものである。
一般に、距離センサを用いたコーナセンサシステム100では、障害物の背後に隠れた他の障害物は検知することができない。しかしながら、個々の距離センサによる伝搬距離の測定誤差、又は車両1と障害物との間で多重反射した超音波などにより、実際に存在する障害物を示す障害物存在領域の背後に、実際には存在しない障害物を示す他の障害物物存在領域が算出される場合がある。
例えば、図19の例では、X座標が80cm〜110cmでY座標が−60cm〜60cmの範囲に壁状の障害物によって生じた障害物候補点が集中しており、障害物存在領域Tが形成されている。また、X座標が180cm〜220cmでY座標が140cm〜80cmの範囲にポール状の障害物によって生じた障害物候補点が集中しており、障害物存在領域Uが形成されている。
ここで、X座標が190cm〜210cmでY座標が−60cm〜60cmの範囲にも障害物候補点が存在している。この障害物候補点は、車両1とX座標が80cm〜110cmの位置にある壁状の障害物との間で多重反射した超音波により算出された虚像である。これらの虚像により、実際の障害物に対応していない障害物存在領域Vが形成されている。無効物体判定部39fは、マップ処理部36が算出した3個の障害物存在領域T〜Vのうち、車両1から見て障害物存在領域Tの背後にある障害物存在領域Vを除外する。
図20は、障害物検知装置300fの動作を示すフローチャートである。なお、図20において、図5に示す実施の形態1のフローチャートと同様のステップには同一符号を付して説明を省略する。
まず、候補点算出部35が、実施の形態1と同様のステップST1の処理を実行する。次いで、マップ処理部36が、実施の形態1と同様のステップST2,ST3の処理を実行する。
次いで、ステップST31にて、無効物体判定部39fは、マップ処理部36がステップST3で除去した残余の複数個の障害物存在領域の位置関係を判定して、車両1から見てある障害物存在領域の背後に存在する他の障害物物存在領域を、無効な障害物存在領域として除外する。なお、ステップST31における無効物体判定部39fの詳細な動作については、図19を参照して上述したため説明を省略する。
ステップST31の後、障害物検知装置300fは、ステップST3で無効物体判定部39fが除外した残余の障害物存在領域の情報を、カーナビゲーション装置又は携帯情報端末などの外部装置に出力する。外部装置がディスプレイ又はスピーカを用いて障害物存在領域を車両1の搭乗者に通知することで、搭乗者は障害物の有無及び車両1に対する障害物の位置を把握することができる。
以上のように、実施の形態7の障害物検知装置300fは、マップ処理部36が推定した複数個の障害物存在領域の位置関係を判定し、車両1から見てある障害物存在領域の背後に存在する他の障害物存在領域を除外する無効物体判定部39fを備える。
個々の距離センサによる伝搬距離の測定誤差、又は車両1と障害物との間で多重反射した超音波などにより生じた虚像の障害物存在領域を除去することで、障害物の位置推定の精度をさらに向上することができる。
なお、実施の形態2に係るサイズ推定部37aと、実施の形態3に係る第1虚像除去部38bとの両方を備えた障害物検知装置300gを構成しても良い。この場合の機能ブロック図を図21に示し、フローチャートを図22に示す。ステップST2に次いで、ステップST21にて第1虚像除去部38bが虚像を除去する。また、ステップST3に次いで、ステップST31にてサイズ推定部37aが障害物の大きさを推定する。
また、実施の形態2に係るサイズ推定部37aと、実施の形態7に係る無効物体判定部39fとの両方を備えた障害物検知装置300hを構成しても良い。この場合の機能ブロック図を図23に示し、フローチャートを図24に示す。ステップST31にて無効物体判定部39fが無効な障害物存在領域を除外した後、ステップST11にてサイズ推定部37aが残余の障害物存在領域について障害物の大きさを推定する。
また、実施の形態3に係る第1虚像除去部38bと、実施の形態7に係る無効物体判定部39fとの両方を備えた障害物検知装置300iを構成しても良い。この場合の機能ブロック図を図25に示し、フローチャートを図26に示す。ステップST21で第1虚像除去部38bが虚像を除去した後、ステップST2にてマップ処理部36が残余の障害物候補点の度数分布を評価する。また、ステップST3に次いで、ステップST31にて無効物体判定部39fが無効な障害物存在領域を除外する。
また、実施の形態2に係るサイズ推定部37aと、実施の形態3に係る第1虚像除去部38bと、実施の形態7に係る無効物体判定部39fとの全部を備えた障害物検知装置300jを構成しても良い。この場合の機能ブロック図を図27に示し、フローチャートを図28に示す。
また、障害物検知装置は、第1虚像除去部38b又は第4虚像除去部38eによる虚像の除去処理と、第2虚像除去部38c又は第3虚像除去部38dによる重み付け処理とのうち、いずれか複数個の処理を組み合わせて実行する虚像除去部を備えるものとしても良い。
その他、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
本発明の障害物検知装置は、複数の障害物候補点を2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価することで障害物存在領域を推定し、移動体に対する障害物の位置を高い精度で推定することができるので、車両用のコーナセンサシステムなどに用いるのに適している。
1 車両、2〜2 距離センサ、3 ECU、30 送信制御部、31 送信部、32 マルチプレクサ、33〜33 受信部、34 距離測定部、35 候補点算出部、36 マップ処理部、37a サイズ推定部、38b 第1虚像除去部、38c 第2虚像除去部、38d 第3虚像除去部、38e 第4虚像除去部、39f 無効物体判定部、50 送受信装置、51 記憶装置、52 処理回路、100 コーナセンサシステム、300,300a,300b,300c,300d,300e,300f,300g,300h,300i,300j 障害物検知装置。

Claims (12)

  1. 移動体に設けられた複数個の距離センサを用いて、該移動体の外部に存在する障害物を検知する障害物検知装置において、
    送信用の前記距離センサが送信した探索波が前記障害物で反射して受信用の前記距離センサに伝搬するまでの伝搬距離を用いて、前記探索波が反射した位置の候補を示す障害物候補点を算出する候補点算出部と、
    前記候補点算出部が算出した複数の前記障害物候補点を前記距離センサの探索エリアを含む2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価することで、前記障害物が存在する障害物存在領域を推定するマップ処理部と、
    を備えることを特徴とする障害物検知装置。
  2. 前記マップ処理部は、前記2次元マップ上の第1方向に沿う前記障害物候補点の度数分布と、前記2次元マップ上で前記第1方向と直交する第2方向に沿う前記障害物候補点の度数分布とを別個に評価し、前記第1方向上の前記障害物候補点が存在する区間と前記第2方向上の前記障害物候補点が存在する区間とが交差する領域が前記障害物存在領域であると推定することを特徴とする請求項1記載の障害物検知装置。
  3. 前記マップ処理部は、推定した前記障害物存在領域のうち、該障害物存在領域に含まれる前記障害物候補点の個数が閾値未満の前記障害物存在領域を除外することを特徴とする請求項2記載の障害物検知装置。
  4. 前記第1方向に沿う前記障害物候補点の度数分布は、前記2次元マップを前記第1方向に沿って分割した区間のうち隣接する複数個の区間における前記障害物候補点の度数を積分した値の分布であり、
    前記第2方向に沿う前記障害物候補点の度数分布は、前記2次元マップを前記第2方向に沿って分割した区間のうち隣接する複数個の区間における前記障害物候補点の度数を積分した値の分布である
    ことを特徴とする請求項2記載の障害物検知装置。
  5. 前記障害物存在領域内で前記障害物候補点が分布する範囲の大きさから、前記障害物の大きさを推定するサイズ推定部を備えることを特徴とする請求項1記載の障害物検知装置。
  6. 前記サイズ推定部は、前記障害物存在領域内で前記障害物候補点を統計処理し、統計処理結果に基づく前記障害物候補点の分布範囲を前記障害物の大きさと推定することを特徴とする請求項5記載の障害物検知装置。
  7. 前記候補点算出部が算出した前記障害物候補点のうち、複数個の前記障害物で反射した前記探索波の伝搬距離を用いて算出された前記障害物候補点を除去して残余の前記障害物候補点を前記マップ処理部に出力する第1虚像除去部を備え、
    前記マップ処理部は、前記第1虚像除去部が出力した前記障害物候補点を前記2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価する
    ことを特徴とする請求項1記載の障害物検知装置。
  8. 前記障害物候補点の算出に用いた複数個の前記距離センサ間の取付間隔が大きいほど値が低い重みを記憶し、前記候補点算出部が算出した前記障害物候補点に重み付けして前記マップ処理部に出力する第2虚像除去部を備え、
    前記マップ処理部は、前記第2虚像除去部が重み付けした前記障害物候補点を前記2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価する
    ことを特徴とする請求項1記載の障害物検知装置。
  9. 前記障害物候補点の算出に用いた複数個の前記距離センサの組み合わせ及び前記探索波の伝搬距離の条件のうち、前記探索波が反射した位置に対応していない前記障害物候補点が算出される条件を示す虚像発生条件を記憶し、前記候補点算出部が算出した前記障害物候補点のうち前記虚像発生条件を満たさない前記障害物候補点に比べて前記虚像発生条件を満たす前記障害物候補点の値が低くなるように重み付けして前記マップ処理部に出力する第3虚像除去部を備え、
    前記マップ処理部は、前記第3虚像除去部が重み付けした前記障害物候補点を前記2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価する
    ことを特徴とする請求項1記載の障害物検知装置。
  10. 前記候補点算出部が算出した前記障害物候補点のうち、該障害物候補点の算出に用いた前記距離センサの探索エリア外にある前記障害物候補点を除去して残余の前記障害物候補点を前記マップ処理部に出力する第4虚像除去部を備え、
    前記マップ処理部は、前記第4虚像除去部が出力した前記障害物候補点を前記2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価する
    ことを特徴とする請求項1記載の障害物検知装置。
  11. 前記マップ処理部が推定した複数個の前記障害物存在領域の位置関係を判定し、前記移動体から見てある前記障害物存在領域の背後に存在する他の前記障害物存在領域を除外する無効物体判定部を備えることを特徴とする請求項1記載の障害物検知装置。
  12. 移動体に設けられた複数個の距離センサを用いて、該移動体の外部に存在する障害物を検知する障害物検知方法において、
    候補点算出部が、送信用の前記距離センサが送信した探索波が前記障害物で反射して受信用の前記距離センサに伝搬するまでの伝搬距離を用いて、前記探索波が反射した位置の候補を示す障害物候補点を算出し、
    マップ処理部が、前記候補点算出部が算出した複数の前記障害物候補点を前記距離センサの探索エリアを含む2次元マップ上にマッピングして度数分布を評価することで、前記障害物が存在する障害物存在領域を推定する
    ことを特徴とする障害物検知方法。
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