JPWO2016103362A1 - 貫入試験方法 - Google Patents

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Abstract

地中の正確な土質および地層構造の判定を可能とする貫入試験方法の提供。本発明の貫入試験方法は、荷重と回転とを負荷して貫入ロッド7を地中に貫入し、この貫入ロッド7の貫入に関与して変動する試験データ(例えば、荷重、回転負荷トルク、貫入速度、補正トルク、補正荷重、塑性ポテンシャル係数、正規化トルク、正規化Nsw、貫入エネルギ等)を取得し、この試験データと、当該貫入試験実施地が属する地域内の同一地形条件を満たす別の土地で既に得られているボーリング柱状図などの地層構造データとを照合し、当該貫入試験実施地の地中の土質を判定するものである。試験データによる土質の推定を地層構造データで補完・裏付けできるため、正確で信頼性の高い土質判定を行うことができる。

Description

本発明は、地中の土質・地層構造を判定する貫入試験方法に関する。
従来、地中の土質・地層構造を知るための貫入試験方法としては、特許文献1に記載された貫入試験方法が知られている。この特許文献1に記載された貫入試験方法は、スクリューポイントが先端に取り付けられたロッドを回転させながら地中に貫入して回転負荷トルクを検出し、これを予め用意した各種土質のトルク判定基準値と比較し、当該回転負荷トルクに相当する土質を判定するものである。
特開平8-113937号公報
上記従来の貫入試験方法によると、ロッドの回転負荷トルクによって土質を判定することが可能である。しかし、一般に実地盤における土の特性(例えば、含水比の高低、締まり具合、細粒分含有量)は、同じ土質であっても土地々々の実地盤毎に相違が見られ、これによって同じ土質であっても、貫入試験を行う地域によって検出される回転負荷トルクに違いが生じる。このため、従来の貫入試験方法では、ロッドの回転負荷トルクをトルク判定基準値と比較するだけでは、正確な土質ひいてはその土地の地層構造を判別することが難しい等の問題があった。また、上記従来の貫入試験方法においては、回転負荷トルクが似た値を示す異なる土質の層が重なっている場合には、その境界を看過してしまい、誤った土質判定を行ってしまいかねないという不具合の発生も懸念されていた。
本発明は、上記課題に鑑みて創成されたものであり、所定の荷重と回転とを付与して貫入ロッドを地中に貫入し、この貫入ロッドの貫入に関与して変動する試験データを取得し、この試験データと、当該貫入試験実施地が属する地域内の同一地形条件を満たす別の土地で既に得られている地層構造データとを照合し、当該貫入試験実施地の地中の土質・地層構造を判定することを特徴とするものである。
なお、前記試験データは、貫入ロッドが土から受ける回転負荷トルク、貫入ロッドに負荷される荷重、貫入ロッドの貫入深さ、貫入ロッドの回転回数、貫入ロッドの貫入速度、回転負荷トルクから土の周面摩擦の影響を除いた補正トルク、荷重から土の周面摩擦の影響を除いた補正荷重、貫入ロッドの貫入エネルギ、正規化トルク、正規化Nsw、塑性ポテンシャル係数cの群から選択される一または複数のデータであることが望ましい。また、試験データは、所定のタイミングで複数取得されることが望ましい。
本発明は、回転負荷トルク等の試験データと貫入試験実施地の属する地域の既存の地層構造データとを照合し、その土地における土質・地層構造を判定するものである。本発明によれば、試験データから推定した土質・地層構造を地層構造データによって補完・裏付けすることができるため、土の特性によって試験データにばらつきが生じていても、正確で信頼性の高い土質・地層構造の判定を行うことが可能となる等の利点がある。また、試験データが似た変動特性を示す土質が重なっている地層構造についても、その境界を特定することが容易になり、今まで以上に正確な土質・地層構造の判定を行うことができる等の利点もある。さらに、地層の境界を特定するだけで、その境界間の土質を細かく判定する手間を省くことも可能となるため、効率よく土質・地層構造の判定を行うことができる等の利点もある。その上、境界間の試験データの変動特性を見ることにより、境界間の土質が既知の地層構造に合致するものかどうか(途中に異質の土層が存在しないかどうか)の判定をより正確に、かつ効率よく行うことができる等の利点もある。また、試験データを所定のタイミングで複数取得することにより、地層境界や変動特性をより明確化でき、さらに正確な土質・地層構造の判定を行うことができる等の利点もある。
本発明に係る貫入試験方法を実施する自動貫入試験機の斜視図である。 本発明を係る貫入試験方法を実施する自動貫入試験機の拡大側面図である。 本発明を係る貫入試験方法を実施する自動貫入試験機の要部拡大一部切欠断面図である。 図2のA−A線に係る拡大断面図である。 地中に貫入した貫入ロッドに作用する周面摩擦の説明用概念図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(補正トルク)のプロット図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(補正前荷重)のプロット図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(補正荷重)のプロット図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(貫入速度)のプロット図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(貫入エネルギ)のプロット図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(正規化トルク)のプロット図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(塑性ポテンシャル係数)のプロット図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(正規化Nsw)のプロット図である。 標準貫入試験によって得られたボーリング柱状図の一例を示す説明図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(補正トルク)のプロット図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(補正前荷重)のプロット図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(補正荷重)のプロット図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(貫入速度)のプロット図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(貫入エネルギ)のプロット図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(正規化トルク)のプロット図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(塑性ポテンシャル係数)のプロット図である。 土質・地層構造の判定に用いる試験データ(正規化Nsw)のプロット図である。 標準貫入試験によって得られたボーリング柱状図の一例を示す説明図である。
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
図1ないし図4において、1は自動貫入試験機であり、立設された支柱2に沿って昇降可能な昇降台3を有する。この昇降台3には、チャック用モータ4が設けられており、このチャック用モータ4の出力軸4aには、トルク検出機構5を介してチャックユニット6が連結されている。このチャックユニット6は、特開2005-2731号公報に示される中空状の構造で昇降台3に対して回転自在に配置されており、このチャックユニット6には、棒状の貫入ロッド7が着脱可能かつチャックユニット6と一体に回転可能に保持されている。この貫入ロッド7は、チャックユニット6に保持される棒状のロッド7aと、このロッド7aの先端に一体に連結された先端尖鋭なスクリューポイント7bとから成る。
前記トルク検出機構5は、特開2009-299370号公報に示されるものであり、チャックユニット6に回転負荷トルクが作用した場合、内蔵する遊星歯車機構5aのチャック用モータ側とチャックユニット側とに差動を生じさせ、この作動によって生じる構造材の歪みを歪みゲージ5bで検出するように構成されている。図3に示すように、チャック用モータ4の出力軸4aは、このトルク検出機構5の遊星歯車機構5aに連結されており、この遊星歯車機構5aの出力軸5cには、スプロケット8が一体に回転可能に取り付けられている。また、チャックユニット6の下部にもスプロケット9が一体に回転可能に取り付けられており、これらスプロケット8,9に環状チェーン10を巻き掛け、チャック用モータ4の駆動を遊星歯車機構5aを介してチャックユニット6に伝達し、チャックユニット6を回転させることが可能に構成されている。
一方、前記昇降台3の後部には、昇降用モータ11が設けられており、この昇降用モータ11の出力軸11aには、図4に示すように、一方向クラッチ12およびブレーキ手段13を介してスプロケット14が連結されている。このスプロケット14は、前記支柱2の長手方向に延びて配置されたチェーン部材2aに常時噛合しており、このチェーン部材2aに沿ってスプロケット14が回転することで、昇降台3が支柱2に沿って昇降動作するように構成されている。さらに、昇降台3の前部には、質量調整用のおもり3aが複数着脱自在に配置されており、このおもり3aを含めた昇降台3装備品の全装備質量(昇降台3自体の質量も含む)により、前記貫入ロッド7に荷重を負荷できるように構成されている。この昇降台3を含む全装備質量により、貫入ロッド7に最大1KNの荷重を負荷することが可能となっている。
前記昇降用モータ11ないしスプロケット14の構造は、特開2004-346668号公報に開示されている構造と基本構造を同じくするものであり、一方向クラッチ12の作用により、昇降用モータ11の一方の駆動のみをスプロケット14に伝達するとともに、ブレーキ手段13の作動により、スプロケット14の回転を制動できるように構成されている。具体的には、昇降台3を上昇させる方向にスプロケット14を回転させるよう、昇降用モータ11が駆動した時には、一方向クラッチ12の作用によって昇降用モータ11の駆動がスプロケット14に伝達され、これとは逆方向にスプロケット14を回転させるよう、昇降用モータ11が駆動(以下、これを逆駆動という)した時には、一方向クラッチ12が空転して昇降用モータ11の駆動がスプロケット14に伝達されないように構成されている。このため、スクリューポイント7bが地盤に接している状態で昇降用モータ11が逆駆動すると、スプロケット14が受ける昇降用モータ11の抵抗が解除され、貫入ロッド7(ロッド7aないしスクリューポイント7b)には、昇降台3を含む全装備質量による荷重を負荷することができる。この荷重は、ブレーキ手段13がスプロケット14を制動する力を変更することで0Nから最大荷重1KNまで自在に変更することが可能である。なお、ブレーキ手段13としては、パウダブレーキまたはパウダクラッチを用いることが好ましい。
図中符号15で示されるのは制御ユニットであり、前記チャック用モータ4,昇降用モータ11,ブレーキ手段13等の駆動を制御するとともに、本自動貫入試験機1の各部に設けた検出手段の信号から各種の試験データを割り出すように構成されている。検出手段としては、前記トルク検出機構5のほか、チャックユニット6側のスプロケット8の歯に対向する位置には、このスプロケット8が回転する時の歯の通過を検出してON/OFFする近接センサ(図示せず)が設けられている。また、前記スプロケット14の回転軸にはロータリエンコーダ16が連結されており、これによりスプロケット14の回転量を検出できるように構成されている。
次に本自動貫入試験機1による貫入試験について説明する。貫入試験は、貫入ロッド7先端のスクリューポイント7bが地表に接する位置からスタートする。この位置までは、制御ユニット15に備えられたマニュアル操作ボタン(図示せず)を押して昇降用モータ11を逆駆動し、昇降台3を下降させる。この位置からスタートボタン(図示せず)を押して制御ユニット15に試験スタート信号を与えると、制御ユニット15は貫入ロッド7の地中への貫入制御を開始する。すなわち、制御ユニット15は試験スタート信号の入力を受けて、昇降用モータ11を逆駆動するとともに、チャック用モータ4を回転させる。これにより、貫入ロッド7には昇降台3等の質量による荷重が負荷されるとともに、チャック用モータ4の駆動による回転が付与される。この荷重と回転を受け、貫入ロッド7は地中に貫入される。
試験中、制御ユニット15はブレーキ手段13を制御し、貫入ロッド7に負荷される荷重を最小荷重50Nから150N、250N、500N、750N、1000N(1KN)の順に増加させる。そして、試験データとして、各荷重値、各荷重下で貫入ロッド7が土から受ける回転負荷トルク、各荷重下での貫入ロッド7の半回転数(貫入ロッド7の1回転を2として計数した貫入ロッド7の回転回数)、および各荷重下での貫入ロッド7の貫入量の増分をそれぞれ算出し取得する。また、制御ユニット15は、貫入量の増分を積算することにより、各荷重下でのスクリューポイント7bの貫入深度を算出・取得するとともに、単位時間当たりの貫入量からスクリューポイント7bの貫入速度を割り出して取得する。このようにして制御ユニット15において取得された試験データ(荷重、回転負荷トルク、半回転数、貫入量の増分、貫入深度、貫入速度)は、貫入深度を基準として制御ユニット15の記憶部に記憶される。
なお、前記回転負荷トルクは、制御ユニット15においてトルク検出機構5の歪みゲージ5bの信号を処理することにより取得する。また、貫入ロッド7の半回転数は、制御ユニット15においてスプロケット8の歯の通過を検出する近接センサ(図示せず)のON/OFF信号を計数し、これに一信号当たりの貫入ロッド7の回転角度を乗じて180で除することにより算出する。さらに、貫入ロッド7の貫入量の増分は、制御ユニット15においてロータリエンコーダ16の信号からスプロケット14の回転回数を算出し、これにスプロケット一回転当たりの貫入量(昇降台3の下降量)を乗じることで算出する。
制御ユニット15は、以上の処理を貫入ロッド7が25cm貫入する区間を単位区間として、この単位区間毎に繰り返し行い、所定の貫入深度(例えば、地中10mの深度)までスクリューポイント7bを貫入する。なお、貫入試験中、貫入ロッド7のロッド7aは、必要に応じて上部のねじ部7cに延長用ロッド(図示せず)を螺合して延長される。
本自動貫入試験機1は、前述の荷重に対応する回転負荷トルクについて塑性論アナロジーモデルを適用して、試験データを処理する。塑性論アナロジーモデルとは、土の応力とひずみの関係を与える構成則と同じ枠組み(アナロジー)を利用し、構造物の荷重と変位との関係を記述する数学モデルのことである。構造物に負荷される荷重には鉛直荷重やモーメント、水平荷重などがあるが、構造物の破壊時の荷重はその他の荷重の組み合わせによって変化する。塑性論アナロジーモデルでは、このような組み合わされた荷重の大きさを降伏曲面として記述するとともに、これらの荷重にそれぞれ対応する変位増分を塑性ポテンシャル関数を用いて記述するものである。スウェーデン式サウンディング試験や本例で紹介する貫入試験のような荷重と回転とを与えて貫入ロッドを地中に貫入する試験は、荷重段階の鉛直荷重に加えて回転段階における回転負荷トルクをその作用荷重とする試験であるので、塑性論アナロジーモデルを適用できる組み合わせ荷重の問題の一つであるといえる。
そこで、こうした貫入試験についての塑性論アナロジーモデルを構築すると以下のようになる。まず、前記スクリューポイント7bに負荷される回転負荷トルクTと荷重Wによる貫入時の貫入エネルギδEは、
Figure 2016103362
と表すことができる。ここでδnhtは半回転数の増分、δsは貫入量の増分である。また回転負荷トルクTおよび荷重Wは、ロッド7aの表面に作用する土の周面摩擦による成分を除去した回転負荷トルクおよび荷重、すなわちスクリューポイント7bに正味負荷されている回転負荷トルクおよび荷重である。以下、これらを補正トルク、補正荷重と呼ぶ。
数1の右辺の値は、左が荷重による貫入時のエネルギ、右が回転付加による貫入時のエネルギを示す。つまり、エネルギδEは、荷重による貫入エネルギと回転による貫入エネルギの総和で表される。この数1を自沈荷重Wとスクリューポイント7bの最大直径Dとの積を用いて正規化すると、
Figure 2016103362
となる。ここでTは正規化トルク、Wは正規化荷重である。また、数2の結果から後述する塑性ポテンシャルの適用においては、TとδnhtおよびWとδs/Dがそれぞれ同軸性を有するものと判断している。
特許第4705520号公報等に示された実験結果から、貫入試験で得られる回転負荷トルクと荷重による降伏曲面は、原点に中心を有する楕円で表記できることが確かめられている。そこで、この降伏曲面の形状を決定する降伏曲面係数cを用いて、
Figure 2016103362
と表す。この数3を数2を用いて表すと、
Figure 2016103362
が得られ、これを整理すると、降伏曲面は次のような別形式で表すことができる。
Figure 2016103362
塑性ポテンシャル関数についても降伏曲面と同様な楕円形状を有するものと仮定すると、
Figure 2016103362
と表せる。ここでcは塑性ポテンシャル係数であり、これが前記cに等しい時には関連流れ則が成立する。数5を微分することにより塑性ポテンシャル関数に直交する方向を求めると、
Figure 2016103362
となる。ここで1m貫入量当りの半回転数Nsw(=δnht/δs)にスクリューポイント7bの最大直径Dを乗じたNswDを正規化Nswと定義する。
塑性ポテンシャル係数cは、マクロエレメントと呼ばれる数学モデルで試験データを処理して得られる降伏曲面に対し、その座標原点を通って直角に交差する直線の傾きを示すものであり、地層、土質毎に異なる値を示す。前記マクロエレメントは、塑性論アナロジーモデルとも呼ばれるものであり、土の応力とひずみの関係を与える構成則と同じ枠組み(アナロジー)を利用し、構造物の荷重と変位との関係を記述する数学モデルのことである。構造物に負荷される荷重には鉛直荷重やモーメント、水平荷重などがあるが、構造物の破壊時の荷重はその他の荷重の組み合わせによって変化する。マイクロエレメントでは、このような組み合わされた荷重の大きさを降伏曲面として記述するとともに、これらの荷重にそれぞれ対応する変位増分を塑性ポテンシャル関数を用いて記述する。スウェーデン式サウンディング試験や本例で紹介する貫入試験のような荷重と回転とを与えて貫入ロッドを地中に貫入する試験は、荷重段階の鉛直荷重に加えて回転段階における回転負荷トルクをその作用荷重とする試験であるので、マイクロエレメントを適用できる組み合わせ荷重の問題の一つであるといえる。
実際の貫入試験においては、数2等で補正トルクTの正規化に用いた自沈荷重Wを特定することが困難である。自沈荷重Wは、各土質毎に定められたものであり、実際の貫入試験では最終的に土質を判定することを目的とする以上、貫入ロッドの貫入過程で土質を知ることができないためである。よって、貫入試験のデータ処理において、正規化トルクTを土質判定の指標に採用する場合は、自沈荷重Wに代えて補正荷重Wを用いることとし、
Figure 2016103362
とする。
実地盤における貫入試験においては、貫入ロッド4を地中に貫入する場合にロッド4aの長さが長くなるため、これに作用する土の抵抗が大きくなる。従って、土質判定に用いるトルク、荷重については、ロッド7aに作用する周面摩擦の影響を考慮する必要がある。図5は、貫入ロッド4に作用する周面摩擦の概念図を示す。ロッド7aに作用する鉛直方向の周面摩擦をW、水平方向の周面摩擦によるトルクをTとした場合、周面摩擦を考慮した荷重Wおよび回転負荷トルクT(実際に貫入ロッド7に負荷される荷重と、貫入試験において検出される回転負荷トルク)は 数9,数10で表される。
Figure 2016103362
Figure 2016103362
ロッド7aに作用する周面摩擦W,Tを算出するには、25cm貫入する毎に貫入ロッド7を1cm引き上げて、その際の回転トルクTrmを計測する。この時の最大せん断力は、次式で表される。
Figure 2016103362
さらに、合速度vの方向と合せん断応力τの方向が等しいと仮定すると数12および数13が得られる。
Figure 2016103362
Figure 2016103362
ここで、rはロッド径、τは合せん断応力、τθはτの水平方向成分、τはτの鉛直方向成分である。
一方、トルクおよび荷重の各周面摩擦成分T,Wについては、数14で表すことができる。
Figure 2016103362
前記数11,13よりτ,τθ,τを求め、これを数14に代入することによりT,Wを求める。また、貫入試験で試験データとして得られた荷重と回転負荷トルクは、前記荷重Wと回転負荷トルクTに相当するものであるから、数9,10により、スクリューポイント7bに真に負荷される補正荷重Wおよび補正トルクTを求めることができる。なお、補正荷重Wおよび補正トルクTを算出するに当たっては、特開2001-228068号公報にも本例と近似した方式が示されているので、これを用いてもよい。
土質・地層構造の判定に当たっては、以上の数式を用いることにより、補正トルクT、補正荷重W、貫入エネルギδE、正規化トルクT、塑性ポテンシャル係数cおよび正規化Nswの土質判定の基礎となる試験データをそれぞれ求め、これらを貫入深度に対応してプロットしたプロット図を得る(図6〜図13、図15〜図22参照)。これら各試験データの算出およびプロットは制御ユニット15で行ってもよいし、別のパソコン等の演算装置で行ってもよい。なお、本実施形態では補正前荷重Wおよび貫入速度の各プロット図についても作成し、土質・地層構造の判定に供する。
その一方で、試験を行った土地(試験実施地)の属する地域において、試験実施地と同一地形条件を満たす別の土地の地層構造データとして、標準貫入試験により得られたボーリング柱状図(以下、単に柱状図という)をGIS(Geographic Information System)によるボーリング柱状図検索システム等のデータベースを用いて取得する。そして、得られた柱状図と前記プロット図とを突き合わせて試験実施地の各貫入深度における土質・地層構造を判定する。柱状図が試験実施地と同一地形条件の場所で得られたものかどうかは、試験実施地の地域および地形における堆積環境(堆積する土質)の類似性から判断する。すなわち、試験実施地の地域と地形から堆積環境を推定し、近隣の柱状図を確認して推定した試験実施地の堆積環境と近似するものかどうかを確認する。近似するなら、その柱状図を土質・地層構造の判定指標として採用し、近似しない場合は別の土地の柱状図を探す。
プロット図と柱状図を使った土質・地層構造の判定においては、まず、補正トルクTのプロット図を主体的に用い、他のプロット図を補完的に用いて、各プロット図に現れている値の変動特性(値の大きさ、変動のパターン)から地層の境界(図6〜図13または図15〜図22中の一点鎖線)を判断する。各プロット図に示されたデータは、粘性土、砂質土、腐植土等の土質に応じて異なる変動特性を示すことがわかっているため、そこから地層の境界を判別することができる。ただし、プロット図の変動特性からは、粘性土、砂質土、腐植土といった大まかな土質しか判別することができないため、次に、柱状図(図14、図23参照)に照らしてプロット図の各境界間の細かな土質・地層構造を判定していく。これにより、試験実施地の地中におけるより正確な土質および地層構造を判定することができる。
例えば、図6ないし図13に示した下高井戸の各プロット図を見ると、深度0.75m〜7.5m付近までは変動特性に大きな変化がなく、比較的低い値で振幅も小さい典型的な粘性土の特性を示している。各プロット図を総合すると、深度0.75〜1.5m付近、および4〜7.5m付近の各層は、その間の層よりも僅かながら異なる変動特性を示していることがわかるが、それでも粘性土の域を出ないため、各層の土質をより詳細に特定することは難しい。注意深く観察すれば、cと正規化Nswの両プロット図の深度4〜7.5m付近には、高い値で振幅の大きい砂質土の特性が部分的に現れているため、この層が砂質混じりの粘性土の層であると推定できるかもしれないが、これだけでは、その確からしさを保証することは難しい。そこで、採用した柱状図(図14参照)を見る。この柱状図においては、深度0.75〜1.5mは黒ボク、1.5〜2.9mはローム、2.9〜3.8mは凝灰質粘土、3.8〜7.8mはシルトの各層となっている。これを各プロット図に照合すると、なるほど、柱状図とほぼ同じ深度において僅かながら変動特性に違いが見られることから、柱状図の地層構造を採用し、各深度の土質・地層構造を決定することができる。
前述の例は、柱状図によって示された各深度における土質と、プロット図の各深度における土質とがほぼ一致した例であるが、柱状図は、あくまで試験実施地とは別の土地の地層構造を示すものであるため、プロット図から判定される土質・地層構造が柱状図に示されたものと若干異なる場合もある。その例を示したのが、図15ないし図22(いずれも埼玉県さいたま市南区曲本の貫入試験で得られたプロット図)である。採用した柱状図(図23)の深度5〜6m付近は砂混じりシルトとなっているが、各プロット図においては、その間に2種類の変動特性が見られる。補正トルクTのプロット図を例に見てみると、深度5〜6m付近において比較的高い値で推移している層と、低い値で推移して層とに分かれているのがわかる。補正トルクT等の試験データは、砂質土の場合だと高い値で振幅の大きい変動特性を示し、粘性土の場合だと低い値で振幅の小さい変動特性を示す。ゆえに、この試験実施地においては、柱状図で示された砂混じりシルトの地層部分が砂質土と粘性土に分かれていると判定することになる。この判定は、柱状図で砂混じりシルトとなっている裏付けがあることから、信頼性の高いものとなる。また、同じく図15ないし図22における深度1〜3mの区間では、柱状図ではシルト質微細砂となっているが、各プロット図では上部と下部が砂質土、中部が粘性土の特性を示している。このため、総合してシルトを挟む砂質土と判定されている。なお、この層については粘性土/砂質土/粘性土の三層に分かれていると判定してもよい。
なお、以上の説明では貫入ロッド7に負荷する荷重を段階的に変動させ、スクリューポイント7bが25cmの単位区間貫入する毎の各荷重下での回転負荷トルクを取得するようにしたが、これ以外にも、次の方法で所定深度毎の異なる荷重に対する回転負荷トルクを取得してもよい。すなわち、ロッド7aを所定深度(例えば25cm)毎貫入する間は、通常のスウェーデン式サウンディング試験方法に従って自沈貫入および回転貫入を適宜行って貫入ロッド7を地中に貫入する。そして、スクリューポイント7bが所定深度貫入する毎に一旦荷重を0(ゼロ)にし、ここから荷重を50N,150N,250N,500N,750N,1KNと(ただし、所定深度貫入する間、自沈貫入であった場合は、その自沈貫入が起きる最大の荷重まで)増やし、各荷重毎に貫入ロッド4を回転させて回転負荷トルクその他の試験データを得る。これによって得られた試験データから補正トルクT、エネルギδE、塑性ポテンシャル係数c等を求めて、地層の判定を行うことも可能である。
また、本実施形態では補正トルクや補正荷重等のプロット図を用いる例を紹介したが、補正前のトルクや荷重のプロット図によっても土質に応じた変動特性を把握することは可能であり、これを柱状図等の地層構造データと照合することによって上記同様に土質および地層構造の判定を行うことができる。
1 自動貫入試験機
2 支柱
2a チェーン部材
3 昇降台
3a おもり
4 チャック用モータ
4a 出力軸
5 トルク検出機構
5a 遊星歯車機構
5b 歪みゲージ
5c 出力軸
6 チャックユニット
7 貫入ロッド
7a ロッド
7b スクリューポイント
7c ねじ部
8 スプロケット
9 スプロケット
10 環状チェーン
11 昇降用モータ
11a 出力軸
12 一方向クラッチ
13 ブレーキ手段
14 スプロケット
15 制御ユニット
16 ロータリエンコーダ

Claims (3)

  1. 所定の荷重と回転とを付与して貫入ロッドを地中に貫入し、
    この貫入ロッドの貫入に関与して変動する試験データを取得し、
    この試験データと、当該貫入試験実施地が属する地域内の同一地形条件を満たす別の土地で既に得られている地層構造データとを照合し、当該貫入試験実施地の地中の土質・地層構造を判定することを特徴とする貫入試験方法。
  2. 試験データは、貫入ロッドが土から受ける回転負荷トルク、貫入ロッドに負荷される荷重、貫入ロッドの貫入深さ、貫入ロッドの回転回数、貫入ロッドの貫入速度、回転負荷トルクから土の周面摩擦の影響を除いた補正トルク、荷重から土の周面摩擦の影響を除いた補正荷重、貫入ロッドの貫入エネルギ、正規化トルク、正規化Nsw、塑性ポテンシャル係数cの群から選択される一または複数のデータであることを特徴とする請求項1に記載の貫入試験方法。
  3. 試験データは、所定のタイミングで複数取得されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の貫入試験方法。
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