JPWO2016093299A1 - 水性液剤 - Google Patents
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Abstract
水性液剤中のN−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩の安定性の向上した水性液剤、水性液中での該化合物の安定化方法、及び水性液中での該化合物の安定化剤を提供する。上記化合物、及びエチレンジアミン四酢酸(EDTA)もしくはその塩又はその水和物を含有する水性液剤;水性液中での該化合物の安定化方法であって、水性液に、該化合物、及びEDTAもしくはその塩又はその水和物を配合することを特徴とする、方法;EDTAもしくはその塩又はその水和物を含有する、水性液中での上記化合物の安定化剤;及びEDTAもしくはその塩又はその水和物と、ヒマシ油とを組み合わせてなる、水性液中での該化合物の安定化剤。
Description
本発明は、水性液剤中のN−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(本明細書中において化合物Aともいう)及びその塩の安定性の向上した水性液剤、水性液中での化合物A及びその塩の安定化方法、及び水性液中での化合物A及びその塩の安定化剤に関する。
化合物A及びその塩は、強力なキナーゼ阻害活性を有し、癌の予防・治療、糖尿病性網膜症の予防・治療等に有用であることが知られている(特許文献1)。しかし、化合物A及びその塩は水難溶性であるため、水性液剤について、特に水性液中の安定性について、具体的に検討されたものはなかった。
本発明者らは、化合物A又はその塩を含有する水性液剤について検討したところ、当該水性液剤中では経日的に化合物A又はその塩の含量が低下するという問題があることを見出した。
本発明の目的はかかる新知見である問題点を解決するものであり、水性液剤中の化合物A及びその塩の安定性の向上した(言い換えれば、水性液剤中の化合物A及びその塩の含量の低下が抑制された)水性液剤を提供することである。また本発明の他の目的は、水性液中での化合物A及びその塩の安定化方法、及び水性液中での化合物A及びその塩の安定化剤を提供することである。
本発明の目的はかかる新知見である問題点を解決するものであり、水性液剤中の化合物A及びその塩の安定性の向上した(言い換えれば、水性液剤中の化合物A及びその塩の含量の低下が抑制された)水性液剤を提供することである。また本発明の他の目的は、水性液中での化合物A及びその塩の安定化方法、及び水性液中での化合物A及びその塩の安定化剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題解決のために鋭意検討した結果、エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を添加することにより、水性液剤中の化合物A及びその塩が安定化されること(言い換えれば、水性液剤中の化合物A及びその塩の含量の低下が抑制されること)を見出した。また、本発明者らは、エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を添加した水中油型乳剤中では、化合物A及びその塩がより安定化されることを見出した。本発明者らは上記知見に基づきさらに鋭意検討して本発明を完成させた。
すなわち本発明は、以下を提供する。
[1]N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩、及びエチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を含有する水性液剤(本明細書中において本発明の水性液剤ともいう)。
[2]水中油型乳剤である、上記[1]記載の剤(本明細書中において本発明の水中油型乳剤ともいう)。
[3]水中油型乳剤における油成分がヒマシ油である、上記[2]記載の剤。
[4]点眼剤である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の剤。
[5]水性液中でのN−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩の安定化方法であって、水性液に、N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩、及びエチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を配合することを特徴とする、方法。
[6]水性液が水中油型乳液である、上記[5]記載の方法。
[7]水中油型乳液における油成分がヒマシ油である、上記[6]記載の方法。
[8]エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を含有する、水性液中でのN−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩の安定化剤。
[9]エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物と、ヒマシ油とを組み合わせてなる、水性液中でのN−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩の安定化剤。
[1]N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩、及びエチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を含有する水性液剤(本明細書中において本発明の水性液剤ともいう)。
[2]水中油型乳剤である、上記[1]記載の剤(本明細書中において本発明の水中油型乳剤ともいう)。
[3]水中油型乳剤における油成分がヒマシ油である、上記[2]記載の剤。
[4]点眼剤である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の剤。
[5]水性液中でのN−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩の安定化方法であって、水性液に、N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩、及びエチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を配合することを特徴とする、方法。
[6]水性液が水中油型乳液である、上記[5]記載の方法。
[7]水中油型乳液における油成分がヒマシ油である、上記[6]記載の方法。
[8]エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を含有する、水性液中でのN−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩の安定化剤。
[9]エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物と、ヒマシ油とを組み合わせてなる、水性液中でのN−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩の安定化剤。
本発明によれば、化合物A又はその塩を含有する水性液剤(好ましくは水中油型乳剤)に、エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を含有させることにより、水性液剤中の化合物A及びその塩の安定性の向上した水性液剤を提供できる。
本発明において、「水性液」とは、水を含有する液体であって、例えば、水、水中油型乳液が挙げられる。該水性液は、水以外の物質が通常50質量%以下、好ましくは25質量%以下であり、且つ水相が連続相である液体をいう。
また、本発明において「水性液剤」とは、化合物A又はその塩を含む医薬製剤の態様である水性液をいい、水溶液剤、懸濁剤、乳剤(例、水中油型乳剤)等をいう。
また、本発明において「水性液剤」とは、化合物A又はその塩を含む医薬製剤の態様である水性液をいい、水溶液剤、懸濁剤、乳剤(例、水中油型乳剤)等をいう。
本発明の水性液剤は、化合物A又はその塩を含有する。
本発明の水性液剤における化合物A又はその塩の含有量は、水性液剤全量に対して、通常0.002〜2w/v%、好ましくは0.005〜0.2w/v%、さらに好ましくは0.005〜0.1w/v%である。
本発明の水性液剤における化合物A又はその塩の含有量は、水性液剤全量に対して、通常0.002〜2w/v%、好ましくは0.005〜0.2w/v%、さらに好ましくは0.005〜0.1w/v%である。
本発明において、化合物Aの塩としては、薬学的に許容し得る塩が挙げられ、例えば、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性又は酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
本発明の水性液剤は、エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を含有する。
本発明において、エチレンジアミン四酢酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、が挙げられ、ナトリウム塩が好ましい。
本発明において、エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物が挙げられ、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物が好ましい。
本発明において、エチレンジアミン四酢酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、が挙げられ、ナトリウム塩が好ましい。
本発明において、エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物が挙げられ、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物が好ましい。
本発明の水性液剤におけるエチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物の含有量は、水性液剤全量に対して、通常0.001〜0.2w/v%、好ましくは0.005〜0.05w/v%、さらに好ましくは0.01〜0.03w/v%、よりさらに好ましくは0.01〜0.02w/v%である。
本発明の水性液剤は、化合物A及びその塩に対するエチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物の配合による安定化効果は、乳剤においてより顕著であるから、水中油型乳剤が好ましい。
本発明の水中油型乳剤における油成分としては、例えば、ヒマシ油、菜種油、綿実油、大豆油、コーン油、オリーブ油、流動パラフィン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸(例、リシノール酸、オレイン酸)、脂肪族アルコール(例、オレイルアルコール)が挙げられ、ヒマシ油が好ましい。油成分としてヒマシ油を含む本発明の水中油型乳剤は、水性液剤中における化合物A及びその塩の経日的な含量低下を抑制するという点で優れる。化合物A及びその塩が優れた溶解性を示すため、油成分としてヒマシ油を用いることが好ましい。
本発明の水中油型乳剤における油成分の含有量は、水性液剤全量に対して、通常0.1〜50%w/v%、好ましくは0.5〜20%w/v%、さらに好ましくは1〜10%w/v%である。
本発明の水中油型乳剤における油成分としては、例えば、ヒマシ油、菜種油、綿実油、大豆油、コーン油、オリーブ油、流動パラフィン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸(例、リシノール酸、オレイン酸)、脂肪族アルコール(例、オレイルアルコール)が挙げられ、ヒマシ油が好ましい。油成分としてヒマシ油を含む本発明の水中油型乳剤は、水性液剤中における化合物A及びその塩の経日的な含量低下を抑制するという点で優れる。化合物A及びその塩が優れた溶解性を示すため、油成分としてヒマシ油を用いることが好ましい。
本発明の水中油型乳剤における油成分の含有量は、水性液剤全量に対して、通常0.1〜50%w/v%、好ましくは0.5〜20%w/v%、さらに好ましくは1〜10%w/v%である。
本発明の水中油型乳剤は、通常、乳化剤を含有する。
乳化剤としては、例えば、界面活性剤、例えば界面活性能のある非イオン界面活性剤等を配合することができる。非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート類、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート類、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート類等)等が挙げられる。また、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート類の例としてはポリソルベート80が挙げられる。乳化剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート類(特に、ポリソルベート80)が好ましい。
本発明の水中油型乳剤における乳化剤の含有量は、油成分に対して、通常20〜200w/w%、好ましくは30〜150w/w%、さらに好ましくは60〜120w/w%である。
乳化剤としては、例えば、界面活性剤、例えば界面活性能のある非イオン界面活性剤等を配合することができる。非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート類、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート類、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート類等)等が挙げられる。また、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート類の例としてはポリソルベート80が挙げられる。乳化剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート類(特に、ポリソルベート80)が好ましい。
本発明の水中油型乳剤における乳化剤の含有量は、油成分に対して、通常20〜200w/w%、好ましくは30〜150w/w%、さらに好ましくは60〜120w/w%である。
本発明の水中油型乳剤には緩衝剤を配合することができる。緩衝剤の例としては、酢酸ナトリウム等の酢酸塩、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸一水素二カリウム等のリン酸塩、イプシロンアミノカプロン酸、グルタミン酸ナトリウム等のアミノ酸塩、ホウ酸及びその塩、クエン酸及びその塩等が挙げられ、酢酸ナトリウムが好ましい。
本発明の水中油型乳剤における緩衝剤の含有量は、水性液剤全量に対して、通常0.01〜1w/v%、好ましくは0.02〜0.5w/v%、さらに好ましくは0.05〜0.2w/v%である。
本発明の水中油型乳剤には、等張化剤を配合することができる。等張化剤の例としては、塩化ナトリウム、グリセリン(例えば、濃グリセリン)、プロピレングリコール、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール等が挙げられ、グリセリン(例えば、濃グリセリン)が好ましい。
本発明の水中油型乳剤における等張化剤の含有量は、水性液剤の浸透圧が、通常200〜400mOsm、好ましくは250〜350mOsm、さらに好ましくは270〜330mOsmとなる量である。
本発明の水中油型乳剤には、乳化安定性を高めるために、水溶性高分子を配合することができる。水溶性高分子の例としては、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びそれらの塩等が挙げられる。
本発明の水中油型乳剤には保存剤を配合することができる。保存剤の例としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等の第四級アンモニウム塩、グルコン酸クロルヘキシジン等の陽イオン化合物、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル等のパラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール化合物、デヒドロ酢酸ナトリウム、チメロサール、ソルビン酸等が挙げられる。
本発明の水中油型乳剤には他に安定化剤、抗酸化剤、pH調整剤、増粘剤等の各種添加剤を配合することができる。抗酸化剤の例としては、アスコルビン酸及びその塩、トコフェロール、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピルビン酸及びその塩等が挙げられる。pH調整剤の例としては、塩酸、リン酸、酢酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水等が挙げられる。
本発明の水中油型乳剤における緩衝剤の含有量は、水性液剤全量に対して、通常0.01〜1w/v%、好ましくは0.02〜0.5w/v%、さらに好ましくは0.05〜0.2w/v%である。
本発明の水中油型乳剤には、等張化剤を配合することができる。等張化剤の例としては、塩化ナトリウム、グリセリン(例えば、濃グリセリン)、プロピレングリコール、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール等が挙げられ、グリセリン(例えば、濃グリセリン)が好ましい。
本発明の水中油型乳剤における等張化剤の含有量は、水性液剤の浸透圧が、通常200〜400mOsm、好ましくは250〜350mOsm、さらに好ましくは270〜330mOsmとなる量である。
本発明の水中油型乳剤には、乳化安定性を高めるために、水溶性高分子を配合することができる。水溶性高分子の例としては、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びそれらの塩等が挙げられる。
本発明の水中油型乳剤には保存剤を配合することができる。保存剤の例としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等の第四級アンモニウム塩、グルコン酸クロルヘキシジン等の陽イオン化合物、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル等のパラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール化合物、デヒドロ酢酸ナトリウム、チメロサール、ソルビン酸等が挙げられる。
本発明の水中油型乳剤には他に安定化剤、抗酸化剤、pH調整剤、増粘剤等の各種添加剤を配合することができる。抗酸化剤の例としては、アスコルビン酸及びその塩、トコフェロール、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピルビン酸及びその塩等が挙げられる。pH調整剤の例としては、塩酸、リン酸、酢酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水等が挙げられる。
本発明の水中油型乳剤のpHは、好ましくは3〜8であり、さらに好ましくは4〜6である。
本発明の水中油型乳剤の油滴のメディアン径としては0.0001〜5μmが好ましく、さらに0.001〜1μmがより好ましく、0.01〜1μmが特に好ましい。メディアン径の測定は粒度分布測定装置を用いて行うことができる。
本発明の水中油型乳剤は、公知の手法を用いて調製することができる。例えば、化合物A又はその塩を溶解させた油成分と、エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を溶解させた水を、乳化剤を用いて乳化することにより本発明の水中油型乳剤を調製できる。例えば、水に、乳化剤;エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物;及び必要に応じて上記の添加剤を添加し、化合物A又はその塩を溶解した油を添加して乳化物とすることができる。均一に乳化を行うために、ホモミキサー、ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、高圧ホモジナイザー等の公知の手段を使用することができる。
本発明の水性液剤が、化合物A又はその塩を含有する水溶液(以下、本発明の水溶液剤ともいう)である場合、通常用いられる、緩衝剤、等張化剤、pH調整剤、界面活性剤等の各種添加剤を適宜添加してもよい。緩衝剤、等張化剤、pH調整剤としては、上記水中油型乳剤について例示したものと同様のものが例示される。
界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤が挙げられる。非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類又はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、好ましくはポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート類(例えば、ポリソルベート80)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート類、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート類、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート類等が挙げられる。
本発明の水溶液剤における緩衝剤の含有量は、水性液剤全量に対して、通常0.01〜1w/v%、好ましくは0.02〜0.5w/v%、さらに好ましくは0.05〜0.2w/v%である。
本発明の水溶液剤における等張化剤の含有量は、水性液剤の浸透圧が、通常200〜400mOsm、好ましくは250〜350mOsm、さらに好ましくは270〜330mOsmとなる量である。
本発明の水溶液剤における界面活性剤の含有量は、水性液剤全量に対して、通常0.05〜10w/v%である。
界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤が挙げられる。非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類又はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、好ましくはポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート類(例えば、ポリソルベート80)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート類、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート類、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート類等が挙げられる。
本発明の水溶液剤における緩衝剤の含有量は、水性液剤全量に対して、通常0.01〜1w/v%、好ましくは0.02〜0.5w/v%、さらに好ましくは0.05〜0.2w/v%である。
本発明の水溶液剤における等張化剤の含有量は、水性液剤の浸透圧が、通常200〜400mOsm、好ましくは250〜350mOsm、さらに好ましくは270〜330mOsmとなる量である。
本発明の水溶液剤における界面活性剤の含有量は、水性液剤全量に対して、通常0.05〜10w/v%である。
本発明の水溶液剤のpHは、好ましくは3〜8であり、さらに好ましくは4〜6である。
本発明の水溶液剤は、公知の手法を用いて、化合物A又はその塩;エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物;及び必要に応じて上記の添加剤を水に溶解させて調製できる。
本発明において、懸濁剤は、上記水溶液剤に準じた添加剤、各成分の配合量が適用される。
本発明の水性液剤は、哺乳動物(ヒト、イヌ、ウサギ、ウシ、ウマ、サル、ネコ、ヒツジ等)に対して、例えば、糖尿病性網膜症等の眼疾患の予防・治療剤として用いることができる。
本発明の水性液剤は、経口投与又は非経口投与の水性液剤の剤型にすることができるが、化合物A又はその塩を、糖尿病性網膜症等の眼疾患に用いる場合は、点眼剤が好ましい。
本発明の水性液剤は、経口投与又は非経口投与の水性液剤の剤型にすることができるが、化合物A又はその塩を、糖尿病性網膜症等の眼疾患に用いる場合は、点眼剤が好ましい。
本発明の水性液剤の投与量は、疾病の種類、症状、患者の年齢、体重などにより異なるが、例えば成人に点眼液として用いる場合、患者1人に対し、1眼につき、化合物A又はその塩を0.002〜2w/v%程度含有する点眼液として、症状に応じて1回量1〜2滴を1日1〜4回程度点眼投与することが望ましい。
本発明はまた、水性液中での化合物A及びその塩の安定化方法であって、水性液に、化合物A又はその塩、及びエチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を配合することを特徴とする、方法に関する。
配合順序は特に限定されるものではない。例として、予めエチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を配合した水性液に、化合物A又はその塩を配合すること;又は、エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物と、化合物A又はその塩とを同時に水性液に配合することができる。
水性液が、水中油型乳液の場合、化合物A又はその塩を油に溶解させて配合させる。
本発明の方法における調製は、水性液剤の調製と同様の態様にて行われる。例えば、エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物の配合量は、水性液剤において述べた量に準じる。
該方法において、安定化を確認する工程(例えば、水性液中の化合物A又はその塩の含量を測定する工程、水性液中の化合物A又はその塩の残存率を測定する工程、水性液中の化合物A又はその塩の半減期を測定する工程等)を含んでいてもよい。含量を測定する工程、残存率を測定する工程、半減期を測定する工程は、例えば、後述の試験例1に準じて行うことができる。
配合順序は特に限定されるものではない。例として、予めエチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を配合した水性液に、化合物A又はその塩を配合すること;又は、エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物と、化合物A又はその塩とを同時に水性液に配合することができる。
水性液が、水中油型乳液の場合、化合物A又はその塩を油に溶解させて配合させる。
本発明の方法における調製は、水性液剤の調製と同様の態様にて行われる。例えば、エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物の配合量は、水性液剤において述べた量に準じる。
該方法において、安定化を確認する工程(例えば、水性液中の化合物A又はその塩の含量を測定する工程、水性液中の化合物A又はその塩の残存率を測定する工程、水性液中の化合物A又はその塩の半減期を測定する工程等)を含んでいてもよい。含量を測定する工程、残存率を測定する工程、半減期を測定する工程は、例えば、後述の試験例1に準じて行うことができる。
本発明はさらに、エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を含有する、水性液中での化合物A及びその塩の安定化剤に関する。
本発明の安定化剤は、少なくともエチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を含むものであり、さらに緩衝剤、等張化剤、pH調整剤、界面活性剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
該安定化剤は、水性液剤の調製におけると同様の態様にて使用することができる。
本発明の安定化剤は、少なくともエチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を含むものであり、さらに緩衝剤、等張化剤、pH調整剤、界面活性剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
該安定化剤は、水性液剤の調製におけると同様の態様にて使用することができる。
さらに、本発明はエチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物と、ヒマシ油とを組み合わせてなる、水性液中での化合物A及びその塩の安定化剤に関する。
該安定化剤においては、エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物の安定化に加えて、水中油型乳剤の油相におけるヒマシ油による安定化効果が発揮される。
該安定化剤においては、エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物の安定化に加えて、水中油型乳剤の油相におけるヒマシ油による安定化効果が発揮される。
以下、実施例、比較例、試験例、参考例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
化合物Aは、N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドを示す。エデト酸ナトリウムは、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物を示す。
化合物Aは、N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドを示す。エデト酸ナトリウムは、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物を示す。
[実施例1及び2]
表1に示す処方に従って、精製水に化合物A、ポリソルベート80、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、エデト酸ナトリウムを加えて溶かし、塩酸でpHを5.5に調整することにより、実施例1及び2の水性液剤(化合物A含有水溶液)を得た。
表1に示す処方に従って、精製水に化合物A、ポリソルベート80、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、エデト酸ナトリウムを加えて溶かし、塩酸でpHを5.5に調整することにより、実施例1及び2の水性液剤(化合物A含有水溶液)を得た。
[実施例3及び4]
表1に示す処方に従って、精製水にポリソルベート80、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、エデト酸ナトリウムを加えて溶かし、水相とした。別に、表1に示す処方に従って、ヒマシ油に化合物Aを加えて溶解し、油相とした。水相をT.K.ロボミックス(プライミクス社製)で撹拌しながら油相を加えて粗乳化物を得た。この粗乳化物をフィルミックス(プライミクス社製)で微粒子化し、塩酸でpHを5.5に調整することにより、実施例3及び4の水性液剤(化合物A含有水中油型乳剤)を得た。
表1に示す処方に従って、精製水にポリソルベート80、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、エデト酸ナトリウムを加えて溶かし、水相とした。別に、表1に示す処方に従って、ヒマシ油に化合物Aを加えて溶解し、油相とした。水相をT.K.ロボミックス(プライミクス社製)で撹拌しながら油相を加えて粗乳化物を得た。この粗乳化物をフィルミックス(プライミクス社製)で微粒子化し、塩酸でpHを5.5に調整することにより、実施例3及び4の水性液剤(化合物A含有水中油型乳剤)を得た。
[比較例1〜4]
表1に示す処方に従って、エデト酸ナトリウムを用いないことを除いて実施例1〜4と同様にして、比較例1及び2の水性液剤(化合物A含有水溶液)、並びに比較例3及び4の水性液剤(化合物A含有水中油型乳剤)を得た。
表1に示す処方に従って、エデト酸ナトリウムを用いないことを除いて実施例1〜4と同様にして、比較例1及び2の水性液剤(化合物A含有水溶液)、並びに比較例3及び4の水性液剤(化合物A含有水中油型乳剤)を得た。
[試験例1]安定性試験
実施例1〜4、比較例1〜4で得られた水性液剤をそれぞれガラスアンプルに充填し、60℃下で5日間、7日間、14日間保存した。保存後の各検体中の化合物Aの含量を下記の方法で測定した。
実施例1〜4、比較例1〜4で得られた水性液剤をそれぞれガラスアンプルに充填し、60℃下で5日間、7日間、14日間保存した。保存後の各検体中の化合物Aの含量を下記の方法で測定した。
(化合物A含量測定方法)
(1)試料溶液の作成
上記保存後の各検体2mLを正確に量り、エタノールを加えて正確に20mLとした。
(2)標準溶液の作成
化合物A約0.02gを精密に量り、エタノールを加えて溶かし、正確に20mLとした(標準原液)。表2に示す方法で標準原液をインジェクター洗浄液で希釈し、標準溶液(STD−1〜STD−5)とした。
(1)試料溶液の作成
上記保存後の各検体2mLを正確に量り、エタノールを加えて正確に20mLとした。
(2)標準溶液の作成
化合物A約0.02gを精密に量り、エタノールを加えて溶かし、正確に20mLとした(標準原液)。表2に示す方法で標準原液をインジェクター洗浄液で希釈し、標準溶液(STD−1〜STD−5)とした。
(3)液体クロマトグラフィー法による化合物Aの測定
試料溶液及び標準溶液20μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフィー法により試験を行い、試料溶液の化合物Aのピーク面積(AT)を得た。同様に標準溶液(STD−1〜STD−5)の化合物Aのピーク面積(AS1〜AS5)を得て検量線を作成し、検量線のy切片と傾きから試料溶液の化合物A含量及び残存率を算出した。
i)化合物Aの含量=(AT−y切片)/傾き
ii)残存率(%)=各測定時点での化合物Aの量(対表示率%)/初期化合物Aの量(対表示率%)×100
iii)HPLC測定条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長230nm)
カラム:CAPCELL PAK C18 MGII、3μm、4.6mm i.d.×100mm(資生堂製)
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:0.02mol/Lリン酸塩緩衝液(pH5.0)/アセトニトリル混液(13:7)
流量:化合物Aの保持時間が約8分になるように調整
(4)化合物Aの半減期算出
60℃下保存検体の保存日数をX軸に、60℃下5日間、7日間、14日間保存した検体中の化合物Aの残存率の対数値をそれぞれY軸に取り、それらの点を結んだ直線の傾きを反応速度定数(k)として算出した。そのkから溶液中における化合物Aの半減期(t1/2)を算出した。
溶液中における化合物Aの半減期(t1/2)=ln2/k
試料溶液及び標準溶液20μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフィー法により試験を行い、試料溶液の化合物Aのピーク面積(AT)を得た。同様に標準溶液(STD−1〜STD−5)の化合物Aのピーク面積(AS1〜AS5)を得て検量線を作成し、検量線のy切片と傾きから試料溶液の化合物A含量及び残存率を算出した。
i)化合物Aの含量=(AT−y切片)/傾き
ii)残存率(%)=各測定時点での化合物Aの量(対表示率%)/初期化合物Aの量(対表示率%)×100
iii)HPLC測定条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長230nm)
カラム:CAPCELL PAK C18 MGII、3μm、4.6mm i.d.×100mm(資生堂製)
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:0.02mol/Lリン酸塩緩衝液(pH5.0)/アセトニトリル混液(13:7)
流量:化合物Aの保持時間が約8分になるように調整
(4)化合物Aの半減期算出
60℃下保存検体の保存日数をX軸に、60℃下5日間、7日間、14日間保存した検体中の化合物Aの残存率の対数値をそれぞれY軸に取り、それらの点を結んだ直線の傾きを反応速度定数(k)として算出した。そのkから溶液中における化合物Aの半減期(t1/2)を算出した。
溶液中における化合物Aの半減期(t1/2)=ln2/k
結果を表3〜6に示す。
水性液剤においては、化合物Aの経日的な含量低下が観察されたが、エデト酸ナトリウムを添加することにより、当該低下の割合が減少した。特に、化合物Aの0.005%、0.01%水溶液における半減期は、エデト酸ナトリウム無添加時と比較して、それぞれ1.40倍(表3)、3.57倍(表4)に延長した。
化合物Aは水溶液よりも水中油型乳剤にすることにより安定性が向上した。また、0.005%、0.01%水中油型乳剤における化合物Aの半減期はエデト酸ナトリウム無添加時と比較して、エデト酸ナトリウムを添加することにより、それぞれ12.9倍(表5、比較例3と実施例3との比較)、12.1倍(表6、比較例4と実施例4との比較)の延長効果が見られた。
溶液中の化合物Aのエデト酸ナトリウムによる安定化効果は、水溶液中よりも水中油型乳剤中での効果が顕著に高いことがわかった。
また、60℃下で14日間保存した実施例4中の化合物Aの残存率は97.3%であり、製剤中で安定であった。
水性液剤においては、化合物Aの経日的な含量低下が観察されたが、エデト酸ナトリウムを添加することにより、当該低下の割合が減少した。特に、化合物Aの0.005%、0.01%水溶液における半減期は、エデト酸ナトリウム無添加時と比較して、それぞれ1.40倍(表3)、3.57倍(表4)に延長した。
化合物Aは水溶液よりも水中油型乳剤にすることにより安定性が向上した。また、0.005%、0.01%水中油型乳剤における化合物Aの半減期はエデト酸ナトリウム無添加時と比較して、エデト酸ナトリウムを添加することにより、それぞれ12.9倍(表5、比較例3と実施例3との比較)、12.1倍(表6、比較例4と実施例4との比較)の延長効果が見られた。
溶液中の化合物Aのエデト酸ナトリウムによる安定化効果は、水溶液中よりも水中油型乳剤中での効果が顕著に高いことがわかった。
また、60℃下で14日間保存した実施例4中の化合物Aの残存率は97.3%であり、製剤中で安定であった。
[参考例1]各種溶媒(油成分)の化合物Aの溶解度測定
表7記載の各種溶媒10gに過剰量(約0.2g)の化合物Aを加え、25℃で24時間撹拌した。その後、温度を維持したまま溶媒を0.45μm非水系フィルターで濾過した。濾液に含まれる化合物Aの含量を試験例1と同様に測定し、各種溶媒中の化合物Aの溶解度を算出した。
結果を表7に示す。
表7記載の各種溶媒10gに過剰量(約0.2g)の化合物Aを加え、25℃で24時間撹拌した。その後、温度を維持したまま溶媒を0.45μm非水系フィルターで濾過した。濾液に含まれる化合物Aの含量を試験例1と同様に測定し、各種溶媒中の化合物Aの溶解度を算出した。
結果を表7に示す。
本発明の化合物A又はその塩を含有する水性液剤(例えば点眼剤)は、水性液剤中の化合物A又はその塩の安定性が向上しており、医薬として有用である。
この出願は、日本で出願された特願2014−250377を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。
Claims (9)
- N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩、及びエチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を含有する水性液剤。
- 水中油型乳剤である、請求項1記載の剤。
- 水中油型乳剤における油成分がヒマシ油である、請求項2記載の剤。
- 点眼剤である、請求項1〜3のいずれか1項記載の剤。
- 水性液中でのN−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩の安定化方法であって、水性液に、N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩、及びエチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を配合することを特徴とする、方法。
- 水性液が水中油型乳液である、請求項5記載の方法。
- 水中油型乳液における油成分がヒマシ油である、請求項6記載の方法。
- エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物を含有する、水性液中でのN−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩の安定化剤。
- エチレンジアミン四酢酸もしくはその塩又はその水和物と、ヒマシ油とを組み合わせてなる、水性液中でのN−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル}オキシ)−2−メチルフェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド又はその塩の安定化剤。
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