JPWO2016093091A1 - 熱可塑性エラストマー押出発泡シート - Google Patents

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健一 鯉渕
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Abstract

本発明は、軽量で衝撃吸収性に優れ、例えば、スポーツや医療・介護分野等での打撲や骨折等の低減を目的とした身体保護用のプロテクターや保護用マット等に好適に用いることのできる熱可塑性エラストマー押出発泡シートを提供することを目的とする。本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートは、(A)イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体である熱可塑性エラストマー、及び、(B)熱膨張性マイクロカプセルを含有する発泡性組成物を押出発泡して得られることを特徴とする。

Description

本発明は、軽量で衝撃吸収性に優れる熱可塑性エラストマー押出発泡シート及びその製造方法に関する。
熱可塑性樹脂からなる発泡体は、軽量、緩衝性等の特性を有しており、種々の用途で広く使用されている。中でも、クッション性や柔軟性、衝撃吸収性が必要な用途には熱可塑性エラストマーの発泡体が好適に用いられている。このような発泡体として、例えば特許文献1には、スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物をベースとしたスチレン系熱可塑性エラストマー成分を射出発泡して成形した発泡体が提案されている。また、特許文献2には、ラジカル架橋性エラストマーと熱可塑性樹脂からなる架橋された熱可塑性エラストマー組成物を、熱膨張性バルーンで発泡させてなる熱可塑性エラストマー発泡体が提案されている。しかし、これらの方法で得られる発泡体は、硬い上に衝撃吸収性が低く、身体保護を目的としたプロテクターの材料として適したものではなかった。
身体保護を目的としたプロテクターとして、例えば特許文献3には、ポリスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の高分子物質に水溶性気孔形成材を分散させた成形材料からなる高分子多孔体を、衝撃吸収部材として装着した衣類が提案されている。また、特許文献4には、多孔性シリコーンゲルをスポーツシューズ用緩衝材に用いることが提案されている。しかしながら、これらの文献に記載された材料は、その用途によっては衝撃吸収性を充分確保するために厚みが分厚くなることがあった。そのため、身体保護を目的としたプロテクターに用い得る、衝撃吸収性に優れた材料の開発が求められていた。
一方、熱可塑性エラストマーの発泡体の製造方法として、例えば、特許文献5には、熱可塑性エラストマーと熱膨張性マイクロカプセルからなる発泡性組成物を射出発泡(コアバック法を用いた射出発泡)する方法が提案されている。しかしながら、この方法では発泡体の形状を変更するために射出成形用金型を作製する必要があるため、後加工により発泡体の形状を容易に変更できる方法が求められていた。
特開平6−218741号公報 特開平11―343362号公報 特開2003−3004号公報 特開平7−3165号公報 特開2011−168775号公報
本発明は、軽量で衝撃吸収性に優れ、例えば、スポーツや医療・介護分野等での打撲や骨折等の低減を目的とした身体保護用のプロテクターや保護用マット等に好適に用いることのできる熱可塑性エラストマー押出発泡シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の構造を有する熱可塑性エラストマーと熱膨張性マイクロカプセルとを含有する発泡性組成物を押出発泡して得られる熱可塑性エラストマー押出発泡シートにより、上述の課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(A)イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体である熱可塑性エラストマー、及び、(B)熱膨張性マイクロカプセルを含有する発泡性組成物を押出発泡して得られることを特徴とする熱可塑性エラストマー押出発泡シートに関する。
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートにおいて、発泡性組成物は、さらに(C)粘着付与樹脂を含有することが好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートにおいて、発泡性組成物は、さらに(D)可塑剤を含有することが好ましい。
本発明は、(A)イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体である熱可塑性エラストマー、及び、(B)熱膨張性マイクロカプセルを含有する発泡性組成物を押出発泡する工程を含むことを特徴とする熱可塑性エラストマー押出発泡シートの製造方法に関する。
本発明の衝撃吸収体は、本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートからなることを特徴とする。
本発明の身体保護用のプロテクターは、本発明の衝撃吸収体を備えることを特徴とする。
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートは、軽量で柔軟であるため追従性があり、衝撃吸収性に優れている。また、打ち抜きなどの後加工により形状を付与することができるため、射出成形の金型のように複雑な金型を形状ごとに作製する必要がなく、様々な形状の衝撃吸収体をより簡便に作製することができる。
<<熱可塑性エラストマー押出発泡シート>>
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートは、
(A)イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体である熱可塑性エラストマー、及び、
(B)熱膨張性マイクロカプセル
を含有する発泡性組成物を押出発泡して得られることを特徴とする。
<(A)熱可塑性エラストマー>
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートにおいて、発泡性組成物は、(A)イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体である熱可塑性エラストマーを含有する。
(A)熱可塑性エラストマーとしては、イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体であれば特に限定されない。
(A)熱可塑性エラストマーの構造としては、特に限定されないが、例えば、芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロック−イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック−芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロックからなるトリブロック共重合体や、芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロック−イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックからなるジブロック共重合体、芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロックとイソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックとからなるアームを有する星型ブロック共重合体等が挙げられる。本発明では、所望の物性・成形加工性を得るため、これらの構造を有する(A)熱可塑性エラストマーを単独で用いても良いし、2種以上併用しても良い。
(A)熱可塑性エラストマーにおいて、芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロックとイソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックとの重量比率((イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック)/(芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロック))は、特に限定されないが、発泡体の衝撃吸収性と成形性、常温での形状保持性の観点から、95/5〜60/40が好ましく、90/10〜65/35がより好ましい。
芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロックは、芳香族ビニル系単量体を主成分として重合することにより形成される。芳香族ビニル系単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの中では、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン及びインデンからなる群から選ばれる少なくとも1種が、その入手し易さ及び物性バランスの観点から好ましい。
イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックの製造方法は、特に限定されないが、例えば、開始剤の存在下、イソブチレンを主成分とする単量体成分を重合させることにより製造することができる。なお、イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックにおいては、必要に応じて他のビニル系化合物を共重合してもよい。
開始剤としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(1)で表される化合物を用いることができる。下記一般式(1)で表される化合物は、ルイス酸等の存在下、炭素陽イオンを生成し、カチオン重合の開始点になると考えられる。
(CRX) (1)
[一般式(1)中、Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアシロキシ基を示す。R、Rはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R、Rは同一であっても異なっていても良い。Rは多価芳香族炭化水素基又は多価脂肪族炭化水素基であり、nは1〜6の自然数を示す。]。
一般式(1)で表される化合物としては、特に限定されないが、例えば、(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)−5−(tert−ブチル)ベンゼン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの中では、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンが好ましい。
イソブチレンを主成分とする単量体成分の重合においては、さらにルイス酸触媒を共存させることもできる。ルイス酸触媒としては、カチオン重合に使用できるものであれば特に限定されず、例えば、TiCl、TiBr、BCl、BF、BF・OEt、SnCl、SbCl、SbF、WCl、TaCl、VCl、FeCl、ZnBr、AlCl、AlBr等の金属ハロゲン化物;EtAlCl、EtAlCl等の有機金属ハロゲン化物等が挙げられる(Etはエチル基を表す)。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの中で、触媒としての能力、工業的な入手の容易さの観点からは、TiCl、BCl、SnClが好ましい。
ルイス酸触媒を使用する場合、その使用量は特に限定されず、使用する単量体の重合特性や重合濃度等を鑑みて設定することができる。通常、一般式(1)で表される化合物に対して0.1〜100モル当量が好ましく、1〜50モル当量がより好ましい。
イソブチレンを主成分とする単量体成分の重合においては、さらに必要に応じて電子供与体成分を共存させることもできる。この電子供与体成分は、カチオン重合に際して、成長炭素カチオンを安定化させる効果があるものと考えられており、電子供与体の添加によって分子量分布の狭い構造が制御された重合体を生成することができる。電子供与体成分としては、特に限定されないが、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等を挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
イソブチレンを主成分とする単量体成分の重合は、必要に応じて有機溶媒中で行うことができる。有機溶媒としては、カチオン重合を本質的に阻害しなければ特に限定されないが、例えば、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化エチル、ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等のアルキルベンゼン類;エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖式脂肪族炭化水素類;2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,2,5−トリメチルヘキサン等の分岐式脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類;石油留分を水添精製したパラフィン油等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、ブロック共重合体を構成する単量体の重合特性及び生成する重合体の溶解性等のバランスを考慮して、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
有機溶媒の使用量は、特に限定されないが、得られる重合体溶液の粘度や除熱の容易さを考慮して、重合体の濃度が好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜35重量%となるように決定することができる。
イソブチレンを主成分とする単量体成分の重合は、各成分を冷却下、例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合して行うことが好ましい。エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせる観点からは、−80〜−30℃がより好ましい。
(A)熱可塑性エラストマーとして用い得る市販品としては、SIBSTAR(カネカ社製)が挙げられる。
<(B)熱膨張性マイクロカプセル>
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートにおいて、発泡性組成物は、(B)熱膨張性マイクロカプセルを含有する。熱膨張性マイクロカプセルとは、揮発性の液体膨張剤を重合体からなる外殻にマイクロカプセル化したものである。一般に、水系媒体中で、少なくとも膨張剤と重合性単量体とを含有する重合性混合物を懸濁重合する方法により製造することができる。重合反応が進むにつれて、生成する重合体により外殻が形成され、その外殻内に膨張剤が包み込まれるようにして封入された構造をもつ熱膨張性マイクロカプセルが得られる。
外殻を形成する重合体としては、一般に、ガスバリア性が良好な熱可塑性樹脂が用いられていればよい。外殻を形成する重合体は、加熱すると軟化する。外殻樹脂に内包される液体膨張剤としては、重合体の軟化点以下の温度でガス状になるものが選択されていればよい。
発泡性組成物において、(B)熱膨張性マイクロカプセルの配合量は、特に限定されないが、(B)成分を除くすべての成分の合計100重量部に対して、0.5〜10重量部であることが好ましく、1〜5重量部であることがより好ましい。配合量が0.5重量部未満であると、熱可塑性エラストマー押出発泡シートの密度が高くなり軽量性に劣る傾向があり、一方、10重量部を超えて配合しても、熱可塑性エラストマー押出発泡シートの更なる低密度化には繋がりにくい。
(B)熱膨張性マイクロカプセルは微細な粉末状であるため、均一に配合することが困難な場合が多く、かつ粉塵爆発等の危険性もあることから、比較的低温で加工し得る樹脂中に高濃度に分散せしめたマスターバッチの状態で配合することが好ましい場合がある。この場合、マスターバッチの配合量に、マスターバッチ中の(B)熱膨張性マイクロカプセルの含有割合を乗じた値が、(B)熱膨張性マイクロカプセルの配合量となる。ただし、事前に混練工程を設ける押出発泡成形の場合には、混練工程での分散性の観点から、粉末状の(B)熱膨張性マイクロカプセルをそのまま配合することが好ましい。
<(C)粘着付与樹脂>
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートにおいて、衝撃吸収性を向上させる観点から、発泡性組成物は、さらに(C)粘着付与樹脂を含有することが好ましい。
(C)粘着付与樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ロジン及びロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂及びそれらの水素化物、テルペンフェノール樹脂、クマロン・インデン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂及びその水素化物、芳香族系石油樹脂及びその水素化物、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂及びその水素化物、ジシクロペンタジエン系石油樹脂及びその水素化物、スチレン又は置換スチレンの低分子量重合体等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
これらの中では、(A)熱可塑性エラストマー中のイソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックとの相溶性が高いことから、脂環族系石油樹脂及びその水素化物、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂の水素化物、ポリテルペン樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ロジン等が好ましい。
(C)粘着付与樹脂としては、数平均分子量が300〜3000、JIS K−2207に定められた環球法に基づく軟化点が60〜160℃、より好ましくは90〜150℃である低分子量の樹脂が好ましい。
発泡性組成物が(C)粘着付与樹脂を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、(A)熱可塑性エラストマー100重量部に対して、1〜100重量部が好ましく、10〜70重量部がより好ましく、10〜40重量部がさらに好ましい。含有量が100重量部を超えると、混練時の粘度が低下しすぎるため、十分な混練状態が得られず、良好な発泡体を得ることが困難となる場合があり、1重量部未満であると添加効果が現れがたい。
<(D)可塑剤>
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートにおいて、柔軟性の観点から、発泡性組成物は、さらに(D)可塑剤を含有することが好ましい。(D)可塑剤としては、特に限定されないが、通常、室温で液体又は液状の材料が好適に用いられる。また親水性及び疎水性のいずれの可塑剤も使用できる。このような(D)可塑剤としては、鉱物油系、植物油系、合成系等の各種ゴム用又は樹脂用可塑剤が挙げられる。
鉱物油系の可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、ナフテン系、パラフィン系等のプロセスオイル等が挙げられる。植物油系の可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、ひまし油、綿実油、あまみ油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油等が挙げられる。合成系の可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリブテン、低分子量ポリブタジエン等が挙げられる。これらの中でも、(A)熱可塑性エラストマーとの相溶性の観点から、パラフィン系プロセスオイル又はポリブテンが好ましい。これらは所望の粘度及び物性を得るために、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートにおいて、発泡性組成物は、任意に(A)〜(D)成分以外の他の成分を含有していても良い。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、充填剤、酸化防止剤、難燃剤、抗菌剤、光安定剤、着色剤、流動性改良剤、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、架橋剤、架橋助剤等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。さらに、本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートの性能を損なわない範囲であれば、各種熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等、(A)熱可塑性エラストマー以外の樹脂を含有していても良い。
押出発泡の前に、混練工程を設けても良い。混練工程に用いる機器としては、例えば、双腕型ニーダー、加圧型ニーダー等が挙げられる。混練時の温度は、特に限定されないが、30〜200℃が好ましく、50〜150℃がより好ましい。混練時の温度が30℃未満であると、均一に分散できないことがあり、200℃を超えると、(B)熱膨張性マイクロカプセルが発泡を開始してしまい、混練にて破泡して発泡構造を保てないことがある。
発泡性組成物を押出発泡する方法としては、特に限定されず公知の方法を採用することができ、押出発泡に用いる機器としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、タンデム押出機等が挙げられる。Tダイの温度は、特に限定されないが、10〜220℃が好ましく、25〜180℃がより好ましい。Tダイの温度が10℃未満であると、発泡にムラができることがあり、220℃を超えると、破泡して発泡構造を保てないことがある。熱可塑性エラストマー押出発泡シートの引き取り速度は、特に限定されないが、0.1〜10.0m/minが好ましく、0.15〜5.0m/minがより好ましい。引き取り速度が0.1m/min未満であると、シートの波打ちが発生することがあり、10.0m/minを超えると、シート表面が粗くなり、シートが裂けることがある。
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートの厚みは、特に限定されないが、0.1〜1,000mmが好ましく、0.5〜500mmがより好ましい。厚みが0.1mm未満であると、発泡させることが困難となることがあり、1,000mmを超えると、厚みが安定しないことがある。
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートの密度は、特に限定されないが、軽量性の観点からは、0.7kg/m以下が好ましく、0.6kg/m以下がより好ましく、0.5kg/m以下がさらに好ましい。密度の下限は、特に限定されないが、0.3kg/mが好ましく、0.35kg/mがより好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートの発泡倍率は、特に限定されないが、1.1〜50倍が好ましく、1.2〜30倍がより好ましい。発泡倍率が1.1倍未満であると、柔軟性が劣る場合があり、50倍を超えると、柔らかすぎて形状保持が困難となることがある。
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートのASKER E硬度は、特に限定されないが、80度以下が好ましく、70度以下がより好ましい。ASKER E硬度が80度を超えると、柔軟性が劣る場合がある。
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートの反発弾性率は、特に限定されないが、50%以下が好ましく、30%以下がより好ましい。反発弾性率が50%を超えると、衝撃吸収性が低くなることがある。
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートは、重量8kgの錘を高さ100mmの位置から落下させた際の衝撃吸収性(衝撃加速度)が、250G以下であることが好ましく、200G以下であることがより好ましく、150G以下であることがさらに好ましい。衝撃加速度が250Gを超えると、衝撃吸収性が低いことがある。衝撃加速度の下限は小さいほど好ましいが、例えば、10Gである。
<<熱可塑性エラストマー押出発泡シートの製造方法>>
本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートの製造方法は、
(A)イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体である熱可塑性エラストマー、及び、
(B)熱膨張性マイクロカプセル
を含有する発泡性組成物を押出発泡する工程を含むことを特徴とする。
<<衝撃吸収体>>
本発明の衝撃吸収体は、本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートからなることを特徴とする。本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートは、そのまま衝撃吸収体とすることもできるが、必要に応じて、押出発泡時に形成される表皮層を切除したり、適当な形状に切り出したりして衝撃吸収体とすることもできる。衝撃吸収体を身体保護用のプロテクターに用いる場合、蒸れを防止するために、衝撃吸収性に対する影響を考慮しつつ貫通孔を設けても構わない。
<<身体保護用のプロテクター>>
本発明の身体保護用のプロテクターは、本発明の衝撃吸収体を備えることを特徴とする。本発明の身体保護用のプロテクターは、本発明の衝撃吸収体を単独で備えていても良いし、未発泡体であるプラスチック、発泡倍率の異なる発泡体、フィルム、布、不織布、紙等の素材と本発明の衝撃吸収体とを一体成形したものを備えていても良い。さらに、本発明の衝撃吸収体の表面に綿、アクリル繊維、毛、ポリエステル繊維等でできた布や不織布を貼り合わせていても良いし、上述の布や不織布で本発明の衝撃吸収体を包んでいても良い。このように貼り合わせたり包んだりすることで、本発明の衝撃吸収体の感触を良好にし、さらに、運動時や高温・多湿時等の発汗時に布や不織布によって吸汗作用を施すことができる。また、布や不織布を洗濯したり取り替えたりすることができ、身体保護用のプロテクター自体の汚れを防止することができるという観点から、身体保護用のプロテクターを直接身体に取り付ける場合や直接身体にあたるように用いる場合には、布や不織布を着脱できるようにしておくことが好ましい。
本発明の身体保護用のプロテクターは、衣類へ取り付けることで好適に用いられる。衣類としては、特に限定されないが、下半身の一部又は全部を覆う衣類が好ましく、例えば、スラックス、ジーンズ、トレーニングパンツ、サブリナパンツ、ニッカポッカ、ハーフパンツ、半ズボン、ホットパンツ等のズボン類、スカート類、袴類等の、下半身に着用するアウターウェアとしてのボトムス類;ショーツ、トランクス、ボクサーブリーフ、ブリーフ等のパンツ類、ガードル類、ふんどし等の下半身用インナーウェア類;靴下類、足袋、タイツ、レッグウォーマー、脚絆等の足につける衣類;ワンピース、ドレス、合羽、つなぎ、着ぐるみ、全身タイツ等の全身を覆う衣類;エプロン、割烹着、白衣、外装用プロテクター等の防護用衣類等が挙げられる。これらの中では、骨折しやすい部位での衝撃を吸収する目的から、ボトムス類、下半身用インナーウェア類が好ましく、ズボン類、パンツ類がより好ましく、パンツ類がさらに好ましい。
衣類に用いられる生地(素材、編繊方法等)は、特に限定されないが、通気性、衝撃吸収性を向上させる観点からは、生地の表面に凹凸を付けたもの、例えば、表面に凹凸の形状が現れる編み組織、パイル編み等を用いることが好ましい。
本発明の身体保護用のプロテクターを衣類へ取り付ける方法は、特に限定されないが、プロテクターが着用時あるいは洗濯時にずれないように、例えば、生地に縫い付ける方法、粘着テープ等で取り付ける方法、ポケットを作りその中で着脱自在に取り付ける方法等が挙げられる。また、キルト状にプロテクターを生地に縫い付けることにより、身体へのフィット性、運動のしやすさが改善できる。プロテクターは、身体に直接触れるように取り付けても良いし、生地を介して身体に触れるように取り付けても良い。
本発明の身体保護用のプロテクターは、衣類の腰回りにおける前身頃、脇部、後身頃、臀部に対応する部位等の任意の箇所に取り付けることができる。大腿骨頚部外側部の大転子部を保護できる位置に、本発明の身体保護用のプロテクターを取り付けた衣類を着用することで、大腿骨骨折を防止することが可能となる。
また、本発明の身体保護用のプロテクターを粘着テープ等を用いて身体に直接取り付けることで、身体保護用のプロテクターの位置ずれを防止することができる。その際、本発明の衝撃吸収体は、通気性確保のための穴を開けたり、布や不織布を貼り合わせたり、布や不織布に包んで用いることが好ましい。
また、本来転倒等によって受ける衝撃を緩和する皮下脂肪が比較的薄く骨に対し衝撃が強くかかるところには、衝撃吸収性を重視し、厚手の熱可塑性エラストマー押出発泡シートを備えたプロテクターを用い、皮下組織が厚く、本来の衝撃吸収能力は多少あるが、尻もち等によって衝撃を受けやすい臀部等には、着用性を重視し、熱可塑性エラストマー押出発泡シートを備えたプロテクターを用いる等、2種類以上のプロテクターを組み合わせて使用しても良い。また、着用性等の観点から、衝撃を強く受ける場所には本発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートを備えたプロテクターを用い、さらに、衝撃が比較的緩和されるようなところには、他のプロテクターを用いても構わない。他のプロテクターとしては、例えば、ウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、アクリル発泡体、シリコン系重合体を基材樹脂とする発泡体、不織布、立体織物等が挙げられる。
本発明の身体保護用のプロテクターの形状は、特に限定されないが、長方形、正方形、円形、楕円形、ひし形等の多角形、短冊型、ドーナツ型、表面に任意の凹凸を付けたもの等が挙げられる。また、通気性や装着感の向上のため、適宜貫通孔をあけても良い。身体保護用のプロテクターの大きさは、特に限定されないが、1〜1000cmが好ましく、50〜500cmがより好ましい。
本発明の身体保護用のプロテクターの密度は、特に限定されないが、着用感の観点からはできるだけ密度が小さいものが好適に使用される一方で、極端に密度が小さい場合は衝撃吸収性が不十分となる可能性がある。この観点から、密度は300〜700kg/mが好ましく、350〜600kg/mがより好ましく、350〜500kg/mがさらに好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下、「部」又は「%」は特記ない限り、それぞれ「重量部」又は「重量%」を意味する。
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品、得られた材料の評価方法を以下に示す。
熱可塑性エラストマー:スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、株式会社カネカ製のSIBSTAR 062T
熱可塑性エラストマー:スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、株式会社カネカ製のSIBSTAR 102T
粘着付与樹脂:荒川化学工業株式会社製の水添石油樹脂アルコンP−140
熱膨張性マイクロカプセル:積水化学工業株式会社製のアドバンセルEM501
熱膨張性マイクロカプセル:積水化学工業株式会社製のアドバンセルP501E1(マスターバッチ、マイクロカプセル含有率50重量%)
熱膨張性マイクロカプセル:積水化学工業株式会社製のアドバンセルEM403
可塑剤:パラフィン系プロセス油、出光興産株式会社製のダイアナプロセスオイルPW380
・厚み
ダイアルシックネスゲージSM−114(テクロック社製)にて測定した。
・密度
任意のサイズに切り出したサンプルのサイズ、厚みから体積を算出し、重量を体積で除することで算出した。
・発泡倍率
発泡していない樹脂の密度を、得られた発泡体の密度で除することで算出した。
・ASKER E硬度
ASKER E硬度計(高分子計器社製)にて測定した。
・反発弾性率
ISO4662に準拠し、反発弾性試験機EPH−50型(高分子計器社製)にて測定した。
・衝撃加速度
緩衝材料評価試験装置ACST−200(吉田精機社製)を用い、直径30mmに打ち抜いたサンプルに対し、重量8kgの錘を高さ100mmの位置から落下させた際の衝撃加速度(最大加速度)を錘に取り付けた加速度変換機AS−500A(共和電業社製)とデータ収録装置F99−6618(共和電業社製)を用いて計測した。衝撃加速度が小さいほど、衝撃吸収性が高いと評価した。
・後加工性
身体保護用のプロテクターとして、身体の種々の部位に使用することを想定して、はさみやカッターでの切り抜き、トムソン刃などでの打ち抜きを行い、形状付与が容易かどうかを○×にて評価した。比較例1及び2では形状が楕円形と決まっているため、それより大きなサイズとすることは困難として、後加工性を×とした。
実施例1
表1に示す(A)熱可塑性エラストマー、(C)粘着付与樹脂、(B)熱膨張性マイクロカプセルを表1に示す配合量で双腕型ニーダー(森山製作所社製、G型、容量50L)にて100〜110℃の設定温度にて混練し、発泡性組成物を得た。この発泡性組成物を、単軸押出機(中田エンジニアリング社製、スクリュー径60mm、L/D=16)のホッパーに投入し、スクリュー回転数48rpmにて押出機内で加熱溶融した。温度を160℃に設定したTダイにてリップ開度6.0mmにてシート状に押し出し、引き取り速度0.36m/minにて引き取り、熱可塑性エラストマー押出発泡シートを得た。
実施例2
実施例1で得られた熱可塑性エラストマー押出発泡シートを、プレス機にて170℃に加熱し、追加発泡させて熱可塑性エラストマー押出発泡シートを得た。
実施例3
(B)熱膨張性マイクロカプセルとして、「アドバンセルEM501を3重量部」に代えて「アドバンセルEM403を5重量部」にしたこと以外、実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー押出発泡シートを得た。
実施例4
表1に示す(A)熱可塑性エラストマー、(D)可塑剤、(B)熱可塑性マイクロカプセルを表1に示す配合量でブレンドし、発泡性組成物を得た。この発泡性組成物を、単軸押出機(中田エンジニアリング社製、スクリュー径60mm、L/D=16)のホッパーに投入し、スクリュー回転数30rpmにて押出機内で加熱溶融した。温度を160℃に設定したTダイにてリップ開度6.0mmにてシート状に押し出し、引き取り速度0.36m/minにて引き取り、熱可塑性エラストマー押出発泡シートを得た。
比較例1
表1に示す(A)熱可塑性エラストマー、(C)粘着付与樹脂、(B)熱膨張性マイクロカプセルを表1に示す配合量でブレンドし、発泡性組成物を得た。この発泡性組成物を、射出成形機「MD350S−IIIDP型」(宇部興産機械社製、シャットオフノズル仕様)にて、樹脂温度200℃、背圧15MPaで溶融混練した後、固定型と前進及び後退が可能な可動型とから構成される、長辺170mm×短辺130mmの楕円形状のキャビティ(クリアランスt0=3.5mm)を有する金型中に、射出速度100mm/秒で射出充填した。射出充填完了後に、クリアランスが7.0mmになるように可動型を後退させて、キャビティ内の樹脂を発泡させた。発泡完了後60秒冷却し、熱可塑性エラストマー射出発泡体を得た。
比較例2
表1に示す(A)熱可塑性エラストマー、(C)粘着付与樹脂を表1に示す配合量でブレンドして樹脂組成物とした。この樹脂組成物を、射出成形機「MD350S−IIIDP型」(宇部興産機械社製、シャットオフノズル仕様)にて、樹脂温度200℃、背圧15MPaで溶融混練した後、固定型と前進及び後退が可能な可動型とから構成される、長辺170mm×短辺130mmの楕円形状のキャビティ(クリアランスt0=3.5mm)を有する金型中に、射出速度100mm/秒で射出充填した。充填完了後60秒冷却し、熱可塑性エラストマー射出成形体を得た。
比較例3
発泡ゲルである「NPゲル」(タイカ社製、厚み3mm)を3枚重ね、サンプルを得た。
実施例1〜4、比較例1〜3で得られたサンプルを用いて、上述した方法により、厚み、密度、発泡倍率、ASKER E硬度、反発弾性率、衝撃加速度及び後加工性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2016093091
実施例1〜4、比較例1〜3の結果から、本願発明の熱可塑性エラストマー押出発泡シートは衝撃吸収性及び後加工性に優れていることが分かる。

Claims (6)

  1. (A)イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体である熱可塑性エラストマー、及び、
    (B)熱膨張性マイクロカプセル
    を含有する発泡性組成物を押出発泡して得られることを特徴とする熱可塑性エラストマー押出発泡シート。
  2. 発泡性組成物は、さらに(C)粘着付与樹脂を含有する請求項1記載の熱可塑性エラストマー押出発泡シート。
  3. 発泡性組成物は、さらに(D)可塑剤を含有する請求項1又は2記載の熱可塑性エラストマー押出発泡シート。
  4. (A)イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体である熱可塑性エラストマー、及び、
    (B)熱膨張性マイクロカプセル
    を含有する発泡性組成物を押出発泡する工程を含むことを特徴とする、熱可塑性エラストマー押出発泡シートの製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー押出発泡シートからなることを特徴とする衝撃吸収体。
  6. 請求項5記載の衝撃吸収体を備えることを特徴とする身体保護用のプロテクター。
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