JPWO2016084449A1 - 導電性フィルム、及びこれを備えるタッチパネルセンサ - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に開示の技術では、導電体メッシュが透明導電膜として機能してタッチパネルに必要な透明性及び導電性が確保された上で、この導電体メッシュのメッシュパターンが、一つの分岐点から延びる境界線分の数の平均値Nが、3.0≦N<4.0であり、かつ、周囲を囲繞する境界線分の数が同一の開口領域の形状は一定でない特定の非周期的パターンであるために、ディスプレイパネルの画素の周期的配列との干渉によるモアレが発生しないとしている。
特許文献2に開示の技術では、干渉縞が防止でき、視認しやすい画像が得られ、大面積にしても応答性に優れ、マルチタッチが可能なタッチパネルを提供することができるとしている。
しかし、特許文献1は、開口領域(セル)を構成する境界線分の分岐点(交点)の位置に対する単位電極のエッジの設定について開示していない。
また、特許文献1及び2に開示のように、電極幅が広くできる場合には、電極幅を広げて対応することによって、金属細線による電極において、金属細線の交点の数を所定数確保することができるので、開放されたセルがあってもその影響を無くす、若しくは抑制することが可能であるが、電極幅の設計自由度が無くなるという課題が生じる。
また、第1電極の電極幅は、第2電極の電極幅より小さいことが好ましい。
また、第1電極は、導通電極であり、第2電極は、金属細線による複数の多角形のランダム形状なセルにより構成され、一方向と直交する直交方向に延在する予め設定された電極形状を持ち、電極形状の両側のエッジラインにかかるセルを構成する金属細線は、エッジラインとの交点に断線部を有することが好ましい。
また、第1電極、及び第2電極は、基体の両側の面にそれぞれ形成されることが好ましい。
また、さらに、基体と異なる、透明絶縁体である第2基体を有し、第1電極は、基体の一方の面に形成され、第2電極は、第2の基体の一方の面に形成され、かつ基体の他方の面の側に配置されることが好ましい。
また、第1電極、及び第2電極は、基体の片側に絶縁層を介してそれぞれ形成されることが好ましい。
また、透明電極層は、導通電極に加え、さらに、金属細線による複数の多角形のランダムなセルにより構成され、一方向に延在する予め設定された電極形状を持ち、導通電極と断線部によって電気的に絶縁されたダミー電極を有することが好ましい。
5%<(B/(A+B))×100<97%
また、導通電極の面積Aと、非導通部の面積Bとが、下記式を満足することがより好ましい。
10%≦(B/(A+B))×100≦80%
また、導通電極の面積Aと非導通部の面積Bとが、下記式を満足することがさらに好ましい。
10%≦(B/(A+B))×100≦60%
40%≦(B1/(A1+B1))×100≦60%
また、複数の副導通電極列の幅の合計幅をWaと、導通電極を分割する全ての非導通部の幅の合計とダミー電極の幅との合計をWbとが、下記式を満足することが好ましい。
Wa≦(Wa+Wb)/2
また、複数の副導通電極列の幅の合計幅をWaと、導通電極を分割する全ての非導通部の幅の合計とダミー電極の幅との合計をWbとが、下記式を満足することが好ましい。
1.0mm≦Wa≦5.0mm
1.5mm≦Wb≦5.0mm
また、第1電極は、第2電極よりも観察側に配置されることが好ましい。
さらに、導電性フィルムの透明電極層が配置される基体から遠い導電性フィルムの表面側からの接触位置又は近接位置を検出する検出制御部と、を備えることが好ましい。
ここで、第1電極は、第2電極よりも、導電性フィルムの、基体から遠い表面側に配置されることが好ましい。
また、スタイラスペンを使用して操作されることが好ましい。
以下では、本発明に係る導電性フィルムについては、タッチパネルセンサ用導電性フィルムを代表例として説明するが、本発明はこれに限定されず、透明な絶縁体である基体(透明絶縁性基体)の両側に配置される、もしくは片側に絶縁層を介して配置される第1及び第2電極の両電極パターンの内、少なくとも一方が、不規則性が付与された多角形セル(開口部)の電極パターンを持つ導電性フィルムであれば、どのようなものでも良い。
図1は、本発明の第1実施形態に係る導電性フィルムを有するタッチパネルセンサの一例を模式的に示す平面図であり、図2は、図1に示すタッチパネルセンサに用いられる本発明の第1実施形態に係る導電性フィルムの一例の模式的断面図であり、図3(A)及び(B)は、図2に示す導電性フィルムに用いられるランダム電極パターンの一例を模式的に示す平面図及びその部分拡大図である。
なお、本発明のタッチパネルセンサ10では、外部導体として、人間の指などの代わりに、スタイラスペンを使用して接触を行っても良い。
タッチパネルセンサ10の導電性フィルム12におけるセンサ部の構成は、特に制限されないが、通常、2層構造の検出電極(例えば、図1中x方向に延びる複数の第1検出電極20及び図1中y方向に延びる複数の第2検出電極30)を有し、指等の物体が接触又は近接した2層構造の検出電極間の静電容量変化を検出し、IC制御回路等からなるコントローラ14により指等の物体の位置座標を算出し、特定する。コントローラ14は、導電性フィルム12の外部機器であり、導電フィルム12の主面側(操作側、観察側)からの接触位置又は近接位置を検出する検出制御部を構成するもので、例えば静電容量式のタッチパネルセンサの位置検出に利用される公知のものを用いることができる。
この検出領域は、図1には示されていないが、複数の第1検出電極20と、複数の第2検出電極30と、この両者の間に介在する基体18(図2参照)とによって透明電極層として構成される。第1検出電極20は、基体18の観察側の面に配置され、第2検出電極30は、基体18の観察側と反対側の面、即ち第1検出電極が形成された面とは反対側の面に配置される。
また、図1には示されていないが、モアレの視認の抑制の点から、Y方向に間隔を設けて隣接する2つの第1検出電極20の間には、第1検出電極20と電気的に接続されていないダミー電極28(図2参照)が設けられていることが好ましい。同様に、図1には示されていないが、モアレの視認の抑制の点からは、X方向に間隔を設けて隣接する2つの第2検出電極30の間には、第2検出電極30と電気的に接続されていないダミー電極38(図2参照)が設けられていることが好ましい。
なお、本発明においては、第1検出電極20及び第2検出電極30は、電気的に接続されていないダミー電極28及び38を含まない電極を指すものとする。
第1検出電極20は、検出領域に接近した使用者の指のY方向における入力位置の検出を行う役割を有するものである。
第2検出電極30は、検出領域に接近した使用者の指のX方向における入力位置の検出を行う役割を有するものである。
図示例においては、第1検出電極20及び第2検出電極30は、いずれも模式的に帯状に示されているが、その具体的な構成については、後に詳細に説明する。
この領域において、導電性フィルム12は、図2に示すように、透明な絶縁体である基体(透明絶縁性基体)18と、基体18の表面(主面側の面)18aに複数の金属細線40によって形成される第1検出電極20及びダミー電極28を有する第1電極層26と、第1電極層26の第1検出電極20及びダミー電極28の表面(主面側の面)を覆うように接着層41を介して設けられる保護層42と、基体18の裏面(主面と逆側の面)18bに複数の金属細線40によって形成される第2検出電極30及びダミー電極38を有する第2電極層36と、第2電極層36の第2検出電極30及びダミー電極28の表面(主面と逆側の面)を覆うように接着層43を介して設けられる保護層44とを有する。
1つの基体18の両面に、それぞれ第1検出電極20及び第2検出電極30を形成することにより、基体18が収縮しても第1検出電極20と第2検出電極30との位置関係のズレを小さくすることができる。
また、第1電極層26には、隣接する第1検出電極20間を埋めるようにダミー電極28が設けられ、第2電極層36には、隣接する第2検出電極30間を埋めるようにダミー電極38が設けられているので、金属細線の場所による密度差を無くし、細線の可視性を低減することができる。
なお、本発明においては、第1電極層26を第1検出電極20のみで構成し、第2電極層36を第2検出電極30のみで構成し、ダミー電極28及び38を設けなくでも良い。
第1検出電極20及び第2検出電極30は、図3(A)及びその部分拡大図である図3(B)に平面視で示すように、それぞれ、複数の金属細線40によりメッシュ状に形成される複数の多角形、図示例では菱形のセル(開口部)46が組み合わさって構成され、セル46の形状が多角形、例えば、形状及びサイズの少なくとも一方が異なる多角形、図示例ではサイズの異なる菱形であり、電気的に接続されたランダム電極パターン48を有する導通電極50を用いて構成される。
図示例の導通電極50においては、電極形状のエッジライン52からその外側に所定の一定距離、図示例では40μm離間した位置に拡張エッジライン53を設定する。
本発明では、エッジライン52と交差する金属細線40を1つの構成要素として持つ複数のセル46(46a、46b、46c等)を第1セル45aと定義する。したがって、この導通電極50を構成する複数のセル46は、エッジライン52と交差する金属細線40からなる第1セル45aを有する。
この第3セル45cを構成する金属細線40を除く、第1セル45aの金属細線40には、エッジライン52との交点59において、断線を入れて断線部54を設ける。即ち、第3セル45cを除く、50%未満の第2セルの金属細線40、及び第2セルの金属細線40を除く、第1セル45aの金属細線40には、エッジライン52上に断線を入れて断線部54を設ける。
このように、導通電極50においては、第3セル45cにおいてエッジライン52上の金属細線40に断線部54を設けない代わりに、第3セル45cの交点(頂点)58の外側の拡張エッジライン53に直接延びる金属細線40、即ち外側方向に隣接するセル46を構成する金属細線40に断線を入れて断線部54を設ける。
こうすることにより、導通電極50は、エッジライン52が一部、即ち部分的に拡張されたセル構造を持つ電極形状となる。
このとき、拡張エッジライン53より内側にセル全体(全頂点)が含まれるセル46aは、第1セル45aであり、そのセル46aの交点(頂点)58aは、エッジライン52から外側に0.02029mm(20.29μm)離れた位置にあり、拡張エッジライン53より内側、即ち上述した突出し量40μm以内の範囲にあるので、第2セル45bである。
このようなセル46aでは、交点(頂点)58aの外側の拡張エッジライン53に直接延びる(外側方向に隣接するセル46を構成する)2本の金属細線40に断線が入れられて2つの断線部54が設けられる。その結果、セル46aは、構成する金属細線40のいずれにも断線部54が設けられていない第3セルであり、閉じた状態のまま閉じたセル46として残される。
これに対し、金属細線40がエッジライン52と交差するセル46cの交点58c(頂点)は、エッジライン52から外側に0.04736mm(47.36μm)離れた位置にあり、拡張エッジライン53より外側、即ち上述した突出し量40μm範囲を超えた位置にあるので、交点(頂点)58cの内側の2本の金属細線40とエッジライン52が交差する各交差位置59に断線が入れられて2つの断線部54が設けられる。したがって、セル46cは、第1セル45aに該当するが、第2セル45b及び第3セル45cのいずれにも該当しない。
その結果、金属細線40によって構成される導通電極の場合、図10(A)及び(B)に示す導通電極100に比べて、図3(A)及び(B)に示す導通電極50においては、交点58の数及び閉じたセル46(第3セル45c)の数を増やすことができ、電極内で局所的に高抵抗部が発生することを防止できる。
図4(A)に示す導通電極60では、菱形(ダイヤモンド)形状の単位電極部60aに2本の帯状の接続電極部60bが接続され、一方向に延在する予め設定された電極形状を有し、両側のエッジライン62及び64は、一方向に沿った電極形状の中心線に対して対称であり、それぞれ、中心線に平行な平行線分62a及び64a、中心線に対して所定角度で傾斜する傾斜線分62b及び64b、中心線に対して逆側に同じ所定角度で傾斜する傾斜線分62c及び64c、並びに中心線に平行な平行線分62d及び64dから構成される。
導通電極60においても、図4(B)に示す傾斜線分62cの一部分を拡大して示すように、第1セル45aであるセル46dの交点(頂点)58dは、エッジライン62の傾斜線分62cから外側に0.02754mm(27.54μm)離れた位置にあり、傾斜線分62cから外側に40μm離間した位置にある拡張エッジライン63より内側、即ち上述した突出し量40μm以内の範囲にある。このため、セル46dは、第2セル45bであると共に第3セル45cに該当し、閉じたセル46となり、交点(頂点)58dの外側の拡張エッジライン53に直接延びる2本の金属細線40に断線が入れられて2つの断線部54が設けられる。
その結果、金属細線40によって構成される導通電極の場合、図10(A)及び(B)に示す導通電極100に比べて、図4(A)及び(B)に示す導通電極60においては、交点58の数及び閉じたセル46(第3セル45c)の数を増やすことができ、高抵抗部の発生を防ぐことができる。
本発明では、第2セル45bの内の50%以上のセル46を第3セル35cとする必要がある。
本発明において、第2セルに該当する全てのセルの内の50%以上のセル、又は上記交点において、エッジラインとの交差位置に断線部を設けない理由は、エッジラインとの交差位置に断線部を設けないセルや交点(頂点)が50%未満では、エッジライン近傍で閉じたセルやその交点が少なくなるため、抵抗が増加し、高抵抗化を招くからである。
なお、本発明では、メッシュサイズは、300μm〜600μmの範囲であるのが好ましく、突出し量は、20μm〜120μmの範囲であるのが好ましく、20μm〜100μmの範囲であるのがより好ましい。
また、突出し量を大きくとればとるほど電極の抵抗値を低くできるが、想定した電極のエッジラインから形状が大きくずれる可能性が高くなり、検出時に誤差の原因となる場合がある。
まず、導通電極50及び60の電極幅に沿って存在する断線部54は、予め設定された電極形状の両側のエッジライン52、62,64に沿ってその近傍に存在するので、存在する全ての断線部54の中心側、即ち内側の点をそれぞれ片側ずつ接続した2つの接続線を作り、それらの2本の全ての断線部54の接続線の中心の回帰直線を求める。求められた回帰直線を近似中心線とし、2本の接続線の各接続線を一定の長さ、例えば突出し量と想定される長さ、図示例では40μmを線幅とする直線と見做して、各接続線を、それぞれがメッシュサイズの5倍以上の長さを持つ、近似中心線に平行な1以上の平行線分領域と近似中心線に対して傾斜した1以上の傾斜線分領域との少なくとも一方に分類する。
以上のようにして、導通電極の予め設定された電極形状の両側の設計上のエッジラインを、製造された実際の導通電極に存在する多数の断線部から規定することができる。
図3(A)及び(B)に示す導通電極50の電極パターン48及びダミー電極56の電極パターン48は、複数の菱形のセル46が組み合わさって構成されたランダム電極パターンであり、菱形セル46を構成する辺の長さや配置ピッチに対しても不規則性が付与されたランダムパターンである。なお、図4(A)及び(B)に示す導通電極60及びダミー電極66も、図10(A)及び(B)に示す導通電極100及びダミー電極102も、同じの電極パターン48を有するので、以下では、図3(A)及び(B)に示す導通電極50及びダミー電極56を代表例として説明する。
なお、「多角形」には、幾何学的に完全な多角形のみならず、完全な多角形に対し軽微な変更を加えた「実質的な多角形」も含まれるものとする。軽微な変更の例示として、金属細線40により形成されるセル46の形状と比べて微小な点要素及び線要素の付加、セル46を形成する金属細線40の各辺の部分的欠損、ならびに構成する辺が曲線を含む等が挙げられる。
なお、第1の端子部22、第1引出配線24、第2の端子部32、及び第2引出配線34も、例えば、上述の金属細線40の形成方法により同時にあるいは別々に形成することができる。
ここで、電極幅が狭いほど、導通電極の交点、即ち閉じたセルの数を増やした効果は大きいが、上記範囲の下限値より細くなると、交点及び閉じたセルの絶対数が少なくなるため、全体が高抵抗となり好ましくない。一方、電極幅が広いと、導通電極の交点及び閉じたセルの絶対数が多いため、導通電極の交点、即ち閉じたセルの数を増やした効果は小さくなる。したがって、上述の受信電極の範囲であれば、本発明の高い効果が生じやすくなる。
金属細線40がタッチパネル用導電性フィルムにおける周辺配線(例えば、第1及び第2引出配線24及び34)として適用される場合には、金属細線40の線幅は500μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下が特に好ましい。上述の範囲であれば、低抵抗のタッチパネル電極を比較的容易に形成できる。
接着層41、及び43は、それぞれ保護層42、及び44を基体18に固定するものである。いずれも、例えば、光学的透明な粘着剤(OCA)及びUV硬化樹脂等の光学的透明な樹脂(OCR)を用いることができる。
なお、導通電極50及び60等の本発明の導通電極が、第1検出電極20及び第2検出電極30の一方に用いられている場合には、他方の電極は、いかなる導通電極を用いても良く、例えば、導通電極50及び60等の本発明の導通電極でも良いし、図10(A)及び(B)に示す従来型の導通電極100を用いても良いし、その他の従来公知の電極を用いても良い。
ところで、本発明の導電性フィルム12をタッチパネルセンサとして用いる場合には、検出の容易さや精度の点から、トップ側の第1検出電極20に電極幅の狭い電極が用いられ、ボトム側の第2検出電極30には、電極幅の広い電極が用いられることが好ましい。このような場合には、本発明の導通電極、例えば、図3(A)及び図4(A)に示す導通電極50及び60を、トップ側の第1検出電極20に用いるのが好ましい。これに対し、第2検出電極30においては、電極幅を広くとることができ、閉じたセルからなる交点の数は十分に確保されるので、本発明を適用する効果が薄いため、図10(A)及び(B)に示す従来型の導通電極100を用いることができるし、その他の従来公知の電極を用いることもできる。なお、このような場合に、第2検出電極30においても、本発明の導通電極を用いても良いのは勿論である。
本発明の第1実施形態に係る導電性フィルム及びこれを備えるタッチパネルセンサは、基本的に以上のように構成される。
ここで、第1検出電極20及び第2検出電極30の少なくとも一方には、本発明の導通電極、例えば、金属細線40による複数のセル46によって構成されるランダム電極パターン48からなる導通電極50、60が用いられる必要があるのは、図2に示す例と同様である。
したがって、図5に示す導電性フィルム12Aにおいても、図2に示す導電性フィルム12と同様に、第1検出電極20及び第2検出電極30を構成しても良いので、その詳細な説明は省略する。
本発明の第2実施形態に係る導電性フィルムは、基本的に以上のように構成される。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る導電性フィルムの一例を模式的に示す平面図であり、図7は、図6に示す導電性フィルムの観察側の電極の構成を模式的に示す平面図であり、図8は、図6に示す導電性フィルムの観察側と逆側の電極の構成を模式的に示す平面図である。
図6に示す導電性フィルム12Bは、本発明に係る導通電極72によって構成される複数の第1検出電極70と、本発明に係る導通電極82によって構成される複数の第2検出電極80とを有し、両者を直交させるように配置させたものである。第1検出電極70において、導通電極72は、内部に非導通部74を備え、全体として櫛形の構造を有する。
第1検出電極70の導通電極72の電極パターンと第2検出電極80の導通電極82の電極パターンとにより、組合せパターンが形成される。なお、導通電極82は、本発明に係る導通電極を用いるのが好ましいが、図10(A)及び(B)に示す従来の導通電極100であっても、従来公知の電極であっても良い。
同様に、ダミー電極84が、導通電極82と同様に金属細線40により構成される。導通電極82と電気的に分離され、かつダミー電極84を金属細線40により構成することにより、いわゆるダミー配線部が形成される。ダミー配線部を形成することによって、不規則性が付与された間隔で配置される金属細線40のランダムセル46により略全面が覆われることとなる。これにより視認性の低下を防止することができる。金属細線40により構成されるダミー配線部は、金属細線40に断線部54を有し、導通電極72及び導通電極82と電気的に分離される。
各導通電極72は第1方向(X方向)に延在し、並列して配列される。各導通電極72は各導通電極72と電気的に分離するスリット状の非導通部74を備える。各導通電極72は各非導通部74により分割される複数の副導通電極列78を備える。スリット状の非導通部74は他方端に開放されている。
このように、副導通電極列78及び導通電極72は、電極幅が狭くなるので、本発明の特徴とする導通電極により構成することが特に好ましい。
なお、導電性フィルム12Bにおいて、図7に示すように、各導通電極72は内部に導通電極72と電気的に分離された非導通部74を備えており、各導通電極72の面積Aと各非導通部74の面積Bとした場合、5%<(B/(A+B))×100<97%の関係を満たすことが好ましい。面積Aは、一つの導通電極72の一端から他端までの全体の面積であり、面積Bは、一つの導通電極72の一端から他端までに含まれる非導通部74の面積である。また、10%≦(B/(A+B))×100≦80%の関係を満たすことがより好ましく、10%≦(B/(A+B))×100≦60%の関係を満たすことがさらに好ましい。
本実施形態において、導通電極72の面積A1と非導通部74の面積B1とした場合、10%≦(B1/(A1+B1))×100≦80%が好ましく、40%≦(B1/(A1+B1))×100≦60%であることがさらに好ましい。この範囲とすることにより、指が接触したときと、指が接触していないときの静電容量の差を大きくできる。つまり、検出精度を高めることができる。
図7における導通電極72の面積A1と非導通部74の面積Bとは、副導通電極列78に対して接するように仮想ラインを引き、この仮想ラインで囲まれる面積を計算することで求める。
ここで、図7に示すように副導通電極列78の幅a1、a2、a3の合計がWaとなり、非導通部74の幅b1、b2とダミー電極76の幅b3との合計がWbとなる。
他の実施形態では、さらに、好ましくは、各副導通電極列78の幅の合計幅Waと、各非導通部74の幅の合計幅Wbとが、1.0mm≦Wa≦5.0mm、及び1.5mm≦Wb≦5.0mmの関係を満たすのが良い。人の平均的な指の大きさを考慮すると、この範囲とすることにより、より正確に位置を検出することができる。さらに、Waの値について、1.5mm≦Wa≦4.0mmが好ましく、2.0mm≦Wa≦2.5mmがさらに好ましい。また、さらに、Wbの値について、1.5mm≦Wb≦4.0mmが好ましく、2.0mm≦Wb≦3.0mmがさらに好ましい。
第1検出電極70は、交差する金属細線40により構成される複数のセル46を含んでいる。セル46は金属細線40で囲まれる開口領域を含んでいる。セル46は250μm〜900μmの長さの一辺を有する。一辺の長さは、好ましくは300μm〜700μmであることが望ましい。
各導通電極82は、第2の端子部32と電気的に接続される。各第2の端子部32は導電性の第2引出配線34と電気的に接続される。各導通電極82は、一端において、第2の端子部32と電気的に接続される。各第2の端子部32は各第2引出配線34の一方端と電気的に接続される。各第2引出配線34は、他方端で、図示しないFPCに電気的に接続される。各導通電極82は第2方向に沿って、実質的に一定の幅を有する短冊構造で構成される。但し、各導通電極82は短冊形状に限定されるものではない。
第2検出電極80を構成する金属細線40は、第1検出電極70と実質的に同じ線幅、実質的に同じ材料により構成される。第2検出電極80は交差する金属細線40により構成される複数のセル46を含んでおり、実質的に同じ形状を有する。セル46の一辺の長さ、セル46の開口率についても同等となる。
また、図8で示される第2検出電極80について、ダミー配線部は、隣接する導通電極82の間の領域に形成される。導電性フィルム12Bにおいて、ダミー配線部を有する第1検出電極70とダミー配線部を有する第2検出電極80とが対向配置される。平面視では、導電性フィルム12Bは重なったセルを有するように見える。これにより導電性フィルム12Bの視認性の劣化を防止することができる。
本発明の第2実施形態に係る導電性フィルムは、基本的に以上のように構成される。
(実施例1)
実施例1として、図9に示すように、帯状の導通電極90に横断するように等間隔で9本の導電ポイント(端子)X1〜X10を設け、導通電極90を9つの領域X1−X2、X2−X3、X3−X4、X4−X5、X5−X6、X6−X7,X7−X8、X8−X9及びX9−X10に分けて、各領域X1−X2〜X9−X10のポイント間の抵抗を抵抗計により測定した。その測定結果を表1に示す。
なお、実施例1の導通電極のランダム電極パターンでは、菱形メッシュのセル46のピッチPが352μmであり、菱形のセル46の一辺の傾斜角度θが30°の定型メッシュ電極パターンの菱形のピッチPに±10%以内のランダム性を付与してあり、実施例1の導電電極90における突出し量を30μmに設定した。また、帯状の導通電極90の電極幅は、5mmであった。
実施例2〜3及び比較例1〜3として、実施例1の図9に示すような帯状の導通電極90に対して、突出し量を変えた帯状の導通電極を作成し、実施例1の図9に示すように、同様に、作成された導通電極に9本の導電ポイント(端子)X1〜X10を設け、9つの領域X1−X2〜X9−X10に分けて、各領域X1−X2〜X9−X10のポイント間の抵抗をそれぞれ抵抗計により測定した。その測定結果を表1に示す。
なお、表1に示すように、実施例2〜3及び比較例1〜3では、突出し量は、それぞれ40μm、50μm、0μm、20μm、及び90μmに設定された。
実施例1〜3及び比較例1〜3の各例において各領域X1−X2〜X9−X10のポイント間抵抗値と、その中の最も低い抵抗値との差分を求め、求められた差分の最も低い抵抗値に対する割合(百分率%)を抵抗ばらつきとして求めた。その測定も表1に示す。
こうして得られた実施例1〜3及び比較例1〜3の各例の各領域のポイント間X1−X2〜X9−X10の抵抗ばらつきを評価した。評価では、抵抗ばらつきが20%以下である場合をOK、20%未満である場合をNGとして評価した。その測定も表1に示す。
以上から、本発明の効果は明らかである。
12、12A、12B 導電性フィルム
14 コントローラ
16 FPC(フレキシブル配線基板)
18 基体
20、70 第1検出電極
22,23,32,33 端子部
24、34 引出配線
26,36 電極層
28,38,56、66、76、84 ダミー電極
30、80 第2検出電極
40 金属細線
41,43,47 接着層
42,44 保護層
46 セル(開口部)
48 ランダム電極パターン
50,60、72,82、90 導通電極
52,62,64 エッジライン
54 断線部
58 交点
59 交差位置
74 非導通部
78 副導通電極列
また、特許文献1及び2に開示のように、電極幅が広くできる場合には、電極幅を広げて対応することによって、金属細線による電極において、金属細線の交点の数を所定数確保することができるので、開放されたセルがあってもその影響を無くす、若しくは抑制することが可能であるが、電極幅の設計自由度が無くなるという課題が生じる。
タッチパネルセンサ10の導電性フィルム12におけるセンサ部の構成は、特に制限されないが、通常、2層構造の検出電極(例えば、図1中X方向に延びる複数の第1検出電極20及び図1中Y方向に延びる複数の第2検出電極30)を有し、指等の物体が接触又は近接した2層構造の検出電極間の静電容量変化を検出し、IC制御回路等からなるコントローラ14により指等の物体の位置座標を算出し、特定する。コントローラ14は、導電性フィルム12の外部機器であり、導電性フィルム12の主面側(操作側、観察側)からの接触位置又は近接位置を検出する検出制御部を構成するもので、例えば静電容量式のタッチパネルセンサの位置検出に利用される公知のものを用いることができる。
この第3セル45cを構成する金属細線40を除く、第1セル45aの金属細線40には、エッジライン52との交差位置59において、断線を入れて断線部54を設ける。即ち、第3セル45cを除く、50%未満の第2セルの金属細線40、及び第2セルの金属細線40を除く、第1セル45aの金属細線40には、エッジライン52上に断線を入れて断線部54を設ける。
このように、導通電極50においては、第3セル45cにおいてエッジライン52上の金属細線40に断線部54を設けない代わりに、第3セル45cの交点(頂点)58の外側の拡張エッジライン53に直接延びる金属細線40、即ち外側方向に隣接するセル46を構成する金属細線40に断線を入れて断線部54を設ける。
こうすることにより、導通電極50は、エッジライン52が一部、即ち部分的に拡張されたセル構造を持つ電極形状となる。
このとき、拡張エッジライン53より内側にセル全体(全頂点)が含まれるセル46aは、第1セル45aであり、そのセル46aの交点(頂点)58aは、エッジライン52から外側に0.02029mm(20.29μm)離れた位置にあり、拡張エッジライン53より内側、即ち上述した突出し量40μm以内の範囲にあるので、第2セル45bである。
このようなセル46aでは、交点(頂点)58aの外側の拡張エッジライン53に直接延びる(外側方向に隣接するセル46を構成する)2本の金属細線40に断線が入れられて2つの断線部54が設けられる。その結果、セル46aは、構成する金属細線40のいずれにも断線部54が設けられていない第3セルであり、閉じた状態のまま閉じたセル46として残される。
図3(A)及び(B)に示す導通電極50の電極パターン48及びダミー電極56の電極パターン48は、複数の菱形のセル46が組み合わさって構成されたランダム電極パターンであり、菱形セル46を構成する辺の長さや配置ピッチに対しても不規則性が付与されたランダムパターンである。なお、図4(A)及び(B)に示す導通電極60及びダミー電極66も、図10(A)及び(B)に示す導通電極100及びダミー電極102も、同じ電極パターン48を有するので、以下では、図3(A)及び(B)に示す導通電極50及びダミー電極56を代表例として説明する。
ここで、第1検出電極20及び第2検出電極30の少なくとも一方には、本発明の導通電極、例えば、金属細線40による複数のセル46によって構成されるランダム電極パターン48からなる導通電極50、60が用いられる必要があるのは、図2に示す例と同様である。
(実施例1)
実施例1として、図9に示すように、帯状の導通電極90に横断するように等間隔で9本の導電ポイント(端子)X1〜X10を設け、導通電極90を9つの領域X1−X2、X2−X3、X3−X4、X4−X5、X5−X6、X6−X7,X7−X8、X8−X9及びX9−X10に分けて、各領域X1−X2〜X9−X10のポイント間の抵抗を抵抗計により測定した。
その測定結果を表1に示す。
なお、実施例1の導通電極のランダム電極パターンでは、菱形メッシュのセル46のピッチPが352μmであり、菱形のセル46の一辺の傾斜角度θが30°の定型メッシュ電極パターンの菱形のピッチPに±10%以内のランダム性を付与してあり、実施例1の導通電極90における突出し量を30μmに設定した。また、帯状の導通電極90の電極幅は、5mmであった。
Claims (14)
- 一方向に延在する複数の導通電極を有する透明電極層を備え、
前記導通電極は、金属細線による多角形の複数のセルにより構成され、
前記複数のセルは、ランダム形状であり、
前記導通電極は、前記一方向に延在する予め設定された電極形状を持ち、
前記複数のセルは、前記電極形状の両側の各エッジラインと交差する前記金属細線からなる複数の第1セルを有し、
前記複数の第1セルは、前記エッジラインからその外側に一定の距離離間した拡張エッジラインよりも内側に1つのセルを構成する前記金属細線の交点からなる前記多角形の全ての頂点が含まれ、該全ての頂点の内の少なくとも1つの頂点が隣接する前記エッジラインと前記拡張エッジラインとの間に含まれる複数の第2セルを有し、
前記複数の第2セルの中で、個数割合が50%以上であって、閉じた状態の複数の第3セルを構成する前記金属細線を除いて、前記第1セルおよび前記第2セルを構成する金属細線と前記エッジラインとの交差位置に断線部を有し、
隣接する前記エッジラインと前記拡張エッジラインとの間にある前記複数の第3セルの各頂点は、前記拡張エッジラインに向かって伸び、途中に断線部を有する前記金属細線に接続されるか、他の第3セルの頂点に繋がる前記金属細線に接続されるか、又は端点であるかのいずれかであり、
前記一定の距離は、隣接する前記セルが内包される最小サイズの円の直径をメッシュサイズとして定義する場合、前記メッシュサイズの7%〜20%の距離であることを特徴とする導電性フィルム。 - 透明絶縁体である基体と、該基体に配置される第1電極を含む第1透明電極層、及び第2電極を含む第2透明電極層とを有し、
前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方が、前記導通電極である請求項1に記載の導電性フィルム。 - 前記第1電極の電極幅は、前記第2電極の電極幅より小さい請求項2に記載の導電性フィルム。
- 前記第1電極は、前記導通電極であり、
前記第2電極は、前記金属細線による複数の多角形のランダム形状なセルにより構成され、前記一方向と直交する直交方向に延在する予め設定された前記電極形状を持ち、
前記電極形状の両側のエッジラインにかかる前記セルを構成する前記金属細線は、前記エッジラインとの交点に断線部を有する請求項2又は3に記載の導電性フィルム。 - 前記第1電極は、前記基体の一方の側に配置され、前記第2電極は、前記基体の他方の側に配置される請求項2〜4のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
- 前記第1電極、及び前記第2電極は、前記基体の両側の面にそれぞれ形成される請求項2〜5のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
- さらに、前記基体と異なる、透明絶縁体である第2基体を有し、
前記第1電極は、前記基体の一方の面に形成され、
前記第2電極は、前記第2の基体の一方の面に形成され、かつ前記基体の他方の面の側に配置される請求項2〜5のいずれか1項に記載の導電性フィルム。 - 前記第1電極、及び前記第2電極は、前記基体の片側に絶縁層を介してそれぞれ形成される請求項2〜4のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
- 前記エッジラインと前記拡張エッジラインとの間の前記一定の距離は、20μm〜120μmである請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
- 前記透明電極層は、前記導通電極に加え、さらに、前記金属細線による複数の多角形のランダムなセルにより構成され、前記一方向に延在する予め設定された電極形状を持ち、前記導通電極と前記断線部によって電気的に絶縁されたダミー電極を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
- 前記透明電極層は、複数の前記導通電極と、複数のダミー電極とを交互に備え、
前記導通電極は、少なくともその内部に前記導通電極と電気的に分離された非導通部を備え、
前記導通電極の面積Aと、前記非導通部の面積Bとが、下記式を満足する請求項10に記載の導電性フィルム。
5%<(B/(A+B))×100<97% - 前記第1電極は、前記第2電極よりも観察側に配置される請求項2〜11のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の導電性フィルムを用いたタッチパネルセンサ。
- スタイラスペンを使用して操作される請求項13に記載のタッチパネルセンサ。
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