JPWO2016084342A1 - 導電性ペースト及びそれを用いてなる熱電対 - Google Patents
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Abstract
(a)金属粉と(b)アルキレングリコールジグリシジルエーテルを含むバインダー成分と(c)硬化剤とを含有させることにより、高い可とう性と導電性を兼ね備えた導電性ペーストが得られ、これを用いることにより可とう性に優れる熱電対が得られる。
Description
本発明は、導電性ペースト及びそれを用いてなる熱電対に関するものである。
基板のホール充填、導電性接着剤、電極形成、部品実装、電磁波シールド、導電性バンプ形成等の種々の用途に、金属粉とバインダー成分とからなる導電性ペーストが広く使用され、そのバインダー成分としてはエポキシ樹脂をベースとしたものが一般的である。例えば、本発明者らは、ホール充填等に好適な導電性ペーストとして、(メタ)アクリレート化合物とエポキシ樹脂をベースとして、フェノール系硬化剤等を所定の割合で含有する導電性ペーストを提案している(特許文献1)。
一方、導電性ペーストを利用した熱電対の製造も行われている。一般に熱電対はその用途に応じて、様々な金属の組み合わせにより様々な形状に形成され、例えば、特許文献2には、銅粉を含むペーストとコンスタンタン粉を含むペーストを可とう性を有する樹脂フィルム又は紙上にそれぞれ印刷し、剥離して、微小部分の温度測定が可能な熱電対を形成することが記載されている。
このような導電性ペーストを使用して製造する熱電対に可とう性を付与することができれば、工業用のみならず、医療用や家庭用等の種々の用途に適用でき、熱電対の利用可能性が大きく拡大すると考えられる。
しかしながら、一般に導電性ペーストはバインダー樹脂の可とう性が大きくなるにつれて導電性が低下する傾向があり、可とう性を有する熱電対を製造するに適した導電性ペーストは未だ得られていない。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、可とう性と導電性が共に優れる導電性ペースト及びそれを用いた可とう性に優れる熱電対を提供することを目的とする。
本発明の導電性ペーストは、上記の課題を解決するために、(a)金属粉と(b)アルキレングリコールジグリシジルエーテルを含むバインダー成分と(c)硬化剤とを含有してなるものとする。
上記導電性ペーストにおいて、(b)バインダー成分は、アルキレングリコールジグリシジルエーテルとして、エチレングリコールジグリシジルエーテル及びプロピレングリコールジグリシジルエーテルの中から選択された1種又は2種を5質量%以上含有することができる。また、上記金属粉としては銅粉やコンスタンタン粉を用いることができる。
本発明の熱電対は、上記コンスタンタン粉を用いた導電性ペーストと銅配線とが接続されてなるものとすることができる。あるいは、上記コンスタンタン粉を用いた導電性ペーストからなる配線と、銅粉を用いた導電性ペーストからなる配線とが接続されてなるものとすることができる。
上記本発明の熱電対がシート状物の面方向に2個以上配されたものを、面温度測定装置となすことができる。
本発明の導電性ペーストは、上記のようにバインダー成分としてエチレングリコールジグリシジルエーテル及びプロピレングリコールジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールジグリシジルエーテルを用いたことにより、可とう性と導電性を兼ね備えたものとなる。
本発明の熱電対は、この導電性ペーストを用いることにより可とう性に優れるため、種々の新規な用途にも使用できるものとなる。
例えば上記のように本発明の熱電対により面温度測定装置を構成した場合、曲面や凹凸のある面の温度分布を従来よりも正確に測定することが可能となる。
以下、本発明の導電性ペーストと熱電対の実施態様について詳述するが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。なお、本明細書においては、硬化した後の導電性ペーストも、便宜上、「導電性ペースト」と呼ぶ場合がある。また、本発明の導電性ペーストは熱電対の製造に適したものであるが、用途がこれに限定されるものではない。
本発明の導電性ペーストに含有可能な金属粉は特に限定されないが、熱電対の製造に適しているという観点からは、銅粉及び/又は銅合金粉であることが好ましい。銅合金としてはコンスタンタンが好適に用いられる。コンスタンタンは、銅55±5%、Ni45±5%の組成を有し、典型的には銅55%、Ni45%である。熱電対においては、+極に銅、−極にコンスタンタンを用いることにより、−200℃〜300℃の温度範囲に使用できるものとなる。本発明の導電性ペーストは、ポリイミド等のプリント基板に印刷することを想定しており、熱電対を構成する場合の金属粉としては、プリント基板等の耐熱性等を考慮すると、−200〜300℃程度の比較的低温の測定が可能な、銅とコンスタンタンの組み合わせが相性がよい。
金属粉の形状には制限がなく、樹枝状、球状、フレーク状(鱗片状)等の従来から用いられているものが使用できるが、導電性の観点から樹枝状が好ましい。また、金属粉の粒径も制限されないが、通常は平均粒径で1〜50μm程度が好ましい。
本発明の導電性ペーストを構成するバインダー成分は、少なくともアルキレングリコールジグリシジルエーテルを含むものであり、その含有により導電性ペーストに可とう性を付与することが可能となる。アルキレングリコールジグリシジルエーテルの好適な具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテルが挙げられ、以下ではこれらについて説明する。
上記可とう性付与の目的のため、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテルは、エチレンオキシド又はプロピレンオキシド単位の繰り返し数nが1〜15の範囲であるのが好ましく、4〜10の範囲であるのがより好ましい。また、アルキレングリコールジグリシジルエーテルの含有量は、バインダー成分中5質量%以上であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテルは、公知の方法により製造することができ、市販されているものを利用することもできる。
本発明で用いるバインダー成分は、上記アルキレングリコールジグリシジルエーテル以外のエポキシ樹脂や(メタ)アクリレート化合物を必要に応じて含有するものとすることもできる。
エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を1個以上有するものであれば特に限定されない。例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、スピロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テルペン型エポキシ樹脂、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンなどのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンなどのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、α−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で使用することもでき、2種以上を併用することもできる。
上記アルキレングリコールジグリシジルエーテル以外のエポキシ樹脂を含有する場合のその含有量は、バインダー成分中5〜95質量%が好ましく、20〜90質量%がより好ましい。
(メタ)アクリレート化合物とは、アクリレート化合物又はメタクリレート化合物であり、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物であれば特に限定されない。(メタ)アクリレート化合物の例としては、イソアミルアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で含有することもでき、2種以上を含有することもできる。
上記(メタ)アクリレート化合物を含有する場合のエポキシ樹脂と(メタ)アクリレート化合物との含有比率(両者の合計量を100%とした場合の質量%)は、5:95〜95:5であることが好ましく、より好ましくは20:80〜80:20である。(メタ)アクリレート化合物を5質量%以上含有することにより導電性ペーストの保存安定性が優れ、かつ導電性ペーストを速やかに硬化させることができる。
本発明の導電性ペーストに含有するバインダー成分には、上記エポキシ樹脂や(メタ)アクリレート化合物以外に、アルキド樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂等を改質剤として含有させることが可能である。
上記金属粉とバインダー成分との含有割合は、可とう性、導電性及び印刷作業性(粘度)のバランスの観点から、金属粉の含有量が、バインダー成分100質量部に対して200〜1800質量部であることが好ましく、400〜1200質量部であることがより好ましい。
本発明の導電性ペーストは硬化剤を含有するものとすることができる。硬化剤は、含有するバインダー成分の種類等に応じて適宜選択されるが、例としては、フェノール系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、カチオン系硬化剤、ラジカル系硬化剤(重合開始剤)が挙げられる。これら硬化剤は単独で含有することもでき、2種以上を含有することもできる。
フェノール系硬化剤の例としては、ノボラックフェノール、ナフトール系化合物等が挙げられる。バインダー成分に(メタ)アクリレート化合物を含有させ、かつ硬化剤としてフェノール系硬化剤を含有させた場合、添加されたフェノール系硬化剤が(メタ)アクリレート化合物の重合禁止剤として働くために、エポキシ樹脂100%の場合よりポットライフが向上する。このペーストを加熱すると、まずエポキシ樹脂がフェノール系硬化剤と反応し、次に重合禁止剤を失った(メタ)アクリレート化合物が反応することにより硬化が進行すると考えられる。
イミダゾール系硬化剤の例としては、イミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−イミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールが挙げられる。
カチオン系硬化剤の例としては、三フッ化ホウ素のアミン塩、P−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルイオドニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム、テトラ−n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート等に代表されるオニウム系化合物が挙げられる。
ラジカル系硬化剤(重合開始剤)の例としては、ジ−クミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
硬化剤の含有量は、バインダー成分の合計量100質量部に対して0.5〜40質量部であることが好ましい。但し、硬化剤としてラジカル系硬化剤を含有する場合は、バインダー成分の合計量100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましい。
本発明の導電性ペーストは、発明の目的を損なわない範囲内において、消泡剤、増粘剤、粘着剤、充填剤、難燃剤、着色剤等、公知の添加剤を含有することもできる。
上記各成分を混合し、撹拌することにより、本発明の導電性ペーストが得られる。得られた導電性ペーストを常温下又は加熱下で硬化させることにより、可とう性を有する硬化物が得られる。なお、本明細書において「可とう性を有する」熱電対とは、導電性ペーストをプリント基板等に印刷し、硬化させたものを常温にてφ6cmの円柱に5秒間巻き付けて解放した後もクラック発生や導電性の変化がなく、熱電対として温度測定に供するのに支障がないものを言い、「可とう性を有する」導電性ペーストとは、バインダーとして用いた場合にこのような熱電対を形成可能な導電性ペーストを言うものとする。
本発明に係る導電性ペーストは、その優れた可とう性と導電性を活かして、後述する熱電対の製造に好適に用いられるほか、導電性接着剤、電極形成、部品実装、電磁波シールド、導電性バンプ形成用等にも用いることができる。
本発明の熱電対は、上記した導電性ペーストの硬化物を構成要素とするものであり、その実施形態について以下に図を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1(a)は、銅パターンと導電性ペーストからなる熱電対の例を示し、同図(b)は異なる金属粉をそれぞれ含有する2種の導電性ペーストからなる熱電対の例を示している。これらの図において、符号1は銅パターン、符号2,4はコンスタンタン粉含有導電性ペースト、符号3は銅粉含有導電性ペースト、符号5は銅パッド(銅箔)をそれぞれ示す。
図1(a)に示す熱電対は、例えばポリイミド等からなる樹脂フィルム上に、エッチング等により鉤状の銅パターン1及び銅パッド5が設けられ、コンスタンタン粉を含有する導電性ペースト2が、その一方の端部が上記銅パターン1に重なり、他方の端部が上記銅パッド5に重なるように直線状に印刷されてなるものである。但し、銅パターンや銅パッドの形状、導電性ペーストの印刷形状等は、図示したものに限定されず、製造方法も上記に限定されず、このことは以下の実施形態においても同様である。
また図1(b)に示す熱電対は、上記と同様の樹脂フィルム上にエッチング等により銅パッド5が設けられ、銅粉を含有する導電性ペースト3がその銅パッド5上に端部がある鉤状に印刷され、これと相対向するようにコンスタンタン粉を含有する導電性ペースト4も銅パッド5上に端部がある鉤状に印刷され、それら導電性ペースト3,4の他方の端部が相互に重なり合ったものである。あるいはコンスタンタン粉を含有する導電性ペースト4が先に印刷され、その端部に端部を被せるように銅粉を含有する導電性ペースト3が印刷されていてもよい。
上記2種のタイプの熱電対を比較すると、図1(a)のものは安定性がより高いという長所を有する。
図1(b)に示す熱電対のより具体的な実施形態の例としては、図2に示すような形状のものを挙げることができる。図2において、符号10はポリイミドフィルム、符号11は銅粉含有導電性ペースト、符号12はコンスタンタン粉含有導電性ペースト、符号15は銅パッドをそれぞれ示す。
本図に示すものは、ベースとなる細長いポリイミドフィルム10の端部近くに銅パッド15が2個並べて設けられ、2種類の導電性ペースト11,12がポリイミドフィルム10の長手方向にほぼ平行に印刷され、これら2種の導電性ペーストは、一方の端部が銅パッド15にそれぞれ被さり、他方の端部が互いに重なり合う構造を有している。但し、その各部の形状は、熱電対の用途によって適宜変更することが可能である。
本発明の熱電対のさらに別の実施形態としては、図3(a)〜(c)に示すように、ポリイミドフィルム20上に印刷されたコンスタンタン粉含有導電性ペースト22と銅箔21とが重なり合い、一部で両者が接続した構造とすることもできる。より具体的には、図3(a)及び(c)に示すように、平面形状が長方形の銅箔21の下面に同じ大きさの長方形のポリイミドフィルム20を貼り付けて積層させ、銅箔21の上面には、銅箔21と同じ幅で長さがやや短い長方形のポリイミドフィルム20’を貼り付けて積層させ、このポリイミドフィルム20’上に銅パッド25が設けられ、さらにコンスタンタン粉含有導電性ペースト22が長手方向に印刷されて、その一方の端部が銅パッド25上に配され、他方の端部が銅箔21の露出部に接触した構造とすることができる。
上記各熱電対はこのまま使用することもできるが、必要に応じ、表面の導電性ペースト印刷部をポリイミド樹脂フィルムやアルミ蒸着フィルム等で被覆して保護することもできる。
次に本発明の導電性ペーストを用いた面温度測定装置の実施形態について説明するが、本発明に係る面温度測定装置は以下の説明に限定されるものではない。
図4(a)に示す本発明の実施形態に係る面温度測定装置は、樹脂シート41の面方向に複数の熱電対が配列されたものである。符号43は各熱電対の測温部分を示し、各測温部分43は銅からなり、平面形状がほぼ円形であり、それぞれが樹脂シート41に設けられた貫通孔の底をなすようにドット状に配されている。図4(b)はそのうち1個の熱電対を樹脂シート41の反対側から見た平面図であり、符号42は樹脂シート41上に形成された銅配線を示し、符号44は樹脂シート41の上記貫通孔の側面に施された銅メッキを示し、符号45は導電性ペーストにより形成された配線を示す。銅配線42と測温部分43とは銅メッキ44によって相互に接続されている。
図4に示した面温度測定装置の製造方法を、図5を用いて説明する。図5(a)は図4に示した面温度測定装置の製造に使用可能な基板を示す模式断面図であり、(b)は、図4(b)に示した熱電対のA−Aにおける模式断面図である。また、図5(c)は、(b)のものに代替可能な他の実施形態に係る熱電対を示す模式断面図である。
図5(a)に示す両面基板は、樹脂層51の両面に銅箔層52,53をそれぞれ有するものであり、リジッド又はフレキシブルのいずれでもよい。樹脂層51の樹脂の種類や厚みは目的とする面温度測定装置の用途等に応じて適宜選択可能であるが、使用可能な樹脂の種類としては、例えば、エポキシ樹脂、液晶ポリマー(芳香族ポリエステル系樹脂)、ポリイミド樹脂等が挙げられ、厚みは通常は、0.25〜1.0mm程度である。
上記銅箔層52,53から、図4(b)の銅配線パターン42及び図4(a)の測温部分43をそれぞれ形成することができる。
その製造工程の例としては、まず銅箔層52側から銅箔層53側に向けてレーザー等により穿孔することにより、樹脂層51を貫通して銅箔層53が底となる有底穴を形成し、その有底穴の側面に銅メッキ54を施す。
次に、エッチングにより、図5(b)に示すように、銅箔層52から銅配線パターン52’を形成し、銅箔層53から測温部分となるランド状パターン53’を形成することにより、ランド状パターン53’が底面をなし、かつ銅メッキ54が側面をなす有底穴が、銅配線パターン52’と接続された構造とする。
次にこの有底穴の内部にコンスタンタンペースト55を印刷等により充填し、充填したのと同じコンスタンタンペースト55で、有底穴充填部を起点とする配線(図4(b)の配線45)を樹脂層51の表面上に形成する(図5(b)には現れない)。これにより有底穴内部に熱起電力発生部位が形成されて、測温部分43が銅配線42(銅配線パターン52’)及び導電性ペーストからなる配線45とそれぞれ接続された熱電対が得られる。
別の実施形態として、図5(c)に示すように、上記ランド状部分53’なしの無底構造の穴を形成し、その側面に銅メッキ64を施してから導電性ペースト65を充填して、銅配線パターン62及び導電性ペーストからなる配線(図示されず)と接続させたものも熱電対として使用可能であり、その場合は銅メッキ64及び導電性ペースト65の底面が測温部分63となる。
さらに別の実施形態として、上記銅箔層52のエッチングによる配線パターン52’に替えて、銅ペーストの印刷により形成された配線を有するものとすることもできる。
本発明の導電性ペーストは可とう性に優れるため、可とう性の高い基板を用いて上記面温度測定装置を作成した場合、曲面や凹凸のある面に各熱電対が隙間なく接触し、それらの面の正確な温度分布測定が可能となる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、以下において配合割合等は、特にことわらない限り質量基準とする。
1.導電性ペーストの調製及び評価
表1に示す割合で各成分を配合し、混合して導電性ペーストを調製した。なお、使用した各成分の詳細は以下の通りである。
表1に示す割合で各成分を配合し、混合して導電性ペーストを調製した。なお、使用した各成分の詳細は以下の通りである。
プロピレングリコールジグリシジルエーテル:坂本薬品工業株式会社製「SR-4PG」
ゴム変性エポキシ樹脂:株式会社ADEKA製「EPR−1415−1」
(メタ)アクリレート化合物:2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート
コンスタンタン粉:銅55%、Ni45%、アトマイズ粉、平均粒径15μm
銅粉:電解銅粉、平均粒径5μm
フェノール系硬化剤:荒川化学工業株式会社製「タマノール758」
ゴム変性エポキシ樹脂:株式会社ADEKA製「EPR−1415−1」
(メタ)アクリレート化合物:2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート
コンスタンタン粉:銅55%、Ni45%、アトマイズ粉、平均粒径15μm
銅粉:電解銅粉、平均粒径5μm
フェノール系硬化剤:荒川化学工業株式会社製「タマノール758」
2.熱電対の製造及び評価
評価用サンプルとして次の3種の熱電対を製造した。
評価用サンプルとして次の3種の熱電対を製造した。
構造体1:図1(b)及び図2に記載の、銅粉含有導電性ペースト(以下「銅ペースト」という場合もある)とコンスタンタン粉含有導電性ペースト(以下「コンスタンタンペースト」という場合もある)とを設けた構造体とした。具体的には、厚み50μmのポリイミドフィルム10に、銅パッド15を設け、次いで銅ペーストを厚み300μmのメタル版を用いて幅2mm、厚み約250μm、長さ18.6cmの鉤状に印刷し、硬化させた。そこにコンスタンタン粉含有導電性ペースト12を同じメタル版を用いて、同じ寸法の鉤状に印刷し、硬化させた。銅ペースト及びコンスタンタンペーストの厚みはそれぞれ250μmとした。硬化条件は、銅ペースト及びコンスタンタンペースト共に、80℃で60分間に続き180℃で60分間とした。銅パッド15の端部を露出させる以外は面全体を覆うようにポリイミド製粘着テープ(カプトン(登録商標)テープ、以下同じ)を保護層として貼り付けた。
構造体2:図3に記載の、コンスタンタンペーストと銅箔とを重ね合わせた構造体とした。具体的には、厚さ36μmの銅箔21の上下面に厚さ50μmのポリイミドフィルム20,20’を貼り付け、銅箔21の上面のポリイミドフィルム20’は銅箔よりやや短いものとした。このポリイミドフィルム20’上に銅パッド25を設け、次いでコンスタンタン粉含有導電性ペースト22を厚さ250μmになるように印刷して、その一方を銅パッド25上に配し、他方の端部を銅箔21の露出部に接触させ、この銅パッド25の端部を露出させる以外は面全体を覆うようにポリイミド製粘着テープを保護層として貼り付けた。
構造体3:図1(a)に記載の、銅パターンとコンスタンタンペーストとを設けた構造体とした。具体的には、上記と同じ厚み50μmのポリイミドフィルム10にエッチングにより厚み9μmの銅パターン1と銅パッド5を残した基板を作製し、そこにコンスタンタン粉含有導電性ペースト2を上記メタル版を用いて、同じ寸法の鉤状に印刷した。コンスタンタンペーストの厚みは250μmとした。同じ条件で加熱して硬化させた後、銅パターン1と銅パッド5のそれぞれの端部を露出させる以外は面全体を覆うようにポリイミド製粘着テープを保護層として貼り付けた。
上記各サンプルにおいて熱電対の全長(図3(a)におけるl1、他も同様)は20cm、銅パターン又は印刷したペーストの長さ(図3(a)におけるl2、他も同様)は18cm、熱電対の幅(図3(a)におけるw、他も同様)は9mm、印刷したペーストの幅は2mmである。
これらのサンプルを用いて、可とう性と導電性の評価を行った。
可とう性の評価は、常温にてφ6cmの円柱に5秒間巻き付けて解放した後もクラック発生や導電性の変化がないかを調べ、これらがない場合を「○」とした。
導電性の評価としては−30℃〜90℃まで10℃毎に熱起電力を測定(N=3)し、回帰分析を行った。
図6に示すように熱電対31のコンスタンタンペーストと銅ペーストの接点32側を恒温槽33に入れ、−30℃から90℃まで温度変化させて、10℃毎に熱起電力を測定した。熱起電力の測定は、マルチメーター33(KEITHLEY社製2700型デジタルマルチメーター)を用い、両極の銅箔部分34,35にワニクリップで端子を接続して、銅パッド部分を25℃に空調された状態に保持して行った。
得られたデータより、回帰分析を行い、得られた回帰式の傾き(μV/℃)と寄与率を評価した。指標として、JIS 1602−1955に記載の規準熱起電力を−30〜90℃まで10℃毎の値を用いて回帰式を得て、傾きについて上記測定結果と比較した。比較は、傾き(μV/℃)のJIS規準熱起電力との誤差として次式より算出した。
式:(測定結果−41.1)×100/41.1
表1に示された結果より、実施例の熱電対はいずれも優れた可とう性と導電性を有することが分かる。
1……銅パターン、21……銅箔、
2,4,12,22……コンスタンタン粉含有導電性ペースト、
3,11……銅粉含有導電性ペースト、
5,15,25……銅パッド、10,20,20’……ポリイミドフィルム、
31……熱電対、32……重なり部分、33……恒温槽、
34……−極,35……+極、36……マルチメーター、
41……樹脂シート、42……銅配線、43……測温部分、44……銅メッキ、
45……導電性ペーストからなる配線、
51,61……樹脂層、52,53,62……銅箔層、
52’……銅配線パターン、53’……ランド状パターン(測温部分)、
63……測温部分、54,64……銅メッキ、
55,65……コンスタンタン粉含有導電性ペースト
2,4,12,22……コンスタンタン粉含有導電性ペースト、
3,11……銅粉含有導電性ペースト、
5,15,25……銅パッド、10,20,20’……ポリイミドフィルム、
31……熱電対、32……重なり部分、33……恒温槽、
34……−極,35……+極、36……マルチメーター、
41……樹脂シート、42……銅配線、43……測温部分、44……銅メッキ、
45……導電性ペーストからなる配線、
51,61……樹脂層、52,53,62……銅箔層、
52’……銅配線パターン、53’……ランド状パターン(測温部分)、
63……測温部分、54,64……銅メッキ、
55,65……コンスタンタン粉含有導電性ペースト
Claims (7)
- (a)金属粉と(b)アルキレングリコールジグリシジルエーテルを含むバインダー成分と(c)硬化剤とを含有してなる導電性ペースト。
- 前記(b)バインダーが、アルキレングリコールジグリシジルエーテルとして、エチレングリコールジグリシジルエーテル及びプロピレングリコールジグリシジルエーテルの中から選択された1種又は2種を5質量%以上含有することを特徴とする、請求項1に記載の導電性ペースト。
- 前記金属粉が銅粉であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電性ペースト。
- 前記金属粉がコンスタンタン粉であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電性ペースト。
- 請求項4に記載の導電性ペーストと銅配線とが接続されてなる熱電対。
- 請求項3に記載の導電性ペーストからなる配線と、請求項4に記載の導電性ペーストからなる配線とが接続されてなる熱電対。
- 請求項5又は6に記載の熱電対が、シート状物の面方向に2個以上配されてなる、面温度測定装置。
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