JP4262152B2 - サーミスタ - Google Patents
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Description
本発明において、「鎖式基」とは、主鎖に環式構造を含まず、主鎖を構成する原子が線状に配列した鎖状構造を有する基を意味する。この「鎖式基」は枝分かれ構造を有していてもよい。また、「鎖式基」は、飽和炭化水素基あるいは不飽和炭化水素基のように、主鎖を構成する原子が炭素のみであるものでもよく、酸素、硫黄又は窒素等のヘテロ原子が主鎖骨格に含まれているものであってもよい。また、本発明において、「炭素数1以上の2価の鎖式基」という場合は、主鎖(一般式(1)中のR1及びO(酸素原子)との結合方向に沿った主鎖)を構成している炭素の数が1以上である2価の鎖式基を意味する。
−(Ar−X)− …(a)
(式(a)中、Arは置換又は未置換の2価の5員環基、置換又は未置換の2価の6員環基、置換又は未置換の2価のナフタレン基、あるいは置換又は未置換の2価のアントラセン基を示し、Xは炭素数1以上の2価の鎖式基を示す。)
−Y− …(b)
(式(b)中、Yは、置換又は未置換の炭素数1以上の2価の鎖式基を示し、該鎖式基には一般式(2)中のグリシジルエーテル基に結合する炭素原子が含まれる。)]
上記第2のサーミスタによれば、サーミスタ素体を上記構成とすることで、サーミスタの室温抵抗値を十分小さくすることができ、PTC特性における抵抗値の変化率を十分大きくすることができ、さらにサーミスタの信頼性を優れたものとすることができる。また、このような効果が得られる要因としては、サーミスタ素体のマトリックスに上記一般式(2)で表わされる化合物が組み込まれることにより、上記第1のサーミスタの場合と同様に、サーミスタ素体に適度な可とう性が付与された結果であると本発明者らは考えている。
上記第3のサーミスタによれば、サーミスタ素体を上記構成とすることで、サーミスタの室温抵抗値を十分小さくすることができ、PTC特性における抵抗値の変化率を十分大きくすることができ、さらにサーミスタの信頼性を優れたものとすることができる。また、このような効果が得られる要因としては、サーミスタ素体のマトリックスに上記一般式(3)で表わされる化合物が組み込まれることにより、上記第1及び第2のサーミスタの場合と同様に、サーミスタ素体に適度な可とう性が付与された結果であると本発明者らは考えている。
上記第4のサーミスタによれば、サーミスタ素体を上記構成とすることで、サーミスタの室温抵抗値を十分小さくすることができ、PTC特性における抵抗値の変化率を十分大きくすることができ、さらにサーミスタの信頼性を優れたものとすることができる。また、このような効果が得られる要因としては、サーミスタ素体のマトリックスに上記一般式(4)で表わされる化合物が組み込まれることにより、上記第1、第2及び第3のサーミスタの場合と同様に、サーミスタ素体に適度な可とう性が付与された結果であると本発明者らは考えている。
−(R13−O)n− …(5)
[式(5)中、R13は、炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示し、nは1〜10の整数を示す。]
本発明の第1、第2、第3及び第4のサーミスタのそれぞれにおいては、硬化剤が、芳香族環、脂環式環及び複素環から選ばれる少なくとも1種を有するジアミン化合物を含有することが好ましく、下記一般式(6)又は(7)で表されるジアミン化合物を含むことがより好ましい。このようなジアミン化合物を含有する硬化剤を用いることにより、エポキシ樹脂と硬化剤とによるマトリックスの形成を効率よく実施することができ、また、そのときの反応を容易にかつ確実に制御することができる。
ここで、炭素数1以上の2価の鎖式基としては、例えば、下記一般式(8)〜(11)で示される2価の有機基が挙げられる。
−(CH2)a− …(8)
[式(8)中、aは1〜20の整数を示す。]
−(CH2CH2O)b− …(9)
[式(9)中、bは1〜20の整数を示す。]
−(CH2CH(CH3)O)c− …(10)
[式(10)中、cは、1〜20の整数を示す。]
−(CH(CH3)CH2O)d− …(11)
[式(11)中、dは、1〜20の整数を示す。]
すなわち、本実施形態のサーミスタ10は、そのサーミスタ素体1において、上記一般式(1)で表わされる化合物を含むエポキシ樹脂と硬化剤とから形成されるマトリックスに導電性粒子が分散した状態となっている。これによって、サーミスタの室温抵抗値を十分小さくすることができ、PTC特性における抵抗値の変化率を十分大きくすることができ、さらにサーミスタの信頼性を優れたものとすることができる。
−(Ar−X)− …(a)
(式(a)中、Arは、置換基を有していてもよい、2価の、5員環基、6員環基、ナフタレン基、若しくはアントラセン基を示し、Xは、炭素数1以上の2価の鎖式基を示す。)
−Y− …(b)
(式(b)中、Yは、置換基を有していてもよい、グリシジルエーテル基に結合した炭素原子を含む炭素数1以上の2価の鎖式基を示す。)]
ここで、R4としては、例えば、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、及び−CnH2n−(nは2〜20の整数)等の鎖式基が挙げられる。
このような化合物を用いることにより、上記の効果が得られると共に、耐熱性に優れたサーミスタをより確実に得ることができる。
また、サーミスタ素体1を形成する際に用いるエポキシ樹脂として、下記一般式(4)で表わされる化合物を含むエポキシ樹脂を用いても、サーミスタの室温抵抗値を十分小さくすることができ、PTC特性における抵抗値の変化率を十分大きくすることができ、さらにサーミスタの信頼性を優れたものとすることができる。
−(R13−O)n− …(5)
[式(5)中、R13は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示し、nは1〜10の整数を示す。]
さらに、上記一般式(4)においては、R1が−CH2−、−CH(CH3)−、又は−C(CH3)2−で示される2価の有機基であり、かつ、R2及びR3が、−C4H6−(O−L)m−(Lは、炭素数1〜20の鎖式基を示し、mは、1〜10の整数を示す)で示される2価の有機基であることがより好ましい。かかる化合物を用いることにより、サーミスタ素体に、より一層適度な可とう性を付与することができ、所望の室温抵抗値と所望の抵抗変化率とを有し、かつ信頼性に優れるサーミスタを、より確実かつ容易に得ることができる。
その他のアミン系硬化剤として、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレンジアミン(MXDA)、イソホロンジアミン(IPDA)の変性物、トリスジメチルアミノメチルフェノール、ジシアンジアミド(DICY)等を用いることができる。これらのアミン系添加剤としては、例えば、エピキュアT、エピキュアT1、エピキュア3012、エピキュア3019、エピキュア3010、エピキュアDICY7(全てジャパンエポキシレジン株式会社製)等の市販品を用いてもよい。
[実施例1]
先ず、下記式(12)で表されるエポキシ樹脂(商品名:リカレジン BPO20E、新日本理化製、エポキシ当量314g/eq)と、下記式(13)で表されるジアミンの変性アミンであるアミン系硬化剤(商品名:エポメート B002、ジャパンエポキシレジン製、アミン価:317〜337KOHmg/g)と、フィラメント状ニッケル粒子(商品名:Type255ニッケルパウダ、INCO社製、平均粒径2.2〜2.8μm、見かけ密度0.5〜0.65g/cm3、比表面積0.68m2/g)と、をそれぞれ準備した。
[実施例2]
硬化剤として下記式(14)で表されるアミン系硬化剤(商品名:カヤハードA−A、日本化薬工業(株)製)を使用し、その配合量をエポキシ樹脂に対して35重量%とし、硬化温度を150℃とした以外は、実施例1と同様にしてサーミスタを得た。
[実施例3]
硬化剤として、上記式(13)で表されるジアミンの変性アミンであるアミン系硬化剤(商品名:エポメート N001、ジャパンエポキシレジン製、アミン価:330〜350KOHmg/g)を使用し、エポキシ樹脂に対して60重量%添加したこと以外は実施例1と同様の方法でサーミスタを得た。
[実施例4]
硬化剤として、上記式(13)で表されるジアミンの変性アミンであるアミン系硬化剤(商品名:エポメート LX1N、ジャパンエポキシレジン製、アミン価:480〜520KOHmg/g)を使用し、エポキシ樹脂に対して35重量%添加したこと以外は実施例1と同様の方法でサーミスタを得た。
[比較例1]
エポキシ樹脂として、下記式(15)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:EPICLON850、大日本インキ化学工業製、エポキシ当量190g/eq)、を使用した以外は、実施例1と同様にしてサーミスタを得た。
[比較例2]
エポキシ樹脂として、上記式(15)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:EPICLON850、大日本インキ化学工業製、エポキシ当量190g/eq)を使用した以外は、実施例2と同様にしてサーミスタを得た。
[比較例3]
エポキシ樹脂として、上記式(15)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:EPICLON850、大日本インキ化学工業製、エポキシ当量190g/eq)を使用し、硬化剤として酸無水物硬化剤(商品名:B570、大日本インキ化学工業製、酸無水物当量168g/eq)とした以外は、実施例2と同様にしてサーミスタを得た。
Claims (8)
- 互いに対向して配置された1対の電極と、前記1対の電極間に配置されたサーミスタ素体と、を備え、
前記サーミスタ素体が、下記一般式(2)で表わされる化合物を含むエポキシ樹脂と、アミン化合物を含む硬化剤と、導電性粒子と、を含む混合物から誘導される硬化体を含有することを特徴とするサーミスタ。
−(Ar−X)− …(a)
(式(a)中、Arは、置換基を有していてもよい、2価の、5員環基、6員環基、ナフタレン基、若しくはアントラセン基を示し、Xは、炭素数1以上の2価の鎖式基を示す。)
−Y− …(b)
(式(b)中、Yは、置換基を有していてもよい、グリシジルエーテル基に結合した炭素原子を含む炭素数1以上の2価の鎖式基を示す。)] - 前記一般式(2)において、R4が、−CH2−、−CH(CH3)−、又は−C(CH3)2−で示される2価の有機基であり、R5及びR6が、前記一般式(a)で表され、かつArが−C6H4−である2価の有機基であることを特徴とする請求項2記載のサーミスタ。
- 互いに対向して配置された1対の電極と、前記1対の電極間に配置されたサーミスタ素体と、を備え、
前記サーミスタ素体が、下記一般式(3)で表わされる化合物を含むエポキシ樹脂と、アミン化合物を含む硬化剤と、導電性粒子と、を含む混合物から誘導される硬化体を含有することを特徴とするサーミスタ。
- 互いに対向して配置された1対の電極と、前記1対の電極間に配置されたサーミスタ素体と、を備え、
前記サーミスタ素体が、下記一般式(4)で表わされる化合物を含むエポキシ樹脂と、アミン化合物を含む硬化剤と、導電性粒子と、を含む混合物から誘導される硬化体を含有することを特徴とするサーミスタ。
- 前記一般式(4)において、R11又はR12の少なくとも一方が、下記一般式(5)で示される構造単位を含み、かつ当該構造単位がグリシジルエーテル基に結合していることを特徴とする請求項5記載のサーミスタ。
−(R13−O)n− …(5)
[式(5)中、R13は、炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示し、nは1〜10の整数を示す。] - 前記硬化剤が、芳香族環、脂環式環及び複素環から選ばれる少なくとも1種を有するジアミン化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載のサーミスタ。
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