JPWO2016080447A1 - 成膜装置及びガスバリアーフィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、ガスバリアー性能に優れたガスバリアーフィルムを製造することができる成膜装置を提供することである。本発明の成膜装置は、プラズマCVD法により、基材上に成膜をする成膜装置であって、磁場形成手段を備えた第1電極ローラーと、第1電極ローラーに対向して配置され、磁場形成手段を備えた第2電極ローラーと、第1及び第2電極ローラーの表面の比誘電率を調整する制御部と、を備え、第1及び第2電極ローラーが、基材と接触する表面に誘電体及び内部に循環する熱媒体を有し、第1及び第2電極ローラー間に発生させるプラズマ放電の周波数が、50〜100kHzの範囲内であり、第1及び第2電極ローラーが有する誘電体の比誘電率が、13〜20の範囲内であり、かつ、第1及び第2電極ローラーが有する熱媒体の比誘電率が、40〜70の範囲内であることを特徴とする。

Description

本発明は、成膜装置及びガスバリアーフィルムの製造方法に関する。より詳細には、ガスバリアー性能に優れたフィルムの製造に好適なプラズマCVD法による成膜装置、当該成膜装置を用いたガスバリアーフィルムの製造方法に関する。
従来、プラスチック基板やフィルム表面に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等の金属酸化物の薄膜を形成したガスバリアー性能を有するフィルム(以下、ガスバリアーフィルムともいう。)は、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装、食品や工業用品及び医薬品等の変質を防止するための包装用途等に広く用いられている。また、包装用途以外にも、液晶表示素子、太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する。)素子等で使用されている。特に、液晶表示素子や有機EL素子などでは、水蒸気や空気の内部浸透が品質の劣化を招く要因となるため、高度なガスバリアー性(ガス遮断性)が要求されている。
このような水蒸気や空気等の高いガスバリアー性への要望は、近年ますます厳しいものとなってきており、そのために様々な試みがなされている。
例えば、特許文献1には、金属電極間でプラズマを生成し、電極上のフィルムにガスバリアー層(膜)を成膜する成膜装置が記載されている。当該成膜装置を用いて製造したガスバリアー層を有するフィルムでは、フィルム上に存在する微小突起や金属ローラーの表面汚れがトリガーとなって、電界集中と絶縁破壊、さらにはアーク放電を引き起こしている。これによって、ガスバリアー層が破壊され、微小欠陥が生成されてガスバリアー層の性能を低下させる原因となっていた。
また、特許文献2には、ローラー電極に絶縁層をコーティングしたプラズマCVD(PECVD:Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)成膜装置が記載されており、当該成膜装置を用いることにより、絶縁性基材と同様に導電性基材にも成膜できることが記載されている。そこで、当該成膜装置を、ガスバリアー層を有するフィルムを成膜する場合についても使用したところ、十分なガスバリアー性能を有するフィルムを成膜することはできなかった。
特開2012−82466号公報 国際公開第2014/088302号
本発明は、前記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、ガスバリアー性能に優れたガスバリアーフィルムを製造することができる成膜装置及び当該ガスバリアーフィルムを製造するガスバリアーフィルムの製造方法を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく、前記問題の原因等について検討する過程において、電極ローラーを所定範囲内の比誘電率を有する誘電体でコーティングし、電極ローラー内を循環する熱媒体の比誘電率についても所定範囲内にすることにより、優れたガスバリアー性能を有するガスバリアーフィルムを製造することができることを見いだし、本発明に至った。
本発明に係る前記課題は、以下の手段により解決される。
1.プラズマCVD法により、基材上に成膜をする成膜装置であって、
磁場形成手段を備えた第1電極ローラーと、
前記第1電極ローラーに対向して配置され、磁場形成手段を備えた第2電極ローラーと、
前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーの表面の比誘電率を調整する制御部と、を備え、
前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーが、前記基材と接触する表面に誘電体及び内部に循環する熱媒体を有し、
前記第1電極ローラーと前記第2電極ローラーの間に発生させるプラズマ放電の周波数が、50〜100kHzの範囲内であり、
前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーが有する前記誘電体の比誘電率が、13〜20範囲内であり、かつ、
前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーが有する前記熱媒体の比誘電率が、40〜70の範囲内であることを特徴とする成膜装置。
2.前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーが有する前記誘電体の比誘電率が、15〜18の範囲内であることを特徴とする第1項に記載の成膜装置。
3.磁場形成手段を備えた第1電極ローラーと、前記第1電極ローラーに対向して配置され、磁場形成手段を備えた第2電極ローラーと、前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーの表面の比誘電率を調整する制御部と、を備えた成膜装置により、プラズマCVD法で基材上に成膜をするガスバリアーフィルムの製造方法であって、
前記成膜装置が、前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーの基材と接触する表面に誘電体及び内部に循環する熱媒体を備え、
前記第1電極ローラーと前記第2電極ローラーの間に発生させるプラズマ放電の周波数が、50〜100kHzの範囲内であり、
前記誘電体の比誘電率が、13〜20の範囲内で、かつ、
前記熱媒体の比誘電率が、40〜70の範囲内の条件下で、ガスバリアーフィルムを成膜することを特徴とするガスバリアーフィルムの製造方法。
本発明の前記手段により、ガスバリアー性能に優れたガスバリアーフィルムを製造することができる成膜装置及び当該ガスバリアーフィルムを製造するガスバリアーフィルムの製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
プラズマCVD法を用いてガスバリアーフィルムを成膜する本発明の成膜装置は、第1電極ローラーと第2電極ローラー間に発生させるプラズマ放電の周波数が、50〜100kHzの範囲内として、第1電極ローラー及び第2電極ローラーの表面に有する誘電体の比誘電率を13〜20に、第1電極ローラー及び第2電極ローラーの内部に循環する熱媒体の比誘電率を40〜70に制御することで、投入された電力を効率よくプラズマエネルギーに変換することができ、微小なガスバリアーフィルムの欠陥を低減することができ、優れたガスバリアー性能を有するガスバリアーフィルムが得られるものと推察している。
本発明の一例である成膜装置の概略図
本発明の成膜装置は、プラズマCVD法により、基材上に成膜をする成膜装置であって、磁場形成手段を備えた第1電極ローラーと、前記第1電極ローラーに対向して配置され、磁場形成手段を備えた第2電極ローラーと、前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーの表面の比誘電率を調整する制御部と、を備え、前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーが、前記基材と接触する表面に誘電体及び内部に循環する熱媒体を有し、前記第1電極ローラーと前記第2電極ローラーの間に発生させるプラズマ放電の周波数が、50〜100kHzの範囲内であり、前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーが有する前記誘電体の比誘電率が、13〜20の範囲内であり、かつ、前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーが有する前記熱媒体の比誘電率が、40〜70の範囲内であることを特徴とする。
この特徴は、各請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーが有する前記誘電体の比誘電率が、15〜18の範囲内であることが好ましい。
また、本発明のガスバリアーフィルムを製造するガスバリアーフィルムの製造方法としては、磁場形成手段を備えた第1電極ローラーと、前記第1電極ローラーに対向して配置され、磁場形成手段を備えた第2電極ローラーと、前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーの表面の比誘電率を調整する制御部と、を備えた成膜装置により、プラズマCVD法で基材上に成膜をするガスバリアーフィルムの製造方法であって、前記成膜装置が、前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーの基材と接触する表面に誘電体及び内部に循環する熱媒体を備え、前記第1電極ローラーと前記第2電極ローラーの間に発生させるプラズマ放電の周波数が、50〜100kHzの範囲内であり、前記誘電体の比誘電率が、13〜20の範囲内で、かつ、前記熱媒体の比誘電率が、40〜70の範囲内の条件下で、ガスバリアーフィルムを成膜することを特徴とする。
これにより、優れたガスバリアー性能を有するガスバリアーフィルムを得ることができる。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について詳細に説明する。なお、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
初めに、本発明の成膜装置の好ましい実施形態の一例について、図面を参照しながら、装置全体の構成を説明する。
[成膜装置の構成]
図1に示す成膜装置31(以下、プラズマCVD成膜装置ともいう。)は、送り出しローラー32と、搬送ローラー33、34、35及び36と、電極ローラー39及び40(以下、第1電極ローラー39及び第2電極ローラー40と同義である。第1電極ローラーと第2電極ローラーを合わせて説明する際は、「両電極ローラー」と記載する。)と、ガス供給管41と、制御部42と、両電極ローラー39及び40の内部に設置された磁場発生装置43及び44と、巻取りローラー45と、プラズマ発生用電源とを備えている。
また、第1電極ローラー39は、当該電極ローラーの表面に誘電体37Aを備えており、制御部42により所定範囲内の比誘電率に調整される。第2電極ローラー40についても同様に誘電体37Bを備えており、制御部により所定範囲内の比誘電率に調整される。
さらに、第1電極ローラー39及び第2電極ローラー40は、それぞれの電極ローラーの内部に熱媒体38A、38Bを備えており、制御部42により比誘電率が調整される構成となっている。各電極ローラーが有する熱媒体は、図1に示すように、当該電極ローラーの中心部に配置される場合に限るものではなく、例えば、磁場発生装置43及び44の内部にも配置されていてもよい。
また、このような装置においては、少なくとも両電極ローラー39及び40と、ガス供給管41と、制御部42と、磁場発生装置43及び44とが図示を省略した真空チャンバー内に配置されている。さらに、このようなプラズマCVD法により成膜する成膜装置31において、前記真空チャンバーは図示を省略した真空ポンプに接続されており、かかる真空ポンプにより真空チャンバー内の圧力を適宜調整することが可能となっている。
また、真空チャンバー内に防着部材を適宜設けることも好ましい。
設置個所は特に限定はないが、成膜種が相対的に多い場所(例えば、プラズマ空間近傍、ガス供給部近傍、真空排気機構近傍等)や成膜種等の付着が望まれない箇所の近傍に設置することが好ましい。
また、防着部材は取り外し可能なものが好ましく、適宜取り外して新品若しくは清掃済みの防着部材と交換することが望ましい。防着部材交換のタイミングは特に限定されない。
防着部材の材質としては、特に限定されないが、金属(例えば、ステンレス鋼、鉄、アルミニウム、チタン等)やセラミック(例えば、アルミナ)、ガラス、樹脂(例えば、ポリイミド、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド等)等を使用することができる。
また交換する新品又は清掃済みの防着部材は、チャンバー内に取り付ける前又は後に、エタノール等の揮発性の高い溶剤で拭いたり、加熱してもよい。加熱温度は特には限定されないが、成膜中に上昇する最大温度以上が好ましい。
成膜装置31においては、一対の電極ローラー(第1電極ローラー39と第2電極ローラー40)を一対の対向電極として機能させることが可能となるように、各電極ローラーがそれぞれ制御部42に接続されている。
そのため、成膜装置31においては、制御部42によりプラズマ発生用電源に電力を供給することにより、第1電極ローラー39と第2電極ローラー40との間の空間に放電することが可能であり、これにより第1電極ローラー39と第2電極ローラー40との間の空間にプラズマを発生させることができる。
また、成膜装置31においては、一対の電極ローラー(電極ローラー39及び40)は、その中心軸が同一平面上において略平行となるようにして配置する、すなわち平行に延在して対向配置されている。このようにして、一対の電極ローラー(電極ローラー39及び40)を配置することにより、成膜レートを倍にでき、なおかつ、同じ構造の膜を成膜できる。両ローラーは導電性材料で形成され、それぞれ回転しながら基材2を搬送する。また、第1電極ローラー39と第2電極ローラー40とは、相互に絶縁されているとともに、共通する制御部42に接続されている。
さらに、両電極ローラー39及び40は、内部に磁場発生装置43及び44が格納されている。磁場発生装置43及び44は、空間に磁場を形成する部材であり、両電極ローラー39及び40のそれぞれについて、一体として回転しないようにして格納されている。
磁場発生装置43及び44は、電極ローラー39及び40のそれぞれの延在方向と同方向に延在する中心磁石と、中心磁石の周囲を囲みながら電極ローラー39及び40のそれぞれの延在方向と同方向に延在して配置される円環状の外部磁石と、を有している。磁場発生装置43では、中心磁石と外部磁石とを結ぶ磁力線(磁界)が、無終端のトンネルを形成している。磁場発生装置44においても同様に、中心磁石と外部磁石とを結ぶ磁力線が、無終端のトンネルを形成している。
この磁力線と、第1電極ローラー39と第2電極ローラー40との間に形成される電界と、が交差するマグネトロン放電によって、成膜ガスの放電プラズマを生じさせる。すなわち、この空間は、プラズマCVD法による成膜を行う成膜空間として用いられ、基材2において第1電極ローラー39及び第2電極ローラー40に接しない面(成膜面)には、成膜ガスを形成材料とする膜が形成される。
このような成膜装置31によれば、プラズマCVD法により基材2の表面上にガスバリアー層3を形成することが可能であり、第1電極ローラー39上において基材2の表面上に成膜成分を堆積させつつ、さらに第2電極ローラー40上においても基材2の表面上に成膜成分を堆積させることもできる。
以上のような成膜装置31においては、以下のようにして基材2に対し成膜が行われる。まず、真空チャンバー内を減圧環境とし、両電極ローラー39及び40に電圧を印加して空間に電界を生じさせる。両電極ローラー39及び40からは真空チャンバー内に電子が放出される。
この際、磁場発生装置43及び44では上述した無終端のトンネル状の磁場を形成しているため、成膜ガスを導入することにより、該磁場と空間に放出される電子とによって、該トンネルに沿ったドーナツ状の成膜ガスの放電プラズマが形成される。この放電プラズマは、数Pa近傍の低圧力で発生可能であるため、真空チャンバー内の温度を室温近傍とすることが可能になる。
一方、磁場発生装置43及び44が形成する磁場に高密度で捉えられている電子の温度は高いので、当該電子と成膜ガスとの衝突により生じる放電プラズマが生じる。すなわち、空間に形成される磁場と電場により電子が空間に閉じ込められることにより、空間に高密度の放電プラズマが形成される。
より詳しくは、無終端のトンネル状の磁場と重なる空間においては、高密度の(高強度の)放電プラズマが形成され、無終端のトンネル状の磁場とは重ならない空間においては低密度の(低強度の)放電プラズマが形成される。これら放電プラズマの強度は、連続的に変化するものである。
本発明によれば、成膜材料の付着が低減され、これにより膜欠陥の低減された成膜が可能な電極ローラー及びそのような電極ローラーを備えた成膜装置が提供される。本発明の成膜装置でガスバリアーフィルムを製造すれば、膜欠陥の低減によりガスバリアー性能に優れたフィルムを提供できる。
以下、装置を構成する各部について説明する。
[電極ローラー]
本発明の成膜装置は、プラズマCVD法により、基材上に成膜をする成膜装置であって、磁場形成手段を備えた第1電極ローラーと、前記第1電極ローラーに対向して配置され、磁場形成手段を備えた第2電極ローラーと、前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーの表面の比誘電率を調整する制御部と、を備え、前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーが、前記基材と接触する表面に誘電体及び内部に循環する熱媒体を有し、前記第1電極ローラーと前記第2電極ローラーの間に発生させるプラズマ放電の周波数が、50〜100kHzの範囲内であり、前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーが有する前記誘電体の比誘電率が、13〜20の範囲内であり、かつ、前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーが有する前記熱媒体の比誘電率が、40〜70の範囲内であることを特徴とする。
このような、表面物性を示す第1電極ローラー及び第2電極ローラーを使用することによって、ガスバリアーフィルムに生じる欠陥を抑制し、ガスバリアー性能の優れたガスバリアーフィルムが得られる成膜装置として使用することができる。
第1電極ローラーと第2電極ローラーの間に発生させるプラズマ放電の周波数を、50〜100kHzの範囲内とした場合に、前記のような誘電体の比誘電率及び熱媒体の比誘電率が得られれば、電極ローラー39及び40はどのような素材で構成されていてもよい。
例えば、電極ローラーの表面をコーティングする誘電体としては、比誘電率を13〜20の範囲に制御しやすい点からアルミナを用いることが好ましいが、特に限定するものではない。
誘電体をコーティングする手法としては、加工精度の点から溶射が好ましく、加工温度は200℃以下であることが好ましい。また、耐久性の点から溶射面を封孔処理してもよく、封孔材としてはアルコキシシランやオルガノシロキサン、ケイ酸ナトリウム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂などから選ばれることが好ましく、アルコキシシラン、オルガノシロキサン、エポキシ樹脂がより好ましい。
同様に、電極ローラー内部を循環する熱媒体としては、比誘電率を40〜70の範囲内に制御できるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、エチレングリコールを用いることが好ましい。
前記誘電体及び熱媒体の比誘電率を制御する要因としては、当該誘電体及び熱媒体を構成する材料、熱媒体については内部を循環する溶液の濃度及び成膜装置内の温度等が挙げられる。
なお、誘電体を表面被覆する前の電極ローラーについては、一般的に電極ローラーに用いられる素材であればよく、例えばチタン製の電極を用いることができる。さらに、従来のチタン製の電極ローラー上の少なくとも一部を、ダイヤモンドライクカーボン(以下、DLCとも表記する。)でコーティングした電極ローラーとすることも好ましい。
ダイヤモンドライクカーボンとは、主に炭化水素からなるアモルファスの硬化膜の総称である。本発明においては、ラマン分光法により電極ローラー表面の結晶性を評価した場合に、ダイヤモンドやグラファイトのような結晶構造とは区別しうる、アモルファス特性を示す炭化水素を含む硬化膜であれば、ダイヤモンドライクカーボンとする。炭化水素以外に、第三の成分元素が含まれていてもよい。
本発明で好ましく用いることのできるDLCコーティングは、例えば、イオン化蒸着法により成膜することができる。すなわち、真空チャンバー内にベンゼンなどの炭化水素ガスを導入し、直流アーク放電でこのガスをプラズマ化して炭化水素イオンを発生させ、このイオンを従来の電極ローラー表面に衝突させることでDLCによるアモルファス膜を成膜することが可能である。DLCコーティングの成膜温度は、約200℃以下であることが好ましい。
例えばDLC成膜装置としてNANOCOAT−1000、NANOCOAT−4000(ナノテック株式会社製)等があり、基板回転機構を備えた装置により、均一なコーティングをすることができる。なお、イオン化蒸着法の代わりに、高周波プラズマCVD法、アークイオンプレーティング法又はスパッタリング法などの物理的気相蒸着法(PVD法)を用いることもできる。PVD法を用いるときはグラファイトをターゲットとして用いる。
本発明では、比誘電率が13〜20の範囲内になるように、第1及び第2電極ローラーに誘電体37A及び37Bをコーティングとすることで、異常プラズマ放電を抑制し、投入電力が効率よくプラズマエネルギーに使用されるため、基板の変形を引き起こすこともなく、成膜する際の微小なガスバリアー膜の欠陥を低減することができるものと考えられる。
コーティングする誘電体として、例えば、アルミナを用いる場合は、100〜3000μmの範囲内の厚さでコーティングすることが好ましい。この範囲であると、プラズマ放電の安定性がより高いため、均質な成膜ができるためである。
なお、膜厚の測定は、分光干渉法を用いた非接触の膜厚測定装置を用いることができる。薄膜サンプルに白色光を照射して表面と基板との界面からの反射スペクトルをカーブフィッティング法、又はFFT(高速フーリエ変換)により解析して膜厚を測定する。
また、両電極ローラー39及び40は、より効率よく薄膜を形成するという観点から、直径が同一のものを使うことが好ましい。
また、両電極ローラー39及び40の直径としては、放電条件、チャンバーのスペース等の観点から、直径が50〜800mmφの範囲内、特に100〜500mmφの範囲内が好ましい。
電極ローラーの直径が50mmφ以上であれば、プラズマ放電空間が小さくなることがないため生産性の劣化もなく、短時間でプラズマ放電の全熱量が基材2にかかることを回避できることから、基材2へのダメージを軽減でき好ましい。一方、電極ローラーの直径が800mmφ以下であれば、プラズマ放電空間の均一性等も含めて装置設計上、実用性を保持することができるため好ましい。
さらには、後述するように、(i)、(ii)及び(iii)の組成条件を満たすガスバリアー層とすることにより、膜の組成上、両電極ローラーに付着した成膜材料等の影響を受けやすいために、得られるガスバリアー層の欠陥を大幅に低減することができる点で好ましい。ガスバリアー層の詳細な組成については、ガスバリアーフィルムの製造方法で詳細に説明する。
[制御部]
両電極ローラーが備える誘電体37A及び37B並びに熱媒体38A及び38Bの比誘電率については、成膜装置31が備える制御部42により制御することができる。
具体的には、制御部42は、第1電極ローラーと第2電極ローラーの間に発生させるプラズマ放電の周波数を、50〜100kHzの範囲内に調整し、第1電極ローラー39及び第2電極ローラー40が有する誘電体37A及び37Bの比誘電率を、13〜20の範囲内に調整し、かつ、第1電極ローラー39及び第2電極ローラー40が有する熱媒体38A及び38Bの比誘電率を、40〜70の範囲内に調整する。
さらに、制御部42は、成膜装置31のオンオフや温度による比誘電率の調整、各構成の動作等について、後述するプラズマ発生用電源51をはじめとする、成膜装置31全体及び各構成を制御することができ、適宜公知の制御部42を用いることができる。
具体的には、制御部42は、成膜装置31の動作を統括制御するCPU(Central Processing Unit)と、CPUが読み出して実行するプログラムや固定データが記憶されたプログラムメモリーなどを備えている。プログラムメモリーは、ROMなどにより構成され、比誘電率を制御するためのプログラム(温度制御を含む)及び成膜装置の動作を制御するプログラム等を備えている。
制御部42により制御される成膜装置全体、誘電体及び熱媒体の温度は、特に限定されるものではないが、本発明発現の観点から−30℃〜60℃であることが好ましい。
CPUは、プログラムメモリーに記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って比誘電率の制御をはじめとする各種処理を実行する。これらのプログラムは適宜公知のプログラムを使用することができる。
[プラズマ発生用電源]
プラズマ発生用電源51としては、適宜公知のプラズマ発生装置の電源を用いることができる。このようなプラズマ発生用電源は、これに接続された第1電極ローラー39と第2電極ローラー40とに電力を供給して、これらを放電のための対向電極として利用することを可能とする。
このようなプラズマ発生用電源としては、より効率よくプラズマCVDを実施することが可能となることから、前記一対の電極ローラーの極性を交互に反転させることが可能なもの(交流電源など)を利用することが好ましい。
また、このようなプラズマ発生用電源としては、より効率よくプラズマCVDを実施することが可能となることから、印加電力を100W〜10kWとすることができ、かつ交流の周波数を50Hz〜500kHzの範囲内とすることが可能なものであることがより好ましい。
[磁場形成手段]
両電極ローラー39及び40の内部には、電極ローラーが回転しても回転しないようにして固定された磁場発生装置(磁場形成手段)43及び44がそれぞれ設けられている。
電極ローラー39及び40にそれぞれ設けられた磁場発生装置43及び44は、一方の第1電極ローラー39に設けられた磁場発生装置43と他方の第2電極ローラー40に設けられた磁場発生装置44との間で磁力線がまたがらず、それぞれの磁場発生装置43及び44がほぼ閉じた磁気回路を形成するように磁極を配置することが好ましい。
このような磁場発生装置43及び44を設けることにより、各電極ローラー39及び40の対向側表面付近に磁力線が膨らんだ磁場の形成を促進することができ、その膨出部にプラズマが収束され易くなるため、成膜効率を向上させることができる点で優れている。
また、両電極ローラー39及び40にそれぞれ設けられた磁場発生装置43及び44は、適宜公知の磁場発生装置を用いることができる。
磁場発生装置43及び44は、それぞれローラー軸方向に長いレーストラック状の磁極を備え、一方の磁場発生装置43と他方の磁場発生装置44とは向かい合う磁極が同一極性となるように磁極を配置することが好ましい。
このような磁場発生装置43及び44を設けることにより、それぞれの磁場発生装置43及び44について、磁力線が対向するローラー側の磁場発生装置にまたがることなく、ローラー軸の長さ方向に沿って対向空間(放電領域)に面したローラー表面付近にレーストラック状の磁場を容易に形成することができる。よって、その磁場にプラズマを収束させることができるため、ローラー幅方向に沿って巻き掛けられた幅広の基材2を用いて効率的にガスバリアー層3を形成することができる点で優れている。
[送り出しローラー及び搬送ローラー]
成膜装置に用いる送り出しローラー32並びに搬送ローラー33、34、35及び36としては適宜公知のローラーを用いることができる。また、巻取りローラー45としても、基材2上にガスバリアー層3を形成したガスバリアーフィルム1を巻き取ることが可能なものであればよく、特に制限されず、適宜公知のローラーを用いることができる。
[ガス供給管及び真空ポンプ]
また、ガス供給管41及び真空ポンプとしては、原料ガス等を所定の速度で供給又は排出することが可能なものを適宜用いることができる。
また、ガス供給手段であるガス供給管41は、第1電極ローラー39と第2電極ローラー40との間の対向空間(放電領域;成膜ゾーン)の一方に設けることが好ましく、真空排気手段である真空ポンプ(図示せず)は、前記対向空間の他方に設けることが好ましい。
このようにガス供給手段であるガス供給管41と、真空排気手段である真空ポンプを配置することにより、第1電極ローラー39と第2電極ローラー40との間の対向空間に効率よく成膜ガスを供給することができ、成膜効率を向上させることができる点で優れている。
[ガスバリアーフィルムの製造方法]
図1に好ましい実施形態として示した、本発明の成膜装置は、プラズマCVD法により成膜することのできるどのようなフィルムの製造にも用いることができる。しかしながら、本発明のプラズマCVD法による成膜装置は、特にガスバリアーフィルムの製造に好適である。
以下、ガスバリアーフィルムの製造方法について、好ましい一態様を説明する。すなわち、本発明によれば、本発明の成膜装置を用いて、基材上にガスバリアー層を成膜する工程を有するガスバリアーフィルムの製造方法も提供される。
ガスバリアーフィルム1は、基材2上に成膜装置によりガスバリアー層3が形成された構成のものが好ましい。なお、本発明において、「ガスバリアー性を示す」とは、ガスバリアーフィルムについて、JIS K 7129−2008に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(略称:WVTR、温度:38℃、相対湿度(RH):90%)が全体として、0.1g/m・24h以下であり、好ましくは酸素透過度が、0.01ml/m・24h・atm以下を示すことをいう。
水蒸気透過度は、特開2004−333127号公報等に記載された方法によっても測定することができる。また、酸素透過度についても同じく、JIS K 7126−2006等に記載された方法で測定することができる。
(基材)
基材2としては、樹脂又は樹脂を含む複合材料からなるフィルム又はシートが好適に用いられる。このような樹脂フィルム又はシートは、透光性を有していても良く、また、不透明であっても良い。
基材2を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)若しくはポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)若しくは環状ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアクリロニトリル樹脂、アセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルサルファイド(PES)等の樹脂が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を組み合わせて用いることもできる。
透明性、耐熱性、線膨張性等の必要な特性に合わせて、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂から選ばれることが好ましく、PET、PEN及び環状ポリオレフィンがより好ましい。
また、樹脂を含む複合材料としては、ポリジメチルシロキサン、ポリシルセスキオキサンなどのシリコーン樹脂、ガラスコンポジット基板、ガラスエポキシ基板などが挙げられる。これらの樹脂の中でも、耐熱性及び線膨張率が高いという観点から、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ガラスコンポジット基板、ガラスエポキシ基板が好ましい。また、これらの樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
基材2の厚さは、基材2を製造する際の安定性等を考慮して適宜設定されるが、真空中においても基材2の搬送が容易であることから、5〜250μmの範囲内であることが好ましい。
さらに、本実施形態で採用するガスバリアー膜の形成では、基材2を通して放電を行うことから、基材2の厚さは50〜200μmの範囲内であることがより好ましく、50〜150μmの範囲内であることが特に好ましい。
なお、基材2は、形成するガスバリアー膜との密着性の観点から、その表面を清浄するための表面活性処理を施してもよい。このような表面活性処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理又はフレーム処理が挙げられる。
(ガスバリアー層)
ガスバリアー層は、ガスバリアーフィルムのガスバリアー性能を発揮する層であり、以下の関係を満たすことが好ましい。
(i)ガスバリアー層の層厚方向における前記ガスバリアー層表面からの距離(L)と、ケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対するケイ素原子の量の比率(ケイ素の原子比率)との関係を示すケイ素分布曲線、前記Lとケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対する酸素原子の量の比率(酸素の原子比率)との関係を示す酸素分布曲線、並びに前記Lとケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対する炭素原子の量の比率(炭素の原子比率)との関係を示す炭素分布曲線において、前記ガスバリアー層の層厚の90%以上(上限:100%)の領域で、(酸素の原子比率)、(ケイ素の原子比率)、(炭素の原子比率)の順で多い(原子比率がO>Si>C)。
(ii)前記炭素分布曲線が少なくとも二つの極値を有する。
(iii)前記炭素分布曲線における炭素の原子比率の最大値及び最小値の差の絶対値(以
下、単に「Cmax−Cmin差」とも称する。)が3at%以上である。
まず、ガスバリアー層は、(i)前記ガスバリアー層の層厚方向における前記ガスバリアー層表面からの距離(L)と、ケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対するケイ素原子の量の比率(ケイ素の原子比率)との関係を示すケイ素分布曲線、前記Lとケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対する酸素原子の量の比率(酸素の原子比率)との関係を示す酸素分布曲線並びに前記Lとケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対する炭素原子の量の比率(炭素の原子比率)との関係を示す炭素分布曲線において、前記ガスバリアー層の層厚の90%以上(上限:100%)の領域で、(酸素の原子比率)、(ケイ素の原子比率)、(炭素の原子比率)の順で多い(原子比率がO>Si>C)。
前記の条件(i)を満たす場合、得られるガスバリアーフィルムのガスバリアー性や屈曲性がより優れる。
ここで、前記炭素分布曲線において、(酸素の原子比率)、(ケイ素の原子比率)及び(炭素の原子比率)の関係は、ガスバリアー層の層厚の、少なくとも90%以上(上限:100%)の領域で満たされることがより好ましく、少なくとも93%以上(上限:100%)の領域で満たされることがより好ましい。
ガスバリアー層の層厚の少なくとも90%以上とは、ガスバリアー層中で連続していなくてもよく、単に90%以上の部分で前記した関係を満たしていればよい。
また、ガスバリアー層は、(ii)前記炭素分布曲線が少なくとも二つの極値を有する。
該ガスバリアー層は、前記炭素分布曲線が少なくとも三つの極値を有することが好ましく、少なくとも四つの極値を有することがより好ましいが、五つ以上有してもよい。前記炭素分布曲線の極値が少なくとも二つである場合、得られるガスバリアーフィルムを屈曲させた場合におけるガスバリアー性がより優れる。
なお、炭素分布曲線の極値の上限は、特に制限されないが、例えば、好ましくは30以下、より好ましくは25以下である。極値の数は、ガスバリアー層の層厚にも起因するため、一概に規定することはできない。
ここで、少なくとも三つの極値を有する場合においては、前記炭素分布曲線の有する一つの極値及び該極値に隣接する極値における前記ガスバリアー層の層厚方向における前記ガスバリアー層の表面からの距離(L)の差の絶対値(以下、単に「極値間の距離」ともいう。)が、いずれも200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、75nm以下であることが特に好ましい。
このような極値間の距離であれば、ガスバリアー層中に炭素原子比率が多い部位(極大値)が適度な周期で存在するため、ガスバリアー層に適度な屈曲性を付与し、ガスバリアーフィルムの屈曲時のクラックの発生をより有効に抑制・防止できる。
なお、本明細書において「極値」とは、前記ガスバリアー層の層厚方向における前記ガスバリアー層の表面からの距離(L)に対する元素の原子比率の極大値又は極小値のことをいう。
また、本明細書において「極大値」とは、ガスバリアー層の表面からの距離を変化させた場合に元素(酸素、ケイ素又は炭素)の原子比率の値が増加から減少に変わる点であって、かつその点の元素の原子比率の値よりも、該点からガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層の表面からの距離をさらに4〜20nmの範囲で変化させた位置の元素の原子比率の値が3at%以上減少する点のことをいう。すなわち、4〜20nmの範囲で変化させた際に、いずれかの範囲で元素の原子比率の値が3at%以上減少していればよい。
同様にして、本明細書において「極小値」とは、ガスバリアー層の表面からの距離を変化させた場合に元素(酸素、ケイ素又は炭素)の原子比率の値が減少から増加に変わる点であり、かつその点の元素の原子比率の値よりも、該点からガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層の表面からの距離をさらに4〜20nm変化させた位置の元素の原子比率の値が3at%以上増加する点のことをいう。
すなわち、4〜20nmの範囲内で変化させた際に、いずれかの範囲で元素の原子比率の値が3at%以上増加していればよい。ここで、少なくとも三つの極値を有する場合の、極値間の距離の下限は、極値間の距離が小さいほどガスバリアーフィルムの屈曲時のクラック発生抑制/防止の向上効果が高いため、特に制限されないが、ガスバリアー層の屈曲性、クラックの抑制/防止効果、熱膨張性などを考慮すると、10nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましい。
さらに、ガスバリアー層は、(iii)前記炭素分布曲線における炭素の原子比率の最大値及び最小値の差の絶対値が3at%以上であることが好ましい。
前記絶対値が3at%以上であれば、得られるガスバリアーフィルムを屈曲させた場合に、ガスバリアー性がより優れる。Cmax−Cmin差は5at%以上であることが好ましく、7at%以上であることがより好ましく、10at%以上であることが特に好ましい。
前記Cmax−Cmin差とすることによって、ガスバリアー性をより向上することができる。なお、本明細書において、「最大値」とは、各元素の分布曲線において最大となる各元素の原子比率であり、極大値の中で最も高い値である。同様にして、本明細書において、「最小値」とは、各元素の分布曲線において最小となる各元素の原子比率であり、極小値の中で最も低い値である。ここで、Cmax−Cmin差の上限は、特に制限されないが、ガスバリアーフィルムの屈曲時のクラック発生抑制/防止の向上効果などを考慮すると、50at%以下であることが好ましく、40at%以下であることがより好ましい。
本発明において、前記ガスバリアー層の前記酸素分布曲線が少なくとも一つの極値を有することが好ましく、少なくとも二つの極値を有することがより好ましく、少なくとも三つの極値を有することがさらに好ましい。前記酸素分布曲線が極値を少なくとも一つ有する場合、得られるガスバリアーフィルムを屈曲させた場合におけるガスバリアー性がより向上する。
なお、酸素分布曲線の極値の上限は、特に制限されないが、例えば、好ましくは20以下、より好ましくは10以下である。酸素分布曲線の極値の数においても、ガスバリアー層の層厚に起因する部分があり一概に規定できない。
また、少なくとも三つの極値を有する場合においては、前記酸素分布曲線の有する一つの極値及び該極値に隣接する極値における前記ガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層の表面からの距離の差の絶対値がいずれも200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。
このような極値間の距離の差であれば、ガスバリアーフィルムの屈曲時のクラックの発生をより有効に抑制・防止できる。ここで、少なくとも三つの極値を有する場合の、極値間の距離の下限は、特に制限されないが、ガスバリアーフィルムの屈曲時のクラック発生抑制/防止の向上効果、熱膨張性などを考慮すると、10nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましい。
加えて、本発明において、前記ガスバリアー層の前記酸素分布曲線における酸素の原子比率の最大値及び最小値の差の絶対値(以下、単に「Omax−Omin差」ともいう。)が3at%以上であることが好ましく、6at%以上であることがより好ましく、7at%以上であることがさらに好ましい。前記絶対値が3at%以上であれば、得られるガスバリアーフィルムのフィルムを屈曲させた場合におけるガスバリアー性がより向上する。ここで、Omax−Omin差の上限は、特に制限されないが、ガスバリアーフィルムの屈曲時のクラック発生抑制/防止の向上効果などを考慮すると、50at%以下であることが好ましく、40at%以下であることがより好ましい。
本発明において、前記ガスバリアー層の前記ケイ素分布曲線におけるケイ素の原子比率の最大値及び最小値の差の絶対値(以下、単に「Simax−Simin差」ともいう。)が10at%以下であることが好ましく、7at%以下であることがより好ましく、3at%以下であることがさらに好ましい。前記絶対値が10at%以下である場合、得られるガスバリアーフィルムのガスバリアー性がより向上する。
ここで、Simax−Simin差の下限は、Simax−Simin差が小さいほどガスバリアーフィルムの屈曲時のクラック発生抑制/防止の向上効果が高いため、特に制限されないが、ガスバリアー性などを考慮すると、1at%以上であることが好ましく、2at%以上であることがより好ましい。
また、本発明において、ガスバリアー層の層厚方向に対する炭素及び酸素原子の合計量はほぼ一定であることが好ましい。これにより、ガスバリアー層は適度な屈曲性を発揮し、ガスバリアーフィルムの屈曲時のクラック発生をより有効に抑制・防止されうる。
より具体的には、ガスバリアー層の層厚方向における該ガスバリアー層の表面からの距離(L)とケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対する、酸素原子及び炭素原子の合計量の比率(酸素及び炭素の原子比率)との関係を示す酸素炭素分布曲線において、前記酸素炭素分布曲線における酸素及び炭素の原子比率の合計の最大値及び最小値の差の絶対値(以下、単に「OCmax−OCmin差」ともいう。)が5at%未満であることが好ましく、4at%未満であることがより好ましく、3at%未満であることがさらに好ましい。前記絶対値が5at%未満であれば、得られるガスバリアーフィルムのガスバリアー性がより向上する。なお、OCmax−OCmin差の下限は、OCmax−OCmin差が小さいほど好ましいため、0at%であるが、0.1at%以上であれば十分である。
前記ケイ素分布曲線、前記酸素分布曲線、前記炭素分布曲線及び前記酸素炭素分布曲線は、X線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)の測定とアルゴン等の希ガスイオンスパッタとを併用することにより、試料内部を露出させつつ順次表面組成分析を行う、いわゆるXPSデプスプロファイル測定により作成することができる。
このようなXPSデプスプロファイル測定により得られる分布曲線は、例えば、縦軸を各元素の原子比率(単位:at%)とし、横軸をエッチング時間(スパッタ時間)として作成することができる。
なお、このように横軸をエッチング時間とする元素の分布曲線においては、エッチング時間は膜厚方向における前記ガスバリアー層の層厚方向における前記ガスバリアー層の表面からの距離(L)におおむね相関することから、「ガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層の表面からの距離」として、XPSデプスプロファイル測定の際に採用したエッチング速度とエッチング時間との関係から算出されるガスバリアー層の表面からの距離を採用することができる。
また、ケイ素分布曲線、酸素分布曲線、炭素分布曲線及び酸素炭素分布曲線は、下記測定条件にて作成することができる。
(測定条件)
エッチングイオン種:アルゴン(Ar
エッチング速度(SiO熱酸化膜換算値):0.05nm/sec
エッチング間隔(SiO換算値):10nm
X線光電子分光装置:Thermo Fisher Scientific社製、機種名“VG Theta Probe”
照射X線:単結晶分光AlKα
X線のスポット及びそのサイズ:800μm×400μmの楕円形
ガスバリアー層の厚さ(乾燥層厚)は、前記(i)〜(iii)を満たす限り、特に制限されない。ガスバリアー層の厚さは、20〜3000nmであることが好ましく、50〜2500nmであることがより好ましく、100〜1000nmであることが特に好ましい。このような厚さであれば、ガスバリアーフィルムは、優れたガスバリアー性及び屈曲時のクラック発生抑制/防止効果を発揮できる。
なお、ガスバリアー層が2層以上から構成される場合には、各ガスバリアー層が前記したような厚さを有することが好ましい。また、ガスバリアー層が2層以上から構成される場合のガスバリアー層全体の厚さは特に制限されないが、ガスバリアー層全体の厚さ(乾燥層厚)が1000〜2000nm程度であることが好ましい。このような厚さであれば、ガスバリアーフィルムは、優れたガスバリアー性及び屈曲時のクラック発生抑制/防止効果を発揮できる。
本発明において、膜面全体において均一でかつ優れたガスバリアー性を有するガスバリアー層を形成するという観点から、前記ガスバリアー層が膜面方向(ガスバリアー層の表面に平行な方向)において実質的に一様であることが好ましい。
ここで、ガスバリアー層が膜面方向において実質的に一様とは、XPSデプスプロファイル測定によりガスバリアー層の膜面の任意の2か所の測定箇所について前記酸素分布曲線、前記炭素分布曲線及び前記酸素炭素分布曲線を作成した場合に、その任意の2か所の測定箇所において得られる炭素分布曲線が持つ極値の数が同じであり、それぞれの炭素分布曲線における炭素の原子比率の最大値及び最小値の差の絶対値が、互いに同じであるか又は5at%以内の差であることをいう。
さらに、本発明においては、前記炭素分布曲線は実質的に連続であることが好ましい。ここで、炭素分布曲線が実質的に連続とは、炭素分布曲線における炭素の原子比率が不連続に変化する部分を含まないことを意味し、具体的には、エッチング速度とエッチング時間とから算出される前記ガスバリアー層のうちの少なくとも1層の層厚方向における該ガスバリアー層の表面からの距離(x、単位:nm)と、炭素の原子比率(C、単位:at%)との関係において、下記数式1で表される条件を満たすことをいう。
数式1:
(dC/dx)≦0.5
本発明に係るガスバリアーフィルムにおいて、前記条件(i)〜(iii)を全て満たすガスバリアー層は、1層のみを備えていてもよいし2層以上を備えていてもよい。さらに、このようなガスバリアー層を2層以上備える場合には、複数のガスバリアー層の材質は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
前記ケイ素分布曲線、前記酸素分布曲線及び前記炭素分布曲線において、ケイ素の原子比率、酸素の原子比率及び炭素の原子比率が、該ガスバリアー層の層厚の90%以上の領域において前記(i)で表される条件を満たす場合には、前記ガスバリアー層中におけるケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対するケイ素原子の含有量の原子比率は、20〜45at%であることが好ましく、25〜40at%であることがより好ましい。
また、前記ガスバリアー層中におけるケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対する酸素原子の含有量の原子比率は、45〜75at%であることが好ましく、50〜70at%であることがより好ましい。
さらに、前記ガスバリアー層中におけるケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対する炭素原子の含有量の原子比率は、0〜25at%であることが好ましく、1〜20at%であることがより好ましい。
(ガスバリアー層の製造方法)
前記したガスバリアー層は、図1に示す成膜装置31を用いて、例えば、原料ガスの種類、プラズマ発生装置の電極ドラムの電力、真空チャンバー内の圧力、電極ローラーの直径、並びにフィルム(基材)の搬送速度を適宜調整することにより、本発明に係るガスバリアー層を製造することができる。
すなわち、図1に示す成膜装置31を用いて、成膜ガス(原料ガス等)を真空チャンバー内に供給しつつ、一対の電極ローラー(両電極ローラー39及び40)間に放電を発生させることにより、前記成膜ガス(原料ガス等)がプラズマによって分解され、第1電極ローラー39上の基材2の表面上及び第2電極ローラー40上の基材2の表面上に、ガスバリアー層3がプラズマCVD法により形成される。この際、両電極ローラー39及び40のローラー軸の長さ方向に沿って対向空間(放電領域)に面したローラー表面付近にレーストラック状の磁場が形成して、磁場にプラズマを収束させる。
このため、基材2が、図1中の第1電極ローラー39のA地点及び第2電極ローラー40のB地点を通過する際に、ガスバリアー層で炭素分布曲線の極大値が形成される。これに対して、基材2が、図1中の第1電極ローラー39のC1及びC2地点並びに第2電極ローラー40のC3及びC4地点を通過する際に、ガスバリアー層で炭素分布曲線の極小値が形成される。
このため、二つの電極ローラーに対して、通常、五つの極値が生成する。また、ガスバリアー層の極値間の距離(炭素分布曲線の有する一つの極値及び該極値に隣接する極値におけるガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層の表面からの距離(L)の差の絶対値)は、両電極ローラー39及び40の回転速度(基材の搬送速度)によって調節できる。
なお、このような成膜に際しては、基材2が送り出しローラー32や第1電極ローラー39等により、それぞれ搬送されることにより、ロールtoロール方式の連続的な成膜プロセスにより基材2の表面上にガスバリアー層が形成される。
また、プラズマCVD法においてプラズマを発生させる際には、複数の電極ローラーの間の空間にプラズマ放電を発生させることが好ましく、一対の電極ローラーを用い、その一対の電極ローラーのそれぞれに前記基材を配置して、一対の電極ローラー間に放電してプラズマを発生させることがより好ましい。
このようにして、一対の電極ローラーを用い、その一対の電極ローラー上に基材を配置して、かかる一対の電極ローラー間に放電することにより、成膜時に一方の電極ローラー上に存在する基材の表面部分を成膜しつつ、もう一方の電極ローラー上に存在する基材の表面部分も同時に成膜することが可能となって効率よく薄膜を製造できる。
さらに、通常のローラーを使用しないプラズマCVD法と比較して成膜レートを倍にでき、ほぼ同じ構造の膜を成膜できるので前記炭素分布曲線における極値を少なくとも倍増させることが可能となり、効率よく前記条件(i)〜(iii)を全て満たす層を形成する
ことが可能となる。
また、このようにして一対の電極ローラー間に放電する際には、前記一対の電極ローラーの極性を交互に反転させることが好ましい。
さらに、このようなプラズマCVD法に用いる成膜ガスとしては、有機ケイ素化合物と酸素とを含むものが好ましく、その成膜ガス中の酸素の含有量は、前記成膜ガス中の前記有機ケイ素化合物の全量を完全酸化するのに必要な理論酸素量未満であることが好ましい。
また、本発明のガスバリアーフィルムにおいては、前記ガスバリアー層が連続的な成膜プロセスにより形成された層であることが好ましい。
また、本発明に係るガスバリアーフィルムは、生産性の観点から、ロールtoロール方式で前記基材の表面上に前記ガスバリアー層を形成させることが好ましい。
また、このようなプラズマCVD法によりガスバリアー層を製造する際に用いることが可能な装置としては、特に制限されないが、少なくとも一対の電極ローラーと、制御部とを備え、かつ前記一対の電極ローラー間において放電することが可能な構成となっている装置であることを特徴として、例えば、図1に示すプラズマCVD法による成膜装置を用いた場合には、プラズマCVD法を利用しながらロールtoロール方式で製造することも可能となる。
(成膜ガス)
前記ガス供給管41から対向空間に供給される成膜ガス(原料ガス等)としては、原料ガス、反応ガス、キャリアガス及び放電ガスを単独又は2種以上を混合して用いることができる。
ガスバリアー層の形成に用いる前記成膜ガス中の原料ガスとしては、形成するガスバリアー層の材質に応じて適宜選択して使用することができる。このような原料ガスとしては、例えば、ケイ素を含有する有機ケイ素化合物や炭素を含有する有機化合物ガスを用いることができる。
このような有機ケイ素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、ヘキサメチルジシラン(HMDS)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンが挙げられる。
これらの有機ケイ素化合物の中でも、化合物の取扱い性及び得られるガスバリアー層のガスバリアー性等の特性の観点から、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。
これらの有機ケイ素化合物は、単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。また、炭素を含有する有機化合物ガスとしては、例えば、メタン、エタン、エチレン及びアセチレンを例示することができる。
これら有機ケイ素化合物ガスや有機化合物ガスは、ガスバリアー層の種類に応じて適切な原料ガスが選択される。さらに、原料ガスとして、上述の有機ケイ素化合物の他にモノシランを含有させ、形成するガスバリアー膜のケイ素源として使用することとしてもよい。
また、前記成膜ガスとしては、前記原料ガスの他に反応ガスを用いてもよい。このような反応ガスとしては、前記原料ガスと反応して酸化物、窒化物等の無機化合物となるガスを適宜選択して使用することができる。
酸化物を形成するための反応ガスとしては、例えば、酸素、オゾンを用いることができる。また、窒化物を形成するための反応ガスとしては、例えば、窒素、アンモニアを用いることができる。これらの反応ガスは、単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。例えば、酸窒化物を形成する場合には、酸化物を形成するための反応ガスと窒化物を形成するための反応ガスとを組み合わせて使用することができる。
前記成膜ガスとしては、前記原料ガスを真空チャンバー内に供給するために、必要に応じて、キャリアガスを用いてもよい。さらに、前記成膜ガスとしては、プラズマ放電を発生させるために、必要に応じて、放電用ガスを用いてもよい。このようなキャリアガス及び放電用ガスとしては、適宜公知のものを使用することができ、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の希ガス又は水素を用いることができる。
このような成膜ガスが原料ガスと反応ガスを含有する場合には、原料ガスと反応ガスの比率としては、原料ガスと反応ガスとを完全に反応させるために理論上必要となる反応ガスの量の比率よりも、反応ガスの比率を過剰にし過ぎないことが好ましい。
反応ガスの比率を過剰にし過ぎないことで、形成されるガスバリアー層によって、優れたガスバリアー性や耐屈曲性を得ることができる点で優れている。また、前記成膜ガスが前記有機ケイ素化合物と酸素とを含有するものである場合には、前記成膜ガス中の前記有機ケイ素化合物の全量を完全酸化するのに必要な理論酸素量以下であることが好ましい。
以下、前記成膜ガスとして、原料ガスとしてのヘキサメチルジシロキサン(有機ケイ素化合物、HMDSO、(CHSiO)と、反応ガスとしての酸素(O)を含有するものとを用い、ケイ素−酸素系の薄膜を製造する場合を例に挙げて、成膜ガス中の原料ガスと反応ガスとの好適な比率等について、より詳細に説明する。
原料ガスとしてのヘキサメチルジシロキサン(HMDSO、(CHSiO)と、反応ガスとしての酸素(O)と、を含有する成膜ガスをプラズマCVD法により反応させてケイ素−酸素系の薄膜を作製する場合、その成膜ガスにより下記反応式1で表されるような反応が起こり、二酸化ケイ素が生成する。
反応式1:
(CHSiO+12O→6CO+9HO+SiO
このような反応においては、ヘキサメチルジシロキサン1モルを完全酸化するのに必要な酸素量は12モルである。そのため、成膜ガス中に、ヘキサメチルジシロキサン1モルに対して酸素を12モル以上含有させて完全に反応させた場合には、均一な二酸化ケイ素膜が形成されてしまう(炭素分布曲線が存在しない)ため、前記条件(i)〜(iii)を全て満たすガスバリアー層を形成することができなくなってしまう。そのため、本発明において、ガスバリアー層を形成する際には、前記反応式1の反応が完全に進行してしまわないように、ヘキサメチルジシロキサン1モルに対して酸素量を化学量論比の12モルより少なくすることが好ましい。
なお、実際のプラズマCVDチャンバー内の反応では、原料のヘキサメチルジシロキサンと反応ガスの酸素とは、ガス供給部から成膜領域へ供給されて成膜されるので、反応ガスの酸素のモル量(流量)が原料のヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)の12倍のモル量(流量)であったとしても、現実には完全に反応を進行させることはできず、酸素の含有量を化学量論比に比して大過剰に供給して初めて反応が完結すると考えられる。
例えば、CVDにより完全酸化させて酸化ケイ素を得るために、酸素のモル量(流量)を原料のヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)の20倍以上程度とする場合もある。
そのため、原料のヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)に対する酸素のモル量(流量)は、化学量論比である12倍量以下(より好ましくは、10倍以下)の量であることが好ましい。このような比でヘキサメチルジシロキサン及び酸素を含有させることにより、完全に酸化されなかったヘキサメチルジシロキサン中の炭素原子や水素原子がガスバリアー層中に取り込まれ、前記条件(i)〜(iii)を全て満たすガスバリアー層を形成することが可能となって、得られるガスバリアーフィルムにおいて優れたガスバリアー性及び耐屈曲性を発揮させることが可能となる。
なお、有機EL素子や太陽電池などのような透明性を必要とするデバイス用のフレキシブル基板への利用の観点から、成膜ガス中のヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)に対する酸素のモル量(流量)の下限は、ヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)の0.1倍より多い量とすることが好ましく、0.5倍より多い量とすることがより好ましい。
真空チャンバー内の圧力(真空度)は、原料ガスの種類等に応じて適宜調整することができるが、空間の圧力が0.1〜50Paであることが好ましい。気相反応を抑制する目的により、プラズマCVDを低圧プラズマCVD法とする場合、通常0.1〜10Paである。また、プラズマ発生装置の電極ドラムの電力は、原料ガスの種類や真空チャンバー内の圧力等に応じて適宜調整することができるが、0.1〜10kWであることが好ましい。
基材2の搬送速度(ライン速度)は、原料ガスの種類や真空チャンバー内の圧力等に応じて適宜調整することができるが、0.1〜100m/minであることが好ましく、0.5〜20m/minであることがより好ましい。ライン速度が下限未満では、基材100に熱に起因する皺が発生しやすくなる傾向にあり、他方、ライン速度が上限を超えると、形成されるガスバリアー膜の厚さが薄くなる傾向にある。搬送する際には、搬送ローラーから送り出され、第1電極ローラー39上で成膜された基材2は、成膜面をターンバーに巻き掛けながら第2電極ローラー40に搬送される。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例には限定されない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。なお、実施例で作製したガスバリアーフィルム101〜117については、フィルム101〜117として表1に示した。第1電極ローラー及び第2電極ローラーが備える誘電体の比誘電率を「比誘電率1」とし、第1電極ローラー及び第2電極ローラーの内部に循環する熱媒体の比誘電率を「比誘電率2」として示した。
[フィルム101の作製]
(樹脂基材の準備)
二軸延伸のポリエチレンナフタレートフィルム(PENフィルム、厚さ:100μm、幅:350mm、帝人デュポンフィルム(株)製、商品名「テオネックスQ65FA」)を、樹脂基材として用いた。
(アンカー層の形成)
前記樹脂基材の易接着面に、JSR株式会社製 UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材 OPSTAR Z7501を乾燥後の層厚が4μmになるようにワイヤーバーで塗布した後、乾燥条件として、80℃で3分間の乾燥を行った後、空気雰囲気下、高圧水銀ランプ使用、硬化条件;1.0J/cmで硬化を行い、アンカー層を形成した。
(ガスバリアー層の形成)
第1及び第2電極ローラー上にアルミナを200μmコーティングし、その後封孔材としてエポキシ樹脂溶液を塗工し、200℃で乾燥、表面研磨して仕上げ、20℃における比誘電率1が15、比誘電率2が55になるように濃度を調整したエチレングリコール水溶液を成膜ローラー内部に循環させた、プラズマCVD成膜装置を用いてガスバリアー膜を成膜した。樹脂基材のアンカー層を形成した面とは反対側の面が電極ローラーと接触するようにして、樹脂基材を装置に装着し、下記の成膜条件(プラズマCVD条件)により、アンカー層上にガスバリアー膜を、厚さが300nmとなる条件で成膜した。
〈プラズマCVD条件〉
原料ガス(ヘキサメチルジシロキサン、HMDSO)の供給量:50sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute)
酸素ガス(O)の供給量:500sccm
真空チャンバー内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電力:0.8kW
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
樹脂基材の搬送速度:2m/min
[フィルム102の作製]
第1及び第2電極ローラー上にコーティングするアルミナへの封孔材塗布、乾燥を逐次で2度繰り返し、20℃における比誘電率1が18となるように調整した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム102を作製した。
[フィルム103の作製]
第1及び第2電極ローラー上にコーティングするアルミナ純度と、アルミナへの封孔材塗布、乾燥を逐次で2度繰り返し、20℃における比誘電率1が20になるように調整した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム103を作製した。
[フィルム104の作製]
第1及び第2電極ローラー上にコーティングするアルミナ純度を変更し、20℃における比誘電率1が13になるように調整した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム104を作製した。
[フィルム105の作製]
第1及び第2電極ローラー内のエチレングリコール水溶液の濃度を変更し、20℃における比誘電率2が40になるよう調整した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム105を作製した。
[フィルム106の作製]
第1及び第2電極ローラー内のエチレングリコール水溶液の濃度を変更し、20℃における比誘電率2が70になるよう調整した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム106を作製した。
[フィルム107の作製]
第1及び第2電極ローラー上にコーティングするアルミナ純度を変更し、20℃における比誘電率1が12になるように調整した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム107を作製した。
[フィルム108の作製]
第1及び第2電極ローラー上にコーティングするアルミナ純度を変更し、アルミナへの封孔材塗布、乾燥を逐次で2度繰り返し、20℃における比誘電率1が21になるように調整した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム108を作製した。
[フィルム109の作製]
第1及び第2電極ローラー上にコーティングするアルミナ純度を変更し、20℃における比誘電率1が12になるように調整し、第1及び第2電極ローラー内のプロピレングリコール水溶液の濃度調整により、20℃における比誘電率2が35になるよう変更した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム109を作製した。
[フィルム110の作製]
第1及び第2電極ローラー内のプロピレングリコール水溶液の濃度調整により、20℃における比誘電率2が35になるよう調整した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム110を作製した。
[フィルム111の作製]
第1及び第2電極ローラー上にコーティングするアルミナ純度を変更し、アルミナへの封孔材塗布、乾燥を逐次で2度繰り返し、20℃における比誘電率1が21になるように調整し、第1及び第2電極ローラー内のプロピレングリコール水溶液の濃度調整により、20℃における比誘電率2が35になるよう調整した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム111を作製した。
[フィルム112の作製]
第1及び第2電極ローラー上にコーティングするアルミナ純度を変更し、20℃における比誘電率1が12になるように調整し、第1及び第2電極ローラー内に水を循環させ20℃における比誘電率2が80になるよう調整した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム112を作製した。
[フィルム113の作製]
第1及び第2電極ローラー内の水を循環させ20℃における比誘電率2が80になるよう調整した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム113を作製した。
[フィルム114の作製]
第1及び第2電極ローラー上にコーティングするアルミナ純度を変更し、アルミナへの封孔材塗布、乾燥を逐次で2度繰り返し、20℃における比誘電率1が21になるように調整し、第1及び第2電極ローラー内に水を循環させ20℃における比誘電率2が80になるよう調整した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム114を作製した。
[フィルム115の作製]
第1及び第2電極ローラー上にコーティングは実施せず、第1及び第2電極ローラー内に水を循環させ20℃における比誘電率2が80になるよう調整した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム115を作製した。
[フィルム116の作製]
第1及び第2電極ローラー上にコーティングは実施せず、第1及び第2電極ローラー内に水を循環させ20℃における比誘電率2が55になるよう調整した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム116を作製した。
[フィルム117の作製]
第1及び第2電極ローラー上にコーティングは実施せず、第1及び第2電極ローラー内に水を循環させ20℃における比誘電率2が35になるよう調整した以外はフィルム101と同様にして、ガスバリアーフィルム117を作製した。
〈水蒸気透過度測定〉
得られたガスバリアーフィルムについて、MOCON社製水蒸気透過率測定装置AQUATRANを用いて、38℃、相対湿度90%の条件下における水蒸気透過度(WVTR)[g/m・24h]を測定した。結果を表1に示す。「<2×10−4」と示したものについては、水蒸気透過度が2×10−4g/m・24h未満であることを表している。
Figure 2016080447
表1に示されるように、電極ローラーの表面の比誘電率1及び内部の熱媒体の比誘電率2が本発明の規定範囲を満たしているフィルム101〜106は、優れたガスバリアー性を示すことがわかった。
これに対して、電極ローラーの表面の比誘電率1及び内部の熱媒体の比誘電率2の少なくとも一方が本発明の規定範囲外又は誘電体の被覆がされていないフィルム107〜117は、ガスバリアー性が劣っていることがわかった。
以上より、電極ローラーの表面の比誘電率1及び内部の熱媒体の比誘電率2が本発明の規定範囲を満たすことにより、ガスバリアーフィルムの膜面欠陥が発生し、優れたガスバリアー性を有するガスバリアーフィルムが得られることがわかった。
本発明の成膜装置は、ガスバリアーフィルムの製造分野で使用することができ、さらには、水蒸気や酸素等の遮断を必要とする、食品、工業用品、医薬品等の包装用途や、液晶表示素子、光電変換素子、有機EL素子等の有機電子デバイス等に好適に利用することができる。
1 ガスバリアーフィルム
2 基材
3 ガスバリアー層
31 成膜装置
32 送り出しローラー
33、34、35、36 搬送ローラー
37A、37B 誘電体
38A、38B 熱媒体
39 第1電極ローラー
40 第2電極ローラー
41 ガス供給管
42 制御部
43、44 磁場発生装置
45 巻取りローラー
51 プラズマ発生用電源

Claims (3)

  1. プラズマCVD法により、基材上に成膜をする成膜装置であって、
    磁場形成手段を備えた第1電極ローラーと、
    前記第1電極ローラーに対向して配置され、磁場形成手段を備えた第2電極ローラーと、
    前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーの表面の比誘電率を調整する制御部と、を備え、
    前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーが、前記基材と接触する表面に誘電体及び内部に循環する熱媒体を有し、
    前記第1電極ローラーと前記第2電極ローラーの間に発生させるプラズマ放電の周波数が、50〜100kHzの範囲内であり、
    前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーが有する前記誘電体の比誘電率が、13〜20の範囲内であり、かつ、
    前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーが有する前記熱媒体の比誘電率が、40〜70の範囲内であることを特徴とする成膜装置。
  2. 前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーが有する前記誘電体の比誘電率が、15〜18の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 磁場形成手段を備えた第1電極ローラーと、前記第1電極ローラーに対向して配置され、磁場形成手段を備えた第2電極ローラーと、前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーの表面の比誘電率を調整する制御部と、を備えた成膜装置により、プラズマCVD法で基材上に成膜をするガスバリアーフィルムの製造方法であって、
    前記成膜装置が、前記第1電極ローラー及び前記第2電極ローラーの基材と接触する表面に誘電体及び内部に循環する熱媒体を備え、
    前記第1電極ローラーと前記第2電極ローラーの間に発生させるプラズマ放電の周波数が、50〜100kHzの範囲内であり、
    前記誘電体の比誘電率が、13〜20の範囲内で、かつ、
    前記熱媒体の比誘電率が、40〜70の範囲内の条件下で、ガスバリアーフィルムを成膜することを特徴とするガスバリアーフィルムの製造方法。
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