JPWO2016068042A1 - 保護膜形成フィルムおよび保護膜形成用複合シート - Google Patents

保護膜形成フィルムおよび保護膜形成用複合シート Download PDF

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Abstract

この保護膜形成フィルムは、紫外線硬化性成分を含有し、波長375nmの光線透過率が8%以上であり、波長550nmの光線透過率が12%以下である。この保護膜形成フィルムは、着色剤をさらに含有してもよく、前記着色剤は、赤色着色剤であってもよい。

Description

本発明は、半導体ウエハ等のワークまたは当該ワークを加工して得られる加工物(例えば半導体チップ)に保護膜を形成することのできる保護膜形成フィルム、保護膜形成用シート、および保護膜形成用複合シートに関するものである。
本願は、2014年10月29日に、日本に出願された特願2014−220295号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、フェイスダウン方式と呼ばれる実装法により半導体装置を製造することが行われている。この方法では、バンプ等の電極が形成された回路面を有する半導体チップを実装する際に、半導体チップの回路面側をリードフレーム等のチップ搭載部に接合している。したがって、回路が形成されていない半導体チップの裏面側が露出する構造となる。
このため、半導体チップの裏面側には、半導体チップを保護するために、硬質の有機材料からなる保護膜が形成されることが多い。この保護膜は、例えば、特許文献1または2に示されるような半導体裏面用フィルムまたはダイシングテープ一体型ウエハ裏面保護フィルムを使用して形成される。
ここで、上記保護膜は、一般的にはエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂により形成される。しかし、熱硬化性樹脂の硬化温度は130℃を超え、また硬化時間は2時間程度を要するため、生産効率向上の障害となっていた。そのため、加工時間を短縮できる硬化メカニズムを備えた保護膜が望まれていた。
これに対し、特許文献3には、(A)二重結合を有さないアクリル系共重合体からなるポリマー成分、(B)エネルギー線硬化性成分、(C)染料および/または顔料、(D)無機フィラー、及び(E)350nm以上の長波長域の光を吸収する光重合開始剤を含有してなるエネルギー線硬化型保護膜形成層を有するエネルギー線硬化型チップ保護用フィルムが開示されている。このようなエネルギー線硬化性のチップ保護用フィルムは、主として紫外線照射により短時間で硬化するため、簡便に保護膜を形成することができ、生産効率の向上に寄与し得る。
特開2012−28396号公報 特開2012−235168号公報 特開2009−138026号公報
しかしながら、特許文献3の実施例で使用している(C)成分は黒色顔料であり、かかる黒色顔料を含有するチップ保護用フィルムでは、紫外線の透過性が低い。したがって、チップ保護用フィルムを硬化させるために紫外線を照射したときに、紫外線をフィルム内部や紫外線照射面とは反対側の面まで十分到達させることができずに、チップ保護用フィルムの硬化が不十分になることがある。このようにチップ保護用フィルムの硬化が不十分であると、得られる保護膜が熱等によって剥がれ易くなる等、保護膜としての機能に問題が生じる。
一方、半導体チップの裏面には、通常、半導体ウエハに対して施されたバックグラインド加工による研削痕が残っている。半導体チップの外観の観点から、かかる研削痕は目視によって見えないことが望ましく、上記の保護膜によって隠蔽されることが望ましい。
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであり、紫外線硬化性に優れ、かつワークまたは加工物に存在する研削痕が目視によって見えない保護膜を形成することのできる保護膜形成フィルム、保護膜形成用シート、および保護膜形成用複合シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、紫外線硬化性成分を含有し、波長375nmの光線透過率が8%以上であり、波長550nmの光線透過率が12%以下である保護膜形成フィルムを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係る保護膜形成フィルムは、紫外線によって十分に硬化し、かつ紫外線硬化後は、ワークまたは加工物に存在する研削痕が目視によって見えない保護膜を形成することができる。
上記発明(発明1)においては、着色剤をさらに含有してもよい(発明2)。
上記発明(発明2)においては、前記着色剤が、赤色着色剤であってもよい(発明3)。
上記発明(発明2,3)においては、前記着色剤が、有機系の着色剤でってもよい(発明4)。
上記発明(発明2〜4)においては、前記保護膜形成フィルムにおける前記着色剤の含有量W(質量%)を、前記保護膜形成フィルムの厚さT(μm)で除した値W/Tが、0.01〜0.5であってもよい(発明5)。
上記発明(発明1〜5)においては、前記保護膜形成フィルムに対し一方の面側から、照度215mW/cm、光量187mJ/cmの紫外線を3回照射した場合に、紫外線照射面のプローブタックのピーク値P1に対する前記紫外線照射面とは反対側の面のプローブタックのピーク値P2の比P2/P1が、0.1〜7となってもよい(発明6)。
上記発明(発明1〜6)においては、波長1600nmの光線透過率が25%以上であってもよい(発明7)。
第2に本発明は、前記保護膜形成フィルム(発明1〜7)と、前記保護膜形成フィルムの一方の面または両面に積層された剥離シートとを備える保護膜形成用シートを提供する(発明8)。なお、本明細書において、「シート」はテープの概念を含むものとする。
第3に本発明は、支持シートと、前記支持シートの一方の面側に積層された前記保護膜形成フィルム(発明1〜7)とを備える保護膜形成用複合シートを提供する(発明9)。
上記発明(発明9)において、前記支持シートは、基材と前記基材の前記保護膜形成フィルム側に積層された粘着剤層とからなるか、基材からなっていてもよい(発明10)。
本発明に係る保護膜形成フィルム、保護膜形成用シート、および保護膜形成用複合シートによれば、紫外線によって十分に硬化し、かつワークまたは加工物に存在する研削痕が目視によって見えない保護膜を形成することができる。
本発明の一実施形態に係る保護膜形成用シートの断面図である。 本発明の一実施形態に係る保護膜形成用複合シートの断面図である。 本発明の他の実施形態に係る保護膜形成用複合シートの断面図である。 本発明の一実施形態に係る保護膜形成用複合シートの使用例を示す断面図である。 試験例1における光線透過率の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔保護膜形成フィルム〕
本実施形態に係る保護膜形成フィルムは、ワークまたは当該ワークを加工して得られる加工物に保護膜を形成するためのものである。ワークとしては、例えば半導体ウエハ等が挙げられ、当該ワークを加工して得られる加工物としては、例えば半導体チップが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、ワークが半導体ウエハの場合、保護膜は、半導体ウエハの裏面側(バンプ等の電極が形成されていない側)に形成される。
1.物性
本実施形態に係る保護膜形成フィルムは、波長375nmの光線透過率が8%以上であり、波長550nmの光線透過率が12%以下であるものである。なお、本明細書における光線透過率は、積分球を使用して測定した値とし、測定器具としては分光光度計を使用する。
後述するように、本実施形態に係る保護膜形成フィルムは、紫外線硬化性成分を含有する。上記のように、波長375nmの光線透過率が8%以上であると、紫外線が保護膜形成フィルムを透過し易く、したがって、保護膜形成フィルム中の紫外線硬化性成分が硬化し易くなる。そのため、保護膜形成フィルムに対し一方の面側から紫外線照射した場合でも、保護膜形成フィルム全体が十分に硬化し、保護膜形成フィルムの内部や紫外線照射面とは反対側の面において硬化不足が生じることを効果的に防止することができる。
上記保護膜形成フィルムの硬化性の観点から、保護膜形成フィルムの波長375nmの光線透過率は、10%以上であることが好ましく、13%以上であることがより好ましく、15%以上であることがさらに好ましく、特に17%以上であることが好ましく、さらには20%以上であることが好ましい。なお、波長375nmの光線透過率の上限は特に限定されないが、波長550nmの光線透過率を12%以下とすることにより、自ずと定まることとなる。具体的には、保護膜形成フィルムの波長375nmの光線透過率は、35%以下であることが好ましい。
一方、例えば半導体チップの裏面には、通常、半導体ウエハに対して施されたバックグラインド加工による研削痕が残っている。波長550nmの光線透過率が上記のように12%以下であると、保護膜形成フィルムは、可視光線を透過し難いものとなる。したがって、上記の研削痕は、保護膜形成フィルム(保護膜)によって隠蔽され、目視によって殆ど見えなくなる。これにより、半導体チップ等の加工物の外観が優れたものとなる。
上記研削痕隠蔽性の観点から、保護膜形成フィルムの波長550nmの光線透過率は、11%以下であることが好ましく、特に8%以下であることが好ましく、さらには5%以下であることが好ましい。なお、波長550nmの光線透過率の下限は特に限定されないが、波長375nmの光線透過率を8%以上とすることにより、自ずと定まることとなる。具体的には、保護膜形成フィルムの波長375nmの光線透過率は、0%以上であることが好ましい。
また、本実施形態に係る保護膜形成フィルムは、波長1600nmの光線透過率が25%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、特に45%以上であることが好ましく、さらには50%以上であることが好ましい。半導体ウエハをダイシングして得られる半導体チップ等においては、加工時に生じた応力によってクラック等が発生していることがある。上記のように波長1600nmの光線透過率が25%以上であると、赤外線の透過性が良好になり、保護膜形成フィルム(または当該保護膜形成フィルムによって形成された保護膜)側から赤外線を取得する赤外線検査を行うことができる。これにより、保護膜形成フィルム(保護膜)を介して半導体チップ等の加工物におけるクラック等を発見することができ、製品歩留まりを向上させることができる。
なお、波長1600nmの光線透過率の上限は特に限定されないが、波長550nmの光線透過率を12%以下とすることにより、自ずと定まることとなる。また、保護膜を形成した加工物(半導体チップ等)の使用時には、保護膜形成フィルムの波長1600nmの光線透過率を90%以下とすることにより、外部からの赤外線の影響を受けやすい加工物の誤作動を防ぐことができる。
本実施形態に係る保護膜形成フィルムは、単層からなるものであってもよいし、複数層からなるものであってもよいが、光線透過率の制御の容易性および製造コストの面から単層からなることが好ましい。保護膜形成フィルムが複数層からなる場合には、光線透過率の制御の容易性の面から、当該複数層全体として上記の光線透過率を満たすことが好ましい。
また、本実施形態に係る保護膜形成フィルムにおいては、当該保護膜形成フィルムに対し一方の面側から紫外線照射した場合に、紫外線照射面のプローブタックのピーク値P1に対する紫外線照射面とは反対側の面(以下「紫外線照射反対面」という場合がある)のプローブタックのピーク値P2の比P2/P1が、0.1〜7となることが好ましく、特に0.5〜4となることが好ましく、さらには1〜2となることが好ましい。なお、P2/P1を1よりも低い値とすることは、例えば、保護膜形成フィルムを複数層からなるものとし、紫外線照射反対面を形成する層に、紫外線照射面を形成する層よりも多くの後述する紫外線硬化性成分(A)を配合することにより可能である。プローブタックの測定方法は、JIS Z1023 1999に準拠したものとし、具体的には後述する試験例に示す通りである。
P2/P1が上記範囲内にあることで、保護膜形成フィルム(保護膜)が、紫外線照射面側だけでなく、紫外線照射反対面側でも硬化しており、すなわち、保護膜形成フィルムが厚み方向全体的に十分硬化しているということができる。
なお、上記プローブタックをエネルギー値で示した場合、紫外線照射面のプローブタックのエネルギー値E1に対する紫外線照射反対面のプローブタックのエネルギー値E2の比E2/E1は、0.1〜10となることが好ましく、特に0.5〜5となることが好ましく、さらには1〜2.5となることが好ましい。なお、E2/E1を1よりも低い値とすることは、例えば、保護膜形成フィルムを複数層からなるものとし、紫外線照射反対面を形成する層に、紫外線照射面を形成する層よりも多くの後述する紫外線硬化性成分(A)を配合することにより可能である。
ここで、紫外線照射面のプローブタックのピーク値P1自体は、0.05〜1.5であることが好ましく、特に0.1〜1であることが好ましく、さらには0.15〜0.75であることが好ましい。また、紫外線照射面のプローブタックのエネルギー値E1自体は、0.005〜0.3であることが好ましく、特に0.008〜0.15であることが好ましく、さらには0.01〜0.1であることが好ましい。紫外線照射面のプローブタックのピーク値P1及び/又はエネルギー値E1が上記の範囲にあることで、少なくとも保護膜形成フィルム(保護膜)の紫外線照射面側は、高い程度で硬化しているということができる。
2.材料
本実施形態に係る保護膜形成フィルムは、紫外線硬化性成分(A)を含有する。紫外線硬化性成分(A)は、好ましくは未硬化の紫外線硬化性成分であり、特に好ましくは粘着性を有する未硬化の紫外線硬化性成分である。
かかる保護膜形成フィルムは、保護膜形成フィルムと半導体ウエハ等のワークとを重ね合わせた後、保護膜形成フィルムを紫外線照射によって硬化させることにより、耐久性を有する保護膜をチップ等に形成することができる。当該保護膜形成フィルムは短時間で硬化するため、生産効率に優れる。また、保護膜形成フィルムが粘着性を有すると、上記のように保護膜形成フィルムに半導体ウエハ等のワークを重ね合わせるときに両者を貼合させることができる。したがって、保護膜形成フィルムを硬化させる前に位置決めを確実に行うことができる。なお、保護膜形成フィルムは、常温で粘着性を有していてもよいし、加熱により粘着性を発揮してもよい。
ここで、保護膜形成フィルムの光線透過率は、硬化前であっても硬化後であっても殆ど変化しない。したがって、硬化前の保護膜形成フィルムの波長375nmの光線透過率が8%以上、波長550nmの光線透過率が12%以下であれば、硬化後の保護膜形成フィルム(保護膜)の波長375nmの光線透過率も13%以上、波長550nmの光線透過率も12%以下となる。
本実施形態に係る保護膜形成フィルムは、紫外線硬化性成分(A)の他、着色剤(B)を含有することが好ましい。保護膜形成フィルムが着色剤(B)を含有することにより、波長375nmおよび波長550nm(さらには波長1600nm)の光線透過率を前述した範囲に制御することが容易となる。
また、本実施形態に係る保護膜形成フィルムは、着色剤(B)と併せてフィラー(C)を含有することが好ましい。これにより、波長375nmおよび波長550nm(さらには波長1600nm)の光線透過率を前述した範囲に制御することがより容易になる。また、保護膜形成フィルムがフィラーを含有すると、硬化後の保護膜の硬度を高く維持することができるとともに、耐湿性を向上させることができる。さらには、硬化後の保護膜の熱膨張係数を半導体ウエハの熱膨張係数に近づけることができ、これによって加工途中の半導体ウエハの反りを低減することができる。
本実施形態に係る保護膜形成フィルムは、熱硬化性成分(D)をさらに含有することが好ましい。熱硬化性成分(D)をさらに含有する保護膜形成フィルムを加熱することで、保護膜形成フィルムのワークに対する接着力や硬化した保護膜の強度を向上させることができる。
なお、保護膜形成フィルムが紫外線硬化性成分(A)および着色剤(B)を含む場合、紫外線硬化性成分(A)の割合と着色剤(B)の割合の合計が、100質量%となるよう紫外線硬化性成分(A)の割合と着色剤(B)の割合を設定する。同様に、保護膜形成フィルムが紫外線硬化性成分(A)、着色剤(B)およびフィラー(C)を含む場合、紫外線硬化性成分(A)の割合と着色剤(B)の割合とフィラー(C)の割合の合計が、100質量%となるよう紫外線硬化性成分(A)、着色剤(B)およびフィラー(C)の割合を設定する。保護膜形成フィルムが紫外線硬化性成分(A)、着色剤(B)、フィラー(C)および熱硬化性成分(D)を含む場合、紫外線硬化性成分(A)の割合と着色剤(B)の割合とフィラー(C)の割合と熱硬化性成分(D)との合計が、100質量%となるよう紫外線硬化性成分(A)、着色剤(B)、フィラー(C)および熱硬化性成分(D)の割合を設定する。
(1)紫外線硬化性成分(A)
紫外線硬化性成分(A)は、紫外線硬化性基が導入された重合体(A1)であってもよいし、紫外線硬化性基が導入された重合体(A1)を除く紫外線硬化性化合物(A3)を含有するものであってもよい。本実施形態における紫外線硬化性成分(A)が紫外線硬化性化合物(A3)を含有する場合には、紫外線硬化性を有しない重合体(A2)等の重合体をも含有することが好ましい。なお、本明細書における「重合体」には「共重合体」の概念も含まれるものとする。
(1−1)紫外線硬化性基が導入された重合体(A1)
本実施形態における紫外線硬化性成分(A)が紫外線硬化性基が導入された重合体(A1)を含有する場合、かかる重合体(A1)は、保護膜形成フィルムにそのまま含有されていてもよく、また少なくともその一部が架橋剤と架橋反応を行って架橋物として含有されていてもよい。
紫外線硬化性基が導入された重合体(A1)としては、たとえば、官能基を含有する官能基含有モノマーを構成成分とする官能基含有アクリル系重合体(A1−1)と、当該官能基と反応する置換基および紫外線硬化性炭素−炭素二重結合を有する硬化性基含有化合物(A1−2)との反応物であるアクリル系重合体が挙げられる。
官能基含有アクリル系重合体(A1−1)は、官能基を含有するアクリル系モノマーと、官能基を含有しないアクリル系モノマーと、所望によりアクリル系モノマー以外のモノマーとの共重合反応物であることが好ましい。すなわち、上記官能基含有モノマーは、官能基を含有するアクリル系モノマーであることが好ましい。
本明細書において、モノマーが重合された物質に対して使用される、用語「重合体」又は「樹脂」等は、前記モノマーから導かれる構成単位(繰り返し単位ともいう)からなる「重合体」又は「樹脂」等を意味する。
官能基を含有するアクリル系モノマーの官能基(官能基含有モノマーの官能基)としては、上記硬化性基含有化合物(A1−2)が有する置換基と反応可能なものが選択される。かかる官能基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等が挙げられ、中でもヒドロキシ基が好ましい。なお、本実施形態における紫外線硬化性成分(A)が、架橋剤を含有する場合には、官能基含有アクリル系重合体(A1−1)は、架橋剤と反応する官能基を有する官能基含有モノマーを構成成分として含有することが好ましく、当該官能基含有モノマーは、上記硬化性基含有化合物が有する置換基と反応可能な官能基を有する官能基含有モノマーが兼ねてもよい。
ヒドロキシ基を含有するアクリル系モノマー(ヒドロキシ基含有モノマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルなどが挙げられる。これらの中でも、硬化性基含有化合物(A1−2)との反応性の点から(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
官能基を含有しないアクリル系モノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを含むことが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの中でも、アルキル基の炭素数が1〜18であるものが好ましく、特に炭素数が1〜4であるものが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
官能基を含有しないアクリル系モノマーは、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー以外にも、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等のアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸フェニル等の芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド等の非架橋性のアクリルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル等の非架橋性の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどを含んでもよい。
アクリル系モノマー以外のモノマーとしては、例えば、エチレン、ノルボルネン等のオレフィン、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられる。
官能基含有アクリル系重合体(A1−1)における、官能基含有アクリル系重合体(A1−1)全体の質量に占める官能基含有モノマー由来の構造部分の質量の割合は、0.1〜50質量%であることが好ましく、特に1〜40質量%であることが好ましく、さらには3〜30質量%であることが好ましい。これにより、硬化性基含有化合物(A1−2)による硬化性基の導入量(および架橋剤との反応量)を所望の量に調整して、得られる保護膜の硬化の程度(架橋の程度)を好ましい範囲に制御することができる。
官能基含有アクリル系重合体(A1−1)は、上記各モノマーを常法によって共重合することにより得られる。官能基含有アクリル系重合体(A1−1)の重合態様は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
硬化性基含有化合物(A1−2)は、官能基含有アクリル系重合体(A1−1)が有する官能基と反応する置換基および紫外線硬化性炭素−炭素二重結合を有するものである。官能基含有アクリル系重合体(A1−1)が有する官能基と反応する置換基としては、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシ基等が挙げられ、中でもヒドロキシ基との反応性の高いイソシアネート基が好ましい。
硬化性基含有化合物(A1−2)は、紫外線硬化性炭素−炭素二重結合を、硬化性基含有化合物(A1−2)の1分子毎に1〜5個含むことが好ましく、特に1〜2個含むことが好ましい。
このような硬化性基含有化合物(A1−2)としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、アリルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物などが挙げられる。これらの中でも、特に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが好ましい。硬化性基含有化合物(A1−2)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
紫外線硬化性基が導入された重合体(A1)は、硬化性基含有化合物(A1−2)に由来する硬化性基を、当該重合体(A1)が有する官能基(硬化性基含有化合物(A1−2)の置換基と反応する官能基)に対して、20〜120モル%含有することが好ましく、特に35〜100モル%含有することが好ましく、さらには50〜100モル%含有することが好ましい。なお、硬化性基含有化合物(A1−2)が一官能の場合は、上限は100モル%となるが、硬化性基含有化合物(A1−2)が多官能の場合は、100モル%を超えることがある。上記官能基に対する硬化性基の比率が上記範囲内にあることにより、紫外線硬化後の保護膜の接着力を非常に優れたものにすることができる。
紫外線硬化性基が導入された重合体(A1)の重量平均分子量(Mw)は、10万〜200万であることが好ましく、30万〜150万であることがより好ましい。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
(1−2)紫外線硬化性を有しない重合体(A2)
本実施形態における紫外線硬化性成分(A)が紫外線硬化性を有しない重合体(A2)を含有する場合、当該重合体(A2)は、保護膜形成フィルムにそのまま含有されていてもよく、また少なくともその一部が架橋剤と架橋反応を行って架橋物として含有されていてもよい。重合体(A2)としては、フェノキシ樹脂、アクリル系重合体(A2−1)、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ゴム系樹脂、アクリルウレタン樹脂等が挙げられる。これらのうち、アクリル系重合体(A2−1)を用いる場合について詳しく説明する。
アクリル系重合体(A2−1)としては、従来公知のアクリル系の重合体を用いることができる。アクリル系重合体(A2−1)は、1種類のアクリル系モノマーから形成された単独重合体であってもよいし、複数種類のアクリル系モノマーから形成された共重合体であってもよいし、1種類または複数種類のアクリル系モノマーとアクリル系モノマー以外のモノマーとから形成された共重合体であってもよい。アクリル系モノマーとなる化合物の具体的な種類は特に限定されず、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、その誘導体(アクリロニトリル、イタコン酸など)が具体例として挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルについてさらに具体例を示せば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の鎖状骨格を有する(メタ)アクリレート;シクロへキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イミドアクリレート等の環状骨格を有する(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基以外の反応性官能基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。また、アクリル系モノマー以外のモノマーとして、エチレン、ノルボルネン等のオレフィン、酢酸ビニル、スチレンなどが例示される。なお、アクリル系モノマーがアルキル(メタ)アクリレートである場合には、そのアルキル基の炭素数は1〜18の範囲であることが好ましい。
本実施形態における紫外線硬化性成分(A)が架橋剤を含有する場合には、アクリル系重合体(A2−1)は、架橋剤と反応する反応性官能基を有することが好ましい。反応性官能基の種類は特に限定されず、架橋剤の種類などに基づいて適宜決定すればよい。
例えば、架橋剤がポリイソシアネート化合物である場合には、アクリル系重合体(A2−1)が有する反応性官能基として、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基などが例示され、中でもイソシアネート基との反応性の高いヒドロキシ基が好ましい。また、架橋剤がエポキシ系化合物である場合には、アクリル系重合体(A2−1)が有する反応性官能基として、カルボキシ基、アミノ基、アミド基などが例示され、中でもエポキシ基との反応性の高いカルボキシ基が好ましい。カルボキシ基は、アクリル系重合体(A2−1)が有する反応性官能基全体に対し、12wt%以下であることが好ましい。
アクリル系重合体(A2−1)に反応性官能基を導入する方法は特に限定されず、一例として、反応性官能基を有するモノマーを用いてアクリル系重合体(A2−1)を形成し、反応性官能基を有するモノマーに基づく構成単位を重合体の骨格に含有させる方法が挙げられる。例えば、アクリル系重合体(A2−1)にヒドロキシ基を導入する場合は、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどのヒドロキシ基を有するモノマーを用いてアクリル系重合体(A2−1)を形成すればよい。
アクリル系重合体(A2−1)が反応性官能基を有する場合には、架橋の程度を良好な範囲にする観点から、アクリル系重合体(A2−1)全体の質量に占める反応性官能基を有するモノマー由来の構造部分の質量の割合が、1〜20質量%程度であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましい。
アクリル系重合体(A2−1)の重量平均分子量(Mw)は、塗工時の造膜性の観点から1万〜200万であることが好ましく、10万〜150万であることがより好ましい。
(1−3)紫外線硬化性化合物(A3)
紫外線硬化性成分(A)は、紫外線硬化性基が導入された重合体(A1)を除く紫外線硬化性化合物(A3)を含有するものであってもよく、この場合、上述した紫外線硬化性を有しない重合体(A2)を合わせて含有することが好ましい。また、紫外線硬化性を有しない重合体(A2)に代えて、またはこれと共に紫外線硬化性基が導入された重合体(A1)を含有していてもよい。紫外線硬化性化合物(A3)は、紫外線硬化性基を有し、紫外線の照射を受けると重合する化合物である。
紫外線硬化性化合物(A3)が有する紫外線硬化性基は、例えば紫外線硬化性の炭素−炭素二重結合を含む基であり、具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基などを例示することができる。
紫外線硬化性化合物(A3)の例としては、上記の紫外線硬化性基を有していれば特に限定されないが、汎用性の観点から低分子量化合物(単官能、多官能のモノマーおよびオリゴマー)であることが好ましい。低分子量の紫外線硬化性化合物(A3)の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジシクロペンタジエンジメトキシジアクリレート、イソボルニルアクリレートなどの環状脂肪族骨格含有アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシ変性アクリレート、ポリエーテルアクリレート、イタコン酸オリゴマーなどのアクリレート系化合物が挙げられる。
また、紫外線硬化性化合物(A3)の例として、紫外線硬化性基を有するエポキシ樹脂、紫外線硬化性基を有するフェノール樹脂等も挙げられる。このような樹脂は、たとえば、特開2013−194102号公報に記載されているものを用いることができる。このような樹脂は、後述する熱硬化性成分(C)を構成する樹脂にも該当するが、紫外線硬化にも寄与するため、本発明においては紫外線硬化性化合物(A)として扱う。
紫外線硬化性化合物(A3)は、通常は分子量が100〜30000、好ましくは300〜10000程度である。一般的に、重合体(A1)及び重合体(A2)の合計量100質量部に対し、紫外線硬化性化合物(A3)は10〜400質量部、好ましくは30〜350質量部程度の割合で用いられる。
本実施形態に係る保護膜形成フィルムは、保護膜形成フィルムの質量に対し、紫外線硬化性成分(A)を5〜89質量%含有することが好ましく、特に10〜80質量%含有することが好ましく、さらには20〜70質量%含有することが好ましい。紫外線硬化性成分(A)の含有量が上記の範囲内であることで、紫外線照射によって十分に硬化可能なものとなる。
(2)着色剤(B)
着色剤(B)としては、例えば、無機系顔料、有機系顔料、有機系染料など公知のものを使用することができるが、光線透過率の制御性を高める観点から、着色剤(B)は有機系の着色剤であることが好ましい。上述したように、本実施形態に係る保護膜形成フィルムが備える特性または本実施形態に係る保護膜形成フィルムについて好ましい特性は、波長375nmの光線透過率が8%以上であり、波長550nmの光線透過率が12%以下である等、ある波長領域において、それよりも低い波長領域におけるよりも、低い光線透過率を示すという特性である。ここで、無機系の着色剤のみを用いた場合には、光線の波長が増加するにつれて、光線透過率が一次関数的に上昇していく傾向がある(後述する試験例1の結果・図5参照)。したがって、本実施形態に係る保護膜形成フィルムが無機系の着色剤のみを含有する場合には、本実施形態に係る保護膜形成フィルムに上記のような特性を付与することは必ずしも容易でない。一方、本実施形態に係る保護膜形成フィルムが有機系の着色剤を含有する場合には、本実施形態に係る保護膜形成フィルムを、上記のような特性を満たすものとすることが容易となる。また、着色剤の化学的安定性(具体的には、溶出しにくさ、色移りの生じにくさ、経時変化の少なさが例示される。)を高める観点から、着色剤(B)は顔料からなることが好ましい。したがって、本実施形態に係る保護膜形成フィルムが含有する着色剤(B)は、有機系顔料からなることが好ましい。なお、本実施形態に係る保護膜形成フィルムが含有する着色剤(B)は、複数種類の材料から構成されていてもよい。
有機系の着色剤である有機系顔料および有機系染料としては、例えば、アミニウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、アズレニウム系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、ピリリウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ナフトラクタム系色素、アゾ系色素、アゾレーキ系色素、縮合アゾ系色素、インジゴ系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、ジオキサジン系色素、キナクリドン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、ピロール系色素、チオインジゴ系色素、金属錯体系色素(金属錯塩染料)、ジチオール金属錯体系色素、インドールフェノール系色素、トリアリルメタン系色素、アントラキノン系色素、ジオキサジン系色素、ナフトール系色素、アゾメチン系色素、ベンズイミダゾロン系色素、ピランスロン系色素およびスレン系色素等が挙げられる。
無機系顔料としては、例えば、カーボンブラック、コバルト系色素、鉄系色素、クロム系色素、チタン系色素、バナジウム系色素、ジルコニウム系色素、モリブデン系色素、ルテニウム系色素、白金系色素、ITO(インジウムスズオキサイド)系色素、ATO(アンチモンスズオキサイド)系色素等が挙げられる。
本実施形態に係る保護膜形成フィルム中における着色剤(B)は、有機系の着色剤および無機系の着色剤から構成されていてもよい。
また、本実施形態に係る保護膜形成フィルムは、赤色着色剤を含有することが好ましい。保護膜形成フィルムが赤色着色剤を含有することにより、波長375nmおよび波長550nm(さらには波長1600nm)の光線透過率を前述した範囲に制御することがさらに容易となる。赤色着色剤は、顔料であってもよいし、染料であってもよい。赤色着色剤としては、例えば、モノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系等の着色剤が挙げられる。これらは、1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
上記の中でも、ジケトピロロピロール系の赤色着色剤が好ましい。かかる赤色着色剤によれば、波長375nmおよび波長550nmの光線透過率を前述した範囲に制御し易い。
保護膜形成フィルム中における着色剤(B)の含有量は、光線透過率が前述した範囲となるよう、保護膜形成フィルムの厚さに応じて決定することが好ましい。具体的には、保護膜形成フィルムにおける着色剤(B)の含有量W(保護膜形成フィルム全質量に対する質量%)を、保護膜形成フィルムの厚さT(μm)で除した値W/Tが、0.01〜0.5となることが好ましく、特に0.03〜0.3となることが好ましく、さらには0.05〜0.25となることが好ましい。W/Tが0.5以上であると、波長550nmの光線透過率を12%以下に制御し易く、W/Tが0.01以下であると、波長375nmの光線透過率を13%以上に制御し易い。
(3)フィラー(C)
フィラー(C)としては、結晶シリカ、溶融シリカ、合成シリカ等のシリカや、アルミナ、ガラスバルーン等の無機フィラーが挙げられる。中でもシリカが好ましく、合成シリカがより好ましく、特に半導体装置の誤作動の要因となるα線の線源を極力除去したタイプの合成シリカが最適である。フィラー(C)の形状としては、球形、針状、不定形等が挙げられるが、球形であることが好ましく、特に真球形であることが好ましい。フィラーが球形または真球形であると、光線の乱反射が生じ難く、前述した赤外線検査を良好に行うことができる。ここで不定形とは、表面形状が不規則な形状を意味する。不定形の表面は、多面であってもよいし、一つの曲面であってもよい。表面が多面である場合、それぞれの面は、平面でも曲面でもよく、これらが混在していてもよい。また表面が多面である場合、それぞれの面の面積は、異なっていてよい。表面形状は突形状を有していてもよいし、凹形状を有していてもよい。
また、保護膜形成フィルムには、上記無機フィラーの他にも、機能性のフィラーが配合されてもよい。機能性のフィラーとしては、例えば、ダイボンド後の導電性の付与を目的とした、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、カーボン、セラミック、またはニッケル、アルミニウム等を銀で被覆した導電性フィラーや、熱伝導性の付与を目的とした、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、マグネシウム、ステンレス、シリコン、ゲルマニウム等の金属材料やそれらの合金、酸化物、窒化物、水酸化物等や、窒化ホウ素等の熱伝導性フィラーなどが挙げられる。
フィラー(C)(特にシリカフィラー)の平均粒径は、0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜3μmであることがより好ましく、特に0.03〜2μmであることが好ましく、さらには0.05〜1μmであることが好ましい。フィラー(C)の平均粒径が0.01μm以上であると、半導体チップ等における研削痕が目視で見えないように、波長550nmの光線透過率を13%以下に制御し易い。一方、フィラー(C)の平均粒径が10μm以下であると、保護膜形成フィルムの表面状態を良好に維持することができる。また、フィラー(C)の平均粒径が3μm以下であると、赤外線の乱反射を抑制し、赤外線検査を良好に行うことができる。
なお、本明細書におけるフィラー(C)の1μm未満の平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装社製,ナノトラックWave−UT151)を使用して、動的光散乱法により測定した値とする。また、フィラー(C)の1μm以上の平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装社製,マイクロトラックMT3000II)を使用して、レーザー回折・散乱法により測定した値とする。
保護膜形成フィルム中におけるフィラー(C)(特にシリカフィラー)の含有量は、保護膜形成フィルムの質量に対し、10〜80質量%であることが好ましく、特に20〜70質量%であることが好ましく、さらには30〜65質量%であることが好ましい。フィラーの配合量が10質量%以上であると、半導体チップ等における研削痕が目視で見えないように、波長550nmの光線透過率を13%以下に制御し易い。一方、フィラー(C)の配合量が80質量%以下であると、保護膜形成フィルムが紫外線照射によって十分に硬化可能なものとなる。
(4)熱硬化性成分(D)
熱硬化性成分(D)としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等およびこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびこれらの混合物が好ましく用いられる。
エポキシ樹脂は、加熱を受けると三次元網状化し、強固な被膜を形成する性質を有する。このようなエポキシ樹脂としては、従来より公知の種々のエポキシ樹脂が用いられるが、通常は、分子量300〜2000程度のものが好ましく、特に分子量300〜500のものが好ましい。さらには、分子量330〜400の常態で液状のエポキシ樹脂と、分子量400〜2500、特に500〜2000の常温で固体のエポキシ樹脂とをブレンドした形で用いることが好ましい。また、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、50〜5000g/eqであることが好ましい。
このようなエポキシ樹脂としては、具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシノール、フェニルノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール類のグリシジルエーテル;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテル;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸のグリシジルエーテル;アニリンイソシアヌレート等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したグリシジル型もしくはアルキルグリシジル型のエポキシ樹脂;ビニルシクロヘキサンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−ジシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等のように、分子内の炭素−炭素二重結合を例えば酸化することによりエポキシが導入された、いわゆる脂環型エポキシドを挙げることができる。その他、ビフェニル骨格、ジシクロヘキサジエン骨格、ナフタレン骨格等を有するエポキシ樹脂を用いることもできる。
これらの中でも、ビスフェノール系グリシジル型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。これらエポキシ樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂を用いる場合には、助剤として、熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤を併用することが好ましい。熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤とは、室温ではエポキシ樹脂と反応せず、ある温度以上の加熱により活性化し、エポキシ樹脂と反応するタイプの硬化剤である。熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤の活性化方法には、加熱による化学反応で活性種(アニオン、カチオン)を生成する方法;室温付近ではエポキシ樹脂中に安定に分散しており高温でエポキシ樹脂と相溶または溶解し、硬化反応を開始する方法;モレキュラーシーブ封入タイプの硬化剤で高温で溶出して硬化反応を開始する方法;マイクロカプセルによる方法等が存在する。
熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤の具体例としては、各種オニウム塩や、二塩基酸ジヒドラジド化合物、ジシアンジアミド、アミンアダクト硬化剤、イミダゾール化合物等の高融点活性水素化合物等を挙げることができる。これら熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。上記のような熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、特に好ましくは0.2〜10重量部、さらに好ましくは0.3〜5重量部の割合で用いられる。
フェノール系樹脂としては、アルキルフェノール、多価フェノール、ナフトール等のフェノール類とアルデヒド類との縮合物などが特に制限されることなく用いられる。具体的には、フェノールノボラック樹脂、o−クレゾールノボラック樹脂、p−クレゾールノボラック樹脂、t−ブチルフェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンクレゾール樹脂、ポリパラビニルフェノール樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、あるいはこれらの変性物等が用いられる。
これらのフェノール系樹脂に含まれるフェノール性水酸基は、上記エポキシ樹脂のエポキシ基と加熱により容易に付加反応して、耐衝撃性の高い硬化物を形成することができる。このため、エポキシ樹脂とフェノール系樹脂とを併用してもよい。
保護膜形成フィルム中における熱硬化性成分(D)の含有量は、保護膜形成フィルムの質量に対し、1〜85質量%であることが好ましく、特に2〜75質量%であることが好ましく、さらには5〜70質量%であることが好ましい。熱硬化性成分(D)の含有量が上記の範囲内であることで、紫外線硬化性を妨げることなく、熱硬化による保護膜形成フィルムのワークに対する接着力や硬化した保護膜の強度を、効果的に向上させることができる。
(5)その他の成分
本実施形態に係る保護膜形成フィルムは、光重合開始剤を含有してもよい。光重合開始剤を含有することにより、紫外線硬化性成分(A)の硬化時間および光線照射量を少なくすることができる。光重合開始剤は、紫外線硬化性成分(A)の質量に対し、0.1〜15質量%であることが好ましい。
光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサンソン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン、(2,4,6−トリメチルベンジルジフェニル)フォスフィンオキサイド、2−ベンゾチアゾール−N,N−ジエチルジチオカルバメート、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−プロペニル)フェニル]プロパノン}、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、本実施形態に係る保護膜形成フィルムは、連鎖移動剤を含有してもよい。連鎖移動剤を含有することにより、保護膜形成フィルムの厚さ方向における内部において、紫外線硬化が進行しやすくなるという効果が期待される。連鎖移動剤としては、たとえば、特開2012−207179号に記載されているものを使用することができる。
また、本実施形態に係る保護膜形成フィルムは、カップリング剤を含有してもよい。カップリング剤を含有することにより、保護膜形成フィルムの硬化後において、保護膜の耐熱性を損なわずに、保護膜とワークとの接着性や密着性を向上させることができるとともに、耐水性(耐湿熱性)を向上させることができる。カップリング剤としては、その汎用性とコストメリットなどからシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシランなどが挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上混合して使用することができる。
本実施形態に係る保護膜形成フィルムは、硬化前の凝集力を調節するために、有機多価イソシアナート化合物、有機多価イミン化合物、有機金属キレート化合物等の架橋剤を含有してもよい。また、保護膜形成フィルムは、静電気を抑制し、チップの信頼性を向上させるために、帯電防止剤を含有してもよい。さらに、保護膜形成フィルムは、保護膜の難燃性能を高め、パッケージとしての信頼性を向上させるために、リン酸化合物、ブロム化合物、リン系化合物等の難燃剤を含有してもよい。
3.厚さ
保護膜形成フィルムの厚さは、保護膜としての機能を効果的に発揮させるために、3〜300μmであることが好ましく、特に5〜200μmであることが好ましく、さらには7〜100μmであることが好ましい。ここで、保護膜形成フィルムの厚さは、保護膜形成フィルムの任意の5箇所で、接触式厚み計で厚さを測定した平均で表される値である。なお保護膜形成フィルムの厚さを測定する際、直接に接触式厚み計を適用することが困難であるときは、基材フィルムや、後述する剥離材など、他のフィルムが重ね合わされた状態で、上記と同様に全体の厚さを測定し、重ね合わせられていた他のフィルムの厚さ(上記と同様の方法で測定したもの)との差分を取ることで算出してもよい。
〔保護膜形成用シート〕
図1は、本発明の一実施形態に係る保護膜形成用シートの断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る保護膜形成用シート2は、保護膜形成フィルム1と、保護膜形成フィルム1の一方の面(図1では下側の面)に積層された剥離シート21とを備えて構成される。ただし、剥離シート21は、保護膜形成用シート2の使用時に剥離されるものである。
剥離シート21は、保護膜形成用シート2が使用されるまでの間、保護膜形成フィルム1を保護するものであり、必ずしもなくてもよい。剥離シート21の構成は任意であり、フィルム自体が保護膜形成フィルム1に対し剥離性を有するプラスチックフィルム、およびプラスチックフィルムを剥離剤等により剥離処理したものが例示される。プラスチックフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、およびポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系等を用いることができるが、これらの中で、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。剥離シート21の厚さについては特に制限はないが、通常20〜250μm程度である。
上記のような剥離シート21は、保護膜形成フィルム1の他方の面(図1では上側の面)にも積層されてもよい。すなわち、保護膜形成フィルム1は第1の剥離シート21と第2の剥離シート21の間に挟まれていてもよい。この場合は、一方の剥離シート21の剥離力を大きくして重剥離型剥離シートとし、他方の剥離シート21の剥離力を小さくして軽剥離型剥離シートとすることが好ましい。
本実施形態に係る保護膜形成用シート2を製造するには、剥離シート21の剥離面(剥離性を有する面;通常は剥離処理が施された面であるが、これに限定されない)に、保護膜形成フィルム1を形成する。具体的には、保護膜形成フィルム1を構成する硬化性接着剤と、所望によりさらに溶媒とを含有する保護膜形成フィルム用の塗布剤を調製し、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、エアナイフコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等の塗工機によって剥離シート21の剥離面に塗布して乾燥させて、保護膜形成フィルム1を形成する。
本実施形態に係る保護膜形成用シート2を用いて、一例としてワークとしての半導体ウエハから保護膜付きチップを製造する方法を以下に説明する。最初に、表面に回路が形成され、バックグラインド加工された半導体ウエハの裏面に、保護膜形成用シート2の保護膜形成フィルム1を貼付する。このとき、所望により保護膜形成フィルム1を加熱して、粘着性を発揮させてもよい。
次いで、保護膜形成フィルム1から剥離シート21を剥離する。その後、保護膜形成フィルム1に対して紫外線を照射し、保護膜形成フィルム1を硬化させて保護膜を形成し、保護膜付き半導体ウエハを得る。紫外線照射の前または後に、所望により保護膜形成フィルム1を加熱してもよい。なお、保護膜形成フィルム1の硬化は、ダイシング工程後に行ってもよい。
本実施形態に係る保護膜形成フィルム1は、波長375nmの光線透過率が8%以上であることにより紫外線硬化性に優れるため、上記の紫外線照射により全体的に十分に硬化する。保護膜形成フィルム1に対する紫外線の照射量は、光量で50〜1000mJ/cmが好ましく、特に100〜500mJ/cmが好ましい。
上記のようにして保護膜付き半導体ウエハが得られたら、所望により、その保護膜に対してレーザー光を照射し、レーザー印字を行う。なお、このレーザー印字は、保護膜形成フィルム1の硬化前に行ってもよい。
次いで、所望のダイシングシートを使用し、常法に従って保護膜付き半導体ウエハをダイシングし、保護膜を有するチップ(保護膜付きチップ)を得る。その後は、所望によりダイシングシートを平面方向にエキスパンドし、ダイシングシートから保護膜付きチップをピックアップする。
上記のようにして得られた保護膜付きチップは、保護膜形成フィルム1(保護膜)の波長550nmの光線透過率が12%以下であることにより、バックグラインド加工による研削痕が保護膜によって隠蔽されて目視で見えないため、外観に優れる。
また、保護膜形成フィルム1の波長1600nmの光線透過率が25%以上である場合には、保護膜形成フィルム1(保護膜)における赤外線の透過性が良好になり、上記保護膜付きチップおよび保護膜付き半導体ウエハは、保護膜を介して赤外線検査を行うことができる。そのため、赤外線検査によりクラック等を発見することができ、製品歩留まりを向上させることができる。
なお、赤外線検査は、赤外線を利用して行う検査であり、保護膜付き半導体ウエハ等の保護膜付きワークまたは保護膜付きチップ等の加工物からの赤外線を、保護膜を介して取得することにより行うことができる。取得する赤外線の波長は、通常800〜2800nmであり、好ましくは1100〜2100nmである。赤外線検査の装置としては、公知の装置、例えば赤外線カメラや赤外線顕微鏡等を有するものを使用することができる。
〔保護膜形成用複合シート〕
図2は、本発明の一実施形態に係る保護膜形成用複合シートの断面図である。図2に示すように、本実施形態に係る保護膜形成用複合シート3は、基材41の一方の面に粘着剤層42が積層されてなる支持シート4と、支持シート4の粘着剤層42側に積層された保護膜形成フィルム1と、保護膜形成フィルム1における支持シート4とは反対側の周縁部に積層された治具用粘着剤層5とを備えて構成される。言い換えれば、保護膜形成用複合シート3は、基材41と、基材41上の粘着剤層42と、粘着剤層42上の保護膜形成フィルム1と、保護膜形成フィルム1上の治具用粘着剤層5とを有する。治具用粘着剤層5は、保護膜形成フィルム1の表面の法線方向から見た場合における保護膜形成フィルム1の周縁部に位置する。治具用粘着剤層5は、保護膜形成用複合シート3をリングフレーム等の治具に接着するための層である。
本実施形態に係る保護膜形成用複合シート3は、ワークを加工するときに、当該ワークに貼付されて当該ワークを保持するとともに、当該ワークまたは当該ワークを加工して得られる加工物に保護膜を形成するために用いられる。この保護膜は、保護膜形成フィルム1、好ましくは硬化した保護膜形成フィルム1から構成される。
本実施形態に係る保護膜形成用複合シート3は、一例として、ワークとしての半導体ウエハのダイシング加工時に半導体ウエハを保持するとともに、ダイシングによって得られる半導体チップに保護膜を形成するために用いられるが、これに限定されるものではない。この場合における保護膜形成用複合シート3の支持シート4は、通常、ダイシングシートと称される。
1.支持シート
本実施形態に係る保護膜形成用複合シート3の支持シート4は、基材41と、基材41の一方の面に積層された粘着剤層42とを備えて構成されてもよいが、支持シート4は、基材41のみからなるものであることが好ましい。この場合、本実施形態の保護膜形成フィルム1が紫外線照射により硬化すると、後述する保護膜形成用複合シートの使用方法の一例において、保護膜付きチップを支持シート4からピックアップすることが容易となるという利点がある。なお、支持シート4が基材41のみからなるものである場合、基材41にはプライマー層や帯電防止層、耐熱層、応力緩和層等が設けられていてもよい。
1−1.基材
支持シート4の基材41は、ワークの加工、例えば半導体ウエハのダイシングおよびエキスパンディングに適するものであれば、その構成材料は特に限定されず、通常は樹脂系の材料を主材とするフィルム(以下「樹脂フィルム」という。)から構成される。
樹脂フィルムの具体例として、低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム等のポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、エチレン−ノルボルネン共重合体フィルム、ノルボルネン樹脂フィルム等のポリオレフィン系フィルム;エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム等のエチレン系共重合フィルム;ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム等のポリ塩化ビニル系フィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム;ポリウレタンフィルム;ポリイミドフィルム;ポリスチレンフィルム;ポリカーボネートフィルム;フッ素樹脂フィルムなどが挙げられる。またこれらの架橋フィルム、アイオノマーフィルムのような変性フィルムも用いられる。上記の基材41はこれらの1種からなるフィルムでもよいし、さらにこれらを2種類以上組み合わせた積層フィルムであってもよい。なお、本明細書における「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を意味する。他の類似用語についても同様である。上記の中でも、環境安全性、コスト等の観点から、ポリオレフィン系フィルムが好ましい。
上記樹脂フィルムは、その表面に積層される粘着剤層42との密着性を向上させる目的で、所望により片面または両面に、酸化法や凹凸化法などによる表面処理、あるいはプライマー処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸化処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン、紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶射処理法などが挙げられる。
基材41は、上記樹脂フィルム中に、着色剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー等の各種添加剤を含有してもよい。
基材41の厚さは、保護膜形成用複合シート3が使用される各工程において適切に機能できる限り、特に限定されない。好ましくは20〜450μm、より好ましくは25〜400μm、特に好ましくは50〜350μmの範囲である。ここで、基材41の厚さは、基材41の任意の5箇所で、接触式厚み計で厚さを測定した平均で表される値である。
本実施形態における支持シート4の基材41の破断伸度は、23℃、相対湿度50%のときに測定した値として100%以上であることが好ましく、特に200〜1000%であることが好ましい。ここで、破断伸度はJIS K7161:1994(ISO 527−1 1993)に準拠した引張り試験における、試験片破壊時の試験片の長さの元の長さに対する伸び率である。上記の破断伸度が100%以上である基材41は、エキスパンド工程の際に破断し難く、ワークを切断して形成したチップを離間し易いものとなる。
また、本実施形態における支持シート4の基材41の25%ひずみ時引張応力は5〜15N/10mmであることが好ましく、最大引張応力は15〜50MPaであることが好ましい。ここで25%ひずみ時引張応力および最大引張応力はJIS K7161:1994に準拠した試験により測定される。25%ひずみ時引張応力が5N/10mm以上、最大引張応力が15MPa以上であると、ダイシングシート1にワークを貼着した後、リングフレームなどの枠体に固定した際、基材2に弛みが発生することが抑制され、搬送エラーが生じることを防止することができる。一方、25%ひずみ時引張応力が15N/10mm以下、最大引張応力が50MPa以下であると、エキスパンド工程時にリングフレームからダイシングシート1自体が剥がれたりすることが抑制される。なお、上記の破断伸度、25%ひずみ時引張応力、最大引張応力は基材41における原反の長尺方向について測定した値を指す。
1−2.粘着剤層
本実施形態に係る保護膜形成用複合シート3の支持シート4が備える粘着剤層42は、紫外線で硬化しないタイプの粘着剤(紫外線非硬化性粘着剤)または紫外線で硬化するタイプの粘着剤を予め硬化させた粘着剤から構成されることが好ましい。予め硬化されていない紫外線で硬化するタイプの粘着剤(紫外線硬化性粘着剤)の場合、保護膜形成フィルム1を硬化させる際に、保護膜形成用複合シート3に紫外線を照射すると、当該粘着剤層42が含有する成分の一つ以上が通常有する紫外線硬化性基と、保護膜形成フィルム1の紫外線硬化性成分(A)が有する紫外線硬化性基とが反応し、粘着剤層42と保護膜形成フィルム1との間で両者を剥離することが困難となる懸念がある。
紫外線非硬化性粘着剤としては、所望の粘着力および再剥離性を有するものが好ましく、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤等を使用することができる。これらの中でも、保護膜形成フィルム1との密着性が高く、ダイシング工程等にてワークまたは加工物の脱落を効果的に抑制することのできるアクリル系粘着剤が好ましい。また、紫外線で硬化するタイプの粘着剤を予め硬化させた粘着剤を使用する場合、公知の紫外線で硬化するタイプの粘着剤によって未硬化の粘着剤層42を形成し、その製造時点で紫外線を照射して粘着剤を硬化させておけばよい。
粘着剤層42の厚さは、保護膜形成用複合シート3が使用される各工程において適切に機能できる限り、特に限定されない。具体的には、1〜50μmであることが好ましく、特に2〜30μmであることが好ましく、さらには3〜20μmであることが好ましい。ここで、粘着剤層42の厚さは、粘着剤層42の任意の5箇所で、接触式厚み計で厚さを測定した平均で表される値である。なお粘着剤層42の厚さを測定する際、直接に接触式厚み計を適用することが困難であるときは、基材フィルムや、後述する剥離材など、他のフィルムが重ね合わされた状態で、上記と同様に全体の厚さを測定し、重ね合わせられていた他のフィルムの厚さ(上記と同様の方法で測定したもの)との差分を取ることで算出してもよい。
治具用粘着剤層5を構成する粘着剤としては、所望の粘着力および再剥離性を有するものが好ましく、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤等を使用することができる。これらの中でも、リングフレーム等の治具との密着性が高く、ダイシング工程等にてリングフレーム等から保護膜形成用複合シート3が剥がれることを効果的に抑制することのできるアクリル系粘着剤が好ましい。なお、治具用粘着剤層5の厚さ方向の途中には、芯材としての基材が介在していてもよい。
一方、治具用粘着剤層5の厚さは、リングフレーム等の治具に対する接着性の観点から、5〜200μmであることが好ましく、特に10〜100μmであることが好ましい。
後述の保護膜形成用複合シート3を用いた保護膜付チップの製造方法において説明するように、保護膜形成用複合シート3を半導体ウエハに貼付した後に、支持シート4を介して保護膜形成フィルム1に紫外線を照射することがある。したがって、このような場合に保護膜形成フィルム1の硬化が進行しやすくなるように、支持シート4の紫外線の透過性は、高いことが好ましい。
2.保護膜形成用複合シートの製造方法
保護膜形成用複合シート3は、好ましくは、保護膜形成フィルム1を含む第1の積層体と、支持シート4を含む第2の積層体とを別々に作製した後、第1の積層体および第2の積層体を使用して、保護膜形成フィルム1と支持シート4とを積層することにより製造することができるが、これに限定されるものではない。
第1の積層体を製造するには、第1の剥離シートの剥離面に、保護膜形成フィルム1を形成する。具体的には、保護膜形成フィルム1を構成する硬化性接着剤と、所望によりさらに溶媒とを含有する保護膜形成フィルム用の塗布剤を調製し、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、エアナイフコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等の塗工機によって第1の剥離シートの剥離面に塗布して乾燥させて、保護膜形成フィルム1を形成する。次に、保護膜形成フィルム1の露出面に第2の剥離シートの剥離面を重ねて圧着し、2枚の剥離シートに保護膜形成フィルム1が挟持されてなる積層体(第1の積層体)を得る。
この第1の積層体においては、所望によりハーフカットを施し、保護膜形成フィルム1(および第2の剥離シート)を所望の形状、例えば円形等にしてもよい。この場合、ハーフカットにより生じた保護膜形成フィルム1および第2の剥離シートの余分な部分は、適宜除去すればよい。
一方、第2の積層体を製造するには、第3の剥離シートの剥離面に、粘着剤層42を構成する粘着剤と、所望によりさらに溶媒とを含有する粘着剤層用の塗布剤を塗布し乾燥させて粘着剤層42を形成する。その後、粘着剤層42の露出面に基材41を圧着し、基材41および粘着剤層42からなる支持シート4と、第3の剥離シートとからなる積層体(第2の積層体)を得る。紫外線で硬化するタイプの粘着剤を予め硬化させた粘着剤を用いる場合には、好ましくは第2の積層体を得た後の段階で、紫外線を照射して粘着剤を硬化させる。
以上のようにして第1の積層体および第2の積層体が得られたら、第1の積層体における第2の剥離シートを剥離するとともに、第2の積層体における第3の剥離シートを剥離し、第1の積層体にて露出した保護膜形成フィルム1と、第2の積層体にて露出した支持シート4の粘着剤層42とを重ね合わせて圧着する。支持シート4は、所望によりハーフカットし、所望の形状、例えば保護膜形成フィルム1よりも大きい径を有する円形等にしてもよい。このとき、ハーフカットにより生じた支持シート4の余分な部分は、適宜除去すればよい。この場合には、図3に示す形態の保護膜形成用シート3が得られることとなる。
このようにして、基材41の上に粘着剤層42が積層されてなる支持シート4と、支持シート4の粘着剤層42側に積層された保護膜形成フィルム1と、保護膜形成フィルム1における支持シート4とは反対側に積層された第1の剥離シートとからなる保護膜形成用複合シート3が得られる。最後に、第1の剥離シートを剥離した後、保護膜形成フィルム1における支持シート4とは反対側の周縁部に、治具用粘着剤層5を形成する。治具用粘着剤層5も、上記粘着剤層42と同様の方法により塗布し形成することができる。
3.保護膜形成用複合シートの使用方法
本実施形態に係る保護膜形成用複合シート3を用いて、一例としてワークとしての半導体ウエハから保護膜付きチップを製造する方法を以下に説明する。
図4に示すように、保護膜形成フィルム1を半導体ウエハ6に貼付するとともに、治具用粘着剤層5をリングフレーム7に貼付する。保護膜形成フィルム1を半導体ウエハ6に貼付するにあたり、所望により保護膜形成フィルム1を加熱して、粘着性を発揮させてもよい。
その後、支持シート4を介して保護膜形成フィルム1に対して紫外線を照射し、保護膜形成フィルム1を硬化させて保護膜を形成し、保護膜付き半導体ウエハ6を得る。紫外線照射の前または後に、所望により保護膜形成フィルム1を加熱してもよい。なお、保護膜形成フィルム1の硬化は、ダイシング工程後に行ってもよいし、支持シート4から保護膜形成フィルム付きチップをピックアップした後に行ってもよい。
本実施形態に係る保護膜形成フィルム1は、波長375nmの光線透過率が8%以上であることにより紫外線硬化性に優れるため、上記の紫外線照射により全体的に十分に硬化する。保護膜形成フィルム1に対する紫外線の照射量は、光量で50〜1000mJ/cmが好ましく、特に100〜500mJ/cmが好ましい。
上記のようにして保護膜付き半導体ウエハ6が得られたら、所望により、その保護膜に対して、支持シート4を介してレーザー光を照射し、レーザー印字を行う。なお、このレーザー印字は、保護膜形成フィルム1の硬化前に行ってもよい。
次いで、常法に従って保護膜付き半導体ウエハ6をダイシングし、保護膜を有するチップ(保護膜付きチップ)を得る。その後は、所望により支持シート4を平面方向にエキスパンドし、支持シート4から保護膜付きチップをピックアップする。
上記のようにして得られた保護膜付きチップは、保護膜形成フィルム1(保護膜)の波長550nmの光線透過率が12%以下であることにより、バックグラインド加工による研削痕が保護膜によって隠蔽されて目視で見えないため、外観に優れる。
また、保護膜形成フィルム1の波長1600nmの光線透過率が25%以上である場合には、保護膜形成フィルム1(保護膜)における赤外線の透過性が良好になり、上記保護膜付きチップおよび保護膜付き半導体ウエハは、保護膜を介して赤外線検査を行うことができる。そのため、赤外線検査によりクラック等を発見することができ、製品歩留まりを向上させることができる。
4.保護膜形成用複合シートの他の実施形態
図3は、本発明の他の実施形態に係る保護膜形成用複合シートの断面図である。図3に示すように、本実施形態に係る保護膜形成用複合シート3Aは、基材41の一方の面に粘着剤層42が積層されてなる支持シート4と、支持シート4の粘着剤層42側に積層された保護膜形成フィルム1とを備えて構成される。実施形態における保護膜形成フィルム1は、面方向にてワークとほぼ同じか、ワークよりも少し大きく形成されており、かつ支持シート4よりも面方向に小さく形成されている。保護膜形成フィルム1が積層されていない部分の粘着剤層42は、リングフレーム等の治具に貼付することが可能となっている。
本実施形態に係る保護膜形成用複合シート3Aの各部材の材料および厚さ等は、前述した保護膜形成用複合シート3の各部材の材料および厚さと同様である。
なお、保護膜形成用複合シート3Aの支持シート4の粘着剤層42における基材41とは反対側の周縁部には、前述した保護膜形成用複合シート3の治具用粘着剤層5と同様の治具用粘着剤層が別途設けられていてもよい。言い換えれば、保護膜形成用複合シート3Aは、基材41と、基材41上の粘着剤層42と、粘着剤層42上の保護膜形成フィルム1と、粘着剤層42上であり、保護膜形成フィルム1の周縁部に位置する治具用粘着剤層5を有してもよい。この場合、支持シート4は、基材41のみからなってもよい。つまり、保護膜形成用複合シート3Aは、基材41と、基材41上の保護膜形成フィルム1と、基材41上であり、保護膜形成フィルム1の周縁部に位置する治具用粘着剤層5を有してもよい。
また、図3の構成において、粘着剤層42に、紫外線で硬化するタイプの粘着剤を予め硬化させた粘着剤を用いる場合には、粘着剤層42の平面視における内周部のみを予め硬化させてもよい。これにより、リングフレーム等の治具に貼付される外周部は高い粘着性が維持されており、支持シート4の治具への固定が容易となる。
さらに、図3において、粘着剤層42と保護膜形成フィルム1との間に、剥離力調整層を設けてもよい。言い換えれば、保護膜形成用複合シート3Aは、基材41と、基材41上の粘着剤層42と、粘着剤層42上の剥離力調整層と、剥離力調整層上の保護膜形成フィルム1とを有してもよい。これにより、剥離力調整層と保護膜形成フィルム1との間の剥離を容易に行うことができる。加えて、保護膜(保護膜形成フィルム)付きチップをピックアップする工程への影響を考慮する必要のない粘着剤層42には、強い粘着性を付与して、支持シート4の治具への固定を容易とすることができる。剥離力調整層は、たとえば、粘着剤層42に用いる粘着剤よりも粘着力の低い粘着剤から形成することができ、また、樹脂フィルム(剥離処理したものを含む)から形成することもできる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、保護膜形成用複合シート3,3Aの保護膜形成フィルム1における支持シート4とは反対側には、剥離シートが積層されてもよい。
以下、実施例等により本発明のいくつかの態様をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
次の各成分を表1に示す配合比(質量比;固形分換算)で混合し、固形分濃度が54質量%となるようにメチルエチルケトンで希釈して、保護膜形成フィルム用塗布剤を調製した。
(a)紫外線硬化性成分:2−エチルヘキシルアクリレート80質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート20質量部を共重合してなるアクリル系重合体の2−ヒドロキシエチルアクリレート由来の水酸基100モルに対して、80モルに相当する量のメタクリロイルオキシエチルイソシアネートを反応させて得られた、側鎖に紫外線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(重量平均分子量:40万,ガラス転移温度:−10℃)
(b1)赤色着色剤:ジケトピロロピロール系赤色色素(山陽色素社製,Pigment Red264)
(b2)黒色着色剤:カーボンブラック(三菱化学社製,#MA600B,平均粒径28nm)
(c)フィラー:シリカフィラー(アドマテックス社製,SC2050MA,平均粒径0.5μm)
(d)熱硬化性成分:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製,JER828,エポキシ当量183〜194g/eq)
(e)光重合開始剤:1−ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(BASF社製, イルガキュア184)
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面にシリコーン系の剥離剤層が形成されてなる第1の剥離シート(リンテック社製:SP−PET3811,厚さ38μm)と、PETフィルムの片面にシリコーン系の剥離剤層が形成されてなる第2の剥離シート(リンテック社製:SP−PET381031,厚さ38μm)とを用意した。
第1の剥離シートの剥離面上に、前述の保護膜形成フィルム用塗布剤を、ナイフコーターにて塗布した後、オーブンにて120℃で2分間乾燥させて、保護膜形成フィルムを形成した。得られた保護膜形成フィルムの厚さは25μmであった。次いで、保護膜形成フィルムに第2の剥離シートの剥離面を重ねて両者を貼り合わせ、第1の剥離シート(図1における剥離シート21)と、保護膜形成フィルム(図1における保護膜形成フィルム1)(厚さ:25μm)と、第2の剥離シートとからなる保護膜形成用シートを得た。
〔実施例2〜3,比較例1〜2〕
保護膜形成フィルムを構成する各成分の種類および配合量を表1に示すように変更する以外、実施例1と同様にして保護膜形成用シートを製造した。
なお、各例における着色剤の含有量W(質量%)を、保護膜形成フィルムの厚さT(μm)で除した値W/Tを算出し、これを表1に示した。
〔試験例1〕<光線透過率の測定>
実施例および比較例で得られた保護膜形成用シートから第2の剥離シートを剥離し、70℃、1.2m/minの条件で、ローラー式ラミネーターでガラス板にラミネートした。その後、第1の剥離シートを剥離して、これを測定用サンプルとした。
分光光度計(SHIMADZU社製,UV−VIS−NIR SPECTROPHOTOMETER UV−3600)を用いて、上記測定用サンプルの光線透過率を測定し、波長375nm(紫外光)、550nm(可視光)および1600nm(赤外光)の光線透過率(%)を抽出した。測定には、内蔵の積分球を使用した。結果を表1に示す。また、光線透過率の測定結果をグラフとして図5に示す。表1及び図5が示すように、比較例1では、赤外光の透過率は高いが、可視光の透過率が45.8%と高い。比較例2については、いずれの波長の光線透過率もほぼ0%である。一方で実施例1〜3では、波長375nmの光線透過率が8%以上であり、波長550nmの光線透過率が12%以下であり、波長1600nmの光線透過率が25%以上である。
〔試験例2〕<研削痕隠蔽性評価>
実施例および比較例で得られた保護膜形成用シートから第2の剥離シートを剥離し、保護膜形成フィルムを露出させた。#2000研磨したシリコンウエハ(直径200mm,厚さ350μm)の研磨面に、上記保護膜形成フィルムを、テープマウンター(リンテック社製 Adwill RAD−3600 F/12)を用いて70℃に加熱しながら貼付した。
次いで、紫外光照射機(リンテック社製,ADWILL RAD−2000)を用いて、上記保護膜形成フィルムに対して紫外線を照射し(照射条件:照度215mW/cm、光量187mJ/cmで3回照射,窒素パージなし)、保護膜形成フィルムを硬化させて保護膜とした。その後、第1の剥離シートを剥離して、保護膜付きシリコンウエハを得た。
得られた保護膜付きシリコンウエハについて、シリコンウエハの研磨面の研削痕が保護膜を通して見えるかどうかを目視で観察した。その結果、研削痕が見えなかったものを良好、研削痕が見えたものを不良と評価した。結果を表1に示す。
〔試験例3〕<プローブタックの測定>
紫外光照射機(リンテック社製,ADWILL RAD−2000)を用いて、実施例および比較例で得られた保護膜形成用シートの第1の剥離シート側から、当該保護膜形成用シートに対して紫外線を照射し(照射条件:照度215mW/cm、光量187mJ/cmで3回照射,窒素パージなし)、保護膜形成フィルムを硬化させて保護膜とした。
次いで、上記保護膜を含む積層体を1cm四方の正方形に切り出し、第2の剥離シートを剥離した。露出した保護膜に、70℃、1.2m/minの条件で、ローラー式ラミネーターを用いて、基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)を常温で貼り合わせた。その後、紫外線照射面側の第1の剥離シートを剥離し、これを第1のサンプル(紫外線照射面測定用)とした。
同様に、上記保護膜を含む積層体を1cm四方の正方形に切り出し、第1の剥離シートを剥離した。露出した保護膜に、70℃、1.2m/minの条件で、ローラー式ラミネーターを用いて、基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)を常温で貼り合わせた。その後、紫外線照射反対面側の第2の剥離シートを剥離し、これを第2のサンプル(紫外線照射反対面測定用)とした。
タッキング試験機(レスカ社製,RHESCA PROBE TACK TESTER model RPT100)を用いて、上記第1のサンプルにおける保護膜の露出面(紫外線照射面)のプローブタック値(ピーク値P1,エネルギー値E1)、および上記第2のサンプルにおける保護膜の露出面(紫外線照射反対面)のプローブタック値(ピーク値P2,エネルギー値E2)を測定した。測定条件は以下の通りである。また、測定結果から、ピーク値P1に対するピーク値P2の比P2/P1、およびエネルギー値E1に対するエネルギー値E2の比E2/E1を算出した。結果を表1に示す。
<プローブタック値の測定条件>
・スピード:600mm/sec
・押し付け荷重:0.98N
・押し付け時間:1秒
Figure 2016068042
表1から明らかなように、実施例で得られた保護膜形成フィルム(保護膜)における紫外線照射面のプローブタック値と紫外線照射面の反対側の面とのプローブタック値は近似している。このことから、実施例の保護膜は、紫外線照射面から紫外線照射反対面にかけて、厚み方向全体的に硬化していることが分かる。また、実施例の保護膜は、研削痕隠蔽性にも優れている。
本発明に係る保護膜形成フィルム、保護膜形成用シートおよび保護膜形成用複合シートは、半導体ウエハから、保護膜を有するチップを製造するのに好適に用いられる。
1…保護膜形成フィルム
2…保護膜形成用シート
21…剥離シート
3,3A…保護膜形成用複合シート
4…支持シート
41…基材
42…粘着剤層
5…治具用粘着剤層
6…半導体ウエハ
7…リングフレーム

Claims (10)

  1. 紫外線硬化性成分を含有し、
    波長375nmの光線透過率が8%以上であり、
    波長550nmの光線透過率が12%以下である保護膜形成フィルム。
  2. 着色剤をさらに含有する請求項1に記載の保護膜形成フィルム。
  3. 前記着色剤が、赤色着色剤である請求項2に記載の保護膜形成フィルム。
  4. 前記着色剤が、有機系の着色剤である請求項2または3に記載の保護膜形成フィルム。
  5. 前記保護膜形成フィルムにおける前記着色剤の含有量W(質量%)を、前記保護膜形成フィルムの厚さT(μm)で除した値W/Tが、0.01〜0.5である請求項2〜4のいずれか一項に記載の保護膜形成フィルム。
  6. 前記保護膜形成フィルムに対し一方の面側から、照度215mW/cm、光量187mJ/cmの紫外線を3回照射した場合に、紫外線照射面のプローブタックのピーク値P1に対する前記紫外線照射面とは反対側の面のプローブタックのピーク値P2の比P2/P1が、0.1〜7となる請求項1〜5のいずれか一項に記載の保護膜形成フィルム。
  7. 波長1600nmの光線透過率が25%以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載の保護膜形成フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の保護膜形成フィルムと、
    前記保護膜形成フィルムの一方の面または両面に積層された剥離シートとを備える保護膜形成用シート。
  9. 支持シートと、
    前記支持シートの一方の面側に積層された請求項1〜7のいずれか一項に記載の保護膜形成フィルムと
    を備える保護膜形成用複合シート。
  10. 前記支持シートは、基材と前記基材の前記保護膜形成フィルム側に積層された粘着剤層とからなるか、基材からなる請求項9に記載の保護膜形成用複合シート。
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