JP2003305792A - 積層樹脂シート - Google Patents

積層樹脂シート

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JP2003305792A
JP2003305792A JP2002112414A JP2002112414A JP2003305792A JP 2003305792 A JP2003305792 A JP 2003305792A JP 2002112414 A JP2002112414 A JP 2002112414A JP 2002112414 A JP2002112414 A JP 2002112414A JP 2003305792 A JP2003305792 A JP 2003305792A
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resin sheet
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JP2002112414A
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Nobuaki Ito
伸明 伊藤
Akimitsu Tsukuda
佃  明光
Kenta Nishihara
健太 西原
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層回路基板の薄物化と良絶縁性、さらにレ
ーザーを使用したビアホール形成を、効率よく、微細か
つ高精度に行うことができる積層樹脂シートを提供す
る。 【解決手段】樹脂フィルム層、接着剤層および保護層が
この順に積層された層状構成を有し、これら各層が、波
長域330〜500nmにおいて光線吸収率が60%以
上となる波長を有している積層樹脂シートととする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層回路基板(リ
ジッド基板、フレキシブル基板)の層間の絶縁材料に好
適に用いることができる積層樹脂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気、電子製品の小型化が進み、
これに使用する回路や回路部品も小型化が進んでいる。
例えばコンデンサーや抵抗などの部品はチップ化して小
型になり、実装密度の向上が進んでいる。このような平
面での実装密度を上げることと同時に、回路を何層にも
積層し、実装の体積密度を向上させることも進んでい
る。
【0003】この回路基板同士の接着と絶縁には樹脂シ
ートが使用されており、より高密度化のために薄物化の
必要性が高くなっているが、従来の技術では層間の絶縁
性を保てなくなる問題があった。
【0004】また多層化して厚み方向の接続を行うため
に、ビアホールと呼ばれる細孔を絶縁層に穿ち回路形成
を行うことが行われているが、このビアホールを小さ
く、かつ高精度に穿つには樹脂シートの厚みと穴空けに
使用されるレーザー光に適した樹脂シートの特性が非常
に重要になってきた。レーザー光としては従来炭酸ガス
レーザーが多用されてきたが、より微細なビアホールの
形成には波長の短いYAGレーザーが適しており、この
使用が始まっている。
【0005】しかしレーザーでのビアホール加工性を上
げるために樹脂シートを薄くすると、絶縁性が悪化する
問題が起こり、薄膜化と絶縁性を同時に満足することが
できなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解消するためになされたもので、多層回路基板の薄層
化と良絶縁性、さらにビアホール加工性の良好な積層樹
脂シートの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、樹脂フィルム層、接着剤層および保護層が
この順に積層された層状構成を有し、これら各層が、波
長域330〜500nmにおいて光線吸収率が60%以
上となる波長を有している積層樹脂シートを特徴とす
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において用いる樹脂フイル
ム層は、耐熱性を有していることが好ましく、200℃
で30分加熱したときの熱収縮率が3%以下であるフイ
ルムを用いることが好ましい。具体的には、芳香族ポリ
イミドや芳香族ポリアミド、ポリーエテルイミド、ポリ
エーテルスルホン、ポリパラベンゾイミダゾール、ポリ
パラベンゾオキサゾールなどを用いたフィルムが挙げら
れるが、耐熱性が良好でかつ剛性の高い芳香族ポリアミ
ドを用いることが好ましい。
【0009】芳香族ポリアミドとしては、次の一般式
(I)および/または一般式(II)で表わされる繰り
返し単位からなるものが好ましい。 一般式(I)
【0010】
【化1】 一般式(II)
【0011】
【化2】 ここで、Ar1、Ar2、Ar3は 例えば、
【0012】
【化3】 などが挙げられ、X、Yは −O−、−CH2−、−CO−、−SO2−、−S−、−
C(CH32− 等から選ばれるが、これに限定されるものではない。更
にこれらの芳香環上の水素原子の一部が、ハロゲン基
(特に塩素)、ニトロ基、C1〜C3のアルキル基(特に
メチル基)、C1〜C3のアルコキシ基などの置換基で置
換されているものも含み、また、重合体を構成するアミ
ド結合中の水素が他の置換基によって置換されているも
のも含む。また芳香族ポリアミドは、一般式(I)およ
び/または一般式(II)で表される繰り返し単位を5
0モル%以上含むものが好ましく、たとえば芳香族ポリ
イミドなど他の繰り返し単位が50モル%未満、共重
合、または、ブレンドされていてもよく、またフィルム
の物性を損なわない程度に、滑剤、酸化防止剤その他の
添剤等がブレンドされていてもよい。
【0013】また上記樹脂フイルム層のヤング率は全方
向で7GPa以上が好ましく、より好ましくは9GPa
以上である。ヤング率が高いことで薄物でも腰のあるフ
イルムとなる。
【0014】上記樹脂フイルム層の厚みは、2〜30μ
mであることが好ましく、より好ましくは3〜15μ
m、さらに好ましくは3〜9μmである。2μmより薄
くなるとハンドリング性や信頼性が悪化する傾向にあ
り、逆に30μmを超えると積層時の厚みが増し回路基
板が厚くなってしまう。
【0015】この樹脂フイルム層には、微粒子を存在さ
せてハンドリング性を向上させることが好ましい。粒子
の種類としては、SiO2、TiO2、Al23、CaS
4、BaSO4、CaCO3、カーボンブラック、ゼオ
ライト、その他の無機粒子などを用いることができる。
その他にシリコン粒子、ポリイミド粒子、架橋共重合体
粒子、架橋ポリエステル粒子、テフロン(登録商標)粒
子、ポリエーテルスルホン粒子、ポリエーテルイミド粒
子などの有機粒子でもよい。これらの粒子は平均粒子径
が10nm〜1μm、添加量は0.01〜2wt%が好
ましい。
【0016】また、樹脂フィルム層の表面粗さRz(十
点平均粗さ)は5〜1,000nmが好ましく、より好
ましくは10〜500nmである。
【0017】さらに、熱膨張係数は1×10ー61/℃以
上80×10ー61/℃以下が好ましく、より好ましくは
2×10ー61/℃以上50×10ー61/℃以下である。
【0018】また、200℃で30分加熱した際の熱収
縮率は2%以下が好ましく、より好ましくは1%以下で
ある。
【0019】伸度は10%以上が好ましく、より好まし
くは20%以上、更に好ましくは30%以上であるとし
なやかで加工性がよく望ましい。
【0020】吸湿率(25℃、75%RHで平衡になっ
た時の値)は4%以下が好ましく、より好ましくは3%
以下である。吸湿率が小さいほど加工時に発泡が解消さ
れ、また製品になってからも湿度変化による寸法変化が
小さく良好な特性が得られる。
【0021】さて、本発明の積層樹脂シートは、上記の
樹脂フィルム層、接着剤層および保護層がこの順に積層
された層状構成を有し、これら各層が、波長域330〜
500nmにおいて光線吸収率が60%以上となる波長
を有していることを特徴としている。好ましくは、上記
の光線吸収率が70%以上となる波長が存在しているこ
とである。もちろん、上記の330〜500nmの波長
領域全域に渡って光線吸収率が60%以上であることが
好ましいが、上記波長領域の一部の領域または波長にお
いても60%以上の光線吸収率があると本発明の目的を
達成することができる。
【0022】ビアホール加工に使用されるレーザーには
炭酸ガスレーザーやYAGレーザーなどがあるが、微細
な径のビアホールを空けるにはYAGレーザーが有効で
あり、レーザーの波長が330〜500nmであると、
微細で高精度のビアホール形成が可能である。本発明の
積層樹脂シートは、上記波長領域における光線吸収率が
良好であるため、微細なビアホールを高精度に、また効
率的に穿つことができる。なおこの吸収が存在しなかっ
たり、60%を下回ることがあると、レーザーによるビ
アホール加工ができないか、加工できても非常に時間が
かかり、生産速度が低下して実用的ではなくなる。
【0023】上記の光線吸収特性は、積層樹脂シート全
体として満足していること、すなわち、樹脂フィルム
層、接着剤層および保護層のいずれの層も満足している
ことが重要である。
【0024】上記接着剤層は、樹脂フィルム層の少なく
とも一方の面に設けられるが、その厚みは、3〜60μ
mであることが好ましい。より好ましくは4〜30μ
m、さらに好ましくは6〜15μmである。3μmを下
回ると、積層時に回路間に充分樹脂が充たされず、気泡
を噛んだり密着力が低下する傾向がある。一方、60μ
mを超えると層間が厚くなり、小型化や軽量化の妨げと
なる。またレーザーでビアホール加工する際に、精度の
良い穴加工ができにくくなる。
【0025】この接着剤層に用いる材料としては、ポリ
エステル系やポリウレタン系、エポキシ系、フェノール
系、ポリイミド系等の樹脂が挙げられるが、特に接着性
と耐熱性の点からはエポキシ系の材料を用いることが好
ましい。
【0026】なお積層方法にもよるが、上記接着剤層は
樹脂フィルム層の両面に設けてもよい。この場合、積層
構成は、保護層、接着剤層、樹脂フィルム層、接着剤
層、保護層の順となる。もちろん、必要に応じて、両面
で各層の厚みが異なっていても構わない。
【0027】本発明においては、上記接着剤層の上に保
護層を有している。これは一般に高分子フイルムを用い
るとよいが、好ましくはこの接着剤層の表面にシリコー
ン、フッ素元素などを含んだ離型剤を塗布しておくとよ
い。この保護層の厚みは5〜60μmが好ましく、より
好ましくは8〜40μmであり、さらに好ましくは8〜
25μmである。
【0028】保護層には、ポリエステルフイルム、ポリ
オレフィンフイルム、芳香族ポリアミドフイルム、芳香
族ポリイミドフイルムおよびポリフェニレンスルフィド
フイルムからなる群から選ばれる少なくとも1種のフィ
ルムを用いることが好ましい。これら保護層として用い
るフィルムは、上記樹脂フィルム層に用いても良い。そ
の場合、同種のフィルムを用いてもよいし、それぞれ異
なるフィルムを用いても構わない。
【0029】次に本発明の積層樹脂シートの製造方法に
ついて説明するがこれに限定されるものではない。
【0030】まず樹脂フィルムについて、芳香族ポリア
ミドフイルムを例にとって説明する。
【0031】まず酸クロリドとジアミンから得る場合に
は、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセト
アミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)
などの非プロトン性有機極性溶媒中で、溶液重合した
り、水系媒体を使用する界面重合などで合成される。単
量体として酸クロリドとジアミンを使用することによっ
て副生する塩化水素を中和する場合には、水酸化カルシ
ウム、水酸化リチウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウム
などの無機の中和剤、または、エチレンオキサイド、プ
ロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、
トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機
の中和剤が使用される。また、イソシアネートとカルボ
ン酸との反応は、非プロトン性有機極性溶媒中、触媒の
存在下で行なわれる。
【0032】これらのポリマ溶液はそのまま製膜原液と
して使用してもよく、あるいはポリマを一度単離してか
ら上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製
膜原液を調製してもよい。
【0033】芳香族ポリアミドフィルムのポリマの固有
粘度(ポリマ0.5gを硫酸中で100mlの溶液とし
て30℃で測定した値)は、0.5以上であることが好
ましい。
【0034】製膜原液には溶解助剤として無機塩、例え
ば、塩化カルシウム、塩化マグネシム、塩化リチウム、
硝酸リチウムなどを添加する場合もある。製膜原液中の
ポリマ濃度は2〜40wt%程度が好ましい。
【0035】上記のように調製された製膜原液は、いわ
ゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製
膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがありいづれの
方法で製膜されてもよいが、ここでは乾湿式法を例にと
って説明する。
【0036】乾湿式法で製膜する場合は、該原液を口金
からニッケル、ステンレス、銅、チタン、ハステロイ、
タンタル等の材質からなるドラム、エンドレスベルト等
の支持体上に押し出して薄膜とし、次いでかかる薄膜層
から溶媒を飛散させ薄膜が自己保持性を持つまで乾燥す
る。乾燥条件は室温〜250℃、60分以内が好まし
く、より好ましくは室温〜200℃である。乾燥温度が
250℃を超えると急激な加熱によるボイドの発生、表
面の荒れ等が起こり実用的なフィルムが得られにくい。
【0037】上記乾式工程を終えたフィルムは支持体か
ら剥離されて湿式工程に導入され、ここでフィルム中に
含有されている溶剤や不純物が除去される。この浴は一
般に水系媒体からなるものであり、水の他に有機溶媒や
無機塩等を含有してもよい。また、この浴は、水を30
wt%以上、好ましくは50wt%以上含有するのが好
ましく、浴温度は通常0〜100℃で使用される。さら
にフイルム中の不純物を減少させるために浴温を50℃
以上に上げたり、あるいは有機溶剤の浴を設けてこの中
を通すことが有効である。
【0038】湿式工程を出たフィルムは更に乾燥、延伸
が行われる。乾燥、延伸は200〜400℃で、延伸倍
率は面倍率で0.9〜5(面倍率とは延伸後のフィルム
面積を延伸前のフィルムの面積で除した値で定義する。
1以下はリラックスを意味する。)が好ましく、より好
ましい延伸倍率は1.2〜3である。
【0039】次にこのフィルムに接着剤層を設ける。事
前にグロー放電処理やグロー放電処理、コロナ処理など
の表面処理を行うとフイルムとの密着性が向上するので
好ましい。方法としては塗布法などがある。接着剤組成
物としては、エポキシ樹脂、フェーノール樹脂等の熱硬
化型やアクリロニトリルなどのエラストマー成分、フェ
ノキシ樹脂などの線状高分子などによって構成すること
ができる。これらをフイルム上に塗布するには、リバー
スコーターやダイコーター、グラビアロールなどで行わ
れる。
【0040】さらにこの接着剤層の上に保護層をラミネ
ートして巻き取って製品とする。保護層と接着剤層との
間には必要に応じて離型剤層を設けても良い。方法とし
ては保護層フィルムに離型剤を塗布したものを用いるこ
とが挙げられる。離型剤としてはシリコン系やフッ素系
の材料が好ましい。
【0041】以上の方法を経て積層樹脂シートが得られ
る。
【0042】本発明の積層樹脂シートは、多層回路基
板、特にビルドアップ型の多層回路基板に使用すると、
回路の小型、軽量化に大きな効果を奏する。
【0043】すなわち本願の積層樹脂シートは、保護層
が付いたままの状態でレーザーで表裏に貫通するビアホ
ールを形成することが可能であり、保護層ごとレーザー
でビアホールを形成し、その後保護層を剥離して回路板
に接着すことで、加工性が大幅に向上する。
【0044】なお、本願積層樹脂シートは半導体チップ
の多層マウントやマザーボードの多層化などに活用で
き、携帯電話、パソコン、ビデオカメラ、CDやDVD
などの音響、映像機器の配線板として使用すると機器の
小型、軽量化に大きな効果を発揮できる。
【0045】(測定方法、評価法)本発明における物性
の測定方法、効果の評価方法は次の方法による。
【0046】(1)ヤング率、伸度 テンシロン型引張り試験機により歪・応力曲線における
接線の勾配から求めた。サンプルは幅10mm、試長1
00mmとし、引張り速度は300mm/分で行った。
【0047】(2)絶縁性 直流電圧10Vで厚み方向について測定した。厚み方向
で対向した回路を5本形成し、導通がないものは○、1
本導通したものは△、2本以上のものを×とした。
【0048】(3)光線吸収特性(光線吸収率) 日立(株)社製U3410型分光光度計で、120nm
/分で測定し、330〜500nmの領域で透過量を求
め、下式より光線吸収率とした。
【0049】100(%)−透過光量(%)=吸収光量
(光線吸収率)(%) 接着剤層は、テフロン(登録商標)シートの上に所定の
厚みに塗布し、乾燥、半固化させたものをシートから剥
離して単体とし、これを測定した。
【0050】(4)ビアホール形成性 355nmの波長のYAGレーザーを照射し、照射側の
ビアホール径(最大と最小の平均で表す)と反対側のビ
アホール径の比((反対側のビアホール径/照射側のビ
アホール径)×100)が90%を超える場合は○、6
0〜90%を△、60%を下回る場合を×とした。ま
た、ビアホールが形成できないものも×とした。
【0051】(実施例1)重合槽にN−メチル−2−ピ
ロリドン(NMP)を仕込み、この中に芳香族ジアミン
成分として85モル%相当量の2−クロルパラフェニレ
ンジアミンと、15モル%相当量の4、4’−ジアミノ
ジフェニルエ−テルとを溶解させた。これに99モル%
相当量の2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2
時間撹拌して重合を完了した。さらに発生塩化水素に対
して水酸化リチウムを96モル%(発生塩化水素を10
0モル%として)を添加して中和し、ついでジエタノー
ルアミンを10モル%(発生塩化水素を100モル%と
して)添加してポリマ溶液を得た。
【0052】さらにNMPに分散した平均粒径100n
mのシリカをポリマに対して0.5wt%となるように
添加した。得られた溶液のポリマ濃度は11wt%、3
0℃での溶液粘度は4,000ポイズであった。
【0053】この溶液を5μmカットのフイルターで濾
過し、口金より金属ベルト上に流延した。流延されたフ
ィルムを160℃の熱風で1分間加熱して溶媒を蒸発さ
せ、自己保持性を得たフィルムをベルトから連続的に剥
離した。次に50℃の水槽内へフィルムを導入して10
分間浸漬し、残存溶媒と中和で生じた無機塩等の抽出を
行なった。なおこれら浴中で長手(MD)方向に1.1
倍延伸した。
【0054】つぎにテンターに導入し300℃で1分間
水分の乾燥と熱処理を行なった。この間にフィルムの幅
(TD)方向に1.2倍延伸を行ない、更に300℃で
5%のリラックスを行って4μmの芳香族ポリアミドフ
イルムを得た。
【0055】ヤング率はMD方向、TD方向とも11G
Pa、フイルムの破断伸度は80%、200℃の熱収縮
率はMD方向、TD方向とも0.1%であった。
【0056】次にエポキシ樹脂のYDB−700(東都
化成社製)80wt%と、クレゾールノボラック樹脂2
0wt%をエチルセロソルブに溶解して、これをフイル
ムの片面に接着剤層固形分で10μmの厚みになるよう
に上記の耐熱フイルム(樹脂フィルム層)に塗布し、乾
燥、半硬化させ、接着剤層とした。
【0057】更に厚み12μの芳香族ポリイミドフイル
ム(商品名:東レ・デュポン株式会社製“カプトン”H
タイプ)にシリコーン離型剤を0.1μmの厚みで塗布
し、上記の接着剤層にラミネートして積層樹脂シートと
した。
【0058】この積層樹脂シートに、波長355nmの
YAGレーザーを照射し保護層側からビアホールを形成
させたところ、照射側で直径50μm、裏面側(芳香族
ポリアミドフイルム側)で48μmの良好な穴が形成で
き、ビアホール形成性が良好であることを確認した。な
お各層の光線吸収率は、表1に示すように芳香族ポリア
ミドの層(樹脂フィルム層)が波長330〜390nm
においていずれも98%、接着剤層が波長340nmで
94%、保護層が330〜440nmにおいていずれも
99%と良好な吸収特性を有していた。
【0059】次に回路基板を積層した際の絶縁性を評価
した。
【0060】厚み75μmの芳香族ポリイミドフイルム
の表面をグロー放電処理し、これに銅を5μmの厚みに
メッキした。さらにこれをエッチングして幅2mm、長
さ10mmの直線状の回路をピッチ5mmで5本作成し
た。
【0061】次に上記積層樹脂シートの保護層を剥離
し、接着剤層を上記の回路基板の回路側に重ねて150
℃、50kg/cm2の圧力で1時間加圧、加熱して接
着した。
【0062】さらに上記積層樹脂シートの芳香族ポリア
ミドフイルム面側をコロナ処理し、その上に銅を5μm
の厚みにメッキし、さらにポリイミド回路基板とおなじ
回路を重なるようにエッチングして形成した。これで本
発明の積層樹脂シートを介して幅2mmの回路が対向し
て形成された。
【0063】この積層された回路基板は、凹凸やカール
がほとんど無く、平面性は良好であった。また本発明の
積層樹脂シートを介して形成されている5本の回路どう
しの絶縁抵抗を測定したが、完全に絶縁されていた。
【0064】(実施例2)実施例1で得られた厚み4μ
mのフイルムに実施例1で用いた接着剤を5μmの厚み
に塗布し、更に厚み9μmのPPSフイルム(商品名:
東レ株式会社製“トレリナ”3000番)にシリコーン
系離型剤を0.1μmを塗布し、ラミネートして積層樹
脂シートとした。
【0065】この積層樹脂シートに、実施例1と同様に
波長355nmのYAGレーザーを照射し保護層側から
ビアホール形成をさせたところ、照射側で直径50μ
m、裏面側で49μmの良好なビアホールが形成でき
た。
【0066】次に実施例1と同様に絶縁性を評価したが
良好であった。
【0067】(実施例3)実施例1で得られたポリマー
溶液で厚み8μmのフイルムを作成し、実施例1と同様
の接着剤層を10μm塗布し、更にこれに厚み12μm
のポリエチレンナフタレートフイルム(PENフイル
ム)にシリコーン系離型剤を0.1μm塗布したもの
を、ラミネートして積層樹脂シートとした。
【0068】この積層樹脂シートに、実施例1と同様に
保護層側からビアホール形成をさせたところ、照射側で
直径50μm、裏面側で48μmの良好なビアホールが
形成できた。
【0069】次に実施例1と同様に絶縁性を評価したが
良好であった。
【0070】(実施例4)実施例1で得られたフイルム
の両面に実施例1のエポキシ樹脂を各々5μmの厚みに
形成した。
【0071】一方厚み8μmのPENフイルムにシリコ
ーン系離型剤を0.1μm塗布したものを保護層とし、
接着剤層に両面ラミネートして積層樹脂シートとした。
【0072】この両面に保護層が付いた積層樹脂シート
に、実施例1と同様にレーザーを照射しビアホール形成
をさせたところ、照射側で直径50μm、裏面側のPE
Nフイルム側で48μmの良好なビアホールが形成でき
た。
【0073】次に回路基板を積層した際の絶縁性を評価
した。
【0074】実施例1の75μmのポリイミドフイルム
の表面に接着剤で厚み9μmの銅箔を接着し、さらにこ
れをエッチングして実施例1と同様の幅2mm、ピッチ
5mmの直線状の回路を5本形成した。
【0075】次に本発明の積層樹脂シートの保護層の片
面を剥離し、接着剤層を上記回路側に圧着した。その後
更に残された保護層を剥離し、露出した接着剤層に厚さ
9μmの銅箔を接着し、さらにポリイミド回路基板とお
なじ回路を重なるようにエッチングで回路を形成した。
【0076】そして本発明の積層樹脂シートを介して形
成された回路どうしの絶縁抵抗を測定したが、良好な絶
縁性を示した。
【0077】(実施例5)実施例1で得られた4μmの
フイルムの両面に実施例1のエポキシ樹脂を各々5μm
の厚みに形成した。
【0078】一方厚み12μmの芳香族ポリイミドフイ
ルムにシリコーン系離型剤を0.1μm塗布したものを
保護層とし、接着剤層に両面ラミネートして樹脂シート
とした。
【0079】この両面に保護層が付いた積層樹脂シート
に、実施例1と同様にレーザーを照射しビアホール形成
をさせたところ、照射側で直径50μm、裏面の芳香族
ポリイミドフイルム側で47μmの良好なビアホールが
形成できた。
【0080】また実施例4のように回路を作成し、絶縁
性を評価したが良好であった。
【0081】(実施例6)厚み8μmの芳香族ポリイミ
ドフイルム(東レ・デュポン株式会社製“カプトン”H
タイプ)の両面に、グロー放電処理を行い、実施例1の
エポキシ樹脂を15μmの厚みに形成した。
【0082】一方厚み12μmの芳香族ポリイミドフイ
ルムにシリコーン系離型剤を0.1μm塗布したものを
保護層とし、接着剤層にラミネートして積層樹脂シート
とした。
【0083】この片面に保護層が付いた積層樹脂シート
に、実施例1と同様にレーザーを照射しビアホール形成
をさせたところ、照射側で直径50μm、裏面の芳香族
ポリイミドフイルム側で47μmの良好なビアホールが
形成できた。
【0084】また実施例1と同様に回路を形成して絶縁
性を評価したが良好であった。
【0085】(実施例7)実施例1の芳香族ポリアミド
フイルムを1.5μmと薄くした以外は、実施例1と同
様に積層樹脂シートを作成した。
【0086】この積層樹脂シートに、実施例1と同様に
レーザーを照射し保護層側からビアホール形成をさせた
ところ、照射側で直径50μm、裏面側で49μmの良
好なビアホールが形成できた。
【0087】さらに実施例1と同様に、厚み75μmの
芳香族ポリイミドフイルムを使用して回路を形成し、こ
れと本発明の積層樹脂シートを積層して積層回路を作成
した。この対向した回路で絶縁性を評価したところ、5
本のうち1本は導通していたが他は絶縁されており、回
路の種類によっては実用化出来ると考えられる。
【0088】(実施例8)実施例4で保護層のポリエチ
レンナフタレートフイルムの厚みを、70μmとした以
外は実施例4と同様に樹脂シートを作成した。
【0089】この保護層付き樹脂シートに、実施例4と
同様にレーザーを照射しビアホールを形成させたとこ
ろ、照射側50μmに対し反対側は31μmと円錐台状
のビアホールが形成出来た。
【0090】(比較例1)実施例1の保護層に用いたフ
イルムを、芳香族ポリイミドフイルムからポリプロピレ
ンフイルム(商品名:東レ株式会社製“トレファン”)
に替えた以外は実施例1と同様に積層樹脂シートを作成
した。
【0091】この積層樹脂シートに、実施例1と同様に
レーザーを照射し保護層側からビアホール形成をさせた
ところ、ビアホール形成が出来なかった。
【0092】使用したフイルムの光線吸収量は、ポリプ
ロピレンが330〜500nmの範囲で最大でも15%
とほとんど光線を吸収しないことがわかった。
【0093】(比較例2)実施例1で接着剤をアクリル
系に替え、厚み10μmとなるように塗布した以外は実
施例1と同様に積層樹脂シートを作成した。
【0094】この積層樹脂シートに、実施例1と同様に
レーザーを照射し保護層側からビアホール形成をさせた
ところ、保護層にはビアホール形成ができたが、接着剤
層でビアホールが形成できなかった。
【0095】使用したフイルムの光線吸収率は、アクリ
ル接着剤層が330〜500nmの範囲で最大でも10
%と非常に悪かった。
【0096】(比較例3)実施例1の保護層フイルム
を、芳香族ポリイミドフイルムからポリエチレンテレフ
タレートフイルム(商品名:東レ株式会社製“ルミラ
ー”Sタイプ)を使った以外は実施例1と同様に積層樹
脂シートを作成した。
【0097】この積層樹脂シートに、実施例1と同様に
レーザーを照射し保護層側からビアホール形成をさせた
ところ、ビアホール形成が出来なかった。
【0098】使用したフイルムの光線吸収量は、ポリエ
チレンテレフタレートフイルムが330〜500nmの
範囲で最大でも18%とほとんど光線を吸収しないこと
がわかった。
【0099】
【表1】
【0100】
【発明の効果】樹脂フイルムの少なくとも一方の面に所
定の接着剤層と、この上に保護層を設け、かつこれら各
層に光線吸収性が良好な材料を使用することで、小径か
つ高精度のビアホールの形成が可能となる。
【0101】また各層が一定範囲内の厚みを有する場
合、層間の絶縁性が保たれ、多層回路基板の薄膜化を可
能にする。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01A AK03B AK03C AK31A AK41B AK41C AK47A AK49A AK49B AK49C AK53G AK55A AK57B AK57C AR00B AR00C BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C CB02 GB43 JA20A JA20B JL00B JL00C JN30A JN30B JN30C YY00A YY00B YY00C 5E346 AA12 AA16 BB01 CC09 CC10 CC12 CC41 DD02 EE33 FF04 GG28 HH08 HH26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂フィルム層、接着剤層および保護層
    がこの順に積層された層状構成を有し、これら各層が、
    波長域330〜500nmにおいて光線吸収率が60%
    以上となる波長を有している積層樹脂シート。
  2. 【請求項2】 保護層、接着剤層、樹脂フィルム層、接
    着剤層および保護層がこの順に積層された層状構成を有
    している、請求項1に記載の積層樹脂シート。
  3. 【請求項3】 樹脂フィルム層の厚みが2〜30μm、
    接着剤層の厚みが3〜60μm、保護層の厚みが5〜6
    0μmである、請求項1または2に記載の積層樹脂シー
    ト。
  4. 【請求項4】 接着剤層がエポキシ系材料を含んでい
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の積層樹脂シート。
  5. 【請求項5】 保護層が、ポリエステルフイルム、ポリ
    オレフィンフィルム、芳香族ポリイミドフイルム、芳香
    族ポリアミドフイルムおよびポリフェニレンスルフィド
    フイルムからなる群から選ばれる少なくとも1種のフィ
    ルムで構成されている、請求項1〜4のいずれかに記載
    の積層樹脂シート。
  6. 【請求項6】 樹脂フィルム層が、芳香族ポリイミドフ
    ィルム、芳香族ポリアミドフィルム、ポリーエテルイミ
    ドフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリパラ
    ベンゾイミダゾールフィルムおよびポリパラベンゾオキ
    サゾールフィルムからなる群から選ばれる少なくとも1
    種のフィルムで構成されている、請求項1〜5のいずれ
    かに記載の積層樹脂シート。
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CN107112219A (zh) * 2014-10-29 2017-08-29 琳得科株式会社 保护膜形成膜及保护膜形成用复合片

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