JP2006130925A - 金属張積層板および回路板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 FPCやTABテープ等の電気・電子部品実装用の基板用途に好適に用いることができ、回路形成やICなどの電気・電子実装時や基板への実装時に位置合わせや検査が容易で、芳香族ポリイミドフィルムの寸法安定性が良好な金属積層板および回路板を提供する。
【解決手段】厚みが10〜75μmの芳香族ポリイミドフィルムの片面あるいは両面に金属層が直接あるいは接着剤を介して積層されてなる積層板であって、該芳香族ポリイミドフィルムの吸光係数が波長500nmで15×10−3/μm以下、波長600nmで5×10−3/μm以下であり、線膨張係数(50−200℃)が0.5×10−5〜2.5×10−5cm/cm/℃であり、吸水率が2.5%以下であり、積層板の金属層に回路パタ−ンを形成して回路面の反対側から光を当てて回路パタ−ンが見分けられる良好な透過性を有する回路板を与える金属張積層板および回路板。
【選択図】 なし
【解決手段】厚みが10〜75μmの芳香族ポリイミドフィルムの片面あるいは両面に金属層が直接あるいは接着剤を介して積層されてなる積層板であって、該芳香族ポリイミドフィルムの吸光係数が波長500nmで15×10−3/μm以下、波長600nmで5×10−3/μm以下であり、線膨張係数(50−200℃)が0.5×10−5〜2.5×10−5cm/cm/℃であり、吸水率が2.5%以下であり、積層板の金属層に回路パタ−ンを形成して回路面の反対側から光を当てて回路パタ−ンが見分けられる良好な透過性を有する回路板を与える金属張積層板および回路板。
【選択図】 なし
Description
この発明は、例えば主要単位としてビフェニルテトラカルボン酸二無水物および/またはピロメリット酸二無水物またはその誘導体とパラフェニレンジアミンおよび/またはジアミノジフェニルエーテルとを有しており、寸法安定性が良好でかつ波長500nmおよび波長600nmで低吸光係数を示す芳香族ポリイミドフィルムを用いた金属張積層板および回路板に関する。
さらに詳しくは、この発明はフレキシブルプリント回路板(以下、単にFPCということもある)やTAB(テープ・オートメイテッド・ボンディング)テープ等の電気・電子部品実装用の用途に好適に用いられ、回路形成や実装時に回路パターンの位置ずれが小さく、位置合わせや検査が容易で、寸法安定性が良好な芳香族ポリイミドフィルムを用いた金属張積層板および回路板に関する。
従来、高耐熱性の電子部品として芳香族ポリイミドフィルムの片面あるいは両面に接着剤を設けた接着剤付きシートを使用して銅箔等の導電体層を設けたものが一般的である。しかし、例えば、T−BGA(テープ・ボール・グリッド・アレイ)を基板に実装する時に、基板の回路パターンとT−BGAのボールバンプの位置を正確に合わせる必要があり、ポリイミドテープを透して基板の回路パターンを見ながら位置合わせ接合が行われているが、現在使用されている寸法安定性の良好なポリイミドフィルム(例えば、宇部興産製のユ−ピレックス−S)は光透過性が悪いので位置合わせに時間がかかり、生産性が低下する。また、フレキシブルプリント回路板の回路のない裏面から欠陥を検査する場合、光透過性が悪いと検査に特別の装置が必要になる。
この用途に使用される芳香族ポリイミドフィルムは、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性、機械的強度等が要求されることから、ビフェニルテトラカルボン酸成分とフェニレンジアミン成分とからなるポリイミドフィルムが使用されている(例えば特許文献1)。しかし、このポリイミドフィルムが使用される前記分野では、高生産性の要求が益々厳しくなり、また実装密度を上げる目的でポリイミドフィルムの両面に回路を形成することが必要になってきている。この場合には、裏面と表面との回路を精度高く位置合わせすることが必須になり、芳香族ポリイミドフィルムの光透過性が良いことが求められ、従来の芳香族ポリイミドフィルムでは生産性を高くすることが困難である。
このため、ポリイミドフィルムについて種々の改良がなされた。例えば、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとから得られるポリイミドフィルムを低張力下に再熱処理して寸法安定なポリイミドフィルムを製造する方法が記載されている(特許文献2)。また、線膨張係数比(送り方向/直行方法)および送り方向の線膨張係数が特定範囲内にあり寸法安定性に優れたポリイミドフィルムが記載されている(特許文献3)。さらに、流延法での製膜時の芳香族ポリアミック酸フィルムの剥離性を改良する方法が記載され(特許文献4〜6)、置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物からなるイミド化触媒を添加する製造方法が記載されている(特許文献7〜8)。
しかし、これらの公知技術では、線膨張や寸法安定性などの熱特性や生産性の点では改良されるものの、光透過性の良好な芳香族ポリイミドフィルムを得ることが出来なかったのである。従って、従来の技術では、寸法安定性および光透過性を併せて満足する芳香族ポリイミドフィルムを得ることはできなかったのである。また、従来の技術では、位置合わせや欠陥検査を容易に行うことができなかった。
この発明の目的は、FPCやTABテープ等の電気・電子部品実装用の基板用途に好適に用いることができ、回路形成やICなどの電気・電子実装時や基板への実装時に位置合わせや検査が容易で、芳香族ポリイミドフィルムの寸法安定性が良好な金属積層板および回路板を提供することにある。
この発明は、厚みが10〜75μmの芳香族ポリイミドフィルムの片面あるいは両面に金属層が直接あるいは接着剤を介して積層されてなる積層板であり、該芳香族ポリイミドフィルムの吸光係数が波長500nmで15×10−3/μm以下、波長600nmで5×10−3/μm以下であり、線膨張係数(50−200℃)が0.5×10−5〜2.5×10−5cm/cm/℃であり、吸水率が2.5%以下であることを特徴とする金属張積層板に関する。
また、この発明は、厚みが10〜75μmの芳香族ポリイミドフィルムの片面あるいは両面に金属層が直接あるいは接着剤を介して積層されてなる積層板であり、該芳香族ポリイミドフィルムの吸光係数が波長500nmで15×10−3/μm以下、波長600nmで5×10−3/μm以下であり、線膨張係数(50−200℃)が0.5×10−5〜2.5×10−5cm/cm/℃であり、吸水率が2.5%以下であり、積層板の金属層に回路パターンを形成して回路面の反対側から光を当てて回路パターンが見分けられる良好な透過性を有する回路板を与える金属張積層板に関する。
さらに、この発明は、厚みが10〜75μmの芳香族ポリイミドフィルムの片面あるいは両面に金属層が直接あるいは接着剤を介して積層されてなる積層板であり、該芳香族ポリイミドフィルムの吸光係数が波長500nmで15×10−3/μm以下、波長600nmで5×10−3/μm以下であり、線膨張係数(50−200℃)が0.5×10−5〜2.5×10−5cm/cm/℃であり、吸水率が2.5%以下である積層板の金属層に回路パターンを形成してなる良好な透過性を有するFPCあるいはTABである回路板に関する。
以下に、本発明の金属張積層板あるいは本発明の回路板の好ましい態様を列記する。好ましい態様は複数組み合わせることができる。
1)芳香族ポリイミドフィルムの線膨張係数(50−200℃)が、1.4×10−5〜1.9×10−5cm/cm/℃であり、吸水率が1.4〜2.5%であること。
2)芳香族ポリイミドフィルムの吸水率が、1.4〜1.9%であること。
3)芳香族ポリイミドフィルムは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、その酸二無水物又はその酸エステルおよび/またはピロメリット酸二無水物と、芳香族ジアミンとから得られる芳香族ポリイミドであること。
4)芳香族ポリイミドフィルムの吸光係数が、5.0×10−3/μm〜15.0×10−3/μmであって、波長600nmで2.0×10−3/μm〜5.0×10−3/μmであること。
5)金属層が、厚み8〜40μmの圧延あるいは電解銅箔であること。
6)金属張積層板が、フレキシブルプリント回路板やTAB(テープ・オートメイテッド・ボンディング)テープの電気・電子部品実装用の金属張積層板であること。
1)芳香族ポリイミドフィルムの線膨張係数(50−200℃)が、1.4×10−5〜1.9×10−5cm/cm/℃であり、吸水率が1.4〜2.5%であること。
2)芳香族ポリイミドフィルムの吸水率が、1.4〜1.9%であること。
3)芳香族ポリイミドフィルムは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、その酸二無水物又はその酸エステルおよび/またはピロメリット酸二無水物と、芳香族ジアミンとから得られる芳香族ポリイミドであること。
4)芳香族ポリイミドフィルムの吸光係数が、5.0×10−3/μm〜15.0×10−3/μmであって、波長600nmで2.0×10−3/μm〜5.0×10−3/μmであること。
5)金属層が、厚み8〜40μmの圧延あるいは電解銅箔であること。
6)金属張積層板が、フレキシブルプリント回路板やTAB(テープ・オートメイテッド・ボンディング)テープの電気・電子部品実装用の金属張積層板であること。
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に記載のような効果を奏する。この発明の金属張積層板は、芳香族ポリイミドフィルムの光透過性が良いので、金属張積層板および回路板の位置合わせや欠陥検査が容易になり、生産性向上、不良率低減に有益である。
この明細書において、吸光係数は、下記式より求められるものである。
吸光係数=吸光度/フィルム厚み(μm)
吸光度は下式に従い算出される。
吸光度=−log(光透過率)
光透過率は大塚電子製の瞬間マルチ測光システムMCPD−1000にて測定して求められる。
線膨張係数(50〜200℃)は300℃で30分加熱して応力緩和したサンプルをTMA装置(引張りモ−ド、2g荷重、試料長10mm、20℃/分)で測定して求められる。
吸光係数=吸光度/フィルム厚み(μm)
吸光度は下式に従い算出される。
吸光度=−log(光透過率)
光透過率は大塚電子製の瞬間マルチ測光システムMCPD−1000にて測定して求められる。
線膨張係数(50〜200℃)は300℃で30分加熱して応力緩和したサンプルをTMA装置(引張りモ−ド、2g荷重、試料長10mm、20℃/分)で測定して求められる。
吸水率はASTM・D570−63に従って測定(23℃×24時間)し求められる。
絶縁破壊電圧はASTM・D149−64に従って測定(25℃)し求められる。
体積抵抗率はASTM・D257−61に従って測定(25℃)し求められる。
透過性の評価は、フィルム自体の透過率を測定すると共に、TABテープとT−BGAを試作し、評価した。TABテープは、回路面の反対側から光を当て、回路パターンが充分見分けられるものを良、見分けが困難なものを不良とした。T−BGAは、ボール面を下にして、基板の回路パターンが見分けられるものを良とし、見分けが困難なものを不良と判断した。
絶縁破壊電圧はASTM・D149−64に従って測定(25℃)し求められる。
体積抵抗率はASTM・D257−61に従って測定(25℃)し求められる。
透過性の評価は、フィルム自体の透過率を測定すると共に、TABテープとT−BGAを試作し、評価した。TABテープは、回路面の反対側から光を当て、回路パターンが充分見分けられるものを良、見分けが困難なものを不良とした。T−BGAは、ボール面を下にして、基板の回路パターンが見分けられるものを良とし、見分けが困難なものを不良と判断した。
この発明においては、芳香族ポリイミドフィルムは寸法安定性が良好であることが必要である。寸法安定性が良好な芳香族ポリイミドフィルムは、好適には以下の2つのいずれかによって得られる。
(1)芳香族ポリイミドフィルムを構成するポリマー成分が、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、その酸二無水物又はその酸エステルを15モル%以上およびピロメリット酸二無水物を0〜85モル%含有し、芳香族ジアミン成分としてフェニレンジアミンを15モル%以上およびジアミノジフェニルエーテルを0〜85モル%含有するポリアミック酸と有機極性溶媒とイミド化触媒、好適には置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物とからなるポリアミック酸溶液を使用し、共押出し−流延製膜法によって、剥離剤を含む薄層用ポリアミック酸溶液と剥離剤を含まない基体層用ポリアミック酸溶液とから、基体層(フィルム全体の厚みの50%以上)の片面に薄層(フィルム全体の厚みの50%以下)を形成し、該薄層に流延製膜法による成形時に金属支持体との剥離性を与え、基体層に薄層よりも良好な透明性を与える着色度の改良された芳香族ポリイミドフィルムを得る方法によって膜形成・イミド化する方法が好適に挙げられる。
(1)芳香族ポリイミドフィルムを構成するポリマー成分が、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、その酸二無水物又はその酸エステルを15モル%以上およびピロメリット酸二無水物を0〜85モル%含有し、芳香族ジアミン成分としてフェニレンジアミンを15モル%以上およびジアミノジフェニルエーテルを0〜85モル%含有するポリアミック酸と有機極性溶媒とイミド化触媒、好適には置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物とからなるポリアミック酸溶液を使用し、共押出し−流延製膜法によって、剥離剤を含む薄層用ポリアミック酸溶液と剥離剤を含まない基体層用ポリアミック酸溶液とから、基体層(フィルム全体の厚みの50%以上)の片面に薄層(フィルム全体の厚みの50%以下)を形成し、該薄層に流延製膜法による成形時に金属支持体との剥離性を与え、基体層に薄層よりも良好な透明性を与える着色度の改良された芳香族ポリイミドフィルムを得る方法によって膜形成・イミド化する方法が好適に挙げられる。
(2)芳香族ポリイミドフィルムを構成するポリマー成分が、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、その酸二無水物又はその酸エステルまたはピロメリット酸二無水物を主要成分とし、芳香族ジアミン成分としてフェニレンジアミンまたはジアミノジフェニルエーテルをポリマーの主要成分とし、イミド化触媒、好適には置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物とを含むポリアミック酸溶液を使用し、共押し出−流延製膜法によって、剥離剤を含む薄層用ポリアミック酸溶液と剥離剤を含まない基体層用ポリアミック酸溶液とから、基体層(フィルム全体の厚みの50%以上)の片面に薄層(フィルム全体の厚みの50%以下)を有する自己支持性のフィルムを得、2方向に延伸した後、加熱して延伸された自己支持性ポリイミド前駆体フィルムをイミド化するポリイミドフィルムが好適に使用される。
上記のテトラカルボン酸成分およびジアミン成分の他に、その他の芳香族テトラカルボン酸成分および/または芳香族ジアミン成分を発明の効果を損なわない範囲で1種あるいは多種含ませてもよい。併用可能な芳香族テトラカルボン酸成分としては、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物等が挙げられる。
併用可能な芳香族ジアミン成分としては、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテルなどが挙げられる。
この発明において、芳香族ポリイミドフィルムは、厚みが10〜75μm、好ましくは25〜75μm、特に好ましくは50〜75μmであって、吸光係数が波長500nmで15.0×10−3/μm以下、特に14.0×10−3/μm以下、その中でも特に5.0×10−3/μm〜14.0×10−3/μmであって、波長600nmで5.0×10−3/μm以下、特に4.5×10−3/μm以下、その中でも特に2.0×10−3/μm〜4.5×10−3/μmであることが好ましい。
この発明における芳香族ポリイミドフィルムとしては、さらに好ましくは下記の条件:
(1)線膨張係数(50〜200℃)が0.5×10−5〜2.5×10−5cm/cm/℃以下であり、(2)吸水率が2.5%以下であり、を満足することが好ましい。
この発明における芳香族ポリイミドフィルムとしては、さらに好ましくは下記の条件:
(1)線膨張係数(50〜200℃)が0.5×10−5〜2.5×10−5cm/cm/℃以下であり、(2)吸水率が2.5%以下であり、を満足することが好ましい。
また、(1)線膨張係数(50〜200℃)および(2)吸水率が前記範囲内であると、種々の環境下(高温、エッチィング工程等)においた場合に寸法変化が少なく、特にFPC、TABなどの用途として好適である。
この発明における芳香族ポリイミドフィルムの製造方法は、例えば以下のようにして行うことができる。好適には先ず前記テトラカルボン酸二無水物、好適にはビフェニルテトラカルボン酸類とフェニレンジアミン、好適にはパラフェニレンジアミンとをN,N−ジメチルアセトアミドやN−メチル−2−ピロリドンなどのポリイミドの製造に通常使用される有機極性溶媒中で、好ましくは10〜80℃で1〜30時間重合して、ポリマーの対数粘度(測定温度:30℃、濃度:0.5g/100ml溶媒、溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド)が0.1〜5、ポリマー濃度が15〜25重量%であり、回転粘度(30℃)が500〜4500ポイズであるポリアミック酸溶液を得る。
上記のようにして得られたポリアミック酸溶液に、イミド化触媒を、好適にはポリアミック酸のアミック酸単位に対して0.005〜0.8倍当量、特に0.02〜0.8倍当量程度の量含有させる。置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物としては、イミダゾール、ベンズイミダゾール、それらの置換誘導体、例えばN−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、5−メチルベンズイミダゾールのような低級アルキル基が一もしくは二個付加したイミダゾールもしくはベンズイミダゾールや、イソキノリン、3,5−ジメチルピリジン、3,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、4−n−プロピルピリジンなどの置換ピリジンを挙げることができる。また、これらのイミド化触媒は、二種以上組み合わせて使用してもよい。このようにして得られたポリアミック酸溶液を、基体層A用のポリアミック酸溶液組成物として使用することができる。
上記のポリアミック酸溶液の一部をとり、リン化合物を、好ましくはこのポリアミック酸100重量部に対して0.01〜5重量部、特に0.05〜3重量部、その中でも特に0.1〜1重量部の割合で有機リン化合物、好適には(ポリ)リン酸エステル、リン酸エステルのアミン塩あるいは無機リン化合物を添加し、さらに好適には無機フィラーを、特にポリアミック酸100重量部に対して0.1〜3重量部のコロイダルシリカ、窒化珪素、タルク、酸化チタン、燐酸カルシウム(好適には平均粒径0.005〜5μm、特に0.005〜2μm)を添加して薄層B用のポリアミック酸溶液組成物を得る。
得られた基体層A用と薄層B用のポリアミック酸溶液を用いて、多層押出ポリイミドフィルムを得る共押出し−流延製膜法、例えば、この出願人がすでに特許出願している特開平3−180343号公報に記載されている方法を応用することによって芳香族ポリイミドフィルムを好適に製造することができる。すなわち、基材層A用ポリアミック酸溶液と、薄層B用ポリアミック酸溶液とを、2層以上の押出し成形用ダイスを有する押出成形機へ同時に供給して、前記ダイスの吐出口から両溶液を少なくとも2層の薄膜状体として、薄層B用のポリアミック酸溶液が平滑な支持体(金属製支持体)と接するように支持体上に連続的に押出し、そして、前記支持体上の多層の薄膜状体を乾燥し溶媒をかなり蒸発して除去して自己支持性の多層フィルム(溶媒を一部含有している)を形成し、次いで、支持体上から該多層フィルムを剥離し、次いで、該多層フィルムを高温(200〜500℃)で充分に加熱処理することによって溶媒を実質的に除去すると共にポリイミド前駆体であるポリアミック酸をイミド化して、連続的に製造することができる。この発明においては、イミド化触媒を含有させているので、熱処理の速度を大きくすることができる。
この発明における芳香族ポリイミドフィルムは、基体層Aと薄層Bとからなる2層構造のフィルムであってもよく、また、基材層Aとその両面の薄層BおよびB’とからなる3層構造のフィルムであってもよい。2層、3層構造のフィルムの薄層Bの厚みは、フィルムの厚みの50%以下、特に0.1〜10μm、好ましくは0.1〜8μm、さらに好ましくは0.3〜6μmである。厚みが薄いと剥離性が悪くなり、厚くなると光透過性が悪くなる。なお、基体層Aと薄層Bのポリアミック酸溶液(特にポリアミック酸)の組成は同じであることが芳香族フィルムのカール等の点で好ましいが、必ずしも同じである必要はない。例えば、B層とB’層とでフィラーの種類や量を変えてもよいし、B’層にはリン系化合物を添加しなくてもよい。
この発明における芳香族ポリイミドフィルムにおいて、好適にはテトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとしてパラフェニレンジアミンとを重合する方法によって容易に得ることができるが、ポリアミック酸としては、前記フィルムの物性値を満足する範囲内であれば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとともに他の成分を重合してもよく、また、結合の種類はランダム重合、ブロック重合のいずれであってもよい。また、最終的に得られるポリイミドフィルム中の各成分の合計量が前記の範囲内であれば3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むポリアミック酸とパラフェニレンジアミンを含むポリアミック酸に他の成分からなるポリアミック酸成分を混合して使用してもよい。いずれの場合も前記と同様にして目的とする芳香族ポリイミドフィルムを得ることができる。
この発明における芳香族ポリイミドフィルムは、そのままあるいはその表面をコロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、低温あるいは常圧プラズマ放電処理、表面処理剤塗布処理のいずれか1つの表面処理を施すことができる。
上記芳香族ポリイミドフィルム、好適にはフィルムの表面処理面に金属層を積層する方法としては、蒸着法、スパッタ法、メッキ法で導電体層を直接積層してもよく、あるいは接着剤を介して金属層を積層してもよい。直接金属層層を積層する方法は、それ自体公知の方法で行うことができる。接着剤を介して金属層を積層する場合の接着剤は、熱硬化性でも熱可塑性でもよく、例えばエポキシ樹脂、NBR−フェノール系樹脂、フェノール−ブチラール系樹脂、エポキシ−NBR系樹脂、エポキシ−フェノール系樹脂、エポキシ−ナイロン系樹脂、エポキシ−ポリエステル系樹脂、エポキシ−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド−エポキシ−フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリイミドシロキサン−エポキシ樹脂などの熱硬化性接着剤、またはポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系接着剤、ポリイミドシロキサン系接着剤などの熱可塑性接着剤が挙げられる。特に、ポリイミド接着剤、ポリイミドシロキサン−エポキシ接着剤、エポキシ樹脂接着剤が好適に使用される。
上記の金属は、例えばアルミニウム、銅、銅合金などが挙げられ、銅箔が一般的に使用される。銅箔としては、電解銅箔、圧延銅箔が挙げられ、その引張強度が17kg/mm2以上であるものが好ましい。また、その厚みは8〜50μmであることが好ましい。特に、厚み3〜30μmのポリイミド系接着剤と表面粗度の少ない厚み8〜40μmの圧延または電解銅箔を組み合わせて使用することが好ましい。
この発明の芳香族ポリイミドフィルムの少なくとも片面に接着剤を介してまたは蒸着法、スパッタ法やメッキ法によって直接金属層を積層し、次いでエッチィング処理して回路を形成して得られる。金属層に回路を形成する方法としては、前記の芳香族ポリイミドフィルムに直接あるいは接着剤を介して金属層を積層して金属張基板を製造した後、その金属表面に例えばエッチィングレジストを回路パターン状(配線パターン状)に印刷して、配線パターンが形成される部分の金属表面を保護するエッチィングレジストの配線パターンを形成した後、それ自体公知の方法でエッチィング液を使用して配線が形成されない部分の金属をエッチィングにより除去し、エッチィングレジストを除去する方法が挙げられる。
このようにして形成した回路板の回路パターン(配線パターン)上面に、通常は絶縁性のコート材を塗布し、加熱乾燥してコート層を形成する。コート層の形成は、コート材(液状物)を回転塗布機械、ディスペンサ−または印刷機などを使用する塗布法で均一な厚さに塗布し、加熱乾燥する。コート材は一般的に無機フィラーが多量に添加されており、不透明であり、塗布面から下の回路を明瞭に見ることは困難である。
さらに、この発明の応用例であるT−BGAは、例えば以下のようにして得られる。スリットした芳香族ポリイミドフィルムのテープの上に接着剤テープをラミネートし、接着剤付きポリイミドテープを得る。得られたテープにスプロケット穴やデバイスホールを打ち抜き、その上に金属箔を張り合わせる。金属箔を張り合わせたテープを加熱し、接着剤を硬化させる。次いで、上で述べたように回路パターンを形成し、その上にパターンの一部を残してコート材をスクリーン印刷する。次いで、パターン上の銅箔が露出している部分にハンダのボールを形成してT−BGAを作製する。そしてこの基板(T−BGA)にICをボンディングし、ICの部分を封止材で保護する。次いでこのICをボンディングしたT−BGAをプリント基板の所定の位置にボールを形成した面を下にして、プリント基板のパターン位置を上から確認しながら位置を合わせ、リフロー炉で加熱し実装する。
以下にこの発明の実施例を示す。以下の各例において、ポリイミドフィルムの物性測定は以下の方法によって行った。
吸光度:下式に従い算出した。
吸光度=−log(光透過率)
光透過率:大塚電子製の瞬間マルチ測光システム MCPD−1000にて測定
線膨張係数(50〜200℃)測定:300℃で30分加熱して応力緩和したサンプルをTMA装置(引張りモ−ド、2g荷重、試料長10mm、20℃/分)で測定
吸水率:ASTM・D570−63に従って測定(23℃×24時間)
絶縁破壊電圧:ASTM・D149−64に従って測定(25℃)
体積抵抗率:ASTM・D257−61に従って測定(25℃)
吸光度:下式に従い算出した。
吸光度=−log(光透過率)
光透過率:大塚電子製の瞬間マルチ測光システム MCPD−1000にて測定
線膨張係数(50〜200℃)測定:300℃で30分加熱して応力緩和したサンプルをTMA装置(引張りモ−ド、2g荷重、試料長10mm、20℃/分)で測定
吸水率:ASTM・D570−63に従って測定(23℃×24時間)
絶縁破壊電圧:ASTM・D149−64に従って測定(25℃)
体積抵抗率:ASTM・D257−61に従って測定(25℃)
透過性の評価は、フィルム自体の透過率を測定すると共に、TABテープとT−BGAを試作し、評価した。TABテープは、回路面の反対側から光を当て、回路パターンが充分見分けられるものを良、見分けが困難なものを不良とした。また、T−BGAは、ボール面を下にして、基板の回路パターンが見分けられるものを良とし、見分けが困難なものを不良と判断した。
参考例1
内容積100リットルの重合槽に、N,N−ジメチルアセトアミド54.6kgを加え、次いで3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.826kgとパラフェニレンジアミン3.243kgとを加え、30℃で10時間重合反応させてポリマーの対数粘度(測定温度:30℃、濃度:0.5g/100ml溶媒、溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド)が1.60、ポリマー濃度が18重量%であるポリアミック酸(イミド化率:5%以下)溶液を得た。このポリアミック酸溶液に1,2−ジメチルイミダゾール0.29kg(ポリアミック酸単位に対して0.05倍当量)を添加し、混合した。
内容積100リットルの重合槽に、N,N−ジメチルアセトアミド54.6kgを加え、次いで3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.826kgとパラフェニレンジアミン3.243kgとを加え、30℃で10時間重合反応させてポリマーの対数粘度(測定温度:30℃、濃度:0.5g/100ml溶媒、溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド)が1.60、ポリマー濃度が18重量%であるポリアミック酸(イミド化率:5%以下)溶液を得た。このポリアミック酸溶液に1,2−ジメチルイミダゾール0.29kg(ポリアミック酸単位に対して0.05倍当量)を添加し、混合した。
参考例2
参考例1で製造したポリアミック酸溶液に、ポリアミック酸100重量部に対して0.1重量部の割合でモノステアリルリン酸エステルトリエタノールアミン塩および0.5重量部の割合(固形分基準)で平均粒径0.08μmのコロイダルシリカを添加して均一に混合してポリアミック酸溶液組成物を得た。
参考例1で製造したポリアミック酸溶液に、ポリアミック酸100重量部に対して0.1重量部の割合でモノステアリルリン酸エステルトリエタノールアミン塩および0.5重量部の割合(固形分基準)で平均粒径0.08μmのコロイダルシリカを添加して均一に混合してポリアミック酸溶液組成物を得た。
参考例3
N,N−ジメチルアセトアミド53.6kg、パラフェニレンジアミン2.27kg、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル1.802kg、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物4.413kgとピロメリット酸二無水物3.272kg加えた他は参考例1と同様に重合し、ポリアミック酸の溶液(回転粘度:1400ポイズ、18重量%)を得た。このポリアミック酸溶液に1,2−ジメチルイミダゾール0.29kg(ポリアミック酸単位に対して0.05倍当量)を添加し、混合した。
N,N−ジメチルアセトアミド53.6kg、パラフェニレンジアミン2.27kg、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル1.802kg、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物4.413kgとピロメリット酸二無水物3.272kg加えた他は参考例1と同様に重合し、ポリアミック酸の溶液(回転粘度:1400ポイズ、18重量%)を得た。このポリアミック酸溶液に1,2−ジメチルイミダゾール0.29kg(ポリアミック酸単位に対して0.05倍当量)を添加し、混合した。
参考例4
参考例3で製造したポリアミック酸溶液に、ポリアミック酸100重量部に対して0.1重量部の割合でモノステアリルリン酸エステルトリエタノールアミン塩および0.5重量部の割合(固形分基準)で平均粒径0.08μmのコロイダルシリカを添加して均一に混合してポリアミック酸溶液組成物を得た。
参考例3で製造したポリアミック酸溶液に、ポリアミック酸100重量部に対して0.1重量部の割合でモノステアリルリン酸エステルトリエタノールアミン塩および0.5重量部の割合(固形分基準)で平均粒径0.08μmのコロイダルシリカを添加して均一に混合してポリアミック酸溶液組成物を得た。
参考例1で製造したポリアミック酸溶液と参考例2で製造したポリアミック酸溶液を使用して、2層押出ダイスから、参考例2のポリアミック酸溶液層が支持体面と接するように、平滑な金属支持体面の上に押出し、140℃の熱風で連続的に乾燥し、自己支持性フィルムを形成し、その自己支持性フィルムを支持体から剥離した。フィルムは問題なく剥離した。次いで、加熱炉で、200℃から480℃まで徐々に昇温して、溶媒を除去すると共にポリマーをイミド化した。得られたフィルムの厚みは75μmで、参考例2のポリアミック酸に対応するポリイミドの層が5μmである。このフィルムの物性を表1に示す。
TABテープを以下のように作製した。35mm幅にスリットした芳香族ポリイミドフィルムのテープの上に幅29.6mmで厚み10μmの接着剤を両面からPET(ポリエチレンテレフタレート)のテープで挟んだテープの一方のPETを剥がし、35mm幅のポリイミドテープの中央に接着剤をポリイミド面と合わせるようにラミネートし、接着剤付きポリイミドテープを得る。得られたテープにスプロケット穴やデバイスホールを打ち抜き、PETを剥がし接着剤の上に約31mm幅の35μm厚みの電解銅箔を張り合わせる。銅箔を張り合わせたテープを加熱し、接着剤を硬化させた。次いで、回路パターンを形成し、その上にコート材をスクリーン印刷した。このTABテープの回路面と反対側から検査した。T−BGAを以下のように作製した。35mm幅にスリットした芳香族ポリイミドフィルムのテープの上に幅29.6mmで厚み10μmの接着剤を両側をPET(ポリエチレンテレフタレート)で挟んだテープの片側のPETを剥がし、35mm幅のポリイミドテープの中央に接着剤をポリイミド面と合わせるようにラミネートし、接着剤付きポリイミドテープを得た。得られたテープにスプロケット穴やデバイスホールを打ち抜き、カバ−のPETを剥がし、接着剤の上に約31mm幅の35μm厚みの電解銅箔を張り合わせる。銅箔を張り合わせたテープを加熱し、接着剤を硬化させた。次いで、回路パターンを形成し、その上にコート材をスクリーン印刷する。次いで、パターン上の銅箔が露出している部分にハンダのボールを形成してT−BGAを作製し、検査した。この基板にICをボンディングし、ICの部分を封止材で保護し、次いで、このICをボンディングしたT−BGAをプリント基板の所定の位置にボールを形成した面を下にして、プリント基板のパターン位置を上から確認しながら位置合わせを行う。この際位置合わせは良好であった。
ポリアミック酸溶液の供給量を変えた他は実施例1と同様にして、参考例1のポリアミック酸に対応するポリイミドの層の厚みを73μm、参考例2のポリアミック酸に対応するポリイミドの層の厚みを2μmにした以外は実施例1と同様にして75μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムの物性を表1に示す。このフィルムを使用し、実施例1と同様にして接着剤付きテープ、金属張積層板および回路板を得た。評価結果を表1に示す。
ポリアミック酸溶液の供給量を変えた他は実施例1と同様にして、参考例1のポリアミック酸に対応するポリイミドの層の厚みを48μm、参考例2のポリアミック酸に対応するポリイミドの層の厚みを2μmにした以外は実施例1と同様にして50μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムの物性を表1に示す。このフィルムを使用し、実施例1と同様にして接着剤付きテープ、金属張積層板および回路板を得た。評価結果を表1に示す。
ポリアミック酸溶液の種類および供給量を変えた他は実施例1と同様にして、参考例3のポリアミック酸に対応するポリイミドの層の厚みを48μm、参考例4のポリアミック酸に対応するポリイミドの層の厚みを2μmにした以外は実施例1と同様にして50μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムの物性を表1に示す。このフィルムを使用し、実施例1と同様にして接着剤付きテープ、金属張積層板および回路板を得た。評価結果を表1に示す。
比較例1
参考例2で製造したポリアミック酸溶液を使用して、1層押出ダイスから、平滑な金属支持体面の上に押出した以外は実施例1と同様にして75μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムの物性を表1に示す。このフィルムを使用し、実施例1と同様にして接着剤付きテープ、金属張積層板および回路板を得た。評価結果を表1に示す。
参考例2で製造したポリアミック酸溶液を使用して、1層押出ダイスから、平滑な金属支持体面の上に押出した以外は実施例1と同様にして75μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムの物性を表1に示す。このフィルムを使用し、実施例1と同様にして接着剤付きテープ、金属張積層板および回路板を得た。評価結果を表1に示す。
比較例2
参考例4で製造したポリアミック酸溶液を使用して、1層押出ダイスから、平滑な金属支持体面の上に押出した以外は実施例1と同様にして50μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムの物性を表1に示す。このフィルムを使用し、実施例1と同様にして接着剤付きテープ、金属張積層板および回路板を得た。評価結果を表1に示す。
参考例4で製造したポリアミック酸溶液を使用して、1層押出ダイスから、平滑な金属支持体面の上に押出した以外は実施例1と同様にして50μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムの物性を表1に示す。このフィルムを使用し、実施例1と同様にして接着剤付きテープ、金属張積層板および回路板を得た。評価結果を表1に示す。
比較例3
市販の芳香族ポリイミドフィルム(宇部興産製、商品名ユーピレックス−S、50μm)の物性を表1に示す。このフィルムを使用し、実施例1と同様にして接着剤付きテープ、金属張積層板および回路板を得た。評価結果を表1に示す。
市販の芳香族ポリイミドフィルム(宇部興産製、商品名ユーピレックス−S、50μm)の物性を表1に示す。このフィルムを使用し、実施例1と同様にして接着剤付きテープ、金属張積層板および回路板を得た。評価結果を表1に示す。
比較例4
市販の芳香族ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、商品名カプトン200H、50μm)の物性を表1に示す。このフィルムを使用し、実施例1と同様にして接着剤付きテープ、金属張積層板および回路板を得た。評価結果を表1に示す。
市販の芳香族ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、商品名カプトン200H、50μm)の物性を表1に示す。このフィルムを使用し、実施例1と同様にして接着剤付きテープ、金属張積層板および回路板を得た。評価結果を表1に示す。
Claims (9)
- 厚みが10〜75μmの芳香族ポリイミドフィルムの片面あるいは両面に金属層が直接あるいは接着剤を介して積層されている積層板であり、該芳香族ポリイミドフィルムの吸光係数が波長500nmで15×10−3/μm以下、波長600nmで5×10−3/μm以下であり、線膨張係数(50−200℃)が0.5×10−5〜2.5×10−5cm/cm/℃であり、吸水率が2.5%以下であることを特徴とする金属張積層板。
- 厚みが10〜75μmの芳香族ポリイミドフィルムの片面あるいは両面に金属層が直接あるいは接着剤を介して積層されている積層板であり、該芳香族ポリイミドフィルムの吸光係数が波長500nmで15×10−3/μm以下、波長600nmで5×10−3/μm以下であり、線膨張係数(50−200℃)が0.5×10−5〜2.5×10−5cm/cm/℃であり、吸水率が2.5%以下であり、積層板の金属層に回路パタ−ンを形成して回路面の反対側から光を当てて回路パタ−ンが見分けられる良好な透過性を有する回路板を与えることを特徴とする金属張積層板。
- 芳香族ポリイミドフィルムの線膨張係数(50−200℃)が、1.4×10−5〜1.9×10−5cm/cm/℃であり、吸水率が1.4〜2.5%であることを特徴とする請求項1あるいは2記載の金属張積層板。
- 芳香族ポリイミドフィルムの吸水率が、1.4〜1.9%であることを特徴とする請求項1あるいは2記載の金属張積層板。
- 芳香族ポリイミドフィルムは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、その酸二無水物又はその酸エステルおよび/またはピロメリット酸二無水物と、芳香族ジアミンとから得られる芳香族ポリイミドであることを特徴とする請求項1あるいは2記載の金属張積層板。
- 芳香族ポリイミドフィルムの吸光係数が、5.0×10−3/μm〜15.0×10−3/μmであって、波長600nmで2.0×10−3/μm〜5.0×10−3/μmであることを特徴とする請求項1あるいは2記載の金属張積層板。
- 金属層が、厚み8〜40μmの圧延あるいは電解銅箔であることを特徴とする請求項1あるいは2記載の金属張積層板。
- 金属張積層板が、フレキシブルプリント回路板やTAB(テープ・オートメイテッド・ボンディング)テープの電気・電子部品実装用の金属張積層板であることを特徴とする請求項1あるいは2記載の金属張積層板。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属張積層板の金属層に回路パタ−ンを形成して、回路面の反対側から光を当てて回路パタ−ンが見分けられるフレキシブルプリントやTAB(テープ・オートメイテッド・ボンディング)テープの電気・電子部品実装用の回路板。
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JP2005347100A JP2006130925A (ja) | 2005-11-30 | 2005-11-30 | 金属張積層板および回路板 |
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JP2008166554A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Du Pont Toray Co Ltd | フレキシブルプリント配線板 |
WO2009107752A1 (ja) * | 2008-02-27 | 2009-09-03 | 古河電気工業株式会社 | 電気電子部品用材料および電気電子部品 |
JP2010023380A (ja) * | 2008-07-23 | 2010-02-04 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 金属化ポリイミドフィルムとその製造方法 |
-
2005
- 2005-11-30 JP JP2005347100A patent/JP2006130925A/ja active Pending
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