JPWO2016063612A1 - 二次電池用電極の製造方法および製造装置と、二次電池用電極および二次電池 - Google Patents

二次電池用電極の製造方法および製造装置と、二次電池用電極および二次電池 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、絶縁部材によって電極間の短絡を防止する場合であっても電池素子の体積の増大や変形を抑制して信頼性を高めることができ、しかも電池としての性能をさらに向上させることができる二次電池用電極の製造方法および製造装置と、二次電池用電極および二次電池を提供することにある。本発明の、複数の電極とセパレータとを積層した構成の電極積層体を有する二次電池用の電極は、集電体3と、集電体3の表面に形成された活物質層2とを有する。活物質層2は、層厚部と、活物質層の端部に位置し層厚部よりも厚さが薄い層薄部とを含み、活物質を含むスラリーが塗工弁13を介して供給されるダイヘッド12の吐出口12aから集電体3の表面に向けてスラリーを吐出することによって形成される。活物質層2の層薄部の形成時には、層厚部の形成時に比べて集電体3に近い吐出口12aから、層厚部の形成時に比べて開口量が小さい塗工弁13を介して供給されたスラリーを集電体3に向かって吐出する。

Description

本発明は、二次電池用電極の製造方法および製造装置と、二次電池用電極および二次電池に関する。
二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ラップトップコンピュータなどのポータブル機器の電源としてはもちろん、車両や家庭用の電源として広く普及している。なかでも、高エネルギー密度で軽量なリチウムイオン二次電池は、生活に欠かせないエネルギー蓄積デバイスになっている。
二次電池は大別して巻回型と積層型に分類できる。巻回型二次電池の電池素子は、長尺の正極シートと負極シートとがセパレータによって隔離されつつ重ね合わされた状態で複数回巻き回された構造を有する。積層型二次電池の電池素子は、正極シートと負極シートとがセパレータによって隔離されながら交互に繰り返し積層された構造を有する。正極シートおよび負極シートは、集電体に活物質層(活物質と結着剤や導電材などとを含む合剤からなる場合も含む)が形成された塗布部と、電極端子を接続するために活物質層が形成されていない未塗布部とを備えている。
巻回型二次電池と積層型二次電池のいずれにおいても、電池素子が電解液とともに外装容器(外装ケース)内に封入されている。そして、正極端子の一端が正極シートの未塗布部に電気的に接続されて他端が外装容器の外部に引き出され、負極端子の一端が負極シートの未塗布部に電気的に接続されて他端が外装容器の外部に引き出されている。二次電池は年々大容量化する傾向にあり、これに伴って、仮に短絡が発生した場合の発熱がより大きくなり危険が増すため、電池の安全対策がますます重要になっている。
安全対策の一例として、特許文献1に示されているように、正極と負極との短絡を防止するために、塗布部と未塗布部の境界部分に絶縁部材を設ける技術が知られている。特許文献1に開示されている技術では、正極の正極集電体上に、正極活物質層が形成された塗布部と正極活物質層が形成されていない未塗布部との境界部分を覆う絶縁部材が配置されている。積層型二次電池においては、平面的に見て同じ位置で絶縁部材が繰り返し積層される。このため、絶縁部材の配置される位置において電池素子の厚さが部分的に大きくなり、体積あたりのエネルギー密度が低下する。
また、二次電池は、電気的な特性や信頼性を安定させるために、電池素子をテープ等で固定して電池素子を均一な圧力で押さえることが好ましい。しかし、積層型二次電池に特許文献1のような絶縁部材を用いると、絶縁部材が存在する部分と存在しない部分との厚さの差により電池素子を均等に押さえることが出来なくなり、電気特性のばらつきやサイクル特性の低下など、電池の品質の低下を招くおそれがある。
特許文献2には、電極(正極)の絶縁部材が配置される部分を薄くすることにより、電池素子の厚さの部分的な増大を防ぐ構成が提案されている。特許文献2には、活物質を集電体上に連続的に形成する方法と、間欠的に塗布する方法とが示唆されている。
特許文献3には、活物質の間欠塗布に用いられる間欠供給用バルブが記載されている。
特開2012−164470号公報 国際公開WO2013/187172号公報 特開2001−38276号公報
発明が解決すべき課題
特許文献2において、連続塗布方式によって活物質層を形成する場合には、長尺の集電体の幅方向の両端部に、活物質層の厚さが薄い部分を形成するのが一般的である。この活物質層の厚さが薄い部分は、活物質粒子を含むスラリーを吐出するダイヘッドの吐出口の両端部に設けられた、中央部に比べて開口の小さい部分からスラリーを吐出することによって形成される。この方法によると、非常に簡単に厚さの薄い部分を形成することができる。しかし、開口が小さい部分では、スラリー中に存在する凝集物やその他の異物、あるいは集電体に付着した異物などが、開口部にはさまってその開口部を塞ぎ、スラリーが塗布されない部分が連続的に生じてしまう、いわゆる「スジ不良」が生じる可能性がある。
一方、間欠塗布方式によって活物質層を形成する場合には、ダイヘッドに至るスラリーの経路の途中に塗工弁を設け、塗工弁を開閉することで間欠的なスラリーの流れを発生させる。この塗工弁は、例えば特許文献3に例示されているように、弁箱の中間部に形成された弁座に弁体を当接させると閉じ、弁体を弁座から離れさせると開く構成である。弁体と弁座との間隔を調整することによって、この塗工弁を通過するスラリーの量を調整することができ、それにより、ダイヘッドからのスラリーの吐出量を変化させることができる。この塗工弁を開く時に、弁体を、弁座に近接する位置からダイヘッドの吐出口に向かう方向に移動させると、移動する弁体によってスラリーの一部が押し出されて吐出口から飛び出し、一時的に塗布量が多くなってしまう可能性がある。その場合、一時的に塗布量が多くなることにより、図16(a)に示すように、製造された電極には、活物質層2の厚さの厚い層厚部2bと、活物質層2の端部に位置する厚さの薄い層薄部2aに加えて、層厚部2bと層薄部2aの境界に位置する突起部2xが形成される。このように、意図しない突起部2xが形成されることにより、所望の特性の電極が得られなくなるとともに、電極の部分的な厚さの増大を生じる。突起部2xの発生を抑えるととともに、活物質層2の層厚部2bと層薄部2aとを精度良く形成するためには、塗工弁を開閉するためのアクチュエータを、かなり複雑なプロファイルに基づいて駆動する必要があり、スラリーの製造ロットごとにこのプロファイルを見直さなければならない。
特許文献3に開示されている弁は、間欠塗布における塗布液(スラリー)供給開始時の供給量を安定させることができ、すなわち塗布始めの厚さを安定させることができる。しかし、この弁の動作によって、電極の塗布始めに段差を形成するためには、弁を開ける方向の動作と閉じる方向の動作とを瞬間的に切り替える必要があるため、段差の形成が不安定になりやすい。さらに、塗布液の供給量の変化によって層厚を変えようとすると、厚さを小さくするために吐出量を少なくした部分において、吐出口から集電箔まで塗布液が安定して進行できない可能性がある。その場合、図16(b)に示すように、塗布液の流れにエアを巻き込んで、電極の活物質層2の内部に気泡2yが残ったままになってしまうことや、図16(c)に示すように、気泡がピンホール2zになって、乾燥後の活物質層の表面に現われることがある。このように活物質層の内部の気泡2yや表面のピンホール2zが存在すると、電極として所望の性能が得られない。
本発明の目的は、前記した問題点を解決して、絶縁部材によって電極間の短絡を防止する場合であっても電池素子の体積の増大や変形を抑制して信頼性を高めることができ、しかも電池としての性能をさらに向上させることができる二次電池用電極の製造方法および製造装置と、二次電池用電極および二次電池を提供することにある。
課題を解決するための手段
本発明は、複数の電極とセパレータとを積層した構成の電極積層体を有する二次電池用の電極の製造方法に関し、電極は、集電体と集電体の表面に形成された活物質層とを有する。活物質層は、層厚部と、活物質層の端部に位置し層厚部よりも厚さが薄い層薄部とを含み、活物質を含むスラリーが塗工弁を介して供給されるダイヘッドの吐出口から集電体の表面に向けてスラリーを吐出することによって形成される。活物質層の層薄部の形成時には、層厚部の形成時に比べて集電体に近い吐出口から、層厚部の形成時に比べて開口量が小さい塗工弁を介して供給されたスラリーを集電体に向かって吐出することを特徴とする。
また、本発明は、複数の電極とセパレータとを積層した構成の電極積層体を有する二次電池用の電極の製造方法に関し、電極は、集電体と集電体の表面に形成された活物質層とを有する。活物質層は、層厚部と、活物質層の端部に位置し層厚部よりも厚さが薄い層薄部とを含み、活物質を含むスラリーが塗工弁を介して供給されるダイヘッドの吐出口から集電体の表面に向けてスラリーを吐出することによって形成される。活物質層の層薄部の形成時には、層厚部の形成時に比べてダイヘッドの集電体に向かう角度を異ならせることによって集電体に近づけられた吐出口から、層厚部の形成時に比べて少量のスラリーを集電体に向かって吐出することを特徴とする。
本発明は、複数の電極とセパレータとを積層した構成の電極積層体を有する二次電池用の電極の製造装置に関し、電極を構成する集電体の表面に向かって活物質を含むスラリーを吐出する吐出口を有するダイヘッドと、ダイヘッドにスラリーを供給する、開口量を調整可能な塗工弁と、を有する。ダイヘッドは、集電体の表面に活物質層の厚さの厚い層厚部を形成するときには吐出口と集電体との間隔を大きくし、集電体の表面に厚さの薄い層薄部を形成するときには吐出口と集電体との間隔を小さくすることができる。塗工弁は、集電体の表面に層厚部を形成するときには開口量を大きくしてダイヘッドに供給するスラリーの量を多くし、集電体の表面に層薄部を形成するときには開口量を小さくしてダイヘッドに供給するスラリーの量を少なくすることができることを特徴とする。
本発明は、複数の電極とセパレータとを積層した構成の電極積層体を有する二次電池用の電極の製造装置に関し、電極を構成する集電体の表面に向かって活物質を含むスラリーを吐出する吐出口を有する回動可能なダイヘッドと、ダイヘッドにスラリーを供給する塗工弁と、を有する。ダイヘッドは回動することによって、集電体の表面に活物質層の厚さの厚い層厚部を形成するときには吐出口と集電体との間隔を大きくし、集電体の表面に厚さの薄い層薄部を形成するときには吐出口と集電体との間隔を小さくすることができる。
本発明の、集電体と集電体の表面に形成された活物質層とを有する二次電池用電極では、活物質層は、層厚部と、活物質層の端部に位置し、層厚部よりも厚さが薄い層薄部とを含む。集電体の活物質層が形成されていない未塗布部と、活物質層の層薄部との境界部分を覆うように絶縁部材が設けられている。層薄部の厚さと絶縁部材の厚さの和が、層厚部の厚さよりも小さい。層薄部は1.5mm以上の長さを有する。層薄部と層厚部との間の移行部分の長さは1mm以下である。
本発明の二次電池は、複数の電極とセパレータとを積層した構成の電極積層体と、電極積層体を電解液とともに収容する外装容器とを有し、電極積層体に含まれる複数の電極のうちの少なくとも一部が前記した構成の二次電池用電極である。
発明の効果
本発明によると、絶縁部材によって電極間の短絡を防止する場合であっても電池素子の体積の増大や変形を抑制して信頼性を高めることができ、しかも電池としての性能をさらに向上させることができる。
本発明の積層型二次電池の基本構造を示す断面図である。 図1に示す二次電池の正極の要部を示す拡大側面図である。 本発明の二次電池用電極の製造装置を示す模式図である。 図3に示す製造装置の塗工弁を示す拡大断面図である。 図1に示す二次電池の正極の変形例の要部を示す拡大側面図である。 (a)は本発明の第2の実施形態の二次電池用電極の製造方法の、活物質層の層薄部の形成工程を示す概略図、(a)は(a)の要部拡大図、(b)層厚部の形成工程を示す概略図、(b)は(b)の要部拡大図である。 (a)は本発明の一実施例により製造された電極の集電体切断前の平面図、(b)はその集電体切断後の平面図である。 本発明の一実施例の二次電池用電極の製造装置を示す模式図である。 (a)は、集電体の一方の面に活物質層を形成する工程を模式的に示す概略図、(b)は、一方の面に活物質層が形成された集電体の他方の面に活物質層を形成する工程を模式的に示す概略図、(c)は、一方の面に活物質層が形成された集電体の他方の面に活物質層を形成する工程の他の例を模式的に示す概略図である。 一方の面に活物質層が形成された集電体の一部がバックロールから浮いた状態で搬送される場合の、他方の面への活物質層の形成工程を模式的に示す概略図である。 完成状態の電極を示す側面図である。 一方の面に活物質層が形成された集電体がバックロールに密着した状態で搬送される場合の、他方の面への活物質層の形成工程を模式的に示す概略図である。 (a),(b)は活物質層の形成工程における塗工弁の動作とダイヘッドの動作を示すグラフである。 ダイヘッドの駆動手段を示す平面図である。 図14に示す駆動手段の要部の側面図である。 (a)〜(c)は、関連技術により製造された二次電池用電極の要部を示す拡大側面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
[二次電池の基本構造]
図1は、本発明を採用した積層型のリチウムイオン二次電池の構成の一例を模式的に示している。本発明のリチウムイオン二次電池100は、1対の電極、すなわち正極(正極シート)1と負極(負極シート)6とが、セパレータ20を介して交互に複数層積層された電極積層体(電池素子)を備えている。この電極積層体は電解液5と共に、可撓性フィルム30からなる外装容器に収納されている。電極積層体の正極1には正極端子11の一端が、負極6には負極端子16の一端がそれぞれ接続されており、正極端子11の他端側および負極端子16の他端側は、それぞれ可撓性フィルム30の外部に引き出されている。図1では、電極積層体を構成する各層の一部(厚さ方向の中間部に位置する層)を図示省略して、電解液5を示している。
各電極1,6は、それぞれ集電体3,8と、集電体3,8上に形成された活物質層2,7を含む。すなわち、正極1は、正極集電体3とその正極集電体3に形成された正極活物質層2とを含み、正極集電体3の表面と裏面には、正極活物質層2が形成された塗布部と正極活物質層2が形成されていない未塗布部とが、長手方向に沿って並んで位置する。図2に示すように、正極活物質層2は、主要部である厚さの厚い層厚部2bと、未塗布部との境界部分となる端部に設けられた厚さの薄い層薄部2aとを有する。層厚部2bと層薄部2aの移行部分2cは、図2に示すようにほぼ垂直に切り立った段差部であっても、図示しないがややなだらかな傾斜部であってもよい。移行部分2cはできるだけ小さく、例えば長さ1mm以下であることが好ましく、場合によっては長さ0mm、すなわち移行部分2cが実質的に存在しない構成であってもよい。また、層薄部2aの外縁部は、僅かに傾斜していてもよいが、正極集電体3に対して実質的に垂直に切り立っていてもよい。
図1に示すように、負極6は、負極集電体8とその負極集電体8に形成された負極活物質層7とを含み、負極集電体8の表面と裏面には塗布部と未塗布部とが、長手方向に沿って並んで位置する。負極6の塗布部(負極活物質8)は層厚部のみからなり、層薄部は存在しない。塗布部(負極活物質層8)の端部は、僅かに傾斜していても、負極集電体7に対して実質的に垂直に切り立っていてもよい。
以下の説明では、正極1のみが層薄部2aと層厚部2bを有するとともに絶縁部材40が貼り付けられた構成である例について述べる。しかし、正極1と負極6がいずれも層薄部と層厚部を有するとともに絶縁部材40が貼り付けられた構成であってもよく、また、負極6のみが層薄部と層厚部を有するとともに絶縁部材が貼り付けられた構成であってもよい。
正極1と負極6のそれぞれの未塗布部は、電極端子(正極端子11または負極端子16)と接続するためのタブとして用いられる。正極1に接続される正極タブ同士は正極端子11上にまとめられ、正極端子11とともに超音波溶接等で互いに接続される。負極6に接続される負極タブ同士は負極端子16上にまとめられ、負極端子16とともに超音波溶接等で互いに接続される。そのうえで、正極端子11の他端部および負極端子16の他端部は外装容器の外部にそれぞれ引き出されている。
正極1の塗布部と未塗布部の間の境界部分4を覆うように、負極端子16との短絡を防止するための絶縁部材40が形成されている。この絶縁部材40は境界部分4を覆うように、正極タブ(未塗布部)と正極活物質2(塗布部)の層薄部2aの双方にまたがって形成されている。絶縁部材を安定して保持するために、層薄部2aの長さは1.5mm以上であることが好ましい。
負極6の塗布部(負極活物質層7)の外形寸法は正極1の塗布部(正極活物質層2)の外形寸法よりも大きく、セパレータ20の外形寸法よりも小さい。
この二次電池において、正極活物質層2を構成する材料としては、例えばLiCoO、LiNiO、LiNi(1−x)CoO、LiNi(CoAl)(1−x)、LiMnO−LiMO(ここで、Mは遷移金属であり、例としてNi、Co、Fe、Crなどが挙げられる)、LiNi1/3Co1/3Mn1/3などの層状酸化物系材料や、LiMn、LiMn1.5Ni0.5、LiMn(2−x)などのスピネル系材料、LiMPOなどのオリビン系材料、LiMPOF、LiMSiOFなどのフッ化オリビン系材料、Vなどの酸化バナジウム系材料などが挙げられ、これらのうちの1種、または2種以上の混合物を使用することができる。
負極活物質層7を構成する材料としては、黒鉛、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどの炭素材料や、リチウム金属材料、シリコンやスズなどの合金系材料、NbやTiOなどの酸化物系材料、あるいはこれらの複合物を用いることができる。
正極活物質層2および負極活物質層7を構成する材料は、結着剤や導電助剤等を適宜加えた合剤であってよい。導電助剤としては、カーボンブラック、炭素繊維、または黒鉛などのうちの1種、または2種以上の組み合せを用いることができる。また、結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース、変性アクリロニトリルゴム粒子などを用いることができる。
正極集電体3としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金等を用いることができ、特にアルミニウムが好ましい。負極集電体8としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金を用いることができる。
電解液5としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類や、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類や、脂肪族カルボン酸エステル類や、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類や、鎖状エーテル類、環状エーテル類、などの有機溶媒のうちの1種、または2種以上の混合物を使用することができる。さらに、これらの有機溶媒にリチウム塩を溶解させることができる。
セパレータ20は主に樹脂製の多孔膜、織布、不織布等からなり、その樹脂成分として、例えばポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、またはナイロン樹脂等を用いることができる。特にポリオレフィン系の微多孔膜は、イオン透過性と、正極と負極とを物理的に隔離する性能に優れているため好ましい。また、必要に応じて、セパレータ20には無機物粒子を含む層を形成してもよく、無機物粒子としては、絶縁性の酸化物、窒化物、硫化物、炭化物などを挙げることができ、なかでもTiOやAlを含むことが好ましい。
外装容器には可撓性フィルム30からなるケースや缶ケース等を用いることができ、電池の軽量化の観点からは可撓性フィルム30を用いることが好ましい。可撓性フィルム30には、基材となる金属層の表面と裏面に樹脂層が設けられたものを用いることができる。金属層には、電解液5の漏出や外部からの水分の浸入を防止する等のバリア性を有するものを選択することができ、アルミニウム、ステンレス鋼などを用いることができる(アルミニウムが特に好ましい)。金属層の少なくとも一方の面には、変性ポリオレフィンなどの熱融着性樹脂層が設けられる。可撓性フィルム30の熱融着性樹脂層同士を対向させ、電極積層体を収納する部分の周囲を熱融着することで外装容器が形成される。熱融着性の樹脂層が形成された面と反対側の面となる外装容器表面にはナイロンフィルム、ポリエステルフィルムなどの樹脂層を設けることができる。
正極端子11には、アルミニウムやアルミニウム合金で構成されたもの、負極端子16には銅や銅合金あるいはそれらにニッケルメッキを施したものなどを用いることができる。それぞれの端子11,16の他端部側は外装容器の外部に引き出される。それぞれの端子11,16の、外装容器の外周部分の熱溶着される部分に対応する箇所には、熱融着性の樹脂をあらかじめ設けることができる。
正極活物質2の塗布部と未塗布部の境界部分4を覆うように形成される絶縁部材40には、ポリイミド、ガラス繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、あるいはこれらを含む材料を用いることができる。テープ状の樹脂部材に熱を加えて境界部分4に溶着させたり、ゲル状の樹脂を境界部分4に塗布してから乾燥させたりすることで絶縁部材40を形成することができる。
[正極の詳細な構造および製造方法]
図2は、本発明におけるリチウムイオン二次電池の一実施形態を説明するための概略断面図であり、電極積層体の一部分のみを拡大して模式的に記載している。
図1では図示省略したが、図2に示すように、本実施形態の正極活物質層2は、中央部付近に位置し、正極活物質層2の平均膜厚と同等であって概ね一定の厚さを有する層厚部2bと、正電活物質層2の一端部に位置し層厚部2bよりも厚さが薄い層薄部2aとを含む。この層薄部2aは、正極活物質を含むスラリーを正極集電体3上に塗布する際の塗り始めの部分である。層薄部2aの厚さと、一部がこの層薄部2aの上に配置される絶縁部材40との厚さの和が、層厚部2aの平均厚さ以下となるように、層薄部2aおよび層厚部2bの厚さが設定されている。
次に、正極活物質を含むスラリーを正極集電体3上に塗布する製造装置について説明する。図3に概略的に示すように、この製造装置は、正極集電体3を搬送する搬送手段を構成するバックロール600と、バックロール600上に保持されている正極集電体3に向かってスラリーを吐出する吐出口12aを有するダイヘッド12と、スラリーを供給する供給部500と、ダイヘッド12と供給部500の間に位置する塗工弁13とを含む。ダイヘッド12は、駆動手段19によって、バックロール600に近づいたり離れたりする方向(図3左右方向)に移動可能である。
塗工弁13は、図4に示すように、弁箱133の内部の中央部に貫通穴132aを有する弁座132が設けられており、この弁座132に接離可能な弁体130が配置されている。弁体130にはシャフト131が一体的に形成されており、シャフト131にモーター135が接続されている。モーター135が作動すると、シャフト131を介して弁体130が、弁座132に近づいたり離れたりする方向(図4の上下方向)に移動させられる。弁体130が弁座132に当接している状態では、貫通穴132aが弁体130によって塞がれて、塗工弁13は閉じた状態である。弁体130が弁座132から離れていると、貫通穴132aが開放されて、塗工弁13は開いた状態である。そして、弁体130が弁座132から離れている距離に応じて、塗工弁13の開度(開口量)が変わり、塗工弁13を通過するスラリーの量が変動する。
このような構成であるため、供給部500から供給されたスラリーを、塗工弁13において遮断するか、または流量調節してダイヘッド12へ供給し、ダイヘッド12から正極集電体3にスラリーを吐出して付着させ、乾燥して固化させることによって正極活物質層2を形成する。間欠塗布による正極1の製造方法では、集電体3に正極活物質層を形成しない部分(非塗布部)は、塗工弁13を閉じる、すなわち、モーター135によって弁体130を移動させて弁座132に当接させ、ダイヘッド12にスラリーを供給せず、スラリーを吐出しない状態で、バックロール600により正極集電体3を搬送することにより未塗布部を形成する。それから、正極集電体3の搬送を継続したままスラリーの吐出を開始して、正極活物質層2の一端部である層薄部2aを形成する。具体的には、ダイヘッド12をバックロール600上の正極集電体3に近接する位置に保ちつつ、モーター135によって弁体130を僅かに移動させて弁座132から少し離れさせ、ダイヘッド12に少量のスラリーを供給する。そして、この少量のスラリーをダイヘッド12からバックロール600上の正極集電体3に吐出して、厚さの薄い層薄部2aを形成する。続いて、厚さの厚い層厚部2bを形成するために、駆動手段19によってダイヘッド12をバックロール600上の正極集電体3から離れさせるとともに、モーター135によって弁体130を移動させて弁座132からさらに大きく離れさせ、ダイヘッド12に多量のスラリーを供給する。この多量のスラリーをダイヘッド12からバックロール600上の正極集電体3に吐出して、厚さの厚い層厚部2bを形成する。層厚部2bの形成が完了したら、モーター135によって弁体130を移動させて弁座132に当接させ、ダイヘッド12にスラリーを供給せず、スラリーを吐出しない状態にする。これらの動作を繰り返すことによって、正極集電体3に間欠的にスラリーを吐出して、複数の正極活物質層2を形成する。この正極活物質層2を乾燥して固化させた後に、正極集電体3を切断して複数の正極1を得る。なお、層厚部2bの形成終了直前に、弁体130を移動させて弁座132に近づけて、ダイヘッド12に供給するスラリーの量を減らすこともできる。
この方法によると、層厚部2bの形成時には、バックロール600上の正極集電体3とダイヘッド12の吐出口12aとの間隔を、一般的な塗工工程と同様の長さにするとともに、塗工弁13の開口量を大きくして十分な量のスラリーをダイヘッド12に供給する。それにより、層厚部2bを安定して形成することができる。それに対し、層薄部2aの形成時には、バックロール600上の正極集電体3とダイヘッド12の吐出口12aとの間隔を従来よりも短くするとともに、塗工弁13の開口量を小さくして少量のスラリーをダイヘッド12に供給する。それにより、ダイヘッド12から正極集電体3へ吐出するスラリーの量を少なくする。このとき、正極集電体3と吐出口12aとの間隔が短いため、少量のスラリーの吐出時にも、吐出されたスラリーが安定して集電体に向かって進行し、エアの巻き込みを生じることがほとんどなく、層薄部2aを安定して形成することができる。従って、正極活物質層2の内部の気泡や表面のピンホールがほとんど発生せず、良好な層薄部2aが形成される。また、層薄部2aの形成から層厚部2bの形成に移行する(移行部分2cを形成する)際に、塗工弁13を通過するスラリーの量が増えるが、弁体130の移動をモーターによって行うことによって、円滑かつ即座に弁体130を移動させることができる。さらに、スラリーの供給量の増加と同時にダイヘッド12を正極集電体3から遠ざけている。その結果、層薄部2aから層厚部2bへの移行部分2cおよびその周辺に、意図しない突起が形成されることが抑えられる。
以上説明したように、本実施形態によると、正極活物質層2を塗布し始める際にダイヘッド12からのスラリー吐出を開始し、正極活物質層2を形成し終えるとダイヘッド12からのスラリー吐出を終了する基本動作に加え、正極活物質層2を形成し始める部分である層薄部2aにおけるスラリー吐出量や、正極活物質層2を形成し終える終端部におけるスラリー吐出量を少なくすることで、各端部の段差部や傾斜部を精度良く、かつ極力短い長さ(例えば1mm以下)に形成できる。さらに、層薄部2aは、エアの巻き込みによるピンホールの発生を抑制するために、ダイヘッド12の吐出口12aと正極集電体3との間隔を変更しながら形成することがさらに好ましい。
塗工弁13の弁体130の移動は、モーター135によって行うことが特に好ましい。モーター135を利用することで、弁体130と一体的に接続されたシャフト131を任意の動作プロファイルで直線運動させることができ、エアシリンダーなどを用いた場合に比べて、弁体130と弁座132の貫通穴132aによって形成される開口量を高速で任意に制御することができるからである。
ダイヘッド12の吐出口12aと正極集電体3との間隔の変更方法は、特に限定されず、吐出口12aと正極集電体3上のスラリーの塗布位置との位置関係を変えられれば、どのような方法であってもよい。一例としては、駆動手段19によって、スラリーの塗布位置の正極集電体3に対して、ダイヘッド12を垂直方向や水平方向に移動可能に配置すればよい。具体的には、ダイヘッド12は、エアの巻き込み防止のために、塗布開始時には正極集電体3に接近した第1の位置にあって層薄部2aを形成し、それから、第1の位置よりも正極集電体3との間隔が大きい第2の位置に移動する。塗工弁13の開口量(開度)は、ダイヘッド12が第1の位置にあるときには小さく、第2の位置にあるときには大きくされる。なお、正極活物質層2を塗布しない未塗布部では、吐出口12aと正極集電体3との間隔をさらに大きくしてもよいし、第1の位置および第2の位置以外のさらに別の間隔となる位置に移動させてもよい。
このようにスラリーの吐出量と、正極集電体3からダイヘッド12の吐出口12aまでの間隔との双方を制御することで、間欠塗布における正極1の塗布端を精度良く形成することが可能となる。
図5には、本実施形態の変形例によって製造された正極1を示している。この正極活物質層2の層薄部2aは、図2に示す例のように概ね一定の厚さではなく、端部から中央部に向かって徐々に厚さが増大する傾斜状である。この場合、層薄部2aの厚さの変化に応じて、ダイヘッド12の吐出口12aと正極集電体3との間隔と、弁体130と弁座132との間隔を、それぞれ連続的に変化させてもよい。この変形例では、層薄部2aと移行部分2cとが厳密に区別されず、移行部分2cは実質的に存在しないとみなすことができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、図6に示すように、ダイヘッド12が回動可能に配置されており、ダイヘッド12の吐出口12aからスラリーを突出する方向(矢印A)と、バックロール600の接線Bとのなす角度が変化する。この構成によると、第1の実施形態のようにダイヘッド12がバックロール600に対して接近したり離れたりするように平行移動するのではなく、ダイヘッド12の回動によって、ダイヘッド12の吐出口12aと、バックロール600上の正極集電体3との間隔を変更する。具体的には、図6(a),6(a)に示すように、吐出口12aからのスラリーの吐出方向Aがバックロール600の接線Bに直交してバックロール600の中心に直線的に向いている場合には、吐出口12aと正極集電体3の間隔C1が小さい。従って、正極活物質層2の層薄部2aを形成する際には、ダイヘッド12をこのような位置および姿勢に保つ。
それに対し、ダイヘッド12を回動させて、図6(b),6(b)に示すように、ダイヘッド12の吐出口12aからのスラリーの吐出方向Aが、前述した接線Bに対して斜めに傾いてバックロール600の中心に直線的に向いていない場合には、吐出口12aと正極集電体3の間隔C2が大きい。従って、正極活物質層2の層厚部2bを形成する際には、ダイヘッド12をこのような位置および姿勢に保つ。
このように、ダイヘッド12全体を平行移動させるのではなく、回動させることによって正極集電体3との間隔を変更する構成であると、構成が簡単である。なお、図6(a),6(a)に示すようにダイヘッド12と正極集電体3の間隔が小さい状態から、図6(b),6(b)に示すようにダイヘッド12と正極集電体3の間隔が大きい状態へは、ダイヘッド12を2〜10度程度回動させればよい。
本実施形態においても、層薄部2aを形成する際には、ダイヘッド12の吐出口12aと正極集電体3との間隔を小さくするとともに、スラリーの吐出量を少なくし、層厚部2bを形成する際には、吐出口12aと正極集電体3との間隔を大きくするとともに、スラリーの吐出量を多くすることが好ましい。このスラリーの吐出量の変化時には、図4に示すような塗工弁13の弁体130の移動を行ってもよいが、必ずしも弁体130の移動を行わなくてもよい。
前述した第1および第2の実施形態では、正極集電体3上に形成する正極活物質層2の層薄部2aを形成する際に、ダイヘッド12の吐出口12aと正極集電体3との間隔を小さくしている。この時、スラリーの吐出圧力を、短縮された吐出口12aと正極集電体3との間隔に対応する値よりも大きくすると、図16(b),16(c)に示すような気泡2yやピンホール2zが発生しないように、密にスラリーを塗布することができる。従って、スラリーの吐出圧力を適切に設定することによって、突起部2xの発生防止の効果と、気泡2yやピンホール2zの発生防止の効果とが得られる。このようなスラリーの吐出圧力の調整は、一例としては、塗工弁13を用いて行うことができる。ただし、ダイヘッド12の吐出口12aと正極集電体3との間隔を小さくする際に、スラリーの吐出圧力を変化させず一定に保つことによって、結果的に、吐出口12aと正極集電体3との間隔に対して吐出圧力が大きい状態を作り出し、図16(b),16(c)に示すような気泡2yやピンホール2zの発生を抑制することもできる。
以上、本発明を正極1に適用した例のみを説明したが、同様の方法および製造装置によって、本発明を負極6に適用することも可能である。また、正極1と負極6の両方に本発明を適用することも可能である。
また、本発明は、間欠塗布方式による活物質層の塗布に限られず、層厚部と層薄部とを含む電極活物質層であれば、連続塗布方式による活物質層の形成時にも適用可能である。
本発明は、リチウムイオン二次電池の電極の製造に特に効果的であるが、その他の二次電池の電極の製造に適用することもできる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
[正極の製造]
図7は、本発明におけるリチウムイオン二次電池の製造方法のうち、間欠塗布方式によって正極集電体3に正極活物質層2を形成した状態を示している。正極1の未塗布部の一部は正極タブであり、塗布部と未塗布部の境界4を覆うように絶縁テープ40が貼り付けられている。
正極活物質としてLiMnとLiNi0.8Co0.1Al0.1との混合物を用い、導電剤としてカーボンブラック、バインダーとしてPVdFを用い、これらの合剤を有機溶媒中に分散したスラリーを準備した。このスラリーを、図7(a)に示すように厚さ20μmのアルミニウムを主成分とする集電体3に間欠的に塗布して乾燥し、平均厚さ80μmの正極活物質層2を形成した。正極活物質層の一端部、すなわち、塗布開始部分である層薄部2aは、その他の部分(層厚部2b)よりも厚さが薄くなっている。具体的な塗布方法については後述する。
このように正極集電体3に塗布された正極活物質層2は、正極集電体3ごとプレス機にセットされて厚さ方向に圧縮される。その後、正極集電体3の長手方向に所定の間隔で形成されている正極活物質層2の塗布部と未塗布部との境界4を覆う範囲に、厚さ30μmのポリプロピレン製の絶縁テープ40が貼り付けられる。絶縁テープ40の一端部は、正極活物質層2が存在しない未塗布部、すなわち正極集電体3上に直接配置され、他端部は正極活物質層2の薄い層薄部2aの上に配置される。
<正極活物質層の形成>
図8を参照して、正極活物質を含むスラリーを間欠塗布方式によって塗布する方法を説明する。
図8に示すように、バックロール600を含む搬送装置によって正極集電体3を矢印方向に搬送しながら、バックロール600に対向するダイヘッド12の吐出口12aからスラリーを正極集電体3に吐出する。それによって、正極集電体3の表面に正極活物質層2を形成する。この製造装置は、図3に示すのと同様なダイヘッド12、塗工弁13、および供給部50を含む。供給部50は、スラリータンク15と、塗工弁13に接続されている三方弁17と、スラリータンク15と三方弁17との間に位置するポンプ14と、スラリータンク15と三方弁17との間でポンプ14とは異なる経路内に位置するリターン弁18とを含む。従って、スラリータンク15に蓄えられているスラリー10が、ポンプ14によって、配管501、配管502、三方弁17、および配管503を介して、塗工弁13に供給される。塗工弁13が開いているときには、配管504を介してダイヘッド12にスラリーが供給されて吐出口12aから正極集電体3に向けて吐出される。塗工弁13が閉じているときには、ダイヘッド12にスラリーが供給されずスラリーは吐出されない。一方、スラリーの吐出を行わないときには、三方弁17がスラリーの流れる経路を、配管503から配管505に切り替える。従って、スラリーは、ポンプ14から三方弁17、配管505、リターン弁18、配管506を経由してスラリータンク15に戻される。
正極1の製造時には、正極集電体3を搬送して未塗布部になる位置から塗布部になる位置に移行する際、すなわち間欠塗布における正極活物質の塗工開始時に、弁体130を弁座132からわずかに離れさせて、少量のスラリーを、配管504を介してダイヘッド12に供給し吐出口12aから正極集電体3に吐出して層薄部2aを形成する。このとき、ダイヘッド12は、吐出口12aと正極集電体3が近接する第1の位置にあるため、エアの巻き込みを防ぐことができる。
続いて、層薄部2aの形成から層厚部2bの形成に移行する際に、図4に示すモーター135によって弁体130を弁座132からさらに離れるように移動させ、塗工弁13の開口量を大きくする。このとき、弁体130の移動によってスラリーが瞬間的に配管504に押し出されるため、ダイヘッド12へのスラリーの供給量が多くなって吐出口12aからのスラリーの吐出量が一時的に増えて塗布厚さが瞬間的に大きくなろうとする。これを防ぐために、本実施例では、弁体130の移動により押し出されたスラリーが配管504を介してダイヘッド12の吐出口12aに到達するタイミングからわずかに遅れて、ダイヘッド12は、正極集電体3とダイヘッド12との間隔が最大となる第2の位置に移動する。これにより、層厚部2bの、層薄部2a近傍で部分的に厚さが大きくなることを抑制できる。なお、塗布始めの層薄部2aの外縁部でも、塗布厚さが瞬間的に大きくなろうとするが、電池の容量に寄与しない部分であるため部分的な厚さの増大はあまり問題にならない。ただし、このようにして厚さが大きくなった層薄部2aの一部分と、その上に配置される絶縁テープ40との厚さの和が、層厚部2bの厚さ以下になるようにする。
このようにして層厚部2bの形成に移行して、所定の長さの層厚部2bが形成されたら、弁体130を移動させ弁座132に当接させ塗工弁13を急速に閉じる。それにより、弁座132よりも下流側の配管504に陰圧が生じ、吐出口12aから吐出されるスラリーを瞬間的になくすことができる。こうして正極活物質層2の塗布部から未塗布部へ即座に切り替える。この塗布部と未塗布部の形成を繰り返し、その後乾燥されることで電極活物質層2が間欠的に形成される。正極集電体3の両面または片面に正極活物質層2を形成した後、未塗布部と層薄部とにまたがるように絶縁テープ40を貼り付ける。正極活物質層2が形成された正極集電体3を、図7(a)に示す仮想的な切断線90に沿って切断することによって、図7(b)に示す正極1を複数得る。
<負極>
負極活物質として表面を非晶質で被覆した黒鉛を用い、バインダーとしてPVdFを用い、これらの合剤を有機溶媒中に分散したスラリーを準備した。このスラリーを、負極集電体8である厚さ15μmの銅箔に間欠的に塗布して乾燥して負極活物質層7を形成し、集電体の片面上における厚さが55μmとなるようプレスした。本実施例では負極活物質層7は一様な厚さを有し、塗布部と未塗布部との境界に負極活物質層7の段差や傾斜は形成せず、絶縁部材を貼り付けてもいない。負極活物質層7が形成された負極集電体8を切断することによって複数の負極6を得る。
<積層型二次電池の作製>
前述したように製造した正極1と負極6とを、厚さ25μmのポリプロピレンからなるセパレータ20を介して積層し、これに負極端子16や正極端子11を接続し、可撓性のフィルム30からなる外装容器に収容して、図1に示すような厚さ8mmの積層型二次電池を得た。
(実施例2)
正極1の製造装置における塗工弁13の弁体130の駆動装置として、モーターに代えてエアシリンダーを用いた。それ以外の条件はすべて実施例1と同様にして、積層型の二次電池を得た。
(比較例1)
正極1の製造装置におけるダイヘッド12の吐出口12aと正極集電体3との間隔を常に一定に固定し、層厚部2aの形成時も層薄部2bの形成時も吐出口12aと正極集電体3との間隔を一定にして吐出口12aからスラリーを吐出した。そして、正極1の製造装置における塗工弁13の弁体130の駆動装置として、モーターに代えてエアシリンダーを用いた。それ以外の条件はすべて実施例1と同様にして、積層型の二次電池を得た。
(評価)
前述したようにして10個ずつ製造した実施例1〜2および比較例1の積層型二次電池のそれぞれの厚さおよびサイクル特性を評価して平均した結果を表1に示している。これによると、実施例1〜2の積層型二次電池は、比較例1の積層型二次電池に比べて厚さが薄く、サイクル特性が良好であった。
Figure 2016063612
前述した実施例1,2における、塗工弁13の開閉とダイヘッドの移動開始とのタイミングの具体例について、より詳細に説明する。以下の説明は、正極1の製造方法に関するものであるが、負極6も正極1と同様に製造できる。
図8に示すような製造装置において、未塗布部の形成時には、ダイヘッド12と集電体3との間の間隔が小さくかつ塗工弁13が閉じられた状態で、集電体3をダイヘッド12と対向する位置を通過するように搬送する。そして、所望の長さの集電体が搬送されて未塗布部が形成されたら、塗工弁13を開き始める。ただし、この時点ではダイヘッド12を集電体3に対して近づく方向にも遠ざかる方向にも移動させず、ダイヘッド12を集電体3との間の間隔が小さい第1の位置に保つ。そして、塗工弁13を開き始めてから所定の時間(例えば44msec)が経過したら、ダイヘッド12の、集電体13から遠ざかる方向への移動を開始する。従って、未塗布部の形成が完了した直後は、ダイヘッド12が集電体3に近い第1の位置にあって塗工弁13が徐々に開きスラリー10の供給量が徐々に増える。それから、塗工弁13が開く動作が継続している間にダイヘッド12の移動を開始し、徐々に集電体3から離していく。そして、最終的には、塗工弁13が完全に開き、ダイヘッド12は集電体3から離れた第2の位置に到達する。すなわち、この例では、塗工弁13を開く動作を開始してから少しのタイムラグを置いてダイヘッド12の移動を開始することによって、活物質層の不具合(特にピンホール)が生じる危険性を低減できる。
仮に、塗工弁13が急激に開くと、ダイヘッド12に供給されるスラリー10の圧力が急激に増大して瞬間的に吐出量が増えて、層薄部2aの始端部に突起が形成される可能性がある。そのため、塗工弁13は比較的ゆっくりと開くことが好ましい。そして、塗工弁13が開き始めた後、塗工弁13が開く動作を継続している途中の、適宜に設定されたタイミングで、ダイヘッド12を集電体3から離れるように移動開始させる。最終的には塗工弁13が全開になるとともに、ダイヘッド12は塗工弁13から離れた所定の第2の位置に至るが、塗工弁13が全開になることとダイヘッド12が第2の位置に到達することは、どちらが先であっても構わない。このように、塗工弁13が開く動作の開始と、ダイヘッド12が集電体3から離れる方向への移動の開始とのタイミングのずれによって、絶縁部材40等が設けられても電極1全体の厚さを増大させないような層薄部2aを確実に形成することができ、しかも、その層薄部2aにピンホールが生じることや、層薄部2aと層厚部2bの境界部分およびその近傍に意図しない突起が生じることが防げる。塗工弁13を開き始めてから完全に開くまでの速度は比較的遅く、ダイヘッド12が集電体3に近い第1の位置から遠い第2の位置まで移動する速度は比較的速い方が好ましい。
この方法は、特に、集電体3の両面に活物質層2を形成する構成において、集電体3の一方の面に活物質層2を形成した後に他方の面に活物質層2を形成する場合に効果的である。すなわち、図9(a)に示す工程で集電体3の一方の面に活物質層2(層薄部2aおよび層厚部2b)を形成した後に、他方の面をダイヘッド12に対向させてバックロール600によって搬送すると、図9(b)に示すように、未塗布部および層薄部2aの裏側に当たる部分は層厚部2bの裏側に当たる部分に比べて、ダイヘッド12から離れて位置する可能性がある。また、図9(c)に示すように、未塗布部および層薄部2aの裏側に当たる部分がバックロール600に密着せずに浮いた状態で搬送される場合にも、ダイヘッド12から吐出されたスラリー10に押されて、未塗布部および層薄部2aの裏側に当たる部分がダイヘッド12から離れる可能性がある。その結果、塗工弁13の開度が小さく吐出量が少ないスラリー10は集電体3まで十分に届かず、層薄部2aや、層薄部2aと層厚部2bとの境界部分に、ピンホールが生じる可能性がある。これに対し、未塗布部および層薄部2aの裏側に当たる部分がダイヘッド12から離れることを考慮して、予めダイヘッド12とバックロール600の間隔をより小さくしておくと、層厚部2aの裏側に当たる部分はダイヘッド12に近くなり過ぎて、吐出されるスラリー10に押されて箔状の集電体3が破れる可能性がある。このように、ダイヘッド12とバックロール600の最適な間隔は非常に狭い範囲(ほぼピンポイント)にしか存在しないため、生産ロットごとに間隔の調整を行う必要があり、量産に適していない。
そこで、前述したように、塗工弁13を開き始めてから所定時間(44msec)経過した後に、ダイヘッド12を第1の位置から第2の位置へバックロール600から離れるように移動開始させる。図9(c)に示すように集電体3の一部がバックロール600から浮いた状態で搬送される場合の活物質層2の形成工程が、図10(a)〜10(c)に模式的に示されている。図10(a)に示すようにダイヘッド12がバックロール600に接近した第1の位置で塗工弁13を開き始めると、当初は少量のスラリー10がダイヘッド12に供給されてダイヘッド12から集電体3に向けて吐出されるため、図10(b)に示すように、集電体3に層薄部2aが形成される。そして、塗工弁13が開くとともにダイヘッド12がバックロール600から離れると、大量のスラリー10がダイヘッド12に供給されてダイヘッド12から集電体3に向けて吐出され、図10(c)に示すように、集電体3に層厚部2bが形成される。最終的に、図11に示すように集電体3の両面に層薄部2aと層厚部2bとからなる活物質層2が形成された正極1が完成する。
また、図9(b)に示すように集電体3がバックロール600に密着した状態で搬送される場合の活物質層2の形成工程が、図12(a)〜12(c)に模式的に示されている。図12(a)に示すようにダイヘッド12がバックロール600に接近した第1の位置で塗工弁13を開き始めると、図12(b)に示すように、集電体3に層薄部2aが形成される。そして、塗工弁13が開くとともにダイヘッド12がバックロール600から離れると、図12(c)に示すように、集電体3に層厚部2bが形成され、図11に示す正極1が完成する。
このような活物質層2の形成工程における塗工弁13の動作とダイヘッド12の動作を示すグラフを、図13(a),13(b)に示している。図13(a),13(b)には、塗工弁13の弁体130(図4参照)の位置が示されている。この例では弁体130およびシャフト131のストロークが2mmであり、弁体130が弁座132の貫通穴132aを完全に塞いでいる状態が0mm、弁体130が弁座132から離れて貫通穴132aを完全に開放している状態が2.0mmである。さらに、この図13(a),13(b)には、ダイヘッド12とバックロール600との間隔(ギャップ)が示されている。具体的には、ダイヘッド12の、バックロール600に対向する面の両側部におけるギャップがそれぞれ測定されている。後述するが、ダイヘッド12にはバックロール600に対向する面の両側部にそれぞれ駆動機構が取り付けられており、両側部におけるギャップに多少のずれが存在する場合がある。図13(a)に示す例では、ダイヘッド12がバックロール600に近接する第1の位置のギャップは約190μmであり、ダイヘッド12がバックロール600から離れて位置する第2の位置のギャップは約230μmである。図13(b)に示す例では、ダイヘッド12がバックロール600に近接する第1の位置のギャップは約180μmであり、ダイヘッド12がバックロール600から離れて位置する第2の位置のギャップは約230μmである。図13(a),13(b)に示す2つの例はいずれも、塗工弁13が開き始めた時点(約100msec)から44msec経過した時点で、ダイヘッド12が第1の位置から第2の位置へ移動を開始し、バックロール600から遠ざかる。ダイヘッド12が第1の位置から第2の位置まで移動する時間は52msecであった。
次に、ダイヘッド12を、バックロール600に近い第1の位置と、バックロール600から遠い第2の位置との間を移動させる駆動手段19について、図14,15を参照して説明する。集電体3が掛け回されるバックロール600に対向するダイヘッド12の、バックロール600に対向する面の両側部にそれぞれ駆動機構19a,19bが設けられている。各駆動機構19a,19bでは、ダイヘッド12を支持する支持体21にLMガイド22が取り付けられ、LMガイド22に沿って移動可能なブロック23が設けられている。このブロック23は、モーター24によって回転可能なボールねじ25に取り付けられている。また、ブロック23は傾斜面23aを有しており、傾斜面23aにエアシリンダー26のシャフトの先端26aが当接している。さらに、エアシリンダー26のシャフトに沿うLMガイド27とリニアスケール28が設けられている。このような構成であるため、モーター24がボールねじ25を回転させると、ボールねじ25に取り付けられているブロック23がLMガイド22に沿って上下動する。ブロック23が上下動すると、その傾斜面23aに当接する先端26aを有するエアシリンダー26が斜面23aに追従してLMガイド27に沿って移動し、それによって支持体21およびダイヘッド12がバックロール600に近づく方向またはバックロール600から離れる方向に移動する。
なお、ダイヘッド12が回動する第2の実施形態においても、塗工弁13を開き始めてから所定時間経過した後に、ダイヘッド12の回動を開始して、バックロール600から離れるように移動を開始させると、前述したように活物質層中のピンホールや突起の生成を抑える効果が得られる。
以上、いくつかの実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記した実施形態の構成に限られるものではなく、本発明の構成や細部に、本発明の技術的思想の範囲内で、当業者が理解し得る様々な変更を施すことができる。
本出願は、2014年10月21日に出願された日本特許出願2014−214438号を基礎とする優先権を主張し、日本特許出願2014−214438号の開示の全てをここに取り込む。

Claims (20)

  1. 複数の電極とセパレータとを積層した構成の電極積層体を有する二次電池用の電極の製造方法であって、
    前記電極は、集電体と該集電体の表面に形成された活物質層とを有し、
    前記活物質層は、層厚部と、前記活物質層の端部に位置し前記層厚部よりも厚さが薄い層薄部とを含み、活物質を含むスラリーが塗工弁を介して供給されるダイヘッドの吐出口から前記集電体の表面に向けて前記スラリーを吐出することによって形成され、
    前記活物質層の前記層薄部の形成時には、前記層厚部の形成時に比べて前記集電体に近い前記吐出口から、前記層厚部の形成時に比べて開口量が小さい前記塗工弁を介して供給された前記スラリーを前記集電体に向かって吐出する
    二次電池用電極の製造方法。
  2. 前記活物質層の形成開始時には、前記集電体との間隔が小さい前記吐出口から、開口量の小さい前記塗工弁を介して供給された少量の前記スラリーを前記集電体に向かって吐出して前記層薄部を形成し、前記層薄部の形成後には、前記吐出口と前記集電体との間隔を大きくし、かつ前記塗工弁の開口量を大きくしてから、該塗工弁を介して供給された多量の前記スラリーを前記集電体に向かって吐出して前記層厚部を形成する、請求項1に記載の二次電池用電極の製造方法。
  3. 前記層薄部の形成後に、前記塗工弁の開口量を大きくした後に前記吐出口と前記集電体との間隔を大きくする、請求項2に記載の二次電池用電極の製造方法。
  4. 前記塗工弁は、貫通穴を有する弁座と、前記弁座に当接可能であるとともに前記弁座から離れることも可能な弁体とを含み、前記活物質層の前記層薄部の形成時には、前記弁体と前記弁座との間隔を小さくすることによって前記塗工弁の開口量を小さくする、請求項1から3のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法。
  5. 前記塗工弁が閉じており前記ダイヘッドから前記スラリーを吐出しない状態から、前記塗工弁を開いて前記ダイヘッドから前記集電体への前記スラリーの吐出を開始し、
    前記塗工弁を開き始めた時点から所定の時間経過した後に、前記ダイヘッドが前記集電体から離れるように移動を開始させる
    請求項1から4のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法。
  6. 前記塗工弁を開き始めた時点から前記ダイヘッドが前記集電体から離れるように移動を開始させるまでの間は、前記層薄部を形成する、請求項5に記載の二次電池用電極の製造方法。
  7. 複数の電極とセパレータとを積層した構成の電極積層体を有する二次電池用の電極の製造方法であって、
    前記電極は、集電体と該集電体の表面に形成された活物質層とを有し、
    前記活物質層は、層厚部と、前記活物質層の端部に位置し、前記層厚部よりも厚さが薄い層薄部とを含み、活物質を含むスラリーが塗工弁を介して供給されるダイヘッドの吐出口から前記集電体の表面に向けて前記スラリーを吐出することによって形成され、
    前記活物質層の前記層薄部の形成時には、前記層厚部の形成時に比べて前記ダイヘッドの前記集電体に向かう角度を異ならせることによって前記集電体に近づけられた前記吐出口から、前記層厚部の形成時に比べて少量の前記スラリーを前記集電体に向かって吐出する
    二次電池用電極の製造方法。
  8. 前記ダイヘッドは回動可能に設けられており、前記層薄部の形成から前記層厚部の形成に移行する際に、前記ダイヘッドを回動させることによって前記吐出口と前記集電体との間隔を大きくする、請求項7に記載の二次電池用電極の製造方法。
  9. 前記塗工弁が閉じており前記ダイヘッドから前記スラリーを吐出しない状態から、前記塗工弁を開いて前記ダイヘッドから前記集電体への前記スラリーの吐出を開始し、
    前記塗工弁を開き始めた時点から所定の時間経過した後に、前記ダイヘッドの回動を開始させる
    請求項8に記載の二次電池用電極の製造方法。
  10. 前記塗工弁を開き始めた時点から前記ダイヘッドの回動を開始させるまでの間は、前記層薄部を形成する、請求項9に記載の二次電池用電極の製造方法。
  11. 前記集電体の表面に前記活物質層が存在しない未塗布部を形成する際には、前記塗工弁を閉じる、請求項1から10のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法。
  12. 前記層薄部と前記層厚部との間に位置する移行部分の長さを1mm以下にする、請求項1から11のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法。
  13. 複数の電極とセパレータとを積層した構成の電極積層体を有する二次電池用の電極の製造装置であって、
    前記電極を構成する集電体の表面に向かって活物質を含むスラリーを吐出する吐出口を有するダイヘッドと、前記ダイヘッドに前記スラリーを供給する、開口量を調整可能な塗工弁と、を有し、
    前記ダイヘッドは、前記集電体の表面に活物質層の厚さの厚い層厚部を形成するときには前記吐出口と前記集電体との間隔を大きくし、前記集電体の表面に厚さの薄い層薄部を形成するときには前記吐出口と前記集電体との間隔を小さくすることができ、
    前記塗工弁は、前記集電体の表面に前記層厚部を形成するときには開口量を大きくして前記ダイヘッドに供給する前記スラリーの量を多くし、前記集電体の表面に前記層薄部を形成するときには開口量を小さくして前記ダイヘッドに供給する前記スラリーの量を少なくすることができる、二次電池用電極の製造装置。
  14. 前記塗工弁は、貫通穴を有する弁座と、前記弁座に当接可能であるとともに前記弁座から離れることも可能な弁体とを含み、前記活物質層の前記層厚部の形成時には、前記弁体と前記弁座との間隔を大きくすることによって前記塗工弁の開口量を大きくし、前記活物質層の前記層薄部の形成時には、前記弁体と前記弁座との間隔を小さくすることによって前記塗工弁の開口量を小さくすることができる、請求項13に記載の二次電池用電極の製造装置。
  15. 前記ダイヘッドは、前記塗工弁が開き始めて前記ダイヘッドから前記スラリーを吐出し始めてから所定の時間経過した後に、前記集電体から離れるように移動を開始する、請求項13または14に記載の二次電池用電極の製造装置。
  16. 複数の電極とセパレータとを積層した構成の電極積層体を有する二次電池用の電極の製造装置であって、
    前記電極を構成する集電体の表面に向かって活物質を含むスラリーを吐出する吐出口を有する回動可能なダイヘッドと、前記ダイヘッドに前記スラリーを供給する塗工弁と、を有し、
    前記ダイヘッドは回動することによって、前記集電体の表面に活物質層の厚さの厚い層厚部を形成するときには前記吐出口と前記集電体との間隔を大きくし、前記集電体の表面に厚さの薄い層薄部を形成するときには前記吐出口と前記集電体との間隔を小さくすることができる
    二次電池用電極の製造装置。
  17. 前記ダイヘッドは、前記塗工弁が開き始めて前記ダイヘッドから前記スラリーを吐出し始めてから所定の時間経過した後に、回動を開始する、請求項16に記載の二次電池用電極の製造装置。
  18. 前記スラリーを収容するスラリータンクと、前記スラリーを前記スラリータンクから前記塗工弁に供給するポンプとをさらに含む、請求項13から17のいずれか1項に二次電池用電極の製造装置。
  19. 集電体と該集電体の表面に形成された活物質層とを有する二次電池用電極であって、
    前記活物質層は、層厚部と、前記活物質層の端部に位置し、前記層厚部よりも厚さが薄い層薄部とを含み、
    前記集電体の前記活物質層が形成されていない未塗布部と、前記活物質層の前記層薄部との境界部分を覆うように絶縁部材が設けられており、
    前記層薄部の厚さと前記絶縁部材の厚さの和が、前記層厚部の厚さよりも小さく、
    前記層薄部は1.5mm以上の長さを有し、
    前記層薄部と前記層厚部との間の移行部分の長さは1mm以下である
    二次電池用電極。
  20. 複数の電極とセパレータとを積層した構成の電極積層体と、前記電極積層体を電解液とともに収容する外装容器とを有し、前記電極積層体に含まれる前記複数の電極のうちの少なくとも一部が請求項19に記載の二次電池用電極である、二次電池。
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