JPWO2016063559A1 - シール剤塗布方法及びこれに用いるシール剤整形装置 - Google Patents
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Abstract
Description
技術分野
[0001]
本発明は、2つのワークの接合部における間隙にシール剤を塗布する方法及びこれに用いるシール剤整形装置に関する。
背景技術
[0002]
従来、自動車のサイドパネルアウターは、一枚の鋼板をプレス成形し、開口部を打ち抜くことにより製造されている。ところが、サイドパネルアウターはフロントドア及びリアドアに相当する部分に大きな開口部を備えており、この開口部を形成するために打ち抜かれた鋼板は多くの場合スクラップとなるので、歩留まりの低下が避けられないという問題がある。
[0003]
前記問題を解決するために、サイドパネルアウターを上下に2分割することが考えられる。この場合、例えば、サイドパネルアウターを、フロントピラーの下端部、センターピラーの上部、リアピラーの下端部で分割する。このようにすると、サイドパネルアウターは、フロントピラー、センターピラー上部の基部、リアピラー及びクォーターパネルからなる上部ワークと、センターピラー下部及びロッカパネルからなる下部ワークとに分割される。
[0004]
そこで、例えば、上部ワークの場合には、一方の上部ワークの凸部(リアピラー及びクォーターパネル)が、他方の上部ワークの凹部(センターピラーとリアピラーとの間の空間、フロントドア及びリアドアに相当)に納まるように配置する。この結果、フロントドア及びリアドアに相当する部分の大きな開口部を有効に利用することができ、鋼板の無駄を省いて歩留まりを向上させることができる。
[0005]
ところで、サイドパネルアウターを上部ワーク及び下部ワークに2分割す
ると、両ワークを接合した接合部に間隙ができるので、この間隙にシール剤を塗布する必要がある。シール剤を塗布する方法としては、例えば、ロボットハンドにシーラーガンを把持させ、シーラーガンから接合部に形成される間隙に沿ってシール剤を吐出させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
先行技術文献
特許文献
[0006]
特許文献1:実開平7−31166号公報
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0007]
しかしながら、接合部に形成される間隙に沿って、シーラーガンからシール剤を単に吐出させただけでは、塗布されたシール剤の各部の形状が不揃いとなり、接合部が外部から見える場合には十分な外観品質を得ることができないという不都合がある。
[0008]
本発明は、かかる不都合を解消して、2つのワークの接合部における間隙にシール剤を塗布するときに優れた外観品質を得ることができるシール剤塗布方法及びこれに用いるシール剤整形装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0009]
かかる目的を達成するために、本発明のシール剤塗布方法は、2つのワークの接合部における間隙に流動性を備えるシール剤を塗布する方法において、該間隙に該シール剤を塗布する塗布工程と、塗布された該シール剤の形状を整える整形工程とを備え、該整形工程は、該接合部の長さ方向に沿った溝状の非接触部と、該非接触部の両側において該非接触部と同じ方向を向いた接触面を有する1対の接触部とを備える整形用型部材を、塗布された該シール剤の両側で該1対の接触部の接触面が該接合部の表面に接し、該シール剤が該非接触部に収容されるように配置する配置工程と、該配置工程の後、該整形用型部材を該接合部に押圧し、かつ該押圧により該非接触部を変形させることにより、該非
接触部により該シール剤の長さ方向への浸出を許容し、該1対の接触部により該シール剤の幅方向への浸出を阻止しながら、該シール剤を該非接触部の外形に添って整形する工程とを備えることを特徴とする。
[0010]
本発明のシール剤塗布方法では、まず、2つのワークの接合部における間隙に流動性を備えるシール剤を塗布する。次に、前記接合部に整形用型部材を配設する。前記整形用型部材は、前記接合部の長さ方向に沿って延在する1対の接触部が、塗布されたシール剤の両側で接合部に接触する一方、1対の接触部の間の非接触部にシール剤を収容する。
[0011]
次に、整形用型部材を接合部に対して押圧することにより、非接触部に収容されたシール剤を接合部側に押圧すると、シール剤は流動性を備えているので容易に変形される。このとき、シール剤は、接合部の幅方向への侵出が接触部に阻止される一方、該接合部の長さ方向への侵出は非接触部により許容されているので、余分なシール剤が該接合部の長さ方向へ押し出される。
[0012]
この結果、本発明のシール剤塗布方法では、前記間隙に塗布されたシール剤が、非接触部の形状に沿って整形されることとなり、接合部において優れた外観形状を得ることができる。
[0013]
一方、本発明のシール剤整形装置は、2つのワークの接合部における間隙に塗布された流動性を備えるシール剤の形状を整える整形装置であって、該接合部の長さ方向に沿って延在し、塗布された該シール剤の両側で該接合部に接触して幅方向への該シール剤の侵出を阻止する1対の接触部と、該1対の接触部に挟まれる部分に該接合部の長さ方向に沿って延在して塗布された該シール剤を収容し、長さ方向への該シール剤の侵出を許容する非接触部とを備える整形用型部材と、該整形用型部材を該接合部に対して押圧する押圧部材とを備え、該1対の接触部は、該非接触部の両側において該非接触部と同じ方向を向き、該接合部との接触時に該接合部の表面と接触して該シール剤の浸出の阻止を実現するための接触面を有し、該非接触部は、前記押圧部材による押圧によって変形する部材で構成されることを特徴とする。
[0014]
本発明のシール剤整形装置によれば、2つのワークの接合部における間隙に塗布された流動性を備えるシール剤の両側に、接合部の長さ方向に沿って延在する1対の接触部が接触する一方、1対の接触部の間の非接触部にシール剤を収容する。そして、押圧部材で整形用型部材を接合部に対して押圧す
ることにより、シール剤は流動性を備えているので容易に変形される。
[0015]
このとき、シール剤は、接合部の幅方向への侵出が接触部に阻止される一方、該接合部の長さ方向への侵出は非接触部により許容されているので、余分なシール剤が該接合部の長さ方向へ押し出される。この結果、本発明のシール剤整形装置では、前記間隙に塗布されたシール剤が、非接触部の形状に沿って整形されることとなり、接合部において優れた外観品質を得ることができる。
[0016]
本発明のシール剤整形装置において、前記整形用型部材は、前記非接触部の前記接合部と反対側に設けられ、該接合部側に押圧されて、該非接触部に収容された前記シール剤を変形させる押圧部を備え、前記押圧部材は、該押圧部に圧接して該押圧部により該シール剤を変形させる圧接部材を備えるのが好ましい。
[0017]
ただし、この場合、前記押圧部は前記非接触部の前記接合部と反対側に設けられており、前記1対の接触部に挟まれている。このため、前記圧接部材を押圧部に圧接して、押圧部によりシール剤を接合部側に押圧させると、1対の接触部が押圧部側に倒れ込み、接合部の幅方向へのシール剤の侵出を十分に阻止できないことが懸念される。
[0018]
そこで、本発明のシール剤整形装置において、前記押圧部の前記接触部に隣接する部分の厚さd1は、該接触部の該押圧部に隣接する部分の厚さd2よりも小さいことが好ましい。押圧部を接触部よりも肉薄とすることにより、該押圧部が該接触部より変形され易くなり、該接触部が該押圧部側に倒れ込み難くなるので、接合部の幅方向へのシール剤の侵出を確実に阻止することができる。
[0019]
また、本発明のシール剤整形装置において、前記圧接部材は、前記押圧部に対する圧接量を規制するリミットピンを備えることが好ましい。圧接部材は、リミットピンを備えることにより、押圧部に対する圧接量が規制され、過度に圧接されることがないので、整形されたシール剤の厚さを均一にすることができる。
[0020]
また、本発明のシール剤整形装置において、前記接触部は、前記接合部の
ール剤との境界を画定し、乱れの無い均一なものとすることができる。
[0028]
すなわち、整形されたシール剤は、非接触部の内壁に対応する側面を有するので、そのワークに対する境界は、明確に画定され、乱れの無い均一なものとなる。
図面の簡単な説明
[0029]
図1Aは、2つのワークの接合部を示す斜視図、図1Bは、図1Aのb−b線断面図。
[0030]
図2Aは、本発明のシール剤整形装置の構成を示す正面図、図2Bは、図2Aのb−b線断面図。
[0031]
図3Aは、本発明のシール剤塗布方法において整形用型部材を接合部に配設する工程を示す模式的断面図、図3Bは、シール剤を整形する工程を示す模式的断面図。
[0032]
図4は本発明のシール剤塗布方法において整形用型部材を接合部に配設する方法を示す模式的正面図。
[0033]
図5は、図2A及び図2Bのシール剤整形装置における整形用型部材の別の例を示す断面図である。
[0034]
図6は、図5の整形用型部材を用いて整形されたシール剤を示す斜視図である。
[0035]
図7は、整形用型部材のさらに別の例を示す断面図である。
発明を実施するための形態
[0036]
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
[0037]
本実施形態のシール剤塗布方法は、図1A及び図1Bに示すように、2つのワーク1,2の接合部3における間隙4に流動性を備えるシール剤5を塗布するときに適用される。
[0038]
ワーク1,2は、幅方向の中央部に凸部1a,2aを備え、凸部1a,2aはそれぞれワーク1,2の長さ方向に延在している。図1Bに示すように
Claims (10)
- 2つのワークの接合部における間隙に流動性を備えるシール剤を塗布する方法において、
該間隙に該シール剤を塗布する塗布工程と、
塗布された該シール剤の形状を整える整形工程とを備え、
該整形工程は、
該接合部の長さ方向に沿った溝状の非接触部と、該非接触部の両側を構成する1対の接触部とを備える整形用型部材を、塗布された該シール剤の両側で該1対の接触部が該接合部に接し、該シール剤が該非接触部に収容されるように配置する配置工程と、
該配置工程の後、該整形用型部材を該接合部に対して押圧することにより、該非接触部により該シール剤の長さ方向への浸出を許容し、該1対の接触部により該シール剤の幅方向への浸出を阻止しながら、該シール剤を該非接触部の外形に添って整形する工程とを備えることを特徴とするシール剤塗布方法。 - 2つのワークの接合部における間隙に塗布された流動性を備えるシール剤の形状を整える整形装置であって、
該接合部の長さ方向に沿って延在し、塗布された該シール剤の両側で該接合部に接触して幅方向への該シール剤の侵出を阻止する1対の接触部と、該1対の接触部に挟まれる部分に該接合部の長さ方向に沿って延在して塗布された該シール剤を収容し、長さ方向への該シール剤の侵出を許容する非接触部とを備える整形用型部材と、
該整形用型部材を該接合部に対して押圧する押圧部材とを備えることを特徴とするシール剤整形装置。 - 請求項2記載のシール剤整形装置において、前記整形用型部材は、前記非接触部の前記接合部と反対側に設けられ、該接合部側に押圧されて、該非接触部に収容された前記シール剤を変形させる押圧部を備え、
前記押圧部材は、該押圧部に圧接して該押圧部により該シール剤を変形させる圧接部材を備えることを特徴とするシール剤整形装置。 - 請求項3記載のシール剤整形装置において、前記押圧部は、前記接触部よりも肉薄であることを特徴とするシール剤整形装置。
- 請求項3記載のシール剤整形装置において、前記圧接部材は、前記押圧部に対する圧接量を規制するリミットピンを備えることを特徴とするシール剤整形装置。
- 請求項3記載のシール剤整形装置において、前記接触部は、前記接合部の長さ方向に沿って延在して該接合部に接地する複数の接地部を備え、該接地部は互いに所定の空隙を存して設けられていることを特徴とするシール剤整形装置。
- 請求項2記載のシール剤整形装置において、前記接触部はシール剤の通過を阻止し、空気の通過を許容する空気抜き孔を備えることを特徴とするシール剤整形装置。
- 請求項2記載のシール剤整形装置において、前記非接触部の両側の前記接触部に隣接する部分は、前記ワークに対する該接触部の接触面を基準とする所定の高さを有する内壁で構成されることを特徴とするシール剤整形装置。
- 請求項8記載のシール剤整形装置において、前記整形用型部材には、前記接触面から前記内壁の高さ以下の所定距離だけ離れた個所に、該整形用型部材の変形時に該内壁の高さが所定値以下になるのを阻止する剛体が埋め込まれることを特徴とするシール剤整形装置。
- 請求項8記載のシール剤整形装置により整形されたシール剤であって、両側に前記内壁に対応する側面を有することを特徴とするシール剤。
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