JPWO2016013601A1 - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
(1)該周方向溝は、トレッド幅の50%に相当するトレッド中央領域内で周方向に延び、
(2)該周方向溝の溝深さがトレッド幅の5%以上で、
(3)該横方向溝の内、少なくともトレッド両側部に具えられた横方向溝の溝深さが該周方向溝の溝深さの109%以上である。
これにより、悪路走行時のトラクション性と高速走行時のウエット性能を両立させて向上させることができる、とされている。
特に、バスやトラック等に装着される空気入りタイヤ、あるいは、鉱山等のオフロード上を走行するダンプトラックに装着される、例えば49インチ以上の大型タイヤにおいて、トラクション性能を向上しつつ、トレッドセンター領域の耐摩耗性を向上することが、タイヤを効果的に使用する点から好ましい。
前記トレッドパターンは、
タイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられ、タイヤ赤道線を横切るようにタイヤ赤道線を基準としたタイヤ幅方向の第1の側及び第2の側の半トレッド領域のそれぞれに延びて両端を有するセンターラグ溝と、
タイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられ、前記半トレッド領域のそれぞれにおいて、タイヤ幅方向外側に延びて、タイヤ幅方向外側の端がタイヤ幅方向の両側にある接地端に開口するショルダーラグ溝であって、タイヤ周方向において、前記センターラグ溝のうちタイヤ周方向に隣りあう隣接センターラグ溝の端の間に1つずつ設けられたショルダーラグ溝と、
前記半トレッド領域のそれぞれにおいて、前記センターラグ溝の端と、前記ショルダーラグ溝のタイヤ幅方向の内側の端を交互に接続するようにタイヤ周上全周にわたって波形状に形成され、前記ショルダーラグ溝より溝幅が狭く、前記半トレッド領域に設けられた一対の周方向主溝と、
前記センターラグ溝と前記一対の周方向主溝によって画されてタイヤ周方向に一列に複数形成されたセンターブロックと、を備える。
前記周方向主溝は、前記トレッド部におけるタイヤ赤道線からタイヤ幅方向の両側に、トレッド幅Tの半分の30〜60%の距離、離間した領域内に設けられ、
前記一対の周方向主溝の波形状の振れ幅cの、トレッド幅Tに対する比c/Tは、0.05〜0.15であり、
前記センターラグ溝の溝幅P3の、前記センターブロックのタイヤ周方向の最大長さLBに対する比P3/LBは、0.03〜0.07である。
前記センターラグ溝が前記周方向主溝と接続する前記第1の側の第1接続端部及び前記第2の側の第2接続端部は、前記周方向主溝のタイヤ幅方向の内側の先端と接続し、前記センターラグ溝の前記第2接続端部は、前記第1接続端部よりもタイヤ周方向の第3の側にあり、
前記センターラグ溝の溝幅方向の中心位置に関し、前記第1接続端部と前記第1溝曲がり部がタイヤ周方向の前記第3の側に突出する突出端とを結ぶ第1直線のタイヤ幅方向に対する傾斜角度、および、前記第2接続端部と前記第2溝曲がり部がタイヤ周方向の前記第4の側に突出する突出端とを結ぶ第2直線のタイヤ幅方向に対する傾斜角度は、前記センターラグ溝の前記第1接続端部と前記第2接続端部を結ぶ第3直線のタイヤ幅方向に対する傾斜角度よりも大きい、ことが好ましい。
前記底上げ部における最も浅い溝深さD2及び前記トレッド部のタイヤ幅方向のトレッド幅Tに関して、比D2/Tは、0.05未満である、ことが好ましい。
前記周方向副溝は、屈曲形状あるいは湾曲形状の溝曲がり部を有する、ことが好ましい。
前記周方向副溝と前記センターラグ溝それぞれの接続位置は、前記第1溝曲がり部と前記第2溝曲がり部を含む、前記第1溝曲がり部と前記第2溝曲がり部の間に挟まれたタイヤ幅方向の領域内にある、ことが好ましい。
前記第1溝曲がり部に対応して形成される前記センターブロックの頂部は、いずれも鈍角の角部である、ことが好ましい。
本明細書においてタイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転中心軸方向をいい、タイヤ周方向とは、タイヤ回転中心軸を中心にタイヤを回転させたときにできるトレッド表面の回転面の回転方向をいう。タイヤ径方向とは、タイヤ回転中心軸から放射状に向く方向をいう。タイヤ径方向外側とは、タイヤ回転中心軸から遠ざかる側をいい、タイヤ径方向内側とは、タイヤ回転中心軸に近づく側をいう。また、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ赤道線からタイヤ幅方向において遠ざかる側をいい、タイヤ幅方向内側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道線に近づく側をいう。
また、本明細書でいう重荷重用空気入りタイヤとは、JATMA(日本自動車タイヤ協会規格) YEAR BOOK 2014のC章に記載されるタイヤの他に、D章に記載される1種(ダンプトラック、スクレーバ)用タイヤ、2種(グレーダ)用タイヤ、3種(ショベルローダ等)用タイヤ、4種(タイヤローラ)用タイヤ、モビールクレーン(トラッククレーン、ホイールクレーン)用タイヤ、あるいはTRA 2013 YEAR BOOKのSECTION 4 あるいは、section 6に記載される車両用タイヤをいう。
図1に示すタイヤ1は、トレッド部2、サイドウォール部3、ビード部4を有する。ビード部4は、タイヤ幅方向の両側に、一対のビードコア4aを有する。一対のビードコア4aの間には、カーカス層5が装架されている。カーカス層5の両端部は、ビードコア4aの廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。カーカス層5は、一枚のカーカスプライで構成されてもよいし、複数枚のカーカスプライで構成されてもよい。
図2は、タイヤ1のトレッド部2に設けられたトレッドパターンを平面展開したパターン図である。図2中、タイヤ周方向はCで、タイヤ幅方向はWで方向を示している。
トレッド部2は、ショルダーラグ溝10と、一対の周方向主溝12と、センターラグ溝14と、センターブロック16と、をトレッドパターンとして備える。
タイヤ幅方向の両側に位置するショルダーラグ溝10において、一方の半トレッド領域における1つのショルダーラグ溝10のタイヤ周方向の位置は、他方の半トレッド領域にある隣接する2つのショルダーラグ溝のタイヤ周方向の位置の間にある。
さらに、ショルダーラグ溝10は、半トレッド領域のそれぞれにおいて、ショルダーラグ溝10が有するタイヤ幅方向内側の端のタイヤ幅方向の位置が、後述するセンターラグ溝14の端のタイヤ幅方向の位置に比べてタイヤ幅方向外側にあり、かつ、ショルダーラグ溝10は、タイヤ周方向において、センターラグ溝14のうちタイヤ周方向に隣りあう隣接センターラグ溝14の間のショルダー領域に1つずつ設けられている。これにより、後述する周方向主溝12は、センターラグ溝14の端とショルダーラグ溝10のタイヤ幅方向内側の端を交互に接続して波形状を成す。
具体的には、周方向主溝12は、タイヤ幅方向の外側及び内側に凸状を成して曲がる溝曲がり部11(第3溝曲がり部11a及び第4溝曲がり部11b)をタイヤ周上に複数有し、タイヤ幅方向に波形状に蛇行しながらタイヤ周方向に延びる。一対の周方向主溝12それぞれは、溝曲がり部11のうちタイヤ幅方向外側に凸状を成して曲がる第3溝曲がり部11aでショルダーラグ溝10と接続する。また、一対の周方向主溝12それぞれは、溝曲がり部11のうちタイヤ幅方向内側に凸状を成して曲がる第4溝曲がり部11bでセンターラグ溝14と接続する。第4溝曲がり部11bのタイヤ周方向の位置は、反対側の半トレッド領域の第4溝曲がり部11bに対して位置ずれしている。したがって、センターラグ溝14は、タイヤ幅方向に対して傾斜した方向に延びている。さらに、一対の周方向主溝12の溝幅は、ショルダーラグ溝10の溝幅よりも狭い。
第1溝曲がり部14aは、タイヤ幅方向のうち、タイヤ赤道線CLに対して図2に示す紙面左側(第1の側)においてタイヤ周方向の図2,3の紙面上側(第3の側)に突出するように屈曲又は湾曲する部分で、第2溝曲がり部14bは、図2に示す紙面右側(第2の側)においてタイヤ周方向の図3の紙面下側(第4の側)に突出するように屈曲又は湾曲する部分である。
なお、本実施形態では、第1溝曲がり部14a、第2溝曲がり部14bは屈曲形状であるが、湾曲形状であってもよい。湾曲形状には、曲率半径を定めて溝の角形状の部分に接するゴムブロックの角部を丸くした形状、すなわち、ゴムブロックの角部を面取りしてつくられる溝の湾曲形状も含まれる。
センターラグ溝14は、第1溝曲がり部14a及び第2溝曲がり部14bを有することで、タイヤ周方向に波状に変位する。第1溝曲がり部14a及び第2溝曲がり部14bの形状は、例えばこの第1溝曲がり部14a、第2溝曲がり部14bによりつくられるセンターラグ溝14の曲がる角度θ(図3参照)が鈍角になる形状であることが好ましい。第1溝曲がり部14a及び第2溝曲がり部14bは、タイヤ赤道線CLのタイヤ幅方向両側に、タイヤ赤道線CLから同じ距離離間した位置に設けられることが好ましい。センターラグ溝14のうち、第1溝曲がり部14aと第2溝曲がり部14bとの間の部分にタイヤ赤道線CLが通過するように設けられ、また、この部分において、タイヤ幅方向に対するセンターラグ溝14の傾斜の向きがこれ以外の部分と異なっていることが好ましい。
センターラグ溝14の第2溝曲がり部14bは、タイヤ赤道線CLを基準として第2の側(図4中の紙面右側)においてタイヤ周方向の第4の側(図3中の紙面下方向の側)に突出するように屈曲又は湾曲する。第4の側は、第3の側に対して反対側である。ここで、センターラグ溝14が周方向主溝12と接続する第1の側の第1接続端部14c及びセンターラグ溝14が周方向主溝12と接続する第2の側の第2接続端部14dは、周方向周溝11のタイヤ幅方向の内側の先端、すなわち第2溝曲がり部11b,11bに該当する。センターラグ溝14がタイヤ幅方向に対して傾斜しているため、センターラグ溝14の第2接続端部14dは、第1接続端部14cよりもタイヤ周方向の第3の側(図3中の紙面上方向の側)にある。
このとき、センターラグ溝14の溝幅方向の中心位置に関し、第1溝曲がり部14aがタイヤ周方向の第3の側(図3中の上方向の側)に突出する突出端と第1接続端部14cとを結ぶ第1直線14eのタイヤ幅方向に対する傾斜角度(0度より大きく90度より小さい傾斜角度)、および、第2溝曲がり部14bがタイヤ周方向の第4の側に突出する突出端と第2接続端部14dとを結ぶ第2直線14fのタイヤ幅方向に対する傾斜角度(0度より大きく90度より小さい傾斜角度)は、センターラグ溝14の第1接続端部14cと第2接続端部14dを結ぶ第3直線14gのタイヤ幅方向に対する傾斜角度(0度より大きく90度より小さい傾斜角度)よりも大きいことが好ましい。
このとき、底上げ部12aにおける最も浅い溝深さD2(図5参照)及びトレッド部のタイヤ幅方向のトレッド幅Tに関して、比D2/Tは、0.05未満であることが好ましい。比D2/Tが0.05以上である場合、底上げ部の溝深さがトレッド幅T対比深くなるので、センターブロック16のブロックの倒れこみを抑えることは難しくなる。比D2/Tはより好ましくは0.04以下であり、例えば0.03である。比D2/Tの下限は特に制限はないが、例えば0.01である。
また、比D2/Tが0.05以上である場合、底上げ部12aの溝深さがトレッド幅T対比深くなるので、センターブロック16の底上げ部12a周りのブロック剛性と、センターブロック16の中央部(底上げ部を有する溝のエッジから離れた内側部分)のブロック剛性との間の差が大きくなり、偏摩耗が発生しやすくなる。
また、一対の周方向主溝12及びセンターラグ溝14の溝幅は、いずれも7〜20mmであることが、トラクション性能に必要なセンターブロック16のエッジ成分を持つことができ、周方向主溝12及びセンターラグ溝14の周りで発生しやすい局部的な摩耗を抑制できる点から好ましい。
なお、タイヤ1は、建設用車両または産業用車両に装着されることが好ましい。建設用車両または産業用車両は、ダンプトラック、スクレーバ、グレーダ、ショベルローダ、タイヤローラ、ホイールクレーン、トラッククレーン、あるいは、COMPACTOR、 EARTHMOVER、GREADER、LOADER AND DOZER等の車両を含む。
・タイヤ1の周方向主溝12は、トレッド部2におけるタイヤ赤道線CLからタイヤ幅方向の両側に、トレッド幅Tの半分の30〜60%の距離、離間した領域内に設けられ、
・周方向主溝12の波形状の振れ幅cの、トレッド幅Tに対する比c/Tは、0.05〜0.15であり、
・ センターラグ溝14の溝幅P3の、センターブロック16のタイヤ周方向の最大長さLBに対する比P3/LBは、0.03〜0.07である。
このため、センターブロック16を従来に比べて大きくすることができ、トラクション性能を向上させることができる。さらに、トレッドセンター領域の摩耗を、トレッドショルダー領域の摩耗に近づけることができ、トレッドセンター領域において得に摩耗が進展してタイヤの寿命が短くなることを防止できる。また、センターブロック16のタイヤ幅方向外側に突出した頂部の局部的な摩耗を抑制することができる。
本実施形態のトレッドパターンとして、図2に示すように、第1溝曲がり部14a及び第2溝曲がり部14bをセンターラグ溝14が備える好ましい形態を用いて説明したが、このセンターラグ溝14の代わりに、第1溝曲がり部14a及び第2溝曲がり部14bを備えず、タイヤ幅方向に対して直線状に傾斜して延びるセンターラグ溝14を用いることもできる。
図6は、図2に示すトレッドパターンの変形例を示す平面展開図である。図6に示されるように、センターブロック16それぞれの領域には、周方向副溝20が設けられことが好ましい。周方向副溝20は、センターラグ溝14のうち、タイヤ周方向に隣り合うセンターラグ溝間を接続する溝である。周方向副溝20は、例えば、センターラグ溝14の第1溝曲がり部14a及び第2溝曲がり部14bの先端の位置(具体的には、センターラグ溝14の両端を結んだ仮想直線からタイヤ周方向に最も突出した位置)で、センターラグ溝14に接続されていることが好ましい。また、周方向副溝20は、第5溝曲がり部21a及び第6溝曲がり部21bを有することが好ましい。第5溝曲がり部21a及び第6溝曲がり部21bの形状は、屈曲形状のほかに、湾曲形状であってもよい。湾曲形状には、曲率半径を定めて溝の角部に接するゴムブロックの角部を丸くした形状、すなわち、ゴムブロックの角部を面取りしてつくられる溝の湾曲形状も含まれる。
また、周方向副溝20とセンターラグ溝14それぞれの接続位置は、第1溝曲がり部14aと第2溝曲がり部14bを含む、第1溝曲がり部14aと第2溝曲がり部14bの間に挟まれたタイヤ幅方向の領域内にあることが好ましい。
第5溝曲がり部21a及び第6溝曲がり部21bの一方を、屈曲形状、他方を湾曲形状としてもよい。
本実施形態では、周方向副溝20に、第5溝曲がり部21a及び第6溝曲がり部21bが設けられているが、1つの溝曲がり部のみが設けられてもよいし、3つ以上の溝曲がり部が設けられてもよい。この場合、周方向副溝20における上記直線部は、タイヤ方向に平行に延びなくてもよい。また、図6に示すように、周方向副溝20のうち、2つの第5溝曲がり部21aと第6溝曲がり部21bとの間を結ぶ部分において、タイヤ赤道線CLが通過することが好ましい。
また、センターブロック16のタイヤ幅方向における最大幅WBに対する、周方向副溝20の溝幅P4(図6参照)の比P4/WBは、0.02以上0.07以下であることが好ましい。ここで、周方向副溝20が一定の溝幅を有する場合、溝幅P4は一定の溝幅であり、周方向副溝20の溝幅が変化する場合、周方向副溝20の最大溝幅をいう。また、最大幅WBは、センターブロック16のタイヤ赤道線CLからタイヤ幅方向の両側に向かって最も離れた位置までの距離の合計をいう。比P4/WBを0.02〜0.07とすることにより、センターブロック16のブロック剛性を所定の範囲にすることができる。
本実施形態のタイヤの効果を調べるために、トレッドパターンの異なるタイヤを種々試作し、トレッドセンター領域の耐摩耗特性と、トラクション性能とを調べた。試作したタイヤは、46/90R57である。リムサイズ29.00−6.0(TRA規定リム)に装着し、700kPa(TRA規定空気圧)、負荷荷重617.81kN(TRA規格荷重)を試験条件として、200トン用ダンプトラックを用いて、同じオフロード路面の走行を行ない耐偏摩耗性試験及びトラクション試験を行なった。耐偏耗性は、トレッドショルダー領域の摩耗量に対するトレッドセンター領域の摩耗量の大小を表す性能である。
耐偏摩耗性については、5000時間走行後の、トレッドショルダー領域の摩耗量に対するトレッドセンター領域の摩耗量の比を測定により求め、後述する従来例のトレッドショルダー領域の摩耗量に対するトレッドセンター領域の摩耗量の比を基準(指数100)とし、指数が大きい程、耐偏摩耗性が優れるように、上記比の逆数を指数で表した。
トラクション試験では、新品時のタイヤで、40km/時の速度から車両が停止するまでの距離を測定した。上記測定結果はブレーキ性能を表すが、トラクション性能と同一と判断することができる。測定結果を、後述する従来例の測定結果を基準(指数100)とし、指数が大きい程トラクション性が優れるように、測定結果の逆数を指数で表した。
図7は、従来例のトレッドパターンを示す図である。図7に示すトレッドパターンは、ショルダーラグ溝110と、一対の周方向主溝112と、センターラグ溝114と、センターブロック116と、を備える。ショルダーラグ溝110と、一対の周方向主溝112と、センターラグ溝114と、センターブロック116は、それぞれ、ショルダーラグ溝10と、一対の周方向主溝12と、センターラグ溝14と、センターブロック16と同様な構成を有するが、ショルダーラグ溝110の溝幅と周方向主溝112の溝幅は、ショルダーラグ溝10の溝幅と同じである。周方向主溝112の溝幅がショルダーラグ溝110と同じであることから、周方向主溝12のように、ショルダーラグ溝10の溝幅より狭い周方向主溝ではないので、下記表1では、波形状の周方向主溝は無い、としている。
実施例1〜22及び比較例1〜7は、図2または図6に示すトレッドパターンを用いた。
実施例23、24は、図2に示すトレッドパターンのセンターラグ溝14を、第1溝曲がり部14a及び第2溝曲がり部14bがなく、タイヤ幅方向に傾斜した直線形状の傾斜ラグ溝とした以外、実施例1,2と同じ仕様とした。
下記表1〜5については、トレッドパターンの各要素とそのときの耐偏摩耗性とトラクション性の評価結果を示す。
以降、表1〜5では「周方向主溝の位置」を、タイヤ赤道線CLに最も近い周方向主溝の位置とタイヤ赤道線CLとの間の距離、タイヤ赤道線CLから最も遠く離れた周方向主溝の位置とタイヤ赤道線CLとの間の距離を、トレッド幅Tの半分で割った値の%表示で示している。
表2A,2Bは、表1中の実施例2に合わせて、周方向主溝の位置及びP3/LBを固定(周方向主溝の位置=35〜55%,P3/LB=0.06)して、比c/Tを種々変更したトレッドパターン(実施例2、実施例4、5、比較例4,5)の評価結果を示す。さらに、表2A,2Bでは、周方向主溝の位置及び比c/Tを固定(位置=35〜55%,比c/T=0.01)して、比P3/LBを種々変更したトレッドパターン(実施例6〜8、比較例6,7)の評価結果を示す。
表3では、周方向主溝の位置、比c/T、及び比P3/LBが本実施形態の範囲に含まれるように定め、比D2/Tを種々変更したトレッドパターン(実施例9〜12)の評価結果を示す。
表4A,4Bは、周方向主溝の位置、比c/T、及び比P3/LBが本実施形態の範囲に含まれるように定め、比P4/WBを種々変更したトレッドパターン(実施例13〜17)の評価結果を示す。さらに、表4では、周方向主溝の位置、比c/T、及び比P3/LBが本実施形態の範囲に含まれるように定め、比LB/WBを種々変更したトレッドパターン(実施例18〜22)の評価結果を示す。
表5は、表1の実施例1,2に対して、センターラグ溝14に第1溝曲がり部14a及び第2溝曲がり部14bが設けられない例の評価結果を示す(実施例23,24)。
表3より、比D2/Tは、0.05以下、好ましくは0.05未満、より好ましくは0.03以下であることが、耐偏摩耗性の向上の点で好ましいことがわかる。
表4A,4Bより、第5、第6溝曲がり部21a,21bを備える周方向副溝20を設けること、また、比LB/WBを0.6〜0.8であることが、耐偏摩耗性の向上の点で好ましいことがわかる。
表5の実施例23,24より、トレッドパターンにおけるセンターラグ溝14には、第1溝曲がり部14a及び第2溝曲がり部14bを設けなくても本実施形態の効果は生じるが、実施例23,24の評価結果と、表1の実施例1,2の評価結果との比較より、トレッドパターンにおけるセンターラグ溝14には、第1溝曲がり部14a及び第2溝曲がり部14bを設けることが、耐偏摩耗性の向上の点で好ましいことがわかる。
以上より、本実施形態の効果は明らかである。
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
4a ビードコア
5 カーカス層
6 ベルト層
6a 第1の交差ベルト層
6b 第2の交差ベルト層
6c 第3の交差ベルト層
10,110 ショルダーラグ溝
11 溝曲がり部
11a 第3溝曲がり部
11b 第4溝曲がり部
12,112 周方向主溝
12a 底上げ部
14,114 センターラグ溝
14a 第1溝曲がり部
14b 第2溝曲がり部
16,116 センターブロック
18 トレッド端
20 周方向副溝
21a 第5溝曲がり部
21b 第6溝曲がり部
Claims (12)
- トレッドパターン付き空気入りタイヤであって、
前記トレッドパターンは、
タイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられ、タイヤ赤道線を横切るようにタイヤ赤道線を基準としたタイヤ幅方向の第1の側及び第2の側の半トレッド領域のそれぞれに延びて両端を有するセンターラグ溝と、
タイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられ、前記半トレッド領域のそれぞれにおいて、タイヤ幅方向外側に延びて、タイヤ幅方向外側の端がタイヤ幅方向の両側にある接地端に開口するショルダーラグ溝であって、タイヤ周方向において、前記センターラグ溝のうちタイヤ周方向に隣りあう隣接センターラグ溝の端の間に1つずつ設けられたショルダーラグ溝と、
前記半トレッド領域のそれぞれにおいて、前記センターラグ溝の端と、前記ショルダーラグ溝のタイヤ幅方向の内側の端を交互に接続するようにタイヤ周上全周にわたって波形状に形成され、前記ショルダーラグ溝より溝幅が狭く、前記半トレッド領域に設けられた一対の周方向主溝と、
前記センターラグ溝と前記一対の周方向主溝によって画されてタイヤ周方向に一列に複数形成されたセンターブロックと、を備え、
前記周方向主溝は、前記トレッド部におけるタイヤ赤道線からタイヤ幅方向の両側に、トレッド幅Tの半分の30〜60%の距離、離間した領域内に設けられ、
前記一対の周方向主溝の波形状の振れ幅cの、トレッド幅Tに対する比c/Tは、0.05〜0.15であり、
前記センターラグ溝の溝幅P3の、前記センターブロックのタイヤ周方向の最大長さLBに対する比P3/LBは、0.03〜0.07である、ことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。 - 前記センターラグ溝のそれぞれは、前記第1の側においてタイヤ周方向の第3の側に突出するように屈曲又は湾曲する第1溝曲がり部と、前記第2の側においてタイヤ周方向の前記第3の側の反対側である第4の側に突出するように屈曲又は湾曲する第2溝曲がり部と、を備え、
前記センターラグ溝が前記周方向主溝と接続する前記第1の側の第1接続端部及び前記第2の側の第2接続端部は、前記周方向主溝のタイヤ幅方向の内側の先端と接続し、前記センターラグ溝の前記第2接続端部は、前記第1接続端部よりもタイヤ周方向の第3の側にあり、
前記センターラグ溝の溝幅方向の中心位置に関し、前記第1接続端部と前記第1溝曲がり部がタイヤ周方向の前記第3の側に突出する突出端とを結ぶ第1直線のタイヤ幅方向に対する傾斜角度、および、前記第2接続端部と前記第2溝曲がり部がタイヤ周方向の前記第4の側に突出する突出端とを結ぶ第2直線のタイヤ幅方向に対する傾斜角度は、前記センターラグ溝の前記第1接続端部と前記第2接続端部を結ぶ第3直線のタイヤ幅方向に対する傾斜角度よりも大きい、請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。 - 前記センターラグ溝の溝幅方向の中心位置に関し、前記第1溝曲がり部がタイヤ周方向の前記第3の側に突出する突出端と前記第1接続端部との間の前記センターラグ溝の部分は、前記第1直線上、あるいは前記第1直線に対して前記第3の側にあり、前記第2溝曲がり部がタイヤ周方向の前記第4の側に突出する突出端と前記第2接続端部との間の前記センターラグ溝の部分は、前記第2直線上、あるいは前記第2直線に対して前記第4の側にある、請求項2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
- 前記一対の周方向主溝それぞれにおいて、溝深さが部分的に浅くなった底上げ部を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
- 前記底上げ部における最も浅い溝深さD2及び前記トレッド部のタイヤ幅方向のトレッド幅Tに関して、比D2/Tは、0.05未満である、請求項4に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
- 前記センターブロックそれぞれの領域には、前記センターラグ溝のうち、タイヤ周方向に隣り合うセンターラグ溝間を接続する、周方向副溝が設けられ、
前記周方向副溝は、屈曲形状あるいは湾曲形状の溝曲がり部を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の重荷重用空気入りタイヤ。 - 前記センターブロックそれぞれの領域には、前記センターラグ溝のうち、タイヤ周方向に隣り合うセンターラグ溝間を接続する、周方向副溝が設けられ、
前記周方向副溝と前記センターラグ溝それぞれの接続位置は、前記第1溝曲がり部と前記第2溝曲がり部を含む、前記第1溝曲がり部と前記第2溝曲がり部の間に挟まれたタイヤ幅方向の領域内にある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の重荷重用空気入りタイヤ。 - 前記センターブロックのタイヤ幅方向における最大幅WBに対する、前記周方向副溝の溝幅P4の比P4/WBは、0.02〜0.07である、請求項6または7に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
- 前記センターブロックのタイヤ幅方向における最大幅WBに対する、前記センターブロックのタイヤ周方向の最大長さLBの比LB/WBは、0.6〜0.8である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
- 前記一対の周方向主溝には、波形状を成すように、タイヤ幅方向外側に屈曲あるいは湾曲した第1溝曲がり部と、タイヤ幅方向内側に屈曲あるいは湾曲した第2溝曲がり部と、が配置され、
前記第1溝曲がり部に対応して形成される前記センターブロックの頂部は、いずれも鈍角の角部である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の重荷重用空気入りタイヤ。 - 前記一対の周方向主溝及び前記センターラグ溝の溝幅は、いずれも7〜20mmである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
- 建設用車両または産業用車両に装着される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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