JPWO2016009682A1 - 情報処理装置、情報処理方法およびプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

不動産売買に関わるさまざまなユーザにとって有用な情報を提供する。既に売買された第1の不動産物件の実際の売買価格および売買所要期間に基づいて、第2の不動産物件の予想売買価格を表現するグラフを描画するグラフ描画部と、上記グラフをクライアント装置で表示させる表示制御部とを備え、上記グラフは、上記予想売買価格の確率分布を表現する要素、および上記予想売買価格に対応する予想売買所要期間を表現する要素を含む情報処理装置が提供される。

Description

本開示は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
近年、不動産売買においても、情報の検索や売買に関する連絡などが、インターネットなどのネットワークを介して実施されることが多くなってきている。例えば、特許文献1には、クライアントに入力されるユーザ識別子および不動産識別子に基づいて、サーバで保持されているユーザ情報および不動産情報を取得し、取得されたユーザ情報および不動産情報が書き込まれた下見のための紹介状を作成する技術が記載されている。
特開2003−281252号公報
しかしながら、例えば特許文献1に記載されたような技術は、主に不動産を購入または賃借しようとするユーザが不動産を検索したり下見したりする際に限って利用可能なものであった。その一方で、例えば、不動産売買に関わるさまざまなユーザ(不動産を購入または賃借しようとするユーザだけでなく、売却または賃貸しようとするユーザも含まれうる)にとって有用な情報を提供できるような技術は、いまだ十分に提案されているとはいえない。
そこで、本開示では、不動産売買に関わるさまざまなユーザにとって有用な情報を提供することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提案する。
本開示によれば、既に売買された第1の不動産物件の実際の売買価格および売買所要期間に基づいて、第2の不動産物件の予想売買価格を表現するグラフを描画するグラフ描画部と、上記グラフをクライアント装置で表示させる表示制御部とを備え、上記グラフは、上記予想売買価格の確率分布を表現する要素、および上記予想売買価格に対応する予想売買所要期間を表現する要素を含む情報処理装置が提供される。
また、本開示によれば、プロセッサが、既に売買された第1の不動産物件の実際の売買価格および売買所要期間に基づいて、第2の不動産物件の予想売買価格を表現するグラフを描画することと、上記グラフをクライアント装置で表示させることとを含み、上記グラフは、上記予想売買価格の確率分布を表現する要素、および上記予想売買価格に対応する予想売買所要期間を表現する要素を含む情報処理方法が提供される。
また、本開示によれば、既に売買された第1の不動産物件の実際の売買価格および売買所要期間に基づいて、第2の不動産物件の予想売買価格を表現するグラフを描画する機能と、上記グラフをクライアント装置で表示させる機能とをコンピュータに実現させ、上記グラフは、上記予想売買価格の確率分布を表現する要素、および上記予想売買価格に対応する予想売買所要期間を表現する要素を含むプログラムが提供される。
以上説明したように本開示によれば、不動産売買に関わるさまざまなユーザにとって有用な情報を提供することができる。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本開示の一実施形態に係るシステムの概略的な構成を示す図である。 本開示の一実施形態に係るシステムの内部構成を示すブロック図である。 本開示の一実施形態においてユーザとエージェントとのリアルタイムの対話を実現するための機能構成例を示すブロック図である。 本開示の一実施形態において提供されるユーザとエージェントとのリアルタイムの対話のためのユーザインターフェースの例を示す図である。 本開示の一実施形態において不動産物件の適正価格に関する情報を提供するための機能構成例を示すブロック図である。 本開示の一実施形態において提供されるグラフを含む画面の例を示す図である。 本開示の一実施形態において提供される査定書の例を示す図である。 本開示の一実施形態における評価額計算式の例について説明するための図である。 本開示の一実施形態において評価額計算式が不動産物件の所在地によって異なる例について説明するための図である。 本開示の一実施形態において関連サービスの一括シミュレーションを提供するための機能構成例を示すブロック図である。 本開示の一実施形態において提供される関連サービスの一括シミュレーションのための入力画面の例を示す図である。 本開示の一実施形態において提供される関連サービスの一括シミュレーションの結果表示画面の例を示す図である。 本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.システム構成
2.ユーザとエージェントとのリアルタイムの対話
2−1.機能構成
2−2.ユーザインターフェースの例
3.適正価格に関する情報の提供
3−1.機能構成
3−2.ユーザインターフェースの例
3−3.評価額計算式の例
4.関連サービスの一括シミュレーション
4−1.機能構成
4−2.ユーザインターフェースの例
5.ハードウェア構成
6.補足
(1.システム構成)
図1は、本開示の一実施形態に係るシステムの概略的な構成を示す図である。図1を参照すると、本実施形態に係るシステム10は、クライアント100と、サーバ300とを含む。クライアント100とサーバ300とは、ネットワーク200によって接続され、相互に通信が可能である。
クライアント100は、例えば、スマートフォン100a、パーソナルコンピュータ100b、およびタブレット100cなどを含みうる。クライアント100は、図示された例には限らず、ユーザとの間で情報を入出力する機能を有するあらゆる種類の端末装置を含みうる。クライアント100は、ユーザに情報を出力するために、例えば画像または音声などを用いる。また、クライアント100は、ユーザからの情報の入力を、端末装置の操作入力、発話を示す音声、またはジェスチャもしくは視線を示す画像などによって受け付ける。
サーバ300は、ネットワーク上の1または複数のサーバ装置を含む。図示された例では、2つのサーバ装置300a,300bが示されているが、サーバ装置は単一であってもよいし、3以上あってもよい。それぞれのサーバ装置は、協働して以下で説明するサーバ300の機能を実現してもよい。この場合、複数のサーバ装置の全体が、単一の情報処理装置として扱われてもよい。あるいは、サーバ装置の少なくとも一部は、以下で説明するサーバ300のオペレータとは異なるオペレータによって運用されてもよい。このような場合、以下の説明では、サーバ300の一部が、システム10に含まれない外部サーバとして参照されうる。
本実施形態において、サーバ装置の少なくとも一部は、データベース310を有する。データベース310には、不動産やユーザに関する情報が格納される。また、サーバ装置の少なくとも一部が、不動産売買のエージェントとの間で情報を入出力する機能を有してもよい。このような機能を利用して、例えば、ユーザとエージェントとの間でリアルタイムの画像または音声のやりとりが実行されてもよい。
ネットワーク200は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、または携帯電話網など、有線または無線の各種のネットワークを含む。ネットワーク200は、クライアント100とサーバ300とを接続するとともに、サーバ300に含まれる複数のサーバ装置を接続してもよい。ネットワーク200に複数の種類のネットワークが含まれるような場合、ネットワーク200は、それらのネットワークを互いに接続するルータやハブなどを含んでもよい。
図2は、本開示の一実施形態に係るシステムの内部構成を示すブロック図である。図2を参照すると、クライアント100は、ローカルストレージ110と、通信部120と、処理部130と、入出力部140とを含みうる。サーバ300は、データベース310と、通信部320と、処理部330と、入出力部340とを含みうる。以下、それぞれの機能構成についてさらに説明する。なお、クライアント100として機能する端末装置、およびサーバ300に含まれる1または複数のサーバ装置は、例えば後述する情報処理装置のハードウェア構成によって実現される。
(クライアントの構成)
ローカルストレージ110は、例えば端末装置が有するメモリまたはストレージによって実現される。ローカルストレージ110には、例えば、ネットワーク200を介してサーバ300から提供された情報や、入出力部140を介してユーザによって入力された情報が、一時的または持続的に格納される。ローカルストレージ110に格納された情報を利用して、ユーザは、オフラインでもサーバ300から提供された情報を参照したり、サーバ300に提供する情報の下書きを入力したりすることができる。
通信部120は、ネットワーク200を介してサーバ300と通信する。通信部120は、クライアント100が接続されるネットワークでの通信を実行する通信装置によって実現される。
処理部130は、例えば端末装置が有するCPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサによって実現される。例えば、処理部130は、入出力部140を介してユーザによって入力された情報に基づいて、通信部120を介してサーバ300に情報を要求する処理を実行する。また、例えば、処理部130は、通信部120を介してサーバ300から提供された情報に基づいて、入出力部140を介してユーザに情報を出力する処理を実行する。このとき、処理部130は、提供された情報を、入出力部140の種類に応じて適切な形式に変換する処理を実行してもよい。
入出力部140は、例えば端末装置が有するタッチパネル、マウス、キーボード、マイクロフォン、またはカメラ(撮像装置)のような入力装置と、ディスプレイまたはスピーカのような出力装置とによって実現される。なお、入出力部140は、入力装置または出力装置のいずれか一方だけを含んでもよい。例えば、入出力部140に含まれるディスプレイには、通信部120を介してサーバ300から受信された情報が、処理部130による処理を経て表示される。また、例えば、入出力部140に含まれるタッチパネルなどによって取得されたユーザの操作入力は、処理部130による処理を経て、通信部120を介してサーバ300に送信される。
上記のような処理部130および入出力部140の機能自体は、例えば一般的な端末装置における処理部および入出力部の機能と同様であるために、以下の本実施形態の説明では詳細に説明されない場合がありうる。しかしながら、そのような場合でも、例えばサーバ300から受信される情報が特徴的であれば、そうした情報を処理し、また出力するという点において、クライアント100における処理部130または入出力部140の機能も、一般的な端末装置におけるそれらの機能に比較して特徴的でありうる。
(サーバの構成)
データベース310は、例えばサーバ装置が有するメモリまたはストレージによって実現される。上記の通り、データベース310には、不動産やユーザに関する情報が格納される。なお、データベース310に格納される情報のより具体的な種類は、サーバ300によって提供されるサービスの内容によって異なりうる。
通信部320は、ネットワーク200を介してクライアント100と通信する。また、通信部320は、ネットワーク200を介して外部サーバと通信してもよい。通信部320は、サーバ300が接続されるネットワークでの通信を実行する通信装置によって実現される。
処理部330は、例えばサーバ装置が有するCPUのようなプロセッサによって実現される。例えば、処理部330は、通信部320を介してクライアント100から受信された情報に基づいて、データベース310から情報を取得し、取得された情報を必要に応じて処理した上で、通信部320を介してクライアント100に送信する処理を実行する。また、例えば、処理部330は、通信部320を介してクライアント100から受信された情報を、入出力部340を介してエージェントに出力する処理を実行するとともに、入出力部340を介してエージェントによって入力された情報を、通信部320を介してクライアント100に送信する処理を実行してもよい。
入出力部340は、例えばサーバ装置、またはサーバ装置に接続される端末装置が有するタッチパネル、マウス、キーボード、マイクロフォン、またはカメラ(撮像装置)のような入力装置と、ディスプレイまたはスピーカのような出力装置とによって実現される。例えば、入出力部340に含まれるディスプレイには、通信部320を介してクライアント100から受信された情報が、処理部330による処理を経て表示される。また、例えば、入出力部340に含まれるタッチパネルなどによって取得されたエージェントの操作入力は、処理部330による処理を経て、通信部320を介してクライアント100に送信される。なお、例えばサーバ300がクライアント100から受信した情報に基づいて自動的に情報を生成するような場合、入出力部340は必ずしもサーバ300に含まれなくてもよい。
なお、サーバ300が複数のサーバ装置を含む場合、上述したサーバ300の機能構成は、複数のサーバ装置に分散して実現されうる。例えば、データベース310の機能は、いずれかのサーバ装置で集約的に実現されてもよいし、複数のサーバ装置に分散したデータベースを統合的に運用することによって実現されてもよい。また、例えば、処理部330の機能は、複数のサーバ装置に分散したプロセッサを統合的に運用することによって実現されてもよい。この場合、以下で説明する処理部330の機能は、説明のために定義された機能ブロックの区分に関わらず、複数のサーバ装置に直列的または並列的に分散して実現されうる。
(2.ユーザとエージェントとのリアルタイムの対話)
(2−1.機能構成)
本実施形態に係るシステム10では、クライアント100側のユーザと、サーバ300側のエージェントとの間で、リアルタイムの対話が実現されてもよい。対話は、例えば映像と音声とを利用したものであってもよいし、映像または音声のいずれか一方を利用したものであってもよい。以下では、このような機能を実現するためのサーバ300の詳細な構成について、さらに説明する。
図3は、本開示の一実施形態においてユーザとエージェントとのリアルタイムの対話を実現するための機能構成例を示すブロック図である。図3を参照すると、この例において、サーバ300の処理部330は、表示制御部3301と、音声制御部3302と、音声/映像/操作入力受信部3303と、操作入力部3304と、音声/映像入力部3305と、音声/映像出力部3306と、音声/映像/操作入力記録部3307とを含む。また、データベース310は、音声、映像、または操作入力を記録するためのストレージ3101を含む。
表示制御部3301は、通信部320およびネットワーク200を介して、クライアント100の入出力部140に含まれるディスプレイなどの表示装置を制御する。より具体的には、表示制御部3301は、操作入力部3304によって取得されるエージェントの操作入力や、音声/映像入力部3305によって取得される映像に基づいて、クライアント100で画像を表示させるためのデータ(例えばHTMLなどのドキュメントデータやエンコードされた画像データなど)を生成し、生成されたデータを通信部320を介してクライアント100に送信する。クライアント100では、通信部120を介してデータを受信した処理部130が、上記の画像をディスプレイなどに表示させるための制御信号を生成する。
音声制御部3302は、通信部320およびネットワーク200を介して、クライアント100の入出力部140に含まれるスピーカなどの音声出力装置を制御する。より具体的には、音声制御部3302は、操作入力部3304によって取得されるエージェントの操作入力や、音声/映像入力部3305によって取得される音声に基づいて、クライアント100で音声を出力させるためのデータ(例えばエンコードされた音声データなど)を生成し、生成されたデータを通信部320を介してクライアント100に送信する。クライアント100では、通信部120を介してデータを受信した処理部130が、上記の音声をスピーカなどから出力させるための制御信号を生成する。
音声/映像/操作入力受信部3303は、ネットワーク200および通信部320を介して、クライアント100の入出力部140によって取得された音声、映像、または操作入力のデータを受信する。例えば、音声は入出力部140に含まれるマイクロフォンなどによって取得され、映像は入出力部140に含まれるカメラなどによって取得され、操作入力は入出力部140に含まれるタッチパネルやマウス、キーボードなどによって取得される。音声/映像/操作入力受信部3303は、受信されたデータを音声/映像出力部3306に提供するとともに、必要に応じて記録のために音声/映像/操作入力記録部3307にも提供する。
操作入力部3304は、サーバ300の入出力部340に含まれるタッチパネルやマウス、キーボードなどによって受け付けられたエージェントの操作入力を取得する。エージェントの操作入力によって、例えば、クライアント100で表示される画像にどのような情報を含めるかを選択することができる。後述するように、表示される画像には、例えば不動産物件やエージェント自身に関するテキストや画像などの資料が含まれる。エージェントは、操作入力によって、ユーザにどのような資料を提示するかを選択することができる。また、後述するように、クライアント100で表示される画像には、ユーザが意思表示をするための入力要素も含まれうる。エージェントは、操作入力によって、どのタイミングでそのような入力要素を提示するかを選択することもできる。
音声/映像入力部3305は、入出力部340に含まれるマイクロフォンやカメラなどによってキャプチャされた音声や映像を取得する。音声は、例えばエージェントの発話音声を含む。映像は、例えばエージェントの姿や、エージェントが提示した物件、例えばエージェントの身分証明書や公的資格の証明書、建物のモデルなどを含みうる。音声/映像入力部3305は、取得された音声を音声制御部3302に提供し、映像を表示制御部3301に提供する。
音声/映像出力部3306は、音声/映像/操作入力受信部3303が受信した情報に基づいて、入出力部340に含まれるディスプレイおよびスピーカなどによって出力される音声および映像を制御する。例えば、音声/映像出力部3306は、音声/映像/操作入力受信部3303が受信した、エンコードされた音声データをデコードして、スピーカから音声を出力するための制御信号を生成してもよい。また、例えば、音声/映像出力部3306は、音声/映像/操作入力受信部3303が受信した映像データおよび操作入力のデータに基づいて画像のデータを生成し、生成されたデータに基づいて画像をディスプレイに表示させるための制御信号を生成してもよい。
音声/映像/操作入力記録部3307は、音声/映像/操作入力受信部3303が受信した情報に基づいて、音声、映像、または操作入力をストレージ3101に記録する。音声および映像は、例えばリアルタイムの対話の最中におけるユーザおよびエージェントの姿や発話音声の記録として利用されうる。音声または映像のいずれか一方だけが記録されてもよい。操作入力は、例えばクライアント100で表示される画像にユーザが意思表示をするための入力要素が含まれる場合に、ユーザが当該入力要素を用いて意思表示をしたことの記録として利用されうる。
(2−2.ユーザインターフェースの例)
図4は、本開示の一実施形態において提供されるユーザとエージェントとのリアルタイムの対話のためのユーザインターフェースの例を示す図である。図4を参照すると、クライアント100で表示される画面1100は、資料ウインドウ1110と、入力ウインドウ1120と、エージェント情報1130とを含む。
画面1100は、例えば、エージェントがユーザに、不動産の売買や賃貸借の契約についての説明をする際に表示される。資料ウインドウ1110には、契約内容などについて説明するための資料が表示される。資料は、例えばテキスト1111や図表1112などを含みうる。図表1112は、例えば契約対象の不動産の敷地や間取りなどを示す。入力ウインドウ1120には、説明を受けたユーザが意思表示をするための入力要素1121およびその説明が表示される。入力要素1121は、図示された例ではチェックボックスである。ユーザは、例えば、クライアント100の入出力部140に含まれるタッチパネルやマウス、キーボードなどを用いて、入力要素1121のチェックボックスをチェックすることができる。このようなユーザの操作入力は、ユーザが説明の内容を確認し理解したことの意思表示として取得することができる。エージェント情報1130は、エージェント名1131、エージェント画像1132、および証明書類画像1133を含む。
一般的に、不動産の売買や賃貸借の契約にあたって、ユーザはエージェントなどに対面して説明を受け、説明の内容を確認し理解したことの意思表示として文書に署名する。画面1100は、このような手続きを代替することができうる。つまり、資料ウインドウ1110に表示される資料は、対面して説明をする際に提示される印刷物の資料を代替する。さらに、エージェント画像1132に、サーバ300の入出力部340に含まれるカメラによって撮影されたエージェントのリアルタイムの画像を表示し、同様にエージェント側でもクライアント100の入出力部140に含まれるカメラによって撮影されたユーザのリアルタイムの画像を表示し、両者の音声を交換すれば、対面で説明をするのと同様の環境を提供することができる。
さらに、一連の説明の間に交換された音声や、入力要素1121へのユーザ操作を音声/映像/操作入力記録部3307が記録することによって、署名と同様に、ユーザが説明の内容を確認し理解したことの記録を残すことができる。実際の音声などのやりとりが記録されるという点では、対面の説明よりも実態を反映した記録を残すことが可能であるともいえる。記録された音声などは、ユーザ自身によって事後的に参照することが可能であってもよく、そのことが注記1141によって表示されてもよい。また、エージェント情報1130に含まれる証明書類画像1133によって、上記のような対面での説明の際に必要とされるエージェントの資格証明書類などの提示(例えば、2014年7月現在の日本国の法律では国家資格「宅地建物取引主任者」の証明書類の提示)も可能である。
なお、以上で説明したユーザとエージェントとのリアルタイムの対話の実現のためには、上記で説明された構成に加えて、例えばいわゆるビデオチャットに関する公知の技術が利用されうる。また、例えばクライアント100が送信する情報とサーバ300で記録される情報との同一性など、やりとりの秘匿性および安全性を担保するために、公知のセキュリティ技術が利用されてもよい。このような公知の技術については、既によく知られており当業者は適宜利用可能であるために、本明細書では詳細な説明を省略する。
本実施形態では、上記のようなユーザとエージェントとのリアルタイムの対話が実現可能であることによって、例えばユーザとエージェントとが互いに遠隔地にいる場合でも、契約などについてユーザへの十分な説明を実施し、さらにユーザが説明の内容を確認し理解したことの記録を残すことができる。従って、不動産の売買や賃貸借にあたって、エージェントなどから説明を受けるために移動しなければならないというユーザの不便を解消し、例えば遠隔地や外国に居住するユーザによる不動産の売買や賃貸借を容易にすることができる。
なお、上記の例のようなユーザとエージェントとのリアルタイムの対話は、不動産の売買や賃貸借の契約についての説明をする際には限らず、不動産の物件についての検討段階での説明などの際にも利用されうる。この場合も、実際に対面しなくても対面での説明と同様の環境が提供されることによって、ユーザの安心感や利便性を向上させることができる。また、上記の例のようなユーザとエージェントとのリアルタイムの対話は、不動産取引には限らず、例えば何事かを依頼するユーザと、その依頼を引き受けるエージェントとが存在するあらゆるケースに応用可能でありうる。
(3.適正価格に関する情報の提供)
(3−1.機能構成)
本実施形態に係るシステム10では、サーバ300がデータベース310に格納された情報などを処理することによって、不動産物件の適正価格に関する情報を提供することができる。以下では、このような機能を実現するためのサーバ300の詳細な構成について、さらに説明する。
図5は、本開示の一実施形態において不動産物件の適正価格に関する情報を提供するための機能構成例を示すブロック図である。図5を参照すると、この例において、サーバ300の処理部330は、物件情報取得部3311と、評価額算出部3312と、適正価格算出部3313と、価格動向推定部3314と、ライフステージ情報取得部3315と、周辺環境情報取得部3316と、地図画像取得部3317と、査定書作成部3318と、グラフ描画部3319と、表示制御部3301とを含む。
この例では、上記のような機能構成によって、不動産物件についてのグラフを含む画面、または不動産物件の査定書が出力される。図示された例では、グラフを含む画面と査定書との両方の出力が可能であるが、他の例では、グラフを含む画面または査定書のいずれか一方だけが出力されてもよい。また、グラフを含む画面および査定書に含まれる情報の項目は、以下で説明される例には限られず様々でありうる。従って、例えば以下で説明される一部の項目を含まない画面や査定書が出力されてもよい。その場合、処理部330は、省かれる項目に対応する機能構成を有さなくてもよい。また、以下で説明される項目以外の項目を含む画面や査定書が出力されてもよい。その場合、処理部330は、そのような項目の情報を生成するための機能構成をさらに有する。
物件情報取得部3311は、情報提供の対象になる不動産物件の情報、および情報提供のために必要とされる他の不動産物件の情報を取得する。不動産物件の情報は、例えばサーバ300のデータベース310に格納されていてもよいし、ネットワーク上の外部サーバによって提供されるサービスを利用して取得されてもよい。また、不動産物件の情報は、例えば、物件の所在地や面積、交通アクセス状況、土地や建物の形状、間取り、建物の築年数、施工者などの情報に加えて、物件が過去に売買または賃貸借されたときの価格または賃料の情報を含みうる。
評価額算出部3312は、物件情報取得部3311が取得した不動産物件の情報に基づいて、不動産物件の評価額を算出する。より具体的には、評価額算出部3312は、不動産物件の評価因子、例えば物件の所在地や面積、交通アクセス状況、土地や建物の形状、間取り、建物の築年数、施工者などを変数として含む関数を用いて、不動産物件の評価額を算出する。後述するように、ここで用いられる関数は、評価額が算出される不動産物件の所在地によって異なってもよい。ここで、評価額算出部3312は、単一の不動産物件の評価額を算出してもよい。不動産物件の評価額自体、物件の売買や賃貸借にあたっては有用な情報である。また、評価額算出部3312は、既に売買された第1の不動産物件と、これから売買される第2の不動産物件とを含む不動産物件の評価額を算出してもよい。この場合、例えば、後述する適正価格算出部3313は、第1の不動産物件における評価額と実際の売買価格との関係、および第2の不動産物件の評価額に基づいて、第2の不動産物件の適正価格を算出することができる。なお、評価額算出部3312は、第1の不動産物件と第2の不動産物件とに共通する関数を用いて評価額を算出してもよいし、異なる関数を用いて評価額を算出してもよい。
なお、上記の関数では、評価因子自体が変数として扱われてもよい。例えば、物件の面積(広い方が高く評価される)や建物の築年数(新しい方が高く評価される)、交通アクセス状況(最寄り駅やCBD(Central Business District)までの所要時間が短い方が高く評価される)のように、数値として評価することが可能な評価因子については、評価因子自体が関数における変数として扱われてもよい。この場合、評価因子と評価との関係が線型的であれば1次の変数として扱われ、非線形的であれば2次以上の変数として扱われてもよい。
また、上記の関数では、評価因子のクラスに与えられるスコアが変数として扱われてもよい。例えば、物件の所在地、土地や建物の形状、間取り、施工者などは、それ自体では数値化されていないが、人気や評価の高さなどによってスコアを与えることが可能である。より具体的には、アンケート調査などによって人気があることが示される地区や、使いやすいという評価が多く寄せられている間取り、施工後のクレームが少ない施工者などに高いスコアが与えられる。このようなスコアも、上記の数値の評価因子と同様に、1次または2次以上の変数として扱われる。
適正価格算出部3313は、評価額算出部3312が算出した評価額に基づいて、不動産物件の適正価格を算出する。例えば不動産物件の売買の場合、適正価格は、売り手または買い手からみた適正な価格を意味する。例えば、売り手にとっての適正価格は、許容できる所要期間の間に買い手が見つかる可能性が十分に高いと推定される価格である。一方、買い手にとっての適正価格は、許容できる所要期間のうちに売り手が見つかる可能性が十分に高いと推定される価格である。適正価格は、例えば、売り手がこれから売ろうとしている不動産物件(以下、売却予定物件ともいう)、または買い手がこれから買おうとしている不動産物件(以下、購入希望物件ともいう)について算出されうる。売却予定物件および購入希望物件は、いずれも、上記の評価額算出部3312の説明における「第2の不動産物件」に相当する。
なお、売却予定物件については既に具体的な物件が特定されているが、購入希望物件については、希望条件はあるものの具体的な物件が特定されていないことが一般的である。それゆえ、例えば購入希望物件についての適正価格を算出する場合、評価額算出部3312は、希望条件に合致する評価因子を有する仮想的な物件について評価額を算出し、適正価格算出部3313は当該仮想的な物件について適正価格を算出してもよい。
ここで、適正価格算出部3313によって算出される適正価格は、必ずしも評価額算出部3312によって算出される評価額とは一致しない。評価額が評価因子を変数とする関数を用いて一意に算出されるのに対して、適正価格は、例えば売り手または買い手が許容できる所要期間によって異なりうるためである。それゆえ、例えば、適正価格算出部3313は、売却予定物件または購入希望物件の所在地の近傍で既に売買された不動産物件(上記の評価額算出部3312の説明における「第1の不動産物件」に相当する)について、評価額、実際の売買価格、および売買所要期間の関係を解析し、当該関係に基づいて売却予定物件または購入希望物件の想定売買所要期間ごとの評価額と適正価格との関係を示すモデルを生成する。適正価格算出部3313は、例えばクライアント100のユーザが入力した想定売買所要期間と、売却予定物件または購入希望物件の評価額とを上記のモデルにあてはめることによって、当該物件の適正価格を算出することができる。
例えば売却予定物件の場合、上記モデルは、想定売買所要期間が短いほど適正価格が低くなり(価格を下げれば早く売れる可能性が高くなるため)、想定売買所要期間が長いほど適正価格が高くなる(気長に待てば高く売れる可能性が高くなるため)ことを示しうる。逆に、購入希望物件の場合、上記モデルは、想定売買所要期間が短いほど適正価格が高くなり(予算が高ければ早く買える可能性が高くなるため)、想定売買所要期間が長いほど適正価格が低くなる(気長に待てば安く買える可能性が高くなるため)ことを示しうる。ここで、それぞれの場合において、想定売買所要期間に対してどの程度適正価格が変動するかは、例えば物件の所在地によって異なりうるため、売却予定物件または購入希望物件の所在地の近傍で既に売買された不動産物件の情報に基づいてモデルが生成される。同様の理由で、適正価格算出部3313は、売却予定物件または購入希望物件と同様の属性を有する、既に売買された不動産物件の情報に基づいてモデルを生成してもよい。
価格動向推定部3314は、対象の不動産物件の所在地近傍における不動産物件の価格動向を推定する。より具体的には、価格動向推定部3314は、売却予定物件または購入希望物件の所在地の近傍で既に売買された不動産物件(上記の評価額算出部3312の説明における「第1の不動産物件」に相当する)について、評価額、実際の売買価格、および売買所要期間の関係に発生している時間的な変化の傾向として価格動向を推定する。
既に説明したように、適正価格算出部3313は、第1の不動産物件の評価額、実際の売買価格、および売買所要期間の関係に基づいて、第2の不動産物件の想定売買所要期間ごとの評価額と適正価格との関係を示すモデルを生成する。しかしながら、景気や都市構造の変化、各種施設の新設や廃止など様々な要因で発生する価格動向の変化によって、第1の物件の実際の売買価格には揺らぎが発生するはずである。より具体的には、例えば、売買の時期が異なれば、売買所要期間が同じであるにもかかわらず、評価額と実際の売買価格との関係が異なる不動産物件が存在しうる。価格動向推定部3314は、そのような場合について、売買価格の揺らぎ(時間的な変化)の傾向を価格動向としてモデル化する。例えば、売買の時期が現在に近い物件ほど評価額に対して実際の売買価格が高くなっている場合、その地域では不動産物件の価格が上昇する傾向があることが推定される。
上記のような価格動向は、価格動向推定部3314によって推定され、例えばそのまま情報としてユーザに提示されてもよいし、上述した適正価格算出部3313の入力要素として利用されてもよい。例えば、適正価格算出部3313は、売却予定物件または購入希望物件(第2の不動産物件)の所在地近傍に位置する、既に売買された不動産物件(第1の不動産物件)について推定された価格動向と、第2の不動産の評価額とに基づいて、第2の不動産物件の適正価格を算出してもよい。より具体的には、適正価格算出部3313は、価格動向に応じて、適正価格を上方修正または下方修正してもよい。
ライフステージ情報取得部3315は、クライアント100のユーザのライフステージ情報を取得する。例えば、ライフステージ情報取得部3315は、クライアント100の入出力部140に含まれるタッチパネルやマウス、キーボードなどを用いて取得されたユーザの操作入力に従って、ユーザの年齢、性別、職業、配偶者および子供などの家族の有無などといったライフステージ情報を取得する。なお、このような情報を入力するために、例えばクライアント100のディスプレイにおいて表示されるユーザインターフェースについては、既によく知られている構成を利用することが可能であるため詳細な説明は省略する。
本実施形態において、ライフステージ情報取得部3315によって取得された情報は、適正価格算出部3313や周辺環境情報取得部3316などによって利用される。例えば、適正価格算出部3313は、ライフステージ情報に基づいて、不動産物件を購入しようとしているユーザが将来的に当該物件を売却することが予測される時点、つまり将来の特定の時点における物件の適正価格(売却見込み価格)を算出し、現在における購入のための適正価格とともにユーザに提示してもよい。将来における物件の適正価格は、例えば、評価額算出部3312による評価額の算出に用いられる築年数を加算し、価格動向推定部3314によって推定される過去の価格動向から将来における価格動向を推測することによって算出することができる。なお、周辺環境情報取得部3316によるライフステージ情報の利用については、続く部分で説明する。
周辺環境情報取得部3316は、不動産物件の所在地近傍の周辺環境情報を取得する。周辺環境情報は、例えばサーバ300のデータベース310に格納されていてもよいし、ネットワーク上の外部サーバによって提供されるサービスを利用して取得されてもよい。周辺環境情報は、例えば、物件近傍の商業施設や交通機関、教育施設、介護施設などの情報を含む。例えば、本実施形態において、周辺環境情報取得部3316は、ライフステージ情報取得部3315によって取得されたライフステージ情報に基づいて、ユーザに将来的に発生する確率が高いライフイベントを反映した周辺環境情報を取得する。より具体的には、周辺環境情報取得部3316は、ユーザの子供の年齢に応じた近隣の学校の情報や、ユーザの家族の年齢に応じた老人介護施設の情報などを選択的に取得してもよい。
地図画像取得部3317は、不動産物件の所在地近傍の地図画像を取得する。地図画像は、例えばサーバ300のデータベース310に格納されていてもよいし、ネットワーク上の外部サーバによって提供されるサービスを利用して取得されてもよい。ここで、地図画像には、測位に基づく地図が含まれていてもよいし、各種の施設またはランドマークなどを基準にしてデフォルメされた地図が含まれていてもよい。地図画像には、例えば不動産物件の所在地を示すアイコンが追加されうる。さらに、地図画像には、上記の適正価格算出や価格動向推定の処理に利用された物件を含む、近傍の他の不動産物件の位置を示すアイコンが追加されてもよい。また、地図画像には、周辺環境情報取得部3316によって取得された周辺環境情報、例えば各種施設の位置を示すアイコンが追加されてもよい。
査定書作成部3318は、例えば適正価格算出部3313によって算出された適正価格を含む不動産物件の査定書を作成する。査定書は、例えばエージェントが、不動産物件の売買にあたり、当該物件の概要や現時点での適正価格や手数料の見込みなどの情報を提供するために用いられる。査定書は、適正価格算出部3313、価格動向推定部3314、周辺環境情報取得部3316、および/または地図画像取得部3317によって提供される情報に基づいて、例えばPDF(Portable Document Format)など、各種の文書フォーマットで作成されうる。査定書は期間の経過によって変動する内容(適正価格等)や、エージェントが独自の手法によって算出または評価した内容などを含みうるため、査定書作成部3318は、査定書の文書ファイルに閲覧の有効期限を設定してもよい。さらに、査定書の文書ファイルは、有効期限が経過した場合には自動的に削除されるように設定されていてもよい。なお、査定書の具体的な例については後述する。
グラフ描画部3319は、不動産物件の予想売買価格を表現するグラフを描画する。より具体的には、グラフ描画部3319は、既に売買された第1の不動産物件の実際の売買価格および売買所要期間に基づいて、第2の不動産物件の予想売買価格を表現するグラフを描画する。グラフは、予想売買価格の確率分布を表現する要素、および予想売買価格に対応する予想売買所要期間を表現する要素を含みうる。ここで、予想売買価格の確率分布は、第1の不動産物件の実際の売買価格の評価額に対する割合の分布を、第2の不動産物件の評価額に適用することによって生成される。
この場合、例えば、グラフ描画部3319は、適正価格算出部3313による、第2の不動産物件の想定売買所要期間ごとの評価額と適正価格との関係を示すモデルの生成処理の中間段階のデータを利用してグラフを描画してもよい。つまり、上記の例において、適正価格算出部3313は、第1の不動産物件の実際の売買価格の評価額に対する割合の分布を、売買所要期間を媒介変数としてモデル化する。その一方で、グラフ描画部3319は、第1の不動産物件の実際の売買価格の評価額に対する割合の分布を、分布のまま利用する。上記の割合に、第2の不動産物件の評価額を適用した場合(単純には、第2の不動産物件の評価額に割合を乗じた場合)、第2の不動産物件が第1の不動産物件に含まれる物件のそれぞれと「同じような条件で」売買された場合の、第2の不動産物件の予想売買価格が算出される。
従って、グラフ描画部3319によって生成される上記の予想売買価格の確率分布は、該当する第1の不動産物件が多くある(実際の売買価格と評価額の)割合に対応する売買価格の部分で高くなる。評価額よりも極端に高い/低い売買価格で売買された第1の不動産物件はそう多くないと推定されるため、予想売買価格の確率分布は、平均的な予想売買価格を中心とした分布に収束するはずである。グラフ描画部3319によって描画されるグラフの目的の1つは、この収束を表現することにある。この点について、以下でさらに説明する。
上記のように、本実施形態において、適正価格算出部3313は、既に売買された第1の不動産物件の評価額、実際の売買価格、および実際の売買所要期間の関係に基づいて、これから売買される第2の不動産物件の想定売買所要期間ごとの評価額と適正価格との関係を示すモデルを生成する。さらに、適正価格算出部3313は、第2の不動産物件の評価額と想定売買所要期間とを生成されたモデルにあてはめることによって、第2の物件の適正価格を算出する。
ここで、上記のモデルに、適正価格の代わりに任意の希望価格を入力すれば、希望価格で物件を売買するための予想所要期間が算出される。しかしながら、例えば売却の希望価格が高すぎたり、購入の希望価格が低すぎたりする場合、いくら時間をかけても売買が成立する可能性は低い。その一方で、売却の希望価格が低すぎたり、購入の希望価格が高すぎたりする場合、すぐに売買が成立するものの、そこまで売却価格を下げたり購入価格を上げたりしなくてもすぐに売買が成立する(つまり、最初からそこまで極端な希望価格を設定する必要がない)場合もありうる。上記のようなケースは、既に売買された第1の不動産物件の中にはほとんど含まれないと考えられるため、適正価格算出部3313が生成するモデルは、必ずしも上記のようなケースを適切に反映しているとはいえない。
それゆえ、本実施形態では、グラフ描画部3319が予想売買価格の確率分布を含むグラフを描画し、そのグラフをユーザに提示することによって、既に売買された第1の不動産物件の例に基づく妥当な価格がどの程度の範囲であるのかを知らせることができる。また、グラフ描画部3319は、適正価格算出部3313が生成したモデルに基づいて、それぞれの予想売買価格に対応する予想売買期間をグラフに表示することもできる。なお、このようなグラフの具体的な例については後述する。
表示制御部3301は、既に説明したように、通信部320およびネットワーク200を介して、クライアント100の入出力部140に含まれるディスプレイなどの表示装置を制御する。より具体的には、図示された例において、表示制御部3301は、価格動向推定部3314、周辺環境情報取得部3316、地図画像取得部3317、査定書作成部3318、および/またはグラフ描画部3319によって提供されるデータに基づいて、クライアント100で画像を表示させるためのデータ(例えばHTMLなどのドキュメントデータやエンコードされた画像データなど)を生成し、生成されたデータを通信部320を介してクライアント100に送信する。クライアント100では、通信部120を介してデータを受信した処理部130が、上記の画像をディスプレイなどに表示させるための制御信号を生成する。
(3−2.ユーザインターフェースの例)
(グラフを含む画面の例)
図6は、本開示の一実施形態において提供されるグラフを含む画面の例を示す図である。図6を参照すると、クライアント100で表示される画面1200は、地図ウインドウ1210と、売買物件一覧1220と、価格動向表示1230と、グラフウインドウ1240とを含む。
画面1200は、例えば、ユーザがクライアント100で物件の売買のための情報を参照する際に表示される。画面1200が表示される段階において、ユーザは、売却予定物件の情報を入力しているか、購入希望条件を入力している。従って、画面1200が表示される段階では、売却予定物件、または購入の希望条件に合致する評価因子を有する仮想的な物件が特定されている。
地図ウインドウ1210は、上記の地図画像取得部3317が取得した情報に基づいて、情報提供の対象になる不動産物件近傍の地図画像を表示する。図示された例において、地図ウインドウ1210では、地図上に、物件アイコン1211と、ポップアップ1212〜1214とが表示される。物件アイコン1211は、売却予定物件または購入希望物件に加えて、近傍にある他の不動産物件を表示する。図示された例ではこれらの物件アイコン1211が同じように表示されているが、物件の種類によって異なる形状やサイズで表示されてもよい。ポップアップ1212は、情報提供の対象物件の情報を表示する。図示された例では、売却予定物件の築年数が表示されている。ポップアップ1213は、対象物件の所在地近傍で過去に売買された物件の情報を表示する。図示された例では、売買が成立した年月、売買時の築年数、および売買価格が表示されている。ポップアップ1214は、情報提供の対象物件の所在地近傍で現在売出し中の他の物件の情報を表示する。図示された例では、築年数および売り出し価格が表示されている。
売買物件一覧1220は、情報提供の対象物件の所在地近傍で過去に売買された物件の情報を表示する。売買物件一覧1220に表示される情報は、上記のポップアップ1213によって表示された情報と部分的に重複していてもよいが、ポップアップ1213にはない情報を含んでいてもよい。図示された例において、売買物件一覧1220は、物件名、当初の売却希望価格、所要期間、売買価格、面積当たりの単価の情報を含む。
価格動向表示1230は、売買価格動向表示1231と、賃料動向表示1232とを含む。上記のように、本実施形態では、価格動向推定部3314によって、地域における不動産物件の価格動向が推定される。売買価格動向表示1231は、推定された価格動向を、矢印アイコンの向きとテキストとによって表現する。また、図5には示していないが、サーバ300の処理部330では、売買価格と同様の処理によって、不動産物件の賃貸の際の賃料の動向を推定することも可能である。賃料動向表示1232は、そのようにして推定された賃料の動向を、矢印アイコンの向きとテキストとによって表現する。
グラフウインドウ1240には、グラフ描画部3319によって描画されたグラフが表示される。より具体的には、グラフウインドウ1240には、予想売買価格1241と、分布曲線1242と、予想所要期間ラベル1243と、統計的区間1244とが表示される。図示された例において、予想売買価格1241は、グラフの横軸として表示される。分布曲線1242は、それぞれの予想売買価格1241に対する確率分布を縦軸に表現する。予想所要期間ラベル1243は、分布曲線1242上のラベルとして表示され、それぞれの予想売買価格に対する予想売買所要期間を表示する。統計的区間1244は、分布曲線1242によって示される確率分布の信頼区間などを表示する。以下、それぞれの要素についてさらに詳細に説明する。
分布曲線1242は、予想売買価格1241として示された価格で、対象になる不動産物件物件の妥当な売買が成立する確率の分布を示す。ここで、妥当な売買とは、際限なく時間をかけたり、必要以上に価格を下げすぎたりすることのない売買を意味する。上述のように、グラフ描画部3319によって生成される予想売買価格の確率分布は、既に売買された不動産物件の実際の売買価格の評価額に対する割合の分布に基づいて生成されるために、過去の実例に照らして、対象になる不動産物件の妥当な売買が成立する確率を表現することができる。
図示されたグラフでは、分布曲線1242が価格5000万円をピークとし、概ね価格4000万円〜6000万円の範囲に収まっている。これは、対象になる不動産物件について妥当な売買が成立する可能性がある範囲が、5000万円を中心として概ね4000万円〜6000万円であることを示している。つまり、図示されたグラフによれば、既に売買された不動産物件の履歴に基づく限り、6000万円を超える価格では常識的な期間で売買が成立する可能性は低く、またできるだけ早く売却したいとしても4000万円まで価格を下げれば十分である(それ以上に下げる必要はない)。
さらに、図示されたグラフでは、統計的区間1244によって、上記の4000万円〜6000万円の範囲の中でも、より妥当性の高い区間が4500万円〜5500万円であることが示されている。このような区間は、例えば、正規分布における1σ区間のように、確率分布の信頼性を示す統計的な区間として表示されてもよい。なお、正規分布における1σ区間は、全標本の約68.3%を含む。なお、統計的区間1244は、必ずしも正規分布の1σ区間を表示するものには限られない。例えば、統計的区間1244は、正規分布における2σ区間など他の統計的区間を表示してもよいし、正規分布以外の確率分布において定義される統計的区間を表示してもよい。
なお、上述のように、グラフ描画部3319は、既に売買された不動産物件の実際の売買価格の評価額に対する割合の分布に基づいて予想売買価格の確率分布を生成するが、確率分布は、必ずしも実際の売買価格の評価額に対する割合の分布をそのまま反映しなくてもよい。例えば、分布曲線1242によって示される確率分布は、正規分布(または、他の所定の形式の確率分布)になるように整形されていてもよい。より具体的には、グラフ描画部3319は、実際の売買価格の評価額に対する割合の分布、またはそこから生成された確率分布を、分布の統計的な特徴量に基づいて正規分布などの分布に変換する。例えば、既に売買された不動産物件について、売買価格/評価額の平均値が100%であり、売買価格/評価額が90%〜110%になるものが全体の約68.3%を占める場合、評価額5000万円の物件についての予想売買価格の確率分布は、図6に示された例のような正規分布(平均値5000万円、1σ区間4500万円〜5500万円)に整形されうる。また、図示された例では確率分布を表現するために分布曲線1242が使用されているが、確率分布は例えばヒストグラムなどの他の手法によって表現されてもよい。また、確率分布は、必ずしも図示されたような左右対称な形状でなくてよく、左右非対称な形状、例えば累積分布などによって表現されてもよい。
予想所要期間ラベル1243は、分布曲線1242上のラベルとして表示され、それぞれの予想売買価格に対する予想売買所要期間を表示する。例えば、図示された例において、予想売買価格5000万円に対応する分布曲線1242上の位置(確率分布のピーク)に表示された予想所要期間ラベル1243aは、価格5000万円での予想売買所要期間が約3ヶ月であることを示している。この期間は、例えば、既に売買された不動産物件のうち、売買価格/評価額が約100%で売買された物件の売買所要期間の平均値、中央値、または最頻値などとして算出することができる。同様に、予想売買価格5500万円に対応する分布曲線1242上の位置に表示された予想所要期間ラベル1243bは、価格5500万円での予想売買所要期間が約半年であることを示している。
図示された例のように、予想所要期間ラベル1243は、分布曲線1242上によって示される確率分布の要約統計量に対応する位置に配置されうる。要約統計量は、例えば、価格の平均値、中央値、または最頻値を含む。また、要約統計量は、予想売買価格の標準偏差(σ)に基づいて定義される範囲の始点または終点であってもよい。図6に示された例では、予想売買価格の平均値(5000万円)、および予想売買価格の1σ区間の始点(4500万円)および終点(5500万円)に予想所要期間ラベル1243bが配置されている。
(査定書の例)
図7は、本開示の一実施形態において提供される査定書の例を示す図である。図7には、クライアント100で表示され、さらに印刷された査定書1300の例が示されている。査定書1300は、例えば、物件概要1301と、売買物件情報1302と、適正価格1303と、適正価格説明1304と、コメント1305と、手数料見積もり1306と、周辺環境情報1307とを含む。なお、クライアント100では、例えば査定書1300の印刷に先立って、査定書1300と同様の画面が表示されてもよい。
物件概要1301は、例えば、物件情報取得部3311が取得した情報に基づいて表示される。物件概要1301は、対象物件について一般的に不動産物件の概要として表示される情報、より具体的には、物件の所在地、面積、築年数、交通アクセス、間取り、施工者などを含む。売買物件情報1302は、対象物件の所在地近傍で過去に売買された物件の情報を含む。より具体的には、売買物件情報1302は、図6に示した画面1200において売買物件一覧1220として表示されたような情報を含んでもよい。
適正価格1303は、適正価格算出部3313によって算出された適正価格を示す。上述の通り、本実施形態において、適正価格算出部3313は、ユーザによって指定された売買の所要期間に基づいて適正価格を算出する。それゆえ、適正価格1303には、価格とともに、想定されている売買の所要期間が表示されてもよい。あるいは、ユーザによって所要期間が指定されていない場合、適正価格1303は、平均的な所要期間、例えば図6に示した画面1200において分布曲線1242のピークとして表示されたような所要期間について算出されてもよい。この場合も、自動的に設定された所要期間が、適正価格1303とともに表示されてもよい。
適正価格説明1304は、適正価格1303の算出根拠を数式やテキストなどによって説明する。例えば、上記のように、評価額算出部3312が不動産物件の評価因子を変数として含む関数を用いて物件の評価額を算出し、適正価格算出部3313が既に売買された物件の売買価格と評価額との関係に基づいて対象物件の適正価格を算出したような場合、適正価格説明1304には、評価額の算出に用いられた関数や、関数の変数として設定された対象物件の評価因子、適正価格の算出に用いられたモデルを示す数式、およびそれらの説明などが表示されうる。
コメント1305は、例えばエージェントによって手入力されるコメントであってもよいし、適正価格や価格動向の算出結果から査定書作成部3318が自動的に生成するコメントであってもよい。コメント1305には、例えば、対象物件をより高く売る(または、希望条件を満たす物件をより安く買う)ためにはどうすればよいか、物件を売却するのと、売却せずに賃貸するのとではどちらが有利か(この場合、サーバ300の処理部330は、売買価格と同様の処理によって、不動産物件の賃貸の際の賃料の動向を推定する)、といった情報が含まれる。
手数料見積もり1306は、対象不動産の取引によるエージェント手数料の見積を表示する。本実施形態では、エージェントのランクや不動産物件の特性に基づいて手数料が算出される。手数料については、例えば売買価格に固定された割合を乗じることによって算出されることが一般的であるが、本実施形態では、エージェントの能力や実績、物件の特性による売買成立の難易度などに基づいて動的に手数料が算出される。手数料は、例えば売買価格に関係なく上記のような因子に対応する金額を積算することによって算出されてもよいし、手数料の算出にあたって売買価格に乗じる割合が上記のような因子に応じて変動してもよい。さらに、他の例では、手数料が、どの地域に/どのような広告を展開したかに応じて動的に算出されてもよい。ここで、広告は、例えば、新聞広告、交通広告、プッシュメール、またはWeb広告などを含みうる。この場合、エージェントまたはサービス提供者は、例えばユーザの属性情報や地域の不動産物件の動向などに基づいて、不動産物件の売買が見込まれる地域やユーザに選択的に広告を展開することによって、広告費を節約し、手数料を引き下げることができる。
周辺環境情報1307は、対象物件の所在地近傍の周辺環境情報を表示する。周辺環境情報は、上記のように周辺環境情報取得部3316によって取得される。例えば、周辺環境情報1307は、物件近傍の商業施設や交通機関、教育施設、介護施設などの情報を含む。上記のように、ライフステージ情報取得部3315によって取得されたライフステージ情報に基づいて、ユーザに将来的に発生する確率が高いライフイベントを反映した情報が周辺環境情報1307として表示されてもよい。
以上、本実施形態において提供されうるユーザインターフェース、具体的にはグラフを含む画面および査定書の例について説明した。なお、上記の説明において画面および査定書に含まれていた項目は一例であり、画面および査定書はさらに別の項目を含んでもよく、また説明された項目の一部を含まなくてもよい。例えば、画面1200の項目が査定書1300でも表示されたり、査定書1300の項目が画面1200でも表示されたりしてもよい。より具体的には、画面1200で、物件概要1301、適正価格1303、適正価格説明1304、コメント1305、手数料見積もり1306、および/または周辺環境情報1307のような情報が表示されてもよい。また、査定書1300で、地図ウインドウ1210、価格動向表示1230、および/またはグラフウインドウ1240のような情報が表示されてもよい。
(3−3.評価額計算式の例)
図8は、本開示の一実施形態における評価額計算式の例について説明するための図である。上述のように、評価額算出部3312は、不動産物件の評価因子、例えば物件の所在地や面積、交通アクセス状況、土地や建物の形状、間取り、建物の築年数、施工者などを変数として含む関数を用いて、不動産物件の評価額を算出する。本実施形態において、動産物件の所在地によって異なりうる。図8では、そのことが、評価因子F1〜F4の例によって示されている。
図示された例において、評価因子F1(駅徒歩)は、物件の交通アクセス状況、より具体的には最寄り駅までの所要時間を示す。評価因子F2は、物件の築年数を示す。評価因子F3は、物件の面積を示す。評価因子F4は、物件の施工者を示す。上記の評価因子のうち、評価因子F1〜F3は、それ自体を変数として扱うことができる。評価因子F1,F2は数値が小さいほど評価が高く、評価因子F3は数値が大きいほど評価が高い。一方、評価因子F4は、評価因子のクラスにスコアを与えることによって変数として扱うことができる。
図の上段に示された例では、評価額を算出するための関数fが、評価因子F1〜F4が変数として含む。さらに、関数fでは、評価因子F1には係数C11が、評価因子F2には係数C21が、評価因子F3には係数C31が、評価因子F4には係数C41が、それぞれ割り当てられる。一方、図の下段に示された例では、評価額を算出するための関数fが、評価因子F1〜F3を変数として含む。さらに、関数fでは、評価因子F1に係数C12が、評価因子F2に係数C22が、評価因子F3に係数C32が、それぞれ割り当てられる。
このように、本実施形態では、評価額算出部3312が評価額を算出するために、互いに異なる評価因子Fの組み合わせを変数として含む複数の関数fが用いられうる。評価額算出部3312は、互いに異なる複数の関数fを、不動産物件の所在地によって使い分けてもよい。本実施形態において、関数fに含まれる評価因子Fの次数または係数は、不動産物件の所在地によって異なりうる。また、関数fに含まれる評価因子F自体が、不動産物件の所在地によって異なってもよい。さらに、他の例では、関数fに含まれる評価因子Fの次数もしくは変数、または関数fに含まれる評価因子F自体は、ユーザのプロファイルによって異なってもよい。ユーザのプロファイルは、例えば、性別、既婚/未婚、子供の有無および年齢、高齢者との同居状況などを含みうる。
図9は、本開示の一実施形態において評価額計算式が不動産物件の所在地によって異なる例について説明するための図である。図9を参照すると、鉄道の駅ST_A、ST_B、およびST_Cのそれぞれを最寄り駅とする不動産物件について、評価額を算出するための関数に含まれる「面積」、「駅徒歩」、および「築年数」のそれぞれの評価因子の係数が示されている。なお、図示された例では、これらの3つの評価因子の係数が合計で100%になるように割り当てられているが、このような係数の割り当ては一例にすぎず、係数の合計に特に制限はない。また、上記の通り、異なる所在地の不動産物件に適用される関数の間では、変数として含まれる評価因子自体が異なっていてもよい。図示された例において不動産物件は最寄り駅によって区分されているが、他の例では、行政区画やそれを細分する区割りなどによって不動産物件が区分されてもよい。
例えば、駅ST_Aを最寄り駅とする不動産物件の評価額を算出するための関数では、評価因子「面積」の係数が著しく高くなっている(78.2%)。一方、評価因子「築年数」の係数は、後述する他の駅の物件に比べると低い(18.2%)。これは、駅ST_A付近では街自体に人気があり、また古くても趣のある物件も多く、築年数があまり気にされない傾向があることを反映している。さらに、駅ST_Aを最寄り駅とする不動産物件の評価額を算出するための関数では、評価因子「駅徒歩」の係数が著しく低くなっている(3.6%)。これは、上記のように街自体に人気があることと、駅ST_Aが2路線の乗換駅であり、隣の駅も近いために、駅徒歩の時間に大差がない物件が多いこととを反映している。なお、このようにある評価因子の係数が他と比べて著しく低いような場合、当該評価因子は変数から除外されてもよい。
一方、駅ST_Bを最寄り駅とする不動産物件の評価額を算出するための関数では、「面積」、「駅徒歩」、および「築年数」のそれぞれの評価因子について、ほぼ均等な係数(30%前後)が割り当てられている。これは、駅ST_B付近では街自体に人気があるわけではなく、また後述する駅ST_Cのようにバスの便が整備されているわけでもないため、面積、駅徒歩、および築年数がいずれも均等に重要視される傾向があることを反映している。
他方、駅ST_Cを最寄り駅とする不動産物件の評価額を算出するための関数では、評価因子「駅徒歩」の係数が駅ST_Bに比べると低い(18.8%)一方で、評価因子「築年数」の係数が高くなっている(52.0%)。これは、駅ST_Cでは駅からのバス便が整備されており、駅徒歩の時間が長い物件でも価格が下がりにくいこと、および、バス便が利用できるために駅に出やすい物件の範囲が広く、多くの物件の中からより築年数の少ない、新しい物件が選択されていることを反映している。
上記のように、それぞれの駅において評価額を算出するための関数における評価因子の係数が異なる結果、例えば同じ評価因子を有する不動産物件であっても、どの駅を最寄り駅とするかによって評価額が異なる。例えば、面積のスコアが30、駅徒歩のスコアが20、築年数のスコアが90の物件があったとする。この物件について関数の値(評価因子スコア*係数の合計)として得られるスコアは、最寄り駅が駅ST_Aの場合40.56、最寄り駅が駅ST_Bの場合47.05、最寄り駅が駅ST_Cの場合59.32である。
それぞれの駅(他の例では行政区画など)において関数に含まれる評価因子や、関数に含まれる評価因子に割り当てられる係数については、例えば、それぞれの領域で既に売買された不動産物件について、評価因子と売買価格との関係をサンプルとして機械学習を実施することによって特定されうる。このとき、他の因子(例えば所要期間)の影響を除去するために、平均的な所要期間を仮定した仮想的な評価額の算出(実際の売買価格に対して、所要期間が短ければ上方修正した額を評価額とし、所要期間が長ければ下方修正した額を評価額とする)が実施されてもよい。また、上述したような適正価格算出部3313による想定売買所要期間ごとの評価額と適正価格との関係を示すモデルの生成と並行して、上記の関数の学習が実施されてもよい。この場合、モデルの生成結果に基づいて関数が修正されうる。例えば、実際の売買価格と評価額との関係を売買所要期間に基づいてモデル化した場合の誤差が大きい場合、評価額が妥当ではない可能性を検討することができる。モデル生成の結果に基づいて関数を修正し、修正された関数によって算出された評価額を用いてさらにモデルを生成することによって、関数とモデルの精度をさらに向上させることができる。
(4.関連サービスの一括シミュレーション)
(4−1.機能構成)
本実施形態に係るシステム10では、サーバ300が外部サーバへの問い合わせを実施することによって、不動産の売買における関連サービスの一括シミュレーションを提供することができる。以下では、このような機能を実現するためのサーバ300の詳細な構成について、さらに説明する。
図10は、本開示の一実施形態において関連サービスの一括シミュレーションを提供するための機能構成例を示すブロック図である。図10を参照すると、この例において、サーバ300の処理部330は、入力情報受信部3321と、問い合わせ発行部3322と、シミュレーション結果編集部3323と、表示制御部3301とを含む。
入力情報受信部3321は、ネットワーク200および通信部320を介して、クライアント100の入出力部140によって取得された入力情報を受信する。入力情報は、例えば入出力部140に含まれるタッチパネルやマウス、キーボードなどによって取得される。入力情報受信部3321は、受信した情報を問い合わせ発行部3322に提供する。より具体的には、例えば、入力情報は、クライアント100のユーザの年齢、収入、資金額などの個人情報や、借入金額、返済年数、保険金額などのサービス固有の情報を含みうる。
問い合わせ発行部3322は、入力情報受信部3321が受信した情報に基づいて、外部サーバにおいて提供される各サービスのAPI3001に対して問い合わせコマンドを発行する。図示された例では、生命保険サービスAPI3001a、損害保険サービスAPI3001b、融資サービスAPI3001c、および外貨決済サービスAPI3001dに対して問い合わせコマンドが発行される。問い合わせ発行部3322が発行する問い合わせコマンドの種類は、入力情報によって指定されてもよい。なお、上記の各種サービスのAPI3001は、サーバ300とは異なる外部サーバにおいて提供されてもよいし、サーバ300内部で提供されてもよい(この場合、API3001も処理部330によって実現されうる)。図示された例におけるサービスAPI3001は一例であり、他にも様々な種類のサービスについて、サービスAPI3001が提供されうる。また、サービスAPI3001は、同じ種類のサービス、例えば融資や生命保険、損害保険などについて、複数のサービス提供者によって提供されてもよい。
シミュレーション結果編集部3323は、外部サーバにおいて提供される各サービスのAPI3001が、問い合わせコマンドへの応答として送信するシミュレーション結果を受信し、受信された結果をクライアント100においてユーザに出力するために編集する。上記のように、図示された例では、生命保険サービスAPI3001a、損害保険サービスAPI3001b、融資サービスAPI3001c、および外貨決済サービスAPI3001dに対して問い合わせコマンドが発行され、これらのAPI3001のそれぞれからシミュレーション結果が送信される。シミュレーション結果編集部3323は、例えばそれぞれのシミュレーション結果を同一の画面内で表示されるように編集してもよい。このようなシミュレーション結果編集部3323の処理によって、例えば、互いに異なったサービス提供者によって提供される生命保険サービスや損害保険サービス、融資サービス、外貨決済サービスなどのシミュレーション結果を、クライアント100において一括して参照することができる。
表示制御部3301は、既に説明したように、通信部320およびネットワーク200を介して、クライアント100の入出力部140に含まれるディスプレイなどの表示装置を制御する。より具体的には、図示された例において、表示制御部3301は、シミュレーション結果編集部3323によって提供されるデータに基づいて、クライアント100で画像を表示させるためのデータ(例えばHTMLなどのドキュメントデータやエンコードされた画像データなど)を生成し、生成されたデータを通信部320を介してクライアント100に送信する。クライアント100では、通信部120を介してデータを受信した処理部130が、上記の画像をディスプレイなどに表示させるための制御信号を生成する。
(4−2.ユーザインターフェースの例)
(入力画面の例)
図11は、本開示の一実施形態において提供される関連サービスの一括シミュレーションのための入力画面の例を示す図である。図11を参照すると、クライアント100で表示される画面1400は、年齢入力部1401と、収入入力部1402と、資金額入力部1403と、返済年数入力部1404と、生命保険関連情報入力部1405と、損害保険関連情報入力部1406とを含む。
年齢入力部1401〜損害保険関連情報入力部1406は、シミュレーションのための入力情報を取得するための表示要素である。これらの表示要素によって、例えば、クライアント100のユーザの年齢、収入、資金額などの個人情報や、借入金額、返済年数、保険金額などのサービス固有の情報が入力される。なお、図示された入力部は一例であり、例えばシミュレーションが提供されるサービスの種類などによって表示される入力部は異なりうる。また、画面1400には、ユーザが、生命保険、損害保険、融資、外貨決済などの各種サービスのシミュレーションのうちのどれを所望するかを選択することが可能なチェックボックスなどの表示要素が含まれてもよい。
(結果表示画面の例)
図12は、本開示の一実施形態において提供される関連サービスの一括シミュレーションの結果表示画面の例を示す図である。図12を参照すると、クライアント100で表示される画面1500は、融資サービスのシミュレーション結果1501と、生命保険サービスのシミュレーション結果1502と、損害保険サービスのシミュレーション結果1503とを含む。このように、本実施形態では、クライアント100に表示される画面において、複数の種類のサービスのシミュレーション結果を一括して参照することが可能でありうる。なお、図示されたシミュレーションの結果は一例であり、例えば上記の例で示した外貨決済サービスのシミュレーション結果など、他の種類のサービスのシミュレーション結果が表示されてもよい。
以上で説明したような不動産の売買における関連サービスの一括シミュレーションによって、ユーザは、それぞれのサービスのシミュレーションを利用する度に個人情報を入力しなくても、複数のサービスのシミュレーション結果を参照することができる。また、複数のシミュレーション結果が一括して参照可能であるため、融資や保険などの異なる種類のサービスのシミュレーション結果を総合しての検討や、同じ種類のサービスを異なるサービス提供者の間で比較することが容易になる。
また、他の例では、本明細書の他の部分で説明された不動産物件に関する情報も、上記の一括シミュレーションと同様にして提示されてもよい。この場合、例えば、複数の不動産エージェントによって提供される情報が統合され、ユーザが1つの入力画面で必要な情報を入力すると、複数の不動産エージェントによって提示される適正価格などの見積情報が提示されうる。これによって、それぞれのユーザに合った不動産エージェントを見つけることが容易になりうる。ここで、不動産エージェントは、同じサービス提供者(例えば会社)に属していてもよいし、異なるサービス提供者に属していてもよい。エージェントが異なるサービス提供者に属する場合、不動産物件に関する見積もりの一括シミュレーションは、融資や保険などと同様に、同じ種類のサービスを異なるサービス提供者の間で比較することができる。さらに、このような不動産物件に関する見積もりの一括シミュレーションが、上述した融資や保険などの一括シミュレーションと統合され、不動産物件の売買自体にかかる金額に、融資や保険の利息、掛金、および手数料などを加えた、トータルのコストを算出してユーザに提示することが可能であってもよい。
(5.ハードウェア構成)
次に、図13を参照して、本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。図13は、本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図示された情報処理装置900は、例えば、上記の実施形態におけるサーバまたはクライアントを実現しうる。
情報処理装置900は、CPU(Central Processing unit)901、ROM(Read
Only Memory)903、およびRAM(Random Access Memory)905を含む。また、情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インターフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート923、通信装置925を含んでもよい。さらに、情報処理装置900は、必要に応じて、撮像装置933、およびセンサ935を含んでもよい。情報処理装置900は、CPU901に代えて、またはこれとともに、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの処理回路を有してもよい。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM905は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。CPU901、ROM903、およびRAM905は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなど、ユーザによって操作される装置である。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器929であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚や聴覚、触覚などの感覚を用いて通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD(Liquid
Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの表示装置、スピーカまたはヘッドフォンなどの音声出力装置、もしくはバイブレータなどでありうる。出力装置917は、情報処理装置900の処理により得られた結果を、テキストもしくは画像などの映像、音声もしくは音響などの音声、またはバイブレーションなどとして出力する。
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。ストレージ装置919は、例えばCPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体927のためのリーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体927に記録を書き込む。
接続ポート923は、機器を情報処理装置900に接続するためのポートである。接続ポート923は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどでありうる。また、接続ポート923は、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、情報処理装置900と外部接続機器929との間で各種のデータが交換されうる。
通信装置925は、例えば、通信ネットワーク931に接続するための通信デバイスなどで構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどでありうる。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置925に接続される通信ネットワーク931は、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などを含みうる。
撮像装置933は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)またはCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子、および撮像素子への被写体像の結像を制御するためのレンズなどの各種の部材を用いて実空間を撮像し、撮像画像を生成する装置である。撮像装置933は、静止画を撮像するものであってもよいし、また動画を撮像するものであってもよい。
センサ935は、例えば、加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサ、照度センサ、温度センサ、気圧センサ、または音センサ(マイクロフォン)などの各種のセンサである。センサ935は、例えば情報処理装置900の筐体の姿勢など、情報処理装置900自体の状態に関する情報や、情報処理装置900の周辺の明るさや騒音など、情報処理装置900の周辺環境に関する情報を取得する。また、センサ935は、GPS(Global Positioning System)信号を受信して装置の緯度、経度および高度を測定するGPS受信機を含んでもよい。
以上、情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。かかる構成は、実施する時々の技術レベルに応じて適宜変更されうる。
(6.補足)
本開示の実施形態は、例えば、上記で説明したような情報処理装置(サーバまたはクライアント)、システム、情報処理装置またはシステムで実行される情報処理方法、情報処理装置を機能させるためのプログラム、およびプログラムが記録された一時的でない有形の媒体を含みうる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)既に売買された第1の不動産物件の実際の売買価格および売買所要期間に基づいて、第2の不動産物件の予想売買価格を表現するグラフを描画するグラフ描画部と、
前記グラフをクライアント装置で表示させる表示制御部と
を備え、
前記グラフは、前記予想売買価格の確率分布を表現する要素、および前記予想売買価格に対応する予想売買所要期間を表現する要素を含む情報処理装置。
(2)前記確率分布を表現する要素は、ヒストグラムまたは分布曲線を含む、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)前記予想売買所要期間を表現する要素は、前記ヒストグラムまたは前記分布曲線上のラベルを含む、前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)前記ラベルは、前記確率分布の要約統計量に対応する位置に配置される、前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)前記ラベルは、前記確率分布の平均値、中央値、または最頻値に対応する位置に配置される、前記(4)に記載の情報処理装置。
(6)前記ラベルは、前記確率分布の標準偏差に基づいて定義される範囲の始点または終点に配置される、前記(4)または(5)に記載の情報処理装置。
(7)前記情報処理装置は、前記第1の不動産物件および前記第2の不動産物件の評価額を算出する評価額算出部をさらに備え、
前記グラフ描画部は、前記第1の不動産物件の実際の売買価格の評価額に対する割合の分布を、前記第2の不動産物件の評価額に適用することによって前記確率分布を生成する、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(8)前記グラフ描画部は、前記割合の分布または前記確率分布を統計的な特徴量に基づいて整形する、前記(7)に記載の情報処理装置。
(9)前記グラフ描画部は、前記割合の分布または前記確率分布を正規分布になるように整形する、前記(8)に記載の情報処理装置。
(10)前記評価額算出部は、前記第1の不動産物件および前記第2の不動産物件のそれぞれの評価因子を変数として含む関数を用いて前記評価額を算出する、前記(7)〜(9)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(11)前記評価額算出部は、前記第1の不動産物件および前記第2の不動産物件の所在地によって異なる前記関数を用いて前記評価額を算出する、前記(10)に記載の情報処理装置。
(12)前記関数に含まれる前記評価因子、または前記評価因子の次数もしくは係数が前記所在地によって異なる、前記(11)に記載の情報処理装置。
(13)前記情報処理装置は、前記第2の不動産物件の所在地近傍の周辺環境情報を取得する周辺環境情報取得部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記グラフとともに前記周辺環境情報を前記クライアント装置で表示させる、前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(14)前記情報処理装置は、前記クライアント装置のユーザのライフステージ情報を取得するライフステージ情報取得部をさらに備え、
前記周辺環境情報取得部は、前記ライフステージ情報に基づいて前記周辺環境情報を取得する、前記(13)に記載の情報処理装置。
(15)前記周辺環境情報取得部は、前記ライフステージ情報に基づいて、前記ユーザに将来的に発生する確率が高いライフイベントを反映した前記周辺環境情報を取得する、前記(14)に記載の情報処理装置。
(16)前記情報処理装置は、前記クライアント装置のユーザのライフステージ情報を取得するライフステージ情報取得部をさらに備え、
前記グラフ描画部は、前記ライフステージ情報に基づいて特定される将来の時点における前記第2の不動産物件の予想売買価格を表現する前記グラフを描画する、前記(1)〜(15)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(17)プロセッサが、既に売買された第1の不動産物件の実際の売買価格および売買所要期間に基づいて、第2の不動産物件の予想売買価格を表現するグラフを描画することと、
前記グラフをクライアント装置で表示させることと
を含み、
前記グラフは、前記予想売買価格の確率分布を表現する要素、および前記予想売買価格に対応する予想売買所要期間を表現する要素を含む情報処理方法。
(18)既に売買された第1の不動産物件の実際の売買価格および売買所要期間に基づいて、第2の不動産物件の予想売買価格を表現するグラフを描画する機能と、
前記グラフをクライアント装置で表示させる機能と
をコンピュータに実現させ、
前記グラフは、前記予想売買価格の確率分布を表現する要素、および前記予想売買価格に対応する予想売買所要期間を表現する要素を含むプログラム。
10 システム
100 クライアント
110 ローカルストレージ
120 通信部
130 処理部
140 入出力部
200 ネットワーク
300 サーバ
310 データベース
320 通信部
330 処理部
340 入出力部

Claims (18)

  1. 既に売買された第1の不動産物件の実際の売買価格および売買所要期間に基づいて、第2の不動産物件の予想売買価格を表現するグラフを描画するグラフ描画部と、
    前記グラフをクライアント装置で表示させる表示制御部と
    を備え、
    前記グラフは、前記予想売買価格の確率分布を表現する要素、および前記予想売買価格に対応する予想売買所要期間を表現する要素を含む情報処理装置。
  2. 前記確率分布を表現する要素は、ヒストグラムまたは分布曲線を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記予想売買所要期間を表現する要素は、前記ヒストグラムまたは前記分布曲線上のラベルを含む、請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記ラベルは、前記確率分布の要約統計量に対応する位置に配置される、請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記ラベルは、前記確率分布の平均値、中央値、または最頻値に対応する位置に配置される、請求項4に記載の情報処理装置。
  6. 前記ラベルは、前記確率分布の標準偏差に基づいて定義される範囲の始点または終点に配置される、請求項4に記載の情報処理装置。
  7. 前記情報処理装置は、前記第1の不動産物件および前記第2の不動産物件の評価額を算出する評価額算出部をさらに備え、
    前記グラフ描画部は、前記第1の不動産物件の実際の売買価格の評価額に対する割合の分布を、前記第2の不動産物件の評価額に適用することによって前記確率分布を生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
  8. 前記グラフ描画部は、前記割合の分布または前記確率分布を統計的な特徴量に基づいて整形する、請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 前記グラフ描画部は、前記割合の分布または前記確率分布を正規分布になるように整形する、請求項8に記載の情報処理装置。
  10. 前記評価額算出部は、前記第1の不動産物件および前記第2の不動産物件のそれぞれの評価因子を変数として含む関数を用いて前記評価額を算出する、請求項7に記載の情報処理装置。
  11. 前記評価額算出部は、前記第1の不動産物件および前記第2の不動産物件の所在地によって異なる前記関数を用いて前記評価額を算出する、請求項10に記載の情報処理装置。
  12. 前記関数に含まれる前記評価因子、または前記評価因子の次数もしくは係数が前記所在地によって異なる、請求項11に記載の情報処理装置。
  13. 前記情報処理装置は、前記第2の不動産物件の所在地近傍の周辺環境情報を取得する周辺環境情報取得部をさらに備え、
    前記表示制御部は、前記グラフとともに前記周辺環境情報を前記クライアント装置で表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
  14. 前記情報処理装置は、前記クライアント装置のユーザのライフステージ情報を取得するライフステージ情報取得部をさらに備え、
    前記周辺環境情報取得部は、前記ライフステージ情報に基づいて前記周辺環境情報を取得する、請求項13に記載の情報処理装置。
  15. 前記周辺環境情報取得部は、前記ライフステージ情報に基づいて、前記ユーザに将来的に発生する確率が高いライフイベントを反映した前記周辺環境情報を取得する、請求項14に記載の情報処理装置。
  16. 前記情報処理装置は、前記クライアント装置のユーザのライフステージ情報を取得するライフステージ情報取得部をさらに備え、
    前記グラフ描画部は、前記ライフステージ情報に基づいて特定される将来の時点における前記第2の不動産物件の予想売買価格を表現する前記グラフを描画する、請求項1に記載の情報処理装置。
  17. プロセッサが、既に売買された第1の不動産物件の実際の売買価格および売買所要期間に基づいて、第2の不動産物件の予想売買価格を表現するグラフを描画することと、
    前記グラフをクライアント装置で表示させることと
    を含み、
    前記グラフは、前記予想売買価格の確率分布を表現する要素、および前記予想売買価格に対応する予想売買所要期間を表現する要素を含む情報処理方法。
  18. 既に売買された第1の不動産物件の実際の売買価格および売買所要期間に基づいて、第2の不動産物件の予想売買価格を表現するグラフを描画する機能と、
    前記グラフをクライアント装置で表示させる機能と
    をコンピュータに実現させ、
    前記グラフは、前記予想売買価格の確率分布を表現する要素、および前記予想売買価格に対応する予想売買所要期間を表現する要素を含むプログラム。
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