JPWO2016009660A1 - GaAs結晶 - Google Patents

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Abstract

GaAs結晶(35)は、(100)面内のs個の地点においてラマンスペクトルを測定し、i個目の地点で測定されたラマンスペクトルにおいてGaAsの縦光学フォノンの振動に帰属される第1ピークのラマンシフトをxiと表し、ネオンの輝線ピークのラマンシフトをxBLと表した場合、下記式1で表されるΔx(1)が20cm-1以下である。【数1】

Description

本発明は、GaAs結晶に関する。
GaAs等の化合物半導体結晶は、多岐に渡る産業分野で利用されており、例えば電子デバイス又は光学デバイス等の半導体デバイスの材料として利用されている。半導体デバイスの製造コストを低減させるためには、半導体デバイスに利用される基板の大口径化、半導体デバイスの製造歩留りの向上、又は、半導体デバイスの性能向上の実現が必須となる。そのためには、結晶品質が安定且つ保証された基板が必要となる。
例えば特開平5−339100号公報(特許文献1)には、結晶中の残留歪の平均値が1×10-5以下である化合物半導体単結晶が開示されている。この文献には、このような化合物半導体単結晶からなる化合物半導体単結晶基板を用いて半導体装置を製造すれば、エピタキシャル成長及びデバイスプロセス時においてエピ層での結晶欠陥(例えばスリップ等)の発生が大幅に抑えられ、よって、高性能な半導体装置を高い歩留りで製造できることが記載されている。
特開2008−239480号公報(特許文献2)には、平均転位密度が1×103cm-2以上1×104cm-2以下であるGaAs単結晶が開示されている。この文献には、このGaAs単結晶を用いて光デバイス又は電子デバイス等に利用されるGaAs基板等を製造できることが記載されている。
特開平5−339100号公報 特開2008−239480号公報
半導体デバイスの性能の更なる向上が要求されており、かかる要求を満たす基板の提供が要求されている。
このような状況に鑑み、半導体デバイスの性能の更なる向上を実現可能なGaAs結晶の提供を目的とする。
本発明の一態様に係るGaAs結晶は、(100)面内のs個の地点においてラマンスペクトルを測定し、i個目の地点で測定されたラマンスペクトルにおいてGaAsの縦光学フォノンの振動に帰属される第1ピークのラマンシフトをxiと表し、ネオンの輝線ピーク(ラマンシフトが280cm-1付近にネオンの輝線ピークが存在する)のラマンシフトをxBLと表した場合、下記式1で表されるΔx(1)が20cm-1以下である。
Figure 2016009660
本発明の別の態様に係るGaAs結晶は、(011)面及び(011)面とは等価な面のうちの少なくとも1つの面内のt個の地点においてラマンスペクトルを測定し、k個目の地点で測定されたラマンスペクトルにおいてGaAsの横光学フォノンの振動に帰属される第2ピークのラマンシフトをxkと表し、ネオンの輝線ピークのラマンシフトをxBLと表した場合、下記式2で表されるΔx(2)が30cm-1以下である。
Figure 2016009660
上記によれば、半導体デバイスの性能を更に向上させることができる。
本実施形態のGaAs単結晶の製造方法を工程順に示すフロー図である。 本実施形態のGaAs単結晶を成長させるための装置の断面図である。 評価工程で用いる半絶縁性GaAs単結晶の(100)面の平面図である。 第1評価用サンプルの側面図である。 Δx(1)と耐圧不良率との関係を示すグラフである。 第1ピークの半値全幅の平均値と耐圧不良率との関係を示すグラフである。 (a)は評価工程で用いるn型GaAs単結晶の斜視図であり、(b)はn型GaAs単結晶の(011)面又は(011)面とは等価な面の平面図である。 第2評価用サンプルの側面図である。 Δx(2)と発光不良率との関係を示すグラフである。 第2ピークの半値全幅の平均値と発光不良率との関係を示すグラフである。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
[1]本発明の一態様に係るGaAs結晶は、(100)面内のs個の地点においてラマンスペクトルを測定し、i個目の地点で測定されたラマンスペクトルにおいてGaAsの縦光学フォノンの振動に帰属される第1ピークのラマンシフトをxiと表し、ネオンの輝線ピークのラマンシフトをxBLと表した場合、上記式1で表されるΔx(1)が20cm-1以下である。このようなGaAs結晶からなる基板を用いれば、半導体デバイス(例えば電子デバイス)の性能を更に高めることができる。ここで、「xi」とは、上述のラマンスペクトルに現れた第1ピークをローレンツ関数でカーブフィッティングすることにより得られたピーク波数を意味する。また、「xBL」とは、上述のラマンスペクトルに現れたネオンの輝線ピークをローレンツ関数でカーブフィッティングすることにより得られたピーク波数を意味する。
[2]第1ピークの半値全幅の平均値は、5cm-1以下であることが好ましい。このようなGaAs結晶からなる基板を用いれば、半導体デバイスの性能をより一層高めることができる。ここで、i個目の地点で測定されたラマンスペクトルにおいて第1ピークの半値全幅をd(1)iと表した場合、「第1ピークの半値全幅の平均値」は下記式(3)を用いて表される。また、「第1ピークの半値全幅」とは、上述のラマンスペクトルに現れた第1ピークをローレンツ関数でカーブフィッティングすることにより得られた半値全幅を意味する。
Figure 2016009660
[3]GaAs結晶は、半絶縁性GaAs結晶であることが好ましい。ここで、「半絶縁性GaAs結晶」とは、キャリア濃度が107/cm3以下のGaAs結晶を意味する。キャリア濃度は、ホール測定(ホール効果を測定する方法)により測定可能である。
[4]本発明の別の態様に係るGaAs結晶は、(011)面及び(011)面とは等価な面のうちの少なくとも1つの面内のt個の地点においてラマンスペクトルを測定し、k個目の地点で測定されたラマンスペクトルにおいてGaAsの横光学フォノンの振動に帰属される第2ピークのラマンシフトをxkと表し、ネオンの輝線ピークのラマンシフトをxBLと表した場合、上記式2で表されるΔx(2)が30cm-1以下である。このようなGaAs結晶からなる基板を用いれば、半導体デバイス(例えば光学デバイス)の性能を更に高めることができる。ここで、「(011)面とは等価な面」とは、(01−1)面、(0−11)面及び(0−1−1)面を意味する。「xk」とは、上述のラマンスペクトルに現れた第2ピークをローレンツ関数でカーブフィッティングすることにより得られたピーク波数を意味する。
[5]第2ピークの半値全幅の平均値は、30cm-1以下であることが好ましい。このようなGaAs結晶からなる基板を用いれば、半導体デバイスの性能をより一層高めることができる。ここで、k個目の地点で測定されたラマンスペクトルにおいて第2ピークの半値全幅をd(2)kと表した場合、「第2ピークの半値全幅の平均値」は下記式(4)を用いて表される。また、「第2ピークの半値全幅」とは、上述のラマンスペクトルに現れた第2ピークをローレンツ関数でカーブフィッティングすることにより得られた半値全幅を意味する。
Figure 2016009660
[6]GaAs結晶は、n型GaAs結晶であることが好ましい。ここで、「n型GaAs結晶」とは、n型ドーパント濃度が1015/cm3以上のGaAs結晶を意味する。n型ドーパント濃度は、ホール測定(ホール効果を測定する方法)により測定可能である。
[7]GaAs結晶は、直径が101.6mm(4インチ)以上であることが好ましい。
[本発明の実施形態の詳細]
半導体デバイスの性能を更に向上させることが可能なGaAs単結晶を得るにあたって本発明者らが検討したことを示した後で、本発明の実施形態(以下「本実施形態」と記す)を更に詳細に説明する。なお、図面において、同一の参照符号は、同一部分又は相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さ等の寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
[本発明者らによる検討]
現在、半絶縁性GaAs単結晶からなる基板(以下では「半絶縁性GaAs基板」と記す)とn型GaAs単結晶からなる基板(以下では「n型GaAs基板」と記す)とが産業的に利用されている。
半絶縁性GaAs基板は、主に、高周波通信用デバイス等の電子デバイスの基板として使用されている。このような電子デバイスの多くは、半絶縁性GaAs基板と、半絶縁性GaAs基板の上に設けられた集積回路とを備える。集積回路には素子の高密度化が要求されており、そのため、電子デバイスでは素子間の耐圧を高めること(つまり、素子間での絶縁破壊の発生を防止すること)が課題となっている。この課題を解決する手段として、例えば、素子の構造を改良することが提案されている。
しかしながら、今般、素子の構造を改良しただけでは素子間での絶縁破壊の発生を防止できない場合があることが分かった。そこで、素子間での絶縁破壊が発生した電子デバイスを詳細に調べたところ、その電子デバイスの半絶縁性GaAs基板において半絶縁性GaAs単結晶の結晶品質が均一でないことが分かった。
n型GaAs基板は、主に、LED(light emitting diode)又はLD(laser diode)等の光学デバイスの基板として使用されている。このような光学デバイスの多くは、n型GaAs基板と、n型GaAs基板の上に結晶成長され、AlGaInPからなるエピタキシャル層(発光層として機能)とを備える。そのため、n型GaAs基板においてGaAs単結晶の結晶品質が高ければ、AlGaInPからなるエピタキシャル層の結晶品質を高めることができる。これにより、光学デバイスの性能を高めることができ、また、光学デバイスの製造歩留りを高めることもできる。実際、性能に劣る光学デバイスを詳細に調べたところ、その光学デバイスのn型GaAs基板においてn型GaAs単結晶の結晶品質が均一でないことが分かった。以上のことから、本発明者らは、半導体デバイスの性能を更に高めるためには、結晶品質が均一なGaAs単結晶の提供が必要であると考えた。
ところで、GaAs単結晶の結晶品質を高める方法として、従来、GaAs単結晶の成長後に行われる冷却工程での冷却条件を最適化するということが行われている。そのため、本発明者らは、この冷却条件の最適化を試みたが、冷却条件を最適化しただけではGaAs単結晶の結晶品質を均一できないことが分かった。そこで、本発明者らは、GaAs単結晶の製造方法を更に検討したところ、GaAs単結晶の成長後にGaAs単結晶をアニールすればGaAs単結晶の結晶品質を均一にできることが分かった。また、半絶縁性GaAs単結晶の製造時とn型GaAs単結晶の製造時とでアニールの最適な条件が異なることも分かった。以下では、半絶縁性GaAs単結晶を示してから、n型GaAs単結晶を示す。
[半絶縁性GaAs単結晶]
半絶縁性GaAs単結晶の製造方法について本発明者らが検討した事項を具体的に示した後に、本実施形態の半絶縁性GaAs単結晶と本実施形態の半絶縁性GaAs単結晶の製造方法とを示す。
≪半絶縁性GaAs単結晶の製造方法についての検討事項≫
図1は、半絶縁性GaAs単結晶の製造方法を工程順に示すフロー図である。図2は、半絶縁性GaAs単結晶を成長させるための装置の断面図である。原料の準備工程S101と補材の準備工程S102と前処理工程S103と結晶成長工程S104とアニール工程S105と評価工程S106とを行って半絶縁性GaAs単結晶を製造し、半絶縁性GaAs単結晶の製造方法を検討した。
<原料の準備>
原料の準備工程S101では、GaAs種結晶とGaAs多結晶(半絶縁性GaAs単結晶の原料)とを準備した。具体的には、GaAs種結晶及びGaAs多結晶のそれぞれを洗浄した後、エッチングを行い、その後、加熱真空引きした。「加熱真空引き」とは、加熱しながら真空引きすることを意味する。本工程では、200℃で20時間加熱しながら真空引きした。
<補材の準備>
補材の準備工程S102では、半絶縁性GaAs単結晶の成長に使用する補材(石英製のアンプル21及びPBN(Pyrolytic Boron Nitride)製のルツボ23)を準備した。具体的には、石英製のアンプル21を洗浄した後、加熱真空引きした。本工程では、50℃で20時間加熱しながら真空引きした。また、PBN製のルツボ23の内面を酸化し、PBN製のルツボ23の内面に酸化膜を形成した。
<前処理>
前処理工程S103では、PBN製のルツボ23を石英製のアンプル21の開口(石英製のアンプル21の上端に形成されている。図2には不図示)から石英製のアンプル21に入れた。その後、GaAs種結晶31がGaAs多結晶(不図示)よりもPBN製のルツボ23の底部側(図2の下側)に位置するように、GaAs種結晶31とGaAs多結晶とをPBN製のルツボ23に入れた。
次に、石英製のアンプル21を加熱真空引きした。本工程では、200℃で3時間加熱しながら、石英製のアンプル21内の圧力が3×10-4Pa以下となるまで真空引きした。その後、石英製のアンプル21の上述の開口を石英製のキャップで塞ぎ、そのキャップを石英製のアンプル21の開口周縁にバーナーで融着させた。
<結晶成長>
結晶成長工程S104では、VB(Vertical Bridg-man法)により半絶縁性GaAs単結晶を成長させた。まず、石英製のアンプル21を自転させながら、石英製のアンプル21の外側に配置されたヒーター25によってGaAs多結晶のみを選択的に加熱した。これにより、GaAs多結晶が融液33となり、よって、GaAs種結晶31と融液33との間に固液界面が形成された。
その後、温度勾配を固液界面付近に発生させ、石英製のアンプル21を自転させながらヒーター25を上昇(図2の上側へ移動)させた。これにより、固液界面から融液33側へ向かって半絶縁性GaAs単結晶35が成長した。
<アニール>
アニール工程S105では、半絶縁性GaAs単結晶35に対してアニールを行った。アニール温度を970〜1100℃の温度範囲内で10℃ずつ変えて、No.1〜No.14の半絶縁性GaAs単結晶35を得た。なお、アニール時間はいずれにおいても20時間であった。
<評価>
図3は、評価工程S106で用いる半絶縁性GaAs単結晶35の(100)面の平面図である。評価工程S106では、No.1〜No.14の半絶縁性GaAs単結晶35のそれぞれのラマンスペクトルを測定して、各半絶縁性GaAs単結晶35の結晶品質を評価した。
一般に、半絶縁性GaAs単結晶における不純物の濃度(例えばキャリア濃度)によってGaAsの縦光学フォノンの振動に帰属されるピーク(第1ピーク)のピーク波数が変化するということが知られている。しかし、半絶縁性GaAs単結晶の(100)面からの散乱光を測定した場合に観測される第1ピークのピーク波数は半絶縁性GaAs単結晶における不純物の濃度に依存しない。そこで、本発明者らは、半絶縁性GaAs単結晶の(100)面からの散乱光を測定することとした。
具体的には、まず、No.1の半絶縁性GaAs単結晶35の(100)面に<0−11>方向と<011>方向とに10mmの間隔をあけて励起光を照射し、各照射点(図3)からの散乱光を受光素子に導いた。それと同時に、ネオンランプからの光をNo.1の半絶縁性GaAs単結晶35の(100)面に照射し、その反射光を受光素子に導いた。このようにしてNo.1の半絶縁性GaAs単結晶35のラマンスペクトルを得た。
(ラマンスペクトルの測定条件)
励起光源;Nd:YAGレーザー
励起光の波長;532nm(Nd:YAGレーザーからの出力光の第2高調波)
励起光の照射強度;測定サンプル位置で約0.1mW
ビーム径;測定サンプル位置で直径が1μm(光学設計上)
グレーティングにおける溝の本数;2400gr/mm
対物レンズの倍率;100倍
(計測)積算時間;15秒
(計測)積算回数;14回
受光素子;CCD(Charge Coupled Device)
測定温度;室温。
得られたラマンスペクトルに現れる第1ピークをローレンツ関数でカーブフィッティングしてxiを求め、得られたラマンスペクトルに現れるネオンの輝線ピークをローレンツ関数でカーブフィッティングしてxBLを求めた。このxiとxBLとを上記式1に代入して、Δx(1)を求めた。同様の方法で、No.2〜No.14の半絶縁性GaAs単結晶35のΔx(1)を求めた。その結果、No.1〜No.14の半絶縁性GaAs単結晶35のΔx(1)は0.06〜30cm-1の範囲にあることが分かった(表1)。
Figure 2016009660
なお、室温が変化した場合、室温の変化による影響が分光器に現れ、その結果、ピーク位置の波数(ピーク波数)が変化する。しかし、室温の変化によるGaAsのラマンピーク(ラマン活性なGaAsの振動に帰属されるピーク、第1ピークと第2ピーク(後述)とが含まれる)のピーク波数の変化量と、室温の変化によるネオンの輝線ピークのピーク波数の変化量とは、ほぼ等しい。そのため、Δx(1)は、室温の変化による影響を受けない。
一方、レーザ光の照射によるサンプル温度の上昇は、GaAsのラマンピークのピーク波数にのみ影響を与える。ここで、温度の変化によるピーク波数の変化量は、0.05cm-1/℃未満である。そのため、サンプル温度の変化量を±1℃以下に抑えることが好ましい。よって、励起光の照射強度は、測定サンプル位置で1mW以下であることが好ましい。
<耐圧試験>
耐圧試験では、評価工程S106を経たNo.1〜No.14の半絶縁性GaAs単結晶35を用いてNo.1〜No.14の第1評価用サンプルを製造し、No.1〜No.14の第1評価用サンプルに対して耐圧試験を行った。図4は、第1評価用サンプルの側面図である。
まず、評価工程S106を経たNo.1の半絶縁性GaAs単結晶35を所定の厚さ(470μm)に切断して、No.1の半絶縁性GaAs基板41を複数枚、作製した。
次に、No.1の半絶縁性GaAs基板41のそれぞれの上面((100)面)にGe/Au/Niからなる第1電極43を蒸着させ、No.1の半絶縁性GaAs基板41のそれぞれの下面((−100)面)にGe/Au/Niからなる第2電極45を蒸着させた。このようにしてNo.1の第1評価用サンプル40を複数個、得た。No.1の第1評価用サンプル40のそれぞれでは、第1電極43及び第2電極45が半絶縁性GaAs基板41にオーミック接触していた。
続いて、第1電極43と第2電極45との間に電圧を印加し、その電圧を変えて第1電極43と第2電極45との間に流れる電流を測定し、電流が急激に増加したときの電圧を求めた。電流が急激に増加したときの電圧が5V未満であれば耐圧不良であると判断し、耐圧不良率(耐圧不良と判断されたNo.1の第1評価用サンプル40の個数÷No.1の第1評価用サンプル40の全個数×100)を求めた。その結果を図5に示す。
同様の方法で、No.2〜No.14の第1評価用サンプル40に対しても耐圧試験を行った。その結果を図5に示す。
図5に示すように、Δx(1)が20cm-1を超えると、耐圧不良率が急激に上昇した。よって、Δx(1)が20cm-1以下であれば、電子デバイスの耐圧を高めることができると言える。
Δx(1)が0.3cm-1未満であれば、耐圧不良率が上昇した。このような半絶縁性GaAs基板41の表面を光学顕微鏡で観察すると、その表面には析出物が観察された。本発明者らは、この析出物によって電子デバイスの耐圧不良率が高くなったと考えており、また、半絶縁性GaAs基板41の表面に析出物が観察された理由として次に示す理由を考えている。Δx(1)が0.3cm-1未満である領域が半絶縁性GaAs基板41の表面に多く分布していれば、半絶縁性GaAs基板41の転位密度は低いと言える。半絶縁性GaAs基板41の転位密度が低くなると、半絶縁性GaAs基板41の転位に捕捉される不純物の量(絶対量)が低下するので、転位に捕捉されなかった不純物が半絶縁性GaAs基板41の表面に析出し易くなる。ここで、不純物とは、半絶縁性GaAs基板41に含まれる不純物を意味する。
図6には、Δx(1)が20cm-1以下である半絶縁性GaAs単結晶35のラマンスペクトルにおける第1ピークの半値全幅の平均値と耐圧不良率との関係を示す。図6に示すように、第1ピークの半値全幅の平均値が5cm-1以下であれば、耐圧不良率は2%以下であった。よって、第1ピークの半値全幅の平均値が5cm-1以下であれば、電子デバイスの耐圧をさらに高めることができると言える。
≪本実施形態の半絶縁性GaAs単結晶の構成≫
本発明者らによる上述の検討結果から、本実施形態の半絶縁性GaAs単結晶35では、半絶縁性GaAs単結晶35の(100)面内のs個の地点においてラマンスペクトルを測定し、i個目の地点で測定されたラマンスペクトルにおいて第1ピークのラマンシフトをxiと表し、ネオンの輝線ピークのラマンシフトをxBLと表した場合、上記式1で表されるΔx(1)が20cm-1以下である。この半絶縁性GaAs単結晶35からなる基板41を用いて電子デバイスを製造すると、電子デバイスの耐圧を高めることができる。そのため、上記式1で表されるΔx(1)が20cm-1以下であれば、結晶品質が半絶縁性GaAs単結晶35において均一であると言える。
好ましくは、上記式1で表されるΔx(1)が0.3cm-1以上20cm-1以下である。上記式1で表されるΔx(1)が0.3cm-1以上であれば、半絶縁性GaAs単結晶35の表面における不純物の析出を防止できる。よって、この半絶縁性GaAs単結晶35からなる基板41を用いて電子デバイスを製造すると、電子デバイスの耐圧を更に高めることができる。
より好ましくは、第1ピークの半値全幅の平均値が5cm-1以下である。これにより、半絶縁性GaAs単結晶35の結晶品質を高めることができる。よって、この半絶縁性GaAs単結晶35からなる基板41を用いて電子デバイスを製造すると、電子デバイスの耐圧をより一層高めることができる。
ラマンスペクトルの測定条件としては、励起光の照射強度は測定サンプル位置で1mW以下であることが好ましい(上述)。これ以外のラマンスペクトルの測定条件は特に限定されない。
好ましくは、半絶縁性GaAs単結晶35の直径が101.6mm(4インチ)以上である。これにより、半絶縁性GaAs単結晶35をスライス加工することによって電子デバイス用基板を提供できる。
≪本実施形態の半絶縁性GaAs単結晶の製造方法≫
半絶縁性GaAs単結晶35の製造方法は、原料の準備工程S101と、補材の準備工程S102と、前処理工程S103と、結晶成長工程S104と、アニール工程S105と、評価工程S106とを含む。以下では、VB法により半絶縁性GaAs単結晶35を成長させる方法を示すが、半絶縁性GaAs単結晶35の成長方法はVB法に限定されない。
<原料の準備>
原料の準備工程S101では、GaAs種結晶とGaAs多結晶とを準備する。GaAs種結晶としては、半絶縁性GaAs単結晶の成長に用いられるGaAs種結晶として従来公知のGaAs種結晶を用いることができる。GaAs多結晶についても同様である。
好ましくは、GaAs種結晶及びGaAs多結晶のそれぞれに対して洗浄及びエッチングを行った後に加熱真空引きを行う。この加熱真空引きによって、GaAs種結晶及びGaAs多結晶の各表面に付着していた水分を除去できる。これにより、結晶成長工程S104において封止材を構成する元素(封止材としてB23を用いた場合には硼素)が半絶縁性GaAs単結晶35に取り込まれる量を低減できる。よって、半絶縁性GaAs単結晶35の結晶品質を更に高めることができる。
加熱真空引きの条件は特に限定されない。例えば、50℃以上250℃以下で5時間以上10時間以下加熱しながら、アンプル21内の圧力が3×10-4Pa以下となるまで真空引きすることが好ましい。
<補材の準備>
補材の準備工程S102では、半絶縁性GaAs単結晶35の成長に使用する補材(例えばルツボ23又はアンプル21等)を準備する。アンプル21としては、VB法により半絶縁性GaAs単結晶を成長させる際に用いられるアンプルとして従来公知のアンプルを用いることができ、例えば石英製のアンプルを用いることができる。ルツボ23としては、VB法により半絶縁性GaAs単結晶を成長させる際に用いられるルツボとして従来公知のルツボを用いることができ、例えばPBN製のルツボを用いることができる。
好ましくは、アンプル21に対して加熱真空引きを行い、また、ルツボ23の内面を酸化する。これにより、アンプル21及びルツボ23の各内面に付着していた水分を除去できる。よって、結晶成長工程S104において封止材を構成する元素が半絶縁性GaAs単結晶35に取り込まれる量を低減できる。したがって、半絶縁性GaAs単結晶35の結晶品質を更に高めることができる。加熱真空引きの条件としては上記<原料の準備>で記した通りである。
好ましくは、ルツボ23のうち半絶縁性GaAs単結晶35を成長させる部分(後述の実施例における直胴部)の直径が101.6mm(4インチ)以上である。これにより、直径が101.6mm以上の半絶縁性GaAs単結晶35を製造することができる。
<前処理>
前処理工程S103では、ルツボ23をアンプル21に入れた後に、GaAs種結晶31とGaAs多結晶(不図示)と封止材とをルツボ23に入れ、その後、そのアンプル21を封止する。封止材としては、VB法により半絶縁性GaAs単結晶を成長させる際に用いられる封止材として従来公知の材料を用いることができ、例えばB23を用いることができる。
好ましくは、GaAs種結晶31の方がGaAs多結晶よりもルツボ23の底部側に位置するように、GaAs種結晶31とGaAs多結晶とをルツボ23に供給する。ルツボ23における封止材の位置は特に限定されない。
好ましくは、ルツボ23が収容されたアンプル21を加熱真空引きする。これにより、補材の準備工程S102においてルツボ23の内面に形成された酸化膜による水分の吸湿を防止できる。また、GaAs種結晶31及びGaAs多結晶等の各表面に付着していた水分を除去できる。これらのことから、半絶縁性GaAs単結晶35の成長中では、アンプル21の変形又は破損を防止できると考えられ、よって、アンプル21の内圧を安定化できると考えられる。加熱真空引きの条件としては上記<原料の準備>で記した通りである。
<結晶成長>
結晶成長工程S104では、半絶縁性GaAs単結晶35を成長させる。まず、アンプル21を自転させながら、アンプル21の外側に配置されたヒーター25によってGaAs多結晶のみを選択的に加熱する。これにより、GaAs多結晶が融液33となり、よって、GaAs種結晶31と融液33との間に固液界面が形成される。
次に、固液界面付近に温度勾配を発生させる。これにより、固液界面から融液33側へ向かって半絶縁性GaAs単結晶35が成長する。このように、半絶縁性GaAs単結晶35の成長が進むにつれて、上述の固液界面は図2の下側から上側へ移動する。図2の下側から上側へ移動する固液界面付近に温度勾配を発生させる方法としては、例えば、アンプル21を図2の下側へ移動させる、ヒーター25を図2の上側へ移動させる、又は、アンプル21とヒーター25とを図2の上下方向に移動させる等の方法を採用することができる。
<アニール>
アニール工程S105では、半絶縁性GaAs単結晶35に対してアニールを行う。これにより、半絶縁性GaAs単結晶35において結晶品質が均一となると考えられる。その理由として、断定的なことは言えないが、次に示すことが考えられる。このアニールによって、結晶欠陥に析出されるAsを拡散させることができ、その結果、AsをGaAs格子におけるAsのサイトに再配列させることができる。
アニールの条件は特に限定されない。例えば、アニールは、半絶縁性GaAs単結晶35をアンプル21から取り出してから行われても良いし、半絶縁性GaAs単結晶35をアンプル21に入れた状態で行われても良い。また、アニールは、半絶縁性GaAs単結晶35をアンプル21から取り出してから行われる場合には、大気圧又は正圧で行われることが好ましく、不活性ガス雰囲気下で行われても良い。不活性ガスとしては、例えば、希ガス又は窒素を用いることができる。
アニール時間は、特に限定されず、例えば1時間以上20時間以下であることが好ましい。
アニール温度は、好ましくは1080℃以下であり、より好ましくは1010℃以上1080℃以下である。アニール温度が1080℃以下であれば、Δx(1)が20cm-1以下である半絶縁性GaAs単結晶35を得ることができる(例えば表1)。アニール温度が1010℃以上1080℃以下であれば、Δx(1)が0.3cm-1以上20cm-1以下であり且つ第1ピークの半値全幅の平均値が5cm-1以下である半絶縁性GaAs単結晶35を得ることができる(例えば表1)。
<評価>
評価工程S106では、上述の方法にしたがって製造された半絶縁性GaAs単結晶35のラマンスペクトルを測定して当該半絶縁性GaAs単結晶35の結晶品質の良否を判断する。
具体的には、半絶縁性GaAs単結晶35の(100)面に<0−11>方向と<011>方向とに所定の間隔をあけて励起光を照射し、各照射点からの散乱光を受光素子に導く。それと同時に、ネオンランプからの光を半絶縁性GaAs単結晶35の(100)面に照射し、その反射光を受光素子に導く。このようにして半絶縁性GaAs単結晶35のラマンスペクトルが得られる。
得られたラマンスペクトルを用いて上記式1で表されるΔx(1)を求め、Δx(1)が20cm-1以下である半絶縁性GaAs単結晶35を良品と判断する。このようにして結晶品質が均一な半絶縁性GaAs単結晶35を得ることができる。そのため、良品と判断された半絶縁性GaAs単結晶35を用いて電子デバイスを製造すれば、耐圧に優れた電子デバイスを提供できる。また、耐圧に優れた電子デバイスの製造歩留りを高めることができる。
好ましくは、Δx(1)が0.3cm-1以上20cm-1以下である半絶縁性GaAs単結晶35を良品と判断する。これにより、耐圧に更に優れた電子デバイスを提供できる。また、耐圧に更に優れた電子デバイスの製造歩留りを高めることができる。
より好ましくは、Δx(1)が0.3cm-1以上20cm-1以下であり、且つ、第1ピークの半値全幅の平均値が5cm-1以下である半絶縁性GaAs単結晶35を良品と判断する。これにより、耐圧により一層優れた電子デバイスを提供できる。また、耐圧により一層優れた電子デバイスの製造歩留りを高めることができる。
≪n型GaAs単結晶の製造方法の検討≫
図1に示すフロー図にしたがって且つ図2に示す装置を用いてn型GaAs単結晶を製造し、n型GaAs単結晶の製造方法を検討した。以下では、半絶縁性GaAs単結晶の製造方法の検討とは異なる点を主に示す。
<原料の準備>
原料の準備工程S101では、GaAs種結晶及びGaAs多結晶とともにSiウエハ(n型ドーパント用材料)を準備した。具体的には、GaAs種結晶、GaAs多結晶及びSiウエハのそれぞれを洗浄した後、エッチングを行い、その後、加熱真空引きした。その後、補材の準備工程S102を行った。
<前処理>
補材の準備工程S102の後で前処理工程S103を行った。前処理工程S103では、PBN製のルツボ23を石英製のアンプル21の開口から石英製のアンプル21に入れた。その後、GaAs種結晶31がGaAs多結晶及びSiウエハよりもPBN製のルツボ23の底部側に位置するように、GaAs種結晶31とGaAs多結晶とSiウエハとをPBN製のルツボ23に入れた。石英製のアンプル21を加熱真空引きした後、石英製のアンプル21の上述の開口を石英製のキャップで塞ぎ、そのキャップを石英製のアンプル21の開口周縁にバーナーで融着させた。
<結晶成長>
結晶成長工程S104では、VB法によりn型GaAs単結晶を成長させた。まず、石英製のアンプル21を自転させながら、ヒーター25によってGaAs多結晶及びSiウエハを選択的に加熱した。これにより、GaAs多結晶及びSiウエハが融液となり、よって、GaAs種結晶31と融液との間に固液界面が形成された。その後、温度勾配を固液界面付近に発生させ、石英製のアンプル21を自転させながらヒーター25を上昇させた。これにより、固液界面から融液33側へ向かってn型GaAs単結晶が成長した。
<アニール>
アニール工程S105では、n型GaAs単結晶に対してアニールを行った。アニール温度を430〜560℃の温度範囲内で10℃ずつ変えて、No.1〜No.14のn型GaAs単結晶を得た。なお、アニール時間はいずれにおいても5時間であった。
<評価>
図7(a)は、評価工程S106で用いるn型GaAs単結晶の斜視図であり、図7(b)は、n型GaAs単結晶の(011)面又は(011)面とは等価な面の平面図である。評価工程S106では、No.1〜No.14のn型GaAs単結晶65のそれぞれのラマンスペクトルを測定して、各n型GaAs単結晶65の結晶品質を評価した。
n型GaAs単結晶では、半絶縁性GaAs単結晶よりも、キャリア濃度が高い。そのため、n型GaAs単結晶の(100)面からの散乱光を測定した場合に観測される第1ピーク(GaAsの縦光学フォノンの振動に帰属されるピーク)のピーク波数がn型GaAs単結晶における不純物の濃度(例えばn型ドーパント濃度)に依存することがある。縦光学フォノンがキャリアとプラズモン共鳴するためである。
一方、GaAsの横光学フォノンの振動に帰属されるピーク(第2ピーク)はn型GaAs単結晶における不純物の濃度に依存しにくいと考えられている。また、(011)面又は(011)面とは等価な面からの散乱光を測定すれば、第2ピークを確認できる。そこで、本発明者らは、n型GaAs単結晶65の(011)面又は(011)面とは等価な面からの散乱光を測定することとした。
具体的には、まず、No.1のn型GaAs単結晶65の(011)面又は(011)面とは等価な面に2mmの間隔をあけて励起光を照射し、各照射点(図7(b))からの散乱光を受光素子に導いた。それと同時に、ネオンランプからの光をNo.1のn型GaAs単結晶65の(011)面又は(011)面とは等価な面に照射して、その反射光を受光素子に導いた。このようにしてNo.1のn型GaAs単結晶65のラマンスペクトルを得た。なお、ラマンスペクトルの測定条件は、励起光の照射強度を測定サンプル位置で約1mWとしたことを除いては、上記(ラマンスペクトルの測定条件)に記載の通りであった。
得られたラマンスペクトルに現れる第2ピークをローレンツ関数でカーブフィッティングしてxkを求め、得られたラマンスペクトルに現れるネオンの輝線ピークをローレンツ関数でカーブフィッティングしてxBLを求めた。このxkとxBLとを上記式2に代入して、Δx(2)を求めた。同様の方法で、No.2〜No.14のn型GaAs単結晶65のΔx(2)を求めた。その結果、No.1〜No.14のn型GaAs単結晶65のΔx(2)は0.05〜80cm-1の範囲にあることが分かった(表2)。
Figure 2016009660
<発光特性の測定>
発光特性の測定では、評価工程S106を経たNo.1〜No.14のn型GaAs単結晶65を用いてNo.1〜No.14の第2評価用サンプルを製造し、No.1〜No.14の第2評価用サンプルの発光特性を調べた。図8は、第2評価用サンプルの側面図である。
まず、評価工程S106を経たNo.1のn型GaAs単結晶65を所定の厚さに切断して、No.1のn型GaAs基板71を複数枚、作製した。
次に、No.1のn型GaAs基板71のそれぞれの上面((100)面)に、n型GaAs層(厚さが100μm)73とp型GaAs層(厚さが100μm)75とを順に成長させた。p型GaAs層75のそれぞれの上面にはp側電極77を蒸着させ、No.1のn型GaAs基板71のそれぞれの下面((−100)面)にはn側電極79を蒸着させた。このようにしてNo.1の第2評価用サンプル70を複数個、得た。
続いて、n側電極79とp側電極77との間に電圧を印加してNo.1の第2評価用サンプル70のそれぞれを発光させ、No.1の第2評価用サンプル70のそれぞれから発せられた光の出力及びピーク波長を求めた。光の出力が3mW未満であり、且つ、ピーク波長が940nm±20nmの範囲から外れていれば、発光不良であると判断し、発光不良率(発光不良と判断されたNo.1の第2評価用サンプル70の個数÷No.1の第2評価用サンプル70の全個数×100)を求めた。その結果を図9に示す。
同様の方法で、No.2〜No.14の第2評価用サンプル70に対しても発光特性を調べた。その結果を図9に示す。
図9に示すように、Δx(2)が30cm-1を超えると、発光不良率が急激に上昇した。よって、Δx(2)が30cm-1以下であれば、発光性能を高めることができると言える。
Δx(2)が0.3cm-1未満であれば、発光不良率が上昇した。その理由は、上述の<耐圧試験>で記した通りである。
図10には、Δx(2)が30cm-1以下であるn型GaAs単結晶65のラマンスペクトルにおける第2ピークの半値全幅の平均値と発光不良率との関係を示す。図10に示すように、第2ピークの半値全幅の平均値が30cm-1以下であれば、発光不良率は2%以下であった。よって、第2ピークの半値全幅の平均値が30cm-1以下であれば、発光性能を更に高めることができると言える。
≪本実施形態のn型GaAs単結晶の構成≫
本発明者らによる上述の検討結果から、本実施形態のn型GaAs単結晶65では、(011)面及び(011)面とは等価な面の少なくとも1つの面内のt個の地点においてラマンスペクトルを測定し、k個目の地点で測定されたラマンスペクトルにおいて第2ピークのラマンシフトをxkと表し、ネオンの輝線ピークのラマンシフトをxBLと表した場合、上記式2で表されるΔx(2)が30cm-1以下である。このn型GaAs単結晶65からなる基板71を用いて光学デバイスを製造すると、光学デバイスの発光性能を高めることができる。そのため、上記式2で表されるΔx(2)が30cm-1以下であれば、結晶品質がn型GaAs単結晶65において均一であると言える。
好ましくは、上記式2で表されるΔx(2)が0.3cm-1以上30cm-1以下である。上記式2で表されるΔx(2)が0.3cm-1以上であれば、n型GaAs単結晶65の表面における不純物の析出を防止できる。よって、このn型GaAs単結晶65からなる基板71を用いて光学デバイスを製造すると、光学デバイスの発光性能を更に高めることができる。
より好ましくは、第2ピークの半値全幅の平均値が30cm-1以下である。これにより、n型GaAs単結晶65の結晶品質を高めることができる。よって、n型GaAs単結晶65からなる基板71を用いて光学デバイスを製造すると、光学デバイスの発光性能をより一層高めることができる。更に好ましくは、第2ピークの半値全幅の平均値が1cm-1以上10cm-1以下である。
好ましくは、n型GaAs単結晶65の直径が101.6mm(4インチ)以上である。これにより、n型GaAs単結晶65をスライス加工することによって光学デバイス用基板を提供できる。
≪本実施形態のn型GaAs単結晶の製造方法≫
n型GaAs単結晶65の製造方法は、原料の準備工程S101と、補材の準備工程S102と、前処理工程S103と、結晶成長工程S104と、アニール工程S105と、評価工程S106とを含む。以下では、半絶縁性GaAs単結晶35の製造方法とは異なる点を主に示す。
<原料の準備>
原料の準備工程S101では、GaAs種結晶とGaAs多結晶とn型ドーパント材料とを準備する。n型ドーパント材料としては、n型GaAs単結晶の成長に用いられるn型ドーパント材料として従来公知の材料を用いることができ、例えばSiウエハを用いることができる。
好ましくは、n型ドーパント材料に対しても加熱真空引きを行う。この加熱真空引きによって、n型ドーパント材料の表面に付着していた水分をも除去できる。これにより、結晶成長工程S104において封止材を構成する元素(封止材としてB23を用いた場合には硼素)がn型GaAs単結晶65に取り込まれる量を低減できる。よって、n型GaAs単結晶65の結晶品質を更に高めることができる。その後、補材の準備工程S102を行う。
<前処理>
補材の準備工程S102の終了後に前処理工程S103を行う。前処理工程S103では、GaAs種結晶31とGaAs多結晶(不図示)とn型ドーパント材料(不図示)と封止材とをルツボ23に入れる。好ましくは、ルツボ23をアンプル21に入れた後、GaAs種結晶31の方がGaAs多結晶及びn型ドーパント材料よりもルツボ23の底部側に位置するようにGaAs種結晶31とGaAs多結晶とn型ドーパント材料とをルツボ23に入れる。その後、アンプル21を封止する。
<結晶成長>
結晶成長工程S104では、n型GaAs単結晶65を成長させる。まず、アンプル21を自転させながら、ヒーター25によってGaAs多結晶とn型ドーパント材料とを選択的に加熱する。これにより、GaAs多結晶及びn型ドーパント材料が融液となり、よって、GaAs種結晶31と融液との間に固液界面が形成される。その後、固液界面付近に温度勾配を発生させる。これにより、固液界面から上方(融液側)へ向かってn型GaAs単結晶65が成長する。
<アニール>
アニール工程S105では、n型GaAs単結晶65に対してアニールを行う。これにより、n型GaAs単結晶65の結晶品質が均一となると考えられる。その理由として、断定的なことは言えないが、次に示すことが考えられる。このアニールによって、結晶欠陥に析出されるAsを拡散させることができ、その結果、AsをGaAs格子におけるAsのサイトに再配列させることができる。また、SiがGaAs格子におけるGa又はAsの一部に置換される。つまり、SiがGaAs格子でのGaのサイトの一部又はAsのサイトの一部に配置される。
アニールの条件は特に限定されない。例えば、アニールは、n型GaAs単結晶65をアンプル21から取り出してから行われても良いし、n型GaAs単結晶65をアンプル21に入れた状態で行われても良い。また、アニールは、n型GaAs単結晶65をアンプル21から取り出してから行われる場合には、大気圧又は正圧で行われることが好ましく、不活性ガス雰囲気下で行われても良い。
アニール時間は、特に限定されず、例えば1時間以上20時間以下であることが好ましい。
アニール温度は、好ましくは540℃以下であり、より好ましくは470℃以上540℃以下である。アニール温度が540℃以下であれば、Δx(2)が30cm-1以下であるn型GaAs単結晶65を得ることができる(例えば表2)。アニール温度が470℃以上540℃以下であれば、Δx(2)が0.3cm-1以上30cm-1以下であり且つ第2ピークの半値全幅の平均値が30cm-1以下であるn型GaAs単結晶65を得ることができる(例えば表2)。
<評価>
評価工程S106では、上述の方法にしたがって製造されたn型GaAs単結晶65のラマンスペクトルを測定して当該n型GaAs単結晶65の結晶品質の良否を判断する。
具体的には、n型GaAs単結晶65の(011)面又は(011)面とは等価な面に所定の間隔をあけて励起光を照射し、各照射点からの散乱光を受光素子に導く。それと同時に、ネオンランプからの光をn型GaAs単結晶65の(011)面又は(011)面とは等価な面に照射し、その反射光を受光素子に導く。このようにしてn型GaAs単結晶65のラマンスペクトルが得られる。
好ましくは、n型GaAs単結晶65を劈開して(011)面又は(011)面とは等価な面を露出させることが好ましい。
得られたラマンスペクトルを用いて上記式2で表されるΔx(2)を求め、Δx(2)が30cm-1以下であるn型GaAs単結晶65を良品と判断する。このようにして結晶品質が均一なn型GaAs単結晶65を得ることができる。そのため、良品と判断されたn型GaAs単結晶65を用いて光学デバイスを製造すれば、発光性能に優れた光学デバイスを提供できる。また、発光性能に優れた光学デバイスの製造歩留りを高めることができる。
好ましくは、Δx(2)が0.3cm-1以上30cm-1以下であるn型GaAs単結晶65を良品と判断する。これにより、発光性能に更に優れた光学デバイスを提供できる。また、発光性能に更に優れた光学デバイスの製造歩留りを高めることができる。
より好ましくは、Δx(2)が0.3cm-1以上30cm-1以下であり、且つ、第2ピークの半値全幅の平均値が30cm-1以下であるn型GaAs単結晶65を良品と判断する。これにより、発光性能により一層優れた光学デバイスを提供できる。また、発光性能により一層優れた光学デバイスの製造歩留りを高めることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1では、VB法により半絶縁性GaAs単結晶を成長させた。
<原料の準備>
GaAs種結晶とGaAs多結晶とを準備した。具体的には、半絶縁性GaAs単結晶の成長方向が<100>方向となるようにGaAs種結晶を調製し、そのGaAs種結晶に対して洗浄及びエッチングを順に行った。その後、GaAs種結晶を200℃で20時間加熱した。
GaAs多結晶に対して洗浄及びエッチングを順に行った。その後、そのGaAs多結晶を200℃で20時間加熱した。
<補材の準備>
補材として、ルツボ及びアンプルを準備した。ルツボとしては、PBN製のルツボを用いた。このルツボは、GaAs種結晶が収容される収容部と、増径部と、直胴部と、開口部とを有していた。増径部は、収容部に接続され、収容部から遠ざかるにつれて直径が大きくなる部分である。直胴部は、増径部に接続され、6インチ(152.4mm)の直径を有し、半絶縁性GaAs単結晶が成長される部分である。開口部は、収容部に対向する位置に設けられている。このようなルツボの内面を酸化してルツボの内面に酸化膜を形成した。
アンプルとしては、PBN製のルツボを収容可能な石英製のアンプルを準備した。このアンプルを洗浄し、200℃で20時間加熱した。
<前処理>
GaAs種結晶、35kgのGaAs多結晶、2gの顆粒状As及び400gのB23(封止材)をルツボに入れ、そのルツボをアンプルに入れた。このアンプルを200℃で3時間加熱しながら、石英製のアンプル内の圧力が3×10-4Pa以下となるまで真空引きした。アンプルの開口部を石英製のキャップで塞ぎ、そのキャップをアンプルの開口部周縁にバーナーで融着させた。
<結晶成長>
石英製のアンプルを自転させながら、石英製のアンプルの外側に配置されたヒーターによってGaAs多結晶及び顆粒状Asを選択的に加熱した。その後、温度勾配(3.9℃/cm)を固液界面付近に発生させ、石英製のアンプルを5rpm(revolution per minute)で自転させながらヒーターを上昇させた。これにより半絶縁性GaAs単結晶(直径が6インチ(152.4mm))が成長した。
<アニール>
半絶縁性GaAs単結晶の温度がその長手方向(ルツボの直胴部の長手方向)において1065℃(一定)となるように、半絶縁性GaAs単結晶を20時間、アニールした。
<評価>
半絶縁性GaAs単結晶の(100)面に<0−11>方向と<011>方向とに10mmの間隔をあけて励起光を照射し、各照射点からの散乱光を受光素子に導いた。それと同時に、ネオンランプからの光を半絶縁性GaAs単結晶の(100)面に照射し、その反射光を受光素子に導いた。このようにして半絶縁性GaAs単結晶のラマンスペクトルを得た。なお、半絶縁性GaAs単結晶のラマンスペクトルの測定は上記(ラマンスペクトルの測定条件)に記載の条件で行われた。
得られたラマンスペクトルを用いて上記式1で表されるΔx(1)を求めると、Δx(1)は16.1cm-1であった。また、第1ピークの半値全幅の平均値は3.5cm-1であった。
<耐圧試験>
半絶縁性GaAs単結晶を切断して半絶縁性GaAs基板(厚さが470μm)を得た。半絶縁性GaAs基板の各面((100)面と(−100)面)にGe/Au/Niからなる電極を蒸着させた。電極間に電圧を印加して耐圧試験を行ったところ、耐圧不良率は1.3%であった。この結果から、本実施例の半絶縁性GaAs単結晶を用いて電子デバイスを製造すれば耐圧を高めることができるということが分かった。
[実施例2]
実施例2では、VB法によりn型GaAs単結晶を成長させた。以下では、上記実施例1とは異なる点を主に示す。
<原料及び補材の準備>
Siウエハに対しても洗浄、エッチング及び真空引きを行ったことを除いては上記実施例1と同様の方法にしたがって原料を準備した。上記実施例1と同様の方法にしたがって補材を準備した。なお、ルツボの直胴部の直径は4インチ(101.6mm)であった。
<前処理>
GaAs種結晶、20kgのGaAs多結晶、2gの顆粒状As、2gのSiウエハ及び50gのB23(封止材)をルツボに入れ、そのルツボをアンプルに入れた。その後、そのアンプルを真空引きしてから封止した。
<結晶成長>
石英製のアンプルの外側に配置されたヒーターによって、GaAs多結晶、顆粒状As及びSiウエハを選択的に加熱した。その後、温度勾配(4.2℃/cm)を固液界面付近に発生させ、石英製のアンプルを3rpmで自転させながらヒーターを上昇させた。これによりn型GaAs単結晶(直径が4インチ(101.6mm))が成長した。
<アニール>
n型GaAs単結晶の温度がその長手方向において495℃(一定)となるように、n型GaAs単結晶を5時間、アニールした。
<評価>
n型GaAs単結晶を劈開することによって、n型GaAs単結晶の(011)面、(0−11)面、(0−1−1)面及び(01−1)面を露出させた。
次に、(011)面、(0−11)面、(0−1−1)面及び(01−1)面に5mmの間隔をあけて励起光を照射し、各照射点からの散乱光を受光素子に導いた。それと同時に、ネオンランプからの光をn型GaAs単結晶の(011)面に照射し、その反射光を受光素子に導いた。このようにしてn型GaAs単結晶のラマンスペクトルを得た。なお、n型GaAs単結晶のラマンスペクトルの測定は、励起光の照射強度を測定サンプル位置で約1mWとしたことを除いては上記(ラマンスペクトルの測定条件)に記載の条件で、行われた。
得られたラマンスペクトルを用いて上記式2で表されるΔx(2)を求めると、Δx(2)は1.4cm-1であった。また、第2ピークの半値全幅の平均値は7.5cm-1であった。
<発光特性の測定>
n型GaAs単結晶を切断してn型GaAs基板(厚さが675μm)を得た。n型GaAs基板の上面((100)面)に、n型GaAs層(厚さが100μm)とp型GaAs層(厚さが100μm)とを順に成長させた。p型GaAs層の上面にはp側電極を蒸着させ、n型GaAs基板の下面((−100)面)にはn側電極を蒸着させた。電極間に電圧を印加して発光させたところ、発光不良率は0.9%であった。この結果から、本実施例のn型GaAs単結晶を用いて光学デバイスを製造すれば発光性能を高めることができることが分かった。
今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態及び実施例ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
21 アンプル、23 ルツボ、25 ヒーター、31 種結晶、33 融液、35 半絶縁性GaAs単結晶、40 第1評価用サンプル、41 半絶縁性GaAs基板、43 第1電極、45 第2電極、65 n型GaAs単結晶、70 第2評価用サンプル、71 n型GaAs基板、73 n型GaAs層、75 p型GaAs層、77 p側電極、79 n側電極。

Claims (7)

  1. (100)面内のs個の地点においてラマンスペクトルを測定し、i個目の地点で測定されたラマンスペクトルにおいてGaAsの縦光学フォノンの振動に帰属される第1ピークのラマンシフトをxiと表し、ネオンの輝線ピークのラマンシフトをxBLと表した場合、下記式1で表されるΔx(1)が20cm-1以下であるGaAs結晶。
    Figure 2016009660
  2. 前記第1ピークの半値全幅の平均値が5cm-1以下である請求項1に記載のGaAs結晶。
  3. 前記GaAs結晶が半絶縁性GaAs結晶である請求項1または請求項2に記載のGaAs結晶。
  4. (011)面及び前記(011)面とは等価な面のうちの少なくとも1つの面内のt個の地点においてラマンスペクトルを測定し、k個目の地点で測定されたラマンスペクトルにおいてGaAsの横光学フォノンの振動に帰属される第2ピークのラマンシフトをxkと表し、ネオンの輝線ピークのラマンシフトをxBLと表した場合、下記式2で表されるΔx(2)が30cm-1以下であるGaAs結晶。
    Figure 2016009660
  5. 前記第2ピークの半値全幅の平均値が30cm-1以下である請求項4に記載のGaAs結晶。
  6. 前記GaAs結晶がn型GaAs結晶である請求項4または請求項5に記載のGaAs結晶。
  7. 直径が101.6mm以上である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のGaAs結晶。
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