JP3156382B2 - 化合物半導体単結晶およびその成長方法 - Google Patents
化合物半導体単結晶およびその成長方法Info
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Description
P,GaSb,InAs,InP,InSb等のIII
−V族化合物半導体単結晶およびCdTe,Hg1-x C
dx Te,ZnSe等のII−VI族化合物半導体単結
晶等の化合物半導体単結晶に関するものである。
mm以上)になるにつれて、スライス、研磨などの結晶
加工時、あるいはその後のエピタキシャル成長やデバイ
スプロセスの過程でウェハが割れるという問題がクロー
ズアップされてきた。これはSiに比べて化合物半導体
が脆いという性質による。
法に液体封止引上(LEC)法がある。通常LEC法で
は窒素やアルゴン等の不活性ガス中で結晶成長が行なわ
れる。従来のLEC法の装置の一例を図2に示す。
するためには、成長軸方向の温度勾配を小さくして結晶
に加わる熱応力を小さくすることが望ましい。
の温度勾配を小さくすると、結晶が成長した後、封止剤
によって被覆されない状態で、高い温度にさらされるた
めに結晶表面がダメージを受け、結晶欠陥が発生した
り、単結晶成長が困難になったりする。したがって、L
EC法では成長軸方向の温度軸勾配を小さくして結晶成
長を行なうことは困難であり、低転位密度の結晶を成長
することは極めて難しかった。
めに、図1に示したような高解離圧成分元素ガスを密閉
した気密容器内で引上法によって結晶成長を行なう方法
(以下、蒸気圧制御引上法と略記する)が開発されてき
た。この方法では、結晶が高い温度にさらされても高解
離圧成分元素ガス雰囲気中であるため、結晶表面はダメ
ージを受けない。したがって、成長軸方向の温度勾配を
小さくして、低転位密度の単結晶を成長できる。この方
法の一例としては、たとえば、特開昭60−26439
0号公報に記載された方法がある。
大口径化するにつれて低転位密度化が難しいことのほか
に、結晶のスライス、研磨等の加工およびその後のエピ
タキシャル成長やデバイスプロセスの過程で、結晶が割
れやすいという問題があった。
以上の結晶では、スライスすることさえも困難な状況で
あった。
軸方向の温度勾配を小さくして結晶を成長するため転位
密度はかなり小さく抑えられていたが、それでもスライ
ス、研磨等の結晶加工の工程で、結晶が割れてしまうこ
とがあった。
作製した単結晶基板上にエピタキシャル成長を行なう
と、成長した薄膜結晶層にスリップがかなりの頻度で発
生することがあった。
等の結晶加工やその後のデバイスプロセス等の過程で割
れにくい化合物半導体単結晶を提供することにある。
ル成長およびデバイスプロセスの過程で、単結晶基板上
に成長した薄膜結晶層においてスリップ等の結晶欠陥を
生じない化合物半導体単結晶を提供することにある。
研磨等の結晶加工あるいはその後のエピタキシャル成長
やデバイスプロセスの過程で、結晶が割れるのは、結晶
に残留する歪が原因であることを見出した。そして、ま
た発明者らは所定の評価方法に従って求めた残留歪の値
が大きければ結晶は割れやすくなり、その値が小さけれ
ば結晶は割れにくくなることを見出し、本発明を完成す
るに至ったものである。
晶中の残留歪の平均値を1×10-5以下とする。また、
本発明においては残留歪の最大値を2×10-5以下とす
ることができる。
の結晶では、結晶中の残留歪の平均値を1×10-5以下
とし、またその最大値を2×10-5以下とすることが好
ましい。
留歪の評価は、たとえば、Appl.Phys.Let
t.47(1985)pp.365−367に記載され
る光弾性法に基づいて行なうことができる。
導体単結晶から厚み700μmの結晶基板を切出し、そ
の結晶基板に存在する残留歪を光弾性法により算定する
ことによって、化合物半導体単結晶の結晶中の残留歪を
評価することができる。このような算定法においては、
化合物半導体単結晶から切出された結晶基板の残留歪
は、半径方向の歪Srと接線方向の歪Stとの差の絶対
値|Sr−St|によって算定することができる。
(1)のように定義される。
測定に用いる基板の厚さ、n0 は屈折率、δは試料の複
屈折によって生じる位相差、ψは主振動方位角、p11,
p12,p44は光弾性定数を示すものとする。
折によって生じる位相差δおよび主振動方位角ψのみを
測定することによって、基板における|Sr−St|を
容易に求めることができる。
により得られたインゴットから、加工して半導体装置の
製作に使用され得る化合物半導体単結晶基板に至るまで
のあらゆる製造物を含む。
導体単結晶は、特に、MBE法またはOMVPE法等に
よりエピタキシャル成長するための結晶基板として適用
できる。この結晶基板において、基板中の残留歪の平均
値は1×10-5以下であり、好ましくは、その最大値が
2×10-5以下である。また、本発明に従う化合物半導
体単結晶は、結晶基板の直径が100mm以上である場
合に、特に有効である。
のような条件下で製造することができる。
℃/cm以下であり、かつ成長終了後、融点の0.8倍
の温度までの結晶内の温度勾配が30℃/cm以下であ
り、融点の0.8から0.5倍の温度までの結晶内の温
度勾配が50℃/cm以下であり、融点の0.5倍から
0.3倍の温度までの結晶内の温度勾配が80℃/cm
以下であること。温度はすべて摂氏で表わした数値であ
る。
度までの平均の冷却速度が3℃/分以下であり、融点の
0.8倍から0.5倍の温度までの平均の冷却速度が5
℃/分以下であり、融点の0.5倍から0.3倍の温度
までの平均の冷却速度が8℃/分以下であること。
数で回転しながら冷却すること。結晶の残留歪は、結晶
内に生じた温度差によって引起こされるため、上述した
(1)は割れにくい結晶を得るための必要条件である。
(1)の条件に加えて、(2)または(3)の条件のう
ち少なくとも1つを満足させることによって、さらに残
留歪が小さくかつ割れにくい結晶を得ることができる。
軸方向の温度勾配を小さくして結晶成長することがほと
んどできないため、上述した(1)の条件を満足させる
ことは極めて困難である。これに対して、蒸気圧制御引
上法では、成長軸方向の温度勾配を小さくして結晶成長
することができるため、上述した(1)の条件を満足す
ることは容易である。
は、高解離圧成分元素ガスとしてAsまたはPのガスを
用いる。
単結晶の残留歪の評価法は開発されてきたが、発明者ら
は、これらの評価法に基づいて求めた残留歪の量が、ス
ライス、研磨等の結晶加工やその後のエピタキシャル成
長やデバイスプロセスの過程で生じる結晶の割れと強く
相関していることを見出し、その相関関係を初めて明ら
かにした。
よびデバイスプロセスにおいて、エピタキシャル成長し
た薄膜結晶層に生じるスリップ(結晶欠陥)が土台とし
た基板結晶の残留歪の量に大きく影響されることも見出
した。
て、発明者らは化合物半導体単結晶の成長方法におい
て、単結晶の品質をより精度よく制御することを可能に
した。この結果、半導体装置の製作により適した品質の
高い化合物半導体単結晶を本発明として完成し、結晶の
割れを生じにくくかつエピタキシャル成長した薄膜結晶
層にスリップの発生の少ない化合物半導体単結晶をユー
ザに安定的に提供することを可能にした。
残留歪の平均値が1×10-5以下であり、またその最大
値が2×10-5以下であるので、スライス、研磨等の結
晶加工およびその後のエピタキシャル成長やデバイスプ
ロセスの過程において極めて割れにくい。
法では、成長中および成長終了後冷却中のいずれにおい
ても、結晶内部の温度勾配を所定の範囲内に保ってい
る。したがって、結晶内に生じる温度差が小さくなり、
結晶に加わる熱応力が小さくなる。このために、成長後
の結晶中の残留歪の平均値が1×10-5以下であり、か
つその最大値が2×10-5以下であるという化合物半導
体単結晶を得ることができる。
度を所定の範囲に保つことによって、結晶中の残留歪の
量をさらに小さくするとともに、結晶成長過程に要する
所用時間を実用的な範囲内に抑えることができる。結晶
の冷却中の回転数は、0.1rpm以上が適当である
が、これは0.025rpm以上であれば、ほぼ同様に
残留歪の小さい結晶を得ることができる。冷却中に結晶
を回転することにより、割れにくい結晶を得ることがで
きる。
した気密容器内でGaAs単結晶を蒸気圧制御引上法で
成長した例について説明する。
なった。図1に示すように、高圧チャンバ1が設けら
れ、この高圧チャンバ1内には、回転昇降可能な上軸2
および下軸3が設けられている。また、高圧チャンバ1
内に、気密容器4が設けられている。気密容器4を上軸
2および下軸3が貫通する部分には液体封止剤溜5,6
が設けられ、液体封止剤7,8を蓄えて、上軸2および
下軸3が回転可能な状態で気密されている。
解離圧成分分圧制御部10が取付けられており、ヒータ
11によって温度制御を行なうことにより、気密容器4
内を所望の高解離圧成分分圧に制御できる。高解離圧成
分分圧制御部10の内部に、気密容器4内に必要な高解
離圧成分元素ガスを供給するための固体原料12を配置
する。
るいはPBN製のるつぼ14が保持されており、原料融
液15およびB2 O3 等の液体封止剤16が収容され
る。また、上軸2の先端には、種結晶17が取付けられ
ている。
5および液体封止剤7を加熱するためにヒータ18が、
気密容器4上部を加熱するためにヒータ19が、気密容
器4下部を加熱するためにヒータ20が、また液体封止
剤溜6および液体封止剤8を加熱するためにヒータ21
が設けられている。また、高圧チャンバ1内に、保温材
23が設けられている。
圧制御部10の材質としては、PBN(パイロリティッ
クボロンナイトライド)、PG(パイロリティックグラ
ファイト)、ガラス化カーボン、SiCまたはそれらを
グラファイトの基材にコーティングしたもの、モリブデ
ン等が適している。石英でも製作可能である。
分元素ガス分圧は、高解離圧成分分圧制御部10の温度
を制御することによって調節される。高圧チャンバ1内
には、窒素やアルゴン等の不活性ガスが充填され気密容
器4内のガス圧とのバランスが保たれている。
軸2を降下させ、上軸2の先端に取付けられた種結晶1
7を原料融液15に浸漬し、回転しながら引上げて単結
晶22を成長する。結晶成長後、気密容器4内を所望の
温度勾配に制御しながら、ヒータ11,18,19,2
0,および21の温度を徐々に低下させて冷却を行な
う。
ンバ1内に設けられた熱電対または光温度計によって行
なうことができる。コンピュータシミュレーションを利
用すれば、より精密な温度制御を行なうことができる。
るつぼを使用し、GaAs多結晶原料12kgおよび液
体封止剤としてB2 O3 1kgを投入した。
スを供給するための固体原料12として、As100g
を収容した。
を、また高圧チャンバ1内には窒素ガスをそれぞれ5k
g/cm2 ずつ充填して気密容器4の内外圧力を調整し
た。種結晶17をGaAsからなる原料融液15に浸漬
し、回転しながら引上げて直径110mm、長さ270
mmのGaAs単結晶を成長させた。
m以下となるように温度制御を行なった。
た。(1)990℃までは2℃/分で冷却し、(2)9
90℃から620℃までは4℃/分で冷却し、(3)6
20℃から370℃までは6℃/分で冷却した。その
間、結晶を0.1rpmで回転させた。
うに制御した。(1)990℃までは20℃/cm以下
とし、(2)990とから620℃までは40℃/cm
以下とし、(3)620℃から370℃までは80℃/
cm以下とした。
ハを切出し、光弾性法によってウェハ中の残留歪を評価
したところ、結晶中の残留歪の平均値は約4.2×10
-6であり、かつ残留歪の最大値は1.0×10-5であっ
た。
晶成長を行なった。
るつぼを使用し、GaAs多結晶原料12kgおよび液
体封止剤としてB2 O3 1kgを投入した。
Asからなる原料融液15に浸漬し、回転しながら引上
げて、直径110mm、長さ270mmのGaAs単結
晶を成長させた。
m程度となっていた。また、結晶成長後の冷却は、結晶
回転を停止し、5℃/分で冷却を行なった。冷却中、結
晶内の温度勾配は80℃/cm程度であった。
ハを切出し、光弾性法によってウェハ中の残留歪を評価
したところ、結晶中の残留歪の平均値は約2.2×10
-5であり、かつ残留歪の最大値は3.8×10-5であっ
た。
s単結晶をそれぞれ比較したところ、結晶加工の過程に
おいて歩留りに大きな差異が認められた。
スライスの際に結晶割れが全く生じず、スライス時のウ
ェハ歩留りは100%であった。一方、比較例1で得ら
れたGaAs単結晶では、スライスの際に結晶割れが高
い頻度で発生し、スライス時のウェハ歩留りは約50%
であった。
では、研磨まで含んだ結晶加工の過程における最終的な
ウェハ歩留りは90%以上になっていた。これに対し
て、比較例1で得られたGaAs単結晶では、研磨まで
含んだ結晶加工の過程における最終的なウェハ歩留りは
30%以下となっていた。
範囲内に抑えられたGaAs単結晶を用いれば、スライ
ス、研磨等の結晶加工時をはじめ、その後のエピタキシ
ャル成長やデバイスプロセスの過程でも結晶の割れを大
幅に抑制することができる。
晶中の残留歪の平均値は約4.2×10-6であり、かつ
残留歪の最大値は1.0×10-5であるとしたが、残留
歪の平均値が1.5×10-5以下であり、残留歪の最大
値が2.5×10-5以下であれば、実質的なウェハ歩留
りが得られる。
10-6以下であり、残留歪の最大値が1.5×10-5以
下であれば、最終的なウェハ歩留りはさらに良好とな
り、結晶加工時をはじめ、その後のエピタキシャル成長
およびデバイスプロセスの過程における結晶の割れも極
めて少なくなる。
以下、成長終了後融点の0.8倍の温度までの結晶内の
温度勾配は30℃/cm以下、融点の0.8倍から0.
5倍の温度までの結晶内の温度勾配は50℃/cm以
下、融点の0.5倍から0.3倍の温度までの結晶内の
温度勾配は80℃/cm以下が適当である。
が40℃/cm以下、成長終了後融点の0.8倍の温度
までの結晶内の温度勾配が40℃/cm以下、融点の
0.8倍から0.5倍の温度までの結晶内の温度勾配が
80℃/cm以下、融点の0.5倍から0.3倍の温度
までの結晶内の温度勾配が120℃/cm以下であれ
ば、ほぼ同様に残留歪の少ない結晶を得ることができ
る。
下、成長終了後融点の0.8倍の温度までの結晶内の温
度勾配を20℃/cm以下、融点の0.8倍から0.5
倍の温度までの結晶内の温度勾配を40℃/cm以下、
融点の0.5倍から0.3倍の温度までの結晶内の温度
勾配を60℃/cm以下とすれば、さらに残留歪の小さ
い良質な単結晶を得ることができる。
8倍の温度までは3℃/分以下、融点の0.8倍から
0.5倍の温度までは5℃/分以下、融点の0.5倍か
ら0.3倍の温度までは8℃/分以下が適当である。
を、融点の0.8倍の温度までを4℃/分以下、融点の
0.8倍から0.5倍の温度までを8℃/分以下、融点
の0.5倍から0.3倍の温度までを12℃/分以下と
すれば、ほぼ同様に残留歪の小さい結晶を得ることがで
きる。
の0.8倍の温度までを2℃/分以下、融点の0.8倍
から0.5倍の温度までを4℃/分以下、融点の0.5
倍から0.3倍の温度までを6℃/分以下とすれば、さ
らに残留歪の小さい良質な単結晶を得ることができる。
上としたが、これは0.025rpm以上であれば、ほ
ぼ同様に残留歪の小さい単結晶を得ることができる。冷
却中に結晶を回転しないと割れやすい結晶になってしま
う。冷却中の温度を均一性等の点から、回転数を0.5
rpm以上とすればさらに良好な結果が得られる。
成長条件を設定し、直径110mm、長さ270mmの
GaAs単結晶を蒸気圧制御引上法で成長した。得られ
たGaAs単結晶からウェハを切出し、厚み700μm
のGaAs(100)結晶基板を作製した。
光弾性法により評価したところ、結晶中の残留歪の平均
値はそれぞれ6.0×10-6,8.0×10-6,1.0
×10-5であった。
×10-6のGaAs(100)結晶基板の残留歪の分布
を示す図である。図3において、縦軸は残留歪の量を示
し、横軸は基板中心からの距離を示す。
平均値が8.0×10-6のGaAs(100)結晶基板
においては、残留歪の量が基板全域でほぼ平均して同程
度に抑えられており、基板の外周部の残留歪の量と基板
中心付近の残留歪の量との間に大きな差異は認められな
い。
成長条件を設定し、直径110mm、長さ270mmの
GaAs単結晶を通常のLEC法で成長した。得られた
GaAs単結晶からウェハを切出し、厚み700μmの
GaAs(100)結晶基板を作製した。
光弾性法により評価したところ、結晶中の残留歪の平均
値はそれぞれ1.5×10-5,2.0×10-5であっ
た。
×10-5のGaAs(100)結晶基板の残留歪の分布
を示す図である。図4において、縦軸は残留歪の量を示
し、横軸は基板中心からの距離を示す。
平均値が1.5×10-5のGaAs(100)結晶基板
においては、基板の中心付近から外周部に近づくに従っ
て、残留歪の量が急激に大きくなる傾向が著しく認めら
れ、中心付近から43mm付近で残留歪の量が最大とな
り、2.2×10-5となっていることがわかる。
基板上にMBE法により、Znをドープしたp−GaA
s(ドープ量は1.0×10-18 cm-3)薄膜結晶層を
1μmの厚さで形成し、さらにその上にSiをドープし
たn−GaAs(ドープ量は1.0×10-18 cm-3)
薄膜結晶層を1μmの厚さで順次形成した。
度を580℃とし、昇温時および冷却時の温度レートを
約20℃/分とした。
Asエピタキシャルウェハを製作し、各ウェハの薄膜結
晶層におけるスリップの発生状況を観察した。
の平均値がそれぞれ6.0×10-6、8.0×10-6、
および1.0×10-5である実施例2のGaAs(10
0)結晶基板を用いた場合の各エピタキシャルウェハの
薄膜結晶層におけるスリップを模式的に示す図である。
の残留歪の平均値がそれぞれ6.0×10-6、8.0×
10-6であるGaAs(100)結晶基板を用いた場合
には、薄膜結晶層においてスリップの発生は全く見られ
なかった。また、図7に示されるように、結晶中の残留
歪の平均値が1.0×10-5であるGaAs(100)
結晶基板を用いた場合には、薄膜結晶層においてスリッ
プが発生しないかもしくは発生してもウェハの外周部に
極わずかに発生する程度に留まっていた。
の平均値がそれぞれ1.5×10-5および2.0×10
-5である比較例2のGaAs(100)結晶基板を用い
た場合の各エピタキシャルウェハの薄膜結晶層における
スリップを模式的に示す図である。
の残留歪の平均値がそれぞれ1.5×10-5、2.0×
10-5であるGaAs(100)結晶基板を用いた場合
には、薄膜結晶層において、残留歪の量が特に大きくな
るウェハの周辺部に沿ってスリップが多く発生してい
た。
のGaAs(100)結晶基板において、pn接合を有
する薄膜結晶層の破壊電圧の面内分布を調査した。
ぞれ6.0×10-6、8.0×10 -6、および1.0×
10-5である実施例1のGaAs(100)結晶基板を
用いたエピタキシャルウェハでは、ウェハ全域において
破壊電圧が著しく小さい部分はほとんど存在しなかっ
た。これは、結晶中の残留歪の平均値がそれぞれ6.0
×10-5、8.0×10-6および1.0×10-5である
GaAs(100)結晶基板上では、エピタキシャル成
長によりpn接合がほぼ完全に形成されていることを示
している。
それぞれ1.5×10-5および2.0×10-5であるG
aAs(100)結晶基板を用いたエピタキシャルウェ
ハでは、破壊電圧が著しく小さい部分がスリップに沿っ
て存在していることが判明した。これは、結晶中の残留
歪の平均値がそれぞれ1.5×10-5および2.0×1
0-5であるGaAs(100)結晶基板上では、エピタ
キシャル成長した薄膜結晶層においてスリップが発生し
た部分で、pn接合が望ましい状態には形成されていな
いことを示している。
1.0×10-5以下であるGaAs(100)結晶基板
を用いれば、その上にエピタキシャル成長した薄膜結晶
層においてスリップの発生は観察されず、良好な結晶特
性が認められた。
用いて半導体装置を製作したところ、結晶中の残留歪の
平均値がそれぞれ1.5×10-5および2.0×10-5
である比較例2のGaAs(100)結晶基板を用いた
エピタキシャルウェハでは、エピタキシャル成長した薄
膜結晶層にスリップが発生した部分で良質の半導体装置
は製作されず、歩留りが40%程度に抑えられていた。
それぞれ6.0×10-6、8.0×10-6、および1.
0×10-5である実施例2のGaAs(100)結晶基
板を用いたエピタキシャルウェハでは、エピタキシャル
成長した薄膜結晶層にほとんどスリップが発生しないた
め、ウェハ全体に良質な半導体装置を製作することがで
き、歩留りが70%まで向上した。
値が1×10-5以下であり、残留歪の最大値が2×10
-5以下であるような化合物半導体単結晶を用いること
で、エピタキシャル成長時に薄膜結晶層においてスリッ
プの発生を小さく抑えることができる化合物半導体単結
晶基板を提供することがでる。また、その化合物半導体
単結晶基板を用いれば歩留りよく半導体装置を製作する
ことができる。
示すものであって限定するものではない。本発明は、G
aAs以外のGaP,GaSb,InAs,InP,I
nSb等のIII−V族化合物半導体単結晶およびCd
Te,Hg1-x Cdx Te,ZnSe等のII−VI族
化合物半導体単結晶ならびにその成長方法にも応用する
ことができる。
結晶中の残留歪が小さく抑えられ割れにくい化合物半導
体単結晶を作製することができる。本発明の方法で作製
した化合物半導体単結晶は従来の方法で作製した単結晶
に比べて、極めて割れにくいので、スライス、研磨等の
結晶加工、あるいはその後のエピタキシャル成長やデバ
イスプロセスの過程におけるウェハの割れによる不良発
生および装置トラブルは極めて少ない。したがって、高
い歩留りと生産性を実現できる。
体単結晶から作製した化合物半導体単結晶基板を用いれ
ば、エピタキシャル成長およびデバイスプロセス時にお
いて、エピタキシャル成長した薄膜結晶層においてスリ
ップ等の結晶欠陥の発生が大幅に抑えられる。したがっ
て、光素子や集積回路(IC)等の半導体装置の製作に
本発明の化合物半導体単結晶を用いれば、高い歩留りで
高性能な半導体装置を製作することができる。
スを密閉した気密容器内で結晶成長を行なう装置の断面
図である。
の断面図である。
aAs(100)結晶基板の残留歪の分布を示す図であ
る。
aAs(100)結晶基板の残留歪の分布を示す図であ
る。
るGaAs(100)結晶基板を用いた場合のエピタキ
シャルウェハの薄膜結晶層におけるスリップを模式的に
示す図である。
るGaAs(100)結晶基板を用いた場合のエピタキ
シャルウェハの薄膜結晶層におけるスリップを模式的に
示す図である。
るGaAs(100)結晶基板を用いた場合のエピタキ
シャルウェハの薄膜結晶層におけるスリップを模式的に
示す図である。
るGaAs(100)結晶基板を用いた場合のエピタキ
シャルウェハの薄膜結晶層におけるスリップを模式的に
示す図である。
るGaAs(100)結晶基板を用いた場合のエピタキ
シャルウェハの薄膜結晶層におけるスリップを模式的に
示す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 結晶中の残留歪の平均値が1×10-5以
下であることを特徴とする化合物半導体単結晶。 - 【請求項2】 結晶中の残留歪の平均値が1×10-5以
下であり、かつその最大値が2×10-5以下であること
を特徴とする化合物半導体単結晶。 - 【請求項3】 結晶の直径が100mm以上であって、
結晶中の残留歪の平均値が1×10-5以下であることを
特徴とする化合物半導体単結晶。 - 【請求項4】 結晶の直径が100mm以上であって、
結晶中の残留歪の平均値が1×10-5以下であり、かつ
その最大値が2×10-5以下であることを特徴とする化
合物半導体単結晶。 - 【請求項5】 半導体装置の製作に使用するための化合
物半導体基板であることを特徴とする請求項1、2、3
または4に記載の化合物半導体単結晶。 - 【請求項6】 引上法による化合物半導体単結晶の成長
において、結晶成長中の結晶内の温度勾配を30℃/c
m以下に保ち、成長終了後冷却中に融点の0.8倍の温
度までの結晶内の温度勾配を30℃/cm以下とし、融
点の0.8倍から0.5倍の温度までの結晶内の温度勾
配を50℃/cm以下とし、融点の0.5倍から0.3
倍の温度までの結晶内の温度勾配を80℃/cm以下と
することを特徴とする化合物半導体単結晶の成長方法。 - 【請求項7】 成長終了後冷却中に融点の0.8倍の温
度までの平均の冷却速度を3℃/分以下とし、融点の
0.8倍から0.5倍の温度までの平均の冷却速度を5
℃/分以下とし、融点の0.5倍から0.3倍の温度ま
での平均の冷却速度を8℃/分以下とすることを特徴と
する請求項6に記載の化合物半導体単結晶の成長方法。 - 【請求項8】 成長終了後冷却中に結晶を0.05rp
m以上の回転数で回転しながら冷却することを特徴とす
る請求項6または請求項7に記載の化合物半導体単結晶
の成長方法。 - 【請求項9】 高解離圧成分元素ガス雰囲気下でチョク
ラルスキー法によって成長することを特徴とする請求項
6、7または8に記載の化合物半導体単結晶の成長方
法。 - 【請求項10】 高解離圧成分元素ガスがAsのガスで
あり、単結晶がGaAsであることを特徴とする請求項
9に記載の化合物半導体単結晶の成長方法。
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- 1992-08-10 JP JP21286792A patent/JP3156382B2/ja not_active Expired - Lifetime
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