JP2003037285A - 発光ダイオード - Google Patents

発光ダイオード

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JP2003037285A
JP2003037285A JP2001225078A JP2001225078A JP2003037285A JP 2003037285 A JP2003037285 A JP 2003037285A JP 2001225078 A JP2001225078 A JP 2001225078A JP 2001225078 A JP2001225078 A JP 2001225078A JP 2003037285 A JP2003037285 A JP 2003037285A
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Tsunehiro Unno
恒弘 海野
Taiichiro Konno
泰一郎 今野
Harunori Sakaguchi
春典 坂口
Kenji Shibata
憲治 柴田
Manabu Kako
学 加古
Toshiya Toyoshima
敏也 豊島
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エピタキシャル層中にリーク電流の原因とな
る断層部を有さず、かつエピタキシャル層中へのドーパ
ントの拡散も起こっていない電流狭窄構造を有する高輝
度発光ダイオードを提供する。 【解決手段】 第一導電型の基板1上に、第二導電型又
は高抵抗の半導体からなる電流阻止部6と、活性層3を
有する発光部層12と、第二導電型の電流分散層5とが順
に形成され、表面及び裏面に電極7,8が形成された構
造を有する発光ダイオードにおいて、電流阻止部6は基
板1にドーパントの拡散又はイオン注入により形成され
た層である発光ダイオード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発光領域を発光部層
の一部に限定することにより高輝度化したいわゆる電流
狭窄型の発光ダイオードに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決すべき課題】従来発光ダイ
オード(LED)としては、GaP系の緑色発光ダイオードや
AlGaAs系の赤色発光ダイオードがほとんどであった。し
かし、最近GaN系やAlGaInP系の結晶層を有機金属気相成
長法(MOVPE)により成長させる技術が開発され、橙色、
黄色、緑色、青色の高輝度発光ダイオードが製造できる
ようになった。
【0003】MOVPE法により形成したエピタキシャルウ
エハを用いると、これまで不可能であった短波長の発光
や、高輝度が得られるLEDが作製できる。図2は従来のL
EDの断面構造の一例を示す。このLEDは、n型GaAs基板1
の第一の主面上に、n型AlGaInPクラッド層2/アンド
ープAlGaInP活性層3/p型AlGaInPクラッド層4からな
るダブルヘテロ接合構造の発光部層12を有する。さらに
p型クラッド層4の表面の一部にAu等からなる表面電極
7(光取り出し側)が形成され、基板1の第二の主面全
面にAuGe合金等からなる裏面電極8(基板側電極)が形
成されている。
【0004】この構造のLEDにより高輝度の発光を得る
には、発光ダイオードの表面電極7から発光ダイオード
に注入する電流を増大させる必要があるが、p型半導体
からなる活性層3は一般に比抵抗が高いため、表面電極
7から活性層3に注入される電流は表面電極7の近傍で
密となる。表面電極7近傍の電流が密な部分に発光が集
中するので、表面電極7から遠い部分では十分な発光が
得られず、LEDの発光効率が低いという問題があった。
また電流が局所に集中すると順方向電圧が高くなり、電
流による発熱が増大して発光ダイオードの温度上昇が増
大するという問題もある。
【0005】従って、電流の局所的な集中を防止して高
輝度なLEDを得るためには、発光部層における電流分布
を均一化する必要があり、そのために低抵抗で発光波長
に対して吸収の少ない物質からなる電流分散層を発光部
層と電極との間に設けることが行なわれている。
【0006】LEDに設けられた電流分散層には、GaP又は
GaAlP等の化合物半導体が使用されている。しかしGaP層
等のキャリア密度は余り高くなく、比較的高い比抵抗を
有する。このため、十分な電流分散作用を得るには、Ga
P層を厚く成長させる必要がある。例えば、p型GaP(Zn
ドープ量1×1018cm-3)の場合約50μm以上の膜厚とする
必要がある。しかし、GaP層を厚くするとLEDの製造コス
トが高くなる。
【0007】LEDのコストを下げるには電流分散層を薄
くできれば良いが、これには抵抗の低いエピタキシャル
層が必要であり、高キャリア濃度層が求められている。
しかしAlGaInPやGaNのような半導体材料では、p型で高
キャリア濃度のエピタキシャル層を成長させることが難
しい。また他にもこの条件を満たす半導体があれば良い
が、そのような特性の半導体は発見されていない。
【0008】また発光ダイオードの高輝度化を妨げる問
題として、発光部層で発生した光のうち表面電極の直下
の光は、表面電極に邪魔されて取り出せないという問題
があることが知られている。例えば図2に示すように、
p型GaAs基板1と、p型GaAlAsクラッド層2と、p型Ga
AlAs活性層3と、n型GaAlAsクラッド層4と、表面電極
7と、裏面電極8とからなる従来の発光ダイオードで
は、電子流Cが表面電極7から裏面電極8に向かって末
広がり状に流れるので、発生した光Lのうち表面電極7
の直下の光L’は表面電極7に邪魔されて取り出せない
という問題がある。点状の表面電極7といえどもその電
極面積は発光ダイオードチップの表面積に比べ無視でき
ない大きさであり、しかも電極直下は電流密度が高いの
で、表面電極7に邪魔されて取り出せない光L’は相当
な量となる。従って、発生した光を最大限に取り出すた
めには、光L’が表面電極7に邪魔されないことが必要
となる。そのためには、表面電極7から裏面電極8に向
かう電流密度が表面電極7の外側に集中して高くなるこ
とが必要である。
【0009】このような問題を解消するために、特公平
6-82862号は図3に示すような発光ダイオードを提案し
た。この発光ダイオードは、活性層3をクラッド層2,
4で挾んだダブルヘテロ接合構造を有し、基板1の上面
に電流阻止部6が形成されている。またクラッド層4の
表面中央に表面電極7が形成されているとともに、基板
1の裏面全体に裏面電極8が形成されている。電流阻止
部6の製造方法の例として特公平6-82862号に記載され
ているものは以下の通りである。まずZnドープp型GaAs
基板1上にTeドープn型GaAsエピタキシャル層を成長さ
せ、得られたエピタキシャルウェハをホトリソグラフ法
により電流阻止部6を残すようにエッチングする。次に
このエピタキシャルウェハ上に、液相エピタキシャル法
によりp型GaAlAsからなる第一クラッド層2と、p型GaA
lAsからなる活性層3と、n型GaAlAsからなる第二クラ
ッド層4とからなるダブルヘテロ接合構造の発光部層12
を形成する。最後にこのエピタキシャルウェハに、表面
電極7と裏面電極8を形成する。基板1上の電流阻止部
6により、表面電極7と電流阻止部6の間の活性層3に
は電子流Cがほとんど流れない。このいわゆる電流狭窄
作用のために、表面電極7により妨げられる発光L’は
ほとんどなくなり、発光効率が向上する。
【0010】しかしながら、この方法により作製された
発光ダイオードでは、電流阻止部6が基板1より凸状で
あるので、その上にMOVPE法により発光部層12を形成す
ると、図4に示すように、発光部層12に断層が生じる。
この断層部ではリーク電流が発生するので、その分だけ
発光輝度は低下するという問題がある。
【0011】また基板1上に凹部を形成した後で電流阻
止部6を形成したタイプの発光ダイオードもある。しか
しながらこの場合、図5に示すように、基板1の凹部9
に電流阻止部6が形成されても僅かに凹状となるので、
その上にMOVPE法により発光部層12を形成すると、やは
り発光部層12に断層が生じる。
【0012】また拡散法により電流阻止部を形成した発
光ダイオードの例も知られている。例えば特開平11-251
627号は、図6に示すように、小な発光領域を備えた発
光ダイオードを開示している。
【0013】この発光ダイオード60は、p型GaAs単結晶
からなる基板62と、液相成長(LPE)法や有機金属化学
気相成長(MOCVD)法により基板62上に複数種の化合物
半導体層が順次結晶成長させられることにより形成され
たデバイス構造層64と、基板62の下面及びデバイス構造
層64の上面にそれぞれ形成された下部電極70及び上部電
極72とを備えている。デバイス構造層64は、基板62側か
ら順に、p型AlInGaPからなる第一クラッド層74、アンド
ープInGaPからなる活性層76、n型AlInGaPからなる第二
クラッド層78、n型GaPからなる第二キャップ層80、n型A
lInGaPからなる横拡散層82、及びn型GaPからなる第一キ
ャップ層84により構成されている。また下部電極70は基
板の下面全面に設けられたp型電極であり、上部電極72
は光取出面となる上面に備えられる光取出部Bの外周側
に環状に設けられている。
【0014】横拡散層82は、光取出部Bの下側に位置す
る中央部分を除く斜線部に、例えばp型の不純物である
Znを拡散させることによりその導電型を反転させた環状
の電流阻止部86を有する。これにより、デバイス構造層
64には、横拡散層82を通る経路だけで通電可能な電流狭
窄構造が形成されており、活性層76における通電領域
(発光領域)は通電部の直下に位置する範囲Rに制限さ
れている。
【0015】このような構造の発光ダイオードは、(1)
基板62上に化合物半導体を順次エピタキシャル成長させ
ることにより、デバイス構造層64を有するエピタキシャ
ルウェハを作製し、(2) デバイス構造層64の表面にレジ
スト膜をパターン形成し、(3) デバイス構造層64の表面
をエッチングすることにより、デバイス構造層64の表面
に格子状の拡散溝を形成し、(4) レジスト膜を剥離液で
除去した後、Znを添加した珪素化合物(SiO2溶液)をウ
ェハの上面にスピン・コートし、ベーキング処理を施す
ことにより、その上面を覆うSOG膜を形成し、(5) ウェ
ハを例えば700℃×3時間程度の条件で熱処理すること
により、SOG膜内のZnをデバイス構造層64内に拡散さ
せ、最後に(6) エッチングによりSOG膜を除去すること
により製造することができる。
【0016】しかしながら、エピタキシャル成長により
デバイス構造層64を作製した後で700℃×3時間程度の
条件で熱処理すると、AlInGaPからなるエピタキシャル
層内でドーパントの拡散が起こり、輝度の低下と駆動電
圧の上昇が起こるという問題があることが分かった。こ
のように、エピタキシャルウエハに対してZnドーパント
の拡散のために熱処理を行なうのは望ましくない。
【0017】従って本発明の目的は、エピタキシャル層
中にリーク電流の原因となる断層部を有さず、かつエピ
タキシャル層中へのドーパントの拡散も起こっていない
電流狭窄構造を有する高輝度発光ダイオードを提供する
ことである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者等は、基板の表面のうち表面電極のほ
ぼ直下に相当する位置にドーパントを拡散させるかイオ
ン注入することにより、導電型が反転されたか高抵抗化
された電流阻止部を形成すると、電流阻止部と表面電極
との間の発光部層では発光が起こらないので、表面電極
により阻止される無駄な光がなくなり、発光部全体とし
て輝度が向上することを発見し、本発明に想到した。
【0019】すなわち、本発明の第一の発光ダイオード
は、第一導電型の基板上に、第二導電型又は高抵抗の半
導体からなる電流阻止部と、活性層を有する発光部層
と、第二導電型の電流分散層とが順に形成され、表面及
び裏面に電極が形成された構造を有し、前記電流阻止部
は前記基板にドーパントを拡散させることにより形成さ
れた層であることを特徴とする。
【0020】本発明の第二の発光ダイオードは、第一導
電型の基板上に、第二導電型又は高抵抗の半導体からな
る電流阻止部と、活性層を有する発光部層と、第二導電
型の電流分散層とが順に形成され、表面及び裏面に電極
が形成された構造を有し、前記電流阻止部は前記基板に
イオンを注入することにより形成された層であることを
特徴とする。
【0021】本発明の実施例では、前記発光部層は半導
体のpn接合構造、又は第一導電型のクラッド層と、その
上に形成された活性層と、その上に形成された第二導電
型のクラッド層とからなるダブルヘテロ接合構造を有す
る。
【0022】いずれの発光ダイオードにおいても、前記
電流阻止部と前記活性層との距離は0.5μm以上である
のが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例による電
流狭窄型発光ダイオードの層構造を示す断面図である。
この実施例では第一導電型はn型であり、第二導電型は
p型であるが、この逆であっても良い。
【0024】n型GaAs基板1の第一主面に電流阻止部6
が形成されており、その上にn型AlGaInPクラッド層2
が形成され、n型クラッド層2の上にアンドープAlGaIn
P活性層3が形成され、活性層3の上にp型AlGaInPクラ
ッド層4が形成されている。n型クラッド層2と、活性
層3と、p型クラッド層4とはダブルヘテロ接合構造の
発光部層12を構成している。発光部層12の上にp型電流
分散層5が形成されている。図示の例ではp型電流分散
層5上に表面電極7が直接形成されているが、勿論p型
電流分散層5の上に透明導電層を設けても良く、またp
型電流分散層5と透明導電層の間に化合物半導体層が形
成されていても良い。基板1の裏面には裏面電極8が全
面に形成されている。
【0025】本発明では電流阻止部6は、n型GaAs基板
1に導電型を反転させるか高抵抗化する元素をドーパン
トとして拡散させるか注入することにより形成すること
ができる。導電型を反転させる元素とは、GaAs基板1が
n型の場合にはp型にし、GaAs基板1がp型の場合にはn
型にする元素である。具体的には、n型GaAs基板1をp
型にする元素としてはZn, Be ,Mg等が挙げられ、またp
型GaAs基板1をn型にする元素としてはS, Se, Te, Si等
が挙げられる。
【0026】拡散法の場合、基板1の表面で電流阻止部
6を形成すべき部位にドーパントを含有する層を形成
し、一定時間加熱処理すれば良い。具体例としては、n
型GaAs基板1の表面にドーパントのZnを拡散材として含
有するSiO2膜形成用の塗布液をスピンナーにより塗布
し、アニーリングによりZn含有SiO2膜をガラス化する。
SiO2膜中のZnの含有量は1〜10重量%が好ましい。
【0027】Zn含有SiO2膜の上にレジスト膜を形成し、
フォトリソグラフィーにより電流阻止部6に相当する部
分だけレジスト膜を残し、その他のレジスト膜を除去す
る。エッチングによりレジスト膜の部分以外のSiO2膜を
除去した後、レジスト膜を除去する。この状態でウエハ
を700〜1000℃で1〜5時間保持し、SiO2膜中のZnドー
パントをn型GaAs基板1中に拡散させると、p型の電流
阻止部6が形成される。
【0028】イオン注入法の場合、例えばn型GaAs基板
1上に電流阻止部6に相当する開口部を有するレジスト
膜を形成する。レジスト膜の上からZnイオンを注入した
後、レジスト膜を除去することによりp型の電流阻止部
6を得る。
【0029】発光部層12は、p-n接合型のダブルへテロ
接合構造を有するAlGaInP混晶により構成するのが好ま
しい。特にインジウム組成比を約0.5とする(AlxGa1-x)
0.5In0. 5P(0≦x≦1)は、GaAs単結晶基板1と格子整
合するため好ましい。
【0030】電流阻止部6のドーパントが活性層3に拡
散すると、発光ダイオードの輝度が低下するとともに信
頼性も低下するので、電流阻止部6と活性層3との距離
は0.5μm以上であるのが好ましい。従って、第一のク
ラッド層2の厚さを0.5μm以上にするのが好ましい。
【0031】p型電流分散層5は、通常p型のGaP、GaA
lP、AlGaInP,AlGaAs及びGaAsPからなる群から選ばれた
少なくとも1種の化合物半導体からなる。p型電流分散
層5を構成する化合物半導体は、発光波長の吸収が少な
く、比抵抗が低いことが必要である。
【0032】透明導電層を形成する場合、透明導電層用
の金属酸化物は酸化錫(SnO2)、酸化インジウム(In2O
3)、酸化インジウム錫(ITO)及びGa含有酸化亜鉛(Zn
O)からなる群から選ばれた少なくとも1種であるのが
好ましく、とくにITOであるのが好ましい。ITOの比抵抗
は約3×10-6Ωmであり、p型GaP層の比抵抗の約百分の
一である。従って、透明導電層としてITO層を有するこ
とにより、電流分散層+透明導電層の合計厚さを大幅に
減少することができる。
【0033】電流分散層5と透明導電層との間に化合物
半導体層を設ける場合、(1) InP又はInAsの二元系化合
物半導体、(2) AlInAs又はAlInPの三元系化合物半導
体、(3)AlGaAs、AlGaP、GaInAs及びGaInPからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種であって、Gaのモル比が0.2
以下である三元系化合物半導体、(4) AlInAsPの四元系
化合物半導体、(5) AlGaInP、AlGaInAs、AlGaAsP及びGa
InAsPからなる群から選ばれた少なくとも1種であっ
て、Gaのモル比が0.2以下である四元系化合物半導体、
又は(6) AlGaInAsPからなり、Gaのモル比が0.2以下であ
る五元系化合物半導体であるのが好ましい。上記(3) 及
び(5) のGa含有化合物半導体では、Gaの化合物半導体6
全体に対するモル比を0.2以下とするのが好ましいが、
これは、Gaのモル比が0.2超となると透明導電層の剥離
の可能性が著しく増大するためである。最も好ましいの
はGaのモル比0の場合である。
【0034】化合物半導体の種類及び化合物半導体層の
厚さ等は、発光ダイオードの発光波長及び輝度等の条件
により適宜選択するのが好ましい。
【0035】化合物半導体層はエピタキシャル成長法、
例えば有機金属気相成長法(MOVPE法)により形成でき
る。透明導電層は、スピンコータ等で塗布膜を形成後に
熱処理する湿式法、又はスパッタ法や各種の蒸着法等の
乾式法により形成できる。
【0036】p型表面電極7はワイヤボンディングに供
され、n型裏面電極8はダイボンディングに供されるか
ら、p型表面電極7及びn型裏面電極8には良好なボン
ディング特性、下層との良好なオーミック特性及び下層
との密着性が要求される。そのため各電極7,8は複数
の金属層により構成するのが好ましい。各電極7,8は
酸化物層を有していても良い。さらに各電極7,8は最
上層にAu、Al等のボンディング特性の良い金属層を有す
るのが好ましい。例えば、p型表面電極7にAuZn/Ni/
Auの積層電極を使用し、n型裏面電極8にAuGe/Ni/Au
積層電極を使用するのが好ましい。
【0037】各電極7,8の金属層は抵抗加熱蒸着法、
電子線加熱蒸着法等の蒸着法で形成することができる。
さらに各電極7,8にオーミック性を付与するための熱
処理(アロイング)を施しても良い。酸化物層は各種の
公知の成膜方法で形成することができる。
【0038】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0039】実施例1 図1に示す構造を有する発光波長630 nm付近の赤色発光
ダイオードチップを下記手順により作製した。まず厚さ
350μmのn型GaAs基板1を洗浄後、その表面にドーパン
トのZnを拡散材として含有するSiO2膜形成用の塗布液を
スピンナーにより塗布した。この基板1を約400℃でア
ニールし、ドーパントを含有するSiO2膜をガラス化し
た。SiO2膜の上にレジスト膜を形成し、フォトリソグラ
フィーにより直径200μmの円形のレジスト膜が330μm
の間隔でマトリックス状に配列されたパターンを形成し
た。ウエットエッチングによりレジスト膜の下以外のSi
O2膜を除去し、次いでレジスト膜を除去した。
【0040】このようにして得られたウエハを900℃で
1時間保持し、SiO2膜中のZnドーパントを基板1中に拡
散させ、電流阻止部6となるp型層を形成した。その後
でウエットエッチングを軽く行い、基板1の表面のうち
電流阻止部6以外の部分及び裏面全体に付着したZnドー
パントを除去した。
【0041】電流阻止部6を形成したn型GaAs基板1を7
00℃に加熱し、その表面に厚さ500nmのn型(Seドープ)
GaAsバッファ層、厚さ1000 nmのn型(Seドープ)(Al0.7G
a0. 3)0.5In0.5Pクラッド層2(Seドープ量:1×1018 cm
-3)、厚さ500 nmのアンドープ(Al0.15Ga0.85)0.5In0.5
P活性層3、厚さ1000 nmのp型(亜鉛ドープ)(Al0. 7Ga
0.3)0.5In0.5Pクラッド層4(亜鉛ドープ量:5×1017 c
m-3)、及び厚さ2μmのp型(亜鉛ドープ)GaP電流分散
層5(亜鉛ドープ量:1×1018 cm-3)を、50 Torrの成
長圧力でMOVPE法により順にエピタキシャル成長させ
た。
【0042】キャリアガスに水素を使用し、それぞれAl
供給源としてトリメチルアルミニウム(TMA)、Ga供給
源としてトリメチルガリウム(TMG)、In供給源として
トリメチルインジウム(TMI)、As供給源としてアルシ
ン(AsH3)、P供給源としてホスフィン(PH3)、Zn供給
源としてジエチル亜鉛(DEZ)又はジメチル亜鉛(DM
Z)、及びSe供給源としてセレン化水素(H2Se)を使用
した。
【0043】発光部層12用のAlGaInP混晶層は、成長速
度を0.3〜1.0 nm/sにし、かつ供給するV族元素とIII族
元素の重量比(V/III比)を300〜600の範囲にして形成
した。p型(亜鉛ドープ)GaP電流分散層5は、成長速度
を1 nm/sにし、かつV/III比を100にして形成した。
【0044】次いで、このエピタキシャルウェハに表面
電極を形成するために、直径150μmの複数の円形開口部
を有するマスクを配置した。各円形開口部は各電流阻止
部6と整合するように位置決めした。マスクの上から、
厚さ60 nmの金−亜鉛合金、厚さ10 nmのニッケル、及び
厚さ1000 nmの金を順に蒸着し、直径150μmの複数のp
型の円形表面電極7を等間隔に形成した。またn型GaAs
基板1の裏面全体に、厚さ60 nmの金−ゲルマニウム合
金、厚さ10 nmのニッケル及び厚さ500 nmの金を順に蒸
着し、n型の裏面電極8を形成した。
【0045】このようにして作製した電極7,8付きの
エピタキシャルウェハを、表面電極7を1つ含む300μm
角のサイズでダイシングし、フレームに固定し、表面電
極7にワイヤボンディングを、裏面電極8にダイボンデ
ィングを行なって、発光ダイオードチップを作製した。
得られた発光ダイオードチップの輝度を調べたところ、
図4に示す凸部がある電流狭窄型発光ダイオード(比較
例1)と比較して約1.5〜1.8倍の輝度が得られた。また
電流電圧特性を調べたところ、リーク電流は10 -8mAと、
比較例1より著しく低下していた。
【0046】実施例2 電流阻止部6をイオン注入法により作製した以外、実施
例1と同じ方法で図1に示す構造を有する発光波長630
nm付近の赤色発光ダイオードチップを作製した。イオン
注入法は、基板1上にレジスト膜を形成した後、電流分
散層6に相当するサイズ及び位置の開口部を形成し、Zn
イオンを注入する工程からなる。得られた発光ダイオー
ドチップの輝度を調べたところ、図4に示す凸部がある
電流狭窄型発光ダイオード(比較例1)と比較して約1.
4〜1.7倍の輝度が得られた。また電流電圧特性を調べた
ところ、リーク電流は10-7mAと、比較例1より著しく低
下していた。
【0047】比較例1 図4に示す構造を有する発光波長630 nm付近の赤色発光
ダイオードチップを下記手順により作製した。まず厚さ
350μmのn型GaAs基板1を洗浄後、その表面に液相エピ
タキシャル法によりZnをドープしたp型GaAsエピタキシ
ャル層(キャリア濃度:3×1018 cm-3)を2μmの厚
さに成長させた。このエピタキシャルウェハをフォトリ
ソグラフィー法によりエッチングして、n型GaAs基板1
上に330μm間隔でマトリックス状に配列された直径150
μm、厚さ2μmのp型電流阻止部6を得た。
【0048】このようにして得られたエピタキシャルウ
エハ上に実施例1と同じ方法でバッファ層、第一のクラ
ッド層2、活性層3、第二のクラッド層4、電流分散層
5、表面電極7及び裏面電極8を形成した。各エピタキ
シャル層には基板1表面の段差がそのまま現れていた。
【0049】このエピタキシャルウエハを表面電極7を
1つ含む300μm角のサイズでダイシングし、フレームに
固定し、表面電極7にワイヤボンディングを、裏面電極
8にダイボンディングを行なって、発光ダイオードチッ
プを作製した。得られた発光ダイオードチップの輝度を
調べた。また電流電圧特性を調べたところ、リーク電流
は10-4mAであった。
【0050】比較例2 図5に示す構造を有する発光波長630 nm付近の赤色発光
ダイオードチップを下記手順により作製した。まず厚さ
350μmのn型GaAs基板1を洗浄後、レジスト膜を形成
し、フォトリソグラフィーにより直径200μmの円形開
口部を330μmの間隔でマトリックス状に形成した。ウ
エットエッチングによりn型GaAs基板1に直径200μm、
深さ2.5μmの円形凹部9を形成した後、その表面に液
相エピタキシャル法によりZnをドープしたp型GaAsエピ
タキシャル層(キャリア濃度:3×10 18 cm-3)を2μ
mの厚さに成長させ、円形凹部9内に電流阻止部6を形
成した。従って電流阻止部6を有する基板1表面の段差
は0.5μmであった。
【0051】このようにして得られたエピタキシャルウ
エハ上に実施例1と同じ方法でバッファ層、第一のクラ
ッド層2、活性層3、第二のクラッド層4、電流分散層
5、表面電極7及び裏面電極8を形成した。各エピタキ
シャル層には基板1表面の段差がそのまま現れていた。
【0052】このエピタキシャルウエハを表面電極7を
1つ含む300μm角のサイズでダイシングし、フレームに
固定し、表面電極7にワイヤボンディングを、裏面電極
8にダイボンディングを行なって、発光ダイオードチッ
プを作製した。得られた発光ダイオードチップの輝度を
調べところ、比較例1と同程度であった。また電流電圧
特性を調べたところ、リーク電流は10-4mAであった。
【0053】以上、ダブルヘテロ接合構造の発光部層12
をAlGaInPにより形成した場合を例にとって説明した
が、本発明はこれに限定される訳ではなく、例えばAlGa
Asのような他の化合物半導体を発光部層12に用いる発光
ダイオードにも適用可能である。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により基板
にドーパントを拡散又はイオン注入して導電型を反転さ
せるか高抵抗にすることにより、電流阻止部を段差なく
形成することができる。そのため、その上に形成するエ
ピタキシャル層にも段差が生じることはないので、リー
ク電流のない高輝度の発光ダイオードを得ることができ
る。またエピタキシャル層を形成する前にドーパントの
拡散処理等を行なうので、電流阻止部の形成による特性
の劣化はない。また拡散法により電流阻止部を形成する
場合、エピタキシャル成長による従来法と比較して大幅
にコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による発光ダイオードの構
造を示す断面図である。
【図2】 従来の発光ダイオードの構造及び光が表面電
極に遮断される様子を示す断面図である。
【図3】 従来の電流狭窄型発光ダイオードの構造の一
例を示す断面図である。
【図4】 従来の電流狭窄型発光ダイオードの構造の他
の例を示す断面図である。
【図5】 従来の電流狭窄型発光ダイオードの構造のさ
らに他の例を示す断面図である。
【図6】 従来の電流狭窄型発光ダイオードの構造のさ
らに他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・基板 2・・・第一導電型のクラッド層 3・・・活性層 4・・・第二導電型のクラッド層 5・・・電流分散層 6・・・電流阻止部 7・・・表面電極 8・・・裏面電極 12・・・発光部層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂口 春典 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電線 株式会社アドバンスリサーチセンタ内 (72)発明者 柴田 憲治 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 加古 学 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 豊島 敏也 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 Fターム(参考) 5F041 AA21 CA04 CA34 CA35 CA53 CA57 CA63 CA65 CA71 CA72 CA74 CA76 CA82 CA85 CA92 CB03 DA07 5F045 AA04 AB10 AB11 AB17 AB18 AB32 AC01 AC08 AC09 AF03 BB08 BB19 CA10 DA53 EB20 EE12 HA15 HA16 HA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一導電型の基板上に、第二導電型又は
    高抵抗の半導体からなる電流阻止部と、活性層を有する
    発光部層と、第二導電型の電流分散層とが順に形成さ
    れ、表面及び裏面に電極が形成された構造を有する発光
    ダイオードにおいて、前記電流阻止部は前記基板にドー
    パントを拡散することにより形成された層であることを
    特徴とする発光ダイオード。
  2. 【請求項2】 第一導電型の基板上に、第二導電型又は
    高抵抗の半導体からなる電流阻止部と、活性層を有する
    発光部層と、第二導電型の電流分散層とが順に形成さ
    れ、表面及び裏面に電極が形成された構造を有する発光
    ダイオードにおいて、前記電流阻止部は前記基板にイオ
    ンを注入することにより形成されたものであることを特
    徴とする発光ダイオード。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の発光ダイオード
    において、前記発光部層は半導体のpn接合からなること
    を特徴とする発光ダイオード。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の発光ダイオード
    において、前記発光部層は前記基板上に形成された第一
    導電型のクラッド層と、その上に形成された前記活性層
    と、その上に形成された第二導電型のクラッド層とから
    なることを特徴とする発光ダイオード。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の発光ダ
    イオードにおいて、前記電流阻止部と前記活性層との距
    離が0.5μm以上であることを特徴とする発光ダイオー
    ド。
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Cited By (3)

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