JP2005197346A - GaNAs結晶の成長方法及びGaNAs結晶並びにGaNAs結晶を備えた半導体装置 - Google Patents

GaNAs結晶の成長方法及びGaNAs結晶並びにGaNAs結晶を備えた半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 特別な装置構成や形成手段を必要とせず、従来のMOCVD装置を用いて結晶性に優れるGaNAs結晶を成長させる方法を提供する。特に、紫外領域から可視領域の光において良好な特性を示すGaNAs結晶を再現性良く得るための成長方法を提供する。
【解決手段】 結晶成長温度(℃)及び結晶成長速度(nm/分)をそれぞれx軸及びy軸とするx−y座標平面において、座標点A(600,0.1)、座標点B(600,10)、座標点C(850,60)及びD(850,0.1)を頂点とする四辺形ABCDの領域内の座標点に対応する成長条件で、MOCVD法を用いてGaNAs結晶を成長させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、GaNAs結晶の成長方法、GaNAs結晶及びGaNAs結晶を備えた半導体装置に関する。詳しくは、有機金属気相成長法(MOCVD法)を適用したGaNAs結晶の成長方法及びその方法で作製されたGaNAs結晶並びにGaNAs結晶を備えた半導体装置に関する。
InGaN結晶は、直接遷移型であるので発光効率が高く、且つ結晶を構成する各原子の組成比を変化させることによってそのバンドギャップを3.4eV以下の範囲で調整できる。このため、InGaN結晶は青紫色レーザーダイオード(LD)や、青色または緑色等(発光波長400〜550nm)の発光ダイオード(LED)等の、近紫外〜緑色波長領域の光デバイスの半導体材料として実用化されている。
一方、InGaN結晶に代わる材料として期待され、近年盛んに研究されている材料の1つにGaNAs結晶がある。GaNAs結晶は、上記InGaN結晶と比べて以下に示す利点を有している。
先ずGaNAs結晶は、理論的計算からInGaN結晶よりも価電子帯端の状態密度が小さくなることが予想される。このことから、半導体レーザ素子の発光層にGaNAs結晶を用いることにより、InGaN結晶を用いた場合よりも、レーザ発振の閾値電流を低減させることができることが期待される。
次にGaNAs結晶は、バンドギャップのボーイングがInGaN結晶よりも大きいので、GaNAs結晶における砒素原子の濃度(窒素原子と砒素原子との総和に対する砒素原子の割合であり、以下As濃度と称する。)に応じてバンドギャップを大きく変えることができる。よって、As濃度を制御することにより、紫外領域から赤外領域までの幅広い波長範囲において任意の色を発光させることことができる。つまり、一種類の材料系でRGB全基本色を発光させることができる。
このようなGaNAs結晶は、有機金属気相成長法(MOCVD法)等により作製されるが、この方法で得られる従来のGaNAs結晶は、以下の問題点を有している。
GaNAs結晶は、As濃度の変化に対してバンドギャップの変化が大きく、且つ非線形であるため、GaNAs結晶中のAs濃度を厳密に制御しないと、GaNAs結晶のバンドギャップがばらつくが、As濃度を厳密に制御することは容易でない。したがって、従来技術にかかるGaNAs結晶を発光素子に適用すると、発光波長がばらつくという問題がある(波長制御性の問題)。
また、高品質なGaNAs結晶を得るためには、基板表面に供給される結晶構成原子に十分な表面拡散(マイグレーション)を与えることが必要であるとともに、結晶表面からの結晶構成原子の再蒸発(離脱)を抑制することが必要である。しかし、As原子は高温になるに従い結晶中から抜けやすくなる。したがって、マイグレーションを促進するために成長温度を高く設定し過ぎると結晶成長中にAs原子が結晶表面から離脱して、GaNAs結晶の結晶性が劣化する一方、成長温度を低く設定しすぎると、十分なマイグレーションが行われないという問題があり、発光効率のよい良質な発光層が得られないという問題がある(結晶品質の問題)。
そこで、上記問題を解決するため、GaN層とGaAs層とが交互に積層された多層膜に対して熱処理を施すことにより混晶化された活性層としてのGaNAs層を得る技術(特許文献1)や、Gaと混晶化させる原料をGaに添加する際に薄膜形成基板上にレーザ光を照射することによりガス分解とマイグレーションを促進する技術(特許文献2)が提案されている。
特開2001−313418号公報(段落0025) 特開2001−313419号公報(要約)
上記特許文献1の技術によると、GaN層とGaAs層との積層により構成される多層膜に熱処理を施した後の状態を、活性層として機能するGaNAs層としているので、十分多くのAsが添加されたGaNAs層による多波長発光を可能とするとされる。しかしながら、GaNとGaAsは格子定数が大きく異なるため、GaN層とGaAs層との間に大きな歪エネルギーが発生する。よって、この技術には両層を交互に積層すること自体が難しいという問題がある。
また、仮にGaN層とGaAs層との積層構造が得られたとしても、熱拡散による混晶化という方法では、GaNAs層と他の層とのヘテロ界面を厳密に制御できないため、急峻なヘテロ界面が得られず、発光素子としての性能が低下するという問題がある。
また、熱拡散により良質のGaNAs層を形成するには、GaNAs層における混晶組成の制御が必須であるが、この制御が容易ではないので作製されたGaNAs結晶の厚さ方向の混晶組成の均一性が悪いという問題がある。
また、GaNAs層の成長段階では良質のGaNAs層が得られたとしても、その後の熱履歴がGaNAs層の品質に大きく影響を与えるため、GaNAs層上に続いて積層される他の層の成長条件が制約を受けるという問題がある。
他方Gaと混晶化させる原料をGaに添加する際に、基板上にレーザ光を照射する特許文献2の技術によると、Gaと混晶化される原料ガスの分解や薄膜形成基板上へのマイグレーションを、熱エネルギーとともにレーザ光の照射による光エネルギーによって行うことができるとされる。しかし、基板上の光エネルギー状態を成長開始から成長終了まで面内で均一に制御することは困難であり、結晶成長毎に同一条件とすることも容易ではない。よって、この技術は、ウエハ面内における膜厚の均一性や混晶組成の均一性、再現性が十分でないという問題がある。
また、この方法を実現するための装置構成も複雑である。
以上のような理由から、上記特許文献1および特許文献2に開示された作製方法により作製されたGaNAs結晶を用いた発光素子の特性は、現在実用化されているInGaN結晶を用いた発光素子の特性よりも劣っている。よって、GaNAs結晶を用いた発光素子は、未だ実用化されていない。このような背景から、高品質のGaNAs結晶を作製することのできるGaNAs結晶の成長条件の確立が強く望まれている。
本発明は上述の問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は従来のMOCVD装置を用いて結晶性に優れるGaNAs結晶を成長させる方法を提供することであり、特に、紫外領域から可視領域において良好な受光・発光特性を有するGaNAs結晶を再現性良く得るための成長方法を提供することである。
また、上記成長方法によって形成された、As濃度が精密に制御され且つAs濃度の厚さ方向の分布及びAs濃度の面内方向の分布が均一であるGaNAs結晶、及びそのGaNAs結晶を備えた半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、GaNAs結晶をMOCVD法によって成長させる方法について鋭意検討した。その結果、ある特定の範囲内から選択された結晶成長温度及び結晶成長速度でGaNAs結晶を成長させることにより、その結晶性が格段に向上することを見出し、下記態様の本発明を完成するに至った。
第一の態様の本発明は、加熱された基板の表面に、ガリウム原子を有する分子と窒素原子を有する分子と砒素原子を有する分子とを含む原料ガスをキャリアガスと共に供給し、前記ガリウム原子と前記窒素原子と前記砒素原子とを前記基板に吸着させることにより、GaNAs結晶を成長させるGaNAs結晶の成長方法において、結晶成長温度(℃)をx軸とし、結晶成長速度(nm/分)をy軸としたx−y座標平面を作製したとき、結晶成長温度及び結晶成長速度が、座標点A(600,0.1)、座標点B(600,10)、座標点C(850,60)、及び座標点D(850,0.1)を頂点とする四辺形ABCD内にあることを特徴とする。
上記第一の態様の本発明において、前記キャリアガスが水素ガスおよび/または窒素ガスを含むものとすることができる。
また、上記第一の態様の本発明において、前記基板の表面が、GaN結晶、AlGaN結晶、InGaN結晶及びAlInGaN結晶からなる群より選択される結晶からなる表面層を有するものとすることができる。
また、第二の態様の本発明は、基板上に形成された、ガリウム原子と窒素原子と砒素原子とからなるGaNAs結晶であって、前記GaNAs結晶における前記砒素原子の厚さ方向の濃度分布が均一であり、かつ、前記GaNAs結晶における前記砒素原子の面内方向の濃度分布が均一であることを特徴とする。
また、第三の態様の本発明は、基板上に形成された第1導電型である第1クラッド層と、前記第1導電型と異なる第2導電型である第2クラッド層と、前記第1クラッド層と前記第2クラッド層との間に形成された発光層と、前記第1クラッド層に電気的に接続された第1電極と、前記第2クラッド層に電気的に接続された第2電極とを含む半導体装置であって、前記発光層がGaNAs結晶からなるGaNAs層を有し、かつ、前記GaNAs層における砒素原子の厚さ方向の濃度分布及び砒素原子の面内方向の濃度分布が均一であることを特徴とする。
上記第三の態様の本発明において、前記半導体装置は前記GaNAs層を発光層として備える発光素子であり、前記GaNAs層における砒素原子の濃度が0.1%以上8%以下である構成とすることができる。
また、上記第三の態様の本発明において、前記発光層が、量子井戸構造の発光層である構成とすることができる。
また、上記第三の態様の本発明において、前記発光層が平行に対峙した2つの側面を有し、前記2つの側面が所定の光反射率の共振器端面である構成とすることができる。
第一の態様の本発明によると、特別な装置構成や成長手段を必要とせず、従来のMOCVD装置を用いて結晶性に優れたGaNAs結晶を再現性良く製造することができる。特に、本発明によると、結晶性に優れ且つAs濃度が精密に制御され、しかもAs濃度の厚さ方向の分布及び面内方向の分布が均一であるGaNAs結晶を再現性良く製造することができるという顕著な効果が得られる。このようなGaNAs結晶は、紫外領域から可視領域において良好な発光特性、受光特性を示す。
また、第二の態様の本発明によると、半導体装置の受光・発光特性を飛躍的に向上させることのできるGaNAs結晶が提供できる。
また、第三の態様の本発明によると、発光波長が紫外領域から可視領域であり、かつ色純度に優れるGaNAs結晶を備えた半導体装置(発光素子等)が得られる。
本発明の内容を説明するとともに、発明を実施するための最良の形態を記述する。
(実施の形態1)
〈GaNAs結晶の成長方法及びGaNAs結晶〉
本実施の形態1においては、有機金属気相成長法(MOCVD法)を適用してGaNAs結晶を成長させる方法及びMOCVD法を適用して形成されたGaNAs結晶について説明する。なお、MOCVD法による結晶成長方法とは、基板加熱機構を備えた反応炉に、有機金属化合物を含む原料ガスを供給することにより、基板上に結晶を成長させる方法である。
(GaNAs結晶の成長方法)
まず、GaNAs結晶を形成する下地となる基板を、基板加熱機構を備えた反応炉に設置する。ここで、下地となる基板は、単層構造である単層基板であってもよく、1つ又は複数の所定の物質層を備えた積層基板であってもよい。単層基板としては、例えばサファイア基板、GaN基板、ZrB2基板等が挙げられる。また、積層基板における最下層(GaNAs結晶と接触しない層)の基板としては、例えばサファイア基板、GaN基板、ZrB2基板等が挙げられ、積層される物質層としては、例えばGaN層、AlGaN層、InGaN層、AlInGaN層等が挙げられる。
以下では、最表層に転位密度の低い領域を含むGaN層を備えた積層基板を疑似GaN基板と称する。また、下地となる基板の最表面層(GaNAs結晶と物理的に接触することとなる下地層)は、必要に応じて導電性又は導電型の制御を行えばよく、不純物ドープされてn型又はp型に導電型制御されていてもよいし、故意に不純物ドープされていなくてもよい。
次に、基板加熱機構を用いて、水素雰囲気下基板を所定の温度に加熱し、所定の時間保持することによって、基板表面を清浄化する。洗浄化工程は本発明の必須構成要件ではないが、結晶性の高いGaNAs結晶を成長させるためには、基板表面の洗浄化を行うことが好ましい。
次に、基板温度を600〜850℃に制御し、ガリウム原子(Ga原子)を有する分子、窒素原子(N原子)を有する分子及び砒素原子(As原子)を有する分子を含む原料ガスをキャリアガスと共に反応炉内に供給して、GaNAs結晶を成長させる。
このとき、結晶成長温度(℃)をx軸、及び結晶成長速度(nm/分)をy軸とするx−y座標平面において、座標点A(600,0.1)、座標点B(600,10)、座標点C(850,60)及び座標点D(850,0.1)を頂点とする四辺形ABCDの領域内の座標点に対応する結晶成長温度および結晶成長速度に設定する。
MOCVD法では、結晶は基板上に直接成長するので、結晶成長温度は基板温度に等しい。このため、本発明において結晶成長温度とは、結晶成長を行う際に設定される基板温度を意味する。この基板温度は、放射温度計により測定する、基板に熱電対を接触させて測定する、基板を保持する支持体の温度あるいは基板加熱ヒーターの温度から基板加熱機構固有の係数を用いて換算する、等の方法によって求めることができ、これらの基板温度情報に基づいて結晶成長温度を制御することができる。
また、結晶成長速度は、キャリアガスの種類・混合比の変更、原料ガスの供給速度の変更等によって制御することができる。
所望の組成のGaNAs結晶を形成するためには、上記のように結晶成長温度及び結晶成長速度を調整することに加えて、各原料ガスの混合比を適宜調整することが重要である。具体的には、結晶成長温度や各原料ガスとキャリアガスとの混合比や各原料ガスの種類及び混合比やキャリアガスの種類及び混合比等を最適化する。
次に、GaNAs結晶を構成する結晶構成原子を含む原料ガスについて説明する。
ガリウム原子を有する分子よりなる原料ガス(ガリウム源)としては、トリメチルガリウム((CH33Ga:TMG)、トリエチルガリウム((C253Ga:TEG)等の有機金属化合物をバブリングガスによって気化したものを用いることができる。
また、窒素原子を有する分子よりなる原料(窒素源)としては、アンモニア(NH3)ガス、ジメチルヒドラジン((CH3222)を気化したもの等を用いることができる。
また、砒素原子を有する分子よりなる原料(砒素源)としては、アルシン(AsH3)ガス、ターシャリブチルアルシン((CH33CAsH2:TBAs)を気化したもの等を用いることができる。
キャリアガスとしては、水素ガス、窒素ガス等を用いることが好ましい。キャリアガスは1種類のガスであっても、複数種を混合した混合ガスであってもよい。
キャリアガスが主として水素ガスを含む場合、水素ガスの粘性が低いため、各種の原料ガスを良好にかつ均一に拡散させることができる。つまり、各種の結晶構成原子の表面拡散を促進することができるため、結晶成長速度を向上させることができ、また、均一な組成の結晶を作製することができる。
600℃以上に加熱した水素は強い還元力を有し、成長したGaNAs結晶の分解を促進する。このため、結晶成長速度が極めて遅い場合には、GaNAs結晶の成長と水素による分解とが競合して、光学顕微鏡では判断できないレベルで結晶表面の平坦性が悪くなることが考えられる。したがって、このようなGaNAs層を別の層で挟む等して積層構造を作製する場合、その界面における急峻性が損なわれる恐れがある。
他方、キャリアガスが主として窒素を含む場合、窒素ガスの粘性が高いため、結晶構成原子の表面拡散を促進する効果は、主として水素ガスを含む場合に比べて低い。しかし、窒素ガスはGaNAs結晶の分解にほとんど寄与しない。したがって、キャリアガスが主として窒素ガスを含む場合、特に、キャリアガスとして窒素ガスのみを用いた場合、積層構造におけるGaNAs層との界面に急峻なヘテロ界面が得られると期待できる。
したがって、結晶成長速度を大きくする要請と、界面の急峻性との兼ね合いのもとで、キャリアガス中の窒素ガスおよび水素ガスの割合を設定することが好ましい。具体的には、界面の急峻性が重要視される場合においては、キャリアガス中の窒素ガスの割合を増やして水素ガスの割合を減らし、結晶成長速度を大きくしたい場合には、キャリアガス中の窒素ガスの割合を減らして水素ガスの割合を増やす。
例えば、層厚が大きくかつ界面が急峻性であることが必要とされる場合には、まず窒素ガスの割合の高いキャリアガスを用いてGaNAs結晶を成長させ、その後水素ガスのみを含むキャリアガスを用いてGaNAs結晶を更に成長させ、最後に再度窒素ガスの割合の高いキャリアガスを用いてGaNAs結晶を所望の厚さまで成長させる、という構成を採用することができる。このようにな構成によると、界面の急峻性を損なうことなく厚いGaNAs結晶を効率良く作製することができる。
また、MOCVD法を用いて、GaNAs結晶を用いた半導体素子に用いるAlGaN結晶、InGaN結晶、AlInGaN結晶等のアルミニウム原子(Al原子)やインジウム原子(In原子)を含む混晶を形成する場合、Al原子を含む原料ガス(Al源)としてはトリメチルアルミニウム((CH33Al:TMA)等の有機金属化合物を、また、In原子を含む原料ガス(In源)としてはトリメチルインジウム((CH33In:TMI)等の有機金属化合物を、それぞれバブリングガスによって気化したものを用いればよい。
更に、導電型を制御するためにドーピングを行う場合には、n型ドーパントとしてシリコン原子(Si原子)、p型ドーパントとしてマグネシウム原子(Mg原子)を用いることができる。このn型ドーパントの原料としてはモノシラン(SiH4)等、p型ドーパントの原料としてはシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)等を用いることができる。
上記構成を採用することによって、特許文献1に記載されているように結晶成長後に熱処理等の付加的な形成手段を必要とすることなく、また特許文献2に記載されているようにレーザ等の付加的な構成を用いることなく、従来のMOCVD装置のみを用いて、結晶性の高いGaNAs結晶を成長させることができる。
また、As原子を含む原料ガスの流量を制御することによって、GaNAs結晶におけるAs濃度を正確に調整できる。
さらに、このようにして形成されるGaNAs結晶は、常に同一条件で成長するために、厚さ方向と面内方向の双方に対する各原子の組成比が略均一となる。したがって、高品質のGaNAs結晶が得られる。
(実験例)
上記実施の形態1に係るGaNAs結晶の成長方法及びGaNAs結晶について、実験例を用いてより詳細に説明する。
まず、GaNAs結晶の下地となるGaN層を成長させるが、その前に基板を反応炉にセットし、水素雰囲気下基板を1050℃に加熱し15分間保持することにより、基板表面を洗浄化した。
次に、基板温度を500℃に設定し、反応炉にトリメチルガリウム(TMG)とアンモニア(NH3)ガスとを供給して、厚さ30nmのGaNバッファ層を形成した。続いて、基板温度を1020℃まで上昇させTMGとNH3とを供給し、厚さ3μmのGaN層を成長させた。
次に、このようにして作製されたGaN層上に、TMGとNH3とアルシン(AsH3)ガスとを供給することによって、GaNAs結晶を成長させた。これにより、基板上に成長したGaNAs結晶が得られた。
本実験例においては、GaNAs結晶を成長させる工程における結晶成長温度及び結晶成長速度を種々変化させて、作製条件が30通りのGaNAs結晶を作製した。
上記30通りのGaNAs結晶に対して、その結晶性を顕微鏡観察で評価した。そして、透明で表面平坦性が良好な鏡面膜が得られたものを良好、白濁し多数のピット(穴)が密集した非常に荒れた表面となっていたもの・As濃度が電子線マイクロアナライザの検出限界以下と極めて低い値となっていたもの・顕微鏡観察によるとピットおよびGaAsと思われる粒状の析出物が試料表面に散在していたものを不良と判定した。
この判定結果を、結晶成長温度(℃)を横軸(x軸)に結晶成長速度(nm/分)を縦軸(y軸)として、良好であったものを丸印(●)、不良であったものを三角印(△)として図1に示す。
ここで、結晶成長速度は、電子顕微鏡による断面観察から測定された膜厚と成長に要した時間とから算出したが、結晶成長速度の算出方法はこの方法に限定されることはない。
本実験例において作製されたGaNAs結晶は、As濃度が0.1%以上8%以下(発光波長365nm以上630nm以下)のGaNAs結晶である。
ここで、As濃度は、電子線マイクロアナライザによる組成定量解析から算出したが、As濃度の算出方法はこの方法に限定されない。
図1から、丸印(●)で表された成長条件において、透明で表面平坦性が良好な鏡面膜が得られたことがわかる。
他方、三角印(△)で表された成長条件においては、成長条件に応じて次のような特徴が観測された。
(1)600℃よりも低い温度(図1の直線ABより低い温度)で作製されたGaNAs結晶は淡い紫色または褐色であり、顕微鏡観察によるとピットおよびGaAsと思われる粒状の析出物が試料表面に散在していた。なお、丸印(●)で示された成長条件で作製されたGaNAs結晶では、顕微鏡観察においてこのような析出物やピットは観察されていない。
(2)また、600℃から800℃の範囲で成長速度が直線BCよりも大きい範囲で作製されたGaNAs結晶は、目視では淡黄色または茶褐色の透明膜であったが顕微鏡観察によるとピットまたは析出物が観測された。
(3)850℃よりも高い成長温度(図1の直線CDよりも高い温度)で作製されたGaNAs結晶は、白濁し多数のピット(穴)が密集した非常に荒れた表面であり、またAs濃度は電子線マイクロアナライザの検出限界以下と極めて低い値となっていた。
(4)また、本実験例では成長速度が0.1nm/分(直線DA)未満で実験を行っていない。これは、成長条件が0.1nm/分未満であると、GaNAs結晶を成長させることはできるが、結晶成長に時間がかかりすぎ、実用的でないためである。
一般に、このようなピットや析出物が発生した膜や表面が荒れた膜を各種のデバイスに用いた場合、電流注入の不均一が生じるため良好なデバイス特性は得られない。したがって、三角印(△)の条件をはじめとする四辺形ABCDの範囲外の成長条件はデバイス作製に適さない、もしくは実用的でない。
これに対し、丸印(●)の成長条件を含む、座標点A(600,0.1)、座標点B(600,10)、座標点C(850,60)、座標点D(850,0.1)の各座標点を頂点とする四辺形ABDCの範囲内の座標点に対応する成長条件で成長させると良好な表面平坦性を有するGaNAs結晶が得られるので、デバイス作製に適したGaNAs結晶の作製が可能な成長条件といえる。
つまり、As濃度が0.1%以上8%以下であるGaNAs結晶を得るための好ましい成長条件は、図1のx−y座標平面における四辺形ABCDの領域内である。As濃度の範囲が0.1%以上8%以下であるGaNAs結晶を光デバイスの発光層や受光層に用いると、発光波長約365nm〜630nmの範囲における任意の発光波長の発光素子や受光素子が実現できる。
以下に、上記結果が得られた理由について説明する。
(1)600℃(直線AB)未満の結晶成長温度では、NH3やAsH3の分解量が不足し、実効的なV族原子(N,As)の供給量が低下する。また、結晶成長温度が低すぎるため、原料に用いている有機金属が分解する際に生じた炭素が結晶中に多く取り込まれてしまう。これらのことが、作製されたGaNAs結晶の平坦性に影響を及ぼしていると考えられる。
また、基板上に供給される各種の結晶構成原子の表面拡散が不十分となる。この結果、原子が本来吸着されるべきサイトに取り込まれず、空格子や格子間原子が形成される。したがって、欠陥を含む不安定な結晶となりやすいことが考えられる。
(2)また、結晶成長温度が低くなるほどNH3やAsH3の分解量は減少する。ここで、V属元素の分解量が少ない状況下で結晶成長速度を大きくしようとすると、V族原子のサイトにN原子やAs原子が到達していないにも関わらず、次の層の成長が進む。この結果、得られるGaNAs結晶は空格子を多く含むものとなることが予測される。このような空格子が、GaNAs結晶の平坦性を悪化させる原因であると考えられる。
以上のことを考慮に入れると、空格子の発生には結晶成長温度毎(NH3やAsH3の分解量毎)に結晶成長速度の臨界点があり、結晶成長温度が高いと結晶成長速度に対する許容幅が増大すると考えられる。そして、この臨界点が、図1の直線BCを構成する点であると考えられる。
(3)また、850℃(直線CD)よりも高い結晶成長温度においては、結晶表面からAs原子が離脱しやすくなる。このため、GaNAs結晶における混晶組成の制御(As濃度の制御)が困難となる。更に、As原子が離脱すると多数の空格子が発生する。このことがGaNAs結晶の結晶性を悪化させる原因となると考えられる。
(4)また、結晶成長速度を極めて遅くした成長条件(0.1nm/分未満)では、各種の結晶構成原子は、結晶中に取り込まれる前に十分な表面拡散の時間を与えられる。このため、より安定なサイトに吸着されやすくなるので、良質な結晶を得やすい。しかしながら、デバイス構造を作製する上では、1nm/分程度の結晶成長速度であれば所望の層厚制御ができる。したがって、結晶成長速度が1nm/分の十分の一である0.1nm/分(直線DA)より遅い速度でGaNAs結晶を成長させることは、デバイス作製に多大な時間を必要とするので実用的でない。
以下に、より具体的な成長条件及びその結果を例示する。
(成長条件1)
GaN層成長後、基板温度(結晶成長温度)を750℃に設定し、キャリアガスとして水素ガスを用い、アルシン(AsH3)供給量を10sccm(1分間に流れる標準状態における体積(cm3))、トリメチルガリウム(TMG)供給量を10sccm、アンモニア(NH3)供給量を4slm(1分間に流れる標準状態における体積(l))としてGaNAs結晶を30分成長させた。
成長後、反応炉からウエハを取出したところ、透明で鏡面を呈しており、顕微鏡観察においてもピットや析出物は観察されず、表面平坦性は良好であった。
また電子顕微鏡による断面観察から膜厚を評価したところ、GaNAs結晶は厚さ600nmであり、結晶成長速度は20.0nm/分であることがわかった。したがって、この成長条件は図1の四辺形ABCD内であり、このGaNAs結晶は本発明例である。
また、カソードルミネッセンススペクトルを測定したところ、385nmに強いバンド間発光が観測され、発光素子に適用することが可能である。したがって、本発明例である成長条件1では、良好なGaNAs結晶が得られることがわかる。
(成長条件2)
GaN層成長後、基板温度(結晶成長温度)を700℃に設定し、キャリアガスとして水素ガスを用い、AsH3供給量を2sccm、TMGの供給量を5sccm、NH3供給量を4slmとしてGaNAs結晶を60分成長した。反応炉よりウエハを取出したところ、淡黄色で鏡面を呈しており、顕微鏡観察においてピットや析出物は観察されず表面平坦性は良好であった。
また、電子顕微鏡による断面観察から膜厚を評価したところ、GaNAs層の厚さは560nmであり、結晶成長速度は9.3nm/分であることがわかった。したがって、この成長条件は図1の四辺形ABCD内であり、このGaNAs結晶は本発明例である。
また、カソードルミネッセンススペクトルを測定したところ、460nmに強いバンド間発光が観測され、この条件で作製されたGaNAs結晶は良好な結晶性を備えており発光素子へ適用可能であると考えられる。したがって、本発明例である成長条件2では、良好なGaNAs結晶が得られることがわかる。
(成長条件3)
GaN層成長後、基板温度(結晶成長温度)を650℃に設定し、キャリアガスとして水素ガスを用い、AsH3供給量を0.1sccm、TMG供給量を15sccm、NH3供給量を4slmとしてGaNAs結晶を20分成長した。成長後、反応炉からウエハを取出したところ、淡い紫色で摺りガラス状のざらざらした表面であった。
また、電子顕微鏡による断面観察から膜厚を評価したところ、ピットが多数観察され平坦性は著しく悪く、粒状の付着物が観察された。なお、この粒状の付着物は王水に浸すことにより容易に除去されたことから、GaAsが表面に析出したものと考えられる。
また、電子顕微鏡によって断面観察から平均の膜厚を評価したところ、GaNAs層は厚さ約540nmであり、結晶成長速度は27.0nm/分であることがわかった。したがって、この成長条件は図1の四辺形ABCD外であり、このGaNAs結晶は比較例である。
このカソードルミネッセンススペクトルを測定したところ、440nm付近に発光ピークが観測されるものの微弱でスペクトル幅もブロードであった。これより、成長条件3で作製されたGaNAs結晶は成長条件1で得られたGaNAs結晶よりも結晶性が劣っていることがわかった。したがって、本発明に係る成長条件の範囲外では、良好なGaNAs結晶が得られないことがわかる。
上述のように、結晶成長速度と結晶成長温度とを図1の四辺形ABCD内の座標点に対応する成長条件に調整してGaNAs結晶を成長させることで、平坦性が良好なGaNAs結晶が得られることがわかった。これは成長速度と成長温度とを適切な範囲に設定することで、結晶構成原子の表面拡散を十分促進し、かつ結晶表面からの結晶構成原子の再蒸発を低減することができるためであると考えられる。
なお、図1の四辺形ABCD内の成長条件範囲の中でも、成長温度650℃以上750℃以下の条件(四辺形ABCD内且つ650〜750℃)で作製されたGaNAs結晶では、比較的強いカソードルミネッセンス強度が得られており、光デバイスへ適用するための結晶成長温度としてより好ましい範囲といえる。
このように、カソードルミネッセンス強度が基板温度によって変化する理由は、次のように考えられる。650℃よりも低い温度でGaNAs結晶を作製した場合、有機金属ガスに起因する炭素の混入や表面拡散不足による空格子や格子間原子等の欠陥が発生し、平坦性が悪化するまでには至らなくともこれらの欠陥が発光効率を低下させているためであると考えられる。他方、750℃よりも高い成長温度では、As原子が結晶中から離脱しやすいためにGaNAs結晶中に空格子等の欠陥が生じ易く、平坦性を損ねるまでには至らなくとも発光効率を低下させる原因となっていると考えられる。
また、GaNAs層を井戸層または障壁層とする量子井戸構造を作製する場合等、数nmの厚さで層厚を制御する必要がある場合には、その結晶成長速度は20nm/分程度より小さい値(四辺形ABCD内で、且つ成長速度が20nm/分より小さい)とすることが望ましく、より好ましくは10nm/分以下に設定すると層厚の制御性ならびに井戸層と障壁層との界面での混晶組成変化の急峻性が向上し、ひいては発光波長の再現性、発光効率を改善することができる。
上記においては水素ガスを含むキャリアガスを用いた例を示したが、キャリアガスを窒素のみとした場合でも、図1に示される成長条件において、各温度で結晶成長成長速度を上限の1/5程度以下とすれば、結晶構成原子に十分な表面拡散の時間を与えることができ、平坦性が良好なGaNAs結晶を得ることができる。
なお、上記のようにキャリアガスを窒素とした場合、窒化物半導体にインジウム(In)を添加することができる。このような窒化物半導体へのInの添加は、非輻射再結合を抑制し発光効率を改善する効果があるので、デバイス特性の向上が図れる。
しかしながら、Inは再蒸発が起りやすく、キャリアガス中に水素が含まれる場合、特に再蒸発が顕著となる。このため、窒化物半導体にInを添加する場合、キャリアガスとして水素は適さない。
以下に、GaNAs結晶のAs濃度について説明する。As濃度はAsH3の供給量及び結晶成長温度を変えることにより適宜変更できる。例えば、As濃度を高くしようとするならば、700℃程度の低温で成長させるか、またはAsH3の供給量を多くすればよい。一方、As濃度を低くしようとするならば750℃程度以上の温度で成長させるか、またはAsH3の供給量を減らせばよい。
GaNAs結晶中のAs濃度の制御性を調べるために、アルシン(AsH3)流量のみを異ならせて種々のGaNAs結晶を作製した。具体的なGaNAs結晶の成長条件は、基板温度720℃、トリメチルガリウム(TMG)供給量2sccm、アンモニアガス(NH3)供給量4slm、成長時間60分とし、これらの条件を一定にしAsH3供給量のみを0〜100sccmの範囲で異ならせてGaNAs結晶を成長した。作製されたGaNAs結晶はすべて透明で鏡面を呈しており、顕微鏡観察においてピットや析出物は観察されなかった。電子顕微鏡による断面観察によると厚さは240nmであり、結晶成長速度に換算すると4.0nm/分であった。
As濃度を電子線マイクロアナライザにより評価し、As濃度とAsH3供給量との関係を評価した。この結果を、横軸にAsH3流量、縦軸にAs濃度としたグラフとして図2に示す。
図2から、AsH3流量に対してAs濃度は一意に決定されており、As濃度を制御し易いことがわかった。
次に、上記により得られたGaNAs結晶中のAs濃度の均一性について説明する。直径2インチの基板を用いて、基板回転させながら上記成長条件2に示される条件でGaNAs結晶を成長した場合において、カソードルミネッセンスにより基板中心位置から半径20mmの範囲内の発光波長分布を評価した。
この結果、基板中心から外周に向かって同心円状に波長が短くなる傾向はあったが、中心波長は460nm、中心から20mmの位置で455nmとその差は極めて小さく、波長の均一性は良好である。
GaNAs結晶の発光波長はAs濃度で決定されるため、As濃度の面内均一性が良好なGaNAs結晶が得られたといえる。また、厚さ方向については、オージェ電子分光法により表面からスパッタを行うことにより厚さ方向のAs信号強度分布を評価したところ、成長初期(基板との界面)から結晶表面にかけてなだらかに増加する傾向にあったが、厚さ560nmの範囲ではAs信号強度は約4%増加しているにすぎなかった。(As濃度に換算すると、成長初期で2.8%、結晶表面で2.9%。)
ここで、特許文献1の係る技術では、GaNとGaAsを交互に積層させ、熱拡散を行うことによりGaNAs混晶を作製しているので、厚さ方向にAs濃度が均一な濃度分布とすることは極めて難しく、たとえ実現できたとして量子井戸構造等、急峻なヘテロ界面が要求される構造には適用することができない。
また、特許文献2に係る技術では、As濃度の均一性を良好に保つために、基板上でのレーザ光の光エネルギーを成長開始から終了まで面内で均一に規定する必要がある。さらに成長毎に同一条件としなければ再現性が得られない。しかし、上述したレーザ光の光エネルギーの制御を反応系の外部から制御することは極めて困難であり、均一且つ再現性の高いGaNAs結晶を得ることができない。
したがって、本発明によるGaNAs結晶の成長方法は、従来の技術に比べて遥かに良質なGaNAs結晶が得られることがわかる。
(実施の形態2)
〈半導体装置〉
本実施の形態2においては、上記実施の形態1と同様にして作製されるGaNAs結晶を発光層に備えた発光素子について説明する。なお、上記実施形態1で説明されるGaNAs結晶は平坦性、As濃度の均一性に優れるため、発光素子の発光層に限らずコンタクト層やガイド層、クラッド層にも適用可能であり、また発光素子以外の半導体装置にも適用することができる。
本実施の形態2におけるGaNAs層を含む複数の窒化ガリウム系化合物半導体により構成される半導体装置は発光素子であり、基板上に形成された第1導電型である第1クラッド層と、第1導電型と異なる第2導電型である第2クラッド層と、第1クラッド層と第2クラッド層との間に形成された発光層と、第1クラッド層に電気的に接続された第1電極と、第2クラッド層に電気的に接続された第2電極とを備えた構成である。ここで、発光層は、上記実施の形態1で説明した本発明に係るGaNAs結晶からなるGaNAs層を備えている。従って、本発明に係る発光素子構造ウエハの発光層のGaNAs層におけるAs濃度の分布は厚さ方向と面内方向との双方に対して均一である。
発光層は、井戸層と障壁層とを有し、障壁層の間に障壁層よりもバンドギャップの小さい井戸層が挟まれた構造からなる。具体的には、ダブルヘテロ構造や量子井戸構造、から構成される。また、発光層は、一層の井戸層を備えた構成であっても良いし、複数層の井戸層を備えた構成であってもよい。また、発光層は単一量子井戸構造(SQW構造)や多重量子井戸構造(MQW構造)とすることができる。
また、第1電極及び第2電極はそれぞれ第1クラッド層および第2クラッド層と電気的に接続されている限りにおいて、直接接続されていても、他の導電層を介して間接的に接続されていてもよい。ただし、他の導電層を介して接続する場合には、第1クラッド層と第1電極との間の導電層は第1導電型で、第2クラッド層と第2電極との間の導電層は第2導電型とする。また、基板が第1導電型の導電性を有する場合には、第1クラッド層の形成された側と反対側の基板表面に第1電極(背面電極)を形成しても良い。
本発明に係る半導体装置は、第1クラッド層と基板との間にバッファ層を更に設けた構成とすることができる。また、第1クラッド層と発光層との間にガイド層を備えた構成であっても良いし、第1クラッド層と発光層との間及び第2クラッド層と発光層との間にガイド層を更に設けた構成とすることもできる。更に、発光層の表面に保護層を形成した構成とすることもできる。
(実施例1)
本実施例においては、GaNAs/GaN量子井戸構造を発光層として備えた発光ダイオード(LED)について図面を参照して説明する。図3は、このLED構造の模式断面図である。
図3に示すように、n型Si基板301の上に、AlNバッファ層302、第1クラッド層であるn型AlGaN層303、ガイド層であるn型GaN層304、量子井戸層をGaNAs結晶310、障壁層をGaN結晶311とする5周期のGaNAs/GaN量子井戸構造305、第2クラッド層であるp型GaN層306が積層されており、LED素子の駆動は電極308と電極309とを介して電流注入することにより行われる。
次に、このLED構造の作製方法を説明する。
n型Si基板301を反応炉にセットし水素雰囲気下1050℃に加熱し15分間保持することにより基板表面を洗浄化した。次に基板温度を600℃に設定し反応炉にトリメチルアルミニウム((CH33Al:TMA)とアンモニア(NH3)ガスとを供給し厚さ20nmのAlNバッファ層302を形成した。基板温度を1020℃まで上昇させた状態で、トリメチルガリウム((CH33Ga:TMG)、TMA、NH3、モノシラン(SiH4)を反応炉に供給し、Siドープされたn型AlGaN層303を積層した。続いて、TMG、NH3及びモノシラン(SiH4)を供給しSiドープのn型GaN層304を積層した。
n型GaN層304を1020℃で成長させた後、基板温度(結晶成長温度)を700℃に設定し、TMG供給量を1.6sccm、NH3供給量を4slm、AsH3供給量を10sccmとして結晶成長速度3nm/分でGaNAs量子井戸層310を3nm成長させた。
上記量子井戸層の成長と障壁層の成長とを交互に5回ずつ繰り返し、5周期のGaNAs/GaN量子井戸構造305を形成した。
なお、井戸層成長後や障壁層成長後に成長中断時間を設けることによって、井戸層と障壁層の界面でのAs濃度変化の急峻性が向上し、発光効率を改善することができる。
また、障壁層の成長温度はGaNAs量子井戸層と同一温度であっても良いし、GaNAs量子井戸層よりも高い温度で成長されても良い。
障壁層の成長温度を井戸層の成長温度よりも高く設定する場合には、界面でのAs濃度変化の急峻性を向上させることができる。これは、井戸層成長時に多量にAsが供給されると、基板周辺に残留したAsが障壁層成長の際に混入してしまい、井戸層と障壁層とのAs濃度変化の急峻性を損なう場合があるからである。
量子井戸構造305の形成後、再び基板温度を1020℃に設定し、TMG、NH3及びシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を供給しMgドープのp型GaN層306を積層した。
なお、p型GaN層306は、p型AlGaNやp型InGaNから構成される多層構造でも良く、積層方向にMgドーピング量に分布を持たせてもよい。
このようにして作製されたLED構造ウエハを反応炉より取出し、p型化のための熱処理と、電極形成を行ない、分割して発光素子とした。
本実施例に係るLEDについて、電極308と309を介して電流注入を行ったところ、ピーク波長460nmの青色発光し、発光素子が実現できることを確認した。
また、その発光強度は従来のInGaNを発光層とするLEDの1.5倍強かった。
なお、本実施例において、障壁層の材料、量子井戸幅、障壁層幅、周期数等を具体的に示したが、これらの数値に限定されるものではない。以下の各実施例においても同様である。
(実施例2)
本実施例2に係るLEDを、GaNAs量子井戸層の形成にあたり、成長条件を以下に示すように変化させたこと以外は、上記実施例1と同様にして形成した。
n型GaN層304を1020℃で成長後、基板温度を680℃に設定し、AsH3供給量を5sccmとして結晶成長速度1nm/分でGaNAs量子井戸層310を3nm成長させた。AsH3の供給を止めてGaN障壁層311を6nm成長させた。
GaNAs量子井戸層310の成長とGaN障壁層311の成長とを交互に5回ずつ繰り返し、5周期のGaNAs/GaN量子井戸構造305を形成した。
このLEDは緑色に発光し、発光ピーク波長は520nmの緑色発光し、その発光強度は従来のInGaN結晶を発光層とするLEDの1.5倍強かった。
(比較例1)
本比較例1に係るLEDを、GaNAs量子井戸層の形成にあたり、成長条件を以下に示すように変化させたこと以外は、上記実施例1と同様にして形成した。なお、本比較例におけるGaNAs量子井戸層の成長条件は、本発明に係る成長条件の範囲外である。
n型GaN層304を1020℃で成長後、基板温度を680℃に設定し、AsH3供給量を1sccmとして結晶成長速度15nm/分でGaNAs量子井戸層310を3nm成長させた。AsH3の供給を止めてGaN障壁層311を6nm成長させた。
上記量子井戸層310の成長と障壁層311の成長を交互に5回ずつ繰り返し、5周期のGaNAs/GaN量子井戸構造305を形成した。
このLEDは発光強度が極めて弱く、発光スペクトルは480nm付近に観測されたが、発光波長は非常にブロードであった。その発光強度は従来のInGaNを発光層とするLEDの1/3程度であり、上記実施例1及び上記実施例2で作製されたLEDの約1/5倍であった。
また発光領域を顕微鏡観察したところ、暗部が多数存在しており、不均一な電流注入が起っているか、発光層において発光効率の低い領域が形成されてしまっているものと考えられる。
(実施例3)
実施例3では、GaNAs結晶を発光層に適用した半導体レーザの例を、半導体レーザ素子の断面図である図4を参照にして具体的に説明する。n型GaN基板400の上にGaNバッファ層401、n型GaNコンタクト層402、n型Al0.1Ga0.9Nクラッド層403、n型GaNガイド層404、GaN0.97As0.03/GaN多重量子井戸発光層407、Al0.2Ga0.8N保護層408、p型GaNガイド層409、p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層410、p型GaNコンタクト層411、が積層され、p電極412とn電極413とが設けられている。SiO2絶縁膜414により電流注入領域が制限される。多重量子井戸発光層407は、GaNAs量子井戸層405とGaN障壁層406とを交互に積層することにより構成されている。半導体レーザ素子の駆動は、p電極412とn電極413とを介して電流注入することによって行われる。
以下に、本実施例に係る半導体レーザ素子の製造プロセスを説明する。
結晶成長にはMOCVD法を用いた。n型GaN基板400を水素雰囲気下1070℃で熱クリーニングした後、基板温度を600℃に設定し層厚35nmのGaNバッファ層401を堆積し、基板温度を1050℃として層厚2μmのGaNコンタクト層402、層厚0.8μmのn型Al0.1Ga0.9Nクラッド層403、層厚80nmのn型GaNガイド層404を続けて成長させた。
多重量子井戸発光層407の成長の際には、基板温度(結晶成長温度)を710℃に下げ、層厚3nmのGaNAs量子井戸層405、層厚6nmのGaN障壁層406、層厚3nmのGaNAs量子井戸層405、層厚6nmのGaN障壁層406、層厚3nmのGaNAs量子井戸層405、を順次成長させた。ここでGaNAs量子井戸層405の結晶成長速度は2nm/分、AsH3の供給量は12sccmとした。続いて基板温度を710℃から1050℃に昇温しながら、層厚10nmのAl0.2Ga0.8N保護層408を成長した。次に基板温度1050℃で層厚80nmのp型GaNガイド層409、層厚0.4μmのp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層410、層厚0.1μmのp型GaNコンタクト層411を成長し、レーザ構造ウエハを得た。
こうして得られた、レーザ構造ウエハに対して、フォトリソグラフィーとドライエッチング技術を用いて、200μm幅のストライプ状にp型GaNコンタクト層411の最表面からn型GaNコンタクト層402が露出するまでエッチングした。次にフォトリソグラフィーとドライエッチング技術により、残ったp型GaNコンタクト層411の最表面に、2μm幅のストライプ状にリッジ構造を形成するようにp型GaNコンタクト層411とp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層410の一部をエッチングする。続いてリッジの側面とリッジ以外のp型層表面に厚さ200μmのSiO2絶縁膜414を形成する。このSiO2絶縁膜414とp型GaNコンタクト層411の表面にニッケルと金からなるp電極412を形成し、エッチングにより露出したn型GaNコンタクト層の表面にチタンとアルミニウムとからなるn電極413を形成した。この後、このウエハをリッジストライプに垂直な方向に劈開してレーザの共振器端面を形成し、2つの共振器端面のうちレーザ光を射出する側でない端面に、高反射コーティングを施して高反射膜(図示せず)を形成するとともに、レーザ光を射出する端面に保護膜(図示せず)を形成した。さらに、個々のチップに分割することにより、図4に示された半導体レーザ素子が完成する。
図5にパッケージ化されたレーザ素子の断面図を例示する。各チップに分割された半導体レーザ素子503をステム501にサブマウント502を介してマウントし、p電極及びn電極を半導体レーザ用電極507及び共通電極509とリード端子で接続する。最後に、光り取出し窓505の形成されたキャップ504を固定する。これにより、パッケージ化された半導体レーザ素子を完成させた。なお、図5に示されたパッケージ化された半導体レーザ素子は、更に、出力モニタ用のフォトダイオード506とフォトダイオード用電極508を備えた構造とした。
こうして得られた半導体レーザ素子は、発振波長405nm、発振閾値電流35mAで動作し、60℃30mWにおいて10000時間を超える良好な寿命特性を示した。よって、図1に示された四辺形ABCDの範囲内の成長条件で作製されたGaNAs結晶を発光層に用いることで、良好な素子特性が実現できることが確認された。
以下に、本実施例に係る半導体レーザ素子の変形例について説明する。
基板としては、GaN以外の基板上に低転位GaNを成長させた疑似GaN基板を用いることができる。さらに基板としては、サファイア基板、SiC基板、Si基板、ZnO基板、スピネル基板、ZrB2基板、GaAs基板、等を用いることができる。
疑似GaN基板やGaN基板を用いて作製されたレーザ構造ウエハでは、転位密度が106cm-2程度であり疑似GaN基板やGaN基板を用いないで作製した場合に比べ3桁程度低減でき、発光強度が増大し発振閾値が低減でき、長寿命の素子が得られるという効果が有る。
またGaNバッファ層401は形成しなくても構わない。しかし、GaN以外の異種基板上にGaNを成長する場合や、GaN基板や疑似GaN基板を用いる場合でも基板表面のモホロジ(morphology)が良好でない場合には、基板上にバッファ層を挿入すると、表面モホロジが改善されるので好ましい。バッファ層としてはGaN結晶の他にAlN結晶、AlGaN結晶、InGaN結晶を用いることもできる。また、基板がn型導電性を有する場合には、基板裏面にn電極を形成することができ、n型GaNコンタクト層を露出させる工程が不要となるため素子化プロセスを簡略化できる。
また、多重量子井戸発光層407は、上記においては3層の量子井戸層が積層されているが、量子井戸の数は4層以上でも良く2層以下でもよい。単一量子井戸構造とすることもできる。また、量子井戸層405、障壁層406の厚さは上記の値に限定されない。
また、障壁層406はGaN層としたが、このほかにIn原子、As原子、Al原子、P原子を含む混晶(例えば、InGaN結晶、GaNP結晶、InAlGaN結晶、GaNAs結晶、InGaNAs結晶等)とすることもできる。このように障壁層を混晶とすることで量子井戸層との格子定数差、ひいては量子井戸層の歪み量を幅広く変化させることができる。GaNAs量子井戸層405の混晶組成は、所望の発振波長を実現するために適宜変更すればよい。
また、n型GaNガイド層404と多重量子井戸発光層407との間、Al0.2Ga0.8N保護層408と多重量子井戸発光層407との間に、障壁層406が挿入されていてもよい。Al0.2Ga0.8N保護層408は、発光層成長後にp型層を成長するための昇温過程において発光層の劣化を防止するために形成されるが、良質な発光層が形成されていれば、この昇温過程での劣化は発光特性にほとんど影響しないため、Al0.2Ga0.8N保護層408の形成を省略することができる。
(比較例2)
本比較例2に係るレーザ素子は、GaNAs量子井戸層の作製にあたり結晶成長温度と結晶成長速度を以下の条件に変化させたこと以外は上記実施例3と同様にして形成した。
GaN0.97As0.03量子井戸層を結晶成長温度650℃、結晶成長速度20nm/分の条件で成長させた。この量子井戸層を用いた半導体レーザ素子は、発振波長が405nmであり、発振閾値電流55mAで動作した。また、温度60℃30mWにおける寿命は200時間に満たなかった。よって、図1に示された四辺形ABCDの範囲外の成長条件で作製されたGaNAs結晶を発光層に用いると、素子特性が顕著に低下することが確認された。
以上で説明したように、本発明では、特別な装置構成や成長手段を必要とせず、従来のMOCVD装置を用いて結晶性に優れるGaNAs結晶を成長させる方法を提供することができる。特に、紫外領域から可視領域において良好な特性を示すGaNAs結晶を再現性良く得るための成長方法を提供することができる。
また、本発明では、結晶成長温度と結晶成長速度とが特定の条件を満たすように、GaNAs結晶を成長させることによって、結晶性に優れ、かつAs濃度が精密に制御され、かつAs濃度の厚さ方向の分布及びAs濃度の面内方向の分布が均一であるGaNAs結晶を提供することができる。
また、本発明では、上記本発明に係るGaNAs結晶の成長方法を適用して、発光波長が紫外領域から可視領域であり、かつ色純度に優れるGaNAs結晶を備えた半導体装置を提供することができる。
したがって、本発明の産業上の利用可能性は大きい。
GaNAs結晶の作製に適した結晶成長温度と結晶成長速度との範囲を示す図。 GaNAs結晶を形成する際のAsH3流量と、形成されたGaNAs結晶のAs濃度との関係を示す図。 GaNAs/GaN量子井戸構造の発光層を備えたLEDを示す模式的な断面図。 GaNAs/GaN多重量子井戸構造の発光層を備えたレーザ素子における半導体層の積層構造を示す模式的な断面図。 パッケージ化されたレーザ素子の模式的な断面図。
符号の説明
301 n型Si基板
302 AlNバッファ層
303 n型AlGaN層
304 n型GaN層
305 発光層(GaNAs/GaN多重量子井戸構造)
306 p型GaN層
308 第1電極
309 第2電極
310 GaNAs量子井戸層
311 GaN障壁層
400 擬似GaN基板
401 GaNバッファ層
402 n型GaNコンタクト層
403 n型AlGaNクラッド層
404 n型GaNガイド層
405 GaNAs量子井戸層
406 GaN障壁層
407 GaNAs/GaN多重量子井戸発光層
408 p型AlGaN保護層
409 p型GaNガイド層
410 p型AlGaNクラッド層
411 p型GaNコンタクト層
412 p電極
413 n電極
414 SiO2絶縁膜
501 ステム
502 サブマウント
503 半導体レーザ素子
504 キャップ
505 光取出し窓
506 モニタ用フォトダイオード
507 半導体レーザ用電極
508 フォトダイオード用電極
509 共通電極

Claims (8)

  1. 加熱された基板の表面に、ガリウム原子を有する分子と窒素原子を有する分子と砒素原子を有する分子とを含む原料ガスをキャリアガスと共に供給し、前記ガリウム原子と前記窒素原子と前記砒素原子とを前記基板に吸着させることにより、GaNAs結晶を成長させるGaNAs結晶の成長方法において、
    結晶成長温度(℃)をx軸とし、結晶成長速度(nm/分)をy軸としたx−y座標平面を作成したとき、結晶成長温度及び結晶成長速度が、座標点A(600,0.1)、座標点B(600,10)、座標点C(850,60)、及び座標点D(850,0.1)を頂点とする四辺形ABCD内にある、
    ことを特徴とするGaNAs結晶の成長方法。
  2. 前記キャリアガスが水素ガスおよび/または窒素ガスを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のGaNAsの成長方法。
  3. 前記基板の表面が、GaN結晶、AlGaN結晶、InGaN結晶及びAlInGaN結晶からなる群より選択される結晶からなる表面層を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のGaNAs結晶の成長方法。
  4. 基板上に形成された、ガリウム原子と窒素原子と砒素原子とからなるGaNAs結晶であって、
    前記GaNAs結晶における前記砒素原子の厚さ方向の濃度分布が均一であり、かつ、
    前記GaNAs結晶における前記砒素原子の面内方向の濃度分布が均一である、
    ことを特徴とするGaNAs結晶。
  5. 基板上に形成された第1導電型である第1クラッド層と、前記第1導電型と異なる第2導電型である第2クラッド層と、前記第1クラッド層と前記第2クラッド層との間に形成された発光層と、前記第1クラッド層に電気的に接続された第1電極と、前記第2クラッド層に電気的に接続された第2電極とを含む半導体装置であって、
    前記発光層がGaNAs結晶からなるGaNAs層を有し、かつ、
    前記GaNAs層における砒素原子の厚さ方向の濃度分布及び砒素原子の面内方向の濃度分布が均一である、
    ことを特徴とする半導体装置。
  6. 前記半導体装置は前記GaNAs層を発光層として備える発光素子であり、前記GaNAs層における砒素原子の濃度が0.1%以上8%以下である、
    ことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記発光層が、量子井戸構造の発光層である、
    ことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
  8. 前記発光層が平行に対峙した2つの側面を有し、前記2つの側面が所定の光反射率の共振器端面である、
    ことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。


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