JPWO2016006260A1 - 受精卵の正常発生率向上剤 - Google Patents

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Abstract

受精卵の体外培養において、発生を停止させることなく、胚盤胞のステージまで正常に進行させる体外培養培地を提供する。受精卵の正常発生率向上剤として、下記式(I)(式中、R1は、水素原子又はアシル基を表し、R2は、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)で示される5−アミノレブリン酸類又はそれらの塩を利用することにより受精卵の正常発生率が向上する。【化1】

Description

本発明は、5−アミノレブリン酸類又はその塩(ALA類)を含有する受精卵の正常発生率向上剤や受精卵の正常発生率を向上するためのキット、受精卵をALA類に接触させて受精卵の正常発生率を向上する方法や、受精卵の正常発生率向上のために使用するALA類や、受精卵の正常発生率向上剤を調製するためのALA類の使用に関する。
優れた遺伝的形質を有する雌畜の卵を、同じく優れた遺伝的形質を有する雄畜の精子で媒精し、受精卵を体外培養後に他の雌畜(レシピエント)の子宮に移植する胚移植の技術は、効率よく、優良種家畜や実験動物を産出する技術として広く行われてきた。例えば、ドナー(受精卵の供給動物)から採取した受精卵を、ホルモン処理等により擬妊娠状態にする同期化処置をしたレシピエント(受精卵の受容動物)に移植して妊娠させ、産仔を得る体内受精卵移植や、食肉処理場で得られる肉質等の良否が判明した家畜の卵巣から未成熟卵子を取り出して体外で卵子の成熟・受精・発生培養を行うことで生産された、子宮内移植が可能な状態の受精卵を用いる体外受精卵移植が広く行われるようになっている。
ヒトにおいては、Edwards博士とSteptoe博士により、インビトロの培養液内において卵子と精子を受精させ、体外培養された胚を子宮内に移植する体外受精(in vitro fertilization:IVF)−胚移植(embryo transfer:ET)法の成功が1978年に報告された(例えば、非特許文献1参照)。さらに、ヒト体外受精用の培地として、受精の場であるヒト卵管液の電解質組成に近似した組成を有するHTF培地(Human Tubal Fluid Medium)が開発されたこと(例えば、非特許文献2参照)を端緒として、従前より使用されていたハムF−10培地等の汎用性のある培地に代わる体外受精用培地について検討が行われるようになった。
かかる体外受精用培地としては、セリシンを含有し、体内人工授精により採取した胚、又は体外受精により作出した胚を培養できる人工受精用培地組成物(例えば、特許文献1参照)や、キサントフィルを含有する人工受精用培地組成物(例えば、特許文献2参照)や、ピルビン酸若しくは乳酸又はこれらの塩、及び、タウリン又はその前駆物質を必須成分として含むブタ胚の体外培養用培地(例えば、特許文献3参照)や、哺乳動物受精卵の発生培地に対し、血管内皮成長因子を添加して支持細胞との共培養を行い、受精卵の正常発生率を高める哺乳動物受精卵の発生率向上方法(例えば、特許文献4参照)や、L−グルタミン又は加水分解してL−グルタミンを生成し得るその誘導体を実質的に含まないアミノ酸含有体外受精用培地組成物(例えば、特許文献5参照)や、卵胞液に含まれる21種類のアミノ酸又は加水分解してそのようなアミノ酸を生成し得るその誘導体を遊離形又はその薬理学的に許容される塩の形で含有する、哺乳類の卵子又は初期胚の培養あるいは精子の調製又は培養に使用できる体外受精用培地組成物(例えば、特許文献6参照)や、乳酸又はその可溶性塩、ピルビン酸又はその可溶性塩、塩基性線維芽細胞成長因子及び腫瘍成長因子−β1を含有する低グルコース濃度TCM199培地からなるウシ受精卵の体外培養用無血清培地(例えば、特許文献7参照)や、雄の精子や雌の卵子又はこれらから得られる受精卵に磁力を作用させる受胎率の向上方法(例えば、特許文献8参照)等が提案されている。
さらに、上記IVF法の一態様として、精子注入用ピペットに精子を吸引し、卵細胞質の中に精子を注入する卵細胞質内精子注入法(intracytoplasmic sperm injection:ICSI)が開発された。この方法は、一個の精子さえあれば、高率に受精卵が得られるため、重症な乏精子症をはじめとした男性不妊症を原因とする不妊についても有効である。このように、インビトロでの受精卵の培養は一般的な手段となってきたが、培養された受精卵が、胚盤胞のステージまで至らず、桑実胚以前で停止する割合が高いことが知られている。この理由として、何らかの因子によって初期発生の停止が引き起こされるのではないかということが指摘されているがメカニズムは明らかにされていない。例えば、ヒトの場合、体外受精の妊娠率は全体外受精数の約20〜25%、さらに出生にまで至るのは5〜15%にとどまるとされ、またウシにおいても、受精卵を体外培養すると、8細胞期から16細胞期で発生が頻繁に停止することが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。
一方、5−アミノレブリン酸(5−ALA)は、動物や植物や菌類に広く存在するテトラピロール生合成経路の中間体として知られており、通常5−アミノレブリン酸合成酵素により、スクシニルCoAとグリシンとから生合成される。5−ALAを用いた光線力学的療法又は光動力学的治療(ALA−PDT)も開発され、侵襲性が低くQOLが保たれる治療法として注目されており、ALA等を用いた腫瘍診断・治療剤等が報告されている。また、5−ALAは、成人病、がん、男性不妊の予防改善剤や治療剤として有用であることも知られている(例えば、特許文献9〜11参照)。
特開2012−105585号公報 特開2010−187629号公報 特開2003−024055号公報 特開2002−272315号公報 特開2001−017160号公報 特開平09−070240号公報 特開平08−289779号公報 特開平06−189650号公報 国際公開WO2010/050179号パンフレット 特開2011−16753号公報 国際公開WO2009/139156号パンフレット
日医大誌、第66巻、第1号45〜48頁 Quinn, P. J. et al., Fertility and Sterility, 44, 493-498, 1985 Wright et al., J. Anim. Sci., 53, 702-729, 1981
本発明の課題は、受精卵の体外培養において、発生を停止させることなく、胚盤胞のステージまで正常に進行させる体外培養培地を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、様々な培地成分を用いて検討を重ねてきたが、実際にマウスの受精卵を5−ALAを添加した体外培養培地において体外培養したところ、受精卵の正常発生率が向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の事項に特定されるものである。
(1)下記式(I)で示される化合物又はその塩を含有することを特徴とする受精卵の正常発生率向上剤;
(式中、Rは、水素原子又はアシル基を表し、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
(2)R及びRが、水素原子であることを特徴とする上記(1)記載の受精卵の正常発生率向上剤;
(3)さらに、鉄化合物を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)記載の受精卵の正常発生率向上剤;
(4)鉄化合物が、塩化第二鉄、三二酸化鉄、硫酸鉄、ピロリン酸第一鉄、クエン酸第一鉄、クエン酸鉄ナトリウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、クエン酸鉄アンモニウム、ピロリン酸第二鉄、乳酸鉄、グルコン酸第一鉄、ジエチレントリアミン五酢酸鉄ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸鉄アンモニウム、エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム、ジカルボキシメチルグルタミン酸鉄ナトリウム、ジカルボキシメチルグルタミン酸鉄アンモニウム、フマル酸第一鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄、コハク酸第一鉄、コハク酸クエン酸鉄ナトリウム、ヘム鉄、デキストラン鉄、トリエチレンテトラアミン鉄、ラクトフェリン鉄、トランスフェリン鉄、鉄クロロフィリンナトリウム、フェリチン鉄、含糖酸化鉄、及び硫化グリシン鉄から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする上記(3)記載の受精卵の正常発生率向上剤;
(5)受胎率を高めることができることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載の受精卵の正常発生率向上剤;
(6)受精卵が、体外受精又は体内受精による受精卵であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか記載の受精卵の正常発生率向上剤;
(7)さらに哺乳動物の受精卵の体外培養培地を含む受精卵発生率向上用培地であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか記載の受精卵の正常発生率向上剤;
(8)上記(1)〜(7)のいずれか記載の受精卵の正常発生率向上剤に受精卵を接触させることを特徴とする受精卵の正常発生率を向上する方法;
(9)上記(1)〜(7)のいずれか記載の受精卵の正常発生率向上剤を対象雌親に投与することを特徴とする受精卵の正常発生率を向上する方法;
(10)a)上記式(I)で示される化合物又はその塩;及びb)鉄化合物;を含む受精卵の正常発生率を向上するためのキット;
(11)さらに、c)哺乳動物の受精卵の体外培養培地を含むことを特徴とする上記(10)記載の受精卵の正常発生率を向上するためのキット;
(12)上記式(I)で示される化合物又はその塩の、受精卵の正常発生率向上剤を調製するための使用;
(13)式(I)で示される化合物又はその塩と鉄化合物とを用いることを特徴とする上記(12)記載の使用;
(14)式(I)で示される化合物又はその塩と鉄化合物と哺乳動物の受精卵の体外培養培地とを用いることを特徴とする上記(13)記載の使用;
(15)受精卵の正常発生率の向上に用いるための上記式(I)で示される化合物又はその塩;
本発明によれば、ヒトや家畜において、人工授精による発生率や受胎率、自然妊娠における受胎率を向上させることができ、家畜繁殖における生産性や品種改良の効率を上げることができる。
C57BL/6J系統の受精卵について、それぞれのステージにおいて正常に発生が進行した胚の数をカウントし、0時間の受精卵の数を100%とした場合の発生率をグラフに示した図である。 C57BL/6J系統の受精卵について、それぞれのステージにおいて正常に発生が進行した胚の数をカウントし、受精卵の培養開始後24時間後の2細胞期の卵の数を100%とした場合の発生率をグラフに示した図である。 BDF2系統の雌マウスとBDF1系統の雄マウスとの交配による受精卵について、0時間の受精卵の数を100%とした場合の発生率をグラフに示した図である。 BDF2系統の雌マウスとBDF1系統の雄マウスとの交配による受精卵について、それぞれのステージにおいて正常に発生が進行した胚の数をカウントし、受精卵の培養開始後24時間後の2細胞期の卵の数を100%とした場合の発生率をグラフに示した図である。 KSOMにおける受精卵(0時間)の数を100%とした場合の発生率の経時変化(自然交配受精卵)をグラフに示した図である。 KSOMにおける受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合の発生率の経時変化(自然交配受精卵)をグラフに示した図である。 mWMにおける受精卵(0時間)の数を100%とした場合の発生率の経時変化(自然交配受精卵)をグラフに示した図である。 mWMにおける受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合の発生率の経時変化(自然交配受精卵)をグラフに示した図である。 KSOMでの受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合の発生率への培養温度の影響(体外受精卵)をグラフに示した図である。 mWMでの受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合の発生率への培養温度の影響(体外受精卵)をグラフに示した図である。 KSOMでの35℃培養における受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合の発生率の経時変化(体外受精卵)をグラフに示した図である。 mWMでの35.5℃培養における受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合の発生率の経時変化(体外受精卵)をグラフに示した図である。 mWMでの35℃培養における受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合の発生率の経時変化(体外受精卵)をグラフに示した図である。
本発明の受精卵の正常発生率向上剤としては、上記式(I)で示される化合物又はその塩(以下、これらを総称して「ALA類」ということもある)を含むものであれば特に制限されないが、哺乳動物の受精卵の体外培養培地を含む人工授精に適した受精卵発生率向上用培地として用いることもでき、また、ALA類に加えて鉄化合物を含有させることが好ましく、さらに、受胎率を高めることができることが好ましい。本発明における受精卵が由来する生物種としては、哺乳動物が好ましく、ヒト、サル、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウシ、ブタ、ウマ、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、イヌ等を例示することができる。
上記ALA類の中でも式(I)のR及びRが共に水素原子の場合である5−ALA又はその塩を好適に例示することができる。5−ALAは、δ−アミノレブリン酸とも呼ばれるアミノ酸の1種である。また、5−ALA誘導体としては、式(I)のRが水素原子又はアシル基であり、式(I)のRが水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基である、5−ALA以外の化合物を挙げることができる。
式(I)におけるアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ベンジルカルボニル基等の直鎖又は分岐状の炭素数1〜8のアルカノイル基や、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル基等の炭素数7〜14のアロイル基を挙げることができる。
式(I)におけるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基等の直鎖又は分岐状の炭素数1〜8のアルキル基を挙げることができる。
式(I)におけるシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロドデシル、1−シクロヘキセニル基等の飽和、又は一部不飽和結合が存在してもよい、炭素数3〜8のシクロアルキル基を挙げることができる。
式(I)におけるアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル基等の炭素数6〜14のアリール基を挙げることができる。
式(I)におけるアラルキル基としては、アリール部分は上記アリール基と同じ例示ができ、アルキル部分は上記アルキル基と同じ例示ができ、具体的には、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、ベンズヒドリル、トリチル、ナフチルメチル、ナフチルエチル基等の炭素数7〜15のアラルキル基を挙げることができる。
上記5−ALA誘導体としては、Rが、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル基等である化合物や、上記Rが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基等である化合物が好ましく、上記RとRの組合せが、ホルミルとメチル、アセチルとメチル、プロピオニルとメチル、ブチリルとメチル、ホルミルとエチル、アセチルとエチル、プロピオニルとエチル、ブチリルとエチルの組合せなどを好適に例示することができる。
ALA類は、生体内で式(I)の5−ALA又はその誘導体の状態で有効成分として作用すればよく、投与する形態に応じて、溶解性を上げるための各種の塩、又は生体内の酵素で分解されるプロドラッグ(前駆体)としてのエステル投与することができる。例えば、5−ALA及びその誘導体の塩としては、薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩等を挙げることができる。酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の各無機酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、トルエンスルホン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩、メタンスルホン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩等の各有機酸付加塩を例示することができる。金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の各アルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム塩等の各アルカリ土類金属塩、アルミニウム、亜鉛等の各金属塩を例示することができる。アンモニウム塩としては、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩等のアルキルアンモニウム塩等を例示することができる。有機アミン塩としては、トリエチルアミン塩、ピペリジン塩、モルホリン塩、トルイジン塩等の各塩を例示することができる。なお、これらの塩は使用時において溶液としても用いることができる。
以上のALA類のうち、望ましいものは、5−ALA、及び5−ALAメチルエステル、5−ALAエチルエステル、5−ALAプロピルエステル、5−ALAブチルエステル、5−ALAペンチルエステル等の各種エステル類、並びに、これらの塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩であり、5−ALA塩酸塩や5−ALAリン酸塩を特に好適に例示することができる。
上記ALA類は、化学合成、微生物による生産、酵素による生産のいずれの公知の方法によって製造することができる。また、上記ALA類は、水和物又は溶媒和物を形成していてもよく、またいずれかを単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
上記鉄化合物としては、有機塩でも無機塩でもよく、無機塩としては、塩化第二鉄、三二酸化鉄、硫酸鉄、ピロリン酸第一鉄を挙げることができ、有機塩としては、カルボン酸塩、例えばヒドロキシカルボン酸塩である、クエン酸第一鉄、クエン酸鉄ナトリウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、クエン酸鉄アンモニウム等のクエン酸塩や、ピロリン酸第二鉄、乳酸鉄、グルコン酸第一鉄、ジエチレントリアミン五酢酸鉄ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸鉄アンモニウム、エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム、ジカルボキシメチルグルタミン酸鉄ナトリウム、ジカルボキシメチルグルタミン酸鉄アンモニウム、フマル酸第一鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄、コハク酸第一鉄、コハク酸クエン酸鉄ナトリウム等の有機酸塩や、ヘム鉄、デキストラン鉄、トリエチレンテトラアミン鉄、ラクトフェリン鉄、トランスフェリン鉄、鉄クロロフィリンナトリウム、フェリチン鉄、含糖酸化鉄、硫化グリシン鉄を挙げることができるが、中でもクエン酸第一鉄ナトリウムやクエン酸鉄ナトリウムが好ましい。
上記鉄化合物は、それぞれ単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。鉄化合物の使用量(添加量・投与量)としては、ALA類の投与量(5−ALA換算)に対してモル比で0.01〜100倍であればよく、0.05倍〜10倍が望ましく、0.1倍〜8倍がより望ましい。
本発明のALA類と鉄化合物とを併用する受精卵の正常発生率向上剤は、ALA類と鉄化合物とを含有する組成物として、あるいは、それぞれ単独で同時又は前後して用いることもできる。それぞれ単独で使用する場合は同時に使用することが好ましいが、それぞれ単独で前後して使用する場合は、ALA類と鉄化合物との投与が相加的効果、好ましくは相乗的効果を奏することができるように使用することが好ましい。
本発明において受精卵とは、精子が卵子内に進入し、精子の核と卵子の核が融合する受精より形成された、体細胞分裂により成長可能な一細胞をいう。受精卵を取得する方法としては、体内受精した受精卵を体外へ採取(採卵)する方法や、体外受精によって受精卵を得る方法や、これらの方法により得られた受精卵を凍結保存後解凍して用いる方法を挙げることができる。
上記体内受精としては、成熟に差しかかった卵子が卵巣から放出(排卵)されて卵管に入り、成熟をすすめながら卵管を下る途中で精子と出会うことにより行われる、体内における受精を挙げることができる。体内受精された受精卵の取得方法としては、例えば、マウスの場合、受精卵を有するマウスを適当な方法で安楽死させ、卵管を常法により取り出し、卵管膨大部を注射針で切り裂き、受精卵の塊をヒアルロニダーゼ処理により卵丘細胞を取り除くことによって受精卵を取得する方法を挙げることができる。
上記体外受精としては、上記受精を人為的に体外において行うことを挙げることができ、体外受精の方法としては、体外に取り出した卵子と精子とを共培養させることにより行う方法や、透明帯開口法、囲卵腔内精子注入法、卵細胞質内精子注入法(intracytoplasmic sperm injection :ICSI)等の顕微授精法を挙げることができ、中でも極細ピペットを用いて、顕微鏡下で精子を卵子の細胞質内へ注入するICSIを好適に例示することができる。
上記体外受精において使用される卵子としては、排卵された卵子又は排卵近くまで成熟した卵胞内卵子を、体外に採取した採卵卵子や、体外に採取された未熟な卵子を常法により培養して成熟させた成熟培養卵子や、これらを冷凍保存後に解凍した卵子等を挙げることができる。卵胞内卵子を体外に採取する方法としては、卵胞に注射針を指して吸引する注射器吸引法や、卵胞を切開後に内容を掻きだす小卵胞切開法や、卵巣の表面を細切りする卵巣細切法等を挙げることができる。例えば、豚の場合、プロスタグランジンF2α、クロプロステノール、絨毛ゴナドトロピン等のホルモン投与による過排卵処理により得られる体内成熟卵子の他、屠場由来の卵巣から採取した卵子を体外成熟させたものも使用できるが、体内成熟卵子、特に性成熟(6ヶ月齢以上)した雌豚から採取した体内成熟卵子が好ましい。かかる体内成熟卵子は、過排卵処理により得られる雌豚の子宮及び卵巣をPBS溶液等を用いて卵管灌流を行うことにより採取することができるが、卵丘細胞が付着している卵子はヒアルロニダーゼ処理を行って、卵丘細胞を除去することが好ましい。
上記体外受精において使用される精子としては、採精、精巣内精子採取法、顕微鏡下精巣上体精子採取法、経皮的精巣上体精子採取法、精子濃縮洗浄法等により取得された精子や、該精子を前培養した精子や、これらを冷凍保存後に解凍した精子などを挙げることができる。
本発明において、受精卵が正常に発生する確率(正常発生率)としては、上記受精卵が、体内又は体外で体細胞分裂をすることにより、2細胞期の胚、好ましくは4細胞期の胚、より好ましくは8細胞期の胚、さらに好ましくは桑実胚、特に好ましくは胚盤胞(期の胚)へと、細胞分裂を停止することなく、また、当業者に周知の通常予定されている分割態様と異なる卵割がなされることなく、上記各ステージの胚へと順次変化していく割合を挙げることができ、また本発明において、正常発生率が向上するとは、少なくとも8細胞期以降の胚において正常発生率が向上することをいう。上記桑実胚は、細胞数が増加するが、個々の細胞が確認できる16〜32個程度の細胞数を有する胚をいう。上記胚盤胞は、卵割腔を形成して、外細胞層(Trophectoderm:TE)と内細胞塊(inner cell mass:ICM)とにわかれた構造を有する胚をいい、自然妊娠の場合には子宮内膜への着床前の構造に相当する胚(体内発生胚)であって、体外受精の場合においても胚盤胞まで正常に発生した胚(体外発生胚)を移植すると受胎率が高くなるとされているが、胚移植の時期は胚盤胞に限定されるものではない。このように発生には、受精卵が体外で体細胞分裂をする体外発生(体外培養)と、受精卵が体内で体細胞分裂をする体内発生がある。したがって、受精と発生の組合せは、体内受精−体外発生、体内受精−体内発生、体外受精−体内発生、体外受精−体外発生の4通りがある。
本発明の受精卵の正常発生率向上剤を用いて体外発生における正常発生率を向上する方法としては、正常発生率向上剤と受精卵を接触する方法、好ましくはALA類と鉄化合物を含む哺乳動物の受精卵の体外培養培地である受精卵発生率向上用培地中で受精卵をインキュベートする方法の他、採卵卵子の体外成熟を行うための培養培地への正常発生率向上剤を添加する方法、卵子の凍結保存剤への正常発生率向上剤を添加する方法等を挙げることができる。また、本発明の受精卵の正常発生率向上剤を用いて体内発生における正常発生率を向上する方法としては、卵子が由来するヒトや非ヒト動物の雌親に正常発生率向上剤を経口、舌下、皮下、静脈内、筋肉内、鼻、卵胞、膣投与する方法を挙げることができる。本発明の正常発生率向上剤を使用した場合には、本発明の受精卵の正常発生率向上剤を用いない場合と比較して、受精卵の正常発生率が有意に向上し、ひいては受胎率が有意に向上する。
本発明の受精卵の正常発生率向上剤が受精卵発生率向上用培地である場合に用いられる上記哺乳動物の受精卵の体外培養培地としては、哺乳動物の受精卵が培養できる培地であれば特に制限されないが、HTF培地、m−HTF培地、ハム培地、ハムF−10培地、MEM培地、199培地、BME培地、CMRL1066培地、マッコイ−5A培地、ウェイマウス培地、トロウェルT−8培地、ライボビッツL−15培地、NCTC培地、ウィリアムス−E培地、ケイン・アンド・フット(Kane and Foote)培地、ブリンスター(Brinster)培地、m−タイロード培地、BWW培地、ウィッテン(WK Whitten)培地、TYH培地、ホップス・アンド・ピット(Hoppes & Pitts)培地、m−KRB培地、BO培地、T6培地、GPM培地、KSOM、HECM培地、及びこれらの修正培地を例示することができ、また、CARD MEDIUMマウス体外受精用培地、ブタ培養胚発生用培地(PZM−5)(機能性ペプチド研究所社製)等の市販の専用体外受精用培地を用いることもできる。具体的には、NaCl、KCl、KHPO、MgSO・7HO、NaHCO、乳酸カルシウム、ピルビン酸ナトリウム、グルコース、BSAを含む培地を好適に挙げることができ、マウスの受精卵の回収・操作する実験でもっとも繁用される合成培地である以下の表1に示すM16培地を特に好適に挙げることができる。
本発明の受精卵の正常発生率向上剤の体外発生における使用量としては、受精卵の正常発生率向上効果が得られる限り特に制限されないが、哺乳動物の受精卵の体外培養培地に添加する場合は、5−ALA換算で0.05μM〜5μM、好ましくは0.08μM〜2μM、より好ましくは0.1μM〜1.5μMを挙げることができる。また、本発明の受精卵の正常発生率向上剤の体内発生における投与量としては、受精卵の正常発生率向上効果が得られる限り特に制限されないが、5−ALA換算で0.1〜20mg/kg・日、好ましくは0.5〜10mg/kg・日、より好ましくは1〜5mg/kg・日である。
本発明の受精卵の正常発生率を向上するための体外発生又は体内発生用のキットとしては、ALA類と鉄化合物を含むものであれば特に制限されず、さらに、1種又は2種以上の哺乳動物の受精卵の体外培養培地を含むものを用いることができる。また本発明は、体外発生又は体内発生用の受精卵の正常発生率向上剤を調製するためのALA類、好ましくはALA類と鉄化合物や、ALA類と鉄化合物と体外培養培地の使用に関する。さらに本発明は、受精卵の正常発生率を向上するために用いるALA類、好ましくはALA類と鉄化合物や、ALA類と鉄化合物と体外培養培地に関する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[自然交配による受精卵の採取と体外培養(1)]
(マウスの交配)
受精卵を採取する雌マウスとして、C57BL/6J系統の雌マウス(21週齢〜27週齢、体重21.0〜24.5g)を用いた。交配用の雄マウスとして、C57BL/6J系統の雄マウス(32〜38週齢、体重30.0〜35.5g)を用いた。過排卵誘導の常法にしたがって、5U(ユニット)のウマ絨毛性性腺刺激ホルモン(血清性腺刺激ホルモン)(あすか製薬株式会社製)を各雌マウスの腹腔内に投与し、45〜48時間後に5U(ユニット)のゴナトロピン(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)(あすか製薬株式会社製)を各雌マウスの腹腔内に投与した。ゴナトロピン投与直後の各雌マウスと、上記各雄マウスとを交配した。
(受精卵の回収)
翌日、交配した雌マウスにおいて、乳白色で樹脂様の膣栓の有無を判定し、膣栓が有ることを確認した雌マウスから卵管を採取した。採取された卵管は15分程度、生理食塩水(0.9%(w/v)NaCl)中に静置後、卵丘細胞除去処理を行うため、約300μg/mLのヒアルロニダーゼ(シグマ社製)を添加したM16培地中に卵管を移した。卵管を切開して受精卵を取り出し、COインキュベータ内で37℃にて、5〜10分間静置後、卵丘細胞が分離している受精卵は回収され、ヒアルロニダーゼ未添加のM16培地で洗浄して、ヒアルロニダーゼを除去した。かかる卵丘細胞除去受精卵は、COインキュベータ内で37℃にて静置された。
(体外培養)
別途、35mmシャーレに、ミネラルオイル(シグマ社製)が重層し、かつ、最終濃度が0μM(コントロール)、0.1μM、0.5μM、1μMのいずれかのALA塩酸塩(SBIファーマ社製)を添加した、100μLのM16培地のドロップを作製し、COインキュベータ内で37℃にて静置した。かかるドロップに、29個又は30個の上記卵丘細胞除去受精卵を移し、COインキュベータ内で37℃にて、体外培養を行った。
(胚発生)
ドロップ内での体外培養開始時(0時間)から、24時間、48時間、72時間、96時間経過後に、実体顕微鏡観察により、各胚の発生ステージを判定し、正常に発生が進行している胚の数・発生率の変化を算出した。具体的には、培養開始24時間後では2細胞期の卵の数を、48時間後では3細胞期、4細胞期及び8細胞期の卵の数を、72時間後では桑実胚及び胚盤胞の数を、96時間後では胚盤胞の数を、それぞれのステージにおいて正常に発生が進行した胚としてカウントした。各ステージの胚の数を表2に、受精卵(0時間)の数を100%とした場合の発生率を表3及び図1のグラフに示す。また、発生率の評価は、受精卵(0時間)の卵の数を100%として、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後に正常に発生が進行した胚の数の割合を算出し、正常発生率とした。また、自然交配のため、回収された受精卵(0時間)の数にはある程度の未受精卵が含まれており、同一の実験で回収された受精卵(0時間)の集団であっても、各条件群間で分配された受精卵(0時間)集団において、未受精卵の含有率が偶然に変動する可能性がある。受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%として算出した発生率は、各条件群間で、偶然に変動する未受精卵の含有率の影響を排除するため算出した。すなわち、胚発生が確実に開始された卵の数を基礎として発生率を算出するため、24時間後の2細胞期の卵の数を100%とした場合の発生率を表4及び図2のグラフに示す。各結果の統計解析はχ(カイ)二乗検定により行い、p<0.01(**)、p<0.05(*)を統計学的有意差があるとした。
<ALA添加による発生率への影響>
表2、表3及び図1から明らかなとおり、受精卵(0時間)の数を100%とした場合、ALA未添加のコントロールと比較して、ALAを0.1μM、0.5μM、1μMのいずれかを添加した場合においても、発生率が上昇したことを確認した。特に、ALAを0.1μM添加した場合、72時間後の発生率は47%、96時間後の発生率は23%であり、ALAを0.5μM添加した場合、72時間後の発生率は48%であって、コントロールの値と比較して発生率は有意に高かった。また、ALAを0.5μM添加した場合、96時間後の発生率は45%であり、ALAを1μM添加した場合、72時間後の発生率は52%、96時間後の発生率は45%であって、コントロールの値と比較して発生率は顕著に高かった。
表4及び図2から明らかなとおり、受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合、ALA未添加のコントロールと比較して、ALAを0.1μM、0.5μM、1μMのいずれか添加することにより、発生率が上昇したことを確認した。特に、ALAを0.1μM添加した場合、96時間後の発生率は32%であって、コントロールの値と比較して発生率は有意に高かった。ALAを0.5μM添加した場合は、96時間後の発生率は54%であって、コントロールの値と比較して発生率は顕著に高かった。また、ALAを1μM添加した場合、72時間後の発生率は79%、96時間後の発生率は68%であって、コントロールの値と比較して発生率は顕著に高かった。
[自然交配による受精卵の採取と体外培養(2)]
受精卵を採取する雌マウスとして、BDF1系統(C57BL/6雌 × DBA/2雄のF1)の雌と雄との交配で得られたBDF2系統の雌マウス(5〜24週齢、体重16〜25g)を用い、交配用の雄マウスとして、BDF1系統(C57BL/6雌 × DBA/2雄のF1)系統の雄マウス(46〜52週齢、体重30〜45g)を用い、1μMのALAについて検討したこと以外は、実施例1と同様の検討を行った。結果を以下の表5〜表7、図3及び図4に示す。
<ALA添加による発生率への影響>
表5、表6及び図3から明らかなとおり、BDF2系統の雌マウスとBDF1系統の雄マウスとの交配による受精卵(0時間)の数を100%とした場合、ALA未添加のコントロールと比較して、ALAを1μM添加することにより、発生率が上昇したことを確認した。
表7及び図4から明らかなとおり、受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合、ALA未添加のコントロールと比較して、ALAを1μM添加することにより、発生率が上昇したことを確認した。特に、ALAを1μM添加した場合、72時間後及び96時間後の発生率は98%であって、コントロールの値と比較して発生率は顕著に高かった。
次に、マウスC57BL/6Jの、自然交配及び体外受精から得られる受精卵の体外(in vitro)培養系での、低温培養に対するALAの胚発生促進効果について調べた。
[自然交配による受精卵の採取と体外培養(3)]
C57BL/6J系統の雌マウス(4週齢〜6週齢)に対し、過排卵誘 導の定法にしたがい、ウマ絨毛性性腺刺激ホルモン(血清性性腺刺激ホルモン)(あすか製薬株式会社)5U(ユニット)を腹腔内に投与し、45〜48時間後にゴナトロピン(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)(あすか製薬株式会社)5U(ユニット)を腹腔内に投与した。ゴナトロピン投与直後の雌マウス一匹ずつをC57BL/6J系統、雄マウス一匹ずつと交配し、翌朝、膣栓の確認できた雌マウスから卵管を生理食塩水(0.9%(w/v)NaCl)に回収し、ヒアルロニダーゼ(約300μg/ml,Sigma)入りKSOM又はmWM(ともにアークリソース株式会社より購入,http://www.ark-resource.co.jp/seihin/cryopreservation-liquid/)で卵管を還流し、得られた受精卵の卵丘細胞が除去されるのをまって、受精卵を回収した。ヒアルロニダーゼを除くため、受精卵をKSOM又はmWMの各培地で洗浄し、全ての雌マウスから受精卵を回収するまで37℃、5%COのインキュベータ内でKSOM中又はmWM(アークリソース株式会社)で維持した。なお、使用した2種の培地はマウス胚培養に用いられる代表的な培地であり、KSOMは、代表的な低グルコース含有培地であるのに対し、mWMは高グルコース含有培地である。
回収した受精卵20〜50個を、ALA未添加又はALA添加(1μM又は3μM)培地(KSOM又はmWM)100μlからなるドロップ(ミネラルオイル(Sigma)を重層している)へ移した。これ以降は、培養条件として、37℃、5%COと35℃、5%CO2、の二つの条件下で培養を行った。受精卵採取から24時間後に、2細胞期の卵の数を数え、96時間後の胚盤胞の数を数えた。発生率の評価は実施例1と同様に行った。KSOMにおける結果を表8〜表10、図5及び図6に、mWMにおける結果を表11〜表13、図7及び図8にそれぞれ示す。
<低温(35℃)培養条件下での発生率への影響>
ALA未添加群のコントロールにおける37℃培養と35℃培養の発生率を比較すると、KSOMを用いた場合(表9・図5,表10・図6)、培養96時間後での胚盤胞への発生率は、受精卵(0時間)の数を100%とした場合(表9)は23%から4%へと、受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合(表10)は56%から6%へと、それぞれ有意に低下し、mWMを用いた場合(表12・図7,表13・図8)でも、受精卵(0時間)の数を100%とした場合(表12)は35%から23%へと、受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合(表13)は71%から49%へと、それぞれ有意に低下した。これらの結果から、本実験条件でのC57BL/6J受精卵の低温培養では発生の進行が障害されることが明らかとなった。
<低温(35℃)培養条件下でのALA添加の発生率への影響>
35℃培養条件下では、KSOMを用いた場合、ALA未添加群のコントロールにおける培養96時間後での胚盤胞への発生率は、受精卵(0時間)の数を100%とした場合は4%(表9)、受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合は6%(表10)であるのに対し、1μM ALA添加群の発生率は、受精卵(0時間)の数を100%とした場合は10%(表9)、受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合は15%(表10)となり、それぞれ有意に上昇した。一方、mWMを用いた場合、ALA未添加群のコントロールにおける培養96時間後での胚盤胞への発生率は、受精卵(0時間)の数を100%とした場合は23%(表12)、受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合は49%(表13)であるのに対し、3μM ALA添加群の発生率は、受精卵(0時間)の数を100%とした場合は32%(表12)、受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合は65%(表13)となり、それぞれ有意に上昇したが、KSOMと異なり、1μM ALA添加群の発生率では、有意な上昇は認められなかった(表12,13)。
[体外受精による受精卵の採取と体外培養]
C57BL/6J系統の雌マウス(3.9週齢〜4.0週齢)にウマ絨毛性性腺刺激ホルモン(血清性性腺刺激ホルモン)(あすか製薬株式会社)5U(ユニット)を腹腔内に投与し、45〜48時間後にゴナトロピン(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)(あすか製薬株式会社)5U(ユニット)を腹腔内に投与し過排卵誘起を行った。ゴナトロピン投与15時間後に、開腹して卵管を回収した。ミネラルオイル中で、解剖針により卵管膨大部を切開し、卵子をmHTF培地(アークリソース株式会社)のドロップ中へ回収した。C57BL/6J雄マウスの精巣上体尾部から精子を回収し、mHTF培地中で40分から1時間37℃、5%CO条件下で培養を行い、キャパシテーションを行った。回収した卵子の入った培地ドロップに精子を含むmHTF培地を2μlから4μl加え媒精し、37℃、5%CO条件下で培養した。媒精後4時間から6時間後、受精卵をKSOM(アークリソース株式会社)又はmWM(アークリソース株式会社)で洗浄し、卵丘細胞や精子を取り除いた。一旦、全ての受精卵を回収するまで37℃、5%COのインキュベータ内でKSOM又はmWMで培養した。
ALA未添加又はALA添加(1μM又は3μM)の培地(KSOM又はmWM)100μlからなるドロップ(ミネラルオイル(Sigma)を重層している)へドロップあたり受精卵25個を移した。以後、37℃、5%COと35℃、5%COと35.5℃、5%CO2、の3つの条件下で培養を行った。卵子回収24時間後に2細胞期の胚の個数を、96時間後の胚盤胞の個数を計測した。なお、体外受精から得られた受精卵の発生はやや遅いため、卵子回収120時間後での胚盤胞の個数も計測した。受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合を基準に、各培養時間での胚の発生率を算出した。KSOMにおける結果を表14、表15、図9及び図11に、mWMにおける結果を表16、表17、図10、図12及び図13にそれぞれ示す。
<低温(35℃及び35.5℃)培養条件下での発生率への影響>
ALA未添加群のコントロールである37℃、35.5℃、35℃での培養の発生率を比較すると、KSOMを用いた場合(表15,図9)、受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合の培養120時間後での胚盤胞への発生率は、37℃で74%から、35.5℃で41%、35℃で24%へと、有意に低下した。mWMを用いた場合(表17、図10)も同様に、受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合の培養96時間後での胚盤胞への発生率は、37℃で83%から、35.5℃で53%、35℃で25%へと、温度に依存して有意に低下した。これらの結果から、本実験条件でのC57BL/6Jの体外受精卵の低温培養では、自然交配から得られた受精卵と同様に、発生の進行が抑制されることが明らかとなった。
<低温(35℃及び35.5℃)培養条件下でのALA添加の発生率への影響>
KSOMを用いた場合(表14及び表15)、35℃培養条件下(図11)では、ALA未添加群の培養120時間後での、受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合の胚盤胞への発生率は24%であるのに対し、1μM ALA添加群で36%、3μM ALA添加群で27%となり、35℃培養で1μM ALAを添加した場合に、胚盤胞への発生率が有意に上昇した。
次に、mWMを用いた場合(表16及び表17)、35.5℃培養条件下(図12)では、ALA未添加群の培養96時間後での、受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合の胚盤胞への発生率は53%であるのに対し、1μM ALA添加群で70%、3μM ALA添加群で75%となり、ALA添加により胚盤胞への発生率が有意に上昇した。また、35℃培養条件下(図13)でも、ALA未添加群の培養96時間後での、受精後24時間後の2細胞期の胚の数を100%とした場合の胚盤胞への発生率は25%であるのに対し、1μM ALA添加群で53%、3μM ALA添加群で38%となり、35℃培養で1μM ALAを添加した場合に、胚盤胞への発生率が有意に上昇した。
(考察)
<ALAによる発生率への影響>
発生が正常に進まない受精卵や胚においては、細胞内ヘム合成量の低下、すなわち、内在性の5−ALAとも供給不全によってエネルギー産生障害が惹起することで初期発生停止が引き起こされているのではないかということが考えられる。5−ALA、さらには鉄を補充することにより、発生率や受胎率を高めることができると考えられる。
<低温培養の胚発生への影響>
自然交配及び体外受精の両方から得られたC57/BL6受精卵の体外(in vitro)発生系において、37℃での正常培養と比較して、35.5℃及び35℃の低温培養において、胚盤胞への発生率が低下し、発生抑制が認められた。特に、体外受精卵の胚培養において、温度依存的に胚盤胞への発生抑制が観察され(図9及び図10)、この系が低体温症による不妊モデルになりうることが示された。
<低温培養条件でのALAの胚発生への促進効果>
本実験条件で、低温培養でのマウス胚発生へのALAの効果を検討したところ、自然交配から得られた受精卵及び体外受精卵のin vitro発生において、低温培養において、ALAが発生促進作用を示すことが確認された。特に、mWMを用いた場合に、強い促進作用を観察した。mWMは高グルコース培地であるのに対し、KSOMは低グルコース培地であることから、ALAの作用がグルコース依存的である可能性が考えられる。
<ヒト不妊症治療薬としてのALAの可能性>
本実験はマウス受精卵を用いたものであるが、低温での受精卵の発生は、不妊の原因の一つとされる低体温症と、類似したストレスが掛かった状態と推定され、ALAの服用が、低体温によるヒト不妊症の改善に有効である可能性が示された。
本発明によると、受精卵から母体に胚移植するために適した胚を作製する効率を高めることができることから、畜産や不妊治療の分野において有用である。

Claims (15)

  1. 下記式(I)で示される化合物又はその塩を含有することを特徴とする受精卵の正常発生率向上剤。
    (式中、Rは、水素原子又はアシル基を表し、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
  2. 及びRが、水素原子であることを特徴とする請求項1記載の受精卵の正常発生率向上剤。
  3. さらに、鉄化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の受精卵の正常発生率向上剤。
  4. 鉄化合物が、塩化第二鉄、三二酸化鉄、硫酸鉄、ピロリン酸第一鉄、クエン酸第一鉄、クエン酸鉄ナトリウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、クエン酸鉄アンモニウム、ピロリン酸第二鉄、乳酸鉄、グルコン酸第一鉄、ジエチレントリアミン五酢酸鉄ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸鉄アンモニウム、エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム、ジカルボキシメチルグルタミン酸鉄ナトリウム、ジカルボキシメチルグルタミン酸鉄アンモニウム、フマル酸第一鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄、コハク酸第一鉄、コハク酸クエン酸鉄ナトリウム、ヘム鉄、デキストラン鉄、トリエチレンテトラアミン鉄、ラクトフェリン鉄、トランスフェリン鉄、鉄クロロフィリンナトリウム、フェリチン鉄、含糖酸化鉄、及び硫化グリシン鉄から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項3記載の受精卵の正常発生率向上剤。
  5. 受胎率を高めることができることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の受精卵の正常発生率向上剤。
  6. 受精卵が、体外受精又は体内受精による受精卵であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の受精卵の正常発生率向上剤。
  7. さらに哺乳動物の受精卵の体外培養培地を含む受精卵発生率向上用培地であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の受精卵の正常発生率向上剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか記載の受精卵の正常発生率向上剤に受精卵を接触させることを特徴とする受精卵の正常発生率を向上する方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか記載の受精卵の正常発生率向上剤を対象雌親に投与することを特徴とする受精卵の正常発生率を向上する方法。
  10. a)下記式(I)で示される化合物又はその塩;
    (式中、Rは、水素原子又はアシル基を表し、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
    b)鉄化合物;
    を含む受精卵の正常発生率を向上するためのキット。
  11. さらに、c)哺乳動物の受精卵の体外培養培地を含むことを特徴とする請求項10記載の受精卵の正常発生率を向上するためのキット。
  12. 下記式(I)で示される化合物又はその塩の、受精卵の正常発生率向上剤を調製するための使用。
    (式中、Rは、水素原子又はアシル基を表し、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
  13. 式(I)で示される化合物又はその塩と鉄化合物とを用いることを特徴とする請求項12記載の使用。
  14. 式(I)で示される化合物又はその塩と鉄化合物と哺乳動物の受精卵の体外培養培地とを用いることを特徴とする請求項13記載の使用。
  15. 受精卵の正常発生率の向上に用いるための下記式(I)で示される化合物又はその塩。
    (式中、Rは、水素原子又はアシル基を表し、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
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