JPWO2016002457A1 - 積層体および一体化成形品 - Google Patents

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Abstract

電磁波シールド性を有する熱伝導部材と、熱伝導部材の厚み方向に対して電波透過性を有する電波透過部材および/または電磁波シールド性を有する剛性保持部材を積層した積層体であって、積層体の一部に、熱伝導部材が露出した熱伝導領域を有する積層体およびそれを用いた一体化成形品。

Description

本発明は、例えばパソコンやOA機器、携帯電話などの部品や筐体部分として用いられる、繊維強化プラスチックなどで形成された積層体および一体化成形品に関する。
現在、パソコン、OA機器、AV機器、携帯電話、電話機、ファクシミリ、家電製品、玩具用品などの電気・電子機器は、その携帯化が進むにつれ、より小型、軽量化が要求されている。その要求に加えて、機器を構成する部品、特に筐体には、外部から荷重がかかった場合に筐体が大きく撓んで内部部品と接触、破壊を起こさないようにするために、高強度・高剛性化を満足しつつ、かつ薄肉化が求められている。
また、電子機器筐体に必要な特性として、電波を遮断して電波障害(EMI)を抑止する性能、いわゆる電波遮断性能が挙げられる。これはある機器が動作することによって発せられる電波により、他の機器の動作や人体に影響を与えることを防ぐためである。電子機器自身の発する電磁波によっても、他機器の動作に悪影響を与えてしまう場合がある。
また、ノートパソコン、携帯電話またはタブレットの製品の多くには無線通信用のアンテナが実装されるが、携帯性や意匠性の観点から筺体内部にアンテナが配されるケースが大半である。そのような機器を構成する筺体全面に電磁波シールド性が高い材料、例えば炭素繊維強化プラスチックや、マグネシウム合金などの金属を選定した場合、電波遮断性能の高い筐体によって平均アンテナ利得の低下や偏った電波指向性の発現などが生じ、無線通信性能が劣化するという機能的な問題が生じていた。
また、高機能化が進む無線通信機能を内蔵した製品などでは、小型化が要求される一方、内部に集積された部品から発する熱の影響は少なくなく、その熱拡散への対処は重要な課題である。
特許文献1には、繊維強化樹脂からなる電波シールド材と、熱可塑性樹脂に、非導電強化繊維を一定量含有した繊維強化熱可塑性樹脂からなる電波透過材とを有する電子機器筐体において、電波シールド材と電波透過材との接着界面に熱可塑性樹脂接着層を有するようにするため、アウトサート射出成形を用いて、電波シールド材と電波透過材との接着界面に熱可塑性樹脂接着層を配する方法で、一体化させることにより、電波遮断性を維持したまま無線通信性能を劣化させず、接合部の強度や量産性に優れた効果を得る技術が開示されている。
しかし、特許文献1に開示された技術では、先にセットした電波シールド材の厚みが成形前後で不変であるため、成形中に電波シールド材と電波透過材の2つの材料の厚みを均一に調整することが困難であり、得られた成形品の接合部には段差が発生し、例えば成形品に塗装した場合に接合線が視認され、意匠性に与える影響が大きい。また、特許文献1において、無線通信性能を得るための電波透過領域に使用する電波透過材は絶縁材料であり、絶縁材料は一般的に成形収縮率が大きいため、電波透過領域を大きく確保すると射出成形後に成形収縮率差から筐体に反りや変形を生じやすいという問題があった。
また、特許文献2には、強化繊維として導電性繊維を、マトリックスとして熱可塑性樹脂を含む成形材料基材(A)と、強化繊維として絶縁性繊維を、マトリックスとして熱可塑性樹脂を含む成形材料基材(B)とを、成形材料基材(B)が厚み方向に挿通するように配置して板状の成形前駆体を形成し、その成形前駆体を、熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高い温度に加熱し、その後、熱可塑性樹脂の溶融温度よりも低い温度でプレス成形して繊維強化プラスチック成形体を形成することにより、電波遮断性を維持したまま無線通信性能を劣化させず、特に意匠性に優れた効果を得る技術が開示されている。
しかし、特許文献2に開示された技術では、成形材料基材(A)において予め、電波透過領域が形成されるべき部分を刳り抜く必要があり、また、その刳り抜く部分と寸法的に適合した高精度の形状を有する成形材料基材(B)を別途準備する必要があるため、一部に絶縁体基材を使用することにより電波透過領域をもった筐体を作製できるようにはなるが、製造工程が複雑化し、生産コストにおいて課題が残る。
また、特許文献3には、導電性の不連続強化繊維を有するシート状抄紙である第1の強化基材と、第1の基材と異なる第2の基材とを突き合わせ接合した複合基材を、少なくとも複数積層した基材積層体の層間の少なくとも一部に熱可塑性樹脂を主成分としたマトリックス樹脂シートを積層した成形前積層体を形成し、一対の成形型内に成形前積層体を配置し、成形型をプレス機によって加熱溶融させながら圧力を加えることにより、シート状だったマトリックス樹脂を成形前積層体内に含浸させた後、成形型内で冷却して賦形して、一体化成形することにより、電磁波遮蔽性を維持したまま無線通信性能を劣化させず、意匠性に優れた、部分的に電波透過領域を有した複合積層板を得る技術が開示されている。
しかし、特許文献3に開示された技術では、高い電波遮断性能を有する電磁波遮蔽部材と低い電波遮断性能を有する電波透過部材を突き合わせ接合することにより、無線通信性能を劣化させずに電磁波遮蔽性を維持させることが可能になるが、電磁波遮蔽部材と電波透過部材との突き合わせ接合部の強度に改善の余地があること、また、電子機器筐体内での電波発信部材の配置場所などに応じて、電磁波遮蔽部材と電波透過部材の形状をその都度変える必要があり、製品の多様化に対応するためのフレキシビリティに改善の余地がある。
特開2008−34823号公報 特開2011−93213号公報 特開2013−75447号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、電波遮断性を維持したまま熱伝導性が良く、薄型で高剛性であり、また接合線が現れず意匠性にも優れた積層体および一体化成形品を提供することを目的とし、さらには、電波遮断性を維持したまま無線通信性能を劣化させない積層体および一体化成形品を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の積層体は、次の構成を有する。すなわち、電磁波シールド性を有する熱伝導部材と、熱伝導部材の厚み方向に対して電波透過性を有する電波透過部材および/または電磁波シールド性を有する剛性保持部材を積層した積層体であって、積層体の一部に、熱伝導部材が露出した熱伝導領域を有し、熱伝導領域が薄肉部である、積層体である。
また、前記課題を解決するため、本発明の一体化成形品は、次の構成を有する。すなわち、前記した積層体に別の部材を一体化させた、一体化成形品である。
本発明によれば、電波遮断性を維持したまま熱伝導性が良く、薄型で高剛性であるとともに、かつ接合線が現れにくいため意匠性にも優れる積層体および一体化成形品を得ることができる。さらには、本発明の好ましい態様によれば、電波遮断性を維持したまま無線通信性能を劣化させない積層体および一体化成形品を得ることができる。本発明の積層体および一体化成形品は、繊維強化プラスチックを主体に構成すれば、軽量で高強度・高剛性なものとでき、パソコンやOA機器、携帯電話などの部品や筐体としてより好適に用いることができる。
本発明の積層体の一例を示す部分透視斜視図である。 本発明の積層体の一例を示す部分透視斜視図である。 本発明の積層体の一例を示す部分透視斜視図である。 本発明の積層体の一例を示す部分透視斜視図である。 電子部品を内装した本発明の積層体の一例を示す断面図である。 電界シールド性の測定装置を示す模式図である。 本発明の積層体の一例を示す部分透視斜視図である。 放熱特性評価装置を示す模式的断面図である。 (a)は、本発明の積層体の一例を示す断面図である。(b)は(a)の積層体を切断・分割した様子を示す断面図である。 本発明の積層体の一例を示す断面図である。 本発明の積層体の一例を示す断面図である。 本発明の積層体の一例を示す断面図である。 本発明の積層体の一例を示す断面図である。 本発明の積層体の一例を示す断面図である。 本発明の積層体の一例を示す断面図である。 本発明の積層体の一例を示す断面図である。 本発明の積層体の一例を示す断面図である。 比較例で用いた積層体を示す断面図である。 比較例で用いた積層体を示す断面図である。 比較例で用いた積層体を示す断面図である。 比較例で用いた積層体を示す断面図である。
以下、本発明について図面を用いながら説明する。なお、本発明は図面によって何ら限定されるものではない。
本発明の積層体は、電磁波シールド性を有する熱伝導部材と、熱伝導部材の厚み方向に対して電波透過性を有する電波透過部材および/または電磁波シールド性を有する剛性保持部材を積層してなり、積層体の一部に、熱伝導部材が露出した熱伝導領域を有する。以下、電波透過性を有する電波透過部材を単に電波透過部材と称し、電波透過部材の厚み方向に対して電磁波シールド性を有する熱伝導部材を単に熱伝導部材と称し、電波透過部材の厚み方向に対して電磁波シールド性を有する剛性保持部材を単に剛性保持部材と称することもある。
本発明の積層体は、熱伝導部材を必須要素とし、電波透過部材および/または剛性保持部材を機能性部材に加えた積層体であり、さらに積層体の厚み方向に熱伝導部材が露出した熱伝導領域を有する積層体とすることで、電磁波シールド性を有したまま、熱伝導性を高めることができる。例えば、本発明の積層体をタブレット筐体に使用した場合、熱伝導性を阻害する部材を排除することで熱伝導部材を積層体の厚み方向に露出させ、熱伝導領域に設置されたCPUで発生した熱を効率良く熱伝導部材に伝達させて、熱伝導部材の面内に広く伝達させることで、CPU周辺の局所的な温度上昇を抑制することが可能となる。熱伝導領域の熱伝導部材とCPUとの間の熱伝導効率をさらに高めるために、グラファイトシートなどの熱伝導材料を間に挿入することもできる。
また、本発明の積層体は、熱伝導領域が薄肉部であることが必要である。ここで薄肉部とは、積層体を構成する部材の内、少なくとも1つの部材を含まず、かつ積層体を構成する部材全てを厚み方向に含んだ領域よりも薄い領域をいう。なお以下、積層体を構成する部材全てを厚み方向に含んだ領域を、全部材領域ということもある。
図1は、本発明の積層体の一例を示す部分透視斜視図である。図1に示される積層体は、電波透過部材1、熱伝導部材2、剛性保持部材3の3つの部材から構成され、積層体の一部において、積層体の厚み方向に熱伝導部材2が露出した熱伝導領域を有する。図1において、熱伝導領域は、剛性保持部材3を含まず、かつ3つの部材全てを厚み方向に含んだ領域(全部材領域)よりも薄い領域となっており、この熱伝導領域が薄肉部に該当する。
全部材領域に対して、熱伝導部材を露出させた熱伝導領域を薄肉部とすることで、熱伝導領域の確保およびCPUなどの発熱部品を取り付けた際の積層体を含んだ全体厚みを軽減させる効果が得られる。また、熱伝導部材を露出させる面は、意匠面あるいは意匠面と反対側の内装面側を問わず、組み込まれる電子部品のレイアウトに合わせて選択できる。
また、本発明では、積層体の一部に、厚み方向に電波透過部材のみで構成された電波透過領域をさらに有することが好ましい。
図2に示す積層体は、熱伝導部材2を厚み方向に露出させた熱伝導領域を有し、熱伝導領域が、電波透過部材1/熱伝導部材2/剛性保持部材3/低密度部材4/剛性保持部材3の構成とした領域である全部材領域に対して薄肉部となっている。また、全部材領域は、電磁波シールド性を有する熱伝導部材2および剛性保持部材3を含むため、電磁波シールド領域となる。なお、熱伝導領域は、電磁波シールド性を有する熱伝導部材を含むため、電磁波シールド領域でもある。図2に示す積層体は、さらに、電波透過部材1のみの構成とした領域を設けることで、同じ積層体において、熱伝導領域と電磁波シールド領域に加えて、電波透過領域を確保している。このような構成の積層体とすることで、1つの積層体に熱伝導性、電磁波シールド性、電波透過性の異なる機能を発現させることができる。また、熱伝導領域および電波透過領域とも、全部材領域に対して薄肉部とすることで、CPUなどの発熱部品やアンテナなどを取り付けた際の全体厚みを軽減させる効果が得られる。さらに、積層体を構成する部材全てを厚み方向に含んだ領域(全部材領域)は、電波透過部材1、熱伝導部材2に加えて、サンドイッチ構造である剛性保持部材3/低密度部材4/剛性保持部材3の積層構成を有することにより、剛性と軽量性に優れた積層体とすることができる。
次に、電波透過部材、熱伝導部材、剛性保持部材、および低密度部材について説明する。これらの部材は機能を有する機能性部材であり、1つの材料が2つ以上の機能を有する場合、1つの材料に対して該当する複数の機能性部材として扱うものとする。
電波透過部材は、電波透過性を有する材料で形成される。電波透過性を有する材料であれば、特に制限なく用いることができる。例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、またはセラミックス材料などが、電波透過部材を構成する材料として好ましく用いられる。また、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂に非導電性繊維などの非導電性フィラーを添加することは、電波透過性を損なわず、寸法安定性や補強効果を高める観点で好ましい。
特に、電波透過部材は、有機繊維またはセラミックス繊維から選択される少なくとも1種の非導電性繊維を含む繊維強化プラスチックであることが好ましい。繊維強化プラスチックには、樹脂として熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が用いられ、電波透過性の観点から非導電性繊維が選択される。有機繊維としては、例えば、アラミド繊維、PBO繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維などが例示でき、セラミック繊維としては、ガラス繊維、シリコンカーバイド繊維、シリコンナイトライド繊維などが例示できる。それらの繊維を2種類以上併用しても良い。これらの繊維には表面処理としてカップリング剤による処理、サイジング剤による処理、添加剤の付着処理などを行うことができる。その中でも特に、電波透過性、比剛性の観点から、非導電性繊維には、少なくともガラス繊維を含むことが好ましく、当該非導電性繊維中に含まれるガラス繊維の質量含有率は、非導電性繊維の全体質量に対して、好ましくは40〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%、さらに好ましくは60〜100質量%である。中でも、非導電性繊維が実質的にガラス繊維である場合、電波透過性が得られやすいので特に好ましい。なお、ここで言う「実質的にガラス繊維」とは、強化繊維としての機能を果たしていない繊維などの不純物を考慮しても、非導電性繊維中にガラス繊維が95質量%以上含まれていることを意味する。
また、電波透過部材に用いうる熱硬化性樹脂としては例えば、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール(レゾール型)樹脂、ユリア・メラミン樹脂、熱硬化性ポリイミドなどや、これらの共重合体、変性体、および、これらの少なくとも2種をブレンドした樹脂などを例示することができる。中でも、エポキシ樹脂を含有するものが好ましい。また、熱硬化性樹脂中に用途などに応じ他の充填材や添加剤を含有してもよい。かかる充填材や添加剤としては、例えば、エラストマーあるいはゴム成分、無機充填材、難燃剤、導電性付与剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤、カップリング剤などが挙げられる。
電波透過部材に用いうる熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステルなどのポリエステルや、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンなどのポリオレフィンや、スチレン系樹脂の他や、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)(変性PPEを含む)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)(変性PSUを含む)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノキシ樹脂、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレンなど)、更にポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系などの熱可塑エラストマーなどや、これらの共重合体、変性体、および2種類以上ブレンドした樹脂などが例示できる。熱可塑性樹脂には、耐衝撃性向上のために、エラストマーもしくはゴム成分を添加しても良い。耐熱性、耐薬品性の観点からPPSが、成形品外観、寸法安定性の観点からポリカーボネートやスチレン系樹脂が、成形品の強度や耐衝撃性の観点からポリアミドが好ましく用いられる。熱可塑性樹脂には用途などに応じ、他の充填材や添加剤を含有してもよい。かかる充填材や添加剤としては、例えば、無機充填材、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤、カップリング剤などが挙げられる。
電波透過部材1に用いる樹脂に難燃剤を含有させることにより、耐燃焼性が得られ、例えば、電子機器機筐体内部の電気回路などから発火した場合の安全性が確保できるので好ましい。かかる観点から、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂いずれも、難燃剤を含有させることがより好ましい。用いられる難燃剤としては、難燃性を付与するリンまたはその化合物が好ましく、具体的には、例えば、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、ホスファフェナントレン系化合物などのリン含有化合物や赤リンが好ましく用いられる。中でも赤リンは、難燃剤を付与する働きをするリン原子含有率が大きく、十分な難燃効果を得るために加えるべき難燃剤の添加量が少量でよいため難燃剤として好ましく用いられる。また、さらに難燃剤に加えて難燃助剤を添加することも難燃性を向上させるうえで好ましい。難燃助剤としては、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化スズなどの金属水酸化物系、アルミン酸化カルシウム、酸化ジルコニウムなどの無機系、メラミンシアヌレートなどの窒素系の他、シリコーン系、フェノール系などが好ましく用いられる。
熱伝導部材は、電磁波シールド性および高熱伝導性の機能を有する部材である。積層体の熱伝導性を高める観点で、熱伝導率の高い材料で形成される。熱伝導率の高い材料としては、特に制限はないが、例えばセラミックス材料、金属材料が好ましく用いられる。また、近年開発が進んでいる、樹脂に高熱伝導性フィラーを添加することで熱伝導率を高めた高熱伝導性樹脂も好ましく用いることができる。セラミックス材料としては、シリカ、ジルコニア、アルミナ、窒化ホウ素、シリコンカーバイド、シリコンナイトライド、炭素材料などを挙げることができる。また、金属材料としては、チタン、スチール、アルミニウム、マグネシウム、鉄、銀、金、白金、銅、ニッケルから選ばれた元素、またはこれらの元素を主成分とする合金などを挙げることができる。金属材料の形態としてはフィルム、シート形態を用いることができるが、真空蒸着法、スパッタ法、気相蒸着法などを用いた薄膜生成方法で形成された薄膜状の形態を選択することもできる。また、これらの材料を2種類以上組み合わせて用いることもできる。
熱伝導部材は、その熱伝導率が10W/m・K以上であることが好ましく、10W/m・K以上3000W/m・K以下の範囲であることがより好ましく、100W/m・K以上3000W/m・K以下の範囲であることがさらに好ましく、200W/m・K以上3000W/m・K以下の範囲であることが最も好ましい。熱伝導部材の熱伝導率が前記範囲であることで、熱伝導部材を露出させた熱伝導領域において、十分な熱伝導性を確保できる。なお、熱伝導部材の熱伝導率は、測定する部材のみから構成された成形体を用いて、レーザーフラッシュ法により測定することができる。
剛性保持部材は、電磁波シールド性および高剛性の機能を有する部材である。剛性保持部材を積層体に配置することで、積層体の剛性を高めることができる。剛性保持部材に剛性の高い材料を選定することで、積層体の剛性を確保できる。積層体の剛性を高める観点で、剛性保持部材には、曲げ弾性率の高い材料が用いられる。ここで、本発明において、積層体に用いる電磁波シールド性を有する材料の中で最も高い曲げ弾性率を有する材料から構成された部材を剛性保持部材と定義する。また、剛性保持部材を含む領域かつ積層体の面内において最も剛性の高い領域を剛性保持領域と定義する。なお、通常は、剛性保持部材には、曲げ弾性率が30GPa以上である材料が用いられる。好ましくは剛性保持部材の曲げ弾性率が50GPa以上、より好ましくは100GPa以上である。剛性保持部材の曲げ弾性率は、測定する部材のみから構成された成形体を用いて、支点間距離を試験片厚みの32倍として、ASTM D790に準拠して測定することができる。また、積層体の剛性保持領域や全部材領域などの曲げ弾性率は、測定すべき領域から、領域厚みが試験片厚みになるように試験片を採取し、その試験片を用いて、支点間距離を試験片厚みの32倍として、ASTM D790に準拠して測定することができる。
また、本発明において、剛性保持部材の曲げ弾性率が、電波透過部材の曲げ弾性率より高いことが好ましい。電波透過部材の曲げ弾性率と比較して、剛性保持部材の曲げ弾性率を高くすることで、積層体の剛性をより高めることができる。剛性保持部材による積層体の剛性への寄与を高めるには、電波透過性能または意匠性のバランスを考慮した上で、剛性保持部材を積層体の表層あるいは表層近くに配置することが好ましい。
剛性保持部材は、導電性繊維を含む繊維強化プラスチックで形成されることが好ましい。導電性繊維としては、例えば、アルミニウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維などの金属繊維や、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、リグニン系、ピッチ系の炭素繊維(黒鉛繊維を含む)が例示できる。また、これらの導電性繊維は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよく、さらに導電性繊維以外の繊維、例えば絶縁性繊維と組み合わせて用いてもよい。
また、剛性保持部材を形成する繊維強化プラスチックに使用する樹脂には、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも用いることができ、上述の電波透過部材で例示した樹脂を用いることができる。さらに、剛性保持部材に用いる樹脂に難燃剤を含有させることにより、耐燃焼性が得られる。ここで用いる難燃剤としては、上述の電波透過部材で例示した難燃剤を用いることができる。
剛性保持部材を形成する繊維強化プラスチックに使用する導電性繊維には、炭素繊維が含まれることが好ましい。上述に列挙した導電性繊維の中でも、積層体の軽量性や剛性を効率的に高めることができる炭素繊維を用いるのが好ましい。
さらに、剛性保持部材における導電性繊維としては、連続した導電性繊維であることが好ましく、平均繊維長が10mm以上と連続した導電性繊維であることがより好ましい。連続した導電性繊維を使用することで、不連続の導電性繊維と比較して、導電性繊維の補強効果を効率的に発現できる。導電性繊維の層の形態としては、クロスや、フィラメント、ブレイド、フィラメント束、紡績糸などを一方向にひきそろえた形態を好適に使用できる。また、導電性繊維を一方向にひきそろえて一つの層を成し、層ごとに導電性繊維の方向をずらしながら積層することで積層体の力学特性の異方性を小さくする手法も好ましい。また、これらの層の形態は、1種類の形態を単独で使用しても2種類以上の形態を併用してもよい。その中でも導電性が良好で電磁波シールド性が高く、比強度、比剛性、軽量性のバランスが良好である炭素繊維、とりわけ安価なコストを実現できる点でポリアクリロニトリル系炭素繊維を用いることが好適である。特に、剛性保持部材における導電性繊維として炭素繊維を用いる場合、その炭素繊維が連続した炭素繊維であることはとりわけ好ましい態様である。
また、剛性保持部材を、炭素繊維を含む繊維強化プラスチックで形成する場合、その繊維強化プラスチックは、炭素繊維の繊維質量含有率が15質量%以上80質量%以下の範囲であることが好ましい。かかる繊維質量含有率が15質量%未満であると、電磁波シールド性や剛性が失われやすく、目的の機能を果たすことが困難となる。かかる繊維質量含有率が80質量%を超えると、繊維強化プラスチック中にボイドが発生する問題が生じやすくなり、成形が困難となる。好ましくは炭素繊維の繊維質量含有率が25質量%以上75質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上70質量%以下である。
低密度部材は、密度が1g/cm未満の材料から構成された部材である。低密度部材を積層体に配置することで、積層体の軽量性を高めることができる。積層体の軽量性をより高める観点で、密度は小さいほど好ましい。低密度部材として用いる材料に、特に制限はないが、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げることができ、上述の電波透過部材で例示した樹脂を用いることができる。また、これらの樹脂に強化繊維を含有させた繊維強化プラスチックを厚み方向に膨張させた材料も好ましく用いることができる。かかる材料に含まれる強化繊維としては、剛性保持部材で列挙した強化繊維を用いることができる。
また、本発明において、少なくとも1つの電波透過部材を、熱伝導部材および/または剛性保持部材に対して意匠面側に配置させることが好ましい。さらには、少なくとも1つの電波透過部材を意匠面側の最表面に配置させることが好ましい。電波透過部材のみの構成である電波透過領域を確保する場合、熱伝導部材または剛性保持部材などの電磁波シールド性を有する部材に対して電波透過部材を意匠面側に配置することで、意匠面に段差、あるいは異なる材料間の境界で生じる接合線が視認されにくい、意匠性に優れた積層体を得ることができる。なお、意匠面とは、製品の意匠性を高めるために設けられた面をいう。
また、本発明において、積層体を構成する各部材が厚み方向に対称積層され、かつ熱伝導部材が厚み中央部に配置されることが好ましい。例えば、図3に示す積層体のように、電波透過部材1/剛性保持部材3/熱伝導部材2/剛性保持部材3/電波透過部材1の構成とした対称積層とすることで、プレス成形を用いて積層体を製造する際に、各部材間で生じる異なる熱収縮差を解消し、反りを抑制できる。また、一般的に高熱伝導率を示す熱伝導部材の多くは、密度の高い金属材料であるため、軽量化の観点から図3に示すような積層構成とすることで、熱伝導部材2は中央部に1層のみの使用に留めることができ、積層体の軽量化を図ることができる。
本発明において、電波透過領域と熱伝導領域は隣接して設けることも、また離れて設けることもできる。図4に示すように、積層体の面内における一部に、積層体の厚み方向に電波透過部材1のみで構成された電波透過領域と、積層体の厚み方向に熱伝導部材2を露出させた熱伝導領域が設けられ、電波透過領域と熱伝導領域とは、積層体面内において連続せず、離間させて配置することができる。電波透過領域と熱伝導領域のレイアウトは、内装する電子部品に合わせて自由に選択することができる。例えば、図5に示すような本発明の積層体に電子部品を内装した態様においては、厚み方向に電波透過部材1のみで構成された電波透過領域にアンテナを設置し、積層体の厚み方向に熱伝導部材2を露出させた熱伝導領域に発熱源である部品を設置することで、電波透過性と高熱伝導性の機能を同時に備えることができる。
また、本発明によれば、電波透過部材は、KEC法により測定される電界シールド性が周波数1GHz帯において、0dB以上20dB未満の範囲であることが好ましい。
積層体の電界シールド性は、積層体を構成する各部材単体で測定することができる。また、各部材の電界シールド性は、それぞれの部材のみで構成される成形体を用いて測定することができる。具体的には、積層体を製造する場合と同一の成形プロセス条件にて、単一材料を複数枚積層した成形前駆体を成形し、同一相当の厚みとした成形体を用いて電界シールド性を測定する。ここでいう同一相当の厚みとは、目標厚み±0.05mmである。成形体の厚みがこの範囲であれば、電磁波シールド性の評価結果に明確な優位差が見られないことが多い。本発明では、電磁波シールド性の尺度として、電界シールド性を用いる。電界シールド性の測定装置の模式図を図6に示す。電波透過部材のみで構成された成形体について、KEC法により測定される電界シールド性が周波数1GHz帯において、0dB以上20dB未満の範囲であれば、電波透過領域において十分な電波透過性を確保できる。より好ましくは0dB以上10dB以下の範囲であり、さらに好ましくは0dB以上5dB以下の範囲である。
また、本発明において、剛性保持部材および熱伝導部材は、KEC法により測定される電界シールド性が周波数1GHz帯において、20dB以上80dB以下の範囲であることが好ましい。
剛性保持部材および熱伝導部材について、KEC法により測定される電界シールド性が周波数1GHz帯において、20dB以上80dB以下の範囲であるようにすることで、電磁波シールド領域において十分な電磁波シールド性を確保できる。より好ましくは30dB以上80dB以下の範囲であり、さらに好ましくは50dB以上80dB以下の範囲である。
本発明では、前記した積層体に別の部材を一体化させて、一体化成形品とすることも好ましい態様である。その際、別の部材を射出成形により一体化させることがより好ましい。
前記した積層体をそのまま例えば電子機器筺体などに用いることもできるが、成形した積層体に、ボスやリブなど、詳細形状の別の部材を一体化させ一体化成形品として用いることで、筐体としての機能を高めることができる。別の部材を一体化させる方法として、別の部材を予め製造しておき、積層体に貼り合わせる方法、あるいは積層体を射出成形型にインサートした上で型締めを行い、積層体の一部を覆うように、別の部材となる熱可塑性樹脂をアウトサート射出成形し一体化することにより、別部品を付与した一体化成形品とすることができる。
次に、本発明の積層体を得るのに好適な積層体の製造方法を、図を用いて説明する。例えば図4に示すような積層体を得る場合、最初に、厚み方向に電波透過部材/剛性保持部材/熱伝導部材/剛性保持部材/電波透過部材の順に対称に積層した予備積層体を作製する。ここで、各部材は板状であり、各層間の固定方法としては、接着剤を塗布する方法、あるはプレス成形方法を用いることで、各層間が密着した予備積層体を得ることができる。次に、NC加工機などの切削加工機を用いて、予備積層体の一部の剛性保持部材/熱伝導部材/剛性保持部材/電波透過部材を切削し除去することで、積層体の厚み方向に電波透過部材1のみが残った電波透過領域を設けることができ、また、同様にして、予備積層体の一部の剛性保持部材/電波透過部材を切削し除去することで、積層体の厚み方向に熱伝導部材2が露出した熱伝導領域を設けることができる。つまり、熱伝導領域を有する積層体を得るに際しては、厚み方向に、板状の熱伝導部材と、板状の他の部材を積層した予備積層体を作製し、その予備積層体面内における所定領域で、熱伝導部材が露出するまで他の部材を切削、除去して熱伝導領域を形成するのである。また、電波透過領域および熱伝導領域を有する積層体を得るに際しては、厚み方向に、板状の電波透過部材および板状の熱伝導部材を積層した予備積層体を作製し、その予備積層体面内における所定領域で、熱伝導部材が露出するまで他の部材を切削、除去して熱伝導領域を形成するとともに、その予備積層体面内における別の所定領域で、電波透過部材以外を切削、除去して電波透過領域を形成するのである。
また、熱伝導領域となるべき部位に切欠きや貫通孔を設けた他の部材に、熱伝導部材を、それが熱伝導領域で露出するように一体化させてもよい。例えば図7に示すような積層体を得る場合、NC加工機などの切削加工機を用いて、板状剛性保持部材の一部を切削し除去し、熱伝導領域となるべき部位に切欠きを有する剛性保持部材3を作製する。次に、板状の剛性保持部材3/熱伝導部材2/切欠きを有する剛性保持部材3の順で積層した予備積層体とすることで、剛性保持部材3の切欠き領域において熱伝導部材2が露出した熱伝導領域を設けることができる。さらに、予備積層体の熱伝導領域とは別の領域において切欠きを設けた後、電波透過部材1を板状の剛性保持部材3側に積層し、電波透過部材1/剛性保持部材3/熱伝導部材2/切欠きを有する剛性保持部材3の順に積層された積層体とすることで、積層体の熱伝導領域とは別の領域において切欠きを設けた領域が電波透過領域となり、図7に示す積層体を得ることができる。なお、積層体の各層間を密着する方法として、各層間に接着剤を塗布する方法、あるはプレス成形方法を用いることができる。また、熱伝導領域や電波透過領域を形成するための部位は、切欠きに代えて貫通孔としてもよい。
つまり、熱伝導領域を有する積層体を得るに際しては、熱伝導部材が露出していない、任意の板状の部材が積層された予備積層体に、切欠きまたは貫通孔を設け、切欠きまたは貫通孔を設けた予備積層体に、板状の熱伝導部材を、それが切欠きまたは貫通孔で露出するように積層して熱伝導領域を形成するのである。また、電波透過領域および熱伝導領域を有する積層体を得るに際しては、前記した、熱伝導領域を形成した予備積層体に、熱伝導領域以外の領域で切欠きまたは貫通孔を設け、その後、かかる予備積層体を板状の電波透過部材に積層して電波透過領域を形成するのである。
さらに、電波透過部材、剛性保持部材、または熱伝導部材のいずれかが樹脂を含む部材である場合、積層体の各層間を密着させる一体化にプレス成形方法を用い、プレス成形前に、電波透過領域または熱伝導領域となるべき部位を考慮した、所定の形状に裁断した部材を積層し、プレス成形することで電波透過領域または熱伝導領域を設けることができる。熱伝導領域を設ける場合、熱伝導部材を露出させる側において、熱伝導領域を避けた領域のみに他の部材を配置することで、熱伝導部材が露出した熱伝導領域を有する積層体を得ることができる。また、電波透過領域を設ける場合、電波透過領域を避けた領域のみに電磁波シールド性を有する部材を配置することで、積層体の厚み方向において電波透過部材のみで構成された電波透過領域を設けることができる。なお、電波透過領域または熱伝導領域を避けた領域に部材を配置するためには、電波透過領域または熱伝導領域となるべき部位に切欠きや貫通孔を設けた部材を配置してもよいし、あるいは電波透過領域または熱伝導領域となるべき部位以外に、分割した部材を組み合わせて配置してもよい。
以下、実施例によって、本発明について具体的に説明するが、下記の実施例に本発明が限定されるものではない。
まず、実施例、比較例で使用した各種測定法を具体的条件とともに次に説明する。
[曲げ弾性率の測定方法]
測定すべき材料から構成された成形体、または測定すべき積層体の剛性保持領域もしくは全部材領域から、長さ50mm、幅25mm、(各厚み)に、試験片を切り出し、支点間距離を試験片厚みの32倍として、ASTM D790に準拠して曲げ弾性率を求めた。さらに、得られた積層体の曲げ弾性率を以下の基準で評価した。AA、A、Bが合格であり、C、Dが不合格である。
AA:100GPa以上
A:50GPa以上100GPa未満
B:30GPa以上50GPa未満
C:5GPa以上30GPa未満
D:5GPa未満
[密度の測定方法]
測定すべき材料から構成された成形体、または測定すべき積層体の剛性保持領域もしくは全部材領域について、水中置換法を用いて、密度を求めた。積層体の剛性保持領域および全部材領域については、密度を以下の基準でランク分けし、軽量性を評価した。AA、A、Bが合格であり、C、Dが不合格である。
AA:1.2g/cm未満
A:1.2g/cm以上1.7g/cm未満
B:1.7g/cm以上2.3g/cm未満
C:2.3g/cm以上2.5g/cm未満
D:2.5g/cm以上
[電界シールド性の測定方法(KEC法)]
図6は、電界シールド性の測定装置の概略縦断面図である。図6において、電界シールド性の測定装置6は、金属管10からなる測定筐体を備える。金属管10の内部空間は、外界から遮蔽されている。金属管10の内部空間には、信号発信用アンテナ7と信号受信用アンテナ9が設けられている。金属管10は、両アンテナの間に、測定試料5をその外側から挿入可能とされている。測定試料5は、測定試料厚み8を有する。
金属管10により遮蔽された空間において信号発信用アンテナ7と信号受信用アンテナ9の間に、測定試料5を挿入し、試料の有無による電界強度を測定する。
測定装置6により、測定試料5の有無による電界強度が測定される。測定試料が無い場合に測定される空間の電界強度をE[V/m]とし、測定試料が有る場合に測定される空間の電界強度をE[V/m]として、電界シールド性を次の式で求める。測定された値の符号は、正方向がシールド効果を有する方向である。
電界シールド性(シールド効果)=20log10/E[dB]
電波透過領域について測定した電界シールド性の測定結果から電波透過性を判断した。電波透過性の判断基準として、0dB以上10dB未満の電界シールド性を有する場合をAとし、10dB以上20dB未満の電界シールド性を有する場合をBとし、判定A、Bを合格とした。また、20dB以上の電界シールド性を有する場合をCとし、不合格とした。また、積層体に電波透過領域が存在しない場合は、未評価(−)とした。
また、電磁波シールド領域について測定した電界シールド性の測定結果から電磁波シールド性を判断した。電磁波シールド性の判断基準として、50dB以上の電界シールド性を有する場合をAとし、20dB以上50dB未満の電界シールド性を有する場合をBとし、判定A、Bを合格とした。また、20dB未満の電界シールド性を有する場合をCとし、不合格とした。また、積層体に電磁波シールド領域が存在しない場合は、未評価(−)とした。
[熱伝導率の測定方法]
測定すべき材料から構成された成形体を、直径10mm、厚み3〜6mmの円板状の試料とし、真空理工(株)製レーザーフラッシュ法熱定数測定装置TC−3000を用いて、成形体の比熱と熱拡散率を測定し、次式により材料の熱伝導率を算出した。
K=Cp・α・ρ
ここで、Kは成形体の熱伝導率、Cpは成形体の比熱、αは成形体の熱拡散率、ρは成形体の密度を表す。成形体の厚みは、成形体の熱伝導率に応じて変え、熱伝導率の大きい試料は厚く、小さい試料は薄くした。具体的には、レーザー照射後、試料背面の温度が上昇し、最高温度に到達するには数10msecを要するが、その際の温度上昇巾ΔTmの1/2だけ温度が上昇するまでの時間t1/2が10msec以上(最高15msec)となるように試料の厚みを調節した。
比熱は、試料前面に受光板としてグラッシーカーボンを貼付け、レーザー照射後の温度上昇を試料背面中央に接着したR熱電対によって測定することにより求めた。また、測定値は、サファイアを標準試料として校正した。熱拡散率は、試料の両表面が見えなくなるまでカーボンスプレーにより皮膜し、赤外線検出器によって、レーザー照射後の試料背面の温度変化を測定し求めた。なお、熱伝導率が異方性を示す場合は、測定値の最大値を代表値とした。
[放熱特性の評価方法]
積層体の熱伝導領域から、120×150mmの寸法に試験片を切り出した。切り出した試験片の中央部の熱伝導部材側に、発熱部材を接着剤により固定した。次に、図8に示すように、断熱板14とアルミニウムテープ13で形成された放熱特性評価装置上に、発熱部材12を接着した試験片11を配置した。なお、発熱部材は直径15mmの円筒形状である。
この後、室温23℃、湿度55%の雰囲気下において、発熱部材に8Wの電力を5分間通電させ、10分後の発熱部材の温度と、発熱部材が配置された試験片の裏面(外気側)の温度をそれぞれ、熱電対15bと熱電対15aにより計測し、それらの測定値の差を放熱特性の判断基準とした。試験片の裏面(外気側)の測定位置は、試験片長手方向に試験片中央部から50mm離れた箇所を測定した。
放熱特性の評価結果は、2つの測定温度差が20℃未満をA、20℃以上40℃未満をBとし、判定A,Bが合格である。40℃以上の場合をC判定とし、積層体に熱伝導領域が存在しない場合はD判定として不合格とした。なお、積層体が異方性材料を含有する場合、0°方向とその垂直方向に回転させた90°方向のそれぞれの領域に対して測定し、各測定温度差の平均値を判定基準に用いた。
次に、実施例、比較例で使用した材料を説明するとともに、その特性を表1にまとめた。
(材料1)ガラス繊維強化シート
ガラス繊維クロスプリプレグR−5(日東紡(株)製、ガラス繊維、エポキシ樹脂、ガラス繊維質量含有率60質量%、厚み0.143mm)
(材料2)アルミニウムシート
アルミニウムシートAL5052、厚み0.15mm
(材料3)炭素繊維強化シート
炭素繊維一方向プリプレグP3052S−15(東レ(株)製、炭素繊維(T700S使い)、エポキシ樹脂、炭素繊維質量含有率67質量%、厚み0.143mm)
(材料4)ポリプロピレンシート
無変性ポリプロピレン(プライムポリマー(株)社製、“プライムポリプロ”(登録商標)J105G、融点160℃)を90質量%と、酸変性ポリプロピレン(三井化学(株)社製、“アドマー”(登録商標)QE510、融点160℃)を10質量%用意し、これらをドライブレンドした。このドライブレンド品を二軸押出機のホッパーから投入し、押出機にて溶融混練した後、400mm幅のT字ダイから押出した。その後、60℃のチルロールで引き取ることによって冷却固化させ、厚み0.3mmのポリプロピレンシート(材料4)を得た。
(実施例1)
材料1のガラス繊維強化シート3枚を積層して被成形物を得た。得られた被成形物について、加熱プレス成形し、加圧から30分間経過した後、盤面を開き、プレス成形機から、ツール板ごと取り出し、エポキシ樹脂が硬化したガラス繊維強化プラスチックを得た。なお、加熱プレス成形では、被成形物を離型フィルムで挟み、さらにツール板で挟んで、盤面温度が150℃のプレス成形機の盤面の間に配置した後、盤面を閉じて圧力1.5MPaで加圧した。
次に、得られたガラス繊維強化プラスチックを、オートカッターを用いて所定の寸法にカットして図9(a)に示すように、第1層であるアルミニウムシートの領域Aおよび領域Cの位置のみにエポキシ接着剤を用いて、第2層である所定寸法のガラス繊維強化プラスチックを貼り合わせ、積層体を得た。ガラス繊維強化プラスチックを貼り合わせた面と反対側のアルミニウムシートの面を意匠面とした。なお、アルミニウムシートは熱伝導部材に該当し、ガラス繊維強化プラスチックは電波透過部材に該当する。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、オートカッター加工機を用いて、得られた積層体を図9(b)に示すように、領域A、領域B、領域Cに切断分割し、それぞれの領域に対して特性評価を行った。評価結果を表2に示す。積層体は、面内において熱伝導領域および電磁波シールド領域を有し、また領域A、領域Cは曲げ弾性率も良好であり、剛性保持領域としての機能も発揮した。
(実施例2)
材料3の炭素繊維強化シート3枚を繊維方向が0°/90°/0°の順に積層して被成形物を得た。得られた被成形物について、実施例1と同様にして加熱プレス成形し、加圧から30分間経過した後、盤面を開き、プレス成形機から、ツール板ごと取り出し、エポキシ樹脂が硬化した炭素繊維強化プラスチックを得た。
次に、ガラス繊維強化プラスチックに代えて、前記のようにして得られた炭素繊維強化プラスチックを用いた以外は、実施例1と同様にして図9(a)に示すような積層体を得た。なお、アルミニウムシートは電磁波シールド性を有する熱伝導部材に該当し、炭素繊維強化プラスチックは電磁波シールド性を有する剛性保持部材に該当する。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、オートカッター加工機を用いて、得られた積層体を図9(b)に示すように領域A、領域B、領域Cに切断分割し、それぞれの領域に対して特性評価を行った。評価結果を表2に示す。積層体は、面内において電波透過領域を有しないものの、熱伝導領域、電磁波シールド領域を有し、また領域A、領域Cは曲げ弾性率も優れ、剛性保持領域としての機能を発揮した。
(実施例3)
実施例1で得られたガラス繊維強化プラスチックを所定の寸法にカットし、実施例2で得られた炭素繊維強化プラスチックを所定の寸法にカットした。
次に、図10に示すように、アルミニウムシートの領域Aおよび領域Cの位置のみに、第2層である所定寸法のガラス繊維強化プラスチック、第3層である所定寸法の炭素繊維強化プラスチックをそれぞれ配置し、各層間をエポキシ接着剤で貼り合わせ、積層体を得た。なお、アルミニウムシートは電磁波シールド性を有する熱伝導部材に該当し、ガラス繊維強化プラスチックは電波透過部材に該当し、炭素繊維強化プラスチックは剛性保持部材に該当する。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、オートカッター加工機を用いて、得られた積層体を、図10に示す領域A、領域B、領域Cに切断分割し、それぞれの領域に対して特性評価を行った。評価結果を表2に示す。積層体は、面内において熱伝導領域、電磁波シールド領域を有し、また領域A、領域Cは曲げ弾性率も良好であり、剛性保持領域としての機能を発現した。
(実施例4)
材料2のアルミニウムシートを所定の寸法にカットし、実施例2で得られた炭素繊維強化プラスチックを所定寸法にカットした。
次に、図11に示すように、第1層である、実施例1で得られたガラス繊維強化プラスチックの領域Aおよび領域C〜Eの位置のみに対して、第2層である所定寸法のアルミニウムシートを貼り合わせて、さらに領域A、領域Cおよび領域Eの位置のみに第3層である所定寸法の炭素繊維強化プラスチックを貼り合わせ、積層体を得た。なお、ガラス繊維強化プラスチックは電波透過部材に該当し、炭素繊維強化プラスチックは電磁波シールド性を有する剛性保持部材に該当し、アルミニウムシートは熱伝導部材に該当する。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、オートカッター加工機を用いて、得られた積層体を図11に示す領域A、領域B、領域C、領域D、領域Eに切断分割し、それぞれの領域に対して特性評価を行った。評価結果を表2に示す。積層体は、面内において電波透過領域、熱伝導領域および電磁波シールド領域を有し、また領域A、領域Cおよび領域Eは曲げ弾性率も良好であり、剛性保持領域としての機能を発現した。
(実施例5)
材料3の炭素繊維強化シート4枚と材料2のアルミニウムシート1枚を用いて、炭素繊維強化シート(0°)/炭素繊維強化シート(90°)/アルミニウムシート/炭素繊維強化シート(90°)/炭素繊維強化シート(0°)の順に積層して被成形物を得た。得られた被成形物について、実施例1と同様にして加熱プレス成形し、加圧から30分間経過した後、盤面を開き、プレス成形機から、ツール板ごと取り出し、炭素繊維強化シートのエポキシ樹脂が硬化され、さらに各層間が十分に密着した、炭素繊維強化プラスチック/アルミニウムシート/炭素繊維強化プラスチックを第1〜3層とする予備積層体を得た。次に、得られた予備積層体を用いて、予備積層体の意匠面側および意匠面側に対して反対側の内装面側の両面において、得られる積層体の領域Bに位置する部分の炭素繊維強化プラスチックをNC加工機を用いて切削し、図12に示すような、領域Bにおいて厚み方向の中央部にアルミニウムシート層のみを残した積層体を得た。なお、図12における第1層および第3層に配した炭素繊維強化プラスチックは電磁波シールド性を有する剛性保持部材に該当し、第2層に配したアルミニウムシートは熱伝導部材に該当する。
得られた積層体は意匠面側および内装面側に凹部を設けても、良外観であった。また、オートカッター加工機を用いて、得られた積層体を、図12に示す領域A、領域B、領域Cに切断分割し、それぞれの領域に対して特性評価を行った。評価結果を表2に示す。積層体は、面内において熱伝導領域、電磁波シールド領域を有し、また領域A、領域Cは曲げ弾性率も良好であり、剛性保持領域としての機能を発現した。
(実施例6)
材料2のアルミニウムシート1枚と材料3の炭素繊維強化シート4枚を用いて、炭素繊維強化シート(0°)/炭素繊維強化シート(90°)/アルミニウムシート/炭素繊維強化シート(90°)/炭素繊維強化シート(0°)の順に積層して被成形物を得た。得られた被成形物について、実施例1と同様に、熱プレス成形し、加圧から30分間経過した後、盤面を開き、プレス成形機から、ツール板ごと取り出し、炭素繊維強化シートのエポキシ樹脂が硬化され、さらに各層間が十分に密着した、炭素繊維強化プラスチック/アルミニウムシート/炭素繊維強化プラスチックを第1〜3層とする予備積層体を得た。
次に、得られた予備積層体を用いて、予備積層体の意匠面側において、得られる積層体の領域Bに位置する部分の炭素繊維強化プラスチックをNC加工機を用いて切削し、図13に示すような、領域Bの厚み方向においてアルミニウムシート/炭素繊維強化プラスチックのみを残した積層体を得た。なお、図13における第1層と第3層に配した炭素繊維強化プラスチックは電磁波シールド性を有する剛性保持部材に該当し、第2層に配したアルミニウムシートは電磁波シールド性を有する熱伝導部材に該当する。
得られた積層体は、意匠面側に凹部を設けても、良外観であった。また、オートカッター加工機を用いて、得られた積層体を、図13に示す領域A、領域B、領域Cに切断分割し、それぞれの領域に対して特性評価を行った。評価結果を表3に示す。積層体は、面内において電波透過領域はないものの、熱伝導領域、電磁波シールド領域を有し、また領域A、領域Cは曲げ弾性率も優れ、剛性保持領域としての機能を発現した。
(実施例7)
材料1のガラス繊維強化シート4枚、材料2のアルミニウムシート1枚と材料3の炭素繊維強化シート4枚を用いて、ガラス繊維強化シート/ガラス繊維強化シート/炭素繊維強化シート(0°)/炭素繊維強化シート(90°)/アルミニウムシート/炭素繊維強化シート(90°)/炭素繊維強化シート(0°)/ガラス繊維強化シート/ガラス繊維強化シートの順に積層して被成形物を得た。得られた被成形物について、実施例1と同様に加熱プレス成形し、加圧から30分間経過した後、盤面を開き、プレス成形機から、ツール板ごと取り出し、ガラス繊維強化シートおよび炭素繊維強化シートのエポキシ樹脂が硬化され、さらに各層間が十分に密着した、ガラス繊維強化プラスチック/炭素繊維強化プラスチック/アルミニウムシート/炭素繊維強化プラスチック/ガラス繊維強化プラスチックを第1〜5層とする予備積層体を得た。
次に、得られた予備積層体を用いて、意匠面側に対して反対側の内装面側において、得られる積層体の領域Bに位置する部分の炭素繊維強化プラスチック/アルミニウムシート/炭素繊維強化プラスチック/ガラス繊維強化プラスチックをNC加工機を用いて切削し、領域Bの厚み方向において意匠面に配したガラス繊維強化プラスチックのみを残し、さらに内装面側において、得られる積層体の領域Dに位置する部分の炭素繊維強化プラスチック/ガラス繊維強化プラスチックをNC加工機を用いて切削し、領域Dの厚み方向において内装面側にアルミニウムシートが露出した、図14に示すような、積層体を得た。なお、図14における第1層と第5層に配したガラス繊維強化プラスチックは電波透過部材に該当し、第3層に配したアルミニウムシートは電磁波シールド性を有する熱伝導部材に該当し、第2層と第4層に配した炭素繊維強化プラスチックは電磁波シールド性を有する剛性保持部材に該当する。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、オートカッター加工機を用いて、得られた積層体を、図14に示す領域A、領域B、領域C、領域D、領域Eに切断分割し、それぞれの領域に対して特性評価を行った。評価結果を表3に示す。積層体は、面内において電波透過領域、電磁波シールド領域、熱伝導領域を有し、また領域A、領域C、領域Eは曲げ弾性率も良好であり、剛性保持領域としての機能を発現した。
(実施例8)
実施例1で得られたガラス繊維強化プラスチック1枚、材料2のアルミニウムシート1枚、材料3の炭素繊維強化シート4枚と材料4のポリプロピレンシート1枚を用いた。
まず、材料3の炭素繊維強化シート4枚と材料4のポリプロピレンシート1枚を用い、炭素繊維強化シート(0°)/炭素繊維強化シート(90°)/ポリプロピレンシート/炭素繊維強化シート(90°)/炭素繊維強化シート(0°)の順に積層して被成形物を得た。得られた被成形物について、盤面温度を180℃に変更した以外は実施例1と同様にして加熱プレス成形を行った後、すばやく被成形物が挟まれたツール板を冷却プレス機に搬送し、盤面温度80℃、圧力1.5MPaで、5分間冷却プレス成形を行った後、盤面を開き、冷却プレス機から、ツール板ごと取り出し、炭素繊維強化シートのエポキシ樹脂が硬化され、さらに各層間が十分に密着した、炭素繊維強化プラスチック/ポリプロピレンシート/炭素繊維強化プラスチックの構成を有するサンドイッチ構造体を得た。
次に、サンドイッチ構造体において、得られる積層体の領域Dの位置に、NC加工機を用いてサンドイッチ構造体の厚み方向に貫通した切欠きを設けた。さらに、この切欠きを設けたサンドイッチ構造体にエポキシ接着剤を用いてアルミニウムシートと貼り合わせた後、同様にして、得られる積層体の領域Bの位置に、厚み方向に貫通した切欠きを設けて予備成形体を得た。エポキシ接着剤を用いて、得られた予備成形体(サンドイッチ構造体/アルミニウムシート)におけるアルミニウムシート側に、実施例1で得られたガラス繊維強化プラスチックを貼り合わせることで、図15に示すような、領域Bでは意匠面に配したガラス繊維強化プラスチック層のみが残存する電波透過領域が設けられ、領域Dでは内装面側にアルミニウムシートが露出した熱伝導領域を設けられた積層体を得た。図15における第1層に配したガラス繊維強化プラスチックは電波透過部材に該当し、第2層に配したアルミニウムシートは熱伝導部材に該当し、第3層と第5層に配した炭素繊維強化プラスチックは剛性保持部材に該当し、第4層に配したポリプロピレンシートは低密度部材に該当する。さらに図15において、領域Bは薄肉部の電波透過領域となり、領域Dは、薄肉部の熱伝導領域となっていた。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、オートカッター加工機を用いて、得られた積層体を、図15に示す領域A、領域B、領域C、領域D、領域Eに切断分割し、それぞれの領域に対して特性評価を行った。評価結果を表3に示す。積層体は、面内において電波透過領域、電磁波シールド領域、熱伝導領域を有し、また領域A、領域C、領域Eは曲げ弾性率、軽量性においても良好であり、剛性保持領域として機能を発現した。
(実施例9)
材料1のガラス繊維強化シート4枚、材料2のアルミニウムシート2枚、材料3の炭素繊維強化シート4枚と材料4のポリプロピレンシート1枚を用いて、ガラス繊維強化シート/ガラス繊維強化シート/アルミニウムシート/炭素繊維強化シート(0°)/炭素繊維強化シート(90°)/ポリプロピレンシート/炭素繊維強化シート(90°)/炭素繊維強化シート(0°)/アルミニウムシート/ガラス繊維強化シート/ガラス繊維強化シートの順に積層して被成形物を得た。得られた被成形物について、実施例8と同様に、加熱プレス成形および冷却プレス成形を行った後、盤面を開き、冷却プレス機から、ツール板ごと取り出し、ガラス繊維強化シートおよび炭素繊維強化シートのエポキシ樹脂が硬化され、さらに各層間が十分に密着した、ガラス繊維強化プラスチック/アルミニウムシート/炭素繊維強化プラスチック/ポリプロピレンシート/炭素繊維強化プラスチック/アルミニウムシート/ガラス繊維強化プラスチックを第1〜7層とする予備積層体を得た。
次に、得られた予備積層体を用いて、意匠面側に対して反対側の内装面側において、得られる積層体の領域Bに位置する部分のアルミニウムシート/炭素繊維強化プラスチック/ポリプロピレンシート/炭素繊維強化プラスチック/アルミニウムシート/ガラス繊維強化プラスチックをNC加工機を用いて切削し、領域Bの厚み方向において意匠面に配したガラス繊維強化プラスチックのみを残し、さらに内装面側において、得られる積層体の領域Dに位置する部分のガラス繊維強化プラスチックをNC加工機を用いて切削し、領域Dの厚み方向において内装面側にアルミニウムシートが露出した、図16に示すような積層体を得た。なお、図16の第1層と第7層に配したガラス繊維強化プラスチックは電波透過部材に該当し、第2層と第6層に配したアルミニウムシートは電磁波シールド性を有する熱伝導部材に該当し、第3層と第5層に配した炭素繊維強化プラスチックは電磁波シールド性を有する剛性保持部材に該当し、第4層に配したポリプロピレンシートは低密度部材に該当する。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、オートカッター加工機を用いて、得られた積層体を、図16に示す領域A、領域B、領域C、領域D、領域Eに切断分割し、それぞれの領域に対して特性評価を行った。評価結果を表3に示す。積層体は、面内において電波透過領域、電磁波シールド領域、熱伝導領域を有し、また剛性保持領域の曲げ弾性率が良好であった。
(実施例10)
実施例9で得られた予備積層体を用いて、意匠面側に対して反対側の内装面側において、得られる積層体の領域Bに位置する部分のアルミニウムシート/炭素繊維強化プラスチック/ポリプロピレンシート/炭素繊維強化プラスチック/アルミニウムシート/ガラス繊維強化プラスチックをNC加工機を用いて切削し、領域Bの厚み方向において意匠面側に配したガラス繊維強化プラスチックのみを残し、さらに、内装面側において、得られる積層体の領域Dに位置する部分の炭素繊維強化プラスチック/ポリプロピレンシート/炭素繊維強化プラスチック/アルミニウムシート/ガラス繊維強化プラスチックのをNC加工機を用いて切削し、領域Dの厚み方向において内装面側にアルミニウムシートが露出した、図17に示すような積層体を得た。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、オートカッター加工機を用いて、得られた積層体を、図17に示す領域A、領域B、領域C、領域D、領域Eに切断分割し、それぞれの領域に対して特性評価を行った。評価結果を表3に示す。積層体は、面内において電波透過領域、電磁波シールド領域、熱伝導領域を有し、また領域A、領域C、領域Eは曲げ弾性率も良好であり、剛性保持領域としての機能を発現した。この実施例で得られた積層体は、実施例12で得られた積層体と比較して、熱伝導領域における厚みが薄肉のため、CPUなどの発熱部品を取り付けた際の全体厚みを軽減させることができる。
(比較例1)
実施例1で得られたガラス繊維強化プラスチックを電波透過部材として用いて、図18に示す第1層のみからなる積層体とした。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、得られた積層体について特性評価を行った結果を表4に示す。この積層体は、電波透過領域を有するものの、電磁波シールド性に大きく劣り、また熱伝導領域を有しなかった。さらに、積層体の曲げ弾性率も劣っていた。
(比較例2)
材料2のアルミニウムシート2枚をエポキシ接着剤で貼り合わせ、図18に示す第1層のみからなる積層体を得た。積層体のアルミニウムシートは、電磁波シールド性を有する熱伝導部材に該当する。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、得られた積層体について特性評価を行った結果を表4に示す。積層体は、電磁波シールド領域、熱伝導領域を有するものの、電波透過領域を有しなかった。また、積層体の曲げ弾性率は良好であったが、軽量性に劣った。
(比較例3)
実施例2で得られた炭素繊維強化プラスチックを、電磁波シールド性を有する剛性保持部材として用いて、図18に示す第1層のみからなる積層体とした。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、得られた積層体について特性評価を行った結果を表4に示す。得られた積層体は、電磁波シールド領域を有するものの、電波透過領域、熱伝導領域を有しなかった。また、積層体の曲げ弾性率、軽量性ともに良好であった。
(比較例4)
材料4のポリプロピレンシート2枚をエポキシ接着剤で貼り合わせ、図18に示す1層のみからなる積層体を得た。積層体のポリプロピレンシートは、電波透過性を有する電波透過部材に該当する。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、得られた積層体について特性評価を行った結果を表4に示す。得られた積層体は、電波透過領域を有するものの、電磁波シールド性に大きく劣り、熱伝導領域を有しなかった。また、積層体の軽量性は優れるが、曲げ弾性率に大きく劣った。
(比較例5)
第1層であるアルミニウムシートを、実施例1で得られたガラス繊維強化プラスチックに変更し、第2層であるガラス繊維強化プラスチックを、実施例2で得られた炭素繊維強化プラスチックに変更した以外は、実施例1と同様にして図9(a)に示す構成を有する積層体を得た。なお、ガラス繊維強化プラスチックは、電波透過部材に該当し、炭素繊維強化プラスチックは、電磁波シールド性を有する剛性保持部材に該当する。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、オートカッター加工機を用いて、得られた積層体を図9(b)に示すように、領域A、領域B、領域Cに切断分割し、それぞれの領域に対して特性評価を行った。評価結果を表4に示す。積層体は、面内において熱伝導領域はないものの、電波透過領域、電磁波シールド領域を有し、また領域A、領域Cは曲げ弾性率も良好であり、剛性保持領域としての機能も発揮した。
(比較例6)
材料1のガラス繊維強化シート4枚、材料3の炭素繊維強化シート4枚と材料4のポリプロピレンシート1枚を用いて、ガラス繊維強化シート/ガラス繊維強化シート/炭素繊維強化シート(0°)/炭素繊維強化シート(90°)/ポリプロピレンシート/炭素繊維強化シート(90°)/炭素繊維強化シート(0°)/ガラス繊維強化シート/ガラス繊維強化シートの順に積層した後、実施例8と同様に、加熱プレス成形および冷却プレス成形を行った後、盤面を開き、冷却プレス機から、ツール板ごと取り出し、ガラス繊維強化シートおよび炭素繊維強化シートのエポキシ樹脂が硬化され、さらに各層間が十分に密着した、ガラス繊維強化プラスチック/炭素繊維強化プラスチック/ポリプロピレンシート/炭素繊維強化プラスチック/ガラス繊維強化プラスチックを第1〜5層とする予備積層体を得た。
次に、得られた予備積層体を用いて、意匠面側に対して反対側の内装面側おいて、得られる積層体の領域Bに位置する部分の炭素繊維強化プラスチック/ポリプロピレンシート/炭素繊維強化プラスチック/ガラス繊維強化プラスチックをNC加工機を用いて切削し、領域Bの厚み方向において意匠面に配したガラス繊維強化プラスチックのみを残した、図19に示す構成とした積層体を得た。なお、図19における第1層と第5層に配したガラス繊維強化プラスチックは電波透過部材に該当し、第2層と第4層に配した炭素繊維強化プラスチックは電磁波シールド性を有する剛性保持部材に該当し、第3層に配したポリプロピレンシートは低密度部材に該当する。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、オートカッター加工機を用いて、得られた積層体を、図19に示す領域A、領域B、領域Cに切断分割し、それぞれの領域に対して特性評価を行った。評価結果を表4に示す。得られた積層体は、面内において熱伝導領域はないものの、電波透過領域、電磁波シールド領域を有し、また領域A、領域Cは曲げ弾性率および軽量性においても良好であり、剛性保持領域としての機能を発現した。
(比較例7)
材料1のガラス繊維強化シート4枚と材料4のポリプロピレンシート1枚を用いて、ガラス繊維強化シート/ガラス繊維強化シート/ポリプロピレンシート/ガラス繊維強化シート/ガラス繊維強化シートの順に積層して被成形物を得た。得られた被成形物について、実施例8と同様に、加熱プレス成形および冷却プレス成形を行った後、盤面を開き、冷却プレス機から、ツール板ごと取り出し、ガラス繊維強化シートのエポキシ樹脂が硬化され、さらに各層間が十分に密着した、図20に示すようなガラス繊維強化プラスチック/ポリプロピレンシート/ガラス繊維強化プラスチックを第1〜3層とする積層体を得た。なお、図20における第1層と第3層に配したガラス繊維強化プラスチックは電波透過部材に該当し、第2層に配したポリプロピレンシートは低密度部材に該当する。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、特性評価を行った結果を表4に示す。得られた積層体は、電波透過領域を有するものの、電磁波シールド性に大きく劣った。また、積層体の軽量性は優れるが、曲げ弾性率に劣った。
(比較例8)
材料3の炭素繊維強化シート4枚と材料4のポリプロピレンシート1枚を用いて、炭素繊維強化シート(0°)/炭素繊維強化シート(90°)/ポリプロピレンシート/炭素繊維強化シート(90°)/炭素繊維強化シート(0°)の順に積層して被成形物を得た。得られた被成形物について、実施例8と同様に、加熱プレス成形および冷却プレス成形を行った後、盤面を開き、冷却プレス機から、ツール板ごと取り出し、炭素繊維強化シートのエポキシ樹脂が硬化され、さらに各層間が十分に密着した、図20に示すような、炭素繊維強化プラスチック/ポリプロピレンシート/炭素繊維強化プラスチックを第1〜3層とする積層体を得た。なお、図20における第1層と第3層に配した炭素繊維強化プラスチックは電磁波シールド性を有する剛性保持部材に該当し、第2層に配したポリプロピレンシートは低密度部材に該当する。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、特性評価を行った結果を表4に示す。得られた積層体は、電磁波シールド領域を有するものの、電波透過領域、熱伝導領域を有しなかった。また、積層体の曲げ弾性率、軽量性ともに優れた。
(比較例9)
実施例7で得られた予備積層体をそのまま用いて、図21に示すような積層体とした。なお、図21における第1層と第5層に配したガラス繊維強化プラスチックは電波透過部材に該当し、第2層と第4層に配した炭素繊維強化プラスチックは電磁波シールド性を有する剛性保持部材に該当し、第3層に配したアルミニウムシートは電磁波シールド性を有する熱伝導部材に該当する。
得られた積層体は、意匠面側に接合線が現れることもなく、良外観であった。また、特性評価を行った結果を表4に示す。得られた積層体は、電磁波シールド領域を有するものの、電波透過領域、熱伝導領域を有しなかった。
本発明の積層体および一体化成形体は、自動車内外装、電気・電子機器筐体、自転車、スポーツ用品用構造材、航空機内装材、輸送用箱体などに好適に使用できる。
1 電波透過部材
1a 電波透過部材の凸部
2 熱伝導部材
3 剛性保持部材
4 低密度部材
5 測定試料
6 電界シールド性の測定装置
7 信号発信用アンテナ
8 測定試料厚み
9 信号受信用アンテナ
10 金属管
11 試験片
12 発熱部材
13 アルミニウムテープ
14 断熱板
15a、15b 熱電対

Claims (16)

  1. 電磁波シールド性を有する熱伝導部材と、熱伝導部材の厚み方向に対して電波透過性を有する電波透過部材および/または電磁波シールド性を有する剛性保持部材を積層した積層体であって、積層体の一部に、熱伝導部材が露出した熱伝導領域を有し、熱伝導領域が薄肉部である、積層体。
  2. 積層体の一部に、厚み方向に電波透過部材のみで構成された電波透過領域をさらに有する、請求項1に記載の積層体。
  3. 少なくとも1つの電波透過部材が熱伝導部材および/または剛性保持部材に対して意匠面側に配置された、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 少なくとも1つの電波透過部材が意匠面側の最表面に配置された、請求項3に記載の積層体。
  5. 積層体を構成する各部材が厚み方向に対称積層され、かつ熱伝導部材が厚み中央部に配置された、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 電波透過部材は、KEC法により測定される電界シールド性が周波数1GHz帯において、0dB以上20dB未満の範囲である、請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
  7. 剛性保持部材および熱伝導部材は、KEC法により測定される電界シールド性が周波数1GHz帯において、20dB以上80dB以下の範囲である、請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
  8. 熱伝導部材の熱伝導率が10W/m・K以上3000W/m・K以下の範囲である、請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
  9. 剛性保持部材の曲げ弾性率が、電波透過部材の曲げ弾性率より高い、請求項1〜8のいずれかに記載の積層体。
  10. 剛性保持部材が導電性繊維を含む繊維強化プラスチックで形成された、請求項1〜9のいずれかに記載の積層体。
  11. 導電性繊維には炭素繊維が含まれる、請求項10に記載の積層体。
  12. 炭素繊維が連続した炭素繊維である、請求項11に記載の積層体。
  13. 剛性保持部材を形成する繊維強化プラスチックは、炭素繊維の繊維質量含有率が15質量%以上80質量%以下の範囲である、請求項11または12に記載の積層体。
  14. 電波透過部材が、有機繊維またはセラミックス繊維から選択される少なくとも1種の非導電性繊維を含む繊維強化プラスチックである、請求項1〜13のいずれかに記載の積層体。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の積層体に別の部材を一体化させた、一体化成形品。
  16. 別の部材を射出成形により一体化させた、請求項15に記載の一体化成形品。
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