JPWO2015198731A1 - 保湿カバー、液体吐出ヘッドの保湿装置及び保湿方法 - Google Patents

保湿カバー、液体吐出ヘッドの保湿装置及び保湿方法 Download PDF

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Abstract

一方向に配列された複数のヘッドモジュールから構成される液体吐出ヘッドをヘッドモジュールの交換時においても適切に保湿する保湿カバー、液体吐出ヘッドの保湿装置及び保湿方法を提供する。複数のヘッドモジュールが一方向に配列された液体吐出ヘッドの、液体を吐出する吐出口が配置された吐出面を覆い、吐出面との間に保湿空間を形成するキャップ部であって、蒸気供給口が設けられたキャップ部と、蒸気供給口から保湿空間へ、複数のヘッドモジュールが配列された方向で吐出面に沿って蒸気を供給する蒸気供給手段とを備え、キャップ部は、それぞれ独立して保湿空間を開放可能な複数の区画であって、複数のヘッドモジュールに対応する複数の区画に分割されている保湿カバーによって上記課題を解決する。

Description

本発明は、保湿カバー、液体吐出ヘッドの保湿装置及び保湿方法に関し、特に複数のヘッドモジュールから構成される液体吐出ヘッドを保湿する技術に関する。
液体を吐出するノズルがノズル面に配置された液体吐出ヘッドにおいて、着脱可能な複数のヘッドモジュールを繋ぎ合わせて構成された液体吐出ヘッドが知られている。このような液体吐出ヘッドは、液体吐出に欠陥が生じた任意のヘッドモジュールを交換することができるために、液体吐出ヘッド全体を交換するよりも保守が容易であり、コスト的にも有利である。
また、液体吐出ヘッドは、ノズル面が乾燥するとノズル面の表面状態やノズルのメニスカスの状態に劣化が生じる。このため、液体の吐出を行わない場合にはノズル面をカバー部材で覆い、ノズル面の湿度を所望の範囲に維持することが行われている。
通常、ヘッドモジュールの交換は、ノズル面をカバー部材で覆った保湿位置では実施できないため、ノズル面をカバー部材で覆わない非保湿位置にて実施する。このとき、交換されないヘッドモジュールのノズル面状態を長時間保つことができず、ノズル面の乾燥によるダメージを考慮して交換時間に制約が生じていた。したがって、複数のヘッドモジュールを交換する必要がある場合、交換時間がタイムリミットに間に合わなければ、交換作業を複数回に分けて実施する必要があった。
このような課題に対し、特許文献1には、複数の交換可能なヘッドモジュールが千鳥状に配列された液体吐出ヘッドと、各ヘッドモジュールのノズル面を個々に密閉可能に形成されたカバー部材とを備えたインクジェット記録装置が記載されている。この装置によれば、交換されるヘッドモジュール以外のヘッドモジュールはカバー部材によりノズル面が密閉されているので、時間的な制約を受けずにヘッドモジュールを交換することができる。
特開2004−358874号公報
特許文献1に記載の液体吐出ヘッドは、複数のヘッドモジュールが千鳥状に配列されているために、ヘッドモジュール間に隙間があり、ヘッドモジュール毎にカバー部材を配置することができる。しかしながら、ヘッドモジュールを一方向に配列した液体吐出ヘッドでは、ヘッドモジュール間の隙間がノズルピッチ分のスペースしかなく、ヘッドモジュール毎のカバー部材を配置することは困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、一方向に配列された複数のヘッドモジュールから構成される液体吐出ヘッドをヘッドモジュールの交換時においても適切に保湿する保湿カバー、液体吐出ヘッドの保湿装置及び保湿方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために保湿カバーの一の態様は、複数のヘッドモジュールが一方向に配列された液体吐出ヘッドの、液体を吐出する吐出口が配置された吐出面を覆い、吐出面との間に保湿空間を形成するキャップ部であって、蒸気供給口が設けられたキャップ部と、蒸気供給口から保湿空間へ、複数のヘッドモジュールが配列された方向に吐出面に沿って蒸気を供給する蒸気供給手段とを備え、キャップ部は、それぞれ独立して保湿空間を開放可能な複数の区画であって、複数のヘッドモジュールに対応する複数の区画に分割されている。
本態様によれば、複数のヘッドモジュールのうち交換するヘッドモジュールに対応するキャップ部の区画を保湿空間から開放しておくことで、交換しないヘッドモジュールを保湿空間において保湿しながらヘッドモジュールを交換することができる。このように、ヘッドモジュール交換中に非交換ヘッドモジュールのノズルがインク固着するダメージを低減できるので、複数のヘッドモジュールを交換する場合であっても、一度にまとめて交換を実施することができる。
ここで、保湿空間は液体吐出ヘッドとキャップ部で形成される空間である。保湿空間は、既に湿度が維持されて保湿されている。そして、蒸気供給手段によって蒸気を供給することにより、さらに高い湿度に維持されて保湿される。
蒸気供給口は、キャップ部の一方向の両端に設けられていることが好ましい。蒸気供給口をキャップ部の一方向の両端に設けることで、保湿空間が開放されている状態であっても、いずれか一方の蒸気供給口から蒸気を供給することができる。
蒸気供給口は、キャップ部の一方向に可動式に設けられていてもよい。このように、蒸気供給口が可動式に設けられることで、蒸気が必要な位置に移動させて蒸気を供給することができる。
キャップ部は、保湿空間を密閉するためのシール部材を備えることが好ましい。これにより、保湿空間の湿度を適切に維持することができる。
キャップ部は、吐出面を保湿するための液体が貯留された液体貯留部を備えることが好ましい。これにより、保湿空間の湿度を適切に維持することができる。
上記目的を達成するために、液体吐出ヘッドの保湿装置の一の態様は、複数のヘッドモジュールが一方向に配列された液体吐出ヘッドの、液体を吐出する吐出口が配置された吐出面を覆い、吐出面との間に保湿空間を形成するキャップ部であって、蒸気供給口が設けられたキャップ部と、蒸気供給口から保湿空間へ、複数のヘッドモジュールが配列された方向で吐出面に沿って蒸気を供給する蒸気供給手段とを備え、キャップ部は、それぞれ独立して保湿空間を開放可能な複数の区画であって、複数のヘッドモジュールに対応する複数の区画に分割されている保湿カバーと、キャップ部と吐出面との間に保湿空間を形成した状態において液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換に伴い複数の区画のうち交換されるヘッドモジュールに対応する区画が開放された状態である場合に、複数のヘッドモジュールが配列された方向に沿って交換されるヘッドモジュールに対して相対的に遠い位置のヘッドモジュールから相対的に近い位置のヘッドモジュールまで順に液体を吐出させるダミージェットを行わせることで保湿空間に蒸気の気流を発生させる制御手段とを備えた。
本態様によれば、交換しないヘッドモジュールを保湿空間において保湿しながらヘッドモジュールを交換することができる。
上記目的を達成するために液体吐出ヘッドの保湿装置の一の態様は、複数のヘッドモジュールが一方向に配列された液体吐出ヘッドの、液体を吐出する吐出口が配置された吐出面を覆い、吐出面との間に保湿空間を形成するキャップ部であって、一方向の両端に蒸気供給口が設けられたキャップ部と、蒸気供給口から保湿空間へ、複数のヘッドモジュールが配列された方向で吐出面に沿って蒸気を供給する蒸気供給手段とを備え、キャップ部は、それぞれ独立して保湿空間を開放可能な複数の区画であって、複数のヘッドモジュールに対応する複数の区画に分割されている保湿カバーと、キャップ部と吐出面との間に保湿空間を形成した状態において液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換に伴い複数の区画のうち交換されるヘッドモジュールに対応する区画が開放された状態である場合に、複数のヘッドモジュールが配列された方向に沿って交換されるヘッドモジュールに対して相対的に遠い位置のヘッドモジュールから相対的に近い位置のヘッドモジュールまで順に液体を吐出させるダミージェットを行わせることで保湿空間に蒸気の気流を発生させる制御手段であって、交換されるヘッドモジュールに隣接するヘッドモジュールにダミージェットを行わせる制御手段とを備えた。
本態様によれば、交換されるヘッドモジュールに隣接するヘッドモジュールに液体を吐出させるダミージェットを行わせるので、交換しないヘッドモジュールを保湿空間において保湿しながらヘッドモジュールを交換することができるとともに、交換されるヘッドモジュールに隣接するヘッドモジュールについても適切に保湿することができる。
上記目的を達成するために液体吐出ヘッドの保湿装置の一の態様は、複数のヘッドモジュールが一方向に配列された液体吐出ヘッドの、液体を吐出する吐出口が配置された吐出面を覆い、吐出面との間に保湿空間を形成するキャップ部であって、一方向に可動式の蒸気供給口が設けられたキャップ部と、蒸気供給口から保湿空間へ、複数のヘッドモジュールが配列された方向で吐出面に沿って蒸気を供給する蒸気供給手段とを備え、キャップ部は、それぞれ独立して保湿空間を開放可能な複数の区画であって、複数のヘッドモジュールに対応する複数の区画に分割されている保湿カバーと、キャップ部と吐出面との間に保湿空間を形成した状態において液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換に伴い複数の区画のうち交換されるヘッドモジュールに対応する区画が開放された状態である場合に、複数のヘッドモジュールが配列された方向に沿って交換されるヘッドモジュールに対して相対的に遠い位置のヘッドモジュールから相対的に近い位置のヘッドモジュールまで順に液体を吐出させるダミージェットを行わせることで保湿空間に蒸気の気流を発生させる制御手段と、液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換の際に、交換されないヘッドモジュールの配置を解析する解析手段とを備え、制御手段は、交換される複数のヘッドモジュールの間に位置する第1のヘッドモジュールが閾値以上連続して配置されている場合は第1のヘッドモジュールに対して可動式の蒸気供給口から蒸気を供給せずにダミージェットを行わせ、第1のヘッドモジュールが閾値以上連続して配置されていない場合は第1のヘッドモジュールに対して可動式の蒸気供給口から蒸気を供給し、かつダミージェットを行わせる。
本態様によれば、交換される複数のヘッドモジュールの間に位置する第1のヘッドモジュールが閾値以上連続して配置されていない場合は、可動式の蒸気供給口から第1のヘッドモジュールに対して蒸気を供給させるので、交換しないヘッドモジュールを保湿空間において保湿しながらヘッドモジュールを交換することができるとともに、交換せずに孤立した第1のヘッドモジュールについても適切に保湿することができる。
保湿空間の湿度を計測する湿度計測手段を備え、制御手段は、計測した湿度が閾値を下回った場合にダミージェットを行わせることが好ましい。これにより、無駄なインクを吐出することを防止することができる。
上記目的を達成するために液体吐出ヘッドの保湿方法の一の態様は、複数のヘッドモジュールが一方向に配列され、吐出面に配置された吐出口から液体を吐出する液体吐出ヘッドの吐出面を蒸気供給口が設けられたキャップ部で覆い、吐出面との間に保湿空間を形成するキャッピング工程と、保湿空間に蒸気供給口から蒸気を供給する蒸気供給工程とを備え、キャップ部は、それぞれ独立して保湿空間を開放可能な複数の区画であって、複数のヘッドモジュールに対応する複数の区画に分割されており、さらに、液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換に伴い複数の区画のうち交換されるヘッドモジュールに対応する区画が開放された状態である場合に、複数のヘッドモジュールが配列された方向に沿って交換されるヘッドモジュールに対して相対的に遠い位置のヘッドモジュールから相対的に近い位置のヘッドモジュールまで順に液体を吐出させるダミージェットを行わせることで保湿空間に蒸気の気流を発生させる制御工程を備えた。
本態様によれば、液体吐出ヘッドの複数のヘッドモジュールのうち交換するヘッドモジュールに対応するキャップ部の区画を保湿空間から開放することで、交換しないヘッドモジュールを保湿空間において保湿しながらヘッドモジュールを交換することができる。
上記目的を達成するために液体吐出ヘッドの保湿方法の一の態様は、複数のヘッドモジュールが一方向に配列され、吐出面に配置された吐出口から液体を吐出する液体吐出ヘッドの吐出面を一方向の両端に蒸気供給口が設けられたキャップ部で覆い、吐出面との間に保湿空間を形成するキャッピング工程と、保湿空間に蒸気供給口から蒸気を供給する蒸気供給工程とを備え、キャップ部は、それぞれ独立して保湿空間を開放可能な複数の区画であって、複数のヘッドモジュールに対応する複数の区画に分割されており、さらに、液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換に伴い複数の区画のうち交換されるヘッドモジュールに対応する区画が開放された状態である場合に、複数のヘッドモジュールが配列された方向に沿って交換されるヘッドモジュールに対して相対的に遠い位置のヘッドモジュールから相対的に近い位置のヘッドモジュールまで順に液体を吐出させるダミージェットを行わせ、かつ交換されるヘッドモジュールに隣接するヘッドモジュールに液体を吐出させるダミージェットを行わせることで保湿空間に蒸気の気流を発生させる制御工程を備えた。
本態様によれば、交換されるヘッドモジュールに隣接するヘッドモジュールに液体を吐出させるダミージェットを行わせるので、交換しないヘッドモジュールを保湿空間において保湿しながらヘッドモジュールを交換することができるとともに、交換されるヘッドモジュールに隣接するヘッドモジュールについても適切に保湿することができる。
上記目的を達成するために液体吐出ヘッドの保湿方法の一の態様は、複数のヘッドモジュールが一方向に配列され、吐出面に配置された吐出口から液体を吐出する液体吐出ヘッドの吐出面を一方向に可動式の蒸気供給口が設けられたキャップ部で覆い、吐出面との間に保湿空間を形成するキャッピング工程と、保湿空間に蒸気供給口から蒸気を供給する蒸気供給工程と、液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換の際に、交換されないヘッドモジュールの配置を解析する解析工程とを備え、キャップ部は、それぞれ独立して保湿空間を開放可能な複数の区画であって、複数のヘッドモジュールに対応する複数の区画に分割されており、さらに、液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換に伴い複数の区画のうち交換されるヘッドモジュールに対応する区画が開放された状態である場合に、複数のヘッドモジュールが配列された方向に沿って交換されるヘッドモジュールに対して相対的に遠い位置のヘッドモジュールから相対的に近い位置のヘッドモジュールまで順に液体を吐出させるダミージェットを行わせることで保湿空間に蒸気の気流を発生させる制御工程であって、交換される複数のヘッドモジュールの間に位置する第1のヘッドモジュールが閾値以上連続して配置されている場合は交換される第1のヘッドモジュールに対して可動式の蒸気供給口から蒸気を供給せずにダミージェットを行わせ、第1のヘッドモジュールが閾値以上連続して配置されていない場合は第1のヘッドモジュールに対して可動式の蒸気供給口から蒸気を供給し、かつダミージェットを行わせる制御工程を備えた。
本態様によれば、交換される複数のヘッドモジュールの間に位置する第1のヘッドモジュールが閾値以上連続して配置されていない場合は、可動式の蒸気供給口から第1のヘッドモジュールに対して蒸気を供給させるので、交換しないヘッドモジュールを保湿空間において保湿しながらヘッドモジュールを交換することができるとともに、交換せずに孤立した第1のヘッドモジュールについても適切に保湿することができる。
本発明によれば、複数のヘッドモジュールのうち交換するヘッドモジュールに対応するキャップ部の区画を保湿空間から開放しておくことで、交換しないヘッドモジュールを保湿空間において保湿しながらヘッドモジュールを交換することができる。このように、ヘッドモジュール交換中に非交換ヘッドモジュールのノズルがインク固着するダメージを低減できるので、複数のヘッドモジュールを交換する場合であっても、一度にまとめて交換を実施することができる。
図1は保湿カバーを示す図である。 図2はキャップ部を示す図である。 図3はキャップ部を示す図である。 図4はインクジェットヘッドを示す図である。 図5は保湿カバーとインクジェットヘッドとを示す図である。 図6は保湿カバーとインクジェットヘッドとを示す図である。 図7は保湿装置の構成を示すブロック図である。 図8はダミージェットを示す図である。 図9はダミージェットの有無によるノズル面近傍の湿度を示す図である。 図10は交換ヘッドモジュールの位置に応じたダミージェットを示す図である。 図11はキャップ部の変形例を示す図である。 図12は第2の実施形態に係る保湿カバーを示す図である。 図13は第2の実施形態に係る保湿カバーを示す図である。 図14は保湿位置における制御を示すフローチャートである。 図15は交換ヘッドモジュールの位置に応じた蒸気供給制御を示す図である。 図16はインクジェット記録装置を示す図である。 図17はインクジェット記録装置を示す図である。 図18はインクジェット記録装置を示す図である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
<第1の実施形態>
〔保湿カバーの構成〕
図1(a)は第1の実施形態に係る保湿カバー10の斜視図であり、図1(b)は保湿カバー10の上面図である。保湿カバー10は、主としてキャップ部12と蒸気供給部34−1、34−2(蒸気供給手段の一例)から構成される。
キャップ部12は、kを自然数としたとき、複数のキャップモジュール20−kが一方向に一列に配列されて構成される。図1に示した例では、キャップ部12は、11個のキャップモジュール20−1、20−2、20−3、…及び20−11がX方向(複数のヘッドモジュールが配列された方向の一例)に一列に繋がって配列されている。
キャップ部12のX方向の両端の壁(X方向に直交する面)には、それぞれ蒸気供給口30−1又は30−2(蒸気供給口の一例)が設けられている。蒸気供給口30−1には蒸気流路32−1の一端が、蒸気供給口30−2には蒸気流路32−2の一端が接続されている。蒸気流路32−1及び32−2は可撓性を有する管状の部材であり、それぞれ他端が蒸気供給部34−1又は34−2に接続されている。
蒸気供給部34−1及び34−2は、水等からなる保湿液をヒータで加熱して蒸気を発生させ、発生させた蒸気を加圧して、それぞれ蒸気流路32−1及び32−2を介してキャップ部12の内部に噴射して供給する。なお、蒸気供給部34−1及び34−2としては、水等の液体に超音波振動を与えてミストを発生させる態様や、ベンチュリ効果によりミストを発生させる態様も可能である。
図1(b)に示すように、キャップ部12の各キャップモジュール20−1、20−2、…及び20−11は、それぞれ内部に保湿液貯留部22−1、22−2、…及び22−11(液体貯留部の一例)を備えている。この保湿液貯留部22−1、22−2、…及び22−11には、保湿液が貯留されており、それぞれ保湿液面がキャップ部12の上面に露出している。
なお、蒸気供給部34で蒸気化される液体と保湿液貯留部22−1、22−2、…及び22−11で貯留される保湿液とは、同じ成分の液体であることが好ましい。
キャップ部12の複数のキャップモジュール20−1、20−2、…及び20−11は、それぞれ独立してキャップ部12から取り外すことが可能に構成されている。図2は、キャップ部12からキャップモジュール20−5を取り外した様子を示している。
図3はキャップ部12の斜視図である。同図に示すように、各キャップモジュール20−1、20−2、20−3、…の内側には、シール部材24が設けられている。
〔インクジェットヘッドの構成〕
次に、保湿カバー10により保湿されるインクジェットヘッド100について説明する。図4(a)はインクジェットヘッド100の斜視図であり、図4(b)はインクジェットヘッド100の下面図である。
インクジェットヘッド100(液体吐出ヘッドの一例)は、ノズル面112(吐出面の一例)に配置されたノズル114(吐出口の一例)から記録媒体にインクを吐出して、記録媒体に画像を記録する液体吐出ヘッドである。インクジェットヘッド100は、複数のヘッドモジュール110−kが一列に一方向に繋ぎ合わされて構成されている。本実施形態のインクジェットヘッド100は、図4(a)、図4(b)に示すように、複数のヘッドモジュール110−1、110−2、…及び110−11、第1ヘッド支持部材120、第2ヘッド支持部材122等を備えている。
ヘッドモジュール110−1、110−2、…及び110−11は、それぞれノズル面112を有し、ノズル面112には複数のノズル114がマトリクス状に二次元配置されている。
第1ヘッド支持部材120は、ヘッドモジュール110−1、110−2、…及び110−11を一方向(図4ではX方向)に一列に配列して支持している。第2ヘッド支持部材122は、第1ヘッド支持部材120を移動可能に支持している。
また、各ヘッドモジュール110−1、110−2、…及び110−11は、それぞれ独立してインクジェットヘッド100から取り外すことが可能に構成されており、これにより、吐出不良等のヘッドモジュールを交換することができる。図4(c)は、一例としてヘッドモジュール110−5を取り外した状態のインクジェットヘッド100を示している。
〔保湿カバーにおけるノズル面の保湿〕
次に、保湿カバー10を用いたインクジェットヘッド100の保湿について説明する。図5は保湿カバー10とインクジェットヘッド100とを示す斜視図であり、図6は図5の6−6断面図である。なお、図6の保湿カバー10はキャップ部12のみを示し、蒸気供給部34等の図示は省略している。
インクジェットヘッド100のノズル面112を保湿する際には、まず図5(a)及び図6(a)に示すように、第2ヘッド支持部材122によりインクジェットヘッド100のノズル面112を保湿カバー10のキャップ部12と対向する位置(対向位置)に移動させる。
この対向位置から、図5(b)及び図6(b)に示すように、第2ヘッド支持部材122によりインクジェットヘッド100を下降させ、インクジェットヘッド100のノズル面112をキャップ部12で覆う位置(保湿位置)に移動させる(キャッピング工程の一例)。保湿位置では、ノズル面112がキャップ部12で覆われ、キャップ部12とノズル面112との間で保湿空間HSPが形成される。保湿空間HSPは、シール部材24により密閉され、気密性が保たれている。
このように、保湿空間HSPは、保湿位置においてキャップ部12とインクジェットヘッド100のノズル面112とで形成される空間である。保湿空間HSPは、保湿液貯留部22−1、22−2、…及び22−11に貯留された保湿液により、保湿カバー10の外部の雰囲気の湿度よりも高い湿度に維持される。保湿空間HSPを相対的に高湿度な空間とすることで、ノズル面112を保湿し、乾燥を防止する。
インクジェットヘッド100が保湿位置にある状態で、蒸気供給部34−1及び34−2は、蒸気供給口30−1及び30−2から保湿空間HSPへ蒸気を噴射し、ノズル面112に沿ってX方向に蒸気を供給する(蒸気供給工程の一例)。これにより、保湿空間HSPは湿度勾配が抑制されるとともに相対的に高い湿度に維持され、ノズル面112が適切に保湿される。
ここで、各キャップモジュール20−1、20−2、…及び20−11は、保湿位置においてそれぞれ独立して保湿空間HSPを開放可能な複数の区画であって、インクジェットヘッド100の複数のヘッドモジュール110−1、110−2、…及び110−11に対応して分割された複数の区画を構成している。具体的には、キャップモジュール20−1とヘッドモジュール110−1、キャップモジュール20−2とヘッドモジュール110−2、…、キャップモジュール20−11とヘッドモジュール110−11が対応しており、保湿液貯留部22−1の保湿液面とヘッドモジュール110−1のノズル面、保湿液貯留部22−2の保湿液面とヘッドモジュール110−2のノズル面、…、保湿液貯留部22−11の保湿液面とヘッドモジュール110−1のノズル面とがそれぞれ対向するように配置されている。
図4(c)に示したように、各ヘッドモジュール110−1、110−2、…及び110−11は、それぞれ独立してインクジェットヘッド100から取り外して交換可能に構成されている。また、図3に示したように、キャップモジュール20−1、20−2、…及び20−11は、それぞれ独立してキャップ部12から取り外すことができる。さらに、キャップモジュール20−1、20−2、…及び20−11は、ヘッドモジュール110−1、110−2、…及び110−11にそれぞれ対応して設けられている。したがって、保湿カバー10は、インクジェットヘッド100が保湿位置にある状態(保湿空間HSPを形成した状態)で、ヘッドモジュール110−kを交換することが可能である。
即ち、ユーザは、保湿位置において交換したいヘッドモジュール110−kに対応するキャップモジュール20−kを取り外すことで、保湿空間HSPを開放し、ヘッドモジュール110−kを露出させることができる。この状態でインクジェットヘッド100からヘッドモジュール110−kを取り外すことができる。さらに、ヘッドモジュール110−kを取り外した位置に、新しいヘッドモジュール110−kを装着することで、ヘッドモジュールの交換をすることができる。
図5(c)、図6(c)は、インクジェットヘッド100が保湿位置にある状態において、キャップ部12のキャップモジュール20−5を取り外し、さらにインクジェットヘッド100のヘッドモジュール110−5を取り外した様子を示している。このとき、蒸気供給部34−1、34−2は、蒸気供給口30を介して保湿空間HSPへ蒸気を供給し、保湿空間HSPの湿度を適切に維持させている。
このように、本実施形態に係る保湿カバー10によれば、保湿位置においてヘッドモジュールを交換することができるので、ヘッドモジュールの交換作業中においても交換されないヘッドモジュールのノズル面を適切に保湿することができ、時間の制約を受けずにヘッドモジュールを交換することができる。
本実施形態においては、インクジェットヘッド100を移動させることで対向位置及び保湿位置に状態を遷移させたが、保湿カバー10を移動させて遷移させてもよいし、インクジェットヘッド100と保湿カバー10との両方を移動させて遷移させてもよい。
また、本実施形態においてはインクジェットヘッド100のヘッドモジュール110−kと保湿カバー10のキャップ部12のキャップモジュール20−kとがともに11個であり、ヘッドモジュールとキャップモジュールとが1対1で対応しているが、これに限定されるものではない。
例えば、1つのヘッドモジュールに対して複数のキャップモジュールを対応させてもよい。1つのヘッドモジュール110−kに2つのキャップモジュール20−(2k−1)、20−2kを対応させた場合であれば、ヘッドモジュール110−kを交換する際に、2つのキャップモジュール20−(2k−1)、20−2kを取り外せばよい。また、1つのキャップモジュールに対して複数のヘッドモジュールを対応させる態様も可能である。
〔保湿装置の構成〕
次に、第1の実施形態に係る保湿装置について説明する。本実施形態に係る保湿装置40(液体吐出ヘッドの保湿装置の一例)は、図7に示すように、保湿カバー10、制御部42等を備えている。制御部42は、保湿カバー10の蒸気供給部34における蒸気の供給及びインクジェットヘッド100におけるダミージェットを制御する制御手段である。
〔保湿装置によるダミージェット〕
図5(c)、図6(c)に示す状態では、保湿空間HSPは、キャップモジュール20−5が取り外された位置において外部の空間に開放されている。ここでは、キャップモジュール20−kが取り外されて外部の空間と開放されている位置を開放位置OPPと呼ぶ。
保湿装置40は、蒸気供給部34−1及び34−2により保湿空間HSPに蒸気を供給するとともに、インクジェットヘッド100におけるダミージェットを制御することで、保湿空間HSP内に気流を発生させ、蒸気供給口30−1及び30−2から供給した蒸気をノズル面112に沿って開放位置OPPの方向に移動させる(液体吐出ヘッドの保湿方法の一例)。ここで、本実施形態におけるダミージェットとは、ヘッドモジュール110−1、110−2、…及び110−11が配列されたX方向に沿って(複数のヘッドモジュールが配列された方向に沿っての一例)各ヘッドモジュール110−1、110−2、…及び110−11に対して定められた順に液体を吐出させることをいう。
図8は、本実施形態に係るダミージェットを説明するための図であり、保湿位置にあるインクジェットヘッド100とキャップ部12とを示している。ここでは、ヘッドモジュール110−5を交換するためにキャップモジュール20−5が取り外され、キャップモジュール20−4の図中右側に開放位置OPPが形成されているものとする。即ち、インクジェットヘッド100のヘッドモジュール110の交換に伴いキャップ部12の複数の区画(キャップモジュール20−1、20−2、…及び20−11)のうち交換されるヘッドモジュール110−5に対応する区画(キャップモジュール20−5)が取り外されて開放された状態である。
最初に、制御部42(図8では不図示、図7参照)は、交換するヘッドモジュール110−5のインク供給路のバルブを閉塞し、ヘッドモジュール110−5へのインク供給を停止する。また、制御部42は、蒸気供給部34により蒸気供給口30−1から蒸気を供給させる。さらに、制御部42は、蒸気供給口30−1と交換されるヘッドモジュール110−5との間(蒸気供給口30−1と開放位置OPPとの間)に存在するヘッドモジュール110−1、ヘッドモジュール110−2、ヘッドモジュール110−3、ヘッドモジュール110−4のうち、交換されるヘッドモジュール110−5から相対的に最も遠いヘッドモジュール110−1において、ダミージェットを行う。ここでは、ヘッドモジュール110−1の複数のノズル114のうち、ヘッドモジュール110−5に相対的に遠いノズル114から相対的に近いノズル114の順に数10[kHz]以下(例えば20[kHz])で1滴ずつダミージェットを行う(図8(a))。これにより、ヘッドモジュール110−1からヘッドモジュール110−2の方向へ気流が発生し、蒸気供給口30−1から供給された蒸気は、ノズル面112に沿ってヘッドモジュール110−2の方向へ移動する。なお、ノズル114から吐出されたインクは、キャップモジュール20−1の保湿液貯留部22−1の保湿液面に着滴する。
制御部42は、ヘッドモジュール110−1においてダミージェットを行わせると、蒸気供給口30−1と交換されるヘッドモジュール110−5との間に存在するヘッドモジュール110−1、ヘッドモジュール110−2、ヘッドモジュール110−3及びヘッドモジュール110−4のうち、交換されるヘッドモジュール110−5からヘッドモジュール110−1の次に相対的に遠い(2番目に遠い)ヘッドモジュール110−2において、引き続きダミージェットを行わせる。このとき、ヘッドモジュール110−1の場合と同様に、ヘッドモジュール110−2の複数のノズル114のうち、ヘッドモジュール110−5に相対的に遠いノズル114から相対的に近いノズル114の順に数10[kHz]以下で1滴ずつダミージェットを行わせる(図8(b))。これにより、ヘッドモジュール110−2からヘッドモジュール110−3の方向へ気流が発生し、ヘッドモジュール110−1の方向から移動してきた蒸気は、ノズル面112に沿ってヘッドモジュール110−3の方向へ移動する。また、ノズル114から吐出されたインクは、キャップモジュール20−2の保湿液貯留部22−2の保湿液面に着滴する。
制御部42は、ヘッドモジュール110−2においてダミージェットを行わせると、同様に交換されるヘッドモジュール110−5からヘッドモジュール110−2の次に相対的に遠い(3番目に遠い)ヘッドモジュール110−3において、ヘッドモジュール110−5に相対的に遠いノズル114から相対的に近いノズル114の順に数10[kHz]以下で1滴ずつダミージェットを行わせる(図8(c))。これにより、ヘッドモジュール110−2の方向から移動してきた蒸気は、ノズル面112に沿ってヘッドモジュール110−4の方向へ移動する。
さらに、制御部42は、ヘッドモジュール110−3においてダミージェットを行わせると、交換されるヘッドモジュール110−5からヘッドモジュール110−3の次に相対的に遠い(4番目に遠い)ヘッドモジュール110−4において、複数のノズル114からダミージェットを行わせる。このとき、ヘッドモジュール110−4の複数のノズル114のうち、ヘッドモジュール110−5に相対的に遠いノズル114から相対的に近いノズル114の順に数10[kHz]以下で1滴ずつダミージェットを行わせる(図8(d))。これにより、ヘッドモジュール110−3の方向から移動してきた蒸気は、ノズル面112に沿ってヘッドモジュール110−5の方向へ移動する。
ここで、開放位置OPPから外部にインクが飛散してヘッドモジュール110−5の交換作業に影響を与えないようにするため、ヘッドモジュール110−4の複数のノズル114のうちヘッドモジュール110−5に隣接する(開放位置OPPに隣接する)いくつかのノズル114においてはダミージェットを行わないようにする。なお、交換作業中に一旦キャップモジュール20−5を装着し、ヘッドモジュール110−4の全てのノズルからダミージェットを行う態様も可能である。
制御部42は、ヘッドモジュール110−4においてダミージェットを行わせると、再びヘッドモジュール110−1においてダミージェットを行わせ、以下同様にヘッドモジュール110−1、110−2、110−3、110−4の順にダミージェットを繰り返す。このようにダミージェットを行うことで、蒸気供給口30−1から供給された蒸気をヘッドモジュール110−1、110−2、…及び110−4のノズル面112に沿ってX方向に供給することができる。
また、図8では図示していないが、制御部42は、蒸気供給口30−2から蒸気を供給させるとともに、蒸気供給口30−2と交換されるヘッドモジュール110−5との間に存在するヘッドモジュール110−11、110−10、…及び110−6のうち、交換されるヘッドモジュール110−5から相対的に遠い順に複数のノズル114からダミージェットをさせ、保湿空間HSPに気流を発生させる。なお、ヘッドモジュール110−6におけるダミージェットについては、ヘッドモジュール110−4と同様に、ヘッドモジュール110−5に隣接するいくつかのノズル114においてはダミージェットを行わないようにする。
この制御を繰り返し行うことで、蒸気供給口30−2から供給された蒸気をヘッドモジュール110−11、110−10、…及び110−6のノズル面112に沿ってX方向に供給することができる。
ヘッドモジュール110−5の交換が終了し、キャップモジュール20−5が装着されると、保湿空間HSPが密閉される。制御部42は、この状態でダミージェットを停止させる。また、インク供給路のバルブを開放することで、ヘッドモジュール110−5に対するインクの初期充填を開始する。
このように、ダミージェットは、蒸気供給口30−1、30−2から蒸気を供給するとともに交換されるヘッドモジュール(開放位置OPP)に相対的に遠いヘッドモジュールから相対的に近いヘッドモジュールまで順にダミージェットを行わせ、保湿空間HSPに開放位置OPPに向かう気流を発生させる(制御工程の一例)。これにより、蒸気供給口30−1及び30−2付近の相対的に湿度の高い空気を相対的に湿度の低い開放位置OPPの方向へ移動させることができる。また、ダミージェットにより加湿することができるので、より高湿空気の流れを開放位置OPPの方向へ移動させることができる。この制御を繰り返し行うことで、蒸気供給口から供給された蒸気をヘッドモジュールのノズル面に沿って供給することができる。
特に、交換されるヘッドモジュールに隣接するヘッドモジュール(開放位置OPPに隣接するヘッドモジュール)は、開放位置OPPから蒸気が外部に流出することでノズル近傍の湿度が低下する。ダミージェットによれば、保湿空間HSPが解放されて開放位置OPPから蒸気が外部に流出する場合であっても、ノズル面を適切に保湿することができる。
本実施形態では、各ヘッドモジュールにおいて交換されるヘッドモジュールに相対的に遠いノズルから相対的に近いノズルの順にダミージェットを行ったが、いくつかのノズルからまとめてダミージェットを行ってもよいし、ヘッドモジュールの全てのノズルから一斉にダミージェットを行ってもよい。
また、ダミージェット中における蒸気供給部34−1及び34−2による蒸気の供給は、蒸気を供給し続けてもよいし、蒸気供給口30−1及び30−2に隣接するヘッドモジュール(ここではヘッドモジュール110−1及び110−11)からダミージェットを行う直前に蒸気を供給してもよい。また、蒸気を供給してから予め定めた時間が経過後にダミージェットを開始してもよい。
図9は、保湿位置においてヘッドモジュール110−5を交換する際の保湿空間HSPのX方向位置とノズル面112近傍の湿度との関係を、蒸気供給を行わなかった場合、蒸気供給のみを行った場合、及び蒸気供給及びダミージェットを行った場合について示している。
同図に示すように、蒸気供給を行わなかった場合は、蒸気供給を行った場合と比較してノズル面112近傍の湿度が低下しており、交換されるヘッドモジュール110−5に隣接するヘッドモジュール110−4のノズル面112については湿度がさらに低下している。また、蒸気供給のみを行った場合(ダミージェット無の場合)は、蒸気供給を行わなかった場合と比較して湿度が高く維持されており、保湿カバー10によればノズル面112を適切に保湿することができることがわかる。しかし、ヘッドモジュール110−4のノズル面112は蒸気が十分に行き渡らず、交換されるヘッドモジュール110−5に隣接する領域においてノズル面近傍の湿度が低下している。
これに対し、ダミージェットを行った場合(ダミージェット有の場合)は、ヘッドモジュール110−4のノズル面112は、交換されるヘッドモジュール110−5に隣接する領域であってもノズル面近傍の湿度は低下していない。このように、ダミージェットにより、ノズル面112を適切に保湿することができることがわかる。
なお、保湿空間HSPの湿度を測定する湿度センサ(保湿空間の湿度を計測する湿度計測手段の一例)を設け、保湿空間HSPの湿度が閾値より低下した場合(閾値を下回った場合の一例)にダミージェットを行う態様も可能である。これにより、必要な場合のみダミージェットを行うことができるので、無駄なインクを吐出することを防止することができる。
〔交換ヘッドモジュールの位置に応じたダミージェット〕
次に、交換されるヘッドモジュール(交換ヘッドモジュール)110−kの位置に応じたダミージェットについて説明する。ここでは、交換ヘッドモジュール110−kに対応するキャップモジュール20−kが取り外され、キャップモジュール20−kの位置に開放位置OPPが形成されているものとする。
図10(a)は、ヘッドモジュール110−4が交換される場合のインクジェットヘッド100をノズル面112側から見た図である。この場合は、蒸気供給口30−1(図10(a)では不図示、図6参照)から供給される蒸気について、蒸気供給口30−1と交換ヘッドモジュール110−4との間に存在するヘッドモジュール110−1、110−2及び110−3のうち、交換ヘッドモジュール110−4に相対的に遠いヘッドモジュール110−1から相対的に近いヘッドモジュール110−3まで、順にダミージェットを行う。また、蒸気供給口30−2(図10(a)では不図示、図6参照)から供給される蒸気について、蒸気供給口30−2と交換ヘッドモジュール110−4との間に存在するヘッドモジュール110−11、110−10、…及び110−5のうち、交換ヘッドモジュール110−4に相対的に遠いヘッドモジュール110−11から相対的に近いヘッドモジュール110−5まで、順にダミージェットを行う。なお、前述のように、交換ヘッドモジュール110−4(開放位置OPP)に隣接するノズル114からはダミージェットを行わない。
このようにダミージェットを行うことで、保湿空間HSP内に気流を発生させ、蒸気供給口30−1から供給される蒸気をヘッドモジュール110−3まで移動させ、かつ蒸気供給口30−2から供給される蒸気をヘッドモジュール110−5まで移動させることができるので、交換ヘッドモジュール110−4に隣接する(開放位置OPPに隣接する)ヘッドモジュール110−3、110−5のノズル面についても適切に保湿することができる。
図10(b)は、ヘッドモジュール110−4及び110−6が同時に交換される場合のインクジェットヘッド100をノズル面112側から見た図である。この場合は、蒸気供給口30−1(図10(b)では不図示、図6参照)から供給される蒸気について、蒸気供給口30−1と交換ヘッドモジュール110−4との間に存在するヘッドモジュール110−1、110−2及び110−3のうち、交換ヘッドモジュール110−4に相対的に遠いヘッドモジュール110−1から相対的に近いヘッドモジュール110−3まで、順にダミージェットを行う。
同様に、蒸気供給口30−2(図10(b)では不図示、図6参照)から供給される蒸気について、蒸気供給口30−2と交換ヘッドモジュール110−6との間に存在するヘッドモジュール110−11、110−10、…及び110−7のうち、交換ヘッドモジュール110−6に相対的に遠いヘッドモジュール110−11から相対的に近いヘッドモジュール110−7まで、順にダミージェットを行う。
これにより、交換ヘッドモジュール110−4及び110−6に隣接するヘッドモジュール110−3及び110−7のノズル面についても適切に保湿することができる。
このようにダミージェットを行うことで、保湿空間HSP内に気流を発生させることができる。なお、蒸気供給口30−1、30−2のいずれから供給される蒸気についても、2つの交換ヘッドモジュールの間(開放位置OPPの間)に存在するヘッドモジュール110−5には供給できない。したがって、ヘッドモジュール110−5は、X方向の中央付近のノズル114から交換ヘッドモジュール110−4付近のノズル114まで、及びX方向の中央付近のノズル114から交換ヘッドモジュール110−6の付近のノズル114まで、順にダミージェットを行う。
このように、交換ヘッドモジュールに隣接するヘッドモジュールにおいてダミージェットを行う(制御工程の一例)ことで、複数の交換ヘッドモジュールの間に位置するヘッドモジュール(交換ヘッドモジュールに隣接するヘッドモジュール)のノズル面についても適切に保湿することができる。
図10(c)は、ヘッドモジュール110−4及び110−7が同時に交換される場合のインクジェットヘッド100をノズル面112側から見た図である。この場合は、蒸気供給口30−1(図10(c)では不図示、図6参照)から供給される蒸気について、蒸気供給口30−1と交換ヘッドモジュール110−4との間に存在するヘッドモジュール110−1、110−2及び110−3のうち、交換ヘッドモジュール110−4に相対的に遠いヘッドモジュール110−1から相対的に近いヘッドモジュール110−3まで、順にダミージェットを行う。
同様に、蒸気供給口30−2(図10(c)では不図示、図6参照)から供給される蒸気について、蒸気供給口30−2と交換ヘッドモジュール110−7との間に存在するヘッドモジュール110−11、110−10、…及び110−8のうち、交換ヘッドモジュール110−7に相対的に遠いヘッドモジュール110−11から相対的に近いヘッドモジュール110−8まで、順にダミージェットを行う。
このようにダミージェットを行うことで、交換ヘッドモジュール110−4に隣接するヘッドモジュール110−3のノズル面、及び交換ヘッドモジュール110−7に隣接するヘッドモジュール110−8のノズル面についても適切に保湿することができる。
また、蒸気供給口30−1、30−2のいずれから供給される蒸気についても、2つの交換ヘッドモジュールの間(開放位置OPPの間)に存在するヘッドモジュール110−5及び110−6には供給できない。ここでは、ヘッドモジュール110−5は、交換ヘッドモジュール110−4に相対的に遠いノズルから相対的に近いノズルまで、順にダミージェットを行う。また、ヘッドモジュール110−6は、交換ヘッドモジュール110−7に相対的に遠いノズルから相対的に近いノズルまで、順にダミージェットを行う。
このように、交換ヘッドモジュールに隣接するヘッドモジュールにおいてダミージェットを行うことで、複数の交換ヘッドモジュールの間に位置するヘッドモジュール(交換ヘッドモジュールに隣接するヘッドモジュール)のノズル面についても適切に保湿することができる。
図10(d)は、ヘッドモジュール110−1が交換される場合のインクジェットヘッド100をノズル面112側から見た図である。この場合は、蒸気供給口30−2(図10(d)では不図示、図6参照)から供給される蒸気について、交換ヘッドモジュール110−1に対して相対的に遠いヘッドモジュール110−11から相対的に近いヘッドモジュール110−2まで、順にダミージェットを行う。このようにダミージェットを行うことで、交換ヘッドモジュール110−1に隣接するヘッドモジュール110−2のノズル面についても適切に保湿することができる。
本実施形態のキャップ部12は、蒸気供給口30−1及び30−2をキャップ部12のX方向の両端の壁に設けたが、蒸気供給口はキャップ部12の下面に設けてもよい。図11(a)は、蒸気供給口30−3及び30−4を下面に設けたキャップ部12とインクジェットヘッド100とが保湿位置にある状態を示した図であり、図11(b)はキャップモジュール20−5を取り外して開放位置OPPが形成された状態を示した図である。
キャップ部12は、X方向の両端の側壁14−1及び14−2と両端のキャップモジュール20−1及び20−11との間であって、キャップ部12の下面に蒸気供給口30−3及び30−4を備えている。この蒸気供給口30−3及び30−4から上方(Z方向)に向けて供給された蒸気が保湿空間HSPにおいてノズル面112に沿ってX方向に供給されるように、側壁14−1及び14−2の内側には斜面16が設けられている。蒸気供給口30−3、30−4から上方に向けて供給された蒸気は、斜面16に当たることで斜面16に沿って向きを変え、ノズル面112に沿ってX方向に供給される。
このように、蒸気供給口をキャップ部の下面に設けた場合であっても、保湿空間HSPを適切に保湿することができる。
<第2の実施形態>
〔保湿カバーの構成〕
第2の実施形態に係る保湿装置40について説明する。第2の実施形態に係る保湿装置40と第1の実施形態に係る保湿装置40とは、保湿カバーの構成が異なる。図12は第2の実施形態に係る保湿カバー50の斜視図である。保湿カバー50は、主としてキャップ部52と蒸気供給部74−1、74−2及び74−3から構成される。
キャップ部52は、11個のキャップモジュール60−1、60−2、60−3、…及び60−11がX方向に一列に繋がって配列されている。各キャップモジュール60−1、60−2、…及び60−11は、それぞれ内部に保湿液が貯留された保湿液貯留部62−1、62−2、…及び62−11を備えている。
また、キャップ部52のX方向の両端の壁(X方向に直交する面)には、それぞれ蒸気供給口70−1及び70−2が設けられており、それぞれ蒸気流路72−1又は72−2を介して蒸気供給部74−1又は74−2に接続されている。
さらに、キャップ部52はY方向の一端の壁(Y方向に直交する面)に背面板54を備え、背面板54に蒸気供給口70−3が設けられている。蒸気供給口70−3には可撓性を有する管状の蒸気流路72−3の一端が接続されており、蒸気流路72−3の他端は蒸気供給部74−3に接続されている。なお、蒸気供給部74−1、74−2及び74−3の構成は、蒸気供給部34−1又は34−2と同様である。
蒸気供給口70−3は、X方向に延びる長穴状に形成されており、開口部にシリコンゴム等の弾性部材76が配置されている。弾性部材76は、蒸気流路72−3の端部が接続された位置において変形して蒸気流路72−3とキャップ部52とを連通し、それ以外の位置に置いて蒸気供給口70−3を塞いでいる。蒸気流路72−3の端部は、蒸気供給口70−3をX方向に移動可能(可動式の一例)に構成されている。
キャップ部52によってインクジェットヘッド100のノズル面112を保湿する際には、インクジェットヘッド100のノズル面112と保湿カバー50のキャップ部52とが対向する対向位置から、インクジェットヘッド100を下降させ、インクジェットヘッド100のノズル面112をキャップ部52で覆う保湿位置に移動させる。
図13(a)は、キャップ部52とインクジェットヘッド100とが保湿位置にある状態をX方向から見た図であり、ここではヘッドモジュール110−5及びキャップモジュール60−5を透視している。保湿カバー50は、保湿位置においてキャップ部52とインクジェットヘッド100の第1ヘッド支持部材120とで保湿空間HSPを形成する。保湿空間HSPは、保湿液貯留部62−1、62−2、…及び62−11(図13では不図示、図12参照)に貯留された保湿液により、保湿カバー50の外部の雰囲気の湿度よりも高い湿度に維持される。
また、図13(b)は、図13(a)に示した保湿位置においてキャップモジュール60−5を取り外し、キャップモジュール60−5の位置において開放位置OPPを形成した様子を示している。保湿カバー50はこの状態において、インクジェットヘッド100のヘッドモジュール110−5を取り外し、交換することが可能である。このとき、蒸気流路72−3の一端を蒸気供給口70−3のキャップモジュール60−5に対応する位置に移動させることで、交換されるヘッドモジュール110−5の位置(開放位置OPP)に蒸気を供給することができる。これにより、交換されるヘッドモジュール110−5やヘッドモジュール110−5に隣接するヘッドモジュール110−4及び110−6のノズル面を、蒸気供給口70−3から供給する蒸気により保湿することができる。蒸気供給口70−3と連通する蒸気流路を複数用意し、交換ヘッドモジュールに隣接するヘッドモジュール(交換されるヘッドモジュールがヘッドモジュール110−5であれば、ヘッドモジュール110−4及び110−6)に対応する位置にそれぞれの蒸気流路の端部を移動させてもよい。
〔保湿カバーの構成〕
次に、保湿装置40のダミージェット及び蒸気供給制御について、図14を用いて説明する。
まず、制御部42は、複数のヘッドモジュール110−1、110−2、…及び110−11のうち交換するヘッドモジュール110−kの情報を取得する(ステップS1)。この情報は、入力部(不図示)からユーザが入力すればよい。なお、交換ヘッドモジュールは複数あってもよい。
次に、制御部42(解析手段の一例)は、nを2以上の整数としたとき、交換されないヘッドモジュール(非交換ヘッドモジュール)の配置を解析し、複数の交換ヘッドモジュールの間に位置する非交換ヘッドモジュール(蒸気供給口70−1及び70−2から孤立した非交換ヘッドモジュール、第1のヘッドモジュールの一例)がn個以上(閾値以上の一例)連なっているか否かを判定する(ステップS2、解析工程の一例)。孤立した非交換ヘッドモジュールがn個以上連なっている場合(閾値以上連続して配置されている場合の一例)はステップS3に移行し、孤立した非交換ヘッドモジュールがn個以上連なっていない場合(閾値以上連続して配置されていない場合の一例)はステップS4に移行する。
図15(a)は、ヘッドモジュール110−4及び110−8が交換される場合のインクジェットヘッド100のノズル面112を示している。同図に示す例では、交換ヘッドモジュール110−4及び110−8の間に位置する非交換ヘッドモジュールはヘッドモジュール110−5、110−6及び110−7であり、孤立した非交換ヘッドモジュールが3個連なっている。
また、図15(b)は、ヘッドモジュール110−4及び110−7が交換される場合のインクジェットヘッド100のノズル面112を示している。同図に示す例では、交換ヘッドモジュール110−4及び110−7の間に位置する非交換ヘッドモジュールはヘッドモジュール110−5及び110−6であり、孤立した非交換ヘッドモジュールが2個連なっている。
例えば、ステップS2においてn=3とすると、図15(a)に示した例では孤立した非交換ヘッドモジュールが3個以上連なっているため、ステップS3に移行する。一方、図15(b)に示した例では孤立した非交換ヘッドモジュールが3個以上連なっていないため、ステップS4に移行する。
孤立した非交換ヘッドモジュールがn個以上連なっている場合は、制御部42は、蒸気供給部74−1及び74−2から蒸気の供給を行い、第1の実施形態と同様のダミージェットを行う(ステップS3)。このとき、蒸気供給部74−3からの蒸気の供給は行わない。
また、孤立した非交換ヘッドモジュールがn個以上連なっていない場合は、制御部42は、蒸気供給部74−1及び74−2から蒸気の供給を行い、第1の実施形態と同様のダミージェットを行うとともに、孤立した非交換ヘッドモジュールに対応する位置に蒸気流路72−3の端部を移動させ、孤立した非交換ヘッドモジュールに対して蒸気供給部74−3から蒸気の供給を行う(ステップS4、制御工程の一例)。
孤立した非交換ヘッドモジュールがn個以上連なっている場合は、ダミージェットにより保湿空間HSPに気流を適切に発生させることができるので、蒸気供給部74−3によって蒸気の供給を行わなくても、ノズル面112を適切に保湿することができる。
一方、孤立した非交換ヘッドモジュールがn個以上連なっていない場合は、ダミージェットを行っても保湿空間HSPに気流を適切に発生させることができない可能性がある。したがって、これまでのダミージェットとともに、孤立した非交換ヘッドモジュールに対して蒸気供給部74−3による蒸気の供給を行う。
制御部42は、このように保湿装置40を制御することで、インクジェットヘッド100のノズル面112を適切に保湿することができる。
〔インクジェット記録装置の概要〕
図16は、保湿装置40を適用したインクジェット記録装置200を示す側面図である。インクジェット記録装置200は、搬送部210によりY方向に搬送される用紙1の記録面に、第1ヘッド支持部材120、第2ヘッド支持部材122により保持されたインクジェットヘッド100のノズル面112からインクを吐出して画像を形成するプリンタである。
図17は、インクジェット記録装置200の平面図である。インクジェット記録装置200は、搬送部210による用紙1の搬送方向(Y方向)に直交する方向(X方向)に、保湿装置40の保湿カバー10を備えている。
インクジェットヘッド100は、第1ヘッド支持部材120、第2ヘッド支持部材122により保持され、移動機構(不図示)によりX方向に移動可能に構成されている。装置を長時間停止する場合などは、インクジェットヘッド100は、用紙1に画像を記録する位置(画像記録位置)から保湿カバー10の位置(保湿位置)に移動される。保湿位置では、ノズル面112(図17では不図示、図4参照)が保湿カバー10のキャップ部12で覆われ、ノズル面112とキャップ部12とで保湿空間HSP(図17では不図示、図6参照)を形成する。この状態において、蒸気供給部34−1及び34−2から蒸気がノズル面112に沿ってX方向に供給される。これにより、ノズル面112を保湿し、ノズル面112の乾燥による不吐出が防止される。
インクジェット記録装置200には、保湿カバー50を備えた保湿装置を適用することも可能である。
〔インクジェット記録装置のその他の態様〕
図18は、インクジェット記録装置220を示す平面図である。インクジェット記録装置220は、インクジェット記録装置200と同様に、第1ヘッド支持部材120及び第2ヘッド支持部材122により保持されたインクジェットヘッド100と搬送部210とが対向する位置である画像記録位置において、搬送部210によりY方向に搬送される用紙1(図18では不図示)の記録面に、インクジェットヘッド100のノズル面112からインクを吐出して画像を形成するプリンタである。
インクジェット記録装置220は、搬送部210による用紙1の搬送方向(Y方向)に直交する方向(X方向)に、保湿装置230を備えている。保湿装置230は、インクジェットヘッド100のノズル面112(図18では不図示)を覆うキャップ部(不図示)を備えている。インクジェット記録装置220は、装置の電源オフ時や記録待機時など、装置を長時間停止させる場合には、インクジェットヘッド100を保湿装置230の位置(保湿位置)に移動させ、保湿装置230のキャップ部によってノズル面112を覆う。保湿装置230のキャップ部には保湿液が貯留されており、保湿位置ではノズル面112が保湿される。
なお、保湿装置230のキャップ部は、インクジェットヘッド100のヘッドモジュール110−1、110−2、…及び110−11に対応して分割された複数の区画は設けられておらず、インクジェットヘッド100のノズル面112全体を保湿する。
次に、インクジェット記録装置220においてインクジェットヘッド100のヘッドモジュール110−kを交換する場合について説明する。ここで、kは自然数である。
ヘッドモジュール110−kを交換する場合、まずユーザがインクジェット記録装置220をヘッド交換モードに設定する。このとき、ユーザは複数のヘッドモジュール110−1、110−2、…及び110−11のうち交換するヘッドモジュール(ここではヘッドモジュール110−k)を指定する。交換するヘッドモジュールは複数あってもよい。インクジェット記録装置220は、指定されたヘッドモジュール110−kのインク供給路のバルブを閉塞し、ヘッドモジュール110−kへのインク供給を停止する。
さらに、インクジェット記録装置220は、移動機構(不図示)によりインクジェットヘッド100を画像記録位置又は保湿位置からヘッドモジュール交換位置へ移動させる。図18は、インクジェットヘッド100がヘッドモジュール交換位置に移動して停止した状態を示している。
ユーザは、ヘッドモジュール交換位置にあるインクジェットヘッド100に保湿カバー10を装着し、ノズル面112を保湿する。具体的には、インクジェットヘッド100の交換するヘッドモジュール110−k以外の交換対象でないヘッドモジュールに、ヘッドモジュール110−kに対応するキャップモジュール20−k以外のキャップモジュールを装着する。例えば、交換するヘッドモジュールが110−5であれば、ヘッドモジュール110−1、…、110−4、110−6、…及び110−11に、キャップモジュール20−1、…、20−4、20−6、…及び20−11を装着する。この状態で、ユーザはヘッドモジュール110−kを交換する。
この間、インクジェット記録装置220は保湿カバー10を制御し、蒸気供給部34−1及び34−2により保湿空間HSPへ蒸気を噴射させ、さらに交換対象でないヘッドモジュールについて、ダミージェットを行わせる。これにより、ヘッドモジュール110−kの交換作業中であっても、交換対象でないヘッドモジュールのノズル面112を保湿することができる。
ユーザは、ヘッドモジュール110−kの交換が終了した後、インクジェット記録装置220のヘッド交換モードを解除する。インクジェット記録装置220は、移動機構(不図示)によりインクジェットヘッド100を画像記録位置又は保湿位置に移動させる。このとき、交換したヘッドモジュール110−kのインク供給路のバルブを開放し、ヘッドモジュール110−kに対するインクの初期充填を開始する。
このように、保湿カバー10は、ヘッドモジュールの交換時のみ使用する態様も可能である。
本発明の技術的範囲は、上記実施形態に記載の範囲には限定されない。各実施形態における構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態間で適宜組み合せることができる。
10,50…保湿カバー、12,52…キャップ部、20−k,60−k…キャップモジュール、30−1,30−2,70−3…蒸気供給口、22−k…保湿液貯留部、24…シール部材、32−1,32−2,72−3…蒸気流路、34−1,34−2,74−3…蒸気供給部、40,230…保湿装置、42…制御部、100…インクジェットヘッド、110−k…ヘッドモジュール、112…ノズル面、114…ノズル、120…第1ヘッド支持部材、122…第2ヘッド支持部材、200…インクジェット記録装置、HSP…保湿空間、OPP…開放位置

Claims (12)

  1. 複数のヘッドモジュールが一方向に配列された液体吐出ヘッドの、液体を吐出する吐出口が配置された吐出面を覆い、該吐出面との間に保湿空間を形成するキャップ部であって、蒸気供給口が設けられたキャップ部と、
    前記蒸気供給口から前記保湿空間へ、前記複数のヘッドモジュールが配列された方向に前記吐出面に沿って蒸気を供給する蒸気供給手段と、
    を備え、
    前記キャップ部は、それぞれ独立して前記保湿空間を開放可能な複数の区画であって、前記複数のヘッドモジュールに対応する複数の区画に分割されている保湿カバー。
  2. 前記蒸気供給口は、前記キャップ部の前記一方向の両端に設けられている請求項1に記載の保湿カバー。
  3. 前記蒸気供給口は、前記キャップ部の前記一方向に可動式に設けられている請求項1又は2に記載の保湿カバー。
  4. 前記キャップ部は、前記保湿空間を密閉するためのシール部材を備えた請求項1から3のいずれか1項に記載の保湿カバー。
  5. 前記キャップ部は、前記吐出面を保湿するための液体が貯留された液体貯留部を備えた請求項1から4のいずれか1項に記載の保湿カバー。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の保湿カバーと、
    前記キャップ部と前記吐出面との間に保湿空間を形成した状態において前記液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換に伴い前記複数の区画のうち前記交換されるヘッドモジュールに対応する区画が開放された状態である場合に、前記複数のヘッドモジュールが配列された方向に沿って前記交換されるヘッドモジュールに対して相対的に遠い位置のヘッドモジュールから相対的に近い位置のヘッドモジュールまで順に液体を吐出させるダミージェットを行わせることで前記保湿空間に蒸気の気流を発生させる制御手段と、
    を備えた液体吐出ヘッドの保湿装置。
  7. 請求項2に記載の保湿カバーと、
    前記キャップ部と前記吐出面との間に保湿空間を形成した状態において前記液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換に伴い前記複数の区画のうち前記交換されるヘッドモジュールに対応する区画が開放された状態である場合に、前記複数のヘッドモジュールが配列された方向に沿って前記交換されるヘッドモジュールに対して相対的に遠い位置のヘッドモジュールから相対的に近い位置のヘッドモジュールまで順に液体を吐出させるダミージェットを行わせることで前記保湿空間に蒸気の気流を発生させる制御手段であって、前記交換されるヘッドモジュールに隣接するヘッドモジュールに前記ダミージェットを行わせる制御手段と、
    を備えた液体吐出ヘッドの保湿装置。
  8. 請求項3に記載の保湿カバーと、
    前記キャップ部と前記吐出面との間に保湿空間を形成した状態において前記液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換に伴い前記複数の区画のうち前記交換されるヘッドモジュールに対応する区画が開放された状態である場合に、前記複数のヘッドモジュールが配列された方向に沿って前記交換されるヘッドモジュールに対して相対的に遠い位置のヘッドモジュールから相対的に近い位置のヘッドモジュールまで順に液体を吐出させるダミージェットを行わせることで前記保湿空間に蒸気の気流を発生させる制御手段と、
    前記液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換の際に、交換されないヘッドモジュールの配置を解析する解析手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、交換される複数のヘッドモジュールの間に位置する第1のヘッドモジュールが閾値以上連続して配置されている場合は前記第1のヘッドモジュールに対して前記可動式の蒸気供給口から蒸気を供給せずに前記ダミージェットを行わせ、前記第1のヘッドモジュールが閾値以上連続して配置されていない場合は前記第1のヘッドモジュールに対して前記可動式の蒸気供給口から蒸気を供給し、かつ前記ダミージェットを行わせる液体吐出ヘッドの保湿装置。
  9. 前記保湿空間の湿度を計測する湿度計測手段を備え、
    前記制御手段は、前記計測した湿度が閾値を下回った場合に前記ダミージェットを行わせる請求項6から8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの保湿装置。
  10. 複数のヘッドモジュールが一方向に配列され、吐出面に配置された吐出口から液体を吐出する液体吐出ヘッドの前記吐出面を蒸気供給口が設けられたキャップ部で覆い、前記吐出面との間に保湿空間を形成するキャッピング工程と、
    前記保湿空間に前記蒸気供給口から蒸気を供給する蒸気供給工程と、
    を備え、
    前記キャップ部は、それぞれ独立して前記保湿空間を開放可能な複数の区画であって、前記複数のヘッドモジュールに対応する複数の区画に分割されており、
    さらに、前記液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換に伴い前記複数の区画のうち前記交換されるヘッドモジュールに対応する区画が開放された状態である場合に、前記複数のヘッドモジュールが配列された方向に沿って前記交換されるヘッドモジュールに対して相対的に遠い位置のヘッドモジュールから相対的に近い位置のヘッドモジュールまで順に液体を吐出させるダミージェットを行わせることで前記保湿空間に蒸気の気流を発生させる制御工程を備えた液体吐出ヘッドの保湿方法。
  11. 複数のヘッドモジュールが一方向に配列され、吐出面に配置された吐出口から液体を吐出する液体吐出ヘッドの前記吐出面を前記一方向の両端に蒸気供給口が設けられたキャップ部で覆い、前記吐出面との間に保湿空間を形成するキャッピング工程と、
    前記保湿空間に前記蒸気供給口から蒸気を供給する蒸気供給工程と、
    を備え、
    前記キャップ部は、それぞれ独立して前記保湿空間を開放可能な複数の区画であって、前記複数のヘッドモジュールに対応する複数の区画に分割されており、
    さらに、前記液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換に伴い前記複数の区画のうち前記交換されるヘッドモジュールに対応する区画が開放された状態である場合に、前記複数のヘッドモジュールが配列された方向に沿って前記交換されるヘッドモジュールに対して相対的に遠い位置のヘッドモジュールから相対的に近い位置のヘッドモジュールまで順に液体を吐出させるダミージェットを行わせ、かつ前記交換されるヘッドモジュールに隣接するヘッドモジュールに液体を吐出させるダミージェットを行わせることで前記保湿空間に蒸気の気流を発生させる制御工程を備えた液体吐出ヘッドの保湿方法。
  12. 複数のヘッドモジュールが一方向に配列され、吐出面に配置された吐出口から液体を吐出する液体吐出ヘッドの前記吐出面を前記一方向に可動式の蒸気供給口が設けられたキャップ部で覆い、前記吐出面との間に保湿空間を形成するキャッピング工程と、
    前記保湿空間に前記蒸気供給口から蒸気を供給する蒸気供給工程と、
    前記液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換の際に、交換されないヘッドモジュールの配置を解析する解析工程と、
    を備え、
    前記キャップ部は、それぞれ独立して前記保湿空間を開放可能な複数の区画であって、前記複数のヘッドモジュールに対応する複数の区画に分割されており、
    さらに、前記液体吐出ヘッドのヘッドモジュールの交換に伴い前記複数の区画のうち前記交換されるヘッドモジュールに対応する区画が開放された状態である場合に、前記複数のヘッドモジュールが配列された方向に沿って前記交換されるヘッドモジュールに対して相対的に遠い位置のヘッドモジュールから相対的に近い位置のヘッドモジュールまで順に液体を吐出させるダミージェットを行わせることで前記保湿空間に蒸気の気流を発生させる制御工程であって、交換される複数のヘッドモジュールの間に位置する第1のヘッドモジュールが閾値以上連続して配置されている場合は前記第1のヘッドモジュールに対して前記可動式の蒸気供給口から蒸気を供給せずに前記ダミージェットを行わせ、前記第1のヘッドモジュールが閾値以上連続して配置されていない場合は前記第1のヘッドモジュールに対して前記可動式の蒸気供給口から蒸気を供給し、かつ前記ダミージェットを行わせる制御工程を備えた液体吐出ヘッドの保湿方法。
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