JP2014019106A - 液体吐出装置、及び液体吐出ヘッドの保湿装置 - Google Patents

液体吐出装置、及び液体吐出ヘッドの保湿装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ノズル面が水平面に対して傾斜した状態で配置される液体吐出ヘッドのノズル部の保湿性を向上させる。
【解決手段】ノズル面(72A)が水平面に対して傾斜して配置される液体吐出ヘッド(72)と、液体吐出ヘッド(72)のノズル面(72A)と対向する位置に配置され、保湿液(212)を貯留する液保持部(210)と、を備える。液保持部(210)は、ノズル面(72A)の傾斜方向に沿って複数の貯留部(216、218)に区切られており、複数の貯留部(216、218)に保湿液が貯留されることにより、傾斜方向に高低差を持つ保湿液の液面(236、238)が形成される。
【選択図】図8

Description

本発明は液体吐出装置に係り、特に液体吐出ヘッドにおけるノズル(液体吐出口)の目詰まりを防止する等のためにノズル部周辺を保湿する保湿装置及びこれを備えた液体吐出装置に関する。
インクジェットヘッドに代表される液体吐出ヘッドは、非稼働時や待機時などにノズル内の液が増粘して目詰まりを起こす場合がある。このような事態を予防する等の目的でノズル部周辺を保湿するためのキャップ(保湿キャップともいう。)を備える構成が知られている(特許文献1)。
また、特許文献2に記載されたインクジェット記録装置は、記録媒体を搬送する回転部材としての搬送ドラムの周面に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインクに対応したインクジェット記録ヘッドが傾斜して配置されており、ヘッド面(インクの吐出面)が傾けられている(特許文献2の図1及び図2、段落0025)。特許文献2に記載のインクジェット記録装置には、各ヘッドのノズル部を保湿する保湿装置が設けられている(特許文献2の図3、段落0031)。そして、各ヘッドのノズル部を保湿する際には、各ヘッドが上昇するとともに保湿装置が対向位置に移動し、ノズル部の保湿を行う(特許文献2の段落0032)。
特開2012−61785号公報 特開2010−125620号公報
しかしながら、特許文献2の保湿装置は、ノズル部と対向する対向位置に空吐出受け部が設けられており、その空吐出受け部の上方側に保湿液収容部が配置されている(特許文献2の図7、段落0058〜0059)。つまり、保湿液を保持している保湿液収容部はノズル部の対向位置からずれて配置されている。このため、ノズル部に対して湿気を効率よく供給することができず、保湿性能が劣る。
また、仮に、特許文献2の保湿液収容部をノズル部の対向位置に配置する構成を採用したとしても、保湿液収容部に収容された保湿液の液面は水平であるため、傾斜配置されているヘッドとの間に広い隙間ができ、十分な保湿性が確保できない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、上記の課題を解決し、保湿性の向上を達成できる液体吐出装置、及び液体吐出ヘッドの保湿装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、次の発明を提供する。
(第1態様):液体を吐出するノズルが形成されたノズル面を有し、ノズル面が水平面に対して傾斜して配置される液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドのノズル面と対向する位置に配置され、保湿液を貯留する液保持部と、を備え、液保持部は、傾斜の方向に沿って複数の貯留部に区切られており、複数の貯留部に保湿液が貯留されることにより、傾斜の方向に高低差を持つ保湿液の液面が形成される液体吐出装置を提供する。
この態様によれば、複数の貯留部に保湿液が貯留されると、貯留部毎に保湿液の液面が形成され、保湿液面が傾斜の方向に高低差を持つ段になる。このように、液保持部内の保湿液の液面を段にしたことで、段の無い保湿液面の場合(仕切部材が無い場合に得られる単一の水平面)と比較して、保湿液面と傾斜するノズル面との間の距離を小さくすることができ、保湿液面をノズル面と近い位置で対向させることができる。これにより、ノズル部周囲の湿度を高めることができ、保湿性の向上を達成できる。
なお、水平面と平行な保湿液面と、水平面に対して傾斜するノズル面との間の距離は、ノズル面の法線方向の距離として把握してもよいし、水平面と直交する鉛直方向の距離として把握してもよい。仕切部材による液面段差のある本態様は、液面段差の無い場合と比較して、ノズル面の傾斜方向の上側における保湿液面とノズル面との間の距離(例えば、最も遠い距離)と、傾斜方向下側における保湿液面とノズル面との間の距離(例えば、最も近い距離)との差が小さくなる。これにより、ノズル面に対して保湿液面をより一層近づけて配置することが可能である。
(第2態様):第1態様に記載の液体吐出装置において、液保持部の内側を傾斜の方向に沿って複数の貯留部に区切る仕切部材を備え、仕切部材によって区画された複数の貯留部にそれぞれ保湿液が貯留されることにより、仕切部材を挟んで段差を持つ保湿液の液面が形成される構成とすることができる。
この態様によれば、保湿液を溜める液保持部の内側(つまり、保湿液が貯留される凹部の領域)に仕切部材が設けられ、液保持部における保湿液の貯留領域が複数の領域(貯留部)に区切られている。これら複数の貯留部に保湿液が保持されることで、各貯留部の保湿液の液面は仕切部材を介して高低差のある段になる。このように液保持部内の保湿液の液面を段にしたことで、段の無い保湿液面の場合(仕切部材が無い場合に得られる単一の水平面)と比較して、保湿液面と傾斜するノズル面との間の距離を小さくすることができ、保湿液面をノズル面と近い位置で対向させることができる。これにより、ノズル部周囲の湿度を高めることができ、保湿性の向上を達成できる。
(第3態様):第1態様又は第2態様に記載の液体吐出装置において、液保持部の傾斜の上側に、液保持部に対して保湿液を供給する保湿液供給口を備える構成とすることができる。
かかる態様によれば、保湿液供給口から保湿液を出すと、傾斜に沿って保湿液が流下し、液保持部における複数の貯留部に保湿液を供給することができる。
(第4態様):第1態様から第3態様に記載の液体吐出装置において、液保持部の傾斜の下側に、液保持部から溢れ出た液を排出するドレイン口を備える構成とすることができる。
かかる態様によれば、液保持部から溢れ出た液をドレイン口から回収することができる。
(第5態様):第1態様から第4態様のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、液保持部を有し、ノズル面を覆うキャップを備える構成とすることができる。
かかる態様によれば、保湿性の高い保湿キャップを実現できる。
(第6態様):第5態様に記載の液体吐出装置において、キャップは液保持部の外側に、液保持部から溢れ出た液が溜まる外室を備える構成とすることができる。
かかる態様によれば、外室の部分も保湿され、さらなる保湿性向上が可能である。
(第7態様):第5態様又は第6態様に記載の液体吐出装置において、液体吐出ヘッドとキャップとの接触部分を密閉する封止部材を備え、封止部材を介してキャップを液体吐出ヘッドに当接させてキャップによりノズル面を覆った状態で封止部材がノズル面よりも高い位置を封止する構成とすることができる。
この態様によれば、液体吐出ヘッドとキャップとの接触部分に封止部材が介在し、封止部材によって接触部分が封止されてノズル面がキャップで覆われる。液体吐出ヘッドにキャップを装着した状態でノズル面よりも上側に封止部材が位置し、ノズル面よりも高い位置を封止する構成のため、封止部材が汚れにくい。これにより、封止部材による密閉性の低下を防止することができ、保湿液面が段になる液保持部の構成と相まって、より一層の保湿性の向上を達成できる。
ノズル面よりも高い位置とは、ノズル面を基準にして、重力方向を下方とするときのノズル面よりも上側の位置である。ノズル面が水平面に対して傾斜している場合、その傾斜したノズル面よりも上側の位置である。別の観点から言うと、ノズル面の法線方向について、吐出方向とは逆方向にノズル面から遠ざかる方向に離れた位置である。
なお、液体吐出ヘッドのノズル面の周囲全周を封止部材で包囲して密閉封止することは必ずしも要求されない。また、封止部材による密閉性は厳密な気密性を要求されるものではない。封止部材で封止する範囲や封止部材の態様に応じて実現される密閉性の程度により、相応の保湿性能が達成される。
(第8態様):第7態様に記載の液体吐出装置において、封止部材は、キャップと液体吐出ヘッドとの接触部分に設けられ、キャップが液体吐出ヘッドに当接する際に弾性変形して接触部分を封止する構成とすることができる。
封止部材には、ゴム等の弾性体、ブラシ、フェルトなどを用いることができる。
封止部材はキャップ側に取り付ける態様、液体吐出ヘッド側に取り付ける態様、キャップ及び液体吐出ヘッドの両方に取り付ける態様があり得る。
(第9態様):第7態様又は第8態様に記載の液体吐出装置において、封止部材は、ノズルからキャップに向けて液体を吐出させるパージ動作時のノズル面よりも高い位置を封止する構成とすることが好ましい。
パージ(予備吐出、空吐出などと呼ばれる場合がある)は、ノズルから液体を押し出す動作であり、キャップ内に液体が放出される。このパージ動作の際にノズル面の位置よりも高い位置に封止部材があることで、封止部材へ液体付着を抑制し、汚れを効果的に防止することができる。
(第10態様):第7態様から第9態様のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、封止部材を液体吐出ヘッドの側壁に接触させて封止する構成とすることができる。
液体吐出ヘッドの最下部にノズル面が形成されるヘッド構造では、液体吐出ヘッドの側壁に封止部材を接触させると、封止部材はノズル面よりも高い位置を封止する構成となる。
液体吐出ヘッドの側壁の少なくとも一部に封止部材を接触させ、ヘッド側面を封止することが好ましい。また、密閉性をより一層高めるために、ヘッドの長手方向に沿ったヘッド側面を封止部材で封止する態様が好ましい。
(第11態様):第7態様から第10態様のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、封止部材は、キャップの側壁に設けられている構成とすることができる。
液体吐出ヘッドの側壁に封止部材を接触させてヘッド側面を封止する構成の場合、キャップの側壁と液体吐出ヘッドの側壁との間に封止部材を介在させる態様が好ましい。この場合、封止部材は当接時にヘッド側面の法線方向に圧縮される。
また、例えば、液体吐出ヘッドにおけるノズル面よりも高い位置のノズル面と平行な平面部に封止部材を接触させて封止する構成の場合、キャップの側壁の先端部に封止部材を設けることができる。この場合、封止部材は当接時にノズル面の法線方向に圧縮される。
(第12態様):第7態様から第11態様のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、封止部材は、キャップに着脱可能に取り付けられている構成とすることが好ましい。
かかる態様によれば、封止部材をキャップから取り外して交換することができる。
(第13態様):第7態様から第12態様のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、封止部材を保持する支持部材を備え、封止部材を保持した支持部材は、締結部材を介してキャップに連結されており、締結部材による連結を解除することにより支持部材とともに封止部材を取り外すことができる構成とすることができる。
かかる態様によれば、締結部材を介して封止部材の取り付け、取り外しが容易であり、封止部材を交換することができる。
(第14態様):第7態様から第13態様のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、液体吐出ヘッドのノズル面に接触させてノズル面を清掃する払拭部材を備え、ノズルからキャップに向けて液体を吐出させるパージ動作時のノズル面の高さを維持したままノズル面と平行な面内で液体吐出ヘッドを平行移動させることにより、ノズル面を払拭部材と接触させてノズル面の払拭清掃を行う構成とすることが好ましい。
払拭部材として、ウェブ、ブレード、ブラシ、ロールなどの各種形態を用いることができ、また、これらの適宜の組み合わせを用いることができる。
(第15態様):第7態様から第14態様のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、液体吐出ヘッドはラインヘッドであり、封止部材は、ラインヘッドの長手方向に沿って設けられている構成とすることができる。
ラインヘッドの少なくとも長手方向に沿った面を封止することで、密閉性が高められ、十分な保湿力を確保することができる。ラインヘッドの短手方向について、封止部材による封止を省略しても実質的にノズル面の保湿性を確保することが可能である。
(第16態様):第1態様から第15態様のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、液保持部に向けてノズルから液体が吐出され、液保持部はノズルからの吐出液を受容する構成とすることができる。
液保持部はパージ動作の際の液受け部として機能しうる。また、液体吐出ヘッドのノズルから吐出した液を保湿液として利用することも可能である。
(第17態様):液体を吐出するノズルが形成されたノズル面が水平面に対して傾斜して配置される液体吐出ヘッドのノズル面と対向する位置に配置され、保湿液を貯留する液保持部を備え、液保持部は、傾斜の方向に沿って複数の貯留部に区切られており、複数の貯留部に保湿液が貯留されることにより、傾斜の方向に高低差を持つ保湿液の液面が形成される液体吐出ヘッドの保湿装置を提供する。
第17態様の液体吐出ヘッドの保湿装置について、第2態様から第16態様に記載の事項と同様の特徴を適宜組み合わせる態様が可能である。
本発明によれば、液体吐出ヘッドのノズル面と保湿液面を近接させることができ、ノズルを保湿する性能が向上する。これにより、液体吐出ヘッドの吐出性の維持、向上を達成でき、ノズル詰まり防止、液体吐出ヘッドの長寿命化につながる。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成図 描画部の概略構成を示す側面図 描画部及びメンテナンス部の正面図 描画部及びメンテナンス部の構成を模式的に示した平面展開説明図 本実施形態に係る保湿装置を含むメンテナンスステーションの要部を示す斜視図 キャップの部分拡大図 印刷待機中や電源オフ時などにおけるキャップ時(ヘッド保湿保管時)の状態を示す断面図 インクパージ動作時の状態を示す断面図 水平面に対して傾斜しているノズル面の説明図 水平面に対して傾斜しているノズル面の説明図 水平面に対して傾斜しているノズル面の説明図 インクジェットヘッド(ラインヘッド)の構成例を示す斜視図 インクジェットヘッドの構成例を示す斜視図 ノズルの配列形態の例を示す平面図
以下、添付図面にしたがって本発明の実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の構成例〕
まず、本発明が適用される液体吐出装置としてのインクジェット記録装置の構成について説明する。図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成図である。インクジェット記録装置10は、描画ドラム70に保持された記録媒体24(以下、「用紙」と呼ぶ場合がある。)にインクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yから複数色のインクを打滴して所望のカラー画像を形成する直描方式のインクジェット記録装置であり、インクの打滴前に記録媒体24上に処理液(ここでは凝集処理液)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体24上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたドロップオンデマンドタイプの画像形成装置である。
図示のように、インクジェット記録装置10は、給紙部12、処理液付与部14、描画部16、乾燥部18、定着部20、及び排紙部22を備える。
(給紙部)
給紙部12には、枚葉紙である記録媒体24が積層されている。給紙部12の給紙トレイ50から記録媒体24が一枚ずつ処理液付与部14に給紙される。記録媒体24として、枚葉紙(カット紙)を用いているが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
(処理液付与部)
処理液付与部14は、記録媒体24の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部16で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
処理液付与部14は、給紙胴52、処理液ドラム54、及び処理液塗布装置56を備えている。処理液ドラム54は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)55を備え、この保持手段55の爪と処理液ドラム54の周面の間に記録媒体24を挟み込むことによって記録媒体24の先端を保持できるようになっている。処理液ドラム54の外周面に吸引孔を設け、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体24を処理液ドラム54の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム54の周面に対向して処理液塗布装置56が配置される。処理液塗布装置56は、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニックスローラと、アニックスローラで計量した処理液を処理液ドラム54上の記録媒体24に転移するゴムローラとで構成される。本実施形態では、ローラによる塗布方式を適用した構成を例示したが、処理液の付与手段はこれに限定されず、例えば、スプレー方式、インクジェット方式などの各種方式を適用することも可能である。
処理液が付与された記録媒体24は、処理液ドラム54から中間搬送部26を介して描画部16の描画ドラム70へ受け渡される。
(描画部)
描画部16は、描画ドラム70、用紙抑えローラ74、及びインクジェットヘッド72M,72K,72C,72Y(「液体吐出ヘッド」に相当、以下、単に「ヘッド」と記載)を備えている。描画ドラム70は、処理液ドラム54と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)71を備える。
ヘッド72M,72K,72C,72Yはそれぞれ、記録媒体24における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型の記録ヘッド(ラインヘッド)であり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各ヘッド72M,72K,72C,72Yは、記録媒体24の搬送方向(描画ドラム70の回転方向)と直交する方向に延在するように設置される。
描画ドラム70上に密着保持された記録媒体24の記録面に向かって各ヘッド72M,72K,72C,72Yから、対応する色インクの液滴が吐出される。処理液付与部14で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体24上での色材流れなどが防止され、記録媒体24の記録面に画像が形成される。
描画ドラム70によって記録媒体24を一定の速度で搬送し、この搬送方向について、記録媒体24と各ヘッド72M,72K,72C,72Yを相対的に移動させる動作を1回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録媒体24の画像形成領域に画像を記録することができる。
ここでは、CMYKの4色のインクを用いるインクジェット記録装置10を例示しているが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
描画部16で画像が形成された記録媒体24は、描画ドラム70から中間搬送部28を介して乾燥部18の乾燥ドラム76へ受け渡される。
(乾燥部)
乾燥部18は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、乾燥ドラム76、及び溶媒乾燥装置78を備えている。乾燥ドラム76は、処理液ドラム54と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)77を備え、この保持手段77によって記録媒体24の先端を保持できるようになっている。
溶媒乾燥装置78は、乾燥ドラム76の外周面に対向する位置に配置され、複数のハロゲンヒータ80と、各ハロゲンヒータ80の間にそれぞれ配置された温風噴出しノズル82とで構成される。乾燥部18で乾燥処理が行われた記録媒体24は、乾燥ドラム76から中間搬送部30を介して定着部20の定着ドラム84へ受け渡される。
(定着部)
定着部20は、定着ドラム84、ハロゲンヒータ86、定着ローラ88、及びインラインセンサ90で構成される。定着ドラム84は、処理液ドラム54と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)85を備え、この保持手段85によって記録媒体24の先端を保持できるようになっている。
定着ドラム84の回転により、記録媒体24の記録面に対して、ハロゲンヒータ86による予備加熱と、定着ローラ88による定着処理と、インラインセンサ90による検査が行われる。
定着ローラ88は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体24を加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ88は、定着ドラム84に対して圧接するように配置されており、定着ドラム84との間でニップローラを構成するようになっている。記録媒体24は、定着ローラ88と定着ドラム84との間に挟まれ、所定のニップ圧でニップされ、定着処理が行われる。
また、定着ローラ88は、ハロゲンランプなどを組み込んだ加熱ローラによって構成され、所定の温度に制御される。
インラインセンサ90は、記録媒体24に形成された画像(濃度測定用のテストチャートや不吐出検出用のテストパターンなどを含む)を読み取り、画像の濃度、画像の欠陥などを検出するための手段(画像読取手段)であり、CCDラインセンサなどが適用される。
定着部20によれば、乾燥部18で形成された薄層の画像層内の樹脂が定着ローラ88によって加熱加圧されて溶融されるので、記録媒体24に固定定着させることができる。定着ドラム84の外周面に保持された記録媒体24を裏面から加熱することによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができるとともに、画像温度の昇温効果によって画像強度を高めることができる。
なお、高沸点溶媒及びポリマー微粒子(熱可塑性樹脂粒子)を含んだインクに代えて、UV(紫外線)露光にて重合硬化可能なモノマー成分を含有していてもよい。この場合、インクジェット記録装置10は、ヒートローラによる熱圧定着部(定着ローラ88)の代わりに、記録媒体24上のインクにUV光を露光するUV露光部を備える。このように、UV硬化性樹脂などの活性光線硬化性樹脂を含んだインクを用いる場合には、加熱定着の定着ローラ88に代えて、UVランプや紫外線LD(レーザダイオード)アレイなど、活性光線を照射する手段が設けられる。
(排紙部)
定着部20に続いて排紙部22が設けられている。排紙部22は、排出トレイ92を備えており、この排出トレイ92と定着部20の定着ドラム84との間に、これらに対接するように渡し胴94、搬送ベルト96、張架ローラ98が設けられている。記録媒体24は、渡し胴94により搬送ベルト96に送られ、排出トレイ92に排出される。搬送ベルト96による用紙搬送機構の詳細は図示しないが、印刷後の記録媒体24は無端状の搬送ベルト96間に渡されたバー(不図示)のグリッパーによって用紙先端部が保持され、搬送ベルト96の回転によって排出トレイ92の上方に運ばれてくる。
また、図1には示されていないが、インクジェット記録装置10は、上記構成の他、各ヘッド72M,72K,72C,72Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部や、処理液付与部14に対して処理液を供給する手段を備える。さらにインクジェット記録装置10は、各ヘッド72M,72K,72C,72Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)や印刷待機時等のヘッド保湿などを行うメンテナンス部(図3〜6等で後述する保湿装置150を含むメンテナンスステーション)を備えるとともに、用紙搬送路上における記録媒体24の位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
〔描画部及びメンテナンス部の説明〕
図2は描画部の概略構成を示す側面図、図3はその正面図(用紙搬送方向の上流側から下流側を見た図)である。また、図4は描画部及びメンテナンス部の構成を模式的に示した平面展開説明図である。
図1及び図2に示したとおり、各色のヘッド72M、72K、72C、72Yは描画ドラム70の周面に沿って配置され、各ヘッドのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYがドラム周面に対して概ね一定の距離(スローディスタンス)となるように、各ヘッドのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYを水平面に対して傾斜させた姿勢で配置される。
すなわち、各色のヘッド72M、72K、72C、72Yは、描画ドラム70の回転軸102を中心とした同心円上に、円周方向に一定の間隔をもって放射状に配置されている。本例では、4本のヘッド72M、72K、72C、72Yが、描画ドラム70の鉛直方向に沿った中心線を挟んで左右対称に配置されている。描画ドラム70の中心を通る鉛直な線分(中心線)に対してマゼンタ(M)のヘッド72Mとイエロー(Y)のヘッド72Yとが左右対称に配置されるとともに、黒(K)のヘッド72Kとシアン(C)のヘッド72Cとが左右対称に配置されている。
このように配置された各ヘッド72M、72K、72C、72Yは、それぞれその下端部に形成されたノズル面72AM、72AK、72AC、72AYが、描画ドラム70の外周面に対向して配置されるとともに、それぞれそのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYが、描画ドラム70の外周面から所定高さの位置に位置する(描画ドラム70の外周面とノズル面72AM、72AK、72AC、72AYとの間に同じ量のギャップが形成される。)。また、そのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYに形成されたノズル列が、記録媒体24の搬送方向と直交して配置される。
これら複数本のヘッド72M、72K、72C、72Yは、ヘッド支持フレーム140に取り付けられて、描画ドラム70の周囲に配置される。
描画ドラム70は、その回転軸102の両端部を一対の軸受104に軸支されて回転自在に設けられている(図3参照)。軸受104は、インクジェット記録装置10の本体フレーム106に設けられており、この軸受104に回転軸102の両端部が軸支されることにより、描画ドラム70は水平に取り付けられる(水平な設置面に対して回転軸102が平行に取り付けられる。)。
描画ドラム70の回転軸102には、図示しない回転伝達機構を介してモータが連結されている。描画ドラム70は、このモータに駆動されて回転する。
図3のように、ヘッド支持フレーム140は、描画ドラム70の回転軸102と直交して設けられた一対のサイドプレート142L、142Rと、その一対のサイドプレート142L、142Rを上端部で連結する連結フレーム144とを含んで構成されている。
サイドプレート142L、142Rは、板状に形成されており、描画ドラム70を挟んで互いに対向するように配置されている。この一対のサイドプレート142L、142Rの内側には、各ヘッド72M、72K、72C、72Yを取り付けるための取付部146が設けられている。図3では、便宜上、マゼンタの取付部146のみ図示したが、各色のヘッドについて同様の取付部が設けられている。
各取付部146は、描画ドラム70の回転軸102を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置されている。各ヘッド72M、72K、72C、72Yは、その両端に形成された被取付部148を取付部146に固定することにより、ヘッド支持フレーム140に取り付けられる。図3では、便宜上、マゼンタの被取付部148のみ図示したが、各色のヘッドについて同様の被取付部が設けられている。
こうして、各ヘッド72M、72K、72C、72Yはヘッド支持フレーム140に取り付けられ、描画ドラム70の回転軸102を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置される。
ヘッド支持フレーム140は、図示しないガイドレールにガイドされて、描画ドラム70の回転軸102と平行にスライド移動自在に設けられている。そして、図示しないリニア駆動機構(例えば、送りネジ機構など)に駆動されて、図3に実線で示す「画像記録位置」と図3に破線で示す「メンテナンス位置」との間を移動する。
ヘッド支持フレーム140を画像記録位置に位置させると、各ヘッド72M、72K、72C、72Yは、描画ドラム70の周囲に配置され、画像記録可能な状態になる。
メンテナンス位置は、各ヘッド72M、72K、72C、72Yが描画ドラム70から退避する位置に設定される。このメンテナンス位置には、各ヘッド72M、72K、72C、72Yを保湿するための保湿装置150が設置される。
保湿装置150には、各ヘッド72M、72K、72C、72Yのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYを覆うキャップ200M、200K、200C、200Yが備えられている(図4参照)。図4では、理解を容易にするために、ドラム周面の円弧に沿って配置される各色のヘッドと各ヘッドに対応したキャップの構成を平面展開した図面で示した。なお、図3では、便宜上、マゼンタのキャップ200Mのみ図示した。
装置の電源オフ時や印刷待機時など、装置を長時間停止させる場合には、ヘッド72M、72K、72C、72Yをメンテナンス位置に移動させ、キャップ200M、200K、200C、200Yによって各ヘッドのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYが覆われる。
各キャップ200M、200K、200C、200Yには、図示しない保湿液供給機構が備えられており、キャップ内部に保湿液を供給できるように構成されている。保湿液が保持されたキャップ200M、200K、200C、200Yによってノズル面72AM、72AK、72AC、72AYの周囲を覆うことにより、ノズル部が保湿され、乾燥による目詰まり(不吐出)が防止される。
なお、キャップ200M、200K、200C、200Yには、図示しない加圧・吸引機構が備えられており、ノズル内を加圧・吸引できるように構成されている。また、本例の場合、各ヘッド72M、72K、72C、72Yのインク供給系を加圧して各ヘッド72M、72K、72C、72Yの全ノズルからインクを強制的に押し出す加圧パージを行うことができる。
キャップ200M、200K、200C、200Yの下方位置には廃液トレイ154が配置されている。キャップ200M、200K、200C、200Yに供給された保湿液やパージされたインクは、この廃液トレイ154に廃棄され、廃液回収配管156を介して廃液タンク158に回収される。
また、画像記録位置とメンテナンス位置との間には、各ヘッド72M、72K、72C、72Yのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYを清掃するためのノズル面清掃装置160が設けられている。各ヘッド72M、72K、72C、72Yは、メンテナンス位置から画像記録位置に移動する過程で、または、画像記録位置からメンテナンス位置に移動する過程で、このノズル面清掃装置160によってノズル面72AM、72AK、72AC、72AYが清掃される。
ノズル面清掃装置160は、洗浄液付与装置162とノズル面払拭装置164とを備える。図3では、マゼンタのインクジェットヘッド72Mに対応したノズル面清掃装置160のみを図示したが、各ヘッド72M、72K、72C、72Yに対して、それぞれ同様のノズル面清掃装置が設けられている(図4参照)。
図4に示したように、各ヘッドに対応して洗浄液付与装置162M、162K、162C、162Y及びノズル面払拭装置164M、164K、164C、164Yが設けられている。各ヘッドに対応した洗浄液付与装置162M、162K、162C、162Yの構成は同様であるため、以下、洗浄液付与装置162として説明する。また、各ヘッドに対応したノズル面払拭装置164M、164K、164C、164Yの構成も同様であるため、以下、ノズル面払拭装置164として説明する。そして、各色のヘッドについて共通する事項の説明に関しては、ヘッド72M、72K、72C、72Yを代表して、符号72によってヘッドを示し、符号72Aによってノズル面を示して説明する。
洗浄液付与装置162は、ヘッド72のノズル面72Aに洗浄液を付与する手段であり、洗浄液供給ノズル184と、洗浄液が保持される洗浄液保持面185を有する。洗浄液供給ノズル184の孔は洗浄液保持面185に開口しており、洗浄液供給ノズル184から洗浄液を出して洗浄液保持面185に洗浄液を保持させる。洗浄液が保持された洗浄液保持面185上を、ヘッド72を移動させることで、洗浄液保持面185とノズル面72Aとの間の洗浄液が、ノズル面72Aの撥液性を利用して濡れ拡がり、ノズル面72Aに洗浄液を塗布することができる。
ノズル面払拭装置164は、帯状に形成された払拭ウェブ192(「払拭部材」に相当)を走行させながら、払拭ウェブ192をノズル面72Aに当接させて、ヘッド72を移動させることによりノズル面72Aを払拭する。
払拭ウェブ192は、例えば、PET(polyethylene terephthalate;ポリエチレンテレフタラート)、PEポリエチレン (Polyethylene;ポリエチレン)、NY(NYLON;ナイロン)等の極微細繊維を用いた編み又は織りからなるシートで構成され、ヘッド72のノズル面72Aの幅に対応した幅を有する帯状に形成される。この払拭ウェブ192は、図示せぬ送出側ウェブコアにロール状に巻かれ、先端が巻取側ウェブコア(不図示)に固定された状態で提供される。
ノズル面払拭装置164は、払拭ウェブ192を搬送する図示せぬ搬送部と、払拭ウェブ192をノズル面72Aに所定圧力で当接させる押圧ロール194を備えている。押圧ロール194は図示せぬ付勢バネによってノズル面72Aに向かう方向に付勢されている。押圧ロール194に巻き掛けられた払拭ウェブ192は図示せぬ巻取モータの駆動によって搬送される。払拭ウェブ192を走行させながら、ノズル面72Aを払拭することにより、常に払拭ウェブ192の新しい面(未使用領域)を使ってノズル面72Aを払拭することができる。
払拭ウェブ192の走行方向と逆方向にノズル面72Aを移動させることにより、効率よくノズル面72Aを払拭することができる。
また、ノズル面払拭装置164は、図示せぬ昇降機構によって上下方向に移動させることができる。ノズル面72Aの払拭清掃が不要な場合は、払拭ウェブ192がノズル面72Aと接触しない位置に退避させる。
ノズル面払拭装置164は、払拭ウェブ192に対して直接的に洗浄液を供給する洗浄液付与部や、払拭ウェブ192から余剰の洗浄液を回収する洗浄液回収部を備えてもよい。
また、図示されていないが、各ヘッド72M、72K、72C、72Yは、それぞれのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYの法線方向に移動可能な可動支持機構に支持されている。この可動支持機構により、各ヘッド72M、72K、72C、72Yのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYと、描画ドラム70の外周面との距離(ギャップ)を調整したり、メンテナンス位置でのヘッドの高さを変更したりすることができる。
<保湿装置を含むメンテナンス部の説明>
図5は、本実施形態に係る保湿装置を含むメンテナンスステーションの要部を示す斜視図、図6はキャップの部分拡大図である。また、図7は、印刷待機中や電源オフ時等におけるキャップ時(ヘッドを保湿した状態で保管する時)の状態を示す断面図、図8はインクパージ動作時の状態を示す断面図である。
図5に示したように、メンテナンスステーションには、各ヘッドに対応したキャップ200M、200K、200C、200Yが設けられている。各キャップ200M、200K、200C、200Yの構造は同様であるため、各キャップを代表して以下、符号200によってキャップを示す。
キャップ200は、外枠のカバー部(外側枠体)を構成するキャップ枠体202と、このキャップ枠体202の内側に設けられ、ノズル面72Aと対向する位置に配置される液保持部210と、を備える。液保持部210として機能する凹部が形成されたキャップ内枠体204(内側枠体部)と、その外側を覆うキャップ枠体202との組み合わせによってキャップ本体206が構成される。このように本例のキャップ200は、キャップ枠体202の内側に液保持部210が設けられた二重構造(入れ子の構造)となっている。
また、キャップ200の側壁(本例では、キャップ200の長手方向に沿った側面の壁)には、ヘッド72との当接時に弾性変形して密閉性を高める封止部材220、222が設けられている。封止部材220、222は、それぞれ支持部材250、252に保持されており、封止部材220、222を保持した支持部材250、252は、それぞれ固定ネジ254、256(「締結部材」に相当)によってキャップ本体206に取り付けられている。
本例の場合、支持部材250は固定ネジ254によってキャップ内枠体204に連結され、支持部材252は固定ネジ256によってキャップ枠体202に連結される(図7、図8参照)。なお、固定ネジ254、256による締結箇所は、キャップ200の長手方向に沿って複数個所設けられている。支持部材250、252は、キャップ内枠体204及びキャップ枠体202の側壁とともにキャップ200の側壁を構成する部材となる。
このようにキャップ200の側壁に設けられた封止部材220、222は、ヘッド72の側壁(本例の場合ヘッド72の長手方向に沿った側面の壁)に接触し、接触部分を密閉する(図7及び図8参照)。封止部材220、222をヘッド72の側壁に当接させ、ノズル面72Aよりも高い位置でヘッド側面を封止する構成となっている。
本例のインクジェット記録装置10は、ノズル面72Aの法線方向にキャップ200とヘッド72を相対移動させる機構(不図示)を備えており、図7及び図8に示したように、封止部材220、222がヘッド側面と接触した状態でヘッド72をノズル面72Aの法線方向に移動させることができる。
キャップ200に対してヘッド72を移動させる構成であってもよいし、ヘッド72に対してキャップ200を移動させる構成でもよく、またこれらの組み合わせでもよい。
封止部材220、222をヘッド側面に接触させたまま、キャップ200に対してヘッド72を移動(相対移動)させるため、封止部材220、222は摺動抵抗の小さいものが好ましい。本実施形態では、封止部材220、222として、中空のシリコンゴムにフッ素コーティングしたものを用いた。封止部材220、222には、上記の他、ブラシやフェルトなどが適している。ブラシの毛やフェルトの繊維は、当接時に弾性変形し、当接解除によって元の形状に復元する。ブラシやフェルトも当接時に弾性変形して接触部分を封止する封止部材として機能し得る。
図7に示したキャップ時の状態、並びに図8に示したインクパージ動作時の状態のいずれにおいても、封止部材220、222はノズル面72Aよりも上側にあり、ノズル面72Aよりも高い位置を封止している。このため封止部材220、222にインクが付着しにくい。
ここで、「ノズル面72Aよりも上側」、「ノズル面72Aよりも高い位置」という意味について、図9、図10、図11を用いて説明する。
図9に示すように、ヘッド72のノズル面72Aが水平面260に対して傾斜している場合(傾斜角度θは0°<θ<90°とする。)、この傾斜したノズル面72Aにおける傾斜下方の最も低い位置(ノズル面72Aの最下部位置272)から傾斜上方の最も高い位置(ノズル面72Aの最高部位置274)までの範囲でノズル面72Aは鉛直方向に幅を持つことになる。
このような傾斜したノズル面72Aについて少なくともノズル面72Aの最下部位置272よりも上方の位置であることを意味し、好ましくは、ノズル面72Aの最高部位置274よりも上方の位置である。
ノズル面72Aの最下部位置272と最高部位置274を規定するノズル面72Aの範囲は、ヘッド72のノズル部276の範囲に対応している。ノズル面72Aを構成するノズルプレートには、複数のノズル(図9中不図示、図14符号350参照)が形成されており、これら複数のノズルが配列されたノズルプレートのノズル形成領域(ノズルが配列されている吐出面領域)を含んでノズル部276が構成される。
例えば、ヘッド72のノズルプレートにおけるノズル形成領域の範囲をノズル面72Aの範囲(ノズル部276)として特定することができる。また、簡易的には、ヘッド72の下面(吐出面)に露出しているノズルプレートの領域全体をノズル面72Aとして特定することができる。ノズルプレートにおけるノズル形成領域の外側に設けられるノズル非形成領域の面積が過度に大きくなければ、ノズルプレートの領域全体をノズル面72Aとして取り扱うことができる。
図9に示したように、ノズル面72Aの最下部位置272を通る水平面262を想定したとき、封止部材220、222(図7、図8)は、少なくともこの最下部位置272の水平面262よりも上方(高い位置)に位置する。また、より好ましくは、ノズル面72Aの最高部位置274を通る水平面264を想定したとき、封止部材220、222(図7、図8参照)は、最高部位置274の水平面264よりも上方(高い位置)に位置する構成とするのがよい。
かかる構成によれば、封止部材220、222にノズルからの吐出液が付着しにくく、封止部材220、222が汚れにくい。
図10は、「ノズル面72Aよりも上側」、「ノズル面72Aよりも高い位置」という記載表現を、図9とは別の観点から捉えた説明図である。図10に示すように、ノズル面72Aが水平面260に対して傾斜している場合(傾斜角度θは0°<θ<90°とする)、ノズル面72Aを含んでノズル面72Aと平行な平面280を想定できる。この平面280は、ノズル面72Aをその同一平面上で拡張(同一平面に沿って延長)した仮想的な単一平面である。
この仮想的な平面280を境界面として、平面280よりも上方側の空間領域内で封止部材220、222(図7,図8参照)がヘッド72と接触する構成とすることも可能である。
このような構成によっても、ノズル面72Aのノズルから吐出した液が封止部材220、222に付着しにくく、封止部材220、222が汚れにくいものとなる。図10の場合、図9で説明した条件と比較して、傾斜下方側を封止する封止部材222(図7,図8参照)がノズル面72Aの最下部位置272よりも低い位置になることが許容され得るため、より好ましくは、ノズル面72Aの最下部位置272よりも高い位置に封止部材を配置するのがよい。
図11は、図10と実質的に同等の説明図である。図11中、図10と同一の要素には同一の符号を付した。なお、図11中、破線矢印(符号282)は、ノズル面72Aのノズルから液体を吐出する吐出方向を示している。この吐出方向は、ノズル面72Aの法線方向と平行でかつ、重力方向と角度θを成して下方に向かう方向である。
図11中の実線矢印(284)で示したように、平面280の法線方向と平行で、かつ、吐出方向(矢印282)と逆方向に向かってノズル面72Aから離れる方向について「上」という表現を採用する場合であっても、ノズル面72Aを含む平面280を境界面として区画される空間のうち、「平面280よりも上側の空間領域」という記載表現によって、実質的に図10と同等の内容を示すものである。
また、図7及び図8で説明したとおり、封止部材220、222は、固定ネジ254、256を介してキャップ本体206に取り付けられているため、固定ネジ254、256の連結を解除することにより、取り外しが可能である。封止部材220、222は支持部材250、252と一体で脱着交換を行うものであってもよいし、支持部材250、252から封止部材220、222を分離して、支持部材250、252に新しい封止部材220、222を取り付ける(封止部材220、222のみを交換し、支持部材250、252は同じものを使う)構成でも可能である。
このように、封止部材220、222を容易に脱着できる構造となっているため、仮に封止部材220、222がインクで汚れた場合や、或いは、経時劣化などによって密閉性が低下した場合などには、封止部材220、222のみを容易に交換することができる。これにより、コストダウンやユーザビリティの向上を達成できる。
(液保持部の構成)
本例のキャップ200は、水平面に対して傾斜するノズル面72Aの傾斜角度に合わせて、キャップ200も水平面に対して傾斜して配置される。ノズル面72Aに対向する対向位置に配置される液保持部210は、保湿液212を貯留できる凹部を有し、この凹部には仕切板214(「仕切部材」に相当)が立設されている。仕切板214はキャップ200の長手方向と平行に延設されており、この仕切板214によって液保持部210は第1貯留部216と第2貯留部218とに区画されている。
つまり、液保持部210は仕切板214によってキャップ200の傾斜方向に複数の複数の領域に区切られており、傾斜方向の上側に第1貯留部216、下側に第2貯留部218が形成されている。
キャップ200には、液保持部210に保湿液を供給するための保湿液供給口230が設けられている。保湿液供給口230は第1貯留部216よりも傾斜方向の上側に設けられている。本例では、キャップ内枠体204のキャップ長手方向のキャップ長の中央部分に1つの保湿液供給口230が設けられている。なお、保湿液供給口230の個数や配置場所については本例に限定されない。液保持部210に対して保湿液を供給できればよく、保湿液の供給口を複数備える構成も可能である。
保湿液供給口230には保湿液流路232が繋がっており、図示せぬ保湿液タンクから保湿液流路232を介して保湿液供給口230に保湿液が送られる。
保湿液供給口230から保湿液が供給され、第1貯留部216及び第2貯留部218に保湿液212が貯留される。第1貯留部216に貯留された保湿液の液面236と、第2貯留部218に貯留された保湿液の液面238は、仕切板214を挟んで段になる。
ノズル面72Aは水平面に対して傾いているが、ノズル面72Aに対向する液保持部210に仕切板214があるため、保湿液面(236,238)がノズル面72Aと近い位置で対向できる。これにより、相対湿度90%以上の状態を長時間維持することができる。
また、液保持部210の外側には液保持部210から溢れた液240を保持できる外室242が形成される。キャップ枠体202の底部には、ドレイン口244が設けられ、外室242内に液240が一定量溜まるとドレイン口244から液が排出される。ドレイン口244は、キャップ底部のキャップ傾斜方向最下点よりも高い位置に設けられており、外室242に一定量の液240を溜めることができる。
次に、本実施形態における動作について説明する。
<保湿液の供給>
保湿液供給口230よりも高い位置に保湿液タンク(不図示)が配置され、保湿液タンクからキャップ200の保湿液供給口230に保湿液を導く保湿液流路232が設けられる。保湿液タンクと保湿液供給口230とをつなぐ保湿液流路232の途中に保湿液の供給をオン(供給)/オフ(停止)できる保湿液供給バルブ(不図示)が設けられている。保湿液供給バルブは、例えば電磁弁で構成される。
保湿液供給バルブをオン(開放)すると、水頭差によって保湿液タンクから保湿液流路232を通じて保湿液が流れ、保湿液供給口230から保湿液が流れ出る。
液保持部210の傾斜に沿って保湿液は流れ落ち、第1貯留部216に溜まる。第1貯留部216と第2貯留部218を仕切る仕切板214の高さは、第1貯留部216、第2貯留部218の他の側壁よりも低くなっている。ここでいう仕切板214の高さは、液保持部の傾斜している底面(傾斜平面)を基準にして、その傾斜平面に垂直な方向に底面からノズル面72Aに向かって離れる方向に向かう「高さ」である。
このため、第1貯留部216をオーバーフローした保湿液は、仕切板214を乗り越えて第2貯留部218に流下し、第2貯留部218に溜まる。
さらに保湿液を供給し続けて、第2貯留部218が保湿液で満たされると、保湿液は第2貯留部218の壁を乗り越えて、外室242に落ちる。
キャップ200のドレイン口244は、外室242の底部の最下点位置よりも高い位置に設けられているため、外室242の底部にも保湿液が貯留される。この外室242は、保湿液の液面236、238(以下、保湿液面236、238という。)が形成される第1貯留部216及び第2貯留部218と、キャップ200の大気開放部との距離を離す機能がある。
第1貯留部216、第2貯留部218と大気開放部を離すことで、キャップ内の湿気がキャップ外に逃げることを抑制する。
また、仮に、外室242を省略するなどして、液保持部210の近傍を封止部材で密閉すると、インクのパージ等で封止部材が汚れやすくなる。この点、本実施形態によれば、液保持部210の外側に外室242を設け、保湿液が貯留される第1貯留部216、第2貯留部218から離れたキャップ外壁に封止部材220、222を取り付け、貯留部から離れたところを密閉する構成としたので、封止部材220、222の汚れを回避することが可能である。
また、本実施形態では、外室242にも液が貯留されるように、ドレイン口244を外室242の高い位置に設けた。これにより、外室242も保湿され、さらなる保湿性向上に効果がある。
<キャップ時>
電源オフ時や印刷待機時などは、図7に示すキャップ位置(ヘッド保湿位置)でヘッド72は待機している。図7のように、ヘッド72のノズル面72Aを液保持部210の保湿液面(236、238)に近接させることで、ノズル部周囲の相対湿度を高め、ノズル内部のインクの固化を防止している。
<インクパージ時>
定期的に或いは不定期にインクをパージするときは、図8に示すように、ノズル面72Aの法線方向に、かつヘッド72をキャップ200から離間させる方向に、ヘッド72とキャップ200を相対移動させ、保湿液面(236、238)とノズル面72Aとの距離を離した状態でインクをパージする。
キャップ200の位置(高さ)を固定して、ヘッド72をノズル面72Aの法線方向に移動させる構成であってもよいし、ヘッド72の位置を固定して、キャップ200を移動させる構成でもよく、また、両者を移動させる構成でもよい。
図7と図8を比較すると明らかなように、パージ時(図8)のノズル面72Aと保湿液面236、238との距離は、ヘッド保湿位置でのキャップ時(図7)におけるノズル面72Aと保湿液面236、238との距離よりも離れている。
このようにパージ時にノズル面72Aを保湿液面236、238から遠ざける理由として、次の点を挙げることができる。
(1)ノズル面72Aと液保持部210との間の隙間にパージしたインクが溜まることを防止するためである。ノズル面72Aと液保持部210との間にパージインクが溜まると、ノズル面72Aにインクが付着しやすくなる。図8のように、ノズル面72Aと液保持部210との距離を離すと、パージしたインクはノズル面72Aから分離して液保持部210に受容され、ノズル面72Aと液保持部210との間の隙間にパージしたインクが溜まらない。このため、ノズル面72Aに付着(残存)するインクが少なく、ノズル面72Aが汚れにくい。したがって、パージ後のノズル面72Aの払拭清掃(ワイピング)が容易になる。
(2)ノズル面72Aを保湿液面(236,238)に近づけた状態のままパージを行うと、キャップ200内の保湿液とパージしたインクが繋がってしまい、ノズルからのインクの引き出しが発生してしまう。
この点、図8のようにノズル面72Aと保湿液面(236,238)との距離を離すことにより、キャップ200内の保湿液とパージしたインクが繋がることがない。このため、ノズルのメニスカスの破壊が抑制され、ノズルからの不要なインクの引き出しが無くなる。
少なくとも上記の理由から、キャップ時(図7の保湿保管時)よりもノズル面72Aと保湿液面(236,238)との距離を離した状態でパージが行われる(図8)。なお、液保持部210に向けて吐出されたインクは液保持部210の保湿液と混ざって保湿液として機能し得る。パージによって吐出されたインクが「吐出液」に相当する。
さらに、本実施形態では、パージ時におけるノズル面72Aの位置に対して、封止部材220、222は高い位置に設けられている。つまり、図9で説明したように、封止部材220、222は、少なくともノズル面72Aの傾斜下方側の最下部位置272よりも高い位置にある。また、図10や図11で説明したように、パージ時のノズル面72Aを含んだ仮想的な平面280を境界面として、その平面280よりも上方の位置で封止部材220、222(図8参照)がヘッド72と接触している。このため、封止部材220、222にインクが付着しにくい。
図8のパージ時において封止部材220、222はノズル面72Aよりも高い位置を封止しており、図7のキャップ時においても封止部材220、222はノズル面72Aよりも高い位置を封止している。すなわち、本例の場合、図7、図8のいずれの状態においてもキャップ装着の状態で封止部材220、222はノズル面72Aの上側にある。
図8の状態でパージを行った後は、払拭ウェブ192によってノズル面72Aを払拭(ワイピング)清掃する。なお、払拭部材としては、払拭ウェブ192に代えて、或いはこれと組み合わせて、ブレードを用いることもできる。
本実施形態では、パージした位置でノズル面72Aの高さを維持したまま、ヘッド72を長手方向(図8の紙面に垂直方向)に水平移動させると、ノズル面72Aが払拭ウェブ192(「払拭部材」)に当接するように、払拭ウェブ192の位置(すなわち、ノズル面清掃装置160の位置)が設定されている。
これにより、パージ直後のヘッドノズル面はインクが付着しているが、ヘッド72の水平移動によりノズル面72Aがワイピングされる。これにより、ノズル面72Aから付着インク等の異物が除去され、封止部材220、222へのインクの飛び散りが防止できる。
本実施形態では、パージ時のノズル面72Aの高さを保ったまま、上記の水平移動(ノズル面72Aと同一平面内での平行移動)の動作ができるように、キャップ200におけるヘッド水平移動方向に対面する側壁(短手方向に沿った側壁)を低くした構成になっている。
つまり、キャップ200の長手方向の両端部に配置されるキャップ側壁(短辺部分の壁面を構成する側壁)は、長手方向に沿った長辺部分のキャップ側壁の高さよりも低くなっている。なお、この低い壁の部分には封止部材が設けられておらず、ノズル面72Aとキャップ壁との間に隙間の開いた開口部が形成されるものとなる。この開口部により、キャップ200の密閉性は低下するものとなるが、後述のように、ヘッド72の長手方向の両端部には、ヘッド72を保護するためのヘッド保護部材(ダミープレート、図10の符号72D)が設けられており、このヘッド保護部材72Dはノズル面72Aと同一面(実質的に同一面と見なせる程度の誤差を許容した範囲を含んだ略同一面を意味する)の平面部を有している。
このため、ノズル面72Aの高さよりも低くしたキャップ壁とヘッド72との間にできる開口部と、実際にヘッド72のノズルが形成されているノズル面72Aの部分(ノズル部)との間にはヘッド保護部材が介在し、そのヘッド保護部材の寸法分の十分な距離がある。そのため、低くした壁とヘッドとの間にできる開口部による密閉性の低下はノズル部の保湿性には殆ど影響しない。
なお、本例では、キャップ200の長手方向の両端部の壁面の高さが低く、完全な密閉空間を形成できないため、ノズル吸引によるパージに代えて、加圧パージが好ましい。
本実施形態の変形例として、キャップ200の長手方向の両端部も含めてヘッドの全周を封止部材で封止する形態とする場合には、加圧バージに代えて、キャップに吸引ポンプを接続してキャップ内に負圧を発生させ、ノズル内のインクを吸引する吸引パージが可能である。また、キャップ200の長手方向の両端部の側壁を、壁の高さを変更できる可動板(可動壁)で構成し、必要に応じて壁の高さを制御して封止構造と開放構造を切り替え可能にしてもよい。
<本実施形態による利点>
(1)ノズル面72Aに対向する位置で保湿液を保持する液保持部210に仕切板214を設け、キャップ傾斜方向に保湿液貯留部を複数の領域(第1貯留部216、第2貯留部218)に区画し、保湿液面236、238が段になる構成としたため、傾斜するノズル面72Aと水平な保湿液面236、238の距離差が改善され、ノズル面72Aを保湿液面に近接させることができる。これにより、キャップの保湿性が向上し、ヘッドの吐出性の向上を達成でき、ノズル詰まりの防止、ヘッドの長寿命化が可能である。
(2)本実施形態によれば、パージ動作時におけるノズル面72Aの位置よりも高い位置を封止部材220、222で封止するため、封止部材220、222が汚れにくい。
(3)キャップ200は液保持部210の外側に外室242を設けた二重箱の構造となっており、保湿液近傍(すなわち液保持部210の近傍)から外室242を隔てて離れたところを封止部材220、222で密閉する構造となっているため、封止部材220、222の汚れをさらに回避することが可能である。
(4)また、外室242にも液が貯留され、外室242も保湿されるため、さらなる保湿性の向上に効果がある。
(5)封止部材220、222はキャップ200から容易に取り外しが可能であり、新しい封止部材に簡単に交換することができる。
<インクジェットヘッドの構成例>
図12は本発明の実施形態に用いられるインクジェットヘッドの斜視図である。図12では、ヘッド72の下方(斜め下方向)からノズル面72Aを見上げた様子が図示されている。このヘッド72は、複数個(n個)のヘッドモジュール72−i(i=1,2…n)を用紙幅方向に並べて繋ぎ合わせて長尺化したフルライン型のラインヘッド(シングルパス印字方式のページワイドヘッド)となっている。ここでは17個のヘッドモジュール72−iを繋ぎ合わせた例を示しているが、モジュールの構成、モジュールの個数及び配列形態については、図示の例に限定されない。図中の符号310は、複数のヘッドモジュール72−iを固定するための枠体となるハウジング(バー状のラインヘッドを構成するためのハウジング)、符号312は、各ヘッドモジュール72−iに接続されたフレキシブル基板である。
図13は、ヘッド72をノズル面72A側から見た一部拡大図である。
各ヘッドモジュール72−iは、ヘッド72における短手方向の両側からヘッドモジュール支持部材72Bによって支持されている。また、ヘッド72の長手方向における両端部はヘッド保護部材72Dによって支持されている。
各ヘッドモジュール72−i(n番目のヘッドモジュール72−n)は、複数のノズルがマトリクス状に配列された構造を有している。図13において符号351Aを付して図示した斜めの実線は、複数のノズルが一列に並べられたノズル列を表している。
図14はヘッドモジュール72−iにおけるノズル面72Aの平面図(吐出側から見た図)である。図14ではノズル数を省略して描いているが、1個のヘッドモジュール72−iのインク吐出面には、例えば、32×64個のノズル350が2次元配列されている。図14においてY方向が記録媒体(用紙)の送り方向(副走査方向)であり、X方向は記録媒体の幅方向(主走査方向)である。このヘッドモジュール72−iは、X方向に対して角度γの傾きを有するv方向に沿った長辺側の端面と、Y方向に対して角度αの傾きを持つw方向に沿った短辺側の端面とを有する平行四辺形の平面形状となっている。このようなヘッドモジュール72−iをX方向(用紙幅方向)に複数個繋ぎ合わせることにより(図12参照)、用紙幅について全描画範囲をカバーするノズル列が形成され、1回の描画走査で所定の記録解像度(例えば、1200dpi)による画像記録が可能なフルライン型のヘッドが構成される。
二次元ノズル配列を有するインクジェットヘッド(マトリクスヘッド)の場合、当該二次元ノズル配列における各ノズルを媒体搬送方向(「副走査方向」に相当)と直交する方向(「主走査方向」に相当)に沿って並ぶように投影(正射影)した投影ノズル列は、主走査方向(媒体幅方向)について、記録解像度を達成するノズル密度でノズルが概ね等間隔で並ぶ一列のノズル列と等価なものと考えることができる。「概ね等間隔」とは、インクジェット印刷システムで記録可能な打滴点として実質的に等間隔であることを意味している。例えば、製造上の誤差や着弾干渉による媒体上での液滴の移動を考慮して僅かに間隔を異ならせたものなどが含まれている場合も「等間隔」の概念に含まれる。投影ノズル列(「実質的なノズル列」ともいう。)を考慮すると、主走査方向に沿って並ぶ投影ノズルの並び順に、ノズル位置(ノズル番号)を対応付けることができる。
本発明の実施に際してヘッドモジュール72−iにおけるノズル350の配列形態は図14に示した例に限定されず、様々なノズル配置構造を適用できる。例えば、図14で説明したマトリクス配列に代えて、一列の直線配列、V字状のノズル配列、V字状配列を繰り返し単位とするジグザク状(W字状など)のような折れ線状のノズル配列なども可能である。
このようなノズル列を備えるヘッドモジュール72−iを複数組み合わせたラインヘッド(72)に対して用紙(記録媒体)を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(1回の副走査で)、用紙の画像形成領域に所定記録解像度の画像を記録することができる。
<吐出方式について>
インクジェットヘッドにおける各ノズルから液滴を吐出させるための吐出用の圧力(吐出エネルギー)を発生させる手段は、ピエゾアクチュエータ(圧電素子)、静電アクチュエータ、サーマル方式(ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させる方式)におけるヒータ(加熱素子)や他の方式による各種アクチュエータなど様々な圧力発生素子(吐出エネルギー発生素子)を適用し得る。ヘッドの吐出方式に応じて、相応のエネルギー発生素子が流路構造体に設けられる。
<ヘッドと記録媒体とを相対移動させる手段について>
上述の実施形態では、停止したヘッドに対して記録媒体を搬送する構成を例示したが、本発明の実施に際しては、停止した記録媒体(被描画媒体)に対してヘッドを移動させる構成も可能であり、また、両者を移動させる構成も可能である。
なお、シングルパス方式のフルライン型の記録ヘッドは、通常、記録媒体の送り方向(搬送方向)と直交する方向に沿って配置されるが、搬送方向と直交する方向に対して、ある所定の角度を持たせた斜め方向に沿ってヘッドを配置する態様もあり得る。その場合であっても、交差する2軸(第1方向、第2方向)を定義することで、実質的なノズル列方向、ノズルピッチ、画素ピッチなどを特定することが可能である。
記録媒体を搬送する手段(搬送手段)は、図1で例示したドラム搬送方式に限らず、ベルト搬送方式、ニップ搬送方式、パレット搬送方式など、各種形態を採用し得る。
<記録媒体について>
「記録媒体」は、ヘッドから吐出された液滴によってドットが記録される媒体の総称であり、印字媒体、被記録媒体、被画像形成媒体、受像媒体、被吐出媒体、印刷用紙など様々な用語で呼ばれるものが含まれる。本発明の実施に際して、記録媒体の材質や形状等は、特に限定されず、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フィルム、布、不織布、配線パターン等が形成されるプリント基板、ゴムシート、その他材質や形状を問わず、様々な媒体に適用できる。
〔変形例1〕
上記実施形態では、キャップ本体206がノズル面72Aの傾斜に合わせて、ノズル面72Aと平行に配置されている例を説明したが、キャップ200の形態は様々な形態が可能であり、必ずしもノズル面72Aと平行に傾斜する構成であることは要求されない。
すなわち、ノズル面72Aの傾斜方向に高低差を持つ保湿液面の段を形成するための手段として、ノズル面の傾斜方向について高低差のある複数の貯留部(保湿液貯留部)が設けられていればよい。また、複数の貯留部は、ノズル面と対面する側が開口して保湿液を貯留できる凹部構造を有していればよく、その形態は様々な設計が可能である。例えば、複数の貯留部の各底面は、ノズル面72Aと非平行な平面、曲面、又はこれらの組合せの構成とすることができる。
複数の貯留部について各貯留部の容積は適宜設計することができる。各貯留部の保湿液貯留量は等量となる構成であってもよいし、貯留部毎に異なる構成であってもよい。各貯留部の深さや保湿液面の面積(開口面積)などは同等に設計してもよいし、貯留部毎に異ならせてもよい。また、仕切板(仕切部材)によって区画するという説明上の概念にとらわれず、結果的に斜面方向に区切られた複数の貯留部が設けられていればよい。例えば、貯留部毎に、それぞれの適宜の深さや開口面積を持つ凹部を構成する凹部部材を用意し、これらをノズル面傾斜方向に複数繋ぎ合わせることで、複数の貯留部を持つ液保持部を形成することができる。
〔変形例2〕
上記実施形態では、液保持部210を傾斜方向に複数の領域に区切る仕切板214をノズル面72Aの法線方向と平行に立設させた例を示したが、仕切部材の構成はこの例に限らない。仕切部材は、必ずしもノズル面72Aの法線方向の平行な平面を持つ板状の部材であることは要求されない。例えば、仕切部材として、鉛直方向(重力方向)と平行に立設された仕切板を用いることも可能である。また、仕切部材は、折り曲げ板のように、非平行の複数の平面を組み合わせた形態であってもいし、曲面を持つ部材であってもよい。
〔変形例3〕
上記実施形態で説明した二重構造のキャップ200に代えて、キャップ枠体202を省略する態様(液保持部210に相当する部分のみの構成)も考えられる。
〔変形例4〕
上記実施形態ではヘッド72の側壁にキャップ200の封止部材220、222を当接させてヘッド側面を封止する構成を説明したが、ノズル面よりも高い位置で封止する構造はこの例に限らない。例えば、ヘッドのノズル面側に、ノズル面よりも高い位置にキャップ当接面を設け、このキャップ当接面にキャップを当接させる構造とすることができる。つまり、ヘッドのノズル面側にノズル面よりも高い位置にキャップ当接面となる平面部が形成されるように段差を設け、この平面部(キャップ当接面)に封止部材を介してキャップが当接される構造とする。封止部材はキャップの側壁の先端部分に設けることができる。或いは、ヘッド側のキャップ当接面に設けることができる。
〔変形例5〕
キャップ内に保湿液を供給するための保湿液供給口230、及び保湿液流路232を省略し、ヘッド72のノズルから吐出した液を液保持部210に貯めて保湿液として用いる態様も可能である。
〔変形例6〕
上記実施形態では、液保持部210の外側に外室242を有する二重構造のキャップ200を例示したが、本発明の実施に際しては、必ずしも二重構造のキャップであることは要求されない。ノズル面に対向してノズル面を覆うことができるキャップ部材であればよく、キャップ内に液保持部や外室といった領域の区画構造を有していないキャップであってもよい。
〔変形例7〕
上記実施形態では、液保持部210を仕切板214によってキャップ傾斜方向に区切り、2つの貯留部(216、218)を形成したが、区画数は特に限定されない。仕切板の枚数を増やして2以上さらに多数の貯留部に区画することもできる。
〔変形例8〕
封止部材を交換可能にキャップに取り付ける手段として、固定ネジ254、256を例示したが、着脱可能な構造はこの例に限定されない。嵌合構造による連結や、バネなどの付勢部材を利用した押圧係止構造、爪の係合を利用した係合連結構造など、様々な着脱構造を採用することができ、これらの適宜の組み合わせであってもよい。
〔変形例9〕
上記実施形態では、記録媒体の全幅に対応する長さのノズル列を有するページワイドのフルライン型ヘッドを用いたインクジェット記録装置(1回の副走査によって画像を完成させるシングルパス方式の画像形成装置)を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、シリアル型(シャトルスキャン型)ヘッドなど、短尺の記録ヘッドを移動させながら、複数回のヘッド走査により画像記録を行うインクジェット記録装置についても本発明を適用できる。
この場合、ヘッドの往復移動方向を「主走査方向」、記録媒体の搬送方向を「副走査方向」とすると、ヘッドにおけるノズル列は、副走査方向に沿ってノズルが並んだものとなる。マルチパス方式のインクジェット記録装置の場合、主走査方向(ヘッド走査方向)が「第1方向」に相当し、副走査方向が「ノズル列方向」、「第2方向」に相当する。また、ヘッドを往復走行させるためのキャリッジ及びその駆動機構が「相対移動手段」に相当する。
<他の装置構成への適用について>
上記の実施形態では、カラー画像印刷用のインクジェット記録装置への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト印刷装置、カラーフィルター製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを得る液体吐出装置(インクジェット記録装置、インクジェットシステムを含む)に広く適用できる。
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものでは無く、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有するものにより、多くの変形が可能である。
10…インクジェット記録装置、16…描画部、24…記録媒体、70…描画ドラム、72,72M,72K,72C,72Y…ヘッド(インクジェットヘッド)、72A…ノズル面、150…保湿ユニット、160…ノズル面清掃装置、164,164M,164K,164C,164Y…ノズル面払拭装置、192…払拭ウェブ、200,200M,200K,200C,200Y…キャップ、202…キャップ枠体、204…キャップ内枠体、206…キャップ本体、210…液保持部、212…保湿液、214…仕切板、216…第1貯留部、218…第2貯留部、220…封止部材、222…封止部材、230…保湿液供給口、232…保湿液流路、240…液、242…外室、244…ドレイン口、250…支持部材、252…支持部材、254…固定ネジ、256…固定ネジ、350…ノズル

Claims (17)

  1. 液体を吐出するノズルが形成されたノズル面を有し、前記ノズル面が水平面に対して傾斜して配置される液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドの前記ノズル面と対向する位置に配置され、保湿液を貯留する液保持部と、
    を備え、
    前記液保持部は、前記傾斜の方向に沿って複数の貯留部に区切られており、前記複数の貯留部に前記保湿液が貯留されることにより、前記傾斜の方向に高低差を持つ前記保湿液の液面が形成される液体吐出装置。
  2. 前記液保持部の内側を前記傾斜の方向に沿って複数の貯留部に区切る仕切部材を備え、
    前記仕切部材によって区画された前記複数の貯留部にそれぞれ前記保湿液が貯留されることにより、前記仕切部材を挟んで段差を持つ前記保湿液の液面が形成される請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記液保持部の前記傾斜の上側に、前記液保持部に対して前記保湿液を供給する保湿液供給口を備える請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記液保持部の前記傾斜の下側に、前記液保持部から溢れ出た液を排出するドレイン口を備える請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記液保持部を有し、前記ノズル面を覆うキャップを備える請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記キャップは前記液保持部の外側に、前記液保持部から溢れ出た液が溜まる外室を備える請求項5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記液体吐出ヘッドと前記キャップとの接触部分を密閉する封止部材を備え、
    前記封止部材を介して前記キャップを前記液体吐出ヘッドに当接させて前記キャップにより前記ノズル面を覆った状態で前記封止部材が前記ノズル面よりも高い位置を封止する請求項5又は6に記載の液体吐出装置。
  8. 前記封止部材は、前記キャップと前記液体吐出ヘッドとの接触部分に設けられ、前記キャップが前記液体吐出ヘッドに当接する際に弾性変形して前記接触部分を封止する請求項7に記載の液体吐出装置。
  9. 前記封止部材は、前記ノズルから前記キャップに向けて液体を吐出させるパージ動作時の前記ノズル面よりも高い位置を封止する請求項7又は8に記載の液体吐出装置。
  10. 前記封止部材を前記液体吐出ヘッドの側壁に接触させて封止する請求項7から9のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  11. 前記封止部材は、前記キャップの側壁に設けられている請求項7から10のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  12. 前記封止部材は、前記キャップに着脱可能に取り付けられている請求項7から11のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  13. 前記封止部材を保持する支持部材を備え、
    前記封止部材を保持した前記支持部材は、締結部材を介して前記キャップに連結されており、前記締結部材による連結を解除することにより前記支持部材とともに前記封止部材を取り外すことができる請求項7から12のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  14. 前記液体吐出ヘッドの前記ノズル面に接触させて前記ノズル面を清掃する払拭部材を備え、
    前記ノズルから前記キャップに向けて液体を吐出させるパージ動作時の前記ノズル面の高さを維持したまま当該ノズル面と平行な面内で前記液体吐出ヘッドを平行移動させることにより、前記ノズル面を前記払拭部材と接触させて前記ノズル面の払拭清掃を行う請求項7から13のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  15. 前記液体吐出ヘッドはラインヘッドであり、
    前記封止部材は、前記ラインヘッドの長手方向に沿って設けられている請求項7から14のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  16. 前記液保持部に向けて前記ノズルから液体が吐出され、前記液保持部は前記ノズルからの吐出液を受容する請求項1から15のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  17. 液体を吐出するノズルが形成されたノズル面が水平面に対して傾斜して配置される液体吐出ヘッドの前記ノズル面と対向する位置に配置され、保湿液を貯留する液保持部を備え、
    前記液保持部は、前記傾斜の方向に沿って複数の貯留部に区切られており、前記複数の貯留部に前記保湿液が貯留されることにより、前記傾斜の方向に高低差を持つ前記保湿液の液面が形成される液体吐出ヘッドの保湿装置。
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