JPWO2015194116A1 - 伝動ベルト - Google Patents

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Abstract

ラップドVベルトBは、ベルト本体(10)と、ベルト本体を被覆する補強布(15)とを備え、プーリに巻き掛けられて動力を伝達する。ベルト本体(10)の少なくとも一部は、ポリマー成分としてエチレン−α−オレフィンエラストマーを含むゴム組成物からなる。ポリマー成分は、エチレン含量が40質量%以上で且つ56質量%以下のエチレン−α−オレフィンエラストマーを、30質量%以上で且つ100質量%以下の範囲で含んでいる。

Description

本開示は、農機、一般産業機械等に用いられる伝動ベルトに関する。
農機、一般産業機械等において、動力を伝達するために広く伝動ベルトが用いられている。伝動ベルトには様々な性能が要求される。例えば、文献1には、エチレン含量、ジエン含量等を規定し、優れた屈曲疲労性及び耐熱性を実現したとする伝動ベルトが開示されている。
また、ゴム成形品の廃棄物、ゴム成形品の製造工程にて生じる端材等の廃棄加硫ゴムを脱硫し、再生脱硫ゴムとして用いることが行われており、伝動ベルトの材料として用いられる場合もある。
特開2001−82548号公報
製造された伝動ベルトに様々な性能が要求されることに加えて、伝動ベルト製造するためには材料の加工性が要求される。これに関し、特許文献1の伝動ベルトは、加工性(タック性等)が悪く、ベルト成形に際してシートゴムのプライアップ時に過分な空気が入り込みやすい。入り込んだ空気は、加硫後にも残る危険性があり、その結果として品質の安定が保たれない可能性、更にはラップドVベルトの場合にはベルトの製造自体ができない可能性がある。
以上に鑑み、耐摩耗性及び加工性に優れた伝動ベルトを実現する技術について説明する。
本願発明者らは、タック性を得る手段として流動性の高いゴム組成物を用いること、そのためにエチレン連鎖による結晶性を抑制することを発想した。
具体的には、ベルト本体と、前記ベルト本体を被覆する補強布とを備え、プーリに巻き掛けられて動力を伝達する本開示のラップドVベルトにおいて、ベルト本体の少なくとも一部は、ポリマー成分としてエチレン−α−オレフィンエラストマーを含むゴム組成物からなり、ポリマー成分は、エチレン含量が40質量%以上で且つ56質量%以下のエチレン−α−オレフィンエラストマーを、30質量%以上で且つ100質量%以下の範囲で含んでいる。
尚、補強布の少なくとも一方の面は、樹脂成分を1質量%以上で且つ20質量%以下含むと共にオイルを3質量%以上で且つ24質量%以下含むゴム組成物に被覆されていても良い。
前記のようなポリマー成分を含むゴム組成物は、エチレン連鎖による結晶性が抑制されており、流動性が高く、タック性に優れる。従って、このようなゴム組成物を用いてベルトを形成すること、例えば底部ゴム層及び/又は接着ゴム層の形成又は補強布のゴム処理等に用いることにより、十分な加工性を得ることができ、安定した品質のラップドVベルトを実現できる。
また、ベルト本体は、プーリ接触側に配置された底部ゴム層を備え、底部ゴム層は、脱硫再生したエチレンプロピレンジエンゴムを含むゴム組成物からなっていても良い。
脱硫再生したエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を用いることによりゴム組成物は低tanδとなるので、ベルト屈曲時の発熱を抑えることができ、屈曲疲労性に優れたベルトとすることができる。
また、脱硫再生したエチレンプロピレンジエンゴムは、繊維成分を含有する加硫ゴムを脱硫することにより前記繊維成分が溶融し、ゴム組成物の補強材となっていても良い。
また、ベルト本体は、プーリ接触側に配置された底部ゴム層を備え、底部ゴム層は、加硫済ゴム粉末が混練されたゴム組成物からなっていても良い。
これにより、低コストに低tanδ化することができる。
また、補強布における少なくともベルト外側面は、ゴム処理がされていない構成であっても良い。
このようにすると、ベルトを取り付けた機械及びその周辺を汚すことの無いクリーンなベルトとなる。
本開示のラップドVベルトは、安定した品質を提供できると共に、性能面においてもより向上することができる。また、廃棄加硫ゴムを再利用してベルトを実現することができる。
図1は、本開示の一実施形態における伝動ベルトの一例を示す図である。 図2は、図1の伝動ベルトの製造方法を示す図である。 図3は、本開示の実施例におけるベルトの試験方法を説明する図である。
以下、本開示の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の例示的VベルトB(伝動ベルト)を示す図である。当該VベルトBは、例えば、農業機械や産業機械に使用されるものである。また、VベルトBの寸法は、特に限定されるものではないが、例えば、ベルト周長700〜5000mm、ベルト幅16〜17mm、及びベルト厚さ8〜10mmである。
VベルトBは、ベルト内周側(プーリ接触側)の底部ゴム層11と、中間の接着ゴム層12と、ベルト外周側の背面ゴム層13との三重の層に構成されたベルト本体10を備える。接着ゴム層12には、ベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように配された心線14が埋設されている。
また、ベルト本体10の全体が補強布15によって覆われ、VベルトBはラップドベルトとなっている。
底部ゴム層11を構成するゴム組成物のポリマー成分は、エチレン−α−オレフィンエラストマーを含む。また、当該ポリマー成分は、エチレン含量が40質量%以上で且つ56質量%以下であるポリマーを、30質量%以上で且つ100質量%以下の範囲で含んでいる。このようなゴム組成物は、エチレン連鎖による結晶性が低く抑えられており、流動性が高いので、良好なタック性を実現できる。尚、ポリマー成分の残りの部分(0〜70質量%)は、例えば、エチレン含量が40質量%以上で且つ56質量%以下ではないエチレン−α−オレフィンエラストマーである。
ここで、底部ゴム層11を構成するゴム組成物は、脱硫再生したEPDMを含んでいても良い。このようなEPDMは、低tanδであり、ベルト屈曲時の発熱を抑制できるので屈曲疲労性に優れたベルトとなる。更に、繊維成分を含有する加硫ゴムを脱硫して得られる脱硫ゴムを用いると、繊維成分が溶融してゴムの補強材となるので、耐久性等が更に向上する。
尚、脱硫再生ゴムは、使用済みのゴム製品から架橋ゴム(架橋済ゴム組成物)を取り出し、その架橋ゴムを所定の方法により脱硫処理することにより得られる。具体的には、硫黄架橋されたEPDMを含む架橋ゴムを予め粉砕して粉状又は粒状とし、その後、粉状又は粒状とした架橋ゴムに所定の処理温度下で剪断応力を加えて脱硫処理することにより得られる。このように脱硫再生して得られる再生ゴムは、架橋点の一部及びEPDMの主鎖が切断されることにより、架橋可能なEPDMと、残留した硫黄架橋部によるゲル分の弾性ゴムのEPDMとを含む。この結果、これを用いたゴム組成物は、バージンゴムのみを用いた場合と比較して、ゴム弾性が高いと共にtanδが低くなる。ここで、使用済みのゴム製品としては、例えば、伝動ベルト、コンベヤベルト、タイヤ、ホース等が挙げられる。
粉状又は粒状の架橋ゴムの平均粒径は、好ましくは10μm以上、より好ましくは100μm以上であり、また、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。尚、架橋ゴムの粒径については、マイクロスコープ(例えば、キーエンス社、型番VHX2000の計測モード)等により計測できる。
脱硫処理の処理温度は、脱硫と残留するゲル分とのバランスの観点から、好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上であり、また、好ましくは250℃以下、より好ましくは230℃以下である。脱硫処理の際の剪断応力は、脱硫と残留するゲル分とのバランスの観点から、好ましくは0.981MPa以上、より好ましくは4MPa以上であり、また、好ましくは20MPa以下、より好ましくは15MPa以下である。脱硫処理の処理時間は、脱硫と残留するゲル分とのバランスと、処理装置の規模に依存する。
以上のような脱硫処理は、単軸又は二軸の押出成形機等の公知の加工設備を用いて行うことができる。
また、底部ゴム層11を構成するゴム組成物は、バージンのゴムに対して混練時に加硫済ゴム粉末が混合されたものであっても良い。
加硫済ゴム粉末は、例えば硫黄架橋されたEPDMの粉末であり、その直径は好ましくは1μm以上、より好ましくは20μm以上であり、且つ、好ましくは1000μm以下、より好ましくは300μm以下である。
ここで、加硫済ゴム粉末は凝集しており、混合前には凝集体として上記の寸法を有する。しかし、バージンのゴムに混合して混練することにより凝集体が小さくなり、例えばその直径が直径は0.1μm以上、より好ましくは1μm以上となり、且つ、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下となる。
また、加硫済ゴム粉末は、例えば、硫黄架橋されたEPDMを含む架橋ゴムを粉砕等により粉末状にしたものである。また、伝動ベルト等の製造工程中において架橋ゴムを切削する際に生じたゴム粉末を利用することもできる。この場合、廃棄物となるゴム粉末を再利用することができ、コストの低減にも繋がる。
また、接着ゴム層12についても、前記のゴム組成物からなるものとすることができる。
更に、補強布15の少なくとも一方の面が、前記のゴム組成物により被覆されていても良い。この場合、補強布15を被覆するゴム組成物の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下であるのが良い。これと共に、当該ゴム組成物のオイルの含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは24質量%以下、より好ましくは12質量%以下であるのが良い。これにより、良好な加工性及び耐摩耗性を実現できる。
ここで、補強布15におけるベルト外面側については、ゴム組成物による被覆を行わないようにしても良い。このようにすると、補強布15の両面に被覆を行った場合に比べて大きく性能を落とすこと無しに、ベルトを取り付けた機械及びその周辺を汚すことの無いクリーンなベルトとなる。
前記のゴム組成物は、ポリマー成分と、これに配合されたカーボンブラックなどの補強材、加硫促進剤、加硫促進助剤、架橋剤、老化防止剤、軟化剤等からなる。
補強材としては、カーボンブラックでは、例えば、チャネルブラック;SAF、ISAF、N−339、HAF、N−351、MAF、FEF、SRF、GPF、ECF、N−234などのファーネスブラック;FT、MTなどのサーマルブラック;アセチレンブラックが挙げられる。補強剤としてはシリカも挙げられる。補強剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。補強材は、耐摩耗性及び耐屈曲性のバランスが良好となるという観点から、ゴム成分100質量部に対する配合量が30〜80質量部であることが好ましい。
加硫促進剤としては、例えば、チアゾール系(例えばMBT、MBTSなど)、チウラム系(例えばTT、TRAなど)、スルフェンアミド系(例えばCZなど)、ジチオカルバミン酸塩系(例えばBZ−Pなど)のもの等が挙げられる。加硫促進剤は、単一種で構成されていても、また、複数種で構成されていても、どちらでもよい。特に架橋剤として硫黄が用いられる場合には、加硫促進剤が配合されることが好ましく、その場合、チアゾール系加硫促進剤及びチウラム系加硫促進剤を併用することが好ましい。加硫促進剤の含有量は、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して例えば0.5〜10質量部である。
加硫促進助剤としては、酸化マグネシウムや酸化亜鉛(亜鉛華)などの金属酸化物、金属炭酸塩、ステアリン酸などの脂肪酸及びその誘導体等が挙げられる。加硫促進助剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。加硫促進助剤は、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば0.5〜8質量部である。
架橋剤としては、例えば、硫黄、有機過酸化物が挙げられる。架橋剤として、硫黄を用いたものでもよく、また、有機過酸化物を用いたものでもよく、更には、それらの両方を併用したものでもよい。架橋剤は、硫黄の場合、ゴム成分100質量部に対する配合量が0.5〜4.0質量部であることが好ましく、有機過酸化物の場合、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば0.5〜8質量部である。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテートなどのパーオキシエステル類、ジシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類等が挙げられる。有機過酸化物は、単一種が配合されていても、また、複数種が配合されていても、どちらでもよい。
老化防止剤としては、アミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体、フェノール系、亜リン酸エステル系のものが挙げられる。老化防止剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。老化防止剤は、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば0〜8質量部である。
軟化剤としては、例えば、石油系軟化剤、パラフィンワックスなどの鉱物油系軟化剤、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落下生油、木ろう、ロジン、パインオイルなどの植物油系軟化剤が挙げられる。軟化剤は、単一種で構成されていてもよく、また、複数種で構成されていてもよい。石油系軟化剤以外の軟化剤は、ゴム成分100質量部に対する配合量が例えば2〜30質量部である。
尚、配合剤として、スメクタイト族、バーミキュライト族、カオリン族等の層状珪酸塩が含まれていてもよい。
また、補強布15を被覆するゴムは、摩擦係数低減材を含有していても良い。摩擦係数低減材としては、例えば、ナイロン短繊維、ビニロン短繊維、アラミド短繊維、ポリエステル短繊維、綿短繊維などの短繊維や超高分子量ポリエチレン樹脂等が挙げられる。
次に、接着ゴム層12及び背面ゴム層13は、断面横長矩形の帯状に構成されている。接着ゴム層12及び背面ゴム層13は、ゴム成分に種々の配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物を加熱及び加圧して架橋剤により架橋させたゴム組成物で形成されている。
接着ゴム層12及び背面ゴム層13を形成するゴム組成物のゴム成分は、底部ゴム層11と同じEPDMであるのが良い。ただし、他のゴム組成物を用いることは可能であり、例えば、エチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)等が挙げられる。
配合剤としては、底部ゴム層11と同様、例えば、カーボンブラックなどの補強材、加硫促進剤、架橋剤、老化防止剤、軟化剤等が挙げられる。
また、心線14は、ポリエステル繊維(PET)、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN)、アラミド繊維、ビニロン繊維等の撚り糸で構成されている。心線14は、ベルト本体10に対する接着性を付与するために、成形加工前にRFL水溶液に浸漬した後に加熱する接着処理及び/又はゴム糊に浸漬した後に乾燥させる接着処理が施されている。
また、補強布15は、例えば、綿、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の糸で形成された織布、編物、不織布等によって構成されている。補強布15は、ベルト本体10に対する接着性を付与するために、成形加工前にRFL水溶液に浸漬して加熱する接着処理、及び/又は、ベルト本体10側となる表面にゴム糊をコーティングして乾燥させる接着処理が施されても良い。
(伝動ベルトの製造方法)
以下、ラップドVベルトであるVベルトBの製造方法について、図2(a)〜(g)を参照して説明する。
まず、圧縮ゴム層用、接着ゴム層用及び伸張ゴム層用の各ゴムシート22を準備する。これは、実施形態にて説明した未架橋ゴム組成物を、カレンダロール等を用いてシート状に加工することにより得る。また心線用の撚り糸14及び補強布用の布15には接着処理を施す。
次に、図2(a)に示すように、マントル21に、圧縮ゴム層用のクロロプレンゴム組成物等のゴムシート22を複数回巻き付け、その上に、接着ゴム層用のゴムシート22を巻き付ける。更にその上に、図2(b)に示すように、接着剤を付着させたポリエステルコード等の心線14を螺旋状に巻き付ける。その上に、図2(c)に示すように、接着ゴム層用及び背面ゴム層用のゴムシート22を巻き付けて、円筒状の積層構造体20を作製する。
次いで、図2(d)に示すように、円筒状の積層構造体20をマントル21上で所定幅に輪切りにした後、それらをマントル21から取り外す。
次いで、図2(e)に示すように、環状の積層構造体20を、ゴム層の厚い側を外側にして一対のプーリ間に巻き掛け、回転させながら両エッジを斜めにカットしてV形状にスカイビング加工する。これにより体積を調整する。
続いて、図2(f)に示すように、V形状にスカイビング加工した環状の積層構造体20の外周を包むように、補強布15となるベルト形成用布25によりラッピングする。
そして、図2(g)に示すように、ラッピングした環状の積層構造体20を円筒金型23に外嵌めし、円筒金型23ごと加硫缶に入れて加熱及び加圧する。このとき、環状の積層構造体20のゴム成分が架橋して一体化することによりベルト形成用布25が補強布15となってラップドVベルトであるVベルトBが製造される。
――第1の実施例――
以下に、第1の実施例について説明する。ここでは、底部ゴム層11、接着ゴム層12、及びフリクションゴム(補強布15を被覆するゴム)として用いるゴム組成物A〜Lを調整した。また、これらのゴム組成物を用いて、実施例1〜8及び比較例1〜5のラップドVベルトを作成した。更に、比較例6として、クロロプレン製の従来のラップドVベルトを準備した。
(ゴム組成物)
表1に、接着ゴム層12及びフリクションゴムに用いるゴム組成物A〜E及びH〜Lの配合を示す。また、表2に、底部ゴム層11に用いるゴム組成物A、H、F及びGの配合を示す。表1及び表2のゴム組成物Aは同じ配合である。いずれも、配合から計算される樹脂分率及びオイル分率も示している。以下に、それぞれ説明する。
<ゴム組成物A>
ゴム成分として、エチレン含量(C2含量)が52質量%であるEPDM(JSR株式会社製、EP33)を用いた。当該EPDM100質量部に対し、配合剤として、HAFカーボンブラック(東海カーボン社製、商品名:シースト3)を50質量部、ステアリン酸(日油社製、ビーズステアリン酸つばき)を1質量部、酸化亜鉛(堺化学工業社製、酸化亜鉛3種)を5質量部、樹脂成分(日本ゼオン社製、クイントンA100)を10質量部、オイル(出光興産社製、ダイアナプロセスPW−90)を20質量部、硫黄(軽井沢精錬所社製、油処理硫黄)を3質量部、チウラム系加硫促進剤である促進剤1(大内新興社製、ノクセラーTET)を2質量部、及び、チアゾール系加硫促進剤である促進剤2(大内新興社製、ノクセラーDM−P)を1質量部、配合した。これを混練して、表1及び表2のゴム組成物Aを得た。
<ゴム組成物B>
ゴム組成物Aの配合において、樹脂の含量のみを(ゴム組成物Aにおける10質量部に対して)2質量部に減らした配合とし、これを混練して表1のゴム組成物Bを得た。
<ゴム組成物C>
ゴム組成物Aの配合において、樹脂の含量のみを(ゴム組成物Aにおける10質量部に対して)42質量部に増やした配合とし、これを混練して表1のゴム組成物Cを得た。
<ゴム組成物D>
ゴム組成物Aの配合において、オイルの含量のみを(ゴム組成物Aにおける20質量部に対して)6質量部に減らした配合とし、これを混練して表1のゴム組成物Dを得た。
<ゴム組成物E>
ゴム組成物Aの配合において、オイルの含量のみを(ゴム組成物Aにおける20質量部に対して)50質量部に増やした配合とし、これを混練して表1のゴム組成物Eを得た。
<ゴム組成物F>
ゴム組成物Aの配合において、ゴム成分として、100質量部のEP33に代えて、脱硫ゴム(繊維を含有していない加硫EP33を脱硫再生したもの)200質量部を用いた。後述の通り、当該脱硫ゴムにおけるEPDMの含有量は50質量%であり、EPDMとしては100質量部となる。また、HAFカーボンは配合しないものとした。その他の配合についてはゴム組成物Aと同じとし、混練して表2のゴム組成物Fを得た。
<ゴム組成物G>
ゴム組成物Aの配合において、ゴム成分として、100質量部のEP33に代えて、脱硫ゴム(繊維を含有する加硫EP33を脱硫再生したもの)200質量部を用いた。ここでも、EPDMの含有量は50質量%であり、EPDMとしては100質量部となる。また、HAFカーボンは配合しないものとした。その他の配合についてはゴム組成物Aと同じとし、混練して表2のゴム組成物Fを得た。言い換えると、ゴム組成物Fの配合において、繊維を含有する加硫EPDMを脱硫再生した脱硫ゴムを用いる配合である。
<ゴム組成物H>
ゴム組成物Aの配合において、ゴム成分として、エチレン含量が52質量%であるEPDM(EP33)100質量部に代えて、エチレン含量が67質量%であるEPDM(JSR株式会社製、EP51)100質量部を用いた。その他の配合についてはゴム組成物Aと同じとし、混練して表2のゴム組成物Gを得た。
<ゴム組成物I>
ゴム組成物Aの配合において、樹脂の含量のみを(ゴム組成物Aにおける10質量部に対して)1.5質量部に減らした配合とし、これを混練して表1のゴム組成物Iを得た。
<ゴム組成物J>
ゴム組成物Aの配合において、樹脂の含量のみを(ゴム組成物Aにおける10質量部に対して)47質量部に増やした配合とし、これを混練して表1のゴム組成物Jを得た。
<ゴム組成物K>
ゴム組成物Aの配合において、オイルの含量のみを(ゴム組成物Aにおける20質量部に対して)4質量部に減らした配合とし、これを混練して表1のゴム組成物Kを得た。
<ゴム組成物L>
ゴム組成物Aの配合において、オイルの含量のみを(ゴム組成物Aにおける20質量部に対して)55質量部に増やした配合とし、これを混練して表1のゴム組成物Lを得た。
(脱硫ゴム)
ゴム組成物F及びGに用いる脱硫ゴムは、次のようにして得た。
つまり、硫黄架橋したEPDM組成物(ゴム成分であるEPDMの含有量50質量%、繊維を含むもの及び含まないものの2種)を準備した。そして、その架橋ゴムを平均粒径150μmに粉砕して粉状乃至粒状にした後、二軸押出機(日本製鋼所社製 型番:TEX30α,スクリュー径:30mm,スクリュー長さ:1785mm)に投入し、粉状乃至粒状の架橋ゴムに剪断応力を加えて脱硫処理を施し、冷却して再生ゴムを調整した。
Figure 2015194116
Figure 2015194116
(損失係数tanδ)
各実施例及び比較例の未架橋ゴム組成物について、シート状のゴムシートを成形加硫し、JIS K6394に基づいて、振動周波数10Hz及び動歪1.0%とし、その列理方向の100℃における損失係数tanδを求めた。
(ラップドVベルトの作製)
底部ゴム層11、接着ゴム層12及びフリクションゴムとして、表3に示すとおりゴム組成物A〜Lのいずれかを用い、図2(a)〜(f)に示したようにして、実施例1〜8及び比較例1〜5のラップドVベルトを作成した。前記の通り、比較例6については、クロロプレンゴムを用いた従来のラップドVベルトを準備したものである。
底部ゴム層11について、実施例1〜5、実施例8及び比較例2〜5においていずれも組成物Aを用いた。実施例6、実施例7及び比較例1の底部ゴム層11においては、順に、ゴム組成物F、ゴム組成物G及びゴム組成物Hを用いた。
接着ゴム層12について、比較例1ではゴム組成物Hを用い、実施例1〜8及び比較例2〜5ではゴム組成物Aを用いた。
フリクションゴムについて、実施例1〜5では順にゴム組成物A〜Eを用い、実施例6〜8ではいずれもゴム組成物Aを用い、比較例1〜5では順にゴム組成物H〜Lを用いた。
また、表3における処理面とは、補強布15においてゴムによる被覆を行った面を示す。つまり、実施例8のラップドVベルトについては、補強布15の内面のみにフリクションゴムによる被覆を行い、補強布15の外面には被覆を行っていない。他のベルト、つまり実施例1〜7及び比較例1〜6については、補強布15の両面にフリクションゴムによる被覆を行っている。
Figure 2015194116
(ベルト試験評価)
図3に、プーリ径80mmの駆動プーリ31と、その下方に設けられたプーリ径80mmの従動プーリ32とを有するベルトの試験評価用のプーリレイアウトを示す。これらのプーリに評価対象のベルトを巻き掛け、従動プーリ32に80kgのデッドウェイトを与え、無負荷にて3500rpmで回転させた。
実施例1〜8及び比較例1〜6のラップドVベルトについて、上記の通りベルトを走行させて、底部ゴム層11にクラックが生じる(故障モード「底ゴムクラック」)か又は一定量の摩耗を生じる(故障モード「摩耗大」)までの時間を寿命として測定し、比較例6(クロロプレン製のベルト)の寿命を100として表3に示す。また、耐久試験初期摩耗量についても、比較例6の場合を100として示す。尚、耐久試験初期摩耗量とは、ベルトを走行させ始めてから48時間後のベルト質量の減少量を百分率によって表したものである。
また、フリクションゴムについてのフリクション加工性、ラップジョイント加工性及びカバーリング加工性と、接着ゴムについての芯線との密着性と、底部ゴムについてのプライアップ性及びtanδ(100℃における値)とについても、それぞれ表3に示す。
尚、カレンダーにてフリクション加工をする場合、一本のロールにゴムを巻き付かせた状態で帆布を通し、巻き付かせたゴムの一部をすり込むように帆布に付着させる。これに関する加工性をフリクション加工性と呼び、当該フリクション加工性が悪い場合、巻き付かせたゴムが全て帆布に乗り移り、トップ加工状態になる。
また、バイアスカットした帆布同士をジョイントする際、数mmラップさせて、フリクションゴムの粘着力によってジョイントして巻き取る。これに関する加工性をラップジョイント加工性と呼び、当該ラップジョイント加工性が悪い場合、ジョイントができない、又は、一旦はジョイントできたとしても、巻き取りまでの間に一部が剥がれる等の不具合を生じる。
また、図2(f)に示したラッピングの際に、ラップした帆布は、帆布自体の粘着力で剥がれ無いようにする。これに関する加工性をカバーリング加工性と呼び、当該カバーリング加工性が悪い場合、帆布が剥がれる等の不具合が生じる。
また、図2(a)の巻き付け持の粘着性をプライアップ性と呼ぶ。当該プライアップ性が悪いと、図2(a)の時点で剥がれるか、図2(a)の時点では問題が無かったとしても、図2(d)、図2(e)等の後の工程にて剥がれる等の不具合が生じる。
(評価結果)
実施例1〜8のラップドVベルトについて、フリクションゴムの各種加工性、接着ゴムにおける芯線との接着性、底部ゴムのプライアップ性のいずれも良好である(表3では○と記載)。
これに対し、エチレン含量が67%であるEPDM(EP51)を用いた比較例1の場合、いずれの加工性も悪く、ベルトとしての量産性が無い。これは、エチレン含量が多いことから結晶性が高いことに起因すると考えられる。
また、樹脂含量の少ない(0.8質量%)比較例2についても、加工性が悪くベルトとして成立しなかった。尚、樹脂含量が1.1%の実施例2の場合には加工性は良く、ベルトとして成立した。
また、樹脂含量の多い(20.5質量%)比較例3の場合、加工性は良いが、耐摩耗性が悪い。例えば、樹脂含量が5.2質量%及び18.8質量%である実施例1及び3の耐久試験寿命が320及び287に対して比較例3では228、耐久試験初期摩耗量についても98及び105に対して131である。
また、オイル含量が少ない(2.3質量%)比較例4の場合にも、加工性が悪くベルトとして成立しない。尚、オイル量が3.4質量%である実施例4の場合にはベルトとして成立し、耐久試験寿命311、耐久試験初期摩耗量88であって耐摩耗性も良い。
また、オイル含量が多い(24.2質量%)比較例5の場合、加工性は良いが、耐摩耗性が悪い。例えば、オイル含量が10.4質量%及び22.5質量%である実施例1及び5の耐久試験寿命が320及び282に対して比較例5では245、耐久試験初期摩耗量についても98及び112に対して147である。
また、ゴム成分として脱硫ゴムを用いた実施例6及び7について、加工性は良好であり、且つ、耐摩耗性も優れている。特に耐久試験寿命については、ゴム組成物としてEP33を用いた実施例1〜5及び8では実施例1の320が最高であるのに対し、実施例6及び7では順に414及び425であって、大幅に優れている。耐久試験初期摩耗量についても順に101及び96であり、ゴム成分がEP33の場合と同等である。
尚、繊維成分を含む加硫ゴムを脱硫して用いた場合である実施例7について、繊維成分を含まない実施例6よりも更に耐摩耗性は優れている。これは、材料とした加硫ゴムに含まれていた繊維成分が溶融し、ゴムの補強材として機能していることによると考えられる。
また、底部ゴムのプライアップ性に関しても、ゴム組成物Aを用いる実施例1〜5では0.186であるのに対し、脱硫再生ゴムを配合したゴム組成物F及びGを用いる実施例6及び7について順に0.107及び0.096であって、顕著に小さくなっている。これは、クロロプレンを用いた比較例6の0.132と比べても小さい値である。
実施例8は、使用したゴム組成物については実施例1と全く同じであるが、補強布の内面のみをフリクションゴムにより処理した場合である。耐久試験寿命は実施例1に比べて僅かに低い(309)が、耐久試験初期摩耗量は大幅に小さく(67)、補強布の外面にはゴム処理をしないことによって耐摩耗性を更に向上できることが分かる。
以上の通り、ベルトの形成に用いるゴム組成物のポリマー成分について、エチレン含量を設定して結晶性を抑制することにより、ベルトとしての加工性を改善できる。また、特にベルト表面の補強布を被覆するフリクションゴムについて、オイル含量及び樹脂含量を設定することにより、加工性及び耐摩耗性を両立することができる。
また、加硫ゴム(特に、繊維成分を含む加硫ゴム)を脱硫再生した脱硫ゴムを用いることにより耐摩耗性を更に向上できる。
更に、補強布の内面のみにゴム処理を行うことにより、耐摩耗性を更に向上できる。
――第2の実施例――
以下に、第2の実施例について説明する。ここでは、底部ゴム層11として用いるために、加硫済ゴム粉を含有するゴム組成物M〜Sを調整した。これらのゴム組成物を用いて、実施例9〜11及び比較例6〜9のラップドVベルトを作製した。更に、比較例11として、クロロプレン製の従来のラップドVベルトを準備した。
(ゴム組成物)
表4に、底部ゴム層11に用いるゴム組成物M〜Sの配合を示す。
<ゴム組成物M>
ゴム成分として、ゴム組成物Aと同じEP33(エチレン含量が52質量%)を100質量部と、EPDMが50質量%含まれる加硫済ゴム粉末60質量部とを用いる。これに対し、配合剤として、HAFカーボンブラック(東海カーボン社製、商品名:シースト3)を50質量部、ステアリン酸(日油社製、ビーズステアリン酸つばき)を1質量部、酸化亜鉛(堺化学工業社製、酸化亜鉛3種)を5質量部、樹脂成分(日本ゼオン社製、クイントンA100)を10質量部、オイル(出光興産社製、ダイアナプロセスPW−90)を20質量部、架橋剤である有機過酸化物((日油社製 商品名:パーブチルP−40 純度40質量%)5質量部(有効成分2質量部)、共架橋剤(三新化学工業株式会社製 商品名:サンエステルTMP)を5質量部、配合した。これを混練して、表4のゴム組成物Mを得た。
尚、ここで用いた有機過酸化物は常温において液体である。
また、本実施例の加硫済ゴム粉末は、伝動ベルトの製造工程中において架橋ゴムを切削する際に生じたゴム粉末であり、その粒径は10μm〜500μm程度である。混練後には、凝集体がより細かくなり、粒径は1μm〜200μm程度となる。
<ゴム組成物N>
ゴム組成物Mの配合において、共架橋剤のみを(ゴム組成物Mにおける5質量部に対して)2質量部に減らした配合とし、これを混練して表4のゴム組成物Nを得た。
<ゴム組成物O>
ゴム組成物Mの配合において、共架橋剤のみを(ゴム組成物Mにおける5質量部に対して)20質量部に増やした配合とし、これを混練して表4のゴム組成物Oを得た。
<ゴム組成物P>
ゴム組成物Mの配合において、共架橋剤を配合量0質量部に減らした(つまり、配合しない)配合とし、これを混練して表4のゴム組成物Pを得た。
<ゴム組成物Q>
ゴム組成物Mの配合において、共架橋剤のみを(ゴム組成物Mにおける5質量部に対して)25質量部に増やした配合とし、これを混練して表4のゴム組成物Qを得た。
<ゴム組成物R>
ゴム組成物Mの配合において、共架橋剤として、サンエステルTMPに代えてジメタクリル酸亜鉛(川口化学工業株式会社製、商品名:アクターZMA)5質量部を配合した。これを混練して表4のゴム組成物Rを得た。
尚、ジメタクリル酸亜鉛は常温において固体(粉末状)である。
<ゴム組成物S>
ゴム組成物Mの配合において、架橋系を硫黄に変更した配合とした。具体的には、有機過酸化物及び共架橋剤に代えて、ゴム組成物Aと同様に、硫黄(軽井沢精錬所社製、油処理硫黄)を3質量部、チウラム系加硫促進剤である促進剤1(大内新興社製、ノクセラーTET)を2質量部、及び、チアゾール系加硫促進剤である促進剤2(大内新興社製、DM−P)を1質量部、配合した。これを混練して表4のゴム組成物Sを得た。
Figure 2015194116
(ラップドVベルトの作製)
底部ゴム層11として、表5に示すようにゴム組成物M〜Sのいずれかを用い、図2(a)〜(f)に示したようにして、実施例9〜11及び比較例7〜10のラップドVベルトを作成した。接着ゴム層12及びフリクションゴムとしては、それぞれのベルトについて、加硫済ゴム粉を配合しないことを除いて底部ゴム層12のゴム組成物と同様に作製したゴム組成物を用いた。比較例11については、クロロプレンゴムを用いた従来のラップドVベルトを準備したものである。フリクションゴムによる補強布15に対する被覆は、いずれの場合も両面に行っている。
Figure 2015194116
(試験評価)
底部ゴム及びベルトの評価結果を表5に示す。
損失係数tanδ、プライアップ性、ベルトの耐久試験寿命については、第1の実施例と同様に評価を行った。ベルトの伝動能力については、基準伝動容量時のCRスリップ率を1とした相対値により示す。
(評価結果)
底部ゴム及びベルトの評価結果を表5に示す。
架橋系が有機過酸化物であり、共架橋剤が常温で液体のTMP(配合量は順に5、2及び20質量部)である実施例9〜10のラップドVベルトについて、いずれもプライアップ性は良好である。これに対し、架橋系が硫黄である比較例4と、架橋系は有機過酸化物であるが、共架橋剤が常温で固体のジメタクリル酸亜鉛である比較例3とについて、プライアップ性が悪い。また、架橋系は有機過酸化物であるが、共架橋剤を用いない比較例1の場合もプライアップ性は悪い。
更に、架橋系が有機過酸化物であり、共架橋剤がTMPである比較例2についてもプライアップ性は悪い。比較例2の場合、共架橋剤の配合量の25質量部であり、これが多過ぎるのでブリードが多くなり過ぎて粘着性が低下したと考えられる。従って、共架橋剤の配合量に適切な範囲が存在する。例えば、ゴム成分100質量部に対して1質量部以上で且つ23質量部以下とするのが良い。
次に、損失係数tanδについては、架橋済ゴム粉末を用いないゴム組成物A(表3参照)の場合に0.186であるのに対し、実施例9〜11では順に0.179、0.182及び0.172であって、いずれも小さくなっている。また、共架橋剤を用いない比較例7及び架橋系が硫黄である比較例10ではそれぞれ0.201及び0.215であり、これらに比べて実施例9〜11の方がtanδは小さくなっている。
また、ベルトの伝動能力(基準伝動容量時におけるクロロプレンゴムを用いた比較例11のスリップ率を1とした評価)について、実施例9〜11は順に0.91、0.99及び0.96であって、クロロプレンの場合よりも優れる。また、共架橋剤を用いない比較例7及び架橋系が硫黄である比較例10の1.05及び1.38に比べても明らかに優れている。
ベルトの耐久性について、実施例1〜3の耐久寿命は順に331、359及び223であり、基準としたクロロプレンゴムを用いる比較例11に比べて顕著に優れる。EPDMを用いており、共架橋剤を用いない比較例7、共架橋剤が25質量部である比較例8、架橋系が硫黄である比較例10の耐久寿命は順に205、214及び210であり、これらに対しても実施例9及び10は明らかに優れている。
以上の通り、比較例1〜4は、tanδ、伝動能力及び耐久試験寿命に関しては優れている部分もあるが、いずれもプライアップ性が悪いので量産性が低い。これに対し、実施例1〜3は、tanδ、伝動能力及び耐久試験寿命に関して各比較例と同等又はより優れた性能を備え、且つ、プラアップ性が良好である。クロロプレンゴムを用いる比較例5については、tanδ及び伝動能力とプライアップ性とについて良好であるが、耐久試験寿命は基準とした100であり、実施例1〜3はこれに対して2倍から3倍以上の性能を有している。
このように、架橋系を有機過酸化物とし、常温において液体である共架橋剤を適量用いることにより、tanδ、伝動能力及び耐久試験寿命と、プライアップ性とについて、総合的に優れたゴム組成物を得ることができる。また、脱硫処理を行うこと無しに加硫済ゴム粉末を再利用することができるので、より低コストに伝動ベルトを製造することができる。
本開示のラップドVベルトは、耐摩耗性及び加工性が高いので、各種の一般産業機械等に用いる伝動ベルトとして有用である。
10 ベルト本体
11 底部ゴム層
12 接着ゴム層
13 背面ゴム層
14 心線
15 補強布
20 積層構造体
21 マントル
22 ゴムシート
23 円筒金型
25 ベルト形成用布
31 駆動プーリ
32 従動プーリ

Claims (6)

  1. ベルト本体と、前記ベルト本体を被覆する補強布とを備え、プーリに巻き掛けられて動力を伝達するラップドVベルトにおいて、
    前記ベルト本体の少なくとも一部は、ポリマー成分としてエチレン−α−オレフィンエラストマーを含むゴム組成物からなり、
    前記ポリマー成分は、エチレン含量が40質量%以上で且つ56質量%以下のエチレン−α−オレフィンエラストマーを、30質量%以上で且つ100質量%以下の範囲で含んでいることを特徴とするラップドVベルト。
  2. 請求項1のラップドVベルトにおいて、
    前記補強布の少なくとも一方の面は、樹脂成分を1質量%以上で且つ20質量%以下含むと共にオイルを3質量%以上で且つ24質量%以下含む前記ゴム組成物に被覆されていることを特徴とするラップドVベルト。
  3. 請求項1又は2のラップドVベルトにおいて、
    前記ベルト本体は、プーリ接触側に配置された底部ゴム層を備え、
    前記底部ゴム層は、脱硫再生したエチレンプロピレンジエンゴムを含む前記ゴム組成物からなることを特徴とするラップドVベルト。
  4. 請求項3のラップドVベルトにおいて、
    前記脱硫再生したエチレンプロピレンジエンゴムは、繊維成分を含有する加硫ゴムを脱硫することにより前記繊維成分が溶融し、前記ゴム組成物の補強材となっていることを特徴とするラップドVベルト。
  5. 請求項1又は2のラップドVベルトにおいて、
    前記ベルト本体は、プーリ接触側に配置された底部ゴム層を備え、
    前記底部ゴム層は、加硫済ゴム粉末が混練された前記ゴム組成物からなることを特徴とするラップドVベルト。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つにおいて、
    前記補強布における少なくともベルト外側面は、ゴム処理がされていないことを特徴とするラップドVベルト。
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