JPWO2015186766A1 - 累進屈折力レンズ - Google Patents

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Abstract

累進屈折力レンズは非球面である物体側の面と非球面である眼球側の面近方視用の度数をもつ近用部と、近方視より遠い距離を見るための度数をもつ遠用部と、遠用部および近用部を接続する中間部と、を含む累進屈折力レンズであって、累進屈折力レンズは非球面である物体側の面と非球面である眼球側の面から構成され、物体側の面は、累進屈折力レンズの設計中心に対して回転対称な面であり、かつ、設計中心に対して回転対称であって設計中心を含む第1安定領域20と、第1安定領域20の外側に接して配置され設計中心に対して回転対称な非球面領域23と、を備え、第1安定領域20における平均面屈折力のPV値(Peak to Valley)が0.12D以内であることを特徴とする累進屈折力レンズである。

Description

本発明は、累進屈折力レンズに関する。
老視等の視力の矯正のために用いられる眼鏡用レンズとして、累進屈折力レンズが開発されてきた。たとえば、遠近両用の累進屈折力レンズにおいては、レンズの上方から中心にかけて遠方視のための屈折力を備える領域(遠用部)と、レンズの下方に近方視のための屈折力を備える領域(近用部)と、屈折力の異なる遠用部と近用部とを滑らかに接続する領域(中間部)と、が設けられている。この中間部は、遠用部の屈折力から近用部の屈折力まで屈折力が連続的に変化する領域である。
このような累進屈折力レンズを眼鏡用レンズとして装用することにより、老視に起因する近方に焦点が合いにくい状態が改善され、遠方視と近方視との間で視線を移動する場合であっても、遠方視から近方視までの広い範囲において、違和感の少ない視線移動が可能となる。
しかしながら、累進屈折力レンズでは、同一レンズ上に屈折力の異なる領域が存在しているため、装用者が当該レンズを通じて物体を見ると、物体の像の揺れ、歪みを感じ、装用時の快適さが損なわれてしまう。このような像の揺れ、歪みを改善する累進屈折力レンズとしては、たとえば、特許文献1に開示された累進屈折力レンズが例示される。
特許文献1では、累進屈折力レンズの物体側の面において、当該レンズの垂直方向の面屈折力よりも、水平方向の面屈折力を大きくしている。このようにすることにより、視線が水平方向に動いても、視線が当該レンズを通過する角度の変動が抑制される。その結果、当該レンズを通じてみる像の諸収差が低減されるため、像の揺れが改善されることが記載されている。
また、像の揺れ、歪みを低減する試みとしては、たとえば、特許文献2に開示された累進屈折力レンズが例示される。
特許文献2では、累進屈折力レンズのレンズ面の配置に着目し、従来は、物体側の面(外面)に累進屈折作用を示す累進屈折面を配置していたのに対し、累進屈折面を眼球側の面(内面)に配置して、物体側の面を球面で構成したいわゆる内面累進屈折力レンズが開示されている。
この内面累進屈折力レンズでは、屈折力の異なる領域(遠用部、近用部等)が形成されている累進屈折面(曲率が変化する面)を内面とし、屈折力が一定な領域が形成されている面(曲率が一定な面)を物体側の面とすることにより、眼鏡用レンズの倍率を決定するファクターの1つである「シェイプファクター」を一定とすることにより、眼鏡用レンズに生じる倍率差を低減している。
具体的には、図11に示すレンズ100において、眼鏡用レンズの倍率(S.M.)は、シェイプファクター(Ms)とパワーファクター(Mp)を用いて、下記の式1で表される。
S.M.=Ms・Mp ・・・式1
また、Msは下記の式2で表され、Mpは下記の式3で表される。


ただし、D1は、物体側の面200のベースカーブ、tはレンズ中心の厚み、nはレンズの屈折率、Lは眼球側の面300の頂点(内側頂点)から眼球E(厳密には角膜頂点)までの距離、Pは内側頂点での度数を示す。
上記の式1から明らかなように、眼鏡用レンズの倍率はシェイプファクターとパワーファクターとにより変化する。
ここで、上記の式2より、シェイプファクターにおけるD1は、物体側の面のベースカーブであるので、物体側の面を累進屈折面とすると、遠用部と近用部とでは、屈折力、すなわちベースカーブが異なるため、D1は一定とならず変化する。したがって、シェイプファクターは変動する。
また、パワーファクターについては、レンズに付加される度数(遠用度数、近用度数、加入度数等)により、上記の式3に示すPが一義的に決まるので、Pを自由に設定することはできない。
ところが、特許文献2に開示されているように、累進屈折面を眼球側の面とし、物体側の面を球面とすれば、ベースカーブは変化せず一定となる。したがって、物体側の面を球面としてシェイプファクターを一定とすることにより、眼鏡レンズの倍率(S.M.)の差に関して、シェイプファクターに起因する倍率の変動分がなくなるため、倍率差を低減できることになる。
特開2013−76850号公報 特許第3852116号公報
しかしながら、特許文献1に開示された累進屈折力レンズは、物体側の面において、垂直方向と水平方向とで曲率が異なるように構成されており、眼球側の面には、累進屈折作用をもたらす累進要素が配置されている。このような累進屈折力レンズは、いわゆる両面累進屈折力レンズであり、加工製造が難しいことが知られている。
具体的には、物体側の面では、水平方向の曲率が垂直方向の曲率よりも大きくなっているため、レンズの研削あるいは研磨時において、レンズをレンズ保持具に固定するために用いられる通常のブロックリングは用いることができず、専用のブロックリングを作製する必要があった。
また、専用のブロックリングを用いて固定する場合であっても、レンズ保持具への固定は、一方の面を固定して加工等を行った後に、他方の面を固定して加工等を行うので、一方の面の固定位置に対する他方の面の固定位置が、設計上対応すべき位置から時計回りあるいは反時計回りにずれる回転ズレが生じてしまうことがあった。特許文献1に開示された両面累進屈折力レンズの場合、物体側の面と、眼球側の面と、の両方に累進要素が設定されているため、回転ズレが生じると、一方の面の累進要素と他方の面の累進要素との組み合わせの位置精度が悪化してしまう。その結果、加工された最終レンズにおいて物体側の面と眼球側の面とが設計通りに組み合わされず、実際の屈折力分布が設計の屈折力分布から変化してしまう。特に、乱視矯正用の度数が付加されたレンズ面について、上記の回転ズレが生じた場合、度数のズレだけでなく、乱視軸のズレが大きくなってしまい、最終レンズの光学性能が劣化してしまうという問題があった。
また、特許文献2に開示されている内面累進屈折力レンズは、累進屈折面を物体側の面に配置した外面累進屈折力レンズと比較して、像の揺れ、歪みを低減できる。しかしながら、特許文献2では、シェイプファクターに起因する倍率の変動分が改善されているのみである。そのため、たとえば、遠用部の度数と近用部の度数との差が大きい処方に基づいて累進屈折力レンズを設計する場合、遠用部と近用部との度数差に起因する倍率差が大きくなり、像の揺れ、歪みの低減が不十分となるという問題があった。
また、特許文献2では、像のアスペクト比については何ら考慮されていなかった。アスペクト比とは、レンズを通じてみた物体の像の縦横の長さの比である。アスペクト比が1である場合には、レンズを通じてみた物体の縦横の長さの比と、実際の物体の縦横の長さの比と、が同じであり、違和感の少ない快適な視野が得られることを意味する。したがって、像のアスペクト比を考慮することは、累進屈折力レンズ設計において重要である。
しかしながら、特許文献2に開示された累進屈折力レンズでは、物体側の面を球面で構成しているため、球面の特性に起因して、当該レンズの中心付近で物体を見る場合に比べて、当該レンズの下方付近で物体を見ると、遠視用のレンズの場合、物体の像が縦に引き伸ばされたように見える。当該レンズを玉型加工し、眼鏡用レンズとした場合には、通常、眼鏡用レンズの遠用部は、累進屈折力レンズの上方から中心付近に対応し、近用部は、累進屈折力レンズの下方に対応する。したがって、特許文献2に開示された累進屈折力レンズを眼鏡用レンズとして装用した場合には、遠用部を通じて見る像に比較して近用部を通じて見る像が縦に引き伸ばされ、近用部における像のアスペクト比が悪化してしまうという問題があった。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされ、物体側の面と眼球側の面との相対的な組み合わせ位置精度を向上することによりレンズの光学性能を維持することができ、かつレンズを通じて見た際の像の揺れ、歪み、近用部における像のアスペクト比を改善できる累進屈折力レンズを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、
近方視用の度数をもつ近用部と、近方視より遠い距離を見るための度数をもつ遠用部と、遠用部および近用部を接続する中間部と、を含む累進屈折力レンズであって、
累進屈折力レンズは非球面である物体側の面と非球面である眼球側の面から構成され、
物体側の面は、
累進屈折力レンズの設計中心に対して回転対称な面であり、かつ、
設計中心に対して回転対称であって設計中心を含む第1安定領域と、
第1安定領域の外側に接して配置され設計中心に対して回転対称な非球面領域と、
を備え、
第1安定領域における平均面屈折力のPV値(Peak to Valley)が0.12D以内であることを特徴とする累進屈折力レンズである。
上記の第1の態様において、回転対称な非球面領域は、第1安定領域の外側に接するとともに以下の条件を満たす曲率変化領域を備えることが好ましい。
(条件1)
設計中心から物体側の面の外周に向かう経線方向の曲率が第1安定領域における経線方向の曲率より小さい。
上記の第1の態様において、曲率変化領域における経線方向の曲率および円周方向の曲率のいずれか一方は、経線方向に向かうに従って単調に減少することが好ましい。
上記の第1の態様において、曲率変化領域では、経線方向の曲率は、円周方向の曲率よりも小さいことが好ましい。
上記の第1の態様において、回転対称な非球面領域は、曲率変化領域の外側に接して配置され設計中心に対して回転対称な第2安定領域を備え、第2安定領域では、経線方向の曲率は円周方向の曲率より小さいことが好ましい。また、 経線方向の曲率は実質的に一定であることが好ましい。第2安定領域における経線方向の面屈折力のPV値(Peak to Valley)が0.25D以内であることがより好ましい。
上記の第1の態様において、遠用度数測定位置が、第1安定領域にあることが好ましい。この場合、近用度数測定位置が、曲率変化領域または第2安定領域にあることが好ましい。
上記の第1の態様において、近用度数測定位置が、第1安定領域にあることが好ましい。この場合、遠用度数測定位置が、曲率変化領域または第2安定領域にあることが好ましい。
上記の第1の態様において、眼球側の面は、物体側の面の曲率変化領域による面屈折力の変化を相殺する面屈折力変化を備えることが好ましい。
本発明によれば、物体側の面と眼球側の面との相対的な組み合わせ位置精度を向上することによりレンズの光学性能を維持することができ、かつレンズを通じて見た際の像の揺れ、歪み、近用部における像のアスペクト比を改善できる累進屈折力レンズを提供することができる。
図1(a)は、本実施形態に係る累進屈折力レンズの断面概略図である。図1(b)は、本実施形態に係る累進屈折力レンズの遠用部、近用部および中間部の配置の一例を示す図である。 図2は、本実施形態に係る累進屈折力レンズの物体側の面の平面図である。 図3は、本実施形態に係る累進屈折力レンズの物体側の面における経線方向の曲率および円周方向の曲率を示す図である。 図4は、遠用部と近用部との倍率差を説明するための図である。 図5は、遠用部と近用部との像のアスペクト比の違いを説明するための図である。 図6は、本実施形態に係る累進屈折力レンズの製造方法の各工程を示す工程図である。 図7は、実施例1および比較例1のレンズ高さを示すグラフである。 図8は、実施例1および比較例2の揺れ指数を示すグラフである。 図9は、実施例1および比較例2の平均眼鏡倍率を示すグラフである。 図10は、実施例1および比較例2の像のアスペクト比を示すグラフである。 図11は、眼鏡用レンズの倍率を説明するための図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき、以下の順序で詳細に説明する。
1.累進屈折力レンズ
1−1 物体側の面
1−1−1 第1安定領域
1−1−2 曲率変化領域
1−1−3 第2安定領域
1−2 眼球側の面
1−3 物体側の面と眼球側の面との組み合わせ
2.累進屈折力レンズの製造方法
3.本実施形態の効果
4.変形例
(1.累進屈折力レンズ)
本実施形態に係る累進屈折力レンズ1は、図1(a)に示すように、物体側に位置する面(物体側の面2)と、眼球E側に位置する面(眼球側の面3)と、が組み合わされて構成されるレンズである。図1(b)は、本実施形態に係る累進屈折力レンズ1の遠用部、近用部および中間部の配置を示す図である。本実施形態では、図1(b)に示す遠用部等の機能をもたらすための累進屈折作用を実現する累進要素が物体側の面と眼球側の面との両面に配置されており、本実施形態に係る累進屈折力レンズ1は両面累進屈折力レンズである。
本実施形態に係る累進屈折力レンズ1は、図1(b)に示すように、屈折力の異なる遠用部11と近用部12とを有し、さらに遠用部11と近用部12とを滑らかに接続し、連続的に屈折力が変化している中間部13を有している。当該累進屈折力レンズ1は、遠用部11における度数がプラスまたは0であり、遠視用または正視用の累進屈折力レンズである。
本実施形態に係る累進屈折力レンズ1を眼鏡用レンズとして装用した場合、当該累進屈折力レンズ1を透過する光が、図1(b)に示す遠用部等に設定された屈折力分布に従って像を構成し、当該像が最終的に眼球Eの網膜において結像する。したがって、図1(b)に示す図は、物体側の面2と眼球側の面3とを組み合わせたレンズ1が示す屈折力分布を遠用部、近用部および中間部を用いて模式的に示した図であり、物体側の面2の屈折力分布を示す図ではなく、眼球側の面3の屈折力分布を示す図でもない。
続いて、本実施形態に係る累進屈折力レンズを構成するレンズ面である物体側の面2と眼球側の面3とについて説明する。
(1−1 物体側の面)
図2は、物体側の面2の平面図を示しており、累進屈折力レンズを眼鏡用レンズとして装用した場合に、レンズの垂直方向に相当する方向をY軸とし、レンズの水平方向に相当する方向をX軸としている。さらに、図1(a)に示すように、レンズ1の厚み方向をZ軸としている。Z軸は、X軸およびY軸の両方に垂直な軸であり、図2においては、紙面に垂直な軸となっている。換言すれば、図2は、Z軸方向から見た物体側の面2をXY平面上に投影した図である。したがって、物体側の面2は、座標(x,y,z)を用いて表すことができ、Z軸方向の座標は、物体側の面の屈折力分布に応じて設定される。
また、物体側の面2には設計中心が設定されており、本実施形態では、図1において、Z軸と物体側の面2との交点である物体側の面2の頂点(極)を設計中心としている。図2において、当該設計中心はXY平面上に投影され、X軸とY軸との交点に一致する。本実施形態では、物体側の面2は、設計中心(X軸とY軸との交点)を回転中心Oとする回転対称な面として形成されている。なお、本実施形態では、設計中心、すなわち回転中心Oは、物体側の面2の幾何学中心と一致するが、必ずしも一致していなくてもよい。具体的には、設計中心(回転中心O)が、幾何学中心から半径5.0mmの円内に存在していることが好ましい。
図2に示すように、本実施形態では、物体側の面2は同心円状に3つの領域(第1安定領域20、曲率変化領域21、第2安定領域22)に分けられている。換言すれば、回転中心Oに対して回転対称な領域が3つ形成されている。各領域は滑らかに接続されており、連続した1つの面を構成している。
また、物体側の面2を、第一安定領域20と、曲率変化領域21と第二安定領域22とを合わせた同心円状の領域と、の2つの領域に分けて考えてもよい。なお、曲率変化領域21と第二安定領域22を合わせた領域は、回転対称な非球面領域23により構成されているともいえる。
(1−1−1 第1安定領域)
第1安定領域20は、設計中心である回転中心Oを含む面から構成される領域である。本実施形態では、第1安定領域は、第1安定領域の平均面屈折力のPV値が0.12D(ディオプター)以下の範囲に制御された領域である。なお、PV値は、面精度を表す値であり、有効範囲内での平均面屈折力の最大値と最小値との差と定義される。球面レンズの面精度は、ISO規格では、40Φの範囲内で平均面屈折力が±0.06D以内であることを考慮すると、上記の範囲は、平均面屈折力の変化量としては非常に小さく、レンズ製造時に物体側の面を形成する際の製造誤差を示しているということができる。換言すれば、第1安定領域20は、上記の製造誤差を有する球面により構成されているということができる。
そこで、本実施形態では、説明の便宜上、第1安定領域を任意の方向における曲率cが一定である領域、すなわち球面と定義するが、「曲率cが一定」とは、平均面屈折力の変化が上記の範囲内に制御されていることと同義である。したがって、本実施形態における第1安定領域は理論的な意味での球面ではなく、実質的な球面である。物体側の面において、図2に示す経線方向および円周方向における曲率の変化を図3に示す。図3から明らかなように、第1安定領域では経線方向と円周方向とでは曲率は同じかつ一定であり、曲率cの変化が極めて小さいことを示している。なお、第1安定領域の曲率cの値は、装用者の処方等に応じて決定すればよい。
また、回転中心OをXY平面の原点とすると、回転中心Oから半径rまでの球面が第1安定領域20である。また、Z軸方向の座標は、第1安定領域の曲率cを用いて下記の式4のように表すことができる。

ただし、rはXY平面上の座標(x,y)を用いて下記の式5で表される。

第1安定領域の半径rについても装用者の処方等に応じて決定すればよいが、本実施形態では、たとえば、rは10mm程度である。
(1−1−2 曲率変化領域)
曲率変化領域21は、図2に示すように、第1安定領域20の外側に、第1安定領域20を取り囲むように配置され、半径rからrまでの環状の領域である。また、Z軸方向の座標は下記の式6のように表すことができる。

ただし、aは非球面係数である。
本実施形態では、曲率変化領域21において、図3に示すように、経線方向の曲率c1mが、回転中心Oから物体側の面2の外側に向かってcから単調に減少している。このとき、好ましくは、円周方向の曲率c1cもcから単調に減少している。換言すれば、曲率変化領域21は、物体側の面2の経線方向と円周方向との両方向において、屈折力が単調に減少する領域である。曲率変化領域21は滑らかな曲面で構成されているため、たとえば、経線方向の曲率を変化させると、曲面を維持するために円周方向の曲率も変化することになる。詳細は後述するが、経線方向の曲率c1mおよび円周方向の曲率c1cが、cから減少することにより、像の揺れ、歪みを低減することができる。
上記の設定の結果、本実施形態における曲率変化領域21は一例として以下の条件を満たす。
(条件1)
設計中心から物体側の面の外周に向かう経線方向の曲率が第1安定領域における経線方向の曲率より小さい。
(条件2)
経線方向に直交する方向の曲率である円周方向の曲率が第1安定領域における円周方向の曲率より小さい。
なお、条件1を満たせば自ずと条件2も満たされることになる。そのため、少なくとも条件1を満たすのが好適である。
また、回転中心Oから物体側の面2の外側に向かって単調に減少するのは、経線方向の曲率c1mおよび円周方向の曲率c1cの少なくともいずれかであっても構わない。
しかも、本実施形態では、曲率変化領域21において、図3に示すように、経線方向の曲率c1mは、円周方向の曲率c1cよりも小さくなっている。詳細は後述するが、このようにすることにより、像のアスペクト比を改善することができる。
なお、曲率変化領域21は屈折力が単調に減少する領域であるため、曲率変化領域21には本実施形態に係る累進屈折力レンズがもたらす累進屈折作用を実現するための累進要素が配置されていることになる。
以上より、曲率cが一定な第1安定領域20が、物体側の面2の設計中心に配置され、その外側に経線方向の曲率c1mと円周方向の曲率c1cとが物体側の面の外側に向かって減少する関係を有する曲率変化領域が配置されている。その結果、詳細は後述するが、ブロックリングを用いてレンズ保持具にレンズを固定する際の保持性を向上できるだけでなく、第1安定領域に起因する安定した度数が得られることに加え、像の揺れ、歪みを低減し、像のアスペクト比をも改善することができる。
(1−1−3 第2安定領域)
物体側の面2は、上述した第1安定領域20と曲率変化領域21とから構成されていてもよいが、本実施形態では、物体側の面2は、曲率変化領域21の外側に、曲率変化領域21を取り囲むように配置される第2安定領域22をさらに備えている。第2安定領域は、図2に示すように、半径rがrより大きい環状の領域である。また、Z軸方向の座標は下記の式7のように表すことができる。

ただし、c、rおよびzは以下の式8〜13を用いて表される。





第2安定領域は、経線方向の平均面屈折力のPV値が、0.25D以下の範囲に制御された領域である。この範囲は、第1安定領域20における平均面屈折力の変化量の範囲よりも大きくなっている。すなわち、第2安定領域の経線方向の平均面屈折力については、第1安定領域20の平均面屈折力よりも製造誤差を範囲を広く見積もっている。したがって、経線方向における平均面屈折力の変化量は、第1安定領域の平均面屈折力の変化量と同程度であってもよいし、製造上の観点から上記の範囲内で平均面屈折力の変化量を意図的に制御してもよい。
経線方向の平均面屈折力の変化量の範囲は、第1安定領域の平均面屈折力の変化量の範囲よりも大きいものの、経線方向の平均面屈折力の変化量の範囲も製造誤差内である。このことを考慮して、本実施形態では、第2安定領域における平均面屈折力のPV値が上記の範囲内である場合には、平均面屈折力が実質的に一定であると定義する。したがって、第1安定領域と同様に、「経線方向の曲率c2mが実質的に一定」とは、平均面屈折力の変化が上記の範囲内に制御されていることと同義である。なお、第2安定領域の円周方向の平均面屈折力は、上記の経線方向の平均面屈折力のPV値の範囲を超えて変化するため、実質的に一定にもならない。したがって、第2安定領域22は球面にはならない。
経線方向の平均面屈折力が実質的に一定であることにより、レンズの周縁部が浅くなり続けて、物体側の面と眼球側の面との両面が凸になることを抑制することができる。その結果、レンズの製造が容易となる。特に、本実施形態では、第2安定領域を含む物体側の面は、設計中心に対して回転対称な面として形成されているため、レンズを回転させながら加工を行う際には、加工が容易となる。
また、曲率変化領域と第2安定領域とは滑らかに(連続的に)接続されているため、曲率変化領域における経線方向の曲率c1mと円周方向の曲率c1cの大小関係が、第2安定領域においても反映される。したがって、図3に示すように、同じ位置における経線方向の曲率c2mは円周方向の曲率c2cよりも小さくなっている。したがって、第2安定領域においても、経線方向の曲率c2mが、円周方向の曲率c2cよりも小さい状態が維持されている。その結果、曲率変化領域と同様に、像のアスペクト比を改善できる。
(1−2 眼球側の面)
眼球側の面は、物体側の面と組み合わされて、レンズの透過像に所定の累進屈折作用がもたらされるように構成されていれば特に制限されない。本実施形態では、眼球側の面は、物体側の面の曲率変化領域の面屈折力の変化を相殺する面屈折力変化を備えており、累進屈折作用をもたらすための累進要素が配置されている。
(1−3 物体側の面と眼球側の面との組み合わせ)
上述した物体側の面と眼球側の面とはそれぞれ単なるレンズ面であり、単独では、遠用部、近用部および中間部の機能を実現する累進屈折作用は得られない。物体側の面と眼球側の面とを組み合わせてレンズを得ることにより、当該レンズの透過像に累進屈折作用がもたらされ、当該レンズの装用者の網膜上において、累進屈折作用がもたらされた像として結像する。
本実施形態では、上述した構成を有する物体側の面と眼球側の面とを組み合わせることにより、累進屈折作用がもたらされた像において、遠用部と近用部との倍率差に起因する像の揺れおよび歪みを低減することができる。このような効果は、以下に示すメカニズムにより得ることができる。
図4(a)に示すように、度数が一定のレンズを通じて見る場合、レンズのどの部分であっても、物体の像は同じように拡大され、像に揺れ、歪みは生じない。これに対し、累進屈折力レンズでは、遠用部の度数に、所定の度数を加入させて近用部の度数を設定している。したがって、図4(b)に示すように、遠用部を通じてみる像よりも中間部および近用部を通じて見る像の方が大きく見えるため、累進屈折力レンズを眼鏡用レンズとして装用した場合、像に揺れ、歪みが生じてしまう。
そこで、本実施形態では、物体側の面と眼球側の面とを組み合わせて得られる累進屈折力レンズの遠用部に対応する領域の近傍が、第1安定領域に対向するように配置し、当該レンズの中間部および近用部に対応する領域の近傍が、曲率変化領域(および必要に応じて第2安定領域)に対向するように配置している。
上述したように、曲率変化領域および第2安定領域における曲率(c1m、c1c、c2m、c2c)は、第1安定領域の曲率cよりも小さい。したがって、第1安定領域の度数と、曲率変化領域および第2安定領域の度数との差が、遠用部の度数に対する中間部および近用部の度数増加分をキャンセルすることができる。その結果、遠用部と近用部との倍率差が低減され、像の揺れ、歪みを低減することができる。
すなわち、累進屈折力レンズの遠用部に相当する領域は、主に物体側の面の第1安定領域に対応していることが好ましい。通常、遠用部では度数変化(曲率変化)が少ないため、物体側の面において度数変化が生じない第1安定領域を遠用部に対応させることが好ましい。特に、遠用度数を測定するための基準点である遠用度数測定点が、物体側の面の第1安定領域内に位置している(対応している)ことが好ましい。遠用度数測定点が第1安定領域内に対応していれば、度数変化の小さい領域で遠用度数を測定できるため、精度の高い測定が可能となり好ましいからである。
また、中間部に相当する領域および近用部に相当する領域は、主に物体側の面の曲率変化領域および第2安定領域に対応していることが好ましい。中間部では、屈折力が連続的に変化し、近用部における屈折力の変化は、遠用部における屈折力の変化よりも大きいため、経線方向の曲率および円周方向の曲率のうち、少なくとも一方が変化している曲率変化領域および第2安定領域が、これらの領域に対応していることが好ましい。特に、近用度数を測定するための基準点である近用度数測定点が、物体側の面の曲率変化領域または第2安定領域内に位置している(対応している)ことが好ましい。近用度数測定点が曲率変化領域または第2安定領域内に対応していれば、曲率変化の効果が中間部および近用部で得られるため、好ましいからである。
さらに、本実施形態に係る累進屈折力レンズは、上述した構成を有する物体側の面と眼球側の面とを組み合わせることにより、像のアスペクト比を改善することができる。本実施形態に係る累進屈折力レンズは遠視用であるので、遠用度数がプラスである。そうすると、当該レンズを眼鏡用レンズとして装用する場合、レンズの中心に近い位置に配置される遠用部に対し、近用部はレンズの下方に配置されているため、遠用部に比べて、近用部では物体が縦に引き伸ばされて見える。物体側の面を+3.00D(ディオプター)の球面で構成した場合、図5に示すように、眼鏡用レンズ1aの近用部でのアスペクト比は1から大きく外れてしまい、近用部と遠用部とでは、像のアスペクト比が異なる。
そこで、本実施形態では、図3に示すように、曲率変化領域において、経線方向における曲率c1mが円周方向における曲率c1cよりも小さくなるようにしている。曲率変化領域は滑らかな曲面で構成されているため、経線方向における曲率が小さくなると、曲面を維持するために、円周方向の曲率も小さくなる。ただし、円周方向の曲率c1cは、経線方向における曲率c1mほど小さくならず、曲率変化領域において、経線方向における曲率c1mと、円周方向における曲率c1cと、で差が生じる。
このような曲率の差が生じている状態で曲率変化領域に対応する領域を通じて見ると、物体は円周方向に引き伸ばされて見えることになる。一方、曲率変化領域における経線方向における曲率は、近用部の垂直方向における曲率に対応し、曲率変化領域における円周方向における曲率は、近用部の水平方向における曲率に相当することになる。その結果、曲率変化領域が存在することにより生じる横方向の引き伸ばし効果が、図5に示す縦方向の引き伸ばし効果をキャンセルすることになり、曲率変化領域が存在しない場合に比べて、近用部での像のアスペクト比を1に近づけることができる。
なお、本実施形態における曲率変化領域および第2安定領域は、回転中心Oに対して回転対称な環状の領域であるため、遠用部の上方にも曲率変化領域および第2安定領域が対応する場合がある。この場合には、遠用部の上方に対応する曲率変化領域および第2安定領域の曲率変化を打ち消すような曲率分布を眼球側の面に設定すればよい。
(2.累進屈折力レンズの製造方法)
次に、本実施形態に係る累進屈折力レンズの製造方法を、図6に示す工程図に基づき説明する。本実施形態に係る累進屈折力レンズの製造方法は、主に、レンズ設計工程S1と、レンズ加工工程S2と、に分けられる。
(レンズ設計工程S1)
レンズ設計工程S1では、レンズ情報、処方情報等の眼鏡仕様を取得し(眼鏡仕様取得工程S11)、眼鏡仕様に含まれる情報のうち、累進屈折力レンズを設計するために必要な情報(遠用度数、近用度数、加入度数等)に基づき、本実施形態に係る累進屈折力レンズを設計する。以下、レンズ設計工程S1に含まれる累進屈折力分布設計工程S12、物体側面設計工程S13および眼球側面設計工程S14について具体的に説明する。
(累進屈折力分布設計工程S12)
本工程では、本実施形態に係る累進屈折力レンズの設計に先立ち、設計される累進屈折力レンズと同じ屈折力分布を、内面(眼球側に位置する面)のみに設定する設計を行う。すなわち、内面が、設計される累進屈折力レンズと同じ累進屈折作用をもたらす累進屈折面により構成され、外面(物体側に位置する面)が球面で構成されるように設計する。すなわち、内面のみに累進屈折作用を実現する累進要素が設定されている。
このような累進屈折力分布を設計する方法としては公知の方法を用いればよい。たとえば、内面の設計では、主注視線上で非点収差が最も小さくなるように設定し、その後、所望の累進屈折面に応じて、当該面の各位置における屈折力を設定し、これらを滑らかに接続して累進屈折面を形成する。さらに、光線追跡法等を用いて累進屈折面の補正を行えばよい。
(物体側面設計工程S13)
本工程では、累進屈折力レンズを設計するために必要な情報に基づき、得られた内面の屈折力分布と外面の球面度数とから、球面として予め設定した物体側の面を補正し、物体側の面に、回転中心、第1安定領域の曲率および径、曲率変化領域の曲率および径、ならびに、第2安定領域の曲率および径を設定する。たとえば、第1安定領域の曲率は、外面の曲率と同じとすればよい。
このようにすることにより、物体側の面には、回転中心に対し回転対称な第1安定領域、曲率変化領域および第2安定領域が設定される。
(眼球側面設計工程S14)
本工程では、設計した物体側の面と、設計される累進屈折力レンズの透過屈折力分布と、から、物体側の面の曲率変化領域による面屈折力の変化を相殺するように眼球側の面の面屈折力変化を算出すればよい。眼球側の面を算出するにはベクトル演算等の公知の方法を用いればよい。
以上の工程を経ることにより、本実施形態に係る累進屈折力レンズが設計される。続いて、得られた物体側の面および眼球側の面の設計データに基づいて、累進屈折力レンズを製造する。
(レンズ加工工程S2)
レンズ加工工程S2は、少なくとも、ブロック工程S21、研削工程S22および研磨工程S23を含む。レンズ加工工程S2では、まず、物体側の面および眼球側の面の設計データに基づいて、最適なベースカーブを有する基材(セミフィニッシュレンズ)を準備する。たとえば、物体側の面の第1安定領域の曲率と同じベースカーブを有する基材を準備すればよい。当該基材を研削装置等の加工装置に設置し、設計データを加工装置に入力して、設計データにおいて設定された屈折力の分布となるように、基材の加工を行う。基材の加工は公知の方法により行えばよく、たとえば、基材の表面を研削装置を用いて研削し光学面を形成した後、研磨装置を用いて研磨を行う。
(ブロック工程S21)
本工程では、準備した基材をレンズ保持具に固定する。本実施形態では、レンズ保持具は、基材の土台となるヤトイと、ヤトイと基材とを固定するための低融点合金と、から構成される。ヤトイと基材とを固定する際には、まず、ヤトイを取付台に固定し、ヤトイの周囲に円形のブロックリングを配置する。そして、ブロックリングの上に基材を載置して、基材の凸面がブロックリングにより支持されるようにする。このとき、ヤトイと基材とは接触しておらず、ヤトイと取付台とブロックリングと基材との間に空間が形成されている。この空間に低融点合金を充填して固化させることによりヤトイと基材とを固定することができ、ヤトイと基材とを取付台およびブロックリングから取り外して、レンズ保持具に保持された基材を得ることができる。
ヤトイと基材とを固定するために用いられるブロックリングの高さは通常一定に形成されており、加工する基材の大きさ、ベースカーブ等に応じて、径および高さが異なるものがいくつか準備される。
ところで、両面累進屈折力レンズは、一般的に、回転非対称な両面を有している。たとえば、特許文献1に開示された累進屈折力レンズでは、眼球側の面に回転非対称な累進面が配置されており、物体側の面には、垂直方向と水平方向とで曲率が異なる回転非対称な面が配置されている。そのため、同じ径のレンズ位置であっても、Z軸座標、すなわち高さが異なっている。このような面を有するレンズを、高さが一定なブロックリング上に載置すると、ブロックリングの一部でしか支持されない。その結果、ブロックリング上でレンズのがたつきが発生しやすく、ずれやすい。そのため、このような回転非対称な面を支持するためには、専用のブロックリングが必要となり、コストが掛かってしまう。
これに対し、物体側の面が回転対称に形成されている本実施形態に係る累進屈折力レンズでは、同じ径のレンズ位置であればZ軸座標は同じであるため、高さが一定のブロックリングに載置しても、当該レンズはブロックリング全体で支持されることになる。したがって、本実施形態に係る累進屈折力レンズでは、通常のブロックリングを用いることができるため、両面累進屈折力レンズでありながら、低コストで製造することができる。
また、ブロックリングを用いてレンズを固定する場合、加工された外面を固定して内面加工を行うので、外面の固定位置に対する内面の加工位置が、設計上対応すべき位置からずれてしまうことがある。ブロックリングは円形であるため、このズレは、レンズの設計中心近傍を中心として、時計回りあるいは反時計回りに生じる回転性のズレが主である。このようなズレが生じた状態でレンズの研削、研磨を行うと、一方の面と他方の面とが組み合わされて形成される最終レンズの屈折力分布は、設計された屈折力分布から変化してしまい、所望の屈折力分布が得られない。特に、特許文献1に開示された累進屈折力レンズのような両面累進屈折力レンズの場合、回転対称な面を有していないため、一方の面に回転性のズレが生じると、ずれる前の位置で示すべき屈折力と、ずれた後の位置における屈折力と、が異なっていることが多い。その結果、組み合わされて得られるべき(設計された)屈折力分布を実現できず、最終レンズにおいて度数のズレが生じることに加え、乱視軸のズレが大きくなってしまい、製造される最終レンズの光学性能が大きく劣化してしまう。
これに対し、物体側の面が回転対称に形成されている本実施形態に係る累進屈折力レンズでは、物体側の面が回転対称であるため、回転性のズレが生じても、ずれる前の位置における屈折力とずれた後の位置における屈折力とは同じであるため、組み合わされて得られる最終レンズにおいて度数のズレは生じず、乱視軸のズレも抑制することができる。
(研削工程S22および研磨工程S23)
続いて、基材を保持するレンズ保持具を、研削加工装置に設置して、研削加工を行い、光学面を形成する(研削工程S22)。研削加工後に、基材を保持するレンズ保持具を研削加工装置から取り外し、研磨加工装置に設置して、研磨加工を行う(研磨工程S23)。このような研削装置、研磨装置では、基材を回転させながら加工を行うため、回転対称な領域から構成されている面の加工は容易である。したがって、本実施形態に係る累進屈折力レンズは、レンズの両面に累進要素が設定されているが、通常の両面累進屈折力レンズに比べて、物体側の面の加工を容易に行うことができ、歩留まりも向上できる。その後、必要に応じて、コーティング等の表面処理および玉型加工を行い、眼鏡用レンズを製造してもよい。
(3.本実施形態の効果)
本実施形態に係る累進屈折力レンズは、物体側の面と眼球側の面との両面に累進要素が設定された両面累進屈折力レンズでありながら、物体側の面を回転対称な面とすることにより、光学性能を維持しつつ、製造が容易である。
すなわち、物体側の面を回転対称とすることにより、同じ径を示すレンズ位置ではレンズの高さ(Z軸座標)は同じとなる。したがって、高さが一定な通常のブロックリング上にレンズを載置して当該面を支持する場合、当該面はブロックリング全体で支持されるため、がたつきは生じず固定時にレンズのズレが生じにくく、物体側の面と眼球側の面との組み合わせ位置精度を確保することができる。
さらには、レンズ保持具によりレンズの加工された外面を逐次固定して加工等を行う場合、仮に、外面の固定位置に対する内面の加工位置が、設計上対応すべき位置からずれてしまう場合であっても、そのズレに起因する光学性能への影響を最小限に抑制することができる。
すなわち、レンズ保持具にレンズを固定する際に生じる位置ズレは、レンズの設計中心近傍を中心として、時計回りあるいは反時計回りに生じる回転性のズレである。しかしながら、本実施形態に係る累進屈折力レンズの物体側の面は、その設計中心近傍を中心とする回転対称な面で構成されている。したがって、レンズを固定する際に回転性のズレが生じた場合であっても、度数変化は生じないし、乱視軸のズレが生じた場合であっても、そのズレを最小限に抑制することができる。
また、累進屈折作用を実現する累進面を、眼球側に位置する眼球側の面(内面)に配置し、物体側に位置する物体側の面(外面)を球面とする内面累進レンズでは、眼鏡用レンズ倍率を規定する2つのファクターのうち、シェイプファクターを一定にすることにより、シェイプファクターの変動分をなくして、像の揺れ、歪みを低減している。しかしながら、物体側の面を球面とした場合であっても、たとえば、遠用部と近用部との度数差が大きい場合には、像の揺れ、歪みの低減が不十分となってしまう。
そこで、本実施形態では、物体側の面を球面だけで構成するのではなく、任意の方向の曲率が一定であるとみなすことができる第1安定領域(実質的な球面)を物体側の面の中心に配置し、その外側に、経線方向の曲率を第1安定領域の曲率から減少させている非球面領域を配置する複合面としている。このようにすることにより、上述した製造上のメリットに加え、第1安定領域に対応するレンズ領域(主に遠用部)では安定した度数を実現し、かつ遠用部と近用部との度数差の一部が、物体側の面で生じる度数差によりキャンセルされ、遠用部と近用部との度数差に起因する遠用部と近用部との倍率差を低減することができる。
具体的には、本実施形態では、累進屈折力レンズにおける遠用部としての機能を実現する領域には、物体側の面の第1安定領域が対応するようにして、遠用部において安定した度数が確保されている。また、累進屈折力レンズにおける中間部および近用部としての機能を実現する領域には、物体側の面の曲率変化領域および第2安定領域が対応するようにしている。曲率変化領域は、第1安定領域の外側に配置されており、レンズの外側に向かって、経線方向の曲率および円周方向の曲率が、第1安定領域の曲率から減少している。そのため、曲率変化領域は、第1安定領域に比べて像を小さくする効果が得られる。換言すれば、近用部から遠用部にかけて度数が大きくなる。したがって、遠用部と近用部との度数差の一部がキャンセルされ、遠用部と近用部との倍率差を低減することができる。
さらに、本実施形態に係る累進屈折力レンズは像のアスペクト比を改善するという効果を奏する。すなわち、遠視用のプラスレンズでは、レンズの中心付近に位置する遠用部よりも、レンズの下方に位置する近用部では像が縦に引き伸ばされてしまう。その結果、近用部では、像のアスペクト比が1から大きく外れてしまう。
そこで、本実施形態に係る累進屈折力レンズでは、曲率変化領域において、経線方向の曲率が、円周方向の曲率よりも小さくなるように制御している。また、近用部に対応する領域は主に第1安定領域の外側に配置されている曲率変化領域となる。曲率変化領域における経線方向は近用部において縦方向に相当し、曲率変化領域における円周方向は近用部において横方向に相当する。その結果、近用部では、曲率変化領域の存在により、縦方向の方が横方向よりも曲率が小さくなるため、像を横に引き伸ばす効果が生じる。そうすると、この効果が、像を縦に引き伸ばす効果をキャンセルして、像のアスペクト比を1に近づけ、違和感の少ない快適な視野を実現できる。
物体側の面に第2安定領域が形成されている場合であっても、少なくとも経線方向における曲率は、第1安定領域の曲率よりも小さくなっているため、曲率変化領域と同様に、遠用部と近用部との倍率差を低減することができる。
また、第2安定領域の経線方向の曲率は、曲率変化領域の外周部における曲率に相当し、その変化量は特定の範囲内に制御されている。その結果、物体側の面と眼球側の面とが凸にならないため、製造が容易となる。さらに、経線方向の曲率が、円周方向の曲率よりも小さくなっているため、第2安定領域においても、曲率変化領域と同様に、像のアスペクト比を改善する効果が得られる。
また、物体側の面の幾何学中心近傍に設計中心を設定し、物体側の面をこの設計中心に対して回転対称な面とすることにより、両面累進屈折力レンズでありながら、物体側の面の加工を容易に行うことができる。
(4.変形例)
上述した実施形態では、眼球側の面には、累進屈折作用を実現するための屈折力が設定されているが、眼球側の面が、累進屈折作用を実現するための屈折力に乱視矯正用の屈折力が付加された屈折力分布を有するように構成されていてもよい。
上述した実施形態では、XY平面上の投影図において、第1安定領域の形状は円としたが、投影図において回転対称であれば円以外であってもよい。たとえば、楕円であってもよい。
上述した実施形態では、物体側の面において、曲率変化領域および第2安定領域はそれぞれ1つの領域として配置されているが、曲率変化領域および第2安定領域は、回転対称な位置に配置されていれば、それぞれが複数の領域として配置されていてもよい。
上述した実施形態では、遠用度数測定点が第1安定領域内に位置し、近用度数測定点が曲率変化領域または第2安定領域内に位置しているが、遠用度数測定点が曲率変化領域または第2安定領域内に位置し、近用度数測定点が第1安定領域に位置していてもよい。このような配置とすることにより、中間部および遠用部で曲率変化のアスペクト比の改善という効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
(実施例1)
実施例1では、遠用度数が+4.00D(ディオプター)であり、加入度数が2.00D(ディオプター)である累進屈折作用を実現する累進屈折力レンズを設計した。物体側の面は、以下のように設定した。第1安定領域は、曲率cを9.441とし、XY平面上への投影図において半径が10mmの円とした。曲率変化領域は、経線方向の曲率c1mを9.441〜6.425まで単調に減少させ、XY平面上への投影図において、半径が10〜25mmの環状とした。第2安定領域は、経線方向の曲率c2mを6.425とし、XY平面上への投影図において、半径が25〜35mmの環状とした。
眼球側の面は、上記の累進屈折作用を実現する累進屈折力分布を内面に設計した後に、当該累進屈折力分布と物体側の面の屈折力分布とから得た。
設計した累進屈折力レンズについて、当該レンズの凸面を下にした場合のレンズの高さを測定し、さらに揺れ指数(IDs)、平均眼鏡倍率および近用部のアスペクト比を算出した。揺れ指数(IDs)は垂直/水平格子線の移動面積を示し、矩形模様の全体形状の変形の大きさをいう。揺れ指数は、後述する比較例2の揺れ指数を1とした場合の値を示す。また、平均眼鏡倍率は縦倍率と横倍率との積の平方根で表される。本実施例では、揺れ指数は小さい方が好ましく、平均眼鏡倍率は小さい方が好ましく、アスペクト比は1に近い方が好ましい。レンズの高さの結果を図7に、揺れ指数の結果を図8に、平均眼鏡倍率の結果を図9に、アスペクト比の結果を図10に示す。
(比較例1)
比較例1では、実施例1と同様に、遠用度数が+4.00D(ディオプター)であり、加入度数が2.00D(ディオプター)である累進屈折力レンズであって、物体側の面には垂直方向の曲率と水平方向の曲率とが異なるアトーリック面が配置され、眼球側の面には累進面が配置された両面累進屈折力レンズを設計した。この両面累進屈折力レンズでは、物体側の面と眼球側の面とはどちらも回転非対称であった。また、実施例1と同様に、両面累進屈折力レンズについて、当該レンズの凸面を下にした場合のレンズの高さを測定した。結果を図7に示す。
図7より、実施例1に係る累進屈折力レンズは、垂直方向と水平方向とでレンズ高さは同じであるが、比較例1に係る累進屈折力レンズでは、垂直方向と水平方向とでレンズ高さが異なっていることが確認できた。したがって、比較例1に係る累進屈折力レンズは、高さが一定である通常のブロックリングを用いると、レンズにズレが生じやすく、専用のブロックリングが必要となり、コストが掛かることが確認できた。
(比較例2)
実施例1において設定した累進屈折作用を示す累進面を設計し、この面を眼球側の面とし、物体側の面は曲率が9.063である球面で構成した内面累進屈折力レンズを設計した。この内面累進屈折力レンズに対して、実施例1と同様に、揺れ指数(IDs)、平均眼鏡倍率および近用部のアスペクト比を算出した。揺れ指数の結果を図8に、平均眼鏡倍率の結果を図9に、アスペクト比の結果を図10に示す。
図8より、遠用部、中間部および近用部のいずれの領域においても、実施例1に係る累進屈折力レンズの方が、比較例2の内面累進レンズよりも、揺れ指数が小さいことが確認できた。また、図9より、実施例1に係る累進屈折力レンズの方が、比較例2の内面累進屈折力レンズよりも、平均眼鏡倍率が小さいことが確認できた。したがって、同じ処方であっても、本発明に係る累進屈折力レンズの方が、遠用部と近用部との倍率差を低減でき、像の揺れ、歪みを低減することが確認できた。
また、図10より、実施例1に係る累進屈折力レンズの方が、比較例2の内面累進屈折力レンズよりも、近用部のアスペクト比が1に近く、近用部を通じて見た場合であっても、像が縦に引き伸ばされることが少なく、違和感の少ない快適な視野を実現できることが確認できた。
なお、本発明の一つの特徴として、両面累進レンズでありながら物体側の面を回転対称の面とすることがある。当該特徴をこれまでの記載の内容に加えたものはもちろん本発明の技術的範囲に含まれる。その一方で、当該特徴自体にも大きな技術的特徴がある。当該特徴をまとめると以下のようになる。
『近方視用の度数をもつ近用部を有し、かつ、物体側の面と眼球側の面とが共に非球面であって累進要素を有する累進屈折力レンズであって、
物体側の面は回転対称な面でありかつ回転中心を含む第1安定領域を備えており、第1安定領域における平均面屈折力のPV値(Peak to Valley)が0.12D以内である、累進屈折力レンズ。』
1…累進屈折力レンズ
11…遠用部
12…近用部
13…中間部
2…物体側の面
20…第1安定領域
21…曲率変化領域
22…第2安定領域
23…回転対称な非球面領域
3…眼球側の面

Claims (12)

  1. 近方視用の度数をもつ近用部と、近方視より遠い距離を見るための度数をもつ遠用部と、前記遠用部および前記近用部を接続する中間部と、を含む累進屈折力レンズであって、
    前記累進屈折力レンズは非球面である物体側の面と非球面である眼球側の面から構成され、
    前記物体側の面は、
    前記累進屈折力レンズの設計中心に対して回転対称な面であり、かつ、
    前記設計中心に対して回転対称であって前記設計中心を含む第1安定領域と、
    前記第1安定領域の外側に接して配置され前記設計中心に対して回転対称な非球面領域と、
    を備え、
    前記第1安定領域における平均面屈折力のPV値(Peak to Valley)が0.12D以内であることを特徴とする累進屈折力レンズ。
  2. 前記回転対称な非球面領域は、前記第1安定領域の外側に接するとともに以下の条件を満たす曲率変化領域を備えることを特徴とする請求項1に記載の累進屈折力レンズ。
    (条件1)
    前記設計中心から前記物体側の面の外周に向かう経線方向の曲率が前記第1安定領域における前記経線方向の曲率より小さい。
  3. 前記曲率変化領域における前記経線方向の曲率および前記経線方向に直交する方向の曲率である円周方向の曲率のいずれか一方は、前記経線方向に向かうに従って単調に減少することを特徴とする請求項2に記載の累進屈折力レンズ。
  4. 前記曲率変化領域では、前記経線方向の曲率は、前記経線方向に直交する方向の曲率である円周方向の曲率よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の累進屈折力レンズ。
  5. 前記回転対称な非球面領域は、前記曲率変化領域の外側に接して配置され前記設計中心に対して回転対称な第2安定領域を備え、
    前記第2安定領域では、前記経線方向の曲率は前記経線方向に直交する方向の曲率である円周方向の曲率より小さいことを特徴とする請求項2に記載の累進屈折力レンズ。
  6. 前記回転対称な非球面領域は、前記曲率変化領域の外側に接して配置され前記設計中心に対して回転対称な第2安定領域を備え、
    前記第2安定領域では、前記経線方向の曲率は実質的に一定であることを特徴とする請求項2に記載の累進屈折力レンズ。
  7. 前記第2安定領域における前記経線方向の平均面屈折力のPV値(Peak to Valley)が0.25D以内であることを特徴とする請求項5に記載の累進屈折力レンズ。
  8. 遠用度数測定位置が、前記第1安定領域にあることを特徴とする請求項5に記載の累進屈折力レンズ。
  9. 近用度数測定位置が、前記曲率変化領域または前記第2安定領域にあることを特徴とする請求項8に記載の累進屈折力レンズ。
  10. 近用度数測定位置が、前記第1安定領域にあることを特徴とする請求項5に記載の累進屈折力レンズ。
  11. 遠用度数測定位置が、前記曲率変化領域または前記第2安定領域にあることを特徴とする請求項10に記載の累進屈折力レンズ。
  12. 前記眼球側の面は、前記物体側の面の前記曲率変化領域による面屈折力の変化を相殺する面屈折力変化を備えることを特徴とする請求項2から11のいずれかに記載の累進屈折力レンズ。
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