JP2012233959A - 眼鏡用レンズ、眼鏡、眼鏡レンズの設計方法、及び設計装置 - Google Patents

眼鏡用レンズ、眼鏡、眼鏡レンズの設計方法、及び設計装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012233959A
JP2012233959A JP2011100847A JP2011100847A JP2012233959A JP 2012233959 A JP2012233959 A JP 2012233959A JP 2011100847 A JP2011100847 A JP 2011100847A JP 2011100847 A JP2011100847 A JP 2011100847A JP 2012233959 A JP2012233959 A JP 2012233959A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
spectacle lens
astigmatism
region
prescription
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011100847A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Wada
修 和田
Tadayuki Kaga
唯之 加賀
Hiroshi Asami
浅見  博
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2011100847A priority Critical patent/JP2012233959A/ja
Priority to US13/452,511 priority patent/US8684523B2/en
Priority to EP12165674.8A priority patent/EP2518553B1/en
Publication of JP2012233959A publication Critical patent/JP2012233959A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/024Methods of designing ophthalmic lenses

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)

Abstract

【課題】装用感がよく、ファッション性も高い眼鏡レンズを提供する。
【解決手段】
装着者の眼球の回旋角の20度から60度の範囲の少なくとも一部に含まれ、処方度数に基づく平均屈折力の補正よりも非点収差の補正が優先されたスタイリッシュゾーン16と、スタイリッシュゾーン16の内側の領域であって、非点収差の補正に対して平均屈折力の補正が優先されたコンフォートゾーン15とを有する眼鏡レンズ10を提供する。眼鏡を掛けて見るときに鮮明な像が得られ、眼鏡を掛けて見られたときにファッショナブルな眼鏡レンズを提供できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、眼鏡用レンズ、眼鏡、眼鏡レンズの設計方法、及び設計装置に関するものである。
処方度数に対する平均屈折力を補正すること、すなわち、平均屈折力誤差を小さくすること、および、非点収差を小さくすることの少なくとも2つの要素は、鮮明な視野が得られるように眼鏡レンズを設計する上で欠かせない要素であった。たとえば、特許文献1には、浅いベースカーブを用いつつ、平均屈折力誤差と非点収差のみでなく、歪曲収差も抑えることができる眼鏡レンズを提供することが記載されている。特許文献1の眼鏡レンズは、外面が球面、内面が回転対称非球面であり、視角で0〜30°の範囲となる中央部では平均屈折力誤差と非点収差とに重点を置いて収差を補正し、周辺部では歪曲収差に重点を置いて収差を補正する。これにより、装用時、眼球運動でカバーされる範囲については明瞭な像が得られ、網膜の周辺部には歪曲の小さい像が形成されるため、装用者には良好な視界が得られる。このような収差補正の重み付けにより、平均屈折力誤差、非点収差、歪曲収差の全てをレンズ全域で補正しなくとも、装用時の体感的な光学性能を良好に保つことができ、これにより良好な光学性能と薄型化のための浅いベースカーブの採用とを両立させることができることが記載されている。
特開2003−215507号公報
しかしながら、引用文献1に記載の眼鏡レンズは、レンズの中央部では明瞭な像が得られるものの、周辺部の非点収差が十分でないため、周辺部の像が歪んだり、不鮮明になるおそれがあった。このような周辺部の像の歪みは、装用感の低下や、着用者(眼鏡をかけた人)の顔の輪郭が歪んで見えるなどといったファッション性の低下を引き起こすことがある。
眼鏡は視力を補う大切な医療用具であるとともに個人の印象を左右する大切なファッションアイテムでもある。したがって、さらに使いやすく、ファッション性も高い眼鏡および眼鏡レンズが要望されている。
本発明の一態様は、装着者の眼球の回旋角の20度から60度の範囲のうち少なくとも一部に含まれ、処方度数に基づく平均屈折力の補正よりも非点収差の補正が優先された第1の領域と、第1の領域の内側に形成され、非点収差の補正よりも平均屈折力の補正が優先された第2の領域と、を有する眼鏡レンズである。
本態様の眼鏡レンズは、回旋角が20度から60度の範囲のうち少なくとも一部に含まれる領域に、平均屈折力にある程度の誤差を許容し、その代りに非点収差を良好に補正した第1の領域を含む。回旋角が大きな領域で平均屈折力の補正を優先すると、非点収差を補正しようとしても回旋角が大きくなると非点収差が増大してしまう。このため、回旋角が大きな領域で遠方を見たときに鮮明な像を得ることが難しい。しかしながら、回旋角が大きな領域で平均屈折力のある程度の誤差を許容すると非点収差の補正が容易になり、非点収差を0または0近傍にすることが可能なので、遠方を見たときにある程度鮮明で歪みの少ない像を得ることができる。また、回旋角が大きな領域で平均屈折力のある程度の誤差を許容することにより、眼鏡レンズの外面(ベースカーブ)の形状および/または内面の形状の選択肢が増える。したがって、さらに使いやすく、ファッション性も高い眼鏡レンズを提供できる。
第1の領域は、非点収差の値(非点収差)がマイナスの極値をとる点およびプラスの極値をとる点を含むことが望ましい。第1の領域において、非点収差がマイナス側およびプラス側に極値を持つように変化させることにより、回旋角が大きな範囲で第1の領域の非点収差が0を中心として振動するので、非点収差が0から大きく発散することがない。
また、第1の領域は回旋角が増加する方向において、径方向度数の値(径方向度数)と周方向度数の値(周方向度数)とが相互に接近および交差した後にさらに接近するように変化する領域を含むことが望ましい。径方向度数と周方向度数とを近付けることにより非点収差をゼロに近づけることができる。したがって、回旋角が大きな第1の領域の非点収差が0を中心として振動し、回旋角が大きな範囲でさらに明瞭な像が得られる眼鏡レンズを提供できる。
さらに、第1の領域の処方度数に対する平均屈折力の最大誤差は30%以下であることが望ましい。これにより、平均屈折力の誤差が大きくなりすぎることを抑制できるので、回旋角が大きな第1の領域でさらに明瞭な像が得られる眼鏡レンズを提供できる。
非点収差の補正に対して平均屈折力の補正が優先された第2の領域は、回旋角が増加する方向において、径方向度数の値と周方向度数の値とが相互に離れるように変化する領域を含むことが望ましい。平均屈折力は径方向度数と周方向度数との平均なので、眼鏡レンズの中央部の第2の領域における平均屈折力の変動を抑制できる。したがって、非点収差の補正に対して平均屈折力の補正が優先された、平均屈折力誤差が小さく、処方度数に合致する、あるいは処方度数に近い平均屈折力を中央部分に備えた眼鏡レンズを提供できる。
この眼鏡レンズにおいて、処方度数がマイナスの場合には、処方度数の絶対値が大きいほど第2の領域の設計上の径が小さいことが望ましい。処方度数がマイナスの場合は視野角よりも回旋角の方が小さくなるので第2の領域を小さくしても十分な視野角が得られる。また、一般に、処方度数がマイナスになるほど眼鏡レンズは厚くなりやすい。したがって、処方度数の絶対値が大きい場合に、非点収差が抑制された第1の領域を広く確保することにより、眼鏡レンズとしての使いやすさを損ねずに、かつ、ファッション性がいっそう高い眼鏡レンズを提供できる。
この眼鏡レンズの処方が、度数がマイナスの乱視矯正を含む場合には、第2の領域の設計上の形状が楕円であることが好ましい。乱視補正の処方は、乱視軸により度数が異なる。このため、視野角に対して乱視軸により回旋角が異なるので、第2の領域の設計上の形状を楕円にすることで第1の領域をさらに広くすることができる。したがって、乱視矯正を含めた眼鏡レンズとしての使いやすさを損ねずに、ファッション性がいっそう高い眼鏡レンズを提供できる。
また、本発明の他の態様の1つは、装着者の眼球の回旋角の20度から60度の範囲のうち少なくとも一部に含まれ、処方度数に基づく平均屈折力の補正よりも非点収差の補正が優先された第1の領域と、第1の領域の内側に形成され、非点収差の補正よりも平均屈折力の補正が優先された第2の領域と、を有する眼鏡レンズと、当該眼鏡レンズが取り付けられる眼鏡フレームと、を有する眼鏡である。この眼鏡レンズを眼鏡に採用することで、従来よりもさらに使いやすく、ファッション性も高い眼鏡を提供できる。
本発明のさらに異なる他の態様の1つは、装着者の眼球の回旋角の20度から60度の範囲に含まれ、処方度数基づく平均屈折力の補正に対して非点収差の補正が優先された第1の領域を設けることと、第1の領域の内側に、非点収差の補正に対して平均屈折力の補正が優先された第2の領域設けることと、を含む、眼鏡レンズの設計方法である。これにより、回旋角の大きな第1の領域において明瞭な像をえることができて使いやすく、かつ、ファッション性も高い眼鏡レンズを設計し、提供できる。
この眼鏡レンズの設計方法の第2の領域を設けることは、処方度数がマイナスである場合に、処方度数の絶対値が大きいほど第2の領域の設計上の径を小さくすることを含むことが望ましい。また、第2の領域を設けることは、眼鏡レンズの処方が、度数がマイナスの乱視矯正を含む場合に、第2の領域の設計上の形状を楕円にすることを含むことが望ましい。
本発明のさらに異なる他の態様の1つは、眼鏡レンズの設計装置である。この装置(設計装置)は、処方度数を含む眼鏡仕様を取得するユニット(機能ユニット、手段)と、装着者の眼球の回旋角の20度から60度の範囲のうち少なくとも一部に含まれ、処方度数に基づく平均屈折力の補正よりも非点収差の補正が優先された第1の領域を設計する第1のユニット(第1の領域設計ユニット、第1の機能ユニット、第1の手段)と、第1の領域の内側に位置し、非点収差の補正よりも平均屈折力の補正が優先された第2の領域を設計する第2のユニット(第2の領域設計ユニット、第2の機能ユニット、第2の手段)と、を有する。これにより、装着者(ユーザー)が使用しやすく、さらにファッション性が高い眼鏡レンズを設計できる。
第2のユニットは、処方度数がマイナスである場合に、処方度数の絶対値が大きいほど第2の領域の設計上の径を小さくし、処方度数がプラスの場合に、処方度数に関わらず第2の領域の設計上の径を一定にするユニットを含むことが望ましい。
この装置は、さらに、設計された眼鏡レンズを掛けて見るときおよび掛けて見られたときを評価する評価ユニットを有することが望ましい。使用状態および見られたときの状態を評価することにより、さらにファッション性が高く、装着者が装着しやすい眼鏡レンズを設計できる。
図1(a)は実施例の眼鏡を装着した様子を示す図、図1(b)は比較例の眼鏡を装着した様子を示す図。 眼鏡を掛けて見たときの歪曲収差を説明する図。 眼鏡を掛けて見られときの歪曲収差を説明する図。 装用感または外観を重視した設計において考慮される事項を示す図。 実施例の眼鏡レンズの概要を示す図。 図6(a)は実施例1のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図6(b)は比較例1のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図6(c)は歪曲収差を示す図。 図7(a)は比較例1のレンズに対し実施例1のレンズの外面の形状を変えた様子を示す図、図7(b)は比較例1のレンズに対し実施例1のレンズの内面の形状を変えた様子を示す図。 眼鏡レンズを設計および製造する概略の過程を示すフローチャート。 頭部の動きに対する眼球の動きを示す図。 図10(a)はマイナスレンズを通して見たときの視野角を説明する図、図10(b)はプラスレンズを通して見たときの視野角を説明する図。 度数に対する回旋角βの関係を視野角α別に示す図。 処方度数に基づいてコンフォートゾーンの回旋角度を設定する関数の一例を示す図。 図13(a)は実施例2のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図13(b)は比較例2のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図13(c)は歪曲収差を示す図。 図14(a)は比較例2のレンズに対し実施例2のレンズの外面の形状を変えた様子を示す図、図14(b)は比較例2のレンズに対し実施例2のレンズの内面の形状を変えた様子を示す図。 図15(a)は実施例3の90度方向のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図15(b)は実施例3の180度方向のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図。 楕円形のコンフォートゾーンを示す図。 図17(a)は比較例3の90度方向のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図17(b)は比較例3の180度方向のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図。 図18(a)は90度方向の歪曲収差を示す図、図18(b)は180度方向の歪曲収差を示す図。 図19(a)は実施例4のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図19(b)は比較例4のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図19(c)は歪曲収差を示す図。 図20(a)は実施例5のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図20(b)は比較例5のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図20(c)は歪曲収差を示す図。 図21(a)は実施例6のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図21(b)は比較例6のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図21(c)は歪曲収差を示す図。 図22(a)は実施例7レンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図22(b)は比較例7のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図22(c)は歪曲収差を示す図。 図23(a)は実施例8のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図23(b)は比較例8のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図23(c)は歪曲収差を示す図。 図24(a)は実施例9のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図24(b)は比較例9のレンズのパワーエラーおよび非点収差を含む特性を示す図、図24(c)は歪曲収差を示す図。 設計装置の主要な構成を示すブロックダイアグラム。
図1にユーザー(装着者)が眼鏡を装着した様子を示している。図1(a)は、本発明の実施例の眼鏡レンズ10をフレーム(眼鏡フレーム)5に取り付けた眼鏡1をユーザー2が装着した様子を示し、図1(b)は比較例の眼鏡レンズ19(一般的な単焦点レンズ)を同じフレーム5に取り付けた眼鏡9をユーザー2が装着した様子を示している。図1(b)に示した眼鏡9では、眼鏡レンズ19の周辺部を通して見えるユーザー2の顔の輪郭の一部2aが眼鏡レンズ19の周辺部の収差のために他の部分2bから大きくずれている。一方、図1(a)に示した眼鏡1では、眼鏡レンズ10の周辺部を通して見えるユーザー2の顔の輪郭の一部2aは他の部分2bからほとんどずれていない。したがって、眼鏡1は、眼鏡レンズ10を通して装着者2が見られたときの違和感(装着者2を他の人が見たときの違和感)が少ないスタイリッシュな眼鏡1となっている。
このように、眼鏡(メガネ)は、視力を補う大切な医療用具であるとともに、ユーザー個人の印象を左右する大切なファッションアイテムである。すなわち、眼鏡は、医療用として適正な度数および使いやすいデザイン(設計)が求められるとともに、ファッションアイテムとしてなるべく薄いレンズで、「見た目」(レンズを通したときの)が良好であり、さらに、ユーザーのイメージに沿った眼鏡に仕上がっていることが要望される。したがって、近年の眼鏡には、快適な装着感とともに、スタイリッシュな外観を備えたものが要望されている。
図2に、眼鏡を掛けて見たときの歪曲収差がベースカーブにより変化する様子を示している。また、図3に、眼鏡を掛けて見られたときの歪曲収差がベースカーブにより変化する様子を示している。図2および図3は、処方度数SPHが−4.0(ディオプタ、以降においては“D”)の比較例の単焦点レンズ19を通して見た歪曲収差を示している。図2に示した歪曲収差は、図2(a)に示すように、単焦点レンズ19の内面12の側からレンズ19を通して格子模様を見た状態であり、図2(b)から(e)に示すようにベースカーブ(外面11の面屈折力)が深くなると、図2(f)から(i)に示すように歪曲収差は小さくなり、掛けたときに見やすい、違和感の少ないレンズとなる。
図3に示した歪曲収差は、図3(a)に示すように、単焦点レンズ19の外面11の側からレンズ19を通して格子模様を見た状態であり、図3(b)から(e)に示すようにベースカーブ(外面11の面屈折力)が深くなると、図3(f)から(i)に示すように歪曲収差は大きくなる。したがって、ベースカーブが浅い方が、眼鏡を掛けて見られたときに違和感の少ないレンズとなる。このように、装着者2が眼鏡を掛けて見たときの評価と、眼鏡を掛けた装着者2が見られたときの評価は異なる。
図4に、眼鏡を掛けて見たときの評価と、眼鏡を掛けて見られたときの評価とをまとめて示している。装着感重視の設計をすると、得られた眼鏡レンズは見るときの歪みは小さくなるが、ベースカーブが深く、レンズが厚く、見られたときの歪みが大きくなる。一方、外観重視の設計をすると、得られた眼鏡レンズは、ベースカーブが浅く、レンズが薄く、見られたときの歪みが小さいが、見るときの歪みは大きくなる。したがって、従来の眼鏡レンズにおいて、装着感と外観(使いやすくファッション性の高い、爽快な装用感とスタイリッシュな外観)とを両立した眼鏡レンズを設計することは難しい。
図5に、実施例の眼鏡レンズ10を示している。この眼鏡レンズ10は、爽快な装用感とスタイリッシュな外観との両立を実現した眼鏡レンズであり、中央部のフィッティングポイントFPを中心とした円形のコンフォートゾーン(第2の領域)15と、その外側のスタイリッシュゾーン(第1の領域)16とを含む。この眼鏡レンズ10は、中央のコンフォートゾーン15により快適な装用感を提供し、外側のスタイリッシュゾーン16によりスタイリッシュな外観を提供することができ、見るときも見られたときも高品質な眼鏡レンズとなっている。なお、図5においてコンフォートゾーン15とスタイリッシュゾーン16との境界17は、説明のために仮想的な領域として曲線で示しているが、境界17は実際に線が見えたり、影が見たりする領域ではない。また、コンフォートゾーン15とスタイリッシュゾーン16とは隣接していてもよく、コンフォートゾーン15とスタイリッシュゾーン16との間に他の機能を目的としたゾーンが存在していてもよい。以下においても同様である。
コンフォートゾーン15は、快適な見え方のために設計されるゾーンであり、レンズ10の中央部にクリアでスッキリとした視界を確保する。そのため、コンフォートゾーン15においては、平均屈折力AvPは処方度数SPHに対する誤差(平均屈折力誤差、パワーエラー)が小さくなるように設計(補正、調整)され、非点収差ASの値も小さくなるように補正されている。
スタイリッシュゾーン16は、レンズ周辺部で厚み・ウズを抑える設計が採用されたゾーンであり、スタイリッシュな外観を確保する。さらに、この眼鏡レンズ10においては、スタイリッシュゾーン16は、見られたときに違和感が少ないだけではなく、見るときの違和感も少なくなるように設計されている。すなわち、この眼鏡レンズ10におけるコンフォートゾーン15とスタイリッシュゾーン16とを比較すると、スタイリッシュゾーン(第1の領域)16は、装着者の眼球の回旋角βが20度から60度の範囲に含まれる領域であって、処方度数SPHに対する平均屈折力AvPの補正に対して遠方視の非点収差ASの補正が優先された領域であり、コンフォートゾーン(第2の領域)15は、スタイリッシュゾーン16の内側の領域であって、非点収差ASの補正に対して平均屈折力AvPの補正が優先された領域となっている。
すなわち、この眼鏡レンズ10のスタイリッシュゾーン16は、コンフォートゾーン15との比較では、ある程度のパワーエラーを容認する一方、非点収差ASをパワーエラーの発生よりも優先して補正し、非点収差ASを0近傍に振動または収束させている。したがって、スタイリッシュゾーン16においては、処方度数SPHが確保できないことにより像の鮮明さが低下することがあっても、非点収差ASの悪化による像のボケを抑制し、パワーエラーを容認しながらできる限り鮮明な像が得られるようにしている。また、非点収差ASを改善することにより像の歪みやウズの発生も抑制される。このため、この眼鏡レンズ10のスタイリッシュゾーン16は、スタイリッシュな外観に加えて、眼鏡レンズ10の周辺部として十分に鮮明な像が得られるように設計されている。
また、たとえば、図2(f)に示すように、眼鏡レンズ19の全体をパワーエラーが少なくなるように設計すると、回旋角βが大きな周辺部では収差が大きくなり過ぎ、かえって鮮明な像が得られにくいと状態になる。これに対して眼鏡レンズ10においては、周辺部の非点収差ASを小さくすることにより周辺部の見え方を典型的には図2(i)に示すように改善することができる。したがって、この眼鏡レンズ10のスタイリッシュゾーン16は、見られ方を改善してスタイリッシュな外観を提供できるとともに、周辺部の非点収差ASを良好に補正することにより見え方を改善できる。
(実施例1および比較例1)
図6(a)に実施例1の眼鏡レンズ10の処方度数SPHに対する平均屈折力AsPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示している。遠方視の非点収差ASは無限遠を見たときの非点収差である。パワーエラーPEおよび非点収差ASは、眼鏡レンズ10を掛けて見たときに両面(内面および外面)12および11を透過した状態における非点収差ASをシミュレーションした結果を示している。実施例1の眼鏡レンズ10は、物体側の面(外面)11および眼球側の面(内面)12が回転対称非球面の単焦点レンズであり、処方度数SPHが−10.0Dの近視を矯正するための眼鏡レンズである。パワーエラーPEは、処方度数SPHと平均屈折力AvPとの差の、処方度数SPHに対する割合(%)である。例えば、本例の眼鏡レンズ10は屈折力が−10.0Dであるので、平均屈折力AvPが−9.0DになればパワーエラーPEは差で示すと+1.0Dであり、比で示すと10%である。なお、具体的なレンズデータは以下の通りである。
頂点屈折力[D]:-10.00
外面近軸曲率(0)[D]:0.50
外面近軸曲率(10)[D]:0.49
外面近軸曲率(20)[D]:0.41
外面近軸曲率(30)[D]:0.25
内面近軸曲率(0)[D]:10.50
内面近軸曲率(10)[D]:10.12
内面近軸曲率(20)[D]:8.16
内面近軸曲率(30)[D]:6.14
中心厚[mm]:1.10
図6(a)には、さらに、処方度数SPHに対する径方向度数MDの誤差MEを実線で示し、処方度数SPHに対する周方向度数SDの誤差SEを一点鎖線により示している。径方向度数MDはメリジオナル断面方向度数であり、周方向度数SDはサジタル断面方向度数であり、平均度数(平均屈折力)AsPは径方向度数MDと周方向度数SDの平均となる。また、非点収差ASは径方向度数MDと周方向度数SDとの差であり、この図では、径方向度数の誤差MEと周方向度数の誤差SEとの差となる。
本例の眼鏡レンズ10は、図6(a)に示すように、眼球の回旋角βが20度から60度の範囲に含まれる領域で、具体的には回旋角βが約23度より大きな領域において、回旋角βが増加すると、非点収差ASの値がマイナス側に極値(as(−))を持ち、0を通過し(as(0))、次にプラス側に極値(as(+))を持つように変化している。さらに、この領域で回旋角βが増加する方向に沿って、径方向度数の誤差MEと周方向度数の誤差SEとが相互に接近および交差した後にさらに接近するように変化している。すなわち、この領域で径方向度数MDと周方向度数SDとが回旋角βが増加する方向に相互に接近および交差した後にさらに接近するように変化している。したがって、この領域では、パワーエラーPEが処方度数SPH(−10.0D)に対して回旋角βが50度で14%程度となっているが、代わりに非点収差ASは0のまわりに収束するように補正されている。なお、処方度数SPHが−10.0Dの眼鏡レンズでは回旋角βが50度付近で内側から見たときに全反射が起きるのでそれ以上の回旋角については評価していない。以下の実施例および比較例においても、処方度数SPHの値によるが全反射が発生する回旋角以上の状態は評価していない。
一方、回旋角βが約23度より小さな領域では、径方向度数の誤差MEと周方向度数の誤差SEとは符号が異なり(本例ではMEがマイナス、SEがプラスであり)、かつ、回旋角βが増加する方向に相互に離れるように変化している。すなわち、径方向度数MDと周方向度数SDとが回旋角βが増加する方向に相互に離れるように変化している。この領域では、パワーエラーPEがほぼ0であり、非点収差ASも良好に補正されているが、非点収差ASは回旋角βが増加するにつれて増加している。
このように、この眼鏡レンズ10は、回旋角βが約23度の付近を境界17として、外側が処方度数SPHに対する平均屈折力の補正(パワーエラーPE)に対して遠方視の非点収差ASの補正が優先された第1の領域(スタイリッシュゾーン)16となり、その内側、すなわち、境界17より内側の眼鏡レンズ10の中央部が非点収差ASの補正に対して平均屈折力の補正(パワーエラーPE)が優先された第2の領域(コンフォートゾーン)15となっている。
図6(b)に比較例1の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AsPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。比較例1の眼鏡レンズ19は、物体側の面(外面)11および眼球側の面(内面)12が回転対称非球面の単焦点レンズであり、処方度数SPHが−10.0Dの近視を矯正するための眼鏡レンズである。なお、具体的なレンズデータは以下の通りである。
頂点屈折力[D]:-10.00
外面近軸曲率(0)[D]:0.50
外面近軸曲率(10)[D]:0.49
外面近軸曲率(20)[D]:0.41
外面近軸曲率(30)[D]:0.25
内面近軸曲率(0)[D]:10.50
内面近軸曲率(10)[D]:10.20
内面近軸曲率(20)[D]:9.23
内面近軸曲率(30)[D]:8.63
中心厚[mm]:1.10
比較例1の眼鏡レンズ19では、回旋角βが0度から50度の範囲で、径方向度数の誤差MEと周方向度数の誤差SEとが回旋角βが増加する方向に相互に離れるように変化している。その結果、眼鏡レンズ19の全域で、パワーエラーPEがほぼ0であり、非点収差ASは回旋角βが増加するにつれて増加している。したがって、眼鏡レンズ19の全体が非点収差ASの補正に対して平均屈折力の補正(パワーエラーPE)が優先されたコンフォートゾーンとなっているといえる。
図6(c)に実施例1の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例1の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。レンズの周辺部、すなわち、実施例1の眼鏡レンズ10のスタイリッシュゾーン16において歪曲収差が改善されていることがわかる。
以上のように、実施例1の眼鏡レンズ10と、比較例1の眼鏡レンズ19とを比較すると、中央部のコンフォートゾーン15の特性はほとんど変わらず、パワーエラーPEおよび非点収差ASは良好に補正されており鮮明な像が得られることがわかる。一方、実施例1の眼鏡レンズ10の周辺部のスタイリッシュゾーン16においては、最大15%程度のパワーエラーPEが容認されている代わりに非点収差ASが0を含み、かつ0近傍において振動しており、比較例1の眼鏡レンズと比較して非点収差が改善されている。したがって、スタイリッシュゾーン16では視力の矯正能力が10数パーセント低下する代わりに非点収差ASが大幅に改善され、加えて歪曲収差も改善されている。
また、図7に示すように、眼鏡レンズ10のスタイリッシュゾーン16においては、ある程度のパワーエラーPEを許容しているのでベースカーブ11および内面のカーブ12の選択肢が広がる。たとえば、図7(a)に示すように実施例1の眼鏡レンズ10のベースカーブ11(実線)を、比較例1の眼鏡レンズ19のベースカーブ11(破線)に対して周辺部で大きく(曲率半径を小さく)できる。また、図7(b)に示すように実施例1の眼鏡レンズ10の内面のカーブ12(実線)を、比較例1の眼鏡レンズ19の内面のカーブ12(破線)に対してレンズの周辺部で小さく(曲率半径を大きく)できる。いずれの場合も、眼鏡レンズ10を眼鏡レンズ19に対して薄く軽くすることができる。したがって、この点でも実施例1の眼鏡レンズ10は外観を重視するユーザー(装着者、装用者)に適したものとなっている。
このように、実施例1の眼鏡レンズ10は、比較例1の眼鏡レンズ19に対し、掛けて見たときの性能が向上し、さらに、掛けて見られたときの性能も向上している。したがって、ユーザーが使用しやすく、装用感が良好で、ファッション性も高い眼鏡レンズを提供できる。
図8に、本例の眼鏡レンズ10を設計および製造する方法をフローチャートにより示している。以下に説明する方法は、後述の実施例2ないし実施例9にも適用可能である。ステップ21においてユーザー(装着者、装用者)の眼鏡仕様を取得する。眼鏡仕様には処方度数SPHと、乱視矯正の要否、乱視矯正が必要な場合には乱視度数(C)、乱視軸(Ax)などの情報が含まれる。ついで、ステップ22においてコンフォートゾーン(第2の領域)15の設計上の径を設定する。コンフォートゾーン15の設計上の径は、以降では回旋角βにより表現する。
ステップ22においては、ステップ23において処方度数SPHがマイナス(ステップ23がYES、Y)であれば、ステップ24においてコンフォートゾーン15の設計上の径を処方度数SPHに基づいて決定し、処方度数SPHがプラス(ステップ23がNO、N)であればステップ25においてコンフォートゾーン15の設計上の径を処方度数SPHによらず所定の一定の値に設定する。この例では、ステップ24においては、処方度数SPHの絶対値が大きいほど(すなわち処方度数SPHが小さいほど)コンフォートゾーン15の設計上の径、すなわち、回旋角βを小さく設定する。また、ステップ25においては、コンフォートゾーン15の設計上の径、すなわち、回旋角βを30度に設定する。
図9に、視標探索時の頭位(眼位)運動を観察した一例を示している。図9に示したグラフは、注視点から水平方向にある角度だけ移動した(所定距離だけ離れた位置に提示された)視標(対象物)を認識するために、頭部がどの程度回旋するかを示している。視標(対象物)を注目させる注視の状態においては、破線41に示すように頭部は対象物の方向に回旋する。これに対して、視標(対象物)を単に認識する程度の弁別視の状態においては、点線42に示すように、頭部の動きは対象物の角度(移動)に対して10度程度小さく(少なく)なる。この観察結果により、眼球の動きにより対象物を認識できる範囲の限界を約10度程度に設定できる。したがって、自然な状態で人間が頭部を動かしながら眼球の動きにより対象物を見るときの視野角αは最大10度程度と考えられる。このため、眼鏡を掛けたときに鮮明な像が得られる領域、すなわち、この眼鏡レンズ10のコンフォートゾーン15は、視野角αで10度以上であることが望ましい。
一方、眼球運動のみによって注視できる範囲は注視野と呼ばれ視角半径50度程である。しかしながら、実際に人間が体の正面以外を見る場合には、眼球運動・頭部の運動・体の運動が共同して行われ、眼球運動は視角半径(視野角αで)30度程度の範囲に留まる。また、網膜の周辺部では解像力は低いが視角半径(視野角αで)50度程度の範囲では空間情報を受容しており、像の歪曲は知覚される。したがって、コンフォートゾーン15は視野角αで30度程度の範囲が確保できれば十分であるが、加えてその外側に位置するスタイリッシュゾーン16を通しても適度な空間情報を眼球に入力できることが望ましい。
図10に、裸眼の視野角αと、眼鏡レンズを通して見たときの視野角α´との関係を示している。図10(a)は度数がマイナスのレンズL1を通して見た状態を示し、図10(b)は度数がプラスのレンズL2を通して見た状態を示している。レンズ度数がマイナスの場合、眼鏡レンズL1を通して見たときの視野角α´は裸眼の視野角αよりも小さくなり、レンズ度数がプラスの場合、眼鏡レンズL2を通して見たときの視野角α´は裸眼の視野角αよりも大きくなる。したがって、眼鏡レンズを介して裸眼の視野角α(以降においては視野角α)と同等の視野を得ようとして眼球が回旋する角度(回旋角)βは、視野角α´となる。なお、眼鏡レンズを通して見たときの視野角α´と裸眼の視野角αとの関係は、眼球回線距離と眼鏡装用距離との和Aと、眼鏡レンズの度数と、眼鏡レンズの厚みなどの関係により決まる。
図11に、標準的な条件で求めた度数と回旋角βとの関係を眼鏡レンズの視野角α別に示している。たとえば、度数が−10.0Dの眼鏡レンズを通して見たときの視野角αとして30度を確保する場合の回旋角βは約23度であり、度数が0.0Dの眼鏡レンズを通して見たときの視野角30度を確保する場合の回旋角βは30度であり、度数が5.0Dの眼鏡レンズを通して見たときの視野角30度を確保する場合の回旋角βは約37度である。したがって、視野角30度を確保するようにコンフォートゾーン15を設計する場合のコンフォートゾーン15の設計上の径は処方度数SPHにより変えることが可能であり、特に、処方度数SPHがマイナスの場合は、コンフォートゾーン15を小さくすることによりスタイリッシュゾーン16の面積を大きくすることができる。一方、処方度数SPHがプラスの場合は、度数が大きいと、度数に対応するコンフォートゾーン15が大きくなりスタイリッシュゾーン16の面積を十分に確保できない。そこでスタイリッシュゾーン16の面積を十分確保できるよう、回旋角βを一定値とすることが好ましい。
図12に、本例の眼鏡レンズ10におけるコンフォートゾーン15の設計上の径(半径)DRと処方度数SPHとの関係を、フィッティングポイントFPからの回旋角βを用いて示している。処方度数SPHがマイナスの場合は、処方度数SPHにより理論的に求められる視野角αが30度を確保できる回旋角βをコンフォートゾーン15の設計上の径DRとして採用することでスタイリッシュゾーン16を大きくする。一方、処方度数SPHがプラス(SPHがゼロ以上)の場合は、コンフォートゾーン15の設計上の径DRを回旋角βが30度に固定してスタイリッシュゾーン16を確保する。
したがって、図8に示したように、コンフォートゾーン15の設計上の径DRを設定するステップ22においては、ステップ23で処方度数SPHがマイナスであれば、ステップ24において、処方度数SPHの絶対値が増加するとコンフォートゾーン(第2の領域)15の設計上の径DRを減少させる。一方、処方度数SPHがプラスであれば、ステップ25において、処方度数SPHに関わらずコンフォートゾーン15の設計上の径DRを一定に設定する。
スタイリッシュな性能よりも装用感を要望するユーザーに対して視野角αを確保することを優先した眼鏡レンズを設計することも可能である。その場合は、ステップ23をキャンセルし、ステップ24において処方度数SPHがプラスの場合も、コンフォートゾーン15の設計上の径DRを処方度数SPHにより調整することが可能である。たとえば、図12のグラフにおいて破線で示すようにコンフォートゾーン15の設計上の径DRを処方度数SPHに対応する回旋角βに設定することができる。
次に、ステップ26において眼鏡仕様に乱視矯正の仕様が含まれているか否かを確認する。乱視矯正が含まれていない場合(ステップ26:YES、Y)は、ステップ24またはステップ25で設定された設計上の径DRが採用される。本例の眼鏡レンズ10は回転対称非球面であるので、径DRに基づいて設計されるコンフォートゾーン15の形状は円形となる。乱視矯正の仕様が含まれている場合(ステップ26:NO、N)は、ステップ27において、乱視軸Ax毎に、処方度数SPHに乱視度数Cを加算した値をもとに、ステップ22と同様にしてコンフォートゾーン15の設計上の径DRを求める。したがって、眼鏡仕様に乱視矯正の仕様が含まれている場合は、乱視軸Ax毎に度数が異なるので、乱視軸Axの度数が1つでもマイナスであれば当該乱視軸Ax毎におけるコンフォートゾーン15の設計上の径DRが他の乱視軸Axにおける設計上の径DRと異なる。本例の眼鏡レンズ10は回転対称であるので、設計上の形状が楕円のコンフォートゾーン15が設定される。
なお、設計上の径DRおよび設計上の形状は、眼鏡レンズ10の外面11および内面12を滑らかな非球面で設計する前の段階で決められる仮想の径および形状である。したがって、以下で説明するように、外面11および内面12を製造するための非球面が決定され、それらに従って製造された眼鏡レンズ10には、これら設計上の径DRおよび設計上の形状が反映された光学的性質が残るが、必ずしも設計上の径DRおよび設計上の形状がそのままの状態で光学的に検出されるとは限らない。
このようにしてコンフォートゾーン15の設計上の径DRが決定されると、ステップ28においてコンフォートゾーン15を形成する外面11および内面12の非球面を設計する。コンフォートゾーン15においては、非点収差ASの補正に対して平均屈折力の補正が優先され、パワーエラーPEが小さくほぼ0(ゼロ)であり、眼鏡仕様の処方度数SPHが得られるような外面11および内面12が決められる。そのような外面11および内面12の1つの例は、径方向度数MD(径方向度数誤差ME)と、周方向度数SD(周方向度数誤差SE)とが回旋角βが増加する方向に相互に離れるように変化するものである。
コンフォートゾーン15の設計と並行にあるいは前後して、ステップ29においてスタイリッシュゾーン16を形成する外面11および内面12の非球面を設計する。スタイリッシュゾーン16はコンフォートゾーン15の外側に設けられ、コンフォートゾーン15の設計上の径DRが処方度数SPHにより変わるので、スタイリッシュゾーン16の範囲も処方度数SPHにより変わる。しかしながら、ほとんどの処方度数では、スタイリッシュゾーン16は、回旋角βが20度から60度の範囲に含まれる。そして、スタイリッシュゾーン16は、処方度数SPHに対する平均屈折力の補正に対して遠方視の非点収差ASの補正が優先され、パワーエラーPEをある程度容認する代わりに非点収差ASが0(ゼロ)に近づくように外面11および内面12が決められる。
スタイリッシュゾーン16の外面11および内面12の一例は非点収差ASの値が0(ゼロ)を挟んでマイナス側およびプラス側に極値を有するように変化するものである。処方度数SPHがマイナスの場合は、非点収差ASをマイナス側に極値、0、プラス側に極値というように振動させて非点収差ASがゼロにできるだけ収束するように外面11および内面12を設計する。たとえば、径方向度数MD(径方向度数誤差ME)と周方向度数SD(周方向度数誤差SE)とが回旋角βが増加する方向に相互に接近および交差した後にさらに接近するように外面11および内面12を設計することができる。処方度数がマイナスの場合は、径方向度数誤差MEをマイナス側からプラス側に変化させてプラス側において周方向度数誤差SEと交差するように外面11および内面12を設計することができる。
なお、スタイリッシュゾーン16の外面11および内面12を設計する際には、許容されるパワーエラーPEの、最大誤差MPEは処方度数SPHに対して30%以内にすることが望ましい。最大誤差MPEは処方度数SPHの25%以内がさらに好ましく、処方度数SPHの20%以内であることがいっそう好ましい。スタイリッシュゾーン16でMPEが30%を超えるとスタイリッシュゾーン16の見え方が極端に悪化し、眼鏡レンズとしての機能を果たさなくなる可能性がある。
続いて、ステップ30において、コンフォートゾーン15およびスタイリッシュゾーン16を含む眼鏡レンズ10の外面11および内面12の非球面を設計する。具体的には、上記のステップ28および29において求められた各ゾーン15および16の非球面が滑らかに接続されるような外面11および内面12の非球面を求める。
さらに、ステップ31において、得られた外面11および内面12を有する眼鏡レンズ10を掛けて見たときの光学的性能、および眼鏡レンズ10を掛けて見られたときのファッション性などを評価する。ユーザーの要望を満足できる眼鏡レンズ10が設計できると、ステップ32において設計された外面11および内面12を有する眼鏡レンズ10を製造する。
(実施例2および比較例2)
図13(a)に実施例2の眼鏡レンズ10の処方度数SPHに対する平均屈折力AsPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。実施例2の眼鏡レンズ10も外面11および内面12が回転対称非球面の単焦点レンズであり、処方度数SPHが+2.0Dの遠視を矯正するための眼鏡レンズである。なお、具体的なレンズデータは以下の通りである。
頂点屈折力[D]:2.00
外面近軸曲率(0)[D]:3.97
外面近軸曲率(10)[D]:3.79
外面近軸曲率(20)[D]:3.23
外面近軸曲率(30)[D]:2.42
内面近軸曲率(0)[D]:2.00
内面近軸曲率(10)[D]:1.99
内面近軸曲率(20)[D]:1.80
内面近軸曲率(30)[D]:1.49
中心厚[mm]:2.70
この眼鏡レンズ10も、眼球の回旋角βが20度から60度の範囲に含まれる領域で、具体的には回旋角βが30度より大きな領域において、非点収差ASの値がプラス側に極値(as(+))を持ち、0を通過し(as(0))、次にマイナス側に極値(as(−))を持つように変化している。さらに、この領域で回旋角βが増加する方向に沿って、径方向度数の誤差MEと周方向度数の誤差SEとが相互に接近および交差した後にさらに接近するように変化している。この例では、プラス側にシフトした径方向誤差MEがマイナス側にシフトして周方向誤差SEと交差している。したがって、この領域では、パワーエラーPEが処方度数SPH(2.0D)に対して回旋角βが50度で20%程度となっているが、代わりに非点収差ASは0のまわりに収束するように補正されている。
一方、回旋角βが30度より小さな領域では、径方向度数の誤差MEと周方向度数の誤差SEとが回旋角βが増加する方向に相互に離れるように変化している。したがって、この領域では、パワーエラーPEがほぼ0であり、非点収差ASも良好に補正されているが、非点収差ASは回旋角βが増加するにつれて増加している。
したがって、この眼鏡レンズ10は、回旋角βが30度を境界17として、外側(回旋角βが大きい方)が処方度数SPHに対する平均屈折力の補正(パワーエラーPE)に対して遠方視の非点収差ASの補正が優先された第1の領域(スタイリッシュゾーン)16となり、その内側、すなわち、境界17より内側の眼鏡レンズ10の中央部が非点収差ASの補正に対して平均屈折力の補正(パワーエラーPE)が優先された第2の領域(コンフォートゾーン)15となっている。
図13(b)に比較例2の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AsPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。比較例2の眼鏡レンズ19も外面11および内面12が回転対称非球面の単焦点レンズであり、処方度数SPHが+2.0Dの遠視を矯正するための眼鏡レンズである。なお、具体的なレンズデータは以下の通りである。
頂点屈折力[D]:2.00
外面近軸曲率(0)[D]:3.97
外面近軸曲率(10)[D]:3.79
外面近軸曲率(20)[D]:3.23
外面近軸曲率(30)[D]:2.42
内面近軸曲率(0)[D]:2.00
内面近軸曲率(10)[D]:1.97
内面近軸曲率(20)[D]:1.73
内面近軸曲率(30)[D]:1.28
中心厚[mm]:2.70
比較例2の眼鏡レンズ19では、回旋角βが0度から50度の範囲で、径方向度数の誤差MEと周方向度数の誤差SEとが回旋角βが大きいほど相互に離れるように変化している。その結果、眼鏡レンズ19の全域で、パワーエラーPEがほぼ0であり、非点収差ASは回旋角βが増加するにつれて増加している。したがって、眼鏡レンズ19の全体が非点収差ASの補正に対して平均屈折力の補正(パワーエラーPE)が優先されたコンフォートゾーンとなっているといえる。
図13(c)に実施例2の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例2の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。レンズの周辺部、すなわち、実施例2の眼鏡レンズ10のスタイリッシュゾーン16において歪曲収差が改善されていることがわかる。
以上のように、処方度数SPHがプラスの眼鏡レンズにおいても、処方度数SPHがマイナスの眼鏡レンズと同様に、パワーエラーPEおよび非点収差ASが良好に補正されており鮮明な画像が得られるコンフォートゾーン15を中央部に設け、パワーエラーPEが容認されている代わりに非点収差ASが0を含み、ようにかつ0近傍において振動する(0に近い値をとる)スタイリッシュゾーン16を周辺部に設けることができる。また、処方度数SPHがプラスの眼鏡レンズにおいても、スタイリッシュゾーン16を設けることにより、眼鏡レンズ10を掛けて見たときの周辺部における性能および掛けて見られときの性能がともに改善されていることがわかる。
また、図14に示すように、眼鏡レンズ10のスタイリッシュゾーン16においては、ある程度のパワーエラーPEを許容しているのでベースカーブ11および内面のカーブ12の選択肢が広がる。たとえば、図14(a)に示すように実施例2の眼鏡レンズ10のベースカーブ11(実線)を、比較例2の眼鏡レンズ19のベースカーブ11(破線)に対して周辺部で小さく(曲率半径を大きく)できる。また、図14(b)に示すように実施例2の眼鏡レンズ10の内面のカーブ12(実線)を、比較例2の眼鏡レンズ19の内面のカーブ12(破線)に対して周辺部で大きく(曲率半径を小さく)できる。いずれの場合も、眼鏡レンズ10を眼鏡レンズ19に対して薄く軽くすることができる。したがって、この点でも実施例2の眼鏡レンズ10は外観を重視するユーザーに適したものとなっている。
なお、本例の処方度数SPHがプラスの眼鏡レンズ10は、図8のステップ22において説明したようにコンフォートゾーン15の設計上の径DRを30度に設定しているが、視野角αが30度となるようにコンフォートゾーン15を広げることも可能である。その場合、スタイリッシュゾーン16が小さくなるが、コンフォートゾーン16の機能が得られる範囲が広くなる。
(実施例3および比較例3)
図15(a)および(b)に実施例3の眼鏡レンズ10の処方度数SPHに対する平均屈折力AsPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。実施例3の眼鏡レンズ10は処方度数SPHが−5.0D、乱視度数Cが−1.0D、乱視軸Axが180度の乱視矯正を含む眼鏡レンズである。図15(a)は90度方向の軸に沿った各数値の変化を示し、図15(b)は乱視軸Axに沿った180度方向における各数値の変化を示す。なお、具体的なレンズデータは以下の通りである。
球面屈折力[D]:-5.00
乱視屈折力[D]:-1.00
乱視軸:180度
外面近軸曲率( 0)[D]:1.00
外面近軸曲率(10)[D]:0.98
外面近軸曲率(20)[D]:0.82
外面近軸曲率(30)[D]:0.50
180度方向 内面近軸曲率(0)[D]:6.00
180度方向 内面近軸曲率(10)[D]:5.62
180度方向 内面近軸曲率(20)[D]:4.32
180度方向 内面近軸曲率(30)[D]:2.52
90度方向 内面近軸曲率(0)[D]:7.00
90度方向 内面近軸曲率(10)[D]:6.60
90度方向 内面近軸曲率(20)[D]:5.15
90度方向 内面近軸曲率(30)[D]:3.12
中心厚[mm]:1.10
この眼鏡レンズ10においては、図15(a)および(b)に示すように乱視矯正が加味されているのでそれぞれのカーブは複雑になっているが、設計的には90度方向では、回旋角βが約24度を境界17として外側がスタイリッシュゾーン16となり、内側がコンフォートゾーン15となっている。また、180度方向では、回旋角βが約26度を境界17として外側がスタイリッシュゾーン16となり、内側がコンフォートゾーン15となっている。
このため、図16に示すように、この眼鏡レンズ10においては、破線で示すように、設計上のコンフォートゾーン15の形状は、フィッティングポイントFPを中心とした90度方向10aにおける設計上の径DRが短く、180度方向10bにおける設計上の径DRが長い楕円形である。したがって、乱視矯正を含まない他の眼鏡レンズ10の例では、コンフォートゾーン15がフィッティングポイントFPを中心とした円形であるのとは異なっている。しかしながら、コンフォートゾーン15およびスタイリッシュゾーン16の構成は実施例1の眼鏡レンズ10と共通する。
図17(a)および(b)に比較例3の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AsPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。比較例3の眼鏡レンズ19は処方度数SPHが−5.0D、乱視度数Cが−1.0D、乱視軸Axが180度の乱視矯正を含む眼鏡レンズである。図17(a)は90度方向を示し、図17(b)は180度方向を示す。なお、具体的なレンズデータは以下の通りである。
球面屈折力[D]:-5.00
乱視屈折力[D]:-1.00
乱視軸:180度
外面近軸曲率(0)[D]:1.00
外面近軸曲率(10)[D]:0.98
外面近軸曲率(20)[D]:0.82
外面近軸曲率(30)[D]:0.50
180度方向 内面近軸曲率(0)[D]:6.00
180度方向 内面近軸曲率(10)[D]:5.67
180度方向 内面近軸曲率(20)[D]:4.69
180度方向 内面近軸曲率(30)[D]:3.45
90度方向 内面近軸曲率(0)[D]:7.00
90度方向 内面近軸曲率(10)[D]:6.67
90度方向 内面近軸曲率(20)[D]:5.64
90度方向 内面近軸曲率(30)[D]:4.35
中心厚[mm]:1.10
図18(a)および(b)に実施例3の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例3の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。図18(a)は90度方向を示し、図18(b)は180度方向を示す。いずれの軸方向においても、レンズの周辺部、すなわち、実施例3の眼鏡レンズ10のスタイリッシュゾーン16において歪曲収差が改善されていることがわかる。
以上のように、眼鏡仕様に乱視矯正を含む眼鏡レンズにおいても、パワーエラーPEおよび非点収差ASが良好に補正されており鮮明な画像が得られるコンフォートゾーン15を中央部に設け、パワーエラーPEが容認されている代わりに非点収差ASが0を含み、ように0近傍において振動する値をとるスタイリッシュゾーン16を周辺部に設けることができる。また、乱視矯正用の眼鏡レンズにおいても、スタイリッシュゾーン16を設けることにより、眼鏡レンズ10を掛けて見たときのレンズ周辺部における性能および掛けて見られときの性能がともに改善できる。
(実施例4〜9および比較例4〜9)
図19(a)および(b)に実施例4の眼鏡レンズ10および比較例4の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AsPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。これらのレンズ10および19は、処方度数SPHが−8.0Dの近視を矯正するための眼鏡レンズである。また、図19(c)に実施例4の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例4の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。
この実施例4の眼鏡レンズ10においては、回旋角βが約24度を境界17として、外側がスタイリッシュゾーン16となり、内側がコンフォートゾーン15となっている。
図20(a)および(b)に実施例5の眼鏡レンズ10および比較例5の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AsPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。これらのレンズ10および19は、処方度数SPHが−6.0Dの近視を矯正するための眼鏡レンズである。また、図20(c)に実施例5の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例5の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。
この実施例5の眼鏡レンズ10においては、回旋角βが約25度を境界17として、外側がスタイリッシュゾーン16となり、内側がコンフォートゾーン15となっている。
図21(a)および(b)に実施例6の眼鏡レンズ10および比較例6の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AsPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。これらのレンズ10および19は、処方度数SPHが−4.0Dの近視を矯正するための眼鏡レンズである。また、図21(c)に実施例6の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例6の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。
この実施例6の眼鏡レンズ10においては、回旋角βが約26度を境界17として、外側がスタイリッシュゾーン16となり、内側がコンフォートゾーン15となっている。
図22(a)および(b)に実施例7の眼鏡レンズ10および比較例7の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AsPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。これらのレンズ10および19は、処方度数SPHが−2.0Dの近視を矯正するための眼鏡レンズである。また、図22(c)に実施例7の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例7の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。
この実施例7の眼鏡レンズ10においては、回旋角βが約28度を境界17として、外側がスタイリッシュゾーン16となり、内側がコンフォートゾーン15となっている。
図23(a)および(b)に実施例8の眼鏡レンズ10および比較例8の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AsPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。これらのレンズ10および19は、処方度数SPHが+4.0Dの遠視を矯正するための眼鏡レンズである。また、図23(c)に実施例8の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例8の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。
この実施例8の眼鏡レンズ10においては、回旋角βが30度を境界17として、外側がスタイリッシュゾーン16となり、内側がコンフォートゾーン15となっている。
図24(a)および(b)に実施例9の眼鏡レンズ10および比較例9の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AsPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。これらのレンズ10および19は、処方度数SPHが+6.0Dの遠視を矯正するための眼鏡レンズである。また、図24(c)に実施例9の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例9の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。
この実施例9の眼鏡レンズ10においては、回旋角βが30度を境界17として、外側がスタイリッシュゾーン16となり、内側がコンフォートゾーン15となっている。
これらの実施例に示すように、処方度数SPHがマイナス側およびプラス側の広い範囲において、本発明に基づきコンフォートゾーン15およびスタイリッシュゾーン16を備えた眼鏡レンズ10を設計および製造し、提供することができる。
特に、本例においては、処方度数SPHがマイナスの眼鏡レンズ10においては、眼鏡仕様に含まれる処方度数SPHに応じて、コンフォートゾーン15を小さくする設計を採用している。このため、処方度数SPHがマイナスで、かつ、処方度数SPHの絶対値が大きい眼鏡レンズ10においては、コンフォートゾーン15を小さくし、スタイリッシュゾーン16を広く確保できる。これにより、着用者の処方度数の情報が得られれば、コンフォートゾーン15を当該着用者に適した大きさに設定することができる。すなわち、コンフォートゾーン15を設計するために着用者から特別な情報を取得する必要がなく、一般的な眼鏡仕様の情報に基づいて設計装置などを用いて容易に本例の眼鏡レンズ10を設計できる。
処方度数SPHがマイナスで絶対値の大きな眼鏡レンズ10は、こば厚が大きくなりやすく、重く、ファッショナブルな眼鏡レンズが得られにくかった。スタイリッシュゾーン16を広く確保することにより、処方度数SPHがマイナスで絶対値の大きな眼鏡レンズ10であっても、薄く、軽く、そしてファッショナブルな眼鏡レンズ10を提供できる。特に、処方度数SPHが−6.0D以下、さらには、処方度数SPHが−7.0D以下の眼鏡レンズ10において、処方度数SPHに応じてコンフォートゾーン15を小さくする設計を採用することは有効である。
図25に眼鏡レンズの設計装置70の一例を示している。この設計装置70は、眼鏡仕様を取得するユニット75と、スタイリッシュゾーン16を設計する第1のユニット71と、コンフォートゾーン15を設計する第2のユニット72と、スタイリッシュゾーン16およびコンフォートゾーン15を含む眼鏡レンズ10の内面12および外面11を設計する第3のユニット73と、設計された眼鏡レンズ10の掛けて見るときおよび掛けて見られたときを評価する評価ユニット74とを有する。
コンフォートゾーン15を設計する第2のユニット72は、さらに、処方度数SPHがマイナスの場合に、処方度数SPHの絶対値が大きいほどコンフォートゾーン15の領域の設計上の径DRを小さく設定する第1の調整ユニット76と、処方度数SHPがプラスの場合は、処方度数SPHに関わらずコンフォートゾーン15の設計上の径DRを一定にする第2の調整ユニット77とを含む。さらに、第2のユニット72は、眼鏡仕様に乱視を矯正するデータが含まれている場合、コンフォートゾーン15の設計上の径DRを調整する第3の調整ユニット78を含む。この設計装置70は、CPUおよびメモリを含むパーソナルコンピュータなどの情報処理装置に実装することが可能である。また、この設計装置70の機能をコンピュータにより実現するためのプログラム(プログラム製品)をCD−ROMなどのメモリに記憶したり、インターネットなどのコンピュータネットワークを介して提供することが可能である。
この設計装置70は、ユーザーの眼鏡仕様を取得し、コンフォートゾーン15およびスタイリッシュゾーン16を含む眼鏡レンズ10を設計する。それとともに、評価ユニット74により設計された眼鏡レンズ10をユーザーが掛けたときに眼鏡レンズ10を通して見える状態と、眼鏡レンズ10をユーザーが掛けたときに第3者に見られる状態とを検証することができる。したがって、ユーザーは、設計された眼鏡レンズ10の使用状態とともに、見られたときの状態を評価することが可能であり、ユーザー自身の感性にあったファッション性が高い眼鏡レンズであって、装着者が装着しやすい眼鏡レンズ10を入手できる。
なお、上記では単焦点レンズにより本発明を説明しているが、コンフォートゾーン15が遠方視に適した遠用部および近方視に適した近用部を含む累進屈折力レンズであってもよい。また、内面および外面の双方が非球面であってもよく、いずれか一方の面が非球面であってもよい。また、上記では、コンフォートゾーン15の視野角α(特に処方度数がマイナスのときの視野角)を30度に設定した例を説明しているが、視野角αは30度以下に設定しても、30度以上に設定してもよい。
1 眼鏡、 5 フレーム
10、19 眼鏡レンズ、 11 外面(ベースカーブ)、 12 内面
15 コンフォートゾーン(第2の領域)
16 スタイリッシュゾーン(第1の領域)
しかしながら、特許文献1に記載の眼鏡レンズは、レンズの中央部では明瞭な像が得られるものの、周辺部の非点収差が十分でないため、周辺部の像が歪んだり、不鮮明になるおそれがあった。このような周辺部の像の歪みは、装用感の低下や、着用者(眼鏡をかけた人)の顔の輪郭が歪んで見えるなどといったファッション性の低下を引き起こすことがある。
図1にユーザー(装着者)が眼鏡を装着した様子を示している。図1(a)は、本発明の実施例の眼鏡レンズ10をフレーム(眼鏡フレーム)5に取り付けた眼鏡1をユーザー2が装着した様子を示し、図1(b)は比較例の眼鏡レンズ19(一般的な単焦点レンズ)を同じフレーム5に取り付けた眼鏡9をユーザー2が装着した様子を示している。図1(b)に示した眼鏡9では、眼鏡レンズ19の周辺部を通して見えるユーザー2の顔の輪郭の一部2aが眼鏡レンズ19の周辺部の収差のために他の部分2bから大きくずれている。一方、図1(a)に示した眼鏡1では、眼鏡レンズ10の周辺部を通して見えるユーザー2の顔の輪郭の一部2aは他の部分2bからほとんどずれていない。したがって、眼鏡1は、眼鏡レンズ10を通して装着者2が見られたときの違和感(装着者2を他の人が見たときの違和感)が少ないスタイリッシュな眼鏡となっている。
(実施例1および比較例1)
図6(a)に実施例1の眼鏡レンズ10の処方度数SPHに対する平均屈折力AvPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示している。遠方視の非点収差ASは無限遠を見たときの非点収差である。パワーエラーPEおよび非点収差ASは、眼鏡レンズ10を掛けて見たときに両面(内面および外面)12および11を透過した状態におけるパワーエラーPEおよび非点収差ASをシミュレーションした結果を示している。実施例1の眼鏡レンズ10は、物体側の面(外面)11および眼球側の面(内面)12が回転対称非球面の単焦点レンズであり、処方度数SPHが−10.0Dの近視を矯正するための眼鏡レンズである。パワーエラーPEは、処方度数SPHと平均屈折力AvPとの差の、処方度数SPHに対する割合(%)である。例えば、本例の眼鏡レンズ10は屈折力が−10.0Dであるので、平均屈折力AvPが−9.0DになればパワーエラーPEは差で示すと+1.0Dであり、比で示すと10%である。なお、具体的なレンズデータは以下の通りである。
頂点屈折力[D]:-10.00
外面近軸曲率(0)[D]:0.50
外面近軸曲率(10)[D]:0.49
外面近軸曲率(20)[D]:0.41
外面近軸曲率(30)[D]:0.25
内面近軸曲率(0)[D]:10.50
内面近軸曲率(10)[D]:10.12
内面近軸曲率(20)[D]:8.16
内面近軸曲率(30)[D]:6.14
中心厚[mm]:1.10
図6(a)には、さらに、処方度数SPHに対する径方向度数MDの誤差MEを実線で示し、処方度数SPHに対する周方向度数SDの誤差SEを一点鎖線により示している。径方向度数MDはメリジオナル断面方向度数であり、周方向度数SDはサジタル断面方向度数であり、平均度数(平均屈折力)AvPは径方向度数MDと周方向度数SDの平均となる。また、非点収差ASは径方向度数MDと周方向度数SDとの差であり、この図では、径方向度数の誤差MEと周方向度数の誤差SEとの差となる。
図6(b)に比較例1の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AvPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。比較例1の眼鏡レンズ19は、物体側の面(外面)11および眼球側の面(内面)12が回転対称非球面の単焦点レンズであり、処方度数SPHが−10.0Dの近視を矯正するための眼鏡レンズである。なお、具体的なレンズデータは以下の通りである。
頂点屈折力[D]:-10.00
外面近軸曲率(0)[D]:0.50
外面近軸曲率(10)[D]:0.49
外面近軸曲率(20)[D]:0.41
外面近軸曲率(30)[D]:0.25
内面近軸曲率(0)[D]:10.50
内面近軸曲率(10)[D]:10.20
内面近軸曲率(20)[D]:9.23
内面近軸曲率(30)[D]:8.63
中心厚[mm]:1.10
図10に、裸眼の視野角αと、眼鏡レンズを通して見たときの視野角α´との関係を示している。図10(a)は度数がマイナスのレンズL1を通して見た状態を示し、図10(b)は度数がプラスのレンズL2を通して見た状態を示している。レンズ度数がマイナスの場合、眼鏡レンズL1を通して見たときの視野角α´は裸眼の視野角αよりも小さくなり、レンズ度数がプラスの場合、眼鏡レンズL2を通して見たときの視野角α´は裸眼の視野角αよりも大きくなる。したがって、眼鏡レンズを介して裸眼の視野角α(以降においては視野角α)と同等の視野を得ようとして眼球が回旋する角度(回旋角)βは、視野角α´となる。なお、眼鏡レンズを通して見たときの視野角α´と裸眼の視野角αとの関係は、眼球回旋距離と眼鏡装用距離との和Aと、眼鏡レンズの度数と、眼鏡レンズの厚みなどの関係により決まる。
次に、ステップ26において眼鏡仕様に乱視矯正の仕様が含まれているか否かを確認する。乱視矯正が含まれていない場合(ステップ26:YES、Y)は、ステップ24またはステップ25で設定された設計上の径DRが採用される。本例の眼鏡レンズ10は回転対称非球面であるので、径DRに基づいて設計されるコンフォートゾーン15の形状は円形となる。乱視矯正の仕様が含まれている場合(ステップ26:NO、N)は、ステップ27において、乱視軸Ax毎に、処方度数SPHに乱視度数Cを加算した値をもとに、ステップ22と同様にしてコンフォートゾーン15の設計上の径DRを求める。したがって、眼鏡仕様に乱視矯正の仕様が含まれている場合は、乱視軸Ax毎に度数が異なるので、乱視軸Axの度数が1つでもマイナスであれば当該乱視軸Axにおけるコンフォートゾーン15の設計上の径DRが他の乱視軸Axにおける設計上の径DRと異なる。本例の眼鏡レンズ10は回転対称であるので、設計上の形状が楕円のコンフォートゾーン15が設定される。
(実施例2および比較例2)
図13(a)に実施例2の眼鏡レンズ10の処方度数SPHに対する平均屈折力AvPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。実施例2の眼鏡レンズ10も外面11および内面12が回転対称非球面の単焦点レンズであり、処方度数SPHが+2.0Dの遠視を矯正するための眼鏡レンズである。なお、具体的なレンズデータは以下の通りである。
頂点屈折力[D]:2.00
外面近軸曲率(0)[D]:3.97
外面近軸曲率(10)[D]:3.79
外面近軸曲率(20)[D]:3.23
外面近軸曲率(30)[D]:2.42
内面近軸曲率(0)[D]:2.00
内面近軸曲率(10)[D]:1.99
内面近軸曲率(20)[D]:1.80
内面近軸曲率(30)[D]:1.49
中心厚[mm]:2.70
図13(b)に比較例2の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AvPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。比較例2の眼鏡レンズ19も外面11および内面12が回転対称非球面の単焦点レンズであり、処方度数SPHが+2.0Dの遠視を矯正するための眼鏡レンズである。なお、具体的なレンズデータは以下の通りである。
頂点屈折力[D]:2.00
外面近軸曲率(0)[D]:3.97
外面近軸曲率(10)[D]:3.79
外面近軸曲率(20)[D]:3.23
外面近軸曲率(30)[D]:2.42
内面近軸曲率(0)[D]:2.00
内面近軸曲率(10)[D]:1.97
内面近軸曲率(20)[D]:1.73
内面近軸曲率(30)[D]:1.28
中心厚[mm]:2.70
以上のように、処方度数SPHがプラスの眼鏡レンズにおいても、処方度数SPHがマイナスの眼鏡レンズと同様に、パワーエラーPEおよび非点収差ASが良好に補正されており鮮明な画像が得られるコンフォートゾーン15を中央部に設け、パワーエラーPEが容認されている代わりに非点収差ASが0を含み、かつ0近傍において振動する(0に近い値をとる)スタイリッシュゾーン16を周辺部に設けることができる。また、処方度数SPHがプラスの眼鏡レンズにおいても、スタイリッシュゾーン16を設けることにより、眼鏡レンズ10を掛けて見たときの周辺部における性能および掛けて見られときの性能がともに改善されていることがわかる。
(実施例3および比較例3)
図15(a)および(b)に実施例3の眼鏡レンズ10の処方度数SPHに対する平均屈折力AvPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。実施例3の眼鏡レンズ10は処方度数SPHが−5.0D、乱視度数Cが−1.0D、乱視軸Axが180度の乱視矯正を含む眼鏡レンズである。図15(a)は90度方向の軸に沿った各数値の変化を示し、図15(b)は乱視軸Axに沿った180度方向における各数値の変化を示す。なお、具体的なレンズデータは以下の通りである。
球面屈折力[D]:-5.00
乱視屈折力[D]:-1.00
乱視軸:180度
外面近軸曲率( 0)[D]:1.00
外面近軸曲率(10)[D]:0.98
外面近軸曲率(20)[D]:0.82
外面近軸曲率(30)[D]:0.50
180度方向 内面近軸曲率(0)[D]:6.00
180度方向 内面近軸曲率(10)[D]:5.62
180度方向 内面近軸曲率(20)[D]:4.32
180度方向 内面近軸曲率(30)[D]:2.52
90度方向 内面近軸曲率(0)[D]:7.00
90度方向 内面近軸曲率(10)[D]:6.60
90度方向 内面近軸曲率(20)[D]:5.15
90度方向 内面近軸曲率(30)[D]:3.12
中心厚[mm]:1.10
図17(a)および(b)に比較例3の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AvPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。比較例3の眼鏡レンズ19は処方度数SPHが−5.0D、乱視度数Cが−1.0D、乱視軸Axが180度の乱視矯正を含む眼鏡レンズである。図17(a)は90度方向の軸に沿った各数値の変化を示し、図17(b)は180度方向の軸に沿った各数値の変化を示す。なお、具体的なレンズデータは以下の通りである。
球面屈折力[D]:-5.00
乱視屈折力[D]:-1.00
乱視軸:180度
外面近軸曲率(0)[D]:1.00
外面近軸曲率(10)[D]:0.98
外面近軸曲率(20)[D]:0.82
外面近軸曲率(30)[D]:0.50
180度方向 内面近軸曲率(0)[D]:6.00
180度方向 内面近軸曲率(10)[D]:5.67
180度方向 内面近軸曲率(20)[D]:4.69
180度方向 内面近軸曲率(30)[D]:3.45
90度方向 内面近軸曲率(0)[D]:7.00
90度方向 内面近軸曲率(10)[D]:6.67
90度方向 内面近軸曲率(20)[D]:5.64
90度方向 内面近軸曲率(30)[D]:4.35
中心厚[mm]:1.10
図18(a)および(b)に実施例3の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例3の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。図18(a)は90度方向の軸に沿った歪曲収差の変化を示し、図18(b)は180度方向の軸に沿った歪曲収差の変化を示す。いずれの軸方向においても、レンズの周辺部、すなわち、実施例3の眼鏡レンズ10のスタイリッシュゾーン16において歪曲収差が改善されていることがわかる。
以上のように、眼鏡仕様に乱視矯正を含む眼鏡レンズにおいても、パワーエラーPEおよび非点収差ASが良好に補正されており鮮明な画像が得られるコンフォートゾーン15を中央部に設け、パワーエラーPEが容認されている代わりに非点収差ASが0を含み、かつ、0近傍において振動する値をとるスタイリッシュゾーン16を周辺部に設けることができる。また、乱視矯正用の眼鏡レンズにおいても、スタイリッシュゾーン16を設けることにより、眼鏡レンズ10を掛けて見たときのレンズ周辺部における性能および掛けて見られときの性能がともに改善できる。
(実施例4〜9および比較例4〜9)
図19(a)および(b)に実施例4の眼鏡レンズ10および比較例4の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AvPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。これらのレンズ10および19は、処方度数SPHが−8.0Dの近視を矯正するための眼鏡レンズである。また、図19(c)に実施例4の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例4の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。
図20(a)および(b)に実施例5の眼鏡レンズ10および比較例5の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AvPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。これらのレンズ10および19は、処方度数SPHが−6.0Dの近視を矯正するための眼鏡レンズである。また、図20(c)に実施例5の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例5の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。
図21(a)および(b)に実施例6の眼鏡レンズ10および比較例6の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AvPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。これらのレンズ10および19は、処方度数SPHが−4.0Dの近視を矯正するための眼鏡レンズである。また、図21(c)に実施例6の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例6の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。
図22(a)および(b)に実施例7の眼鏡レンズ10および比較例7の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AvPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。これらのレンズ10および19は、処方度数SPHが−2.0Dの近視を矯正するための眼鏡レンズである。また、図22(c)に実施例7の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例7の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。
図23(a)および(b)に実施例8の眼鏡レンズ10および比較例8の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AvPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。これらのレンズ10および19は、処方度数SPHが+4.0Dの遠視を矯正するための眼鏡レンズである。また、図23(c)に実施例8の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例8の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。
図24(a)および(b)に実施例9の眼鏡レンズ10および比較例9の眼鏡レンズ19の処方度数SPHに対する平均屈折力AvPの誤差(パワーエラー)PEを二点鎖線で示し、遠方視の非点収差ASを破線により示し、径方向度数の誤差MEを実線で示し、周方向度数の誤差SEを一点鎖線により示している。これらのレンズ10および19は、処方度数SPHが+6.0Dの遠視を矯正するための眼鏡レンズである。また、図24(c)に実施例9の眼鏡レンズ10の歪曲収差を実線で示し、比較例9の眼鏡レンズ19の歪曲収差を破線で示している。

Claims (11)

  1. 装着者の眼球の回旋角の20度から60度の範囲のうち少なくとも一部に含まれ、処方度数に基づく平均屈折力の補正よりも非点収差の補正が優先された第1の領域と、
    前記第1の領域の内側に形成され、前記非点収差の補正よりも前記平均屈折力の補正が優先された第2の領域と、
    を有する眼鏡レンズ。
  2. 請求項1に記載の眼鏡レンズにおいて、
    前記第1の領域は、前記非点収差の値がマイナスの極値をとる点、および、前記非点収差の値がプラスの極値をとる点を含む、眼鏡レンズ。
  3. 請求項1に記載の眼鏡レンズにおいて、
    前記第1の領域は、
    前記回旋角が増加する方向において、径方向度数の値と周方向度数の値とが相互に接近および交差した後にさらに接近するように変化する領域を含む、眼鏡レンズ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の眼鏡レンズにおいて、
    前記第1の領域の前記処方度数に対する平均屈折力の最大誤差は30%以下である、眼鏡レンズ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の眼鏡レンズにおいて、
    前記第2の領域は、
    前記回旋角が増加する方向において、径方向度数の値と周方向度数の値とが相互に離れるように変化する領域を含む、眼鏡レンズ。
  6. 装着者の眼球の回旋角の20度から60度の範囲のうち少なくとも一部に含まれ、処方度数に基づく平均屈折力の補正によりも非点収差の補正が優先された第1の領域と、前記第1の領域の内側に形成され、前記非点収差の補正よりも前記平均屈折力の補正が優先された第2の領域と、を有する眼鏡レンズと、
    前記眼鏡レンズが取り付けられる眼鏡フレームと、
    を有する眼鏡。
  7. 装着者の眼球の回旋角の20度から60度の範囲のうち少なくとも一部に含まれ、処方度数に基づく平均屈折力の補正よりも非点収差の補正が優先された第1の領域を設けることと、
    前記第1の領域の内側に、前記非点収差の補正よりも前記平均屈折力の補正が優先された第2の領域設けることと、
    を含む、眼鏡レンズの設計方法。
  8. 請求項7に記載の眼鏡レンズの設計方法において、
    前記第2の領域を設けることは、前記処方度数がマイナスである場合に、前記処方度数の絶対値が大きいほど前記第2の領域の設計上の径を小さくすることを含む、眼鏡レンズの設計方法。
  9. 請求項7または8に記載の眼鏡レンズの設計方法において、
    前記第2の領域を設けることは、前記眼鏡レンズの処方が、度数がマイナスの乱視矯正を含む場合に、前記第2の領域の設計上の形状を楕円にすることを含む、眼鏡レンズの設計方法。
  10. 眼鏡レンズの設計装置であって、
    処方度数を含む眼鏡仕様を取得するユニットと、
    装着者の眼球の回旋角の20度から60度の範囲のうち少なくとも一部に含まれ、前記処方度数に基づく平均屈折力の補正によりも非点収差の補正が優先された第1の領域を設計する第1のユニットと、
    前記第1の領域の内側に位置し、前記非点収差の補正によりも前記平均屈折力の補正が優先された第2の領域を設計する第2のユニットと、
    を有する、設計装置。
  11. 請求項10に記載の設計装置において、
    前記第2のユニットは、前記処方度数がマイナスである場合に、前記処方度数の絶対値が大きいほど前記第2の領域の設計上の径を小さくし、前記処方度数がプラスの場合に、前記処方度数に関わらず前記第2の領域の設計上の径を一定にするユニットを含む、設計装置。
JP2011100847A 2011-04-28 2011-04-28 眼鏡用レンズ、眼鏡、眼鏡レンズの設計方法、及び設計装置 Pending JP2012233959A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011100847A JP2012233959A (ja) 2011-04-28 2011-04-28 眼鏡用レンズ、眼鏡、眼鏡レンズの設計方法、及び設計装置
US13/452,511 US8684523B2 (en) 2011-04-28 2012-04-20 Spectacle lens, spectacle lens design method, and design apparatus
EP12165674.8A EP2518553B1 (en) 2011-04-28 2012-04-26 Spectacle lens manufacturing method, and design apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011100847A JP2012233959A (ja) 2011-04-28 2011-04-28 眼鏡用レンズ、眼鏡、眼鏡レンズの設計方法、及び設計装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015197374A Division JP2016026324A (ja) 2015-10-05 2015-10-05 眼鏡用レンズ、眼鏡、眼鏡レンズの設計方法、及び設計装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012233959A true JP2012233959A (ja) 2012-11-29

Family

ID=45992124

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011100847A Pending JP2012233959A (ja) 2011-04-28 2011-04-28 眼鏡用レンズ、眼鏡、眼鏡レンズの設計方法、及び設計装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8684523B2 (ja)
EP (1) EP2518553B1 (ja)
JP (1) JP2012233959A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015186767A1 (ja) * 2014-06-04 2015-12-10 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 累進屈折力レンズ
WO2015186766A1 (ja) * 2014-06-04 2015-12-10 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 累進屈折力レンズ
KR20200135970A (ko) * 2018-03-30 2020-12-04 에씰로 앙터나시오날 단초점 안구 렌즈를 결정하기 위한 방법
WO2020262570A1 (en) 2019-06-25 2020-12-30 Hoya Lens Thailand Ltd. Spectacle lens and method for designing the same
WO2021152986A1 (ja) * 2020-01-27 2021-08-05 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 眼鏡レンズ、眼鏡レンズの設計方法、および眼鏡レンズの製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06230286A (ja) * 1993-02-04 1994-08-19 Canon Inc ズームレンズ
JPH08220489A (ja) * 1995-02-20 1996-08-30 Seiko Epson Corp 累進眼鏡レンズ
WO2010104182A1 (ja) * 2009-03-12 2010-09-16 Hoya株式会社 眼鏡レンズの形状データ作成方法、眼鏡レンズの形状データ作成装置及び眼鏡レンズ
JP2011501222A (ja) * 2007-10-23 2011-01-06 ビジョン シーアールシー リミテッド 眼用レンズ素子

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2630552B1 (fr) 1988-04-25 1990-08-17 Essilor Int Procede pour la minimisation de l'epaisseur maximale d'une lentille ophtalmique unifocale et lentille ophtalmique unifocale a gradient d'indice obtenue en application de ce procede
DE3901775A1 (de) 1988-06-22 1990-07-26 Rodenstock Optik G Brillenglas mit einem sich aendernden brechungsindex
US5608471A (en) * 1995-07-03 1997-03-04 Westcon Contact Lens Co., Inc. Soft, bifocal contact lens
JP4023902B2 (ja) * 1998-04-10 2007-12-19 株式会社メニコン トーリック・マルチフォーカルレンズ
JP4190764B2 (ja) 2002-01-18 2008-12-03 セイコーオプティカルプロダクツ株式会社 非球面眼鏡レンズ
DE102004010338B4 (de) 2004-03-03 2017-01-19 Rodenstock Gmbh Verfahren zum Herstellen eines Brillenglases
AU2006301940B2 (en) 2005-10-12 2012-03-29 Carl Zeiss Vision Australia Holdings Limited Ophthalmic lens element for myopia correction
FR2910645B1 (fr) 2006-12-22 2009-07-03 Essilor Int Procede de determination d'une lentille ophtalmique.
JP2008249828A (ja) 2007-03-29 2008-10-16 Nikon-Essilor Co Ltd 眼鏡レンズおよびその設計方法
EP2207118A1 (en) 2008-12-31 2010-07-14 Essilor International (Compagnie Générale D'Optique) Method for calculating a system, for example an optical system
US8002404B2 (en) 2009-05-22 2011-08-23 Polylite Taiwan Co., Ltd. Prescription lens and method of making same

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06230286A (ja) * 1993-02-04 1994-08-19 Canon Inc ズームレンズ
JPH08220489A (ja) * 1995-02-20 1996-08-30 Seiko Epson Corp 累進眼鏡レンズ
JP2011501222A (ja) * 2007-10-23 2011-01-06 ビジョン シーアールシー リミテッド 眼用レンズ素子
WO2010104182A1 (ja) * 2009-03-12 2010-09-16 Hoya株式会社 眼鏡レンズの形状データ作成方法、眼鏡レンズの形状データ作成装置及び眼鏡レンズ

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015186767A1 (ja) * 2014-06-04 2015-12-10 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 累進屈折力レンズ
WO2015186766A1 (ja) * 2014-06-04 2015-12-10 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 累進屈折力レンズ
JPWO2015186766A1 (ja) * 2014-06-04 2017-04-20 ホヤ レンズ タイランド リミテッドHOYA Lens Thailand Ltd 累進屈折力レンズ
JPWO2015186767A1 (ja) * 2014-06-04 2017-04-20 ホヤ レンズ タイランド リミテッドHOYA Lens Thailand Ltd 累進屈折力レンズ
US10288903B2 (en) 2014-06-04 2019-05-14 Hoya Lens Thailand Ltd. Progressive addition lens
US10642070B2 (en) 2014-06-04 2020-05-05 Hoya Lens Thailand Ltd. Progressive addition lens
JP7128904B2 (ja) 2018-03-30 2022-08-31 エシロール・アンテルナシオナル 単一視眼科レンズを決定する方法
JP2021519447A (ja) * 2018-03-30 2021-08-10 エシロール・アンテルナシオナル 単一視眼科レンズを決定する方法
KR20200135970A (ko) * 2018-03-30 2020-12-04 에씰로 앙터나시오날 단초점 안구 렌즈를 결정하기 위한 방법
KR102522847B1 (ko) 2018-03-30 2023-04-18 에씰로 앙터나시오날 단초점 안구 렌즈를 결정하기 위한 방법
US11892711B2 (en) 2018-03-30 2024-02-06 Essilor International Method for determining a single vision ophthalmic lens
WO2020262570A1 (en) 2019-06-25 2020-12-30 Hoya Lens Thailand Ltd. Spectacle lens and method for designing the same
WO2021152986A1 (ja) * 2020-01-27 2021-08-05 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 眼鏡レンズ、眼鏡レンズの設計方法、および眼鏡レンズの製造方法
JPWO2021152986A1 (ja) * 2020-01-27 2021-08-05
CN114830014A (zh) * 2020-01-27 2022-07-29 豪雅镜片泰国有限公司 眼镜镜片、眼镜镜片的设计方法、以及眼镜镜片的制造方法
JP7297945B2 (ja) 2020-01-27 2023-06-26 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 眼鏡レンズ、眼鏡レンズの設計方法、および眼鏡レンズの製造方法
CN114830014B (zh) * 2020-01-27 2024-05-10 豪雅镜片泰国有限公司 眼镜镜片、眼镜镜片的设计方法、以及眼镜镜片的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20120274893A1 (en) 2012-11-01
US8684523B2 (en) 2014-04-01
EP2518553B1 (en) 2015-11-25
EP2518553A1 (en) 2012-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3852116B2 (ja) 累進多焦点レンズ及び眼鏡レンズ
US8118425B2 (en) Glasses lens comprising a carrying edge
CN103748505B (zh) 平移式老花接触镜片对
EP2881779B1 (en) Method for designing lenses for spectacles, method for manufacturing lenses for spectacles, and program
TW201326960A (zh) 用於設計非圓形軟式隱形眼鏡的方法
US9581831B2 (en) Optical lens, method for designing optical lens, and apparatus for manufacturing optical lens
JP2019530904A (ja) 眼精疲労軽減レンズ
JP5897260B2 (ja) 累進屈折力レンズおよびその設計方法
JP2019530026A (ja) 低輻輳眼鏡
JP2016026324A (ja) 眼鏡用レンズ、眼鏡、眼鏡レンズの設計方法、及び設計装置
JP2012233959A (ja) 眼鏡用レンズ、眼鏡、眼鏡レンズの設計方法、及び設計装置
US7347546B2 (en) Individual single-vision spectacle lens
JP2019530905A (ja) 軸外曲率中心を備えたレンズ
WO2011030673A1 (ja) 累進屈折力レンズ
US20210318556A1 (en) Ophthalmic lens, design method for the same, manufacturing method for the same, and ophthalmic lens set
JP5789108B2 (ja) 累進屈折力レンズおよびその設計方法
JP4190764B2 (ja) 非球面眼鏡レンズ
JP2002372689A (ja) 累進多焦点レンズ及び眼鏡レンズ
KR20200135970A (ko) 단초점 안구 렌즈를 결정하기 위한 방법
JP2002323681A (ja) 累進多焦点レンズの製造方法
JP6095271B2 (ja) レンズセット、レンズ設計方法及びレンズ製造方法
WO2022118991A1 (ko) 개인 맞춤형 양면 비구면 렌즈와 그의 제조방법
US20230350226A1 (en) Ophthalmic lens for preventing myopia progression and eyeglasses using same
JP2010513985A5 (ja)
JP2023032406A (ja) 眼鏡型拡大鏡の補正用レンズの設計方法、製造方法、補正用レンズ及び補正用眼鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20130329

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141209

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150501

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151005

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20151013

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20151106

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170202

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170501

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171205