JP7297945B2 - 眼鏡レンズ、眼鏡レンズの設計方法、および眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents

眼鏡レンズ、眼鏡レンズの設計方法、および眼鏡レンズの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、眼鏡レンズ、眼鏡レンズの設計方法、および眼鏡レンズの製造方法に関する。
非特許文献1には、物体側の面と眼球側の面とが共に凹状であるレンズ(以降、凹レンズと称する。)が記載されている。この凹レンズにより近視が矯正される。
眼鏡<改訂版>メディカル葵出版(1991年5月7日第1版第1刷発行)112頁の図9(近視の矯正)
装用者が凹レンズを装用した時、装用者にとっての外界の見え方が重要なのは当然として、それ以外にも、第三者が装用者を見たときの見え方が重要であることを本発明者は知見した。具体的に言うと、所定の処方度数を備えた両面球面の凹レンズだと、装用者にとっての外界の見え方が良好であっても、第三者が装用者を見たとき、装用者の眼が凹レンズの正面視中心に向けて収束するように歪んで見えるなど、不自然な見え方が生じる場合がある。例えば、魚眼レンズを介して見える見え方とは反対の歪み方など、歪の発生が回避できない場合がある。
本発明の一実施例は、第三者が装用者を見たときに観察される、装用者の眼の歪みを低減することを目的とする。
本発明の第1の態様は、
第三者が眼鏡を装用した装用者を、前記眼鏡の眼鏡レンズを通して見たとき、前記眼鏡レンズのレンズ中心位置での前記装用者の眼の大きさに対する、前記レンズ中心位置から、0を超え且つ20mm以下の距離の範囲にある任意の位置での前記装用者の眼の大きさの拡大縮小率が、0.90~1.10である、眼鏡レンズである。
本発明の第2の態様は、
物体側の面と眼球側の面とが共に凹面であって、少なくとも一面が非球面であり、処方度数が-10D以下である、第1の態様に記載の眼鏡レンズである。
本発明の第3の態様は、
物体側の面と眼球側の面とが共に非球面である、第1または第2の態様に記載の眼鏡レンズである。
本発明の第4の態様は、
物体側の面と眼球側の面とが共に非球面であり、最大厚さが11mm以下である、第1~第3の態様のいずれか一つに記載の眼鏡レンズである。
本発明の第5の態様は、
前記眼鏡レンズの経線方向の屈折力と、円周方向の屈折力が、前記装用者の回旋角40度以下の領域において、基準度数±0.50D以下の範囲内にある、第1~第4の態様のいずれか一つに記載の眼鏡レンズである。
本発明の第6の態様は、
前記眼鏡レンズの経線方向の屈折力と、円周方向の屈折力の差異が、前記装用者の回旋角40度以下の領域において、1.00D以下である、第1~第5の態様のいずれか一つに記載の眼鏡レンズである。
本発明の第7の態様は、
眼鏡レンズの一方の面を凹面であって、かつ球面又は非球面とし、
他方の一面を非球面としたとき、
第三者から、前記眼鏡レンズを通して見る、前記眼鏡レンズの装用者の眼の歪が低減される、眼鏡レンズの設計方法である。
本発明の第8の態様は、
前記一方の面は物体側の面であり、前記他方の面は眼球側の面である、第7の態様に記載の眼鏡レンズの設計方法である。
本発明の第9の態様は、
第三者が眼鏡を装用した装用者を見たとき、前記眼鏡レンズにおけるレンズ中心位置に対して、前記レンズ中心から距離0を超え且つ20mm以下の範囲における任意の位置における、前記装用者の眼の大きさの拡大縮小率が、0.90~1.10であり、
物体側の面のベースカーブを増加させることによって、前記拡大縮小率を1に近づけることを含む、第7または第8の態様に記載の眼鏡レンズの設計方法である。
本発明の第10の態様は、
第7~第9のいずれか一つの態様に記載の、前記眼鏡レンズの設計方法を用いた、眼鏡レンズの製造方法である。
本発明の他の一態様は、以下のとおりである。
該拡大縮小倍率は0.90~1.10(小数点3桁目は四捨五入)であり、更に好ましくは0.93~1.07である。
また、レンズ中心からの距離0mmを超え且つ25mm以下の範囲に対応するいずれの箇所においても該拡大縮小倍率が0.80~1.20であるのが好ましく、更に好ましくは0.90~1.10である。
また、第三者が前記眼鏡を装用した装用者を、前記眼鏡の眼鏡レンズを通して見たとき、前記眼鏡レンズのレンズ中心位置に対して、前記レンズ中心から0mmを超え且つ30mm以下の距離範囲における任意の位置においても該拡大縮小倍率が0.60~1.40であるのが好ましく、更に好ましくは0.90~1.10であり、特に好ましくは0.95~1.05である。
凹レンズは、近視矯正のために使用される。そのため、処方度数は-10D以下が好ましく、好適には-15D以下、更に好適には-20D以下である。
また、処方度数は、-25D以上であることが好ましい。 このような範囲の処方度数の眼鏡レンズにおいて、本発明の効果が顕著である。
ここで「歪が低減される」とは、第三者が、眼鏡レンズを通して、該眼鏡を装用した装用者の眼をみたとき、観察される眼の大きさの拡大縮小率の絶対値が、同一の処方度数を備え、両面が球面の眼鏡レンズにおける場合よりも小さくなることによって、達成しえる。
また、ここで、「歪が低減される」とは、第三者が、眼鏡レンズを通して、該眼鏡を装用した装用者の眼をみたとき、観察される、眼の大きさの拡大縮小率が、1に近づくように、設計上の補正を行うことにより、なしえる。
本発明の一実施例によれば、第三者が装用者を見たときに観察される、装用者の眼の歪みを低減する。
図1は、本発明の一態様に係る眼鏡レンズを設計する際に経る段階の一例を示す図であり、左側の図は眼鏡レンズの幾何中心を通過し且つ上下(天地)方向の断面の概略図であり、右側の図は第三者が眼鏡レンズを物体側から見たときの像である。 図2は、図1での各段階の眼鏡レンズの経線方向の屈折力および円周方向の屈折力を示すプロットであり、縦軸はディオプター(D)、横軸は回旋角(度)を表す。 図3は、図1(a)~(f)に対応する、第三者が装用者を見たときに観察される装用者の眼の大きさの拡大縮小倍率を示すプロットであり、縦軸は該拡大縮小倍率、横軸はレンズ中心からの距離(mm)を表す。
以下、本発明の一態様について述べる。以下における説明は例示であって、本発明は例示された態様に限定されるものではない。
図1は、本発明の一態様に係る眼鏡レンズを設計する際に経る段階の一例を示す図であり、左側の図は眼鏡レンズの幾何中心を通過し且つ上下(天地)方向の断面の概略図であり、右側の図は第三者が眼鏡レンズを物体側から見たときの像である。
なお、図1の右側の図は、光線追跡を行うことにより得られるシミュレーション像である。
眼球モデルおよびその他の各種条件は以下のとおりである。
・眼軸長:24mm
・眼の調節量:0.00D
・角膜-レンズ頂点間距離(CVD):12.0mm
・角膜頂点から眼球の回転中心までの距離:13.0mm
[本発明の一態様に係る眼鏡レンズ]
本発明の一態様に係る眼鏡レンズの具体的な構成は以下の通りである。
「第三者が眼鏡を装用した装用者を、前記眼鏡の眼鏡レンズを通して見たとき、前記眼鏡レンズのレンズ中心位置での前記装用者の眼の大きさに対する、前記レンズ中心位置から、0を超え且つ20mm以下の距離の範囲にある任意の位置での前記装用者の眼の大きさの拡大縮小率が、0.90~1.10である、眼鏡レンズ。」
眼鏡レンズは、物体側の面と眼球側の面とを有する。「物体側の面」は、眼鏡レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に物体側に位置する表面であり、いわゆる外面である。「眼球側の面」は、その反対、すなわち眼鏡レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に眼球側に位置する表面であり、いわゆる内面である。
経線方向(メリジオナル(meridional)方向)とは、レンズ中心(幾何中心または光学中心)から放射状に延びる方向であり、円周方向(サジタル(sagittal)方向)は経線方向に垂直な方向である。
眼の回旋角およびそれに対応する眼鏡レンズ上の位置関係については例えば特許第2131365号明細書や特開2016-26324号公報等に記載されているため説明は省略する。
「眼の大きさの拡大縮小倍率」とは、眼鏡レンズにおけるレンズ中心位置に対して、該レンズ面上で、前記レンズ中心からの距離が0を超え且つ20mm以下の範囲にある、任意の位置において、前記装用者の眼の大きさの割合であって、装用者の正面から、第三者によって観察される倍率を指す。
観察する距離は、例えば、装用者の眼鏡レンズから、例えば、距離が20~60cmであることができ、より好ましくは、30~50cmである。
本発明の一態様においては、眼鏡レンズにおけるレンズ中心からの距離0mmを超え且つ20mm以下の範囲における任意の位置に、第三者によって観察される装用者の眼の大きさが、レンズ中心に対応する位置に観察される眼の大きさに対して、所定以下の拡大縮小率にある。
具体的な該拡大縮小倍率は0.90~1.10(小数点3桁目は四捨五入)であり、更に好ましくは0.93~1.07である(後掲の図3参照)。
また、レンズ中心から距離0mmを超え且つ25mm以下の範囲にある任意の位置においても該拡大縮小倍率が0.80~1.20であるのが好ましく、更に好ましくは0.90~1.10である。
また、レンズ中心から距離0mmを超え且つ30mm以下の範囲にある任意の位置においても該拡大縮小倍率が0.60~1.40であるのが好ましく、更に好ましくは0.90~1.10であり、特に好ましくは0.95~1.05である。
なお、装用者の眼の大きさの拡大縮小倍率は、後掲にて示す複数の四角形の大きさから求められる。例えば、レンズ中心からの距離0mmに対応する箇所すなわち中央の白色の四角形Aの大きさに対しレンズ中心から所定距離にある位置の黒色または白色の四角形Bの大きさがどれほど大きくなっているのか、あるいはどれほど小さくなっているのかを調べることにより、装用者の眼の大きさの拡大縮小倍率が得られる。
まとめると、本発明の一態様においては、第三者が装用者を見たときに、装用者の眼およびその周辺が歪んで観察される現象を低減できる。
[本発明の一態様に係る眼鏡レンズの詳細]
以下、本発明の一態様の更なる具体例、好適例および変形例について説明する。
本発明の一態様において、物体側の面と眼球側の面とが共に凹面であるのが好ましい。つまり、本発明の一態様は凹レンズであるのが好ましい。そのうえで、少なくとも一面が非球面であることが好ましく、また、処方度数が-10D以下であるのが好ましい。
また、両面ともに非球面であることが、より好ましい。
凹レンズは、近視矯正のために使用される。そのため、処方度数は-10D以下が好ましく、好適には-15D以下であり、-25D以上であることが好ましい。
なお、処方度数は、眼鏡レンズに付属するレンズ袋に記載されているのが通常である。そのため、眼鏡レンズから処方度数を特定することは容易に可能である。
処方度数が非常に低い凹レンズだと、第三者が装用者の眼を見たときに観察される像の歪みがよりひどくなる。外からの見え方を改善すべく、眼鏡レンズにおける少なくとも一面を非球面とするのが好ましい。それと共に、物体側の面のベースカーブも適宜調整するのが好ましい。これにより、図1の(a)→(b)→(c)→(d)の右図に示すように、第三者が装用者を見たときに観察される装用者の眼の歪みは減少する。
眼鏡レンズにおける両面を非球面とするのがより好ましい。凹レンズは、周縁部にて肉厚になる傾向がある。両面を非球面とすることにより、周縁部の肉厚を減少させられる。
例えば図1の(d)(物体側の面が球面、眼球側の面が非球面)の最大厚(周縁部のレンズ厚。以降、「コバ厚」と称する。)が11.58mmなのに対し、(e)(両面非球面)だとコバ厚は10.32mm、(f)(同じく両面非球面)だとコバ厚は10.74mmである。このことから、周縁部の肉厚としては、11mm以下が好ましい。
[本発明の一態様に係る眼鏡レンズの設計方法(製造方法)]
以下、本発明の一態様に係る眼鏡レンズの設計方法について図1を用いて説明する。図1では、屈折率1.739、レンズ中心厚1.0mm、半径65mmの眼鏡レンズを想定している。
本発明に適用する眼鏡レンズは、屈折率が1.65以上の材料からなることが好ましい。より好ましくは、1.70以上である。
まず、図1(a)に示すように、物体側の面が平坦(plateau)、眼球側の面が凹面である眼鏡レンズの設計データを用意する(図1(a)左図)。この場合、第三者からの眼鏡レンズ越しの物体の見え方は、魚眼レンズのような見え方となる(図1(a)右図)。
そして、図1(b)に示すように、物体側の面のベースカーブをマイナスに設定する(ここでは-7.00D)。つまり、物体側の面を球面且つ凹面とする。そして、レンズ中心厚1.0mmを維持しつつ眼球側の面を非球面且つ凹面とする。第三者が、図1(b)に示す眼鏡レンズを装用した装用者を見たとき、装用者の眼が凹レンズの正面視中心に向けて収束するように歪んで見える(図1(b)右図)。これは、いわば魚眼レンズを介して見える見え方とは反対の歪み方である。なお、図1(b)の眼鏡レンズのコバ厚は6.76mmである。
なお、図1(b)では眼球側の面を非球面としているが、仮に眼球側の面が球面のままの場合、歪の度合いは、図1(b)よりも強くなる。
図1(b)右図の歪み方の改善途上にあるのが図1(c)である。図1(c)では、物体側の面のベースカーブを増加させている(-7.00D→-4.00D)。その結果、図1(b)右図に比べ、図1(c)右図だといくらか歪みが改善されている。なお、図1(c)の眼鏡レンズのコバ厚は8.90mmである。
このように、眼球側の面を非球面としたうえで物体側の面のベースカーブを調整することにより、外から観察される装用者の眼の歪みを減少させていく。その一つの到達点が図1(d)である。
図1(d)では、物体側の面のベースカーブを更に増加させている(-4.00D→-1.00D)。図1(d)では、図1(c)と同様に物体側の面を球面且つ凹面、眼球側の面を非球面且つ凹面としている。但し、図1(c)の眼鏡レンズのコバ厚は11.58mmであり、幾ばくかコバ厚が大きい。
図1(e)は、図1(d)とは別の例であって、図1(c)の眼鏡レンズを改善させた例である。具体的には、図1(e)の眼鏡レンズの物体側の面では、図1(c)の眼鏡レンズの物体側の面と同じベースカーブ(-4.00D)としつつも非球面且つ凹面とする。そして、眼球側の面は図1(c)と同様に非球面且つ凹面とする。なお、図1(e)では、経線方向の屈折力が0Dとなるように設定している。図1(e)の眼鏡レンズのコバ厚は10.32mmであり、図1(d)に比べてコバ厚が小さく済む。
図1(f)も、図1(d)とは別の例であって、図1(c)の眼鏡レンズを改善させた例である。基本的には図1(e)と同様の例であるが、図1(f)では、経線方向の屈折力が1.00Dとなるように設定している。図1(f)の眼鏡レンズのコバ厚は10.74mmであり、図1(d)に比べてコバ厚が小さく済む。
上記の作業の内容をまとめると以下の通りである。
「一面を平坦(plateau)とし、もう一面を球面且つ凹面とした眼鏡レンズ設計に対し、平坦(plateau)な一面を凹面化且つ球面化または非球面化し、もう一面を非球面化し、第三者が装用者を見たときに観察される、装用者の眼の歪みを低減する、眼鏡レンズの設計方法。」
また、上記において、度数を維持したまま行う、眼鏡レンズの設計方法とすることができる。度数の一例としては、眼鏡レンズに設定された処方度数、他にはレンズ中心の屈折力、レンズの平均屈折力が挙げられる。
なお、この眼鏡レンズの設計方法にて得られた設計データに基づき、公知の手法で眼鏡レンズを製造すればよい。そのため、本発明の技術的思想は眼鏡レンズの製造方法にも適用可能である。
このようにして得られた眼鏡レンズの、装用者から見たときの光学性能についても説明する。
図2は、図1での各段階の眼鏡レンズの経線方向の屈折力および円周方向の屈折力を示すプロットであり、縦軸はディオプター(D)、横軸は回旋角(度)を表す。
ここでは、処方度数が-15Dの眼鏡レンズについて示す。すなわち、ここでの眼鏡レンズの基準度数を-15Dとする。
図2(a)は図1(a)に対応する、すなわち物体側の面が平坦(plateau)、眼球側の面が凹面である眼鏡レンズに対応するプロットである。このプロットが示すように、経線方向の屈折力と円周方向の屈折力とで差が大きい。この差が非点収差に直結するため、図1(a)の眼鏡レンズは、第三者が装用者を見たときに観察される装用者の眼の歪みが大きいのみならず、装用者にとっての外界の見え方も良好ではない。
なお、図2中において高回旋角の網掛の領域は、装用者が外界を視認できない領域である。なぜなら、図1に示す眼鏡レンズはいずれもマイナスレンズであり、マイナスレンズにおいて(特に凹レンズにおいて)高回旋角の領域である周辺領域では光の全反射が生じ、装用者が外界を視認できなくなる。第三者が装用者を見たときに観察される装用者の眼の歪みの改善が進むにつれ、装用者が外界を視認できる回旋角の範囲が、例えば40度未満の領域にまで狭くなる。図2(b)(c)だとその傾向が反映されている。
その代わり、図2(e)(f)に示すように、本発明の一態様の好適例(凹レンズ且つ両面非球面)ならば、経線方向の屈折力と円周方向の屈折力との差が小さくなる(例えば、差が0.50D以下)ため、第三者が装用者を見たときの装用者の眼の歪みを減少させつつも装用者が外界を視認する際の非点収差が減少する。
上記、両面非球面は、両面とも回転対称面とすることができる。
図2(d)だと、図2(a)に比べて、経線方向の屈折力と円周方向の屈折力との差が小さく、0~40度の回旋に際して、差異が1.00D以下であり、更には、0.75D程度以下である。すなわち非点収差は図2(a)より減少するが、図2(e)(f)の方が、非点収差が更に減少する。
また、図2(d)、(e)、(f)は、基準度数(-15D)に対して、経線方向、円周方向の屈折力の乖離が、0.50D以下である点でも好ましい。
図3は、図1(a)~(f)に対応する、第三者が装用者を見たときに観察される装用者の眼の大きさの拡大縮小倍率を示すプロットであり、縦軸は該拡大縮小倍率、横軸はレンズ中心からの距離(mm)を表す。縦軸の拡大縮小倍率はレンズ中心での倍率を1として規格化したものである。
以上に本発明の一態様を説明したが、上記開示内容は、本発明の例示的な一態様を示すものである。すなわち、本発明の技術的範囲は、上述の例示的な一態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、本発明の一態様では少なくとも眼球側の面を非球面としたが、少なくとも物体側の面を非球面としてもよい。物体側の面だとベースカーブという概念が適用しやすいため、主に眼球側の面を非球面とする場合を例示したに過ぎない。
[総括]
以下、本開示の「眼鏡レンズ」について総括する。
本開示の一実施例は以下の通りである。
「第三者が眼鏡を装用した装用者を、前記眼鏡の眼鏡レンズを通して見たとき、眼鏡レンズのレンズ中心位置に対して、レンズ中心から、0を超え且つ20mm以下の距離の範囲にある任意の位置において、装用者の眼の大きさの拡大縮小率が、0.90~1.10である、眼鏡レンズ。」
本発明にかかる眼鏡レンズは、タブレット端末やパーソナルコンピュータなどの端末を用い、遠隔環境で会合や会議を行う手段(ビデオ会議システム、テレビ会議システムなど)において、特に有用である。この場合、装用者と該装用者を撮像するレンズとの距離は、20~60cm、より好ましくは、30~50cmととすることが多く、本発明の効果が顕著に得られる。

Claims (10)

  1. 第三者が眼鏡を装用した装用者を、前記眼鏡の眼鏡レンズを通して見たとき、前記眼鏡レンズのレンズ中心位置での前記装用者の眼の大きさに対する、前記レンズ中心位置から、0を超え且つ20mm以下の距離の範囲にある任意の位置での前記装用者の眼の大きさの拡大縮小率が0.90~1.10であり、
    物体側の面と眼球側の面とが共に凹面であって、少なくとも眼球側の面が非球面であり、処方度数が-10D以下であり、屈折率が1.65以上である、眼鏡レンズ。
  2. 処方度数が-15D以下である、請求項1に記載の眼鏡レンズ。
  3. 物体側の面と眼球側の面とが共に非球面である、請求項1または2に記載の眼鏡レンズ。
  4. 物体側の面と眼球側の面とが共に非球面であり、最大厚さが11mm以下である、請求項1~3のいずれか一つに記載の眼鏡レンズ。
  5. 前記眼鏡レンズの経線方向の屈折力と、円周方向の屈折力が、前記装用者の回旋角40度以下の領域において、基準度数±0.50D以下の範囲内にある、請求項1~4のいずれか一つに記載の眼鏡レンズ。
  6. 前記眼鏡レンズの経線方向の屈折力と、円周方向の屈折力の差異が、前記装用者の回旋角40度以下の領域において、1.00D以下である、請求項1~5のいずれか一つに記載の眼鏡レンズ。
  7. 処方度数が-10D以下であり、屈折率が1.65以上である眼鏡レンズに対し、
    物体側の面のベースカーブを増加させ、かつ、物体側の面と眼球側の面とを共に凹面とし、かつ、少なくとも眼球側の面を非球面とすることによって、
    第三者が眼鏡を装用した装用者を見たとき、眼鏡レンズのレンズ中心位置での前記装用者の眼の大きさに対する、前記レンズ中心位置から、0を超え且つ20mm以下の距離の範囲にある任意の位置での前記装用者の眼の大きさの拡大縮小率を0.90~1.10とする、眼鏡レンズの設計方法。
  8. 前記眼鏡レンズの処方度数が-15D以下である、請求項7に記載の眼鏡レンズの設計方法。
  9. 物体側の面を平坦(plateau)とし、眼球側の面を球面且つ凹面とした眼鏡レンズ設計に対し、物体側の面を凹面化且つ球面化または非球面化し、眼球側の面を非球面化し、第三者が装用者を見たときに観察される、装用者の眼の歪みを低減することを含む、請求項7または8に記載の眼鏡レンズの設計方法。
  10. 請求項7~9のいずれか一つに記載の、前記眼鏡レンズの設計方法を用いた、眼鏡レンズの製造方法。
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