JPWO2015186640A1 - ブリスターパック用積層体、それを用いたブリスターパック、及びブリスターパック包装体 - Google Patents

ブリスターパック用積層体、それを用いたブリスターパック、及びブリスターパック包装体 Download PDF

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Abstract

吸収機能を持ち、かつポケットを一定の深さまで形成しても成形不良が発生しにくいブリスターパック用の積層体を提供する。本発明の積層体は、基材フィルム(3)及び吸収フィルム(4)を有するブリスターパック用の積層体であって、前記吸収フィルムが以下の層を有する:熱可塑性樹脂を含み、かつ無機吸収剤の含有量が10体積%未満である、前記基材フィルム側にあるスキン層(41);並びに熱可塑性樹脂及び無機吸収剤を含み、かつISO4287に準拠して測定した場合の前記スキン層と反対側の面の算術平均粗さRaが、0.700μm以上である、ヒートシール性の第1の吸収層(43)。

Description

本発明は、ブリスターパック用積層体、その積層体を用いたブリスターパック、及びブリスターパック包装体に関する。特に、本発明は、大きな薬剤等を包装するために深さのあるポケット部を形成しても成形不良を発生させないブリスターパック用積層体、それを用いたブリスターパック、及びブリスターパック包装体に関する。
粉状の薬剤は、薄手の紙袋又はフィルム製袋等に封入されるが、錠剤又はカプセル剤等の薬剤は、PTP(プレススルーパック)と呼ばれるブリスターパックに封入される。ブリスターパックに封入されている薬剤を指で押し込むことによって、シート状の蓋材を破り、そして薬剤を取り出すことができる。
薬剤は水分を吸収することで、薬効成分が変質することがある。そのため、従来は、ブリスターパックを封入する外装袋内にシリカゲル等の乾燥剤を封入していた。しかし、外装袋内に乾燥剤を投入する作業は手間がかかり、またこれを誤飲又は誤食される恐れもあった。また、外装袋の開封後は、ブリスターパック内を低湿度に保つことができず、薬剤の劣化が進行する問題もあった。さらに薬剤によっては、酸化分解しやすいもの、特有の臭気を発するもの等があるので、ブリスターパック内の酸素、臭気等のガスを吸収したいという要望もある。
それに対し、特許文献1は、ブリスターパックの内部に吸着剤を有する吸着層を形成することによって、薬剤の長期安定性を向上させる技術を開示している。ここではまず、バリア層を含む基材フィルムと吸着層を含む吸収フィルムとの積層体に、ドーム状のポケット部分を形成する。そして、そのポケット部分に錠剤である薬剤を入れて、これを蓋材で封止している。この技術によれば、外装袋に乾燥剤等を同梱しなくても、乾燥状態の維持、酸化の防止、及び臭気の効率的な除去が可能となると考えられる。
また、薬剤の中には、紫外線に弱いものもあり、包装容器が透明であると、薬効成分が劣化するおそれがある。これに対して、特許文献1ではさらに、ブリスターパックの裏側の蓋材だけではなく、表側のブリスターパック用積層体にもアルミニウム層を形成する技術、いわゆるアルミブリスター包装を開示している。この技術によれば、ブリスターパックにアルミニウム層を形成するので薬剤は視認できないが、紫外線を遮断し、バリア性をさらに高めることができる。
上記の2つの技術を単純に組み合わせた態様では、ブリスターパック用積層体にドーム状のポケットを成形する際に、ドームの天井部分が破れたり、裾の部分又は肩の部分に亀裂が発生したりする成形上の問題が発生するが、特許文献2はこれに対処するために、特定のポリマーを用いた補強層を、基材フィルムのアルミニウム層と吸収フィルムとの間に挿入している。
国際公開第2006/115264号 国際公開第2012/029323号
特許文献1は、主吸着層を挟む2つの副吸着層(スキン層)に乾燥剤を含む吸収フィルム、及びバリア層を含む基材フィルムを有する積層体を開示している。このような態様では、積層体全体の吸収剤の含有量を高くすることができるが、副吸着層の表面が粗くなるため、基材層と副吸着層との間の接着が悪化し、成形深さを大きくしていくと、基材層と副吸着層とが一部剥離する、いわゆるラミ浮きが発生しやすくなることが分かった。ラミ浮きが発生した部分では、成形時に基材層と吸着層とが追従せず、成形時の負荷がその周りに集中し、積層体に裂けが発生しやすい。
さらに、特許文献1や特許文献2に記載の従来の構成では、成形機のプラグ形状又はポケット部分の成形深さによっては、依然としてポケットの肩の部分が裂けたり、ピンホールが発生したりすることが分かった。
そこで、本発明は、大きな薬剤等の内容物を包装するためにポケットを一定の深さまで形成しても成形不良が発生しにくいブリスターパック用の積層体、それを用いたブリスターパック、及びブリスターパック包装体を提供することを目的とする。
本発明者らは、以下の手段により、上記課題を解決できることを見出した。
〈1〉 基材フィルム及び吸収フィルムを有するブリスターパック用の積層体であって、前記吸収フィルムが以下の層を有する、積層体:
熱可塑性樹脂を含み、かつ無機吸収剤の含有量が10体積%未満である、前記基材フィルム側にあるスキン層;並びに
熱可塑性樹脂及び無機吸収剤を含み、かつISO4287に準拠して測定した場合の前記スキン層と反対側の面の算術平均粗さRaが、0.700μm以上である、ヒートシール性の第1の吸収層。
〈2〉 前記第1の吸収層の前記スキン層と反対側の面の算術平均粗さRaが、1.300μm以下である、上記〈1〉に記載の積層体。
〈3〉 ISO8295に準拠して測定した場合の超高分子量ポリエチレンとの前記第1の吸収層の前記スキン層と反対側の面の動摩擦係数μDが、0.42以下である、上記〈1〉又は〈2〉に記載の積層体。
〈4〉 前記ヒートシール性の第1の吸収層が、28.8体積%超の無機吸収剤を含む、上記〈1〉〜〈3〉のいずれか一項に記載の積層体。
〈5〉 70体積%以下である無機吸収剤及び熱可塑性樹脂を含む第2の吸収層を、前記第1の吸収層と前記スキン層との間に含む、上記〈1〉〜〈4〉のいずれか一項に記載の積層体。
〈6〉 前記第1の吸収層及び第2の吸収層の無機吸収剤、並びに存在する場合には前記スキン層の無機吸収剤が、ゼオライト、アルミナ、酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、シリカゲル、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、五酸化二リン、過塩素酸マグネシウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、鉄粉、酸化第一鉄、第一鉄塩、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、酸素欠乏酸化セリウム、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜ニチオン酸塩及びこれらの混合物からなる群よりそれぞれ独立して選択される、上記〈4〉又は〈5〉に記載の積層体。
〈7〉 前記スキン層、第1の吸収層及び第2の吸収層の熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、及びこれらの混合物からなる群よりそれぞれ独立して選択される、上記〈4〉〜〈6〉のいずれか一項に記載の積層体。
〈8〉 前記基材フィルムが、以下を含む、上記〈1〉〜〈7〉のいずれか一項に記載の積層体:
熱可塑性樹脂を含む基材層、及び
前記スキン層側に位置し、かつ金属層を有するバリア層。
〈9〉 上記〈1〉〜〈8〉のいずれか一項に記載の積層体、並びに熱可塑性樹脂層及び金属層を有する蓋材を含み、前記積層体と前記蓋材とが少なくとも部分的に接着しており、かつ前記積層体にポケット部が形成されて前記積層体と前記蓋材との間に内容物が収納可能になっている、ブリスターパック。
〈10〉 上記〈9〉に記載のブリスターパックと、前記ポケット部に収納された内容物とを有するブリスターパック包装体。
本発明の積層体によれば、吸収機能を持ち、かつ深いポケット部を有するブリスターパックを、成形不良の発生を抑えながら与えることができる。
本発明の1つの実施態様に関するブリスターパック包装体の積層構造の概略を示す図である。 本発明の1つの実施態様に関するブリスターパック包装体の積層構造の詳細を示す図である。 厚さ10μmの第1の吸収層を有する積層体の吸収速度の比較を示す図である。 厚さ20μmの第1の吸収層を有する積層体の吸収速度の比較を示す図である。
〈ブリスターパック用積層体〉
本発明のブリスターパック用の積層体は、基材フィルム及び吸収フィルムを含み、吸収フィルムは、次の層を有する:熱可塑性樹脂を含み、かつ無機吸収剤の含有量が10体積%未満である、基材フィルム側にあるスキン層;並びに熱可塑性樹脂及び無機吸収剤を含み、かつISO4287に準拠して測定した場合の前記スキン層と反対側の面の算術平均粗さRaが、0.700μm以上である、ヒートシール性の第1の吸収層。好ましくは、本発明の積層体は、スキン層と第1の吸収層との間に熱可塑性樹脂及び無機吸収剤を含む第2の吸収層をさらに有する。
本発明の積層体の厚さは、積層体の強度、コシ、ブリスターパック包装体に形成した際のプッシュスルー性、バリア性等の観点から、例えば250μm以下、200μm以下、150μm以下、100μm以下、90μm以下、85μm以下、又は80μm以下とすることができ、また50μm以上、60μm、又は70μm以上とすることができる。
(吸収フィルム)
吸収フィルムは、無機吸収剤及び熱可塑性樹脂を含む第1の吸収層、無機吸収剤及び熱可塑性樹脂を含む第2の吸収層、並びに熱可塑性樹脂を含むスキン層を好ましくは含む。さらに好ましくは、第2の吸収層は、第1の吸収層よりも多くの無機吸収剤を含み、積層体に高い吸収性を付与する。そして、好ましくはヒートシール性の第1の吸収層を、多量の吸収剤の存在によってヒートシール性が損なわれた第2の吸収層に対して積層させることによって、積層体にヒートシール性を付与する。ただし、第2の吸収層の吸収剤の含有率を、第1の吸収層の含有率より低くすることもできる。
これらの層は、熱可塑性樹脂を含み、この樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が挙げられ、特に低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン触媒を用いて重合したポリエチレン、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、メタロセン触媒を用いて重合したポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−アクリル酸共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、カルボン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられ、さらに飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、及びこれらの混合物も挙げられる。
吸収フィルムは、無機吸収剤を含有するため、液体及び気体の少なくとも一方を吸収することができる。吸収対象としては、特に水分、有機及び無機のガス、例えば二酸化炭素、アンモニア、硫化水素、酸素、塩素、塩化水素等を挙げることができる。
第1の吸収層及び第2の吸収層に含まれる無機吸収剤としては、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、五酸化二リン、過塩素酸マグネシウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の化学吸着剤、及びアルミナ、酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、生石灰、シリカゲル、無機の分子篩等の物理吸着剤を挙げることができる。無機の分子篩の例としては、限定されないが、アルミノケイ酸塩鉱物、クレー、多孔質ガラス、微細孔性活性炭、ゼオライト、活性炭、又は水等の小分子を拡散させることが可能な開口構造をもつ化合物を挙げることができる。
また、無機吸収剤として、鉄粉(例えば、還元鉄粉、噴霧鉄粉、活性鉄粉等)、酸化第一鉄、第一鉄塩等の鉄系酸素吸収剤、ハロゲン化金属(例えば、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム等)、酸素欠乏酸化セリウム、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜ニチオン酸塩等の脱酸素剤を挙げることもできる。
これらの中でも特に、無機吸収剤としてゼオライトが好ましい。ゼオライトとしては、天然ゼオライト、人工ゼオライト、合成ゼオライトを使用することができる。ゼオライトは、分子の大きさの違いによって物質を分離するのに用いられる多孔質の粒状物質であり、均一な細孔をもつ構造であって、細孔の空洞に入る小さな分子を吸収して一種の篩の作用を有するため、水(水蒸気)、有機ガス等を吸収することができる。合成ゼオライトの一例としてはモレキュラーシーブがあり、この中でも特に細孔(吸収口)径が0.3nm〜1nmのモレキュラーシーブを使用することができる。通常、細孔径が0.3nm、0.4nm、0.5nm、1nmのモレキュラーシーブを、それぞれモレキュラーシーブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ5A、モレキュラーシーブ13Xと称する。
無機吸収剤の平均粒子径(レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径)は、特に限定されるものではないが、例えば体積基準メジアン径(d50)が100nm以上、500nm以上、1μm以上、又は5μm以上であってもよく、又は100μm以下、50μm以下、30μm以下、又は15μm以下のものであってもよい。本発明では、被吸収物質、内容物の性質、第1の吸収層の表面粗さ、目的の吸収速度等に合わせて、上記の無機吸収剤を適宜使い分けることができる。
第1の吸収層及びスキン層を含む吸収フィルムは、多層インフレーション法によって製造することができる。これは複数の押出機によって同時に複数の樹脂をチューブ状に押出して、この中に空気を送って膨らませて、多層フィルムを製造する方法である。このようにして、第1の吸収層とスキン層とを同時に成形して、吸収フィルムを得ることができる。第1の吸収層及びスキン層を、インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法、キャスティング法、プレス成形、押出成形又は射出成形することによりフィルム状又はシート状に形成し、それらをラミネートすることによって、吸収フィルムを得てもよい。
また、第1の吸収層、第2の吸収層及びスキン層を含む吸収フィルムも、多層インフレーション法によって製造することができる。第2の吸収層を、インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法、キャスティング法、プレス成形、押出成形又は射出成形することによりフィルム状又はシート状に形成し、スキン層及び第1の吸収層をそれぞれ公知の方法でフィルム化した後に、第2の吸収層を挟んでラミネートすることによって、この3層の吸収フィルムを製造することもできる。
第1の吸収層及び随意に第2の吸収層をインフレーション法によって製造する前には、好ましくは熱可塑性樹脂と無機吸収剤とを二軸混練機で加熱混練した後に、ペレット状に加工することで、これらの層用の樹脂組成物(ペレット)を作製する。さらに、上記ペレットと、熱可塑性樹脂のペレットとをドライブレンドすることで、無機吸収剤の含有率を希釈調整してもよい。そして、第1の吸収層及び随意に第2の吸収層用のペレットと、スキン層用の熱可塑性樹脂のペレットを用いて、インフレーション法により多層製膜を行うことで吸収フィルムを製造する。第2の吸収層をインフレーション法により製造した後、別途製造したスキン層及び第1の吸収層を熱圧着等によってラミネートして、吸収フィルムを得てもよい。
吸収フィルムをTダイ法によって製造する場合にも、事前に無機吸収剤と熱可塑性樹脂を含むペレットを作製してから、フィルムを成形することができる。この際に、第1の吸収層の一方の面にスキン層を共押出して吸収フィルムを得てもよく、第2の吸収層を含む場合には、必要に応じて第2の吸収層を共押出して、又は別途製造した第2の吸収層となるフィルムを熱圧着等によってラミネートして、吸収フィルムを得てもよい。
吸収フィルムの厚さは、例えば200μm以下、150μm以下、100μm以下、又は80μm以下であり、また30μm以上、40μm、又は50μm以上である。特に、100μm以下であれば、プッシュスルー性が良好なので、好ましい。
(吸収フィルム−第1の吸収層)
第1の吸収層に無機吸収剤を含有させることで、本発明の積層体の一方の表面に適切な表面粗さを与える。本発明においては、流れ方向(MD)及び幅方向(TD)の両方向で、ISO4287に準拠して測定した場合、スキン層と反対側の面の第1の吸収層の算術平均粗さRaが、0.700μm以上である。
本発明のブリスターパック用の積層体を用いて、ブリスターパックを作製する際には、積層体にブリスターパックのポケット部となるドーム状部分を形成する。その際のドーム状部分の成型方法としては、平板式空圧成形法、プラグアシスト圧空成形法、ドラム式真空成型法、プラグ成形法等が挙げられる。この中でも特に、粘度平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂の先端部が丸い円柱状の棒(プラグ材)を用いたプラグ成形法が、ポケットを形成するためには好ましい。しかし、この方法において深いポケットを形成しようとすると、ドーム状のポケット部の肩の部分又はすその部分に亀裂が発生することがある。
本発明者らは、プラグ材が接触する積層体の吸収フィルムの第1の吸収層の表面粗さが小さい場合には、ポケット部を成形する際に、ブリスターパック用積層体に高い確率で亀裂が発生することを見出した。すなわち、第1の吸収層の表面粗さが小さい場合、プラグ材と第1の吸収層との接触部分で摩擦が生じ、その接触部分のみが大きく引き伸ばされ、その箇所で積層体に大きな引っ張り応力が発生し、亀裂が発生すると考えられる。
そこで本発明者らは、吸収フィルムの第1の吸収層の表面粗さを大きくしてプラグ材が滑りやすくすることによって、プラグ材を第1の吸収層に押し込めた際に、押し込み面全体にできるだけ均一にひずみを与えるようにし、上記の本発明に至った。
一方で、第1の吸収層は蓋材と溶着される層であるため、ヒートシール性を有することが好ましく、製膜性観点から、高すぎる表面粗さは適切ではない場合がある。その観点から、本発明の第1の吸収層は、第1の吸収層のスキン層と反対側の面の算術平均粗さRaは、流れ方向(MD)及び幅方向(TD)の両方向で、例えば2.000μm以下、1.500μm以下、1.300μm以下、又は1.200μm以下とすることができる。
同様に、第1の吸収層のスキン層と反対側の面は、動摩擦係数が低いことが好ましい。本発明においては、ISO8295に準拠して測定した場合の超高分子量ポリエチレンとの、スキン層と反対側の面の第1の吸収層の動摩擦係数μDは、0.42以下である。
ここで、超高分子量ポリエチレンとは、JIS K7367−3:1999に基づいて測定した粘度平均分子量が100万以上のポリエチレンであり、特に分子量550万の超高分子量ポリエチレン樹脂(製品名:ニューライト(商標)NL−W、作新工業株式会社)である。これは、ブリスターパックのポケット部分を成形する際に用いるプラグ材に通常用いられる超高分子量ポリエチレンと同じとするためである。動摩擦係数が小さい場合には、ポケット部形成中にプラグ材と第1の吸収層との滑りが良くなり、プラグ材と第1の吸収層との接触部分の局所的なひずみが発生しにくくなる。
上記の表面粗さ及び随意に動摩擦係数を、第1の吸収層への無機吸収剤の添加だけではなく、第1の吸収層への他の物質の添加、表面処理、加工等によって得てもよい。
しかし、上記の表面粗さ及び/又は動摩擦係数は、第1の吸収層に適切な無機吸収剤が適切な量で含まれることによって与えられていることが好ましい。これにより、高い吸収能力と、ブリスターパックの成形不良の抑制とを両立させることができる。
具体的には、第1の吸収層は、製膜性およびヒートシール性を損なわない限り、無機吸収剤を多く含むことができ、例えば第1の吸収層中に、28.8体積%超、30体積%以上、33体積%以上、35体積%以上、38体積%以上、又は40体積%以上とすることができる。第1の吸収層は、高いヒートシール性を有するように、例えば70.0体積%未満、65体積%以下、60体積%以下、55体積%以下、又は50体積%以下の範囲で無機吸収剤を含んでもよい。
第1の吸収層に無機吸収剤を適切な量で添加すると、無機吸収剤が表面に存在することで表面粗さが高くなり、プラグ材との接触面積が小さくなると考えられる。接触面積が小さくなると、第1の吸収層とプラグ材との間での局所的な滑りが起こりやすくなって、押し込み面全体に均一にひずみを与えることができると考えられる。
さらに、第1の吸収層にプラグ材を押し込んでいくと、第1の吸収層の熱可塑性樹脂の柔軟性に由来するクッション効果が働くと推測されるが、第1の吸収層に無機吸収剤が適切な量で含有されていると、第1の吸収層の熱可塑性樹脂によるクッションの効果だけではなく、応力を分散する無機吸収剤の粒子由来のクッション性が現れると考えられる。すなわち、第1の吸収層表面の無機吸収剤による凸部が、プラグ材から力を受けた場合に、熱可塑性樹脂に無機吸収剤粒子が沈み込むことで応力を吸収し、これが徐々に分散していくという現象が考えられる。
なお、層中に含まれる無機吸収剤の体積%を計算する場合に、無機吸収剤の比重が不明確な場合には、その層の比重を測定によって求め、その測定値と、無機吸収剤及び熱可塑性樹脂の添加重量と、熱可塑性樹脂の比重から無機吸収剤の体積%を求めてもよい。例えば、無機吸収剤50gと、比重0.9g/cmの熱可塑性樹脂50gとを用いて成形した層の比重が1.1g/cmであった場合には、その層に含まれている無機吸収剤は、比重が1.41g/cmと計算することができ、その層中で38.9体積%存在しているといえる。
第1の吸収層の厚さは、例えば30μm以下、20μm以下、又は15μm以下であり、また5μm以上、8μm、又は10μm以上である。
(吸収フィルム−第2の吸収層)
第2の吸収層は、第1の吸収層の無機吸収剤の含有率以下とすることもできるが、第1の吸収層の無機吸収剤の含有率以上とすることが好ましい。被吸収物質の吸収量及びフィルム化安定性の観点から、無機吸収剤は、例えば第2の吸収層中に5体積%以上、10体積%以上、又は20体積%以上とすることができ、また70体積%以下、60体積%以下、又は50体積%以下の範囲とすることができる。
第2の吸収層の厚さは、例えば10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であり、180μm以下、150μm以下、100μm以下、又は80μm以下、又は50μm以下である。特に、80μm以下であれば、プッシュスルー性が良好であるため、好ましい。
(吸収フィルム−スキン層)
スキン層には、スキン層が隣接する層、例えば基材フィルムの基材層、バリア層、補強層等との貼り合わせの観点から、好ましくは無機吸収剤を含まない。スキン層が無機吸収剤を多く含むと、スキン層の表面が粗くなり、隣接する層とスキン層とが剥離する、いわゆるラミ浮きが発生しやすくなるため、スキン層が無機吸収剤を含む場合であっても、その層中で10体積%、7体積%、5体積%、3体積%、又は1体積%以下となることが好ましい。10体積%以下であれば、スキン層の表面があまり粗くなることがないため、隣接する層との間にラミ浮きが発生することはほとんどなく、7体積%以下の場合には特にその効果が高い。
スキン層の厚さは、例えば30μm以下、20μm以下、又は15μm以下であり、また5μm以上、8μm以上、又は10μm以上である。
(基材フィルム)
基材フィルムは、吸収フィルムを外部環境と隔離し、積層体全体に適切なコシ、強度等を与える。基材フィルムは、基材層の他、金属層を有するバリア層を含んでもよく、さらに補強層を含んでもよい。
基材層は、熱可塑性樹脂を含み、その熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、飽和又は不飽和ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標)、ナイロン6、ナイロンMXD6)、ポリアクリロニトリル(PAN)を挙げることができ、これらのフィルムを単層又は複数層組合せて基材層として用いることができる。
バリア層は、金属層を有し、特に純アルミニウム(Al)箔、アルミニウム合金箔を含む層であってもよい。その他、バリア層として、金属、半金属若しくはそれらの酸化物の蒸着層又はハロゲン化ポリマー層を少なくとも有する熱可塑性樹脂フィルムを、単独で又は上記のフィルムと組み合わせて用いることもできる。具体的には、金属、半金属又はそれらの酸化物の蒸着層としては、アルミニウム蒸着膜、シリカ蒸着膜、アルミナ蒸着膜、シリカ・アルミナ二元蒸着膜等を挙げることができ、ハロゲン化ポリマー層としては、ポリ塩化ビニリデンコーティング膜、ポリフッ化ビニリデンコーティング膜等を挙げることができる。これらを堆積させる樹脂フィルムとして、ポリオレフィン系樹脂(特に、延伸又は無延伸ポリプロピレン)、ポリ塩化ビニル、飽和ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標)、ナイロン6、ナイロンMXD6)を挙げることができる。
基材層として用いることができるフィルムを、補強層として用いることもできる。特に、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、及びポリ塩化ビニルが好ましい。
例えば基材フィルムは、基材層であるPETフィルムとバリア層であるAl箔との積層フィルムとすることができ、この場合PETフィルムを基材層として最外層とし、Al箔をバリア層として吸収フィルム側に位置させる。さらに基材フィルムは、基材層であるPETフィルムを最外層とし、バリア層であるAl箔をPETフィルムの吸収フィルム側に位置させ、さらにAl箔と吸収フィルムとの間に、補強層となるポリアミドフィルムを有してもよい。
基材フィルムが積層フィルムである場合、そのラミネートの方法としては、ドライラミネート、押出ラミネートなど、公知のラミネート方法を用いることができる。
基材フィルムと吸収フィルムとのラミネートの方法もそれと同様であり、ドライラミネート、押出ラミネートなど、公知のラミネート方法を用いることができる。
基材フィルムの厚さは、バリア性を維持し、かつ本発明の積層体全体に強度等を与える観点から、例えば150μm以下、又は100μm以下とすることができ、また20μm以上、30μm、又は50μm以上とすることができる。
例えば、基材フィルムを、基材層(例えば、延伸樹脂フィルム)とバリア層と補強層とから構成する場合、基材層の厚さは、例えば8μm以上、10μm以上、又は12μm以上とすることができ、50μm以下、又は25μm以下とすることができる。そしてバリア層の厚さは、例えば7μm以上、10μm以上、又は12μm以上とすることができ、50μm以下、45μm以下、又は30μm以下とすることができる。補強層の厚さは、例えば8μm以上、10μm以上、又は12μm以上とすることができ、80μm以下、60μm以下、50μm以下、又は25μ以下とすることができる。
本発明のブリスターパック用積層体は、任意の2つの層の間に、印刷層や、2層間の接着を高めるためのアンカーコート層、プライマー層を有してもよい。
〈ブリスターパック、及びブリスターパック包装体〉
本発明のブリスターパックは、上記のブリスターパック用積層体、及び蓋材を有する。ブリスターパック用積層体の第1の吸収層と蓋材は、少なくとも部分的に接着する。ブリスターパック用積層体に、錠剤等の内容物を収納するためのポケット部の成形をした後に薬剤をポケット部に収容し、蓋材を接着させて、ブリスターパックのポケット部に内容物を収納したブリスターパック包装体を作製することができる。
本発明のブリスターパックの内容物としては、外気との接触によって劣化しうる物であれば限定されるものではなく、薬剤の他、食品、化粧品、医療機器、電子部品等を挙げることができる。また、薬剤としては、医薬品製剤の他、洗浄剤、農薬等を含む。
(蓋材)
蓋材は、例えば熱可塑性樹脂層と金属層とを含む。その樹脂層としては、第1の吸収層に使用できる熱可塑性樹脂を用いることができる。また、金属層としては、純アルミニウム箔、アルミニウム合金箔等のアルミニウム箔を用いることができる。好ましくは、蓋材は、アルミニウム箔に熱可塑性樹脂層がコーティングされた形態であり、蓋材の熱可塑性樹脂層と、ブリスターパック用積層体の接着する層(第1の吸収層)とは、接着性を高める観点から、同じ樹脂を含むことができる。また、アルミニウム箔にポリオレフィン系ポリマーアロイ等のイージーピール性樹脂がコーティング、またはイージーピールフィルムが積層された形態とすることもできる。この場合、ブリスターパックと蓋材との接着界面で剥離させることで、内容物を取り出すことができる。
図1は、ブリスターパック1の概略図である。ここでは、順に基材フィルム3、及び吸収フィルム4が積層してなるブリスターパック用積層体2に、蓋材5が接着されており、積層体2に形成されたドーム状のポケット部に、内容物100が内包されている。図示していないが、ドライラミネート又は押出ラミネートによって積層させた場合、基材フィルムと吸収フィルムとの間には、接着剤層又は押出樹脂層が存在する。
図2は、本発明のブリスターパック1の層構造の概略図である。この図においては、ブリスターパック1のポケット部が形成されていない端部を示しており、順に、基材フィルム3の基材層31、バリア層32及び補強層33、並びに吸収フィルム4が積層されてなるブリスターパック用積層体2に、蓋材5が接着されている。吸収フィルム4は、スキン層41、第2の吸収層42、及び第1の吸収層43から構成され、また蓋材は熱可塑性樹脂層51及び金属層52から構成される。
≪ブリスターパックの作製≫
〈比較例1〜6及び実施例7〜10の積層体の作製〉
表1に記載の比較例1〜6及び実施例7〜10の積層体を次のとおり作製した。
まず、無機吸収剤のゼオライト(ユニオン昭和株式会社、ゼオライト3A)と、熱可塑性樹脂のEMAA(三井・デュポンポリケミカル株式会社、ニュクレルAN42115C)のペレットとを、二軸押出機(株式会社池貝製、PCM70)を使用して、混練・ペレット化することで、第2の吸収層用のゼオライト含有率53重量%(45.6体積%)のペレットを得た。
上記のペレットに、熱可塑性樹脂であるLLDPE(株式会社プライムポリマー製、エボリューSP2520)のペレットを添加し、ドライブレンドによって混合することで、ゼオライト含有率を低くした、比較例1〜6及び実施例7〜8の第1の吸収層用の各種のペレットを得た。なお、実施例9及び10においては、第1の吸収層を作製するのに、第2の吸収層用のペレットと同じペレットを用いた。
スキン層用の樹脂として、LLDPE(株式会社プライムポリマー製、エボリューSP2520)のペレットを用意し、上記の第1の吸収層用ペレット及び第2の吸収層用ペレットを用いて、170℃での多層インフレーション法によって、インフレーション成形機を用いて(株式会社プラコー製、TUL−600R)、比較例1〜6及び実施例7〜10で用いる吸収フィルムを得た。ここでは、全ての例で、スキン層の厚さを10μmとした。
これらの吸収フィルムに、25μmのナイロン(Ny)フィルム、40μmのアルミニウム(Al)箔、及び60μmのポリ塩化ビニル(PVC)フィルムを接着剤で貼り合わせた基材層、バリア層及び補強層を含む基材フィルム(株式会社UACJ製箔製、製品名:AL/ALヨウキ)を、ドライラミネーター(株式会社テクノスマート製、INVEXパイロットコーター)を用いて積層した。ここで、接着剤として、主剤(三井化学株式会社、タケラック(商標)A1143)、硬化剤(三井化学株式会社、タケネート(商標)A3)、及び酢酸エチルを、それぞれ9:1:14.7の重量比で含むウレタン系接着剤を用いた。なお、接着剤の塗工量は5g/mで行った。積層後、接着剤を硬化させるため、40℃の環境下で3日間保存してエージングを行った。
このようにして、Nyフィルム//Al箔//PVCフィルム//スキン層/第2の吸収層/第1の吸収層という層構成の積層体を得た(なお、「//」は接着剤を用いてのドライラミネートを意味している)。
〈比較例11の積層体の作製〉
吸収フィルムの代わりに50μmのLLDPE(株式会社プライムポリマー製、エボリューSP2520)のフィルムを用いたことを除いて、比較例1と同様にして、比較例11の積層体を得た。
〈比較例12の積層体の作製〉
比較例12の積層体として、比較例1で用いた基材フィルムを単独で用いた。
≪評価方法≫
〈ポケット部分の成形性〉
このようにして得た積層体に、室温で深さ5.00〜5.50mmの内容物のポケット部を成形した。成形機は、日本オートマチックマシン株式会社のハイスピード油圧プレス(HYP505H)を用いた。プラグ材質は、粘度平均分子量550万の超高分子量ポリエチレン樹脂(製品名:ニューライト(商標)NL−W、作新工業株式会社)であり、プラグ径は13mm、成形速度は200mm/sとした。
ここで試験は、各例の各深さについて10回ずつ行い、成形したポケット部に割れやキズ、凹み等の成形不良が何回発生するかを目視で判断した。10回全てで成形不良が発生せず成形可能であった場合を◎とし、8〜9回で成形可能であった場合を○とし、5〜7回で成形可能であった場合を△とし、4回以下でのみ成形可能であった場合を×とした。試験結果を表1に示す。
〈表面粗さ〉
比較例1〜6及び実施例7〜10の積層体の第1の吸収層、比較例11の積層体のLLDPEフィルム、及び比較例12の積層体のPVCフィルムの表面粗さ(算術平均粗さRa)を、ISO4287に準拠して、表面粗さ測定機(株式会社小坂研究所製、ET4000AK)を用いて、フィルムのMD方向及びTD方向の両方向で測定した。ここでは、R2μmの針先端、頂角60°、ダイヤモンドの触針を用いた。試験結果を表1に示す。
〈すべり性〉
比較例1〜6及び実施例7〜10の積層体の第1の吸収層、比較例11の積層体のLLDPEフィルム、及び比較例12の積層体のPVCフィルムのすべり性を評価するために、それらの動摩擦係数μDを、ISO8295に準拠して、摩擦測定機(株式会社東洋精機製作所、TR−2)を用いて測定した。測定速度は、100mm/min、滑り片は、200g(40cm)、対サンプルは成形プラグと同じ材質の超高分子量PEフィルム(粘度平均分子量550万、製品名:ニューライトフィルム#50W、使用樹脂:ニューライト(商標)NL−W 作新工業株式会社、算術平均粗さRa:MD方向0.067μm、TD方向0.073μm)を用いた。同様にして測定した静摩擦係数μSの値と共に、試験結果を表1に示す。
〈吸収性〉
比較例1〜6及び実施例7〜10の積層体による吸収能力の確認のために、次のように吸収速度及び飽和吸収量を評価した。まず、10cm角サンプルを準備し、重量を測定する。そして温度23℃、相対湿度50%の環境下に、それらのサンプルを静置し、静置して1、3、5、7時間後の重量を測定した。さらに数日間静置することで、重量変化がなくなった時点の重量から飽和吸収量を決定した。表1に各例の飽和吸収量、及び静置して1、3、5、7時間後の吸収量の飽和吸収量に対する割合(吸収率)を示す。また、第1の吸収層の厚みに応じた吸収率の時間経過を、図3(第1の吸収層:10μm)及び図4(第1の吸収層:20μm)に示す。
≪結果≫
結果を以下の表1に示す。
Figure 2015186640
比較例1〜6の積層体を参照すると、5.50mmの深いポケット部を形成する場合に成形不良が多く発生することが分かる。また、これは第1の吸収層に吸収剤が入っていない比較例1及び比較例2よりも、吸収剤が入っている比較例3〜6の方が、成形不良が発生しやすい傾向となっている。
しかし、驚くべき事に、第1の吸収層に吸収剤をさらに多く含む、本発明に関する実施例7〜10の積層体では、成形不良が発生しにくいことが分かった。これは、これらの積層体の第1の吸収層が、高い表面粗さを有していること、及びすべり性が比較的良好であること(摩擦係数が低いこと)に起因しているものと考えられる。
比較例3〜6で深いポケット部を形成する場合に成形不良が多く発生する原因としては、これらが比較例1及び比較例2に比較して高い表面粗さと良好なすべり性を有していたとしてもそれらは十分ではなく、逆に比較例3〜6の積層体では第1の吸収層に無機吸収剤を含むことで樹脂の柔軟性が低下し、樹脂によるクッション効果が低下したものと考えられる。したがって、本発明に関する実施例7〜10の積層体でも、樹脂によるクッション効果は低下しているものと考えられるが、これらの積層体の第1の吸収層では高い表面粗さと良好なすべり性を有していることで、樹脂によるクッション効果の低下が顕在化しなくなったものと考えられる。さらに、本発明に関する実施例7〜10の積層体では、第1の吸収層に無機吸収剤を適切な量で含有していることで、プラグ材から力を受けた場合に、無機吸収剤粒子と樹脂が協働して応力を吸収・分散する、無機吸収剤と樹脂のクッション効果が、樹脂によるクッション効果の低下を上回るほど顕著に現れるようになったと考えられる。
実施例7〜10の積層体は、吸収速度についても、比較例1〜6の積層体に比べて顕著に向上しており、深いポケット部分を作成する必要があり、かつ雰囲気中に強く影響を受ける内容物を収納するためのブリスターパックを成形する際には極めて有効であることが分かる。
図3及び図4は、それぞれ厚さが10μm及び20μmの第1の吸収層を有する積層体の吸収速度の比較を示している。この図からも分かるように、本発明の積層体では、比較例の積層体と比較して、吸収速度及び吸収量が向上している。
1 ブリスターパック包装体
2 ブリスターパック用積層体
3 基材フィルム
31 基材層
32 バリア層
33 補強層
4 吸収フィルム
41 スキン層
42 第2の吸収層
43 第1の吸収層
5 蓋材
51 熱可塑性樹脂層
52 金属層
100 内容物

Claims (10)

  1. 基材フィルム及び吸収フィルムを有するブリスターパック用の積層体であって、前記吸収フィルムが以下の層を有する、積層体:
    熱可塑性樹脂を含み、かつ無機吸収剤の含有量が10体積%未満である、前記基材フィルム側にあるスキン層;並びに
    熱可塑性樹脂及び無機吸収剤を含み、かつISO4287に準拠して測定した場合の前記スキン層と反対側の面の算術平均粗さRaが、0.700μm以上である、ヒートシール性の第1の吸収層。
  2. 前記第1の吸収層の前記スキン層と反対側の面の算術平均粗さRaが、1.300μm以下である、請求項1に記載の積層体。
  3. ISO8295に準拠して測定した場合の超高分子量ポリエチレンとの前記第1の吸収層の前記スキン層と反対側の面の動摩擦係数μDが、0.42以下である、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記ヒートシール性の第1の吸収層が、28.8体積%超の無機吸収剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 70体積%以下である無機吸収剤及び熱可塑性樹脂を含む第2の吸収層を、前記第1の吸収層と前記スキン層との間に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記第1の吸収層及び第2の吸収層の無機吸収剤、並びに存在する場合には前記スキン層の無機吸収剤が、ゼオライト、アルミナ、酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、シリカゲル、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、五酸化二リン、過塩素酸マグネシウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、鉄粉、酸化第一鉄、第一鉄塩、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、酸素欠乏酸化セリウム、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜ニチオン酸塩及びこれらの混合物からなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項4又は5に記載の積層体。
  7. 前記スキン層、第1の吸収層及び第2の吸収層の熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、及びこれらの混合物からなる群よりそれぞれ独立して選択される、請求項4〜6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 前記基材フィルムが、以下を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体:
    熱可塑性樹脂を含む基材層、及び
    前記スキン層側に位置し、かつ金属層を有するバリア層。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体、並びに熱可塑性樹脂層及び金属層を有する蓋材を含み、前記積層体と前記蓋材とが少なくとも部分的に接着しており、かつ前記積層体にポケット部が形成されて前記積層体と前記蓋材との間に内容物が収納可能になっている、ブリスターパック。
  10. 請求項9に記載のブリスターパックと、前記ポケット部に収納された内容物とを有するブリスターパック包装体。
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