JPWO2015166860A1 - オキシラン化合物及びそれを用いた含窒素複素環式化合物を製造する方法 - Google Patents

オキシラン化合物及びそれを用いた含窒素複素環式化合物を製造する方法 Download PDF

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Abstract

含窒素複素環式化合物の製造において、安全性を高め、環境負荷を小さくする。
式(1)で示されるオキシラン化合物。
Figure 2015166860

Figure 2015166860

[式(1)中のRは、置換基を有していてもよいアリール基である。
式(1)中のR〜Rのうち少なくとも一つは式(2)で表される置換基である。
式(1)中のR〜Rのうち式(2)で表される置換基以外は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アリール基、エステル基、アミド基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる。
式(2)中のRは、置換基を有していてもよいアリール基である。]

Description

本発明は、新規のオキシラン化合物及びそれを用いた含窒素複素環式化合物を製造する方法に関する。
ピラゾール化合物及びピラゾリン化合物等の含窒素複素環式化合物は、特異な分子構造を有することで優れた性能を示すため、各種医農薬材料及びそれらの製造中間体、分析用試薬、染料、顔料、光学材料並びに電子材料として有用である。
そのため、数多くの含窒素複素環式化合物が知られている。特に構造式中に含窒素複素環式骨格を複数有する化合物は、分子内に配位性の窒素原子を複数有するため、遷移金属等の様々な金属と錯体を容易に形成するという優れた性能を示す。
例えば、非特許文献1は、分子内に含窒素複素環式骨格であるピラゾール骨格を2つ有する化合物を製造する方法を開示している。このような特異な分子構造を有する化合物は、金属と錯体を容易に形成することにより、分析用試薬に利用できる。
含窒素複素環式化合物であるピラゾール化合物の製造方法は、α,β−ジハロゲノカルボニル化合物とヒドラジンを反応させる方法が知られている。例えば、非特許文献1には、下記反応式のように、構造式中にα,β−ジブロモケトン骨格を有する中間体[1]とヒドラジンとを反応させることで、ピラゾール化合物[2]を製造する方法が開示されている。
Figure 2015166860
ピラゾール化合物[2]の他の製造方法は、1,3−ジケトン化合物とヒドラジンとを反応させる方法が知られている。例えば、非特許文献2及び3には、下記反応式のように、ナトリウムアミドの存在下、ケトン化合物[3]とジエステル化合物[4]とを反応させ1,3−ジケトン化合物[5]を生成した後、この1,3−ジケトン化合物[5]とヒドラジンとを反応させ、ピラゾール化合物[2]を製造する方法が開示されている。
Figure 2015166860
Figure 2015166860
Eur.J.Org.Chem.,2003,747−755 J.Am.Chem.Soc.,1958,80,4891−4895 Syn.Comm.,2006,36(6),707−714
しかしながら、ピラゾール化合物[2]の製造方法において、非特許文献1に開示されている方法は、ピラゾール化合物[2]に対して4倍モルの臭化水素が発生するため、環境負荷が大きいという問題がある。また、製造工程において、撹拌によりスラリー液を分散させる反応時に、反応溶媒に難溶であるα、β-ジブロモケトン化合物[1]の分子量が目的物であるピラゾール化合物[2]に対して大きいことは、反応に適した分散状態を保つために、分子量が小さければ削減可能である筈の不必要に多くの有機溶媒を用いることにつながる。そのため、この製造方法は環境負荷が大きく、生産性が低いという問題がある。
また、非特許文献2及び3に開示されている製造方法は、1,3−ジケトン化合物[5]の製造工程に禁水性で自然発火性であるナトリウムアミドを使用しており、工業的な製法として安全上の問題がある。また、このピラゾール化合物[2]の製造方法は、収率が低いという問題がある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、新規のオキシラン化合物(1)を見出し、これを反応前駆体として用いることで、環境負荷が小さく安全な含窒素複素環式化合物の製造方法を確立し、本発明を完成させた。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものである。
本発明の課題は、含窒素複素環式化合物の製造において、安全性を高め、環境負荷を小さくすることである。
前記課題を達成するための具体的手段は、以下のとおりである。
[1]下記式(1)で示されるオキシラン化合物である。
Figure 2015166860
Figure 2015166860
式(1)中のRは、置換基を有していてもよいアリール基である。
式(1)中のR〜Rのうち少なくとも一つは式(2)で表される置換基である。
式(1)中のR〜Rのうち式(2)で表される置換基以外は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アリール基、エステル基、アミド基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる。
式(2)中のRは、置換基を有していてもよいアリール基である。
[2]式(1)中のR及びRの少なくともいずれか一つが、前記式(2)で表される置換基である、[1]に記載のオキシラン化合物である。
[3]前記R及びRがいずれもフェニル基である、[1]又は[2]に記載のオキシラン化合物である。
[4]前記R〜Rのうち式(2)で表される置換基以外がいずれも水素原子である[1]〜[3]のいずれか一つに記載のオキシラン化合物である。
[5]前記オキシラン化合物が1,3−ビス(3−オキソ−3−フェニルオキシラニル)ベンゼンである[1]〜[4]のいずれか一つに記載のオキシラン化合物である。
[6][1]〜[5]のいずれか一つに記載のオキシラン化合物を用いて、式(3)、式(5)及び式(7)からなる群より選ばれるいずれか一つで示される含窒素複素環式化合物を製造する方法。
Figure 2015166860
Figure 2015166860
Figure 2015166860
Figure 2015166860
Figure 2015166860
Figure 2015166860
[式(3)、式(5)及び式(7)中のRは、置換基を有していてもよいアリール基である。
式(3)中のR〜Rのうち少なくとも一つは、式(4)又は式(6)で表される置換基である。
式(5)中のR〜Rのうち少なくとも一つは、式(4)又は式(6)で表される置換基である。
式(7)中のR〜Rのうち少なくとも一つは、式(8)で表される置換基である。
式(3)中のR〜Rのうち式(4)又は式(6)で表される置換基以外、式(5)中のR〜Rのうち式(4)又は式(6)で表される置換基以外及び式(7)中のR〜Rのうち式(8)で表される置換基以外は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アリール基、エステル基、アミド基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる。
式(3)及び式(5)中のZは、酸素原子及びNR10で表される置換基の少なくともいずれか一つである。前記R10は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基及びアシル基からなる群より選ばれる少なくとも一つである。
式(4)、式(6)及び式(8)中のRは、置換基を有していてもよいアリール基である。
式(4)及び式(6)中のZは、酸素原子及びNR11で表される置換基の少なくともいずれか一つである。前記R11は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基及びアシル基からなる群より選ばれる少なくとも一つである。
式(7)中のR及び式(8)中のRは、水素原子及び炭素数1〜3のアルキル基の少なくともいずれか一つである。]
[7]式(3)中のR及びRの少なくともいずれか一つが、式(4)で表される置換基である、[6]に記載の含窒素複素環式化合物を製造する方法である。
[8]式(5)中のR及びRの少なくともいずれか一つが、式(6)で表される置換基である、[6]に記載の含窒素複素環式化合物を製造する方法である。
[9]式(7)中のR及びRの少なくともいずれか一つが、式(8)で表される置換基である、[6]に記載の含窒素複素環式化合物を製造する方法である。
[10]前記含窒素複素環式化合物が、1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(5−フェニル−3−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−メチル−3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−エチル−3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−プロピル−3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソプロピル−3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−メチル−5−フェニル−3−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−エチル−5−フェニル−3−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−プロピル−5−フェニル−3−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソプロピル−5−フェニル−3−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(3−フェニル−5−イソオキサゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(5−フェニル−3−イソオキサゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(2−メトキシ−4−フェニル−6−ピリミジル)ベンゼン、1,3−ビス(2−エトキシ−4−フェニル−6−ピリミジル)ベンゼン、1,3−ビス(2−プロポキシ−4−フェニル−6−ピリミジル)ベンゼン、1,3−ビス(2−イソプロポキシ−4−フェニル−6−ピリミジル)ベンゼン及び1,3−ビス(2−ヒドロキシ−4−フェニル−6−ピリミジル)ベンゼンからなる群より選ばれるいずれか一つである[6]に記載の含窒素複素環式化合物を製造する方法である。
本発明によれば、含窒素複素環式化合物の製造において、安全性を高め、環境負荷を小さくすることができる。
本発明の新規のオキシラン化合物を用いた含窒素複素環式化合物を製造する方法は、その工程で多量の臭化水素等のハロゲン化水素が発生しない。
また、本発明の含窒素複素環式化合物を製造する方法は、その工程でナトリウムアミド等の禁水性、自然発火性の化合物を用いないため、安全である。
以下、本発明の新規のオキシラン化合物及びそれを用いた含窒素複素環式化合物を製造する方法について詳細に説明する。
本明細書において、化合物を製造する方法を、単に化合物の製造方法と称することがある。
また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
[新規のオキシラン化合物]
本発明の態様の一つは、式(1)で示されるオキシラン化合物である。
Figure 2015166860
Figure 2015166860
式(1)中のRは、アリール基は置換基を有していてもよいアリール基である。
式(1)中のR〜Rのうち少なくとも一つは式(2)で表される置換基である。
式(1)中のR〜Rのうち式(2)で表される置換基以外は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アリール基、エステル基、アミド基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる。
なお、前記アミノ基、アリール基、エステル基、アミド基は、置換基を有していてもよい。前記置換基は、例えばアルキル基、アリール基である。
式(2)中のRは、置換基を有していてもよいアリール基である。
式(1)中のR及び式(2)中のRは、同一であってもよく、異なってもよい。
本発明の式(1)で示されるオキシラン化合物は、その構造式中の反応点にハロゲン原子を含まない。そのため、本発明の式(1)で示されるオキシラン化合物を用いた含窒素複素環式化合物の製造方法は、その工程で非特許文献1に記載された方法のように多量の臭化水素等のハロゲン化水素が発生せず、したがって環境負荷を小さくすることができる。
本発明の式(1)で示されるオキシラン化合物は、種々の求核剤に対して高い反応性を示すため、含窒素複素環式化合物の製造方法に加えて、様々な化合物の製造方法における前駆体として活用できるという優れた性能を有する。また、式(1)で示されるオキシラン化合物を用いた反応は、構造式中に含窒素複素環式骨格を有する化合物を生成することができるため、各種医農薬材料及びそれらの製造中間体、分析用試薬、染料、顔料、光学材料並びに電子材料の製造に利用することができる。
特に、式(1)で示されるオキシラン化合物を用いた反応は、構造式中に含窒素複素環式骨格を複数有する化合物を生成することができるため、極めて有用である。
本発明の式(1)で示されるオキシラン化合物は、オキシラニル基を少なくとも2つ有する。
式(1)で示されるオキシラン化合物がRを備えるオキシラニル基と、Rを備えるオキシラニル基との2つのオキシラニル基を有する場合、前記オキシラニル基は、互いにオルト位又はメタ位に位置する。
なお、式(1)で示されるオキシラン化合物が2つのオキシラニル基を有する場合、式(1)で示されるオキシラン化合物のR又はRが、前記式(2)で示されるオキシラニル基であれば、前記オキシラニル基は、互いにオルト位に位置し、また、R又はRが、前記式(2)で表されるオキシラニル基であれば、前記オキシラニル基は、互いにメタ位に位置する。
オキシラニル基が互いにメタ位に位置するオキシラン化合物の例を式(1a)として示す。式(1a)で示されるオキシラン化合物は、式(1)で示されるオキシラン化合物において、Rが式(2)で表される置換基であり、R〜Rがいずれも水素原子である化合物である。
Figure 2015166860
本発明の式(1)で示されるオキシラン化合物が有するオキシラニル基が備えるR及びRは、それぞれ独立に置換基を有してもよいアリール基である。
前記アリール基が有する置換基は、例えばアルキル基、アリール基である。
前記アリール基は、フェニル基、ナフチル基、ピロリル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。特に前記R及びRが共にフェニル基の場合、式(1)で示されるオキシラン化合物を容易に製造できるため好ましい。
本発明の式(1)で示されるオキシラン化合物が有するR〜Rのうち、式(2)で表される置換基以外は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アリール基、エステル基、アミド基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる。
前記炭素数1〜3のアルキル基は、メチル基、エチル基、n―プロピル基、i-プロピル基等である。また、前記炭素数1〜3のアルコキシル基は、メトキシ基、プロポキシ基等である。
特に、前記R〜Rのうち式(2)で表される置換基以外は、いずれも水素原子であることが好ましい。
本発明の式(1)で示されるオキシラン化合物は、1,3−ビス(3−オキソ−3−フェニルオキシラニル)ベンゼン、1,3−ビス[3−オキソ−3−(1−ナフチル)オキシラニル)ベンゼン、1,3−ビス[3−オキソ−3−(2−ピロリル)オキシラニル]ベンゼン、1,3−ビス[3−オキソ−3−(2−ピリジル)オキシラニル)ベンゼン、1,3−ビス[3−オキソ−3−(2−フリル)オキシラニル)ベンゼン、1,3−ビス[3−オキソ−3−(2−チエニル)オキシラニル)ベンゼン等が挙げられる。
特に、式(1)で示されるオキシラン化合物で、R及びRが共にフェニル基であり、Rが式(2)で表される置換基であり、R〜Rがいずれも水素原子である1,3−ビス(3−オキソ−3−フェニルオキシラニル)ベンゼンであれば、オキシラン化合物の製造が容易であるため好ましい。
式(1b)に1,3−ビス(3−オキソ−3−フェニルオキシラニル)ベンゼンの構造式を示す。
Figure 2015166860
本発明の式(1)で示されるオキシラン化合物は、例えば、対応するジアルデヒドとケトンとのアルドール縮合反応と、それに引き続く二重結合の酸化反応とにより得ることができる。または、対応するジアルデヒドとα-アルコキシケトン又はα-ハロケトンとのDarzens型の縮合反応により得ることができる。
前記アルドール縮合反応は、対応するジアルデヒドとケトンとを有機溶媒中、塩基性化合物存在下に反応させることで行うことができる。前記ケトンの使用量は、特に制限はされないが、通常、前記ジアルデヒドに対して、200mol%以上である。前記塩基性化合物は、特に制限はされないが、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド等を用いることができる。前記塩基性化合物の使用量は、特に制限はされないが、触媒量が好ましい。前記アルドール縮合反応における反応温度は、特に制限されないが、通常、0℃〜60℃である。前記アルドール縮合反応における反応溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、非プロトン性極性溶媒やアルコール等を用いることができる。
前記アルドール縮合反応により得られた生成物の二重結合の酸化反応は、有機溶媒又は有機溶媒−水の混合溶媒中、前記生成物と有機過酸化物又は無機過酸化物とを作用させることによって行うことができる。前記有機過酸化物は、ジメチルジオキシラン(DMDO)、m−クロロ過安息香酸(mCPBA)、tert-ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)等を、前記無機過酸化物は、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム等を用いることができる。前記酸化反応に用いる酸化剤の使用量は、前記生成物に対して、200mol%以上が好ましい。前記酸化反応における反応温度は特に制限されないが、通常、0℃〜100℃である。前記酸化反応における反応溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、非プロトン性極性溶媒、アルコール、水又はこれらの混合溶媒等を用いることができる。
前記Darzens型の縮合反応は、対応するジアルデヒドとα-アルコキシケトン又はα-ハロケトン等のα-置換ケトンとを、有機溶媒中、塩基性化合物存在下に反応させることで行うことができる。前記α-置換ケトンの使用量は、特に制限はされないが、通常、前記ジアルデヒドに対して、200mol%以上である。前記塩基性化合物は、特に制限はされないが、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド等を用いることができる。前記塩基性化合物の使用量は、通常、前記α-置換ケトンに対して100mol%以上である。前記Darzens型の縮合反応の反応温度は特に制限されないが、通常、0℃〜60℃である。前記Darzens型の縮合反応の反応溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、非プロトン性極性溶媒、アルコール等を用いることができる。
[オキシラン化合物を用いた含窒素複素環式化合物を製造する方法]
本発明の別の態様の一つは、式(1)で示されるオキシラン化合物を用いて、含窒素複素環式化合物を製造する方法(以下、本発明の製造方法と称することがある)である。
本発明の製造方法により得られる含窒素複素環式化合物は、下記に示す式(3)、式(5)及び式(7)からなる群より選ばれる少なくとも一つの含窒素複素環式化合物である。
Figure 2015166860
Figure 2015166860
Figure 2015166860
Figure 2015166860
Figure 2015166860
Figure 2015166860
式(3)、式(5)及び式(7)中のRは、置換基を有していてもよいアリール基である。
前記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ピロリル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基等が挙げられる。
式(3)中のR〜Rのうち少なくとも一つは、式(4)又は式(6)で表される置換基である。
式(5)中のR〜Rのうち少なくとも一つは、式(4)又は式(6)で表される置換基である。
式(7)中のR〜Rのうち少なくとも一つは、式(8)で表される置換基である。
式(3)中のR〜Rのうち式(4)又は式(6)で表される置換基以外、式(5)中のR〜Rのうち式(4)又は式(6)で表される置換基以外及び式(7)中のR〜Rのうち式(8)で表される置換基以外は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アリール基、エステル基、アミド基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる。
前記炭素数1〜3のアルキル基は、メチル基、エチル基、n―プロピル基、i-プロピル基等が挙げられる。また、前記炭素数1〜3のアルコキシル基は、メトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
前記アミノ基、アリール基、エステル基、アミド基は、置換基を有していてもよい。
式(3)及び式(5)中のZは、酸素原子及びNR10で表される置換基の少なくともいずれか一つである。前記R10は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基及びアシル基からなる群より選ばれる少なくとも一つである。
前記炭素数1〜3のアルキル基は、メチル基、エチル基、n―プロピル基、i-プロピル基等が挙げられる。また、前記炭素数1〜3のアルコキシル基は、メトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
式(4)、式(6)及び式(8)中のRは、置換基を有していてもよいアリール基である。
前記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ピロリル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基等が挙げられる。
式(3)中のR及び式(4)中のRは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(5)中のR及び式(6)中のRは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(7)中のR及び式(8)中のRは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(4)及び式(6)中のZは、酸素原子及びNR11で表される置換基の少なくともいずれか一つである。前記R11は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基及びアシル基からなる群より選ばれる少なくとも一つである。
前記炭素数1〜3のアルキル基は、メチル基、エチル基、n―プロピル基、i-プロピル基等が挙げられる。また、前記炭素数1〜3のアルコキシル基は、メトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
式(3)中のZ及び式(4)中のZは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(5)中のZ及び式(6)中のZは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(7)中のR及び式(8)中のRは、水素原子及び炭素数1〜3のアルキル基の少なくともいずれか一つである。
前記炭素数1〜3のアルキル基は、メチル基、エチル基、n―プロピル基、i-プロピル基等が挙げられる。また、前記炭素数1〜3のアルコキシル基は、メトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
式(7)中のR及び式(8)中のRは同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(1)で示されるオキシラン化合物から式(3)で示される含窒素複素環式化合物を製造する場合、式(1)で示されるオキシラン化合物が備えるRと式(3)で示される含窒素複素環式化合物が備えるRとは同一であり、また、式(2)で示されるオキシラニル基を有する置換基が備えるRと式(4)で示される含窒素複素環式化合物を有する置換基が備えるRとは同一である。
式(1)で示されるオキシラン化合物から式(5)で示される含窒素複素環式化合物を製造する場合、式(1)で示されるオキシラン化合物が備えるRと式(5)で示される含窒素複素環式化合物が備えるRとは同一であり、また、式(2)で示されるオキシラニル基を有する置換基が備えるRと式(6)で示される含窒素複素環式化合物を有する置換基が備えるRとは同一である。
式(1)で示されるオキシラン化合物から式(7)で示される含窒素複素環式化合物を製造する場合、式(1)で示されるオキシラン化合物が備えるRと式(7)で示される含窒素複素環式化合物が備えるRとは同一であり、また、式(2)で示されるオキシラニル基を有する置換基が備えるRと式(8)で示される含窒素複素環式化合物を有する置換基が備えるRとは同一である。
本発明の製造方法によれば、式(1)で示されるオキシラン化合物を用いることで、構造式中に含窒素複素環式骨格を2つ有する含窒素複素環式化合物を得ることができる。
特に、本発明の製造方法では、脱離基としてハロゲン原子を含まないため、環境負荷が大きいハロゲン化水素、特に臭化水素が発生せず、環境負荷を抑制することができる。
以下、本発明の製造方法において、式(3)で示される含窒素複素環式化合物の製造方法を例として説明する。
本発明の製造方法により得られる含窒素複素環式化合物は、各種の医農薬材料及びそれらの製造中間体、分析用試薬、染料、顔料、光学材料並びに電子材料に好適に用いることができる。
本発明の製造方法により得られる含窒素複素環式化合物は、その構造式中少なくとも2つの含窒素複素環式骨格を有する。
たとえば、式(3)で示される含窒素複素環式化合物では、Rを備える含窒素複素環式骨格とRを備える含窒素複素環式骨格との少なくとも2つの含窒素複素環式骨格を有する。
式(3)で示される含窒素複素環式化合物が、Rを備える含窒素複素環式骨格と、Rを備える含窒素複素環式骨格との2つの含窒素複素環式骨格を有する場合、式(3)で示される含窒素複素環式化合物の含窒素複素環式骨格は、互いにオルト位又はメタ位に位置する。
なお、式(3)で示される含窒素複素環式化合物が2つの含窒素複素環式骨格を有する場合、式(3)で示される含窒素複素環式骨格のR又はRが、前記式(4)又は式(6)で示される含窒素複素環式骨格であれば、前記含窒素複素環式骨格基は、互いにオルト位に位置し、また、R又はRが、前記式(4)又は式(6)で表される含窒素複素環式骨格であれば、前記含窒素複素環式骨格は、互いにメタ位に位置する。
式(3)で示される含窒素複素環式化合物において、式(3)中のR〜Rのうち式(4)又は式(6)で表される置換基以外は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アリール基、エステル基、アミド基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる。特にそれぞれが水素原子であることが好ましい。
式(3)で示される含窒素複素環式化合物において、たとえば、式(3)中のRが式(4)又は式(6)で表される置換基の場合、「式(3)中のR〜Rのうち式(4)又は式(6)で表される置換基以外」とは、式(3)中のR、R〜Rを意味する。この場合、式(3)中のR、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アリール基、エステル基、アミド基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる。
本発明の製造方法により得られる式(3)で示される含窒素複素環式化合物は、式(3)中のR及びRの少なくともいずれか一つが式(4)又は式(6)で表される置換基であれば、遷移金属等の様々な金属と錯体を容易に形成できるため好ましい。
特に、式(3)で示される含窒素複素環式化合物が2つの含窒素複素環式骨格を有し、前記含窒素複素環式骨格が互いにメタ位に位置する構造、つまりRが式(4)又は式(6)で表される置換基、であれば、本発明の製造方法により得られる含窒素複素環式化合物は、前記含窒素複素環式骨格が特異的な配置であり、遷移金属等の様々な金属と錯体を容易に形成するという特徴を有するため、たとえば各種分析用試薬として極めて有用である。
本発明の製造方法により得られる式(3)で示される含窒素複素環式化合物において、Rが式(4)で示されるピラゾリル基であり、R〜Rがいずれも水素原子であり、Z及びZがいずれもNHである含窒素複素環式化合物である1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼンを式(3a)として示す。式(3a)の化合物は、前記含窒素複素環式骨格が互いにメタ位に位置する。
なお、1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン(3a)は、式(3)で示される含窒素複素環式化合物において、式(3)中のR及び式(4)中のRがいずれもフェニル基である化合物である。
Figure 2015166860
また、本発明の製造方法により得られる式(3)で示される含窒素複素環式化合物において、Rが式(6)で示されるピラゾリル基であり、R〜Rがいずれも水素原子であり、Z及びZがいずれもNHである含窒素複素環式化合物を式(3b)として示す。式(3b)の化合物は、式(3a)の化合物と同様に、前記含窒素複素環式骨格が互いにメタ位に位置する。
式(3b)の化合物は、式(3)で示される含窒素複素環式化合物において、式(3)中のR及び式(6)中のRがいずれもフェニル基である化合物である。
なお、式(3a)の化合物と式(3b)の化合物とは、実質的に同一の化合物である。
Figure 2015166860
本発明の製造方法により得られる含窒素複素環式化合物は、ピラゾール化合物、イソオキサゾール化合物、ピリミジン化合物等を例示できる。具体的には、1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(5−フェニル−3−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−メチル−3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−エチル−3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−プロピル−3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソプロピル−3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−メチル−5−フェニル−3−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−エチル−5−フェニル−3−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−プロピル−5−フェニル−3−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソプロピル−5−フェニル−3−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(3−フェニル−5−イソオキサゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(5−フェニル−3−イソオキサゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(2−メトキシ−4−フェニル−6−ピリミジル)ベンゼン、1,3−ビス(2−エトキシ−4−フェニル−6−ピリミジル)ベンゼン、1,3−ビス(2−プロポキシ−4−フェニル−6−ピリミジル)ベンゼン、1,3−ビス(2−イソプロポキシ−4−フェニル−6−ピリミジル)ベンゼン及び1,3−ビス(2−ヒドロキシ−4−フェニル−6−ピリミジル)ベンゼン等が挙げられる。
本発明の製造方法により得られる含窒素複素環式化合物が1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(3−フェニル−5−イソオキサゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(5−フェニル−3−イソオキサゾリル)ベンゼンであることが、遷移金属等の様々な金属と錯体を容易に形成する性能がより優れるためより好ましく、1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼンであることが特に好ましい。
本発明の製造方法は、有機溶媒中、式(1)で示されるオキシラン化合物と、対応するヒドラジン誘導体、尿素誘導体、ヒドロキシルアミン及びホルムアミジンからなる群より選ばれるいずれかの化合物とを、必要に応じて触媒存在下で反応させることによって含窒素複素環式化合物を製造する方法である。
前記ヒドラジン誘導体は、ヒドラジン、メチルヒドラジン、エチルヒドラジン、プロピルヒドラジン、イソプロピルヒドラジン等のアルキルヒドラジンを挙げることができる。
前記尿素誘導体は、尿素、O−メチルイソ尿素、O−エチルイソ尿素、O−プロピルイソ尿素、O−イソプロピルイソ尿素等のO−アルキルイソ尿素を挙げることができる。
前記ヒドラジン誘導体、尿素誘導体、ヒドロキシルアミン及びホルムアミジンからなる群より選ばれるいずれかの化合物の使用量は、式(1)で示されるオキシラン化合物100mol%に対して、200mol%〜300mol%の範囲であることが好ましい。
本発明の製造方法において、触媒を使用する場合は、有機酸又は無機酸等の酸を好適に使用することができる。
前記有機酸は、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、スルフィン酸等を挙げることができる。特にトリフルオロ酢酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸が好ましい。
前記無機酸は、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸等を挙げることができる。特に塩酸、硫酸が好ましい。
触媒としての酸は、前記ヒドラジン誘導体、尿素誘導体、ヒドロキシルアミン及びホルムアミジンからなる群より選ばれるいずれかの化合物の塩の形態としても、本発明の製造方法に用いることができる。
本発明の製造方法における溶媒は、非プロトン性極性溶媒、プロトン性溶媒、水又はこれらの混合物を用いることができる。前記溶媒は、プロトン性溶媒が好ましく、また、プロトン性溶媒の中でもメタノール、エタノール及びイソプロパノールがより好ましい。
本発明の製造方法における反応温度は、特に制限されないが、−20℃〜250℃の温度範囲に管理される。本発明の製造方法において触媒を用いる場合は、0℃〜80℃の温度範囲が好ましく、また、触媒を用いない場合は、130℃〜200℃の温度範囲が好ましい。
本発明の製造方法において、対応するジアルデヒドとケトンとから新規のオキシラン化合物(1)を調製した後、調製したオキシラン化合物(1)を単離することなく含窒素複素環式化合物を製造することができる。
以下、実施例で本発明を更に詳しく説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例中に記載の純度は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)により分析を行い、以下に述べる装置、条件で測定した。
<分析装置>
送液ポンプ:LC−20AD[(株)島津製作所製]
UV検出器:SPD−M20A[(株)島津製作所製]
カラムオーブン:CTO−20AC[(株)島津製作所製]
<分析条件>
カラム:Shimpak XR−ODS2 75L×3mmφ
溶離液:アセトニトリル/水(リン酸でpH3に調整)=70/30(v/v)
流速:1.0mL/min
カラム温度:40℃
UV検出波長:254nm
<試薬>
28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液:東京化成工業株式会社製
イソフタルアルデヒド:和光純薬工業株式会社製
フェナシルクロリド:東京化成工業株式会社製
アセトフェノン:ナカライテスク株式会社製
80質量%水加ヒドラジン:日本カーバイド工業株式会社製
<実施例1:1,3−ビス(3−オキソ−3−フェニルオキシラニル)ベンゼンの製造>
実施例1は、Darzens型の縮合反応により新規オキシラン化合物(1)を製造する方法である。
攪拌機、温度計を備えた200mL四つ口フラスコ中で、28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液29.2gをメタノール68.4gで希釈し、イソフタルアルデヒド10.0gを添加し溶解させた。この溶液を冷却し、フェナシルクロリド23.4gを分割投入した。30分間撹拌後、生じたスラリーを分離し、残渣を39.2g得た。この残渣を攪拌機、温度計を備えた300mL四つ口フラスコに移し、水153.4gを加えて撹拌洗浄した後、スラリーを分離し、残渣を乾燥させ、20.0gの結晶を得た。イソフタルアルデヒドからの粗収率は74%であった。
この結晶をNMR(核磁気共鳴)及びMS分析(質量分析)により解析した結果、1,3−ビス(3−オキソ−3−フェニルオキシラニル)ベンゼンであることを確認した。
得られた1,3−ビス(3−オキソ−3−フェニルオキシラニル)ベンゼンのNMRの帰属を表1に示す。
Figure 2015166860
Figure 2015166860
得られた1,3−ビス(3−オキソ−3−フェニルオキシラニル)ベンゼンのMS分析結果を以下に示す。
MS(EI) m/z:77,105,147,265,370
<実施例2:1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼンの製造>
実施例2は、上記実施例1で合成した新規のオキシラン化合物(1)を用いて、含窒素複素環式化合物(3)を製造する方法である。
攪拌機、温度計を備えた100mL四つ口フラスコ中で、実施例1で得られた1,3−ビス(3−オキソ−3−フェニルオキシラニル)ベンゼン2.0g、80質量%水加ヒドラジン1.0g、メタノール20.2gを量り取り、懸濁させた。次いで、内温58〜62℃に昇温し、5時間反応熟成させた後、35質量%塩酸を添加し、ユニバーサル試験紙で反応液のpHを3〜4に調整した。この反応液を更に5時間熟成後、30℃以下まで冷却し、24質量%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH7〜8に中和した。次いで反応液から不溶分を分離し、濃縮乾固した後、クロロホルム28.8gで懸濁させ、10.0gの水を使用して2回水洗した。次いで、t−ブチルメチルエーテル15.1gを有機層に滴下し、得られたスラリーを分離することで、0.49gの粗結晶を得た。この粗結晶にクロロホルム5.7gを加えて溶解し、水10.0gを加えて撹拌し、結晶を固液分離し、60℃で真空乾燥したところ、粉末性結晶0.36gを得た。
この粉末性結晶は、NMRを用いて解析した結果、1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼンであった。収率は17%であった。また、HPLCを用いて純度を確認したところ96.1%であった。
得られた1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼンのNMRを用いて解析した結果を以下に示す。
1H NMR(DMSO−d6,TMS,400MHz) δppm=7.31(s,2H),7.33−7.43(m,2H),7.43−7.63(m,5H),7.75−8.00(m,6H),8.34−8.45(singlet−like,1H),13.47(brs,2H).
<製造例1:3-(3-オキソ-3-フェニルプロペニル)カルコンの合成>
製造例1は、アルドール縮合反応により、新規オキシラン化合物(1)を製造するための前駆体を製造する方法である。
温度計、攪拌機を備えた容量3000mlのフラスコに、メタノール917.0g、アセトフェノン259.3gを投入し、15℃以下で28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液445.8gを滴下した。約30分かけてイソフタルアルデヒド131.6gを分割投入し、30℃以下で終夜反応させた。次いで、この反応混合物を、ヌッチェを用いて固液分離し、析出固体をメタノール893.0gで洗浄することで、湿結晶764.7gを得た。上記フラスコとは別の3000mlのフラスコを用意し、この用意したフラスコに水1600.3gと得られた湿結晶764.7gを投入し、撹拌下に濃塩酸2.0gを加えた。次いで、得られた結晶を、ヌッチェを用いて固液分離し、水406.2g、メタノール502.1gの順で洗浄し、60℃で真空乾燥することで、319.9gの粉末性結晶を得た。
得られた粉末性結晶は、NMRを用いて解析した結果、3-(3-オキソ-3-フェニルプロペニル)カルコンであった。イソフタルアルデヒドからの粗収率は96%であった。
上記の製造例1で得られた3-(3-オキソ-3-フェニルプロペニル)カルコンのNMRを用いて解析した結果を以下に示す。
1H NMR(CDCl3,TMS,400MHz) δppm=7.45−7.53(m,5H),7.56−7.62(m,4H),7.68(dd,J=4.0,8.0Hz,2H),7.80(s,1H),7.84(s,1H),7.87(br,1H),8.03−8.05(m,4H).
<実施例3:1,3−ビス(3−オキソ−3−フェニルオキシラニル)ベンゼンの製造>
実施例3は、実施例1とは別の方法、即ち製造例1で合成した3-(3-オキソ-3-フェニルプロペニル)カルコンの二重結合を酸化することにより、新規のオキシラン化合物(1)を製造する方法である。
温度計、攪拌機を備えた容量1000mlのフラスコ中に、メタノール499.1g、28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液4.2g、製造例1で得られた3-(3-オキソ-3-フェニルプロペニル)カルコン50.7gを投入し、19〜30℃で35質量%過酸化水素水51.6gを15分かけて滴下した。次いで、3時間後に35質量%過酸化水素水7.2gを追加し、周囲温度下、終夜で反応をさせた。得られたスラリー状の反応液を4℃に冷却後、ヌッチェで固液分離し、湿結晶65.9gを得た。上記とは別の容量1000mlのフラスコを用意し、この用意したフラスコ中に、アセトン120.3g、得られた湿結晶28.6gを投入し、53℃で約1時間加熱撹拌後、周囲温度に冷却した。次いで析出した結晶を、ヌッチェを用いて固液分離後、40℃で終夜真空乾燥し、結晶を4.30g得た。
得られた結晶は、NMRを用いて解析した結果、1,3−ビス(3−オキソ−3−フェニルオキシラニル)ベンゼンであった。収率は18%であった。
<実施例4:1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼンの製造>
実施例4は、実施例3で合成した新規オキシラン化合物(1)を用い、含窒素複素環式化合物(3)を製造する方法である。
温度計、攪拌機を備えた容量50mlのフラスコ中に、2−プロパノール30.1g、80質量%水加ヒドラジン1.4g、実施例3の1,3−ビス(3−オキソ−3−フェニルオキシラニル)ベンゼン3.01gを投入し、60℃で終夜で反応させた。冷却後、反応液をロータリーエバポレーターで減圧濃縮し、溶媒を留出させた。乾固した反応混合物に2−プロパノール30.1gを加えて懸濁後、65℃に昇温し、19質量%硫酸メタノール溶液1.6gを加えた。57〜68℃で3時間15分反応させ、28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.62gを添加し、冷却した。得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで減圧濃縮し、溶媒を留出させた。乾固後、この反応混合物にクロロホルムを加えて分散し、水で3回洗浄した。合計量で水170.8g、クロロホルム101.7gを使用した。得られた析出物をヌッチェを用いて固液分離し、真空乾燥させた。得られた乾燥結晶2.08gをクロロホルム12.4gに溶解し、t−ブチルメチルエーテル7.7gを加えた。析出した結晶を、ヌッチェを用いて固液分離し、60℃で終夜真空乾燥することで、結晶を1.56g得た。収率は53%であり、HPLCで確認した純度は96.1%であった。
得られた結晶は、NMRを用いて解析した結果、1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼンであった。
<製造例2:3-(3-オキソ-3-フェニルプロペニル)カルコンの製造>
製造例2は、アルドール縮合反応により、新規オキシラン化合物(1)を製造するための前駆体を製造する方法である。
温度計、攪拌機を備えた容量500mlのフラスコに、メタノール154.5g、アセトフェノン43.2gを投入し、10℃以下で28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液74.3gを滴下した。約30分かけてイソフタルアルデヒド21.9gを分割して投入し、30℃以下で終夜反応させた。得られた反応混合物を、ヌッチェを用いて固液分離し、析出固体をメタノール70.4gで洗浄することで湿結晶74.6gを得た。上記のフラスコとは別に用意した容量500mlのフラスコに、水275.0gと湿結晶71.9gとを投入し、撹拌下に濃塩酸0.50gを加えた。得られた結晶を、ヌッチェを用いて固液分離し、水30.2g、メタノール74.8gの順で洗浄した。得られた湿結晶を60℃で真空乾燥し、53.6gの粉末性結晶を得た。イソフタルアルデヒドからの粗収率は97%であった。
得られた結晶は、NMRを用いて解析した結果、3-(3-オキソ-3-フェニルプロペニル)カルコンであった。
<実施例5:1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼンの製造>
実施例5は、途中で新規のオキシラン化合物(1)を単離することなく、3−(3−オキソ−3−フェニルプロペニル)カルコンからワンポットで含窒素複素環式化合物(3)を製造する方法である。
温度計、攪拌機を備えた容量100mlのフラスコ中に、トルエン60.1g、メタノール1.5g、28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.28g、製造例2で得られた3-(3-オキソ-3-フェニルプロペニル)カルコン6.03gを投入し、撹拌下にt−ブチルヒドロペルオキシド4.7gを約10分かけて滴下した。28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.31gを追加し、30℃以下で24時間撹拌後、t−ブチルヒドロペルオキシド0.51gを追加し、45℃で3時間反応させた。反応後、HPLCにて反応混合物を分析し、1,3−ビス(3−オキソ−3−フェニルオキシラニル)ベンゼンの生成を確認した。反応混合物を分液漏斗に移し、12.7質量%チオ硫酸ナトリウム水溶液10.0gとブライン36.6gで洗浄した。トルエン層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、乾固物にメタノール60.0g、80質量%水加ヒドラジン3.0gを加えた。撹拌下に、50〜60℃で約16時間反応させ、冷却後、ロータリーエバポレーターで揮発分を減圧留去した。乾固物に、1,2−ジメトキシエタン60.6gを加え、撹拌下に55〜60℃で、19.3%硫酸(濃硫酸をメタノールで希釈して調製)3.7gを滴下した。滴下終了後、50〜60℃で7時間20分反応させた。冷却後、28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液2.4gを投入し、反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮乾固した。乾固物をクロロホルム40.0gで抽出、分液漏斗に移し、クロロホルム層を水で3回洗浄した(使用した水の合計量95.8g)。ロータリーエバポレーターでクロロホルムの一部を減圧留去し、24.3gとした。別の100mlフラスコにt−ブチルメチルエーテル36.7gを投入し、濃縮したクロロホルム抽出液24.3gを周囲温度下に滴下し、析出した固体をヌッチェを用いろ取した。ろ取した湿結晶4.8gを100mlフラスコ中の40℃のクロロホルム50.3gに溶解し、冷却後t−ブチルメチルエーテル20.3gを加え析出した結晶をヌッチェを用いろ取した。ろ取した湿結晶2.4gを100mlフラスコ中の40℃のクロロホルム19.7gに溶解し、冷却後t−ブチルメチルエーテル10.0gを加え析出した結晶をヌッチェを用いろ取した。ろ取した湿結晶2.22gのうち、1.08gを、100mlフラスコ中のクロロホルム9.6g、水9.9gに加え、撹拌洗浄した。結晶をヌッチェを用いろ取し、60℃で真空乾燥し、0.81gの1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼンを粉末性結晶として得た。3-(3-オキソ-3-フェニルプロペニル)カルコンからの収率は26%であり、HPLCにより求めた純度は95.1%であった。
<実施例6:1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼンの製造>
実施例6は、新規のオキシラン化合物(1)から含窒素複素環式化合物(3)を製造する際に、触媒を添加することなく、かつ途中で新規のオキシラン化合物(1)を単離せずに、対応するジアルデヒドとケトンからワンポットで含窒素複素環式化合物(3)を製造する方法である。
温度計、攪拌機を備えた容量300mlのフラスコ中に、メタノール95.9g、28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液2.9g、アセトフェノン16.2gを投入した。約10分かけてイソフタルアルデヒド9.0gを分割して投入し、30℃以下で終夜反応させた。反応後、HPLCにて反応混合物を分析し、3-(3-オキソ-3-フェニルプロペニル)カルコンの生成を確認した。得られた反応混合物にメタノール9.4gを投入後、35質量%過酸化水素水25.2gを50℃以下で約30分かけて滴下し、30℃以下で約14時間反応させた。35質量%過酸化水素水1.2gを追加し、40〜45℃で約6時間反応させた。反応後、HPLCにて反応混合物を分析し、1,3−ビス(3−オキソ−3−フェニルオキシラニル)ベンゼンの生成を確認した。反応混合物中に、80質量%水加ヒドラジン13.7gを投入し、55〜65℃で約6時間反応させた。反応液8.7g(反応液全量の5.4%)を100mlフラスコに分取し、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固した。乾固物1.48gのうち、0.10gを6mlバイアル瓶に分取し、ジメチルスルホキシド1.02gを投入した。150℃で終夜反応させ、反応液をHPLCで分析したところ、35.7Area%で1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼンの生成が確認された。
実施例1〜6の含窒素複素環式化合物の合成・製造において、いずれも臭化水素等のハロゲン化水素が発生していない。
以上、本発明によれば、新規オキシラン化合物を合成することができる。また得られた新規オキシラン化合物を用いることで、含窒素複素環式化合物の製造において、安全性を高め、環境負荷を小さくすることができる。
本発明のオキシラン化合物を用いることで、含窒素複素環式化合物を製造することができる。このような含窒素複素環式化合物は、各種の医農薬材料及びそれらの製造中間体、分析用試薬、染料、顔料、光学材料並びに電子材料に好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 式(1)で示されるオキシラン化合物。
    Figure 2015166860
    Figure 2015166860
    [式(1)中のRは、置換基を有していてもよいアリール基である。
    式(1)中のR〜Rのうち少なくとも一つは式(2)で表される置換基である。
    式(1)中のR〜Rのうち式(2)で表される置換基以外は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アリール基、エステル基、アミド基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる。
    式(2)中のRは、置換基を有していてもよいアリール基である。]
  2. 式(1)中のR及びRの少なくともいずれか一つが、前記式(2)で表される置換基である、請求項1に記載のオキシラン化合物。
  3. 前記R及びRがいずれもフェニル基である、請求項1又は請求項2に記載のオキシラン化合物。
  4. 前記R〜Rのうち式(2)で表される置換基以外がいずれも水素原子である請求項1〜3のいずれか1項に記載のオキシラン化合物。
  5. 前記オキシラン化合物が1,3−ビス(3−オキソ−3−フェニルオキシラニル)ベンゼンである請求項1〜4のいずれか1項に記載のオキシラン化合物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のオキシラン化合物を用いて、式(3)、式(5)及び式(7)からなる群より選ばれるいずれか一つで示される含窒素複素環式化合物を製造する方法。
    Figure 2015166860
    Figure 2015166860
    Figure 2015166860
    Figure 2015166860
    Figure 2015166860
    Figure 2015166860
    [式(3)、式(5)及び式(7)中のRは、置換基を有していてもよいアリール基である。
    式(3)中のR〜Rのうち少なくとも一つは、式(4)又は式(6)で表される置換基である。
    式(5)中のR〜Rのうち少なくとも一つは、式(4)又は式(6)で表される置換基である。
    式(7)中のR〜Rのうち少なくとも一つは、式(8)で表される置換基である。
    式(3)中のR〜Rのうち式(4)又は式(6)で表される置換基以外、式(5)中のR〜Rのうち式(4)又は式(6)で表される置換基以外及び式(7)中のR〜Rのうち式(8)で表される置換基以外は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アリール基、エステル基、アミド基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる。
    式(3)及び式(5)中のZは、酸素原子及びNR10で表される置換基の少なくともいずれか一つである。前記R10は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基及びアシル基からなる群より選ばれる少なくとも一つである。
    式(4)、式(6)、及び式(8)中のRは、置換基を有していてもよいアリール基である。
    式(4)及び式(6)中のZは、酸素原子及びNR11で表される置換基の少なくともいずれか一つである。前記R11は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基及びアシル基からなる群より選ばれる少なくとも一つである。
    式(7)中のR及び式(8)中のRは、水素原子及び炭素数1〜3のアルキル基の少なくともいずれか一つである。]
  7. 式(3)中のR及びRの少なくともいずれか一つが、式(4)で表される置換基である、請求項6に記載の含窒素複素環式化合物を製造する方法。
  8. 式(5)中のR及びRの少なくともいずれか一つが、式(6)で表される置換基である、請求項6に記載の含窒素複素環式化合物を製造する方法。
  9. 式(7)中のR及びRの少なくともいずれか一つが、式(8)で表される置換基である、請求項6に記載の含窒素複素環式化合物を製造する方法。
  10. 前記含窒素複素環式化合物が、1,3−ビス(3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(5−フェニル−3−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−メチル−3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−エチル−3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−プロピル−3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソプロピル−3−フェニル−5−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−メチル−5−フェニル−3−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−エチル−5−フェニル−3−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−プロピル−5−フェニル−3−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソプロピル−5−フェニル−3−ピラゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(3−フェニル−5−イソオキサゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(5−フェニル−3−イソオキサゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(2−メトキシ−4−フェニル−6−ピリミジル)ベンゼン、1,3−ビス(2−エトキシ−4−フェニル−6−ピリミジル)ベンゼン、1,3−ビス(2−プロポキシ−4−フェニル−6−ピリミジル)ベンゼン、1,3−ビス(2−イソプロポキシ−4−フェニル−6−ピリミジル)ベンゼン及び1,3−ビス(2−ヒドロキシ−4−フェニル−6−ピリミジル)ベンゼンからなる群より選ばれるいずれか一つである請求項6に記載の含窒素複素環式化合物を製造する方法。
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