JPWO2015163184A1 - 活性エネルギー線硬化型オフセットインキの硬化方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、オフセット印刷における優れた硬化性による生産性向上及び印刷適性を有する活性エネルギー線硬化型オフセットインキの硬化方法を提供することにある。エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(I)と光重合開始剤(II)を含有する活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法であって、硬化に使用する光源が発光波長の異なる発光ダイオードを2種以上組み合わせたものであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法。

Description

本発明は、活性エネルギー線照射により硬化するオフセット用インキの硬化方法に関する。さらには、該インキの硬化方法に用いるインキ、及びそのインキを用いた印刷物に関する。
活性エネルギー線硬化型オフセットインキは瞬間硬化の特性の利便性から、紙器等のパッケージ印刷の分野で広く使用されている。
現在広く使用されており活性エネルギー線としては、200〜420nmの波長を発光する高圧水銀灯や、メタルハライドランプ、若しくは、単一波長発光型(365nm、385nm、395nm、405nm)の発光ダイオードである(例えば、特許文献1〜3参照)。
中でも、単一波長発光型ダイオードは、発熱性に優れ、各種産業で採用されているが、限定された波長域を用いる単一波長発光型ダイオードは、広域波長の紫外線を発する紫外線ランプ光源等と比較して紫外線エネルギーの発光波長幅が狭く、使用できる光重合開始剤が限定され、塗膜の最表面を硬化させることが困難であるため、速硬化性に対する対応が望まれている。
近年になり、発光ダイオードメーカー各社から、350nm未満のダイオードが発表されており、今後、200〜349nmの発光ダイオードと350〜420nmの発光ダイオードを合わせた製品の登場が予想され、これらに対応したオフセットインキに必要とされるより高い硬化性を可能とさせたのが本発明である。
特許4289441号 特許4930630号 特許5158274号
本発明の課題は、オフセット印刷における優れた硬化性による生産性向上及び印刷適性を有する活性エネルギー線硬化型オフセットインキの硬化方法を提供することにある。
本発明者らは、特定の活性エネルギー線重合性化合物と光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型インキの硬化手段として、発光波長の異なる2種以上の発光ダイオードを組み合わせることで上記課題を達成できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(I)と光重合開始剤(II)を含有する活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法であって、硬化に使用する光源が発光波長の異なる発光ダイオードを2種以上組み合わせたものであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法に関する。
本発明は、更に、前記発光ダイオードの発光波長が200〜350nm未満と、350〜420nmである活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法に関する。
本発明は、更に、前記光重合開始剤(II)が200〜350nm未満の吸収波長を持つ光重合開始剤(A)及び350〜420nmの吸収波長を持つ光重合開始剤(B)である活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法に関する。
本発明は、更に、前記光重合開始剤(A)が下記の(A)群から選ばれる少なくとも1種以上を含有する活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法に関する。
(A)群 α(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物、
αモルフォリノアルキルフェノン化合物、
アシルフォスフィンオキサイド化合物
本発明は、更に、前記光重合開始剤(B)が下記の(B)群から選ばれる少なくとも1種以上を含有する活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法に関する。
(B)群 ヒドロキシアセトフェノン化合物、
ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物を除くベンゾフェノン化合物、
αヒドロキシアルキルフェノン化合物
本発明は、更に、光重合開始剤(III)として、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物及び/又はチオキサントン化合物を含有する活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法に関する。
本発明は、更に、前記活性エネルギー線硬化型インキ硬化方法に用いるインキ、及びそのインキを用いて印刷した印刷物をも提供する。
本発明によれば、高い硬化性を発現した活性エネルギー線硬化型オフセットインキの硬化方法、その硬化方法に用いるインキ、及びそれを用いた印刷物を提供できる。
本発明は、エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(I)と光重合開始剤(II)を含有する活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法であって、硬化に使用する光源が発光波長の異なる発光ダイオードを2種以上組み合わせることで目的とする本発明の効果を奏するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法に用いるインキは、エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(I)を必須成分とする。具体例としては、下記のような活性エネルギー線重合性化合物を挙げることができる。
〔エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(I)〕
本発明の活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法に用いるインキで使用するエチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(I)としては、通常活性エネルギー線硬化性組成物に使用される公知の(メタ)アクリルモノマーおよび/または(メタ)アクリルオリゴマーから任意に選んで用いることができる。なお本発明において「(メタ)アクリル」とはアクリルとメタクリルとを総称したものである。
(メタ)アクリルモノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−(メタ)アクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなど、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換された(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−アルキレンビス(メタ)アクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
(メタ)アクリルモノマーの他の例としては、エチレングリコール単位を分子内にもつポリエチレングリコール(nは3以上であり、およそ14以下)ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)トリ(メタ)アクリレート、フェノールEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)(メタ)アクリレートや、水酸基を分子内にもつ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
これらの(メタ)アクリルモノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、硬化収縮が支障となる用途の場合には、例えばイソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテノキシプロピル(メタ)アクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノマ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノ(メタ)アクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニル(メタ)アクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリルモノマーを用いることができる。
これらの活性エネルギー線重合性化合物は単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明に特に好適な活性エネルギー線重合性化合物としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、グリシジル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエチル等の置換基を有する(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ビニルピロリドン、N−アクリロイルモルホリン、N−ビニルホルムアミド等の1官能モノマー、
1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、オペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキルリン酸(メタ)アクリレート等の多官能モノマーを挙げることができる。これらは2種類以上併用して用いることができる。
((メタ)アクリルオリゴマー)
実施形態に係る活性エネルギー線硬化性インキに含有されるオリゴマーは、光の照射により架橋又は重合する化合物である。また、モノマーの重合体を主鎖とする化合物であるが、主鎖を構成するモノマーの数は限定されない。前記オリゴマーの分子量は、500〜20,000の範囲であることが好ましい。
オリゴマーの官能基数は2〜20であることが好ましく、4〜20であることがより好ましく、6〜20であるとさらに好ましい。オリゴマーが有する官能基とは光重合性官能基である。光重合性官能基とは、アクリロイル基などの炭素−炭素の二重結合などである。官能基数が多いと、硬化性オリゴマーの硬化感度が高まり、かつ硬化塗膜の硬度も高まる。一方で、官能基数が多すぎると、硬化塗膜の収縮が生じやすくなり、塗膜表面が歪みやすくなる。
オリゴマーのガラス転移温度(Tg)は40℃以上であることが好ましく、50℃以上であるとより好ましく、70℃以上であると更に好ましい。ガラス転移温度(Tg)の測定は示差走査熱量測定(DSC)、熱機械分析(TMA)等で測定することができる。
オリゴマーの粘度は特に制限はないが、活性エネルギー線硬化性組成物取扱性および粘度への影響を考慮して、25℃での粘度が、100〜10,000mPa・sであることが好ましく、5,000mPa・s以下が好ましく、1,000mPa・s以下がより好ましい。
オリゴマーの主鎖は、ポリエポキシ、脂肪族ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリアミン、ポリアクリレートなどでありうる。オリゴマーの主鎖に、前述の光重合性官能基が付加していることが好ましい。
オリゴマーの官能基は、オリゴマーの主鎖に以下の(光重合性)官能基含有化合物を反応させて導入することができる。(光重合性)官能基含有化合物の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。その他にN−ビニル化合物を含んでいてもよい。N−ビニル化合物には、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、及びそれらの誘導体などが含まれる。
オリゴマーのガラス転移温度(Tg)を高くするには、オリゴマーの主鎖に芳香環やアミド構造等を導入して、主鎖構造を剛直にしたり、オリゴマーの側鎖に大きな置換基を導入したりすればよい。
オリゴマーは、直鎖状オリゴマーであっても、分岐鎖状オリゴマーであっても、樹枝状オリゴマーであってもよいが、分岐鎖状オリゴマーまたは樹枝状オリゴマーであることが好ましい場合がある。分岐鎖状オリゴマーおよび樹枝状オリゴマーは、比較的低粘度であるため、活性エネルギー線硬化型オフセットインキの粘度を上昇させにくいにも係わらず、硬化膜の硬度を高めることができる。樹枝状オリゴマーとは、1分子中に複数の分岐鎖を有するオリゴマーを意味する。
樹枝状オリゴマーの例には、デンドリマー、ハイパーブランチオリゴマー、スターオリゴマー及びグラフトオリゴマーなどが含まれる。デンドリマー、ハイパーブランチオリゴマー、スターオリゴマー及びグラフトオリゴマーは、公知の化合物でありうる。これらのなかでも、デンドリマー及びハイパーブランチオリゴマーであることが好ましく、ハイパーブランチオリゴマーがより好ましい。デンドリマーやハイパーブランチオリゴマーは、活性エネルギー線硬化型オフセットインキの粘度をより上昇させにくい。
ハイパーブランチオリゴマーは、2個以上のモノマーが繰り返し単位として結合したオリゴマーに複数の光重合性官能基が結合したオリゴマーをいう。ハイパーブランチオリゴマーには、一般に多数の光重合性官能基が含まれる。そのため、ハイパーブランチオリゴマーは、活性エネルギー線硬化型オフセットインキの硬化速度を一層高めることができ、硬化膜の硬度も一層高めることができる。一分子のハイパーブランチオリゴマーが有する光重合性官能基の数は、6以上であることが好ましい。
ハイパーブランチオリゴマーの例には、ポリエステル6官能アクリレート、ポリエステル9官能アクリレート、ポリエステル16官能アクリレートなどが含まれる。
オリゴマーの市販品の例には以下のものがある。
CN131B、CN292、CN2272、CN2303、CN2304、CN968、CN972、CN975、CN978、CN980、CN981、CN983、CN989、CN991、CN992、CN994、CN996、CN997、CN999、CN1963、CN2901、CN2902、CN2920、CN2921、CN3210、CN3211、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9014、CN9026、CN9165、CN9178、CN9782、CN9783、CN9788、CN9893(以上サートマー社製)、MIRAMER PU206、PU2100、PU2200、PU340、PU3420、PU610、PU620、PU664、MU9500、MU9800、SC2100、SC2152、SC2153、SC2565、PU460、PU640、MU3603、PE210、PE110、PE230、PE240、PE320、EA2235、EA2255、EA2259、EA2280、PS420、PS460、PS4610、PS610(以上MIWON社製)、EBECRYL 210、220、230、270、5129、8210、8301、8804、8807、9260、4858、8402、9270、9270、8311、8701(以上ダイセルオルネクス社製)
なかでも、ウレタンオリゴマーの市販品の例には以下のものがある。
CN968、CN972、CN975、CN978、CN980、CN981、CN983、CN989、CN991、CN992、CN994、CN996、CN997、CN999、CN1963、CN2901、CN2902、CN2920、CN2921、CN3210、CN3211、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9014、CN9026、CN9165、CN9178、CN9782、CN9783、CN9788、CN9893(以上サートマー社製)、MIRAMER PU206、PU2100、PU2200、PU340、PU3420、PU610、PU620、PU664、MU9500、MU9800、SC2100、SC2152、SC2153、SC2565、PU460、PU640、MU3603(以上MIWON社製)、EBECRYL 210、220、230、270、5129、8210、8301、8804、8807、9260、4858、8402、9270、9270、8311、8701(以上ダイセルオルネクス社製)
本発明の活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法に使用する光源は、発光波長の異なる発光ダイオードを2種以上組み合わせたものである。
そして、前記発光波長の異なる発光ダイオードを2種とは、発光波長が200〜350nm未満と、350〜420nmである発光ダイオードの組合せを挙げることができる。
(UV−LED)
本発明で用いる活性エネルギー線源として用いるUV−LEDとしては、特に制限はなく、従来公知の装置を使用することができる。UV−LEDを使用した発生エネルギー線は、水銀灯を使用した場合と比べ、エネルギー線の発生効率がはるかに優れている。従って、一定の有効エネルギー線量(塗膜の硬化に寄与するエネルギー線量)を照射するために、UV−LEDを使用したエネルギー線照射装置は、水銀灯を使用した装置と比較して、大幅に小型化が可能である。また、均一にインキ塗膜を硬化するためには、エネルギー線照射時に照射可能な照射面において、照射線量が均一であることが重要である。このため、水銀灯では、各種の高価なミラー(反射板)を使用することが行われるが、UV−LEDでは、小さなUV−LEDを多数設置するだけでよいので、エネルギー線照射線量の均一なエネルギー線照射部を設計することが可能である。このようなUV−LEDを使用すれば、安価で、大幅に軽量化された活性エネルギー線照射装置を作製することができる。さらに、上述のように水銀灯はエネルギー線の発生効率がよくないので、エネルギー線照射効率を上げるために塗膜面に近づけたランプが破損することが起こるが、UV−LEDでは、その構造上、破損しやすいガラス部のまわりは容易に他の保護部材で保護可能である。
加えて、360nm以下の発光ピーク波長を有するUV−LEDは寿命が短く、高価であることからその普及率は緩やかではあるが、今後増加が予測されるUV−LEDの短波長化に対応しつつ、発光波長の異なる発光ダイオードを2種以上組み合わせたて効率よく硬化させることが本願発明の目的である。
更に、本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキの硬化方法は、前記発光ダイオードの発光波長が200〜350nm未満と、350〜420nmである発光波長の異なる発光ダイオードを2種以上組み合わせて効率よく硬化する活性エネルギー線硬化型オフセットインキの硬化方法を提供することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキの硬化方法に使用するUV−LEDの具体例としては、パナソニックデバイスSUNX社製LED方式ライン型UV照射器UD90(385nm、8W/cm)、日機装社製深紫外線LED SMDタイプ(265nm、4mW/cm または 280nm、10mW/cm または 295nm、10mW/cm)、浜松ホトニクス社製リニア照射型UV−LEDユニット「LC−L5 LIGHTNING CUREL11403−1112」(365nm、1.3W/cm)、浜松ホトニクス社製リニア照射型UV−LEDユニット「LC−L5 LIGHTNING CUREL11403−2112」(385nm、1.5W/cm)、Phoseon TECHNOLOGY社製水冷式UV−LEDユニット「Fire Power」(365nm、8W/cmまたは395nm、8W/cm)等が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキの硬化方法に用いるインキでは、光重合開始剤(II)を必須成分とする。
前記光重合開始剤(II)の添加量の総計は、インキ全量の0.1〜30重量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1〜15重量%である。
更に、本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキの硬化方法に用いるインキで使用する前記前記光重合開始剤(II)としては、200〜350nm未満の吸収波長を持つ光重合開始剤(A)及び350〜420nmの吸収波長を持つ光重合開始剤(B)を含有する活性エネルギー線硬化型インキを提供する。
前記光重合開始剤(A)としては、α(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物、αモルフォリノアルキルフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし2種類以上添加しても良い。
尚、前記光重合開始剤(A)の添加量の総計は、インキ全量の0.1〜30重量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1〜15重量%である。
前記α(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンー1(数平均分子量:366.5)、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(数平均分子量:380.5)等が挙げられ、これらはどちらか1つ含まれればよく、両方組み合わせて用いてもよい。
前記したα(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物のインキ組成物中の含有率は、インキ全量に対し1〜15重量%の範囲にあることが好ましい。1重量%未満の添加量では良好な乾燥性を得ることが困難であり、また15重量%を超える添加量では、開始剤量が過剰となり、乾燥性の向上度合いが低下するだけでなく、開始剤のインキ中液体成分への溶解性が低下しインキ流動性が低下する。
前記αモルフォリノアルキルフェノン化合物としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノプロパン−1−オン(数平均分子量:279.4)等が挙げられる。
前記したαモルフォリノアルキルフェノン化合物のインキ組成物中の含有率は、インキ全量に対し1〜15重量%の範囲にあることが好ましい。1重量%未満の添加量では良好な硬化性を得ることが困難であり、また15重量%を超える添加量では、開始剤量が過剰となり、同様にインキ流動性を損なうことから好ましくない。
前記アシルフォスフィンオキサイド化合物としては、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルフォスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル等のモノアシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられ、特に、これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、及びビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドは、385nmや395nmに発光波長を有するUV−LEDの発光波長領域に合致するUV吸収波長を有することで、好適な硬化性が得られ、且つ、硬化皮膜の黄変が少ない点でより好ましい。
ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを例に挙げれば、インキ全量に対して1〜15重量%の範囲で使用することが好ましい。
1重量%未満の添加量では硬化性向上効果が殆ど無く、また15重量%を超える添加量では、開始剤量が過剰となり、硬化性の更なる向上が期待出来ない上、オフセットインキ中に溶解させることが困難であり、インキ流動性の低下及び析出に起因する保存安定性の悪化を招くことから好ましくない。
前記したアシルフォスフィンオキサイド化合物のインキ組成物中の含有率は、インキ全量に対し1〜15重量%の範囲にあることが好ましい。1重量%未満の添加量では良好な硬化性を得ることが困難であり、また15重量%を超える添加量では、開始剤量が過剰となり、同様にインキ流動性を損なうことから好ましくない。
前記光重合開始剤(B)としては、ヒドロキシアセトフェノン化合物、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物を除くベンゾフェノン化合物、αヒドロキシアルキルフェノン化合物を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし2種類以上添加しても良い。
尚、前記光重合開始剤(B)の添加量の総計は、インキ全量の0.1〜30重量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1〜15重量%である。
前記ヒドロキシアセトフェノン化合物としては、IRGACURE 184(BASF社製)1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン 等を挙げることができる。
前記したヒドロキシアセトフェノン化合物のインキ組成物中の含有率は、インキ全量に対し1〜15重量%の範囲にあることが好ましい。1重量%未満の添加量では良好な硬化性を得ることが困難であり、また15重量%を超える添加量では、開始剤量が過剰となり、同様にインキ流動性を損なうことから好ましくない。
前記ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物を除くベンゾフェノン化合物としては、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾエイト、4−ベンゾイル−4‘−メチルジフェニルサルファイド、4−フェニルベンゾフェノン、Esacure 1001(lamberti社製)1−[4−(4−ベンゾイルフェニルサルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルサルファニル)プロパン−1−オン等が挙げられる。
前記したベンゾフェノン化合物のインキ組成物中の含有率は、インキ全量に対し1〜15重量%の範囲にあることが好ましい。1重量%未満の添加量では硬化速度の更なる向上が得られない点で望ましくなく、また15重量%を超えて添加しても、使用しただけの効果が認められず好ましくない。
前記αヒドロキシアルキルフェノン化合物としては、DAROCUR 1173(BASF社製)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、IRGACURE 2959(BASF社製)1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、IRGACURE 127(BASF社製)2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、ESACURE KIP 150(lamberti社製)ポリ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オン}、ESACURE KIP 160(lamberti社製)2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)フェノキシ〕フェニル}−2−メチルプロパノン、ESACURE ONE(lamberti社製)ポリ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オン} 等を挙げることができる。
前記したα−ヒドロキシケトン化合物のインキ組成物中の含有率は、インキ全量に対し1〜15重量%の範囲にあることが好ましい。1重量%未満の添加量では硬化速度の更なる向上が得られない点で望ましくなく、また15重量%を超えて添加しても、使用しただけの効果が認められず好ましくない。
更に、本発明の硬化方法に用いるインキでは光重合開始剤(III)として、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物及び/又はチオキサントン化合物を使用することが出来る。
前記したジアルキルアミノベンゾフェノン化合物としては、4,4’−ビス−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の4,4’−ジアルキルベンゾフェノン類、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等が挙げられる。中でも4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(数平均分子量324.47)は硬化性に優れる。
また前記したチオキサントン化合物としては、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられ、黄変の発現性を考慮すると使用量は少量に限定されるが、併用することで皮膜硬化性を好適に向上させることが可能である。
またUV−LED発光波長領域に合致するUV吸収特性を有していないものであっても、3級アミン化合物(α−アミノアルキルフェノン化合物、および、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物を除く)を水素供与体として併用することで、好適な活性エネルギー線硬化を得ることが出来る。例えば、脂肪族アミン誘導体としてトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、ジブチルエタノールアミン等が、安息香酸誘導体のアミンとして2−ジメチルアミノエチル安息香酸、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等が、アニリン誘導体のアミンとしてN,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等が挙げられる。
前記した3級アミン化合物を例に挙げれば、そのインキ組成物中の含有率は、インキ全量に対し0.1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。0.1重量%未満の添加量では硬化速度の更なる向上が得られない点で望ましくなく、また10重量%を超えて添加しても、使用しただけの効果が認められず好ましくない。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキの硬化方法に用いるインキで使用する着色顔料としては、公知公用の着色用有機顔料を挙げることができ、例えば「有機顔料ハンドブック(著者:橋本勲、発行所:カラーオフィス、2006年初版)」に掲載される印刷インキ用有機顔料等が挙げられ、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン顔料、金属錯体顔料、ジケトピロロピロール顔料、カーボンブラック顔料、その他多環式顔料等が使用可能である。
前記着色顔料を含む紫外線硬化型インキにおいては、特に紫外線吸収能の極めて高いカーボンブラックを添加量10〜25重量%の範囲で用いた墨インキにおいては光重合開始剤を活性化せしめる紫外線エネルギーの損失が多く、他の着色顔料と比較して特にインキ皮膜底部における光重合反応が進行し難い為、十分な硬化性を得ることが困難であるが、本発明で述べるオフセットインキはカーボンブラックを10〜25重量%用いた墨インキについても好適な硬化性を付与することが可能である。
しかし、カーボンブラックの添加量が25重量%を超える紫外線硬化型インキにおいては、カーボンブラックによる紫外線エネルギーの損失が莫大となり、好適な乾燥性が得られないことから好ましくない。前記カーボンブラックの平均一次粒子径は、15〜70nmの範囲にあることが好ましく、20〜40nmの範囲にあることが特に好ましい。平均一次粒子径が15nm未満である場合、カーボンブラックによる紫外線エネルギーの損失が莫大となり、好適な乾燥性が得られないことから好ましくなく、また70nmを超える場合、墨インキの黒色感が損なわれることから好ましくない。
前記カーボンブラックはファーネス法、サーマル法、コンタクト法などの公知の手法により製造されたものを挙げることができ、例えば、ラーベン14、ラーベン450、ラーベン860Ultra、ラーベン1035、ラーベン1040、ラーベン1060Ultra、ラーベン1080Ultra、ラーベン1180、ラーベン1255(以上、コロンビアンケミカル社製)、リーガル400R、リーガル330R、リーガル660R、モーグルL(以上、キャボット社製)、MA7、MA8、MA11(以上、三菱化学社製)等を挙げることができ、これらは単独で使用してもよく、また2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキの硬化方法で使用可能な印刷基材としては、特に限定は無く、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙等の紙、各種合成紙、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、ナイロン、ポリ乳酸、ポリカーボネート等のフィルム又はシート、セロファン、アルミニウムフォイル、その他従来から印刷基材として使用されている各種基材を挙げることが出来る。
本発明で述べる活性エネルギー線硬化型オフセット印刷インキの硬化方法に用いるインキの製造は、従来の紫外線硬化型インキと同様に、前記着色顔料、重合性アクリレートモノマー、重合基を有する樹脂オリゴマー、光重合開始剤、増感剤、その他添加剤等を配合してミキサー等で撹拌混合し、三本ロールミル、ビーズミル等の分散機を用いて練肉することで製造される。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
〔ベースインキの製造方法〕
表1の組成に従って混合し三本ロールミルにて練肉することによって、まず光重合化開始剤を含まないベースインキ(Y)を作成した。
尚、色材顔料としてベースインキ全量の20重量%のフタロシアニンブルー(DIC製FASTOGEN Blue FA5380 Pigment Blue15:3)を添加した。エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(I)については総計でベースインキ全量の63.5重量%、ジアクリルフタレート樹脂(ダイソーDAP A)をベースインキ全量の10重量%、粘度及び流動性調整剤としてタルク1重量%、クレー1重量%、炭酸マグネシウム1重量%、炭酸カルシウム1重量%及び有機ベントナイト0.5重量%(合計4.5重量%)、その他助剤としてワックス計2重量%を添加した。
エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(I)とジアリルフタレート樹脂は、120℃の熱を加え、予め溶解させた。
Figure 2015163184
次に表2〜3の実施例1〜18及び、表4〜5の比較例1〜14の組成に従って前記ベースインキ(Y)に各々光重合開始剤を添加し、更に三本ロールミルにて練肉することによって各種の活性エネルギー線硬化型インキを作成した。
〔印刷物の製造方法〕
この様にして得られた活性エネルギー線硬化型インキを、簡易展色機(RIテスター、豊栄精工社製)を用い、インキ0.10mlを使用して、RIテスターのゴムロール及び金属ロール上に均一に引き伸ばし、コート紙(王子製紙製「OKトップコートプラス57.5Kg、A判」)の表面に、200cmの面崎にわったて藍濃度1.6(X−Rite社製SpectroEye濃度計で計測)で均一に塗布されるように展色し、印刷物を作製した。なおRIテスターとは、紙やフィルムにインキを展色する試験機であり、インキの転移量や印圧を調整することが可能である。
〔UV−LEDランプ光源による硬化方法〕
短波として発光ダイオードの発光波長が200〜350nm未満の波長域を持つUV−LEDランプ光源を、長波として発光ダイオードの発光波長が350〜420nmの波長域を持つUV−LEDランプ光源を用いて、下記のX1〜X3の3方式によって照射を行った。
照射方式X1:短波+長波による2灯照射
照射方式X2:長波のみによる照射
照射方式X3:短波のみによる照射
〔インキ組成物の評価方法:硬化性〕
硬化性は、紫外線照射直後に爪スクラッチ法にて展色物表面の傷付きの有無を確認し次の4段階で評価した。爪で擦ってインキ硬化皮膜に傷が発生する組成では、印刷物の断裁や製函、輸送といった各工程において、印刷物が損傷し易くなる。
◎:硬化した塗膜に、全く傷が付かない。
○:硬化した塗膜に、うっすらと傷が付く。傷は基材まで到達しない。
△:硬化した塗膜に、傷が付く。傷は基材まで到達する。表面にべた付きない。
×:硬化した塗膜に、傷が付く。基材まで到達する。表面にべた付きあり。
Figure 2015163184
Figure 2015163184
Figure 2015163184
Figure 2015163184
表2〜5中の数値は重量%である。
表2〜5に示す諸原料及び略を以下に示す。
・Irgacure907:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノプロパン−1−オン、 BASF社製
・Irgacure369:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、 BASF社製
・DAROCUR TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、 BASF社製
・Irgacure184:1-ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、 BASF社製
・EAB−SS:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノール
・KY50:芳香族3級アミン増感剤、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、日本化薬株式会社製
実施例に述べる活性エネルギー線硬化型オフセットインキの硬化方法では、エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(I)と光重合開始剤(II)と発光波長の異なる発光ダイオードを2種以上組み合わることで充分な硬化性を保持することが出来る。

Claims (8)

  1. エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(I)と光重合開始剤(II)を含有する活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法であって、
    硬化に使用する光源が発光波長の異なる発光ダイオードを2種以上組み合わせたものであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法。
  2. 発光波長が200〜350nm未満の発光ダイオードと、350〜420nmの発光ダイオードを必須とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法。
  3. 前記光重合開始剤(II)が200〜350nm未満の吸収波長を持つ光重合開始剤(A)及び350〜420nmの吸収波長を持つ光重合開始剤(B)である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法。
  4. 前記光重合開始剤(A)が下記の(A)群から選ばれる少なくとも1種以上である請求項3記載の活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法。

    (A)α(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物、
    αモルフォリノアルキルフェノン化合物、
    アシルフォスフィンオキサイド化合物。
  5. 前記光重合開始剤(B)が下記の(B)群から選ばれる少なくとも1種以上である請求項3記載の活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法。

    (B)ヒドロキシアセトフェノン化合物、
    ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物を除くベンゾフェノン化合物、
    αヒドロキシアルキルフェノン化合物
  6. 更に光重合開始剤(III)として、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物及び/又はチオキサントン化合物を含有する請求項1〜5の何れかに記載の活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の活性エネルギー線硬化型インキの硬化方法に使用される活性エネルギー線硬化型インキであって、少なくとも下記光重合開始剤(A)及び(B)の群から各々選ばれる少なくとも1種以上を含有する活性エネルギー線硬化型インキ。
    (A)α(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物、
    αモルフォリノアルキルフェノン化合物、
    アシルフォスフィンオキサイド化合物。
    (B)ヒドロキシアセトフェノン化合物、
    ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物を除くベンゾフェノン化合物、
    αヒドロキシアルキルフェノン化合物
  8. 請求項7に記載の活性エネルギー線硬化型インキを用いて印刷した印刷物。
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