JPWO2015163148A1 - 骨付き肉の脱骨装置及び脱骨方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、人手による脱骨作業は多大な労力と時間を要しているので、この脱骨作業を機械を用いて自動化することで、作業員の労力を軽減し、作業時間を短縮することが望まれている。
肉部の歩留まりを良くするためには、前記切断工程でできるだけ胸側端部の骨部の近くで肉部を切断し、骨部に付着する肉部を少なくし肉部の歩留まりを良くする必要がある。
また、前記分離工程では、長手方向で太さが変化する骨部の曲面に沿うようにミートセパレータを柔軟に移動させ、大径の骨頭などが損傷して肉部に混じり、正肉の商品価値が低下するのを防止する必要がある。
また、脚部などの骨付き肉は夫々個体長が異なるが、特許文献1には、個体長の違いを考慮して前記一対の肉裂き爪の長手方向の移動量を変更するという技術思想は開示されていない。
少なくとも一端に骨頭を有する骨付き肉を把持するためのクランパと、
前記クランパに一方の端部が把持された前記骨付き肉に対し接近及び離隔可能であり、前記骨付き肉の被把持部近傍の肉部に周方向に切れ目を形成するための第1切断刃と、
前記クランパに把持された前記骨付き肉の切れ目に挿入可能な肉部剥離部材と、
前記肉部剥離部材が前記骨付き肉に弾性力を付加するように該肉部剥離部材を弾性的に支持する弾性支持部と、
前記クランパと前記肉部剥離部材との間隔を可変とする肉部剥離駆動部と、
前記クランパに把持された前記骨付き肉に対し接近及び離隔可能であり、前記骨付き肉の骨頭を含む他方の端部に付着した肉部を切断するための第2切断刃と、を備える。
即ち、第1切断刃で骨付き肉に切れ目を形成した後、上記肉部剥離部材で骨部から肉部を剥離させる。肉部剥離部材は骨付き肉に弾性力を付加して接するので、上記肉部剥離駆動部によって骨付き肉が上昇する際、肉部剥離部材が骨部に付着した骨膜や軟骨を損傷するおそれをなくし、かつ肉部を歩留まり良く分離できる。
また、肉部剥離部材は弾性的に支持されているので、骨付き肉の骨頭を含む他方の端部(以下「他方の端部」とも言う。)が大径であっても、他方の端部が肉部剥離部材間を通過する際、他方の端部に過大な力が加わらない。そのため、骨頭等を破損させるおそれがなく、これによって、骨片が肉部に混入して正肉の商品価値を低下させるおそれがなくなる。
上記タイミングの検知方法は、例えば、肉部剥離部材と第2切断刃とをリンク機構などにより連動させ、肉部剥離部材が他方の端部を通過する時の肉部剥離部材の動きに合わせて肉部剥離部材を動作させるようにする。
前記肉部剥離部材は、互いに接近及び離隔可能な一対の肉部剥離部材で構成され、
前記骨付き肉の脱骨装置は、
前記一対の肉部剥離部材の間隔を検出する検出部と、
前記一対の肉部剥離部材の間隔が閾値以下となった時、前記第2切断刃を前記骨付き肉に接近させて前記他方の端部に付着した肉部を切り離すための制御装置と、を備える。
骨頭を含む骨付き肉の他方の端部が一対の肉部剥離部材を通過するとき、肉部剥離部材間の間隔が最も大きくなり、他方の端部が通過した後、該間隔は小さくなる。
これによって、脱骨の自動化が可能になると共に、骨付き肉の個体長が異なっても、骨付き肉毎に切断タイミングを調整できるので、各骨付き肉の肉部の歩留まりを向上できる。
前記検出部は、近接センサ及び検出体とで構成され、
前記近接センサ又は前記検出体の一方が前記骨付き肉の脱骨装置の固定部に配置されると共に、他方が前記一対の肉部剥離部材のうち移動可能な肉部剥離部材に取り付けられ、
前記制御装置は、前記近接センサが前記検出体を検出した時又は検出しない時、前記一対の肉部剥離部材の間隔が前記閾値以下であることを判定するものである。
前記構成(3)によれば、前記検出部が近接センサ及び検出体で構成されているため、検出部を簡単かつ低コスト化できる。
前記弾性支持部は、前記一対の肉部剥離部材で前記骨付き肉に付加する弾性力を可変とするものであり、
前記制御装置は、
前記一対の肉部剥離部材の間隔が前記閾値以下となったとき、前記弾性力を第1弾性力とし、前記一対の肉部剥離部材の間隔が前記閾値を超えたとき、前記弾性力を前記第1弾性力より小さい第2弾性力とするように、前記弾性支持部を制御するものである。
即ち、一対の肉部剥離部材の間隔が閾値以下となる肉部剥離時及び肉部切断時に、比較的大きな第1弾性力を骨付き肉に付加することで、骨付き肉を安定支持する。これによって、肉部剥離及び肉部切断を確実に行うことができる。他方、骨頭が一対の肉部剥離部材間を通過するため一対の肉部剥離部材間の間隔が閾値を超える時に、第1弾性力より小さい第2弾性力を骨付き肉に付加することで、肉部剥離部材が骨部に付着した骨膜や軟骨を損傷するおそれをなくすことができる。これによって、骨片が肉部に混入して正肉の商品価値を低下させるおそれがなくなる。
前記弾性支持部は、
少なくとも一方の前記一対の肉部剥離部材を弾性的に支持するエアシリンダと、
前記エアシリンダに接続された主加圧空気供給路と、
前記主加圧空気供給路に設けられた三方弁と、
前記三方弁を介して前記主加圧空気供給路に切り替え可能に接続された2つの加圧空気供給路と、
前記2つの加圧空気供給路に夫々設けられた2つの圧力調整弁と、を備え、
前記制御装置は、
前記一対の肉部剥離部材の間隔が前記閾値以下となったとき、前記弾性力を前記第1弾性力とし、前記一対の肉部剥離部材の間隔が前記閾値を超えたとき、前記弾性力を前記第2弾性力とするように、前記三方弁を制御するものである。
前記クランパを回転軸を中心に回転させる回転駆動部をさらに備え、
前記クランパの円軌道に沿って、前記第1切断刃を有する切れ目形成部と、前記肉部剥離部材を有する肉部剥離部と、前記第2切断刃を有する骨肉分離部が配置される。
前記構成(6)によれば、前記クランパに吊下された骨付き肉を前記各処理部に順々に移動させることで、前記各処理部を固定した状態で配置できるため、各処理部の構成を簡単かつ低コスト化できると共に、処理効率を向上できる。
前記肉部剥離部は、
前記骨付き肉の骨部の軸方向中間位置まで肉部を剥離する第1肉部剥離部と、
前記骨付き肉の骨部の軸方向中間位置から前記他方の端部まで肉部を剥離する第2肉部剥離部とで構成される。
前記構成(7)によれば、骨付き肉が手羽元などの場合、第1肉部剥離部で骨付き肉を骨部の軸方向中間位置まで肉部を剥離した時点で、チューリップの製造が可能になる。さらに、第2肉部剥離部での処理を続行することで、肉部の完全分離が可能になる。即ち、チューリップの製造と肉部の完全分離とを選択できる。
前記第1肉部剥離部において、前記間隔を検出せず固定値を使用し、
前記骨肉分離部に前記第2肉部剥離部を配置する。
前記構成(8)によれば、第1肉部剥離部で検出部を削減でき、かつ骨肉分離部で第2肉部剥離部を兼用としても、新たな部品を追設する必要がない。そのため、脱骨装置の設備費を低減できる。
なお、第1肉部剥離部で閾値を固定値としても、骨付き肉の一方の端部から中間位置までの骨の太さは骨付き肉毎にさほど変わらないので、骨部の損傷や肉部の歩留まり低下を許容範囲に抑えることができる。
少なくとも一端に骨頭を有する骨付き肉をクランパに把持させるクランプ工程と、
前記クランパに一方の端部が把持された前記骨付き肉の被把持部近傍の肉部に周方向に切れ目を形成する切れ目形成工程と、
前記切れ目に挿入された肉部剥離部材で前記クランパと前記肉部剥離部材との間隔を広げ、前記骨付き肉の肉部を剥離させる肉部剥離工程と、
前記肉部剥離工程で、前記骨付き肉の骨頭を含む他方の端部が前記肉部剥離部材に達した時、前記他方の端部に付着した肉部を前記他方の端部から切り離す骨肉分離工程と、を備え、
前記肉部剥離工程において、前記肉部剥離部材が前記骨付き肉に弾性力を付加して接するように、弾性的に支持されている。
上記肉部剥離工程において、肉部剥離部材が骨付き肉に弾性力を付加した上記で接しているので、クランパに吊下された骨付き肉が上昇する際、肉部剥離部材が骨部に付着した骨膜や軟骨を損傷するおそれをなくし、かつ肉部を歩留まり良く分離できる。
また、肉部剥離部材は弾性的に支持されているので、骨付き肉の骨頭を含む他方の端部が太くても、他方の端部が肉部剥離部材を通過する際、他方の端部に過大な力が加わらない。そのため、骨頭等を破損させるおそれがなく、肉部の歩留まりを向上できると共に、骨片が肉部に混入して正肉の商品価値を低下させるおそれがなくなる。
さらに、前記肉部剥離工程では、他方の端部が肉部剥離部材の間を通過したタイミングで、第2切断刃で他方の端部に付着した肉部を他方の端部から切り離すため、個々の骨付き肉の個体長に違いがあっても、各骨付き肉の肉部の歩留まりを向上できる。
前記肉部剥離部材は、互いに接近及び離隔可能な一対の肉部剥離部材で構成され、
前記骨肉分離工程は、
前記一対の肉部剥離部材間の間隔を検出する検出ステップと、
前記一対の肉部剥離部材の間隔が閾値以下となった時、前記他方の端部に付着した肉部を切り離す骨肉分離ステップと、を含む。
前記方法(10)では、一対の肉部剥離部材間の間隔が閾値以上の状態から閾値以下となった時を骨付き肉の他方の端部が一対の肉部剥離部材を通過した時と判定し、上記第2切断刃を骨付き肉に接近させて肉部を骨部から切り離す。
これによって、骨付き肉の個体長が異なっても、骨付き肉毎に切断タイミングを調整できるので、個々の骨付き肉の歩留まりを向上できる。
前記肉部剥離工程は、
前記一対の肉部剥離部材の間隔が前記閾値以下となったとき、前記弾性力を第1弾性力とし、前記一対の肉部剥離部材の間隔が前記閾値を超えたとき、前記弾性力を前記第1弾性力より小さい第2弾性力とするものである。
即ち、一対の肉部剥離部材の間隔が閾値以下となる肉部剥離時及び肉部切断時に、比較的大きな第1弾性力を骨付き肉に付加することで、骨付き肉を安定支持する。これによって、肉部剥離及び肉部切断を確実に行うことができる。他方、骨頭が一対の肉部剥離部材間を通過するため一対の肉部剥離部材間の間隔が閾値を超える時に、第1弾性力より小さい第2弾性力を骨付き肉に付加することで、肉部剥離部材が骨部に付着した骨膜や軟骨を損傷するおそれをなくすことができる。これによって、骨片が肉部に混入して正肉の商品価値を低下させるおそれがなくなる。
前記骨付き肉は、食鳥屠体の手羽のうち本体に近い上方部分であって、食鳥屠体の肩部で胸部と分離され、かつ手羽先部が分離された部分(以下「手羽元」とも言う)を含む。
前記方法(12)によれば、手羽元の骨部を損傷させずに肉部を歩留まり良く分離できると共に、他方の端部の骨頭等を破損させるおそれがなく、骨片が肉部に混入して正肉の商品価値が低下するおそれがなくなる。また、個々の手羽元の個体長に違いがあっても、各手羽元の肉部の歩留まりを向上できる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
脱骨装置10Aは、骨付き肉tの一方の端部(例えば、手羽元であれば手羽中関節部)e1を把持するクランパ30を備え、骨付き肉tはクランパ30に吊下された状態で脱骨処理が施される。
脱骨装置10Aは、さらに、カッタユニット50(第1切断刃)と、ミートセパレータ52(肉部剥離部材)と、ミートセパレータ52を弾性的に支持する弾性支持部と、クランパ昇降駆動部38(肉部剥離駆動部)と、丸刃78(第2切断刃)と、を備えている。
ミートセパレータ52は、クランパ30に把持された骨付き肉tの切れ目cに挿入可能であり、クランパ昇降駆動部38はクランパ30とミートセパレータ52との間隔を可変とすることができる。ミートセパレータ52を切れ目cに挿入した状態で、クランパ昇降駆動部38によってクランパ30とミートセパレータ52との間隔を広げることで、肉部mを骨部bから剥離できる。
丸刃78は、クランパ30に把持された骨付き肉tに対し接近及び離隔可能であり、骨付き肉tの骨頭b1を含む他方の端部e2に付着した肉部mを切断する。
制御盤23は、骨付き肉tの他方の端部e2がミートセパレータ52に達したとき、丸刃78を作動させ、他方の端部e2に付着した肉部を切り離す。
制御盤23は、セパレータ間隔が閾値以下となった時、丸刃78を骨付き肉tに接近させ、他方の端部e2に付着した肉部mを切り離す。
制御盤23は、近接センサ70がドグ72を検出した時又は検出しない時、セパレータ間隔が閾値以下であることを判定し、丸刃78を骨付き肉tに接近させて端部e2に付着した肉部mを切り離す。
図示した実施形態では、図2に示すように、肉部剥離部Iは、第1肉部剥離部3stと第2肉部剥離部4stとで構成され、第1肉部剥離部3stで骨付き肉tの骨部bの軸方向中間位置(手羽元であれば関節部)まで肉部mを剥離し、第2肉部剥離部4stで該中間位置から他方の端部e2まで肉部mを剥離する。
図4〜図7に示すように、第1肉部剥離部3st及び第2肉部剥離部4stはミートセパレータ52を備え、セパレータ54,56で骨付き肉tの切れ目cを挟んだ状態でクランパ30を上昇させ、骨付き肉tの肉部mを剥離させる。また、可動セパレータ56が骨付き肉tに弾性力を付加して接するように、上記弾性支持部で可動セパレータ56を弾性的に支持する。
クランプ工程S10は、骨付き肉tの一方の端部e1をクランパ30に把持させる。
切れ目形成工程S12は、クランパ30に一方の端部e1が把持された骨付き肉tの被把持部近傍の肉部に周方向に切れ目cを形成する。
肉部剥離工程S14は、ミートセパレータ52で骨付き肉tの切れ目cを挟んだ状態でクランパ30とミートセパレータ52との間隔を広げ、骨付き肉tの骨部bから肉部mを剥離させる。例示的な実施形態では、クランパ昇降駆動部38によってクランパ30を上昇させ、ミートセパレータ52との間隔を広げる。
骨肉分離工程S16は、骨付き肉tの骨頭b1を含む他方の端部e2がミートセパレータ52を通過した時、他方の端部e2に付着した肉部mを他方の端部e2から切り離す。
肉部剥離工程S14では、ミートセパレータ52が骨付き肉tに弾性力を付加して接するように、少なくとも一方を弾性的に支持する。
例示的な実施形態では、図12に示すように、ミートセパレータ52は固定セパレータ54と可動セパレータ56とを有する一対のセパレータで構成される。そして、骨肉分離工程S16は、セパレータ間隔を検出する検出ステップS16aと、セパレータ間隔が閾値以下となった時、他方の端部e2に付着した肉部mを切り離す骨肉分離ステップS16bと、を含んでいる。
例示的な実施形態では、図13に示すように、肉部剥離工程S14は、第1肉部剥離工程S14aと第2肉部剥離工程S14bとを含んでいる。第1肉部剥離工程S14aでは、骨付き肉tの骨部bの軸方向中間位置(手羽元であれば関節部)まで肉部mを剥離し、第2肉部剥離工程S14bでは、該軸方向中間位置から他方の端部e2まで肉部mを剥離する。
上部基板20の一側で下部基板16上に制御盤23が収納された制御ボックス22が設けられている。下部基板16の中央には回転軸24が立設され、回転軸24の下端に円形板状の回転ベース26が結合されている。回転ベース26は下部基板16の下面近傍に水平に配置され、その外周縁部に周方向等間隔に6個の昇降軸28が垂下されている。各昇降軸28の下端にクランパ30が取り付けられている。架台12上に6個の処理部が円形にかつ等間隔に配置され、昇降軸28は処理部の数に合わせて設けられている。
また、上部基板20には、後述する投入部46を回転ベース26と同期させながら回転駆動する投入部モータ36が設けられている。
6個の処理部1st〜6stは支柱44の周囲に等間隔で円形に配置されている。クランパ30は凹部30aを有し、凹部30aで骨付き肉tの一方の端部e1を挟持する。凹部30aの開口は遮蔽バー30bで遮蔽される。遮蔽バー30bは制御盤23の指令を受けるクランパ開閉部30cによって動作する。
投入部1stには、円形の投入板48を有する投入装置46が設けられている。投入板48の周縁部には周方向に90°間隔で凹部48aが形成されている。凹部48aは骨付き肉tの端部e1近傍のくびれ部を挿入可能であり、かつ端部e1を係止可能な大きさを有している。
図3に示すように、丸刃50a、50aは水平方向に配置され、水平方向に移動してクランパ30に接近することで、クランプ位置直下の骨付き肉tに切れ目を形成できる高さに配置されている。丸刃50a、50a間の間隔はクランパ位置直下の骨付き肉tの肉部に切れ目を形成できる間隔を有している。
図4に示すように、固定セパレータ54の下方で支柱44に固定ブロック62が取り付けられ、固定ブロック62に支軸64が回動自在に支持され、可動セパレータ56はアーム58及び60を介して支軸64に結合される。支軸64にはアーム60に一定の相対角度を有するアーム66が取り付けられ、固定ブロック62とアーム66との間にエアシリンダ68が設けられている。可動セパレータ56はエアシリンダ68によって固定セパレータ54に接近する方向へ弾性力が付与される。
なお、アーム58はネジ部58aでアーム60に螺合し、アーム60との接続箇所を長手方向で調整可能になっている。
次に、制御盤23の指令でエアシリンダ68に圧縮空気の給排を行い、可動セパレータ56を後退させる。その後、クランパ30を第2肉部剥離部4stに移動させる。
セパレータ間隔が閾値以下では近接センサ70がドグ72を検出したオン信号を制御盤23に入力する。セパレータ間隔が閾値を上回ると、近接センサ70がドグ72を検出しないオフ信号を制御盤23に入力する。その他の構成は第1肉部剥離部3stの構成と同一である。
オフ信号が制御盤23に入力されると、制御盤23はクランパ30の上昇を停止させる。次に、制御盤23がエアシリンダ68を作動させて可動セパレータ56を後退させ、クランパ30は骨肉分離部5stに移動する。
次に、図9(B)に示すように、停止した骨付き肉tに丸刃78が接近し、他方の端部e2の骨部に付着した肉部mを骨部bから切り離す。
排出部6stでは、制御盤23の指令により遮蔽バー30bが作動し、凹部30aの開口が開放される。クランパ30に把持された骨部bが該開口から落下し、下方の架台12に設けられた排出ホッパ84に落ちる。骨部bは排出ホッパ84からさらにコンベア86に落ち、外部に運搬される。
また、可動セパレータ56は上記弾性支持部によって弾性的に支持されているので、他方の端部e2が大径であっても、他方の端部e2がセパレータ54,56間を通過する際、他方の端部e2に過大な力が加わらない。従って、骨頭b1等を破損させるおそれがなく、これによって、骨片が肉部mに混入して正肉の商品価値を低下させるおそれがなくなる。
さらに、骨肉分離部5stでは、他方の端部e2がセパレータ54,56間を通過したタイミングで、丸刃78で他方の端部e2に付着した肉部mを他方の端部e2から切り離すため、個体長が異なる個々の骨付き肉tに対して、個々の肉部の歩留まりを向上できる。
さらに、他方の端部e2がセパレータ54,56間を通過するタイミングを検出する検出部は、近接センサ70及びドグ72で構成されているので、検出手段を簡単かつ低コスト化できる。
なお、他方の端部e2がセパレータ54,56間を通過するタイミングは、制御盤23によらず検出することも可能である。例えば、セパレータ54,56と丸刃78とをリンク機構などにより連動させ、セパレータ54,56が他方の端部e2を通過する時のセパレータ54,56の動きに合わせて丸刃78を動作させるようにする。
また、肉部剥離部Iに設けられる弾性支持部は、エアシリンダ8又は圧縮バネ88で構成されているので、弾性支持部を簡単かつ低コスト化できる。
さらに、肉部剥離部Iを第1肉部剥離部3stと第2肉部剥離部4stとに分離したことで、骨付き肉tが手羽元である場合、第1肉部剥離部3stでの処理で、チューリップの製造が可能になる。あるいは、さらに、第2肉部剥離部4stで肉部mを骨部bから切り離すことで、肉部mの完全分離が可能になる。即ち、チューリップの製造と肉部mの完全分離とを選択できる。
即ち、肉部剥離部Iにおいて、制御盤23は、一対のセパレータ54及び56の間隔が閾値以下となったとき、骨付き肉tに付加する弾性力を第1弾性力F1とし、セパレータ54、56間の間隔が閾値を超えたとき、該弾性力を第1弾性力より小さい第2弾性力F2とするように、弾性支持部を制御する。
制御盤23は、セパレータ間隔が閾値以下となったとき、可動セパレータ56に付加する弾性力を第1弾性力F1とし、セパレータ間隔が閾値を超えたとき、可動セパレータ56に付加する弾性力を第2弾性力F2とするように、三方弁92を制御する。
加圧空気供給路94及び96は上流側で加圧空気供給路104に合流し、加圧空気供給路102及び104は、切替え弁106を介して加圧空気供給源108に接続している。
加圧空気供給路94を通る加圧空気は、圧力調整弁98によって加圧空気供給路96より高い圧力に設定されている。加圧空気供給路94を介して空気室p1に加圧空気が供給されたときに可動セパレータ56に第1弾性力F1が付加される。加圧空気供給路96を介して加圧空気が空気室p1に供給されたときに可動セパレータ56に付加される第2弾性力F2は、F1より小さい。
回転軸24を中心に円軌道を描くクランパ30の位置をエンコーダ(不図示)で検出し、制御盤23はクランパ30の位置に応じて、即ち、クランパ30がどの処理部に位置しているかで切替え弁106を切り替え、空気室p1又はP2に選択的に加圧空気を供給する。
図15(A)は、第1肉部剥離部3stで骨肉分離開始時期を示し、セパレータ54,56は一方の端部e1の近傍位置を挟む。このとき、セパレータ間隔は閾値以下であり、骨付き肉tに第1弾性力F1が付加される。
図15(B)は、クランパ30の上昇が始まり、セパレータ54,56が接する骨部bが太くなり、クランパ30の上昇の後半でセパレータ間隔が閾値を超え、可動セパレータ56に第2弾性力F2が付加される。
図15(C)は、第2肉部剥離部4stにおいて、セパレータ54,56が接する骨部bがさらに太くなり、第2弾性力F2が付加され続ける。
図15(D)は、他方の端部e2がセパレータ54,56間を通過することで、セパレータ間隔が閾値以下となり、可動セパレータ56に第1弾性力F1が付加される。
図15(E)は、骨肉分離部5stにおいて、可動セパレータ56に第1弾性力F1が付加された状態で、丸刃78によって他方の端部e2から肉部mが切り離され、肉部mは排出ホッパ80に落下する。
他方、セパレータ間隔が閾値を超える肉部引き剥がし時に、第1弾性力F1より小さい第2弾性力F2を骨付き肉tに付加することで、骨折れをなくし、かつ骨部bの骨膜や軟骨を損傷するおそれをなくすことができる。これによって、骨片が肉部mに混入して正肉の商品価値を低下させるおそれをなくすことができる。
また、簡単かつ低コストな構成で、脱骨装置の稼働中に、セパレータ54,56によって骨付き肉tに付加する弾性力を2段階に変更できる。
図16に示すように、脱骨装置10Bは、切れ目形成部2stを脱骨装置10Aの第1肉部剥離部3stに配置し、第1肉部剥離部3stを脱骨装置10Aの第2肉部剥離部4stに配置し、骨肉分離部5stを脱骨装置10Aの第2肉部剥離部4stを兼ねた骨肉分離部とする。
即ち、脱骨装置10Bの骨肉分離部5stでは、図13に示す第2肉部剥離工程S14bと、図11に示す骨肉分離工程S16とを行う。
一方、第2肉部剥離部4stでは、脱骨装置10Aと同様に、骨付き肉毎に近接センサ70でセパレータ間隔を検出する。
また、第1肉部剥離部3stで閾値を固定値としても、一方の端部e1から中間位置までの骨の太さは骨付き肉毎にさほど変わらないので、骨部bの損傷や肉部mの歩留まり低下を許容範囲に抑えることができる。
12 架台
22 制御ボックス
23 制御盤
24 回転軸
26 回転ベース
28 昇降軸
30 クランパ
32 メインモータ
34、76 動力伝達部
36 投入部モータ
38 クランパ昇降駆動部
40 ガイド溝
42 ローラ
44 支柱
46 投入装置
48 投入板
50 カッタユニット(第1切断刃)
50a 丸刃
52 ミートセパレータ(肉部剥離部材)
54 固定セパレータ
56 可動セパレータ
58、60、66 アーム
58a ネジ部
62 固定ブロック
64 支軸
68 エアシリンダ
70 近接センサ(検出部)
72 ドグ(検出体)
73 切断機構
74 モータボックス
78 丸刃(第2切断刃)
80、84 排出ホッパ
82、86 コンベア
88 圧縮バネ
90 主加圧空気供給路
92 三方弁
94,96 加圧空気供給路
98,100,102,104 圧力調整弁
106 切替え弁
108 加圧空気供給源
1st 投入部
2st 切れ目形成部
3st 第1肉部剥離部
4st 第2肉部剥離部
5st 骨肉分離部
6st 排出部
F1 第1弾性力
F2 第2弾性力
I 肉部剥離部
b 骨部
c 切れ目
e1 一方の端部
e2 他方の端部
m 肉部
p1、p2 空気室
t 骨付き肉
さらに、他方の端部e2がセパレータ54,56間を通過するタイミングを検出する検出部は、近接センサ70及びドグ72で構成されているので、検出手段を簡単かつ低コスト化できる。
また、肉部剥離部Iに設けられる弾性支持部は、エアシリンダ8又は圧縮バネ88で構成されているので、弾性支持部を簡単かつ低コスト化できる。
Claims (12)
- 少なくとも一端に骨頭を有する骨付き肉を把持するためのクランパと、
前記クランパに一方の端部が把持された前記骨付き肉に対し接近及び離隔可能であり、前記骨付き肉の被把持部近傍の肉部に周方向に切れ目を形成するための第1切断刃と、
前記クランパに把持された前記骨付き肉の切れ目に挿入可能な肉部剥離部材と、
前記肉部剥離部材が前記骨付き肉に弾性力を付加するように該肉部剥離部材を弾性的に支持する弾性支持部と、
前記クランパと前記肉部剥離部材との間隔を可変とする肉部剥離駆動部と、
前記クランパに把持された前記骨付き肉に対し接近及び離隔可能であり、前記骨付き肉の骨頭を含む他方の端部に付着した肉部を切断するための第2切断刃と、を備えることを特徴とする骨付き肉の脱骨装置。 - 前記肉部剥離部材は、互いに接近及び離隔可能な一対の肉部剥離部材で構成され、
前記骨付き肉の脱骨装置は、
前記一対の肉部剥離部材の間隔を検出する検出部と、
前記一対の肉部剥離部材の間隔が閾値以下となった時、前記第2切断刃を前記骨付き肉に接近させて前記他方の端部に付着した肉部を切り離すための制御装置と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の骨付き肉の脱骨装置。 - 前記検出部は、近接センサ及び検出体とで構成され、
前記近接センサ又は前記検出体の一方が前記骨付き肉の脱骨装置の固定部に配置されると共に、他方が前記一対の肉部剥離部材のうち移動可能な肉部剥離部材に取り付けられ、
前記制御装置は、前記近接センサが前記検出体を検出した時又は検出しない時、前記一対の肉部剥離部材の間隔が前記閾値以下であることを判定するものであることを特徴とする請求項2に記載の骨付き肉の脱骨装置。 - 前記弾性支持部は、前記一対の肉部剥離部材で前記骨付き肉に付加する弾性力を可変とするものであり、
前記制御装置は、
前記一対の肉部剥離部材の間隔が前記閾値以下となったとき、前記弾性力を第1弾性力とし、前記一対の肉部剥離部材の間隔が前記閾値を超えたとき、前記弾性力を前記第1弾性力より小さい第2弾性力とするように、前記弾性支持部を制御するものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の骨付き肉の脱骨装置。 - 前記弾性支持部は、
少なくとも一方の前記一対の肉部剥離部材を弾性的に支持するエアシリンダと、
前記エアシリンダに接続された主加圧空気供給路と、
前記主加圧空気供給路に設けられた三方弁と、
前記三方弁を介して前記主加圧空気供給路に切り替え可能に接続された2つの加圧空気供給路と、
前記2つの加圧空気供給路に夫々設けられた2つの圧力調整弁と、を備え、
前記制御装置は、
前記一対の肉部剥離部材の間隔が前記閾値以下となったとき、前記弾性力を前記第1弾性力とし、前記一対の肉部剥離部材の間隔が前記閾値を超えたとき、前記弾性力を前記第2弾性力とするように、前記三方弁を制御するものであることを特徴とする請求項4に記載の骨付き肉の脱骨装置。 - 前記クランパを回転軸を中心に回転させる回転駆動部をさらに備え、
前記クランパの円軌道に沿って、前記第1切断刃を有する切れ目形成部と、前記肉部剥離部材を有する肉部剥離部と、前記第2切断刃を有する骨肉分離部が配置されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の骨付き肉の脱骨装置。 - 前記肉部剥離部は、
前記骨付き肉の骨部の軸方向中間位置まで肉部を剥離する第1肉部剥離部と、
前記骨付き肉の骨部の軸方向中間位置から前記他方の端部まで肉部を剥離する第2肉部剥離部とで構成されることを特徴とする請求項6に記載の骨付き肉の脱骨装置。 - 前記第1肉部剥離部において、前記間隔を検出せず固定値を使用し、
前記骨肉分離部に前記第2肉部剥離部を配置することを特徴とする請求項7に記載の骨付き肉の脱骨装置。 - 少なくとも一端に骨頭を有する骨付き肉をクランパに把持させるクランプ工程と、
前記クランパに一方の端部が把持された前記骨付き肉の被把持部近傍の肉部に周方向に切れ目を形成する切れ目形成工程と、
前記切れ目に挿入された肉部剥離部材で前記クランパと前記肉部剥離部材との間隔を広げ、前記骨付き肉の肉部を剥離させる肉部剥離工程と、
前記肉部剥離工程で、前記骨付き肉の骨頭を含む他方の端部が前記肉部剥離部材に達した時、前記他方の端部に付着した肉部を前記他方の端部から切り離す骨肉分離工程と、を備え、
前記肉部剥離工程において、前記肉部剥離部材が前記骨付き肉に弾性力を付加して接するように、弾性的に支持されていることを特徴とする骨付き肉の脱骨方法。 - 前記肉部剥離部材は、互いに接近及び離隔可能な一対の肉部剥離部材で構成され、
前記骨肉分離工程は、
前記一対の肉部剥離部材間の間隔を検出する検出ステップと、
前記一対の肉部剥離部材の間隔が閾値以下となった時、前記他方の端部に付着した肉部を切り離す骨肉分離ステップと、を含むことを特徴とする請求項9に記載の骨付き肉の脱骨方法。 - 前記肉部剥離工程は、
前記一対の肉部剥離部材の間隔が前記閾値以下となったとき、前記弾性力を第1弾性力とし、前記一対の肉部剥離部材の間隔が前記閾値を超えたとき、前記弾性力を前記第1弾性力より小さい第2弾性力とするものであることを特徴とする請求項10に記載の骨付き肉の脱骨方法。 - 前記骨付き肉は、食鳥屠体の手羽のうち本体に近い上方部分であって、食鳥屠体の肩部で胸部と分離され、かつ手羽先部が分離された部分を含むことを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載の骨付き肉の脱骨方法。
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