JPWO2015156072A1 - 直動装置、ボールねじ装置、直動装置の防錆方法及び防錆剤除去方法 - Google Patents

直動装置、ボールねじ装置、直動装置の防錆方法及び防錆剤除去方法 Download PDF

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Abstract

直動装置(1)の出荷時に、第1の部材(2)と第2の部材(4)との間に防錆用グリースが充填されており、シール部材(6)は、自動給油方式によって供給される潤滑用グリースが、防錆用グリースをシール部材(6)と第2の部材(4)との間を通して第1の部材(2)の外へ押し出すことを許すように構成することにより、設置前の防錆油の処理にかかる時間と労力を軽減して、生産効率の向上を図る直動装置、ボールねじ装置、直動装置の防錆方法及び防錆剤除去方法を提供する。

Description

本発明は、半導体製造装置、圧縮成形機、射出成形機、あるいは一般搬送装置等に使用されるボールねじ装置、リニアガイド装置などの直動装置、直動装置の防錆方法及び防錆用グリースの除去方法に関する。
直動装置とは、第1の部材と、第2の部材と、第1の部材と第2の部材との間に介在し、第2の部材と第1の部材とを低摩擦で相対移動可能にする転動体とを備えた装置をいう。直動装置としては、例えば、ボールねじ装置、リニアガイド装置がある。
ボールねじ装置は、ナットの内周面とねじ軸の外周面に螺旋状にボール転動溝が形成され、前記ナットに前記ねじ軸が挿入されたときに生じるナットとねじ軸との間のボール転動溝に多数のボールが収容され、前記ナットと前記ねじ軸の相対回転に伴なって前記ボールが転動し、かつ、前記ナットのボール転動溝を循環するように構成されている。
リニアガイド装置も、スライダと該スライダを案内するレールの双方にボール転動溝が形成され、前記スライダと前記レールの間の部位のボール転動溝に多数のボールが収納され、前記スライダの移動に伴なって前記ボールが転動し、かつ前記スライダに設けたボール戻し通路とボール転動溝との間をボールが循環する。
近年、直動装置においては、機械的にグリースを供給する自動給油方式が採用されることが多くなってきている。自動給油方式を採用すると、グリースの潤滑状態が常に良好になり、作業の手間が少なくて作業効率も良くなる。このように、生産現場においては、生産の無駄な作業時間を少しでも削減して、生産効率を上げる取り組みが行なわれている。
ところで、特許文献1には、40℃において、8〜180mm/Sの動粘度を有する鉱油及び合成炭化水素から選ばれた少なくとも1種の基油70〜80重量%と、C12〜C 24の高級ヒドロキシ脂肪酸のリチウム塩及びC12〜C24の高級脂肪酸のリチウム塩から成る増ちょう剤20〜30重量%とを含有する潤滑用グリースを封入したボールねじ装置が開示されている。
また、この特許文献1では、動的環境下における潤滑性能については、不混和ちょう度を190〜250(25℃)の範囲内とすることが望ましく、不混和ちょう度が190未満では流動性が低すぎて回転トルクが大きくなり、250を越えると軟らか過ぎて発塵量が多くなると開示されているが、使用前の防錆時等の静的環境下におけるグリース性能については検討がなされていない。
特開平8−270747号公報 特開平10−2396号公報
例えば、ボールねじ装置は、顧客に納品するまでの一定期間に錆が発生しないよう、外表面に防錆油が塗布され、ナットの中には、防錆用油が充填されている。この防錆油は、塗布するだけで外気を遮断することができるため、処置が簡単で作業性が良いというメリットがある。
しかしながら、防錆油が塗布・充填された状態のボールねじ装置が納品されると、作業員が白灯油等を用いて防錆油を洗浄し、その後、潤滑用のグリース(以後、潤滑用グリースと言う)を充填して使用しなければならない。したがって、これらの作業に時間と労力がかかり、上述の生産効率を上げる取り組みを阻害するという問題がある。特に、ナットの中の防錆油を洗い流すのは難しく、ボールねじに傷が付かないように丁寧に取り扱わなければならないため、時間と労力を要する。
特許文献2のような洗浄装置を用いて洗浄する場合にも、大がかりな洗浄装置をボールねじ装置に装着して行わなければならず、さらに洗浄後にグリースを隅々まで充填するのにも多大な時間と労力がかかり、生産効率の低下を招くといった問題がある。
また、リニアガイド装置などの他の直動装置においても、ボールねじ装置と同様に装置設置前の防錆油の処理に時間と労力を要するといった問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、装置設置前の防錆油の処理にかかる時間と労力を軽減して、生産効率の向上を図る直動装置、ボールねじ装置、直動装置の防錆方法及び防錆剤除去方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、第1の部材と、
前記第1の部材上に相対移動可能に取付けられた第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材の間に介在した転動体と、
前記第2の部材の両端部に取付けられ、前記第1の部材との隙間を覆うシール部材と、を備え、
自動給油方式によって潤滑用グリースが供給される直動装置において、
前記直動装置の出荷時に、前記第1の部材と前記第2の部材との間に防錆用グリースが充填されており、
前記シール部材は、前記自動給油方式によって供給される前記潤滑用グリースが、前記防錆用グリースを前記シール部材と前記第1の部材との間を通して前記第2の部材の外へ押し出すことを許すことを特徴とする直動装置を提供する。
好ましくは、前記防錆用グリースは、混和ちょう度が310から340までの範囲内にある。
また、好ましくは、前記第2の部材には、前記第1の部材と前記第2の部材との間に防錆用グリース及び潤滑用グリースを充填するためのグリース供給口が設けられている。
また、好ましくは、前記潤滑用グリースは、混和ちょう度が445から475の範囲内にある。
また、上記課題を解決するために本発明は、ねじ軸と、
複数のボールを介して前記ねじ軸に取り付けられたナットと、
前記ナットに固定され、前記ねじ軸と接触して前記防錆用グリースを封止するシール部材と、を備え、
自動給油方式によって潤滑用グリースが供給されるボールねじ装置において、
前記ボールねじ装置の出荷時において、前記ねじ軸と前記ナットとの間に防錆用グリースが充填されており、
前記シール部材は、前記自動給油方式によって供給される前記潤滑用グリースが、前記防錆用グリースを前記シール部材と前記ねじ軸との間を通して前記ナットの外へ押し出すことを許すことを特徴とするボールねじ装置を提供する。
好ましくは、前記防錆用グリースは、混和ちょう度が310から340までの範囲内にある。
また、好ましくは、前記ナットには、前記ねじ軸と前記ナットとの間に防錆用グリース及び潤滑用グリースを充填するためのグリース供給口が設けられている。
また、好ましくは、前記潤滑用グリースは、混和ちょう度が445から475の範囲内にある。
また、上記課題を解決するために本発明は、第1の部材と、
前記第1の部材上に相対移動可能に取付けられた第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材の間に介在した転動体と、
前記第2の部材の両端部に取付けられ、前記第1の部材との隙間を覆うシール部材と、を備え、
自動給油方式によって潤滑用グリースが供給される直動装置の防錆方法において、
前記自動給油方式によって供給される前記潤滑用グリースが、前記第1の部材と前記第2の部材との間に充填される防錆用グリースを、前記シール部材と前記第1の部材との間を通して前記第2の部材の外へ押し出すことを許すように、前記シール部材を前記第2部材の両端部に取付け、
前記直動装置の出荷前に、前記第1の部材と前記第2の部材との間に防錆用グリースを充填することを特徴とする直動装置の防錆方法を提供する。
好ましくは、前記防錆用グリースは、混和ちょう度が310から340までの範囲内にある。
また、好ましくは、前記第2の部材には、前記第1の部材と前記第2の部材との間に防錆用グリース及び潤滑用グリースを充填するためのグリース供給口が設けられている。
また、好ましくは、前記潤滑用グリースは、混和ちょう度が445から475の範囲内にある。
また、上記課題を解決するために本発明は、第1の部材と、
前記第1の部材上に相対移動可能に取付けられた第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材の間に介在した転動体と、
前記第2の部材の両端部に取付けられ、前記第1の部材との隙間を覆うシール部材と、を備え、
自動給油方式によって潤滑用グリースが供給される直動装置の防錆剤除去方法において、
前記自動給油方式によって供給される潤滑用グリースによって、前記第1の部材と前記第2の部材の間に充填された防錆用グリースを、前記シール部材と前記第1の部材との間を通して前記第2の部材の外へ押し出すことを特徴とする直動装置の防錆剤除去方法を提供する。
好ましくは、前記防錆用グリースは、混和ちょう度が310から340までの範囲内にある。
また、好ましくは、前記ナットには、前記ねじ軸と前記ナットとの間に防錆用グリース及び潤滑用グリースを充填するためのグリース供給口が設けられている。
また、好ましくは、前記潤滑用グリースは、混和ちょう度が445から475の範囲内にある。
本発明によれば、装置設置前の防錆油の処理にかかる時間と労力を軽減して、生産効率の向上を図る直動装置、ボールねじ装置、直動装置の防錆方法及び防錆剤除去方法を提供することができる。
図1は本発明の第1実施形態に係るボールねじ装置の構成を示す部分断面図である。 図2は本発明の第1実施形態に係るボールねじ装置の出荷から稼動に至るまでの工程を示した工程図である。 図3は本発明の第2実施形態に係るボールねじ装置の構成を示す部分断面図である。 図4は従来のボールねじ装置の出荷から稼動に至る工程を示した工程図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る直動装置としてのボールねじ装置を図1を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るボールねじ装置1の構成を示す部分断面図である。図1に示すように、ボールねじ装置1は、ねじ軸2と、ねじ軸2に複数のボール3を介して取り付けられたナット4とを有している。
ねじ軸2は、細長い円柱形状の金属製部材からなり、このねじ軸2の外周面には、断面が略円弧形状のねじ溝2aが螺旋状に形成されている。
ナット4は、ねじ軸2の外径よりも大きな円形の貫通孔が形成された略円筒形状をしており、金属材料から成形されている。ナット4の内周面には、ねじ軸2のねじ溝2aに対応するように、断面が略円弧形状のねじ溝4aが螺旋状に形成されている。
ねじ軸2はナット4の上記貫通孔に通されており、互いのねじ溝2a、4aが対向してボール3の転動路を形成している。この転動路内には、金属製の複数のボール3が装填されており、これによってねじ軸2とナット4は結合している。
ナット4の両端の開口部には円形に凹部9が形成され、この凹部9にリング形状のシール部材6が嵌め込まれている。このシール部材6の内周面がねじ軸2の外周面及びねじ溝2aの面に摺接することによりナット4とねじ軸2との間に異物が侵入しないように構成されている。ナット4のフランジ部4bにはグリース供給口8が設けられている。
ボールねじ装置1は、いわゆるコマ循環式のボールネジ装置である。ナット4には、転動したボール3を転動路の所定の地点まで送り戻すための循環用部品として複数のコマ7が備えられている。このコマ7は、ナット4に径方向へ貫通した取り付け孔5に嵌め込まれている。コマ7は、Fe−2Ni−CやFe−8Ni等の金属材料を用いた焼結品や樹脂材料から形成することができる。
上記構成により、ボールネジ装置1は、ナット4の回転を防ぎながらねじ軸2を回転させることで、複数のボール3が転動路内を転動し、ナット4を軸方向へ移動させることができる。上記転動路を転動する複数のボール3は、ねじ軸2の周りを約一周すると、コマ7によって再度転動路の元の位置に戻されるという循環をするように構成されている。
ボールねじ装置1は、使用前の静的環境下において、防錆用グリースがナット4とねじ軸2との間に充填されている。また、ナット4とネジ軸2の外表面には防錆グリース又は防錆油が塗布されている。これにより使用前の期間において、ネジ軸2と、ボール3と、ナット4に錆びが発生するのを防ぐことができる。ナット4とねじ軸2との間への防錆用グリースの充填は、ナット4のグリース供給口8から行う。防錆用グリースは、室温環境である25℃において混和ちょう度範囲が310〜340のちょう度番号1号のものを用いる。
ボールねじ装置1の使用時においては、室温環境である25℃において混和ちょう度範囲が445〜475のちょう度番号000号の潤滑用グリースを自動給油方式によりグリース供給口8から供給する。使用開始時において、防錆用グリースは、潤滑用グリースによって押され、ナット4両端のシール部材6とねじ軸2との間の僅かな隙間10から徐々に排出されて、防錆用グリースが潤滑用グリースに入れ替わる。
このように、本発明では、防錆用グリースとして、混和ちょう度範囲310〜340(室温25℃)の、軟らかいものを使用しているので、潤滑用グリースの自動給油によって自動的に押し出されることが可能となっている。一方で、防錆用グリースは潤滑用グリースよりもちょう度を低くしており、潤滑用グリースよりも流動性が低く付着力が強いため、漏出しにくく、外気を遮断し、防錆効果を発揮することができる。
防錆用グリースの潤滑用グリースとの違いはちょう度のみで潤滑性に変わりはないので、防錆用グリースが若干装置1内に残っても問題ない。このため、防錆用グリースの洗浄作業をする必要がなくなり、ボールねじ装置1の設置作業時間が短縮化されるので、生産効率を向上させることができる。
上記シール部材6は、潤滑用グリースの自動給油によって防錆用グリースが自動的に押し出されることが可能な構成を有している。すなわち、ねじ軸2の外周面及びねじ溝2aの面に対するシール部材6の内周面の圧接力が強いと、防錆用グリースが押し出されにくくなるし、圧接力が弱いとシール性が低下することになるので、この圧接力は適度に調整する。
図4を参照して、従来のボールねじ装置の製造から稼動開始までの工程を説明する。
従来のボールねじ装置はメーカにおける製造工程S1を経た後、出荷前に防錆油塗布工程S2でボールねじナットの内部、具体的には前記ナットとねじ軸との間のボールねじ転動溝内に防錆油を塗布するとともに、ボールねじ軸の外周面にも防錆油を塗布し、ユーザ側に渡されるまでの間に錆付き等が発生しないように管理される。
この状態で出荷(工程S3)され、ボールねじ装置がユーザ側に引き渡された後、ユーザ側では防錆油の洗浄がなされる(工程S4)。この洗浄はユーザ側の作業者が手作業で液剤を用いて洗浄するか、あるいは洗浄装置による自動洗浄が行われるが、いずれもこの洗浄には時間および費用や手数などコストのかかる作業となる。
洗浄完了後、グリース塗布工程S5において、ちょう度番号000号の潤滑用グリース(混和ちょう度範囲445〜475、25°C)をナットとねじ軸のボール転動溝に塗布し、対象とする機械装置に組み込み、稼働を開始する。
図2を参照して、本実施形態に係るボールねじ装置の製造から稼動開始までの工程を説明する。
まず、メーカによる本体の製造工程S10の後、ボールねじ装置1の組立段階でちょう度番号1号の防錆用グリース(混和ちょう度範囲310〜340、25°C)をナットとねじ軸の間に充填する(防錆用グリース塗布工程S11)。この防錆用グリースは流動性が低く、かつ付着力が強いため、外気を遮断し、充分な防錆効果を果たすとともに、潤滑性は潤滑用グリース(ちょう度番号000号の潤滑用グリース、混和ちょう度範囲445〜475、25°C)と同等である。
ボールネジ装置1はこの状態でメーカから出荷され(工程S12)、ユーザに引き渡される。
ユーザ側では防錆用グリースの洗浄を行うことなく、潤滑用グリース(ちょう度番号000号の潤滑用グリース、混和ちょう度範囲445〜475、25°C)の自動給油がなされる(グリース給油工程S13)。前の防錆用のグリースは、この潤滑用グリースの自動給油により、ナット4両端(両端のシールの隙間10)から押し出されて排出される。一定時間後に、このボールねじ装置のグリースは潤滑用グリースに切り替わり、稼働状態となる。
ここで、上述の防錆用グリースと潤滑用グリースはちょう度番号が異なるのみで潤滑性に大きな違いはないため、潤滑用グリースの自動給油と同時にボールねじ装置の稼働に入ることができる。つまり、防錆用グリースを塗布した状態で直ちに稼働でき、洗浄時間がなく、生産性の向上が図れる。言い換えれば、ユーザ側では製品を受け取った後、洗浄を行わずに直ちに潤滑用グリースの自動給油とボールねじ装置の稼働を行うことができ、ボールねじ装置の設置作業の時間短縮、生産効率の向上に大きく寄与できる。
(第2実施形態)
本願の第2実施形態に係る直動装置としてのリニアガイド装置21を図3を参照しつつ説明する。図3は、本願の第2実施形態に係るリニアガイド装置21を示す斜視図である。
図3に示すように、本願の第2実施形態に係るリニアガイド装置21は、細長い四角柱状の案内レール22と、案内レール22を跨いで、案内レール22の長手方向に相対移動可能に跨嵌したスライダ23とから構成されている。図3においては、案内レール22を被取付部26に取り付けた状態を示している。
案内レール22は金属製で、図3に示すZ軸方向に貫通したボルト穴29が複数形成されている。案内レール22の長さは用途に応じて適宜調整することができる。案内レール22には、X軸方向に延びる断面略円弧状の角部転動溝27a、27b及び側部転動溝28a、28bが形成されている。側部転動溝28a、28bの底部には逃げ溝が形成されている。案内レール22は、ボルト穴29内に挿通されたボルト215によって被取付部26に固定されている。角部転動溝27a、27b及び側部転動溝28a、28bは、スライダ23に形成された不図示の転動溝とともに不図示の転動路が転動する転動路を形成する。
スライダ23は、金属製のスライダ本体23aと、スライダ本体23aの滑走方向の前後に取り付けられたエンドキャップ24a、24bと、エンドキャップ24a、24bを介してスライダ本体23に取り付けられたサイドシール25a、25bと、から構成されている。
サイドシール25a、25bは、弾性体からなり、スライダ本体23と案内レール22との間に充填されたグリースの漏出を防ぎ、また、スライダ本体23と案内レール22との間に異物が侵入するのを防ぐ。サイドシール25a、25bには貫通孔210a、210b(210bは不図示)が形成されており、貫通孔210a、210bを通してエンドキャップ24a、24bに形成された注入口から潤滑用グリースを注入することができる。
リニアガイド装置21は、使用前の静的環境下において、防錆用グリースがスライダ23と案内レール22との間に充填されている。また、スライダ23と案内レール22の外表面には防錆グリース又は防錆油が塗布されている。これにより使用前の期間において、案内レール22と、転動体と、スライダ23に錆びが発生するのを防ぐことができる。スライダ23と案内レール22の間への防錆用グリースの充填は、貫通孔210a、210bから行う。防錆用グリースは、室温環境である25℃において混和ちょう度範囲が310〜340のちょう度番号1号のものを用いる。
リニアガイド装置21の使用時においては、室温環境である25℃において混和ちょう度範囲が445〜475のちょう度番号000号の潤滑用グリースを自動給油方式により貫通孔210a、210bから供給する。使用開始時において、防錆用グリースは、潤滑用グリースによって押され、サイドシール25a、25bと案内レール22との間の僅かな隙間から徐々に排出されて、防錆用グリースが潤滑用グリースに入れ替わる。
このように、本発明によれば、リニアガイド装置においても、上記ボールねじ装置と同様の効果を得ることができる。
本第2実施形態においても、上記第1実施形態において図2を用いて説明した製造から稼動開始までの工程と同様の工程を採用することができる。即ち、リニアガイド装置21の製造(工程S10)の後、所定の防錆用グリースを塗布及び充填し(工程S11)、リニアガイド装置21を出荷し(工程S12)、ユーザーが所定の潤滑用グリースを自動給油し(工程S13)、稼動を開始する(工程S14)。この工程においては、防錆用グリースの洗浄作業が無く、リニアガイド装置を設置するための作業時間が短縮され、生産効率の向上が図れる。
以上、本発明の理解を容易にするために具体的な実施形態の説明を行ったが、本発明は上記実施形態に限られず、種々の変更、改良が可能である。
例えば、上記実施形態のボールねじ装置1のボール循環方式については、コマ7を用いたコマ式について説明したが、これに限らず、チューブ式、エンドデフレクタ式、あるいはエンドキャップ式であっても良い。
以上のように、本発明によれば、設置前の防錆油の処理にかかる時間と労力を軽減して、生産効率の向上を図る直動装置、ボールねじ装置、直動装置の防錆方法及び防錆剤除去方法を提供することができる。
1 ボールねじ装置
2 ねじ軸
2a ねじ溝
3 ボール
4 ナット
4a ねじ溝
4b フランジ部
5 取り付け孔
6 シール部材
7 コマ
8 グリース供給口
9 凹部
10 隙間
21 リニアガイド装置
22 案内レール
23 スライダ
23a スライダ本体
24a、24b エンドキャップ
25a、25b サイドシール
26 被取付部
27a、27b 角部転動溝
28a、28b 側部転動溝
29 ボルト穴
210a 貫通孔
215 ボルト

Claims (16)

  1. 第1の部材と、
    前記第1の部材上に相対移動可能に取付けられた第2の部材と、
    前記第1の部材と前記第2の部材の間に介在した転動体と、
    前記第2の部材の両端部に取付けられ、前記第1の部材との隙間を覆うシール部材と、を備え、
    自動給油方式によって潤滑用グリースが供給される直動装置において、
    前記直動装置の出荷時に、前記第1の部材と前記第2の部材との間に防錆用グリースが充填されており、
    前記シール部材は、前記自動給油方式によって供給される前記潤滑用グリースが、前記防錆用グリースを前記シール部材と前記第1の部材との間を通して前記第2の部材の外へ押し出すことを許すことを特徴とする直動装置。
  2. 前記防錆用グリースは、混和ちょう度が310から340までの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の直動装置。
  3. 前記第2の部材には、前記第1の部材と前記第2の部材との間に防錆用グリース及び潤滑用グリースを充填するためのグリース供給口が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の直動装置。
  4. 前記潤滑用グリースは、混和ちょう度が445から475の範囲内にあることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の直動装置。
  5. ねじ軸と、
    複数のボールを介して前記ねじ軸と取り付けられたナットと、
    前記ナットに固定され、前記ねじ軸と接触して前記防錆用グリースを封止するシール部材と、を備え、
    自動給油方式によって潤滑用グリースが供給されるボールねじ装置において、
    前記ボールねじ装置の出荷時において、前記ねじ軸と前記ナットとの間に防錆用グリースが充填されており、
    前記シール部材は、前記自動給油方式によって供給される前記潤滑用グリースが、前記防錆用グリースを前記シール部材と前記ねじ軸との間を通して前記ナットの外へ押し出すことを許すことを特徴とするボールねじ装置。
  6. 前記防錆用グリースは、混和ちょう度が310から340までの範囲内にあることを特徴とする請求項5に記載のボールねじ装置。
  7. 前記ナットには、前記ねじ軸と前記ナットとの間に防錆用グリース及び潤滑用グリースを充填するためのグリース供給口が設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載のボールねじ装置。
  8. 前記潤滑用グリースは、混和ちょう度が445から475の範囲内にあることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか一項に記載のボールねじ装置。
  9. 第1の部材と、
    前記第1の部材上に相対移動可能に取付けられた第2の部材と、
    前記第1の部材と前記第2の部材の間に介在した転動体と、
    前記第2の部材の両端部に取付けられ、前記第1の部材との隙間を覆うシール部材と、を備え、
    自動給油方式によって潤滑用グリースが供給される直動装置の防錆方法において、
    前記自動給油方式によって供給される前記潤滑用グリースが、前記第1の部材と前記第2の部材との間に充填される防錆用グリースを、前記シール部材と前記第1の部材との間を通して前記第2の部材の外へ押し出すことを許すように、前記シール部材を前記第2部材の両端部に取付け、
    前記直動装置の出荷前に、前記第1の部材と前記第2の部材との間に防錆用グリースを充填することを特徴とする直動装置の防錆方法。
  10. 前記防錆用グリースは、混和ちょう度が310から340までの範囲内にあることを特徴とする請求項9に記載の直動装置の防錆方法。
  11. 前記第2の部材には、前記第1の部材と前記第2の部材との間に防錆用グリース及び潤滑用グリースを充填するためのグリース供給口が設けられていることを特徴とする請求項9又は10に記載の直動装置の防錆方法。
  12. 前記潤滑用グリースは、混和ちょう度が445から475の範囲内にあることを特徴とする請求項9ないし11のいずれか一項に記載の直動装置の防錆方法。
  13. 第1の部材と、
    前記第1の部材上に相対移動可能に取付けられた第2の部材と、
    前記第1の部材と前記第2の部材の間に介在した転動体と、
    前記第2の部材の両端部に取付けられ、前記第1の部材との隙間を覆うシール部材と、を備え、
    自動給油方式によって潤滑用グリースが供給される直動装置の防錆剤除去方法において、
    前記自動給油方式によって供給される潤滑用グリースによって、前記第1の部材と前記第2の部材の間に充填された防錆用グリースを、前記シール部材と前記第2の部材との間を通して前記第1の部材の外へ押し出すことを特徴とする直動装置の防錆剤除去方法。
  14. 前記防錆用グリースは、混和ちょう度が310から340までの範囲内にあることを特徴とする請求項13に記載の直動装置の防錆剤除去方法。
  15. 前記第2の部材には、前記第1の部材と前記第2の部材との間に防錆用グリース及び潤滑用グリースを充填するためのグリース供給口が設けられていることを特徴とする請求項13又は14に記載の直動装置の防錆剤除去方法。
  16. 前記潤滑用グリースは、混和ちょう度が445から475の範囲内にあることを特徴とする請求項13ないし15のいずれか一項に記載の防錆剤除去方法。
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