JPWO2015147072A1 - セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 導電性の向上したセルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置を提供する。【解決手段】 本発明の電解セルスタック装置は、複数個の柱状のセル3と、セル3の間に配置され、導電性の接合材15にて隣り合うセル3に接続された導電部材4と、を備えており、接合材15は、導電性粒子と絶縁性の繊維状体16とを含んでなり、導電部材4とセル3とが対向する部位において、繊維状体16の長軸方向が所定の方向に配向している。【選択図】 図4
Description
本発明は、セルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、燃料ガス(水素含有ガス)と酸素含有ガス(空気)とを用いて電力を得ることができるセルとして固体酸化物形燃料電池セル(以下、燃料電池セルと略す場合がある)を電気的に複数個配列してなるセルスタック装置が知られている。また、セルスタック装置を収納容器内に収納してなる燃料電池モジュールや、燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなる燃料電池装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このようなセルスタック装置では、一対の主面を有する平板状の支持体を有する燃料電池セルの複数個を、導電部材を介して電気的に直列に接続してなり、燃料電池セルと導電部材とは、導電性接合材にて接続されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、隣接する燃料電池セルを電気的に接続する多孔質集電層として、焼成収縮を抑制することでクラックの発生を抑制し、高い発電性能を長期間維持することを目的として、ペロブスカイト型複合酸化物からなる導電性粒子と、アルミナからなる繊維状体とを含有する多孔質集電層が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
ところで、特許文献3に記載された多孔質集電層においては、クラックの発生を抑制できる点で優れたものではあったが、アルミナが絶縁性であることから、導電性の点で改善の余地があった。また、特許文献2においては、その製造工程等において燃料電池セルに反りを生じる場合があり、それに伴って導電性接合材にクラックが発生し、ひいてはセルと導電部材が剥がれるおそれがあった。
それゆえ、本発明は、性能が向上したセルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置を提供することを目的とする。
本発明のセルスタック装置は、複数個の柱状のセルと、該セルの間に配置され、導電性の接合材にて隣り合う前記セルに接続された導電部材と、を備えており、前記接合材は、導電性粒子と絶縁性の繊維状体とを含んでなり、前記導電部材と前記セルとが対向する部位において、前記繊維状体の長軸方向が所定の方向に配向していることを特徴とする。
本発明のモジュールは、収納容器内に、上述のセルスタック装置を収容してなることを特徴とする。
本発明のモジュール収容装置は、外装ケース内に、上述のモジュールと、該モジュールの運転を行なうための補機とを収納してなることを特徴とする。
本発明のセルスタック装置は、性能の向上した電解セルスタック装置とすることができる。
また、本発明のモジュールは、性能の向上したモジュールとすることができる。
さらに、本発明のモジュール収容装置は、性能の向上したモジュール収容装置とすることができる。
以下、図面を用いて本実施形態のセルスタック装置について説明する。図1は、本実施形態のセルスタック装置を示し、(a)はセルスタック装置を概略的に示す側面図、(b)は(a)の一部を拡大して示す横断面図である。なお、以降の図において同一の構成については同一の符号を用いて説明する。
なお、図1に示すセルスタック装置は、セルの1種である燃料電池セルを複数個配列してなる燃料電池セルスタック装置である。なお、以下の説明において、セルとして燃料電池セルを用いて説明し、単にセルという場合がある。
図1に示すセルスタック装置1は、内部にガス流路14を有して、一対の対向する平坦面をもつ断面が扁平状の支持体13の一方の平坦面上に内側電極層である燃料極層9と、固体電解質層10と、外側電極層である空気極層11とを順次積層してなるとともに、他方の平坦面のうちの燃料極層9が形成されていない部位にインターコネクタ12を積層してなる柱状の燃料電池セル3の複数個を備えるセルスタック2を有している。
そして、隣接する燃料電池セル3間に導電部材4を介して配置することで、燃料電池セル3同士が電気的に直列に接続される。なお、インターコネクタ12の外面および空気極層11の外面には、後述する導電性の接合材15が設けられており、導電部材4を、接合材15を介して空気極層11およびインターコネクタ12に接続させることより、両者の接触がオーム接触となって電位降下を少なくし、導電性能の低下を有効に抑制することができる。
そして、セルスタック2を構成する各燃料電池セル3の下端が、ガス流路14を介して燃料電池セル3に反応ガスを供給するためのマニホールド7にガラスシール材等の接合材により固定されている。なお、図1に示すセルスタック装置1においては、ガス流路14にマニホールド7より反応ガスとして水素含有ガス(燃料ガス)を供給する場合の例を示しており、マニホールド7の側面に、燃料ガスをマニホールド7内に供給するための燃料ガス供給管8が接続されている。
また、燃料電池セル3の配列方向(図1に示すX方向)の両端から導電部材4を介してセルスタック2を挟持するように、マニホールド7に下端が固定された弾性変形可能な導電部材5を具備している。ここで、図1に示す端部導電部材5においては、燃料電池セル3の配列方向に沿って外側に向けて延びた形状で、セルスタック2(燃料電池セル3)の発電により生じる電流を引出すための電流引出し部6が設けられている。
ちなみに、上記セルスタック装置1においては、ガス流路14より排出される燃料ガス(余剰の燃料ガス)を燃料電池セル3の上端部側で燃焼させるように構成することにより燃料電池セル3の温度を上昇させることができる。それにより、セルスタック装置1の起動を早めることができる。
以下に、図1において示す燃料電池セル3を構成する各部材について説明する。
例えば、燃料極層9は、一般的に公知のものを使用することができ、多孔質の導電性セラミックス、例えば希土類元素酸化物が固溶しているZrO2(安定化ジルコニアと称し、部分安定化も含むものとする。)とNiおよび/またはNiOとから形成することができる。
固体電解質層10は、電極間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有していると同時に、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮断性を有することが必要とされ、3〜15モル%の希土類元素酸化物が固溶したZrO2から形成される。なお、上記特性を有する限りにおいては、他の材料等を用いて形成してもよい。
空気極層11は、一般的に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、いわゆるABO3型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成することができる。空気極層11はガス透過性を有していることが必要であり、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。
インターコネクタ12は、導電性セラミックスから形成することができるが、燃料ガス(水素含有ガス)および酸素含有ガス(空気等)と接触するため、耐還元性及び耐酸化性を有することが必要であり、それゆえランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)が好適に使用される。インターコネクタ12は支持体13に形成された複数のガス流路14を流通する燃料ガス、および支持体13の外側を流通する酸素含有ガスのリークを防止するために緻密質でなければならず、93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好ましい。
支持体13としては、燃料ガスを燃料極層9まで透過するためにガス透過性であること、さらには、インターコネクタ12を介して集電するために導電性であることが要求される。したがって、支持体13としては、かかる要求を満足するものを材質として採用する必要があり、例えば導電性セラミックスやサーメット等を用いることができる。燃料電池セル3を作製するにあたり、燃料極層9または固体電解質層10との同時焼成により支持体13を作製する場合においては、鉄属金属成分と特定希土類酸化物(Y2O3、Yb2O3等)とから支持体13を形成することが好ましい。また、支持体13は、所要ガス透過性を備えるために開気孔率が30%以上、特に35〜50%の範囲にあるのが好適であり、そしてまたその導電率は300S/cm以上、特に440S/cm以上であるのが好ましい。
なお、図示はしていないが、固体電解質層10と空気極層11との間に、固体電解質層10と空気極層11との接合を強固とするとともに、固体電解質層10の成分と空気極層11の成分とが反応して電気抵抗の高い反応層が形成されることを抑制する目的で中間層を備えることもできる。
ここで、中間層としては、Ce(セリウム)と他の希土類元素とを含有する組成にて形成することができ、例えば、
(1):(CeO2)1−x(REO1.5)x
式中、REはSm、Y、Yb、Gdの少なくとも1種であり、xは0<x≦0.3を満足する数。
で表される組成を有していることが好ましい。さらには、電気抵抗を低減するという点から、REとしてSmやGdを用いることが好ましく、例えば10〜20モル%のSmO1.5またはGdO1.5が固溶したCeO2からなることが好ましい。
(1):(CeO2)1−x(REO1.5)x
式中、REはSm、Y、Yb、Gdの少なくとも1種であり、xは0<x≦0.3を満足する数。
で表される組成を有していることが好ましい。さらには、電気抵抗を低減するという点から、REとしてSmやGdを用いることが好ましく、例えば10〜20モル%のSmO1.5またはGdO1.5が固溶したCeO2からなることが好ましい。
また、固体電解質層10と空気極層11とを強固に接合するとともに、固体電解質層10の成分と空気極層11の成分とが反応して電気抵抗の高い反応層が形成されることをさらに抑制することを目的として、中間層を2層から形成することもできる。
また、図示はしていないが、インターコネクタ12と支持体13との間に、インターコネクタ12と支持体13との間の熱膨張係数差を軽減する等のために密着層を設けることもできる。
密着層としては、燃料極層9と類似した組成とすることができ、例えば、Y2O3などの希土類元素酸化物が固溶しているZrO2とNiおよび/またはNiOとから形成することができる。なお、希土類元素酸化物が固溶したZrO2と、Niおよび/またはNiOとは、体積比で40:60〜60:40の範囲とすることが好ましい。
図2は、図1に示す導電部材4を抜粋して示すもので、(a)は斜視図、(b)はB−B線に沿った断面図であり、図3は、一対の燃料電池セルを、導電部材を介して接合材で接合した状態を示すもので、導電部材の第1、第2セル対面部と燃料電池セルとの接合状態を示す縦断面図である。
図2に示す導電部材4は、隣接する一方の燃料電池セル3と接合される複数の板状の第1セル対面部4a1と、燃料電池セルから離れるように第1セル対面部4a1の両側から延びた板状の第1離間部4a2と、隣接する他方の燃料電池セル3と接合される複数の板状の第2セル対面部4b1と、燃料電池セルから離れるように第2セル対面部4b1の両側から延びた板状の第2離間部4b2とを有している。
さらに、複数の第1離間部4a2および複数の第2離間部4b2の一端同士を連結する第1連結部4cと、複数の第1離間部4a2および複数の第2離間部4b2の他端同士を連結する第2連結部4dとを一組のユニットとし、これらのユニットの複数組が、燃料電池セル3の長手方向に導電性連結片4eにより連結されて構成されている。第1セル対面部4a1および第2セル対面部4b1は、図3に示すように、接合材15を介して燃料電池セル3に接合される部位である。
それゆえ、複数の燃料電池セル3に設けられたインターコネクタ12に第1セル対面部4a1が対面し、空気極層11に第2セル対面部4b1が対面する。そして、インターコネクタ12は、第1セル対面部4a1の両側から外側にはみ出して形成され、空気極層11は、第2セル対面部4b1の両側から外側にはみ出して形成されている。
なお導電部材4の燃料電池セル3の長手方向に沿った長さは、燃料電池セル3の発電部で発電された電流を効率よく流すにあたり、燃料電池セル3における空気極層11の長手方向における長さと同等以上とすることがよい。
ここで、導電部材4は、耐熱性および導電性を有する必要があり、金属または合金により作製することができる。特には、導電部材4は、高温の酸化雰囲気に曝されることから4〜30%の割合でCrを含有する合金から作製することができ、Fe−Crの合金やNi−Crの合金等により作製できる。
また、導電部材4は、セルスタック装置1の作動時に高温の酸化雰囲気に曝されることから、導電部材4の表面に、耐酸化性のコーティングを施してもよい。それにより、導電部材4の劣化を低減することができる。耐酸化性のコーディングを施す部位としては、導電部材4の全表面に施すことが好ましい。それにより、導電部材4の表面が高温の酸化雰囲気に曝されることを抑えることができる。
なお図2に示す導電部材4は、一枚の矩形状をした板部材にプレス加工を施して板部材の幅方向に延びるスリットを板部材の長手方向に複数形成し、第1セル対面部4a1、第1セル離間部4a2および第2セル対面部4b1、第2セル離間部4b2となるスリット間の部位を交互に突出させることにより作製することができる。
以下に、導電部材4と、燃料電池セル3の空気極層11とインターコネクタ12とを接続するための、第1の実施形態の接合材15について説明する。
本実施形態における接合材15は、導電性粒子と絶縁性の繊維状体とを含んでなる。導電性粒子としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物からなる粒子を例示することができる。具体的には、インターコネクタを構成する材料よりも電子伝導性が大きいもの、例えば、BサイトにMn、Fe、Coなどが存在するLaSrCoFeO3系酸化物、LaMnO3系酸化物、LaFeO3系酸化物、LaCoO3系酸化物などの少なくとも一種からなるP型半導体セラミックスを使用することができる。
ところで、接合材を上述の遷移金属ペロブスカイト型酸化物からなる粒子で形成した場合に、この接合材にクラックが生じる可能性がある。それゆえ、このクラックの発生を抑制する目的で、本実施形態の接合材15は、絶縁性の繊維状体を含む。
製造時や発電中に導電性粒子同士が焼結し、焼成収縮が生じる場合があるが、絶縁性の繊維状体を含むことで、導電性粒子同士の焼結による焼成収縮が抑制され、結果として、クラックの発生を抑制することができる。このような絶縁性の繊維状体としては、よりクラックの発生を抑制する目的で、導電性粒子よりも熱膨張係数の小さいものが好ましく、例えば、Al、Ti、Siの酸化物のうち少なくとも1つとすることができる。
このような繊維状体としては、導電性粒子同士の焼成収縮を抑制し、クラックの発生を抑制する観点から、平均直径(後述する長径に相当する)が3μm以上、好ましくは5〜15μmであり、平均アスペクト比(長径/短径)が3以上、好ましくは5〜15のものを用いることができる。なお、繊維状体の平均直径、平均アスペクト比は、接合材15に含まれる遷移金属ペロブスカイト型酸化物を塩酸等で溶解して除去し、残った繊維状体を、走査型電子顕微鏡(SEM)で、例えば100個の繊維状体について、直径、アスペクト比を求め、これらを平均することで求めることができる。
なお、接合材15において、導電性粒子は70〜95質量%、繊維状体は5〜30質量%含有していることが好ましい。
しかしながら、上述の繊維状体は絶縁性であるがゆえに、接合材15自身の導電性が低下する場合があった。それゆえ、本実施形態においては、例えば図3に示すセルスタック装置1の構成において、導電部材4と燃料電池セル3とが対向する部位(図3において破線Aにて示した部位)において、接合材15に含まれる繊維状体が、長軸方向が燃料電池セル3に対して垂直な方向に配向している。この「燃料電池セル3に対して垂直な方向」が「所定の方向」に相当する。
図3に示すセルスタック装置1においては、燃料電池セル3で発電された電流が、図3における左右方向に流れることとなる。この場合に、燃料電池セル3で発電された電流は、繊維状体の表面を回避するように流れることとなるが、本実施形態のように、長軸方向が燃料電池セル3に対して垂直な方向に配向していることで、燃料電池セル3間の電流経路を短くすることができ、導電性を向上することができる。
図4は、図3に示す燃料電池セル3と導電部材4とを接合する接合材15の破線部分を模式的に作製した接合材の電子顕微鏡(SEM)写真であり、(a)は燃料電池セル3の配列方向(図3で示すX方向)に沿って切断した断面(言い換えれば、燃料電池セルの短手方向と垂直な断面)に相当する写真であり、(b)は燃料電池セル3と平行に切断した断面(言い換えれば、接合材の厚み方向に垂直な断面)に相当する写真である。
図4において、濃い灰色で示されたものが繊維状体16であり、図4(a)において、繊維状体16が、燃料電池セル3に対して垂直な方向である左右方向に配向している。それによって、燃料電池セル3と導電部材4との間における電流の流れが阻害されることを抑制でき、導電性を向上することができる。
なお、本実施形態において、繊維状体16が燃料電池セル3に対して垂直な方向に配向しているとは、燃料電池セル3の短手方向と垂直な断面において、繊維状体16の長軸方向の延長線と燃料電池セル3との交わる角度が、45〜135度の範囲を言うものとし、以下同意である。
ここで、燃料電池セル3と導電部材4との導電性を向上するにあたり、接合材15は、燃料電池セル3の短手方向と垂直な断面において、繊維状体16のうち、繊維状体16が燃料電池セル3に対して垂直な方向に配向している割合が50%以上であることが好ましく、さらには90%以上であることがより好ましい。それにより、燃料電池セル3と導電部材4との間で、電流が効率よく流れることとなり、導電性を向上することができる。
なお、上記の繊維状体16が燃料電池セル3に対して垂直な方向に配向している割合を求めるにあたっては、まず、図4(b)に示すような燃料電池セル3と平行に切断した断面に相当する写真において、アスペクト比(長径/短径)が1.5以下である繊維状体を任意で10個選択して、その長径の平均値を求める。一方、図4(a)に示すような、燃料電池セル3の短手方向と垂直な断面に相当する写真において、それぞれの長軸の長さを求める。この長軸の長さが、図4(b)において求めた平均長径よりも短い場合には、その繊維状体16は、燃料電池セル3に対して垂直な方向に配向していないものとする。一方、図4(a)に基づいて算出した長軸の長さが、図4(b)における平均長径よりも長いものについて、その長軸の延長線と写真の端(写真の左端又は右端をいう。燃料電池セルの面に相当する。)とが交わる角度を算出し、その角度が45〜135度のものを、本実施形態における繊維状体16が燃料電池セル3に対して垂直な方向に配向しているものする。そして、図4(a)の断面写真において、この繊維状体16が燃料電池セル3に対して垂直な方向に配向しているものとカウントされた個数を、断面写真における繊維状体16の全部の個数で割ることで、繊維状体16が燃料電池セル3に対して垂直な方向に配向している割合を求めることができる。
さらに、燃料電池セル3で発電された電流は、繊維状体16の表面を回避するように流れることから、回避のために流れる距離は短い方が好ましい。それゆえ、図4(b)に示す燃料電池セル3と平行に切断した断面(接合材15の厚み方向に垂直な断面)に相当する写真において、繊維状体16が、短径に対する長径の比率が1.7以下であることが好ましい。それにより、繊維状体16の形状が角柱もしくは円柱に近づくこととなり、電流が繊維状体16の断面における長径方向に回避する距離を短くでき、導電性を向上することができる。なお、短径に対する長径の比率を求めるためには、図4(b)に示す燃料電池セル3と平行に切断した断面(接合材15の厚み方向に垂直な断面)に相当する写真において、例えば、縦50μm×横50μmの任意の正方形領域を設定して、その領域内に存在する全ての繊維状体16の短径に対する長径の比率を求め、それらの平均値を算出すればよい。
ちなみに、上述した接合材15は、まず、導電性粒子および繊維状体の粉末を、バレルミル、回転ミル、振動ミル、ビーズミル、サンドミル、アジテーターミル等を用い、パラフィンワックス、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)等の有機バインダーとともに湿式混合し、粉砕してスラリーを作製する。
このスラリーを、射出孔が多数形成されたディスペンサーを用いて、燃料電池セル3もしくは導電部材4を寝かせた状態で、その表面に塗布する、もしくは、繊維状体16が厚み方向に配向したシートを作製し、このシートを貼り付けて熱処理することで、本実施形態の接合材とすることができる。
次に、第2の実施形態の接合材15について説明する。図5は、燃料電池セルの反りの状態を示す、セル側面の模式図である。
上述の燃料電池セル3では、支持体13の一方の主面側に空気極層11が設けられ、他方の主面側にインターコネクタ12が設けられているので、例えば、支持体13のガス流路14に水素含有ガス(燃料ガス)を供給した際に、インターコネクタ12の還元膨張量が大きくなり、図5に示すように、支持体13は一方の主面が凹状となり他方の主面が凸状となるように反る傾向があった。これに伴って、インターコネクタ12および空気極層11も、図5に示すように、支持体13の反りに合わせて変形する傾向があった。これに伴い、導電部材4と空気極層11との間の接合材15にクラックが発生する可能性があった。また、同様に、導電部材4とインターコネクタ12との間の接合材15にクラックが発生し、ひいては燃料電池セル3と導電部材4とが剥離するおそれがあった。
それゆえ、本実施形態においては、燃料電池セル3と導電部材4とを接続する接合材15において、繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の長手方向に配向している。この「燃料電池セル3の長手方向」が「所定の方向」に相当する。この場合には、空気極層11側の接合材15中の繊維状体16の配向方向が、空気極層11側で発生する圧縮方向とほぼ同じ向きになる。よって、この繊維状体16は圧縮応力による変形が生じにくくなるので、支持体13の空気極層11側の変形を抑制することができる。また、空気極層11側での変形が抑制されるので、付随的にインターコネクタ12側の変形も抑制されることとなる。従って、導電部材4と空気極層11との間の接合材15、または導電部材4とインターコネクタ12との間の接合材15において、クラックが発生することを抑制できる。従って、接合材15におけるクラックの発生を抑制させることができる。
図6は、図3に示す接合材の断面を説明するための模式図である。A−A線で示す断面は、燃料電池セル3と平行に切断した断面(言い換えれば、接合材の厚み方向に垂直な断面)である。B−B線で示す断面は、燃料電池セル3の配列方向(図6で示すX方向)に沿って切断した断面(言い換えれば、燃料電池セルの長手方向と垂直な断面)である。C−C線で示す断面は、燃料電池セル3の配列方向(図6で示すX方向)に沿って切断した断面(言い換えれば、燃料電池セルの短手方向と垂直な断面)である。
図7は、第2の実施形態に係る接合材のA−A線で示す断面を模式的に示す図である。
図7において、繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の長手方向に配向している。それによって、前述したように、接合材15にクラックが発生することを抑制できる。
なお、本実施形態において、繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の長手方向に配向しているとは、接合材15の厚み方向に垂直な断面(A−A線で示す断面)において、繊維状体16の長軸方向の延長線と燃料電池セル3の長手方向との交わる角度が、−40〜40度の範囲にあることを言うものとし、以下同意である。
また、接合材15の厚み方向に垂直な断面(A−A線で示す断面)において、繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の長手方向に配向している割合が50%以上であることがより好ましい。それにより、空気極層11側の圧縮変形をさらに抑制し、また、これに付随してインターコネクタ12側の引張変形も抑制できる。従って、導電部材4と空気極層11との間の接合材15、または導電部材4とインターコネクタ12との間の接合材15において、クラックが発生することをさらに抑制できる。
なお、上記の繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の長手方向に配向している割合を求めるにあたっては、まず、B−B線で示す断面において、アスペクト比(長径/短径)が1.5以下である繊維状体を任意で10個選択して、その長径の平均値を求める。一方、図7に示すような、A−A線で示す断面において、それぞれの長軸の長さを求める。この長軸の長さが、B−B線で示す断面おいて求めた平均長径よりも短い場合には、その繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の長手方向に配向していないものとする。一方、図7に基づいて算出した長軸の長さがB−B線で示す断面における平均長径よりも長いものについて、その長軸の延長線と燃料電池セル3の長手方向とが交わる角度を算出し、その角度が−40〜40度のものを、本実施形態における繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の長手方向に配向しているものする。そして、図7に示す断面において、この繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の長手方向に配向しているものとカウントされた繊維状体16の個数を、図7における繊維状体16の全部の個数で割ることで、繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の長手方向に配向している割合を求めることができる。
また、本測定は、接合材15の厚み方向に垂直な断面(A−A線で示す断面)において、例えば縦50μm×横50μmの任意の正方形領域を設定して、前述の割合を求めればよい。
図8は、第2の実施形態に係る接合材のC−C線で示す断面を模式的に示す図である。
セルスタック装置1は、使用時に高温環境下となる。よって、空気極層11と導電部材4の接合面には、両部材の熱膨張差により、接合面に平行な方向にせん断応力が生じることとなる。ここで、両部材間の接合材15の繊維状体16が特定の方向に配向し過ぎると、特定の方向でのせん断応力が強くなり過ぎて、導電部材4と空気極層11との間の接合材15にクラックが発生しやすくなる。また、インターコネクタ12と導電部材4との間の接合材15においても同様にクラックが発生しやすくなる。
それゆえ、図8に示す例のように、接合材15の燃料電池セル3の短手方向と垂直な断面(C−C線で示す断面)において、繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の長手方向に配向している割合が30%以下であることがより好ましい。ここで、図8に基づいて算出した長軸の長さがB−B線で示す断面における平均長径よりも長いものについて、その長軸の延長線と燃料電池セル3の長手方向とが交わる角度を算出し、その角度が−25〜25度のものを、本実施形態における繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の長手方向に配向しているものする。この構成により、各繊維状体16が特定の方向に配向せずに繊維状体16の長軸がランダムに伸びるように配置されることとなる。このランダムな配置により、空気極層11と導電部材4の接合面、およびインターコネクタ12と導電部材4の接合面において、熱膨張差によるせん断応力を複数の方向に分散させることができる。従って、せん断応力を緩和できる。よって、導電部材4と空気極層11との間の接合材15、または導電部材4とインターコネクタ12との間の接合材15において、クラックが発生することをさらに抑制できる。
ちなみに、上述した接合材15は、まず、導電性粒子および繊維状体の粉末を、バレルミル、回転ミル、振動ミル、ビーズミル、サンドミル、アジテーターミル等を用い、パラフィンワックス、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)等の有機バインダーとともに湿式混合し、粉砕してスラリーを作製する。
このスラリーを、射出孔が多数形成されたディスペンサーを用いて、燃料電池セル3もしくは導電部材4を寝かせた状態で、その表面に塗布する。その際、ディスペンサーを燃料電池セル3の長手方向に移動させながらスラリーを射出する。本工程によって、繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の長手方向に配向する。
また、配向の割合は、ディスペンサーの移動速度、ディスペンサーの角度、ディスペンサーの吐出口の径を適宜調節することによって決定される。
以上の方法以外にも、繊維状体16が所望の方向に配向したシートを作製し、このシートを貼り付けて熱処理することで、本実施形態の接合材とすることができる。
次に、第3の実施形態の接合材15について説明する。
本実施形態においては、燃料電池セル3と導電部材4とを接続する接合材15において、繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の短手方向に配向している。この場合には、インターコネクタ12側の接合材15中の繊維状体16の配向方向が、インターコネクタ12側で発生する圧縮変形の方向(燃料電池セル3の短手方向)とほぼ同じ向きになる。よって、この繊維状体16は圧縮応力による変形が生じにくくなるので、インターコネクタ12側の燃料電池セル3の短手方向の変形を抑制することができる。これによって、付随的にインターコネクタ12における燃料電池セル3の長手方向の引張変形を抑制することができる。従って、導電部材4とインターコネクタ12との間の接合材15において、クラックが発生することを抑制できる。また、インターコネクタ12側における燃料電池セル3の長手方向の変形を緩和することにより、空気極層11側における燃料電池セル3の長手方向の圧縮変形を抑制できることとなる。従って、導電部材4と空気極層11との間の接合材15において、クラックが発生することを抑制できる。従って、接合材15におけるクラックの発生を抑制させることができる。
図9は、第3の実施形態に係る接合材のA−A線で示す断面を模式的に示す図である。
図9において、繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の短手方向に配向している。この「燃料電池セル3の短手方向」が「所定の方向」に相当する。それによって、前述したように、接合材15にクラックが発生することを抑制できる。
なお、本実施形態において、繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の短手方向に配向しているとは、接合材15の厚み方向に垂直な断面(A−A線で示す断面)において、繊維状体16の長軸方向の延長線と燃料電池セル3の短手方向との交わる角度が、−40〜40度の範囲にあることを言うものとし、以下同意である。
また、接合材15の厚み方向に垂直な断面(A−A線で示す断面)において、繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の短手方向に配向している割合が50%以上であることがより好ましい。それにより、インターコネクタ12における燃料電池セル3の短手方向の圧縮変形をさらに抑制できるので、導電部材4と空気極層11との間の接合材15、または導電部材4とインターコネクタ12との間の接合材15において、クラックが発生することを抑制できる。
なお、上記の繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の短手方向に配向している割合を求めるにあたっては、まず、C−C線で示す断面において、アスペクト比(長径/短径)が1.5以下である繊維状体を任意で10個選択して、その長径の平均値を求める。一方、図9に示すような、A−A線で示す断面において、それぞれの長軸の長さを求める。この長軸の長さが、C−C線で示す断面おいて求めた平均長径よりも短い場合には、その繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の短手方向に配向していないものとする。一方、図9に基づいて算出した長軸の長さがC−C線で示す断面における平均長径よりも長いものについて、その長軸の延長線と燃料電池セル3の短手方向とが交わる角度を算出し、その角度が−40〜40度のものを、本実施形態における繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の短手方向に配向しているものする。そして、図9に示す断面において、この繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の短手方向に配向しているものとカウントされた繊維状体16の個数を、図9における繊維状体16の個数で割ることで、繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の短手方向に配向している割合を求めることができる。
また、本測定は、接合材15の厚み方向に垂直な断面(A−A線で示す断面)において、例えば縦50μm×横50μmの任意の正方形領域を設定して、前述の割合を求めればよい。
図10は、第3の実施形態に係る接合材のB−B線で示す断面を模式的に示す図である。
セルスタック装置1は、使用時に高温環境下となる。よって、空気極層11と導電部材4の接合面には、両部材の熱膨張差により、接合面に平行な方向にせん断応力が生じることとなる。ここで、両部材間の接合材15の繊維状体が特定の方向に配向し過ぎると、特定の方向でのせん断応力が強くなり過ぎて、導電部材4と空気極層11との間の接合材15にクラックが発生しやすくなる。また、インターコネクタ12と導電部材4との間の接合材15においても同様にクラックが発生しやすくなる。
それゆえ、図10に示す例のように、接合材15の燃料電池セル3の長手方向と垂直な断面(B−B線で示す断面)において、繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の短手方向に配向している割合が30%以下であることがより好ましい。ここで、図10に基づいて算出した長軸の長さがC−C線で示す断面における平均長径よりも長いものについて、その長軸の延長線と燃料電池セル3の長手方向とが交わる角度を算出し、その角度が−25〜25度のものを、本実施形態における繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の短手方向に配向しているものする。それにより、各繊維状体が特定の方向に配向せずに繊維状体の長軸がランダムに伸びるように配置されることとなる。このランダムな配置により、空気極層11と導電部材4の接合面、およびインターコネクタ12と導電部材4の接合面において、熱膨張差によるせん断応力を複数の方向に分散させることができる。従って、せん断応力を緩和できる。よって、導電部材4と空気極層11との間の接合材15、または導電部材4とインターコネクタ12との間の接合材15において、クラックが発生することを抑制できる。
ちなみに、上述した接合材15は、まず、導電性粒子および繊維状体の粉末を、バレルミル、回転ミル、振動ミル、ビーズミル、サンドミル、アジテーターミル等を用い、パラフィンワックス、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)等の有機バインダーとともに湿式混合し、粉砕してスラリーを作製する。
このスラリーを、射出孔が多数形成されたディスペンサーを用いて、燃料電池セル3もしくは導電部材4を寝かせた状態で、その表面に塗布する。その際、ディスペンサーを燃料電池セル3の短手方向に移動させながらスラリーを射出する。本工程によって、繊維状体16の長軸方向が燃料電池セル3の短手方向に配向する。
また、配向の割合は、ディスペンサーの移動速度、ディスペンサーの角度、ディスペンサーの吐出口の径を適宜調節することによって決定される。
以上の方法以外にも、繊維状体16が所望の方向に配向したシートを作製し、このシートを貼り付けて熱処理することで、本実施形態の接合材とすることができる。
図11は、本実施形態のセルスタック装置1を備えてなる燃料電池モジュール(以下、モジュールという場合がある。)の一例を示す外観斜視図である。
図11に示すモジュール17においては、収納容器18の内部に、本実施形態のセルスタック装置1が収納されている。なお、セルスタック装置1の上方には、燃料電池セル3に供給する燃料ガスを生成するための改質器19が配置されている。なお、図11においては、図1に示すセルスタック装置1が2つのセルスタック2を備えている場合を示しているが、適宜その個数は変更することができ、例えばセルスタック2を1つだけ備えていてもよい。また、セルスタック装置1を、改質器19を含むものとすることもできる。
また、図11に示す改質器19においては、原燃料供給管23を介して供給される天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成する。なお、改質器19は、効率のよい改質反応である水蒸気改質を行うことができる構造とすることが好ましく、水を気化させるための気化部20と、原燃料を燃料ガスに改質するための改質触媒(図示せず)が配置された改質部21とを備えている。そして、改質器19で生成された燃料ガスは、燃料ガス流通管22(図1に示す燃料ガス供給管8に相当)を介してマニホールド7に供給され、マニホールド7より燃料電池セル3の内部に設けられた燃料ガス流路に供給される。
また図11においては、収納容器18の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されるセルスタック装置1を後方に取り出した状態を示している。ここで、図11に示したモジュール17においては、セルスタック装置1を、収納容器18内にスライドして収納することが可能である。
なお、収納容器18の内部には、マニホールド7に並置されたセルスタック2の間に配置され、酸素含有ガスが燃料電池セル3の側方を下端部から上端部に向けて流れるように、酸素含有ガス導入部材が配置されている。
また、上述の構成のモジュール17においては、燃料電池セル3における燃料ガス流路より排出される発電に使用されなかった燃料ガスと酸素含有ガスとを燃料電池セル3の上端と改質器19との間で燃焼させることにより、燃料電池セル3の温度を上昇・維持させることができる。あわせて、燃料電池セル3(セルスタック2)の上方に配置された改質器19を温めることができ、改質器19で効率よく改質反応を行なうことができる。なお、通常発電時においては、上記燃焼や燃料電池セル3の発電に伴い、モジュール17内の温度は500〜1000℃程度となる。
図12は、外装ケース内に図11で示したモジュール17と、モジュール17を動作させるための補機(図示せず)とを収納してなる本実施形態の燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。なお、図12においては一部構成を省略して示している。
図12に示す燃料電池装置38は、支柱39と外装板40から構成される外装ケース内を仕切板41により上下に区画し、その上方側を上述したモジュール17を収納するモジュール収納室42とし、下方側をモジュール17を動作させるための補機を収納する補機収納室43として構成されている。なお、補機収納室43に収納する補機を省略して示している。
また、仕切板41には、補機収納室43の空気をモジュール収納室42側に流すための空気流通口44が設けられており、モジュール収納室42を構成する外装板40の一部に、モジュール収納室42内の空気を排気するための排気口45が設けられている。
このような燃料電池装置38においては、上述したように、性能の向上したモジュール17をモジュール収納室42に収納し、モジュール17を動作させるための補機を補機収納室43に収納して構成されることにより、性能の向上した燃料電池装置38とすることができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、支持体13上に空気極層11、固体電解質層10、燃料極層9を配置した燃料電池セルであっても良い。さらに、例えば、上記形態では、支持体13上に燃料極層9、固体電解質層10、空気極層11を積層したが、支持体13を用いることなく、燃料極層9自体を支持体とし、この燃料極層9に、固体電解質層10、空気極層11を設けても良い。
さらに、上記形態では燃料電池セル3、セルスタック装置1、モジュール17ならびに燃料電池装置38について説明したが、電解セルに水蒸気と電圧とを付与して水蒸気(水)を電気分解することにより、水素と酸素(O2)を生成する電解セル(SOEC)およびこの電解セルを備える電解セルスタック装置および電解モジュールならびに電解装置にも適用することができる。
また、例えば、上記実施形態では、中空平板型の固体酸化物形燃料電池セルについて説明したが、いわゆる横縞型燃料電池セルであっても良い。さらに、各部材間に機能に合わせて各種中間層を形成しても良い。
平均粒径が5μmのLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3の粉末を88.5質量%と、平均直径が3μmで平均アスペクト比が20の酸化アルミニウムからなる繊維状体の粉末11.5質量%を混合し、有機バインダーと溶媒を混合して、スラリーを作製した。
続いて、このスラリーを用いて、あらかじめ作製した枠内に流し込み、乾燥した後、1000℃で2時間焼成して、直方体状の試験片を作製した。
なお、スラリーを枠に流し込むにあたって、ディスペンサーを直方体の枠に対して長辺方向に動かすことで、繊維状体を長軸方向が直方体の枠の長辺方向に配向している試験片を作製できる。ちなみに、この試験片を、長辺方向を燃料電池セルと垂直となるようにして貼り付けることで、繊維状体の長軸方向が燃料電池セルに対して垂直な方向となる。一方、この試験片の長辺方向が燃料電池セルの長さ方向に沿うように燃料電池セル3に貼り付けることで、繊維状体の長軸方向が燃料電池セルに対して平行な方向となる。なお、繊維状体の配向状態については、それぞれの試験片の一部を切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)写真にて確認した。
続いて、これらの試験片に対し、直流4端子法に基づき、試験片の導電率を800℃程度で測定した。結果を図13に示す。なお、繊維状体の長軸方向が燃料電池セルに対して垂直な方向である場合の導電率の測定は、直方体状の試験片における長辺方向の一端部および他端部の間で直流4端子法での測定を行う。また、繊維状体の長軸方向が燃料電池セルに対して平行な方向である場合の導電率の測定は、直方体状の試験片における短辺方向の一端部および他端部の間で直流4端子法での測定を行う。
図13に示すように、繊維状体の長軸方向が縦方向(燃料電池セルに対して平行な方向に相当)に配向している試験片に比較して、繊維状体が、長軸方向が横方向(燃料電池セルに対して垂直な方向に相当)に配向している試験片の導電率よりも高いことが確認できた。
それゆえ、燃料電池セルと導電部材との接合において、導電部材と燃料電池セルとが対向する部位において、繊維状体の少なくとも一部を、長軸方向が燃料電池セルに対して垂直な方向に配向させることで、導電性が向上することが確認できた。
次に、実施例1と同様の材料によって、試験片の長辺方向に配向している割合(配向の割合)を表1に示すような値とした複数の試験片を試料No.1〜6として作成した。各試料の配向の割合は、前述した個数比で算出した。
そして、各試料の800℃程度における導電率を測定した。その結果を表1に示す。
表1より、繊維状体の試験片の長辺方向への配向度が90%以上である試料No.1、2は、導電率が18S/cmより大きかった。従って、燃料電池セルに対して垂直な方向への配向度が90%以上である場合には導電率を向上させることができることを確認できた。
次に、実施例1と同様の材料によって、繊維状体の短径に対する長径の比率を表2に示すような値とした複数の試験片を試料No.7〜10として作製した。繊維状体が試験片の長辺方向に配向している割合は、試料No.7が93%、試料No.8が90%、試料No.9が76%、試料No.10が50%とした。また、短径に対する長径の比率は、図4(b)のような、試験片の長辺方向に垂直な断面に相当するSEM写真を撮影して算出した。表2に記載した各試料の短径に対する長径の比率は、任意に撮影した500μmの正方形領域の断面写真中に存在する繊維状体16の平均値とした。
そして、各試料の800℃程度における導電率を測定した。その結果を表2に示す。
表2より、繊維状体の短径に対する長径の比率が1.7以下である試料No.7、8は、導電率が18S/cmより大きかった。従って、短径に対する長径の比率が1.7以下である場合には導電率を向上させることができることを確認できた。
次に、実施例1と同様の製造方法によって、試料No.11〜14の試験片を作製し、。また、各試料の繊維状体の材料は表3に示す通りとした。なお、試料No.11では繊維状体を含まない試験片とした。
各試験片について、製造時に実施例1と同様の焼成を行った後、微小なクラックが生じているか否かを目視で観察した。その結果を表3に示す。なお、本試験は接合材単体で行い、接合材単体でクラック発生の有無を目視で観察した。
表3の結果より、繊維状体を入れなかった試料No.11の試験片では、焼成後に微小なクラックが生じていた。一方、繊維状体の材料がAl、Si、Tiの酸化物である試料No.12〜14の試験片では、クラックが生じていなかった。
よって、繊維状体の材料がAl、Si、Tiの酸化物である場合には、導電性粒子同士の焼成収縮を抑制し、クラックの発生を抑制することができることを確認できた。
平均粒径が5μmのLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3の粉末を88.5質量%と、平均直径が3μmで平均アスペクト比が5の酸化アルミニウムからなる繊維状体の粉末11.5質量%を混合し、有機バインダーと溶媒を混合して、スラリーを作製した。
続いて、射出口が多数形成されたディスペンサーを用いて、このスラリーを、図1に示す例の燃料電池セルを寝かせた状態で、その表面に塗布した。なお、ディスペンサーの移動方向は燃料電池セルの長手方向とした。
このスラリーの表面に導電部材を載置して、大気中で乾燥させた後、1000℃で加熱することによって導電部材を燃料電池セルに接合させた。
以上のようにして試料No.15〜19による導電部材と燃料電池セルとの接合体を作製した。
次に、これらの接合体による燃料電池セル3において、ガス流路の入口から出口に燃料ガスを供給し、一定時間後に燃料ガスの供給を停止する試験(起動停止試験)を行った。
その後、導電部材と燃料電池セルとの間の接合材におけるクラックの有無を観察した。本観察は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて行った。その結果を表4に示す。表4に示すように、各所定回数(50回、100回、150回、200回)の起動停止試験後に、クラックの有無を観察した。クラックが有る場合は○で示し、無い場合は×で示した。なおSEM写真での観察は、図6におけるC−C断面とした。
各試料Noの試験においては、まず1つ目の接合体によって50回の起動停止試験を行い、SEM写真を観察し、クラックが発生していれば、そこで試験を終了し、クラックが発生していなければ、2つ目の接合体によって100回の起動停止試験を行って、同様の観察を行うものとした。このようにして、150回、200回と順次同様の試験・観察を行うものとした。
表4の結果より、試料No.15〜18においては、少なくとも100回の起動停止試験を行っても、接合材15にクラックが発生しなかった。一方、試料No.19においては、50回の起動停止試験を行うと接合材にクラックが発生した。
この表4の結果より、試料No.15〜18に示すように、接合材の繊維状体の長軸方向が燃料電池セル3の長手方向に配向している場合には、試料No.19に示すように、燃料電池セルの長手方向に配向していない場合と比較して、接合材にクラックが発生することを抑制することが確認できた。
また、試料No.16〜18に示す例は、試料No.15に示す例と比較して、クラックが観察されるまでの起動停止試験の回数が大幅に増加した。従って、接合材の厚み方向に垂直な断面(A−A断面)において、繊維状体の長軸方向が燃料電池セルの長手方向に配向している割合が50%以上である場合には、接合材にクラックが発生することをさらに抑制できることが確認できた。
次に、試料No.15〜18と同様の作製方法を用い、試料No.20〜22による導電部材と燃料電池セルとの接合体を作製した。
その後、これらの接合体による燃料電池セルにおいて、上記と同様の起動停止試験を行った。そして、上記と同様に、導電部材と燃料電池セルとの間の接合材におけるクラックの有無を観察した。その結果を表5に示す。
表5の結果より、試料No.21、22に示す例は、試料No.20に示す例と比較して、クラックが観察されるまでの起動停止試験の回数が大幅に増加している。従って、接合材の燃料電池セルの短手方向と垂直な断面(C−C線で示す断面)において、繊維状体の長軸方向が燃料電池セルの長手方向に配向している割合が30%以下である場合には、接合材にクラックが発生することをさらに抑制することができることが確認できた。
平均粒径が5μmのLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3の粉末を88.5質量%と、平均直径が3μmで平均アスペクト比が5の酸化アルミニウムからなる繊維状体の粉末11.5質量%を混合し、有機バインダーと溶媒を混合して、スラリーを作製した。
続いて、射出口が多数形成されたディスペンサーを用いて、このスラリーを、図1に示す例の燃料電池セルを寝かせた状態で、その表面に塗布した。なお、ディスペンサーの移動方向は燃料電池セルの短手方向とした。
このスラリーの表面に導電部材を載置して、大気中で乾燥させた後、1000℃で加熱することによって導電部材を燃料電池セルに接合させた。
以上のようにして、試料No.23〜27による導電部材と燃料電池セルとの接合体を作製した。
その後、これらの接合体による燃料電池セルにおいて、実施例5と同様の起動停止試験を行った。そして、上記と同様に、導電部材と燃料電池セルとの間の接合材15におけるクラックの有無を観察した。その結果を表6に示す。
表6の結果より、試料No.23〜26においては、少なくとも100回の起動停止試験を行っても、接合材15にクラックが発生しなかった。一方、試料No.27においては、50回の起動停止試験を行うと接合材にクラックが発生した。
この表6の結果より、試料No.23〜26に示すように、接合材の繊維状体の長軸方向が燃料電池セルの短手方向に配向している場合には、No.27に示すように、燃料電池セルの短手方向に配向していない場合と比較して、接合材にクラックが発生することを抑制することが確認できた。
また、試料No.24〜26に示す例は、試料No.23に示す例と比較して、クラックが観察されるまでの起動停止試験の回数が大幅に増加した。従って、接合材の厚み方向に垂直な断面(A−A断面)において、繊維状体の長軸方向が燃料電池セルの短手方向に配向している割合が50%以上である場合には、接合材にクラックが発生することをさらに抑制できることが確認できた。
次に、試料No.23〜26と同様の作製方法を用い、試料No.28〜30による導電部材と燃料電池セルとの接合体を作製した。
その後、これらの接合体による燃料電池セル3において、上記と同様の起動停止試験を行った。そして、上記と同様に、導電部材4と燃料電池セルとの間の接合材におけるクラックの有無を観察した。その結果を表7に示す。
表7の結果より、試料No.29、30に示す例は、試料No.28に示す例と比較して、クラックが観察されるまでの起動停止試験の回数が大幅に増加している。従って、接合材の燃料電池セルの長手方向と垂直な断面(B−B線で示す断面)において、繊維状体の長軸方向が燃料電池セル3の短手方向に配向している割合が30%以下である場合には、接合材にクラックが発生することをさらに抑制することができることが確認できた。
1:セルスタック装置
3:燃料電池セル
4:導電部材
15:接合材
16:繊維状体
17:燃料電池モジュール
38:燃料電池装置
3:燃料電池セル
4:導電部材
15:接合材
16:繊維状体
17:燃料電池モジュール
38:燃料電池装置
本発明のセルスタック装置は、複数個の柱状のセルと、該セルの間に配置され、導電性の接合材にて隣り合う前記セルに接続された導電部材と、を備えており、前記接合材は、導電性粒子と絶縁性の繊維状体とを含んでなり、前記導電部材と前記セルとが対向する部位において、前記繊維状体の長軸方向が、前記セルに対して垂直な方向、または前記セルの長手方向、もしくは前記セルの短手の方向のいずれかに配向していることを特徴とする。
本発明のセルスタック装置は、複数個の柱状のセルと、該セルの間に配置され、導電性の接合材にて隣り合う前記セルに接続された導電部材と、を備えており、前記接合材は、導電性粒子と絶縁性の繊維状体とを含んでなり、前記導電部材と前記セルとが対向する部位において、前記繊維状体の長軸方向が、前記セルに対して垂直な方向に配向しており該配向の割合が50%以上、または前記セルの長手方向に配向しており該配向の割合が50%以上、もしくは前記セルの短手の方向に配向しており該配向の割合が50%以上であることを特徴とする。
Claims (13)
- 複数個の柱状のセルと、
該セルの間に配置され、導電性の接合材にて隣り合う前記セルに接続された導電部材と、を備えており、
前記接合材は、導電性粒子と絶縁性の繊維状体とを含んでなり、
前記導電部材と前記セルとが対向する部位において、前記繊維状体の長軸方向が所定の方向に配向していることを特徴とするセルスタック装置。 - 前記繊維状体の長軸方向が、前記セルに対して垂直な方向に配向していることを特徴とする請求項1に記載のセルスタック装置。
- 前記絶縁性の繊維状体の長軸方向が前記セルに対して垂直な方向に配向している割合が、90%以上であることを特徴とする請求項2に記載のセルスタック装置。
- 前記接合材の厚み方向に垂直な断面において、前記絶縁性の繊維状体が、短径に対する長径の比率が1.7以下であることを特徴とする請求項3に記載のセルスタック装置。
- 前記繊維状体の長軸方向が前記セルの長手方向に配向していることを特徴とする請求項1に記載のセルスタック装置。
- 前記接合材の厚み方向に垂直な断面において、前記繊維状体の長軸方向が前記セルの長手方向に配向している割合が50%以上であることを特徴とする請求項5に記載のセルスタック装置。
- 前記接合材の前記セルの前記短手方向と垂直な断面において、前記繊維状体の長軸方向が前記セルの長手方向に配向している割合が30%以下であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のセルスタック装置。
- 前記繊維状体の長軸方向が前記セルの短手方向に配向していることを特徴とする請求項1に記載のセルスタック装置。
- 前記接合材の厚み方向に垂直な断面において、前記繊維状体の長軸方向が前記セルの短手方向に配向している割合が50%以上であることを特徴とする請求項8に記載のセルスタック装置。
- 前記接合材の前記セルの前記長手方向と垂直な断面において、前記繊維状体の長軸方向が前記セルの短手方向に配向している割合が30%以下であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のセルスタック装置。
- 前記導電性粒子が、Laを含有するペロブスカイト型酸化物であり、前記絶縁性の繊維状体が、Al、Si、Tiの酸化物のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1乃至請求項10のうちいずれかに記載のセルスタック装置。
- 収納容器内に、請求項1乃至請求項11のうちいずれかに記載のセルスタック装置を収容してなることを特徴とするモジュール。
- 外装ケース内に、請求項12に記載のモジュールと、該モジュールの運転を行なうための補機とを収納してなることを特徴とするモジュール収容装置。
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