JP6401106B2 - セル、セルスタック装置、モジュール、およびモジュール収容装置 - Google Patents

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Description

本発明は、セル、セルスタック装置、モジュール、およびモジュール収容装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、燃料ガス(水素含有ガス)と酸素含有ガス(通常、空気である)とを用いて電力を得ることができる燃料電池セルが開発されている。燃料電池セル(以下、セルということがある。)は、固体電解質層を燃料極層と酸素極層とで挟んだ構造を有している。セルは、燃料極層に燃料ガスを、酸素極層に酸素含有ガスを流し、セルを1000〜1050℃に加温することによって発電する(例えば特許文献1参照)。
また、特許文献1においては、酸素極層と固体電解質層との間には中間層が設けられる。この酸素極層を構成するLSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)粉末の粒径は1μm以下であることが開示されている。
また、特許文献2においては、酸素極層と固体電解質層との間にはCeO系の中間層が設けられることが開示されている。
特開2010−277745号公報 特開2013−229219号公報
しかしながら、特許文献1のようなLSCF粉末の粒径分布の場合、上述のセルを用いた発電を繰り返すうちに、出力密度が低下して、長期信頼性が低下することがある。
本発明の目的は、出力密度の低下を抑制し、長期信頼性の向上したセル、セルスタック装置、モジュール、およびモジュール収容装置を提供することである。
本発明のセルは、固体電解質層と、該固体電解質層の一方主面に設けられた燃料極層と、前記固体電解質層の他方主面に設けられたCeO系の中間層と、該中間層上に設けられており、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物の粒子を含む酸素極層と、を有しており、該酸素極層は、厚み方向における任意の断面において、前記Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物の粒子が、粒径1μm以下の微粒子と、粒径3μm以上の粗粒子とを有し、前記断面において、前記Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物の粒子の個数のうち、前記微粒子の個数が55〜95%であり、前記粗粒子の個数が3〜40%であることを特徴とする。
また、本発明のセルは、固体電解質層と、該固体電解質層の一方主面に設けられた燃料極層と、前記固体電解質層の他方主面に設けられたCeO 系の中間層と、該中間層上に設けられており、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物の粒子を含む酸素極層と、を有しており、該酸素極層は、厚み方向における任意の断面において、前記Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物の粒子が、粒径1μm以下の微粒子と、粒径3μm以上の粗粒子とを有し、前記中間層は、CeO の粒子を含み、厚み方向における任意の断面において、前記CeO の粒子が、粒径0.7μm以下のCeO 微粒子と、粒径2μm以上のCeO 粗粒子とを有し、前記中間層の前記断面において、前記CeO の粒子の個数のうち前記CeO 微粒子の個数が60〜95%であり、前記CeO 粗粒子の個数が3〜30%であることを特徴とする
本発明のセルスタック装置は、上述のセルを複数個配列してなるセルスタックを備えることを特徴とする。
本発明のモジュールは、収納容器内に、上述のセルスタック装置が収納されていることを特徴とする。
本発明のモジュール収容装置は、外装ケース内に、上述のモジュールと、該モジュール
を作動させるための補機とを収納してなることを特徴とする。
本発明のセルは、出力密度の低下を抑制し、長期信頼性の向上したセルとすることができる。このようなセルを用いたセルスタック装置、モジュールおよびモジュール収容装置においても、出力密度の低下を抑制させ、長期信頼性を向上させることができる。
本実施形態のセルの構造を示し、(a)横断面図、(b)インターコネクタ層側から見た側面図である。 図1のセルを具備するセルスタック装置の構造を示し、(a)側面図、(b)(a)の破線部についての横断面図である。 図2のセルスタック装置を具備するモジュールの一例を示し、セルスタック装置を収納容器に収納前の状態を示す外観斜視図である。 図3のモジュールを具備するモジュール収容装置の一例を示す斜視図である。
(セルの構成)
図1は、本実施形態の固体酸化物形のセル1の一例を示すものであり、(a)はその横断面図、(b)は(a)のインターコネクタ層側から見た側面図である。なお、両図面において、セル1の各構成の一部を拡大して示している。
このセル1は、いわゆる中空平板型の燃料電池セルである。セル1は、導電性支持体(以下、単に支持体と略す。)2、燃料極層8、固体電解質層9(以下、単に電解質層と略す。)、中間層12、および酸素極層10を備える。
支持体2は、横断面が扁平な楕円形で、全体的に見て楕円柱状をしている。また、支持体2は多孔質体である。図1に示す例のように、支持体2は、互いに平行な一対の平坦面nと、一対の平坦面nをそれぞれ接続する一対の弧状面(側面)mとで構成されており、一対の平坦面n同士は互いにほぼ平行となっている。
また、支持体2の内部には、適当な間隔で複数のガス通路3が縦方向Lに貫通して設けられている。また、セル1は、この支持体2の外周を後述する各種の部材が取り巻くように設けられた構造を有している。
燃料極層8は、図1に示す例において、支持体2の一方の平坦面n(図1では下面)と両側の弧状面mを覆うように支持体2に配置されている。また、燃料極層8は多孔質体である。
電解質層9は、図1に示す例において、この燃料極層8を覆うように支持体2に配置されている。また、本例の電解質層9は固体酸化物形である。
中間層12は、支持体2の一方の平坦面n側であって電解質層9の外側に設けられ、燃料極層8と対面している。中間層12は、電解質層9と酸素極層10との接合を強固にすることができる。また、電解質層9の成分と酸素極層10の成分とが反応して電気抵抗の高い反応層が形成されることを抑制することができる。
酸素極層10は、支持体2の一方の平坦面n側であって中間層12の外側に配置されている。また、酸素極層10は多孔質体である。
インターコネクタ層11は、支持体2の燃料極層8および電解質層9が積層されていない他方の平坦面n(図1では上面)に配置されている。
インターコネクタ層11と支持体2との間には、密着層(不図示)が設けられていることが好ましい。これにより、インターコネクタ層11と支持体2との間の熱膨張係数差を軽減することができる。
以上で説明したセル1の機能は、燃料極層8と酸素極層10とが電解質層9を介して対面している部分が電極として発電することである。発電させるためには、酸素極層10の外側に空気等の酸素含有ガスを流し、且つ支持体2内のガス通路3に燃料ガス(水素含有ガス)を流して、燃料極層8に燃料ガス(水素含有ガス)を供給し、燃料極層8を所定の作動温度まで加熱する。そして、かかる発電によって生成した電流は、インターコネクタ層11にて集電される。
図1に示す例において、燃料極層8と電解質層9とは、一方の平坦面(図1(a)の下面)から両端の弧状面mを経由して他方の平坦面n(上面)の一部まで延びており、電解質層9の両端部にはインターコネクタ層11の両端部が積層されて接合されている。これによって、電解質層9とインターコネクタ層11とで支持体2が取り囲まれ、内部を流通する燃料ガスが外部に漏出しない構成となっている。言い換えれば、電解質層9を境界として、燃料極層8に供給される燃料ガスと酸素極層10に供給される酸素含有ガスとが遮断されている。
そのため、図1(b)に示す側面から見ると、平面形状が矩形状のインターコネクタ層11が支持体2の縦方向Lの上端から下端までを覆うように配置されており、インターコネクタ層11の左右両側端部は電解質層9の両端部の表面に重なるように接合されている。
(セルの各部材の説明)
支持体2は、燃料ガスを燃料極層8まで透過するためにガス透過性であること、およびインターコネクタ層11に接続されて集電されるために導電性であることが要求される。したがって、支持体2としては、導電性セラミックスやサーメット等を用いることができる。その導電率は300S/cm以上、特に440S/cm以上であるのが好ましく、ガス透過性を備えるために開気孔率は30%以上、特に35〜50%であることが好適である。
支持体2は、セル1を作製するにあたり、燃料極層8または電解質層9との同時焼成にて作製する場合においては、支持体2は鉄族金属成分と無機酸化物、例えば、Niおよび/またはNiOと特定の希土類酸化物からなる。特定の希土類酸化物は、支持体2の熱膨張係数を電解質層9の熱膨張係数に近づけるために使用されるものであり、Y、Lu、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Gd、Sm、Prからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む希土類酸化物が用いられ、Niおよび/またはNiOとの組み合わせで使用することができる。このような希土類酸化物の具体例としては、Y、Lu、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Gd、Sm、Prを例示することができ、Niおよび/またはNiOとの固溶や反応が殆どなく、また、熱膨張係数が電解質層9と同程度であり、かつ安価であるという点から、YおよびYbの少なくとも一種からなる。また、本実施形態においては、支持体2の良好な導電率を維持し、かつ熱膨張係数を電解質層9と近似させるという点で、Niおよび/またはNiO:希土類酸化物=35:65〜65:35の体積比で存在する。なお、支持体2中には、要求される特性が損なわれない限りの範囲で、他の金属成分や
酸化物成分を含有していてもよい。
さらに、本実施態様によれば、支持体2の平坦面nの長さ(支持体2の幅方向Wの長さ)は、15〜35mm、弧状面mの長さ(弧の長さ)は2〜8mmであり、支持体2の厚み(平坦面n間の厚み)は1.5〜5mm、支持体2のL方向の長さは、100〜150mmとされている。なお、支持体2の形状は柱状であれば良く、図1、2の中空平板型に限定されず、円筒型や平板型であってもよい。
燃料極層8は、電極反応を生じさせるものであり、本実施態様では、多孔質の導電性セラミックスからなる。例えば、希土類酸化物が固溶したZrOとNiおよび/またはNiOとからなる材料、または他の希土類酸化物が固溶したCeOとNiおよび/またはNiOとからなる材料が挙げられる。なお、希土類酸化物は、支持体2において例示したものを用いることができ、例えばYが固溶したZrO(YSZ)とNiおよび/またはNiOとからなる材料が挙げられる。本実施態様では、燃料極層8中の希土類酸化物が固溶したZrOまたは他の希土類酸化物が固溶しているCeOの含有量は35〜65体積%の範囲で、NiあるいはNiOの含有量は65〜35体積%である。さらに、この燃料極層8の開気孔率は例えば15%以上、特に20〜40%の範囲にあり、その厚みは1〜30μmである。
また、燃料極層8は、酸素極層10に対面する位置に配置されていればよいため、例えば、燃料極層8が図1(a)の上側の平坦面nおよび弧状面mまで延びず、下側の平坦面nにのみ燃料極層8が配置されていてもよい。
電解質層9は、燃料極層8、酸素極層10間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有していると同時に、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮断性を有することが必要とされる。本実施態様では、3〜15モル%のY、Sc、Yb等の希土類元素の酸化物を含有した部分安定化あるいは安定化ZrOからなるセラミックス(固体酸化物)が用いられている。また、希土類元素としては、安価であるという点からYが用いられている。電解質層9は、例えば、LaGaO系の材質であっても良く、上記特性を有する限りにおいては、他の材料であってもよいことは勿論である。本実施態様において、電解質層9の厚みは10〜40μmである。特に、電解質層9におけるガス透過を抑制するため、電解質層の厚みは20〜40μmである。
インターコネクタ層11は導電性セラミックスからなる。燃料ガス(水素含有ガス)および酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有する。このため、インターコネクタ層11は、一般に、LaCrO系のペロブスカイト型酸化物が使用され、特に支持体2および電解質層9の熱膨張係数に近づける目的から、BサイトにMgが存在するLaCrMgO系酸化物が用いられるが、上記材質に限定されるものではない。
なお、インターコネクタ層11は、支持体2に形成されたガス流路13を流通する燃料ガス、および支持体2の外側を流通する酸素含有ガスのリークを防止するために緻密質でなければならず、本実施態様では、93%以上、特に95%以上の相対密度を有している。また、本実施態様では、インターコネクタ層11の厚みは、ガスのリーク防止と電気抵抗という点から、10〜50μmである。
密着層(図示せず)は、燃料極層8と類似した組成とする。例えば、希土類酸化物、希土類酸化物が固溶したZrO、他の希土類酸化物が固溶したCeOのうち少なくとも1種と、Niおよび/またはNiOとからなる。より具体的には、例えばYとNiおよび/またはNiOからなる組成や、Yが固溶したZrO(YSZ)とNiおよび/またはNiOからなる組成、Y、Sm、Gd等の酸化物が固溶したCeOとNi
および/またはNiOからなる組成が挙げられる。なお、本実施態様では、希土類酸化物や、希土類酸化物が固溶したZrO(YSZ)と、Niおよび/またはNiOとは、体積比で40:60〜60:40の範囲である。
中間層12は、酸素極層10と電解質層9との間に、両者間の反応を防止する目的で設けられる。本実施態様では、CeOの焼結体の他、Ce以外の他の希土類元素の酸化物を含有するCeO系焼結体を含むものとする。Ce以外の他の希土類元素の酸化物を含有するCeO系焼結体としては、例えば、(CeO1−x(REO1.5(式中、REはSm、Y、Yb、Gdの少なくとも1種であり、xは0<x≦0.3を満足する数)で表される組成からなる。さらには、電気抵抗を低減するという点から、REとしてSmやGdを用いられ、例えば10〜20モル%のSmO1.5またはGdO1.5が固溶したCeOからなる。
酸素極層10は、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物の粒子を含んでいる。かかるペロブスカイト型複合酸化物として、遷移金属ペロブスカイト型酸化物が好ましい。遷移金属ペロブスカイト型酸化物は、例えば、AサイトにSrとLaが共存する複合酸化物が好ましい。このような複合酸化物の例としては、LaSr1−xCoyFe1−y、LaSr1−xMnO、LaSr1−xFeO、LaSr1−xCoO等が挙げられる。なお、xは0<x<1、yは0<y<1である。
また、酸素極層10は、ガス透過性を有することが好ましい。本実施態様では、酸素極層10は開気孔率は、例えば、20%以上、特に30〜50%であることが好ましい。さらに、酸素極層10の厚みは、集電性という点から30〜100μmであることが好ましい。
(酸素極層の微構造)
以下において、酸素極層の微構造について説明する。
(1)SEM画像
酸素極層10の微構造は、SEM画像を使って観察を行う。SEM画像を得るために使用する装置は、例えば、インレンズ二次電子検出器を用いたFE−SEM(Field Emission
Scanning Electron Microscope:電界放射型走査型電子顕微鏡)である。このFE−S
EMを使用して、例えば、倍率1000倍に拡大された酸素極層10の厚み方向における任意の断面(以下、単に任意の断面と略す。)を観察する。
酸素極層10の断面は、精密機械研磨後に株式会社日立ハイテクノロジーズのIM4000によってイオンミリング加工処理を施しておく。
(2)SEM画像の解析
酸素極層10の断面のSEM画像に、ASTM法、プラニメトリック法、又はインタセプト法等を用いることによって、酸素極層中のペロブスカイト型複合酸化物の粒子の粒径を測定する。なお、比較的簡便な方法として、インタセプト法を用いることが好ましい。
インタセプト法を用いる際には、まずSEM画像において、約30〜100個程度の粒子を通るように、任意の直線を引く。そして、各粒子を横切る直線であって、かつ、隣り合う空隙に挟まれた部分の長さを粒子1個当たりの粒径として算出する。
以上のような解析手段を用いた際に、酸素極層10の任意の断面において観察される粒子は、粒径1μm以下の微粒子と、粒径3μm以上の粗粒子と、を有している。ここでいう粒径とは、上述したインタセプト法の任意の直線上に存在する粒子から求められる。つ
まり、インタセプト法の対象とした約30〜100個の粒子の中には、粒径1μm以下の微粒子と、粒径3μm以上の粗粒子が含まれていることを意味する。
この構成により、酸素極層10には微粒子だけでなく、粗粒子が含まれることとなるので、発電を繰り返した場合であっても、酸素極層10の熱収縮を抑制することができる。従って、酸素極層10が中間層12から剥離することを抑制することができる。よって、セル1の出力密度の低下を抑制させることができる。
また、酸素極層10の任意の断面において、ペロブスカイト型複合酸化物の粒子の個数のうち、微粒子の個数は55〜95%であり、粗粒子の個数は3〜40%であることが好ましい。ここでいう比率は、インタセプト法の対象とした約30〜100個の粒子の中における個数比である。例えば、粒径1μm以下の微粒子の個数比を求める際には、任意の直線上に存在する粒径1μm以下の微粒子の個数を、任意の直線上に存在する全てのペロブスカイト型複合酸化物の粒子の個数で割ればよい。
酸素極層10の任意断面において、微粒子の個数を95%以下とし、粗粒子の個数を3%以上とすることによって、発電を繰り返した場合であっても、微粒子の個数を一定の範囲に抑えているので熱収縮が起き過ぎず、また、一定以上の個数の粗粒子によって微粒子の熱収縮を抑制することができる。従って、酸素極層10の熱収縮を抑制し、中間層12から剥離することを抑制できる。よって、セル1の出力密度の低下を抑制させることができる。
また、酸素極層10の任意の断面において、微粒子の個数を55%以上とし、粗粒子の個数を40%以下とすることによって、微粒子の個数をある程度増加させ、粗粒子の個数をある程度減少させることができるので、酸素極層10の緻密さを向上させることができる。従って、酸素極層10の強度を向上させることができるので、発電を繰り返しても酸素極層10の内部にクラックが発生することを抑制することができる。従って、セル1の長期信頼性をさらに向上させることができる。
また、中間層12は、CeOの粒子を含んでおり、中間層12の厚み方向における任意の断面(以下、単に任意の断面と略す。)において、CeOの粒子は、粒径0.7μm以下の微粒子と、粒径2μm以上の粗粒子と、を有することが好ましい。ここで、中間層12における粒径の測定方法も、前述した酸素極層10の測定方法と同様である。
この構成により、中間層12には微粒子だけでなく、粗粒子が含まれることとなるので、発電を繰り返した場合であっても、中間層12の熱収縮を抑制することができる。従って、酸素極層10が中間層12から剥離することを抑制することができる。よって、セル1の出力密度の低下を抑制させることができる。
また、中間層12の任意の断面において、CeOの粒子の個数のうち、微粒子の個数が60〜95%であり、粗粒子の個数が3〜30%であることが好ましい。ここで、中間層12における粒子の比率も、前述した酸素極層10の測定方法と同様である。
中間層12の任意の断面において、微粒子の個数を95%以下とし、粗粒子の個数を3%以上とすることによって、発電を繰り返した場合であっても、微粒子の個数を一定の範囲に抑えているので熱収縮が起き過ぎず、また、一定以上の個数の粗粒子によって微粒子の熱収縮を抑制することができる。従って、中間層12の熱収縮を抑制し、酸素極層10から剥離することを抑制できる。よって、セル1の出力密度の低下を抑制させることができる。
また、中間層12の任意断面において、微粒子の個数を60%以上とし、粗粒子の個数を30%以下とすることによって、微粒子の量をある程度増加させ、粗粒子の量をある程度減少させることができるので、中間層12の緻密さを適切に維持することができる。従って、電解質層9の成分と酸素極層10の成分とが反応して電気抵抗の高い反応層が形成されることを良好に抑制することができる。それゆえ、発電を繰り返した場合であっても、出力密度が低下することを抑制することができる。
(製造方法)
以上説明した本実施形態のセル1の作製方法の一例について説明する。ただし、以下に述べる材料、粒径、温度、及び塗布方法等の各種条件は、適宜変更することができる。以下、「成形体」とは、焼成前の状態を指すものとする。
先ず、例えば、Niおよび/またはNiO粉末と、Yなどの希土類酸化物の粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合して坏土を調製し、この坏土を用いて押出成形により導電性支持体成形体を作製し、これを乾燥する。さらに、導電性支持体成形体は、900〜1000℃にて2〜6時間仮焼した仮焼体を用いてもよい。
次に、例えば所定の調合組成に従い、NiOと、Yが固溶したZrO(YSZ)との素原料を秤量、混合する。この後、混合した粉体に、有機バインダーおよび溶媒を混合して燃料極層用スラリーを調製する。
また、Yが固溶したZrO粉末に、トルエン、バインダー粉末(下記、ZrO粉末に付着させるバインダー粉末よりも高分子、例えばアクリル系樹脂)、市販の分散剤等を加えてスラリー化したものをドクターブレード等の方法により、成形してシート状の電解質層成形体を作製する。
そして、得られたシート状の電解質層成形体上に燃料極層用スラリーを塗布し乾燥して燃料極層成形体を形成して、シート状の積層成形体を形成する。この燃料極層成形体および電解質層成形体のシート状の積層成形体の燃料極層成形体側の面を導電性支持体成形体に積層し、成形体を形成する。
続いて、インターコネクタ層材料(例えば、LaCrMgO系酸化物粉末)、有機バインダー及び溶媒を混合してスラリーを作製する。この後の工程は、密着層を有するセルの製法について説明する。
さらに、支持体2とインターコネクタ層11との間に位置する密着層成形体を形成する。例えば、Yが固溶したZrOとNiOが体積比で40:60〜60:40の範囲となるように混合して乾燥し、有機バインダー等を加えて密着層用スラリーを調整し、電解質層成形体の両端部間における導電性支持体成形体に塗布して密着層成形体を形成する。
次に、電解質層と酸素極層との間に配置する中間層を形成する。例えば、GdO1.5が固溶したCeO粉末を800〜900℃にて2〜6時間、熱処理を行い、中間層成形体用の原料粉末を調整し、これに、溶媒としてトルエンを添加し、中間層用スラリーを作製し、このスラリーを電解質層成形体上に塗布して中間層成形体を作製する。なお、シート状の中間層成形体を作製し、これを電解質層成形体上に積層してもよい。さらに、中間層用スラリーを、シート状の電解質層成形体の燃料極層成形体が形成されていない側に塗布し、乾燥させ、シート状の電解質層成形体の一方側に燃料極層成形体が、他方側に中間層成形体が形成されたシート状の積層成形体を作製し、燃料極層成形体側の面を導電性支持体成形体に積層し、成形体を形成しても良い。
この後、電解質成形体の両端部上に、インターコネクタ層用成形体の両端部が積層されるように、密着層成形体上面にインターコネクタ層用スラリーを塗布し、積層成形体を作製する。
次いで、上記の積層成形体を脱バインダー処理し、酸素含有雰囲気中、1400〜1450℃にて2〜6時間、同時焼結(同時焼成)する。なお、インターコネクタ層用スラリーを調製し、インターコネクタ層用シートを作製し、電解質層成形体の両端部上に、インターコネクタ層用シートの両端部が積層されるように、密着層成形体上面にインターコネクタ層用シートを積層し、積層成形体を作製することもできる。
続いて、例えば、粒径1μm以下のLaSr1−xCoyFe1−y(以下、単にLSCFと略す)粉末、粒径3μm以上のLSCF粉末、有機バインダー、造孔材、及び溶媒を混合して酸素極層用スラリーを作製する。このスラリーを電解質層上にスクリーン印刷にて塗布して、酸素極層用成形体を形成する。
次に、電解質層上に酸素極層用成形体が形成された積層体を、1100〜1200℃にて1〜3時間焼成する。このようにして図1に示す構造の本実施形態のセル1を製造できる。
なお、セル1は、その後、ガス流路に水素ガスを流し、支持体2および燃料極層8の還元処理を行なうのが好ましい。その際、たとえば750〜1000℃にて5〜20時間還元処理を行なうのが好ましい。
また、本例では、酸素極層10が粒径1μm以下の微粒子と、粒径3μm以上の粗粒子とを含むものとするために、原料粉末として粒径1μm以下のLSCF粉末(微粉)、粒径3μm以上のLSCF粉末(粗粉)を用いることができる。これに限らず、例えば、原料粉末として粒径1μm以下のLSCF粉末のみを用い、その後の焼成によって粒径3μm以上の粗粒子が形成されるよう、製造工程における焼成条件を設定してもよい。
また、酸素極層10の任意の断面において、微粒子と、粗粒子の個数の比率を所望の比率とするためには、原料粉末の量を調整する方法、又は、焼成条件を調整する方法が採用され得る。
また、中間層12に微粒子と、粗粒子を含有させる方法、及び、それらの粒子を所望の個数比にする方法は、酸素極層10で用いられた方法と同様とする。
(セルスタック装置)
図2は、上述したセル1の複数個を、集電部材13を介して電気的に直列に接続して構成されたセルスタック装置の一例を示したものであり、(a)はセルスタック装置18を概略的に示す側面図、(b)は(a)のセルスタック装置18の破線部についての横断面図であり、(a)で示した破線で囲った部分を抜粋して示している。なお、(b)において(a)で示した破線で囲った部分に対応する部分を明確とするために矢印にて示しており、(b)で示すセル1においては、上述した中間層12等の一部の部材を省略して示している。
セルスタック装置18は、複数のセル1が並設され、各セル1間が集電部材13で接続されているセルスタック19を具備する。また、複数のセル1の並設方向の両端には弾性変形可能な導電部材14が設けられ、並設された複数のセル1を挟持している。さらに、導電部材14にはセルスタック19(セル1)の発電により生じる電流を引出すための電
流引出し部15が接続されている。また、各セル1の下端および導電部材14の下端はガスタンク16に、ガラスシール材等の接着剤により固定されている。
本実施形態のセルスタック装置18においても、上述したセル1を具備することから、出力密度の低下を抑制したセルスタック装置18とすることができる。
(モジュール)
図3は、セルスタック装置18を収納容器内に収納してなるモジュールの一例である燃料電池モジュール30の一例を示す外観斜視図であり、直方体状の収納容器31の内部に、図2に示したセルスタック装置18を収納する前の状態を示している。すなわち収納容器31の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されているセルスタック装置18および改質器32を後方に取り出した状態で示している。図3に示した燃料電池モジュール30においては、セルスタック装置18を、収納容器31内にスライドして収納することが可能である。
燃料電池モジュール30には、セル1にて使用する燃料ガスを得るために、天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器32が、燃料電池セルスタック装置18の上方に配置している。そして、改質器32で生成された燃料ガスは、ガス流通管33を通ってガスタンク16に供給され、ガスタンク16からセル1の内部に設けられたガス通路2に供給される。
また収納容器31の内部に設けられた酸素含有ガス導入部材35は、図3においてはガスタンク16に並置された一対の燃料電池セルスタック装置18の間に配置される。そして、酸素含有ガスが、燃料ガスの流れに合わせて、セル1の側方を下端部から上端部に向けて流れるように、セル1の下端部に酸素含有ガスが供給される。また、図1(a)で示したセル1のガス通路2より排出される燃料ガスを酸素含有ガスと反応させてセル1の上端部側で燃焼させることにより、セル1の温度を上昇させることができ、セルスタック装置18の起動を早めることができる。また、セル1の上端部側にて、セル1のガス通路3から排出される燃料ガスと酸素含有ガスとを燃焼させることにより、セル1(燃料電池セルスタック装置18)の上方に配置された改質器32を温めることができる。それにより、改質器32で効率よく改質反応を行うことができる。
さらに、本実施形態の燃料電池モジュール30においても、上述したセルスタック装置18を収納容器31内に収納してなることから、出力密度の低下を抑制した燃料電池モジュール30とすることができる。
(モジュール収容装置)
図4は、外装ケース内に図5で示した燃料電池モジュール30と、燃料電池モジュール30を動作させるための補機とを収納してなるモジュール収容装置の一例である燃料電池装置の一例を示す斜視図である。なお、図4においては一部構成を省略して示している。
図4に示す燃料電池装置40は、支柱41と外装板42とから構成される外装ケース内を仕切板43により上下に区画し、その上方側は上述した燃料電池モジュール30を収納するモジュール収納室44とし、下方側は燃料電池モジュール30を動作させるための補機類を収納する補機収納室45として構成されている。なお、補機収納室44に収納する補機類は省略して示している。
また、仕切板43には、補機収納室45の空気をモジュール収納室44側に流すための空気流通口46が設けられており、モジュール収納室44を構成する外装板42の一部に、モジュール収納室44内の空気を排気するための排気口47が設けられている。
このような燃料電池装置40においても、上述したように、出力密度の低下を抑制した燃料電池モジュール30をモジュール収納室44に収納して構成されることにより、出力密度の低下を抑制した燃料電池装置40とすることができる。
以上、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。例えば、導電性支持体上に酸素極層、電解質層、燃料極層の順に配置した燃料電池セルであっても良い。さらに、例えば、上記形態では、支持体2の外周に燃料極層8、電解質層9、酸素極層10を積層されているが、支持体2は必ずしも必要ではなく、または燃料極層を兼ねる支持体であってもよい。
また、上記実施形態では、中空平板型の固体酸化物形燃料電池セルについて説明したが、円筒型の電解質形燃料電池セルであっても、平板型の固体酸化物形燃料電池セルであって良いことは勿論である。また、上記実施形態では、縦縞型の固体酸化物形燃料電池セルについて説明したが、横縞型の固体酸化物形燃料電池セルであってもよい。また、各部材間に機能に合わせて各種中間層を追加で設けても良い。さらに、上記形態では燃料電池セル、これを用いたセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、セルに水蒸気と電圧とを付与して水蒸気(水)を電気分解することにより、水素と酸素(O)を生成する電解セル(SOEC)およびこれを備える電解セルスタック装置、電解モジュールおよび電解装置にも適用することができる。
(試料の作製)
先ず、平均粒径0.5μmのNiO粉末と、平均粒径0.9μmのY粉末を混合し、有機バインダーと溶媒にて作製した坏土を押出成形法にて成形し、乾燥、脱脂して導電性支持体成形体を作製した。導電性支持体成形体は、焼成−還元後における体積比率が、NiOが48体積%、Yが52体積%であった。
次に、8mol%のYが固溶したマイクロトラック法による粒径が0.8μmのZrO粉末(電解質層原料粉末)に、アクリル系樹脂からなるバインダー粉末(低分子量)を添加し、この電解質層原料粉末とアクリル系樹脂からなるバインダー粉末(高分子量)と溶媒とを混合して得られたスラリーを用いて、ドクターブレード法にて電解質層用シートを作製した。
次に、CeOを90モル%、希土類元素の酸化物(GdO1.5、SmO1.5)を10モル%含む複合酸化物を、溶媒としてイソプロピルアルコール(IPA)を用いて振動ミル又はボールミルにて粉砕し、900℃にて4時間仮焼処理を行い、再度ボールミルにて解砕処理し、セラミック粒子の凝集度を調製し、この粉体に、アクリル系バインダーとトルエンとを添加、混合して、中間層成形体を形成するためのスラリーを作製した。
また、平均粒径0.5μmのNiO粉末とYが固溶したZrO粉末と有機バインダーと溶媒とを混合した燃料極層用スラリーを作製し、電解質層用シート上にスクリーン印刷法にて塗布し乾燥して燃料極層成形体を形成した。
続いて、燃料極層成形体が形成された面とは反対側の面の電解質層用シート上に、中間層成形体を形成するためのスラリーをスクリーン印刷法にて塗布し乾燥して、中間層成形体を形成した。
電解質層用シートの両面に中間層成形体と、燃料極層成形体とを形成したシート状の積層成形体を、燃料極層成形体側の面を内側(支持体側)にして導電性支持体成形体の所定位置に積層した。続いて、上記のように成形体を積層した積層成形体を1000℃にて3時間仮焼処理した。
また、La(Mg0.3Cr0.70.96と、有機バインダーと溶媒とを混合したインターコネクタ用のスラリーを作製した。さらに、NiとYSZとからなる原料を混合して乾燥し、有機バインダーと溶媒とを混合して密着層用スラリーを調整した。調整した密着層用スラリーを、支持体の燃料極層(および電解質層)が形成されていない部位(支持体が露出した部位)に塗布して密着層成形体を積層し、密着層成形体の上に、インターコネクタ層用スラリーを塗布した。そして、上記の積層成形体を脱バインダー処理し、酸素含有雰囲気中で1450℃にて2時間同時焼成した。
次に、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8粉末に、バインダーとイソプロピルアルコールと造孔材とを添加してペーストを作製し、積層焼結体の中間層の表面にスクリーン印刷法にて塗布して酸素極層成形体を形成し、これを1100℃にて4時間で焼き付けて酸素極層とし、図1に示すセルを作製した。
次に、このセルのガス流路に水素ガスを流し、850℃で10時間、支持体および燃料極層の還元処理を施した。以上の通りの方法で、試料No.1〜11を作製した。
ここで、試料No.1〜11の酸素極層および中間層では、原料粉末の粒径、微粒子と粗粒子の個数比を調整することによって、表1に示す通り、微粒子および粗粒子の粒径、個数比が異なるように制御した。なお、試料No.1、8〜11では、中間層の原料として粗粉を用いなかったため、粗粒子を含有していない。なお、試料No.10、11では、酸素極層の原料として粗粉を用いなかったため、粗粒子を含有していない。
作製したセルの寸法は25mm×200mmで、導電性支持体の厚み(平坦面n間の厚み)は2mm、燃料極層の厚さは10μm、電解質層の厚みは50μmであった。
各部材の厚みは、導電性支持体の平坦部における酸素極層の厚みを走査型電子顕微鏡(SEM)の写真から求めた。
(酸素極層及び中間層の断面の観察)
上記のように作製した後の試料No.1〜11について、酸素極層および中間層の厚み方向における断面を観察した。
具体的には、まず、各試料の酸素極層又は中間層を精密機械研磨した後に、株式会社日立ハイテクノロジーズのIM4000によってイオンミリング加工を施した。
次に、インレンズ二次電子検出器を用いたFE−SEMによって倍率10000倍に拡大された酸素極層又は中間層の厚み方向における断面のSEM画像を取得した。
次に、断面写真をインタセプト法によって解析することによって、酸素極層又は中間層の断面における微粒子、粗粒子の粒径、個数比を算出した。この算出結果は、表1に示す通りであった。
インタセプト法を用いるにあたっては、断面写真上で100個の粒子を横切るように直線を引いた。
酸素極層においては、測定した粒子のうち、粒径1μm以下の粒子を微粒子として個数を計測し、100で割ることによって、微粒子の比率を算出した。また、粒径3μm以上の粒子を粗粒子として個数を計測し、100で割ることによって、粗粒子の比率を算出した。
中間層においては、粒径0.7μm以下の粒子を微粒子として個数を計測し、100で割ることによって、微粒子の比率を算出した。また、粒径2μm以上の粒子を粗粒子として個数を計測し、100で割ることによって、粗粒子の比率を算出した。
(発電性能試験)
まず、発電初期におけるセルの出力密度(0.3A/cm、750℃)を測定し、その後、1000℃で1000時間の加速試験を行って、発電初期の出力密度に対する1000時間作動させた後のセルの出力密度の低下率を測定した。これを表中では、出力密度低下率と記載し、その結果を表1に示した。
(耐久性試験)
得られたセルを用いてその耐久性を評価した。本試験では、前述した加速試験を行った後のセルの酸素極層の断面SEM写真上において、酸素極層の内部にクラックが発生しているか否かを調べた。断面SEM写真は、上述と同様の方法で撮った。クラックの定義は、LSCF粒子が凝集した塊の内部にできたものであり、LSCF粒子間の気孔とは区別されるものであって、かつ、その長さが5μmに達したものをいう。クラックの有無の結果を表1に示した。
Figure 0006401106
(発電性能試験結果)
表1から明らかなように、試料No.10、11では、出力密度低下率が大きかった。これは、酸素極層の厚み方向における任意の断面において粒径3μm以上の粗粒子が観察されなかったからである。
また、試料No.9では、試料No.10、11と比較して、出力密度低下率が低かった。これは、酸素極層の厚み方向における任意の断面において粒径1μm以下の微粒子と、粒径3μm以上の粗粒子があったからである。
また、試料No.1、8では、試料No.9と比較して、出力密度低下率が低かった。これは、酸素極層の厚み方向における任意の断面において粗粒子の比率は3%以上であり、微粒子の比率は95%以下となっていたからである。
また、試料No.2、7では、試料No.1、8と比較して、出力密度低下率が低かった。これは、中間層の厚み方向における任意の断面において粒径0.7μm以下の微粒子と、粒径2μm以上の粗粒子があったからである。
また、試料No.3〜6では、試料No.7と比較して、出力密度低下率が低かった。これは、中間層の厚み方向における任意の断面において、粗粒子の比率が3%以上であり、微粒子の比率が95%以下となっていたからである。
さらに、試料No.3〜6では、試料No.2と比較して、出力密度低下率が低かった。これは、中間層の厚み方向における任意の断面において、粗粒子の比率が30%以下であり、微粒子の比率が60%以上となり、中間層の緻密性を向上できたからである。
(耐久性試験結果)
試料No.2〜11では、試料No.1と比較して、酸素極層の内部でクラックが発生することを抑制することができた。これは、粗粒子の比率が40%以下であり、微粒子の比率が55%以上となり、酸素極層の緻密性が向上し、酸素極層の強度が向上したからである。
1:セル
2:導電性支持体(支持体)
3:燃料ガス通路
8:燃料極層
9:電解質層
10:酸素極層
11:インターコネクタ層
12:中間層

Claims (7)

  1. 固体電解質層と、
    該固体電解質層の一方主面に設けられた燃料極層と、
    前記固体電解質層の他方主面に設けられたCeO系の中間層と、
    該中間層上に設けられており、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物の粒子を含む酸素極層と、を有しており、
    該酸素極層は、厚み方向における任意の断面において、前記Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物の粒子が、粒径1μm以下の微粒子と、粒径3μm以上の粗粒子とを有し
    前記断面において、前記Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物の粒子の個数のうち、
    前記微粒子の個数が55〜95%であり、
    前記粗粒子の個数が3〜40%であることを特徴とするセル。
  2. 固体電解質層と、
    該固体電解質層の一方主面に設けられた燃料極層と、
    前記固体電解質層の他方主面に設けられたCeO 系の中間層と、
    該中間層上に設けられており、Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物の粒子を含む酸素極層と、を有しており、
    該酸素極層は、厚み方向における任意の断面において、前記Laを含有してなるペロブスカイト型複合酸化物の粒子が、粒径1μm以下の微粒子と、粒径3μm以上の粗粒子とを有し、
    前記中間層は、CeO の粒子を含み、厚み方向における任意の断面において、前記CeO の粒子が、粒径0.7μm以下のCeO 微粒子と、粒径2μm以上のCeO 粗粒子とを有し、
    前記中間層の前記断面において、前記CeO の粒子の個数のうち
    前記CeO 微粒子の個数が60〜95%であり、
    前記CeO 粗粒子の個数が3〜30%であることを特徴とするセル。
  3. 前記中間層は、CeO の粒子を含み、厚み方向における任意の断面において、前記CeOの粒子が、粒径0.7μm以下のCeO 微粒子と、粒径2μm以上のCeO 粗粒子とを有することを特徴とする請求項1に記載のセル。
  4. 前記中間層の前記断面において、前記CeOの粒子の個数のうち
    前記CeO 微粒子の個数が60〜95%であり、
    前記CeO 粗粒子の個数が3〜30%であることを特徴とする請求項3に記載のセル。
  5. 請求項1乃至請求項4のうちいずれかに記載のセルを複数個配列してなるセルスタックを備えることを特徴とするセルスタック装置。
  6. 収納容器内に、請求項5に記載のセルスタック装置が収納されていることを特徴とするモジュール。
  7. 外装ケース内に、請求項6に記載のモジュールと、該モジュールを作動させるための補機とを備えることを特徴とするモジュール収容装置。
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