JPWO2015133389A1 - 太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ、太陽光反射ミラーの洗浄方法及びその洗浄装置 - Google Patents

太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ、太陽光反射ミラーの洗浄方法及びその洗浄装置 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、太陽光反射ミラーを傷付けることなく高度に洗浄できる太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ、太陽光反射ミラーの洗浄方法及びその洗浄装置を提供することである。当該太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1は、ブラシ繊維106を有する、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシであって、ブラシ繊維106が親水性基を有する親水性繊維であることを特徴とする。

Description

本発明は、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ、太陽光反射ミラーの洗浄方法及びその洗浄装置に関する。より詳しくは、太陽光反射ミラーを傷付けることなく高度に洗浄できる太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ、太陽光反射ミラーの洗浄方法及びその洗浄装置に関する。
太陽光を用いた発電装置としては、太陽光を直接電力に変換する太陽電池、太陽光反射ミラーを用いて太陽光を集光し、得られた熱を媒体として発電する太陽熱発電装置等が知られている。
太陽熱発電装置によれば、得られた熱を蓄熱することにより、昼夜を問わず発電が可能である。長期的に見れば、太陽熱発電装置の発電効率は太陽電池よりも高く、太陽光を有効に利用できる。
太陽熱発電装置は砂漠地帯で利用されることが多い。屋外に設置される太陽光反射ミラーには砂塵等の汚れが付着しやすく、この汚れが反射率、ひいては発電効率を低下させる原因となっていた。
特に、砂漠地帯における砂塵由来の汚れは通常の汚れと異なり、強固な砂の膜を形成して太陽光反射ミラーの表面に固着する。これは、昼夜の温度差が大きい砂漠地帯において太陽光反射ミラーの表面に結露が生じることが原因の一つと考えられている。太陽光反射ミラーの表面に結露が生じると、表面上に堆積した砂塵由来の物質(例えば、NaCl、CaCO、SiO等)、大気中の汚染物質(例えば、SiO等)等が結露に溶け込んで反応し、不溶性の塩を形成する。その後、水分が蒸発し、不溶性の塩及び砂塵粒子が凝集して、強固な砂の膜を形成する。
汚れによる反射率の低下を抑えるには、太陽光反射ミラーの表面を定期的に洗浄する必要がある。
そこで、表面の防汚性に優れた太陽光反射ミラーが検討されている。
例えば、太陽光反射ミラーの最表面に光触媒を含有する層を備えて、付着した有機物を分解する太陽光反射ミラーが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
太陽光反射ミラーの表面に、親水性ポリマー、金属アルコキシド化合物、コロイダルシリカを含有する親水性層を設け、汚れが付着しにくく、洗浄が容易な太陽光反射ミラーも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
表面の防汚性だけでなく、表面の清浄度を高める洗浄方法についても検討されている。
例えば、ナノバブルを用いて、表面を傷付けずに固着した汚れを容易に洗浄する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、前記光触媒による汚れの分解速度は、砂の膜が形成される速度に比べて遅いため、屋外のような過酷な環境下ではやはり表面に汚れが堆積してしまう。
また、親水性層によれば、降雨があると水が濡れ広がって表面から汚れが洗い流されるが、降雨の少ない砂漠地帯ではこのような自浄作用は期待できず、やはり定期的な洗浄作業が必要である。
このように、砂漠のような過酷な屋外環境下では、単に防汚性を備えるだけでは汚れの堆積を十分に防ぐことができなかった。ナノバブルのような洗浄効果の高い洗浄方法を用いても、高い反射率を維持するためには、頻繁に洗浄作業を行う必要があり、洗浄負荷は余り変わらなかった。
そこで、汚れを除去するために、ブラシなどで拭き取ることが考えられる。
しかしながら、太陽光反射ミラーの表面に付着した砂や土には、硬質で大きな粒状物が含まれている。このため、太陽光反射ミラーの表面は、ブラシや布などで拭かれると、前記粒状物によって擦られるため、太陽光反射ミラーの表面に傷が入る。さらに、太陽光反射ミラーの表面が、前記粒状物によって、繰り返し擦られると、傷が増え、さらには、深くなり、このため、太陽光反射ミラーの反射性能が低下し、ひいては、発電効率が劣化するという問題がある。
前記問題を解決するために、洗浄液を噴きつけるなどして、あらかじめ前記粒状物を取り除いてから、ブラシ等を用いて洗浄する方法が考えられる。
しかしながら、このような方法であっても、ブラシ繊維として、ポリプロピレン繊維又はポリエチレン繊維を採用した一般的なブラシを使用すると、ブラシ繊維との摩擦により、太陽光反射ミラーに傷が入り、結局、前記問題と同様の問題が生じてしまう。
国際公開2011/078024号パンフレット 特開2012−8166号公報 特開2013−139958号公報
本発明は、前記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、太陽光反射ミラーを傷付けることなく高度に洗浄できる太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ、太陽光反射ミラーの洗浄方法及びその洗浄装置を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく、前記問題の原因等について検討する過程において、親水性のブラシ繊維を有する太陽光反射ミラー洗浄用ブラシであると、太陽光反射ミラーを洗浄する際に、水などの洗浄液を介在させながら、太陽光反射ミラーを洗浄することができ、これにより、太陽光反射ミラーを傷付けることなく高度に洗浄できる太陽光反射ミラー洗浄用ブラシを提供できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る前記課題は、以下の手段により解決される。
1.ブラシ繊維を有する、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシであって、
前記ブラシ繊維が、親水性基を有する親水性繊維であることを特徴とする太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ。
2.前記ブラシ繊維のモノフィラメントの平均径が、0.001〜1.0mmの範囲内であることを特徴とする第1項に記載の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ。
3.前記ブラシ繊維が、化学繊維、動物性繊維又は植物性繊維であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ。
4.前記化学繊維が、ポリアミド繊維であることを特徴とする第3項に記載の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ。
5.前記動物性繊維が、馬毛又は豚毛であることを特徴とする第3項に記載の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ。
6.太陽光反射ミラーの洗浄方法であって、
洗浄液を前記太陽光反射ミラーの表面に塗布するプロセスと、
ブラシ繊維を有する、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシを前記太陽光反射ミラーに対して押圧しながら回転させて前記太陽光反射ミラーの表面を洗浄するプロセスと、を有し、
前記ブラシ繊維が親水性基を有する親水性繊維であることを特徴とする太陽光反射ミラーの洗浄方法。
7.前記太陽光反射ミラーの表面に対する、前記太陽光反射ミラー洗浄用ブラシの押圧力が、200〜3500Paの範囲内であることを特徴とする第6項に記載の太陽光反射ミラーの洗浄方法。
8.前記太陽光反射ミラーが、樹脂フィルム上に少なくとも太陽光の反射層を有するフィルム状のミラーであることを特徴とする第6項又は第7項に記載の太陽光反射ミラーの洗浄方法。
9.第1項から第5項までのいずれか一項に記載の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシと、
前記太陽光反射ミラーの表面に洗浄液を塗布する手段と、
前記洗浄液を塗布した前記太陽光反射ミラーの表面に対して、前記太陽光反射ミラー洗浄用ブラシを押圧しながら回転させて洗浄する手段と、
を有することを特徴とする太陽光反射ミラーの洗浄装置。
本発明の前記手段により、太陽光反射ミラーを傷付けることなく高度に洗浄できる太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ、太陽光反射ミラーの洗浄方法及びその洗浄装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
従来、ブラシ繊維として、前述のポリプロピレンやポリエチレンを採用した太陽光反射ミラー洗浄用ブラシでは、太陽光反射ミラーに洗浄液が塗布されていても、ブラシ繊維との摩擦により、太陽光反射ミラーに傷が入るという問題があった。
本発明者は、ポリプロピレンやポリエチレンは疎水性であるため、ブラシ繊維としてポリプロピレンやポリエチレンを採用した場合、ブラシ繊維が洗浄液をはじき、ブラシ繊維が太陽光反射ミラーに対し直に接触することとなり、この結果、洗浄する際にブラシ繊維と太陽光反射ミラーとの間に強い摩擦力が生じ、ひいては、ブラシ繊維が太陽光反射ミラーを傷付けてしまうことを突き止めた。
本発明者は、親水性のブラシ繊維を有する太陽光反射ミラー洗浄用ブラシを使用することで、水などの洗浄液を太陽光反射ミラー洗浄用ブラシと太陽光反射ミラーとの間に介在させることができることを見いだした。すなわち、このような親水性のブラシ繊維を採用すると、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシと太陽光反射ミラーとの間に介在する洗浄液が緩衝剤となり、ブラシ繊維と太陽光反射ミラーとの摩擦を軽減でき、この結果、太陽光反射ミラーを傷付けることなく高度に洗浄できることを見いだし本発明に至った。
太陽光反射ミラー洗浄用ブラシの一例を示す側面断面図 太陽光反射ミラー洗浄用ブラシの一例を示す底面図 太陽光反射ミラー洗浄用ブラシの一例を示す側面断面図 太陽光反射ミラー洗浄用ブラシの一例を示す底面図 ブラシ繊維束植設孔の拡大断面図 ブラシ繊維束の側面を示す模式図 ブラシ繊維束の他の側面を示す模式図 太陽光反射ミラーの構成の一例を示す断面図 太陽光反射ミラーの洗浄装置と太陽熱発電装置との一例を示す概略図
本発明の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシは、ブラシ繊維を有する、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシであって、前記ブラシ繊維が、親水性基を有する親水性繊維であることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項9までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記ブラシ繊維のモノフィラメントの平均径が、0.001〜1.0mmの範囲内であることが、洗浄性がより向上し、傷付きも更に抑制できるため、好ましい。
また、本発明においては、ブラシ繊維が、化学繊維、動物性繊維又は植物性繊維であることが好ましい。
また、本発明においては、前記化学繊維が、ポリアミド繊維であるであることが好ましい。
また、本発明においては、前記動物性繊維が、馬毛又は豚毛であることが好ましい。
さらに、本発明の太陽光反射ミラーの洗浄方法においては、洗浄液を前記太陽光反射ミラーの表面に塗布するプロセスと、ブラシ繊維を有する、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシを前記太陽光反射ミラーに対して押圧しながら回転させて前記太陽光反射ミラーの表面を洗浄するプロセスと、を有し、前記ブラシ繊維が、親水性基を有する親水性繊維であることが好ましい。これにより、太陽光反射ミラーを傷付けることなく高度に洗浄できる太陽光反射ミラーの洗浄方法を提供できる。
また、本発明の太陽光反射ミラーの洗浄方法においては、太陽光反射ミラーの表面に対する、前記太陽光反射ミラー洗浄用ブラシの押圧力が、200〜3500Paの範囲内であることが、より太陽光反射ミラーを傷付けることなく、更に高度に洗浄できる太陽光反射ミラーの洗浄方法を提供できる。
また、本発明の太陽光反射ミラーの洗浄方法においては、太陽光反射ミラーが、樹脂フィルム上に少なくとも太陽光の反射層を有するフィルム状のミラーであることが好ましい。本発明は、一般にガラスよりも強度が弱いとされるフィルム状の太陽光反射ミラーであっても、当該太陽光反射ミラーを傷付けることなく高度に洗浄できる。
さらに、本発明の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシは、太陽光反射ミラーの洗浄装置に好適に具備され得る。
当該太陽光反射ミラーの洗浄装置は、本発明の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシと、前記太陽光反射ミラーの表面に洗浄液を塗布する手段と、前記洗浄液を塗布した前記太陽光反射ミラーの表面に対して、前記太陽光反射ミラー洗浄用ブラシを押圧しながら回転させて洗浄する手段と、を有することが好ましい。
これにより、太陽光反射ミラーを傷付けることなく高度に洗浄できる太陽光反射ミラーの洗浄装置を提供することができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[太陽光反射ミラー洗浄用ブラシの概要]
本発明の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシは、ブラシ繊維106を有する太陽光反射ミラー洗浄用ブラシであって、当該ブラシ繊維106が、親水性基を有する親水性繊維であることを特徴とする。
本発明の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシの例を図1〜図4に示す。図1A及び図1B並びに図2A及び図2Bはその全体構成を示し、図3並びに図4A及び図4Bは各部分構成を示す。
図1A及び図1B並びに図2A及び図2Bに示すように、本発明実施形態の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1は、円板状のブラシ基板2と、該ブラシ基板2のブラシ繊維束植設孔102に植設されるブラシ繊維束104と、を有している。
以下、各部の細部の構造について説明する。
(ブラシ基板2)
ブラシ基板2は、中心に断面が凸字状の円孔101aが開孔された円環状をなし、下面に対して開口する多数のブラシ繊維束植設孔102が穿設される。101bは外側面である。該ブラシ基板2は、硬質の合成樹脂材をもって形成され、本発明実施形態では塩化ビニル樹脂が採用されるが、他の同等の合成樹脂材、例えば、ポリプロレン樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)等の採用を妨げるものではない。また、木製であってもよい。
(ブラシ繊維束植設孔102)
ブラシ繊維束植設孔102は、円形孔をなし、ブラシ基板2に一定の深さにわたって穿設されるとともに、一定の間隔を保って多数穿設される。該ブラシ繊維束植設孔102の配置の仕方は特に限定されず、図1Bのようにブラシ基板2の底面を埋め尽くすようにまんべんなく設けられてもよいし、図2Bのように放射状に設けられていてもよい。
図3はブラシ繊維束植設孔102の断面構成を示し、102aはその孔壁、102bは円錐形をなす孔天井102bである。このブラシ繊維束植設孔102は、先端の刃先が円錐形をなすドリルをもって穿孔されるものであり、したがって、その先端の形状に対応して孔天井102bは円錐形をなす。
なお、ブラシ繊維束植設孔102の径、深さは特に限定されず、例えば、径が6〜7mm程度、深さが10mm程度であってもよい。また、孔天井102bの角度につても特に限定されず、90°であってもよいし、それ以上の角度でもよい。
(ブラシ繊維束104)
ブラシ繊維束104は、図4A及び図4Bに示されるように、所定長のブラシ繊維106が2本以上を一束として、中央より折り曲げられ、かつ、その折曲げ部に線材よりなる止め金具107が巻き懸けられる。なお、ブラシ繊維束104が束ねているブラシ繊維106の本数は、特に限定されないが、10本以上であることが好ましい。
(ブラシ繊維)
本発明に係るブラシ繊維106は、親水性基を有する親水性繊維であることを要する。すなわち、ブラシ繊維106は、それ自体が親水性基を有する材料から形成されていてもよいし、親水性基を有する材料を塗布などして親水化処理したものであってもよい。また、ブラシ繊維106は、さらに、吸水性を有していてもよい。
ここで、ブラシ繊維106とは、具体的には「直径:長さ」のアスペクト比が10以上、好ましくは50以上のものである。なお、ブラシ繊維106は、モノフィラメント(単糸)であってもよいし、2本以上のモノフィラメントを撚り合わせて一本の糸としたマルチフィラメントであってもよい。
ブラシ繊維束104は、このようなモノフィラメント又はマルチフィラメントであるブラシ繊維106が束ねられて構成されてもよい。
また、ブラシ繊維106(モノフィラメント)は、平均径が、0.001〜1.0mmの範囲内であることが好ましい。なお、ブラシ繊維106がマルチフィラメントである場合は、当該マルチフィラメントを構成するモノフィラメントの平均径が0.001〜1.0mmの範囲内であることが好ましい。
ブラシ繊維106のモノフィラメントの平均径は、デジタルマイクロスコープVH−5500(KEYENCE社製)により観察し、各ブラシ繊維106の径を計測できる。一般に、繊維の太さは場所により異なるため、計測か所を無作為に選び、N=500で測定を行い統計的に処理して得た繊維径分布の平均値を本発明に係るブラシ繊維106のモノフィラメントの平均径とする。
親水性基としては、好ましくは、水分子と水素結合を形成し得る、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、カルボキシ基、カルボニル基及びエーテル基等が挙げられる。親水性基を有する材料は、これら親水性基を複数種類有していてもよい。
本発明において用いることができるブラシ繊維106としては、前記親水性基を有する動物性繊維、植物性繊維及び化学繊維が挙げられるが、耐久性の観点から、動物性繊維及び化学繊維が好ましい。
動物性繊維としては、特に制限はないが、好ましい例として、馬毛及び豚毛などが挙げられる。
植物性繊維としては、特に制限はないが、綿、麻などが挙げられる。
化学繊維としては、例えば、ポリビニルアルコール繊維(例えばビニロン)、ポリエステル繊維(例えばポリエチレンテレフタラート繊維)、ポリアミド繊維(例えば、ナイロン6、ナイロン66などのナイロン等)等の合成繊維が挙げられる。また、セルロース繊維、セルロースエステル繊維等の半合成繊維が挙げられる。
前記化学繊維の中では、ナイロン6及びナイロン66(例えば、東レ株式会社製。)などが好ましい。これらのナイロンは、アミド結合に由来する適度な吸湿性、適度な長さの長鎖脂肪酸からなる分子鎖を繊維軸配向させやすく比較的延伸性が高いこと、融解熱が高く熱容量が大きいことから動力学的にも速度論的にも溶融しにくい(耐溶融性)、長鎖脂肪鎖からなる分子鎖の可とう性や、アミド結合間の水素結合形成のためにフィブリル化やキンクバンドが生じにくい性質、すなわち繰り返し屈伸性など、本発明に係るブラシ繊維106として好ましい性能を活用することができるためである。
ブラシ繊維106の親水性の評価方法としては、JIS L0105 4.1に準拠して測定される公定水分率により評価することができる。この評価方法では、1%以上を親水性とする。
また、ブラシ繊維106を形成する材料をフィルム(シート)状試料として測定評価する場合には、水の接触角の測定により評価することができる。この評価方法では、接触角が、下記測定条件下において、70°以下を親水性とする。
(公定水分率の測定方法)
前記公定水分率は、JIS L0105の規定にしたがって、標準状態(温度20±2℃、相対湿度(65±4)%)において測定した値とする。
(水との接触角の測定方法)
水との接触角(°)は、JIS−R3257に準拠して、温度23℃、相対湿度55%RHの環境下において、測定対象の化学繊維を構成する高分子化合物からなるシートを作製し、当該シート上に3μlの水を滴下して30秒後に接触角計DM300(共和界面化学社製)を用いて測定することができる。測定された接触角が小さいほど、親水性が高いことを示す。
(吸水性について)
本発明に係るブラシ繊維は、親水性基を有する親水性繊維からなることを特徴とするが、ブラシ繊維として吸水性を有することが好ましい。
なお、本発明においては、JIS K 7209の(A法)に準じて下記式(1)より求められるブラシ繊維106の吸水率が、0.25%以上であるものを吸水性とする。
式(1) 吸水率=(w−w)/w×100(%)
(式(1)中、wは水に浸漬する前の試験片(ブラシ繊維106)の乾燥質量(mg)であり、wは23.0±1.0℃の水に24±1時間浸漬した後の試験片(ブラシ繊維106)の質量(mg)である。)
(止め金具107)
止め金具107は、所定長さのものを、束ねられたブラシ繊維106の中央すなわち基部に巻き懸け、その両端を外方へ延設させる。
個々のブラシ繊維束104は、止め金具107がブラシ基板2内に食い込むことにより定着される。
なお、止め金具107を形成する材料は、特に制限されないが、酸化防止、防サビ、防腐の観点でステンレス(SUS)が好ましい。
このように構成されたブラシ繊維束104は、一つのブラシ繊維束植設孔102に多数のブラシ繊維106が植設された態様で多数配設される。
ブラシ繊維束植設孔102の穿孔作業すなわち穴加工については、所定の装置すなわちボール盤を使用し、該装置に装着されたドリルによりなされる。当該装置は数値制御化、自動化され、該穴加工作業は所定間隔に精確になされる。また、多軸化をもって作業の迅速化を図ることができる。
ブラシ繊維束104のブラシ繊維束植設孔102への植え込み作業は、例えば、ブラシ基板2を反転させ、換言すれば該ブラシ繊維束植設孔102を上方に向けて行われる。具体的には、ブラシ繊維106の10〜30本を一束とし、その中央に止め金具107を巻き懸け、該止め金具107の突出両端が下方になるように折り込み、その状態を保持しつつ、所定の工具を介してブラシ繊維束植設孔102に押し込む。その押込み力により、止め金具107の突出両端はブラシ繊維束植設孔102の孔天井102bの傾斜面に沿って折り曲げられブラシ基板2内に食い込む。
先の図3の図例では、ブラシ繊維束104のブラシ繊維束植設孔102は、鉛直方向に穿設されたものであるが、これに限定されず、例えば、ブラシ繊維束植設孔102は外方に傾斜して穿設されてもよい。
次に、太陽光反射ミラー10の詳細を説明する。
〔太陽光反射ミラー10〕
太陽光反射ミラー10は、基材としてガラス板、金属板等が用いられた板状ミラーであることもできるが、基材として樹脂フィルムが用いられたフィルム状ミラーであることが好ましい。フィルム状ミラーは可撓性が高いため、太陽熱発電装置に用いる際に、太陽光を集光する位置に合わせて曲面状等に変形することができる。
図5は、太陽光反射ミラー10をフィルム状ミラーとした場合の構成例を示す断面図である。図5において、矢印は太陽光の入射方向Aを表す。
太陽光反射ミラー10は、図5に示すように、樹脂フィルム11上に、アンカー層12、反射層13、腐食防止層14、接着層15、紫外線吸収層16及びハードコート層17を、この順に備えている。また、太陽光反射ミラー10は、前述した各層に限定されず、例えば、親水性層など、その他の層を備えることもできる。
以下、各層の詳細を説明する。
〔樹脂フィルム〕
樹脂フィルム11としては、太陽光反射ミラー10をフィルム状とすることができるのであれば、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。
樹脂フィルム11としては、例えばセルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。
中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム又はセルロースエステル系フィルムが好ましく、ポリエステル系フィルム又はセルロースエステル系フィルムがより好ましい。
樹脂フィルム11は、溶融流延法により製造されたフィルムであってもよく、溶液流延法によって製造されたフィルムであってもよい。
樹脂フィルム11の厚さは、樹脂の種類に応じた厚さとすることができる。一般的には、10〜400μmの範囲内が好ましく、20〜300μmの範囲内がより好ましく、30〜200μmの範囲内がより好ましい。
〔アンカー層〕
アンカー層12は、樹脂フィルム11への反射層13の接着性を高めるため、樹脂フィルム11と反射層13間に設けられている。アンカー層12により、耐熱性を高めて、反射層13の形成時の発熱による樹脂フィルム11の劣化を防ぐこともできる。また、樹脂フィルム11の表面を平滑化することができ、反射層13の反射率の低下を防ぐことも可能である。
アンカー層12の材料としては、高い接着性、耐熱性、反射率及び透明性が得られるのであれば、特に制限はなく、例えば樹脂を用いることができる。好ましい樹脂としては、例えばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、耐候性を得る観点から、ポリエステル樹脂とメラミン樹脂の混合樹脂が好ましく、更にイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂がより好ましい。
アンカー層12の厚さは、密着性、平滑性及び反射率を高める観点から、0.01〜3.00μmの範囲内であることが好ましく、0.1〜1.0μmの範囲内であることがより好ましい。
アンカー層12の形成方法としては、例えばグラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等の従来公知のコート法を使用できる。
〔反射層〕
反射層13は、太陽光反射ミラー10に入射した太陽光を反射するために設けられている。
反射層13は、樹脂フィルム11が太陽光によって劣化することを防ぐため、樹脂フィルム11よりも太陽光の入射側に配置されていることが好ましい。
また、反射層13の反射率としては、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。反射層13の反射率とは、正反射率をいう。
反射層13の材料としては、アルミニウム、銀、クロム、ニッケル、チタン、マグネシウム、ロジウム、プラチナ、パラジウム、スズ、ガリウム、インジウム、ビスマス、金等の金属を用いることができる。中でも、高い反射率及び耐食性を得る観点から、アルミニウム又は銀が好ましく、銀がより好ましい。アルミニウム及び銀をそれぞれ主成分とする層を2層以上積層して、反射層13とすることもできる。これにより、赤外領域から可視光領域まで、約400〜2500nmの範囲内の波長の光に対する反射率を高めることができ、反射率の入射角への依存性を低減することができる。
また、反射層13の材料としては、反射層13の耐久性を向上させる観点から、前記金属のうちの2種以上の合金を用いてもよい。そのような合金としては、銀と他の金属との銀合金が挙げられる。銀合金に用いる他の金属としては、耐湿性及び反射率を高める観点から、金が好ましい。
銀合金を用いる場合、反射層13における銀と他の金属との原子数の合計に対する銀の原子数の割合は、90.0〜99.8%の範囲内であることが好ましい。また、反射層13における銀と他の金属との原子数の合計に対する他の金属の割合は、耐久性を得る観点から、0.2〜10.0%での範囲内にあることが好ましい。
反射層13の形成方法としては、湿式法又は乾式法のいずれも利用することができる。
湿式法とは、めっき法の総称であり、溶液から金属を析出させて、金属膜を形成する方法である。湿式法の具体例としては、銀鏡反応を利用した銀めっきの形成方法が挙げられる。
乾式法とは、真空成膜法の総称であり、例えば抵抗加熱型真空蒸着法、電子ビーム加熱型真空蒸着法、イオンビームアシスト型真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッター法等が挙げられる。太陽光反射ミラー10の製造には、長尺の樹脂フィルム11を用いることができるため、ロール・to・ロール方式により、反射層13を連続的に形成できる蒸着法が好ましい。
なお、銀を用いて反射層13を形成する場合には、前記湿式法及び乾式法以外に、配位子が気化及び離脱し得る銀錯体化合物を含有する塗布膜を形成し、当該塗布膜を焼成する方法を採用することもできる。
〔腐食防止層〕
腐食防止層14は、反射層13の腐食を防止するために設けられている。
腐食防止層14は、反射層13に隣接して設けられていることが好ましい。図5に示すように、1層の腐食防止層14が反射層13の片面に隣接していてもよいし、2層の腐食防止層14が反射層13の両面に隣接するように設けられていてもよい。
腐食防止層14は、例えば腐食防止剤が含有された層である。
腐食防止剤は、反射層13に銀が用いられている場合、銀に対する吸着性基を有することが好ましい。
銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤としては、アミン類及びその誘導体、ピロール環を有する化合物、トリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、ナフタレン系化合物等が挙げられる。これら腐食防止剤を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの化合物については、特開2013−245849号公報段落(0108)〜(0118)に記載の化合物を好ましく用いることができる。
また、腐食防止層14は、腐食防止剤として酸化防止剤を含有することもできる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤を使用することが好ましい。
これらの化合物については、特開2013−245849号公報段落(0120)〜(0122)に記載の化合物を好ましく用いることができる。
なお、腐食防止層14は、前記酸化防止剤と光安定剤を併用することもできる。併用できる光安定剤としては、ヒンダードアミン系の光安定剤、ニッケル系紫外線安定剤等が挙げられる。
ヒンダードアミン系の光安定剤としては、例えば、特開2013−245849号公報段落(0124)に記載の化合物を好ましく用いることができる。
特に、ヒンダードアミン系の光安定剤としては、3級のアミンのみを含有するヒンダードアミン系の光安定剤が好ましく、具体的にはビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール/トリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物が好ましい。
ニッケル系紫外線安定剤としては、例えば〔2,2′−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)〕−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、ニッケルコンプレックス−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル・リン酸モノエチレート、ニッケル・ジブチル−ジチオカーバメート等が挙げられる。
腐食防止剤は、分子量が800以下であることが好ましい。このような低分子量の腐食防止剤を含有することにより、腐食防止剤が反射層13との界面へ容易に移動することができ、腐食防止作用が向上する。
腐食防止層14の腐食防止剤の含有量は、使用する腐食防止剤によって異なるが、0.01〜1.00g/cmの範囲内であることが好ましい。
〔接着層〕
接着層15は、腐食防止層14と紫外線吸収層16の接着性を高めるために設けられている。
接着層15は、高い接着性が得られるのであれば、アンカー層12と同様にして形成することができる。
〔紫外線吸収層〕
紫外線吸収層16は、親水性層を透過した太陽光の紫外線による各層の劣化を防止するために設けられている。
紫外線吸収層16は、太陽光反射ミラー10の可撓性及び耐候性を高め、軽量化を図る観点から、紫外線吸収基を有するか、紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層であることが好ましい。
紫外線吸収層16が含有できる紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系、ベンゾエート系等の有機化合物、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄等の無機化合物が挙げられる。
紫外線吸収剤のブリードアウトを低減するためには、分子量の1000以上の高分子の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。好ましくは、分子量1000〜3000の範囲内である。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2−(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール](分子量659;市販品の例としては、ADEKA社製のLA31)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(分子量447.6;市販品の例としてはBASFジャパン社製のチヌビン234)等が挙げられる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、2−4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、〔2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシフェノール〕(商品名チヌビン1577FF、BASFジャパン社製)、〔2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール〕(商品名CYASORB UV−1164、サイテックインダストリーズ社製)等が挙げられる。
また、前記ベンゾエート系紫外線吸収剤の例としては、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(分子量438.7;市販品の例としては住友化学社製のSumisorb400)等が挙げられる。
なお、前記紫外線吸収剤はそれぞれ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。また、必要により、前記紫外線吸収剤以外の紫外線吸収剤、例えばサリチル酸誘導体、置換アクリロニトリル、ニッケル錯体、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等を含有させることもできる。
紫外線吸収層16の紫外線吸収剤の含有量は、0.1〜20.0質量%の範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.25〜15.00質量%の範囲内であり、更に好ましくは0.5〜10.0質量%の範囲内である。
0.1質量%以上であれば密着性が良好であり、20質量%以下であれば耐候性が良好である。
紫外線吸収層16の厚さは、20〜150μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは40〜100μmの範囲内である。この範囲内であれば、入射光の透過率を向上させ、太陽光反射ミラー10の表面に適度な表面粗さを付与することができる。
紫外線吸収層16に用いることができるアクリル樹脂としては、メタクリル樹脂が好ましい。メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルを主体とする重合体であり、メタクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、50質量%以上のメタクリル酸エステルと、50質量%未満の他の単量体との共重合体であってもよい。ここで、メタクリル酸エステルとしては、通常、メタクリル酸のアルキルエステルが用いられる。特に好ましく用いられるメタクリル樹脂は、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)である。
メタクリル樹脂は、太陽光反射ミラー10の耐熱性を得る観点から、ガラス転移温度が40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。このガラス転移温度は、単量体の種類やその割合を調整することにより、適宜設定することができる。
紫外線吸収層16は、腐食防止層14と同様の酸化防止剤を含有することもできる。また、酸化防止剤に光安定剤を併用してもよい。酸化防止剤により、溶融成膜時のアクリル樹脂の劣化を防止することができる。成膜後も酸化防止剤がラジカルを捕捉することから、アクリル樹脂層の劣化を防止できる。
〔親水性層〕
親水性層は、太陽光反射ミラー10の最表面に設けられていてもよい。親水性層の表面の水との接触角が30°以下であり、好ましくは20°以下である。
水との接触角(°)は、JIS−R3257に準拠して、温度23℃、相対湿度55%RHの環境下において、親水性層上に3μlの水を滴下して30秒後に接触角計DM300(共和界面化学社製)を用いて測定することができる。測定された接触角が小さいほど、親水性が高いことを示す。
親水性層は、表面の水との接触角を30°以下とするため、親水化剤を含有することができる。
使用できる親水化剤としては、金属元素を含む化合物が挙げられ、例えばSi、Ti、Al、Sn、Fe、Zn、Sb、Zr等の金属元素を含む酸化物、窒化物、炭化物等が挙げられる。
より親水性を高めるため、親水性層は、前記化合物に加えて、シリカ粒子、アルミナ粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子等の金属粒子を含有することもできる。金属粒子を用いることにより、表面粗さが大きくなり親水性が向上して、接触角が30°以下の親水性層を形成することができる。また、表面粗さが大きいと、親水性層の表面に汚れが接触しづらくなり、洗浄液が親水性層と表面の界面に浸入して汚れを除去しやすくなる。
また、親水性層は、シリケート化合物、Si−N結合を基本骨格とするポリシラザン等を含有してもよい。併用できるシリケート化合物としては、例えば、テトラヒドロキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラエトキシオキシシラン等が挙げられる。
親水性層は、親水化剤として、太陽光によって親水性化する光触媒を含有する層であることもできる。光触媒は、伝導帯と価電子帯間のバンドギャップよりも大きいエネルギーの光が照射されると、価電子帯中の電子が励起し、伝導電子と正孔を生成する物質である。
光触媒を含有することにより、太陽光反射ミラー10の表面に付着した汚れの分解作用を得ることができ、更に高い親水性も得ることができる。
親水性層が含有できる光触媒としては、例えばアナターゼ型の酸化チタン(バンドギャップ;3.2eV)、ルチル型の酸化チタン(バンドギャップ;3.0eV)、酸化亜鉛(バンドギャップ;3.2eV)、酸化スズ(バンドギャップ;3.5eV)、酸化タングステン(バンドギャップ;2.5eV)、タンタル酸カリウム(バンドギャップ;3.4eV)、チタン酸ストロンチウム(バンドギャップ;3.2eV)、酸化ジルコニウム(バンドギャップ;5.0eV)、酸化ニオブ(バンドギャップ;3.4eV)等が挙げられる。なお、光触媒のバンドギャップは、光触媒の結晶構造、精製度等によって分布を有するため、実際に測定されるバッドギャップは前述したバンドギャップと±0.2eV程度の差がある場合がある。
前記光触媒のバンドギャップは、2.4〜5.2eVの範囲内にあることが好ましい。
バンドギャップが5.2eV以下の光触媒を用いることにより、大気圏で吸収、散乱又は減衰することなく、地球上に到達する太陽光のエネルギーによって光触媒を励起することができる。また、2.4eV以上の光触媒を用いることにより、可視光の吸収による太陽光の反射率の低下を抑え、発電効率の低下を抑えることができる。また、できるだけ短波長側の光を吸収し励起する光触媒を利用することにより、発電に主に利用される可視光の波長領域だけでなく、紫外光の波長領域の光エネルギーも利用することが可能となり、発電効率が向上する。
親水性層は、光触媒活性を高めるため、Pt、Pd、Ru、Rh、Ir、Os等の白金族金属を少量含有することができる。
また、親水性層は、光触媒とともに、前述したシリカ粒子、アルミナ粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子等の金属粒子を含有することができる。また、シリケート化合物、Si−N結合を基本骨格とするポリシラザン等を併用してもよい。
光触媒を含有する親水性層は、光触媒粒子の分散液を従来公知のコート法により塗布することにより形成することができる。
樹脂フィルム11の耐熱性が高い場合、光触媒を含有する親水性層は、ゾル塗布焼成法、有機チタネート法、真空成膜法等によって形成することもできる。
ゾル塗布焼成法は、アナターゼ型酸化チタンゾルを、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等のコート法により塗布した後、焼成する方法である。
有機チタネート法は、有機チタネートを部分的又は完全に加水分解を進行させて得られた塗布液を、グラビアコート法等の従来公知のコート法により塗布し、乾燥させる方法である。乾燥により、有機チタネートの加水分解が完結して水酸化チタンが生成し、水酸化チタンの脱水縮重合により無定型酸化チタンの層が形成される。その後、アナターゼの結晶化温度以上の温度で焼成し、無定型酸化チタンをアナターゼ型酸化チタンに相転移させる。
真空成膜法は、真空蒸着法、スパッター法等により無定型酸化チタン層を形成する方法である。その後、焼成によりアナターゼ型酸化チタンに相転移させる。
親水性層は、水との接触角が30°以下となる親水性を示すのであれば、基材表面にプラズマ処理、エッチング処理等の表面処理が施された層であってもよい。
なお、親水性層と紫外線吸収層16間に、無機コート層が設けられていてもよい。親水性層が後述する光触媒を含有する場合、無機コート層によって、紫外線吸収層16が含有するアクリル樹脂等の有機化合物が光触媒によって分解されることを防ぐことができる。
この無機コート層の材料としては、例えばテトラエトキシシラン等のシリケート化合物、メタノール等のアルコールを含有する層等が挙げられる。また、無機コート層は、親水性層と紫外線吸収層16の接着性を高めるため、親水性層の構成成分又は紫外線吸収層の構成成分を含有することができる。無機コート層は単層であっても複数層であってもよい。
親水性層の厚さは、親水性層の屈折率、含有成分、太陽光反射ミラー10に入射する太陽光のうち、発電に利用する光の波長範囲等に応じて、好適な層厚を選択すればよい。できるだけ広い波長範囲を利用することが発電効率の向上につながるため、親水性層による光吸収を考慮すると、厚さは薄いことが好ましい。親水性を発現するのは極表層であるため、数nm程度の厚さがあれば、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシと太陽光反射ミラーとの間に洗浄液をより好適に介在させることができる。
光触媒粒子を用いて親水性層を形成する場合は、光触媒粒子の保持及び脱落防止の観点から、少なくとも光触媒粒子の粒子径の1/2程度以上の層厚が必要であり、例えば平均粒子径が10nmであれば5nm以上の層厚が必要である。光触媒を含有する親水性層を蒸着法、スパッター法等により形成する場合は、光触媒の機能を発現するための層厚、すなわち結晶構造が成立する層厚が必要であり、光触媒粒子を含有する場合と同様に5nm以上の層厚が必要である。
前記の観点から、一般的には、親水性層の厚さを、5〜300nmの範囲内で選択することができる。
親水性層は、界面活性剤、レベリング剤、帯電防止剤等を含有することもできる。
界面活性剤は、親水性層の表面の平滑化に有効である。使用できる界面活性剤の具体例としては、前述した水を含む液体が含有できる界面活性剤と同様の例が挙げられる。
レベリング剤は、表面の小さな凹凸低減に効果的である。レベリング剤としては、例えば、シリコーン系レベリング剤として、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体(例えば、東レ・ダウコーニング(株)製のSH190)が好適である。
帯電防止剤は、フィルムミラーの防汚性を向上させることに有効である。帯電防止剤により、親水性層が導電性をもつことにより、フィルムミラーユニット表面の電気抵抗値を小さくすることが可能となる。また、親水性層に隣接する層又は親水性層との間に極薄い層を介して帯電防止層を形成することによってもフィルムミラーユニット表面の電気抵抗値を小さくし、防汚性を向上させることが可能である。
〔ハードコート層〕
太陽光反射ミラー10は、各層の損傷を防止するため、紫外線吸収層16と親水性層間に設けられたハードコート層17を備えることもできる。さらには、図5に示すように、親水性層の代わりにハードコート層17を備えることもできる。
ハードコート層17の材料としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂等を用いることができる。硬度と耐久性の観点からは、シリコーン系樹脂又はアクリル系樹脂が好ましい。
ハードコート層17は、前述した腐食防止剤、酸化防止剤、光安定剤、界面活性剤、レベリング剤、帯電防止剤等の添加剤を含有していていもよい。
〔太陽熱発電装置〕
本発明の太陽熱発電装置は、本発明の太陽光反射ミラーを具備するのであれば、トラフ型、フレネル型、タワー型等のいずれの型の太陽熱発電装置であってもよい。
以下、本発明の太陽熱発電装置の一実施の形態として、前記太陽光反射ミラー10を具備するトラフ型の太陽熱発電装置を説明する。
図6は、トラフ型の太陽熱発電装置100の概略構成を示している。
太陽熱発電装置100は、図3に示すような、太陽光反射ミラー10、支持部材50、角度調整部60及び集熱管80、さらに、図示しない蓄熱タンク、熱交換器、発電機、等を備えて構成されている。
太陽熱発電装置100は、曲面状の太陽光反射ミラー10により太陽光を反射させて集熱管80に集光し、集熱管80内の熱媒を加熱して熱交換器により蒸気を生成し、発電を行う。
図6においては、一つの太陽光反射ミラー10のみを示しているが、通常は数千単位の太陽光反射ミラー10が設置され、各太陽光反射ミラー10に対応して設けられた集熱管80が蓄熱タンクに接続されている。
支持部材50は、太陽光反射ミラー10と係合することで固定されている。この支持部材50は、回転軸61を回転自在に支持している。また、支持部材50は、集熱管80を支持する集熱管支持体83を更に有している。
太陽光反射ミラー10及び集熱管80の配置位置は、太陽光反射ミラー10により反射された太陽光が集熱管80に集光するように、調整されている。
集熱管80は、外管81と内管82の二重構造を有し、内管82に供給された熱媒を移送する。熱媒は、集熱管80内において、太陽光反射ミラー10により反射された太陽光により加熱された後、蓄熱タンクへ移送される。発電時には、蓄熱タンクから熱交換器へと移送された熱媒が蒸気を発生させ、発電機が蒸気によりタービンを回転させて電気エネルギーを生成する。
太陽光の吸収率を高めるため、外管81が透明なガラス管であり、内管82の外表面が黒色に着色されていることが好ましい。また、外管81と内管82間が真空断熱空間であると、熱媒からの熱の損失を減らすことができる。
角度調整部60は、太陽光の入射方向に合わせて、太陽光反射ミラー10のミラー面の傾斜角度を調整する。
具体的には、角度調整部60は、回転軸61を中心に太陽光反射ミラー10を回転させる。回転軸61にはモーター62が取り付けられ、回転軸61は軸受64によって回転自在に支持されている。角度調整部60は、制御装置65によりモーター62を駆動し、太陽光反射ミラー10の回転角度を制御する。制御装置65は、軸受64に取り付けられた太陽光センサー66により太陽光の検出信号を取得し、太陽光の光量が最大となるように、回転角度を決定する。
[太陽光反射ミラーの洗浄装置]
本発明の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシは、太陽光反射ミラーの洗浄装置に好適に具備され得る。これにより、太陽光反射ミラー10を傷付けることなく高度に洗浄できる。
太陽光反射ミラーの洗浄装置としては、前述の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシと、太陽光反射ミラーの表面に洗浄液を塗布する手段と、前記洗浄液を塗布した前記太陽光反射ミラーの表面に対して、前記太陽光反射ミラー洗浄用ブラシを押圧しながら回転させて洗浄する手段と、を有するものであることが好ましく、例えば、前記構成を有する車両や、4足歩行型のロボットなどが挙げられる。
図6には、本願発明に太陽光反射ミラーの洗浄装置の一例について、概略図が示されている。図6に示す太陽光反射ミラー10の洗浄装置Mは、前述の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1と、太陽光反射ミラー10の表面に洗浄液を塗布する手段との他に、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1を太陽光反射ミラー10の表面に沿って鉛直方向及び水平方向に自在に移動させることができるロボットアーム23と、ロボットアーム23を駆動させるアーム旋回手段24及びアーム屈伸手段25を有している。また、太陽光反射ミラーの洗浄装置Mは、前述の構成の他、前輪29a及び後輪29b並びに当該前輪29a及び後輪29bの間に、洗浄液の収容部である洗浄液タンク26を有している。
ロボットアーム23の先端部には、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1が三つ、それぞれ駆動部28を介して装着されている。
駆動部28には、回転数制御可能な駆動モーターが内装されており、当該駆動部28に装着された太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1を回転中心Lの周りにおいて回転駆動させることができる。
アーム屈伸手段25は、例えば、油圧シリンダーで構成することができる。油圧シリンダーを配設することで、ロボットアーム23の先端部を前後又は鉛直方向に移動させることができる。これにより、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1を太陽光反射ミラー10に対し押圧する。
また、ロボットアーム23は、フロアに配設されたアーム旋回手段24に接続されていることが好ましい。アーム旋回手段24にロボットアーム23を接続させておくことで、ロボットアーム23を水平面内に自在に回転させることができる。
特に、アーム屈伸手段25には、太陽光反射ミラーの表面に太陽光反射ミラー洗浄用ブラシを押圧する際の押圧力を検知し、当該押圧力を、太陽光反射ミラーの洗浄装置Mの図示しないアーム屈伸手段制御部によって制御できるような構成であることが好ましい。このような構成によれば、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1を前記太陽光反射ミラー10に対して押圧する力が、200〜3500Paの範囲内に維持することができる。
なお、押圧力は、太陽光反射ミラー表面にニッタ社製面内圧力測定装置(I−SCAN)を用いて総荷重値(Pa/cm)と荷重面積(cm)を測定するなどし、以下の式から押圧力を求めることもできる。
押圧力(Pa)=総荷重値/荷重面積
太陽光反射ミラーの洗浄装置Mにおいては、前記アーム屈伸手段25が太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1を押圧しつつ、前述の駆動モーターを内装した駆動部28が太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1を回転させることで、太陽光反射ミラー10を洗浄する。
洗浄液を太陽光反射ミラー10の表面に洗浄液を塗布する手段としては、洗浄液を太陽光反射ミラー10の表面に洗浄液を塗布できるものであればよく、特に限定されないが、洗浄液を高圧で噴射する噴射ノズル22であることが好ましい。このような、噴射ノズル22を有する太陽光反射ミラーの洗浄装置Mによれば、あらかじめ粒の大きな砂塵や埃を取り除くことができ、この結果、これらの砂塵や埃がこすり付けられることで、太陽光反射ミラー10の表面に傷が付くことを防ぐことができる。
本発明実施形態の太陽光反射ミラーの洗浄装置Mは、図6に示すように、太陽光反射ミラーの洗浄装置Mの前後に前述のロボットアーム23(ロボットアーム23a及び23b)を有し、これらロボットアーム23a及び23bに、洗浄液を塗布として、噴射ノズル22を有している。この噴射ノズル22は、洗浄液を収納する洗浄液タンク26と連通しており、コンプレッサー(図示しない)により、高圧の洗浄液を、太陽光反射ミラー10の表面に吹き付けることで、洗浄液を塗布する。
洗浄液としては、水の他、水を主成分とする液体が好ましく用いられる。水を主成分とするとは、固体成分を除く液体成分のうち、水の含有量が30〜100質量%の範囲内にあることをいう。
水は砂漠地帯では貴重な資源であるが、太陽熱発電装置において発電時に生じる蒸気を利用することができる。また、水の成分自体が太陽光反射ミラー10の表面を汚染し、反射率低下や発電効率低下させる等の弊害がほとんどないため、太陽光反射ミラー10の表面を清浄化する液体として好都合である。
水を主成分とする液体は、汚れの付着の防止及び汚れの除去を容易にする観点から、有機溶剤、界面活性剤、塩類、酸・塩基類、樹脂、繊維、粒子状物質等の添加剤を含有することもできる。添加剤には特に制限はないが、水と相溶する添加剤が好ましい。
水を主成分とする液体が含有できる有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、アセトン、塩化メチレン等の炭化水素等が挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、両性、非イオン性が挙げられ、具体的にはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
塩類としては、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、酸類としては、酢酸、フタル酸等が挙げられる。
これら添加剤により、洗浄液による汚れの除去を容易とし、洗浄時の洗浄力を向上させることもできる。
[太陽光反射ミラーの洗浄方法]
前述した太陽光反射ミラーの洗浄装置Mを用いて、太陽光反射ミラー10の表面を洗浄する方法についての好ましい態様を以下に述べる。
なお、以下の説明において、太陽光反射ミラーの洗浄装置Mは、洗浄液を前記太陽光反射ミラーの表面に塗布するプロセスと、ブラシ繊維を有する、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシを前記太陽光反射ミラーに対して押圧しながら回転させて前記太陽光反射ミラーの表面を洗浄するプロセスをこの順に経ることで、太陽光反射ミラーの洗浄するものとする。
<洗浄液を太陽光反射ミラーの表面に塗布するプロセス>
まずは、洗浄液を塗布する手段である噴射ノズル22により、洗浄液を太陽光反射ミラーの表面に噴射して、太陽光反射ミラー10の表面に洗浄液を塗布する。
このように洗浄液を噴射しながら塗布することで、あらかじめ粒の大きな砂塵や埃を、太陽光反射ミラー10の表面から取り除くことができるため好ましい。
<太陽光反射ミラーの表面を洗浄するプロセス>
洗浄液を太陽光反射ミラーの表面に塗布するプロセスが済んだ後は、次いで、アーム屈伸手段25及びアーム旋回手段24により、ロボットアーム23の先端部に装着された太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1を太陽光反射ミラー10に対し押圧する。なお、この際、太陽光反射ミラー10の表面に対する、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1の押圧力が、200〜3500Paの範囲内であることが洗浄性の向上及び太陽光反射ミラー10の表面に傷が発生することをより抑制できるため好ましい。
次いで、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1を太陽光反射ミラー10に対し押圧した状態を維持しつつ、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1を、駆動部28に内装された駆動モーターにより回転させることで、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1を押圧しながら回転させて、太陽光反射ミラー10を洗浄することができる。
このような態様の太陽光反射ミラーの洗浄方法であれば、ブラシ繊維106が洗浄液をはじくことがないため、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシと太陽光反射ミラーとの間に洗浄液を介在させることができる。この結果、洗浄液が緩衝剤となり、ブラシ繊維106と太陽光反射ミラー10との摩擦を軽減でき、ひいては、太陽光反射ミラー10を傷付けることなく高度に洗浄できる。
なお、前述の太陽光反射ミラーの洗浄方法によれば、例えば、図5に示すような、樹脂フィルム上に少なくとも太陽光の反射層を有するフィルム状のミラーからなる太陽光反射ミラー10であっても、当該太陽光反射ミラー10を傷付けることなく高度に洗浄できる。
また、前述の太陽光反射ミラーの洗浄方法及び洗浄装置Mにおいては、アーム屈伸手段25が、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1を太陽光反射ミラー10に対し押圧する手段とした。しかし、当然手段は、これに限定されることはなく、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1を押圧できるものであればよく、例えば、前述の駆動部28にバックアップシリンダーを内装させておき、当該バックアップシリンダーにより、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1を太陽光反射ミラー10に対し押圧するものとしてもよい。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述の太陽光反射ミラーの洗浄装置M及び太陽光反射ミラーの洗浄方法では、図1A及び図1B並びに図2A及び図2Bに示す太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1が、ブラシ繊維106の略長さ方向の回転中心(軸)Lを有するものとして説明したが、本発明の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシが有していてもよい回転中心は、特に限定されない。例えば、本発明の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシは、ブラシ繊維の略長さ方向に略直交する方向の回転中心を有していてもよい。
また、本発明実施形態では、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシが、図1A及び図1B並びに図2A及び図2Bに示されるような円環状のブラシ基板を有するものとして説明したが、ブラシ基板の形状は、これに限定されず、様々な形状が採用できる。特に、上述のように、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシが、ブラシ繊維の略長さ方向に略直交する方向の回転中心(軸)を有している場合は、当該回転軸方向に伸長する円柱状のブラシ基板であることが好ましい。
さらに、本発明実施形態では、ブラシ繊維106は、ブラシ繊維束104を形成し、当該ブラシ繊維束104をブラシ繊維束植設孔102に植設するものとして説明したが、ブラシ繊維106がブラシ基板2に植設される方法はこれに限定されない。例えば、ブラシ繊維106は、ブラシ繊維束104を形成することなく、各々のブラシ繊維106がブラシ基板2に植設されてもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
本実施例では、図6に示す太陽光反射ミラーの洗浄装置Mによって太陽光反射ミラー10の洗浄をし、傷付き及び洗浄性の評価を行った。なお、各実施例及び比較例における太陽光反射ミラー洗浄用ブラシのブラシ繊維106の材料及び太陽光反射ミラー洗浄用ブラシを太陽光反射ミラー10に対して押圧する力(押圧力)については、表1に記載のとおりである。また、この押圧力については、アーム屈伸手段制御部によって制御し、表1に記載の各押圧力に維持した。
洗浄された太陽光反射ミラー10の構成は、下記のとおりである。
[太陽光反射ミラー]
二軸延伸により得られた厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという。)の片面に、厚さ0.1μmのアンカー層を形成した。アンカー層は、ポリエステル系樹脂であるエスペル9940A(日立化成工業株式会社製)、メラミン樹脂、イソシアネート架橋剤であるトリレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学ファイン株式会社製)を、それぞれ20:1:1:2の質量比で混合した樹脂を、グラビアコート法により塗布して形成した。
次に、銀を用いて真空蒸着法により厚さ80nmの反射層を形成した。
前記反射層上に、腐食防止層の塗布液をグラビアコート法により塗布して、厚さ0.1μmの腐食防止層を形成した。塗布液は、エスペル9940A及びトリレンジイソシアネートをそれぞれ10:2の樹脂固形分比率(質量比)で混合した樹脂中に、樹脂固形分に対して10質量%のTinuvin234(BASFジャパン社製)を、腐食防止剤として添加して調製した。
次に、腐食防止層上に、ビニロール92T(アクリル樹脂接着剤、昭和電工社製)を厚さ0.1μmの厚さで塗布して、アンカー層を形成した。当該アンカー層上に溶液流延法により成膜したアクリル樹脂フィルムを積層し、紫外線吸収層とした。紫外線吸収層の表面の算術平均粗さRaは0.1μmであり、層厚は50μmであった。
次に、シリコーン系ハードコートPerma−New 6000(California Hardcoating Company製)をワイヤーバーにより、前記紫外線吸収層上に塗布し、厚さ3μmになるようにハードコート層17を形成し、実施例で使用される太陽光反射ミラー10を製造した。
[実施例[1]]
実施例[1]で使用される太陽光反射ミラー洗浄用ブラシは、ブラシ基板2の外径Rを600mm、内径rを170mmとし、ブラシ基板2からのブラシ繊維106の長さを平均80mm、モノフィラメントの平均径を0.0005mmとした。なお、ブラシ繊維は、ナイロン66を使用した。
ブラシ繊維106のモノフィラメントの平均径については、デジタルマイクロスコープVH−5500(KEYENCE社製)により観察し、ブラシ繊維106のモノフィラメントの径を計測した。具体的には、計測か所を無作為に選び、N=500で測定を行い統計的に処理して得た繊維径分布の平均値をブラシ繊維106のモノフィラメントの平均径とした。
ブラシ基板2の回転速度は95rpm、太陽光反射ミラーの洗浄装置Mの時速は1.0km/hであった。なお、本実施例において、太陽光反射ミラー10に対する太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1の回転中心Lの移動速度は、太陽光反射ミラーの洗浄装置Mの移動速度と同じであるとする。
[洗浄]
図6に示した太陽光反射ミラーの洗浄装置Mのロボットアーム23a及び23bの先端部に前述の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシを三つ装着した。この太陽光反射ミラーの洗浄装置Mを用い、太陽光反射ミラー10の表面に、噴射ノズル22で水(洗浄液)を噴射することで塗布した後、アーム屈伸手段25及びアーム旋回手段24により、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ1を太陽光反射ミラー10に対し200Paで押圧した状態を維持しつつ、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシを、駆動部28に内装された駆動モーターにより回転することで、太陽光反射ミラー10の洗浄を行った。なお、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシを太陽光反射ミラー10に対し押圧する力(押圧力)は、上述のアーム屈伸手段制御部により、制御した。
なお、押圧力については、太陽光反射ミラー表面にニッタ社製面内圧力測定装置(I−SCAN)を用いて総荷重値(Pa/cm)と荷重面積(cm)を測定し、以下の式から押圧力を測定した。
押圧力(Pa)=総荷重値/荷重面積
(実施例[2]〜[27]及び比較例[1]〜[9]を用いた洗浄)
実施例[2]〜[27]及び比較例[1]〜[9]については、実施例1の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシにおいて、ブラシ繊維106の材料、モノフィラメントの平均径を表1のように変更し、洗浄の際の押圧力を表1のように変更した他は、実施例[1]と同様に洗浄した。なお、表1において、ナイロンとは、ナイロン66を表す。
(親水性繊維)
繊維の親水性の有無は、実施例[1]〜[27]及び比較例[1]〜[9]のブラシ繊維106に使用される材料の公定水分率の測定を行うことで確認した(表1の公定水分率)。すなわち、JIS L0105の規定にしたがって、標準状態(温度20±2℃、相対湿度(65±4)%)において測定し、親水性の有無を確認した。
公定水分率の評価基準は、下記のとおりである。結果は表1に示す。
○…親水性繊維である(公定水分率1.0%以上)
×…親水性繊維ではない(公定水分率1.0%未満)
(傷付きの評価)
洗浄された太陽光反射ミラー10に発生した傷の面積を観察し、当該面積と、太陽光反射ミラー10全体の面積との比率を計算することで、傷付きを評価した。
傷付きの評価基準は、下記のとおりである。結果は表1に示す。
○…0%
△…0%より大きく10%以下
×…10%より大きく、50%以下
××…50%より大きく100%以下
(洗浄性の評価)
屋外に設置する前と、設置から1か月後に、実施例[1]〜[27]及び比較例[1]〜[9]の方法で洗浄を1回実施し、太陽光反射ミラー10の反射率(%)を、次のようにして測定した。
反射面の法線に対して入射光の入射角が20°となるように調整し、反射角20°の正反射率(%)を光沢計GM−268(コニカミノルタ製)を用いて測定した。得られた測定値を、太陽光反射ミラー10の反射率(%)として求めた。
洗浄性は、設置から1か月後に測定した反射率(%)が、屋外に設置する前に測定した反射率(%)に対し、どの程度回復したかを百分率で計算し、その値を洗浄性として評価した。
洗浄性の評価基準は、下記のとおりである。結果は表1に示す。
○…99%以上
△…97%以上99%未満
×…97%未満
Figure 2015133389
(まとめ)
表1から、本発明は、比較例に比べ、傷付が良好でありながら、高度に洗浄できることが示された。
具体的には、親水性基を有する親水性繊維を用いた実施例[1]〜[27]により、太陽光反射ミラーを傷付けることなく高度に洗浄できることが示された。また、親水性基を有する親水性繊維を用いなかった比較例[1]〜[9]により、太陽光反射ミラーを傷付けてしまうことが示された。
また、実施例[1]と実施例[2]との比較から、ブラシ繊維のモノフィラメントの平均径が、0.001mm以上であると、洗浄性がより向上することが示された。
また、実施例[20]と実施例[21]との比較から、ブラシ繊維のモノフィラメントの平均径が、1.0mm以下であると、傷付きを更に抑制できることが示された。
さらに、実施例[6]と実施例[7]との比較から、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシの押圧力が、200Pa以上であると、洗浄性がより向上することが示された。
また、実施例[13]と実施例[14]との比較から、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシの押圧力が、3500Pa以下であると、傷付きを更に抑制できることが示された。
以上のように、本発明は、太陽光反射ミラーを傷付けることなく高度に洗浄できる太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ、太陽光反射ミラーの洗浄方法及びその洗浄装置を提供することに適している。
1 太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ
2 ブラシ基板
4 アーム旋回手段
5 反射角
10 太陽光反射ミラー
22 噴射ノズル
23 ロボットアーム
23a、23b ロボットアーム
24 アーム旋回手段
25 アーム屈伸手段
26 洗浄液タンク
28 駆動部
29a 前輪
29b 後輪
50 支持部材
60 角度調整部
61 回転軸
62 モーター
64 軸受
65 制御装置
66 太陽光センサー
80 集熱管
81 外管
82 内管
83 集熱管支持体
100 太陽熱発電装置
101a 円孔
101b 外側面
102 ブラシ繊維束植設孔
102a 孔壁
102b 孔天井
104 ブラシ繊維束
106 ブラシ繊維
107 止め金具
L 回転中心
M 洗浄装置
R 外径
r 内径

Claims (9)

  1. ブラシ繊維を有する、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシであって、
    前記ブラシ繊維が、親水性基を有する親水性繊維であることを特徴とする太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ。
  2. 前記ブラシ繊維のモノフィラメントの平均径が、0.001〜1.0mmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ。
  3. 前記ブラシ繊維が、化学繊維、動物性繊維又は植物性繊維であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ。
  4. 前記化学繊維が、ポリアミド繊維であることを特徴とする請求項3に記載の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ。
  5. 前記動物性繊維が、馬毛又は豚毛であることを特徴とする請求項3に記載の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシ。
  6. 太陽光反射ミラーの洗浄方法であって、
    洗浄液を前記太陽光反射ミラーの表面に塗布するプロセスと、
    ブラシ繊維を有する、太陽光反射ミラー洗浄用ブラシを前記太陽光反射ミラーに対して押圧しながら回転させて前記太陽光反射ミラーの表面を洗浄するプロセスと、を有し、
    前記ブラシ繊維が、親水性基を有する親水性繊維であることを特徴とする太陽光反射ミラーの洗浄方法。
  7. 前記太陽光反射ミラーの表面に対する、前記太陽光反射ミラー洗浄用ブラシの押圧力が、200〜3500Paの範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の太陽光反射ミラーの洗浄方法。
  8. 前記太陽光反射ミラーが、樹脂フィルム上に少なくとも太陽光の反射層を有するフィルム状のミラーであることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の太陽光反射ミラーの洗浄方法。
  9. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の太陽光反射ミラー洗浄用ブラシと、
    前記太陽光反射ミラーの表面に洗浄液を塗布する手段と、
    前記洗浄液を塗布した前記太陽光反射ミラーの表面に対して、前記太陽光反射ミラー洗浄用ブラシを押圧しながら回転させて洗浄する手段と、
    を有することを特徴とする太陽光反射ミラーの洗浄装置。
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