以下、本発明の入力装置を適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態>
図1は、実施の形態の入力装置100を示す平面図であり、図2は、図1に示す入力装置100のA−A矢視断面を示す図である。なお、図1及び図2では、図示するように直交座標系であるXYZ座標系を定義する。
入力装置100は、筐体110、トップパネル120、両面テープ130、振動素子140、タッチパネル150、ディスプレイパネル160、及び基板170を含む。
入力装置100は、車両に搭載され、タッチパネル150を入力操作部とする入力インターフェースである。入力装置100は、ナビゲーション装置、オーディオコントローラ、空調コントローラ、パワーウィンドウコントローラ、ミラーコントローラ等の操作部として用いることができる。
筐体110は、例えば、樹脂製であり、図2に示すように凹部111に基板170、ディスプレイパネル160、及びタッチパネル150が配設されるとともに、両面テープ130によってトップパネル120が接着されている。
トップパネル120は、平面視で長方形の薄い平板状の部材であり、透明なガラス、又は、ポリカーボネートのような強化プラスティックで作製される。トップパネル120の表面(Z軸正方向側の面)は、入力装置100の利用者が操作入力を行う操作面の一例である。
トップパネル120は、Z軸負方向側の面に振動素子140が接着され、平面視における四辺が両面テープ130によって筐体110に接着されている。なお、両面テープ130は、トップパネル120の四辺を筐体110に接着できればよく、図2に示すように矩形環状である必要はない。
トップパネル120のZ軸負方向側にはタッチパネル150が配設される。トップパネル120は、タッチパネル150の表面を保護するために設けられている。なお、トップパネル120の表面に、さらに別なパネル又は保護膜等が設けられていてもよい。
トップパネル120は、Z軸負方向側の面に振動素子140が接着された状態で、振動素子140が駆動されることによって振動する。実施の形態では、トップパネル120の固有振動周波数でトップパネル120を振動させて、トップパネル120に定在波を生じさせる。ただし、トップパネル120には振動素子140が接着されているため、実際には、振動素子140の重さ等を考慮した上で、固有振動周波数を決めることが好ましい。
振動素子140は、トップパネル120のZ軸負方向側の面において、Y軸正方向側において、X軸方向に伸延する短辺に沿って接着されている。振動素子140は、超音波帯の振動を発生できる素子であればよく、例えば、ピエゾ素子のような圧電素子を含むものを用いることができる。
振動素子140は、後述する駆動制御部から出力される駆動信号によって駆動される。振動素子140が発生する振動の振幅(強度)及び周波数は駆動信号によって設定される。また、振動素子140のオン/オフは駆動信号によって制御される。
なお、超音波帯とは、例えば、約20kHz以上の周波数帯をいう。実施の形態の入力装置100では、振動素子140が振動する周波数は、トップパネル120の振動数と等しくなるため、振動素子140は、トップパネル120の固有振動数で振動するように駆動信号によって駆動される。
タッチパネル150は、ディスプレイパネル160の上(Z軸正方向側)で、トップパネル120の下(Z軸負方向側)に配設されている。タッチパネル150は、入力装置100の利用者がトップパネル120に触れる位置(以下、操作入力の位置と称す)を検出する座標検出部の一例である。
タッチパネル150の下にあるディスプレイパネル160には、GUIによる様々なボタン等(以下、GUI操作部と称す)が表示される。このため、入力装置100の利用者は、通常、GUI操作部を操作するために、指先でトップパネル120に触れる。
タッチパネル150は、利用者のトップパネル120への操作入力の位置を検出できる座標検出部であればよく、例えば、静電容量型又は抵抗膜型の座標検出部であればよい。ここでは、タッチパネル150が静電容量型の座標検出部である形態について説明する。タッチパネル150とトップパネル120との間に隙間があっても、静電容量型のタッチパネル150は、トップパネル120への操作入力を検出できる。
また、ここでは、タッチパネル150の入力面側にトップパネル120が配設される形態について説明するが、トップパネル120はタッチパネル150と一体的であってもよい。この場合、タッチパネル150の表面が図1及び図2に示すトップパネル120の表面になり、操作面を構築する。また、図1及び図2に示すトップパネル120を省いた構成であってもよい。この場合も、タッチパネル150の表面が操作面を構築する。また、この場合には、操作面を有する部材を、当該部材の固有振動で振動させればよい。
また、タッチパネル150が静電容量型の場合は、トップパネル120の上にタッチパネル150が配設されていてもよい。この場合も、タッチパネル150の表面が操作面を構築する。また、タッチパネル150が静電容量型の場合は、図1及び図2に示すトップパネル120を省いた構成であってもよい。この場合も、タッチパネル150の表面が操作面を構築する。また、この場合には、操作面を有する部材を、当該部材の固有振動で振動させればよい。
ディスプレイパネル160は、例えば、液晶ディスプレイパネル又は有機EL(Electroluminescence)パネル等の画像を表示できる表示部であればよい。ディスプレイパネル160は、筐体110の凹部111の内部で、図示を省略するホルダ等によって基板170の上(Z軸正方向側)に設置される。
ディスプレイパネル160は、後述するドライバIC(Integrated Circuit)によって駆動制御が行われ、入力装置100の動作状況に応じて、GUI操作部、画像、文字、記号、図形等を表示する。
基板170は、筐体110の凹部111の内部に配設される。基板170の上には、ディスプレイパネル160及びタッチパネル150が配設される。ディスプレイパネル160及びタッチパネル150は、図示を省略するホルダ等によって基板170及び筐体110に固定されている。
基板170には、後述する駆動制御装置の他に、入力装置100の駆動に必要な種々の回路等が実装される。
以上のような構成の入力装置100は、トップパネル120に利用者の指が接触し、指先の移動を検出すると、基板170に実装される駆動制御部が振動素子140を駆動し、トップパネル120を超音波帯の周波数で振動させる。この超音波帯の周波数は、トップパネル120と振動素子140とを含む共振系の共振周波数であり、トップパネル120に定在波を発生させる。
入力装置100は、超音波帯の定在波を発生させることにより、トップパネル120を通じて利用者に触感を提供する。
なお、入力装置100は、例えば、ナビゲーション装置、オーディオコントローラ、空調コントローラ、パワーウィンドウコントローラ、ミラーコントローラ等の操作部の機能を集約したマルチ入力装置として用いることができる。マルチ入力装置として利用する場合は、ディスプレイパネル160に表示するGUI操作部等を切り替えることによって、各種操作部としての機能を切り替えればよい。
また、図1及び図2には、ディスプレイパネル160を含む入力装置100を示すが、入力装置100は、ディスプレイパネル160を含まなくてもよい。例えば、トップパネル120に操作する位置を表すボタンのような絵を印刷等によって表しておき、利用者の操作入力をボタンのような絵の部分に誘導してもよい。
次に、図3を用いて、トップパネル120に発生させる定在波について説明する。
図3は、超音波帯の固有振動によってトップパネル120に生じる定在波のうち、トップパネル120の短辺に平行に形成される波頭を示す図であり、図3の(A)は側面図、(B)は斜視図である。図3の(A)、(B)では、図1及び図2と同様のXYZ座標を定義する。なお、図3の(A)、(B)では、理解しやすさのために、定在波の振幅を誇張して示す。また、図3の(A)、(B)では振動素子140を省略する。
トップパネル120のヤング率E、密度ρ、ポアソン比δ、長辺寸法l、厚さtと、長辺方向に存在する定在波の周期数kとを用いると、トップパネル120の固有振動数(共振周波数)fは次式(1)、(2)で表される。定在波は1/2周期単位で同じ波形を有するため、周期数kは、0.5刻みの値を取り、0.5、1、1.5、2・・・となる。
なお、式(2)の係数αは、式(1)におけるk
2以外の係数をまとめて表したものである。
図3の(A)、(B)に示す定在波は、一例として、周期数kが10の場合の波形である。例えば、トップパネル120として、長辺の長さlが140mm、短辺の長さが80mm、厚さtが0.7mmのGorilla(登録商標)ガラスを用いる場合には、周期数kが10の場合に、固有振動数fは33.5kHzとなる。この場合は、周波数が33.5kHzの駆動信号を用いればよい。
トップパネル120は、平板状の部材であるが、振動素子140(図1及び図2参照)を駆動して超音波帯の固有振動を発生させると、図3の(A)、(B)に示すように撓むことにより、表面に定在波が生じる。
なお、ここでは、1つの振動素子140がトップパネル120のZ軸負方向側の面において、Y軸正方向側において、X軸方向に伸延する短辺に沿って接着される形態について説明するが、振動素子140を2つ用いてもよい。2つの振動素子140を用いる場合は、もう1つの振動素子140をトップパネル120のZ軸負方向側の面において、Y軸負方向側において、X軸方向に伸延する短辺に沿って接着すればよい。この場合に、2つの振動素子140は、トップパネル120の2つの短辺に平行な中心線を対称軸として、軸対称になるように配設すればよい。
また、2つの振動素子140を駆動する場合は、周期数kが整数の場合は同一位相で駆動すればよく、周期数kが奇数の場合は逆位相で駆動すればよい。
次に、図4を用いて、入力装置100のトップパネル120に生じさせる超音波帯の固有振動について説明する。
図4は、入力装置100のトップパネル120に生じさせる超音波帯の固有振動により、操作入力を行う指先に掛かる動摩擦力が変化する様子を説明する図である。図4の(A)、(B)では、利用者が指先でトップパネル120に触れながら、指をトップパネル120の奥側から手前側に矢印に沿って移動する操作入力を行っている。なお、振動のオン/オフは、振動素子140(図1及び図2参照)をオン/オフすることによって行われる。
また、図4の(A)、(B)では、トップパネル120の奥行き方向において、振動がオフの間に指が触れる範囲をグレーで示し、振動がオンの間に指が触れる範囲を白く示す。
超音波帯の固有振動は、図3に示すようにトップパネル120の全体に生じるが、図4の(A)、(B)には、利用者の指がトップパネル120の奥側から手前側に移動する間に振動のオン/オフを切り替える動作パターンを示す。
このため、図4の(A)、(B)では、トップパネル120の奥行き方向において、振動がオフの間に指が触れる範囲をグレーで示し、振動がオンの間に指が触れる範囲を白く示す。
図4の(A)に示す動作パターンでは、利用者の指がトップパネル120の奥側にあるときに振動がオフであり、指を手前側に移動させる途中で振動がオンになっている。
一方、図4の(B)に示す動作パターンでは、利用者の指がトップパネル120の奥側にあるときに振動がオンであり、指を手前側に移動させる途中で振動がオフになっている。
ここで、トップパネル120に超音波帯の固有振動を生じさせると、トップパネル120の表面と指との間にスクイーズ効果による空気層が介在し、指でトップパネル120の表面をなぞったときの動摩擦係数が低下する。
従って、図4の(A)では、トップパネル120の奥側にグレーで示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は大きく、トップパネル120の手前側に白く示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は小さくなる。
このため、図4の(A)に示すようにトップパネル120に操作入力を行う利用者は、振動がオンになると、指先に掛かる動摩擦力の低下を感知し、指先の滑り易さを知覚することになる。このとき、利用者はトップパネル120の表面がより滑らかになることにより、動摩擦力が低下するときに、トップパネル120の表面に凹部が存在するように感じる。
一方、図4の(B)では、トップパネル120の奥前側に白く示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は小さく、トップパネル120の手前側にグレーで示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は大きくなる。
このため、図4の(B)に示すようにトップパネル120に操作入力を行う利用者は、振動がオフになると、指先に掛かる動摩擦力の増大を感知し、指先の滑り難さ、あるいは、引っ掛かる感じを知覚することになる。そして、指先が滑りにくくなることにより、動摩擦力が高くなるときに、トップパネル120の表面に凸部が存在するように感じる。
以上より、図4の(A)と(B)の場合は、利用者は指先で凹凸を感じ取ることができる。このように人間が凹凸の知覚することは、例えば、"触感デザインのための印刷物転写法とSticky-band Illusion"(第11回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会論文集 (SI2010, 仙台)____174-177, 2010-12)に記載されている。また、"Fishbone Tactile Illusion"(日本バーチャルリアリティ学会第10 回大会論文集(2005 年9 月))にも記載されている。
なお、ここでは、振動のオン/オフを切り替える場合の動摩擦力の変化について説明したが、これは、振動素子140の振幅(強度)を変化させた場合も同様である。
次に、図5を用いて、実施の形態の入力装置100の構成について説明する。
図5は、実施の形態の入力装置100の構成を示す図である。
入力装置100は、振動素子140、アンプ141、タッチパネル150、ドライバIC(Integrated Circuit)151、ディスプレイパネル160、ドライバIC161、制御部200、正弦波発生器310、及び振幅変調器320を含む。
また、入力装置100には、車両のECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)400が接続されている。
制御部200は、アプリケーションプロセッサ220、駆動制御部240、及びメモリ250を有する。制御部200は、例えば、ICチップで実現される。
また、駆動制御部240、正弦波発生器310、及び振幅変調器320は、駆動制御装置300を構築する。なお、ここでは、アプリケーションプロセッサ220、駆動制御部240、及びメモリ250が1つの制御部200によって実現される形態について説明するが、駆動制御部240は、制御部200の外部に別のICチップ又はプロセッサとして設けられていてもよい。この場合には、メモリ250に格納されているデータのうち、駆動制御部240の駆動制御に必要なデータは、メモリ250とは別のメモリに格納して、駆動制御装置300の内部に設ければよい。
図5では、筐体110、トップパネル120、両面テープ130、及び基板170(図1参照)は省略する。また、ここでは、アンプ141、ドライバIC151、ドライバIC161、駆動制御部240、メモリ250、正弦波発生器310、及び振幅変調器320について説明する。
アンプ141は、駆動制御装置300と振動素子140との間に配設されており、駆動制御装置300から出力される駆動信号を増幅して振動素子140を駆動する。
ドライバIC151は、タッチパネル150に接続されており、タッチパネル150への操作入力があった位置を表す位置データを検出し、位置データを制御部200に出力する。この結果、位置データは、アプリケーションプロセッサ220と駆動制御部240に入力される。なお、位置データが駆動制御部240に入力されることは、位置データが駆動制御装置300に入力されることと等価である。
ドライバIC161は、ディスプレイパネル160に接続されており、駆動制御装置300から出力される描画データをディスプレイパネル160に入力し、描画データに基づく画像をディスプレイパネル160に表示させる。これにより、ディスプレイパネル160には、描画データに基づくGUI操作部又は画像等が表示される。
アプリケーションプロセッサ220は、ECU400の駆動制御に必要なGUI操作部、画像、文字、記号、図形等を表す描画データを出力する。例えば、ECU400が、ナビゲーション装置、オーディオコントローラ、空調コントローラ、パワーウィンドウコントローラ、ミラーコントローラ等の駆動制御を行う場合には、これらの駆動制御に必要なGUI操作部等を表す描画データをドライバIC161に出力する。
また、アプリケーションプロセッサ220には、ドライバIC151から位置データが入力され、アプリケーションプロセッサ220は位置データをECU400に出力する。これにより、タッチパネル150への入力操作によって得られる位置データがECU400に入力される。
なお、位置データは、アプリケーションプロセッサ220を経ずに、ドライバIC151からECU400に直接的に入力されてもよい。
駆動制御部240は、振幅を表す振幅データを振幅変調器320に出力する。振幅データは、振動素子140の駆動に用いる駆動信号の強度を調整するための振幅値を表すデータである。振幅を表す振幅データは、メモリ250に格納しておけばよい。
また、実施の形態の入力装置100は、利用者の指先がトップパネル120の表面に沿って移動したときに、指先に掛かる動摩擦力を変化させるためにトップパネル120を振動させる。
トップパネル120の表面に触れた指先を移動させる操作入力の種類としては、例えば、所謂フリック操作、スワイプ操作、及びドラッグ操作がある。
フリック操作は、指先をトップパネル120の表面に沿って、はじく(スナップする)ように比較的短い距離移動させる操作である。スワイプ操作は、指先をトップパネル120の表面に沿って掃くように比較的長い距離移動させる操作である。また、ドラッグ操作は、例えば、ディスプレイパネル510に表示されたボタン等をスライドさせる場合に、ボタン等を選択しながら指先をトップパネル120の表面に沿って移動させる操作である。
ここで一例として挙げるフリック操作、スワイプ操作、及びドラッグ操作のように、トップパネル120の表面に触れた指先を移動させる操作入力は、ディスプレイパネル160に表示されるGUI操作部等の種類によって使い分けられる。
また、駆動制御部240は、上述のような処理に加えて、位置データの時間的変化度合に応じて振幅値を設定してもよい。
ここで、位置データの時間的変化度合としては、利用者の指先がトップパネル120の表面に沿って移動する速度を用いる。利用者の指先の移動速度は、ドライバIC151から入力される位置データの時間的な変化度合に基づいて、駆動制御部240が算出すればよい。
実施の形態の入力装置100は、一例として、指先の移動速度に関わらずに利用者が指先から感知する触感を一定にするために、移動速度が高いほど振幅値を小さくし、移動速度が低いほど振幅値を大きくする。
このような振幅値を表す振幅データと移動速度との関係を表すデータは、メモリ250に格納しておけばよい。
なお、ここでは、振幅値を表す振幅データと移動速度との関係を表すデータを用いて移動速度に応じた振幅値を設定する形態について説明するが、次式(3)を用いて振幅値Aを算出してもよい。式(3)で算出される振幅値Aは、移動速度が高いほど小さくなり、移動速度が低いほど大きくなる。
ここで、A0は振幅の基準値であり、Vは指先の移動速度であり、aは所定の定数である。式(3)を用いて振幅値Aを算出する場合は、式(3)を表すデータと、振幅の基準値A0と所定の定数aを表すデータとをメモリ250に格納しておけばよい。
駆動制御部240は、移動速度が所定の閾値速度以上になったときに、振動素子140を振動させる。
従って、駆動制御部240が出力する振幅データが表す振幅値は、移動速度が所定の閾値速度未満のときはゼロであり、移動速度が所定の閾値速度以上になると、移動速度に応じて所定の振幅値に設定される。移動速度が所定の閾値速度以上のときには、移動速度が高いほど振幅値は小さく設定され、移動速度が低いほど振幅値を大きく設定される。
メモリ250は、操作入力が行われるGUI操作部等を表す領域データと、振動パターンを表すパターンデータとを関連付けたデータを格納する。
正弦波発生器310は、トップパネル120を固有振動数で振動させるための駆動信号を生成するのに必要な正弦波を発生させる。例えば、トップパネル120を33.5kHzの固有振動数fで振動させる場合は、正弦波の周波数は、33.5kHzとなる。正弦波発生器310は、超音波帯の正弦波信号を振幅変調器320に入力する。
振幅変調器320は、駆動制御部240から入力される振幅データを用いて、正弦波発生器310から入力される正弦波信号の振幅を変調して駆動信号を生成する。振幅変調器320は、基本的な動作としては、正弦波発生器310から入力される超音波帯の正弦波信号の振幅を変調し、周波数及び位相は変調せずに、駆動信号を生成する。
このため、振幅変調器320が出力する駆動信号は、正弦波発生器310から入力される超音波帯の正弦波信号の振幅のみを変調した超音波帯の正弦波信号である。なお、振幅データがゼロの場合は、駆動信号の振幅はゼロになる。これは、振幅変調器320が駆動信号を出力しないことと等しい。
また、振幅変調器320は、正弦波発生器310から入力される超音波帯の正弦波信号を、可聴帯域の正弦波の信号を用いて変調することもできる。この場合は、振幅変調器320が出力する駆動信号は、超音波帯の駆動信号に、可聴帯域の駆動信号を重畳したものとなり、振幅は振幅変調器320によって設定される。
ECU400は、車両に搭載されており、例えば、ナビゲーション装置、オーディオコントローラ、空調コントローラ、パワーウィンドウコントローラ、ミラーコントローラ等の制御を行う制御部である。入力装置100のタッチパネル150への操作入力に基づいて検出される位置データは、アプリケーションプロセッサ220を介してECU400に入力される。
ECU400は、アプリケーションプロセッサ220を介して入力される位置データに基づき、操作内容を判定し、例えば、ナビゲーション装置、オーディオコントローラ、空調コントローラ、パワーウィンドウコントローラ、ミラーコントローラ等の制御を行う。
次に、図6を用いて、メモリ250に格納されるデータについて説明する。
図6は、メモリ250に格納されるデータを示す図である。
図6の(A)に示すデータは、振幅値を表す振幅データと、移動速度とを関連付けたデータである。図6の(A)に示すデータによれば、移動速度Vが0以上b1未満(0≦V<b1)のときは振幅値を0に設定し、移動速度Vがb1以上b2未満(b1≦V<b2)のときは振幅値をA1に設定し、移動速度Vがb2以上b3未満(b2≦V<b3)のときは、振幅値をA2に設定することになる。
図6の(B)に示すデータは、操作入力が行われるGUI操作部等が表示される領域の座標値を表す領域データと、振動パターンを表すパターンデータとを関連付けた振動制御データである。
領域データとして、操作入力が行われるGUI操作部等が表示される領域の座標値を表す式f1~f4を示す。また、振動パターンを表すパターンデータとして、P1〜P4を示す。
ここで、図7を用いて、車両の室内において、実施の形態の入力装置100を配置可能な場所について説明する。
図7は、車両10の室内内のドライバーズシート11の周りを示す図である。車両10の室内には、ドライバーズシート11、ダッシュボード12、ステアリングホイール13、センターコンソール14、ドアの内張15等が配設される。なお、車両10は、例えば、ハイブリッド自動車(HV(Hybrid Vehicle))、電気自動車(EV(Electric Vehicle))、ガソリンエンジン者、ディーゼルエンジン車、燃料電池車(FCV(Fuel Cell Vehicle))、水素自動車等であればよい。
実施の形態の入力装置100は、例えば、ダッシュボード12の中央部12A、ステアリングホイール13のスポーク部13A、センターコンソール14のシフトレバー16の周囲14A、及びドアの内張15の凹部15A等に配設することができる。
また、図7には示さないが、実施の形態の入力装置100は、車両10の外側に設けられてもよい。例えば、ドアハンドルの周囲に設けて、電子錠の操作部として用いてもよい。
以下では、車両10の室内に配置する実施例1乃至7の入力装置100A乃至100Gについて説明する。以下で説明する入力装置100A乃至100Gの平面構造及び断面構造は、図1及び図2に示す入力装置100の構造に変形を加えたものである。
<実施例1>
図8は、実施例1の入力装置100Aの内部構成を透過的に示す平面図である。実施例1の入力装置100Aは、一例として、ナビゲーション装置の入力部として用いられる。このため、実施例1の入力装置100Aは、例えば、図7に示す車両10の室内のダッシュボード12の中央部12A等に配設される。
入力装置100Aは、筐体110A、トップパネル120A、振動素子140A、タッチパネル150A、及びディスプレイパネル160Aを含む。図8では、両面テープ130及び基板170を省略する。
図8に示す入力装置100Aの筐体110Aには、凹部111A1、111A2が形成されている。凹部111A1は、筐体110Aの長辺にわたって、凹部111A2よりもX軸負方向側に形成されている。凹部111A1は、平面視で矩形状である。
凹部111A2は、筐体110Aの長辺にわたって、凹部111A1よりもX軸正方向側に形成されている。凹部111A2は、平面視で矩形状である。ここで、凹部111A1と111A2のX軸方向の長さの比は、一例として、約4:1である。
また、ここでは、トップパネル120Aを表示領域120A1と操作領域120A2とに分けて説明する。表示領域120A1は、ナビゲーション装置の表示を行う領域であり、操作領域120A2は、ナビゲーション装置の操作を行う領域である。表示領域120A1は、X軸負方向側に位置し、操作領域120A2はX軸正方向側に位置する。
表示領域120A1には凹部111A1が配設され、操作領域120A2には凹部111A2が配設される。このため、表示領域120A1と操作領域120A2のX軸方向の長さの比は、ここでは、約4:1である。
凹部111A1の内部には、ディスプレイパネル160Aが配設される。ディスプレイパネル160Aは凹部111A1の底面に配設されている。すなわち、ディスプレイパネル160Aは、表示領域120A1の内部に配設される。
凹部111A2の内部には、振動素子140Aとタッチパネル150Aが配設される。振動素子140Aは、平面視で操作領域120A2のうちのY軸負方向側において、トップパネル120Aの裏面に貼り付けられている。タッチパネル150Aは、操作領域120A2のうち振動素子140Aが配設される領域を除いた領域の内部において、凹部111A2の底面に配設されている。
実施例1の入力装置100Aの振動素子140Aは、図1に示す実施の形態の入力装置100の振動素子140に比べると、X軸方向の長さが約1/4以下である。
このようにX軸方向に短い振動素子140Aを用いているのは、実施例1の入力装置100Aでは、トップパネル120Aのうち、操作領域120A2にのみ、トップパネル120Aの超音波帯の固有振動による定在波を発生させることができればよいからである。
図1に示すように、トップパネル120のX軸方向の幅と略同様の長さの振動素子140を用いる場合は、図3に示すように、トップパネル120のX軸方向の幅の略全体に、トップパネル120の長辺方向(Y軸方向)に振幅が変動する定在波が発生する。
これに対して、図8に示すように、X軸方向に短い振動素子140Aを用いると、振動素子140Aの幅に略対応したX軸方向の幅を有し、トップパネル120Aの長辺方向に振幅が変動する定在波が発生することが分かっている。
実施例1の入力装置100Aは、タッチパネル150AのX軸方向の幅が短いため、これに対応させて、小さな振動素子140Aを用いている。
なお、図1及び図2に示す両面テープ130に相当する両面テープは、平面視でトップパネル120Aの外周に沿って、凹部111A1及び111A2を囲む領域に設けられており、筐体110Aとトップパネル120Aを接着している。
図9は、実施例1の入力装置100Aを示す平面図である。
図9に示すように、ディスプレイパネル160には地図が表示されている。また、図8でタッチパネル150Aを示した領域には、操作部121A1、121A2、121A3、121A4が配設されている。
操作部121A1、121A2、121A3、121A4の文字及び記号等は、トップパネル120Aの裏面に印刷されている。このため、本来であれば、図8に示すように、入力装置100を動作させていない状態においても操作部121A1、121A2、121A3、121A4は見えるが、説明の便宜上、図8では省略してある。
操作部121A1、121A2、121A3、121A4の印刷が行われている4つの領域は、それぞれ、図6に示す領域データf1~f4のように、XY座標における位置が決められデータ化されている。また、操作部121A1、121A2、121A3、121A4に操作入力が行われると、それぞれ、所定の振動パターンで駆動制御部240によって振動素子140Aが駆動される。
このような所定の振動パターンは、図6に示す振動パターンP1〜P4と領域データf1~f4とを関連付けるように、操作部121A1、121A2、121A3、121A4の印刷が行われている4つの領域の領域データと関連付けてメモリ250に格納しておけばよい。
また、実施例1の入力装置100Aは、平面視でタッチパネル150Aが位置する領域内において、操作部121A1、121A2、121A3、121A4以外の部分に操作入力が行われる場合にも、駆動制御部240によって振動素子140Aが駆動される。
このため、平面視でタッチパネル150Aが位置する領域のうち、操作部121A1、121A2、121A3、121A4以外の領域を表す領域データと、振動パターンを表すデータについても、図6に示す振動制御データの振動パターンP1〜P4と領域データf1~f4のように関連付けておけばよい。
操作部121A1(TUNE)はラジオの選局を行う操作部である。操作部121A2(現在地)はナビゲーションで現在地を中心とする表示を選択する操作部である。操作部121A3(MENU)はメニュー画面をディスプレイパネル160Aに表示させる操作部である。操作部121A4(VOL)は音量を調整する操作部である。
また、操作部121A1、121A2、121A3、121A4の印刷が行われている4つの領域内でトップパネル120Aの表面に操作入力を行うと、タッチパネル150Aから出力される位置データがECU400に入力される。これにより、それぞれ、ラジオの選局、ナビゲーションで現在地を中心とする表示を選択、メニュー画面のディスプレイパネル160Aへの表示、及び、音量の調整を行うことができる。
なお、実施例1の入力装置100Aは、X軸方向において振動素子140Aとタッチパネル150Aとが存在する部分(操作領域120A2に対応する部分)のみを入力装置として捉えてもよい。この場合に、ディスプレイパネル160が存在する部分(表示領域120A1)については、入力装置に付属した表示部であると捉えてもよい。
また、ここでは、操作部121A1、121A2、121A3、121A4の文字、記号等は、トップパネル120Aの裏面に印刷されている形態について説明するが、操作部121A1、121A2、121A3、121A4の文字、記号等は、トップパネル120Aの表面に印刷されていてもよい。
また、操作部121A1、121A2、121A3、121A4の文字、記号等は、トップパネル120Aの表面に切削等の加工を施すことにより、凹凸によって表されていてもよい。また、操作部121A1、121A2、121A3、121A4の文字、記号等は、トップパネル120Aの表面又は裏面に印刷又は切削等の処理で形成した文字、記号等にバックライト等で光照射を行って文字、記号等を表示するようにしてもよい。
図10は、実施例1の入力装置100Aの駆動制御部240の駆動パターンの一例を示す図である。図10には、図9に示す操作部121A2及び121A3が操作される場合の駆動パターンの一例を示す。
図10において、横軸は図9における操作部121A2と121A3の配列方向(Y軸方向)を示し、縦軸は駆動信号の振幅を示す。なお、ここでは、操作入力の位置は一定の速度でY正方向に移動するものとする。また、横軸方向に点A〜Fを示す。点A〜Fは、すべて平面視でタッチパネル150Aが位置する領域の内部に存在する点である。
点Aで操作入力が開始されることにより、駆動制御部240は、振動素子140Aの駆動を開始する。点Aは、操作部121A2及び121A3の領域外であるため、駆動制御部240は、振動パターンP11で振動素子140Aを駆動し、トップパネル120Aを超音波帯の周波数で振動させる。
振動パターンP11は、振幅がA1で周波数が35kHzの駆動信号を表す。ここで、振動パターンP11は、操作部121A2及び121A3の領域外で操作入力が行われた場合に用いる既定の駆動信号を表すデータである。
このように、振動パターンP11によって振動素子140Aがオンの状態に保持されると、利用者の指先にかかる動摩擦係数はスクイーズ効果によって低下し、指先はトップパネル120Aの表面を移動しやすい状態になる。
操作入力の位置が操作部121A2の境界である点Bに到達すると、駆動制御部240は所定の期間TP1だけ振動素子140Aをオフにする。振動素子140Aをオフにすることは、駆動制御部240が振幅データを0にすることによって行えばよい。
このように、振動素子140Aがオフにされると、トップパネル120の超音波帯の固有振動がオフにされるため、利用者の指先にかかる動摩擦力は増大し、利用者は指先の滑り難さ、あるいは、引っ掛かる感じを知覚することになる。そして、指先が滑りにくくなることにより、動摩擦力が高くなるときに、トップパネル120Aの表面に凸部が存在するように感じる。
ここで、振動素子140Aをオフにするのは、期間TP1の間だけである。期間TP1は、例えば、50ミリ秒程度である。期間TP1が過ぎると、駆動制御部240は操作部121A2の領域データに対応する振動パターンP12で振動素子140Aを駆動する。
図10に示す振動パターンP12は、振幅がA1で周波数が35kHzの振動パターンP11の駆動信号を振幅変調器320が変調したものである。振幅変調器320は、最大振幅がA1で最小振幅がA2で周波数が200Hzの駆動信号を用いて、振動パターンP11を変調する。振幅変調器320が最終的に出力する駆動信号は、最大振幅がA1で最小振幅がA2で、図10に示すように200Hzの周期で振幅が変動する駆動信号である。
200Hzの駆動信号は、可聴帯域の駆動信号であるため、振動パターンP12は、超音波帯の固有振動(振動パターンP11)を可聴帯域の所定パターンの振動で変調した変調振動を発生させる駆動信号の一例である。
そして、操作入力の位置が操作部121A2の境界である点Cに達すると、駆動制御部240は、振幅データの振幅値を0に設定する。これにより、振動素子140Aはオフにされ、利用者は指先に掛かる動摩擦力の増大により、トップパネル120Aの表面に凸部が存在するように感じる。駆動制御部240は、期間TP1にわたって振動素子140Aをオフにする。
そして、期間TP1が過ぎると、駆動制御部240は、振動パターンP11で振動素子140Aを駆動し、トップパネル120Aを超音波帯の周波数で振動させる。点Cと点Dとの間は、操作部121A2と121A3との間であり、操作部121A2及び121A3の領域外だからである。従って、ここでは、駆動制御部240は、既定の駆動信号を表す振動パターンP11を用いて振動素子140Aを駆動する。
そして、操作入力の位置が操作部121A3の境界である点Dに到達すると、駆動制御部240は所定の期間TP1だけ振動素子140Aをオフにする。これにより、利用者は指先の滑り難さ、あるいは、引っ掛かる感じを知覚し、トップパネル120Aの表面に凸部が存在するように感じる。駆動制御部240は、期間TP1にわたって振動素子140Aをオフにする。
そして、期間TP1が経過すると、駆動制御部240は、操作部121A3の領域データに対応する振動パターンP13で振動素子140Aを駆動する。図10に示す振動パターンP13は、振幅がA3で周波数が35kHzの駆動信号を表すデータである。
そして、操作入力の位置が操作部121A3の境界である点Eに達すると、駆動制御部240は、振幅データの振幅値を0に設定する。これにより、振動素子140Aはオフにされ、利用者は指先に掛かる動摩擦力の増大により、トップパネル120Aの表面に凸部が存在するように感じる。駆動制御部240は、期間TP1にわたって振動素子140Aをオフにする。
そして、期間TP1が過ぎると、駆動制御部240は、振動パターンP11で振動素子140Aを駆動し、トップパネル120Aを超音波帯の周波数で振動させる。点Eと点Fとの間は、操作部121A2及び121A3の領域外だからである。従って、ここでは、駆動制御部240は、既定の駆動信号を表す振動パターンP11を用いて振動素子140Aを駆動する。
操作入力の位置が点Fに到達して操作入力が行われなくなると、駆動制御部240は振動素子140Aの駆動を停止する。
図11は、実施例1の入力装置100Aの駆動制御部240が実行する処理を示すフローチャートである。
駆動制御部240は、まず、操作入力があるかどうかを判定する(ステップS1)。操作入力の有無は、ドライバIC151(図5参照)から位置データが入力されるかどうかで判定すればよい。
駆動制御部240は、操作入力があったと判定すると(S1:YES)、操作入力の位置が操作部121A1〜121A4の領域内であるかどうかを判定する(ステップS2)。操作部121A1〜121A4の領域内であるかどうかで、振動パターンが異なるからである。
駆動制御部240は、操作部121A1〜121A4の領域内である(S2:YES)と判定すると、フローをステップS7に進行させる。なお、ステップS7の処理については後述する。
駆動制御部240は、操作部121A1〜121A4の領域内ではない(S2:NO)と判定すると、振動パターンP11で振動素子140Aを駆動する(ステップS3)。これにより、トップパネル120Aのうち、タッチパネル150Aと重複する領域の部分に超音波帯の固有振動が生じる。
駆動制御部240は、操作入力の位置が操作部121A1〜121A4の領域の境界に到達したかどうかを判定する(ステップS4)。操作部121A1〜121A4の領域内に入るときに所定期間TP1にわたって振動素子140Aをオフにするため、操作部121A1〜121A4の領域の境界に到達したかどうかを判定することとしている。
駆動制御部240は、操作部121A1〜121A4の領域の境界に到達した(S4:YES)と判定すると、所定期間TP1にわたって振動素子140Aをオフにする(ステップS5)。利用者の指先に凸部の感触を提供するためである。
次いで、駆動制御部240は、操作入力の位置が操作部121A1〜121A4の領域内であるかどうかを判定する(ステップS6)。操作部121A1〜121A4の領域内であるかどうかで、振動パターンが異なるからである。
駆動制御部240は、操作入力の位置が操作部121A1〜121A4のいずれかの領域内である(S6:YES)と判定すると、操作部121A1〜121A4のいずれかに応じた振動パターンで振動素子140Aを駆動する(ステップS7)。操作部121A1〜121A4のいずれに応じた振動パターンであるかは、図6に示すような振動制御データと、操作入力の位置とに基づいて、駆動制御部240が決定すればよい。
なお、駆動制御部240は、ステップS2において、操作部121A1〜121A4の領域内であると判定した場合には、フローをステップS2からステップS7に進行させて、操作部121A1〜121A4のいずれかに応じた振動パターンで振動素子140Aを駆動する。
駆動制御部240は、操作入力の位置が操作部121A1〜121A4の領域内であるかどうかを判定する(ステップS8)。操作入力の位置が操作部121A1〜121A4の領域の外部にある場合は、振動パターンが異なるからである。
駆動制御部240は、ステップS8において、操作入力の位置が操作部121A1〜121A4の領域内である(S8:YES)と判定した場合は、フローをステップS7にリターンする。
一方、駆動制御部240は、ステップS8において、操作入力の位置が操作部121A1〜121A4の領域内ではない(S8:NO)と判定した場合は、操作入力があるかどうかを判定する(ステップS9)。操作入力の有無は、ドライバIC151(図5参照)から位置データが入力されるかどうかで判定すればよい。
駆動制御部240は、操作入力があったと判定すると(S9:YES)、フローをステップS3にリターンし、振動パターンP11で振動素子140Aを駆動する。
一方、駆動制御部240は、操作入力がないと判定すると(S9:NO)、一連の処理を終了する(エンド)。操作入力がない場合は、利用者が操作を行っていない場合であるため、振動素子140Aを駆動する必要がないからである。
なお、駆動制御部240は、ステップS4において、操作入力の位置が操作部121A1〜121A4の領域の境界に到達してない(S4:NO)と判定すると、フローをステップS9に進行させる。ステップS9で操作入力の有無を判定し、操作入力があればフローをステップS3にリターンして、振動パターンP11で振動素子140Aを駆動するためである。
また、駆動制御部240は、ステップS6において、操作入力の位置が操作部121A1〜121A4の領域内ではない(S6:NO)と判定すると、フローをステップS9に進行させる。ステップS9で操作入力の有無を判定し、操作入力があればフローをステップS3にリターンして、振動パターンP11で振動素子140Aを駆動するためである。
以上、実施の形態の入力装置100によれば、トップパネル120の超音波帯の固有振動を発生させて利用者の指先に掛かる動摩擦力を変化させるので、利用者に良好な触感を提供することができる。
実施の形態の車載用の入力装置100は、利用者が車両10を運転しているときに、触感だけで操作内容を知覚できるため、非常に利便性が高い。
例えば、図9に示すナビゲーション装置の入力部として用いる入力装置100Aの場合は、操作部121A1〜121A4の境界部で、所定の期間TP1だけ振動素子140Aをオフにするため、利用者は指先で凸部を感じることによって操作し易くなる。
また、例えば、図10に示したように、操作部121A2(現在地)、操作部121A3(MENU)、及び操作部121A2、121A3以外の領域を触れたときに、互いに異なる振動パターンP11、P12、P13を用いて振動素子140Aを駆動すれば、利用者は指先の感触で操作部121A2と121A3を区別できる。
また、実施の形態の入力装置100(図1、2、5参照)は、正弦波発生器310で発生される超音波帯の正弦波の振幅のみを振幅変調器320で変調することによって駆動信号を生成している。正弦波発生器310で発生される超音波帯の正弦波の周波数は、トップパネル120の固有振動数に等しく、また、この固有振動数は振動素子140を加味して設定している。
すなわち、正弦波発生器310で発生される超音波帯の正弦波の周波数又は位相を変調することなく、振幅のみを振幅変調器320で変調することによって駆動信号を生成している。
従って、トップパネル120の超音波帯の固有振動をトップパネル120に発生させることができ、スクイーズ効果による空気層の介在を利用して、指でトップパネル120の表面をなぞったときの動摩擦係数を確実に低下させることができる。また、Sticky-band Illusion効果、又は、Fishbone Tactile Illusion効果により、トップパネル120の表面に凹凸が存在するような良好な触感を利用者に提供することができる。
また、以上では、トップパネル120に凹凸が存在するような触感を利用者に提供するために、振動素子140のオン/オフを切り替える形態について説明した。振動素子140をオフにするとは、振動素子140を駆動する駆動信号が表す振幅値をゼロにすることである。
しかしながら、このような触感を提供するために、必ずしも振動素子140をオンからオフにする必要はない。例えば、振動素子140のオフの状態の代わりに、振幅を小さくして振動素子140を駆動する状態を用いてもよい。例えば、振幅を1/5程度に小さくすることにより、振動素子140をオンからオフにする場合と同様に、トップパネル120に凹凸が存在するような触感を利用者に提供してもよい。
この場合は、振動素子140の振動の強弱を切り替えるような駆動信号で振動素子140を駆動することになる。この結果、トップパネル120に発生する固有振動の強弱が切り替えられ、利用者の指先に凹凸が存在するような触感を提供することができる。
振動素子140の振動の強弱を切り替えるために、振動を弱くする際に振動素子140をオフにすると、振動素子140のオン/オフを切り替えることになる。振動素子140のオン/オフを切り替えることは、振動素子140を断続的に駆動することである。
以上、実施の形態によれば、良好な操作感を提供できる入力装置100及び100Aを提供することができる。
なお、以上では、操作部121A3(MENU)を操作する際に、振動パターンP13(図10参照)を用いて駆動する駆動パターンについて説明したが、図12に示すような駆動パターンを用いてもよい。
図12は、実施例1の変形例による入力装置100Aの駆動制御部240の駆動パターンの一例を示す図である。図12では、操作部121A2に対応する点Bと点Cとの間の振動パターンP12の最大振幅を図10よりも小さくするとともに、操作部121A3に対応する点Dと点Eとの間の振動を0にしてある。
操作部121A2の最大振幅を図10よりも小さくすることにより、点Aから点Bまでの操作部121A2及び121A3以外の領域に操作入力が行われているときと振幅が変わるので、操作入力の位置が操作部121A2の領域内に入ったことをより知覚しやすくなる。
また、操作部121A3は、メニュー画面をディスプレイパネル160に表示させる操作部であるため、振動パターンP13の振幅値を0に設定することにより、振動の生じない場所を操作部121A3として利用者に認識させるようにしてもよい。
また、実施例1の入力装置100Aは、図8に示すように、振動素子140A及びタッチパネル150Aがトップパネル120AのX軸方向の幅の約1/4の領域にのみ配設されている形態について説明した。
しかしながら、例えば、図1に示す入力装置100において、ディスプレイパネル160に、地図データと、GUI部品による操作部121A1〜121A4とを表示し、操作入力の位置を含む領域に応じた振動パターンで振動素子140を駆動してもよい。
この場合に、地図データを表示する領域内において行われる操作入力をタッチパネル150で検出し、操作入力による制御(地図データのスケールの変更、表示するエリアの変更等)を行ってもよい。
<実施例2>
図13は、実施例2の入力装置100Bの内部構成を透過的に示す平面図である。実施例2の入力装置100Bは、一例として、オーディオコントローラとして用いられる。このため、実施例2の入力装置100Bは、例えば、図7に示す車両10の室内のダッシュボード12の中央部12A等に配設される。
入力装置100Bは、筐体110B、トップパネル120B、振動素子140B、タッチパネル150B、及びディスプレイパネル160Bを含む。図13では、両面テープ130及び基板170を省略する。
図13に示す入力装置100Bの筐体110Bには、凹部111Bが形成されている。凹部111Bは、平面視で矩形状であり、図1及び図2に示す実施の形態の筐体110の凹部111と同様に、平面視で筐体110Bの外枠部を除く全体に形成されている。
なお、ここでは、トップパネル120Bを表示領域120B1と操作領域120B2とに分けて説明する。表示領域120B1は、オーディオコントローラの表示を行う領域であり、操作領域120B2は、オーディオコントローラの操作を行う領域である。表示領域120B1は、X軸負方向側に位置し、操作領域120B2はX軸正方向側に位置する。表示領域120B1と操作領域120B2のX軸方向の長さの比は、一例として、2:3である。
凹部111Bの内部には、振動素子140B、タッチパネル150B、及びディスプレイパネル160Bが配設される。ディスプレイパネル160Bは、表示領域120B1の内部で、凹部111Bの底面に配設されている。
振動素子140Bは、操作領域120B2の内部で、トップパネル120Bの裏面に貼り付けられている。タッチパネル150Bは、操作領域120B2の内部で、凹部111Bの底面に配設されている。
実施例2の入力装置100Bの振動素子140Bは、図1に示す実施の形態の入力装置100の振動素子140に比べると、X軸方向の長さが約3/5程度である。
これは、トップパネル120Bのうち、操作領域120B2の内部に位置するタッチパネル150Bと重複する領域の部分にのみ、トップパネル120Bの超音波帯の固有振動による定在波を発生させることができればよいからである。
なお、トップパネル120Bの操作領域120B2の裏面には、オーディオコントローラの操作部を示す絵又は文字等が印刷されるが、図13では図示を省略する。
また、図1及び図2に示す両面テープ130に相当する両面テープは、平面視でトップパネル120Bの外周に沿って、凹部111Bを囲む領域に設けられており、筐体110Bとトップパネル120Bを接着している。
図14は、実施例2の入力装置100Bを示す平面図である。
図14に示すように、ディスプレイパネル160にはオーディオステータスが表示されている。また、図13でタッチパネル150Bを示した領域には、操作部121B1、121B2、121B3、121B4、121B5が配設されている。
操作部121B1、121B2、121B3、121B4、121B5は、トップパネル120Bの裏面に印刷されている。このため、本来であれば、図13に示すように、入力装置100を動作させていない状態においても操作部121B1、121B2、121B3、121B4、121B5は見えるが、説明の便宜上、図13では省略してある。
操作部121B1、121B2、121B3、121B4、121B5の印刷が行われている5つの領域は、それぞれ、図6に示す領域データf1~f4のように、XY座標における位置が決められデータ化されている。また、操作部121B1、121B2、121B3、121B4、121B5に操作入力が行われると、それぞれ、所定の振動パターンで駆動制御部240によって振動素子140Bが駆動される。
このような所定の振動パターンは、図6に示す振動パターンP1〜P4と領域データf1~f4とを関連付けるように、操作部121B1、121B2、121B3、121B4、121B5の印刷が行われている5つの領域の領域データと関連付けてメモリ250に格納しておけばよい。
また、実施例2の入力装置100Bは、平面視でタッチパネル150Bが位置する領域内において、操作部121B1、121B2、121B3、121B4、121B5以外の部分に操作入力が行われる場合にも、駆動制御部240によって振動素子140Bが駆動される。
このため、平面視でタッチパネル150Bが位置する領域のうち、操作部121B1、121B2、121B3、121B4、121B5以外の領域を表す領域データと、振動パターンを表すデータについても、図6に示す振動制御データの振動パターンP1〜P4と領域データf1~f4のように関連付けておけばよい。
操作部121B1(Vol.)は音量を調整するダイアル型の操作部である。操作部121B1を反時計回りの方向を示す矢印の方向に回すように操作を行えば、音量を小さくするための操作入力を行うことができる。また、操作部121B1を時計回りの方向を示す矢印の方向に回すように操作を行えば、音量を大きくするための操作入力を行うことができる。
操作部121B2(mode)はオーディオのモード入力状態を選択する操作部である。操作部121B3(set)はオーディオの設定入力状態を選択する操作部である。操作部121B4、121B5は、例えば、モード入力状態又は設定入力状態において、選択肢を選ぶ際に利用する操作部である。
また、操作部121B1、121B2、121B3、121B4、121B5の印刷が行われている4つの領域内でトップパネル120Bの表面に操作入力を行うと、タッチパネル150Bから出力される位置データがECU400に入力される。これにより、それぞれ、音量の調整、モード入力状態の選択、設定入力状態の選択、モード入力状態又は設定入力状態における選択肢の選択を行うことができる。
なお、実施例2の入力装置100Bは、X軸方向において振動素子140Bとタッチパネル150Bとが存在する部分(操作領域120B2に対応する部分)のみを入力装置として捉えてもよい。この場合に、ディスプレイパネル160が存在する部分(表示領域120B1)については、入力装置に付属した表示部であると捉えてもよい。
図15は、実施例2の入力装置100Bの駆動制御部240の駆動パターンの一例を示す図である。操作部121B2、121B3、121B4、121B5に対して操作入力が行われる際の駆動制御部240による駆動制御は、実施例1の入力装置100Aと同様であるため、ここでは、ダイアル型の操作部121B1に対して操作入力が行われる際の駆動制御部240による駆動制御について説明する。
図15において、横軸は時間軸を示し、縦軸は駆動信号の振幅を示す。
時刻t1で図15の操作部121B1に示す点Sに利用者の指先が触れて操作入力が開始されることにより、駆動制御部240は、振動素子140Bの駆動を開始する。駆動制御部240は、振動パターンP14で振動素子140Bを駆動し、トップパネル120Bを超音波帯の周波数で振動させる。
振動パターンP14は、振幅がA1で周波数が35kHzの駆動信号を表す。ここで、振動パターンP14は、操作部121B1で操作入力が行われた場合に用いる駆動信号を表すデータである。
このように、振動パターンP14によって振動素子140Bがオンの状態に保持されると、利用者の指先にかかる動摩擦係数はスクイーズ効果によって低下し、指先はトップパネル120Bの表面を移動しやすい状態になる。
時刻t2で操作入力の位置が移動し始めると、駆動制御部240は、始点である点Sからの操作入力の位置の移動量を検出する。また、このとき、駆動制御部240は、振動パターンP14で振動素子140Bを駆動し続ける。
時刻t3で、操作入力の位置の移動量が、ダイアル型の操作部121B1の1目盛り分の操作量に到達すると、駆動制御部240は所定の期間TP1だけ振動素子140Bをオフにする。振動素子140Bをオフにすることは、駆動制御部240が振幅データを0にすることによって行えばよい。
このように、振動素子140Bがオフにされると、トップパネル120の超音波帯の固有振動がオフにされるため、利用者の指先にかかる動摩擦力は増大し、利用者は指先の滑り難さ、あるいは、引っ掛かる感じを知覚することになる。そして、指先が滑りにくくなることにより、動摩擦力が高くなるときに、トップパネル120Bの表面に凸部が存在するように感じる。このため、利用者は指先で操作部121B1の操作が1目盛り分に達したことを知覚できる。
ここで、振動素子140Bをオフにするのは、期間TP1の間だけである。期間TP1は、例えば、50ミリ秒程度である。
時刻t3から期間TP1が過ぎた後に、利用者の操作入力の位置が移動し続けると、駆動制御部240は操作部121B1の領域データに対応する振動パターンP14で振動素子140Bを駆動する。
そして、時刻t4で、操作入力の位置の移動量が、時刻t3における操作入力の位置からダイアル型の操作部121B1の1目盛り分の操作量に到達すると、駆動制御部240は所定の期間TP1だけ振動素子140Bをオフにする。
すなわち、駆動制御部240は、時刻t3で操作入力の位置が1つ目の目盛りに到達したときの操作入力の位置を始点として再び操作入力の位置の移動量を監視し、時刻t4で2つ目の目盛りに到達したときに、振動素子140Bをオフにする。
時刻t4から期間TP1が過ぎた後に、利用者の操作入力の位置が移動し続けると、駆動制御部240は操作部121B1の領域データに対応する振動パターンP14で振動素子140Bを駆動する。
そして、時刻t5で、操作入力の位置の移動量が、時刻t4における操作入力の位置からダイアル型の操作部121B1の1目盛り分の操作量に到達すると、駆動制御部240は所定の期間TP1だけ振動素子140Bをオフにする。
すなわち、駆動制御部240は、時刻t4で操作入力の位置が2つ目の目盛りに到達したときの操作入力の位置を始点として再び操作入力の位置の移動量を監視し、時刻t5で3つ目の目盛りに到達したときに、振動素子140Bをオフにする。
時刻t5から期間TP1が過ぎた後に、利用者の操作入力の位置が移動し続けると、駆動制御部240は操作部121B1の領域データに対応する振動パターンP14で振動素子140Bを駆動する。
そして、時刻t6で、操作入力が行われなくなると、振動素子140Bをオフにする。
その後は、操作入力が行われないため、駆動制御部240が振動素子140を駆動することはない。
図16は、実施例2の入力装置100Bの駆動制御部240が操作部121B1の操作に応じて実行する処理を示すフローチャートである。
駆動制御部240は、まず、操作部121B1への操作入力があるかどうかを判定する(ステップS21)。操作入力の有無は、ドライバIC151(図5参照)から入力される位置データが操作部121B1の領域内に含まれるかどうかで判定すればよい。なお、駆動制御部240は、操作入力があると判定するまでステップS21の処理を繰り返し実行する。
駆動制御部240は、操作部121B1の操作入力があったと判定すると(S21:YES)、振動パターンP14で振動素子140Bを駆動する(ステップS22)。これにより、トップパネル120Bの操作部121B1に超音波帯の固有振動が生じる。
駆動制御部240は、操作入力の位置が移動中であるかどうかを判定する(ステップS23)。操作入力の位置が移動中であるかどうかは、操作入力の位置に時間的な変化があるかどうかで判断すればよい。駆動制御部240は、操作入力の位置が移動中であると判定するまでステップS23の処理を繰り返し実行する。
なお、駆動制御部240は、操作入力の始点を表す座標を保持しておく。操作入力の始点を表す座標は、メモリ250に格納してもよい。
また、操作入力の位置が移動中であるかどうかは、操作入力の位置の移動速度に基づいて判定してもよい。移動速度は、ベクトル演算によって算出すればよい。なお、閾値速度は、指先を移動させながら操作部121B1に操作入力を行う際における指先の移動速度の最低速度として設定すればよい。このような最低速度は、実験結果に基づいて設定してもよく、タッチパネル150の分解能等に応じて設定してもよい。
駆動制御部240は、操作入力の位置の移動量が操作部121B1の1目盛り分に到達したかどうかを判定する(ステップS24)。
駆動制御部240は、操作入力の位置の移動量が操作部121B1の1目盛り分に到達した(S4:YES)と判定すると、所定期間TP1にわたって振動素子140Bをオフにする(ステップS25)。利用者の指先に凸部の感触を提供するためである。
次いで、駆動制御部240は、操作部121B1の領域内で操作入力が行われているかどうかを判定する(ステップS26)。操作部121B1の操作に伴う駆動制御を行うかどうか判定するためである。
駆動制御部240は、操作部121B1の領域内で操作入力が行われている(S26:YES)と判定すると、フローをステップS22にリターンする。これにより、駆動制御部240は振動素子140を振動パターンP14で駆動し、ステップS23以下の処理を引き続き行う。
駆動制御部240は、操作部121B1の領域内で操作入力が行われていない(S26:NO)と判定した場合は、一連の処理を終了する(エンド)。操作部121B1の領域内に操作入力がない場合は、利用者が操作部121B1の操作を行っていない場合であるため、振動素子140Bを駆動する必要がないからである。
なお、駆動制御部240は、ステップS24において、操作入力の位置の移動量が操作部121B1の1目盛り分に到達してない(S24:NO)と判定すると、フローをステップS26に進行させる。例えば、操作入力の位置の移動量が操作部121B1の1目盛り分に到達する前に、操作入力が終了する場合が有り得るからである。
以上、実施例2の入力装置100Bによれば、トップパネル120Bの超音波帯の固有振動を発生させて利用者の指先に掛かる動摩擦力を変化させるので、ダイアル型の操作部121B1を操作する利用者に良好な操作感を提供することができる。
実施例2の入力装置100Bは、利用者が車両10を運転しているときに触感で操作内容を知覚できるため、非常に利便性が高い。
<実施例3>
図17は、実施例3の入力装置100Cの内部構成を透過的に示す平面図である。実施例3の入力装置100Cは、一例として、空調コントローラとして用いられる。このため、実施例3の入力装置100Cは、例えば、図7に示す車両10の室内のダッシュボード12の中央部12A等に配設される。
入力装置100Cは、筐体110C、トップパネル120C、振動素子140C、タッチパネル150C1、150C2、150C3、及びディスプレイパネル160Cを含む。図17では、両面テープ130及び基板170を省略する。
図17に示す入力装置100Cの筐体110Cには、凹部111Cが形成されている。凹部111Cは、平面視で矩形状であり、図1及び図2に示す実施の形態の筐体110の凹部111と同様に、平面視で筐体110Cの外枠部を除く全体に形成されている。
なお、ここでは、トップパネル120Cを表示領域120C1と操作領域120C2とに分けて説明する。表示領域120C1は、空調コントローラの表示を行う領域であり、操作領域120C2は、空調コントローラの操作を行う領域である。表示領域120C1は、図17に示すように、X軸負方向側におけるY軸方向の中央部に位置し、操作領域120C2は、トップパネル120Cの矩形状の領域から表示領域120C1を除いたU字型の領域である。
凹部111Cの内部には、振動素子140C、タッチパネル150C1、150C2、150C3、及びディスプレイパネル160Cが配設される。ディスプレイパネル160Cは、表示領域120C1の内部で、凹部111Cの底面に配設されている。
振動素子140Cは、操作領域120C2の内部のY軸負方向側の短辺に沿って、X軸方向の略全体にわたる部分で、トップパネル120Cの裏面に貼り付けられている。タッチパネル150C1、150C2、150C3は、図17に示すように、U字型の操作領域120C2の内部で、凹部111Cの底面に配設されている。
実施例3の入力装置100Cの振動素子140Cは、平面視で、図1に示す実施の形態の入力装置100の振動素子140と略同一の形状である。ただし、図1に示す実施の形態の入力装置100の振動素子140がトップパネル120のY軸正方向側の短辺に沿って配設されているのに対して、入力装置100Cの振動素子140Cはトップパネル120CのY軸負方向側の短辺に沿って配設されている。
タッチパネル150C1、150C2、150C3が配設される操作領域120C2は平面視でU字型であり、操作領域120C2の全体に定在波を生じさせるためには、トップパネル120Cの全体に、トップパネル120Cの超音波帯の固有振動による定在波を発生させる必要があるからである。
なお、トップパネル120Cの操作領域120C2の裏面には、空調コントローラの操作部を示す絵又は文字等が印刷されるが、図17では図示を省略する。
また、図1及び図2に示す両面テープ130に相当する両面テープは、平面視でトップパネル120Cの外周に沿って、凹部111Cを囲む領域に設けられており、筐体110Cとトップパネル120Cを接着している。
図18は、実施例3の入力装置100Cを示す平面図である。
図18に示すように、ディスプレイパネル160には地図が表示されている。また、図17でタッチパネル150Cを示した領域には、操作部121C1、121C2、121C3、121C4、121C5、121C6、121C7、121C8が配設されている。
操作部121C1、121C2、121C3、121C4、121C5、121C6、121C7、121C8は、トップパネル120Cの裏面に印刷されている。このため、本来であれば、図17に示すように、入力装置100を動作させていない状態においても操作部121C1、121C2、121C3、121C4、121C5、121C6、121C7、121C8は見えるが、説明の便宜上、図17では省略してある。
操作部121C1、121C2、121C3、121C4、121C5、121C6、121C7、121C8の印刷が行われている8つの領域は、それぞれ、図6に示す領域データf1~f4のように、XY座標における位置が決められデータ化されている。また、操作部121C1、121C2、121C3、121C4、121C5、121C6、121C7、121C8に操作入力が行われると、それぞれ、所定の振動パターンで駆動制御部240によって振動素子140Cが駆動される。
このような所定の振動パターンは、図6に示す振動パターンP1〜P4と領域データf1~f4とを関連付けるように、操作部121C1、121C2、121C3、121C4、121C5、121C6、121C7、121C8の印刷が行われている8つの領域の領域データと関連付けてメモリ250に格納しておけばよい。
また、実施例3の入力装置100Cは、平面視でタッチパネル150Cが位置する領域内において、操作部121C1、121C2、121C3、121C4、121C5、121C6、121C7、121C8以外の部分に操作入力が行われる場合にも、駆動制御部240によって振動素子140Cが駆動される。
このため、平面視でタッチパネル150Cが位置する領域のうち、操作部121C1、121C2、121C3、121C4、121C5、121C6、121C7、121C8以外の領域を表す領域データと、振動パターンを表すデータについても、図6に示す振動制御データの振動パターンP1〜P4と領域データf1~f4のように関連付けておけばよい。
操作部121C1、121C2(FAN)は、風量を調整(増大又は減少)する操作部である。操作部121C3(A/C)はエアコンのオン/オフを選択する操作部である。操作部121C4は内気循環モードを選択する操作部である。操作部121C5(mode)は、空調のモード選択を行う操作部である。操作部121C6は、デフロスターのオン/オフを選択する操作部である。
操作部121C7、121C8(TEMP)は、空調の設定温度を調整(上昇又は低下)する操作部である。
また、操作部121C1、121C2、121C3、121C4、121C5、121C6、121C7、121C8の印刷が行われている4つの領域内でトップパネル120Cの表面に操作入力を行うと、タッチパネル150Cから出力される位置データがECU400に入力される。これにより、それぞれ、風量の調整、エアコンのオン/オフ、内気循環モードの選択、空調のモード選択、デフロスターのオン/オフ、設定温度の調整を行うことができる。
なお、実施例3の入力装置100Cは、X軸方向において振動素子140Cとタッチパネル150Cとが存在する部分(操作領域120C2に対応する部分)のみを入力装置として捉えてもよい。この場合に、ディスプレイパネル160が存在する部分(表示領域120C1)については、入力装置に付属した表示部であると捉えてもよい。
図19は、実施例3の入力装置100Cの駆動制御部240の駆動パターンの一例を示す図である。ここでは、一例として、操作部121C7、121C8に対して操作入力が行われる際の駆動制御部240による駆動制御について説明する。
図19において、横軸は時間軸を示し、縦軸は駆動信号の振幅を示す。
時刻t11で図19の操作部121C7に利用者の指先が触れて操作入力が開始されることにより、駆動制御部240は、振動素子140Cの駆動を開始する。駆動制御部240は、振動パターンP15で振動素子140Cを駆動し、トップパネル120Cを超音波帯の周波数で振動させる。
振動パターンP15は、振幅がA11〜A12の範囲で増大する周波数が35kHzの駆動信号を、周波数が200Hzの駆動信号で変調した駆動信号を表すデータである。ここで、振動パターンP15は、操作部121C7で設定温度を上昇させるための操作入力が行われた場合に用いる駆動信号を表すデータである。
時刻t11から時刻t12まで利用者の指先が操作部121C7に触れ続けて操作入力が行われると、駆動制御部240は、振動パターンP15で徐々に振幅を増大させるように振動素子140Cを駆動し続ける。時刻t12で操作入力が行われなくなると、駆動制御部240は振動素子140の駆動を停止する。
このように、振動パターンP15によって振動素子140Cがオンの状態に保持されると、利用者の指先にかかる動摩擦係数はスクイーズ効果によって低下し、指先はトップパネル120Cの表面を移動しやすい状態になる。
また、振幅が徐々に増大するので、利用者は指先で操作部121C7を操作して設定温度を上昇させていることを知覚できる。
時刻t13で、利用者が操作部121C8への操作入力を開始すると、駆動制御部240は、振動素子140Cの駆動を開始する。駆動制御部240は、振動パターンP16で振動素子140Cを駆動し、トップパネル120Cを超音波帯の周波数で振動させる。
振動パターンP16は、振幅がA12〜A11の範囲で減少する周波数が35kHzの駆動信号を、周波数が200Hzの駆動信号で変調した駆動信号を表すデータである。ここで、振動パターンP16は、操作部121C8で設定温度を低下させるための操作入力が行われる場合に用いる駆動信号を表すデータである。
時刻t13から時刻t14まで利用者の指先が操作部121C8に触れ続けて操作入力が行われると、駆動制御部240は、振動パターンP16で徐々に振幅を増大させるように振動素子140Cを駆動し続ける。
このように、振動パターンP16によって振動素子140Cがオンの状態に保持されると、利用者の指先にかかる動摩擦係数はスクイーズ効果によって低下し、指先はトップパネル120Cの表面を移動しやすい状態になる。
また、振幅が徐々に減少するので、利用者は指先で操作部121C8を操作して設定温度を低下させていることを知覚できる。
図20は、実施例3の入力装置100Cの駆動制御部240が操作部121C7、121C8の操作に応じて実行する処理を示すフローチャートである。
駆動制御部240は、まず、操作部121C7又は121C8への操作入力があるかどうかを判定する(ステップS31)。操作入力の有無は、ドライバIC151(図5参照)から入力される位置データが操作部121C7又は121C8の領域内に含まれるかどうかで判定すればよい。なお、駆動制御部240は、操作入力があると判定するまでステップS31の処理を繰り返し実行する。
駆動制御部240は、操作部121C7又は121C8への操作入力があった(S31:YES)と判定すると、操作部121C7への操作入力であるかどうかを判定する(ステップS32)。
駆動制御部240は、ステップS32において操作部121C7の操作入力があったと判定すると(S32:YES)、振動パターンP15で振動素子140Cを駆動する(ステップS33)。これにより、トップパネル120Cには振動パターンP15による超音波帯の固有振動が生じ、操作部121C7に触れている利用者の指先の動摩擦力は、振動パターンP15による超音波帯の固有振動が伝達される。
次いで、駆動制御部240は、操作部121C7又は121C8への操作入力があるかどうかを判定する(ステップS34)。操作入力の有無は、ステップS31と同様に、ドライバIC151(図5参照)から入力される位置データが操作部121C7又は121C8の領域内に含まれるかどうかで判定すればよい。
駆動制御部240は、操作部121C7又は121C8の操作入力があったと判定すると(S34:YES)、フローをステップS32にリターンする。
一方、駆動制御部240は、操作部121C7又は121C8の操作入力がないと判定すると(S34:NO)、一連の処理を終了する(エンド)。操作部121C7又は121C8の領域内に操作入力がない場合は、利用者が操作部121C7又は121C8の操作を行っていない場合であるため、振動素子140Cを駆動する必要がないからである。
また、駆動制御部240は、ステップS32において操作部121C7への操作入力がないと判定すると(S32:NO)、振動パターンP16で振動素子140Cを駆動する(ステップS35)。これにより、トップパネル120Cには振動パターンP16による超音波帯の固有振動が生じ、操作部121C8に触れている利用者の指先の動摩擦力は、振動パターンP16による超音波帯の固有振動が伝達される。
以上、実施例3の入力装置100Cによれば、トップパネル120Cの超音波帯の固有振動を発生させて利用者の指先に掛かる動摩擦力を変化させるので、操作部121C7又は121C8を操作する利用者に良好な操作感を提供することができる。
また、実施例3の入力装置100Cは、利用者が車両10を運転しているときに、振動の振幅の増大又は減少で操作部121C7又は121C8のどちらに触れているかを触感で操作内容を知覚できるため、非常に利便性が高い。
図21は、実施例3の入力装置100Cの駆動制御部240の駆動パターンの他の例を示す図である。ここでは、図19と同様に一例として、操作部121C7、121C8に対して操作入力が行われる際の駆動制御部240による駆動制御について説明する。
図19では、操作部121C7で設定温度を上昇させるための操作入力が行われた場合に、振幅がA11〜A12の範囲で増大する振動パターンP15を用いた。また、操作部121C8で設定温度を低下させるための操作入力が行われた場合に、振幅がA12〜A11の範囲で減少する振動パターンP16を用いた。
図21に示す駆動パターンは、操作部121C7で設定温度を上昇させるための操作入力が行われた場合に、周波数を増大させる振動パターンP17を用い、操作部121C8で設定温度を低下させるための操作入力が行われた場合に、周波数が減少する振動パターンP18を用いる。
なお、振動パターンP17は、振幅がA11で周波数が35kHzの駆動信号を、周波数が200Hzから400Hzに時間的に変化する駆動信号で変調した駆動信号を表すデータである。また、振動パターンP18は、振幅がA11で周波数が35kHzの駆動信号を、周波数が400Hzから200Hzに時間的に変化する駆動信号で変調した駆動信号を表すデータである。
このような振動パターンP17、P18を用いれば、利用者が車両10を運転しているときに、周波数の増大又は減少で操作部121C7又は121C8のどちらに触れているかを触感で操作内容を知覚できる。また、操作部121C7又は121C8の場所を凸部が存在する触感で知覚できる。このため、非常に利便性が高い。
<実施例4>
図22は、実施例4の入力装置100Dの内部構成を透過的に示す平面図である。実施例4の入力装置100Dは、一例として、ウィンドウコントローラとして用いられる。このため、実施例4の入力装置100Dは、例えば、図7に示す車両10の室内のドアの内張15等に配設される。
入力装置100Dは、筐体110D、トップパネル120D、振動素子140D、及びタッチパネル150Dを含む。図22では、両面テープ130及び基板170を省略する。入力装置100Dは、ディスプレイパネル160(図1参照)を含まない。
図22に示す入力装置100Dの筐体110Dには、凹部111Dが形成されている。凹部111Dは、平面視で矩形状であり、図1及び図2に示す実施の形態の筐体110の凹部111と同様に、平面視で筐体110Dの外枠部を除く全体に形成されている。
凹部111Dの内部には、振動素子140D及びタッチパネル150Dが配設される。振動素子140Dは、Y軸負方向側の短辺に沿って、X軸方向の略全体にわたる部分で、トップパネル120Dの裏面に貼り付けられている。タッチパネル150Dは、図22に示すように、振動素子140のY軸正方向側において、凹部111Dの底面に配設されている。
実施例4の入力装置100Dの振動素子140DのX軸方向の幅は、タッチパネル150のX軸方向の幅と略同じである。
タッチパネル150Dが配設される領域の全体において、トップパネル120Dに定在波を生じさせるためには、振動素子140DのX軸方向の幅をタッチパネル150のX軸方向の幅と略同じにすることが望ましいからである。
なお、トップパネル120Dの裏面には、ウィンドウコントローラの操作部を示す絵又は文字等が印刷されるが、図22では図示を省略する。
また、図1及び図2に示す両面テープ130に相当する両面テープは、平面視でトップパネル120Dの外周に沿って、凹部111Dを囲む領域に設けられており、筐体110Dとトップパネル120Dを接着している。
図23は、実施例4の入力装置100Dの動作状態を示す平面図である。
図23に示すように、タッチパネル150Dが配設される領域には、操作部121D1、121D2、121D3、121D4が配設されている。
操作部121D1、121D2、121D3、121D4は、トップパネル120Dの裏面に印刷されている。このため、本来であれば、図22に示すように、入力装置100を動作させていない状態においても操作部121D1、121D2、121D3、121D4は見えるが、説明の便宜上、図22では省略してある。
操作部121D1、121D2、121D3、121D4の印刷が行われている4つの領域は、それぞれ、図6に示す領域データf1~f4のように、XY座標における位置が決められデータ化されている。また、操作部121D1、121D2、121D3、121D4に操作入力が行われると、それぞれ、所定の振動パターンで駆動制御部240によって振動素子140Dが駆動される。
このような所定の振動パターンは、図6に示す振動パターンP1〜P4と領域データf1~f4とを関連付けるように、操作部121D1、121D2、121D3、121D4の印刷が行われている4つの領域の領域データと関連付けてメモリ250に格納しておけばよい。なお、振動パターンP1〜P4はすべて同一であってもよい。
なお、実施例4の入力装置100Dにおいて、平面視でタッチパネル150Dが位置する領域内において、操作部121D1、121D2、121D3、121D4以外の部分に操作入力が行われる場合にも、駆動制御部240によって振動素子140Dを駆動してもよい。
この場合は、平面視でタッチパネル150Dが位置する領域のうち、操作部121D1、121D2、121D3、121D4以外の領域を表す領域データと、振動パターンを表すデータについても、図6に示す振動制御データの振動パターンP1〜P4と領域データf1~f4のように関連付けておけばよい。
操作部121D1、121D2、121D3、121D4は、それぞれ、前席右側のウィンドウ、前席左側のウィンドウ、後席右側のウィンドウ、後席左側のウィンドウの開閉操作を行う操作部である。
また、操作部121D1、121D2、121D3、121D4の印刷が行われている4つの領域内でトップパネル120Dの表面に操作入力を行うと、タッチパネル150Dから出力される位置データがECU400に入力される。これにより、それぞれ、前席右側のウィンドウ、前席左側のウィンドウ、後席右側のウィンドウ、後席左側のウィンドウの開閉操作を行うことができる。
以上、実施例4の入力装置100Dによれば、トップパネル120Dの超音波帯の固有振動を発生させて利用者の指先に掛かる動摩擦力を変化させるので、操作部121D1、121D2、121D3、121D4を操作する利用者に良好な操作感を提供することができる。
また、実施例4の入力装置100Dは、操作部121D1、121D2、121D3、121D4の境界部で振動素子140の振動を一定期間だけ停止させることにより、利用者は、操作部121D1、121D2、121D3、121D4の場所を凸部が存在する触感で知覚できるため、非常に利便性が高い。
<実施例5>
図24は、実施例5の入力装置100Eの動作状態を示す平面図である。
入力装置100Eには、実施例4の入力装置100Dの振動素子140D及びタッチパネル150Dと同様の振動素子140E及びタッチパネル150Eが筐体110Eの凹部111Eの内部に配設されている。
図24に示すように、タッチパネル150Eが配設される領域には、操作部121E1、121E2、121E3、121E4、121E5、121E6が配設されている。
操作部121E1、121E2、121E3、121E4、121E5、121E6は、トップパネル120Eの裏面に印刷されている。このため、本来であれば、図24に示すように、入力装置100を動作させていない状態においても操作部121E1、121E2、121E3、121E4、121E5、121E6は見えるが、説明の便宜上、図24では省略してある。
操作部121E1、121E2、121E3、121E4、121E5、121E6の印刷が行われている6つの領域は、それぞれ、図6に示す領域データf1~f4のように、XY座標における位置が決められデータ化されている。また、操作部121E1、121E2、121E3、121E4、121E5、121E6に操作入力が行われると、それぞれ、所定の振動パターンで駆動制御部240によって振動素子140Eが駆動される。
このような所定の振動パターンは、図6に示す振動パターンP1〜P4と領域データf1~f4とを関連付けるように、操作部121E1、121E2、121E3、121E4、121E5、121E6の印刷が行われている6つの領域の領域データと関連付けてメモリ250に格納しておけばよい。なお、振動パターンP1〜P4はすべて同一であってもよい。
操作部121E1、121E2は、それぞれ、左右のアウターミラーの選択、アウターミラーの格納を行う操作部である。操作部121E3、121E4、121E5、121E6は、それぞれ、アウターミラーの鏡面を上、下、左、右に移動させるための操作部である。
その他は、実施例4の入力装置100Dと同様である。
以上、実施例5の入力装置100Eによれば、トップパネル120Eの超音波帯の固有振動を発生させて利用者の指先に掛かる動摩擦力を変化させることにより、操作部121E1、121E2、121E3、121E4、121E5、121E6を操作する利用者に良好な操作感を提供することができる。
また、実施例5の入力装置100Eは、操作部121E1、121E2、121E3、121E4、121E5、121E6の境界部で振動素子140の振動を一定期間だけ停止させることにより、利用者は、操作部121E1、121E2、121E3、121E4、121E5、121E6の場所を凸部が存在する触感で知覚できるため、非常に利便性が高い。
<実施例6>
図25は、実施例6の入力装置100Fの動作状態を示す平面図である。
入力装置100Fは、例えば、図7に示すステアリングホイール13のスポーク部13Aに配設され、車両10の利用者が運転しながら操作入力を行えるようになっている。
入力装置100Fには、実施例4の入力装置100Dの振動素子140D及びタッチパネル150Dと同様の振動素子140F及びタッチパネル150Fが筐体110Fの凹部111Fの内部に配設されている。
図25に示すように、タッチパネル150Fが配設される領域には、操作部121F1、121F2が配設されている。
操作部121F1、121F2は、トップパネル120Fの裏面に印刷されている。このため、本来であれば、図25に示すように、入力装置100を動作させていない状態においても操作部121F1、121F2は見えるが、説明の便宜上、図25では省略してある。
操作部121F1、121F2は、それぞれ、オーディオのボリューム等の増大又は減少の設定、ナビゲーション装置における現在地の表示を行う操作部である。
その他は、実施例4、5の入力装置100D、100Dと同様である。
以上、実施例6の入力装置100Fによれば、トップパネル120Fの超音波帯の固有振動を発生させて利用者の指先に掛かる動摩擦力を変化させることにより、操作部121F1、121F2を操作する利用者に良好な操作感を提供することができる。
また、実施例6の入力装置100Fは、操作部121F1、121F2の境界部で振動素子140の振動を一定期間だけ停止させることにより、利用者は、操作部121F1、121F2の場所を凸部が存在する触感で知覚できる。
また、車両10の利用者がステアリングホイール13から手を離さずに、運転しながら操作入力を行えるため、非常に利便性が高い。
<実施例7>
図26は、実施例7の入力装置100Gの動作状態を示す平面図である。
入力装置100Gは、筐体110G、トップパネル120G、両面テープ130G、振動素子140G、タッチパネル150G、ディスプレイパネル160G、及び基板170Gを含む。
図26に示す入力装置100Gは、トップパネル120Gが曲面ガラスであること以外は、図2に示す実施の形態の入力装置100の構成と同様である。
トップパネル120Gは、平面視における中央部がZ軸正方向側に突出するように湾曲している。図26には、トップパネル120GのYZ平面における断面形状を示すが、XZ平面における断面形状も同様である。
このように、曲面ガラスのトップパネル120Gを用い、かつ、トップパネル120Gの曲面を車両10の内部又は外部の様々な部位に合わせることにより、良好な操作感の提供に加えて、デザイン的に車両10の内部又は外部配設し易い入力装置100Gを提供できる。
以上、本発明の例示的な実施の形態の入力装置について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。