JPWO2015121906A1 - 有機el素子、照明装置及び有機el素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

有機ELパネル(1)は、第一基板(11)と、第一基板(11)上に配置された第一電極(12)と、発光層を有し、かつ第一電極(12)上に配置された有機層(14)と、有機層(14)上に配置された第二電極(15)と、液状の導電性材料を用いて形成されており、第一電極(12)に積層された線状の第一補助電極(13a)と、液状の導電性材料を用いて形成されており、第一電極(12)に積層された第二補助電極(13b)と、を備え、第二補助電極(13b)は、平面視において有機層(14)の外周部に対応する位置に配置され、かつ、第一補助電極(13a)と一体形成されている。

Description

本発明は、有機EL(Electro Luminescence)素子、有機EL素子を用いた照明装置及び有機EL素子の製造方法に関する。
有機ELパネル等の有機EL素子は、面発光デバイスとして各種装置への適用が検討されている。有機EL素子は、例えば、ガラス基板と、ガラス基板上に形成されたITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明電極と、透明電極上に形成された有機発光層と、有機発光層上に形成された金属電極とを備えている。
ITO等の透明導電性材料は一般的に抵抗率が高いので、上記有機EL素子において、ITO膜である透明電極の外周部から当該透明電極に給電を行うと、ITO膜の電圧降下によって発光面の中央領域の輝度が低下する。このため、有機EL素子では、発光面の輝度均一性を高めるために、透明電極に高導電率の金属材料からなる補助電極を積層する技術が提案されている。
補助電極に用いられる金属材料は遮光性を有する場合が多いので、補助電極の存在によって発光量が大きく低下しないように、補助電極は線状に形成される。例えば、補助電極は、発光量を阻害することなくかつ輝度均一性を高めるためにグリッド状(格子状)に形成される。
グリッド状の補助電極は、一般的には、スパッタ等のドライ工法を用いて透明電極上に形成される。例えば、マスクを通して金属材料を透明電極上にスパッタ成膜することによって所定形状の補助電極を形成することができる。あるいは、透明電極上の全面に金属材料をスパッタ成膜した後にウェットエッチングによってパターニングすることで所定形状の補助電極を形成することもできる。
近年、このようなドライ工法よりも、製造装置コストや材料コストがはるかに少なく、また、簡便に補助電極を形成する手法として、液体吐出法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。液体吐出法は、ディスペンサーノズル等を用いて液状の導電性材料を描画する工法である。液体吐出法によって補助電極を形成する場合、液状の導電性材料を線状に塗布して固化することで所定形状の補助電極を形成することができる。
なお、同じ液体吐出法でもインクジェット法は装置コストが高くなる。また、スクリーン印刷やグラビア印刷等の版を用いた転写法は、装置コストは低いが、基板への異物付着等の課題があり、現実的ではない。
特開2009−231264号公報
補助電極による輝度均一性効果を高めるために、グリッド状の第一補助電極を透明電極の内部領域に形成するとともに、透明電極上の外周領域に第二補助電極を形成することが考えられている。
しかしながら、第一補助電極及び第二補助電極を液体吐出法によって形成すると、ドライ工法によって形成する場合と比べて製造タクトが低下してしまう。特に、第一補助電極のグリッドパターンの本数が増えたり第二補助電極の本数が増えたりすると、液体吐出法では液状の導電性材料の描画に時間がかかることから製造タクトが大きく低下してしまう。
そこで、ディスペンサーノズルのノズル数を増やすことも考えられる。しかしながら、内部領域に形成される第一補助電極と外周領域に形成される第二補助電極とでは線幅(太さ)や本数が異なる場合もあるため、ノズル数を増やすと煩雑なノズル交換が必要になってしまう。また、第一補助電極と第二補助電極とを異なるディスペンサーノズルによって形成すると、第一補助電極と第二補助電極との接合部分における接触抵抗が大きくなり、補助電極による輝度均一性効果が低下する場合がある。
本発明は、液体吐出によって第一補助電極及び第二補助電極を形成する場合であっても製造タクトの低下を抑えることができる、有機EL素子、照明装置及び有機EL素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る有機EL素子の一態様は、基板と、前記基板上に配置された第一電極と、発光層を有し、かつ前記第一電極上に配置された有機層と、前記有機層上に配置された第二電極と、液状の導電性材料を用いて形成されており、前記第一電極に積層された線状の第一補助電極と、液状の導電性材料を用いて形成されており、前記第一電極に積層された第二補助電極と、を備え、前記第二補助電極は、平面視において前記有機層の外周部に対応する位置に配置され、かつ、前記第一補助電極と一体形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る有機EL素子の一態様において、前記第二補助電極は線状であり、前記第一補助電極の長手方向の端部と前記第二補助電極の長手方向の端部とが一体形成されていてもよい。
また、本発明に係る有機EL素子の一態様において、前記第一補助電極及び前記第二補助電極の各々は、所定の間隔で複数本ずつ配置されており、隣り合う2つの前記第二補助電極の間隔は、隣り合う2つの前記第一補助電極の間隔よりも狭くてもよい。
また、本発明に係る有機EL素子の一態様において、前記第二補助電極の線幅は、前記第一補助電極の線幅よりも広くてもよい。
また、本発明に係る有機EL素子の一態様において、前記第一補助電極と前記第二補助電極との成す角は略直角であってもよい。
また、本発明に係る照明装置の一態様は、上記いずれかに記載の有機EL素子を有することを特徴とする。
また、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様は、基板上に第一電極と発光層を有する有機層と第二電極とが配置された有機EL素子の製造方法であって、ノズルからの液体吐出によって、線状の第一導電性材料と、平面視において前記有機層の外周部に位置する第二導電性材料とを、前記第一電極上に塗布する導電性材料塗布工程と、前記第一導電性材料及び前記第二導電性材料を加熱することによって第一補助電極及び第二補助電極を形成する加熱工程と、を含み、前記導電性材料塗布工程では、前記第一導電性材料と前記第二導電性材料とを一体形成させて配置していることを特徴とする。
また、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様において、前記有機EL素子は、矩形の発光面を有し、前記ノズルは、前記液体吐出を行うための吐出口を複数有し、複数の前記吐出口は、前記発光面の一辺に対して45度未満の傾斜となるように配列されており、前記導電性材料塗布工程では、前記ノズルを前記発光面の一辺に対して略水平及び略垂直に移動させることで、前記第一導電性材料及び前記第二導電性材料の液体吐出を行ってもよい。
また、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様において、前記導電性材料塗布工程では、前記ノズル又は前記基板を、前記発光面の一辺に対して略水平に移動させた後、略垂直に移動させ、その後、略水平に移動させてもよい。
また、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様において、前記導電性材料塗布工程は、前記ノズルと前記基板との相対的な角度関係が略90度変更するように、前記ノズル及び前記基板の少なくとも一方を回転させる角度関係変更工程を含んでいてもよい。
また、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様において、前記ノズルは、前記液体吐出を行うための吐出口を複数有し、複数の前記吐出口は、列状に配列された複数の第一吐出口と、前記第一吐出口の列の略垂直線上に列状に配列された複数の第二吐出口とからなり、前記導電性材料塗布工程は、前記第一吐出口から前記第一導電性材料の液体吐出を行う第一吐出工程と、前記第二吐出口から前記第二導電性材料の液体吐出を行う第二吐出工程と、を含んでいてもよい。
また、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様において、前記導電性材料塗布工程では、さらに、前記加熱工程の前に、電極パッドを形成するために、前記第一導電性材料及び前記第二導電性材料の少なくとも一方と同じ材料を、前記ノズルを用いて所定の位置に塗布する工程を含んでいてもよい。
また、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様において、前記液体吐出は、静電吐出によって行われていてもよい。
また、本発明に係る有機EL素子の製造方法の一態様において、前記第二導電性材料の液体吐出を行うときの前記ノズルの移動速度は、前記第一導電性材料の液体吐出を行うときの前記ノズルの移動速度よりも遅くてもよい。
本発明によれば、液状の導電性材料を液体吐出することで第一補助電極及び第二補助電極を形成する場合であっても、製造タクトの低下を抑えることができる。
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る有機ELパネルの平面図である。 図1Bは、本発明の実施の形態1に係る有機ELパネルの断面図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る有機ELパネルの補助電極のパターンを示す平面図である。 図3Aは、本発明の実施の形態1に係る有機ELパネルの補助電極を形成する際に用いられるディスペンサーノズルの斜視図である。 図3Bは、本発明の実施の形態1に係る有機ELパネルの補助電極を形成する際に用いられるディスペンサーノズルの吐出口のレイアウトを示す図である。 図4Aは、本発明の実施の形態1に係る有機ELパネルの製造方法における第一電極形成工程を示す平面図である。 図4Bは、本発明の実施の形態1に係る有機ELパネルの製造方法における導電性材料塗布工程(縦方向)を示す平面図である。 図4Cは、本発明の実施の形態1に係る有機ELパネルの製造方法におけるディスペンサーノズルの角度変更工程を示す平面図である。 図4Dは、本発明の実施の形態1に係る有機ELパネルの製造方法における導電性材料塗布工程(横方向)を示す平面図である。 図4Eは、本発明の実施の形態1に係る有機ELパネルの製造方法における加熱工程を示す平面図である。 図4Fは、本発明の実施の形態1に係る有機ELパネルの製造方法における有機層形成工程を示す平面図である。 図4Gは、本発明の実施の形態1に係る有機ELパネルの製造方法における第二電極形成工程を示す平面図である。 図5は、本発明の実施の形態2に係る有機ELパネルの補助電極を形成する際に用いられるディスペンサーノズルの吐出口のレイアウトを示す図である。 図6Aは、本発明の実施の形態2に係る有機ELパネルの製造方法における補助電極形成工程(縦方向)を示す平面図である。 図6Bは、本発明の実施の形態2に係る有機ELパネルの製造方法におけるディスペンサーノズルの角度変更工程を示す平面図である。 図6Cは、本発明の実施の形態2に係る有機ELパネルの製造方法における補助電極形成工程(横方向)を示す平面図である。 図7は、本発明の実施の形態3に係る有機ELパネルの補助電極を形成する際に用いられるディスペンサーノズルの吐出口のレイアウトを示す図である。 図8Aは、本発明の実施の形態3に係る有機ELパネルの製造方法における補助電極形成工程(縦方向)を示す平面図である。 図8Bは、本発明の実施の形態3に係る有機ELパネルの製造方法における補助電極形成工程(横方向)を示す平面図である。 図9は、本発明の実施の形態4に係る有機ELパネルの補助電極を形成する際に用いられるディスペンサーノズルの吐出口のレイアウトを示す図である。 図10Aは、本発明の実施の形態4に係る有機ELパネルの製造方法における補助電極形成工程(縦方向)を示す平面図である。 図10Bは、本発明の実施の形態4に係る有機ELパネルの製造方法における補助電極形成工程(横方向)を示す平面図である。 図11は、本発明の変形例に係る有機ELパネルの構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程(ステップ)、工程の順序等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書では、便宜的に各図面の上下方向を縦方向とし、左右方向を横方向として説明している。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る有機ELパネル1の構成について、図1A及び図1Bを用いて説明する。図1Aは、本発明の実施の形態1に係る有機ELパネルの平面図であり、図1Bは、同有機ELパネルの断面図である。なお、図1Aでは、第二基板16及びシール樹脂17は図示されていない。
有機ELパネル1は、有機EL素子の一例であって、所定の色の光を発する面発光型の発光デバイスである。本実施の形態における有機ELパネル1は、照明光として白色光を発する有機EL照明パネルである。
図1A及び図1Bに示すように、有機ELパネル1は、第一基板11と、第一電極12と、補助電極13(第一補助電極13a及び第二補助電極13b)と、発光層を含む有機層14と、第二電極15と、第二基板16と、シール樹脂17とを備える。
本実施の形態では、第一基板11及び第一電極12が透光性を有し、第二電極15が反射性を有している。つまり、図1Bに示すように、本実施の形態における有機ELパネル1は、一方の面(第一基板11側の面)のみから光を発する片面発光型の有機EL照明パネルである。なお、第二電極15及び第二基板16も透光性を有するように構成することによって両方の面から光を発する両面発光型の有機EL照明パネルとしてもよい。
以下、本実施の形態における有機ELパネル1の各構成部材について詳細に説明する。
第一基板11は、透光性を有する透光性基板であり、例えば、ガラスからなるガラス基板、又は、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等の透光性樹脂材料からなる樹脂基板等である。
第一基板11は、ベース基板であって、光出射側に配置される。このため、第一基板11としては、ガラスやポリエステル樹脂等の耐透湿性に優れた透明樹脂、又は、ガラスと樹脂との複合材料からなる基板を用いるとよい。本実施の形態において、第一基板11は、向こう側が透けて見える程度に透過率の高い透明基板であり、例えば、矩形状の透明なガラス基板である。
なお、第一基板11は、リジッド基板に限るものではなく、フレキシブル樹脂基板やフレキシブルガラス基板等の可撓性を有するフレキシブル基板であってもよい。また、第一基板11の形状は、正方形や長方形の矩形状に限るものではなく、円形としてもよいし、四角形以外の多角形としてもよい。
図1Bに示すように、第一電極12は、第一基板11上に配置される。例えば、第一電極12は、第一基板11の上面に所定形状で形成される。本実施の形態において、第一電極12は、平面視において有機層14に対応する主要部分が略矩形状となるように形成されており、さらに、矩形状の第一基板11における上下の二辺の各々に向かって複数(図1Aでは3つ)突出するように形成されている。
この第一電極12の突出部分は、第一電極12における第一端子部12aである。なお、第一基板11には、第一電極12と同じ材料を用いて矩形状の第二端子部12bが形成されている。第一端子部12aは、第一電極12に供給するための所定の電圧が印加される給電部であり、第二端子部12bは、第二電極15に供給するための所定の電圧が印加される給電部である。なお、第二端子部12bは、第一電極12と接続されておらず、第一端子部12aと分離して形成されている。
また、第一電極12は、透光性を有する電極である。第一電極12は、光出射側に配置されるので、第一電極12としては、例えばITO又はIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電性材料によって構成された透明導電膜からなる透明電極を用いるとよい。このように、第一電極12が透光性を有するので、有機層14の発光層で発生した光のうち第一基板11側に向かう光は第一電極12を透過する。本実施の形態において、第一電極12は、陽極(アノード)である。なお、第一電極12の膜厚が厚すぎると光透過率が低下してしまうので、第一電極12の膜厚は30〜300nm程度にするとよい。
ITO等の透明導電性材料は一般的に抵抗率が高いので、第一基板11の外周部に形成された第一端子部12aから第一電極12に給電を行うと、第一電極12の電圧降下によって発光面(有機層14)の中央領域の輝度が低下する。そこで、第一電極12の導電率を補完し、第一電極12の面内に均一に電流を分布させて発光面の輝度均一化を図るために、図1Bに示すように、第一電極12には、第一電極12よりも抵抗率が低い材料によって構成された補助電極13が積層されている。補助電極13の詳細な構成については後述する。
有機層14は、図1Bに示すように、第一電極12上に配置される。具体的には、有機層14は、補助電極13を覆うようにして第一電極12上に配置される。また、有機層14は、第一電極12と第二電極15との間に位置するように設けられる。
有機層14は、少なくとも発光層を有する有機EL層(有機発光層)であり、主として有機材料によって構成されている。具体的には、有機層14は、発光層の他に、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層及び電子注入層等の機能層を含む。但し、有機層14は、これらの機能層の全てを含む必要はなく、これらの機能層の任意の組み合わせによって構成されていればよい。
本実施の形態では、第一電極12が陽極であり、第二電極15が陰極であるので、有機層14は、例えば、第一電極12側から第二電極15に向かって順に、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を積層することで構成される。有機層14は、例えば、所定の有機材料を用いて、蒸着法又は液状塗布法等によって第一電極12上に形成される。なお、機能層の一部は無機材料によって構成されていてもよい。
第二電極15は、有機層14上に配置される。例えば、第二電極15は、有機層14の表面に所定形状で形成される。本実施の形態において、第二電極15は、第一基板11の上下の二辺の各々に向かって複数箇所(図1Aでは2箇所)突出するように形成されている。この第二電極15の突出部分は、第一基板11に形成された第二端子部12bに接続されている。
また、第二電極15は、光出射側とは反対側に配置されるので、第二電極15としては、例えば、銀、銅又はアルミニウム等の金属材料を用いることができる。つまり、本実施の形態において、第二電極15は、反射性を有する反射電極である。これにより、有機層14の発光層で発生した光のうち第二基板16側に向かう光は、第二電極15で反射して第一基板11側に進行する。なお、上述のとおり、本実施の形態において、第二電極15は、陰極(カソード)である。
第二基板16は、第一電極12、有機層14及び第二電極15を覆うキャップ基板であり、透光性基板及び非透光性基板のいずれであってもよい。第二基板16としては、第一基板11と同じ材料及び同じ形状の基板を用いることができ、例えば、矩形状のガラス基板(キャップガラス)を用いることができる。
シール樹脂17は、第一基板11と第二基板16とを封止する封止材であり、第一電極12、有機層14及び第二電極15の積層体を囲むように、第一基板11及び第二基板16の外周端部に沿って額縁状に形成される。なお、第二電極15と第二基板16との間の空隙には固体乾燥剤が配置されていてもよい。
このように構成される有機ELパネル1は、電源回路(不図示)から電力が供給されて第一電極12と第二電極15との間に所定の電圧が印加されると、有機層14に電流が流れて発光層が発光する。本実施の形態において、有機層14からは白色光が放出される。
次に、図2を用いて補助電極13の詳細な構成について説明する。図2は、本実施の形態に係る有機ELパネル1における補助電極13のパターンを示す平面図である。
図2に示すように、補助電極13は、第一補助電極13aと第二補助電極13bとによって構成されている。本実施の形態において、第一補助電極13a及び第二補助電極13bは、同じ材料を用いて第一電極12の上に線状に形成されている。具体的には、第一補助電極13a及び第二補助電極13bの各々は直線状に形成されている。
第一補助電極13aは、発光面の内側領域にグリッド状(格子状)に形成されている。つまり、第一補助電極13aは、平面視において有機層14及び第一電極12の内側領域(内側部)に対応する位置に配置されており、かつ、この内部領域においてグリッド状に形成されている。具体的には、第一補助電極13aは、第一基板11(第一電極12)の縦方向及び横方向の各々に沿って所定の間隔で複数本形成されている。これにより、第一電極12の面内全域に均一に電流を分布させることができる。
また、第一補助電極13aの線幅が広くなりすぎると発光を阻害してしまうので、第一補助電極13aは、線幅が5〜50μm程度の細い線で形成するとよい。なお、第一補助電極13aの厚みは特に限定されるものではないが、例えば0.1〜5μm程度である。
第二補助電極13bは、平面視において、発光面における内部領域(内側部)の外側の領域である外周領域(外周部)に形成されている。つまり、第二補助電極13bは、平面視において有機層14及び第一電極12の外周領域に対応する位置に配置されている。具体的には、第二補助電極13bは、矩形状の発光面の4辺の外周領域の各辺において、発光面の各辺に並行するように所定の間隔で複数本形成されている。第二補助電極13bを第一電極12の外周部に形成することによって、電流をすばやく第一電極12の外周部にいきわたらせることができる。
第二補助電極13bは発光面における外周部に形成されるので、第二補助電極13bによる遮光性の影響は限定的である。したがって、補助電極13としての導電率をより高めるために、第二補助電極13bは、第一補助電極13aよりも太い線で形成するとよい。つまり、第二補助電極13bの線幅を第一補助電極13aの線幅よりも広くするとよい。この場合、第二補助電極13bの厚みは、特に限定されるものではないが、例えば50〜5000μm程度である。
なお、第一補助電極13aの線幅と第二補助電極13bの線幅とは略同一であってもよい。この場合、第二補助電極13bの厚みは、特に限定されるものではないが、例えば0.1〜5μm程度である。
このように、発光面の内周領域にはグリッド状の第一補助電極13aを形成するとともに、発光面の外周領域には第一補助電極13aよりも太線の第二補助電極13bを形成することによって、有機ELパネル1の発光量を阻害することなく、発光面における輝度均一性を効果的に高めることができる。
第一補助電極13aと第二補助電極13bとは一体形成されている。具体的には、第一補助電極13aと第二補助電極13bとは、連続的に形成された連続線となっている。つまり、各補助電極13は、第一補助電極13aと第二補助電極13bとが連接された連続線である。本実施の形態において、第一補助電極13aと第二補助電極13bとは、同じ材質であり、同一高さ(同一厚み)で連続的に形成された連続線となっている。
また、第一補助電極13aの端部と第二補助電極13bの端部とが接している。本実施の形態では、第一補助電極13aの長手方向の端部と第二補助電極13bの長手方向の端部とが一体形成されている。具体的には、第一補助電極13aと第二補助電極13bは、平面視において互いの成す角が略直角(略90°)となるように一体形成されている。図2に示すように、各補助電極13は、平面視形状が逆コ字状であり、1本の第一補助電極13aの長手方向の両端部の各々に第二補助電極13bの長手方向の端部が接続されることで構成されている。
また、隣り合う2つの第二補助電極13bの間隔は、隣り合う2つの第一補助電極13aの間隔よりも狭くなっている。つまり、並行する複数の第一補助電極13aと並行する複数の第二補助電極13bとは粗密差をつけて形成されており、外周領域における第二補助電極13bは、内周領域における第一補助電極13aよりも高密度で形成されている。
第一補助電極13a及び第二補助電極13bは、液状の導電性材料を用いた液体吐出によって形成されている。具体的には、第一補助電極13a及び第二補助電極13bの材料には、銀や銅等の金属又はこれらの合金等の導電率が高くて液体吐出が可能な液状の導電性材料(導電性ペースト)が用いられる。例えば、第一補助電極13a及び第二補助電極13bの材料には銀の導電性ペーストが用いられ、この導電性ペーストを液体吐出法によって塗布して焼成することで所定形状の第一補助電極13a及び第二補助電極13bを形成することができる。
液体吐出法によって液状の導電性材料を塗布する場合、図3A及び図3Bに示されるディスペンサーノズル100を用いて行うことができる。図3Aは、本実施の形態に係る有機ELパネルの補助電極を形成する際に用いられるディスペンサーノズルの斜視図である。図3Bは、図3Aに示すディスペンサーノズルの吐出口のレイアウトを示す図である。図3Aは、ディスペンサーノズル100を斜め下方から見た図を示している。
図3A及び図3Bに示すように、ディスペンサーノズル100の底面には、液体吐出を行うための複数の吐出口(吐出孔)110が設けられている。複数の吐出口110は、直線状に一列で等間隔に設けられている。また、直線状に配列された複数の吐出口110は、水平方向(横方向)とのなす角が45度未満となるように傾斜して配列されている。
本実施の形態では、ディスペンサーノズル100の底面には6個の吐出口110が所定の傾斜角で直線状に設けられている。一例として、図3Bに示すように、水平方向(横方向)に10mm、垂直方向(縦方向)に150μmの範囲内に、6個の吐出口110が、水平ピッチ2mm、垂直ピッチ30μmで配列されている。
次に、本実施の形態に係る有機ELパネル1の製造方法について、図4A〜図4Gを用いて説明する。図4A〜図4Gは、本発明の実施の形態1に係る有機ELパネルの製造方法における各工程の様子を示す平面図である。
まず、図4Aに示すように、第一基板11上に第一電極12を形成する(第一電極形成工程)。例えば、第一基板11としてガラス基板を準備し、ガラス基板の上に第一電極12として所定形状のITO膜を形成する。なお、この工程では、ITO膜をパターニング等することによって第一端子部12a及び第二端子部12bも同時に形成する。この場合、第一端子部12aは第一電極12と一体形成され、また、第二端子部12bは第一端子部12a及び第一電極12と分離形成される。
次に、図4B〜図4Dに示すように、ディスペンサーノズル100からの液体吐出によって、液状の第一導電性材料130aと液状の第二導電性材料130bとを第一電極12上に所定の形状で塗布する(導電性材料塗布工程)。
液状の第一導電性材料130a及び液状の第二導電性材料130bとしては、銀や銅の金属粒子を溶剤及びバインダーに分散させることで作られた金属ペーストが用いられる。特に、ナノ銀ペーストを用いた場合は、比抵抗の小さな極めて導電性能の良好な補助電極を得ることができる。
また、液状の第一導電性材料130a及び液状の第二導電性材料130bの液体吐出としては、静電吐出を用いている。静電吐出は、ディスペンサーノズル100内の液状材料と基板との間に印加された高圧電圧による電気誘引力によってディスペンサーノズル100から液状材料を引き出して基板に吐出する工法である。
そして、この導電性材料塗布工程では、ディスペンサーノズル100又は第一基板11を所定の方向に移動させることによって、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを線状に一筆書きで描画している。なお、本実施の形態では、第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとは、同じ導電性材料を用いている。
また、第一導電性材料130aは、平面視において、発光面(有機層14)となる領域の内側領域に塗布される。また、第二導電性材料130bは、平面視において、発光面となる領域の外側領域(外周部)に塗布される。
本実施の形態では、ディスペンサーノズル100を矩形状の発光面の一辺に対して略水平及び略垂直に移動させることで、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bの液体吐出を行う。
以下、導電性材料塗布工程を具体的に説明する。まず、図4Bに示すように、同図中の矢印に従って、ディスペンサーノズル100を発光面の一辺(本実施の形態では図中の第一基板11の上下の辺)に対して略水平に移動させて第二導電性材料130bを横方向に線状に塗布した後、そのまま連続してディスペンサーノズル100を略垂直に移動させて第一導電性材料130aを縦方向に線状に塗布し、その後、そのまま連続してディスペンサーノズル100を略水平に移動させて第二導電性材料130bを横方向に線状に塗布する(基板縦方向の導電性材料塗布工程)。つまり、ディスペンサーノズル100を、水平方向、垂直方向及び水平方向の順に移動させる。
これにより、第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとは、逆コ字状に一体形成された1本の連続線として塗布される。この場合、ディスペンサーノズル100には複数の吐出口110が設けられているので、上記のディスペンサーノズル100の水平及び垂直の移動によって、一度に複数本の連続線が第一電極12上に塗布される。本実施の形態では、6つの吐出口110が設けられているので、一度に6本の連続線が塗布される。
また、上記のディスペンサーノズル100の水平及び垂直の一連の移動を1回分として、これを複数回繰り返している。例えば、図4Bでは、1回分で5本の連続線を描画し、これを4回繰り返している例を示している。
また、ディスペンサーノズル100は、複数の吐出口110の配列方向が矩形状の発光面となる領域の一辺(本実施の形態では図中の第一基板11の上下の辺)に対して45度未満の傾斜角を有するように配置されている。これにより、ディスペンサーノズル100は、水平方向の移動の際には塗布方向に対して45度未満の傾斜角を有し、垂直方向の移動の際には塗布方向に対して45度を越える傾斜角を有することになる。
したがって、上記のディスペンサーノズル100を水平及び垂直に移動させることによって、第二導電性材料130bの間隔が第一導電性材料130aの間隔よりも狭くなるように、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bが塗布される。つまり、並行する複数本の第一導電性材料130aが低密度で塗布され、並行する複数本の第二導電性材料130bが高密度で塗布される。
なお、本実施の形態では、1本の逆コ字状の連続線を描画する際、2回目の第二導電性材料130bの塗布方向は、1回目の第二導電性材料130bの塗布方向(左方向)と反対側の方向(右方向)としたが、1回目の第二導電性材料130bの塗布方向(左方向)と同じ方向(左方向)としてもよい。
次に、図4Cに示すように、ディスペンサーノズル100と第一基板11との相対的な角度関係が略90度変更するように、ディスペンサーノズル100を回転させる(角度関係変更工程)。
この場合、ディスペンサーノズル100を回転させるのではなく、第一基板11の方を略90度回転させてもよい。具体的には、ディスペンサーノズル100を動かすことなく、第一基板11が載置されたXYステージ(不図示)を略90度回転させてもよい。また、ディスペンサーノズル100及び第一基板11の両方を回転させることで、ディスペンサーノズル100と第一基板11との相対的な角度を90度変更させてもよい。
なお、ディスペンサーノズル100及び第一基板11の相対的な角度が90度変更したことを確認するために、ディスペンサーノズル100又は第一基板11を回転させた後に3つの吐出口110のうちの両端の吐出口110の位置をカメラ等で確認し、回転ズレが所定の範囲内に収まっていない場合は回転補正を行ってもよい。
次に、図4Dに示すように、同図中の矢印に従って、ディスペンサーノズル100を発光面の一辺(本実施の形態では図中の第一基板11の上下の辺)に対して略垂直に移動させて第二導電性材料130bを縦方向に線状に塗布した後、そのまま連続してディスペンサーノズル100を略水平に移動させて第一導電性材料130aを横方向に線状に塗布し、その後、そのまま連続してディスペンサーノズル100を略垂直に移動させて第二導電性材料130bを縦方向に線状に塗布する(基板横方向の導電性材料塗布工程)。つまり、ディスペンサーノズル100を、垂直方向、水平方向及び垂直方向の順に移動させる。
これにより、第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとは、逆コ字状に一体形成された1本の連続線として塗布される。この場合も、一度に6本の連続線が第一電極12上に塗布される。また、図4Dでは、上記のディスペンサーノズル100の垂直及び水平の一連の移動を1回分として、これを4回繰り返している例を示している。
また、ディスペンサーノズル100は、複数の吐出口110の配列方向が矩形状の発光面となる領域の一辺(本実施の形態では図中の第一基板11の左右の辺)に対して45度未満の傾斜角を有するように配置されている。これにより、ディスペンサーノズル100は、垂直方向の移動の際には塗布方向に対して45度未満の傾斜角を有し、水平方向の移動の際には塗布方向に対して45度を越える傾斜角を有することになる。
したがって、この場合も、ディスペンサーノズル100を垂直及び水平に移動させることによって、第二導電性材料130bの間隔が第一導電性材料130aの間隔よりも狭くなるように、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bが塗布される。これにより、複数本の第一導電性材料130aが低密度で塗布され、複数本の第二導電性材料130bが高密度で塗布される。
なお、本実施の形態において、1本の逆コ字状の連続線を描画する際、2回目の第二導電性材料130bの塗布方向は、1回目の第二導電性材料130bの塗布方向(下方向)と反対側の方向(上方向)としたが、1回目の第二導電性材料130bの塗布方向(下方向)と同じ方向(下方向)としてもよい。
このように、図4B〜図4Dに示すようにして、グリッド状の第一導電性材料130aと、当該第一導電性材料130aの両端部に接続された線状の第二導電性材料130bとを形成することができる。
また、第二導電性材料130bの線幅が第一導電性材料130aの線幅よりも広くなるようにして第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを描画するとよい。一例として、第一導電性材料130aを20μmの線幅で描画し、第二導電性材料130bを180μmの線幅で描画する。
この場合、同じディスペンサーノズル100を用いる場合であっても、第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとを異なる線幅で塗布することができる。例えば、上記のディスペンサーノズル100を移動させる際、第二導電性材料130bの液体吐出を行うときのディスペンサーノズル100の移動速度(ノズル速度)を、第一導電性材料130aの液体吐出を行うときのディスペンサーノズル100の移動速度よりも遅くすればよい。一例として、第一導電性材料130aを20μmの線幅で描画する場合は、ディスペンサーノズル100の移動速度を100mm/sとし、第二導電性材料130bを180μmの線幅で描画する場合は、ディスペンサーノズル100の移動速度を5mm/sとすればよい。
このように、導電性材料の吐出量が一定であるディスペンサーノズル100を用いて一筆書きで第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとを塗布する場合であっても、ディスペンサーノズル100の移動速度を途中で変えることによって、第二導電性材料130bの線幅を第一導電性材料130aの線幅よりも広くすることができる。
次に、図4Eに示すように、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを加熱する(加熱工程)。これにより、第一補助電極13a及び第二補助電極13bを形成することができる。
例えば、第一電極12上に塗布した金属ペーストである第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを200℃の温度で焼成することによって、金属ペーストに含まれる溶媒が揮発する。これにより、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bが固化して、固体の第一補助電極13a及び第二補助電極13bを形成することができる。
次に、図4Fに示すように、第一補助電極13a及び第二補助電極13bを覆うように、第一電極12上に矩形状の有機層14を形成する。具体的には、複数の機能層及び発光層を塗布法又は蒸着法等によって順次形成する。
次に、図4Gに示すように、有機層14上に第二電極15を形成する。この場合、第二電極15の一部が第二端子部12bに接続するように、一部を突出させるようにして第二電極15を形成する。
その後、図示しないが、第一電極12、有機層14及び第二電極15の積層体を囲むように第一基板11の外周端部に沿って額縁状にシール樹脂17を塗布し、シール樹脂17を介して第二基板16を第一基板11に貼り合わせる。その後、シール樹脂17を硬化させる。これにより、有機ELパネル1が完成する。
以上、本実施の形態に係る有機ELパネル1によれば、液状の導電性材料を用いて第一補助電極13a及び第二補助電極13bが一体形成されている。
これにより、液状の導電性材料の液体吐出によって第一補助電極13a及び第二補助電極13bを形成する場合であっても製造タクトの低下を抑えて有機ELパネル1を製造することができる。
しかも、第一補助電極13aと第二補助電極13bとが一体形成されているので、継ぎ目がなく抵抗の小さな補助電極13を構成することができる。したがって、発光面の外周部の第二補助電極13bに流れた電流が、発光面の内部の第一補助電極13aにスムーズにいきわたるので、発光面における輝度の面内均一性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、線状の第一補助電極13aの長手方向の端部と線状の第二補助電極13bの長手方向の端部とが一体形成されている。
このように、第一補助電極13aの端部と第二補助電極13bの端部とが一体形成されることによって、第一補助電極13a及び第二補助電極13bを容易に1本の連続線で形成することができる。
また、本実施の形態では、第一補助電極13a及び第二補助電極13bの各々は、所定の間隔で複数本ずつ配置されており、隣り合う2つの第二補助電極13bの間隔は、隣り合う2つの第一補助電極13aの間隔よりも狭くなっている。
これにより、発光面の外周部では複数の第二補助電極13bを高密度で形成し、かつ、発光面の内部では複数の第一補助電極13aを低密度で形成できるため、発光量の低下を抑制しつつ輝度均一性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、第二補助電極13bの線幅は、第一補助電極13aの線幅よりも広くしている。
これにより、有機ELパネル1の発光量を阻害することなく、発光面における輝度均一性を効果的に高めることができる。
また、本実施の形態では、第一補助電極13aと第二補助電極13bとの成す角が略直角となっている。
これにより、マザー基板から複数のデバイスを面取りする場合、デッドスペースを少なくすることができる。したがって、基板面積が小さなマザー基板であっても、多数のデバイス(有機ELパネル1)を効率良く得ることが可能となる。
また、本実施の形態に係る有機ELパネル1の製造方法によれば、第一補助電極13a及び第二補助電極13bを形成する際、ディスペンサーノズル100からの液体吐出によって線状の第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとを一体形成させて配置している。
これにより、線状の第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとを連続線として塗布することができるので、液体吐出によって第一補助電極13a及び第二補助電極13bを形成する場合であっても、製造タクトの低下を抑えることができる。
特に、第一補助電極13a及び第二補助電極13bの各々を複数本形成する場合、液体吐出法によって第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを塗布すると、一般的には製造タクトが大きく低下してしまうが、本実施の形態では、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを1本の連続線として塗布しているので、製造タクトの低下を抑えることができる。
しかも、本実施の形態では、ディスペンサーノズル100には複数の吐出口110が設けられているので、第一補助電極13aと第二補助電極13bとからなる連続線を複数本同時に形成することができる。
これにより、液体吐出によって第一補助電極13a及び第二補助電極13bを形成する場合であっても製造タクトの低下を大幅に抑えることができる。
さらに、線状の第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとを連続線として塗布することによって、第一補助電極13aと第二補助電極13bとの接合部分における接触抵抗が大きくなることを回避できる。これにより、第二補助電極13bから第一補助電極13aに効果的に電流を伝達することができるので、補助電極13としての輝度均一性効果を向上させることができる。
さらに、本実施の形態では、1つの同じディスペンサーノズル100を用いて第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを塗布している。
これにより、ディスペンサーノズルを交換することなく、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを塗布することができる。したがって、製造タクトの低下を大幅に抑えることができる。
また、本実施の形態における製造方法によれば、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bの液体吐出を行う際に、複数の吐出口110が発光面の一辺に対して45度未満の傾斜となるように配列されたディスペンサーノズル100を用いて、当該ディスペンサーノズル100を発光面の一辺に対して略水平及び略垂直に移動させている。
これにより、広い(粗の)描画間隔を有する第一導電性材料130aと狭い(密な)描画間隔を有する第二導電性材料130bとを連続的に簡単に塗布することができる。つまり、ディスペンサーノズル100を略水平及び略垂直を移動させるだけで、広い間隔の複数本の第一導電性材料130aと狭い間隔の複数本の第二導電性材料130bとが連続的に形成されてなる複数の連続線を一筆書きで一度に形成することができる。
具体的には、本実施の形態における製造方法によれば、ディスペンサーノズル100を発光面の一辺に対して略水平に移動させた後、略垂直に移動させ、その後、略水平に移動させている。これにより、1本の連続線において、第一補助電極13aを広い間隔で形成することができるとともに第二補助電極13bを狭い間隔で形成することができる。
また、本実施の形態における製造方法によれば、縦方向に導電性材料を塗布する場合(図4B)と横方向に導電性材料を塗布する場合(図4D)とにおいて、ディスペンサーノズル100と第一基板11との相対的な角度関係が略90度変更するように第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとを塗布している。
これにより、1つのディスペンサーノズル100であっても縦方向及び横方向の両方向に導電性材料を塗布することができるので、グリッド状の第一補助電極13aと外周部の第二補助電極13bとを簡便に形成することができる。
また、本実施の形態における製造方法によれば、液状の第一導電性材料130aと液状の第二導電性材料130bとの液体吐出は、静電吐出によって行われている。例えば、ディスペンサーノズル100を備える液体吐出装置には、ディスペンサーノズル100内の液体(液状の導電性材料)に電圧を印加できる電圧印加手段が備えられている。
これにより、電圧印加のON/OFFを切り替えることによって、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bの吐出状態を制御することが可能となる。さらに、静電吐出により導電性材料を容易に細く塗布することができるので、細い補助電極13を容易に形成することができる。
また、本実施の形態における製造方法において、第二導電性材料130bの液体吐出を行うときのディスペンサーノズル100の移動速度を、第一導電性材料130aの液体吐出を行うときのディスペンサーノズル100の移動速度よりも遅くするとよい。
これにより、1つのディスペンサーノズル100を用いて第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとを連続的に塗布する場合であっても、線幅の狭い第一導電性材料130aと線幅の広い第二導電性材料130bとを連続線として塗布することができる。つまり、ディスペンサーノズル100の移動速度を途中で変更するだけで、線幅の異なる1本の導電性材料を塗布することができる。したがって、第二補助電極13bの線幅が第一補助電極13aの線幅よりも広い1本の補助電極13を容易に形成することができる。また、本実施の形態によれば、線幅の異なる導電性材料を塗布する場合であっても、複数のディスペンサーノズルを交換する必要がないので、製造タクトの低下を抑えることができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施の形態では、図5に示すディスペンサーノズル200を用いて、第一補助電極13a及び第二補助電極13bを形成している。図5は、本発明の実施の形態2に係る有機ELパネルの補助電極を形成する際に用いられるディスペンサーノズルの吐出口のレイアウトを示す図である。
図5に示すように、本実施の形態でも、ディスペンサーノズル200の底面には複数の吐出口210が設けられているが、実施の形態1における吐出口が1列のみの配列であったのに対して、本実施の形態における吐出口210は、各々が複数の吐出口からなる複数列(複数段)で配列されている。具体的には、図5に示すように、複数の吐出口210は、3つの吐出口210aからなる第一列と3つの吐出口210bからなる第二列との2列(2段)で構成されている。
第一列の3つの吐出口210aは、直線状に一列で等間隔に設けられており、水平方向(横方向)とのなす角が45度未満となるように傾斜して配列されている。同様に、第二列の3つの吐出口210bは、直線状に一列で等間隔に設けられており、水平方向(横方向)とのなす角が45度未満となるように傾斜して配列されている。
本実施の形態では、図5に示すように、3つの吐出口210aと3つの吐出口210bとが、水平方向(横方向)に10mm、垂直方向(縦方向)に150μmの範囲内に2列で設けられている。また、第一列の3つの吐出口210aと第二列の3つの吐出口210bの各々は、水平ピッチ2mm、垂直ピッチ30μmで配列されている。さらに、第一列における最後尾の吐出口210aと第二列における先頭の吐出口210bとは、水平方向(横方向)に沿って同一ライン上に位置するように設けられている。
このように構成されるディスペンサーノズル200を用いて液状の導電性材料を塗布する場合、液状の導電性材料は、吐出口210a及び210bの両方から同時に液体吐出される。
以下、ディスペンサーノズル200を用いた本実施の形態に係る有機ELパネルの製造方法について、図4A〜図4Gを参照しながら、図6A〜図6Cを用いて具体的に説明する。図6A〜図6Cは、本発明の実施の形態2に係る有機ELパネルの製造方法における特徴的な工程を示す平面図である。
まず、実施の形態1と同様、図4Aに示すように、第一基板11上に第一電極12を形成する(第一電極形成工程)。
次に、ディスペンサーノズル200からの液体吐出によって、液状の第一導電性材料130aと液状の第二導電性材料130bとを第一電極12上に所定の形状で塗布する(導電性材料塗布工程)。なお、ディスペンサーノズル200の塗布方法や移動方法、導電性材料については、実施の形態1と同様である。
具体的には、まず、図6Aに示すように、同図中の矢印に従って、ディスペンサーノズル200を発光面の一辺(本実施の形態では図中の第一基板11の上下の辺)に対して略水平に移動させて第二導電性材料130bを横方向に線状に塗布した後、そのまま連続してディスペンサーノズル200を略垂直に移動させて第一導電性材料130aを縦方向に線状に塗布し、その後、そのまま連続してディスペンサーノズル200を略水平に移動させて第二導電性材料130bを横方向に線状に塗布する(基板縦方向の導電性材料塗布工程)。
この導電性材料塗布工程では、実施の形態1と同様に、第一導電性材料130aが発光面となる領域の内側領域に塗布され、かつ、第二導電性材料130bが発光面となる領域の外側領域(外周部)に塗布されるように、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを線状に一筆書きで描画している。これにより、実施の形態1と同様に、第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとは、逆コ字状に一体形成された1本の連続線として塗布される。
また、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、上記のディスペンサーノズル200の水平及び垂直の一連の移動を1回分として、これを複数回繰り返している。例えば、図6Aでは、1回分で6本の連続線を描画し、これを3回繰り返している例を示している。
また、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、ディスペンサーノズル200は、3つの吐出口210a及び3つの210bの各々の配列方向が矩形状の発光面となる領域の一辺(本実施の形態では図中の第一基板11の上下の辺)に対して45度未満の傾斜角を有するように配置されている。これにより、ディスペンサーノズル200を水平及び垂直に移動させることによって、複数本の第一導電性材料130aが低密度で塗布され、複数本の第二導電性材料130bが高密度で塗布される。
なお、本実施の形態では、ディスペンサーノズル200の移動方向(塗布方向)を水平方向から垂直方向に変更する際、第一列における最後尾の吐出口210aによって塗布された第一導電性材料130aに、第二列における先頭の吐出口210bによって塗布された第一導電性材料130aが重ならないようにディスペンサーノズル200の移動方向を変更している。
また、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、1回目の第二導電性材料130bの塗布方向と2回目の第二導電性材料130bの塗布方向とは、同じ方向であってもよいし、反対方向であってもよい。
次に、図6Bに示すように、実施の形態1と同様に、ディスペンサーノズル200と第一基板11との相対的な角度関係が略90度変更するように、ディスペンサーノズル200を回転させる(角度関係変更工程)。
次に、図6Cに示すように、同図中の矢印に従って、ディスペンサーノズル200を発光面の一辺(本実施の形態では図中の第一基板11の上下の辺)に対して略垂直に移動させて第二導電性材料130bを縦方向に線状に塗布した後、そのまま連続してディスペンサーノズル200を略水平に移動させて第一導電性材料130aを横方向に線状に塗布し、その後、そのまま連続してディスペンサーノズル200を略垂直に移動させて第二導電性材料130bを縦方向に線状に塗布する(基板横方向の導電性材料塗布工程)。
この導電性材料塗布工程でも、第一導電性材料130aが発光面となる領域の内側領域に塗布され、かつ、第二導電性材料130bが発光面となる領域の外側領域(外周部)に塗布されるように、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを線状に一筆書きで描画している。
これにより、第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとは、逆コ字状に一体形成された1本の連続線として塗布される。なお、この場合も、一度に6本の連続線が第一電極12上に塗布される。また、図6Cは、上記のディスペンサーノズル200の垂直及び水平の一連の移動を1回分として、これを3回繰り返している例を示している。
また、ディスペンサーノズル200は、3つの吐出口210a及び3つの210bの各々の配列方向が矩形状の発光面となる領域の一辺(本実施の形態では図中の第一基板11の左右の辺)に対して45度未満の傾斜角を有するように配置されているので、ディスペンサーノズル200を垂直及び水平に移動させることによって、複数本の第一導電性材料130aが低密度で塗布され、複数本の第二導電性材料130bが高密度で塗布される。
なお、1回目の第二導電性材料130bの塗布方向と2回目の第二導電性材料130bの塗布方向とは、同じ方向であってもよいし、反対方向であってもよい。
このように、図6A〜図6Cに示されるように、本実施の形態でも、グリッド状の第一導電性材料130aと、当該第一導電性材料130aの両端部に接続された線状の第二導電性材料130bとを形成することができる。
また、本実施の形態でも、第二導電性材料130bの液体吐出を行うときのディスペンサーノズル200の移動速度を、第一導電性材料130aの液体吐出を行うときのディスペンサーノズル200の移動速度よりも遅くしてもよい。これにより、一筆書きで第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとを塗布する場合であっても、第二導電性材料130bの線幅を第一導電性材料130aの線幅よりも広くすることができる。
次いで、実施の形態1と同様、図4Eに示すように、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを加熱する。これにより、第一補助電極13a及び第二補助電極13bを形成することができる。
次いで、実施の形態1と同様、図4Fに示すように、第一補助電極13a及び第二補助電極13bを覆うように、第一電極12上に矩形状の有機層14を形成する。
次いで、実施の形態1と同様、図4Gに示すように、有機層14上に第二電極15を形成する。
その後、図示しないが、実施の形態1と同様に、第一電極12、有機層14及び第二電極15の積層体を囲むように第一基板11の外周端部に沿って額縁状にシール樹脂17を塗布し、シール樹脂17を介して第二基板16を第一基板11に貼り合わせ、その後、シール樹脂17を硬化させる。
以上、本実施の形態に係る有機ELパネルによれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、本実施の形態に係る有機ELパネルの製造方法によれば、複数列(複数段)の吐出口210が設けられたディスペンサーノズル200を用いて第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを塗布している。
これにより、図6Aの破線で囲まれる領域で示されるように、複数本の第二導電性材料130bの端部(塗布開始部分)の乱れを、実施の形態1と比べて低減させることができる。
具体的には、複数の吐出口が傾斜して配列されたディスペンサーノズルを用いて、例えば第二導電性材料130bを6本塗布する場合、実施の形態1では、6つの吐出口110が一列のみで設けられているので、第二導電性材料130bはそのまま6つの端部が一列で傾斜するように塗布される。これに対して、本実施の形態では、6つの吐出口210が2列に分けて設けられているので、第二導電性材料130bは6つの端部が3つずつ2つに分けられて2列で傾斜するように塗布される。つまり、第二導電性材料130bの端部の塗布開始位置が2箇所に分散される。したがって、第二導電性材料130bにおける塗布開始位置の端部数を実質的に軽減させることができるので、第二導電性材料130bの複数の端部が傾斜して塗布される場合であっても、第二導電性材料130bの端部の乱れを目立たなくすることができる。
しかも、このようなディスペンサーノズル200を用いることによって、第二導電性材料130bの塗布形状を全体として矩形状に近づけることができる。したがって、第二補助電極13bをより矩形に近い配線にすることができる。
その他、本実施の形態における製造方法によれば、実施の形態1と同様の効果も得ることができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施の形態では、図7に示すディスペンサーノズル300を用いて、第一補助電極13a及び第二補助電極13bを形成している。図7は、本発明の実施の形態3に係る有機ELパネルの補助電極を形成する際に用いられるディスペンサーノズルの吐出口のレイアウトを示す図である。
図7に示すように、本実施の形態でも、ディスペンサーノズル300の底面には複数の吐出口310が設けられているが、実施の形態1における吐出口が1列のみの配列であったのに対して、本実施の形態における複数の吐出口310は、列状に配列された複数の第一吐出口311と、列状に配列された複数の第二吐出口312とからなる。複数の第一吐出口311及び複数の第二吐出口312の各々は、直線状に一列で等間隔に設けられている。
複数の第一吐出口311は、水平方向(横方向)とのなす角が45度未満となるように傾斜して配列されている。また、複数の第二吐出口312は、第一吐出口311の列の略垂直線上に位置するように配列されている。つまり、第一吐出口311の列と第二吐出口312の列とは、延長線上において互いに略直交する位置関係となっている。
一例として、図7に示すように、6個の第一吐出口311及び6個の第二吐出口312の各々は、水平方向(横方向)に10mm、垂直方向(縦方向)に150μmの範囲内に、水平ピッチ2mm、垂直ピッチ30μmで配列されている。
また、ディスペンサーノズル300内には絶縁板320が設けられており、ディスペンサーノズル300内の空間領域は絶縁板320によって2つに仕切られている。これにより、ディスペンサーノズル300内の液体(液状の導電性材料)は絶縁板320によって2つに仕切られる。
本実施の形態において、絶縁板320は、第一吐出口311と第二吐出口312とを区分するように設けられている。また、本実施の形態でも静電吐出法が用いられており、第一吐出口311に対応するディスペンサーノズル300内の液体(液状の導電性材料)と第二吐出口312に対応するディスペンサーノズル300内の液体(液状の導電性材料)とに対して、別個独立に電圧を印加できるように構成されている。例えば、電圧印加手段によって、第一吐出口311に対応する液体に印加する電圧と第二吐出口312に対応する液体に印加する電圧とを切り替え可能となっている。
これにより、ディスペンサーノズル300内の液体(液状の導電性材料)を吐出する際、第一吐出口311から吐出させる場合と第二吐出口312から吐出させる場合とを選択的に切り替えることができる。つまり、第一吐出口311からの液体吐出と第二吐出口312からの液体吐出とを切り替えることができる。
このように構成されるディスペンサーノズル300を用いて液状の導電性材料を塗布する場合、液状の導電性材料は、第一吐出口311及び第二吐出口312のいずれか一方から液体吐出される。
以下、ディスペンサーノズル300を用いた本実施の形態に係る有機ELパネルの製造方法について、図4A〜図4Gを参照しながら、図8A及び図8Bを用いて具体的に説明する。図8A及び図8Bは、本発明の実施の形態3に係る有機ELパネルの製造方法における特徴的な工程を示す平面図である。
まず、実施の形態1と同様、図4Aに示すように、第一基板11上に第一電極12を形成する(第一電極形成工程)。
次に、ディスペンサーノズル300からの液体吐出によって、液状の第一導電性材料130aと液状の第二導電性材料130bとを第一電極12上に所定の形状で塗布する(導電性材料塗布工程)。本実施の形態において、導電性材料塗布工程は、第一吐出口311から液状の導電性材料の液体吐出を行う第一吐出工程と、第二吐出口312から液状の導電性材料の液体吐出を行う第二吐出工程とを含む。
具体的には、まず、図8Aに示すように、第一吐出工程として、同図中の矢印に従って、ディスペンサーノズル300を発光面の一辺(本実施の形態では図中の第一基板11の上下の辺)に対して略水平に移動させて第二導電性材料130bを横方向に線状に塗布した後、そのまま連続してディスペンサーノズル200を略垂直に移動させて第一導電性材料130aを縦方向に線状に塗布し、その後、そのまま連続してディスペンサーノズル300を略水平に移動させて第二導電性材料130bを横方向に線状に塗布する(基板縦方向の導電性材料塗布工程)。
この第一吐出工程では、第一吐出口311のみに電圧を印加しており、第二吐出口312には電圧を印加していない。したがって、第一吐出口311のみから液状の導電性材料が液体吐出し、第二吐出口312からは液状の導電性材料が液体吐出しない。つまり、第一吐出工程では、第一吐出口311から液体吐出する液状の導電性材料を第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bとして第一電極12上に塗布している。
次に、ディスペンサーノズル300を回転させることなく、図8Bに示すように、第二吐出工程として、同図中の矢印に従って、ディスペンサーノズル300を発光面の一辺(本実施の形態では図中の第一基板11の上下の辺)に対して略垂直に移動させて第二導電性材料130bを縦方向に線状に塗布した後、そのまま連続してディスペンサーノズル300を略水平に移動させて第一導電性材料130aを横方向に線状に塗布し、その後、そのまま連続してディスペンサーノズル300を略垂直に移動させて第二導電性材料130bを縦方向に線状に塗布する(基板横方向の導電性材料塗布工程)。
この第二吐出工程では、第二吐出口312のみに電圧を印加しており、第一吐出口311には電圧を印加していない。したがって、第二吐出口312からのみ液状の導電性材料が液体吐出し、第一吐出口311からは液状の導電性材料が液体吐出しない。つまり、第二吐出工程では、第二吐出口312から液体吐出する液状の導電性材料を第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bとして第一電極12上に塗布している。
このように、本実施の形態では、実施の形態1、2とは異なり、基板縦方向の導電性材料塗布工程から基板横方向の導電性材料塗布工程の際に、ディスペンサーノズル300を回転させていない。
なお、この導電性材料塗布工程(第一吐出工程、第二吐出工程)では、実施の形態1と同様に、第一導電性材料130aが発光面となる領域の内側領域に塗布され、かつ、第二導電性材料130bが発光面となる領域の外側領域(外周部)に塗布されるように、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを線状に一筆書きで描画している。これにより、実施の形態1と同様に、第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとは、一体形成された1本の連続線として塗布される。
また、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、上記のディスペンサーノズル300の水平及び垂直の一連の移動を1回分として、これを複数回繰り返している。例えば、図8A及び図8Bでは、1回分で6本の連続線を描画し、これを4回繰り返している例を示している。
また、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、ディスペンサーノズル300は、6個の第一吐出口311及び6個の第二吐出口312の配列方向が矩形状の発光面となる領域の一辺に対して45度未満の傾斜角を有するように配置されている。これにより、ディスペンサーノズル300を水平及び垂直に移動させることによって、複数本の第一導電性材料130aが低密度で塗布され、複数本の第二導電性材料130bが高密度で塗布される。
また、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、1回目の第二導電性材料130bの塗布方向と2回目の第二導電性材料130bの塗布方向とは、同じ方向であってもよいし、反対方向であってもよい。
このように、図8A及び図8Bに示されるように、本実施の形態でも、グリッド状の第一導電性材料130aと、当該第一導電性材料130aの両端部に接続された線状の第二導電性材料130bとを形成することができる。
また、本実施の形態でも、第二導電性材料130bの液体吐出を行うときのディスペンサーノズル300の移動速度を、第一導電性材料130aの液体吐出を行うときのディスペンサーノズル300の移動速度よりも遅くしてもよい。これにより、一筆書きで第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとを塗布する場合であっても、第二導電性材料130bの線幅を第一導電性材料130aの線幅よりも広くすることができる。
次いで、実施の形態1と同様、図4Eに示すように、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを加熱する。これにより、第一補助電極13a及び第二補助電極13bを形成することができる。
次いで、実施の形態1と同様、図4Fに示すように、第一補助電極13a及び第二補助電極13bを覆うように、第一電極12上に矩形状の有機層14を形成する。
次いで、実施の形態1と同様、図4Gに示すように、有機層14上に第二電極15を形成する。
その後、図示しないが、実施の形態1と同様に、第一電極12、有機層14及び第二電極15の積層体を囲むように第一基板11の外周端部に沿って額縁状にシール樹脂17を塗布し、シール樹脂17を介して第二基板16を第一基板11に貼り合わせ、その後、シール樹脂17を硬化させる。
以上、本実施の形態に係る有機ELパネルによれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、本実施の形態に係る有機ELパネルの製造方法によれば、列状に配列された複数の第一吐出口311と当該第一吐出口311の列の略垂直線上に列状に配列された複数の第二吐出口312とが設けられたディスペンサーノズル300を用いて第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを塗布している。
これにより、同じディスペンサーノズル300を用いて、かつ、ディスペンサーノズル300又は第一基板11を回転させることなく、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bにおける縦方向の塗布と横方向の塗布とを行うことができる。したがって、実施の形態1と比べて、さらに製造タクトの低下を抑えることができる。
その他、本実施の形態における製造方法によれば、実施の形態1と同様の効果も得ることができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。
本実施の形態では、図9に示すディスペンサーノズル400を用いて、第一補助電極13a及び第二補助電極13bを形成している。図9は、本発明の実施の形態4に係る有機ELパネルの補助電極を形成する際に用いられるディスペンサーノズルの吐出口のレイアウトを示す図である。
図9に示すように、本実施の形態でも、ディスペンサーノズル400の底面には複数の吐出口410が設けられている。また、実施の形態3と同様に、複数の吐出口410は、列状に配列された複数の第一吐出口411と列状に配列された複数の第二吐出口412とからなる。
そして、本実施の形態では、さらに、実施の形態2と同様に、第一吐出口411及び第二吐出口412の各々が複数の吐出口からなる複数列(複数段)で配列されている。
具体的には、図9に示すように、複数の第一吐出口411は、3つの吐出口411aからなる第一列と3つの吐出口411bからなる第二列との2列(2段)で構成されている。同様に、複数の第二吐出口412は、3つの吐出口412aからなる第一列と3つの吐出口412bからなる第二列との2列(2段)で構成されている。
第一吐出口411において、3つの吐出口411a及び411bの各々は、直線状に一列で等間隔に設けられている。また、3つの吐出口411a及び411bの各々は、水平方向(横方向)とのなす角が45度未満となるように傾斜して配列されている。
同様に、第二吐出口412において、3つの吐出口412a及び412bは、直線状に一列で等間隔に設けられている。また、3つの吐出口412aは、第一吐出口411における3つの吐出口411aの列の略垂直線上に位置するように配列されている。一方、3つの吐出口412bは、第一吐出口411における3つの吐出口411bの列の略垂直線上に位置するように配列されている。つまり、第一吐出口411における吐出口411a及び411bの列と第二吐出口412における吐出口412a及び412bの列とは、延長線上において略直交する位置関係となっている。
一例として、図9に示すように、6個の第一吐出口411は、水平方向(横方向)に10mm、垂直方向(縦方向)に150μmの範囲内において、3つの吐出口411aと3つの吐出口411bとが2列で設けられている。また、第一列の3つの吐出口411aと第二列の3つの吐出口411bの各々は、水平ピッチ2mm、垂直ピッチ30μmで配列されている。
同様に、6個の第二吐出口412は、水平方向(横方向)に10mm、垂直方向(縦方向)に150μmの範囲内において、3つの吐出口412aと3つの吐出口412bとが2列で設けられている。また、第一列の3つの吐出口412aと第二列の3つの吐出口412bの各々は、水平ピッチ2mm、垂直ピッチ30μmで配列されている。
また、ディスペンサーノズル400内には、実施の形態3と同様に、絶縁板420が設けられている。これにより、ディスペンサーノズル400内の液体(液状の導電性材料)は絶縁板420によって2つに仕切られる。
本実施の形態でも、絶縁板420は、第一吐出口411と第二吐出口412とを区分するように設けられている。また、本実施の形態でも、静電吐出法が用いられており、第一吐出口411に対応するディスペンサーノズル400内の液体(液状の導電性材料)と第二吐出口412に対応するディスペンサーノズル400内の液体(液状の導電性材料)とに対して、別個独立に電圧を印加できるように構成されている。
これにより、ディスペンサーノズル400内の液体(液状の導電性材料)を吐出する際、第一吐出口411から吐出させる場合と第二吐出口412から吐出させる場合とを選択的に切り替えることができる。つまり、第一吐出口411からの液体吐出と第二吐出口412からの液体吐出とを切り替えることができる。
このように構成されるディスペンサーノズル400を用いて液状の導電性材料を塗布する場合、液状の導電性材料は、第一吐出口411及び第二吐出口412のいずれか一方から液体吐出される。また、液状の導電性材料は、第一吐出口411から液体吐出する場合、吐出口411a及び411bの両方から同時に液体吐出され、第二吐出口412から液体吐出する場合、吐出口412a及び412bの両方から同時に液体吐出される。
以下、ディスペンサーノズル400を用いた本実施の形態に係る有機ELパネルの製造方法について、図4A〜図4Gを参照しながら、図10A及び図10Bを用いて具体的に説明する。図10A及び図10Bは、本発明の実施の形態4に係る有機ELパネルの製造方法における特徴的な工程を示す平面図である。
まず、実施の形態1と同様、図4Aに示すように、第一基板11上に第一電極12を形成する(第一電極形成工程)。
次に、ディスペンサーノズル400からの液体吐出によって、液状の第一導電性材料130aと液状の第二導電性材料130bとを第一電極12上に所定の形状で塗布する(導電性材料塗布工程)。本実施の形態においても、実施の形態3と同様に、導電性材料塗布工程は、第一吐出口411から液状の導電性材料の液体吐出を行う第一吐出工程と、第二吐出口412から液状の導電性材料の液体吐出を行う第二吐出工程とを含む。
具体的には、まず、図10Aに示すように、第一吐出工程として、同図中の矢印に従って、ディスペンサーノズル400を発光面の一辺(本実施の形態では図中の第一基板11の上下の辺)に対して略水平に移動させて第二導電性材料130bを横方向に線状に塗布した後、そのまま連続してディスペンサーノズル400を略垂直に移動させて第一導電性材料130aを縦方向に線状に塗布し、その後、そのまま連続してディスペンサーノズル400を略水平に移動させて第二導電性材料130bを横方向に線状に塗布する(基板縦方向の導電性材料塗布工程)。
この第一吐出工程では、実施の形態3と同様に、第一吐出口411のみに電圧を印加して、第一吐出口411のみから液状の導電性材料を液体吐出させている。つまり、第一吐出工程では、第一吐出口411から液体吐出する液状の導電性材料を第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bとして第一電極12上に塗布している。
次に、ディスペンサーノズル400を回転させることなく、図10Bに示すように、第二吐出工程として、同図中の矢印に従って、ディスペンサーノズル400を発光面の一辺(本実施の形態では図中の第一基板11の上下の辺)に対して略垂直に移動させて第二導電性材料130bを縦方向に線状に塗布した後、そのまま連続してディスペンサーノズル400を略水平に移動させて第一導電性材料130aを横方向に線状に塗布し、その後、そのまま連続してディスペンサーノズル400を略垂直に移動させて第二導電性材料130bを縦方向に線状に塗布する(基板横方向の導電性材料塗布工程)。
この第二吐出工程では、実施の形態3と同様に、第二吐出口412のみに電圧を印加して、第二吐出口412のみから液状の導電性材料を液体吐出させている。つまり、第二吐出工程では、第二吐出口412から液体吐出する液状の導電性材料を第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bとして第一電極12上に塗布している。
このように、本実施の形態でも、実施の形態3と同様に、基板縦方向の導電性材料塗布工程から基板横方向の導電性材料塗布工程の際に、ディスペンサーノズル400を回転させていない。
なお、この導電性材料塗布工程(第一吐出工程、第二吐出工程)では、実施の形態1と同様に、第一導電性材料130aが発光面となる領域の内側領域に塗布され、かつ、第二導電性材料130bが発光面となる領域の外側領域(外周部)に塗布されるように、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを線状に一筆書きで描画している。これにより、実施の形態1と同様に、第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとは、一体形成された1本の連続線として塗布される。
また、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、上記のディスペンサーノズル400の水平及び垂直の一連の移動を1回分として、これを複数回繰り返している。例えば、図10A及び図10Bでは、1回分で6本の連続線を描画し、これを3回繰り返している例を示している。
また、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、ディスペンサーノズル400は、3つの吐出口411a(又は411b)及び3つの吐出口412a(又は412b)の各々の配列方向が矩形状の発光面となる領域の一辺に対して45度未満の傾斜角を有するように配置されている。これにより、ディスペンサーノズル400を水平及び垂直に移動させることによって、複数本の第一導電性材料130aが低密度で塗布され、複数本の第二導電性材料130bが高密度で塗布される。
なお、本実施の形態では、実施の形態2と同様に、ディスペンサーノズル400の移動方向(塗布方向)を水平方向から垂直方向に変更する際、第一吐出口411(又は第二吐出口412)における第一列の最後尾の吐出口411a(又は412a)によって塗布された第一導電性材料130aに、第一吐出口411(又は第二吐出口412)における第二列の先頭の吐出口411b(又は412b)によって塗布された第一導電性材料130aが重ならないようにディスペンサーノズル400の移動方向を変更している。
また、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、1回目の第二導電性材料130bの塗布方向と2回目の第二導電性材料130bの塗布方向とは、同じ方向であってもよいし、反対方向であってもよい。
このように、図10A及び図10Bに示されるように、本実施の形態でも、グリッド状の第一導電性材料130aと、当該第一導電性材料130aの両端部に接続された線状の第二導電性材料130bとを形成することができる。
また、本実施の形態でも、第二導電性材料130bの液体吐出を行うときのディスペンサーノズル400の移動速度を、第一導電性材料130aの液体吐出を行うときのディスペンサーノズル400の移動速度よりも遅くしてもよい。これにより、一筆書きで第一導電性材料130aと第二導電性材料130bとを塗布する場合であっても、第二導電性材料130bの線幅を第一導電性材料130aの線幅よりも広くすることができる。
次いで、実施の形態1と同様、図4Eに示すように、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを加熱する。これにより、第一補助電極13a及び第二補助電極13bを形成することができる。
次いで、実施の形態1と同様、図4Fに示すように、第一補助電極13a及び第二補助電極13bを覆うように、第一電極12上に矩形状の有機層14を形成する。
次いで、実施の形態1と同様、図4Gに示すように、有機層14上に第二電極15を形成する。
その後、図示しないが、実施の形態1と同様に、第一電極12、有機層14及び第二電極15の積層体を囲むように第一基板11の外周端部に沿って額縁状にシール樹脂17を塗布し、シール樹脂17を介して第二基板16を第一基板11に貼り合わせ、その後、シール樹脂17を硬化させる。
以上、本実施の形態に係る有機ELパネルによれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、本実施の形態に係る有機ELパネルの製造方法によれば、列状に配列された複数の第一吐出口411と当該第一吐出口411の列の略垂直線上に列状に配列された複数の第二吐出口412とが設けられたディスペンサーノズル300を用いて第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを塗布している。
これにより、同じディスペンサーノズル400を用いて、かつ、ディスペンサーノズル400又は第一基板11を回転させることなく、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bにおける縦方向の塗布と横方向の塗布とを行うことができる。したがって、実施の形態1と比べて、さらに製造タクトの低下を抑えることができる。
さらに、本実施の形態における製造方法によれば、複数の第一吐出口411及び複数の第二吐出口412の各々が複数列(複数段)で構成されている。
これにより、図10Aの破線で囲まれる領域で示されるように、実施の形態2と同様、複数本の第二導電性材料130bの端部(塗布開始部分)の乱れを低減させることができる。しかも、第二導電性材料130bの塗布形状を全体として矩形状に近づけることができるので、第二補助電極13bをより矩形に近い配線にすることができる。
その他、本実施の形態における製造方法によれば、実施の形態1と同様の効果も得ることができる。
(その他変形例等)
以上、本発明に係る有機EL素子及びその製造方法について、有機ELパネルを例にとって説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態1における有機ELパネル1を図11に示すように構成してもよい。図11は、本発明の変形例に係る有機ELパネル1Aの構成を示す図である。
図11に示すように、有機ELパネル1Aは、実施の形態1における有機ELパネル1に、さらに、第一端子部12a及び第二端子部12bの上に形成された電極パッド13cを備えている。電極パッド13cは、第一電極12又は第二電極15に電圧印加を行うための接続パッドである。なお、図11において、有機層14、第二電極15、第二基板16及びシール樹脂17は図示されていない。
本変形例における有機ELパネル1Aは、実施の形態1における製造方法に準じて製造することができる。例えば、実施の形態1における導電性材料塗布工程において、ディスペンサーノズル100を用いて、第一端子部12a及び第二端子部12bの上に液状の導電性材料を塗布することによって製造することができる。
具体的には、図4Bに示す基板縦方向の導電性材料塗布工程において、逆コ字状の連続線の1回目の第二導電性材料130bを形成する前と2回目の第二導電性材料130bを形成した後とにおいて、ディスペンサーノズル100を用いて第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bの少なくとも一方と同じ材料を第一端子部12a及び第二端子部12bの上に塗布する。この場合、電極パッド13c用として塗布する複数本の導電性材料の間隔を狭くするために、ディスペンサーノズル100の回転角度を適宜調整してもよい。
その後、第一端子部12a及び第二端子部12bの上に塗布した液状の導電性材料は、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを加熱する加熱工程において、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bと同様に加熱される。これにより、液状の導電性材料が固化し、固体の電極パッド13cとなる。
また、上記実施の形態1〜4では、隣り合う2本の第二補助電極13bの間には隙間を設けたが、隣り合う第二補助電極13bを隙間無く接触するように形成してもよい。つまり、隣り合う第二導電性材料130bを隙間無く接触するように塗布してもよい。この場合、ディスペンサーノズルを回転させて第一基板11に対する吐出口の並びの傾斜角を適宜調整すればよい。
また、上記実施の形態1〜4では、導電性材料塗布工程において、第一基板11の縦方向に逆コ字状の導電性材料を塗布する工程(基板縦方向の導電性材料塗布工程)と、第一基板11の横方向に逆コ字状の導電性材料を塗布する工程(基板横方向の導電性材料塗布工程)との両方の工程を含むとしたが、基板縦方向の導電性材料塗布工程及び基板横方向の導電性材料塗布工程のいずれか一方のみであってよい。つまり、第一補助電極13aは、グリッド状ではなく、縦方向又は横方向の平行線のみで構成されていてもよい。例えば、実施の形態1の場合において、図4B及び図4Dのいずれか一方のみの工程を実施することによって有機ELパネルを製造してもよい。
また、上記実施の形態1〜4では、導電性材料塗布工程において、第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bは、コ字状の連続線となるように塗布したが、L字状の連続線となるように塗布してもよい。つまり、第一導電性材料130aの長手方向の両端に接続される2つの第二導電性材料130bのうちの一方を塗布しなければよい。
また、上記実施の形態1〜4では、第一補助電極13a及び第二補助電極13bは、第一電極12の上に形成したが、第一電極12の下に形成してもよい。例えば、第一基板11の上に第一補助電極13a及び第二補助電極13bを形成し、第一補助電極13a及び第二補助電極13bを覆うように第一電極12を形成することができる。この場合、第一基板11の上に第一導電性材料130a及び第二導電性材料130bを連続線として塗布すればよい。
また、上記実施の形態3、4では、第一吐出口311(又は411)による液体吐出と第二吐出口312(又は412)による液体吐出との切り替えは、静電吐出における電圧印加の切り替えによって行ったが、これに限らない。例えば、吐出エアー圧又は機械的な弁等を用いて、第一吐出口311(又は411)による液体吐出と第二吐出口312(又は412)による液体吐出との切り替えを行ってもよい。
また、本発明に係る有機EL素子は、照明装置として実現することができる。例えば、照明装置は、上記実施の形態における有機ELパネルと、有機ELパネルに電流を供給する電源回路とを備える。この場合、有機ELパネルは、複数枚並べてもよい。
また、本発明に係る有機EL素子は、照明装置以外に、表示装置等の他の装置に用いてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1、1A 有機ELパネル
11 第一基板
12 第一電極
12a 第一端子部
12b 第二端子部
13 補助電極
13a 第一補助電極
13b 第二補助電極
13c 電極パッド
14 有機層
15 第二電極
16 第二基板
17 シール樹脂
100、200、300、400 ディスペンサーノズル
110、210、210a、210b、310、410、411a、411b、412a、412b 吐出口
130a 第一導電性材料
130b 第二導電性材料
311、411 第一吐出口
312、412 第二吐出口
320、420 絶縁板

Claims (14)

  1. 基板と、
    前記基板上に配置された第一電極と、
    発光層を有し、かつ前記第一電極上に配置された有機層と、
    前記有機層上に配置された第二電極と、
    液状の導電性材料を用いて形成されており、前記第一電極に積層された線状の第一補助電極と、
    液状の導電性材料を用いて形成されており、前記第一電極に積層された第二補助電極と、を備え、
    前記第二補助電極は、平面視において前記有機層の外周部に対応する位置に配置され、かつ、前記第一補助電極と一体形成されている、
    有機EL素子。
  2. 前記第二補助電極は線状であり、
    前記第一補助電極の長手方向の端部と前記第二補助電極の長手方向の端部とが一体形成されている、
    請求項1記載の有機EL素子。
  3. 前記第一補助電極及び前記第二補助電極の各々は、所定の間隔で複数本ずつ配置されており、
    隣り合う2つの前記第二補助電極の間隔は、隣り合う2つの前記第一補助電極の間隔よりも狭い、
    請求項1又は2記載の有機EL素子。
  4. 前記第二補助電極の線幅は、前記第一補助電極の線幅よりも広い、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  5. 前記第一補助電極と前記第二補助電極との成す角は略直角である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機EL素子を有する、
    照明装置。
  7. 基板上に第一電極と発光層を有する有機層と第二電極とが配置された有機EL素子の製造方法であって、
    ノズルからの液体吐出によって、線状の第一導電性材料と、平面視において前記有機層の外周部に位置する第二導電性材料とを、前記第一電極上に塗布する導電性材料塗布工程と、
    前記第一導電性材料及び前記第二導電性材料を加熱することによって第一補助電極及び第二補助電極を形成する加熱工程と、を含み、
    前記導電性材料塗布工程では、前記第一導電性材料と前記第二導電性材料とを一体形成させて配置している、
    有機EL素子の製造方法。
  8. 前記有機EL素子は、矩形の発光面を有し、
    前記ノズルは、前記液体吐出を行うための吐出口を複数有し、
    複数の前記吐出口は、前記発光面の一辺に対して45度未満の傾斜となるように配列されており、
    前記導電性材料塗布工程では、
    前記ノズルを前記発光面の一辺に対して略水平及び略垂直に移動させることで、前記第一導電性材料及び前記第二導電性材料の液体吐出を行う、
    請求項7記載の有機EL素子の製造方法。
  9. 前記導電性材料塗布工程では、前記ノズル又は前記基板を、前記発光面の一辺に対して略水平に移動させた後、略垂直に移動させ、その後、略水平に移動させる、
    請求項8記載の有機EL素子の製造方法。
  10. 前記導電性材料塗布工程は、
    前記ノズルと前記基板との相対的な角度関係が略90度変更するように、前記ノズル及び前記基板の少なくとも一方を回転させる角度関係変更工程を含む、
    請求項8又は9記載の有機EL素子の製造方法。
  11. 前記ノズルは、前記液体吐出を行うための吐出口を複数有し、
    複数の前記吐出口は、列状に配列された複数の第一吐出口と、前記第一吐出口の列の略垂直線上に列状に配列された複数の第二吐出口とからなり、
    前記導電性材料塗布工程は、
    前記第一吐出口から前記第一導電性材料の液体吐出を行う第一吐出工程と、
    前記第二吐出口から前記第二導電性材料の液体吐出を行う第二吐出工程と、を含む、
    請求項7記載の有機EL素子の製造方法。
  12. 前記導電性材料塗布工程では、さらに、前記加熱工程の前に、電極パッドを形成するために、前記第一導電性材料及び前記第二導電性材料の少なくとも一方と同じ材料を、前記ノズルを用いて所定の位置に塗布する工程を含む、
    請求項7〜11のいずれか一項に記載の有機EL素子の製造方法。
  13. 前記液体吐出は、静電吐出によって行われる、
    請求項7〜12のいずれか一項に記載の有機EL素子の製造方法。
  14. 前記第二導電性材料の液体吐出を行うときの前記ノズルの移動速度は、前記第一導電性材料の液体吐出を行うときの前記ノズルの移動速度よりも遅い、
    請求項7〜13のいずれか一項に記載の有機EL素子の製造方法。
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