JPWO2015072321A1 - 透明導電性積層体およびタッチパネル - Google Patents
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Abstract
基材に透明導電膜が積層された透明導電性積層体において、基材と透明導電膜との密着性が確保されるとともに透明導電膜の電気特性が保持され、さらに光透過特性が良好で耐薬品性に優れる透明導電性積層体を提供する。また上記透明導電性積層体を備えた信頼性の高いタッチパネルを提供する。透明基材と、前記透明基材の一方の主面上に設けられた厚さが3〜60nmのSiOx1層(ただし、x1は1.8以上2.0未満である。)と、前記SiOx1層上に設けられた厚さが0.2〜5nmのSiOx2層(ただし、x2は1.9以上2.0以下であり、かつx1より大きい。)と、前記SiOx2層上に設けられたインジウムスズ酸化物を主体とする導電層と、を有する透明導電性積層体および該透明導電性積層体を備えるタッチパネル。
Description
本発明は、透明導電性積層体およびそれを有するタッチパネルに関する。
透明な基材に透明導電膜が積層された透明導電性積層体は、導電性と光学的な透明性とを有することから、透明電極膜、電磁波遮蔽膜、面状発熱膜、反射防止膜等として使用され、近年ではタッチパネル用電極として注目されている。タッチパネルには、抵抗膜式、静電容量結合式、光学式等、多様な方式が存在する。透明導電膜は、例えば、上下の電極が接触することでタッチ位置を特定する抵抗膜式、静電容量の変化を感知する静電容量結合方式に用いられる。抵抗膜式に用いられる透明導電膜は、動作原理上、透明導電膜同士が機械的に接触することから、高い耐久性が求められる。
透明導電膜として用いる透明導電性積層体に、このような高耐久性を付与するために、従来から、基材とインジウムスズ酸化物等の透明導電膜の間に酸化ケイ素層を設けて基材への透明導電膜の密着性を強化することが行われている。ここで、酸化ケイ素層としてSiO2層を用いた場合には、ある程度の密着性の向上は図れるものの、密着性や耐アルカリ性等の耐薬品性は十分ではなく、求められる耐久性を満足しているとは言えなかった。また、SiOx(xは2未満)層を用いた場合には、高い密着性が得られるものの透明導電膜の表面電気抵抗の変化を招く点で問題であった。
そこで密着性と透明導電膜における電気特性の維持を両立させるために、例えば、特許文献1においては、基材側から相対屈折率が1.6〜1.9の範囲のSiOx(xは1.5以上2未満)層と、SiO2層をその順に設け、その上に透明導電膜を設けた透明導電性積層体の技術が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の透明導電性積層体においては、密着性と透明導電膜における電気特性の維持の両立はできているものの、透過光の色調に変化を与える場合があり、さらに層の厚さが厚いことから、生産性および光透過性においても改善が望まれていた。
本発明は、基材に透明導電膜が積層された透明導電性積層体において、基材と透明導電膜との密着性が確保されるとともに透明導電膜の電気特性が保持され、さらに光透過特性が良好で耐薬品性に優れる透明導電性積層体の提供を目的とする。さらに、本発明は、上記した透明導電性積層体を備えた信頼性の高いタッチパネルの提供を目的とする。
本発明の透明導電性積層体は、透明基材と、前記透明基材の一方の主面上に設けられた厚さが3〜60nmのSiOx1層(ただし、x1は1.8以上2.0未満である。)と、前記SiOx1層上に設けられた厚さが0.2〜5nmのSiOx2層(ただし、x2は1.9以上2.0以下であり、かつx1より大きい。)と、前記SiOx2層上に設けられたインジウムスズ酸化物を主体とする導電層と、を有する。
また、本発明のタッチパネルは上記本発明の透明導電性積層体を備える。
また、本発明のタッチパネルは上記本発明の透明導電性積層体を備える。
本発明によれば、基材に透明導電膜が積層された透明導電性積層体において、基材と透明導電膜との密着性が確保されるとともに透明導電膜の電気特性が保持され、さらに光透過特性が良好で耐薬品性に優れる透明導電性積層体が提供できる。さらに、本発明によれば、上記した透明導電性積層体を備えた信頼性の高いタッチパネルが提供できる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は、下記説明に限定して解釈されるものではない。
[透明導電性積層体]
図1および図2は、それぞれ本発明の透明導電性積層体の実施形態の一例および別の一例を示す断面図である。
図1および図2は、それぞれ本発明の透明導電性積層体の実施形態の一例および別の一例を示す断面図である。
図1および図2において、透明導電性積層体10は、透明基材1と、透明基材1の一方の主面上に設けられた厚さが3〜60nmのSiOx1層2(ただし、x1は1.8以上2.0未満である。)と、SiOx1層2上に設けられた厚さが0.2〜5nmのSiOx2層3(ただし、x2は1.9以上2.0以下であり、かつx1より大きい。)と、SiOx2層3上に設けられたインジウムスズ酸化物を主体とする導電層4と、を有する。
図2に示す透明導電性積層体10は、透明基材1が両主面上に樹脂層5a、5bを有し、一方の樹脂層5a上にSiOx1層2、SiOx2層3および導電層4がその順に設けられた構成である。なお、本発明の透明導電性積層体において、図2に示す樹脂層5a、5bのような樹脂層は、任意に設けられる層である。
導電層4は、上記構成のSiOx1層2とSiOx2層3を介して透明基材1上に形成されることで、透明基材1と強固に密着して高い耐久性を有する。また、インジウムスズ酸化物を主体とする導電層4は、SiOx2層3に接する形で形成されることで、透明基材1上に直接形成される場合と同様の結晶状態で形成され得る。これにより、導電層4においてシート抵抗値等の電気特性が所定の値に保持できる。また、透明導電性積層体10は、可視光透過率が高く、透過光の色調の変化が少ない等の良好な光透過特性を有する。
以下、透明導電性積層体10を構成する各要素について説明する。
以下、透明導電性積層体10を構成する各要素について説明する。
透明基材1としては、透明導電性積層体に通常用いられる透明基材、例えば透明性の高い材料からなるフィルム状または板状の基材が特に制限なく使用可能である。このような透明基材1としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン等から選ばれる重合体または共重合体からなるプラスチックフィルムが好ましい。該プラスチックフィルムは延伸されたフィルムであってもよく無延伸のフィルムでもよい。透明基材1としては、これらの中でも特にポリエチレンテレフタレートからなるプラスチックフィルムが好ましい。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートを総称する用語として用いる。以下、「(メタ)アクリ…」は上記同様の意味で用いられる。
透明基材1の厚さは、透明導電性積層体10が用いられる用途により適宜選択される。タッチパネルに用いる場合、可撓性や耐久性等の観点から、透明基材1の厚さは、10〜200μmが好ましく、20〜150μmがより好ましい。
また、透明基材1の、少なくともSiOx1層2が配設される側の主面には、SiOx1層2との密着性を向上させる等の目的で、予め易接着処理、プラズマ処理、コロナ処理等の表面処理が施されていてもよい。なお、該表面処理は、透明基材1の両方の主面に施されていてもよい。
さらに、透明基材1は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、少なくともSiOx1層2が配設される側の主面上に、樹脂層を有していてもよい。なお、樹脂層は、透明基材1の両方の主面上に設けられてもよい。図2は、このように透明基材1の両方の主面上に樹脂層5a、5bを有する透明導電性積層体10の断面図を示すものである。樹脂層としては、SiOx1層2の密着性を向上させる機能または、光学調整の機能等を有する樹脂層や、透明かつ硬質な樹脂層であるハードコート層が好ましい。
ハードコート層の厚さは、1〜15μmが好ましく、1.5〜10μmがより好ましい。ハードコート層の膜厚を1μm以上とすることで、ハードコート層の形成により期待される効果を得ることができる。また、膜厚を15μm以下とすることで、ハードコート層の成膜効率の低下を抑制できるとともに、クラックの発生も抑制できる。
ハードコート層は、例えば、電離放射線や熱により硬化する硬化性樹脂の硬化物より構成される。電離放射線により硬化する硬化性樹脂は、アクリル系材料を含んでもよく、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルのような多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコールおよび(メタ)アクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用できる。またこれらの他にも、アクリレート系の官能基、例えば、(メタ)アクリロイル基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用できる。また、熱硬化型のポリシロキサン樹脂等も使用できる。
透明基材の塗布面への上記硬化性樹脂の塗布方法としては、湿式成膜法が好ましく、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーターを用いた塗布方法が好ましい。
上記硬化性樹脂の硬化に用いる電離放射線としては、例えば、紫外線、電子線を使用できる。紫外線硬化の場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源が利用できる。また、電子線硬化の場合はコックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線が利用できる。
SiOx1層2(ただし、x1は1.8以上2.0未満である。)は、上記透明基材1の一方の主面上に配設される厚さ3〜60nmの層である。SiOx1層2は、透明基材1が、図2に示すように上記ハードコート層等の樹脂層を有する場合は該樹脂層を介して、例えば、図2の場合、透明基材1の両主面上に配設された樹脂層5a、5bのうちの一方の樹脂層5aを介して配設される。図1に示すように透明基材1が、樹脂層を有しない場合は、SiOx1層2は透明基材1上に直接配設される。
SiOx1層2のSiOx1におけるx1およびSiOx1層2の厚さが上記範囲にあれば、得られる透明導電性積層体において、各層間に十分な密着性が得られるとともに光透過特性が良好であり、かつ耐アルカリ性も良好となる。
さらに、透明導電性積層体が各種用途で使用される際に、透明導電性積層体と電気光学素子とが接する構成になる場合、透明導電性積層体には、水蒸気、酸素等に対する良好なガスバリア性が求められる。SiOx1層2のSiOx1におけるx1およびSiOx1層2の厚さが上記範囲にあれば、密着性を確保しつつガスバリア性も良好となる。
透明導電性積層体のガスバリア性は、例えば、水蒸気バリア性については、以下の方法で測定される水蒸気透過度を指標にして評価できる。すなわち、該水蒸気透過度が所定の値よりも低ければ水蒸気バリア性に優れるといえる。水蒸気透過度は、JIS Z0208に規定される透湿度試験(カップ法)、または、JIS K7129 B法に規定される赤外センサー法等によって測定可能である。透明導電性積層体の水蒸気透過度は、JIS K7129 B法に基づき、温度40℃、湿度90%RHで測定される水蒸気透過度として、1g/m2/day以下が好ましく、0.5g/m2/day以下がより好ましい。
また、これらの観点から、SiOx1層2のSiOx1におけるx1は、SiOx2におけるx2より小さい値であって1.9以上2.0未満の範囲にあることが好ましい。SiOx1層2の厚さは3〜10nmが好ましく、4〜7nmがより好ましい。
透明基材1の主面上へのSiOx1層2の形成は、上記厚さのSiOx1層が形成される限り方法は特に制限されない。乾式成膜法であってもよく、湿式成膜法であってもよい。SiOx1層2は、通常、耐湿熱性に優れる乾式成膜法で形成される。乾式成膜法としては、スパッタリング法、イオンプレーティング法、または真空蒸着法が好ましく、特にスパッタリング法が好ましい。
スパッタリング法を適用する場合、スパッタリングターゲットとしてボロンドープポリシリコンターゲットを用いることが好ましい。SiOx1層2の成膜は、例えば、アルゴンガスに酸素ガスを混合した混合ガスをスパッタ装置内に導入しながら、0.1〜0.8Paの圧力でボロンドープポリシリコンターゲットをスパッタすることで行える。上記スパッタリングにおいて、電力密度とスパッタ時間とを調整することで、SiOx1層2の厚さを上記範囲内の所定の厚さに調整でき、電圧と酸素ガス流量でx1を調整することができる。
このようにして得られるSiOx1層2におけるSiOx1の波長550nmの光に対する屈折率は、概ね1.43〜1.55の範囲が好ましく、1.46〜1.53がより好ましい。以下、屈折率は特に断りのない限り、波長550nmの光に対する屈折率をいう。なお、SiOx1層2におけるSiOx1の屈折率は、SiOx1層2の上にさらにSiOx2層3を形成する際に影響を受けて変わりうる。本明細書において、SiOx1層におけるSiOx1の屈折率は、透明基材1上に形成され、その上に何も形成されていない状態でのSiOx1層におけるSiOx1の屈折率をいう。
SiOx1層2上に配設されるSiOx2層3は、厚さが0.2〜5nmであり、SiOx2における、x2が1.9以上2.0以下であり、かつx2がx1より大きい層である。
SiOx2層3のSiOx2におけるx2およびSiOx2層3の厚さが上記範囲にあれば、得られる透明導電性積層体において、各層間に十分な密着性が得られるとともに光透過特性が良好となる。さらに、SiOx2層3上に形成されるインジウムスズ酸化物を主体とする導電層4の成膜性を、透明基材1上に直接成膜する場合と同等とでき、それにより導電層4の電気特性を十分なものとできる。
SiOx2層3のSiOx2におけるx2およびSiOx2層3の厚さが上記範囲にあれば、得られる透明導電性積層体において、各層間に十分な密着性が得られるとともに光透過特性が良好となる。さらに、SiOx2層3上に形成されるインジウムスズ酸化物を主体とする導電層4の成膜性を、透明基材1上に直接成膜する場合と同等とでき、それにより導電層4の電気特性を十分なものとできる。
また、これらの観点から、SiOx2層3のSiOx2におけるx2は、SiOx1におけるx1より大きい値であって1.95〜2.0の範囲にあることが好ましく、2.0がより好ましい。SiOx2層3の厚さは0.5〜5nmが好ましく、1〜3nmがより好ましい。
ここで、透明導電性積層体10において、上記SiOx1層2の厚さとSiOx2層3の厚さの合計は20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましい。SiOx1層2とSiOx2層3の合計の厚さが該範囲にあることで透明導電性積層体10における光透過特性はより良好になる。すなわち、透明導電性積層体10において、可視光透過率が高く、透過光の色調に変化の少ない光透過特性を達成できる。また、SiOx1層2とSiOx2層3の合計の厚さが上記範囲であると生産性の点でも有利である。
なお、透過光の色調は、JIS Z8729(2004年)に基づくC光源を用いたL*a*b*表示色系におけるb*の値を指標に評価できる。b*の値は黄色みの指標として用いられる。本明細書において、JIS Z8729(2004年)に基づくC光源を用いたL*a*b*表示色系におけるb*の値を、単に「b*の値」いう。本発明の透明導電性積層体において、b*の値は1.5以下が好ましい。
SiOx2層3の形成は、上記厚さのSiOx2層が形成される限り方法は特に制限されない。乾式成膜法であってもよく、湿式成膜法であってもよい。SiOx2層3は、通常、耐湿熱性に優れる乾式成膜法で形成される。乾式成膜法としては、スパッタリング法、イオンプレーティング法、または真空蒸着法が好ましく、特にスパッタリング法が好ましい。
スパッタリング法を適用する場合、スパッタリングターゲットとしてボロンドープポリシリコンターゲットを用いることが好ましい。SiOx2層3の成膜は、例えば、アルゴンガスに酸素ガスを混合した混合ガスをスパッタ装置内に導入しながら、0.1〜0.8Paの圧力でボロンドープポリシリコンターゲットをスパッタすることで行える。上記スパッタリングにおいて、電力密度とスパッタ時間とを調整することで、SiOx2層3の厚さを上記範囲内の所定の厚さに調整する。また、電圧と酸素ガス流量を調整することでx2を調整する。
このようにして得られるSiOx2層3におけるSiOx2の波長550nmの光に対する屈折率は、概ね1.46〜1.54の範囲が好ましく、1.47〜1.52がより好ましい。なお、SiOx2層におけるSiOx2の屈折率は、上記SiOx1層におけるSiOx1の屈折率と同様、SiOx1層上に形成され、その上に何も形成されていない状態でのSiOx2層におけるSiOx2の屈折率をいう。
上に説明したSiOx1の屈折率と、このSiOx2の屈折率を比べるとその差が小さいことがわかる。SiOx1とSiOx2の屈折率差が小さいことにより、SiOx1層2とSiOx2層3の界面における反射が抑制され、透明導電性積層体におけるb*の値を低く抑えることが可能となる。
SiOx2層3の上に設けられるインジウムスズ酸化物を主体とする導電層4は、透明導電膜として、透明導電性積層体に用いられるインジウムスズ酸化物を主体とする層が特に制限なく用いられる。
本発明の透明導電性積層体においては、例えば、上記SiOx2層3の上に非晶質状態のインジウムスズ酸化物を主体とする非晶質層を積層した後、該非晶質層を熱処理(アニール)により結晶化させて得られる結晶性の透明導電膜を導電層4として用いることが好ましい。以下、このようにして形成される導電層4について説明する。以下の説明において、非晶質状態のインジウムスズ酸化物を主体とする非晶質層を単に「非晶質層」という。
ここで、非晶質、結晶質は、HCl溶液(濃度1.5mol/L)に5分間浸漬する前後で抵抗値を測定して求められる抵抗値変化率、具体的には、(浸漬後の抵抗値/浸漬前の抵抗値)×100(%)により求められる抵抗値変化率で評価される。この抵抗値変化率が200%を超える場合は非晶質、また抵抗値変化率が200%以下の場合は結晶質であると評価する。
非晶質層またはこれが結晶化した導電層4を主として構成するインジウムスズ酸化物はインジウムおよびスズの酸化物であり、該酸化物としては、例えば、酸化インジウムおよび酸化スズの混合物、酸化インジウムと酸化スズの複合酸化物が挙げられる。インジウムスズ酸化物の組成は非晶質状態においても結晶化状態においても変わるものではない。
本発明に用いるインジウムスズ酸化物におけるスズの酸化物換算での含有量は、SnO2換算で5.5〜10質量%が好ましい。なお、以下、インジウムスズ酸化物におけるスズの酸化物換算(SnO2換算)での含有量を、スズ酸化物含有量と記す場合がある。インジウムスズ酸化物におけるスズ酸化物含有量は5.8質量%以上が好ましく、6質量%を超えることがより好ましく、6.5質量%以上がさらに好ましい。また、該含有量は、8.9質量%以下が好ましく、8.5質量%以下がより好ましく、8.3質量%以下がさらに好ましい。インジウムスズ酸化物におけるスズ酸化物含有量が上記範囲にあると、非晶質状態から熱処理による結晶化が容易であり、結晶化させたときのシート抵抗値が低く、かつ膜厚の増加も抑制されたものとできる。
導電層4はインジウムスズ酸化物を主体とする層である。インジウムスズ酸化物を主体とするとは、具体的には、導電層4におけるインジウムスズ酸化物の含有割合が90質量%以上であることをいう。すなわち、非晶質層または導電層4は、必要に応じて、かつ本発明の趣旨に反しない限度において、インジウムスズ酸化物以外の成分を10質量%以内の範囲で含有してもよい。インジウムスズ酸化物以外の成分としては、例えば、アルミニウム、ジルコニウム、ガリウム、ケイ素、タングステン、亜鉛、チタン、マグネシウム、セリウム、ゲルマニウム等の酸化物が挙げられる。非晶質層または導電層4における、これらインジウムスズ酸化物以外の成分の含有量は5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。非晶質層または導電層4は、インジウムスズ酸化物のみからなることが特に好ましい。
ここでインジウムスズ酸化物を主体とする非晶質層と導電層4の厚さは略同じである。導電層4の厚さとしては、非晶質層を熱処理して結晶化する際の容易性および透過率等の光学特性の観点から、10〜50nmが好ましく、15〜35nmがより好ましい。
以上、インジウムスズ酸化物を主体とする非晶質層を結晶化させた導電層について説明したが、本発明の透明導電性積層体においては、必要に応じて上記のように積層されたインジウムスズ酸化物を主体とする非晶質層を未熱処理状態で導電層として用いて透明導電性積層体としてもよい。
インジウムスズ酸化物を主体とする非晶質層を熱処理により結晶化させて導電層とする場合に、用いる非晶質層のシート抵抗値は、結晶化の容易さの観点から、200〜500Ω/□が好ましく、300〜450Ω/□がより好ましい。また、このようなインジウムスズ酸化物を主体とする非晶質層を結晶化して得られる導電層のシート抵抗値は、50〜200Ω/□が好ましく、70〜160Ω/□がより好ましい。
本発明の透明導電性積層体における導電層のシート抵抗値は、タッチパネル等の電子機器の大型化に伴う操作時の伝達速度の低下抑制の観点から、50〜500Ω/□が好ましく、70〜450Ω/□がより好ましい。また、このようなものによれば、エッチング性も良好とできる。上記好ましい導電層のシート抵抗値の範囲には、上記した熱処理により導電層とされる非晶質層のシート抵抗値が含まれる。よって、本発明の透明導電性積層体においては、該非晶質層自体を導電層として用いることが可能である。
インジウムスズ酸化物を主体とする非晶質層を結晶化した導電層4を形成するには、まず上で説明したSiOx2層3上に非晶質状態のインジウムスズ酸化物を主体とする非晶質層を成膜する。成膜方法は、必ずしも限定されないが、スパッタリング法、イオンプレーティング法、または真空蒸着法が好ましく、特にスパッタリング法が好ましい。
スパッタリング法を適用する場合、酸化スズ(SnO2)と酸化インジウム(In2O3)とを混合して焼結されたインジウムスズ酸化物の焼結体からなるスパッタリングターゲットを用いることが好ましい。非晶質層の成膜は、該スパッタリングターゲットを用いて、例えば、アルゴンガスに0.5〜10体積%、好ましくは0.8〜6体積%の酸素ガスを混合した混合ガスをスパッタ装置内に導入しながらスパッタを行うことが好ましい。このような混合ガスを導入しながらスパッタを行うことで、非晶質であって、かつ熱処理による結晶化が容易で、結晶化させたときのシート抵抗値が低い非晶質層を成膜できる。
また、非晶質層の成膜に先だって、スパッタ装置内の真空度を5×10−4Pa以下、好ましくは9×10−5Pa以下となるまで排気し、スパッタ装置内の水分や透明基材等から発生する水分または有機ガス等の不純物を取り除いた雰囲気とすることが好ましい。成膜中の水分や有機ガスの存在を低減することで、熱処理による結晶化が容易で、結晶化させたときのシート抵抗値が低いものを得やすくなる。
非晶質層を成膜するときの酸素ガスの流量は、結晶化後のシート抵抗値が最低値となるときの流量に対して0.6〜1.4倍の範囲が好ましく、0.7〜1.3倍の範囲がより好ましく、特に0.8〜1.2倍の範囲が好ましい。したがって、実際の非晶質層の成膜では、予めこのようにして結晶化後のシート抵抗値が最低値となるときの酸素ガスの流量を求めておき、この酸素ガスの流量に対して上記範囲内となるように酸素ガスの流量を調整して行うことが好ましい。最適流量は成膜装置によっても若干異なることから、特にこのような方法によることで結晶化後のシート抵抗値の低い非晶質層を効果的に成膜できる。
このようにして成膜される非晶質層のシート抵抗値は、概ね上記した非晶質層における好ましい範囲内にあり、必要に応じて以下の熱処理を施さず得られた非晶質層自体を導電層とすることも可能である。このように非晶質層自体を導電層とする場合には、以下に説明する熱処理を実行することなく、透明導電性積層体が得られる。
非晶質層を結晶化した導電層4は、このような非晶質層を熱処理して結晶化させて結晶性透明導電膜とすることで形成される。熱処理は、例えば、大気中、100〜150℃で10〜180分間行うことが好ましい。熱処理温度を100℃以上、また熱処理時間を10分間以上とすることで、非晶質層を効果的に結晶化させることができる。また、熱処理温度は150℃以下、また熱処理時間は180分間以下とすることで充分に結晶化でき、これ以下とすることで透明基材等の損傷を抑制でき、また生産性も向上できる。なお、結晶化されたインジウムスズ酸化物は酸化インジウム(In2O3)の結晶構造を持ち、インジウムのサイトにスズが置換していることが好ましい。
このようにして、図1に示される、透明基材1の一方の主面上に、SiOx1層2、SiOx2層3、導電層4がこの順に積層された透明導電性積層体10、または、図2に示される、透明基材1の両主面上に樹脂層5a、5bを有し、樹脂層5a上に、SiOx1層2、SiOx2層3、導電層4がこの順に積層された透明導電性積層体10が得られる。
以上、図1および図2に示される透明導電性積層体10について説明したが、本発明の透明導電性積層体はこれに限定されない。本発明の趣旨および範囲を逸脱することのない範囲で透明導電性積層体10を変更または変形することができる。本発明の透明導電性積層体は、電子機器に好適に用いられる。電子機器としては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネル等が挙げられ、特にタッチパネルが好ましい。
[タッチパネル]
本発明のタッチパネルは、上記本発明の透明導電性積層体を備える。タッチパネルは、例えば、表示部とこの表示部の前面に配置されるタッチパネル部とを有する。透明導電性積層体は、このようなタッチパネル部における透明電極を有する透明電極基板として用いられる。タッチパネル部としては、上下の電極が接触することでタッチ位置を特定する抵抗膜式、静電容量の変化を感知する静電容量結合方式のいずれであってもよい。
本発明のタッチパネルは、上記本発明の透明導電性積層体を備える。タッチパネルは、例えば、表示部とこの表示部の前面に配置されるタッチパネル部とを有する。透明導電性積層体は、このようなタッチパネル部における透明電極を有する透明電極基板として用いられる。タッチパネル部としては、上下の電極が接触することでタッチ位置を特定する抵抗膜式、静電容量の変化を感知する静電容量結合方式のいずれであってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって限定されない。また、例1が実施例であり、例2、例3が比較例である。厚さは、光学特性あるいはスパッタ成膜レートとスパッタ時間から求めた値であり、実際に測定した厚さではない。なお、厚さは、幾何学的厚さである。
(例1)
両面にハードコート層(アクリル樹脂層、8μm)を有する合計厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをハードコート層付き透明基材として用いた。該ハードコート層付き透明基材のハードコート層上に、厚さ7nmのSiOx1層(x1=1.95)を形成した。SiOx1層は、ボロンドープポリシリコンターゲットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを混合した混合ガスを導入しつつ、0.2Paの圧力でACマグネトロンスパッタを行って形成した。なお、SiOx1層の厚さの調整は、電力密度とスパッタ時間とを調整して行い、x1の調整は、電圧と酸素流量とを調整して行った。
両面にハードコート層(アクリル樹脂層、8μm)を有する合計厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをハードコート層付き透明基材として用いた。該ハードコート層付き透明基材のハードコート層上に、厚さ7nmのSiOx1層(x1=1.95)を形成した。SiOx1層は、ボロンドープポリシリコンターゲットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを混合した混合ガスを導入しつつ、0.2Paの圧力でACマグネトロンスパッタを行って形成した。なお、SiOx1層の厚さの調整は、電力密度とスパッタ時間とを調整して行い、x1の調整は、電圧と酸素流量とを調整して行った。
上記のSiOx1層上に厚さ3nmのSiOx2層(x2=2.0)を形成した。SiOx2層は、ボロンドープポリシリコンターゲットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを混合した混合ガスを導入しつつ、0.2Paの圧力でACマグネトロンスパッタを行って形成した。SiOx2層の厚さの調整は、電力密度とスパッタ時間とを調整して行い、x2の調整は電圧と酸素流量とを調整して行った。
上記SiOx1層、SiOx2層が形成されたPETフィルムのSiOx2層上に、インジウムスズ酸化物からなるターゲットを用い、アルゴンガスに1.4体積%の酸素ガスを混合した混合ガスを導入しつつ、0.25Paの圧力でDCマグネトロンスパッタを行って、厚さ23nmの非晶質層を形成した。インジウムスズ酸化物ターゲットは、10質量%の酸化スズ(SnO2)と90質量%の酸化インジウム(In2O3)とを混合し焼結させた焼結体からなる。また、非晶質層の厚さの調整は、電力密度とスパッタ時間とを調整して行った。なお、非晶質層におけるスズの酸化物換算での含有量はおよそ10質量%と推定される。
得られた積層体を100mm×100mmのサイズに切断して、後述の方法でシート抵抗値を測定した。得られた積層体をそのまま透明導電性積層体とできるが、本例においては、この積層体について、大気中で150℃、30分間の熱処理を行って透明導電性積層体を製造した。
(例2)
例1と同様の透明基材上に、厚さ10nmのSiOx1層(x1=1.95)を形成した。SiOx1層は、ボロンドープポリシリコンターゲットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを混合した混合ガスを導入しつつ、0.2Paの圧力でACマグネトロンスパッタを行って形成した。なお、SiOx1層の厚さの調整は、電力密度とスパッタ時間とを調整して行い、x1の調整は、電圧と酸素流量の調整で行った。SiOx1層の上に、SiOx2層を形成せずに直接、例1と同様にしてインジウムスズ酸化物を主体とする導電層の形成を行った。
例1と同様の透明基材上に、厚さ10nmのSiOx1層(x1=1.95)を形成した。SiOx1層は、ボロンドープポリシリコンターゲットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを混合した混合ガスを導入しつつ、0.2Paの圧力でACマグネトロンスパッタを行って形成した。なお、SiOx1層の厚さの調整は、電力密度とスパッタ時間とを調整して行い、x1の調整は、電圧と酸素流量の調整で行った。SiOx1層の上に、SiOx2層を形成せずに直接、例1と同様にしてインジウムスズ酸化物を主体とする導電層の形成を行った。
導電層の形成に際しては、例1と同様にインジウムスズ酸化物を主体とする非晶質層を熱処理する前に100mm×100mmのサイズに切断してシート抵抗値を測定した後、熱処理を行って透明導電性積層体を製造した。
(例3)
例1と同様の透明基材上に、SiOx1層を形成せずに直接、厚さ10nmのSiOx2層(x2=2.0)を形成した。SiOx2層は、ボロンドープポリシリコンターゲットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを混合した混合ガスを導入しつつ、0.2Paの圧力でACマグネトロンスパッタを行って形成した。SiOx2層の厚さの調整は、電力密度とスパッタ時間とを調整して行い、x2の調整は放電電圧と酸素流量とを調整して行った。SiOx2層の上に例1と同様にしてインジウムスズ酸化物を主体とする導電層の形成を行った。
例1と同様の透明基材上に、SiOx1層を形成せずに直接、厚さ10nmのSiOx2層(x2=2.0)を形成した。SiOx2層は、ボロンドープポリシリコンターゲットを用い、アルゴンガスに酸素ガスを混合した混合ガスを導入しつつ、0.2Paの圧力でACマグネトロンスパッタを行って形成した。SiOx2層の厚さの調整は、電力密度とスパッタ時間とを調整して行い、x2の調整は放電電圧と酸素流量とを調整して行った。SiOx2層の上に例1と同様にしてインジウムスズ酸化物を主体とする導電層の形成を行った。
導電層の形成に際しては、例1と同様にインジウムスズ酸化物を主体とする非晶質層を熱処理する前に100mm×100mmのサイズに切断してシート抵抗値を測定した後、熱処理を行って透明導電性積層体を製造した。
上記の各例で得られた透明導電性積層体をついて以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(b*値)
JIS Z8729(2004年)に基づき、C光源により透明導電性積層体の導電層側から入射した光の透過率スペクトル(380〜780nm)を、分光光度計(東京電色社製、TC−1800 MKIII)を用いて測定して、L*a*b*値を算出した。b*値を表1に示す。
(b*値)
JIS Z8729(2004年)に基づき、C光源により透明導電性積層体の導電層側から入射した光の透過率スペクトル(380〜780nm)を、分光光度計(東京電色社製、TC−1800 MKIII)を用いて測定して、L*a*b*値を算出した。b*値を表1に示す。
(シート抵抗値)
100mm×100mmのサイズの各透明導電性積層体を、Lorester(三菱化学社製、商品名)を用いて四探針法によりシート抵抗値を測定した。
100mm×100mmのサイズの各透明導電性積層体を、Lorester(三菱化学社製、商品名)を用いて四探針法によりシート抵抗値を測定した。
(耐アルカリ性)
各透明導電性積層体を、5.6質量%の水酸化カリウム水溶液(40℃)に3分間浸漬した後、透明導電性積層体の導電層側表面におけるクラックの有無を目視で確認し、以下の基準により判定を行った。
○:クラックが全く確認されない。
×:僅かでもクラックが確認される。
各透明導電性積層体を、5.6質量%の水酸化カリウム水溶液(40℃)に3分間浸漬した後、透明導電性積層体の導電層側表面におけるクラックの有無を目視で確認し、以下の基準により判定を行った。
○:クラックが全く確認されない。
×:僅かでもクラックが確認される。
(水蒸気バリア性)
各透明導電性積層体の水蒸気透過度を水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、製品名「PERMATRAN−W 3/33MG」)を用い、JIS K7129 B法(赤外センサー法)に準じて、温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下で測定した。なお、透明導電性積層体への調湿は、成膜面側から基材側へ水蒸気が透過する方向とした。水蒸気透過度が0.5g/m2/day以下であれば、良好な水蒸気バリア性を有するといえる。
各透明導電性積層体の水蒸気透過度を水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、製品名「PERMATRAN−W 3/33MG」)を用い、JIS K7129 B法(赤外センサー法)に準じて、温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下で測定した。なお、透明導電性積層体への調湿は、成膜面側から基材側へ水蒸気が透過する方向とした。水蒸気透過度が0.5g/m2/day以下であれば、良好な水蒸気バリア性を有するといえる。
表1から、例1の透明導電性積層体は、色味、抵抗値、耐アルカリ性、水蒸気バリア性のいずれについても良好な結果であることがわかる。なお、水蒸気バリア性については、酸化ケイ素層の総膜厚が同じ10nmであっても、SiOx1層とSiOx2層との積層構造を有する透明導電性積層体(例1)が最も良好な結果であった。酸化ケイ素層は本来、例3に示すように完全な酸化物(SiO2)になっている方がバリア性に優れるが、バリア性と基材との密着性とを両立させる場合、SiOx(x<2)のほうが結果的によくなる。従って、SiOx1層とSiOx2層との積層体が最も密着性が高く、かつバリア性に優れると考えられる。
10…透明導電性積層体、1…透明基材、2…SiOx1層、3…SiOx2層、4…導電層、5a,5b…樹脂層。
Claims (5)
- 透明基材と、
前記透明基材の一方の主面上に設けられた厚さが3〜60nmのSiOx1層(ただし、x1は1.8以上2.0未満である。)と、
前記SiOx1層上に設けられた厚さが0.2〜5nmのSiOx2層(ただし、x2は1.9以上2.0以下であり、かつx1より大きい。)と、
前記SiOx2層上に設けられたインジウムスズ酸化物を主体とする導電層と、
を有する透明導電性積層体。 - 前記SiOx1層の厚さが3〜10nmである請求項1記載の透明導電性積層体。
- 前記SiOx1層の厚さと前記SiOx2層の厚さの合計が10nm以下である請求項1または2記載の透明導電性積層体。
- 前記透明基材と前記SiOx1層との間に樹脂層を有する請求項1〜3のいずれか1項記載の透明導電性積層体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電性積層体を備えるタッチパネル。
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