JPWO2015068613A1 - トランスおよび通信端末装置 - Google Patents

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Abstract

複数の基材層が積層される積層体の、互いに異なる基材層に第1コイル導体(LP1)および第2コイル導体(LP2)が形成される。第1コイル導体(LP1)と第2コイル導体(LP2)は層間接続導体(V11,V12)で層間接続される。第1コイル導体(LP1)が形成するコイル開口(AP1)と第2コイル導体(LP2)が形成するコイル開口(AP2)とは、積層体の積層方向からの平面視で重なる。第1コイル導体(LP1)と第2コイル導体(LP2)とは、少なくとも2個所で層間接続導体(V11,V12)を介して接続される。これにより、第1コイル導体(LP1)の第1部(L11)と第2コイル導体(LP2)の第1部(L21)との並列接続部が構成され、第1コイル導体(LP1)の第2部(L12)および第2コイル導体(LP2)の第2部(L22)で直列接続部が構成される。

Description

本発明は、積層型コイル、インピーダンス変換回路およびそれを備えた通信端末装置に関する。
携帯電話端末などの無線通信機器の小型化に伴って、アンテナは小型化され、そのインピーダンスは低くなる傾向にある。そして、給電回路に比べてインピーダンスが非常に低いアンテナと給電回路とを、リアクタンス素子で整合させようとすると、すなわちインピーダンス変換比が大きくなると、整合する周波数帯域は狭帯域化してしまう。
一方、1つのアンテナで複数の通信システムに対応させる場合、例えば、ローバンド(例えば800MHz帯)とハイバンド(例えば2GHz帯)の通信システムに対応させる場合、1つの放射素子の基本共振モードと高次共振モードが利用される。しかし放射素子のインピーダンスは周波数によって異なるため、一方の周波数帯に整合する整合回路を設けると他方周波数で整合できないといった問題も生じる。
上記問題を解決するため、特許文献1に示されるように、整合回路にトランス回路を用いたインピーダンス変換回路が提案されている。
特許第4761009号公報
一般に、トランスの一次コイルおよび二次コイルの形状が同一で、且つ互いに近接配置される程、一次コイルと二次コイルの結合係数が高くなる。そこで、複数の基材層が積層された積層体にトランスが構成される場合、ループ状のコイル導体が積層方向に近接配置されれば結合係数は高くなる。
しかし、コイル導体を他のコイル導体や外部端子に接続するためには、コイル導体の形成領域外に配線を形成する必要がある。このような配線は、一次コイルと二次コイルとの結合には全く寄与しないため、この配線の存在によって、一次コイルと二次コイルの結合係数は劣化する。
また、トランス構造のインピーダンス変換回路やコモンモードチョークコイル等の積層型コイルを構成する際、コイル導体の形成領域外の上記配線の存在は小型化を阻害する要因となる。すなわち、層間を接続する層間接続導体とコイル導体との間には、絶縁状態を保つためにある程度の距離が必要である。その結果、コイル導体の形成領域のサイズを小さくする必要がある。ところが、コイル導体の形成領域が小さくなることで、一層あたりに得られるインダクタンスは小さくなり、所望のインダクタンスを得るためには、コイル導体の形成層数を増やす必要がある。その結果、結合係数が劣化するだけではなく、コイルのQ値の劣化を招く。積層体内部の配線を無くすために、積層体の側面電極を用いて配線を行う手法もある。しかし、積層体の側面電極の位置はサイズや用途により予め決定されており、変更の自由度は非常に低い。
また、一次コイルと二次コイルの結合係数を高めるには、それぞれのコイル導体が同一形状であることが重要である。ここで、コイル導体が形成された2つの基材層11,12の平面図を図8(A)、図8(B)に示す。図8(C)、図8(D)は、基材層11,12を重ねた状態での平面図である。図8(A)は、2つの基材層にほぼ1ターン分のコイル導体が形成され、積層体の一方端に給電端子P1、アンテナ端子P2およびグランド端子P3が形成された例である。図8(B)は積層体の上下左右に上記端子が形成された例である。いずれもコイル導体の所定位置で層間接続導体Vによって層間接続される。図8(A)、図8(C)に示す構造では高い結合係数が得られるが、側面電極の形成位置に自由度がない。また、図8(B)、図8(D)に示す構造では高い結合係数が得られない。
また、端子の形成位置を規定位置にするために、コイル導体を複数層に亘って形成することは有効である。例えば図9に示すように、複数の基材層11〜15にコイル導体を形成し、所定位置に層間接続導体V1〜V4を形成すれば、1ターン以上のコイルを形成して端子を積層体の対向する端部に配置することができる。しかし、この構造では非常に多くの基材層が必要となり、且つ、必要な(小さな)インダクタ値を得るのが困難となる。
そこで、本発明の目的は、上述の課題の解決に適する、所定のインダクタンス値を有する小型の積層型コイル、小型でありながら高い結合係数を得ることのできるインピーダンス変換回路、または、外部端子の位置が変更できない場合でも、所定のインダクタンスを得て、所定のインピーダンス変換比を定められるようにしたインピーダンス変換回路を提供すること、およびそれを備えた通信端末装置を提供することにある。
(1)本発明の積層型コイルは、
複数の基材層が積層される積層体の、互いに異なる前記基材層に形成される、第1コイル導体および第2コイル導体と、
前記第1コイル導体と前記第2コイル導体とを接続する層間接続導体と、を備え、
前記第1コイル導体が形成するコイル開口と前記第2コイル導体が形成するコイル開口とは、前記積層体の積層方向からの平面視で重なり、
前記層間接続導体の数は複数であり、
前記第1コイル導体と前記第2コイル導体とが、少なくとも2個所で前記層間接続導体を介して接続されることで、前記第1コイル導体の第1部と前記第2コイル導体の第1部との並列接続部が構成され、
前記並列接続部に接続され、前記第1コイル導体の第2部および前記第2コイル導体の第2部で直列接続部が構成される。
上記構成により、平面形状や平面サイズの制約があっても、所定のインダクタンスを有するコイルが得られる。また、コイルを構成しない配線が不要であるため、限られた面積にコイル開口の大きなコイル導体が形成でき、小型で所定インダクタンスのコイルが構成される。
(2)上記(1)において、前記第1コイル導体は実質的に1ターンのコイルを構成し、前記第2コイル導体は実質的に1ターンのコイルを構成することが好ましい。これにより、限られた面積にコイル開口の大きなコイル(実質的に1ターンのコイル)が構成でき、小型で所定インダクタンスのコイルが構成される。
(3)上記(1)または(2)において、前記第1コイル導体の第1端に繋がる第1外部端子、および前記第2コイル導体の第1端に繋がる第2外部端子が前記積層体に形成され、前記第1外部端子と前記第2外部端子は、前記第1コイル導体および前記第2コイル導体の形成領域を挟んで対向する位置に配置されることが好ましい。これにより、外部端子の引き出しが容易となる。
(4)上記(1)または(2)において、前記第1コイル導体の第1端に繋がる第1外部端子、および前記第2コイル導体の第1端に繋がる第2外部端子が前記積層体に形成され、前記第1コイル導体を、前記第1コイル導体の第1端からトレースするとき、前記並列接続部の開始位置は、前記第2コイル導体の第1端を越える位置であり、前記第2コイル導体を、前記第2コイル導体の第1端からトレースするとき、前記並列接続部の開始位置は、前記第1コイル導体の第1端を越える位置であることが好ましい。これにより、第1外部端子、第2外部端子の位置に応じて並列接続部を構成できる。すなわち、外部端子の配置に制約されずに、コイル導体は一部切欠のループ状になるので、外部端子位置の設計上の自由度が高い。
(5)本発明のインピーダンス変換回路は、
複数の基材層が積層される積層体と、
前記積層体に設けられ、互いにトランス結合する第1コイル素子および第2コイル素子と、を備え、
少なくとも前記第1コイル素子は、
互いに異なる前記基材層に形成される第1コイル導体および第2コイル導体と、
前記第1コイル導体と前記第2コイル導体とを接続する層間接続導体と、を備え、
前記第1コイル素子が形成するコイル開口および前記第2コイル素子が形成するコイル開口は、前記積層体の積層方向からの平面視で重なり、
前記層間接続導体の数は複数であり、
前記第1コイル導体と前記第2コイル導体とが、少なくとも2個所で前記層間接続導体を介して接続されることで、前記第1コイル導体の第1部と前記第2コイル導体の第1部との並列接続部が構成され、
前記並列接続部に接続され、前記第1コイル導体の第2部および前記第2コイル導体の第2部で直列接続部が構成される。
上記構成により、引き出し電極のような、コイルを構成しない配線が不要であるため、コイル導体のループ形状を維持して、高い結合係数が得られる。また、外部端子の位置に制約されずにコイル導体は一部切欠のループ状になるので、外部端子位置の設計上の自由度が高い。
(6)上記(5)において、前記第1コイル素子の第1端に繋がる第1外部端子、および前記第1コイル素子の第2端に繋がる第2外部端子が前記積層体に形成され、前記第1コイル素子を構成する前記第1コイル導体を、前記第1コイル導体の第1端からトレースするとき、前記並列接続部の開始位置は、前記第2コイル導体の第1端を越える位置であることが好ましい。これにより、第1外部端子、第2外部端子の位置に応じて並列接続部を構成できる。すなわち、外部端子の配置に制約されずに、コイル導体は一部切欠のループ状になるので、外部端子位置の設計上の自由度が高い。
(7)上記(5)または(6)において、給電端子、アンテナ端子およびグランド端子を備え、前記給電端子は前記第1コイル素子の第1端に繋がり、前記アンテナ端子は前記第1コイル素子の第2端および前記第2コイル素子の第1端に繋がり、前記グランド端子は前記第2コイル素子の第2端に繋がることが好ましい。これにより、オートトランス構造となって、大きなインピーダンス変換比が得られる。また、給電端子からアンテナ端子まで第1コイル素子を介して直接接続されるので、トランス構造による挿入損失の増大は抑制される。
(8)上記(7)において、前記給電端子、前記アンテナ端子および前記グランド端子は前記積層体の側面に形成されることが好ましい。これにより、各端子への引き出し(引き回し)距離が最短化でき、大きなコイル開口を確保できる。
(9)上記(7)または(8)において、前記給電端子は前記積層体の第1側面に形成され、前記アンテナ端子は、前記積層体の第1側面に対向する第2側面に形成され、前記グランド端子は前記積層体の第3側面に形成されることが好ましい。これにより、給電回路とアンテナとの間に本インピーダンス変換回路を配置する状態で、給電回路とアンテナとの間の信号伝送経路への挿入およびグランドとの接続が容易となる。
(10)上記(5)〜(9)において、
前記基材層は誘電体もしくは磁性体、または誘電体および磁性体である。これにより、第1コイル素子と第2コイル素子との結合度が高まり、インピーダンス変換比を大きくできる。また、所定のインダクタンスを得るに要する、第1コイル素子および第2コイル素子のコイル導体長が短くなるので、小型化できる。
(11)本発明の通信端末装置は、高周波信号を送受信するアンテナと、このアンテナに対する給電回路とを備え、前記給電回路と前記アンテナとの間に、上記インピーダンス変換回路を備えたことを特徴としている。これにより、小型でありながら大きな所定のインピーダンス変換比のインピーダンス変換回路を備えることで、小型の(より低インピーダンスの)アンテナを備えることができ、全体に小型で低損失の通信端末装置が構成される。
本発明のインピーダンス変換回路によれば、所定のインダクタンス値を有する小型の積層型コイル、小型でありながら高い結合係数を得ることのできるインピーダンス変換回路、または外部端子の位置が変更できない場合でも、所定のインダクタンスを得て、所定のインピーダンス変換比を定められるようにしたインピーダンス変換回路が構成できる。また、このインピーダンス変換回路を備えた通信端末装置を構成できる。
図1は第1の実施形態に係る積層型コイル10の導体部分のみを表す斜視図である。 図2は積層型コイル10の2つの基材層に形成される導体パターンを示す平面図である。 図3は積層型コイル10の回路図である。 図4は第2の実施形態に係るインピーダンス変換回路101の内部透視斜視図である。 図5はインピーダンス変換回路101の各基材層に形成される導体パターンと電流経路を示す図である。 図6(A)は、図4、図5に示したインピーダンス変換回路101の回路図、図6(B)はインピーダンス変換回路101の等価回路図である。 図7は第3の実施形態に係る携帯電話端末等の通信端末装置の構成を示す図である。 図8(A)(B)は、コイル導体が形成された2つの基材層11,12の平面図である。図8(C)(D)は、基材層11,12を重ねた状態での平面図である。 図9はコイル導体を複数層に亘って形成した各基材層の平面図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付す。各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係る積層型コイル10の導体部分のみを表す斜視図である。図2は積層型コイルの2つの基材層に形成される導体パターンを示す平面図である。
積層型コイル10は、複数の基材層が積層される積層体の、互いに異なる基材層に形成される、第1コイル導体LP1および第2コイル導体LP2を備える。また、積層型コイル10は第1コイル導体LP1と第2コイル導体LP2とを接続する層間接続導体(ビア)V11,V12を備える。第1コイル導体LP1が形成するコイル開口AP1と第2コイル導体LP2が形成するコイル開口AP2とは、積層体の積層方向からの平面視で重なる。
第1コイル導体LP1と第2コイル導体LP2とは2個所で層間接続導体V11,V12を介して接続される。
図3は積層型コイル10の回路図である。この図3に表すように、第1コイル導体LP1の第1部L11と第2コイル導体LP2の第1部L21との並列接続部PPが構成される。また、並列接続部に接続され、第1コイル導体LP1の第2部L12および第2コイル導体LP2の第2部L22で直列接続部SPが構成される。ここで、第1コイル導体LP1の第1部L11と第2コイル導体LP2の第1部L21のインダクタンスをL11,L21で表し、第1コイル導体LP1の第2部L12と第2コイル導体LP2の第2部L22のインダクタンスをL12,L22で表すと、この積層型コイル10のインダクタンスLは次式で表される。
L = L12 + L22 + L11・L21 / (L11 + L21)
図1、図2に示したように、本実施形態の積層型コイル10の第1コイル導体LP1は実質的に1ターンのコイルを構成し、第2コイル導体LP2は実質的に1ターンのコイルを構成する。また、第1コイル導体LP1の第1端E11に繋がる第1外部端子T1、および第2コイル導体LP2の第1端E21に繋がる第2外部端子T2が積層体に形成される。また、第1外部端子T1と第2外部端子T2は、第1コイル導体LP1および第2コイル導体LP2の形成領域を挟んで対向する位置に配置される。
積層型コイル10は、第1コイル導体LP1を、第1コイル導体LP1の第1端E11から右回りにトレースする(なぞる)とき、並列接続部の開始位置である層間接続導体V11の形成位置は、第2コイル導体LP2の第1端E21を越える位置である。また、第2コイル導体LP2を、第2コイル導体LP2の第1端E21から左回りにトレースするとき、並列接続部の開始位置である層間接続導体V12の形成位置は、第1コイル導体LP1の第1端E11を越える位置である。
以上に示した構成により、次のような効果を奏する。
(a)層間接続導体V11,V12の位置によって、並列接続部PPのインダクタンスおよび直列接続部SPのインダクタンスが定まるので、コイル開口を変えることなく、層間接続導体V11,V12の位置によって、積層型コイル10の合成インダクタンスを所定値に定めることができる。
(b)コイルを構成しない配線が不要であり、第1コイル導体LP1が形成するコイル開口AP1と第2コイル導体LP2が形成するコイル開口AP2とは、積層体の積層方向からの平面視で重なるので、限られた平面サイズで大きなコイル開口が得られる。
(c)限られた面積にコイル開口の大きなコイル(1つの基材層に実質的に1ターンのコイル)が構成でき、限られた平面サイズで大きなコイル開口が得られる。
(d)第1外部端子と第2外部端子は、第1コイル導体および第2コイル導体の形成領域を挟んで対向する位置に配置されるので、外部端子の引き出しが容易である。
(e)第1コイル導体を、第1コイル導体の第1端からトレースするとき、並列接続部の開始位置は、第2コイル導体の第1端を越える位置であり、第2コイル導体を、第2コイル導体の第1端からトレースするとき、並列接続部の開始位置は、第1コイル導体の第1端を越える位置であることにより、第1外部端子、第2外部端子の位置に応じて並列接続部を構成できる。すなわち、外部端子の配置に制約されずに、コイル導体は一部切欠のループ状になるので、外部端子位置の設計上の自由度が高い。
なお、第1コイル導体LP1が形成するコイル開口AP1と第2コイル導体LP2が形成するコイル開口AP2とは、コイル開口AP1の全体とコイル開口AP2の全体とが、積層体の積層方向からの平面視で重なることが好ましいが、重ならない部分があってもよい。
《第2の実施形態》
図4は第2の実施形態に係るインピーダンス変換回路101の内部透視斜視図である。但し、積層構造の分かりやすさを考慮して、積層方向の寸法は誇張して表されている。実際の寸法は、例えば実装面は1.6mm×0.8mm、高さは0.6mmである。
後に詳述するように、積層体20は複数の基材層が積層されることより構成される。
複数の基材層のうち所定の基材層に各種導体パターンが形成される。4つの基材層にコイル導体LP1,LP2,LP3,LP4がそれぞれ形成される。各コイル導体LP1,LP2,LP3,LP4は所定位置で層間接続導体(ビア)V11,V12,V21,V22等により層間接続される。
第1コイル導体LP1と第2コイル導体LP2とを所定個所で層間接続する2つの層間接続導体V11,V12と、第1コイル導体LP1と、第2コイル導体LP2とを備えて、第1コイル素子が構成される。同様に、第3コイル導体LP3と第4コイル導体LP4とを所定個所で層間接続する2つの層間接続導体と第3コイル導体LP3と、第4コイル導体LP4とを備えて、第2コイル素子が構成される。
第1コイル素子が形成するコイル開口および第2コイル素子が形成するコイル開口は、積層体20の積層方向からの平面視で重なる。
積層体20の外面には、外部端子である、給電端子P1、アンテナ端子P2、グランド端子P3および空き端子NCがそれぞれ形成される。具体的には、積層体20の第1側面に給電端子P1、第1側面に対向する第2側面にアンテナ端子P2、がそれぞれ形成される。第3側面にはグランド端子P3、第3側面に対向する第4側面には空き端子NCがそれぞれ形成される。積層体20の下面および上面には、側面の外部端子に繋がる、給電端子P1、アンテナ端子P2、グランド端子P3および空き端子NCがそれぞれ形成される。
第1コイル素子の第1端(第1コイル導体LP1の一方の端部)は給電端子P1に導通する。第2コイル素子の第1端(第3コイル導体LP3の一方の端部)はアンテナ端子P2に導通する。第2コイル素子の第2端(第4コイル導体LP4の一方の端部)はグランド端子P3に導通する。
図5はインピーダンス変換回路101の各基材層に形成される導体パターンと電流経路を示す図である。基材層15に第1コイル導体LP1、基材層14に第2コイル導体LP2、基材層13に第3コイル導体LP3、基材層12に第4コイル導体LP4、がそれぞれ形成される。第1コイル導体LP1および第2コイル導体LP2は第1コイル素子L1の一部を構成する。また、第3コイル導体LP3および第4コイル導体LP4は第2コイル素子L2の一部を構成する。
第1コイル導体LP1と第2コイル導体LP2とは、2個所で層間接続導体V11,V12で層間接続される。第1コイル導体LP1の第1部である導体パターンL1B1と第2コイル導体LP2の第1部である導体パターンL1B2とは、2つの層間接続導体V11,V12を介して並列接続される。
第1コイル導体LP1の第2部である導体パターンL1Aの一方の端部は給電端子P1に導通する。第1コイル導体LP1の第2部である導体パターンL1Cの一方の端部は層間接続導体V21を介して第3コイル導体LP3の導体パターンL2B2の一方の端部に接続される。
このように、第1コイル導体LP1および第2コイル導体LP2は、層間接続導体V11,V12を介して部分的に並列接続されるとともに全体が直列接続される。また、第1コイル素子L1は、一部切欠のループ状になる。
第3コイル導体LP3と第4コイル導体LP4とは、2個所で層間接続導体V22,V23で層間接続される。第3コイル導体LP3の第1部である導体パターンL2B2と第4コイル導体LP4の第1部である導体パターンL2B1とは、2つの層間接続導体V22,V23を介して並列接続される。
第3コイル導体LP3の第2部である導体パターンL2Cの一方の端部はアンテナ端子P2に導通する。第4コイル導体LP4の第2部である導体パターンL2Aの一方の端部はグランド端子P3に導通する。
このように、第3コイル導体LP3および第4コイル導体LP4は、層間接続導体V22,V23を介して部分的に並列接続されるとともに全体が直列接続される。また、第2コイル素子L2は、一部切欠のループ状になる。
図5に表れるように、第1コイル素子L1の端部に繋がる給電端子P1は積層体の外方(側面)に形成され、層間接続導体V12は給電端子P1の近傍に形成される。第1コイル素子L1を構成する複数のコイル導体を、第1コイル素子L1の第1端(給電端子P1に繋がる端部)から周回方向(図5において右回り方向)にトレースしたとき、層間接続導体V11による並列接続の開始位置(層間接続導体V11の位置)は、第1コイル素子L1の第2端が接続されるアンテナ端子P2の近傍を通り越した位置である。また、第2コイル素子L2を構成する複数のコイル導体を、第2コイル素子L2の第1端(グランド端子P3に繋がる端部)から周回方向(図5において左回り方向)にトレースしたとき、層間接続導体V23による並列接続の開始位置(層間接続導体V23の位置)は、第2コイル素子L2の第2端が接続されるアンテナ端子P2の近傍を通り越した位置である。第2コイル素子L2を構成する複数のコイル導体を、第2コイル素子L2の第2端(アンテナ端子P2に繋がる端部)から周回方向(図5において右回り方向)にトレースしたとき、層間接続導体V22による並列接続の開始位置(層間接続導体V22の位置)は、第2コイル素子L2の第1端が接続されるグランド端子P3の近傍を通り越した位置である。
図5において、第1コイル導体LP1および第2コイル導体LP2には、給電端子P1→導体パターンL1A→導体パターン(L1B1+L1B2)→導体パターンL1C→アンテナ端子P2の経路で電流が流れる。また、第3コイル導体LP3および第4コイル導体LP4には、アンテナ端子P2→導体パターンL2C→導体パターン(L2B2+L2B1)→導体パターンL2A→グランド端子P3の経路で電流が流れる。
基材層11〜16は誘電体(絶縁体)または磁性体の層である。例えば、誘電体セラミックスのグリーンシートを使用し、それらを積層圧着して焼成することにより積層体20を構成してもよいし、樹脂シートを圧着して積層体20を構成してもよい。また、磁性体セラミックスのグリーンシートを使用し、それらを積層圧着して焼成することにより積層体20を構成してもよいし、磁性体フィラーを分散させた樹脂シートを圧着して積層体20を構成してもよい。さらには、磁芯となるべき層のみを磁性体とし、その他の層を誘電体としてもよい。例えば複数の基材層のうち、基材層13,14,15を、磁性体を有する層とし、その他の基材層を非磁性体の層とする。
このように、磁性体を有する積層体に、第1コイル素子L1および第2コイル素子L2を設けることにより、第1コイル素子L1と第2コイル素子L2との結合度が高まり、相互インダクタンスが大きくなるため、インピーダンス変換比を大きくできる。また、所定のインダクタンスを得るに要する、第1コイル素子L1および第2コイル素子L2のコイル導体長が短くなるので、インピーダンス変換回路101はより小型になる。
積層体20は直方体形状であり、平面視での2つの短辺の中央に給電端子P1とアンテナ端子P2がそれぞれ配置され、2つの長辺の中央にグランド端子P3と空き端子NCがそれぞれ配置されている。そのため、給電回路とアンテナとの間の信号伝送経路の途中に、インピーダンス変換回路101を容易に配置できる。特に、給電回路とアンテナとの間の信号伝送経路がコプレーナラインである場合に、給電端子P1とアンテナ端子P2を中心導体に接続し、グランド端子P3と空き端子NCを回路基板のグランド導体に容易に接続できる。すなわち、各端子を接続するための引き回しパターンや特別なランドパターンを設ける必要がなく、回路基板へのインピーダンス変換回路101の実装が容易である。
図6(A)は、図4、図5に示したインピーダンス変換回路101の回路図、図6(B)はインピーダンス変換回路101の等価回路図である。インピーダンス変換回路101の給電端子P1に給電回路30が接続され、アンテナ端子P2にアンテナ40が接続される。グランド端子P3はグランドに接続される。
インピーダンス変換回路101は、給電端子P1に接続された第1コイル素子L1と、第1コイル素子L1に結合した第2コイル素子L2とを備える。より具体的には、第1コイル素子L1の第1端は給電端子P1に、第2端はアンテナ端子P2にそれぞれ接続され、第2コイル素子L2の第1端はアンテナ端子P2に、第2端はグランド端子P3にそれぞれ接続される。
このインピーダンス変換回路101は第1コイル素子L1と第2コイル素子L2とを相互インダクタンスを介して密結合したトランス型回路を含む。このトランス型回路は、図6(B)に示すように、三つのインダクタンス素子Z1,Z2,Z3によるT型回路に等価変換できる。すなわち、このT型回路は、給電回路30に接続される給電端子P1、アンテナ端子P2、グランド端子P3、給電端子P1と分岐点Aとの間に接続されたインダクタンス素子Z1、アンテナ端子P2と分岐点Aとの間に接続されたインダクタンス素子Z2、およびグランド端子P3と分岐点Aとの間に接続された第3インダクタンス素子Z3で構成される。
第1コイル素子L1と第2コイル素子L2との結合による相互インダクタンスをM、第1コイル素子L1のインダクタンスをL1、第2コイル素子L2のインダクタンスをL2、でそれぞれ表すと、インダクタンス素子Z1,Z2,Z3のインダクタンスは次のとおりである。
Z1:L1+M
Z2:−M
Z3:L2+M
また、変圧比は(L1+L2+2M):L2である。
以上に示した構成により次のような効果を奏する。
(a)コイル開口の形状を実質的に同じにできるので、第1コイル素子L1のコイル開口の全体と第2コイル素子L2のコイル開口の全体とが重ねられる。このことにより、第1コイル素子L1および第2コイル素子L2間の高い電磁界結合が得られる。
(b)第1コイル導体LP1および第2コイル導体LP2を接続する層間接続導体は、第1コイル導体LP1および第2コイル導体LP2の形成位置上にあり、第3コイル導体LP3および第4コイル導体LP4を接続する層間接続導体は、第3コイル導体LP3および第4コイル導体LP4の形成位置上にあるので、層間接続導体形成のための領域が不要であり、コイル導体の形成領域外に配線を形成する必要がない。そのため、限られた領域にループ状コイル導体を形成でき、小型化できる。
(c)4つのコイル導体LP1,LP2,LP3,LP4は、層間接続導体を介して部分的に並列接続されるとともに全体が直列接続されるので、第1コイル素子および第2コイル素子のインダクタンスを容易に所定値に定めることができる。
(d)第1コイル素子L1の第1端からコイル導体をトレースしたとき、層間接続導体による並列接続の開始位置は、第1コイル素子の第2端が接続される外部端子の近傍を通り越した位置であり、第2コイル素子L2の第1端からコイル導体をトレースしたとき、層間接続導体による並列接続の開始位置は、第2コイル素子の第2端が接続される外部端子の近傍を通り越した位置であるので、外部端子の位置に応じて並列接続部を構成できる。すなわち、外部端子の配置に制約されずに、コイル導体は一部切欠のループ状になるので、外部端子位置の設計上の自由度が高い。
(e)積層体の側面電極を利用して層間接続を行っているため、並列接続のための層間接続導体以外の層間接続導体が積層体内に不要となり、コイル素子の磁気的開口面を大きくすることができ、全体に小型化できる。すなわち、小型で大きな結合係数が得られる。
(f)第1コイル素子と第2コイル素子とによりオートトランスが構成されるので、第1コイル素子と第2コイル素子とにより生じる相互インダクタンス(M)の作用でインピーダンス変換比を大きくできる。また、給電端子からアンテナ端子まで第1コイル素子を介して直接接続されるので、トランス構造による挿入損失の増大は抑制される。
なお、第1コイル素子L1のコイル開口と第2コイル素子L2のコイル開口とは、それらの全体とが、積層体の積層方向からの平面視で重なることが好ましいが、重ならない部分があってもよい。
《第3の実施形態》
図7は第3の実施形態に係る携帯電話端末等の通信端末装置の構成を示す図である。この図7では、通信端末装置の筐体内の主要部について表される。筐体内にアンテナ40および回路基板が設けられ、回路基板にはグランド導体50、インピーダンス変換回路101および給電回路30が設けられる。アンテナ40はT分岐型アンテナである。グランド導体50はアンテナ40のイメージ形成用導体として作用、またはアンテナ40とともに放射素子として作用する。
インピーダンス変換回路101の構成は第2の実施形態で示したとおりである。インピーダンス変換回路101の給電端子P1は給電回路30に接続され、インピーダンス変換回路101のアンテナ端子P2はアンテナ40に接続され、インピーダンス変換回路101のグランド端子P3は回路基板のグランド導体50に接続される。
インピーダンス変換回路101は、小型でありながら大きな所定のインピーダンス変換比をもつことができるので、小型の(より低インピーダンスの)アンテナ40を備えることができ、全体に小型で低損失の通信端末装置が構成される。
《他の実施形態》
第1・第2の実施形態では、各コイル導体がほぼ矩形のループ状である例を示したが、コイル導体のループ形状はこれに限らない。例えば円形、楕円形、角に丸みをもつ四角形、角をカットした四角形などであってもよい。矩形であれば、限られたスペースでコイル開口を稼ぐことができる。円形、楕円形、角に丸みをもつ四角形であれば、角部における損失を低減できる。
第1・第2の実施形態では、隣接する基材層に形成された2つのコイル導体を2つの層間接続導体で接続することにより、1つの並列接続部を構成した例を示したが、本発明はこの構成に限られない。第1コイル導体と第2コイル導体とが3個所以上で層間接続導体を介して接続されることで、第1コイル導体と第2コイル導体との並列接続部が2個所以上構成されてもよい。
本発明は、トランス構造のインピーダンス変換回路以外にコモンモードチョークコイル等の積層型コイルにも同様に適用される。例えば、積層体に第1コイル素子と第2コイル素子を、それらのコイル開口が積層体の積層方向からの平面視で重なるように設け、第1コイル素子の2つの端子と第2コイル素子の2つの端子をそれぞれ積層体に形成する。
AP1,AP2…コイル開口
E11…第1コイル導体の第1端
E12…第1コイル導体の第2端
E21…第2コイル導体の第1端
E22…第2コイル導体の第2端
L1…第1コイル素子
L2…第2コイル素子
L11…第1コイル導体の第1部
L12…第1コイル導体の第2部
L21…第2コイル導体の第1部
L22…第2コイル導体の第2部
L1A,L1B1,L1B2,L1C…導体パターン
L2A,L2B1,L2B2,L2C…導体パターン
LP1…第1コイル導体
LP2…第2コイル導体
LP3…第3コイル導体
LP4…第4コイル導体
NC…空き端子
P1…給電端子
P2…アンテナ端子
P3…グランド端子
PP…並列接続部
SP…直列接続部
V,V1〜V4…層間接続導体
V11,V12,V21,V22,V23…層間接続導体
11〜16…基材層
10…積層型コイル
20…積層体
30…給電回路
40…アンテナ
50…グランド導体
101…インピーダンス変換回路
本発明は、トランスおよびそれを備えた通信端末装置に関する。
携帯電話端末などの無線通信機器の小型化に伴って、アンテナは小型化され、そのインピーダンスは低くなる傾向にある。そして、給電回路に比べてインピーダンスが非常に低いアンテナと給電回路とを、リアクタンス素子で整合させようとすると、すなわちインピーダンス変換比が大きくなると、整合する周波数帯域は狭帯域化してしまう。
一方、1つのアンテナで複数の通信システムに対応させる場合、例えば、ローバンド(例えば800MHz帯)とハイバンド(例えば2GHz帯)の通信システムに対応させる場合、1つの放射素子の基本共振モードと高次共振モードが利用される。しかし放射素子のインピーダンスは周波数によって異なるため、一方の周波数帯に整合する整合回路を設けると他方周波数で整合できないといった問題も生じる。
上記問題を解決するため、特許文献1に示されるように、整合回路にトランス回路を用いたインピーダンス変換回路が提案されている。
特許第4761009号公報
一般に、トランスの一次コイルおよび二次コイルの形状が同一で、且つ互いに近接配置される程、一次コイルと二次コイルの結合係数が高くなる。そこで、複数の基材層が積層された積層体にトランスが構成される場合、ループ状のコイル導体が積層方向に近接配置されれば結合係数は高くなる。
しかし、コイル導体を他のコイル導体や外部端子に接続するためには、コイル導体の形成領域外に配線を形成する必要がある。このような配線は、一次コイルと二次コイルとの結合には全く寄与しないため、この配線の存在によって、一次コイルと二次コイルの結合係数は劣化する。
また、トランス構造のインピーダンス変換回路やコモンモードチョークコイル等の積層型コイルを構成する際、コイル導体の形成領域外の上記配線の存在は小型化を阻害する要因となる。すなわち、層間を接続する層間接続導体とコイル導体との間には、絶縁状態を保つためにある程度の距離が必要である。その結果、コイル導体の形成領域のサイズを小さくする必要がある。ところが、コイル導体の形成領域が小さくなることで、一層あたりに得られるインダクタンスは小さくなり、所望のインダクタンスを得るためには、コイル導体の形成層数を増やす必要がある。その結果、結合係数が劣化するだけではなく、コイルのQ値の劣化を招く。積層体内部の配線を無くすために、積層体の側面電極を用いて配線を行う手法もある。しかし、積層体の側面電極の位置はサイズや用途により予め決定されており、変更の自由度は非常に低い。
また、一次コイルと二次コイルの結合係数を高めるには、それぞれのコイル導体が同一形状であることが重要である。ここで、コイル導体が形成された2つの基材層11,12の平面図を図8(A)、図8(B)に示す。図8(C)、図8(D)は、基材層11,12を重ねた状態での平面図である。図8(A)は、2つの基材層にほぼ1ターン分のコイル導体が形成され、積層体の一方端に給電端子P1、アンテナ端子P2およびグランド端子P3が形成された例である。図8(B)は積層体の上下左右に上記端子が形成された例である。いずれもコイル導体の所定位置で層間接続導体Vによって層間接続される。図8(A)、図8(C)に示す構造では高い結合係数が得られるが、側面電極の形成位置に自由度がない。また、図8(B)、図8(D)に示す構造では高い結合係数が得られない。
また、端子の形成位置を規定位置にするために、コイル導体を複数層に亘って形成することは有効である。例えば図9に示すように、複数の基材層11〜15にコイル導体を形成し、所定位置に層間接続導体V1〜V4を形成すれば、1ターン以上のコイルを形成して端子を積層体の対向する端部に配置することができる。しかし、この構造では非常に多くの基材層が必要となり、且つ、必要な(小さな)インダクタ値を得るのが困難となる。
そこで、本発明の目的は、上述の課題の解決に適する、所定のインダクタンス値を有する小型のトランス、小型でありながら高い結合係数を得ることのできるトランス、または、外部端子の位置が変更できない場合でも、所定のインダクタンスを得て、所定のインピーダンス変換比を定められるようにしたトランスを提供すること、およびこのトランスを備えた通信端末装置を提供することにある。
)本発明のトランスは、
複数の基材層が積層される積層体と、
前記積層体に設けられ、前記複数の基材層の積層方向からの平面視で互いに重なり、互いに結合する第1コイル素子および第2コイル素子と、
を備え、
少なくとも前記第1コイル素子は、前記複数の基材層のうち互いに異なる基材層に形成され、前記平面視で互いに重なる、第1コイル導体および第2コイル導体を備え、
前記第1コイル導体と前記第2コイル導体とが、少なくとも2個所で層間接続導体を介して接続されることで、前記第1コイル素子の一部に、前記第1コイル導体の一部と前記第2コイル導体の一部を含んだ第1並列接続部が構成されている、
ことを特徴とする
上記構成により、引き出し電極のような、コイルを構成しない配線が不要であるため、コイル導体のループ形状を維持して、高い結合係数が得られる。また、外部端子の位置に制約されずにコイル導体は一部切欠のループ状になるので、外部端子位置の設計上の自由度が高い。
)上記()において、前記第1コイル素子の第1端に繋がる第1外部端子、および前記第1コイル素子の第2端に繋がる第2外部端子が前記積層体に形成され、
前記第1コイル素子を構成する前記第1コイル導体を、前記第1コイル導体の前記第1端からトレースするとき、前記第1並列接続部の開始位置は、前記第2コイル導体の前記第1端を越える位置であることが好ましい。これにより、第1外部端子、第2外部端子の位置に応じて並列接続部を構成できる。すなわち、外部端子の配置に制約されずに、コイル導体は一部切欠のループ状になるので、外部端子位置の設計上の自由度が高い。
)上記()において、給電端子、アンテナ端子およびグランド端子を備え、前記給電端子は前記第1コイル素子の第1端に繋がり、前記アンテナ端子は前記第1コイル素子の第2端および前記第2コイル素子の第1端に繋がり、前記グランド端子は前記第2コイル素子の第2端に繋がることが好ましい。これにより、オートトランス構造となって、大きなインピーダンス変換比が得られる。また、給電端子からアンテナ端子まで第1コイル素子を介して直接接続されるので、トランス構造による挿入損失の増大は抑制される。
)上記()において、前記給電端子、前記アンテナ端子および前記グランド端子は前記積層体の側面に形成されることが好ましい。これにより、各端子への引き出し(引き回し)距離が最短化でき、大きなコイル開口を確保できる。
)上記()または()において、前記給電端子は前記積層体の第1側面に形成され、前記アンテナ端子は、前記積層体の第1側面に対向する第2側面に形成され、前記グランド端子は前記積層体の第3側面に形成されることが好ましい。これにより、給電回路とアンテナとの間に本インピーダンス変換回路を配置する状態で、給電回路とアンテナとの間の信号伝送経路への挿入およびグランドとの接続が容易となる。
)上記()〜(のいずれかにおいて、
前記基材層は誘電体もしくは磁性体、または誘電体および磁性体である。これにより、第1コイル素子と第2コイル素子との結合度が高まり、インピーダンス変換比を大きくできる。また、所定のインダクタンスを得るに要する、第1コイル素子および第2コイル素子のコイル導体長が短くなるので、小型化できる。
(7)上記(1)において、前記第2コイル素子は、前記複数の基材層のうち互いに異なる基材層に形成され、前記平面視で互いに重なる、第3コイル導体および第4コイル導体を備え、前記第3コイル導体と前記第4コイル導体とが、少なくとも2個所で層間接続導体を介して接続されることで、前記第2コイル素子の一部に、前記第3コイル導体の一部と前記第4コイル導体の一部とを含んだ第2並列接続部が構成されている、ことが好ましい。
(8)上記(7)において、前記第1並列接続部と前記第2並列接続部とは、前記平面視で異なる領域に構成されていることが好ましい。
)本発明の通信端末装置は、高周波信号を送受信するアンテナと、前記アンテナに対する給電回路と、前記給電回路と前記アンテナとの間に設けられたトランスとを備える通信端末装置であって
前記トランスは、
複数の基材層が積層される積層体と、
前記積層体に設けられ、前記複数の基材層の積層方向からの平面視で互いに重なり、互いに結合する第1コイル素子および第2コイル素子と、
を備え、
少なくとも前記第1コイル素子は、前記複数の基材層のうち互いに異なる基材層に形成され、前記平面視で互いに重なる、第1コイル導体および第2コイル導体を備え、
前記第1コイル導体と前記第2コイル導体とが、少なくとも2個所で層間接続導体を介して接続されることで、前記第1コイル素子の一部に、前記第1コイル導体の一部と前記第2コイル導体の一部を含んだ第1並列接続部が構成されている、
ことを特徴とする。これにより、上記トランスは小型でありながら大きな所定のインピーダンス変換比のインピーダンス変換回路として作用し、小型の(より低インピーダンスの)アンテナを備えることができ、全体に小型で低損失の通信端末装置が構成される。
本発明によれば、所定のインダクタンス値を有する小型のトランス、小型でありながら高い結合係数を得ることのできるトランス、または外部端子の位置が変更できない場合でも、所定のインダクタンスを得て、所定のインピーダンス変換比を定められるようにしたトランスが構成できる。また、このトランスを備えた通信端末装置を構成できる。
図1は第1の実施形態に係る積層型コイル10の導体部分のみを表す斜視図である。 図2は積層型コイル10の2つの基材層に形成される導体パターンを示す平面図である。 図3は積層型コイル10の回路図である。 図4は第2の実施形態に係るインピーダンス変換回路101の内部透視斜視図である。 図5はインピーダンス変換回路101の各基材層に形成される導体パターンと電流経路を示す図である。 図6(A)は、図4、図5に示したインピーダンス変換回路101の回路図、図6(B)はインピーダンス変換回路101の等価回路図である。 図7は第3の実施形態に係る携帯電話端末等の通信端末装置の構成を示す図である。 図8(A)(B)は、コイル導体が形成された2つの基材層11,12の平面図である。図8(C)(D)は、基材層11,12を重ねた状態での平面図である。 図9はコイル導体を複数層に亘って形成した各基材層の平面図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付す。各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。
《第1の実施形態》
第1の実施形態では、本発明に係るトランスの一例としての積層型コイルについて示す。
図1は第1の実施形態に係る積層型コイル10の導体部分のみを表す斜視図である。図2は積層型コイルの2つの基材層に形成される導体パターンを示す平面図である。
積層型コイル10は、複数の基材層が積層される積層体の、互いに異なる基材層に形成される、第1コイル導体LP1および第2コイル導体LP2を備える。また、積層型コイル10は第1コイル導体LP1と第2コイル導体LP2とを接続する層間接続導体(ビア)V11,V12を備える。第1コイル導体LP1が形成するコイル開口AP1と第2コイル導体LP2が形成するコイル開口AP2とは、積層体の積層方向からの平面視で重なる。
第1コイル導体LP1と第2コイル導体LP2とは2個所で層間接続導体V11,V12を介して接続される。
図3は積層型コイル10の回路図である。この図3に表すように、第1コイル導体LP1の第1部L11と第2コイル導体LP2の第1部L21との並列接続部PPが構成される。また、並列接続部に接続され、第1コイル導体LP1の第2部L12および第2コイル導体LP2の第2部L22で直列接続部SPが構成される。ここで、第1コイル導体LP1の第1部L11と第2コイル導体LP2の第1部L21のインダクタンスをL11,L21で表し、第1コイル導体LP1の第2部L12と第2コイル導体LP2の第2部L22のインダクタンスをL12,L22で表すと、この積層型コイル10のインダクタンスLは次式で表される。
L = L12 + L22 + L11・L21 / (L11 + L21)
図1、図2に示したように、本実施形態の積層型コイル10の第1コイル導体LP1は実質的に1ターンのコイルを構成し、第2コイル導体LP2は実質的に1ターンのコイルを構成する。また、第1コイル導体LP1の第1端E11に繋がる第1外部端子T1、および第2コイル導体LP2の第1端E21に繋がる第2外部端子T2が積層体に形成される。また、第1外部端子T1と第2外部端子T2は、第1コイル導体LP1および第2コイル導体LP2の形成領域を挟んで対向する位置に配置される。
積層型コイル10は、第1コイル導体LP1を、第1コイル導体LP1の第1端E11から右回りにトレースする(なぞる)とき、並列接続部の開始位置である層間接続導体V11の形成位置は、第2コイル導体LP2の第1端E21を越える位置である。また、第2コイル導体LP2を、第2コイル導体LP2の第1端E21から左回りにトレースするとき、並列接続部の開始位置である層間接続導体V12の形成位置は、第1コイル導体LP1の第1端E11を越える位置である。
以上に示した構成により、次のような効果を奏する。
(a)層間接続導体V11,V12の位置によって、並列接続部PPのインダクタンスおよび直列接続部SPのインダクタンスが定まるので、コイル開口を変えることなく、層間接続導体V11,V12の位置によって、積層型コイル10の合成インダクタンスを所定値に定めることができる。
(b)コイルを構成しない配線が不要であり、第1コイル導体LP1が形成するコイル開口AP1と第2コイル導体LP2が形成するコイル開口AP2とは、積層体の積層方向からの平面視で重なるので、限られた平面サイズで大きなコイル開口が得られる。
(c)限られた面積にコイル開口の大きなコイル(1つの基材層に実質的に1ターンのコイル)が構成でき、限られた平面サイズで大きなコイル開口が得られる。
(d)第1外部端子と第2外部端子は、第1コイル導体および第2コイル導体の形成領域を挟んで対向する位置に配置されるので、外部端子の引き出しが容易である。
(e)第1コイル導体を、第1コイル導体の第1端からトレースするとき、並列接続部の開始位置は、第2コイル導体の第1端を越える位置であり、第2コイル導体を、第2コイル導体の第1端からトレースするとき、並列接続部の開始位置は、第1コイル導体の第1端を越える位置であることにより、第1外部端子、第2外部端子の位置に応じて並列接続部を構成できる。すなわち、外部端子の配置に制約されずに、コイル導体は一部切欠のループ状になるので、外部端子位置の設計上の自由度が高い。
なお、第1コイル導体LP1が形成するコイル開口AP1と第2コイル導体LP2が形成するコイル開口AP2とは、コイル開口AP1の全体とコイル開口AP2の全体とが、積層体の積層方向からの平面視で重なることが好ましいが、重ならない部分があってもよい。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、本発明に係るトランスの一例としてのインピーダンス変換回路について示す。
図4は第2の実施形態に係るインピーダンス変換回路101の内部透視斜視図である。但し、積層構造の分かりやすさを考慮して、積層方向の寸法は誇張して表されている。実際の寸法は、例えば実装面は1.6mm×0.8mm、高さは0.6mmである。
後に詳述するように、積層体20は複数の基材層が積層されることより構成される。
複数の基材層のうち所定の基材層に各種導体パターンが形成される。4つの基材層にコイル導体LP1,LP2,LP3,LP4がそれぞれ形成される。各コイル導体LP1,LP2,LP3,LP4は所定位置で層間接続導体(ビア)V11,V12,V21,V22等により層間接続される。
第1コイル導体LP1と第2コイル導体LP2とを所定個所で層間接続する2つの層間接続導体V11,V12と、第1コイル導体LP1と、第2コイル導体LP2とを備えて、第1コイル素子が構成される。同様に、第3コイル導体LP3と第4コイル導体LP4とを所定個所で層間接続する2つの層間接続導体と第3コイル導体LP3と、第4コイル導体LP4とを備えて、第2コイル素子が構成される。
第1コイル素子が形成するコイル開口および第2コイル素子が形成するコイル開口は、積層体20の積層方向からの平面視で重なる。
積層体20の外面には、外部端子である、給電端子P1、アンテナ端子P2、グランド端子P3および空き端子NCがそれぞれ形成される。具体的には、積層体20の第1側面に給電端子P1、第1側面に対向する第2側面にアンテナ端子P2、がそれぞれ形成される。第3側面にはグランド端子P3、第3側面に対向する第4側面には空き端子NCがそれぞれ形成される。積層体20の下面および上面には、側面の外部端子に繋がる、給電端子P1、アンテナ端子P2、グランド端子P3および空き端子NCがそれぞれ形成される。
第1コイル素子の第1端(第1コイル導体LP1の一方の端部)は給電端子P1に導通する。第2コイル素子の第1端(第3コイル導体LP3の一方の端部)はアンテナ端子P2に導通する。第2コイル素子の第2端(第4コイル導体LP4の一方の端部)はグランド端子P3に導通する。
図5はインピーダンス変換回路101の各基材層に形成される導体パターンと電流経路を示す図である。基材層15に第1コイル導体LP1、基材層14に第2コイル導体LP2、基材層13に第3コイル導体LP3、基材層12に第4コイル導体LP4、がそれぞれ形成される。第1コイル導体LP1および第2コイル導体LP2は第1コイル素子L1の一部を構成する。また、第3コイル導体LP3および第4コイル導体LP4は第2コイル素子L2の一部を構成する。
第1コイル導体LP1と第2コイル導体LP2とは、2個所で層間接続導体V11,V12で層間接続される。第1コイル導体LP1の第1部である導体パターンL1B1と第2コイル導体LP2の第1部である導体パターンL1B2とは、2つの層間接続導体V11,V12を介して並列接続される。
第1コイル導体LP1の第2部である導体パターンL1Aの一方の端部は給電端子P1に導通する。第1コイル導体LP1の第2部である導体パターンL1Cの一方の端部は層間接続導体V21を介して第3コイル導体LP3の導体パターンL2B2の一方の端部に接続される。
このように、第1コイル導体LP1および第2コイル導体LP2は、層間接続導体V11,V12を介して部分的に並列接続されるとともに全体が直列接続される。また、第1コイル素子L1は、一部切欠のループ状になる。
第3コイル導体LP3と第4コイル導体LP4とは、2個所で層間接続導体V22,V23で層間接続される。第3コイル導体LP3の第1部である導体パターンL2B2と第4コイル導体LP4の第1部である導体パターンL2B1とは、2つの層間接続導体V22,V23を介して並列接続される。
第3コイル導体LP3の第2部である導体パターンL2Cの一方の端部はアンテナ端子P2に導通する。第4コイル導体LP4の第2部である導体パターンL2Aの一方の端部はグランド端子P3に導通する。
このように、第3コイル導体LP3および第4コイル導体LP4は、層間接続導体V22,V23を介して部分的に並列接続されるとともに全体が直列接続される。また、第2コイル素子L2は、一部切欠のループ状になる。
図5に表れるように、第1コイル素子L1の端部に繋がる給電端子P1は積層体の外方(側面)に形成され、層間接続導体V12は給電端子P1の近傍に形成される。第1コイル素子L1を構成する複数のコイル導体を、第1コイル素子L1の第1端(給電端子P1に繋がる端部)から周回方向(図5において右回り方向)にトレースしたとき、層間接続導体V11による並列接続の開始位置(層間接続導体V11の位置)は、第1コイル素子L1の第2端が接続されるアンテナ端子P2の近傍を通り越した位置である。また、第2コイル素子L2を構成する複数のコイル導体を、第2コイル素子L2の第1端(グランド端子P3に繋がる端部)から周回方向(図5において左回り方向)にトレースしたとき、層間接続導体V23による並列接続の開始位置(層間接続導体V23の位置)は、第2コイル素子L2の第2端が接続されるアンテナ端子P2の近傍を通り越した位置である。第2コイル素子L2を構成する複数のコイル導体を、第2コイル素子L2の第2端(アンテナ端子P2に繋がる端部)から周回方向(図5において右回り方向)にトレースしたとき、層間接続導体V22による並列接続の開始位置(層間接続導体V22の位置)は、第2コイル素子L2の第1端が接続されるグランド端子P3の近傍を通り越した位置である。
図5において、第1コイル導体LP1および第2コイル導体LP2には、給電端子P1→導体パターンL1A→導体パターン(L1B1+L1B2)→導体パターンL1C→アンテナ端子P2の経路で電流が流れる。また、第3コイル導体LP3および第4コイル導体LP4には、アンテナ端子P2→導体パターンL2C→導体パターン(L2B2+L2B1)→導体パターンL2A→グランド端子P3の経路で電流が流れる。
基材層11〜16は誘電体(絶縁体)または磁性体の層である。例えば、誘電体セラミックスのグリーンシートを使用し、それらを積層圧着して焼成することにより積層体20を構成してもよいし、樹脂シートを圧着して積層体20を構成してもよい。また、磁性体セラミックスのグリーンシートを使用し、それらを積層圧着して焼成することにより積層体20を構成してもよいし、磁性体フィラーを分散させた樹脂シートを圧着して積層体20を構成してもよい。さらには、磁芯となるべき層のみを磁性体とし、その他の層を誘電体としてもよい。例えば複数の基材層のうち、基材層13,14,15を、磁性体を有する層とし、その他の基材層を非磁性体の層とする。
このように、磁性体を有する積層体に、第1コイル素子L1および第2コイル素子L2を設けることにより、第1コイル素子L1と第2コイル素子L2との結合度が高まり、相互インダクタンスが大きくなるため、インピーダンス変換比を大きくできる。また、所定のインダクタンスを得るに要する、第1コイル素子L1および第2コイル素子L2のコイル導体長が短くなるので、インピーダンス変換回路101はより小型になる。
積層体20は直方体形状であり、平面視での2つの短辺の中央に給電端子P1とアンテナ端子P2がそれぞれ配置され、2つの長辺の中央にグランド端子P3と空き端子NCがそれぞれ配置されている。そのため、給電回路とアンテナとの間の信号伝送経路の途中に、インピーダンス変換回路101を容易に配置できる。特に、給電回路とアンテナとの間の信号伝送経路がコプレーナラインである場合に、給電端子P1とアンテナ端子P2を中心導体に接続し、グランド端子P3と空き端子NCを回路基板のグランド導体に容易に接続できる。すなわち、各端子を接続するための引き回しパターンや特別なランドパターンを設ける必要がなく、回路基板へのインピーダンス変換回路101の実装が容易である。
図6(A)は、図4、図5に示したインピーダンス変換回路101の回路図、図6(B)はインピーダンス変換回路101の等価回路図である。インピーダンス変換回路101の給電端子P1に給電回路30が接続され、アンテナ端子P2にアンテナ40が接続される。グランド端子P3はグランドに接続される。
インピーダンス変換回路101は、給電端子P1に接続された第1コイル素子L1と、第1コイル素子L1に結合した第2コイル素子L2とを備える。より具体的には、第1コイル素子L1の第1端は給電端子P1に、第2端はアンテナ端子P2にそれぞれ接続され、第2コイル素子L2の第1端はアンテナ端子P2に、第2端はグランド端子P3にそれぞれ接続される。
このインピーダンス変換回路101は第1コイル素子L1と第2コイル素子L2とを相互インダクタンスを介して密結合したトランス型回路を含む。このトランス型回路は、図6(B)に示すように、三つのインダクタンス素子Z1,Z2,Z3によるT型回路に等価変換できる。すなわち、このT型回路は、給電回路30に接続される給電端子P1、アンテナ端子P2、グランド端子P3、給電端子P1と分岐点Aとの間に接続されたインダクタンス素子Z1、アンテナ端子P2と分岐点Aとの間に接続されたインダクタンス素子Z2、およびグランド端子P3と分岐点Aとの間に接続された第3インダクタンス素子Z3で構成される。
第1コイル素子L1と第2コイル素子L2との結合による相互インダクタンスをM、第1コイル素子L1のインダクタンスをL1、第2コイル素子L2のインダクタンスをL2、でそれぞれ表すと、インダクタンス素子Z1,Z2,Z3のインダクタンスは次のとおりである。
Z1:L1+M
Z2:−M
Z3:L2+M
また、変圧比は(L1+L2+2M):L2である。
以上に示した構成により次のような効果を奏する。
(a)コイル開口の形状を実質的に同じにできるので、第1コイル素子L1のコイル開口の全体と第2コイル素子L2のコイル開口の全体とが重ねられる。このことにより、第1コイル素子L1および第2コイル素子L2間の高い電磁界結合が得られる。
(b)第1コイル導体LP1および第2コイル導体LP2を接続する層間接続導体は、第1コイル導体LP1および第2コイル導体LP2の形成位置上にあり、第3コイル導体LP3および第4コイル導体LP4を接続する層間接続導体は、第3コイル導体LP3および第4コイル導体LP4の形成位置上にあるので、層間接続導体形成のための領域が不要であり、コイル導体の形成領域外に配線を形成する必要がない。そのため、限られた領域にループ状コイル導体を形成でき、小型化できる。
(c)4つのコイル導体LP1,LP2,LP3,LP4は、層間接続導体を介して部分的に並列接続されるとともに全体が直列接続されるので、第1コイル素子および第2コイル素子のインダクタンスを容易に所定値に定めることができる。
(d)第1コイル素子L1の第1端からコイル導体をトレースしたとき、層間接続導体による並列接続の開始位置は、第1コイル素子の第2端が接続される外部端子の近傍を通り越した位置であり、第2コイル素子L2の第1端からコイル導体をトレースしたとき、層間接続導体による並列接続の開始位置は、第2コイル素子の第2端が接続される外部端子の近傍を通り越した位置であるので、外部端子の位置に応じて並列接続部を構成できる。すなわち、外部端子の配置に制約されずに、コイル導体は一部切欠のループ状になるので、外部端子位置の設計上の自由度が高い。
(e)積層体の側面電極を利用して層間接続を行っているため、並列接続のための層間接続導体以外の層間接続導体が積層体内に不要となり、コイル素子の磁気的開口面を大きくすることができ、全体に小型化できる。すなわち、小型で大きな結合係数が得られる。
(f)第1コイル素子と第2コイル素子とによりオートトランスが構成されるので、第1コイル素子と第2コイル素子とにより生じる相互インダクタンス(M)の作用でインピーダンス変換比を大きくできる。また、給電端子からアンテナ端子まで第1コイル素子を介して直接接続されるので、トランス構造による挿入損失の増大は抑制される。
なお、第1コイル素子L1のコイル開口と第2コイル素子L2のコイル開口とは、それらの全体とが、積層体の積層方向からの平面視で重なることが好ましいが、重ならない部分があってもよい。
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、本発明に係るトランスの一例としてのインピーダンス変換回路について示す。
図7は第3の実施形態に係る携帯電話端末等の通信端末装置の構成を示す図である。この図7では、通信端末装置の筐体内の主要部について表される。筐体内にアンテナ40および回路基板が設けられ、回路基板にはグランド導体50、インピーダンス変換回路101および給電回路30が設けられる。アンテナ40はT分岐型アンテナである。グランド導体50はアンテナ40のイメージ形成用導体として作用、またはアンテナ40とともに放射素子として作用する。
インピーダンス変換回路101の構成は第2の実施形態で示したとおりである。インピーダンス変換回路101の給電端子P1は給電回路30に接続され、インピーダンス変換回路101のアンテナ端子P2はアンテナ40に接続され、インピーダンス変換回路101のグランド端子P3は回路基板のグランド導体50に接続される。
インピーダンス変換回路101は、小型でありながら大きな所定のインピーダンス変換比をもつことができるので、小型の(より低インピーダンスの)アンテナ40を備えることができ、全体に小型で低損失の通信端末装置が構成される。
《他の実施形態》
第1・第2の実施形態では、各コイル導体がほぼ矩形のループ状である例を示したが、コイル導体のループ形状はこれに限らない。例えば円形、楕円形、角に丸みをもつ四角形、角をカットした四角形などであってもよい。矩形であれば、限られたスペースでコイル開口を稼ぐことができる。円形、楕円形、角に丸みをもつ四角形であれば、角部における損失を低減できる。
第1・第2の実施形態では、隣接する基材層に形成された2つのコイル導体を2つの層間接続導体で接続することにより、1つの並列接続部を構成した例を示したが、本発明はこの構成に限られない。第1コイル導体と第2コイル導体とが3個所以上で層間接続導体を介して接続されることで、第1コイル導体と第2コイル導体との並列接続部が2個所以上構成されてもよい。
本発明は、インピーダンス変換回路以外にコモンモードチョークコイル等にも同様に適用される。例えば、積層体に第1コイル素子と第2コイル素子を、それらのコイル開口が積層体の積層方向からの平面視で重なるように設け、第1コイル素子の2つの端子と第2コイル素子の2つの端子をそれぞれ積層体に形成する。
AP1,AP2…コイル開口
E11…第1コイル導体の第1端
E12…第1コイル導体の第2端
E21…第2コイル導体の第1端
E22…第2コイル導体の第2端
L1…第1コイル素子
L2…第2コイル素子
L11…第1コイル導体の第1部
L12…第1コイル導体の第2部
L21…第2コイル導体の第1部
L22…第2コイル導体の第2部
L1A,L1B1,L1B2,L1C…導体パターン
L2A,L2B1,L2B2,L2C…導体パターン
LP1…第1コイル導体
LP2…第2コイル導体
LP3…第3コイル導体
LP4…第4コイル導体
NC…空き端子
P1…給電端子
P2…アンテナ端子
P3…グランド端子
PP…並列接続部
SP…直列接続部
V,V1〜V4…層間接続導体
V11,V12,V21,V22,V23…層間接続導体
11〜16…基材層
10…積層型コイル
20…積層体
30…給電回路
40…アンテナ
50…グランド導体
101…インピーダンス変換回路

Claims (11)

  1. 複数の基材層が積層される積層体の、互いに異なる前記基材層に形成される、第1コイル導体および第2コイル導体と、
    前記第1コイル導体と前記第2コイル導体とを接続する層間接続導体と、を備え、
    前記第1コイル導体が形成するコイル開口と前記第2コイル導体が形成するコイル開口とは、前記積層体の積層方向からの平面視で重なり、
    前記層間接続導体の数は複数であり、
    前記第1コイル導体と前記第2コイル導体とが、少なくとも2個所で前記層間接続導体を介して接続されることで、前記第1コイル導体の第1部と前記第2コイル導体の第1部との並列接続部が構成され、
    前記並列接続部に接続され、前記第1コイル導体の第2部および前記第2コイル導体の第2部で直列接続部が構成される、
    積層型コイル。
  2. 請求項1に記載の積層型コイルであり、
    前記第1コイル導体は実質的に1ターンのコイルを構成し、
    前記第2コイル導体は実質的に1ターンのコイルを構成する。
  3. 請求項1または2に記載の積層型コイルであり、
    前記第1コイル導体の第1端に繋がる第1外部端子、および前記第2コイル導体の第1端に繋がる第2外部端子が前記積層体に形成され、
    前記第1外部端子と前記第2外部端子は、前記第1コイル導体および前記第2コイル導体の形成領域を挟んで対向する位置に配置される。
  4. 請求項1または2に記載の積層型コイルであり、
    前記第1コイル導体の第1端に繋がる第1外部端子、および前記第2コイル導体の第1端に繋がる第2外部端子が前記積層体に形成され、
    前記第1コイル導体を、前記第1コイル導体の第1端からトレースするとき、前記並列接続部の開始位置は、前記第2コイル導体の第1端を越える位置であり、
    前記第2コイル導体を、前記第2コイル導体の第1端からトレースするとき、前記並列接続部の開始位置は、前記第1コイル導体の第1端を越える位置である。
  5. 複数の基材層が積層される積層体と、
    前記積層体に設けられ、互いにトランス結合する第1コイル素子および第2コイル素子と、を備え、
    少なくとも前記第1コイル素子は、
    互いに異なる前記基材層に形成される第1コイル導体および第2コイル導体と、
    前記第1コイル導体と前記第2コイル導体とを接続する層間接続導体と、を備え、
    前記第1コイル素子が形成するコイル開口および前記第2コイル素子が形成するコイル開口は、前記積層体の積層方向からの平面視で重なり、
    前記層間接続導体の数は複数であり、
    前記第1コイル導体と前記第2コイル導体とが、少なくとも2個所で前記層間接続導体を介して接続されることで、前記第1コイル導体の第1部と前記第2コイル導体の第1部との並列接続部が構成され、
    前記並列接続部に接続され、前記第1コイル導体の第2部および前記第2コイル導体の第2部で直列接続部が構成される、
    インピーダンス変換回路。
  6. 請求項5に記載のインピーダンス変換回路であり、
    前記第1コイル素子の第1端に繋がる第1外部端子、および前記第1コイル素子の第2端に繋がる第2外部端子が前記積層体に形成され、
    前記第1コイル素子を構成する前記第1コイル導体を、前記第1コイル導体の第1端からトレースするとき、前記並列接続部の開始位置は、前記第2コイル導体の第1端を越える位置である。
  7. 請求項5または6に記載のインピーダンス変換回路であり、
    給電端子、アンテナ端子およびグランド端子を備え、
    前記給電端子は前記第1コイル素子の第1端に繋がり、前記アンテナ端子は前記第1コイル素子の第2端および前記第2コイル素子の第1端に繋がり、前記グランド端子は前記第2コイル素子の第2端に繋がる。
  8. 請求項7に記載のインピーダンス変換回路であり、
    前記給電端子、前記アンテナ端子および前記グランド端子は前記積層体の側面に形成される。
  9. 請求項7または8に記載のインピーダンス変換回路であり、
    前記給電端子は前記積層体の第1側面に形成され、前記アンテナ端子は、前記積層体の第1側面に対向する第2側面に形成され、前記グランド端子は前記積層体の第3側面に形成される。
  10. 請求項5〜9のいずれかに記載のインピーダンス変換回路であり、
    前記基材層は誘電体もしくは磁性体、または誘電体および磁性体である。
  11. 高周波信号を送受信するアンテナと、前記アンテナに対する給電回路と、前記給電回路と前記アンテナとの間に設けられたインピーダンス変換回路とを備え、
    前記インピーダンス変換回路は、
    複数の基材層が積層される積層体と、
    前記積層体に設けられ、互いにトランス結合する第1コイル素子および第2コイル素子と、を備え、
    少なくとも前記第1コイル素子は、
    互いに異なる前記基材層に形成される第1コイル導体および第2コイル導体と、
    前記第1コイル導体と前記第2コイル導体とを接続する層間接続導体と、を備え、
    前記第1コイル素子が形成するコイル開口および前記第2コイル素子が形成するコイル開口は、前記積層体の積層方向からの平面視で重なり、
    前記層間接続導体の数は複数であり、
    前記第1コイル導体と前記第2コイル導体とが、少なくとも2個所で前記層間接続導体を介して接続されることで、前記第1コイル導体の第1部と前記第2コイル導体の第1部との並列接続部が構成され、
    前記並列接続部に接続され、前記第1コイル導体の第2部および前記第2コイル導体の第2部で直列接続部が構成される、
    通信端末装置。
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