WO2016143570A1 - インピーダンス変換素子および通信装置 - Google Patents

インピーダンス変換素子および通信装置 Download PDF

Info

Publication number
WO2016143570A1
WO2016143570A1 PCT/JP2016/055969 JP2016055969W WO2016143570A1 WO 2016143570 A1 WO2016143570 A1 WO 2016143570A1 JP 2016055969 W JP2016055969 W JP 2016055969W WO 2016143570 A1 WO2016143570 A1 WO 2016143570A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
conductor pattern
coil
impedance conversion
conversion element
conductor
Prior art date
Application number
PCT/JP2016/055969
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
秋山恒
石塚健一
Original Assignee
株式会社村田製作所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社村田製作所 filed Critical 株式会社村田製作所
Priority to JP2017504983A priority Critical patent/JP6195033B2/ja
Priority to CN201690000496.5U priority patent/CN207490881U/zh
Publication of WO2016143570A1 publication Critical patent/WO2016143570A1/ja
Priority to US15/662,325 priority patent/US10263324B2/en

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/50Structural association of antennas with earthing switches, lead-in devices or lightning protectors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q5/00Arrangements for simultaneous operation of antennas on two or more different wavebands, e.g. dual-band or multi-band arrangements
    • H01Q5/50Feeding or matching arrangements for broad-band or multi-band operation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q7/00Loop antennas with a substantially uniform current distribution around the loop and having a directional radiation pattern in a plane perpendicular to the plane of the loop
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/12Supports; Mounting means
    • H01Q1/22Supports; Mounting means by structural association with other equipment or articles
    • H01Q1/24Supports; Mounting means by structural association with other equipment or articles with receiving set
    • H01Q1/241Supports; Mounting means by structural association with other equipment or articles with receiving set used in mobile communications, e.g. GSM
    • H01Q1/242Supports; Mounting means by structural association with other equipment or articles with receiving set used in mobile communications, e.g. GSM specially adapted for hand-held use
    • H01Q1/243Supports; Mounting means by structural association with other equipment or articles with receiving set used in mobile communications, e.g. GSM specially adapted for hand-held use with built-in antennas
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H7/00Multiple-port networks comprising only passive electrical elements as network components
    • H03H7/38Impedance-matching networks

Definitions

  • the inductance of the routing pattern is smaller than the inductance of the first conductor pattern. With this configuration, the impedance conversion ratio can be increased.
  • the second conductor pattern is provided inside the multilayer body.
  • the first end of the second conductor pattern is connected to the antenna terminal and the second end of the first conductor pattern, and the second end of the second conductor pattern is connected to the ground terminal.
  • the second conductor pattern is magnetically coupled to the first conductor pattern and has a loop portion.
  • the second end of the first conductor pattern and the first end of the second conductor pattern are connected to the antenna terminal via a routing pattern.
  • the routing pattern is routed so as to be magnetically coupled to at least one of the first conductor pattern and the second conductor pattern.
  • the antenna element is connected to the antenna terminal.
  • the power feeding circuit is connected to the power feeding terminal. In this configuration, communication can be performed in a state in which the antenna element and the power feeding circuit are impedance-matched over a wide band.
  • Lpp L 1 + L 2 + 2M 12
  • Lpst ⁇ (1-k 12 2 ) * L 1 * L 2 + L 2 * L 3 + L 1 * L 3 + 2M 12 * L 3 ⁇ / (L 1 + L 2 + 2M 12 )
  • n (L 1 + L 2 + 2M 12 ) / (L 2 + M 12 )
  • the coil L3 the lead pattern L3A
  • a coil L1, L2 is by magnetic coupling
  • the inductance is changed by the mutual inductance M 12, M 23, M 13 .
  • the value of the parasitic inductance Lpst also varies depending on the mutual inductances M 12 , M 23 , and M 13 .

Abstract

 第1導体パターン(第1コイル導体(L1A))の第1端は給電端子(T1)に接続され、第1導体パターンの第2端はアンテナ端子(T2)に接続される。第2導体パターンは第2コイル導体(L2A~L2D)を含む。第2導体パターンの第1端はアンテナ端子(T2)および第1導体パターンの第2端に接続され、第2導体パターンの第2端はグランド端子(GND)に接続される。第2導体パターンは第1導体パターンに磁界結合する。第1導体パターンの第2端および第2導体パターンの第1端は、引回しパターン(L3A)を介してアンテナ端子(T2)に接続される。引回しパターン(L3A)は、第1導体パターンまたは第2導体パターンの少なくとも一方と磁界結合するように引回される。

Description

インピーダンス変換素子および通信装置
 本発明は、絶縁層を積層してなる積層体に導体パターンが形成されることにより構成されるインピーダンス変換素子およびそれを備える通信装置に関する。
 インピーダンス変換素子として、例えば、特許文献1,2に記載のものがある。このインピーダンス変換素子は、図9(A)に示すように、1次側のコイルL1および2次側のコイルL2から構成されるトランスを備える。コイルL1の第1端は給電端子T1に接続されている。コイルL1の第2端およびコイルL2の第1端は引回し線を介してアンテナ端子T2に接続されている。コイルL2の第2端はグランドに接続されている。給電端子T1は給電回路に接続される。アンテナ端子T2はアンテナ素子に接続される。コイルL1とコイルL2とは磁界結合する。このインピーダンス変換素子では、インピーダンスをトランスで変換することにより、アンテナ素子と給電回路とをインピーダンス整合させることができる。
国際公開第2014/050482号 国際公開第2014/050552号
 トランスは、等価的に、周波数特性を有さない理想トランスと、周波数特性を有する寄生インダクタンスとにより表される。このため、特許文献1,2に記載のインピーダンス変換素子を使用して整合をとる場合、寄生インダクタンスを小さくするほど、広帯域で整合をとることができる。
 しかし、実際のインピーダンス変換素子では、図9(B)に示すように、コイルL1,L2とアンテナ端子T2とを接続する引回し線が長くなるので、引回し線のインダクタンスを無視できなくなる。この引回し線のインダクタンスはインピーダンス変換素子の寄生インダクタンスを大きくする。このため、広帯域でアンテナ素子と給電回路とを整合させることが困難となる。
 本発明の目的は、アンテナ素子と給電回路とを広帯域に亘って整合させることができるインピーダンス変換素子およびそれを備える通信装置を提供することにある。
 本発明のインピーダンス変換素子は、積層体、アンテナ端子、給電端子、グランド端子、第1導体パターンおよび第2導体パターンを備える。積層体は複数の絶縁層を積層してなる。アンテナ端子は、積層体の表面に設けられ、アンテナ素子に接続される。給電端子は、積層体の表面に設けられ、給電回路に接続される。グランド端子は、積層体の表面に設けられ、グランドに接続される。第1導体パターンは積層体の内部に設けられる。第1導体パターンの第1端は給電端子に接続され、第1導体パターンの第2端はアンテナ端子に接続される。第1導体パターンはループ状部分を有する。第2導体パターンは積層体の内部に設けられる。第2導体パターンの第1端はアンテナ端子および第1導体パターンの第2端に接続され、第2導体パターンの第2端はグランド端子に接続される。第2導体パターンは、第1導体パターンに磁界結合し、ループ状部分を有する。第1導体パターンの第2端および第2導体パターンの第1端は、引回しパターンを介してアンテナ端子に接続される。引回しパターンは、第1導体パターンまたは第2導体パターンの少なくとも一方と磁界結合するように引回される。
 この構成では、引回しパターンが第1導体パターンおよび第2導体パターンと磁界結合することで、等価的に、インピーダンス変換素子の寄生インダクタンスが小さくなる。このため、インピーダンス変換素子のトランスが理想トランスに近くなるので、アンテナ素子と給電回路とを広帯域に亘って整合させることができる。
 本発明のインピーダンス変換素子では、引回しパターンは、積層体の積層方向において、第1導体パターンと第2導体パターンとの間に配置され、第1導体パターンおよび第2導体パターンの両方に磁界結合することが好ましい。この構成では、引回しパターンがループ状でなくても、引回しパターンと第1導体パターンおよび第2導体パターンとの結合度を高くすることができる。
 本発明のインピーダンス変換素子では、引回しパターンのインダクタンスは第1導体パターンのインダクタンスより小さいことが好ましい。この構成では、インピーダンス変換比を大きくすることができる。
 本発明の通信装置は、インピーダンス変換素子、アンテナ素子および給電回路を備える。インピーダンス変換素子は、積層体、アンテナ端子、給電端子、グランド端子、第1導体パターンおよび第2導体パターンを備える。積層体は複数の絶縁層を積層してなる。アンテナ端子は積層体の表面に設けられる。給電端子は積層体の表面に設けられる。グランド端子は、積層体の表面に設けられ、グランドに接続される。第1導体パターンは積層体の内部に設けられる。第1導体パターンの第1端は給電端子に接続され、第1導体パターンの第2端はアンテナ端子に接続される。第1導体パターンはループ状部分を有する。第2導体パターンは積層体の内部に設けられる。第2導体パターンの第1端はアンテナ端子および第1導体パターンの第2端に接続され、第2導体パターンの第2端はグランド端子に接続される。第2導体パターンは、第1導体パターンに磁界結合し、ループ状部分を有する。第1導体パターンの第2端および第2導体パターンの第1端は、引回しパターンを介してアンテナ端子に接続される。引回しパターンは、第1導体パターンまたは第2導体パターンの少なくとも一方と磁界結合するように引回される。アンテナ素子はアンテナ端子に接続される。給電回路は給電端子に接続される。この構成では、広帯域でアンテナ素子と給電回路とをインピーダンス整合させた状態で通信することができる。
 本発明によれば、アンテナ素子と給電回路とを広帯域に亘って整合させるインピーダンス変換素子およびそれを備える通信装置が得られる。
図1はインピーダンス変換素子10の斜視図である。 図2はインピーダンス変換素子10の、基板23への実装構造を示す平面図である。 図3はインピーダンス変換素子10の分解平面図である。 図4はインピーダンス変換素子10の模式的な概念図である。 図5はインピーダンス変換素子10および通信装置20の回路図である。 図6(A)はインピーダンス変換素子10の等価回路図である。図6(B)は、コイルL1とコイルL2との磁界結合のみが考慮されたときのインピーダンス変換素子10の等価回路図である。図6(C)は、コイルL2とコイルL3との磁界結合のみが考慮されたときのインピーダンス変換素子10の等価回路図である。 図7(A)は、比較例のインピーダンス変換素子40の等価回路図である。図7(B)は、理想トランスITと寄生インダクタンスLpp,Lpsとによるインピーダンス変換素子40の等価回路図である。 図8(A)は、通信装置20における給電端子T1に信号を入力したときの反射特性のシミュレーション結果を示すグラフである。図8(B)は、通信装置20における給電端子T1とアンテナ端子T2との間の通過特性のシミュレーション結果を示すグラフである。 図9は従来のインピーダンス変換素子の模式的な概念図である。
 本発明の実施形態に係るインピーダンス変換素子および通信装置について説明する。本実施形態に係るインピーダンス変換素子は、UHF帯等の高周波信号のインピーダンスを変換するための表面実装部品として構成されている。例えばスマートフォンのような携帯型無線通信端末では、その大きさの制約上、アンテナ素子のインピーダンスは比較的小さくなる。そこで、このインピーダンス変換素子は、そのアンテナ素子側のインピーダンスを低くすることによりアンテナ素子と給電回路とをインピーダンス整合させる。
 図1は本実施形態に係るインピーダンス変換素子10の斜視図である。インピーダンス変換素子10は、複数の絶縁性の基材(絶縁層)の積層体11を備え、この積層体11内に、1次コイルおよび2次コイルによるトランスおよび、このトランスによるインピーダンス変換回路が構成されている。積層体11の外面には、給電端子T1、アンテナ端子T2、グランド端子GNDおよび空き(Non-Connect)端子NCがそれぞれ形成されている。これらの端子は、積層体の下面、側面、上面に亘って形成されている。
 図2はインピーダンス変換素子10の、プリント配線板等の基板23への実装構造を示す平面図である。基板23には、グランド導体Egndと信号ラインSLとでコプレーナライン構造の伝送線路が形成されている。この伝送線路にアンテナ素子21および給電回路22が接続される。インピーダンス変換素子10は、給電端子T1およびアンテナ端子T2が伝送線路の途中(信号ラインSLの途中)に直列接続され、且つグランド端子GNDおよび空き端子NCがグランド導体Egndに接続されるように、はんだ等の導電性接合材を介して、基板23に実装される。
 このように、インピーダンス変換素子10の積層体の形状は直方体状であり、平面視で互いに対向する第1辺(側面)および第2辺(側面)に給電端子T1およびアンテナ端子T2をそれぞれ備え、平面視で互いに対向する第3辺(側面)または第4辺(側面)にグランド端子GNDを備えているので、給電回路とアンテナ素子との間の伝送線路にインピーダンス変換素子10を容易に配置できる。
 図3はインピーダンス変換素子10の分解平面図である。インピーダンス変換素子10は、複数の絶縁性の基材S1~S8を備えている。基材S1~S8には各種導体パターンが形成されている。「各種導体パターン」には、基材の表面に形成された導体パターンだけでなく、層間接続導体を含む。層間接続導体はビア導体だけでなく、積層体11(図1参照)の端面に形成される端面電極も含む。
 インピーダンス変換素子10をセラミック多層部品として構成する場合、上記基材は誘電率の小さな非磁性のセラミック層であり、上記導電体パターンは銅ペースト等の導体材料の印刷パターンである。インピーダンス変換素子10を樹脂多層部品として構成する場合、上記基材は樹脂材料のシートであり、上記導電体パターンはAl薄やCu箔等の金属箔をパターン化したものである。
 基材S1の上面は積層体11の実装面(下面)に相当する。基材S1には、給電端子T1、アンテナ端子T2、グランド端子GNDおよび空き端子NCが形成されている。基材S2にはグランド端子GNDおよび空き端子NCが形成されている。基材S3~S6には第2コイル導体L2A~L2Dがそれぞれ形成されている。基材S7には引回しパターンL3Aが形成されている。基材S8には第1コイル導体L1Aが形成されている。引回しパターンL3Aは、積層体11の積層方向において、第1コイル導体L1Aと第2コイル導体L2Dとの間に配置されている。
 第1コイル導体L1A、第2コイル導体L2A~L2Dおよび引回しパターンL3Aは、平面視で積層体11の縁に沿って延伸している。第1コイル導体L1Aおよび第2コイル導体L2A~L2Cは、ループ状であり、実質的に同一形状(外径寸法、内径寸法、巻回軸がほぼ同じ)に形成されている。第2コイル導体L2Dおよび引回しパターンL3Aは、平面視で第1コイル導体L1Aおよび第2コイル導体L2A~L2Cの一部とほぼ一致するように形成されている。なお、隣接する基材に設けられた各コイル導体および引回しパターンは、各基材の積層ずれによる容量ばらつきを緩和するために、異なる線幅を有していてもよい。
 第1コイル導体L1Aの第1端は給電端子T1に接続されている。第1コイル導体L1Aの第2端と引回しパターンL3Aの第1端とはビア導体V7で接続されている。引回しパターンL3Aの第2端はアンテナ端子T2に接続されている。引回しパターンL3Aの第1端と第2コイル導体L2Dの第1端とはビア導体V6で接続されている。第2コイル導体L2Dの第2端と第2コイル導体L2Cの第1端(接続点CP6)とはビア導体V5で接続されている。第2コイル導体L2Cの接続点CP5と第2コイル導体L2Bの第1端(接続点CP3)とはビア導体V4で接続されている。第2コイル導体L2Cの第2端(接続点CP4)と第2コイル導体L2Bの接続点CP2とはビア導体V3で接続されている。第2コイル導体L2Bの第2端(接続点CP1)と第2コイル導体L2Aの第1端とはビア導体V2で接続されている。第2コイル導体L2Aの第2端とグランド端子GNDとはビア導体V1で接続されている。
 インピーダンス変換素子10では、各導体パターンに電流が流れると、平面視で積層体11の中央部に、積層体11の積層方向を向く磁界が生じる。これにより、第1コイル導体L1A、第2コイル導体L2A~L2Dおよび引回しパターンL3Aは互いに磁界結合する。
 図4はインピーダンス変換素子10の模式的な概念図である。第1コイル導体L1Aは1ターンのコイルL1を構成している。コイルL1はトランスの1次コイルである。コイルL1は本発明の「第1導体パターン」の一例である。第2コイル導体L2A~L2Dおよびビア導体V2~V5は約3.5ターンの右巻きのコイルL2を構成している。コイルL2はトランスの2次コイルである。コイルL2は本発明の「第2導体パターン」の一例である。引回しパターンL3Aは、トランスからアンテナ端子T2までの引回し線であり、約0.5ターンのコイルL3を構成している。インピーダンス変換素子10は、引回しパターンL3A(コイルL3)のインダクタンスがコイルL1のインダクタンスより小さくなるように設計されている。図3および図4に示すように、引回しパターンL3Aは、積層体11の積層方向において、コイルL1とコイルL2との間に配置されている。このため、引回しパターンL3Aがループ状でなくても、引回しパターンL3AとコイルL1,L2との結合度を大きくすることができる。
 図5は、インピーダンス変換素子10および通信装置20の回路図である。図5では、図3に示した各導体パターンの位置関係を考慮して回路図化している。第1コイル導体L1Aの第1端は給電端子T1に接続されている。第1コイル導体L1Aの第2端は、引回しパターンL3Aを介してアンテナ端子T2に接続されている。第1コイル導体L1Aと引回しパターンL3Aとの接続点N1は、第2コイル導体L2A,L2B1,L2B2,L2C1,L2C2,L2Dを介してグランド端子GNDに接続されている。第2コイル導体L2B1,L2B2は、図3に示すように、それぞれ第2コイル導体L2Bの一部である。第2コイル導体L2C1,L2C2は、図3に示すように、それぞれ第2コイル導体L2Cの一部である。第2コイル導体L2B1および第2コイル導体L2C2は並列回路を構成し、第2コイル導体L2B2,L2C1はその並列回路に接続されている。第2コイル導体L2B2とグランド端子GNDとは第2コイル導体L2Aを介して接続されている。第2コイル導体L2C1と接続点N1とは第2コイル導体L2Dを介して接続されている。
 図6(A)はインピーダンス変換素子10の等価回路図である。図6(A)において、ポートP1は給電端子T1に相当し、ポートP2はアンテナ端子T2に相当する。接続点N1とポートP1との間にはコイルL1が接続されている。接続点N1とグランドとの間にはコイルL2が接続されている。接続点N1とポートP2との間にはコイルL3が接続されている。コイルL1とコイルL2は結合係数k12で磁界結合している。コイルL1とコイルL2は上記のようにトランスを構成している。コイルL2とコイルL3は結合係数k23で磁界結合している。コイルL1とコイルL3は結合係数k13で磁界結合している。
 図6(B)は、コイルL1とコイルL2との磁界結合のみが考慮されたときのインピーダンス変換素子10の等価回路31を示している。図6(C)は、コイルL2とコイルL3との磁界結合のみが考慮されたときのインピーダンス変換素子10の等価回路32を示している。ここで、L1はコイルL1のインダクタンスであり、L2はコイルL2のインダクタンスであり、L3はコイルL3のインダクタンスである。M12はコイルL1とコイルL2との間の相互インダクタンスであり、M23はコイルL2とコイルL3との間の相互インダクタンスである。
 等価回路31では、各コイルのインダクタンス(例えば、ポートP1と接続点N1との間のインダクタンス)が相互インダクタンスM12により変化する。等価回路32では、各コイルのインダクタンスが相互インダクタンスM23により変化する。コイルL1とコイルL3との間の相互インダクタンスをM13とすると、相互インダクタンスM12,M23,M13全てが考慮された厳密なインピーダンス変換素子10の等価回路は、等価回路31、等価回路32、および、相互インダクタンスM13のみが考慮された等価回路(図示せず)を足し合わせたようなものとなる。すなわち、インピーダンス変換素子10の厳密な等価回路では、各コイルのインダクタンスが相互インダクタンスM12,M23,M13により変化する。
 図7(A)は、比較例のインピーダンス変換素子40の等価回路図である。インピーダンス変換素子40では、コイルL3がコイルL1,L2と磁界結合していない。インピーダンス変換素子40の他の構成はインピーダンス変換素子10の構成と同様である。図7(B)は、理想トランスITと寄生インダクタンスLpp,Lpsとによるインピーダンス変換素子40の等価回路図である。寄生インダクタンスLppは理想トランスITの1次側でシャント接続されている。寄生インダクタンスLpsは理想トランスITの2次側でシリーズ接続されている。寄生インダクタンスLpp,Lpsは、コイルL1,L2から構成されるトランスから、理想トランスITを除いた残余分である。寄生インダクタンスLpstは寄生インダクタンスLpsおよびコイルL3からなる。寄生インダクタンスLpp,Lpstおよびトランス比nには、次の関係が成り立つ。
 Lpp=L1+L2+2M12
 Lpst={(1-k12 2)*L1*L2+L2*L3+L1*L3+2M12*L3}/(L1+L2+2M12)
 n=(L1+L2+2M12)/(L2+M12)
 本実施形態では、上述のように、コイルL3(引回しパターンL3A)とコイルL1,L2とが磁界結合することで、各インダクタンスが相互インダクタンスM12,M23,M13により変化する。このため、寄生インダクタンスLpstの値も相互インダクタンスM12,M23,M13により変化する。より具体的には、寄生インダクタンスLpstにおいてインダクタンスL1,L2,L3からの寄与が相互インダクタンスM12,M23,M13からの寄与により打ち消されることで、寄生インダクタンスLpstの値が小さくなる。例えば、寄生インダクタンスLpstのLi*Ljの項は、コイルLiとコイルLjとの間の磁界結合により(1-kij 2)*Li*Ljに変化する。この結果、インピーダンス変換素子10のトランスは理想トランスに近くなるので、広帯域でアンテナ素子21と給電回路22とを整合させることができる。
 また、等価回路31(図6参照)では、結合度が高い場合(k12=1)、インピーダンス変換比がL1+L2+2M12:L2+L3となる。等価回路32においても、インピーダンス変換比は、相互インダクタンスによる寄与を除いて等価回路31のものと同様である。これからわかるように、インピーダンス変換素子10では、インダクタンスL1が大きくなるとインピーダンス変換比が大きくなり、インダクタンスL3が大きくなるとインピーダンス変換比を小さくなる。インピーダンス変換素子10では、上述のように、インダクタンスL3がインダクタンスL1より小さいので、インピーダンス変換比を大きくすることができる。
 また、比較例のインピーダンス変換素子40では、コイルL1,L2から構成されるトランスに寄与しないコイルL3(引回しパターンL3A)が接続されることで、Q値が劣化する。一方、トランス自体はQ値を劣化させないところ、インピーダンス変換素子10では、コイルL3がコイルL1,L2と磁気結合することで、コイルL1~L3からトランスが構成されるとみなすことができる。このため、インピーダンス変換素子10では、コイルL1,L2から構成されるトランスにコイルL3が接続されても、Q値が劣化しにくい。言い換えると、インピーダンス変換素子10では、引回し線を含めた導体パターン全体でトランスが構成されるとみなすことができるので、引回し線にインダクタンス成分が生じても、Q値が劣化しにくい。
 図8(A)は、通信装置20における給電端子T1に信号を入力したときの反射特性のシミュレーション結果を示している。図8(B)は、通信装置20における給電端子T1とアンテナ端子T2との間の通過特性のシミュレーション結果を示している。実線は本実施形態の通信装置20における結果であり、破線は比較例の通信装置における結果である。比較例の通信装置は、通信装置20においてインピーダンス変換素子10の代わりにインピーダンス変換素子40を用いたものである。このシミュレーションにおいて、本実施形態の結合係数はk12=k23=k13=0.5に設定され、比較例の結合係数はk12=0.5に設定されている。
 図8(A)に示すように、本実施形態では、比較例に比べて、約0.7GHzから1.1GHzの範囲で反射特性が改善している。図8(B)に示すように、本実施形態では、比較例に比べて、図示された範囲全体で通過特性が改善し、通過特性が広帯域化されている。このように、インピーダンス変換素子10では、広帯域でアンテナ素子21と給電回路22とを整合させることができるので、通過特性を広帯域化することができる。
 最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
CP1~CP6,N1…接続点
Egnd…グランド導体
GND…グランド端子
IT…理想トランス
L1~L3…コイル
L1A…第1コイル導体
L2A~L2D,L2B1,L2B2,L2C1,L2C2…第2コイル導体
L3A…引回しパターン
Lpp,Lps,Lpst…寄生インダクタンス
NC…空き端子
P1,P2…ポート
S1~S8…基材
SL…信号ライン
T1…給電端子
T2…アンテナ端子
V1~V7…ビア導体
10,40…インピーダンス変換素子
11…積層体
20…通信装置
21…アンテナ素子
22…給電回路
23…基板
31,32…等価回路

Claims (4)

  1.  複数の絶縁層を積層してなる積層体と、
     前記積層体の表面に設けられ、アンテナ素子に接続されるアンテナ端子と、
     前記積層体の表面に設けられ、給電回路に接続される給電端子と、
     前記積層体の表面に設けられ、グランドに接続されるグランド端子と、
     前記積層体の内部に設けられ、第1端が前記給電端子に接続され、第2端が前記アンテナ端子に接続され、ループ状部分を有する第1導体パターンと、
     前記積層体の内部に設けられ、第1端が前記アンテナ端子および前記第1導体パターンの第2端に接続され、第2端が前記グランド端子に接続され、前記第1導体パターンに磁界結合され、ループ状部分を有する第2導体パターンと、
    を備えるインピーダンス変換素子であって、
     前記第1導体パターンの第2端および前記第2導体パターンの第1端は、引回しパターンを介して前記アンテナ端子に接続され、
     前記引回しパターンは、前記第1導体パターンまたは前記第2導体パターンの少なくとも一方と磁界結合するように引回される、
    ことを特徴とするインピーダンス変換素子。
  2.  前記引回しパターンは、前記積層体の積層方向において、前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとの間に配置され、前記第1導体パターンおよび前記第2導体パターンの両方に磁界結合する、請求項1に記載のインピーダンス変換素子。
  3.  前記引回しパターンのインダクタンスは前記第1導体パターンのインダクタンスより小さい、請求項1または2に記載のインピーダンス変換素子。
  4.  インピーダンス変換素子、アンテナ素子および給電回路を備える通信装置であって、
     前記インピーダンス変換素子は、
     複数の絶縁層を積層してなる積層体と、
     前記積層体の表面に設けられるアンテナ端子と、
     前記積層体の表面に設けられる給電端子と、
     前記積層体の表面に設けられ、グランドに接続されるグランド端子と、
     前記積層体の内部に設けられ、第1端が前記給電端子に接続され、第2端が前記アンテナ端子に接続され、ループ状部分を有する第1導体パターンと、
     前記積層体の内部に設けられ、第1端が前記アンテナ端子および前記第1導体パターンの第2端に接続され、第2端が前記グランド端子に接続され、前記第1導体パターンに磁界結合し、ループ状部分を有する第2導体パターンと、を備え、
     前記第1導体パターンの第2端および前記第2導体パターンの第1端は、引回しパターンを介して前記アンテナ端子に接続され、
     前記引回しパターンは、前記第1導体パターンまたは前記第2導体パターンの少なくとも一方と磁界結合するように引回され、
     前記アンテナ素子は前記アンテナ端子に接続され、
     前記給電回路は前記給電端子に接続される、
    ことを特徴とする通信装置。
PCT/JP2016/055969 2015-03-11 2016-02-29 インピーダンス変換素子および通信装置 WO2016143570A1 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017504983A JP6195033B2 (ja) 2015-03-11 2016-02-29 インピーダンス変換素子および通信装置
CN201690000496.5U CN207490881U (zh) 2015-03-11 2016-02-29 阻抗变换元件以及通信装置
US15/662,325 US10263324B2 (en) 2015-03-11 2017-07-28 Impedance conversion element and communication device

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015-048099 2015-03-11
JP2015048099 2015-03-11

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
US15/662,325 Continuation US10263324B2 (en) 2015-03-11 2017-07-28 Impedance conversion element and communication device

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2016143570A1 true WO2016143570A1 (ja) 2016-09-15

Family

ID=56879999

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2016/055969 WO2016143570A1 (ja) 2015-03-11 2016-02-29 インピーダンス変換素子および通信装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10263324B2 (ja)
JP (1) JP6195033B2 (ja)
CN (1) CN207490881U (ja)
WO (1) WO2016143570A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018056101A1 (ja) * 2016-09-26 2018-03-29 株式会社村田製作所 アンテナ装置および電子機器
KR20180065905A (ko) * 2016-12-08 2018-06-18 한국전자통신연구원 통신 장치의 임피던스 정합 회로

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10432164B2 (en) * 2016-12-08 2019-10-01 Electronics And Telecommunications Research Institute Impedance matching circuit of communication apparatus

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012085250A (ja) * 2010-08-11 2012-04-26 Murata Mfg Co Ltd 周波数安定化回路、アンテナ装置及び通信端末機器
WO2012096365A1 (ja) * 2011-01-14 2012-07-19 株式会社村田製作所 Rfidチップパッケージ及びrfidタグ
US20140320252A1 (en) * 2013-04-29 2014-10-30 Skyworks Solutions, Inc. Low loss impedance transformers implemented as integrated passive devices and related methods thereof
WO2015068613A1 (ja) * 2013-11-05 2015-05-14 株式会社村田製作所 積層型コイル、インピーダンス変換回路および通信端末装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2469648A4 (en) * 2010-01-19 2013-05-01 Murata Manufacturing Co FREQUENCY STABILIZATION CIRCUIT, FREQUENCY STABILIZATION DEVICE, ANTENNA DEVICE, COMMUNICATION TERMINAL, AND IMPEDANCE TRANSFORMATION ELEMENT
JP4962629B2 (ja) * 2010-01-19 2012-06-27 株式会社村田製作所 高周波トランス、電子回路および電子機器
JP5454742B2 (ja) * 2011-05-31 2014-03-26 株式会社村田製作所 アンテナ装置および通信端末装置
WO2014024762A1 (ja) * 2012-08-09 2014-02-13 株式会社村田製作所 アンテナ装置および無線通信装置
CN104025379B (zh) * 2012-08-28 2016-01-27 株式会社村田制作所 天线装置及通信终端装置
WO2014050552A1 (ja) 2012-09-28 2014-04-03 株式会社村田製作所 インピーダンス変換回路および無線通信装置
CN104704678B (zh) 2012-09-28 2016-07-13 株式会社村田制作所 阻抗转换电路的设计方法
US9287629B2 (en) * 2013-03-15 2016-03-15 Murata Manufacturing Co., Ltd. Impedance conversion device, antenna device and communication terminal device

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012085250A (ja) * 2010-08-11 2012-04-26 Murata Mfg Co Ltd 周波数安定化回路、アンテナ装置及び通信端末機器
WO2012096365A1 (ja) * 2011-01-14 2012-07-19 株式会社村田製作所 Rfidチップパッケージ及びrfidタグ
US20140320252A1 (en) * 2013-04-29 2014-10-30 Skyworks Solutions, Inc. Low loss impedance transformers implemented as integrated passive devices and related methods thereof
WO2015068613A1 (ja) * 2013-11-05 2015-05-14 株式会社村田製作所 積層型コイル、インピーダンス変換回路および通信端末装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018056101A1 (ja) * 2016-09-26 2018-03-29 株式会社村田製作所 アンテナ装置および電子機器
JP6369666B1 (ja) * 2016-09-26 2018-08-08 株式会社村田製作所 アンテナ装置および電子機器
US10505267B2 (en) 2016-09-26 2019-12-10 Murata Manufacturing Co., Ltd. Antenna device and electronic apparatus
KR20180065905A (ko) * 2016-12-08 2018-06-18 한국전자통신연구원 통신 장치의 임피던스 정합 회로
KR102467950B1 (ko) * 2016-12-08 2022-11-17 한국전자통신연구원 통신 장치의 임피던스 정합 회로

Also Published As

Publication number Publication date
CN207490881U (zh) 2018-06-12
US10263324B2 (en) 2019-04-16
JPWO2016143570A1 (ja) 2017-10-12
US20170324158A1 (en) 2017-11-09
JP6195033B2 (ja) 2017-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8773232B2 (en) High-frequency transformer, high-frequency component, and communication terminal device
JP5999286B1 (ja) トランス型移相器、移相回路および通信端末装置
JP6070895B2 (ja) 積層型コイル素子、アンテナモジュール、および、無線通信モジュール
US9698831B2 (en) Transformer and communication terminal device
JP6388059B2 (ja) 移相器、インピーダンス整合回路および通信端末装置
WO2016114182A1 (ja) アンテナ整合回路、アンテナ装置および通信端末装置
US9893708B2 (en) Impedance conversion ratio setting method, impedance conversion circuit, and communication terminal apparatus
JP5700176B1 (ja) 高周波トランス、高周波部品および通信端末装置
US7579923B2 (en) Laminated balun transformer
WO2019017098A1 (ja) アンテナ結合素子、アンテナ装置および電子機器
JP6195033B2 (ja) インピーダンス変換素子および通信装置
KR20180006262A (ko) 코일 부품
JP6372609B2 (ja) 高周波トランス素子、インピーダンス変換素子およびアンテナ装置
JP2014107573A (ja) アンテナモジュール、rfモジュールおよび通信機器
JP2016100344A (ja) 高周波コイル装置
JP2001006941A (ja) 高周波トランスおよびインピーダンス変換器

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 16761540

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2017504983

Country of ref document: JP

Kind code of ref document: A

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE

122 Ep: pct application non-entry in european phase

Ref document number: 16761540

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1